説明

選択的ヒドロキサメート骨格MMP阻害剤

本発明は、式(I):
【化1】


で示される化合物を提供する。該化合物はMMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13の阻害剤であり、したがってMMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13の異常な活性により特徴付けられる障害または疾患の処置のために使用できる。したがって、式(I)の化合物はMMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13が介在する障害または疾患の処置において使用できる。最後に、本発明は、また、医薬組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マトリクスメタロプロテアーゼ、例えば、マトリクスメタロプロテアーゼ9(MMP−9)、マトリクスメタロプロテアーゼ12(MMP−12)およびマトリクスメタロプロテアーゼ13(MMP−13)の阻害剤として有用である新規化合物に関する。
【発明の開示】
【0002】
1つの局面において、本発明は、式(I)
【化1】

〔式中、
はシアノ、アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であって、ここで、R、RおよびRは独立してアルキルまたはアリール(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびアリールからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;
はアルキル、アリール−アルキル−もしくはヘテロアリール−アルキル−、ヘテロシクリル−アルキルまたはモノ−アルキルアミノ−アルキル、ジ−アルキルアミノ−アルキルであり;そして
はまたはシクロアルキルである〕
で示される化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物に関する。
【0003】
好ましくは、本発明は、Rがシアノ、(C−C)アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立して(C−C)アルキル、フェニル、ビフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシルおよび(C−C)アルコキシからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;Rが(C−C)アルキル、(C−C10)アリール−(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキルまたはモノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)アルキルである、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0004】
また、より好ましくは、本発明は、Rが(C−C)アルキル、R−O、R−C(O)−NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立して(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)アルキル、(C−C10)アリール−(C−C)アルキルまたは(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキルまたはモノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)アルキルである、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0005】
他の態様において、本発明は、
がシアノ、(C−C)アルキル、アミノ、R−O−、(C−C)アルキル−NHC(O)−、R−C(O)NH−、RC(O)−、R−C(O)−O−またはR10−O−C(O)−であり、ここで、
、R6、およびR10が独立して水素、(C−C)アルキル、モノ−もしくはジ−(C−C)アルキルアミノまたはアリール(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびアリールからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;
が水素、(C−C)アルキル、(R)(R)N−または(C−C)アルコキシであり;
およびRが独立して水素、(C−C)アルキルまたはアリール−(C−C)アルキルであり;
が水素または(C−C)アルキルであり、これは所望により1から3個の(C−C)アルキル、ヒドロキシ、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、(C−C)アルキル−O−C(O)−、ジ−(C−C)アルキルアミノ−C(O)−(これらそれぞれのアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールはさらに所望により(C−C)アルキルにより置換されている)からなる群から選択される置換基により置換されており;そして
が(C−C)アルキルまたはシクロアルキルである、
式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0006】
好ましくは、本発明は、
が(C−C)アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはR−C(O)−O−であり、ここで、Rが(C−C)アルキル(所望により1から3個のハロにより置換されている)であり、Rが水素、(C−C)アルコキシまたはモノ−(C−C)−アルキルアミノであり;
が(C−C)アルキル(所望により(C−C)アルキル−O−C(O)−、ジ−(C−C)アルキルアミノまたはヒドロキシにより置換されている)であるか;または
がアリール−(C−C)アルキル−、ヘテロアリール−(C−C)アルキル−、ヘテロシクリル−(C−C)アルキルであり、ここで、該ヘテロシクリルは所望により(C−C)アルキルにより置換されており;そして、
が(C−C)アルキルである、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0007】
好ましくは、本発明は、
が(C−C)アルコキシであり;
が(C−C)アルキルであり;
が(C−C)アルキルである、式(I)の化合物を提供する。
好ましくは、本発明は、
が(C−C)アルコキシであり;
が(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキルであり;
が(C−C)アルキルである、式(I)の化合物を提供する。
【0008】
他の局面において、本発明は、式(II)
【化2】

〔式中、
はシアノ、アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、
、RおよびRは独立してアルキルまたはアリール(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびアリールからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;
はアルキル、アリール−アルキル−、ヘテロアリール−アルキル−、ヘテロシクリルアルキルまたはモノ−アルキルアミノ−アルキル、ジ−アルキルアミノ−アルキルであり;そして、
はアルキルまたはシクロアルキルである〕
で示される化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0009】
好ましくは、本発明は、Rがシアノ、(C−C)アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立して(C−C)アルキル、フェニル、ビフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C7)アルキル、ハロ、ヒドロキシルおよび(C−C)アルコキシからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;Rは(C−C)アルキル、(C−C10)アリール−(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキルまたはモノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)アルキルである、式(II)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0010】
また、より好ましくは、本発明は、Rが(C−C)アルキル、R−O、R−C(O)−NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立して(C1−C7)アルキルであり;Rは(C−C)アルキル、(C−C10)アリール−(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキルもしくは(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキルまたはモノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)アルキルである、式(II)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0011】
他の態様において、本発明は、
がシアノ、(C−C)アルキル、アミノ、R−O−、(C−C)アルキル−NHC(O)−、R−C(O)NH−、RC(O)−、R−C(O)−O−またはR10−O−(O)−であり、ここで、
、R6、およびR10が独立して水素、(C−C)アルキル、モノ−もしくはジ−(C−C)アルキルアミノまたはアリール(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびアリールからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;
が水素、(C−C)アルキルまたは(R)(R)N−であり;
およびRが独立して水素、(C−C)アルキルまたはアリール−(C−C)アルキルであり;
が水素、(C−C)アルキルであり、これは所望により1から3個の(C−C)アルキル、ヒドロキシ、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、(C−C)アルキル−O−C(O)−、ジ−(C−C)アルキルアミノ−C(O)−(これらそれぞれのアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールがさらに所望により(C−C)アルキルにより置換されている)からなる群から選択される置換基により置換されており;
が(C−C)アルキルまたはシクロアルキルである、式(II)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0012】
好ましくは、本発明は、Rが(C−C)アルキル、R−O−またはR−C(O)NH−であり、ここで、Rが(C−C)アルキル(所望により1から3個のハロにより置換されている)であり、Rが水素またはモノ−(C−C)−アルキルアミノであり;
が(C−C)アルキル(所望により(C−C)アルキル−O−C(O)−、ジ−(C−C)−アルキルアミノ−C(O)−、ヒドロキシにより置換されている)であるか;または、
がアリール−(C−C)アルキル−、ヘテロアリール−(C−C)アルキル−、ヘテロシクリル−(C−C)アルキルであり、ここで、該ヘテロシクリルは所望により(C−C)アルキルにより置換されており;
が(C−C)アルキルである、式(II)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0013】
好ましくは、本発明は、
が(C−C)アルコキシであり;
が(C−C)アルキルであり;
が(C−C)アルキルである、式(II)の化合物を提供する。
好ましくは、本発明は、
が(C−C)アルコキシであり;
が(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキルであり;
が(C−C)アルキルである、式(II)の化合物を提供する。
【0014】
他の局面において、本発明は、式(III)
【化3】

〔式中、
はニトロ、シアノ、ハロ、アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRは独立してアルキルまたはアリール(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびアリールからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;そして、
はアルキル、アリール−アルキル−もしくはヘテロアリール−アルキル−、ヘテロシクリルアルキルまたはモノ−アルキルアミノ−アルキル、ジ−アルキルアミノ−アルキルである〕
で示される化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0015】
好ましくは、本発明は、Rがニトロ、シアノ、ハロ、(C−C)アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立して(C−C)アルキル、フェニル、ビフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシルおよび(C−C)アルコキシからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;Rが(C−C)アルキル、(C−C10)アリール−(C−C)アルキルまたは(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキルまたはモノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルである、式(III)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0016】
また、より好ましくは、本発明は、Rが(C−C)アルキル、R−O、R−C(O)−NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立して(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキルまたはモノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルである、式(III)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0017】
他の態様において、本発明は、
がシアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、アミノ、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立してアルキルまたはアリール(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびアリールからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;
がアルキル、アリール−アルキル−もしくはヘテロアリール−アルキル−、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキル、モノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルである、式(III)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0018】
好ましくは、本発明は、Rがニトロ、シアノ、ハロ、(C−C)アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立して(C−C)アルキル、フェニル、ビフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシルおよび(C−C)アルコキシからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;Rが(C−C)アルキル、(C−C10)アリール−(C−C)アルキルまたは(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキルまたはモノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルである、式(III)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0019】
他の局面において、本発明は、式(IV)
【化4】

