説明

車両用情報提供装置及び車線維持制御装置

【課題】センターラインの変更に伴って通行区分が変更された道路を適切に検出して情報提供を行なうことが可能な車両用情報提供装置を提供すること、及び、センターラインの変更に伴って通行区分が変更された道路を適切に検出して車線維持制御を行なうことが可能な車線維持制御装置を提供すること。
【解決手段】センターラインの変更に関する情報を取得する変更情報取得手段を備え、
変更情報取得手段により取得されたセンターラインの変更に関する情報に基づいて、情報提供を行なうことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用情報提供装置及び車線維持制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的地に至る推奨経路を、推奨される車線を含めて設定し、この推奨経路を自車両が逸脱した際に警報を行なう地図表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、片側複数車線の道路において、原則として通行区分に反しない車線変更を許容する一方で、右左折する予定の交差点の手前では、最右側車線や最左側車線を走行していない場合に警告を行なう、等の制御を行なっている。
【特許文献1】特開2000−266560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の装置は、センターラインの変更に伴って通行区分が変更された道路を走行する場合についての考慮がなされていない。実際の交通では、時間帯によってセンターラインが変更される道路や、事故や道路工事等によって車線が制限又は変更された道路が存在する。ところが、上記の装置では、こうした通行区分が変更された道路を適切に検出するものではないため、通行区分に反して自車両が走行している場合でも警告が行なわれなかったり、逆に不必要な警告が行なわれたりする場合が生じ得る。
【0004】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、センターラインの変更に伴って通行区分が変更された道路を適切に検出して情報提供を行なうことが可能な車両用情報提供装置を提供すること、及び、センターラインの変更に伴って通行区分が変更された道路を適切に検出して車線維持制御を行なうことが可能な車線維持制御装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、センターラインの変更に関する情報を取得する変更情報取得手段を備え、変更情報取得手段により取得されたセンターラインの変更に関する情報に基づいて、情報提供を行なうことを特徴とする車両用情報提供装置である。ここで、センターラインの変更には、時間帯によって変更されるものや、事故や工事などによるものがある。
【0006】
この本発明の第1の態様によれば、センターラインの変更に関する情報を取得する変更情報取得手段を備え、変更情報取得手段により取得されたセンターラインの変更に関する情報に基づいて、情報提供を行なうから、センターラインの変更に伴って通行区分が変更された道路を適切に検出して情報提供を行なうことができる。
【0007】
この本発明の第1の態様において、変更情報取得手段は、例えば、地図データベースに記憶された情報に基づいて、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である。
【0008】
また、この本発明の第1の態様において、変更情報取得手段は、例えば、基地局と路車間通信を行なう通信手段を有し、該通信手段が行なった路車間通信により得られた情報に基づいて、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である。
【0009】
また、この本発明の第1の態様において、変更情報取得手段は、例えば、自車両周辺を撮像する撮像手段を有し、該撮像手段が撮像した画像に基づいて、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である。この場合、変更情報取得手段は、例えば、撮像手段が撮像した画像に基づいて、自車両前方におけるセンターラインを表す標識、又は道路に配設されたセンターラインを表す発光体を検知して、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である。
【0010】
また、この本発明の第1の態様において、変更情報取得手段は、例えば、道路に埋設された磁気マーカーの位置を検出する磁気マーカー検出手段を有し、磁気マーカー検出手段が検出した磁気マーカーの位置に基づいて、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である。
【0011】
