説明

車両

【課題】第1エネルギ源と、第1エネルギ源と異なる第2エネルギ源とを用いて駆動する車両であって、第1エネルギ源および第2エネルギ源を供給可能とすると共に、搭載効率の向上を図り、小型化が図られた車両を提供する。
【解決手段】車両100は、駆動されるエンジン4と、フューエルタンク201と、給油コネクタ191が着脱可能に接続され、燃料が供給される燃料供給部213と、燃料供給部213に接続され、燃料供給部213に供給された燃料をフューエルタンク201に導く接続管214と、回転電機MG1,MG2と、電力を蓄積するバッテリBと、コネクタ190が着脱可能に接続され、電力が供給される充電・給電部90と、充電・給電部90に接続された配線92とを備えた車両であって、充電・給電部90と、燃料供給部213とは、鉛直方向に配列する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関し、特に種類の異なるエネルギ源が供給される車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から環境に考慮されたハイブリッド自動車などが各種提案されている。そして、たとえば、特開平8−37703号公報に提案されたハイブリッド車両においては、発電用内燃機関または走行用内燃機関とを備え、正規のバッテリを取り外して走行することが防止されている。
【0003】
また、従来の車両においては、ガソリンを供給するための給油口やバッテリを充電するための充電口等が設けられている。
【0004】
たとえば、米国特許第2,966,248号明細書に係る車両においては、ガソリンの導入に用いられる環状弁ホルダと、バッテリ充電用電流の導入に用いられる中央ホルダとを備えたポートを備えている。
【0005】
そして、環状弁ホルダには、ガソリンラインとしてのチューブが接続されており、このロングチューブは、ガソリンタンクに接続されている。また、中央ホルダには、バッテリ充電用電流が流れる配線が接続されている。
【0006】
また、米国特許第6,691,749号明細書に係る接続装置のプラグは、供給ターミナルから車両の水素貯留タンクに水素を移送するための水素移送ポートと、供給ターミナルから車両のバッテリに電力を供給するための電気接点とを備えている。
【特許文献1】特開平8−37703号公報
【特許文献2】米国特許第2,966,248号明細書
【特許文献3】米国特許第6,691,749号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記米国特許第2,966,248号明細書に記載された車両においては、ガソリンが供給される環状弁ホルダは、バッテリ充電用の中央ホルダに対して、斜め下の位置に設けられている。このように、中央ホルダと環状弁ホルダとが斜め方向に配列することで、中央ホルダと環状弁ホルダとによって、その周囲に他の機器を搭載できなくなる空間が大きくなる。このように、上記米国特許第2,966,248号明細書に記載された車両においては、車両内での搭載性が悪く、他の搭載機器を収容する収容スペースを確保し難くなっていた。このため、たとえば、車両は、前後方向に長くなり、車両が大型化するという問題が生じていた。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、第1エネルギ源と、第1エネルギ源と異なる第2エネルギ源とを用いて駆動する車両であって、第1エネルギ源および第2エネルギ源を供給可能とすると共に、搭載効率の向上を図り、小型化が図られた車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る車両は、第1エネルギ源によって、駆動される第1駆動部と、第1エネルギ源を蓄積する第1蓄積部と、第1エネルギ供給部が着脱可能に接続され、第1エネルギ源が供給される第1エネルギ受入部と、第1エネルギ受入部に接続され、第1エネルギ受入部に供給された第1エネルギ源を第1蓄積部に導く第1接続部とを備える。そして、この車両は、第1エネルギ源と異なる第2エネルギ源によって駆動する第2駆動部と、第2エネルギ源を蓄積可能な第2蓄積部と、第2エネルギ供給部が着脱可能に接続され、第2エネルギ源が供給される第2エネルギ受入部と、第2エネルギ受入部に接続された第2接続部とを備える。また、この車両は、第1エネルギ受入部と、第2エネルギ受入部とが鉛直方向に配列する。
【0010】
好ましくは、上記第1エネルギ受入部は、第2エネルギ受入部の鉛直方向上方に位置する。好ましくは、上記第1エネルギ受入部は、第2エネルギ受入部の鉛直方向下方に位置する。好ましくは、上記第1接続部と第2接続部とは、鉛直方向に配列する。好ましくは、上記第1エネルギ源は、液体状の燃料とされ、第1蓄積部は、液体状の燃料を蓄積する燃料タンクとされ、第1接続部は、液体状の燃料を第1エネルギ受入部から燃料タンクに導く管路とされる。さらに、上記第2エネルギ源は電力とされ、第2蓄積部は、直流電力として、第2エネルギ源を蓄積する蓄電器とされ、第2接続部は、電力が流通する配線とされる。
【0011】
好ましくは、上記第2駆動部は、交流電力としての第2エネルギ源によって駆動される回転電機とされ、回転電機は、第1多相巻線と該第1多相巻線の第1中性点とを有する第1回転電機と、第2多相巻線と該第2多相巻線の第2中性点とを有する第2回転電機とを含む。さらに、上記第2接続部は、第1中性点に接続された第1配線と、第2中性点に接続された第2配線とを含み、蓄電器からの直流電力としての第2エネルギ源を交流電力としての第2エネルギ源に変換して第1回転電機に供給する第1インバータと、蓄電器からの直流電力としての第2エネルギ源を交流電力としての第2エネルギ源に変換して第2回転電機に供給する第2インバータと、第1および第2インバータを制御するインバータ制御部とをさらに備える。そして、インバータ制御部は、第2接続部から第1および第2中性点に与えられる交流電力を直流電力に変換して、蓄電器に供給するように第1および第2インバータを制御する。
【0012】