〔式中、
はシアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、アミノ、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRは独立してアルキルまたはアリール(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびアリールからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;そして、
はアルキル、アリール−アルキル−もしくはヘテロアリール−アルキル−、ヘテロシクリルアルキルまたはモノ−アルキルアミノ−アルキル、ジ−アルキルアミノ−アルキルである〕
で示される化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0020】
好ましくは、本発明は、Rがニトロ、シアノ、ハロ、(C−C)アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立して(C−C)アルキル、フェニル、ビフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル(これらそれぞれは所望により1から5個のC−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシルおよび(C−C)アルコキシからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;Rが(C−C)アルキル、(C−C10)アリール−(C−C)アルキルまたは(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキルまたはモノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルである、式(IV)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0021】
また、より好ましくは、本発明は、Rが(C−C)アルキル、R−O、R−C(O)−NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立して(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキルまたはモノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルである、式(IV)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0022】
他の態様において、本発明は、
がシアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、アミノ、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立してアルキルまたはアリール(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびアリールからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;
がアルキル、アリール−アルキル−もしくはヘテロアリール−アルキル−、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキル、モノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルである、式(IV)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0023】
好ましくは、本発明は、Rがニトロ、シアノ、ハロ、(C−C)アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立して(C−C)アルキル、フェニル、ビフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシルおよび(C−C)アルコキシからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;Rが(C−C)アルキル、(C−C10)アリール−(C−C)アルキルまたは(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキルまたはモノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルである、式(IV)の化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0024】
本明細書を解釈する目的のために、下記定義を適当なときはいつでも適用でき、単数形で使用されている用語は複数形も含み、逆も同様である。
【0025】
本明細書で使用される、“アルキル”なる用語は完全飽和分岐または非分岐炭化水素部分を意味する。好ましくは、アルキルは1から20個の炭素原子、より好ましくは1から16個の炭素原子、1から10個の炭素原子、1から7個の炭素原子または1から4個の炭素原子を含む。アルキルの代表例は、限定はしないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどを含む。
【0026】
“アリール”なる用語は、環部に6−20個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香族性炭化水素基を意味する。好ましくは、アリールは(C−C10)アリールである。非限定の例は、フェニル、ビフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチルを含み、これらそれぞれは、所望により1−4個の所望により置換されているアルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アルキル−C(O)−O−、アリール−O−、ヘテロアリール−O−、所望により置換されているアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキル−O−C(O)−、カルバモイル、アルキルチオノ、スルホニル、スルホンアミド、ヘテロシクリルなどのような置換基により置換されていてもよい。
【0027】
さらに、本明細書で使用される“アリール”なる用語は、単一の芳香環、または一緒に縮合しているか、共有結合しているか、もしくはメチレンまたはエチレン部分のような共通の基に結合している複数の芳香環であり得る芳香族性置換基を意味する。共通の結合する基は、また、ベンゾフェノンなどでのカルボニル、またはジフェニルエーテルなどでの酸素またはジフェニルアミンなどでの窒素であり得る。
【0028】
本明細書で使用される、“カルバモイル”なる用語は、HNC(O)−、アルキル−NHC(O)−、(アルキル)NC(O)−、アリール−NHC(O)−、アルキル(アリール)−NC(O)−、ヘテロアリール−NHC(O)−、アルキル(ヘテロアリール)−NC(O)−、アリール−アルキル−NHC(O)−、アルキル(アリール−アルキル)−NC(O)−などを意味する。
【0029】
本明細書で使用される、“スルホンアミド”なる用語は、アルキル−S(O)−NH−、アリール−S(O)−NH−、アリール−アルキル−S(O)−NH−、ヘテロアリール−S(O)−NH−、ヘテロアリール−アルキル−S(O)−NH−、アルキル−S(O)−N(アルキル)−、アリール−S(O)−N(アルキル)−、アリール−アルキル−S(O)−N(アルキル)−、ヘテロアリール−S(O)−N(アルキル)−、ヘテロアリール−アルキル−S(O)−N(アルキル)−などを意味する。
【0030】
本明細書で使用される、“ヘテロシクリル”または“ヘテロシクロ”なる用語は、例えば、4−、5−、6−もしくは7−員単環式、7−、8−、9−、10−、11−、もしくは12−員二環式または10−、11−、12−、13−、14−もしくは15−員三環式環系である所望により置換されている、飽和または不飽和非芳香環または環系であり、そして少なくとも1個のO、SおよびN(ここで、NおよびSは、また、所望により様々な酸化状態に酸化されていてもよい)から選択されるヘテロ原子を含むことを意味する。ヘテロ環式基はヘテロ原子または炭素原子に結合することができる。ヘテロシクリルは縮合または架橋環ならびにスピロ環状環を含むことができる。ヘテロ環の例は、テトラヒドロフラン(THF)、ジヒドロフラン、1,4−ジオキサン、モルホリン、1,4−ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3−ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリジン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、オキサチオラン、ジチオラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、オキサチアン、チオモルホリンなどを含む。
【0031】
“ヘテロシクリル”なる用語は、さらに1、2または3個の下記からなる群から選択される置換基で置換されている本明細書で定義のヘテロ環式基を意味する:
(a)アルキル;
(b)ヒドロキシ(または保護されたヒドロキシ);
(c)ハロ;
(d)オキソ、すなわち=O;
(e)アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ;
(f)アルコキシ;
(g)シクロアルキル;
(h)カルボキシ;
(i)ヘテロシクロオキシ(ここで、ヘテロシクロオキシは酸素架橋を介して結合しているヘテロ環式基を意味する);
(j)アルキル−O−C(O)−;
(k)メルカプト;
(l)ニトロ;
(m)シアノ;
(n)スルファモイルまたはスルホンアミド;
(o)アリール;
(p)アルキル−C(O)−O−;
(q)アリール−C(O)−O−;
(r)アリール−S−;
(s)アリールオキシ;
(t)アルキル−S−;
(u)ホルミル、すなわちHC(O)−;
(v)カルバモイル;
(w)アリール−アルキル−;および
(x)アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル−C(O)−NH−、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはハロゲンで置換されているアリール。
【0032】
本明細書で使用される、“スルホニル”なる用語は、Rが水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、アリール−O−、ヘテロアリール−O−、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである、R−SO−を意味する。
【0033】
本明細書で使用される、“アルコキシ”なる用語は、アルキルが上記定義されているものであるアルキル−O−を意味する。アルコキシの代表例は、限定はしないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ−、シクロヘキシルオキシ−などを含む。本明細書で使用される、“低級アルコキシ”なる用語は、約1−7個、好ましくは約1−4個の炭素を有するアルコキシ基を意味する。
【0034】
本明細書で使用される、“アシル”なる用語は、カルボニル官能性を介して親構造に結合している1から10個の炭素原子の直線、分岐または環状立体配置またはそれらの組合せのR−C(O)−の基を意味する。このような基は飽和または不飽和および脂肪族または芳香族性であってよい。好ましくは、アシル基のRはアルキルまたはアルコキシまたはアリールまたはヘテロアリールである。また、好ましくは、親構造への結合点がカルボニルである限り、アシル基の1個またはそれ以上の炭素は窒素、酸素または硫黄により置換されていてもよい。例は、限定はしないが、アセチル、ベンゾイル、プロピオニル、イソブチリル、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含む。低級アシルは、1から4個の炭素を含むアシルを意味する。
【0035】
本明細書で使用される、“シクロアルキル”なる用語は、3−12個の炭素原子、好ましくは3−7個の炭素原子の所望により置換されている飽和または不飽和単環式、二環式または三環式炭化水素基を意味し、これらそれぞれは1個またはそれ以上のアルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル−C(O)−、アシルアミノ、カルバモイル、アルキル−NH−、(アルキル)N−、チオール、アルキルチオ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキル−O−C(O)−、スルホニル、スルホンアミド、スルファモイル、ヘテロシクリルなどのような置換基により置換されていてもよい。典型的な単環式炭化水素基は、限定はしないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルなどを含む。典型的な二環式炭化水素基はボルニル、インジル、ヘキサヒドロインジル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルなどを含む。典型的な三環式炭化水素基はアダマンチルなどを含む。
【0036】
本明細書で使用される、“スルファモイル”なる用語は、HNS(O)−、アルキル−NHS(O)−、(アルキル)NS(O)−、アリール−NHS(O)−、アルキル(アリール)−NS(O)−、(アリール)NS(O)−、ヘテロアリール−NHS(O)−、アラルキル−NHS(O)−、ヘテロアラルキル−NHS(O)−などを意味する。
【0037】
本明細書で使用される、“アリールオキシ”なる用語は、−O−アリールおよび−O−ヘテロアリール基の両方を意味する。
【0038】
本明細書で使用される、“アシルアミノ”なる用語は、−NRC(O)R’(これらそれぞれのRおよびR’は独立して水素、アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル(上記定義のとおりである)か、RおよびR’の両方の基が所望により結合して、ヘテロ環式基(例えば、モルホリノ)を形成する)の基を意味する。
【0039】
本明細書で使用される、“ヘテロアリール”なる用語は、1から8個のN、OまたはSから選択されるヘテロ原子を有する5−14員単環式−もしくは二環式−または縮合多環状−環系を意味する。好ましくは、ヘテロアリールは5−10員環系である。典型的なヘテロアリール基は、2−もしくは3−チエニル、2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−ピロリル、2−、4−もしくは5−イミダゾリル、3−、4−もしくは5−ピラゾリル、2−、4−もしくは5−チアゾリル、3−、4−もしくは5−イソチアゾリル、2−、4−もしくは5−オキサゾリル、3−、4−もしくは5−イソオキサゾリル、3−もしくは5−1,2,4−トリアゾリル、4−もしくは5−1,2、3−トリアゾリル、テトラゾリル、2−、3−もしくは4−ピリジル、3−もしくは4−ピリダジニル、3−、4−もしくは5−ピラジニル、2−ピラジニル、2−、4−もしくは5−ピリミジニルを含む。
【0040】
“ヘテロアリール”なる用語は、またヘテロ芳香環が1個またはそれ以上のアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環に縮合し、ラジカルまたは結合点がヘテロ芳香環上である基を意味する。非限定例は、限定はしないが、1−、2−、3−、5−、6−、7−、もしくは8−インドリジニル、1−、3−、4−、5−、6−もしくは7−イソインドリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インドリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インダゾリル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−プリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−もしくは9−キノリジニル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリニル、1−、4−、5−、6−、7−もしくは8−フタラジニル、2−、3−、4−、5−もしくは6−ナフチリジニル、2−、3−、5−、6−、7−もしくは8−キナゾリニル、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリニル、2−、4−、6−もしくは7−プテリジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−4aHカルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−カルバゾリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−カルボリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−もしくは10−フェナントリジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−アクリジニル、1−、2−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−ペリミジニル、2−、3−、4−、5−、6−、8−、9−もしくは10−フェナンスロリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−もしくは9−フェナジニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−もしくは10−フェノチアジニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−もしくは10−フェノキサジニル、2−、3−、4−、5−、6−もしくはl−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−もしくは10−ベンズイソキノリニル、2−、3−、4−もしくはチエノ[2,3−b]フラニル、2−、3−、5−、6−、7−、8−、9−、10−もしくは11−7H−ピラジノ[2,3−c]カルバゾリル,2−、3−、5−、6−もしくは7−2H−フロ[3,2−b]−ピラニル、2−、3−、4−、5−、7−もしくは8−5H−ピリド[2,3−d]−o−オキサジニル、1−、3−もしくは5−1H−ピラゾロ[4,3−d]−オキサゾリル、2−、4−もしくは54H−イミダゾ[4,5−d]チアゾリル、3−、5−もしくは8−ピラジノ[2,3−d]ピリダジニル、2−、3−、5−もしくは6−イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、1−、3−、6−、7−、8−もしくは9−フロ[3,4−c]シンノリニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、8−、9−、10もしくは11−4H−ピリド[2,3−c]カルバゾリル、2−、3−、6−もしくは7−イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジニル、7−ベンゾ[b]チエニル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾオキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾイミダゾリル、2−、4−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾリル、1−、2−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−ベンゾキサピニル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−ベンゾオキサジニル、1−、2−、3−、5−、6−、7−、8−、9−、10−もしくは11−1H−ピロロ[1,2−b][2]ベンザピニルを含む。典型的な縮合ヘテロアリール基は、限定はしないが、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリニル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インドリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾ[b]チエニル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾオキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾイミダゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾリルを含む。
【0041】
ヘテロアリール基は、単−、二−、三−または多環状、好ましくは単−、二−または三環式、より好ましくは単−または二環式であり得る。
本明細書で使用される、“ハロ”または“ハロゲン”なる用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0042】
本明細書で使用される、“異性体”なる用語は、同じ分子式を有するが、原子の配置および立体配置が異なる化合物を意味する。また、本明細書で使用される、“光学異性体”または“立体異性体”なる用語は、得られる本発明の化合物に対して存在し得る様々な立体異性の立体配置を意味し、幾何異性体を含む。置換基は炭素原子のキラル中心で結合することができると理解できる。したがって、本発明は化合物のエナンチオマー、ジアステレオ異性体またはラセミ体を含む。“エナンチオマー”は、互いの鏡像を重ね合わせることができない一対の立体異性体である。1:1の一対のエナンチオマーの混合物が“ラセミ体”混合物である。該用語は適当なときラセミ混合物を示すために使用する。“ジアステレオ異性体”は少なくとも2個の不斉原子を有し、互いの鏡像を重ね合わせることができない立体異性体である。絶対立体化学はCahn−lngold−Prelog R−S系にしたがって特定される。化合物が、純粋なエナンチオマーであるとき、それぞれのキラル炭素での立体化学は、RまたはSのいずれかによって特定され得る。絶対的立体配置が未知である分離された化合物は、ナトリウムD線波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)に依存して、(+)または(−)と示すことができる。本明細書に記載されている特定の化合物は、1個またはそれ以上の不斉中心を含み、したがって、絶対立体化学の用語において、エナンチオマー、ジアステレオマー、および(R)−または(S)−として定義され得る他の立体異性体形態を生じ得る。本発明は、全てのこのような可能性のある異性体(ラセミ混合物、光学的に純粋な形態および中間体混合物を含む)を含むことを意味する。光学的に活性な(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製できるか、または慣用の技術を使用して分離できる。化合物が二重結合を含むとき、置換基はEまたはZ立体配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含むとき、シクロアルキル置換基はシス−またはトランス−立体配置を有し得る。すべての互変異性体形態が、また含むことを意図する。
