説明

車間維持支援装置および車間維持支援方法

【課題】車両の走行を適切に支援できる車間維持支援装置および車間維持支援方法を提供する。
【解決手段】定車間制御状態にある場合に所定の条件の少なくともいずれか1つが成立すると、制御装置3は、定車間制御状態から減速支援制御状態に遷移するよう各部を制御するように構成した(状態遷移G)。すなわち、検出された自車両の走行環境に基づいて、または、検出したドライバの操作に基づいて、定車間制御を解除するが、減速支援制御は解除しないように構成した。したがって、定車間制御によって車両が加速されることを防止して、車両の減速を行う減速支援制御を継続できる。これにより、ドライバの意図しない車両挙動を防止しつつ、減速を支援する走行シーンを拡大できるので、走行環境やドライバの操作に応じて適切に車両の走行を支援できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車間距離が維持されるように支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
先行車との車間距離を一定に保ちながら先行車に追従走行するように自車両の加減速制御を行う装置が知られている(特許文献1参照)。また、先行車との車間距離を確保するように、検出した車間距離に基づいて自車両の減速制御を行うシステムも知られている。上述したような減速制御を行う複数のシステムが搭載された車両も知られている(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−329786号公報
【特許文献2】特開2007−313932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような減速制御を行う複数のシステムが車両に搭載された場合に、異なる制御内容をもつ複数の減速制御の切り替えをどのように行うのかが問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明による車間維持支援装置は、先行車両が存在すると判断される場合には、先行車両に追従して走行するための制御を行う走行制御手段と、先行車両との車間距離に応じて自車両の減速を支援する制御を行う減速制御手段と、自車両の走行環境を検出する走行環境検出手段と、自車両の走行環境に適応するために行われたドライバの操作を検出する操作検出手段と、走行環境検出手段で検出された自車両の走行環境に基づいて、または、操作検出手段で検出したドライバの操作に基づいて、車両の遷移状態を検出する遷移状態検出手段と、走行環境検出手段と操作検出手段と遷移状態検出手段からの情報に応じて走行制御手段および減速制御手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、遷移状態検出手段で、車両の遷移状態が所定の遷移状態であることが検出されると、走行制御手段により定車間制御が行われていても定車間制御を解除するように走行制御手段を制御し、減速支援制御が作動できるように減速制御手段を制御することを特徴とする。
(2) 請求項2の発明による車間維持支援装置は、先行車両が存在すると判断される場合には、先行車両に追従して走行するための制御を行う走行制御手段と、先行車両との車間距離に応じて自車両の減速を支援する制御を行う減速制御手段と、自車両の走行環境を検出する走行環境検出手段と、自車両の走行環境に適応するために行われたドライバの操作を検出する操作検出手段と、走行環境検出手段で検出された自車両の走行環境に基づいて、または、操作検出手段で検出したドライバの操作に基づいて、車両の遷移状態を検出する遷移状態検出手段と、走行環境検出手段と操作検出手段と遷移状態検出手段からの情報に応じて走行制御手段および減速制御手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、遷移状態検出手段で検出された車両の遷移状態に基づいて、先行車両へ追従するために加速を行う制御が不適切であるか否かを判断し、先行車両へ追従するために加速を行う制御が不適切であると判断すると、走行制御手段により定車間制御が行われていても定車間制御を解除するように走行制御手段を制御し、減速支援制御が作動できるように減速制御手段を制御することを特徴とする。
(3) 請求項10の発明による車間維持支援方法は、先行車両が存在すると判断される場合には、先行車両に追従して走行するための制御を行い、先行車両との車間距離に応じて自車両の減速を支援する制御を行い、自車両の走行環境を検出し、自車両の走行環境に適応するために行われたドライバの操作を検出し、検出された自車両の走行環境またはドライバの操作に基づいて、車両の遷移状態を検出し、車両の遷移状態が所定の遷移状態であることが検出されると、追従走行制御が行われていても定車間制御を解除するように制御し、減速支援制御が作動できるように制御することを特徴とする。
(4) 請求項11の発明による車間維持支援方法は、先行車両が存在すると判断される場合には、先行車両に追従して走行するための制御を行い、先行車両との車間距離に応じて自車両の減速を支援する制御を行い、自車両の走行環境を検出し、自車両の走行環境に適応するために行われたドライバの操作を検出し、検出された自車両の走行環境またはドライバの操作に基づいて、車両の遷移状態を検出し、車両の遷移状態に基づいて、先行車両へ追従するために加速を行う制御が不適切であるか否かを判断し、先行車両へ追従するために加速を行う制御が不適切であると判断すると、定車間制御が行われていても定車間制御を解除するように制御し、減速支援制御が作動できるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、車両の走行を適切に支援できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1〜11を参照して、本発明による車間維持支援装置および車間維持支援方法の一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態における車間維持支援装置の構成を示すブロック図であり、図2は、図1に示す車間維持支援装置を搭載した車両の構成図である。車間維持支援装置は、車間距離センサ1、車速センサ2、制御装置3、加速制御装置4、減速制御装置5、表示装置6、報知装置7、およびアクセルペダルアクチュエータ20を備えている。さらに、制御装置3には、運転者によって操作されるメインスイッチ8、セット/コーストスイッチ9、レジューム/アクセラレートスイッチ10、キャンセルスイッチ11、および車間設定スイッチ12がそれぞれ接続されている。また、制御装置3には、シフトポジションセンサ14,ブレーキセンサ15、ワイパースイッチ16,VDC OFFスイッチ17、およびSNOW MODEスイッチ18がそれぞれ接続されている。
【0008】
車間距離センサ1は、レーダ装置を備えており、車両前方にレーザ光を送出することによって、先行車を検出するとともに、検出した先行車までの車間距離を検出する。なお、検出した車間距離から自車両と先行車との相対速度を検出するように構成してもよい。車速センサ2は、自車両の速度を検出する。なお、車速センサ2は、自車両の車速Vとして各車輪の車輪速Vw1,Vw2,Vw3,Vw4を検出できるように構成されている。
【0009】