好ましくは、上記第2駆動部は、交流電力としての第2エネルギ源によって駆動される回転電機とされ、回転電機は、第1多相巻線と該第1多相巻線の第1中性点とを有する第1回転電機と、第2多相巻線と該第2多相巻線の第2中性点とを有する第2回転電機とを含み、第2接続部は、第1中性点に接続された第1配線と、第2中性点に接続された第2配線とを含む。そして、この車両は、蓄電器からの直流電力としての第2エネルギ源を交流電力としての第2エネルギ源に変換して第1回転電機に供給する第1インバータと、前蓄電器に直流電力としての第2エネルギ源を交流電力としての第2エネルギ減に変換して第1回転電機に供給する第2インバータと、第1および第2インバータを制御するインバータ制御部とをさらに備える。そして、上記インバータ制御部は、蓄電器から第1インバータおよび第2インバータに供給される直流電力を交流電力に変換して、第2接続部から外部負荷に供給するように第1インバータおよび第2インバータを制御する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る車両によれば、第1エネルギ源と、第1エネルギ源と異なる第2エネルギ源とを用いて駆動する車両であっても、搭載効率の向上を図ることができ、車両の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態に係る車両について、図1から図8を用いて説明する。
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組合わせることは、当初から予定されている。
【0015】
(実施の形態1)
図1から図6を用いて、本発明の実施の形態1に係るハイブリッド車両100について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るハイブリッド車両100の概略構成を示す斜視図であり、図2は、図1の概略構成を示すブロック図である。
【0016】
図1において、ハイブリッド車両100は、ボディと外装部品とから形成された車両本体200と、ハイブリッド車両100の進行方向D前方側に設けられた一対の前輪(車輪)2Fと、進行方向D後方側に設けられた後輪(車輪)2Rとを備えている。
【0017】
車両本体200は、ハイブリッド車両100の進行方向前方Dに設けられたエンジンコンパートメントERと、このエンジンコンパートメントERに対して進行方向D後方側に隣接する乗員収容室CRと、乗員収容室CRに対して進行方向D後方側に隣接する荷物室LRとを備えている。
【0018】
そして、車両本体200のボディとしては、たとえば、モノコックボディ(monocoque body)が採用されている。このボディの表面に、複数の外装部品を装着して、車両本体200が構成されている。
【0019】
外装部品としては、たとえば、車両本体200の前方側に設けられたフロントバンパ300と、フロントフェンダ301と、開口部212Lを開閉可能に設けられたフロントドア312およびリアドア313とを備えている。
【0020】
また、外装部品としては、エンジンコンパートメントERの上蓋としてのフード307と、リアドア313に対して進行方向D後方側に設けられたリヤフェンダ303と、リヤフェンダ303の下方に設けられたリアバンパ304とを備えている。
【0021】
乗員収容室CRには、ハイブリッド車両100を操作する運転席DRと、運転席に対してハイブリッド車両100の幅方向に隣り合う補助席と、この補助席および運転席DRの後ろ側に設けられた後部座席とが設けられている。この図1に示す例においては、運転席DRは、進行方向Dに延びるハイブリッド車両100の中心線Oに対してハイブリッド車両100の右側面(一方の側面)100A側にオフセットしている。
【0022】
そして、図1に示されるように、乗員収容室CR内の後部座席下に位置する部分には、ガソリンなどの液体燃料が収容されるフューエルタンク201が設けられ、後部座席より進行方向D後方には、燃料電池または大容量のキャパシタなどのバッテリ(蓄電器)Bが配置されている。
【0023】
エンジンコンパートメントER内には、前輪2Fを駆動する動力を発生する内燃機関のエンジン4と、トランスアクスルTRとが収容されている。
【0024】
トランスアクスルTRは、前輪2Fを駆動するモータとして機能したり、発電機として機能する回転電機MG1、MG2と、バッテリBからの電力を高圧する昇圧コンバータ20と、昇圧コンバータ20からの直流電力を交流電力に変換して回転電機MG1、MG2に供給するインバータ30,40と、プラネタリギヤ等から形成された動力分割機構3とを含む。
【0025】
エンジン4は、中心線Oに対して側面100A側にオフセットされており、トランスアクスルTRは、側面100B側にオフセットされている。このため、エンジン4とトランスアクスルTRとを一体的に見たときの重心は、中心線O上またはその近傍に位置し、ハイブリッド車両100の幅方向のバランスがとれている。
【0026】
さらに、バッテリBおよびフューエルタンク201の重心は、いずれも、中心線O上またはその近傍に位置している。
【0027】
ここで、ハイブリッド車両100の側面のうち、運転席DRが近接する側面100Aと反対側に位置する側面100Bに充電・給電部(第2エネルギ源受入部)90および給油部(第1エネルギ源受入部)213とが設けられている。特に、充電・給電部90および燃料供給部213は、いずれも、リヤフェンダ303に設けられている。運転席DRには、前輪2を操作するためのステアリング、ステアリングシャフト、ステアリングギヤなどが設けられている。
【0028】
そして、充電・給電部90および燃料供給部213によって、運転席DRとの重量バランスがとられている。
【0029】
充電・給電部90は、コネクタ190が接続可能とされている。コネクタ190としては、充電用のコネクタと、給電用のコネクタと、充電・給電用コネクタのいずれも含む。
【0030】
そして、充電用のコネクタとしては、商用電源(たとえば、日本では単相交流100V)から供給される電力を充電するためのコネクタである。この充電用のコネクタとしては、たとえば、一般の家庭用電源に接続されたコンセントなどが挙げられる。
【0031】
給電用のコネクタは、ハイブリッド車両100からの電力(たとえば、日本では単相交流100V)を外部負荷へ供給するためのコネクタである。さらに、充電・給電用コネクタは、上記充電用コネクタおよび給電用コネクタのいずれの機能をも有するコネクタであり、商用電源から供給される電力を充電可能であるとともに、ハイブリッド車両100からの電力を外部負荷に供給可能なコネクタである。
【0032】
なお、コネクタ190と充電・給電部90との間における電力に授受方法としては、コネクタ190の一部と充電・給電部90の少なくとも一部とが直接接触する接触型(コンタクティブ)であってもよいし、また、非接触型(インダクティブ)であってもよい。