また、この本発明の第1の態様において、変更情報取得手段は、例えば、自車両周辺の移動体を検出するレーダー装置を有し、該レーダー装置が検出した自車両周辺の移動体の移動方向に基づいて、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である。
【0012】
また、この本発明の第1の態様において、自車両の走行車線を検出する走行車線検出手段を備え、センターラインの変更に伴って自車両の走行方向と反対の方向に通行区分が変更された車線を、自車両が走行していることを車線検出手段が検出した場合に、情報提供を行なうものとしてもよい。
【0013】
また、この本発明の第1の態様において、自車両の走行車線を検出する走行車線検出手段を備え、センターラインの変更に伴って自車両の走行方向と同じ方向に通行区分が変更された車線を、自車両が走行していることを車線検出手段が検出した場合に、情報提供を行なうものとしてもよい。
【0014】
また、この本発明の第1の態様において、自車両の走行車線を検出する走行車線検出手段と、自車両の車線変更を予測する車線変更予測手段と、を備え、センターラインの変更に伴って自車両の走行方向と反対の方向に通行区分が変更された車線に、自車両が車線変更することが車線変更予測手段により予測された場合に、情報提供を行なうものとしてもよい。
【0015】
また、この本発明の第1の態様において、自車両の走行車線を検出する走行車線検出手段と、自車両の車線変更を予測する車線変更予測手段と、を備え、センターラインの変更に伴って自車両の走行方向と同じ方向に通行区分が変更された車線に、自車両が車線変更することが前記車線変更予測手段により予測された場合に、情報提供を行なうものとしてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様は、センターラインの変更に関する情報を取得する変更情報取得手段を備え、変更情報取得手段により取得されたセンターラインの変更に関する情報に基づいて、車線維持制御を行なうことを特徴とする車線維持制御装置である。
【0017】
この本発明の第2の態様によれば、センターラインの変更に関する情報を取得する変更情報取得手段を備え、変更情報取得手段により取得されたセンターラインの変更に関する情報に基づいて、車線維持制御を行なうから、センターラインの変更に伴って通行区分が変更された道路を適切に検出して車線維持制御を行なうことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、センターラインの変更に伴って通行区分が変更された道路を適切に検出して情報提供を行なうことが可能な車両用情報提供装置を提供すること、及び、センターラインの変更に伴って通行区分が変更された道路を適切に検出して車線維持制御を行なうことが可能な車線維持制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0020】
以下、図1〜3を用いて、本発明に係る車両用情報提供装置の一実施例について説明する。図1は、本発明の第1実施例に係る車両用情報提供装置1の全体構成の一例を示す図である。図示する如く、車両用情報提供装置1は、主要な構成として、前方カメラ10と、前方画像処理装置15と、後方カメラ20と、後方画像処理装置25と、車速センサー30と、操舵角センサー40と、通信装置50と、ナビゲーション装置60と、を備える。なお、以下の説明における車両内の機器間の通信は、CAN(Controller Area Network)等の適切なシリアル通信プロトコルを用いて行なわれる。
【0021】
前方カメラ10及び前方画像処理装置15は、例えば、ウインドシールド中央上部に配設される。前方カメラ10は、例えば、CMOSカメラであり、車両前方の斜め下方に向いた光軸を有し、車両の略前方数十[m]までの範囲に亘って道路を撮像する。前方画像処理装置15は、例えば、CPUを中心とするコンピューターであり、ROMやRAM等の記憶手段を備える。前方画像処理装置15は、前方カメラ10が撮像した画像を通信により入力し、これを処理することにより車線及び車線上の自車両の位置(例えば、車両中心部の車線中央からの乖離等と定義できる)を認識すると共に、時間帯によって変更されるセンターラインの位置及び各車線の通行区分(走行すべき方向)を認識する。なお、前方カメラ10及び前方画像処理装置15は、周知の車線維持支援制御(レーンキーピングアシスト)や車線逸脱警報制御(レーンデパーチャワーニング)に用いられる車線認識用のカメラ装置と共用されてよい。
【0022】
図2は、前方カメラ10が撮像する画像の一例である。図示する如く、自車両は、三車線の道路を走行しており、現在の時刻においては、自車両の走行する方向が二車線となっている。
【0023】