制御装置3は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成され、各センサやスイッチからの入力信号に基づいて車間維持支援装置全体の制御を行う。具体的には、車間距離センサ1によって検出される車間距離、および車速センサ2によって検出される自車両の速度に基づいて、自車両が先行車に追従して自動走行するための先行車追従制御を行う。すなわち、制御装置3は、先行車が検出されている場合には、あらかじめ設定されている車速を上限として、自車両と先行車との車間距離が略一定距離に保たれるように、加速制御装置4、および減速制御装置5を制御する。この制御のことを、以下、定車間制御と呼ぶ。なお、先行車が検出されていない場合には、制御装置3は、あらかじめ設定されている車速が保たれるように、加速制御装置4、および減速制御装置5を制御する。この制御のことを、以下、定速制御と呼ぶ。このように、先行車追従制御では、先行車の検出の有無によって定車間制御または定速制御が行われる。
【0010】
さらに、制御装置3は、車間距離センサ1によって検出される車間距離があらかじめ設定された閾値を下回った場合に、先行車との車間距離を確保するように減速制御装置5を制御して自車両を減速させる車間距離制御(減速支援制御)を行う。
【0011】
加速制御装置4は、たとえばスロットルアクチュエータを備え、制御装置3からの指令に基づいて、図示しないスロットルバルブの開閉を制御することによって、自車両の加減速を制御する。減速制御装置5は、たとえばブレーキアクチュエータを備え、制御装置3からの指令に基づいて、各車輪に設けられている制動装置(油圧ブレーキ)5aの制動力を制御する。油圧ブレーキ5aは、減速制御装置5による制御によって作動するとともに、運転者がブレーキペダル(不図示)を操作することによって作動する。
【0012】
表示装置6は、たとえば液晶モニタから構成され、制御装置3からの指令に応じて、車間維持支援装置で行われる先行車追従制御および減速支援制御の状態を表示する。報知装置7は、たとえば報知ブザーからなり、制御装置3からの指令に応じて、先行車追従制御および減速支援制御の状態を報知する。アクセルペダルアクチュエータ20は、後述するように、アクセルペダル(不図示)に反力を付与するアクチュエータであり、制御装置3からの指令に基づいて運転者がアクセルペダルを踏み込む方向とは反対方向の力(反力)を与える。
【0013】
なお、車間距離センサ1、車速センサ2、制御装置3、加速制御装置4、減速制御装置5、表示装置6、報知装置7、メインスイッチ8、セット/コーストスイッチ9、レジューム/アクセラレートスイッチ10、キャンセルスイッチ11、車間設定スイッチ12、ブレーキセンサ15、ワイパースイッチ16、VDC OFFスイッチ17、およびSNOW MODEスイッチ18が先行車追従制御のシステム(以降、追従制御システムと呼ぶ)を構成する。そして、車間距離センサ1、車速センサ2、制御装置3、減速制御装置5、表示装置6、報知装置7、メインスイッチ8、ブレーキセンサ15、VDC OFFスイッチ17、SNOW MODEスイッチ18、およびアクセルペダルアクチュエータ20が減速支援制御のシステム(以降、減速支援制御システムと呼ぶ)を構成する。
【0014】
メインスイッチ8、セット/コーストスイッチ9、レジューム/アクセラレートスイッチ10、キャンセルスイッチ11、および車間設定スイッチ12は、それぞれステアリング上の運転者が操作しやすい位置に設けられている。メインスイッチ8は、追従制御システムおよび減速支援制御システムのオン/オフを行うためのスイッチである。セット/コーストスイッチ9は、後述する作動待機状態から定速制御を開始するためのスイッチである。定速制御が行われている場合には、セット/コーストスイッチ9の操作により設定車速を減少させる。
【0015】
レジューム/アクセラレートスイッチ10は、作動待機状態から前回の設定を維持したまま定速制御を開始するためのスイッチである。定速制御が行われている場合には、レジューム/アクセラレートスイッチ10の操作により設定車速を上昇させる。
【0016】
キャンセルスイッチ11は、定速制御が行われている場合には作動待機状態に移行(遷移)し、定車間制御が行われている場合には減速支援制御に遷移するためのスイッチである。車間設定スイッチ12は、先行車までの車間距離(目標車間距離)を変更するためのスイッチである。
【0017】
シフトポジションセンサ14は、トランスミッションのシフト位置を検出するセンサである。ブレーキセンサ15は、図示しないブレーキペダルが運転者によって操作されたことを検出するセンサである。ワイパースイッチ16は、ワイパーを動作させるためのスイッチである。
【0018】
VDC OFFスイッチ17は、VDC(Vehicle Dynamics Control)制御のキャンセルを指示するためのスイッチである。なお、VDC制御とは、車両の挙動を安定させるための車両挙動制御である。SNOW MODEスイッチ18は、雪道など滑りやすい路面状態に対応できるようにアクセル開度と出力されるエンジントルクとの関係を変更するなど、車両の設定を変更するためのスイッチである。
【0019】
次に、車間維持支援装置で行われる動作について説明する。
上述したように、車間維持支援装置では、追従制御システムによる先行車追従制御および減速支援制御システムによる減速支援制御を行う。追従制御システムは、検出された先行車までの車間距離および自車両の速度に基づいて先行車に追従して走行するための自車両の目標車速を算出し、目標車速を実現するように加速制御と減速制御を行うものである。追従制御システムはブレーキペダルが操作されると制御を解除する。
【0020】
減速支援制御システムは、先行車に接近していく状況で先行車までの車間距離を確保するように減速制御を行うものであり、ブレーキペダルが操作されると一時的に制御が中止されるものの、制御は解除されない。以下に、減速支援制御システムで行われる減速支援制御について詳細に説明する。なお、以下に説明する減速支援制御については、上述したように、ブレーキペダルが操作されるなど、一定の操作がなされたこと、または、車両の走行状況が一定の状況をなったと判断されると、一旦減速支援制御が中止(中断)される。ただし、当該一定の操作なされなくなり、かつ、車両の走行状況が当該一定の状況ではなくなったと判断されると、中止していた減速支援制御を再び開始する。
【0021】
図3は、減速支援制御システムによって行われる減速支援制御の処理内容を示すフローチャートである。後述するようにメインスイッチ8がオンされると、制御装置3は、ステップS11の処理を開始する。ステップS11では、減速支援制御システムが備えるアクセル開度センサ(不図示)によって検出されるアクセル開度Acc、車速センサ2によって検出される自車両の車速、および、車間距離センサ(例えばレーザレーダ)1によって検出される先行車両との間の車間距離L、相対速度Vrを読み込んで、ステップS12に進む。なお、上述したように、車速センサ2は、自車両の車速として各車輪の車輪速Vw1,Vw2,Vw3,Vw4を検出できるように構成されている。
【0022】
ステップS12では、第1の車間距離しきい値L*1を算出する。第1の車間距離しきい値L*1の詳細な算出方法を、図4に示すフローチャートを用いて説明する。図4に示すフローチャートのステップS21では、次式(1)により、車間距離しきい値L*h1を算出する。後述するように、第1の車間距離しきい値L*1は、第1の車間距離しきい値の定常項と過渡項との和により算出されるが、式(1)により求める車間距離しきい値L*h1は、定常項の値である。
L*h1=Va×Th (1)
ただし、Vaは、自車両の車速Vおよび相対速度Vrに基づいて算出される先行車両の車速であり、Thは所定の車間時間である。また、自車両の車速Vは、車速センサ2によって検出される前輪の車輪速Vw1およびVw2の平均値を求めることにより算出する。
【0023】
