説明

車載地図表示装置、ナビゲーション装置

【課題】ラウンドアバウトの道路形状を正しく表した地図を表示することができる車載地図表示装置を提供する。
【解決手段】ラウンドアバウトを構成する(a)のリンク構造の道路に対して、初めに(b)のリンク拡大領域41、42および43を設定する。次に、隣接するリンク拡大領域同士の間をそれぞれ接合する接合曲線51および52を設定する。その後、接合曲線51および52をリンク31、32および33と接する(c)の位置に移動して、移動された接合曲線51および52と、リンク31、32および33とを接続して、(d)の線を求める。この線の形状に基づいてラウンドアバウトの道路形状を表した地図を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて地図を表示するナビゲーション装置のような車載地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置において地図を表示する場合、ノードと呼ばれる複数の座標点の間を順次接続したときの各線分の形状によって道路の形状を表している。曲線状の道路によって構成されるラウンドアバウト(環状交差点)については、直線状の道路を組み合わせて曲線に近づけることにより、その曲線状の道路形状を表している。したがって、地図が拡大されるほど直線状の部分が長くなり、本来の道路形状とは異なったものとなってしまう。そこで、このような不都合を解消するために、予め定められた円形などの形状を有する表示パターンを用いて実際のラウンドアバウトに近い形状のデフォルメ図を作成し、それを地図上に表示するナビゲーション装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−108969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるナビゲーション装置によれば、予め定められた形状を有する表示パターンを用いて作成されたデフォルメ図により、ラウンドアバウトの道路形状を表している。しかし、実際のラウンドアバウトでは、たとえば楕円形や一部が歪んだ円形などのように様々な道路形状となっている。したがって、特許文献1に開示されるナビゲーション装置によって表示される地図では、ラウンドアバウトの道路形状を正しく表すことができない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明による車載地図表装置は、複数のリンクにより表されるラウンドアバウトが地図の表示対象道路に含まれるか否かを判断する判断手段と、判断手段によりラウンドアバウトが地図の表示対象道路に含まれると判断された場合、ラウンドアバウトを表すリンクを接続して形成される折れ線形状を滑らかな曲線形状に修正する修正手段と、修正手段により修正されたラウンドアバウトの曲線形状を地図上に表示する表示制御手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1の車載地図表示装置において、修正手段は、ラウンドアバウトを表すリンクを中心に、各リンクの進行方向に対してそれぞれ垂直な方向に所定の幅を有する複数のリンク拡大領域を設定し、設定された複数のリンク拡大領域のうち、隣接するリンク拡大領域同士の間を接合する接合曲線を設定し、設定された接合曲線を複数のリンクのうち対応する二つのリンクに接する位置に移動し、移動された接合曲線と複数のリンクとを接続した線を求め、求められた線の形状に基づいて、折れ線形状を曲線形状に修正するものである。
請求項3の発明は、請求項2の車載地図表示装置において、修正手段は、ラウンドアバウトを表すリンクの端点を中心とする円弧により、接合曲線を設定するものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3いずれか一項の車載地図表示装置において、自車位置を検出する自車位置検出手段と、ラウンドアバウトを表すリンクと、そのリンクがラウンドアバウトを表していることを示す識別情報とが対応付けられた地図データを記憶する地図データ記憶手段と、自車位置検出手段により検出された自車位置の周辺地図を表すための周辺地図データを、地図データ記憶手段に記憶されている地図データから抽出する抽出手段とをさらに備え、判断手段は、抽出された周辺地図データの中に識別情報が有るか否かを判定することにより、ラウンドアバウトが地図の表示対象道路に含まれるか否かを判断するものである。
請求項5の発明によるナビゲーション装置は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、自車位置検出手段により過去に検出された自車位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段により探索された経路に、複数のリンクにより表されるラウンドアバウトが含まれるか否かを判断する判断手段と、判断手段によりラウンドアバウトが経路に含まれると判断された場合、ラウンドアバウトを表すリンクを接続して形成される折れ線形状を滑らかな曲線形状に修正する修正手段と、修正手段により修正されたラウンドアバウトの曲線形状を、そのラウンドアバウトと対応付けて記憶保持する記憶保持手段と、自車位置検出手段により現在検出された自車位置周辺の地図を表示する地図表示手段と、記憶保持手段によりその曲線形状が記憶保持されているラウンドアバウトを記憶保持された曲線形状により地図上に表示する表示制御手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ラウンドアバウトの道路形状を正しく表した地図を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。