車線の認識は、前方カメラ10が撮像した画像に基づいて2値化処理や特徴点抽出処理を行うことにより、道路上の道路区画線(白線や黄線、破線、ボッツドッツ等)に該当すると考えられる画素(道路区画線候補点)を選出し、選出した道路区画線候補点のうち直線的に並んだものを道路区画線であると認識する。そして、道路区画線で画成される領域を車線であると認識する。なお、この他にも、種々の手法により道路区画線及び車線を認識することが可能である。例えば、路肩や中央分離帯をパターンマッチング等の手法により検出してこれを加味してもよい。また、前方に道路区画線が存在しない領域(交差点手前等)においては、後方カメラ20が撮像した画像により後方画像処理装置が認識した車線により補完される。
【0024】
車線上の自車両の位置の認識は、前方カメラ10からの画像の最手前部の中心Mから左右の道路区画線へのオフセットx1,x2を求め、これらの比率に所定の係数を乗じること等により計算することができる。
【0025】
時間帯によって変更されるセンターラインの位置の認識は、道路上方に設けられた中央線(センターライン)を示す標識(図2参照)や、道路に埋設されてセンターラインの位置を示す発光体(図2参照)を認識して行なう。具体的には、パターンマッチング等の手法により検出された中央線を示す標識から、道路に対して鉛直下方向に引いた線上に存在する道路区画線(走行車線を認識する過程で、既に把握されている)を、センターラインと認識したり、図2に示す如く発光体が埋設されている場合は、周囲(道路)との輝度変化を検出してセンターラインと認識する。また、これらの認識を二重に行なってより正確さを期してもよい。こうしてセンターラインの位置及び時間帯によって変更されるものであるか否かが認識されると、これに従って、各車線の通行区分を認識する。
【0026】
このように認識された、車線及び通行区分、車線上の自車両の位置、センターラインの位置、センターラインが時間帯によって変更されるものであるか否か、等の情報は、通信により、ナビゲーション装置60を制御するナビゲーション装置用電子制御ユニット(以下、ナビゲーション装置用ECUと称する)68に送信される。
【0027】
後方カメラ20は、例えば、車体後部のバンパーやグリル、ナンバープレート周辺等に配設されており、車両後方の斜め下方に向いた光軸を有し、車両後方を撮像する。後方画像処理装置は、例えば、前方画像処理装置15と同様のハードウエア構成であり、前方画像処理装置15と同様の手法により、自車両後方の画像から車線を認識する。この後方カメラ20の存在により、前方カメラ10の光軸が、中央線を示す標識をより遠方から検出すべく斜め上方に向けられた場合でも、走行車線の認識精度が低下するのを防止することができる。後方カメラ20の画像により認識された車線の情報も、通信によりナビゲーション装置用ECU68に送信される。
【0028】
車速センサー30は、例えば、トランスミッション部に取り付けられ、車速に応じたパルス信号を発信する。操舵角センサー40は、例えば、電動パワーステアリング装置のアシストモータに取り付けられた回転角センサーであり、アシストモータの回転角に応じた信号を発信する。車速センサー30や操舵角センサー40からのセンサー出力値は、通信によりナビゲーション装置用ECU68に送信される。
【0029】
通信装置50は、路車間通信を行なうための装置であり、例えば、携帯電話の電波ネットワークを利用して送受信可能な通信アンテナ及び通信モジュールから構成される。従って、車両用情報提供装置1を備える車両に対して、携帯電話の基地局を介して、道路に関する情報を発信し、これを通信装置50が受信することとなる。なお、路車間通信については既に種々の手法が周知となっており、上記の方式に限られない。例えば、道路端に設けられたインフラから電波ビーコンや光ビーコンを受信する方式であってもよいし、FM多重放送を受信する方式であってもよい。
【0030】
通信装置50では、事故や道路工事等によってセンターラインが変更された道路に関する情報を受信する。また、前述の如く時間帯によって変更されるセンターラインの位置を受信することも可能である。通信装置50が受信した情報は、通信によりナビゲーション装置用ECU68に送信される。
【0031】
ナビゲーション装置60は、GPS受信機62と、ハードディスクやDVD、CD−ROM等の記憶媒体上に地図データを保有する地図データベース64と、地図表示や経路案内表示を映像により出力する液晶ディスプレイ等の表示部(図示せず)と、スピーカー66と、ユーザーインターフェースとなるタッチパネル等の操作部(図示せず)と、ナビゲーション装置60全体を制御するナビゲーション装置用ECU68と、を備える。
【0032】