【0043】
本明細書で使用される、“薬学的に許容される塩”なる用語は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持する塩であり、生物学的にもその他でも有害でない塩を意味する。多くの場合、本発明の化合物は、アミノおよび/もしくはカルボキシル基またはそれらに類似の基の存在により、酸および/または塩基との塩を形成できる。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸とで形成できる。塩を誘導し得る無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。塩を誘導し得る有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基で形成できる。塩を誘導し得る無機塩基は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含み;特に好ましくは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。塩を誘導し得る有機塩基は、例えば、一級、二級および三級アミン、天然に存在する置換されているアミンを含む置換されているアミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などを含み、具体的には、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンである。本発明の薬学的に許容される塩は、慣用の化学方法により親化合物、塩基性または酸性部分から合成できる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸形態と化学量論量の適当な塩基(例えば、水酸化、炭酸または重炭酸Na、Ca、MgまたはKなど)を反応させることによるか、またはこれらの化合物の遊離塩基形態と化学量論量の適当な酸を反応させることにより製造できる。このような反応は、一般的に水もしくは有機溶媒または2つの混合物中で実施する。一般に、実施できるとき、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。さらなる適当な塩の一覧は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985)(出典明示により本明細書に包含させる)で見ることができる。
【0044】
本明細書で使用される、“薬学的に許容される担体”なる用語は、当業者に既知であるような、あらゆるすべての溶媒、分散媒体、コーティング剤、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、防腐剤、薬剤、安定化剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑剤、甘味剤、香味剤、色素、これらの複数の物質および組合せ(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289- 1329参照、出典明示により本明細書に包含させる)を含む。慣用の担体が活性成分と不適合である場合を除いて、治療または医薬組成物におけるその使用が考慮される。
【0045】
本発明の化合物の“治療有効量”なる用語は、対象の生物学的または薬学的応答を誘導するか、症状を改善するか、疾患の進行を減速もしくは遅延するか、または疾患を予防する等であろう本発明の化合物の量を意味する。好ましい態様において、“有効量”はMMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13の発現または活性を阻害するか、または減少させる量を意味する。
【0046】
本明細書で使用される、“対象”なる用語は、動物を意味する。好ましくは、動物は哺乳動物である。対象は、また、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サカナ、トリなどを意味する。好ましい態様において、対象はヒトである。
【0047】
本明細書で使用される、“障害”または“疾患”なる用語は、なんらかの機能の混乱または異常;病的物理的または精神状態を意味する。Dorland's Illustrated Medical Dictionary, (W.B. Saunders Co. 27th ed. 1988)参照。
【0048】
本明細書で使用される、“阻害”または“阻害する”なる用語は、得られる状態、症状もしくは疾患の減少または抑制、または生物学的活性もしくは処理の基準活性における有意な減少を意味する。好ましくは、状態はMMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13と関連するか、または介在する。
【0049】
本明細書で使用される、すべての疾患または障害における“処置”または“処置する”なる用語は、1つの態様において、疾患または障害を改善する(すなわち、疾患またはその少なくとも1つの臨床症状の進行を阻止または減少する)ことを意味する。他の態様において、“処置”または“処置する”なる用語は、患者が認識していなくてもよい少なくとも1つの物理的パラメーターを改善することを意味する。さらなる他の態様において、“処置”または“処置する”は、物理的に(例えば、認識できる症状の安定)、生理学的に(例えば、物理的パラメーターの安定)のいずれか、または両方で、疾患または障害を調節することを意味する。他の態様において、“処置”または“処置する”なる用語は、発症または疾患もしくは障害の進行または発達の予防または遅延を意味する。
【0050】
本明細書で使用される、本発明において(とりわけ特許請求の範囲において)使用される単数表現および同様の用語は、本明細書に示されていないか、文脈で明らかな矛盾がない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈すべきである。本明細書の値の範囲の列挙は、単に範囲内の個々それぞれの値を示す簡略した方法として使用することを意図する。本明細書に記載のない限り、それぞれの個々の値は、個々に本明細書に示されているのと同程度に明細書に包含される。本明細書に記載されているすべての方法は、本明細書に示されているか、文脈で明らかな矛盾がない限り、任意の適当な順序で実施できる。本明細書で提供される、ありとあらゆる例または例示的用語(例えば“のような”)の使用は、単に本発明の理解をより容易にすることを意図し、他に請求されていない限り、特許請求の範囲を制限することを意図しない。明細書の用語は、本発明の実施に不可欠である請求されていない要素を示すと解釈すべきでない。
【0051】
本発明の化合物のすべての不斉炭素原子で(R)−、(S)−または(R,S)−立体配置、好ましくは(R)−または(S)−立体配置が存在できる。不飽和結合を有する原子での置換基は、可能なとき、シス−(Z)−またはトランス(E)−形態で存在できる。したがって、本発明の化合物は、例えば、実質的に純粋な幾何(シスまたはトランス)異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体(アンチポード)、ラセミ体またはそれらの混合物またはそれらの混合物のような可能な異性体またはそれらの混合物の形態であり得る。
【0052】
すべての得られる異性体混合物を、成分の物理化学的差異に基づき、純粋な幾何または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別結晶により分離できる。
【0053】
最終産物または中間体の得られたすべてのラセミ体を、光学的なアンチポードに、既知の方法により、例えば、光学的に活性な酸または塩基化合物により得たそのジアステレオ異性体塩を分離し、該光学的に活性な酸または塩基化合物を遊離することにより、例えば、光学的に活性な酸と形成される塩の分別結晶により分割できる。ラセミ体産物も、キラルクロマトグラフィー、例えば、キラル吸着剤を使用した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、分割できる。
【0054】
最後に、本発明の化合物を、遊離形、それらの塩またはそれらのプロドラッグ誘導体のいずれかで得られる。
【0055】
塩基性基が本発明の化合物中に存在するとき、該化合物はその酸付加塩、特に、構造のイミダゾリル部分との酸付加塩、好ましくはその薬学的に許容される塩に変換され得る。これらは、無機酸または有機酸と形成される。適当な無機酸は、限定はしないが、塩酸、硫酸、リン酸または塩酸を含む。適当な有機酸は、限定はしないが、例えば、非置換またはハロゲンにより置換されている、例えば、(C)アルカンカルボン酸、例えば、飽和または不飽和ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸またはフマル酸、例えば、ヒドロキシカルボン酸、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸、例えば、アミノ酸、例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸、有機スルホン酸、例えば、(C−C)アルキルスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸;または非置換またはハロゲンにより置換されている、アリールスルホン酸を含む。好ましいのは、塩酸、メタンスルホン酸およびマレイン酸と形成される塩である。
【0056】
酸性基が本発明の化合物中に存在するとき、該化合物はその薬学的に許容される塩基との塩に変換され得る。このような塩は、ナトリウム、リチウムおよびカリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウムおよびマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;有機塩基とのアンモニウム塩、例えば、トリメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩およびN−メチル−D−グルカミン塩;アルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含む。塩は、有利にはエーテル性またはアルコール性溶媒、例えば、低級アルカノールの存在下で、慣用的方法を使用して形成され得る。後者の溶液から、塩をエーテル、例えばジエチルエーテルで沈澱させてもよい。得られた塩を、酸での処理により遊離化合物に変換し得る。これらまたは他の塩は、また、得られた化合物の精製のために使用され得る。
【0057】
塩基性基および酸性基の両方が同じ分子内に存在するとき、本発明の化合物は、また内部塩を形成し得る。
【0058】
本発明は、また、インビボで本発明の化合物に変化する本発明の化合物のプロドラッグを提供する。プロドラッグは、プロドラッグの対象への投与後、化学的にインビボで生理的作用、例えば、加水分解、代謝などを介して本発明の化合物に修飾される活性または不活性化合物である。プロドラッグの製造および使用に関する適合性および技術は当業者に既知である。プロドラッグは、概念的に生体前駆体プロドラッグおよび担体プロドラッグの2つの非限定的なカテゴリーに分けることができる。The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32 (Ed. Wermuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001)参照。一般に、生体前駆体プロドラッグは、不活性であるか、または対応する活性薬剤化合物と比較して低い活性を有し、1個またはそれ以上の保護基を含み、そして代謝または加溶媒分解により活性型に変化する化合物である。活性薬剤型およびすべての放出代謝産物の両方は許容できる低い毒性であるべきである。一般的に、活性薬剤化合物の形成は下記型の1つである代謝過程または反応に関連する:
【0059】
1.酸化反応、例えば、アルコール、カルボニルおよび酸機能の酸化、脂肪族炭素のヒドロキシル化、脂環式炭素原子のヒドロキシル化、芳香族性炭素原子の酸化、炭素−炭素二重結合の酸化、窒素−含有官能基の酸化、シリコン、リン、ヒ素および硫黄の酸化、酸化N−脱アルキル化、酸化O−およびS−脱アルキル化、酸化脱アミノ化、ならびに他の酸化反応。
2.還元反応、例えば、カルボニル基の還元、アルコール基および炭素−炭素二重結合の還元、窒素−含有官能基の還元および他の還元反応。
3.酸化状態における変化しない反応、例えば、エステルおよびエーテルの加水分解、炭素−窒素一重結合の加水分解、非芳香族性ヘテロ環の加水分解、多重結合での水和および脱水、脱水反応による新たな原子結合、加水分解脱ハロゲン化、ハロゲン化水素分子の除去および他のこのような反応。
【0060】
担体プロドラッグは輸送部分を含む、例えば、吸収および/または作用部位への局所的輸送を改良する薬剤化合物である。このような担体プロドラッグに関して望ましくは、薬剤部分と輸送部分の結合が共有結合であり、プロドラッグが不活性または薬剤化合物より低い活性であり、そしてすべての放出輸送部分が許容できる非毒性である。輸送部分が吸収を増強することを意図するプロドラッグにおいて、一般的に輸送部分の放出は迅速であるべきである。他の場合、持続放出を提供する部分、例えば、特定のポリマーまたは他の部分、例えば、シクロデキストリンを利用することが望ましい、Cheng et al., US20040077595, application Ser. No. 10/656,838参照(出典明示により本明細書に包含させる)。このような担体プロドラッグは、しばしば、経口投与薬剤に対して有利である。担体プロドラッグは、例えば、1種またはそれ以上の下記特性を改良するために使用できる:親油性の増加、薬理学的効果の持続時間の増加、部位特異性の増加、毒性および副作用の減少、および/または薬剤製剤の改良(例えば、安定性、水溶解性、望ましくない感覚刺激または生理学特性の抑制)。例えば、親油性はヒドロキシル基と親油性カルボン酸、またはカルボン酸基とアルコール、例えば、脂肪族アルコールのエステル化により増加できる。Wermuth, The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32, Ed. Werriuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001。
【0061】
典型的なプロドラッグは、例えば、遊離カルボン酸ならびにチオール、アルコールまたはフェノールのS−アシルおよびO−アシル(ここで、アシルは本明細書に定義のとおりの意味を有する)誘導体のエステルである。好ましくは、当分野で慣用に使用されている、生理学的条件下で加溶媒分解により親カルボン酸、例えば、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、低級アルケニルエステル、ベンジルエステル、モノ−もしくはジ−置換低級アルキルエステル、例えば、ω−(アミノ、モノ−もしくはジ−低級アルキルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル)−低級アルキルエステル、α−(低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニルまたはジ−低級アルキルアミノカルボニル)−低級アルキルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチルエステルなどに変化できる薬学的に許容されるエステル誘導体である。加えて、アミンはがエステラーゼによりインビボで開裂し遊離薬剤およびホルムアルデヒドを放出するアリールカルボニルオキシメチル置換誘導体でマスクされている(Bundgaard, J. Med. Chem. 2503 (1989))。さらに、酸性NH基を含む薬剤、例えば、イミダゾール、イミド、インドールなどが、N−アシルオキシメチル基でマスクされている(Bundgaard, Design of Prodrugs, Elsevier (1985))。ヒドロキシ基がエステルおよびエーテルでマスクされている。EP 039,051(Sloan and Little)はマンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、その製造および使用を記載している。
【0062】
本化合物、その塩形態の化合物およびプロドラッグの間の密接な関係を考慮して、本発明の化合物は、適当および便利なとき、対応する本発明の化合物のプロドラッグも意味すると理解すべきである。
【0063】
さらに、それらの塩を含む本発明の化合物はまた、それらの水和物の形で得ることができるか、またはそれらの結晶化のために使用した他の溶媒を含んでいてよい。
【0064】
本発明の化合物は、価値ある薬理学的特性を有し、マトリクスメタロプロテアーゼ、例えば、マトリクスメタロプロテアーゼ9(MMP−9)、マトリクスメタロプロテアーゼ12(MMP−12)およびマトリクスメタロプロテアーゼ13(MMP−13)の阻害剤として有用である。ゼラチナーゼBとしても既知であるMMP−9は主に細胞外マトリックスのリモデリングに作用し、腫瘍、自己免疫性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、冠動脈疾患および神経変性疾患などで示した。Van den Steen, P et al., Critical Reviews in Biochemistry and Molecular Biology, 37(6):375-536 (2002)参照。マクロファージエラスターゼまたはメタロエラスターゼとしても既知であるMMP12は、細胞外マトリックス成分、例えば、エラスチンを分解でき、組織リモデリング処理と関連する。MMP−12は腫瘍侵襲性、関節炎、アテローム性動脈硬化症、アルポート症候群および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病理学的発症における重要なタンパク質であることが示されている。コラゲナーゼ3としても既知であるMMP−13は、(1)とりわけ浸潤性乳癌病変および皮膚癌発症における悪性上皮細胞増殖で観察されるような転移と関連する細胞外マトリックス崩壊および細胞マトリックス相互作用;および(2)第一次骨化および骨リモデリング中の(M. Stahle-Backdahl et al., (1997) Lab. Invest. 76 (5) :717-728; N. Johansson et al., (1997) Dev. Dyn. 208(3):387-397)、破壊性関節疾患、例えば、リウマチ様および骨関節炎(D. Wernicke et al., (1996) J. Rheumatol. 23:590-595; P. G. Mitchell et al., (1996) J. Clin. Invest. 97(3):761-768; O. Lindy et al., (1997) Arthritis Rheum 40(8 :1391- 1399));および人工股関節手術の無菌弛緩(S. Imai et al., (1998) J. Bone Joint Surg. Br. 80(4):701- 710)に関連している。MMP13は、また、慢性的に炎症している粘膜ヒト歯肉組織の上皮に局在しているため慢性成人性歯周炎(V. J. Uitto et al., (1998) Am. J. Pathol 152(6):1489- 1499)および慢性的な傷におけるコラーゲン基質のリモデリング(M. Vaalamo et al., (1997) J. Invest. Dermatol. 109(1): 96-101)に関連している。
【0065】
したがって、本発明の化合物は、また、MMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13が介在する障害または疾患の処置のために有用である。特に、本発明の化合物は、アルポート症候群、喘息、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節炎(例えば、リウマチ性関節炎および骨関節症)、アテローム性動脈硬化症および再狭窄、癌浸潤および転移、組織破壊関連疾患、人工股関節の弛緩、歯周病、線維症、梗塞および心臓疾患、肝臓および腎臓線維症、子宮内膜症、細胞外マトリックスの衰退関連疾患、心不全、大動脈瘤、CNS関連疾患、例えば、アルツハイマー病および多発性硬化症(MS)、血液疾患から選択される少なくとも1つの障害または疾患の処置のために有用である。
【0066】
さらに、本発明は、下記を提供する:
−薬剤として使用するための本発明の化合物;
−MMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13が介在する障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための医薬組成物の製造のための本発明の化合物の使用;
−MMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13が介在する障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための医薬組成物の製造のための本発明の化合物の使用;
−アルポート症候群、喘息、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節炎(例えば、リウマチ性関節炎および骨関節症)、アテローム性動脈硬化症および再狭窄、癌浸潤および転移、組織破壊関連疾患、人工股関節の弛緩、歯周病、線維症、梗塞および心臓疾患、肝臓および腎臓線維症、子宮内膜症、細胞外マトリックスの衰退関連疾患、心不全、大動脈瘤、CNS関連疾患、例えば、アルツハイマー病および多発性硬化症(MS)、血液疾患から選択される障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための医薬組成物の製造のための本発明の化合物の使用。
【0067】
式(I)−(IV)の化合物は下記段落に記載されている方法により製造できる。
一般に、式(I)および(III)の化合物は6工程を含むスキーム1にしたがって製造できる。
【0068】
【化5】