ステップS21に続くステップS22では、アクセル開度センサによって検出されるアクセル開度Accが所定のアクセル開度しきい値Acc0以上であるか否かを判定する。アクセル開度Accが所定のアクセル開度しきい値Acc0以上であると判定すると、運転者がアクセルペダル操作を行っていると判断して、アクセル操作フラグFaccをオンにセットした後、ステップS23に進む。一方、アクセル開度Accが所定のアクセル開度しきい値Acc0未満であると判定すると、運転者がアクセルペダル操作を行っていないと判断して、アクセル操作フラグFaccをオフにセットした後、ステップS24に進む。
【0024】
ステップS23では、次式(2)により、第1の車間距離しきい値の過渡項L*r1を算出するためのパラメータTr1を算出する。
Tr1=(L−L*h1)/Vr (2)
式(2)において、パラメータTr1は、現在の相対速度Vrが維持されたと仮定して、車間距離Lが第1の車間距離しきい値の定常項L*h1になるまでの時間を表している。パラメータTr1を算出すると、ステップS24に進む。
【0025】
なお、ステップS22およびS23の処理から分かるように、第1の車間距離しきい値の過渡項L*r1を算出するためのパラメータTr1は、アクセル操作フラグFaccがオンされている時にのみ算出(更新)される。したがって、アクセルペダル操作が行われている場合、パラメータTr1は、実車間距離Lに応じて設定され、アクセルペダル操作が行われていない場合には、アクセルペダル操作が行われなくなった時の値が維持される。
【0026】
ステップS24では、次式(3)より、車間距離しきい値の過渡項L*r1を算出して、ステップS25に進む。
L*r1=Tr1×Vr (3)
【0027】
ステップS25では、ステップS21で算出した第1の車間距離しきい値の定常項L*h1と、ステップS23で算出した車間距離しきい値の過渡項L*r1とを加算することにより、第1の車間距離しきい値L*1を算出する(式(4)参照)。
L*1=L*h1+L*r1 (4)
ただし、アクセルペダル操作が行われている時(アクセル操作フラグFaccのオン時)には、式(1),(3),(4)より、L*1=Lとなる。第1の車間距離しきい値L*1を算出すると、図3に示すフローチャートのステップS13に進む。
【0028】
ステップS13では、第2の車間距離しきい値L*2を算出する。第2の車間距離しきい値L*2の詳細な算出方法を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0029】
図5に示すフローチャートのステップS31では、自車両の車速Vおよび相対速度Vrに基づいて、車間距離しきい値L*h2を算出する。後述するように、第2の車間距離しきい値L*2は、第2の車間距離しきい値の定常項と過渡項との和により算出されるが、車間距離しきい値L*h2は、定常項の値である。ここでは、自車両の車速Vおよび相対速度Vrに基づいて、車間距離しきい値L*h2を算出するための関数を予め用意しておき、この関数に、自車両の車速Vおよび相対速度Vrを代入することにより算出する。第2の車間距離しきい値の定常項L*h2を算出すると、ステップS32に進む。
【0030】
ステップS32では、次式(5)より、先行車両の加減速度αaを算出する。
αa=d(Va)/dt (5)
先行車両の加減速度αaを算出すると、ステップS33に進む。ステップS33では、後述するステップS14(図3参照)において設定される警報フラグFwがオンにセットされているか否かを判定する。ステップS11からステップS19の処理は繰り返し行われているので、ここでは、前回の処理時にセットされた警報フラグFwの状態に基づいて判定する。警報フラグFwがオンにセットされていると判定すると、ステップS37に進み、警報フラグFwがオフにセットされていると判定すると、ステップS34に進む。
【0031】
ステップS34では、ステップS32で算出した先行車両の加減速度αaが所定の加減速度α0以下であるか否かを判定する。ここでも、所定の加減速度α0は、先行車両が減速しているか否かを判断するためのしきい値であり、αaおよびα0は共に、加速時の値を正、減速時の値を負とする。先行車両の加減速度αaが所定の加減速度α0以下であると判定すると、先行車両が減速していると判断して、先行車減速判断フラグFdec_aをオンにセットした後、ステップS35に進む。一方、先行車両の加減速度αaが所定の加減速度α0より大きいと判定すると、先行車両が減速していないと判断して、先行車減速判断フラグFdec_aをオフにセットした後、ステップS36に進む。
【0032】
ステップS35では、次式(6)より、第2の車間距離しきい値の過渡項L*r2を算出するためのパラメータTr2を算出する。
Tr2=(L−L*h2)/Vr (6)
式(6)において、パラメータTr2は、先行車両が減速を開始した時点での第2の車間距離しきい値の定常項L*h2に対する実車間距離Lの余裕距離相当分(L−L*h2)を相対速度Vrで除算した時間を表している。パラメータTr2を算出すると、ステップS37に進む。
【0033】
一方、先行車両が減速していないと判断した後に進むステップS36では、第2の車間距離しきい値の過渡項L*r2を算出するためのパラメータTr2の値を0にして、ステップS37に進む。
【0034】
ステップS37では、次式(7)より、第2の車間距離しきい値の過渡項L*r2を算出して、ステップS38に進む。
L*r2=Tr2×Vr (7)
【0035】
ステップS38では、第2の車間距離しきい値の定常項L*h2と、過渡項L*r2とを加算することにより、第2の車間距離しきい値L*2を算出する(式(8)参照)。
L*2=L*h2+L*r2 (8)
【0036】
ステップS38において、第2の車間距離しきい値L*2を算出すると、図3に示すフローチャートのステップS14に進む。ステップS14では、警報フラグFwをセットする。このため、まず、次式(9)より、ステップS13で算出した第2の車間距離しきい値L*2と、車間距離センサ1により検出された先行車との車間距離Lとの偏差ΔL2を算出する。
ΔL2=L*2−L (9)
【0037】
続いて、式(9)に基づいて算出した偏差ΔL2が0以上であれば、先行車との車間距離Lが第2の車間距離しきい値L*2以下になっているので、警報フラグFwをオンにセットし、偏差ΔL2が0未満であれば、警報フラグFwをオフにセットする。警報フラグFwをセットすると、ステップS15に進む。
【0038】
ステップS15では、車間距離の偏差ΔL2に基づいて、アクセルペダル(不図示)に反力を与える制御を行う。アクセルペダルに反力を与える制御の詳細な処理内容を、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0039】
図6に示すフローチャートのステップS41では、次式(10)より、目標アクセルペダル反力τ*aを算出する。
τ*a=Kp×ΔL2 (10)
ただし、式(10)におけるKp(Kp>0)は、車間距離偏差ΔLから目標アクセルペダル反力を算出するための所定のゲインである。
【0040】
ステップS41に続くステップS42では、ステップS41で算出した目標アクセルペダル反力τ*aに応じた反力をアクセルペダルに与えるための指令を、アクセルペダルアクチュエータ20に出す。この指令を受けたアクセルペダルアクチュエータ20は、目標アクセルペダル反力τ*aに応じた反力をアクセルペダル81に与える。式(10)から分かるように、アクセルペダルへの反力は、ΔL2が正の時、すなわち、車間距離Lが車間距離しきい値L*2より短い時に与えられる。ステップS42の処理を終了すると、図3に示すフローチャートのステップS16に進む。
【0041】