地図データベース64は、時間帯によって変更されるセンターラインの位置を、地図データと共に記憶している。従って、本実施例では、前方カメラ10及び地図データベース64によって、時間帯によって変更されるセンターラインの位置を認識することが可能である(さらに、通信機50により受信可能な場合もある)。これらのうちいずれかにより、時間帯によって変更されるセンターラインの位置を取得するものとしてもよいのは勿論である。但し、地図データベースのアップデートの頻度によっては、当該時間帯自体が変更された場合に対応できないことが考えられ、撮像条件によっては、前方カメラ10により適切に標識や発光体を検出できない場合も考えられる。従って、両者を備えることが正確さの点でより好ましい。
【0033】
ナビゲーション装置用ECU68は、例えばCPUを中心としたコンピューターであり、RAMやROM等の記憶手段と通信ポートを備える。ナビゲーション装置用ECU68は、一般的なナビゲーション装置の機能として、GPS受信機62や車速センサー30、操舵角センサー40からの入力信号等に基づいて、地図データベース64が記憶する地図データ上での自車両の現在位置を特定して表示すると共に、入力された目的地までの経路案内を行なうようにナビゲーション装置60を制御する。
【0034】
ナビゲーション装置用ECU68は、さらに、本発明に特徴的な機能として、(1)センターラインが変更された道路に差し掛かった際に、その旨をスピーカー66により報知する。また、(2)自車両が反対車線を走行している場合、及び車速センサー30や操舵角センサー40からの入力信号に基づいて反対車線に車線変更すると予測された場合に、スピーカー66により警報を行なう。この場合、反対車線には、前述の如く、時間帯によって又は事故や道路工事によってセンターラインが変更された結果、反対車線となった車線が含まれる。なお、上記(1)、(2)のいずれかのみを行なうものとしても構わない。
【0035】
従って、本発明の第1実施例に係る車両用情報提供装置1では、センターラインの変更に伴って通行区分が変更された道路を適切に検出し、警報を含めた情報提供を行なうことが可能である。
【0036】
以下、車両用情報提供装置1がセンターラインの変更に関する情報提供を行なう際の動作について説明する。図3は、ナビゲーション装置用ECU68が実行する特徴的な処理の流れを示すフローチャートである。
【0037】
まず、前述した如く、前方画像処理装置15や後方画像処理装置25、及び通信装置50、地図データベース64から、車線や通行区分、車線内における自車両の位置、センターラインが変更された道路であるか否か、等の情報を入力する(S100)。
【0038】
そして、センターラインが変更された道路である場合には、その旨をスピーカー66により報知する(S110、S120)。この報知は、例えば、センターラインが変更された道路を検知している間、所定時間(例えば、数[sec]〜十数[min]等)毎に行なってもよいし、センターラインが変更された道路を最初に検知した際のみに行なってもよい。
【0039】
次に、自車両が反対車線を走行しているか否かを判定し(S130)、自車両が反対車線を走行している場合には、スピーカー66により警報を行なう(S160)。
【0040】
続いて、車速センサー30や操舵角センサー40からのセンサー出力値を入力し(S140)、このセンサー出力値と前述した車線内での自車両の位置に基づいて、自車両が反対車線に車線変更すると予測されるか否かを判定する(S150)。この予測は、例えば、センサー出力値に基づいて、車線幅方向における微小時間Δt後の移動距離(反対車線方向への距離を正とする、以下同じ)、を推定し、この推定値を、自車両中心部の車線中央からの乖離に加えたものが、閾値を超えた場合に、自車両が反対車線に車線変更すると予測することができる。
【0041】
自車両が反対車線に車線変更すると予測される場合にも、反対車線を走行していると判定された場合と同様に、スピーカー66により警報を行なう(S160)。
【0042】
このように、本発明の第1実施例に係る車両用情報提供装置1では、前方カメラ10からの画像や通信装置50からの情報、地図データベース64に記憶された情報に基づいて、センターラインが変更された道路を適切に検出することが可能である。この結果、乗員にセンターラインが変更された道路に関する適切な情報提供を行なうことができる。
【0043】
また、センターラインの変更に伴って反対車線となった車線を走行している場合や、当該車線への進路変更が予測された場合に、運転者に警報を行なうから、より適切に警報を行なうことが可能である。すなわち、通行区分に反して自車両が走行している場合でも警報が行なわれなかったり、逆に不必要な警告が行なわれたりすることを回避することができる。この結果、安全運転に寄与することができる。
【実施例2】
【0044】
以下、図4を用いて、本発明に係る車線維持制御装置の一実施例について説明する。図4は、本発明の第2実施例に係る車線維持制御装置2の全体構成の一例を示す図である。図示する如く、車線維持制御装置2は、第1実施例の車両用情報提供装置1におけるナビゲーション装置60に代えて、ステアリング装置70と、車線維持制御用電子制御ユニット(以下、車線維持制御用ECUと称する)80と、を備える。従って、重複部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