このナビゲーション装置は車両に搭載されており、探索した推奨経路を地図上に表示してその推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導するものである。図1に示すナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17およびディスクドライブ18を有している。ディスクドライブ18には、地図データが記録されたDVD−ROM19が装填される。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行する。これにより、たとえば目的地の設定、推奨経路の探索、地図の表示などの様々な処理や制御がナビゲーション装置1において行われる。
【0009】
現在地検出装置14は、自車両の現在地すなわち自車位置を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方向を検出する振動ジャイロセンサ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14c等の各種センサ類からなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出される自車位置に基づいて、後述する経路探索開始点を決定したり、自車位置マークを地図上に示したりすることができる。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを一時的に格納する。この画像データは、地図を表示するための地図描画用データや各種の図形データ等からなり、DVD−ROM19に記録されている地図データなどに基づいて、制御回路11により作成される。作成された画像データが制御回路11から画像メモリ15に出力されることによって、表示モニタ16に地図が表示される。
【0011】
入力装置17は、車両の目的地や経由地(以下、これらを合わせて単に目的地という)をユーザが設定したりするための各種入力スイッチを有している。この入力装置17は、操作パネルやリモコンなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16に表示される画面指示に従って入力装置17を操作することにより、地名や地図上の位置などを指定して目的地を設定することができる。
【0012】
ディスクドライブ18は、装填されたDVD−ROM19より、地図を表示するための地図データを読み出す。この地図データには、ルート探索に用いられる経路計算データ、推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられる交差点名称や道路名称などの経路誘導データ、道路を表す道路データなどが含まれている。また、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図要素を表す背景データなども地図データに含まれている。
【0013】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンクのそれぞれには、道路の種別に関する識別情報(リンク種別)が設定されている。リンク同士を接続している点、すなわち各リンクの端点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報により、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。言い換えれば、各ノード間を直線的に順次接続したときの各線分(リンク)の形状によって地図上の道路形状が表される。なお、複雑な道路形状を表現するために、必要に応じてリンクの途中に屈曲点または形状補間点と呼ばれる点が設定されることもある。以下の説明では、これらの点を全て合わせてノードと呼ぶこととする。
【0014】
なお、ここではDVD−ROMを用いた例について説明しているが、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスク、メモリーカードなどから地図データを読み出すこととしてもよい。あるいは、外部より携帯電話回線などを介して送信される地図データを受信し、その地図データを用いることとしてもよい。すなわち、地図データの取得にはどのような方法を用いてもよい。
【0015】
ユーザが入力装置17を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、現在地から目的地までのルート探索を行う。ルート探索の結果求められた推奨経路は、その表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路とは区別して地図上に表される。これにより、ユーザは推奨経路を表示モニタ16に表示された地図上において認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このように、地図を表示して推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導することにより、目的地までのルート案内が行われる。