ステップS16では、ステップS12で算出した第1の車間距離しきい値L*1、および、車間距離センサ1により検出された先行車との車間距離Lに基づいて、次式(11)より、第1の目標減速度α*1を算出する。
α*1=Kv×Kr1×(L*1−L) (11)
ただし、Kr1は、車両に発生させる第1の目標減速力を算出するためのゲインである。また、ゲインKvは、目標減速力を目標減速度に換算するためのゲインであり、車両諸元に基づいて、予め設定しておく。また、第1の目標減速度α*1は、加速方向を正の値、減速方向を負の値とする。
【0042】
上述したように、アクセルペダル操作が行われている時(アクセル操作フラグFaccのオン時)には、L*1=Lであるから、第1の目標減速度α*1は0となる。また、式(11)により算出された第1の目標減速度α*1が所定の第1下限値Δα*1より小さい場合には、第1の目標減速度α*1の値を下限値であるΔα*1とする。第1の目標減速度α*1を算出すると、ステップS17に進む。
【0043】
ステップS17では、ステップS13で算出した第2の車間距離しきい値L*2、および、車間距離センサ1により検出された先行車との車間距離Lに基づいて、次式(12)より、第2の目標減速度α*2を算出する。
α*2=Kv×Kr2×(L*2−L) (12)
ただし、Kr2は、車両に発生させる第2の目標減速力を算出するためのゲインであり、アクセルペダル操作が行われている時の第2の目標減速度α*2の値は0とする。また、第2の目標減速度α*2は、加速方向を正の値、減速方向を負の値とする。
【0044】
式(12)により算出された第2の目標減速度α*2が所定の第2下限値Δα*2(Δα*2<Δα*1)より小さい場合には、第2の目標減速度α*2の値を下限値であるΔα*2とする。第2の目標減速度α*2を算出すると、ステップS18に進む。
【0045】
ステップS18では、車両に発生させる最終目標減速度α*を求める。ここでは、ステップS16で算出した第1の目標減速度α*1と、ステップS17で算出した第2の目標減速度α*2とを比較して、値が小さい方の減速度、すなわち、減速度が大きい方の目標減速度を最終目標減速度α*とする。ここでも、最終目標減速度α*は、加速時の値を正、減速時の値を負とする。
【0046】
ステップS18に続くステップS19では、最終目標減速度α*に基づいた制動制御を行う。まず、次式(13)に示すように、ステップS18で求めた最終目標減速度α*から、エンジンブレーキにより発生する減速度α*engを減算することにより、ブレーキにより発生させる目標減速度α*brkを算出する。
α*brk=α*−α*eng (13)
ただし、α*、α*brk、α*engは、それぞれ、加速方向を正の値、減速方向を負の値とする。また、アクセルペダル操作が行われている時(アクセル操作フラグFaccのオン時)には、α*=α*eng=0であるから、α*brk=0となる。
【0047】
続いて、算出した目標減速度α*brkに基づいて、次式(14)より、目標制動液圧P*を算出する。
P*=−(Kb×α*brk) (14)
ただし、Kbは、目標減速度を目標制動液圧に換算するためのゲインであり、車両諸元に基づいて、あらかじめ設定しておく。また、アクセルペダル操作が行われている時(アクセル操作フラグFaccのオン時)には、α*brk=0より、P*=0となる。
【0048】
そして、算出した目標制動液圧P*に基づいた制動液圧を発生させるための指示を減速制御装置5に出す。この指示を受けた減速制御装置5は、目標制動液圧P*に基づいた制動液圧を発生させて、各車輪に設けられた油圧ブレーキ5aのホイールシリンダー(不図示)に供給する。これにより、車間距離Lが第1の車間距離しきい値L*1より短くなった時、および第2の車間距離しきい値L*2より短くなったときに、運転者がアクセルペダルを操作していなければ、車両を減速させる制御が行われる。また、ドライバがアクセルペダルを操作している場合には、目標制動液圧P*=0であるから、減速制御は行われない。
【0049】
ステップS19の処理が終了すると、ステップS11に戻る。以後、ステップS11からステップS19までの処理が繰り返し行われる。
【0050】
このように、追従制御システムおよび減速支援制御システムはそれぞれ異なる制御を行うものであるが、先行車との車間距離に応じて減速するという共通の機能を有している。本実施の形態の車間維持支援装置では、それぞれのシステムにおいて次のように制御状態が遷移する。すなわち、本実施の形態の車間維持支援装置では、車両の遷移状態を検出し、検出した車両の遷移状態に応じて、追従制御システムおよび減速支援制御システムにおける制御状態を変更する。以下、詳述する。
【0051】
図7に、追従制御システムおよび減速支援制御システムにおける制御状態の遷移を示す。たとえば、車両のイグニッションスイッチがアクセサリオン(ACC ON)の状態にされると、車間維持支援装置の電源がオンされて、システムOFF状態となる。システムOFF状態では、上述した先行車追従制御および減速支援制御は行われない。
【0052】
(1) システムOFF状態から作動待機状態への移行(遷移)
システムOFF状態となっているときにメインスイッチ8がオンされると、制御装置3は、作動待機状態に遷移するよう各部を制御する(状態遷移A)。作動待機状態では、上述した先行車追従制御および減速支援制御が行われてはいないが、制御装置3は、車両および車間維持支援装置の各部を監視して、後述する条件を満足したと判断すると、当該満足した条件に基づいて制御状態を作動待機状態から他の制御状態へ遷移させる。
【0053】
(2) システムOFF状態以外の状態からシステムOFF状態への遷移
作動待機状態や、後述する定速制御状態、定車間制御状態、および減速支援制御状態にある場合(システムOFF状態以外の状態ある場合)に下記の条件のいずれかが成立すると、制御装置3は、各制御状態からシステムOFF状態に遷移するよう各部を制御する(状態遷移B)。
(2a) メインスイッチ8がオフされた
(2b) 追従制御システムまたは減速支援制御システムの不具合が検出された
【0054】
(3) 作動待機状態から定速制御状態への遷移
作動待機状態にある場合に下記の条件が全て成立すると、制御装置3は、作動待機状態から定速制御状態に遷移するよう各部を制御する(状態遷移C)。定速制御状態では、上述した定速制御が行われる。
(3a) セット/コーストスイッチ9またはレジューム/アクセラレートスイッチ
10がオンされた
(3b) 自車速Vが約30km/hを上回っている
(3c) ブレーキセンサ15がドライバのブレーキ操作を検出していない
(3d) ワイパースイッチ16がオンされていない
(3e) シフトポジションセンサ14で検出されるトランスミッションのシフト位置
がパーキング(P)、後退(R)、およびニュートラル(N)のいずれでもない
【0055】
(4) 定速制御状態から定車間制御状態への遷移
定速制御状態にある場合に車間距離センサ1が先行車を検出すると、制御装置3は、定速制御状態から定車間制御状態に遷移するよう各部を制御する(状態遷移D)。定車間制御状態では、上述した定車間制御が行われる。
【0056】
(5) 作動待機状態から減速支援制御状態への遷移
作動待機状態にある場合に下記の条件が全て成立すると、制御装置3は、作動待機状態から減速支援制御状態に遷移するよう各部を制御する(状態遷移E)。減速支援制御状態では、上述した減速支援制御が行われる。
(5a) 車間距離センサ1が先行車を検出した
(5b) ブレーキセンサ15がドライバのブレーキ操作を検出していない
(5c) VDC OFFスイッチ17がオンされていない
(VDC機能がキャンセルされていない)
(5d) 滑りやすい路面ではない
