説明

車両挙動制御装置

【課題】 センサ類に故障が生じた場合においても、過大な目標制御量の出力を抑制できるようにした車両挙動制御装置を提供する。
【解決手段】 制御量ベース値Dbaseの絶対値|Dbase|が配分トルクリミット値Tdlimを継続して超え、ステップS29の判定がYesとなった場合、ATTS−ECU16は、ステップS30で配分トルクリミット値Tdlimを目標制御量Dtgtとして処理を終了する。なお、この際、制御量ベース値Dbaseの値が負であった場合には、トルクリミット値Tdlimに−1を乗じることによって、目標制御量Dtgtの符号を制御量ベース値Dbaseに一致させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ類に故障が生じた場合においても、過大な目標制御量の出力を抑制できるようにした車両挙動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の走行安定性等を向上させる車両挙動制御装置としては、ABS(Anti-lock Breaking System)およびTCS(Traction Control System)に旋回時における横滑りの抑制機能等を加えたVSA(Vehicle Stability Assist system:車両挙動安定化制御システム:特許文献1参照)や、旋回能力の向上を図るべく左右駆動輪間での駆動力配分を連続的に変化させるATTS(Active Torque Transfer System:左右駆動力配分装置:特許文献2参照)、高速走行時における操縦安定性の向上や車庫入れ時における旋回半径の縮小等を実現するRTC(Rear Toe Control system:後輪操舵システム:特許文献3参照)等が存在する。
【0003】
これら車両挙動制御装置では、例えば、ヨーレイトフィードバック項およびスリップ角速度フィードバック項に基づくフィードバック制御を行うことで、各車輪の制動力、左右駆動輪間での駆動力配分、左右後輪のトー角の目標制御量を設定してアクチュエータをフィードバック制御する。通常、ヨーレイトフィードバック項は、前輪操舵角や車速に基づき規範ヨーレイトを設定し、規範ヨーレイトとヨーレイトセンサによって検出された実ヨーレイトとの差にフィードバックゲインを乗じることで求められる。また、スリップ角速度フィードバック項は、規範ヨーレイトや前輪操舵角、車速に基づき目標スリップ角速度を設定し、目標スリップ角速度と実ヨーレイトおよび横加速度から求めた推定スリップ角速度との差にフィードバックゲインを乗じることで求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−284485号公報
【特許文献2】特許第3340038号
【特許文献3】特公平5−33193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した車両挙動制御装置では、各種センサ(操舵角センサ、車速センサ、ヨーレイトセンサ、横加速度センサ)のいずれか1つでも故障すると、ヨーレイトフィードバック項やスリップ角速度フィードバック項がいたずらに増大し、適切な挙動制御が行えなくなることがあった。そこで、車両挙動制御装置を搭載した自動車では、センサの出力信号等に基づく故障診断を常時行い、故障確定時点で挙動制御を中止することが多い。しかしながら、この方法を採用した場合、センサの故障が確定されると旋回能力等が大幅に低下することから、故障診断に比較的長時間を掛けて誤診断の確率を減少させるている。したがって、実際にセンサが故障しても所定期間(故障が確定されるまでの間)は過大な目標制御量が継続して出力され、オーバステアやアンダステアが強まることで運転者が違和感を覚える虞があった。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みなされたもので、センサ類に故障が生じた場合においても、過大な目標制御量の出力を抑制できるようにした車両挙動制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る車両挙動制御装置は、車両の互いに異なる挙動物理量に対応してそれぞれ設置され、当該挙動物理量の検出に供される複数の挙動物理量検出手段と、前記挙動物理量の少なくとも1つに基づき、車両の目標運動状態量を設定する目標運動状態量設定手段と、前記挙動物理量の少なくとも1つに基づき、車両の実運動状態量を設定する実運動状態量設定手段と、前記目標運動状態量と前記実運動状態量とに基づき、車両挙動制御の目標制御量を設定する目標制御量設定手段とを有する車両挙動制御装置において、前記複数の挙動物理量検出手段の検出結果に基づき、互いに比較可能な複数の比較物理量を設定する比較物理量設定手段と、前記複数の比較物理量から絶対値の最も小さなものを最小比較物理量として選択する最小物理量選択手段と、前記最小比較物理量に基づき、前記目標制御量の上限値を設定する目標制御量制限手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、第2の発明は、第1の発明に係る車両挙動制御装置において、前記挙動物理量の1つが車速であり、前記目標制御量制限手段は、前記上限値を車速に応じて設定することを特徴とする。
【0009】