【0016】
ところで前述のように、各ノード間を直線的に順次接続したときの各線分の形状によって地図上に道路形状を表すと、直線的な道路については正しい道路形状とすることができるが、ラウンドアバウトのように曲線状の道路については、正しい道路形状にならない。なおラウンドアバウトとは、環状交差点やロータリーなどとも呼ばれ、進入した車両は予め決められた一方向にのみ周回することを許される円形状の特殊な道路である。したがって、ナビゲーション装置1において地図上にラウンドアバウトを表示する際には、以下に説明する方法を用いてラウンドアバウトの道路形状を表すようにする。
【0017】
図2は、ナビゲーション装置1において地図上にラウンドアバウトの道路形状を表す方法を説明するための説明図である。図2(a)は、ラウンドアバウトを構成する道路のうち一部分の道路におけるリンク構造を表している。この道路は、ノード21、22、23および24の間を順次つなぐリンク31、32および33によって構成されている。そのため、図に示すような折れ線形状を有している。
【0018】
図2(a)に示すようなリンク構造の道路に対して、ナビゲーション装置1は初めに、リンク31、32および33の各リンクについて図2(b)の符号41、42および43に示すような領域をそれぞれ設定する。この領域41〜43は、リンク31〜33の幅を本来の道路幅よりもそれぞれ拡大して得られる領域である。すなわち領域41〜43は、各リンクをそれぞれ中心にして、各リンクの進行方向に対して垂直な方向に、本来の道路幅よりも大きい所定の幅を有する領域として設定される。この領域41〜43を、以下ではリンク拡大領域と称する。
【0019】
上記のようにリンク拡大領域41、42および43を設定したら、次にリンク拡大領域41〜43のうち隣接するリンク拡大領域同士、すなわちリンク拡大領域41と42、およびリンク拡大領域42と43の間をそれぞれ接合する曲線51および52を設定する。曲線51は、隣接するリンク拡大領域41および42の両端部分のうち、互いの距離が離れている方の部分(図の例では右側の部分)を曲線状に接合するように設定される。このときの曲線は、たとえばノード22を中心とする円弧により決定される。曲線52も同様に、隣接するリンク拡大領域42および43の両端部分のうち、互いの距離が離れている方の部分を曲線状に接合するように設定される。この曲線51および52を、以下では接合曲線と称する。
【0020】
上記のように接合曲線51および52を設定したら、次に図2(c)に示すように、接合曲線51および52を移動して、リンク31、32および33と接するようにする。これにより、接合曲線51は対応する二つのリンク31および32に接する位置に移動され、接合曲線52は対応する二つのリンク32および33に接する位置に移動される。
【0021】
その後は図2(d)に示すように、移動された接合曲線51および52と、リンク31、32および33とを接続した線を求める。このとき、リンク31〜33と移動後の接合曲線51または52とが接している接点同士が結ばれるように、リンク31〜33の長さをそれぞれ変化させる。その結果、図2(d)に示すような線が得られる。図2(a)に示すリンク31〜33の代わりに、こうして得られた線の形状に基づいて道路の形状を表した地図を表示モニタ16に表示する。
【0022】
以上説明したようにして、ラウンドアバウトを構成するリンクを接続して形成される折れ線形状が滑らかな曲線形状に修正される。この曲線形状を地図上に表示することにより、ラウンドアバウトの道路形状を正しく表した地図とすることができる。
【0023】
以上説明した方法を用いて地図上にラウンドアバウトの道路形状を表すときに、制御回路11において実行されるフローチャートを図3に示す。ステップS10では、地図の表示対象とする道路の中からいずれかを選択する。たとえば、DVD−ROM19に記録されている地図データの中から、自車位置周辺の地図を表すための周辺地図データを抽出して、自車位置周辺の所定範囲に設定された地図領域に含まれる道路のうちのいずれかをステップS10において選択する。いずれかの道路を選択したら、ステップS20へ進む。
【0024】
ステップS20では、ステップS10において選択した道路がラウンドアバウトであるか否かを判定する。この判定は、予め地図データに設定されたリンク種別に基づいて行うことができる。すなわち、ラウンドアバウトであることを示す識別情報がリンク種別に設定されている場合は、その識別情報が有ることでラウンドアバウトであると判定できる。あるいは、選択した道路の形状からラウンドアバウトであるか否かを判定してもよい。ステップS10およびS20の処理を実行することで、ナビゲーション装置1が表示対象とする道路にラウンドアバウトが含まれるか否かの判断が行われる。
【0025】
ステップS20の判定の結果、ステップS10において選択した道路がラウンドアバウトである場合は、次のステップS30へ進む。一方、ラウンドアバウトでない場合、その道路については以下に説明するステップS30〜S60の処理を実行せずに、ステップS70へ進む。