【0033】
配線92は、回転電機MG1,MG2の中性点に接続されており、コネクタ190から供給された電力は、回転電機MG1,MG2およびインバータ30,40および昇圧コンバータ20を介して、バッテリBに供給可能とされている。
【0034】
また、充電・給電部90は、バッテリBに蓄電された電力を昇圧コンバータ20およびインバータ30,40を介して、コネクタ190から外部に給電可能となっている。
【0035】
また、この図1に示す例においては、燃料供給部213は、ハイブリッド車両100の外部に設けられた給油コネクタ191の給油ノズルを受け入れ可能とされている。そして、給油されたガソリンなどの燃料は、接続管214を介して、フューエルタンク201に供給される。なお、コネクタ190と給油コネクタ191とは、互いに別個独立部材とされている。
【0036】
このように、燃料供給部213および充電・給電部90がハイブリッド車両100の同一側面100Bであって、ハイブリッド車両100に後方側に設けられているので、運転者は、充電・給電部90および燃料供給部213の位置を記憶しやすい。このため、充電・給油スタンド等にハイブリッド車両100を進入させる際に、ハイブリッド車両100の進入・停車方向の誤りを低減することができる。
【0037】
図3は、充電・給電部90および燃料供給部213を示す斜視図である。この図3に示すように、燃料供給部213は、リヤフェンダ303のうち、充電・給電部90の鉛直上方に位置する部分に形成されている。
【0038】
この図3に示す例においては、充電・給電部90は、車両本体200に設けられた挿入部91と、リヤフェンダ303に設けられ、挿入部91を外方に露出したり、車両本体200内に収容したりする蓋部材90Aと、挿入部91に接続され、図1に示す回転電機MG1,MG2の各中性点に接続された、配線92が接続されている。挿入部91には、コネクタ190の端子部を受け入れ可能な挿入口が形成されている。
【0039】
そして、配線92は、挿入部91のうち、車両本体200内方側の端部に接続されており、車両本体200の幅方向に延びている。
【0040】
燃料供給部213は、車両本体200に設けられ、給油コネクタ191のノズル部を受け入れ可能なノズル受入部215と、このノズル受入部215とフューエルタンク201とに接続された接続管214と、リヤフェンダ303に設けられた蓋部材213Aとを備えている。
【0041】
ノズル受入部215は、挿入部91の鉛直方向上方に位置しており、ノズル受入部215と、挿入部91とは、鉛直方向に配列している。また、接続管214は、配線92の鉛直方向上方に位置しており、接続管214と配線92とは、鉛直方向配列している。
【0042】
このように、充電・給電部90および燃料供給部213は、鉛直方向に重なり部分が多いため、充電・給電部90および燃料供給部213とによって、周囲に他の機器を搭載することができない空間が低減されている。このように、本実施の形態1に係る車両においては、充電・給電部90および燃料供給部213の周囲に他の電気機器や配線等を配置しやすく、車内での機器の搭載効率の向上を図ることができる。そして、充電・給電部90と燃料供給部213とは、鉛直方向に配列しているため、車両の進行方向の大きさを低減することができ、車両の小型化を図ることができる。
【0043】
特に、比較的大きなノズル受入部215と、挿入部91とは、いずれも、車両の幅方向に延びており、鉛直方向にいずれも重なっているため、ノズル受入部215と挿入部91とが車両の前後方向に離れている場合と比較して、他の機器の搭載効率の向上が図られている。
【0044】
図2に示すように、バッテリBは、燃料供給部213に対して、ハイブリッド車両100の前方側に設けられると共に、燃料供給部213よりも中心線Oの近傍に位置している。また、回転電機MG1,MG2は、充電・給電部90に対して、車両100の前方側に設けられると共に、充電・給電部90よりも、中心線Oの近傍に位置している。
【0045】
配線92は、接続管214に沿って延び、接続管214の鉛直方向上方または鉛直方向下方に配設されている。これにより、配線92および接続管214が車両内を占める占有空間の低減も図られ、他の機器の搭載効率の向上が図られている。
【0046】
図3に示すように、ノズル受入部215は、充電・給電部90の上方に位置している。このため、ノズル受入部215に図1に示す給油コネクタ191の給油ノズルを接続して、ガソリン等の液体燃料を供給する際に、気化した液体燃料が挿入部91に触れることを抑制することができ、挿入部91の腐食を抑制することができる。
【0047】
また、充電・給電部90および燃料供給部213は、いずれも蓋部材90A,213Aを備えている。このため、給油作業中には、蓋部材90Aで、挿入部91を車両本体200内に閉塞することで、気化した燃料が、挿入部91に接触することを抑制することができる。
【0048】
図4は、充電・給電部90と燃料供給部213と配置関係についての変形例を示す斜視図である。この図4に示す例においては、燃料供給部213は、充電・給電部90に対して鉛直方向下方に配置されている。
【0049】
このため、この図4に示す例においても、充電・給電部90と燃料供給部213とによる車両内でも占有空間の低減が図られ、他の機器の搭載効率の向上が図られている。
【0050】
さらに、この図4に示す例においては、充電・給電部90は燃料供給部213の上方に位置しているため、ノズル受入部215にガソリンなど液体燃料を供給する際に、液体燃料が垂れたとしても、充電・供給部90に液体燃料が付着して、充電・給電部90の劣化を抑制することができる。
【0051】
なお、上記図1から図4に示す例においては、図1に示すように、充電・給電部90および燃料供給部213は、運転席DRと反対側の側面100Bに設けられているが、これに限られず、運転席DR側の側面100Aに設けてもよい。このように、運転席DR側の側面100A側に配置した場合には、運転者が充電作業や燃料供給作業を行なう際に、各作業に取り掛かり易くなる。
【0052】
さらに、充電・給電部90および燃料供給部213を側面100Aのうち、フロントフェンダ301に位置させることで、さらに、運転者が各作業に取り掛かりやすくなる。
【0053】