また、第3の発明は、第1または第2の発明に係る車両挙動制御装置において、前記目標制御量制限手段は、前記目標制御量が前記上限値を上回ることを所定回数まで許容することを特徴とする。
【0010】
また、第4の発明は、第1〜第3の発明に係る車両挙動制御装置において、前記挙動物理量は、前輪操舵角とヨーレイトと車速と横加速度とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、センサ類に故障が生じた場合にも、旋回走行時等に過大な目標制御量が出力され難くなり、オーバステアやアンダステアによる違和感を運転者が覚えることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係る車両の装置構成を示す平面図である。
【図2】実施形態に係るATTS−ECUの概略構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係る制御量制限処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係る駆動力配分制御の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施形態に係る制御量制限処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】実施形態に係る最小比較物理量−配分トルクリミット値マップである。
【図7】実施形態に係る車速−配分トルクリミット値マップである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、ATTSを搭載したFF(フロントエンジン・フロントドライブ)式4輪自動車(以下、単に自動車と記す)に本発明を適用した2つの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
[実施形態]
図1は実施形態に係る自動車の装置構成を示す平面図であり、図2は実施形態に係るATTS−ECUの概略構成を示すブロック図であり、図3は実施形態に係る目標駆動力配分設定部の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
≪実施形態の構成≫
<車両の装置構成>
先ず、図1を参照して、自動車の装置構成について説明する。説明にあたり、4本の車輪やそれらに対応して配置された部材については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して例えば車輪4fl(左前)、車輪4fr(右前)、車輪4rl(左後)、車輪4rr(右後)と記すとともに、総称する場合には例えば車輪4と記す。
【0016】
図1に示すように、自動車1は、車体2の前後左右に、タイヤ3が装着された4つの車輪4を有しており、操舵アシストを行うEPS(Electric Power Steering:電動パワーステアリング)11と、左右前輪4fl,4fr(左右ドライブシャフト5fl,5fr)に対して駆動力を可変配分するATTS13と、ATTS13を駆動制御するATTS−ECU16とを搭載している。
【0017】
自動車1は、車輪速を検出する車輪速センサ21を各車輪4ごとに備える他、ステアリングホイール7の操舵角を検出する操舵角センサ22、車体2の実ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ23、車体2の横加速度を検出する横Gセンサ24等を適所に有している。
【0018】
ATTS13は、各一対の遊星歯車機構および油圧クラッチ、油圧クラッチを駆動制御する油圧制御弁等から形成されており、ATTS−ECU16からの駆動電流に応じて左右前輪4fl,4frに対する駆動力の配分を連続的に変化させる。ATTS−ECU16は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線(本実施形態では、CAN(Controller Area Network))を介して、他の各種制御装置やATTS13、各センサ21〜24と接続されている。
【0019】
<ATTS−ECU>
図2に示すように、ATTS−ECU16は、図示しない入出力インタフェースの他、車速推定部41と、規範ヨーレイト設定部42と、目標スリップ角速度設定部43と、スリップ角速度算出部44と、ヨーレイト減算器45と、ヨーレイトFB(フィードバック)ゲイン乗算部46と、スリップ角速度減算器47と、スリップ角速度FBゲイン乗算部48と、FB項合算部49と、制御量設定部50と、制御量制限処理部51とを備えている。
【0020】
車速推定部41は、各車輪4の車輪速に基づき、自動車1の車速Vを推定する。規範ヨーレイト設定部42は、操舵角δおよび車速Vに基づき、規範ヨーレイトγrefを設定する。目標スリップ角速度設定部43は、規範ヨーレイトγrefと操舵角δと車速Vとに基づき、目標スリップ角速度βdtgtを設定する。スリップ角速度算出部44は、横加速度Gyと車速Vと実ヨーレイトγとに基づき、下式によってスリップ角速度βdを算出する。
βd=(Gy/V)−γ
【0021】