【0026】
ステップS30では、ステップS10で選択した道路を構成する各リンクに対して、図2(b)で説明したようなリンク拡大領域を設定する。次のステップS40では、ステップS30で設定したリンク拡大領域に対して、図2(b)で説明したような接合曲線を設定する。
【0027】
ステップS50では、図2(c)で説明したように、ステップS40で設定した接合曲線を対応するリンクと接する位置に移動する。次のステップS60では、図2(d)で説明したように、ステップS50で移動した接合曲線と、ステップS10で選択した道路を構成する各リンクとを接続する。これにより、ラウンドアバウトの道路形状が地図上に表される。
【0028】
ステップS70では、それまでに実行されたステップS20において、地図の表示対象とする全ての道路を選択したか否かを判定する。地図の表示対象とする道路の全てを既に選択済みである場合は、ステップS80へ進む。一方、まだ選択していない道路がある場合はステップS10へ戻り、いずれかの道路を選択して上記のような処理を繰り返す。
【0029】
ステップS80では、以上説明したステップS10〜S70の処理によって得られた線の形状またはリンク形状に基づいて、表示モニタ16に地図を表示する。これにより、ラウンドアバウトを構成する道路については、ステップS60で得られる図2(d)で説明したような線の形状に基づいて、その道路形状が地図上に表される。また、ラウンドアバウト以外の道路については、通常のリンク形状に基づいてその道路形状が地図上に表される。ステップS80を実行したら、図3のフローチャートを終了する。
【0030】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ラウンドアバウトが地図の表示対象道路に含まれるか否かを判断し(ステップS10、S20)、含まれると判断された場合、ラウンドアバウトを表すリンクを接続して形成される折れ線形状を滑らかな曲線形状に修正し(ステップS30〜S60)、修正されたラウンドアバウトの曲線形状を地図上に表示する(ステップS80)こととした。このようにしたので、ラウンドアバウトの道路形状を正しく表した地図を表示することができる。
【0031】
(2)ラウンドアバウトを表すリンクを中心に複数のリンク拡大領域を設定し(ステップS30)、設定された複数のリンク拡大領域に対して、接合曲線を設定する(ステップS40)。この接合曲線を、上記複数のリンクのうち対応する二つのリンクに接する位置に移動し(ステップS50)、移動された複合曲線と上記複数のリンクとを接続した線を求める(ステップS60)。こうして求められた線の形状に基づいて、ラウンドアバウトの折れ線形状を滑らかな曲線形状に修正することとした。このようにしたので、簡単な処理によりラウンドアバウトの折れ線形状を滑らかな曲線形状に修正することができる。
【0032】
(3)ステップS40において接合曲線を設定するとき、リンクの端点であるノードを中心とする円弧により設定することとすれば、適切な形状の接合曲線を容易に設定することができる。
【0033】
(4)ステップS10およびS20においてラウンドアバウトが地図の表示対象道路に含まれるか否かを判断するとき、自車位置の周辺地図を表すための周辺地図データをDVD−ROM19に記録された地図データから抽出し、抽出された周辺地図データの中にラウンドアバウトであることを示すリンク種別があるか否かを判定することとすれば、ラウンドアバウトが地図の表示対象道路に含まれるか否かを容易に判断することができる。
【0034】
なお、目的地までの推奨経路を設定したときには、次のようにしてもよい。初めに、設定した経路内にラウンドアバウトが含まれているか否かを判定する。ラウンドアバウトが経路に含まれている場合、上記のような方法により、リンクを接続して得られるラウンドアバウトの折れ線形状を滑らかな曲線形状に修正する。こうして修正されたラウンドアバウトの曲線形状を、そのラウンドアバウトと対応付けてRAM13に記憶保持しておく。その後、設定した経路に沿って車両が移動し、ラウンドアバウトが地図範囲内に含まれるようになったときには、記憶保持された曲線形状により地図上に表示する。
【0035】
すなわち、過去に検出された自車位置から目的地までの経路を探索し、ラウンドアバウトが経路に含まれる場合、リンクを接続して形成されるその折れ線形状を滑らかな曲線形状に修正し、記憶保持しておく。そして、現在検出された自車位置周辺の地図を表示するとき、その曲線形状が記憶保持されているラウンドアバウトを記憶保持された曲線形状により地図上に表示する。このようにすれば、ラウンドアバウトを表示する度に折れ線形状を滑らかな曲線形状に修正する処理をする必要がないため、制御回路11の処理負荷の軽減を図ることができる。その結果、処理時間の短縮が可能となる。
【0036】
なお、上記の実施の形態ではラウンドアバウトを例に説明したが、ラウンドアバウト以外の曲線状の道路、たとえばカーブの多い山道や都市間高速道路などについても、同様に本発明を適用可能である。
【0037】
