説明

誘電体組成物及びこれを用いた積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板

【課題】誘電体組成物及びこれを用いた積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板を提供すること。
【解決手段】主成分として80wt%以上のBaTiOと、副成分として20wt%以下のCuBi及びZnO−B−SiO系ガラスを含む誘電体組成物と、セラミックシートの内部電極が印刷された複数のセラミックグリーンシートが積層されたセラミック積層体の内部に、複数の誘電体層と、前記誘電体層の間に形成され前記セラミックシートの内部電極に接続された複数のキャパシタの内部電極を含み、上記誘電体組成物を含む積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体組成物及びこれを用いた積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板に関するもので、より詳細には、高誘電率を示して低温焼成が可能な誘電体組成物及びこれを用いた積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子製品は小型化され、高周波数化される傾向がある。そこで、素子を表面実装素子チップ形態で基板の表面に実装させるのではなく、回路パターンの印刷された基板の内部に内蔵させることによって、製品全体としての体積を減らし、基板の集積度を高めることのできる技術が注目を浴びている。
【0003】
基板上に部品として存在していたチップ形態の素子を層形態(例えば、キャパシタ)で形成し基板内に内蔵させると、チップによる体積の増加を抑えることができる。また、キャパシタの場合は、チップ形態のキャパシタより層形態のキャパシタがより高周波特性(寄生インダクタンスが小さい)に優れているため、様々な方法を駆使してチップを基板内に内蔵させようという試みが行われている。
【0004】
印刷回路基板は、誘電層の素材の種類によって大きく2つに分けることができる。その一つとして、高分子有機素材を誘電層として用いるPCB(printed circuit board)が広く用いられており、PCBで回路パターンを形成する方法としてはメッキ法が用いられる。他方、セラミック素材を用いる基板は、主にスクリーンプリンティングで回路パターンを形成し、誘電層と電極を同時に焼成して作製する。通常、焼成工程は800℃以上で行われる。
【0005】
二つの基板は、材料と工程の面で非常に異なるものであるが、実際の製品は、多層に積層された積層体の間に回路パターンが形成された構造を有しており、それがほとんど類似しているため、応用範囲としては重なる部分が多い。しかし、上述したように、材料及び工程における技術内容が完全に異なるため、1つの技術をもって、2種類の基板に同様に適用されることは多くはない。
【0006】
セラミック基板にキャパシタを内蔵する場合、セラミックとガラスを含むセラミックグリーンシートの間にキャパシタ用誘電体層を形成し、内部電極を夫々形成して同時に焼成を行う。キャパシタにおいては、誘電率特性が重要な要素となるが、高誘電率及び環境的要因のために、従来使用されていた鉛(Pb)に代わってチタン酸バリウム(BaTiO)を誘電体層に用いる組成物の主成分として用いることができる。しかし、BaTiOの場合、低温焼成を誘導する焼成助剤を用いなければ、1400℃以上での焼成が可能になるに過ぎず、焼成助剤を用いたとしても1000℃以下での焼成は困難となる。
【0007】
キャパシタを内蔵するセラミック基板の場合、誘電率と焼成可能温度が重要である。セラミック基板の場合、セラミックシート内に電気導電性のよいAgまたはCuのような金属を印刷して電極を形成し、これを焼成して回路パターンが形成された基板を完成する。従って、セラミック基板の焼成温度は少なくともAg、Cuの融点より低くなければならない。しかし、キャパシタを内蔵する場合、内蔵されたキャパシタと共に焼成しなければならずその焼成温度は少なくともAg、Cuの融点より低くなければならないが、上述したように低い温度で焼成するとキャパシタの誘電体は焼成が未完成で、誘電率が低くなり得るという問題があった。
【0008】
そこで、低温焼成後にも高誘電率を示すことのできる積層セラミックキャパシタを内蔵する低温同時焼成セラミック基板を作製する技術の開発が求められていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した問題点に鑑みてなされたものであって、本発明は、高誘電率を示しながら低温焼成が可能な誘電体組成物及びこれを用いた積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板を提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の技術的課題を解決し目的を達成するために、本発明の一側面によれば、主成分として80wt%以上のBaTiOと、副成分として20wt%以下のCuBi及びZnO−B−SiO系ガラスと、を含む誘電体組成物が提供される。