図5は、本発明の実施の形態1によるハイブリッド車両100の概略ブロック図である。この図5を用いて、コネクタ190からの交流電流をバッテリBに充電する方法について説明する。バッテリBの正電極は、正極線PL1に接続され、バッテリBの負電極は、負極線NL1に接続される。コンデンサC1は、正極線PL1と負極線NL1との間に接続される。昇圧コンバータ20は、正極線PL1および負極線NL1と正極線PL2および負極線NL2との間に接続される。コンデンサC2は、正極線PL2と負極線NL2との間に接続される。インバータ30は、正極線PL2および負極線NL2と回転電機MG1との間に接続される。インバータ40は、正極線PL2および負極線NL2と回転電機MG2との間に接続される。
【0054】
回転電機MG1は、3相コイル11をステータコイルとして備え、回転電機MG2は、3相コイル12をステータコイルとして備える。
【0055】
昇圧コンバータ20は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1の一方端は正極線PL1に接続され、他方端はNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタQ1,Q2は、正極線PL1と負極線NL1、NL2との間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタは、インバータ30,40の正極線PL2に接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタは負極線NL1、NL2に接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ配置されている。
【0056】
インバータ30は、U相アーム31と、V相アーム32と、W相アーム33とから成る。U相アーム31、V相アーム32、およびW相アーム33は、正極線PL2と負極線NL2との間に並列に設けられる。
【0057】
U相アーム31は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム32は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム33は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0058】
インバータ30の各相アームの中間点は、回転電機MG1に含まれる3相コイル11の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、回転電機MG1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点M1に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0059】
インバータ40は、コンデンサC2の両端にインバータ30と並列に接続される。そして、インバータ40は、U相アーム41と、V相アーム42と、W相アーム43とからなる。U相アーム41、V相アーム42、W相アーム43は、正極線PL2と負極線NL2との間に並列に設けられる。
【0060】
U相アーム41は、直列接続されたNPNトランジスタQ9,Q10から成り、V相アーム42は、直列接続されたNPNトランジスタQ11,Q12から成り、W相アーム43は、直列接続されたNPNトランジスタQ13,Q14から成る。NPNトランジスタQ9〜Q14は、それぞれ、インバータ30のNPNトランジスタQ3〜Q8に相当する。つまり、インバータ40は、インバータ30と同じ構成からなる。そして、NPNトランジスタQ9〜Q14のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD9〜D14がそれぞれ接続されている。
【0061】
インバータ40の各相アームの中間点は、回転電機MG2に含まれる3相コイル12の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、回転電機MG2も、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点M2に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ9,Q10の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ11,Q12の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ13,Q14の中間点にそれぞれ接続されている。
【0062】
バッテリBは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。電圧センサー10は、バッテリBから出力されるバッテリ電圧Vbを検出し、その検出したバッテリ電圧Vbを制御装置70へ出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置70からの信号SEによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、制御装置70からのH(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、制御装置70からのL(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。コンデンサC1は、バッテリBから供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ20へ供給する。
【0063】
昇圧コンバータ20は、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ20は、制御装置70から信号PWCを受けると、信号PWCによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してコンデンサC2に供給する。この場合、NPNトランジスタQ1は、信号PWCによってオフされている。また、昇圧コンバータ20は、制御装置70からの信号PWCに応じて、コンデンサC2を介してインバータ30および/または40から供給された直流電圧を降圧してバッテリBを充電する。