なお、「(5d)滑りやすい路面ではない」とする条件については、SNOW MODEスイッチ18がオンされておらず、かつ、車速センサ2などからの検出信号に基づいて車両がスリップしていないと判断される場合に滑りやすい路面ではないと判断するものとする。
【0057】
(6) 減速支援制御状態から定車間制御状態への遷移
減速支援制御状態にある場合に下記の条件が全て成立すると、制御装置3は、減速支援制御状態から定車間制御状態に遷移するよう各部を制御する(状態遷移F)。定車間制御状態では、上述した定車間制御が行われる。
(6a) セット/コーストスイッチ9またはレジューム/アクセラレートスイッチ
10がオンされた
(6b) ブレーキセンサ15がドライバのブレーキ操作を検出していない
(6c) ワイパースイッチ16がオンされていない
(6d) シフトポジションセンサ14で検出されるトランスミッションのシフト位置
がパーキング(P)、後退(R)、およびニュートラル(N)のいずれでもない
【0058】
(7) 定車間制御状態から減速支援制御状態への遷移
定車間制御状態にある場合に下記の条件の少なくともいずれか1つが成立すると、制御装置3は、定車間制御状態から減速支援制御状態に遷移するよう各部を制御する(状態遷移G)。
(7a) キャンセルスイッチ11がオンされた
(7b) ワイパースイッチ16がオンされた
(7c) シフトポジションセンサ14で検出されるトランスミッションのシフト位置
がパーキング(P)、後退(R)、およびニュートラル(N)のいずれかである
(7d) 車速センサ2などからの検出信号に基づいて少なくとも1つの車輪が空転し
ていると判断される
【0059】
なお、上記条件は、先行車へ追従するために加速を伴う制御を行うのが適当ではないとではないと判断される条件である。たとえば、キャンセルスイッチ11がオンされた場合とは、定車間制御を解除したいと考えたドライバがキャンセルスイッチ11を操作した場合である。ワイパースイッチ16がオンされた場合とは、降雨・降雪時のように路面が滑りやすくなるとともに、たとえばレーザレーダを使用する車間距離センサ1による先行車の検出精度が低下する恐れがある場合のように、定車間制御を解除するのが望ましい走行環境となった場合である。
【0060】
シフトポジションセンサ14で検出されるトランスミッションのシフト位置がパーキング(P)、後退(R)、およびニュートラル(N)のいずれかである場合とは、先行車の前進の有無にかかわらず、ドライバが自車両を停止させ、または後退させようとしている場合であり、定車間制御を解除する必要がある場合である。少なくとも1つの車輪が空転していると判断される場合とは、車両の挙動が不安定になりつつある走行環境であり、加速を伴う定車間制御を解除するのが望ましい走行環境となった場合である。
【0061】
すなわち、定車間制御状態から減速支援制御状態へ遷移するか否かは、検出された走行環境や、走行環境に適応するために行われたドライバの操作の有無に応じて判断される。
【0062】
(8) 減速支援制御状態から作動待機状態への遷移
減速支援制御状態にある場合に下記の条件の少なくともいずれか1つが成立すると、制御装置3は、減速支援制御状態から作動待機状態に遷移するよう各部を制御する(状態遷移H)。すなわち、下記の一定の操作がなされたこと、または、車両の走行状況(走行環境)が一定の状況をなったと判断されると、減速支援制御状態から作動待機状態へ遷移して、一旦減速支援制御が中止(中断)される。ただし、当該一定の操作なされなくなり、かつ、車両の走行状況が当該一定の状況ではなくなったと判断されると、上記「(5)作動待機状態から減速支援制御状態への遷移」で述べたように、作動待機状態から減速支援制御状態へ遷移して、中止していた減速支援制御を再び開始する。
(8a) 車間距離センサ1が先行車を検出しなくなった
(8b) ブレーキセンサ15がドライバのブレーキ操作を検出した
(8c) VDC OFFスイッチ17がオンされた(VDC機能がキャンセルされた)
(8d) 滑りやすい路面である
なお、「(8d)滑りやすい路面である」とする条件については、SNOW MODEスイッチ18がオンされたか、または、車速センサ2などからの検出信号に基づいて車両がスリップしていると判断される場合に滑りやすい路面であると判断するものとする。
【0063】
上記条件は、減速支援制御を一旦中止(中断)することが望ましいと判断される条件である。たとえば、車間距離センサ1が先行車を検出しなくなった場合には、減速支援制御における演算で利用される車間距離Lが算出できず、減速支援制御の演算ができないので、減速支援制御を中断するのが望ましい。ブレーキセンサ15がドライバのブレーキ操作を検出した場合には、ドライバのブレーキ操作(減速操作)を優先させるために、減速支援制御を中断するのが望ましい。
【0064】
VDC OFFスイッチ17がオンされた、すなわちVDC機能がキャンセルされた場合には、ドライバの意図しない車両の不安定な挙動をVDC機能で抑制できないため、制動動作を伴う減速支援制御を中断するのが望ましい。滑りやすい路面である場合には、制動動作を伴う減速支援制御を中断するのが望ましい。
【0065】
なお、換言すれば、上記「(5)作動待機状態から減速支援制御状態への遷移」で説明した条件(5a)〜(5d)は、中断した減速支援制御を復帰することが望ましいと判断される条件であるとも言える。
【0066】
(9) 定車間制御状態から作動待機状態への遷移
定車間制御状態にある場合に下記の条件の少なくともいずれか1つが成立すると、制御装置3は、定車間制御状態から作動待機状態に遷移するよう各部を制御する(状態遷移I)。
(9a) 自車速Vが約30km/hを下回っている状態で車間距離センサ1が先行車を検
出しなくなった
(9b) ブレーキセンサ15がドライバのブレーキ操作を検出した
(9c) VDC OFFスイッチ17がオンされた(VDC機能がキャンセルされた)
(9d) 滑りやすい路面である
なお、「(9d)滑りやすい路面である」とする条件については、上述した「(8d)滑りやすい路面である」とする条件と同じである。
【0067】
(10) 定車間制御状態から定速制御状態への遷移
定車間制御状態にある場合に、自車速Vが約30km/hを上回っている状態で車間距離センサ1が先行車を検出しなくなると、制御装置3は、定車間制御状態から定速制御状態に遷移するよう各部を制御する(状態遷移J)。
【0068】
(11) 定速制御状態から作動待機状態への遷移
定速制御状態にある場合に下記の条件の少なくともいずれか1つが成立すると、制御装置3は、定速制御状態から作動待機状態に遷移するよう各部を制御する(状態遷移K)。
(11a) キャンセルスイッチ11がオンされた
(11b) 自車速Vが約30km/hを下回っている
(11c) ブレーキセンサ15がドライバのブレーキ操作を検出した
(11d) ワイパースイッチ16がオンされた
(11e) シフトポジションセンサ14で検出されるトランスミッションのシフト位
置がパーキング(P)、後退(R)、およびニュートラル(N)のいずれかである
(11f) 車速センサ2などからの検出信号に基づいて少なくとも1つの車輪が空転
していると判断される
【0069】
図8〜11は、上述した制御状態の遷移に関する動作を示すフローチャートである。たとえば、車両のイグニッションスイッチがアクセサリオン(ACC ON)の状態にされると、車間維持支援装置の電源がオンされ、図8に示す処理を行うプログラムが起動されて制御装置3で実行される。ステップS101において、システムOFF状態に遷移するよう各部を制御してステップS102へ進む。ステップS102において、メインスイッチ8がオンされたか否かを判断する。ステップS102が否定判断されるとステップS101へ戻る。