【0069】
上記スキームの個々の工程に関して、工程1は、アミノ酸(式(V))と3−R−ベンゼンスルホニルクロライド(式(VI))をスルホニル化し、N−アリールスルホンアミド置換アミノ酸を得ることを含む。工程2は、ベンジルエステルのような酸官能性での保護を含み、工程3においてスルホンアミド窒素の位置選択的Nアルキル化をする。アルキル化後、ベンジル保護基を水素化分解を介して除去し、酸をトリチルで保護されたヒドロキシルアミン、次に最後の工程でトリチル保護基の除去を使用する2工程製造でヒドロキサム酸に変換する。
【0070】
あるいは、式(I)の異なるアルコキシ−置換化合物を、2工程を含むスキーム2にしたがって、上記ベンジル保護中間体(スキーム1、Xがアセトキシ基である)から製造できる。ベンジルエステル中間体のヒドロキサム酸への変換はスキーム1に記載されているのと同じ方法で達成される。
【0071】
【化6】

【0072】
スキーム2の個々の工程に関して、工程1は、エステルを加水分解し、フェノール中間体を得ることを含み、工程2は、そのフェノールをアルキル化し、上記定義の必要なエーテルまたはカルバメートを得ることを含む。
【0073】
あるいは、式(I)の異なるアシルアミノ−置換化合物を、2工程を含むスキーム3にしたがって、上記ベンジル保護中間体(スキーム1、Xがニトロ基である)から製造できる。ベンジルエステル中間体の式(I)のヒドロキサム酸への変換はスキーム1に記載されているのと同じ方法で達成される。
【0074】
【化7】

【0075】
スキーム3の個々の工程に関して、工程1は、ニトロ基のアニリン中間体への還元を含む。工程2は、アニリンをアシル化し、上記定義の必要なウレアまたはアシルアミノを得ることを含む。
【0076】
式(I)のさらなる化合物を、スキーム4に記載されている別法で製造できる。
【化8】

【0077】
より具体的に、スキーム4の類似物は、スキーム1で説明したアルキル化と同様の方法で製造できるアリル−アミン中間体で出発する一連の化学変換を介して合成できる。この中間体をヒドロホウ素化し、次にメシル化し、次にR6部分の挿入の置換をする。スキーム1と同様の方法で、ベンジルエステル中間体は式(I)のヒドロキサム酸に変換する。
R2がヒドロキシエチルである式(I)の化合物を上記別法で合成できる。
【0078】
【化9】