【0064】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ20からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ30,40へ供給する。電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇圧コンバータ20の出力電圧Vm(インバータ30,40への入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した出力電圧Vmを制御装置70へ出力する。
【0065】
インバータ30は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置70からの信号PWM1に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して回転電機MG1を駆動する。これにより、回転電機MG1は、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ30は、動力出力装置が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、回転電機MG1が発電した交流電圧を制御装置70からの信号PWM1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ20へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
【0066】
インバータ40は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置70からの信号PWM2に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して回転電機MG2を駆動する。これにより、回転電機MG2は、トルク指令値TR2によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ40は、動力出力装置が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、回転電機MG2が発電した交流電圧を制御装置70からの信号PWM2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ20へ供給する。
【0067】
電流センサー14は、回転電機MG1に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1を制御装置70へ出力する。電流センサー15は、回転電機MG2に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2を制御装置70へ出力する。
【0068】
ここで、三相ブリッジ回路から成る各インバータ30,40においては、6個のトランジスタのオン/オフの組合わせは8パターン存在する。その8つのスイッチングパターンのうち2つは相間電圧が零となり、そのような電圧状態は零電圧ベクトルと称される。零電圧ベクトルについては、上アームの3つのトランジスタは互いに同じスイッチング状態(全てオンまたはオフ)とみなすことができ、また、下アームの3つのトランジスタも互いに同じスイッチング状態とみなすことができる。したがって、この図8では、インバータ30の上アームの3つのトランジスタは上アーム30Aとしてまとめて示され、インバータ30の下アームの3つのトランジスタは下アーム30Bとしてまとめて示されている。同様に、インバータ40の上アームの3つのトランジスタは上アーム40Aとしてまとめて示され、インバータ40の下アームの3つのトランジスタは下アーム40Bとしてまとめて示されている。
【0069】
図5に示されるように、零相等価回路は、コネクタ190の電力入力線ACL1,ACL2および配線92A,92Bを介して中性点M1,M2に与えられる単相交流電力を入力とする単相PWMコンバータとみることができる。そこで、インバータ30,40の各々において零電圧ベクトルを変化させ、インバータ30,40を単相PWMコンバータのアームとして動作するようにスイッチング制御することによって、電力入力線ACL1,ACL2から入力される交流電力を直流電力に変換して正極線PL2へ出力することができる。その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ20へ供給し、バッテリBに充電する。
【0070】
本実施においては、モノコックボディを有するハイブリッド車両に適用した場合について説明したが、これに限られない。たとえば、フレーム付ボディにも適用することができる。
【0071】
さらに、本実施の形態においては、ハイブリッド形式のうち、所謂シリーズパラレルハイブリッドに基づいて説明を行なったが、この形式に限られるものではない。すなわち、燃料供給が必要な内燃機関としてのエンジンと、このエンジンによって発電された電力または/およびバッテリに蓄電された電力によって車輪を駆動させる走行用モータとを備えたハイブリッド形式(シリーズハイブリッド)においても適用することができる。さらに、エンジンとモータとがともに、駆動軸に動力を出力可能とされたパラレルハイブリッドにも適用することができる。
【0072】
ここで、本実施の形態に係るハイブリッド車両においては、バッテリBへの充電方法としては、回転電機MG1、MG2の中性M1、M2を用いる方法が採用されているが、これに限られない。たとえば、図6は、本発明の実施の形態1の変形例を示す概略構成図である。この図6に示すように、インバータ機能とDC/DCコンバータとの機能を有する充電専用装置400を設け、この充電専用装置400を用いて、充電を行なうようにしてもよい。
【0073】
この際、この充電専用装置400をバッテリBの周囲に位置させることで、充電・給電部90と充電専用装置400との間の配線長および充電専用装置400とバッテリBとの間の配線との距離を低減することができる。
【0074】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るハイブリッド車両について、図7および適宜上記図1から図6を用いて、説明する。なお、図7において、上記図1から図6に示された符号と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。図7は、本発明の実施の形態2によるハイブリッド車両の概略ブロック図である。
【0075】