【0070】
ステップS102が肯定判断されるとステップS103へ進み、作動待機状態に遷移するよう各部を制御してステップS104へ進む。ステップS104において、メインスイッチ8がオフされたか否かを判断する。ステップS104が肯定判断されるとステップS101へ戻る。ステップS104が否定判断されるとステップS105へ進み、定速制御遷移条件が成立したか否か、すなわち、上記「(3)作動待機状態から定速制御状態への遷移」の説明に記載された条件(3a)〜(3e)が全て成立したか否かを判断する。
【0071】
ステップS105が肯定判断されると、後述する図9のステップS111へ進む。ステップS105が否定判断されるとステップS106へ進み、減速支援制御遷移条件が成立したか否か、すなわち、上記「(5)作動待機状態から減速支援制御状態への遷移」の説明に記載された条件(5a)〜(5d)が全て成立したか否かを判断する。ステップS106が肯定判断されると、後述する図10のステップS121へ進む。ステップS106が否定判断されるとステップS103へ戻る。
【0072】
図9のステップS111では、上述した定速制御を行う。なお、定速制御については公知であるので、詳細な説明は省略する。ステップS111が実行されるとステップS112へ進み、メインスイッチ8がオフされたか否かを判断する。ステップS112が肯定判断されると図8のステップS101へ戻る。ステップS112が否定判断されるとステップS113へ進み、定車間制御遷移条件が成立したか否か、すなわち、上記「(4)定速制御状態から定車間制御状態への遷移」の説明に記載されているように、車間距離センサ1が先行車を検出したか否かを判断する。
【0073】
ステップS113が肯定判断されると、後述する図11のステップS131へ進む。ステップS113が否定判断されるとステップS114へ進み、作動待機状態遷移条件が成立したか否か、すなわち、上記「(11)定速制御状態から作動待機状態への遷移」の説明に記載された条件(11a)〜(11f)の少なくともいずれか1つが成立したか否かを判断する。ステップS114が肯定判断されると、図8のステップS103へ戻る。ステップS114が否定判断されるとステップS111へ戻る。
【0074】
図10のステップS121では、上述した減速支援制御を行う。なお、減速支援制御の内容については、上述したように図3〜6のフローチャートを用いて説明したとおりである。ステップS121が実行されるとステップS122へ進み、メインスイッチ8がオフされたか否かを判断する。ステップS122が肯定判断されると図8のステップS101へ戻る。ステップS122が否定判断されるとステップS123へ進み、定車間制御遷移条件が成立したか否か、すなわち、上記「(6)減速支援制御状態から定車間制御状態への遷移」の説明に記載された条件(6a)〜(6d)が全て成立したか否かを判断する。
【0075】
ステップS123が肯定判断されると、図11のステップS131へ進む。ステップS123が否定判断されるとステップS124へ進み、作動待機状態遷移条件が成立したか否か、すなわち、上記「(8)減速支援制御状態から作動待機状態への遷移」の説明に記載された条件(8a)〜(8d)の少なくともいずれか1つが成立したか否かを判断する。ステップS124が肯定判断されると、図8のステップS103へ戻る。ステップS124が否定判断されるとステップS121へ戻る。
【0076】
図11のステップS131では、上述した定車間制御を行う。なお、定車間制御については公知であるので、詳細な説明は省略する。ステップS131が実行されるとステップS132へ進み、メインスイッチ8がオフされたか否かを判断する。ステップS132が肯定判断されると図8のステップS101へ戻る。ステップS132が否定判断されるとステップS133へ進み、定速制御遷移条件が成立したか否か、すなわち、上記「(10)定車間制御状態から定速制御状態への遷移」の説明に記載されているように、自車速Vが約30km/hを上回っている状態で車間距離センサ1が先行車を検出しなくなったか否かを判断する。
【0077】
ステップS133が肯定判断されると、図9のステップS111へ進む。ステップS133が否定判断されるとステップS134へ進み、作動待機状態遷移条件が成立したか否か、すなわち、上記「(9)定車間制御状態から作動待機状態への遷移」の説明に記載された条件(9a)〜(9f)の少なくともいずれか1つが成立したか否かを判断する。
【0078】
ステップS134が肯定判断されると、図8のステップS103へ戻る。ステップS134が否定判断されるとステップS135へ進み、減速支援制御遷移条件が成立したか否か、すなわち、上記「(7)定車間制御状態から減速支援制御状態への遷移」の説明に記載された条件(7a)〜(7d)の少なくともいずれか1つが成立したか否かを判断する。ステップS135が肯定判断されると、図10のステップS121へ進む。ステップS135が否定判断されるとステップS131へ戻る。
【0079】
上述した車間維持支援装置では、次の作用効果を奏する。
(1) 定車間制御状態にある場合に上述した条件(7a)〜(7d)の少なくともいずれか1つが成立すると、制御装置3は、定車間制御状態から減速支援制御状態に遷移するよう各部を制御するように構成した(図7状態遷移G)。すなわち、検出された自車両の走行環境に基づいて、または、走行環境に適応するために行われたドライバの操作に基づいて、定車間制御を解除するが、減速支援制御は解除しないように構成した。したがって、定車間制御によって車両が加速されることを防止して、車両の減速を行う減速支援制御を継続できる。これにより、ドライバの意図しない車両挙動を防止しつつ、減速を支援する走行シーンを拡大できるので、走行環境やドライバの操作に応じて適切に車両の走行を支援できる。
【0080】
(2) 減速支援制御状態では、エンジントルクの発生量の制御や、油圧ブレーキ5aによる制動力の制御、アクセルペダルの操作反力を付与する制御を行うように構成した。すなわち、これらの制御を行うことで、定車間制御状態から減速支援制御状態へ遷移しても、すなわち、定車間制御が解除されても車両の減速を支援できるので、ドライバの運転操作の負担を軽減できる。
【0081】
(3) 上記「(8)減速支援制御状態から作動待機状態への遷移」で説明したように、減速支援制御を一旦中止(中断)することが望ましいと判断される場合には、減速支援制御を中断するように構成した。これにより、ドライバの意図しない車両挙動を抑制して、ドライバに違和感を覚えさせない。
【0082】
(4) 上記「(5)作動待機状態から減速支援制御状態への遷移」で説明した条件(5a)〜(5d)を全て満たす場合、すなわち、中断した減速支援制御を復帰することが望ましいと判断される場合には、中断した減速支援制御を復帰するように構成した。これにより、車両の減速を支援できるので、ドライバの運転操作の負担を軽減できる。
【0083】
(5) 定車間制御や定速制御が解除されても、セット/コーストスイッチ9またはレジューム/アクセラレートスイッチ10がオンされると、定車間制御状態や定速制御状態に遷移するための他の条件も成立していれば、定車間制御状態や定速制御状態に遷移するように構成した。これにより、定車間制御状態や定速制御状態に容易に移行できるので、ドライバの運転操作の負担を低減できる。
【0084】
(6) メインスイッチ8がオフされるとシステムOFF状態に遷移するように構成した。これにより、追従制御システムおよび減速支援制御システムにおける制御を容易に解除できるので、追従制御システムおよび減速支援制御システムにおける制御を希望しないドライバの意図を容易に反映できる。