【0079】
ヒドロキシエチル類似物の合成のための出発物質をスキーム1に記載にとおりに合成する。この中間体のアルキル化、次に環化し、ラクトン中間体を得、これを次にワインレブ条件下で開化する。ベンジル基の脱保護を標準水素化条件下で達成する。
【0080】
一般に、式(II)および(IV)の化合物は、当業者に既知の化合物のエナンチオマーを製造し、ラセミ混合物を分割すること、例えば、ジアステレオ異性体塩の形成および再結晶またはキラル固定相を利用するキラルクロマトグラフィーまたはHPLC分離により製造する方法により製造できる。
【0081】
好ましくは、式(II)および(IV)の化合物は、得られる最終化合物が意図するエナンチオマーの形態であるように、意図するエナンチオマーの形態の物質で出発して、本明細書に記載のスキームを使用して製造できる。
【0082】
本明細書に記載の方法で本発明の化合物に変換する出発化合物および中間体において、存在するアミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基のような官能基は、所望により、調製用有機化学において一般的な慣用の保護基で保護する。保護されたアミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基は、緩和な条件下で、分子骨格が破壊されるかまたは他の望ましくない副次反応が起こることなく、遊離アミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基に変換できるものである。
【0083】
保護基を挿入する目的は、所望の化学的変換を行うために使用する条件下で、反応成分との望ましくない反応から官能基を守るためである。特定の反応のための保護基の必要性および選択は、当業者に既知であり、保護すべき官能基の性質(ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシなど)、該置換基がその一部である分子の構造および安定性、および反応条件に依存する。
【0084】
これらの条件に合う既知の保護基それらの挿入および除去は、例えば、McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London, NY (1973);およびGreene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley and Sons, Inc., NY (1999)に記載されている。
【0085】
上記の反応は、標準法にしたがって、好ましくは試薬に不活性であり、それらの溶媒である希釈剤、触媒、縮合剤または他の試薬各々の存在下または非存在下および/または不活性雰囲気中、低温、室温または高温、好ましくは使用する溶媒の沸点または付近で、および大気圧または超大気圧で行う。好ましい溶媒、触媒および反応条件は、下記の説明的実施例に明示する。
【0086】
本発明は、さらに、任意の段階で得られる中間体生成物を出発物質として使用して残りの段階を行うか、または出発物質を反応条件下インサイチュで製造するか、または反応成分をその塩または光学的に純粋なアンチポードの形で使用する、本発明の方法のすべての変法を含む。
【0087】
本発明の化合物および中間体はまた一般的にそれ自体既知の方法にしたがい互いに変換できる。
【0088】
他の局面において、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。該医薬組成物は、例えば、経口投与、非経腸投与および経直腸投与などのような特定の投与形路に対して処方できる。加えて、本発明の医薬組成物は、カプセル、錠剤、丸薬、顆粒、粉末または坐薬を含む固体形態、または、溶液、懸濁液またはエマルジョンを含む液体形態で製造され得る。医薬組成物は、慣用の製薬工程、例えば滅菌に付す、および/または慣用の不活性希釈剤、平滑剤または緩衝剤、ならびにアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤などを含み得る。
【0089】
好ましくは、医薬組成物は、該活性成分を
a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;
b)滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤に関してはまた
c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;所望により
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または起沸性混合物;および/または
e)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤と一緒に含む錠剤およびゼラチンカプセルである。
錠剤は、当分野で既知の方法にしたがって、フィルムコーティングまたは腸溶コーティングのいずれかであってよい。
【0090】
経口投与用の適当な組成物は、有効量の錠剤、トローチ、水性もしくは油性懸濁液、分散粉末もしくは顆粒、エマルジョン、硬もしくは軟カプセル、またはシロップ剤またはエリキシル剤の形態の本発明の化合物を含む。経口使用用組成物は医薬組成物の製造のための当分野で既知のなんらかの方法で製造し、このような組成物は、薬学的に上品な口当たりの良い製剤を提供するために甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種またはそれ以上の薬剤を含み得る。錠剤は活性成分と錠剤の製造のために適当である非毒性の薬学的に許容される賦形剤を一緒に含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒剤および崩壊剤、例えば、コーンデンプン、またはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;および滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクを含む。錠剤は非被覆であるか、または胃腸管における分解および吸収を遅らせ、それにより長期間にわたって持続作用を提供するために既知の技術により被覆されている。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を使用できる。経口使用用製剤は、活性成分を不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合した硬ゼラチンカプセル、または、活性成分を水または油媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油と混合した軟ゼラチンカプセルとして保存できる。
【0091】
注射用組成物は、好ましくは水性等張性溶液または懸濁液であり、坐薬は有利には脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造する。該組成物は滅菌してよくおよび/または防腐剤、安定化剤、湿潤剤また乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤のような、アジュバントを含んでいてよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値のある物質を含んでいてよい。該組成物は、各々慣用の混合、造粒または被覆方法にしたがい製造し、約0.1−75%、好ましくは約1−50%の本活性成分を含む。
【0092】
経皮適用のための適当な組成物は、有効量の本発明の化合物と担体を含む。有利な担体は、宿主の皮膚を通した移動を助ける、吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、本化合物を所望により担体と共に含む貯蔵部、所望により、化合物を宿主の皮膚に制御されたおよび予定された速度で長期間にわたり送達するための速度制御バリア、および、皮膚にデバイスを固定させるための手段を含む、バンデージの形である。
【0093】
例えば、皮膚および眼への局所投与用の適当な組成物は、水性溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲルまたは、例えば、エアロゾルにより送達するスプレー製剤などを含む。このような局所送達系は、特に皮膚適用、例えば、皮膚癌の処置、例えば、日焼け止めクリーム、ローション、スプレーなどにおける予防使用に対して適当である。したがって、これらは特に美容を含む局所的使用に適当であり、当分野で既知の製剤である。このようなものは可溶化剤、安定化剤、張性増強剤、緩衝剤および防腐剤を含み得る。
【0094】
本発明は、さらに、水がいくつかの化合物の崩壊を容易にできるため、活性成分として本発明の化合物を含む無水医薬組成物および投与形態を提供する。例えば、水の添加(例えば、5%)が、長期の保存寿命または製剤の安定性のような特性を測定するための長期保存をシミュレートする方法として、広く医薬分野で受け入れられている。例えば、Jens T. Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 2d. Ed., Marcel Dekker, NY, N.Y., 1995, pp. 379-80参照。事実、水および加熱はいくつかの化合物の分解を加速する。したがって、製剤における水の効果は、水分および/または湿気は一般に製造、処理、パッケージング、保存、出荷、および製剤の使用中に出会うため、重要な意味を有し得る。
【0095】
本発明の無水医薬組成物および投与形態は、無水または少ない低い水分を含む成分および少ない水分または少ない湿気条件を使用して製造できる。製造、パッケージング、および/または保存中に水分および/または湿気との実質的な接触が予想されるとき、ラクトースおよび一級または二級アミンを含む少なくとも1種の活性成分を含む医薬組成物および投与形態が好ましくは無水である。
【0096】
無水医薬組成物はその無水性質を維持するように製造および保存されるべきである。したがって、無水組成物は、好ましくは水への暴露を防止するため既知の物質を使用して、適当な形式的なキットに包含されるようにパッケージングされる。適当なパッケージングの例は、限定はしないが、密閉ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスター・パックおよびストリップ・パックを含む。
【0097】
本発明は、さらに、活性成分としての本発明の化合物が崩壊する割合を減少させる1種またはそれ以上の薬剤を含む、医薬組成物および投与形態を提供する。本明細書で“安定剤”と称されるこのような薬剤は、限定はしないが、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、pH緩衝液または塩緩衝液などを含む。
【0098】
医薬組成物は、治療有効量の上記定義の本発明の化合物を、単独、または、例えば、当分野で報告されているとおりのそれぞれの有効な治療量での他の治療剤との組合せのいずれかで含む。このような治療剤は、1)AT受容体アンタゴニストアビテサルタン、ベンジルロサルタン、カンデサルタン、エリサルタン、エムブサルタン、エノルタソサルタン、エプロサルタン、フォンサルタン(fonsartan)、フォラサルタン、グリシルロサルタン、イルベサルタン、イソテオリン(isoteoline)、ロサルタン、ミルファサルタン、オルメサルタン、オポミサルタン(opomisartan)、プラトサルタン、リピサルタン、サプリサルタン、サララシン、サルメシン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、ゾラサルタン;Kissei KRH−94、Lusofarmaco LR−B/057、Lusofarmaco LR−B/081、Lusofarmaco LR B/087、Searle SC−52458、三共CS−866、武田TAK−536、Uriach UR−7247、A−81282、A−81988、BIBR−363、BIBS39、BIBS−222、BMS−180560、BMS−184698、CGP−38560A、CGP−48369、CGP−49870、CGP−63170、CI−996、CV−11194、DA−2079、DE−3489、DMP−811、DuP−167、DuP−532、GA−0056、E−4177、EMD−66397、EMD−73495、EXP−063、EXP−929、EXP−3174、EXP−6155、EXP−6803、EXP−7711、EXP−9270、FK−739、HN−65021、HR−720、ICI−D6888、ICI−D7155、ICI−D8731、KR1−1177、KT3−671、KW−3433、L−158809、L−158978、L−159282、L−159689、L−159874、L−161177、L−162154、L−162234、L−162441、L−163007、L−163017、LY−235656、LY−285434、LY−301875、LY−302289、LY−315995、ME−3221、PD−123177、PD−123319、PD−150304、RG−13647、RWJ−38970、RWJ−46458、S−8307、S−8308、SL−91.0102、U−96849、U−97018、UP−269−6、UP−275−22、WAY−126227、WK−1492.2K、WK−1360、X−6803、XH−148、XR−510、YM−358、YM−31472、ZD−6888、ZD−7155およびZD−8731からなる群から選択されるか(これらは、それ自体すべて既知である)、またはすべてのそれらの生理学的に適合性のある塩、溶媒和物、プロドラッグまたはエステル;2)非選択的アルファ−アドレナリン受容体アンタゴニスト、例えばトラゾリンまたはフェノキシベンザミン;3)選択的アルファ−アドレナリン受容体アンタゴニスト、例えばドキサゾシン、プラゾシン、テラゾシンまたはウラピジル;ベータ−アドレナリン受容体アンタゴニスト、例えばアセブトロール、アルプレノロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、ブプラノロール、カラゾロール、カルテオロール、セリプロロール、メピンドロール、メチプラノール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロール;4)アルファ−およびベータ−アドレナリン受容体の混合アンタゴニスト、例えばカルベジロールまたはラベタロール;自律神経節遮断薬、例えばレセルピンまたはグアネチジン;5)アルファ2−アドレナリン受容体アゴニスト(中枢作用アルファ2−アドレナリン受容体アゴニストを含む)、例えばクロニジン、グアンファシン、グアナベンズメチルドパおよびモキソニジン;6)レニン阻害剤、例えばアリスキレン;7)ACE阻害剤、例えばベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリル、スピラプリルまたはトランドラプリル;8)混合または選択的エンドセリン受容体アンタゴニスト、例えばアトラセンタン、ボセンタン、クラゾセンタン、ダルセンタン、シタックスセンタン、テゾセンタン、BMS−193884またはJ−104132;直接血管拡張薬、例えばジアゾキサイド、ジヒドララジン、ヒドララジンまたはミノキシジル;9)混合ACE/NEP二重阻害剤、例えばオマパトリラト;ECE阻害剤、例えばFR−901533;PD−069185;CGS−26303;CGS−34043;CGS−35066;CGS−30084;CGS−35066;SM−19712;Ro0677447;10)選択的NEP阻害剤;11)バソプレシンアンタゴニスト;12)アルドステロン受容体アンタゴニスト、例えばエプレレノン;13)アルドステロン阻害剤;14)アンジオテンシンワクチン;および15)ウロテンシンII受容体アンタゴニストを含む。
【0099】
さらに、上記組合せは同時の、別々のまたは連続の投与(使用)を介して対象に投与できる。同時の投与(使用)は、2種またはそれ以上の活性成分で1個の固定された組合せの形態で、または独立して調剤される2種またはそれ以上の化合物を同時に投与することにより実施できる。連続の投与(使用)は、好ましくは組合せの1種(またはそれ以上)の化合物または活性成分をある時点で、他の化合物または活性成分を異なる時点で投与すること、すなわち、長期間ずらす様式で、好ましくは組合せが独立して単一の化合物を投与するよりも有効性を示す(とりわけ相乗効果を示す)ように投与することを意味する。別々の投与(使用)は、好ましくは異なる時点で互いに独立して組合せの化合物または活性成分を投与すること、好ましくは2種の化合物が両方の化合物の測定できる血中濃度の重複が重複する様式で(同時に)存在しないように投与することを意味する。
【0100】
また、2種またはそれ以上の連続した、別々の、および同時の投与の組合せは、好ましくは組合せ化合物−薬剤は、組合せ化合物−薬剤をそれらの治療効果において相互作用が見ることができないくらい大きい時間間隔で独立して使用するときに見られる効果を超える複合治療効果を示すこと、とりわけ好ましくは相乗効果を示すことが可能である。
【0101】
さらに、本発明は、下記を提供する:
−薬剤として使用するための本発明の医薬組成物または組合せ;
−MMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13が介在する障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための本発明の医薬組成物または組合せ;
−低カリウム血漿、高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、シンドロームX、肥満、ネフロパシー、心筋梗塞後、冠状動脈性心臓疾患、コラーゲンの形成の増加、線維症ならびに高血圧および内皮機能障害後のリモデリングから選択される障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための本発明の医薬組成物または組合せの使用;
−女性化乳房、骨粗鬆症、前立腺癌、子宮内膜症、子宮内膜症、機能不全性子宮出血、子宮内膜増殖症、多嚢胞卵巣、不妊症、乳腺線維嚢胞症、乳癌および線維嚢胞性乳腺症から選択される障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための本発明の医薬組成物または組合せの使用。
【0102】
本発明の医薬組成物または組合せは、約50−70kgの対象に対して約1−1000mgの活性成分、好ましくは約5−500mgの活性成分の単位用量であり得る。化合物、医薬組成物またはそれらの組合せの治療有効用量は、対象の種、体重、年齢および個々の状態、処置される障害もしくは疾患またはそれらの重症度に依存する。医師、臨床医または獣医は容易に障害または疾患の進行の予防、処置または阻害のために必要なそれぞれの活性成分の有効量を決定できる。
【0103】
上記用量特性は、インビトロおよびインビボ試験で、有利には哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、サルまたは単離した臓器、組織およびそれらの調製物を使用して証明できる。本発明の化合物を、インビトロで溶液、例えば、好ましくは水溶液の形態で、および、インビボで経腸的、非経腸的いずれかで、有利には、静脈内に、例えば、懸濁液または水溶液として適用できる。インビトロの用量は約10−3モルから10−9モル濃度の範囲であり得る。インビボの治療有効量は、投与経路に依存して、約0.1−500mg/kg、好ましくは約1−100mg/kgであり得る。
【0104】
本発明の化合物の活性は、当分野で知られている下記方法により評価できる。
MMPアッセイにおけるIC50値の測定
用量反応曲線は96−ウェルプレートフォーマットにおいてDMSO/水溶液(90/10、v/v)で作成し、分析の前最大24時間4℃で保存される。すべての工程において、ポリ−プロピレンピペットチップは交差汚染または化合物キャリーオーバーを避けるため交換する。アッセイの日、それぞれの化合物をさらに0.05%のCHAPSを含む水で(1/33.33;96−ウェルプレートフォーマット)、所望のアッセイ濃度の3倍に希釈する。それぞれの化合物に対するアッセイにおいて、30から0.0003μMの範囲である11個の濃度を調査する(0.0003、0.001、0.003、0.01、0.03、0.1、0.3、1、3、10、30μM)。3倍濃度のMMP溶液を2倍濃度のアッセイバッファーである100mMのNaCl、10mMのCaCl、10μMのZnCl、0.05%のBrij−35を含む100mMのTris−HClバッファー、pH7.5で製造し、96−ウェルGreinerプレートに分配する。同様に、3倍濃度基質溶液(15μM)を100mMのNaCl、10mMのCaCl、10μMのZnCl、0.05%のBrij−35を含む100mMのTris−HClバッファー、pH7.5で製造し、96−ウェルGreinerプレートに分配する。化合物、基質および酵素を96−ウェルプレートから384−ウェルプレートへの移動はCybiTMウェルまたはCybiTMディスク装置のいずれかを使用して実施する。
【0105】
アッセイ処理は下記のとおり、それぞれのウェルに10μLの水/CHAPS(±試験化合物)、次に10μLのヒトMMP溶液(最終アッセイ濃度0.5nM)を加える。室温で1時間インキュベーション後、アッセイを10μLの基質溶液の添加(最終濃度5μM)により開始する。
【0106】
反応を環境温度(〜20−22℃)で1時間続ける。インキュベーション後、蛍光を上記のとおりに測定する。
見かけの阻害定数IC50は、非−線形回帰分析ソフトウェア(XLfit, Vers. 3.0.5; ID Business Solution Ltd., Guildford, Surrey, UK)を使用して阻害対阻害剤濃度の割合のプロットから決定する。
【0107】
MMP阻害剤の試験に対して有用であるインビボモデルは文献において報告されている。これらのいくつかは下記文献において見いだすことができる:“Role of MMP-9 and MMP-12 in Atherosclerosis” Luttun et al in Circulation. 2004;109:1408-1; “Macrophage Metalloelastase as a Major Factor for Glomerular Injury in Anti-Glomerular Basement Membrane Nephritis” Kaneko et. al TheJournal of Immunology, 2003, 170: 3377-3385; “MMP-12 has a role in abdominal aortic aneurysms in mice” Longo et al Surgery 2005;137:457-62; “Expression and Localization of Macrophage Elastase (Matrix Metalloproteinase-12) in Abdominal Aortic Aneurysms” Curci et. al J. Clin. Invest. 1998. 102:1900D1910。
【0108】
【表1】