この図7に示されたハイブリッド車両500においては、バッテリBに蓄積された電力を充電・給電部90に接続されるコネクタを介して外部の交流電源に供給可能とされている。
【0076】
ここで、この車両500においては、充電・給電部90に接続されるコネクタ190は、バッテリBに充電された電力を外部負荷に供給することができる外部給電用コネクタである。
【0077】
外部給電用コネクタは、ハイブリッド車両100からの電力(たとえば、日本では、単相交流100V)を外部負荷に供給するためのコネクタである。
【0078】
そして、図7において、インバータ30、40は、制御装置70からの信号PWM1、PWM2に応じて、昇圧コンバータ20を介して、バッテリBから供給される直流電力を商用電源用の交流電力に変換して、充電・給電部90から出力可能なように回転電機MG1、MG2を駆動する。
【0079】
充電・給電部90は、1次コイル51と2次コイル52とを含む。1次コイル51は、回転電機MG1に含まれる3相コイル11の中性点M1と回転電機MG2に含まれる3相コイル12の中性点M2との間に接続される。そして、充電・給電部90は、回転電機MG1の中性点M1と回転電機MG2の中性点M2との間に生じた交流電圧を商用電源用の交流電圧に変換して充電・給電部90の端子61,62から出力する。
【0080】
なお、本実施の形態に係るハイブリッド車両500の充電・給電部90および燃料供給部の位置関係については、上記実施の形態1に係るハイブリッド車両における充電・給電部90および燃料供給部213の位置関係を援用することができる。
【0081】
これにより、充電・給電部90と燃料供給部213とによって、これらの周囲に他の機器を配置することができない空間を低減することができ、車両内での機器の搭載効率の向上を図ることができる。
【0082】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池車両の構成を模式的に示す模式図である。この図8に示されるように、この燃料電池車両1000は、燃料電池1100と、キャパシタなどの蓄電器1200と、走行用インバータ1400と、補機インバータ1600と、補機モータ1700と、ECU(Electronic Control Unit)1800とを含む。本実施の形態に係る電気システムの制御装置は、たとえばECU1800が実行するプログラムにより実現される。
【0083】
燃料電池1100は、水素と空気中の酸素とを化学反応させて発電する。燃 料電池1100で発電された電力は、蓄電器1200に蓄えられたり、燃料電池車両1000に搭載された機器類により消費されたりする。なお、燃料電池1100には、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではさらなる説明は繰返さない。
【0084】
蓄電器1200は、たとえば、複数のセル(電気二重層コンデンサ)を直列に接続して構成されており、2次電池等であってもよい。走行用インバータ1400は、燃料電池1100および蓄電器1200から供給された直流電力を交流電力に変換し、走行用モータ1500を駆動させる。回生制動時には、走行用モータ1500で発電された交流電力を直流電力に変換し、蓄電器1200に供給する。
【0085】
走行用モータ1500は、三相交流回転電機である。そして、この走行用モータ1500のステータには、U相コイルと、V相コイルと、W相コイルとが巻回されている。そして、U相コイルの一方端と、V相コイルの一方端部と、W相コイルの一方端とは、中性点にて互いに接続されている。また、U相コイルの他方端と、V相コイルの他方端と、W相コイルの他方端とは、それぞれ、走行用インバータ1400に接続されている。
【0086】
そして、この走行用モータ1500の中性点には、給電部(第2接続部)1090の配線1192Bが接続されている。この給電部1090は、たとえば、一般家庭用電源などの交流電源に接続されたコネクタ1190が接続可能とされている。このため、走行用モータ1500には、交流電力が供給可能とされている。
【0087】
なお、補機モータ1700も、三相交流回転電機である。そして、この補機モータ1700のステータには、U相コイルと、V相コイルと、W相コイルとが巻回されている。そして、U相コイルの一方端と、V相コイルの一方端部と、W相コイルの一方端とは、中性点にて互いに接続されている。また、U相コイルの他方端と、V相コイルの他方端と、W相コイルの他方端とは、それぞれ、補機インバータ1600に接続されている。
【0088】
そして、この補機モータ1700の中性点にも、給電部1090の配線1192Aが接続されており、補機モータ1700の中性点にも、給電部1090を介して、コネクタ1190から交流電力が供給可能とされている。
【0089】
上記のような給電部1090は、燃料電池車両1000の一方の側面100Aに設けられている。
【0090】
このように、走行用モータ1500および補機モータ1700に供給された交流電力は、走行用インバータ1400および補機インバータ1600によって、直流電力に変換されて、蓄電器1200に供給され、蓄電器1200の充電がなされる。
【0091】
ここで、走行用モータ1500からの駆動力により、燃料電池車両1000が走行する。回生制動時には、車輪(図示せず)により走行用モータ1500が駆動され、走行用モータ1500が発電機として作動させられる。これにより、走行用モータ1500は、制動エネルギを電気エネルギに変換する回生ブレーキとして作動する。
【0092】
補機インバータ1600は、燃料電池1100および蓄電器1200から供給された直流電力を交流電力に変換し、補機モータ1700を駆動させる。補機モータ1700は、燃料電池1100の作動のために駆動する補機を駆動する。燃料電池1100の作動のために駆動する補機については後述する。
【0093】
ECU1800には、電圧計1802およびスタートスイッチ1804が接続されている。電圧計は、システム電圧(蓄電器1200の電圧)を検知し、検知結果を表す信号をECU1800に送信する。スタートスイッチ1804は、燃料電池車両1000の運転者により操作される。スタートスイッチ1804がオンにされると、ECU1800は、車両のシステムを起動させる。スタートスイッチ1804がオフにされると、ECU1800は、車両のシステムを停止させる。
【0094】