ヨーレイト減算器45は、規範ヨーレイトγrefから実ヨーレイトγを減算することにより、ヨーレイト差Δγを算出する。ヨーレイトFBゲイン乗算部46は、ヨーレイト差ΔγにヨーレイトFBゲインGγfbを乗算することにより、ヨーレイトFB項γFBを出力する。スリップ角速度減算器47は、目標スリップ角速度βdtgtからスリップ角速度βdを減算することにより、スリップ角速度差Δβdを出力する。スリップ角速度FBゲイン乗算部48は、スリップ角速度差Δβdにスリップ角速度FBゲインGβdfbを乗算することにより、スリップ角速度FB項βdFBを出力する。FB項合算部49は、ヨーレイトFB項γFBとスリップ角速度FB項βdFBとを合算することにより、FB合算項SFBを出力する。制御量設定部50は、FB合算項SFBに変換係数m2trqを乗じることにより、制御量ベース値Dbaseを出力する。ここで、変換係数m2trqは、ヨーモーメントから左右ドライブシャフト5fl,5frの差トルクを求める係数であり、車体慣性ヨーモーメントIzとタイヤ外径RwとフロントトレッドTfとを用いて下式によって表される。
m2trq=Iz・Rw・2/Tf
【0022】
(制御量制限処理部)
図3に示すように、制御量制限処理部51は、車速Vと規範ヨーレイトγrefとを乗じたものを第1比較物理量ABS1として設定する第1比較物理量設定部61と、車速Vと実ヨーレイトγとを乗じたものを第2比較物理量ABS2として設定する第2比較物理量設定部62と、横加速度Gyを第3比較物理量ABS3として設定する第3比較物理量設定部63と、第1〜第3比較物理量ABS1〜ABS3のうち絶対値の最も小さいものを最小比較物理量ABSminとして選択する最小物理量選択部64と、車速Vと最小比較物理量ABSminとから制限マップを設定する制限マップ設定部65と、制限マップと制御量ベース値Dbaseとから目標制御量Dtgtを設定する目標制御量設定部66とを備えている。
【0023】
≪実施形態の作用≫
<駆動力配分制御>
自動車1が走行を開始すると、ATTS−ECU16は、図4のフローチャートにその手順を示す駆動力配分制御を所定の制御間隔(例えば、10ms)をもって繰り返し実行する。
【0024】
駆動力配分制御を開始すると、ATTS−ECU16は先ず、図4のステップS1で規範ヨーレイトγrefと実ヨーレイトγとに基づいてヨーレイトFB項γFBを算出した後、ステップS2で目標スリップ角速度βdtgtとスリップ角速度βdとに基づいてスリップ角速度FB項βdFBを算出する。次に、ATTS−ECU16は、ステップS3で、ヨーレイトFB項γFBとスリップ角速度FB項βdFBとを和すことにより、FB合算項SFBを設定する。
【0025】
次に、ATTS−ECU16は、ステップS4で、FB合算項SFBに変換係数m2trqを乗じることにより、制御量ベース値Dbaseを設定する。次に、ATTS−ECU16は、ステップS5で制御量ベース値Dbaseに対して後述の制御量制限処理を行うことによって目標制御量Dtgtを設定した後、ステップS6で目標制御量Dtgtに基づいてATTS13への目標駆動電流Itgtを設定/出力する。
【0026】
<制御量制限処理>
ATTS−ECU16は、上述した駆動力配分制御と並行して、図5のフローチャートにその手順を示す制御量制限処理を実行する。
制御量制限処理を開始すると、ATTS−ECU16は、図5のステップS21で第1〜第3比較物理量ABS1〜ABS3をそれぞれ設定する。本実施形態の場合、ATTS−ECU16は、車速Vと規範ヨーレイトγrefとを乗じたものを第1比較物理量ABS1として設定し、車速Vと実ヨーレイトγとを乗じたものを第2比較物理量ABS2として設定し、横加速度Gyをそのまま第3比較物理量ABS3として設定する。第1〜第3比較物理量ABS1〜ABS3は、いずれも同一の次元(m/S)を含むとともに、略同様の大きさを有する値となる。次に、ATTS−ECU16は、ステップS22で、第1〜第3比較物理量ABS1〜ABS3の絶対値|ABS1|,|ABS2|,|ABS3|のうち、値の最も小さなものを最小比較物理量ABSminとして選択する。
【0027】
次に、ATTS−ECU16は、ステップS23で、最小比較物理量ABSminに基づき、図6の最小比較物理量−配分トルクリミット値マップから各車速Vにおける配分トルクリミット値Tdlimを検索する。図6から判るように、配分トルクリミット値Tdlimの値は、最小比較物理量ABSminが判定閾値Gthを下回ると小さくなるが、車速VがV1(例えば、20km/h)以下の領域では駆動力配分制御による影響が小さいために最小比較物理量ABSminの値に拘わらず一定であり(制限がかけられず)、車速Vが上昇するに連れて減少幅が大きくなる。判定閾値Gthは、通常の運転状態において、各センサ21〜24のいずれかが故障した場合にはじめて最小比較物理量ABSminを下回るように設定されている。
【0028】
次に、ATTS−ECU16は、ステップS24で、現在の最小比較物理量ABSminに対応する車速−配分トルクリミット値マップ(図7)を設定する。最小比較物理量ABSminが所定の判定閾値Gthを下回っていた場合、図7に示すように、車速VがV1を超えるに連れて配分トルクリミット値Tdlimが急激に小さくなる。これは、車速が高いほど駆動力配分制御の影響が大きくなり、運転者が覚える違和感が無視し得なくなるためである。
【0029】