【0085】
(7) キャンセルスイッチ11がオンされると、定車間制御状態から減速支援制御状態へ遷移するように構成した。これにより、ドライバが走行環境に応じて制御状態を容易に選択できる。
【0086】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、減速支援制御状態では、エンジントルクの発生量の制御や、油圧ブレーキ5aによる制動力の制御、アクセルペダルの操作反力を付与する制御を行うように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、アクセルペダルの操作反力の付与は必須ではないなど、エンジントルクの発生量の制御や、油圧ブレーキ5aによる制動力の制御、アクセルペダルの操作反力を付与する制御の全てを行う必要はない。すなわち、減速支援制御では、エンジントルク、制動装置の制動力、およびアクセルペダルへ発生させる操作反力の内の少なくともいずれか1つを制御することであってもよい。
【0087】
(2) 上述の説明では、メインスイッチ8のオンオフによって、追従制御システムおよび減速支援制御システムの双方をオンオフするように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、追従制御システムをオンオフするスイッチ(追従制御オンオフスイッチ)、および減速支援制御システムをオンオフするスイッチ(減速支援制御オンオフスイッチ)をそれぞれ設けてもよい。そして、追従制御オンオフスイッチおよび減速支援制御オンオフスイッチの双方がオンされていれば、上述の説明におけるメインスイッチ8がオンされた状態と同じ状態になるように制御装置3が各部を制御するようにしてもよい。追従制御オンオフスイッチおよび減速支援制御オンオフスイッチの双方がオフされていれば、上述の説明におけるメインスイッチ8がオフされた状態と同じ状態になるように制御装置3が各部を制御するようにしてもよい。
【0088】
追従制御オンオフスイッチのみがオンされていれば、上述の説明における図7の状態遷移A,B,C,D,I,J,Kのみが行われるように制御装置3が各部を制御するようにしてもよい。減速支援制御オンオフスイッチのみがオンされていれば、上述の説明における図7の状態遷移A,B,E,Hのみが行われるように制御装置3が各部を制御するようにしてもよい。また、メインスイッチ8がオフされていても、上述の説明における図7の状態遷移A,E,Hのみが行われるように制御装置3が各部を制御するようにしてもよい。すなわち、車両のイグニッションスイッチがアクセサリオン(ACC ON)の状態にされると、車間維持支援装置の電源がオンされて、メインスイッチ8のオンオフによって、追従制御システムのみをオンオフするように構成し、メインスイッチ8のオンオフにかかわらず、上述した減速支援制御が行われるように構成してもよい。
【0089】
(3) 上述の説明において、定車間制御状態で定車間制御が行われているときに減速支援制御が同時に行われるようにしてもよい。この場合には、たとえば、エンジンブレーキや油圧ブレーキ5aを利用して車両を減速させる制御については定車間制御による制御を行い、アクセルペダルに操作反力を与える制御については減速支援制御による制御を行うようにしてもよい。
【0090】
(4) 上述の説明において、制御状態の遷移のための各条件は例示列挙であり、それぞれの制御状態に遷移させる目的や理由に沿っていれば、列挙した条件の一部を削除してもよく、また、他の条件を付加してもよい。
【0091】
(5) 上述の説明では、定車間制御状態にある場合に条件(7a)〜(7d)の少なくともいずれか1つが成立すると、制御装置3は、定車間制御状態から減速支援制御状態に遷移するよう各部を制御する(状態遷移G)ように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ドライバがアクセルペダルを踏んでいると判断される場合にも、定車間制御状態から減速支援制御状態に遷移するよう各部を制御するように構成してもよい。ドライバが先行車を追い越そうとしている場合などのように、アクセルペダルが踏まれた場合にはドライバの操作を優先させる必要がある。そのため、ドライバが追い越しなどのためにアクセルペダルを踏んでいると判断される期間については、車両側で車間距離を制御する定車間制御を解除するのが望ましい。なお、ドライバが追い越しなどのためにアクセルペダルを踏んでいるとは判断されなくなった場合には、再び定車間制御状態に遷移するように構成してもよい。
【0092】
(6) なお、図12のブロック図に示すように、制御装置3が、定車間/定速制御用コントローラ3aと、減速支援制御用コントローラ3bと、定車間/定速制御用コントローラ3aおよび減速支援制御用コントローラ3bによる制御を統合する統合コントローラ3cとを含むように構成してもよい。定車間/定速制御用コントローラ3aおよび統合コントローラ3cは、上述した定車間制御または定速制御を行う。減速支援制御用コントローラ3bおよび統合コントローラ3cは、上述した減速支援制御を行う。
(7) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0093】
上述の実施の形態およびその変形例において、走行制御手段は追従制御システムの加速制御装置4、減速制御装置5、表示装置6、および報知装置7に、減速制御手段は減速支援制御システムの減速制御装置5、表示装置6、報知装置7、およびアクセルペダルアクチュエータ20にそれぞれ対応する。走行環境検出手段は、車間距離センサ1、車速センサ2、ワイパースイッチ16、VDC OFFスイッチ17、およびSNOW MODEスイッチ18に対応する。操作検出手段は、メインスイッチ8、セット/コーストスイッチ9、レジューム/アクセラレートスイッチ10、キャンセルスイッチ11、シフトポジションセンサ14、およびブレーキセンサ15に対応する。制御手段は、制御装置3および制御装置3で実行される制御プログラムによって実現される。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】車間維持支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】車間維持支援装置を搭載した車両の構成図である。
【図3】減速支援制御システムによって行われる減速支援制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図4】第1の車間距離しきい値L*1の詳細な算出方法を示すフローチャートである。
【図5】第2の車間距離しきい値L*2の詳細な算出方法を示すフローチャートである。
【図6】アクセルペダルに反力を与える制御の詳細な処理内容を示すフローチャートである。
【図7】追従制御システムおよび減速支援制御システムにおける制御状態の遷移を示す図である。
【図8】制御状態の遷移に関する動作を示すフローチャートである。
【図9】制御状態の遷移に関する動作を示すフローチャートである。
【図10】制御状態の遷移に関する動作を示すフローチャートである。
【図11】制御状態の遷移に関する動作を示すフローチャートである。
【図12】変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
1 車間距離センサ 2 車速センサ
3 制御装置 8 メインスイッチ
9 セット/コーストスイッチ 10 レジューム/アクセラレートスイッチ
11 キャンセルスイッチ 14 シフトポジションセンサ
15 ブレーキセンサ 16 ワイパースイッチ