ECU1800は、車両の運転状態や、アクセル開度センサ(図示せず)により検知されたアクセル開度、ブレーキペダルの踏み量、シフトポジション、蓄電器1200の電圧、スタートスイッチ1804の操作状態、ROM(Read Only Memory)に保存されたマップおよびプログラム等に基づいて、車両が所望の運転状態となるように、燃料電池車両1000に搭載された機器類を制御する。
【0095】
燃料電池車両1000は、水素タンク1102と、水素ポンプ1104と、エアフィルタ1106と、エアポンプ1108と、加湿器1110と、ウォータポンプ1112と、希釈器1114とを含む。
【0096】
水素タンク1102は、水素を貯蔵する。なお、水素タンク1102の代わりに、水素吸蔵合金を用いても構わない。
【0097】
この水素タンク1102には、水素供給接続部1191から供給される水素を水素タンク1102に供給する接続部1213が接続されている。
【0098】
ここで、接続部1213と、給電部1090との位置関係においても、上記実施の形態1に係る充電・給電部と、給油部との位置関係を援用することができる。すなわち、接続部1213と、給電部1090とを鉛直方向に配列するようにする。これにより、接続部1213と給電部1090とによって車両内に機器を搭載できなくなる空間を低減することができ、機器の搭載効率の向上を図ることができる。さらに、接続部1213を給電部1090の鉛直方向上方に配置してもよく、給電部1090を接続部1213の鉛直方向上方に配置してもよい。
【0099】
燃料電池1100を発電させる場合、水素タンク1102に蓄えられた水素は、水素ポンプ1104により、燃料電池1100のアノード側に送られる。燃料電池1100の発電を停止させる場合に水素ポンプ1104を駆動させると、燃料電池1100のアノード側から、残存している水素を排出する停止処理が行なわれる。水素ポンプ1104は、補機モータ1700により駆動させられるポンプである。
【0100】
燃料電池1100のカソード側には、エアポンプ1108から空気が送られる。燃料電池1100を発電させる場合、エアポンプ1108が駆動すると、エアフィルタ1106から空気が吸入され、吸入された空気が、加湿器1110により加湿された後、燃料電池1100のカソード側に送られる。燃料電池1100の発電を停止させる場合にエアポンプ1108を駆動させると、エアフィルタ1106から吸入された空気が、加湿されずに燃料電池1100のカソード側に送られ、燃料電池1100を乾燥させる停止処理が行なわれる。エアポンプ1108は、補機モータ1700により駆動させられるポンプである。
【0101】
ウォータポンプ1112は、燃料電池1100を冷却する冷却水を吐出する。ウォータポンプ1112が吐出した冷却水は、燃料電池1100内を循環する。ウォータポンプ1112は、補機モータ1700により駆動させられるポンプである。
【0102】
燃料電池1100のアノード側を通過した水素およびカソード側を通過した空気は、希釈器1114に導かれる。希釈器1114により水素の濃度が希釈され、希釈された水素が車外に排出される。
【0103】
なお、補機モータ1700を1つのみ記載しているが、補機モータ1700は、水素ポンプ1104、エアポンプ1108およびウォータポンプ1112に対応して設けられている。なお、本実施の形態においては、蓄電器1200から供給された電力を直流電力から交流電力に変換して補機モータ1700を駆動させているが、インバータ600を、補機インバータ1600を介さずに、直流電力により補機モータ1700を駆動するように構成してもよい。
【0104】
なお、本実施の形態2においては、接続部1213から燃料電池1100で用いられる水素を供給するようにしているが、これに限られない。
【0105】
たとえば、メタノールなど水素元素を含む燃料から水素を取り出す改質器を搭載する方式の場合には、接続部1213には、メタノールを供給することになる。そして、水素タンク1102以外に設けられた図示されないメタノールタンクに、接続部1213が接続され、メタノールタンクにメタノールが貯留される。
【0106】
そして、このメタノールタンクに貯留されたメタノールと、水とを改質器に供給して、水素を生成して、水素タンク1102に貯留する。または、生成した水素を直接燃料電池に供給するようにしてもよい。
【0107】
さらに、メタノールを直接燃料電池に供給する直接メタノール方式においても、接続部1213には、メタノールを供給することになる。
【0108】
なお、この直接メタノール方式においては、燃料電池1100のアノードへ水と共にメタノールを供給することになり、白金などの触媒を用いて、水素イオンと電子と二酸化炭素に分解される。そして、水素イオンは、電解膜を通って、カソード側へ移動し、空気中の酸素と反応して、水となる。そして、電子は、端子を通って、電力として供給される。
【0109】
この直接メタノール方式の燃料電池車両1000においては、接続部1213から供給されるメタノールは、接続部1213が接続されたメタノールタンクに貯留される。そして、メタノールタンクに貯留されたメタノールが燃料電池1100に供給される。
【0110】
さらに、エタノール改質装置を搭載した燃料電池車両1000においては、接続部1213には、エタノールを供給することになる。このエタノール改質装置を搭載した燃料電池車両1000においては、エタノール改質装置にエタノールと水とを供給し、水素と二酸化炭素とが生成される。そして、生成された水素を用いて、燃料電池に供給することで、電力を得るようになっている。
【0111】
このエタノール改質装置を搭載した燃料電池車両1000においては、接続部1213からエタノールが供給され、この供給されたエタノールは、エタノールタンクに貯留される。そして、このエタノールタンクに貯留されたエタノールが、エタノール改質装置に供給される。
【0112】
なお、本実施の形態3においては、蓄電器1200を充電可能とされると共に、電力以外の燃料を供給可能な燃料電池車両について説明したが、これに限られない。
【0113】
たとえば、蓄電器1200内に蓄積された直流電力を交流電力に変換して、外部負荷に交流電力を供給可能であると共に、電力以外の燃料が供給され、この燃料を燃料電池に供給することで駆動力を発生可能な燃料電池車両にも適用することができる。