【0011】
ここで、CuBiの含量は、BaTiOの重量全体に対して4wt%〜10wt%であることが好ましい。また、ZnO−B−SiO系ガラスの含量は、BaTiOの重量全体に対して1wt%〜5wt%であることが好ましい。
【0012】
特に、CuBiの含量は、BaTiOの重量全体に対して6wt%であって、ZnO−B−SiO系ガラスの含量は、BaTiOの重量全体に対して4wt%であることが好ましい。さらに、ZnO−B−SiO系ガラスにおけるZnOの含量は、ガラスの重量全体に対して50wt%以上90wt%以下となることが好ましい。
【0013】
主成分であるBaTiOの粒子の平均粒径は可能な限り小さなものが好ましいが、500nm以下とすることができる。また、誘電体組成物の焼成温度は600℃〜950℃であることが好ましい。
【0014】
本発明の他の側面によれば、セラミックシートの内部電極が印刷された複数のセラミックグリーンシートが積層されたセラミック積層体の内部に、複数の誘電体層、誘電体層の間に形成されセラミックシートの内部電極と電気的に接続された複数のキャパシタの内部電極を含み、誘電体層は主成分としてBaTiO80wt%と、副成分としてCuBi及びZnO−B−SiO系ガラスを20wt%含む誘電体組成物を含み、積層セラミックキャパシタを内蔵することを特徴とする積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板が提供される。
【0015】
セラミックシートの内部電極は、AgまたはCuのうちいずれかの金属が含まれることが好ましく、積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板は、焼成温度を600℃〜950℃とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明による誘電体組成物は1100℃以下で焼成が可能でありながらも高温絶縁抵抗の特性が良好である上、X5R特性を満たすことのできる誘電体が得られる。
【0017】
従って、このような誘電体組成物を用いて積層セラミックキャパシタを製造すると、比較的低温で焼成されたBaTiO誘電体層が均一に焼成され、これにより内部電極層と誘電体層間の焼成による収縮の不一致を減少させ、内部電極が固まるのを抑止でき、短絡発生率を最小化し、同時に静電容量を最大化することができるという効果を奏する。
【0018】
同様に、優れた電気的特性を有したまま、高温絶縁抵抗特性を大きく向上させてX5R特性を満たすことができる信頼性の高い積層セラミックキャパシタの製造が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、様々な形態及び態様に変更が可能であり、本発明の範囲が以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。本実施形態は、当該分野における通常の知識を有する者が本発明をより完全に理解するために提供されるものである。従って、図面における要素の形状及び大きさ等はより明確な説明のために誇張されることがある。
【0020】
本発明の一実施形態による誘電体組成物は、主成分として80wt%以上のBaTiOと、副成分として20wt%以下のCuBi及びZnO−B−SiO系ガラスを含む。
【0021】
本発明の実施例による誘電体組成物において、誘電率を改善するためにチタン酸バリウム(BaTiO)をセラミック充填剤として用いることができる。上述のように、従来では、所望の水準の誘電率を得るために鉛(Pb)を充填剤として用いていた。しかし、Pbが環境に対して及ぼす影響を考慮して、Pbの代わりにBaTiOをセラミック充填剤として用いる。
【0022】
充填剤の粒径は、誘電率及び低温焼成性に影響を与える。充填剤の粒径は小さいほど焼成が容易で、粒径が大きいと焼成が困難となる。従って、主成分であるBaTiOの平均粒径は500nm以下であることが好ましい。
【0023】
但し、BaTiOは低温焼成を誘導する焼成助剤を用いなければ1400℃以上で焼成が可能で、焼成助剤を用いても1000℃以下では焼成が困難であるため、本発明の一実施例によりCuBi及びZnO−B−SiO系ガラスをさらに含んだ誘電体組成物を製造する。
【0024】
誘電体組成物においては充填剤の含量を増加させることが、誘電率を高くする方法の1つとなる。しかしながら、充填剤が多く含まれると低温焼成が困難となることが問題となる。従って、BaTiOのほかに焼成温度をは低くするための成分を含ませることが必要となる。
【0025】