【表2】

【表3】

【0109】
略語:
DMSO:ジメチルスルホキシド
CHAPS:3−[(3−コーラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート
DMF:ジメチルホルムアミド
Hex−EtOAc:ヘキサン/酢酸エチル
DCM:ジクロロメタン
HOAT:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
EDCI:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド
HCl:塩酸
MgSO:硫酸マグネシウム
CO:炭酸カリウム
MeOH:メタノール
DIAD:ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
THF:テトラヒドロフラン
DMS:ジメチルスルフィド
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DIC:N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド
DMAP:4−ジ(メチルアミノ)ピリジン
9−BBN:9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン
Pd(PPh:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
rt:室温
【実施例】
【0110】
実施例
本発明は、ここで、特に有利な態様を説明する下記実施例の言及により説明する。しかしながら、これらの態様は実例であり、いかなるときも本発明を限定するように解釈してはならない。下記実施例における化合物がMMP−9、MMP−12およびMMP−13に対して約0.1nMから約10μMの範囲のIC50値を有することを見いだした。
【0111】
実施例1
N−イソアミル−N−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシンヒドロキサム酸
【化10】

この化合物は、上記のスキーム1において説明した一連の反応したがって、下記のとおりの6工程で製造する:
【0112】
工程1:N−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシン
【化11】

D−tert−ロイシン(3g、22.9mmol)、3−メトキシベンゼンスルホニルクロライド(4.68g、22.6mmol)およびトリエチルアミン(6.4ml、45.7mmol)をジオキサン−水(1:1、60ml)中で環境温度で20分撹拌する。反応混合物を真空濃縮し、残渣を酢酸エチルに再溶解し、1NのHClで洗浄する。有機層を分離し、塩水で洗浄する。有機層をMgSOで乾燥させ、濃縮し、表題化合物を白色固体として得る(6.36g、収率92%)。1H-NMR (CDCl3, 400MHz): δ7.49 (d, 1H, J = 8), 7.39 (s, 1H), 7.32 (t, 1H, J = 8.11), 7.00 (m, 1H), 5.67 (d, 1H, J = 12), 3.86 (s, 3H), 3.42 (d, 2H, J = 8), 1.01 (s, 9H)。マススペクトル(302.0;M+1、300.0;M−1)。
【0113】
工程2:N−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシンベンジルエステル
【化12】

N−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシン(3.03g、10.1mmol)をDMF(30ml)に溶解する。炭酸カリウム(2.81g、20.1mmol)、次に臭化ベンジル(1.21ml、9.95mmol)を加え、反応物を環境温度で18時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルと1NのHClで分割する。有機層を分離し、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残渣を5−60%(Hex−EtOAc)の勾配で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(3.08g、収率78%)を得る。マススペクトル(392.2;M+1、390.2;M−1)。
【0114】
工程3:N−イソアミル−N−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシンベンジルエステル:
【化13】

DMF(10ml)中のN−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシンベンジルエステル(1.31g、3.35mmol)の溶液にKCO(1.87g、13.4mmol)、次に1−ヨード−3−メチルブタン(1.33g、6.69mmol)を加え、反応混合物を70℃に一晩加熱する。反応物を室温に冷却し、次に過剰の1NのHClを注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。粗生成物を5−40%(Hex−EtOAc)の勾配で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を無色油状物として得る(1.0g、収率65%)。マススペクトル(462.3;M+1)。
【0115】
工程4:N−イソアミル−N−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシン:
【化14】