17 VDC OFFスイッチ 18 SNOW MODEスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先行車両が存在すると判断される場合には、前記先行車両に追従して走行するための制御を行う走行制御手段と、
前記先行車両との車間距離に応じて前記自車両の減速を支援する制御を行う減速制御手段と、
前記自車両の走行環境を検出する走行環境検出手段と、
前記自車両の走行環境に適応するために行われたドライバの操作を検出する操作検出手段と、
前記走行環境検出手段で検出された前記自車両の走行環境に基づいて、または、前記操作検出手段で検出した前記ドライバの操作に基づいて、前記車両の遷移状態を検出する遷移状態検出手段と、
前記走行環境検出手段と操作検出手段と遷移状態検出手段からの情報に応じて前記走行制御手段および前記減速制御手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記遷移状態検出手段で、前記車両の遷移状態が所定の遷移状態であることが検出されると、前記走行制御手段により定車間制御が行われていても前記定車間制御を解除するように前記走行制御手段を制御し、前記減速支援制御が作動できるように前記減速制御手段を制御することを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項2】
先行車両が存在すると判断される場合には、前記先行車両に追従して走行するための制御を行う走行制御手段と、
前記先行車両との車間距離に応じて前記自車両の減速を支援する制御を行う減速制御手段と、
前記自車両の走行環境を検出する走行環境検出手段と、
前記自車両の走行環境に適応するために行われたドライバの操作を検出する操作検出手段と、
前記走行環境検出手段で検出された前記自車両の走行環境に基づいて、または、前記操作検出手段で検出した前記ドライバの操作に基づいて、前記車両の遷移状態を検出する遷移状態検出手段と、
前記走行環境検出手段と操作検出手段と遷移状態検出手段からの情報に応じて前記走行制御手段および前記減速制御手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記遷移状態検出手段で検出された前記車両の遷移状態に基づいて、先行車両へ追従するために加速を行う制御が不適切であるか否かを判断し、先行車両へ追従するために加速を行う制御が不適切であると判断すると、前記走行制御手段により定車間制御が行われていても前記定車間制御を解除するように前記走行制御手段を制御し、前記減速支援制御が作動できるように前記減速制御手段を制御することを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車間維持支援装置において、
前記遷移状態検出手段は、車輪が空転したこと、および、滑りやすい路面を走行していることの内の少なくともいずれか1つを前記走行環境検出手段が検出した場合、または、ワイパの動作を指示されたこと、および、シフトポジションがニュートラル、リバース、パーキングのいずれかに設定されたことの内の少なくともいずれか1つを前記操作検出手段が検出した場合、前記車両の遷移状態が所定の遷移状態であると検出することを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車間維持支援装置において、
前記制御手段は、エンジントルク、前記制動装置の制動力、およびアクセルペダルへ発生させる操作反力の内の少なくともいずれか1つを制御することで前記減速支援制御を行うことを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の車間維持支援装置において、
前記制御手段は、滑りやすい路面を走行していることを前記走行環境検出手段が検出した場合、または、ブレーキペダルが踏まれて制動装置による制動操作がされたこと、および車両の挙動を安定させる車両挙動制御が行われないように指示されたことの内の少なくともいずれか1つを前記操作検出手段が検出した場合、前記減速支援制御を一時的に中止するように前記減速制御手段を制御することを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車間維持支援装置において、
前記制御手段は、滑りやすい路面を走行していないことを前記走行環境検出手段が検出し、かつ、ブレーキペダルが踏まれなくなって制動装置による制動操作が解除されたこと、および車両の挙動を安定させる車両挙動制御が行われるように指示されたことを前記操作検出手段が検出した場合、前記減速支援制御の中止を解除するように前記減速制御手段を制御することを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の車間維持支援装置において、
前記制御手段は、前記定車間制御の復帰がドライバによって指示されたことを前記操作検出手段が検出した場合、解除した前記定車間制御を復帰するように前記走行制御手段を制御することを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の車間維持支援装置において、
前記制御手段は、前記定車間制御および前記減速支援制御の解除がドライバによって指示されたことを前記操作検出手段が検出した場合、前記定車間制御および前記減速支援制御を解除するように前記走行制御手段および前記減速制御手段を制御することを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の車間維持支援装置において、
前記制御手段は、前記定車間制御の解除がドライバによって指示されたことを前記操作検出手段が検出した場合、前記定車間制御を解除するように前記走行制御手段を制御するが、前記減速支援制御は解除しないように前記減速制御手段を制御することを特徴とする車間維持支援装置。
【請求項10】
先行車両が存在すると判断される場合には、前記先行車両に追従して走行するための制御を行い、
前記先行車両との車間距離に応じて前記自車両の減速を支援する制御を行い、
前記自車両の走行環境を検出し、
前記自車両の走行環境に適応するために行われたドライバの操作を検出し、
前記検出された前記自車両の走行環境または前記ドライバの操作に基づいて、前記車両の遷移状態を検出し、
前記車両の遷移状態が所定の遷移状態であることが検出されると、前記追従走行制御が行われていても前記定車間制御を解除するように制御し、前記減速支援制御が作動できるように制御することを特徴とする車間維持支援方法。
【請求項11】
先行車両が存在すると判断される場合には、前記先行車両に追従して走行するための制御を行い、
前記先行車両との車間距離に応じて前記自車両の減速を支援する制御を行い、
前記自車両の走行環境を検出し、
前記自車両の走行環境に適応するために行われたドライバの操作を検出し、
前記検出された前記自車両の走行環境または前記ドライバの操作に基づいて、前記車両の遷移状態を検出し、
前記車両の遷移状態に基づいて、先行車両へ追従するために加速を行う制御が不適切であるか否かを判断し、先行車両へ追従するために加速を行う制御が不適切であると判断すると、前記定車間制御が行われていても前記定車間制御を解除するように制御し、前記減速支援制御が作動できるように制御することを特徴とする車間維持支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−120175(P2009−120175A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172481(P2008−172481)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】