次に、ATTS−ECU16は、ステップS25で、制御量ベース値Dbaseの絶対値|Dbase|が現在の車速Vにおける配分トルクリミット値Tdlimを超えたか否かを判定し、この判定がNoであれば、ステップS26で後述する進入カウンタCntを0にリセットした後、ステップS27で制御量ベース値Dbaseをそのまま目標制御量Dtgtとして処理を終了する。
【0030】
一方、ステップS25の判定がYesであった場合、ATTS−ECU16は、ステップS28で進入カウンタCntを1だけインクリメントした後、ステップS29で進入カウンタCntの値が所定の判定閾値Cth(例えば、5)以上となったか否かを判定する。ステップS29の初回の判定はNoとなるため、ATTS−ECU16は、ステップS27で制御量ベース値Dbaseを目標制御量Dtgtとして処理を終了する。ここで、進入カウンタCntを設ける理由は、制御量ベース値Dbaseの絶対値|Dbase|が配分トルクリミット値Tdlimを超えても、それが運転者の急激な操舵等による瞬間的にものであった場合には、挙動制御を制限することによる違和感の方が大きいためである。
【0031】
制御量ベース値Dbaseの絶対値|Dbase|が配分トルクリミット値Tdlimを継続して超え、ステップS29の判定がYesとなった場合、ATTS−ECU16は、ステップS30で配分トルクリミット値Tdlimを目標制御量Dtgtとして処理を終了する。なお、この際、制御量ベース値Dbaseの値が負であった場合には、トルクリミット値Tdlimに−1を乗じることによって、目標制御量Dtgtの符号を制御量ベース値Dbaseに一致させる。これにより、各センサ21〜24が故障した場合にも、旋回走行時等における過大な駆動力配分が時間遅れなく防止され、運転者が違和感を憶えることが効果的に抑制される。
【0032】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態はATTSの制御に本発明を適用したものであるが、VSAやRTC等の制御にも当然に適用可能である。また、上記実施形態では、挙動物理量として車輪速(車速)と操舵角と実ヨーレイトと横加速度とを挙げたが、前後加速度や上下加速度等、他の挙動物理量を採用してもよい。また、上記実施形態では比較物理量を横加速度の次元に合わせるようにしたが、他の次元に合わせるようにしてもよい。また、車両の具体的構成や制御の具体的手順等についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 自動車(車両)
2 車体
4 車輪
13 ATTS
16 ATTS−ECU(車両挙動制御装置)
21 車輪速センサ(挙動物理量検出手段)
22 操舵角センサ(挙動物理量検出手段)
23 ヨーレイトセンサ(挙動物理量検出手段,実運動状態量設定手段)
24 横Gセンサ(挙動物理量検出手段)
44 スリップ角速度算出部(実運動状態量設定手段)
50 制御量設定部(目標運動状態量設定手段)
51 制御量制限処理部(目標制御量制限手段)
61 第1比較物理量設定部(比較物理量設定手段)
62 第2比較物理量設定部(比較物理量設定手段)
63 第3比較物理量設定部(比較物理量設定手段)
64 最小物理量選択部(最小物理量選択手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の互いに異なる挙動物理量に対応してそれぞれ設置され、当該挙動物理量の検出に供される複数の挙動物理量検出手段と、
前記挙動物理量の少なくとも1つに基づき、車両の目標運動状態量を設定する目標運動状態量設定手段と、
前記挙動物理量の少なくとも1つに基づき、車両の実運動状態量を設定する実運動状態量設定手段と、
前記目標運動状態量と前記実運動状態量とに基づき、車両挙動制御の目標制御量を設定する目標制御量設定手段とを有する車両挙動制御装置において、
前記複数の挙動物理量検出手段の検出結果に基づき、互いに比較可能な複数の比較物理量を設定する比較物理量設定手段と、
前記複数の比較物理量から絶対値の最も小さなものを最小比較物理量として選択する最小物理量選択手段と、
前記最小比較物理量に基づき、前記目標制御量の上限値を設定する目標制御量制限手段と
を備えたことを特徴とする車両挙動制御装置。
【請求項2】
前記挙動物理量の1つが車速であり、
前記目標制御量制限手段は、前記上限値を車速に応じて設定することを特徴とする、請求項1に記載された車両挙動制御装置。
【請求項3】
前記目標制御量制限手段は、前記目標制御量が前記上限値を上回ることを所定回数まで許容することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載された車両挙動制御装置。
【請求項4】
前記挙動物理量は、前輪操舵角とヨーレイトと車速と横加速度とを含むことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載された車両挙動制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−5903(P2011−5903A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149635(P2009−149635)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】