ステアリング装置70は、例えば、アシストモータを備える電動パワーステアリング装置として構成される。
【0046】
車線維持制御用ECU80は、例えば、ナビゲーション装置用ECU68と同様のハードウエア構成であり、前方カメラ10や後方カメラ20に基づいて車線や自車両の位置を認識し、車速センサー30や操舵角センサー40からのセンサー出力値に基づいて車線を逸脱すると予測された場合に、ステアリング装置70から補助操舵力を出力する、周知の車線維持制御を行なう。但し、本実施例では、センターラインが変更された道路については、これを考慮して車線維持制御を行なうことが可能となる。
【0047】
すなわち、車線変更しようとしている車線が、センターラインの変更に伴って反対車線となった車線である場合は、車線変更を抑制するように補助操舵力を出力し、車線変更しようとしている車線が、センターラインの変更に伴って正しい(自車両の進行方向に沿った通行区分の)走行車線となった車線である場合は、補助操舵力を出力しない。
【0048】
なお、センターラインが変更された道路に関する情報の取得に係る手法については、第1実施例の車両用情報提供装置1において説明したものと同様である。
【0049】
このように、本発明の第2実施例に係る車線維持制御装置2によれば、センターラインの変更に応じて、より適切に補助操舵力を出力することができる。
【0050】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこれらの実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形及び置換を加えることができる。
【0051】
例えば、第1実施例の車両用情報提供装置1において、センターラインが変更された結果、正しい(自車両の進行方向に沿った通行区分の)走行車線となった車線を走行している際にも、スピーカー66による報知を行なうものとしてもよい。こうすれば、運転者がより安心感を得ることができる。
【0052】
また、道路に埋設され、センターラインの変更に応じて磁気を出力する磁気マーカーを検出する装置を備え、これによりセンターラインの変更を検知するものとしてもよい。
【0053】
また、他車両を検出するレーダー装置を備え、車線上を走行する車両の進行方向に基づいて通行区分を判断することも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、少なくとも車載用の情報提供装置に利用できる。搭載される車両の外観、重量、サイズ、走行性能等は問わない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施例に係る車両用情報提供装置1の全体構成の一例を示す図である。
【図2】前方カメラ10が撮像する画像の一例を示す図である。
【図3】ナビゲーション装置用ECU68が実行する特徴的な処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施例に係る車線維持制御装置2の全体構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 車両用情報提供装置
2 車線維持制御装置
10 前方カメラ
15 前方画像認識装置
20 後方カメラ
25 後方画像認識装置
30 車速センサー
40 操舵角センサー
50 通信装置
60 ナビゲーション装置
62 GPS受信機
64 地図データベース
66 スピーカー
68 ナビゲーション装置用電子制御ユニット
70 ステアリング装置
80 車線維持制御用電子制御ユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
センターラインの変更に関する情報を取得する変更情報取得手段を備え、
該変更情報取得手段により取得されたセンターラインの変更に関する情報に基づいて、情報提供を行なうことを特徴とする、車両用情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用情報提供装置であって、
前記変更情報取得手段は、時間帯によってセンターラインが変更される道路における、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である、
車両用情報提供装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用情報提供装置であって、
前記変更情報取得手段は、地図データベースに記憶された情報に基づいて、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である、