また、上記で説明したような地図の表示方法は、車両用のナビゲーション装置以外にも、地図を表示する様々な車載装置について適用可能である。すなわち本発明は、ラウンドアバウトを含む道路を地図上に表示する各種の車載装置について適用することができる。
【0038】
上記の実施の形態では、自車位置検出手段を自車位置検出装置14、地図データ記憶手段をDVD−ROM19によりそれぞれ実現し、判断手段、修正手段および表示制御手段を制御回路11の処理によって実現することとした。判断手段はステップS10およびS20、修正手段はステップS30〜S60、表示制御手段はステップS80によりそれぞれ実現することとした。しかし、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。また、以上説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】地図上にラウンドアバウトの道路形状を表す方法を説明するための説明図である。
【図3】地図上にラウンドアバウトの道路形状を表すときに実行される処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
15 画像メモリ
16 表示モニタ
17 入力装置
18 ディスクドライブ
19 DVD−ROM
21〜24 ノード
31〜33 リンク
41〜43 リンク拡大領域
51,52 接合曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリンクにより表されるラウンドアバウトが地図の表示対象道路に含まれるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によりラウンドアバウトが地図の表示対象道路に含まれると判断された場合、前記ラウンドアバウトを表すリンクを接続して形成される折れ線形状を滑らかな曲線形状に修正する修正手段と、
前記修正手段により修正されたラウンドアバウトの曲線形状を地図上に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする車載地図表示装置。
【請求項2】
請求項1の車載地図表示装置において、
前記修正手段は、
前記ラウンドアバウトを表すリンクを中心に、各リンクの進行方向に対してそれぞれ垂直な方向に所定の幅を有する複数のリンク拡大領域を設定し、
前記設定された複数のリンク拡大領域のうち、隣接するリンク拡大領域同士の間を接合する接合曲線を設定し、
前記設定された接合曲線を前記複数のリンクのうち対応する二つのリンクに接する位置に移動し、
前記移動された接合曲線と前記複数のリンクとを接続した線を求め、
前記求められた線の形状に基づいて、前記折れ線形状を前記曲線形状に修正することを特徴とする車載地図表示装置。
【請求項3】
請求項2の車載地図表示装置において、
前記修正手段は、前記ラウンドアバウトを表すリンクの端点を中心とする円弧により、前記接合曲線を設定することを特徴とする車載地図表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか一項の車載地図表示装置において、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
前記ラウンドアバウトを表すリンクと、そのリンクがラウンドアバウトを表していることを示す識別情報とが対応付けられた地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車位置の周辺地図を表すための周辺地図データを、前記地図データ記憶手段に記憶されている地図データから抽出する抽出手段とをさらに備え、
前記判断手段は、前記抽出された周辺地図データの中に前記識別情報が有るか否かを判定することにより、前記ラウンドアバウトが地図の表示対象道路に含まれるか否かを判断することを特徴とする車載地図表示装置。
【請求項5】
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
前記自車位置検出手段により過去に検出された自車位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路に、複数のリンクにより表されるラウンドアバウトが含まれるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によりラウンドアバウトが経路に含まれると判断された場合、前記ラウンドアバウトを表すリンクを接続して形成される折れ線形状を滑らかな曲線形状に修正する修正手段と、
前記修正手段により修正されたラウンドアバウトの曲線形状を、そのラウンドアバウトと対応付けて記憶保持する記憶保持手段と、
前記自車位置検出手段により現在検出された自車位置周辺の地図を表示する地図表示手段と、
前記記憶保持手段によりその曲線形状が記憶保持されているラウンドアバウトを記憶保持された曲線形状により前記地図上に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−225369(P2007−225369A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−45103(P2006−45103)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】