【0114】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、車両に適用することができ、特に種類の異なるエネルギ源が供給される車両に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の実施の形態1に係るハイブリッド車両の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るハイブリッド車両の概略構成を示すブロック図である。
【図3】充電・給電部および燃料供給部を示す斜視図である。
【図4】充電・給電部と燃料供給部との配置関係についての変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るハイブリッド車両の概略ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例を示す概略構成図である。
【図7】本発明の実施の形態2のハイブリッド車両を示す概略ブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る燃料電池車両の構成を模式的に示す模式図である。
【符号の説明】
【0117】
30,40 インバータ、70 制御装置、90 充電・給電部、90A,213A 蓋部材、91 挿入部、92,92A,92B 配線、100 ハイブリッド車両、190 コネクタ、191 給油コネクタ、200 車両本体、201 フューエルタンク、213 燃料供給部、213A 蓋部材、214 接続管、215 ノズル受入部、300 フロントバンパ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1エネルギ源によって、駆動される第1駆動部と、
前記第1エネルギ源を蓄積する第1蓄積部と、
第1エネルギ供給部が着脱可能に接続され、前記第1エネルギ源が供給される第1エネルギ受入部と、
前記第1エネルギ受入部に接続され、前記第1エネルギ受入部に供給された前記第1エネルギ源を前記第1蓄積部に導く第1接続部と、
前記第1エネルギ源と異なる第2エネルギ源によって駆動する第2駆動部と、
前記第2エネルギ源を蓄積可能な第2蓄積部と、
第2エネルギ供給部が着脱可能に接続され、前記第2エネルギ源が供給される第2エネルギ受入部と、
前記第2エネルギ受入部に接続された第2接続部とを備えた車両であって、
前記第1エネルギ受入部と、前記第2エネルギ受入部とは、鉛直方向に配列する、車両。
【請求項2】
前記第1エネルギ受入部は、前記第2エネルギ受入部の鉛直方向上方に位置する、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記第1エネルギ受入部は、前記第2エネルギ受入部の鉛直方向下方に位置する、請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記第1接続部と前記第2接続部とは、鉛直方向に配列する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両。
【請求項5】
前記第1エネルギ源は、液体状の燃料とされ、
前記第1蓄積部は、前記液体状の燃料を蓄積する燃料タンクとされ、
前記第1接続部は、前記液体状の燃料を前記第1エネルギ受入部から前記燃料タンクに導く管路とされ、
前記第2エネルギ源は電力とされ、
前記第2蓄積部は、直流電力として、前記第2エネルギ源を蓄積する蓄電器とされ、
前記第2接続部は、電力が流通する配線とされた、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両。
【請求項6】
前記第2駆動部は、交流電力としての前記第2エネルギ源によって駆動される回転電機とされ、
前記回転電機は、第1多相巻線と該第1多相巻線の第1中性点とを有する第1回転電機と、第2多相巻線と該第2多相巻線の第2中性点とを有する第2回転電機とを含み、
前記第2接続部は、前記第1中性点に接続された第1配線と、前記第2中性点に接続された第2配線とを含み、
前記蓄電器からの直流電力としての前記第2エネルギ源を交流電力としての前記第2エネルギ源に変換して前記第1回転電機に供給する第1インバータと、
前記蓄電器からの直流電力としての前記第2エネルギ源を交流電力としての前記第2エネルギ源に変換して前記第2回転電機に供給する第2インバータと、
前記第1および第2インバータを制御するインバータ制御部とをさらに備え、
インバータ制御部は、前記第2接続部から前記第1および第2中性点に与えられる交流電力を直流電力に変換して、前記蓄電器に供給するように前記第1および第2インバータを制御する、請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記第2駆動部は、交流電力としての前記第2エネルギ源によって駆動される回転電機とされ、
前記回転電機は、第1多相巻線と該第1多相巻線の第1中性点とを有する第1回転電機と、第2多相巻線と該第2多相巻線の第2中性点とを有する第2回転電機とを含み、
前記第2接続部は、前記第1中性点に接続された第1配線と、前記第2中性点に接続された第2配線とを含み、
前記蓄電器からの直流電力としての前記第2エネルギ源を交流電力としての前記第2エネルギ源に変換して前記第1回転電機に供給する第1インバータと、
前前記蓄電器に直流電力としての前記第2エネルギ源を交流電力としての前記第2エネルギ減に変換して前記第1回転電機に供給する第2インバータと、
前記第1および前記第2インバータを制御するインバータ制御部とをさらに備え、
前記インバータ制御部は、前記蓄電器から前記第1インバータおよび前記第2インバータに供給される直流電力を交流電力に変換して、前記第2接続部から外部負荷に供給するように前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御する、請求項5に記載の車両。
【請求項8】
前記半導体基板の主表面上に形成された半導体基板の主表面上に形成された半導体基板の主表面上に形成されている。上記のように構成された半導体基板の主表面上に形成されている。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−285113(P2008−285113A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−134420(P2007−134420)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】