本発明の一実施例として、主成分であるBaTiO以外に、副成分としてCuBi及びZnO−B−SiOを用いることができる。副成分としてCuBiを用いることによって、焼成温度を800℃〜900℃以下におさえることができる。CuBiはCuO及びBiを混合して形成した結晶質のセラミック化合物である。
【0026】
ここで、CuBiの含量はBaTiOの重量全体に対して4wt%〜10wt%であることが好ましい。CuBiの含量が少なすぎても誘電体組成物全体の焼成温度への影響は微々たるものであるが、逆に高すぎると誘電率を低下させることとなる。
【0027】
また、副成分として、ZnO−B−SiO系ガラスを添加することができる。ZnO−B−SiO系ガラスは、誘電体組成物の焼成温度を低くおさえる役割を担う上、誘電損失をも抑えることができる。該ガラスの組成の中でも、ZnOの含量がガラスの重量全体に対して50wt%以上90wt%以下となることが好ましい。
【0028】
ZnO−B−SiO系ガラスの含量が、CuBiの含量のように少量であっても全体誘電体組成物の焼成温度の低下及び誘電損失の低下に及ぼす影響は微々たる物であるが、逆に多すぎると誘電率が低下することができる点を考慮して、これらの含量比を選択することができる。従って、ZnO−B−SiO系ガラスの含量は、BaTiOの重量全体に対して1wt%〜5wt%であることが好ましい。
【0029】
このうち、焼成温度を950℃以下のままで、誘電損失を最大限に低下させるためのCuBiの含量としては、BaTiOの重量全体に対して6wt%であって、ZnO−B−SiO系ガラスの含量は、BaTiOの重量全体に対して4wt%であることが好ましい。
【0030】
したがって、セラミック充填剤のBaTiOを主成分としてCuBiとZnO−B−SiO系ガラスを副成分として含む誘電体組成物は、BaTiOを主成分として用いたにも関わらず、その焼成温度を600℃〜950℃とすることができる。この温度でも本発明による誘電体組成物を焼成することが可能で、焼成により誘電体組成物は比較的に高い誘電率を示す。
【0031】
本発明による誘電体組成物を製造するために、主成分であるBaTiO、副成分であるCuBi及びZnO−B−SiO系ガラスを所定の含量に計量し、添加剤及び溶媒を適切に用いてスラリー状に形成して用いる。誘電体スラリーは、誘電体シートの形態として形成され積層される。このような誘電体組成物は、以下で説明する低温同時焼成セラミック基板内に積層セラミックキャパシタとして内蔵される。
【0032】
本発明の他の側面によれば、セラミックシートの内部電極が印刷された複数のセラミックグリーンシートが積層されたセラミック積層体の内部には、複数の誘電体層と、誘電体層の間に形成されセラミックシートの内部電極に電気接続された複数のキャパシタの内部電極とを含み、誘電体層は、主成分としてBaTiOを80wt%と、副成分としてCuBi及びZnO−B−SiO系ガラスを20wt%含む誘電体組成物を含む積層セラミックキャパシタを内蔵することを特徴とする積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板が提供される。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ(MLCC)内蔵型低温同時焼成セラミック(LTCC)基板100の断面図である。以下、図1を参照して説明するが、誘電体組成物は上述した説明と同一であるため、その説明は省略する。
【0034】
本発明のMLCC内蔵型LTCC基板100は、セラミックシートの内部電極121、122が印刷された複数のセラミックグリーンシート111、112、113、114が積層されたセラミック積層体110の内部に積層セラミックキャパシタ130を内蔵している。
【0035】
セラミックシートの内部電極121、122は、セラミックグリーンシート111、112、113、114間を電気的に接続し、セラミックグリーンシート及び積層セラミックキャパシタ130を電気的に接続すると共にMLCC内蔵型LTCC基板100と外部電源を接続するための電極である。但し、MLCC内蔵型LTCC基板100は、セラミックシートの内部電極のうち、その一部が外部表面に露出した内部電極121に対しては、外部電極(不図示)を形成して外部電源との接続を行うことができる。
【0036】
図1を参照すると、セラミックシートの内部電極は、ビア形態の電極121及びパッド形態の電極122を含む。また、MLCC内蔵型LTCC基板100は、積層セラミックキャパシタ130のキャパシタの内部電極141、142、143、144、145をパッド形態のセラミックシートの内部電極122に接続するためのキャパシタの外部接続電極151、152を含む。
【0037】
ここで、セラミックシートの内部電極121、122及びキャパシタの外部接続電極151、152は、AgまたはCuのうちいずれかの金属を含むことが好ましい。Ag及びCuは、金属のうちでも導電性に最も優れた性能を有する金属で、本発明による低温焼成セラミック基板のように600℃〜950℃で焼成が行われる場合、優れた導電性を有しながら低温焼成時に不利な影響を受けず、好ましい金属電極として用いられる。