MeOH(12ml)中のN−イソアミル−N−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシンベンジルエステル(2.0g、4.33mmol)の溶液に10%のパラジウム炭素(200mg)を加え、反応物を水素の環境圧下で4時間撹拌する。反応物をセライトを介して濾過し、濃縮し、表題化合物を得る(1.6g、99%)。
H-NMR (CDCl3, 400MHz): δ7.35 (d, 1H, J = 8), 7.31-7.26 (m, 2H), 6.99 (m, 1H), 4.26 (s, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.39-3.32 (m, 1H), 3.21-3.13 (m, 1H), 1.88-1.85 (m, 1H), 1.54-1.43 (m, 2H) 1.03 (s, 9H), 0.88-0.78 (m, 6H)。マススペクトル(372.2;M+1、370.2;M−1)。
【0116】
工程5:N−イソアミル−N−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシンO−トリチルヒドロキサム酸:
【化15】

DCM(50ml)中のN−イソアミル−N−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシン(2.0g、5.38mmol)の溶液にHOAT(1.45g、10.8mmol)、EDCI(2.12g、10.8mmol)、O−トリチルヒドロキシルアミン(2.96g、10.8mmol)およびトリエチルアミン(1.51ml、10.8mmol)を加え、反応混合物を環境温度で18時間撹拌する。反応物を1NのHClでクエンチし、ジクロロメタンで抽出する。合わせた有機層を塩水で洗浄し、濃縮する。粗生成物を5−40%(Hex−EtOAc)の勾配で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(2.8g、83%)を得る。H-NMR (CDCl3, 400MHz): δ7.46-7.44 (m, 9H), 7.37-7.18 (m, 10H), 7.03 (m, 1H), 4.95 (s, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.57-3.53 (m, 1H), 3.44-3.38 (m, 2H), 1.93-1.88 (m, 1H), 1.55-1.45 (m, 2H), 0.95-0.87 (m, 6H), 0.73 (s, 9H)。マススペクトル(627.4;M−1)。
【0117】
工程6:N−イソアミル−N−(3−メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシンヒドロキサム酸:
【化16】

DCM(25ml)中のN−イソアミル−N−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシンO−トリチルヒドロキサム酸(2.8g、4.45mmol)の溶液にトリフルオロ酢酸(2.76ml、35.6mmol)、次にトリエチルシラン(1.45g、8.9mmol)を加え、反応物を環境温度で10分撹拌する。反応物をDCMで希釈し、水および塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、半分に濃縮する。沈殿した生成物を濾過により回収し、ヘキサンで洗浄し、真空乾燥し、表題化合物を白色固体として得る(0.82g、48%)。H-NMR (MeOD, 400MHz): δ7.44 (m, 2H), 7.38 (s, 1H), 7.17 (m, 1H), 4.03 (m, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.18 (m, 1H), 1.85 (m, 1H), 1.52-1.41 (m, 2H), 1.12 (s, 9H), 0.95 (s, 6H)。MP115.5−116.5。マススペクトル(387.1;M+1、385.2;M−1)。CHN 計算値 CHN 55.94、7.82、7.25 実測値 CHN 55.84、8.01、7.10。
【0118】
実施例2
下記化合物は実施例1に準じて必要なアミノ酸エステル誘導体から出発して製造する。
【化17】

【表4】

【表5】

【表6】

【0119】
工程3の別法(ピコリル類似物2−42および2−43のための):
【化18】

0℃に冷却したTHF(7mL)中のN−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシンベンジルエステル(500mg、1.33mmol)の溶液にトリフェニルホスフィン(427.5mg、1.46mmol)、3−ピリジルカルビノール(0.142mL、1.46mmol)およびDIAD(0.287mL、1.46mmol)を加える。反応物を室温に温め、一晩撹拌する。反応物を酢酸エチルで希釈し、塩水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。粗生成物を1%のトリエチルアミンを含むヘプタン中の25−100%の酢酸エチルの勾配で溶離するカラムクロマトグラフィーを使用して精製し、生成物を透明な油状物として得る(623mg、100%)。マススペクトル(469.1;M+1)。
【0120】
実施例3
−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N−ヒドロキシ−N−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−3−メチル−D−バリンアミド
【化19】

この化合物は、スキーム4において上記説明した順序にしたがって、下記のとおりに製造する:
工程1:ベンジルN−(3−ヒドロキシプロピル)−N−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−3−メチル−D−バリネート:
【化20】

0℃に冷却したTHF(90mL)中のベンジルN−アリル−N−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−3−メチル−D−バリネート(12.7g、29.3mmol)の溶液に、ボラン−DMS錯体(ジエチルエーテル中で5M、12mL、60.0mmol)を滴下する。反応混合物をゆっくり室温に温め、室温で24時間撹拌する。反応混合物に、過ホウ酸ナトリウム四水和物(27.1g、176mmol)および脱イオン水(90mL)を少しずつ加える。反応混合物をさらに3時間撹拌する。反応混合物を濾過し、白色沈殿を除去し、次に水性層をEtOAcで抽出する。有機抽出物を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮し、非常に粘性の黄色油状物を得る。粗生成物を25−65%のEtOAc/ヘプタンの勾配で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製し、所望のアルコールを無色油状物として得る(9.08g)。マススペクトル(450.46;M+1)。
【0121】
工程2:ベンジルN−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−3−メチル−N−{3−[(メチルスルホニル)オキシ]プロピル}−D−バリネート
【化21】

−78℃に冷却したDCM(15mL)中のベンジルN−(3−ヒドロキシプロピル)−N−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−3−メチル−D−バリネート(9.08g、20.2mmol)およびトリエチルアミン(4.2mL、30.3mmol)の溶液に、メタンスルホニルクロライド(1.9mL、24.2mmol)を滴下し、反応混合物を−78℃で20分撹拌する。反応混合物を室温まで温め、脱イオン水で洗浄し、次に真空濃縮する。粗生成物を25−100%のEtOAc/ヘプタンの勾配で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製し、所望のメシレートを得る(9.45g、収率89%)。マススペクトル(528.46;M+1)。
【0122】
工程3:ベンジルN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−3−メチル−D−バリネート
【化22】

DCM(15mL)中のベンジルN−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−3−メチル−N−{3−[(メチルスルホニル)オキシ]プロピル}−D−バリネート(2.00g、3.79mmol)の溶液に、THF(2M、9.5mmol、19.0mmol)中のジメチルアミンおよびDIPEA(1.99mL、11.4mmol)を加え、反応混合物を室温で18時間撹拌する。さらなる3.0mLのTHF(2M)中のジメチルアミンを反応混合物に加え、さらに3日撹拌する。反応は約50%完了であった。反応混合物を真空濃縮し、5−100%のEtOAc/ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、所望の中間体(500mg、収率28%)を得る。マススペクトル(477.5;M+1)。
【0123】
工程4:N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N−ヒドロキシ−N−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−3−メチル−D−バリンアミド
【化23】

メタノール(10mL)中のベンジルN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−3−メチル−D−バリネート(500mg、0.634mmol)の脱気溶液に、触媒パラジウム炭素(活性炭10%、7mg、0.063mmol)を加え、反応混合物を水素下で78時間激しく撹拌する。反応混合物を無水DMF(5mL)で希釈し、真空濃縮し、メタノールを除去する。酸中間体のDMF溶液に、O−(テトラヒドロ−2H−ピラニル)ヒドロキシルアミン(149mg、1.27mmol)、EDC・HCl(249mg、1.27mmol)およびHOAt(173mg、1.27mmol)を室温で加える。反応物を室温で18時間撹拌し、LC/MSで完了を示した。反応混合物に、重炭酸ナトリウム十水和物(779mg、2.64mmol)を加え、30分激しく撹拌する。十水和物結晶を濾過し、濾過物を真空濃縮し、15−100%のEtOAc/ヘプタンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、250mgのTHP−保護ヒドロキサミド中間体を得る(2工程で収率81%)。メタノール(1mL)中の中間体の溶液に、濃塩酸溶液(水中で37%、840mL、0.70mmol)を滴下する。反応混合物を15分撹拌し、わずかに桃色の白色固体の沈殿を得る。沈殿をメタノールおよびエーテルで洗浄し、次に真空乾燥し、所望の生成物を白色固体として得る(227mg、収率100%)。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ ppm 10.82 (s, 1H), 9.86 (br s, 1H), 8.91 (s, 1H), 7.52-7.90 (m, 2H), 7.35 (m, 1H), 7.24 (m, 2H), 3.98 (m, 1H), 3.97 (s, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.07 (ddd, J = 12, 4, 4Hz, 1H), 2.97 (m, 2H), 2.73 (br s, 6H), 2.13 (m, 1H), 1.94 (m, 1H), 1.01 (s, 9H)。マススペクトル(402.20;M+1)。
【0124】
実施例4
下記化合物は、実施例3に準じて、必要なアミノ酸エステル誘導体から出発して製造する。
【化24】

【表7】

【0125】
実施例5
下記化合物は、ピリジン部分の結合を鈴木カップリングを介して達成する以外、実施例4に準じて製造する。
(R)−2−[(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−(3−ピリジン−3−イル−プロピル)−アミノ]−3,3−ジメチル−酪酸ベンジルエステル
【化25】

0℃に冷却したTHF(1mL)中のベンジルN−アリル−N−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−3−メチル−D−バリネート(222.6mg、0.5mmol)の溶液に0.5MのTHF中の9−BBN(3.0mL、1.50mmol)の溶液をゆっくり加える。混合物を室温にゆっくり温め、2日間撹拌する。次に、この溶液をDMF(3.3mL)中の3−ブロモピリジン、Pd(PPh(57.7mg、0.05mmol)および炭酸カリウム(276.2mg、2mmol)を含む別のフラスコに加える。得られる混合物を70℃に加熱し、一晩撹拌する。反応物を酢酸エチルで希釈し、水に注ぐ。水性層を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。粗残渣を15−100%のヘプタン中の酢酸エチルの勾配で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製し、所望の生成物を透明な油状物として得る(130mg、59%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz); δ 8.48 (d, 1H, J = 4), 8.43 (s, 1H), 7.58 (d, 1H, J = 8), 7.35-7.33 (m, 3H), 7.29-7.27 (m, 1.5H), 7.25-7.23 (m, 1.5H), 7.19-7.18 (m, 2H), 7.05-7.03 (d, 1H, J = 8), 4.87 (d, 1H, J = 12), 4.69-4.66 (d, 1H, J = 12H), 4.36 (s, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.57 (m, 1H), 3.18 (m, 1H), 2.58 (t, 2H, J = 4), 2.41 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.05 (s, 9H)。マススペクトル(511.5;M+1)。
【0126】
実施例6
N−ヒドロキシ−N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−3−メチル−D−バリンアミド
【化26】