車両用情報提供装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用情報提供装置であって、
前記変更情報取得手段は、基地局と路車間通信を行なう通信手段を有し、該通信手段が行なった路車間通信により得られた情報に基づいて、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である、
車両用情報提供装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用情報提供装置であって、
前記変更情報取得手段は、自車両周辺を撮像する撮像手段を有し、該撮像手段が撮像した画像に基づいて、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である、
車両用情報提供装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車両用情報提供装置であって、
前記変更情報取得手段は、前記撮像手段が撮像した画像に基づいて、自車両前方におけるセンターラインを表す標識、及び/又は道路に配設されたセンターラインを表す発光体を検知して、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である、
車両用情報提供装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の車両用情報提供装置であって、
前記変更情報取得手段は、道路に埋設された磁気マーカーの位置を検出する磁気マーカー検出手段を有し、該磁気マーカー検出手段が検出した磁気マーカーの位置に基づいて、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である、
車両用情報提供装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の車両用情報提供装置であって、
前記変更情報取得手段は、自車両周辺の移動体を検出するレーダー装置を有し、該レーダー装置が検出した自車両周辺の移動体の移動方向に基づいて、センターラインの変更に関する情報を取得する手段である、
車両用情報提供装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の車両用情報提供装置であって、
自車両の走行車線を検出する走行車線検出手段を備え、
センターラインの変更に伴って自車両の走行方向と反対の方向に通行区分が変更された車線を、自車両が走行していることが前記車線検出手段により検出された場合に、情報提供を行なうことを特徴とする、車両用情報提供装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の車両用情報提供装置であって、
自車両の走行車線を検出する走行車線検出手段を備え、
センターラインの変更に伴って自車両の走行方向と同じ方向に通行区分が変更された車線を、自車両が走行していることが前記車線検出手段により検出された場合に、情報提供を行なうことを特徴とする、車両用情報提供装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の車両用情報提供装置であって、
自車両の走行車線を検出する走行車線検出手段と、
自車両の車線変更を予測する車線変更予測手段と、を備え、
センターラインの変更に伴って自車両の走行方向と反対の方向に通行区分が変更された車線に、自車両が車線変更することが該車線変更予測手段により予測された場合に、情報提供を行なうことを特徴とする、車両用情報提供装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の車両用情報提供装置であって、
自車両の走行車線を検出する走行車線検出手段と、
自車両の車線変更を予測する車線変更予測手段と、を備え、
センターラインの変更に伴って自車両の走行方向と同じ方向に通行区分が変更された車線に、自車両が車線変更することが前記車線変更予測手段により予測された場合に、情報提供を行なうことを特徴とする、車両用情報提供装置。
【請求項13】
センターラインの変更に関する情報を取得する変更情報取得手段を備え、
該変更情報取得手段により取得されたセンターラインの変更に関する情報に基づいて、車線維持制御を行なうことを特徴とする、車線維持制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−199784(P2007−199784A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−14362(P2006−14362)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】