【0038】
セラミックグリーンシート111、112、113、114は、セラミック充填剤及びガラス成分を含む。セラミックグリーンシート111、112、113、114に用いることができるセラミック充填剤は、低温焼成を考慮し低温で焼成されることのできる充填剤であることが好ましいが、そうでない場合にもガラス成分の焼成による粘性の流動によって緻密化が可能である。セラミック充填剤としては、アルミナまたは二酸化チタンを用いることができ、ガラスはB、SiO、Al及びCaOを含むガラスが用いられる。
【0039】
セラミックグリーンシート111、112、113、114は、セラミック充填剤、ガラス、及びこれらを結合させるための結合剤を溶媒に混合し、シート状に形成する。セラミックグリーンシート111、112、113、114にはこのような成分の他にも物性を向上させるための分散剤等の添加剤が添加され得る。
【0040】
積層セラミックキャパシタ130には、複数の誘電体シート131、132、133、134、135、136、各誘電体シート131、132、133、134、135、136の間に形成され、セラミックシートの内部電極121、122と接続される複数のキャパシタの内部電極141、142、143、144、145とが含まれる。
【0041】
誘電体シート131、132、133、134、135、136は、主成分としてBaTiOを80wt%含み、副成分としてCuBi及びZnO−B−SiO系ガラスを20wt%含む誘電体組成物が含まれる。
【0042】
これによって、主成分であるBaTiOの高温で焼成されるという特性を抑止して低温焼成を可能としながら、高い誘電率を示すMLCC内蔵型LTCC基板100を得ることができる。本発明によるMLCC内蔵型LTCC基板100は、通常の低温同時焼成セラミック基板のように焼成温度を600℃〜950℃とすることができる。
【0043】
キャパシタの内部電極141、142、143、144、145は、導電性の高い金属を含むことができるが、例えば、Ag、CuまたはNiのうちいずれかの金属を含むことができる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。本発明の実施例では、本発明の実施形態により誘電体組成物の焼成温度、誘電率及び誘電損失(Df)を測定した。
【0045】
先ず、比較例として、CuBiまたはZnO−B−SiOのうちいずれかの副成分のみが添加された誘電体組成物を用いて焼成温度、誘電率及び誘電損失(Df)の測定を行った。その比較例1〜10の結果を表1に示した。各比較例による誘電体組成物に対して、焼成温度、誘電率及び誘電損失(Df)の測定を2回ずつ行った。
【0046】
【表1】

【0047】
次に、実施例1〜実施例32では、CuBi及びZnO−B−SiOをいずれも用いる方法によって誘電体組成物を製造し、焼成温度、誘電率及び誘電損失(Df)について測定を行った。各実施例の結果について、表2に示す。各実施例において、組成の異なる誘電体組成物に対して、焼成温度、誘電率及び誘電損失(Df)の測定を2回ずつ行った。
【0048】
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【0049】
表1を参照すると、比較例1〜5はZnO−B−SiOを添加せず、CuBiのみを添加して誘電体組成物を製造し、比較例6〜10はCuBiを添加せずZnO−B−SiOのみを添加して誘電体組成物を製造したが、焼成温度は全て950℃以下と測定された。しかし、比較例においては、誘電率が500以下という低い値を示すか、誘電損失が10%以上となる値が示され、いずれかの添加剤のみを使用した場合では誘電率に優れた特性を示さないことが分かった。
【0050】
実施例1〜実施例32はCuBi及びZnO−B−SiOを共に用いた他結果であるが、表2−1〜表2−3によれば、焼成温度は950℃以下と比較的低温を示しながら、誘電率は500以上、誘電損失は平均的に10%程度を示した。この結果から、添加剤を同時に用いると、誘電体組成物の焼成温度を低く抑えたままで誘電率を高くし、誘電損失を低くすることができるという優れた特性の誘電体組成物を製造することができることが確認できた。
【0051】
図2は、本発明の一実施例による誘電体組成物の焼成後のSEM写真である。図2を参照すると、該誘電体組成物をCuBi6wt%、ZnO−B−SiO4wt%の組成を有するよう、BaTiO粉末に添加して製造し、925℃の温度で焼成した微細構造が表れている。図2のSEM写真からは、粒子形態の変化が起こると共に緻密化されたことを確認することができた。従って、本発明による誘電体組成物を用いた結果950℃以下の低温で焼成が可能であることが確認できた。
【0052】
本発明は、上述の実施形態及び添付の図面により限定されるものではなく、上記の特許請求の範囲によって解釈されるべきである。また、本発明に対して特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な形態への置換、変形及び変更が可能であるということは当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明なことである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施例による積層セラミックキャパシタの断面図である。
【図2】本発明の一実施例による誘電体組成物の焼成後のSEM写真である。
【符号の説明】
【0054】
100 MLCC内蔵型LTCC基板
110 セラミック積層体
111、112、113、114 セラミックグリーンシート
121、122 内部電極
130 積層セラミックキャパシタ
131、132、133、134、135、136 誘電体シート
141、142、143、144、145 キャパシタの内部電極
151、152 キャパシタの外部接続電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主成分として80wt%以上のBaTiOと、
副成分として20wt%以下のCuBi及びZnO−B−SiO系ガラスと、
を含むことを特徴とする誘電体組成物。
【請求項2】
前記CuBiの含量は、前記BaTiOの重量全体に対して4wt%〜10wt%であることを特徴とする請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項3】
前記ZnO−B−SiO系ガラスの含量は、前記BaTiOの重量全体に対して1wt%〜5wt%であることを特徴とする請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項4】
前記CuBiの含量は、前記BaTiOの重量全体に対して6wt%であって、前記ZnO−B−SiO系ガラスの含量は、前記BaTiOの重量全体に対して4wt%であることを特徴とする請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項5】
前記ZnO−B−SiO系ガラスにおけるZnOの含量は、前記ガラスの重量全体に対して50wt%以上90wt%以下であることを特徴とする請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項6】
前記BaTiOの粒子の平均粒径が、500nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項7】
600℃〜950℃の焼成温度で焼成されたことを特徴とする請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項8】
セラミックシートの内部電極が印刷された複数のセラミックグリーンシートが積層されたセラミック積層体の内部に、複数の誘電体層、前記誘電体層の間に形成され前記セラミックシートの内部電極と電気的に接続された複数のキャパシタの内部電極を含み、
前記誘電体層は、主成分としてBaTiOを80wt%と、副成分としてCuBi及びZnO−B−SiO系ガラスを20wt%含む誘電体組成物を含む積層セラミックキャパシタを内蔵することを特徴とする積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板。
【請求項9】
前記CuBiの含量は、前記BaTiOの重量全体に対して4wt%〜10wt%であることを特徴とする請求項8に記載の積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板。
【請求項10】
前記ZnO−B−SiO系ガラスの含量は、前記BaTiOの重量全体に対して1wt%〜5wt%であることを特徴とする請求項8に記載の積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板。
【請求項11】
前記セラミックシートの内部電極は、AgまたはCuのうちいずれかの金属を含むことを特徴とする請求項8に記載の積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板。
【請求項12】
600℃〜950℃の焼成温度で焼成されたことを特徴とする請求項8に記載の積層セラミックキャパシタ内蔵型低温同時焼成セラミック基板。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−132606(P2009−132606A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304509(P2008−304509)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】