【0127】
工程1−2:(3R)−3−tert−ブチル−4−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]モルホリン−2−オン
【化27】

氷−塩水浴で0℃に冷却したDCM中のN−(3メトキシフェニルスルホニル)D−tert−ロイシン(1.50g、4.98mmol)の溶液に、DIC(1.54mL、9.95mmol)およびDMAP(122mg、1.00mmol)を加える。反応混合物を5分0℃で撹拌し、次に、2−ブロモエタノール(562μL、7.96mmol)を滴下する。反応混合物を室温まで温め、次に、18時間撹拌する。白色沈殿を濾過し、次に、反応混合物を真空濃縮する。粗中間体を5−80%のEtOAc/ヘプタンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、所望の中間体を得る(1.59g、収率78%)。DMF(19mL)中の(R)−2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3,3−ジメチル−酪酸2−ブロモ−エチルエステル中間体(1.59g、3.90mmol)の溶液に、炭酸カリウム(2.15g、15.6mmol)を加え、反応混合物を70℃で2時間撹拌する。反応混合物をジエチルエーテルと水で2回分割する。有機層を分離し、水性層をジエチルエーテルで逆抽出する。有機抽出物を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮し、粗生成物を粘性の黄色油状物として得る。粗中間体を5−100%のEtOAc/ヘプタンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、所望の環状ラクトン生成物(500mg、収率39%)および310mgの環開化副産物(収率15%)を得る。マススペクトル(328.2;M+1)。
【0128】
工程3−4:N−ヒドロキシ−N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−3−メチル−D−バリンアミド
【化28】

無水DCM(2mL)中の(3S)−3−tert−ブチル−4−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]モルホリン−2−オン(260mg、0.79mmol)の溶液に、O−ベンジルヒドロキシルアミン(358μL、3.07mmol)を加え、反応混合物を室温で30分撹拌し、次にトリメチルアルミニウム(ヘキサン中で2M、1.5mL、3.00mmol)を窒素下で滴下する。残った反応混合物を室温で1時間撹拌する。反応をpH7のリン酸バッファーでクエンチする。反応混合物をDCMで抽出し、次に合わせた抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮する。粗反応混合物を5−100%のEtOAc/ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、所望のO−ベンジルヒドロキサミド中間体(541mg、収率100%)を得る。メタノール(2mL)中のO−ベンジルヒドロキサミド中間体(100mg、0.22mmol)の脱気した溶液に、触媒パラジウム活性炭(2mg、0.022mmol)を加え、反応混合物を水素下で1時間撹拌する。反応混合物を濾過し、真空濃縮する。得られた粗生成物を逆相GilsonHPLCにより精製し、所望の生成物(45mg、収率56%)を得る。1H NMR (400 MHz, d4-メタノール) δ ppm 7.50-7.41 (m, 2H), 7.36 (m, 1H), 7.18 (m , 1H), 4.16 (ddd, J = 16, 12, 4 Hz, 1H), 3.98 (s, 1H), 3.95 (ddd, J = 20, 16, 4Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.72 (ddd, J = 20, 16, 4Hz, 1H), 3.24 (ddd, J = 16, 12, 4 Hz, 1H), 1.08 (s, 9H)。マススペクトル(361.1;M+1)。
【0129】
実施例7
下記化合物は必要なアミノ酸エステル誘導体から出発して実施例6に準じて製造する。
【化29】

【0130】
他の態様
他の態様は当業者に明らかであろう。前記の詳細な説明は明瞭とする目的のみであり、単なる例示であることは理解されるべきである。本発明の精神および範囲は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲により包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中、
はシアノ、(C−C)アルキル、アミノ、R−O−、(C−C)アルキル−NHC(O)−、R−C(O)NH−、RC(O)−、R−C(O)−O−またはR10−O−C(O)−であり、ここで、
、R6、およびR10は独立して水素、(C−C)アルキル、モノ−もしくはジ−(C−C)アルキルアミノまたはアリール(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびアリールからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;
は水素、(C−C)アルキル、(R)(R)N−または(C−C)アルコキシであり;
およびRは独立して水素、(C−C)アルキルまたはアリール−(C−C)アルキルであり;
は水素または(C−C)アルキルであり、これは所望により1から3個の(C−C)アルキル、ヒドロキシ、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、(C−C)アルキル−O−C(O)−、ジ−(C−C)アルキルアミノ−C(O)−(これらそれぞれのアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールはさらに所望により(C−C)アルキルにより置換されている)からなる群から選択される置換基により置換されており;そして
は(C−C)アルキルまたはシクロアルキルである〕
で示される化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項2】
が(C−C)アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはR−C(O)−O−であり、ここで、Rが(C−C)アルキル(所望により1から3個のハロにより置換されている)であり、Rが水素、(C−C)アルコキシまたはモノ−(C−C)−アルキルアミノであり、そして、Rがモノ−(C−C)−アルキルアミノであり;
が(C−C)アルキル(所望により(C−C)アルキル−O−C(O)−、ジ−(C−C)アルキルアミノまたはヒドロキシにより置換されている)であるか;または
がアリール−(C−C)アルキル−、ヘテロアリール−(C−C)アルキル−、ヘテロシクリル−(C−C)アルキルであり、ここで、該ヘテロシクリルは所望により(C−C)アルキルにより置換されており;そして、
が(C−C)アルキルである、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項3】
が(C−C)アルコキシ、R−C(O)−NH−またはR−C(O)−O−であり、ここで、RおよびRが(C−C)アルキルNH−または(C−C)アルコキシであり;
が(C−C)アルキルであり;
が(C−C)アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が(C−C)アルコキシまたはR−C(O)−NH−であり、ここで、Rが(C−C)アルキルNH−であり;
が(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキルであり;
が(C−C)アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
式(II)
【化2】

〔式中、
はシアノ、(C−C)アルキル、アミノ、R−O−、(C−C)アルキル−NHC(O)−、R−C(O)NH−、RC(O)−、R−C(O)−O−またはR10−O−(O)−であり、ここで、
、R6、およびR10は独立して水素、(C−C)アルキル、モノ−もしくはジ−(C−C)アルキルアミノまたはアリール(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびアリールからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;
は水素、(C−C)アルキル、(R)(R)N−または(C−C)アルコキシであり;
およびRは独立して水素、(C−C)アルキルまたはアリール−(C−C)アルキルであり;
は水素または(C−C)アルキルであり、これは所望により1から3個の(C−C)アルキル、ヒドロキシ、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、(C−C)アルキル−O−C(O)−、ジ−(C−C)アルキルアミノ−C(O)−(これらそれぞれのアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールはさらに所望により(C−C)アルキルにより置換されている)からなる群から選択される置換基により置換されており;そして
は(C−C)アルキルまたはシクロアルキルである〕
で示される化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項6】
が(C−C)アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはR−C(O)−O−であり、ここで、Rが(C−C)アルキル(所望により1から3個のハロにより置換されている)であり、Rが水素、(C−C)アルコキシまたはモノ−(C−C)−アルキルアミノであり;
が(C−C)アルキル(所望により(C−C)アルキル−O−C(O)−、ジ−(C−C)−アルキルアミノ−C(O)−、ヒドロキシにより置換されている)であるか;または
がアリール−(C−C)アルキル−、ヘテロアリール−(C−C)アルキル−、ヘテロシクリル−(C−C)アルキルであり、ここで、該ヘテロシクリルは所望により(C−C)アルキルにより置換されており;
が(C−C)アルキルである、請求項5記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項7】
が(C−C)アルコキシ、R−C(O)−NH−またはR−C(O)−O−であり、ここで、RおよびRが(C−C)アルキルNH−または(C−C)アルコキシであり;
が(C−C)アルキルであり;
が(C−C)アルキルである、請求項5記載の化合物。
【請求項8】
が(C−C)アルコキシまたはR−C(O)−NH−であり、ここで、Rが(C−C)アルキルNH−であり;
が(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキルであり;
が(C−C)アルキルである、請求項5記載の化合物。
【請求項9】
式(III)
【化3】

〔式中、
はシアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、アミノ、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRは独立してアルキルまたはアリール(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびアリールからなる群から選択される置換基により置換されている)であるか、またはRはアルコキシまたは(C−C)アルキルアミノであり;
はアルキル、アリール−アルキル−もしくはヘテロアリール−アルキル−、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキル、モノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルまたはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルである〕
で示される化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項10】
がニトロ、シアノ、ハロ、(C−C)アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立して(C−C)アルキル、フェニル、ビフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル(これらそれぞれは所望により(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシルおよび(C−C)アルコキシからなる群から選択される1から5個の置換基により置換されている)であり;Rが(C−C)アルキル、(C−C10)アリール−(C−C)アルキルまたは(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキルまたはモノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルであるか;またはRがアルコキシまたは(C−C)アルキルアミノである、請求項9記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項11】
式(IV)
【化4】

〔式中、
はシアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、アミノ、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRは独立してアルキルまたはアリール(これらそれぞれは所望により1から5個の(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシおよびアリールからなる群から選択される置換基により置換されている)であり;
はアルキル、アリール−アルキル−もしくはヘテロアリール−アルキル−、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキル、モノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルまたはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルである〕
で示される化合物、その薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項12】
がニトロ、シアノ、ハロ、(C−C)アルキル、R−O−、R−C(O)NH−またはRC(O)−であり、ここで、R、RおよびRが独立して(C−C)アルキル、フェニル、ビフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル(これらそれぞれは所望により(C−C)アルキル、ハロ、ヒドロキシルおよび(C−C)アルコキシからなる群から選択される1から5個の置換基により置換されている)であり;Rが(C−C)アルキル、(C−C10)アリール−(C−C)アルキルまたは(5−9員)ヘテロアリール−(C−C)アルキル、(5−9員)ヘテロシクリル−(C−C)アルキルまたはモノ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルもしくはジ−(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキルであるか;またはRがアルコキシまたは(C−C)アルキルアミノである、請求項11記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項13】
対象に治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、対象におけるMMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13の活性を阻害する方法。
【請求項14】
対象におけるMMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13が介在する障害または疾患を処置する方法であって、対象に治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項15】
障害または疾患がアルポート症候群、喘息、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節炎、アテローム性動脈硬化症および再狭窄、癌浸潤および転移、組織破壊関連疾患、人工股関節の弛緩、歯周病、線維症、梗塞および心臓疾患、肝臓および腎臓線維症、子宮内膜症、細胞外マトリックスの衰退関連疾患、心不全、大動脈瘤、アルツハイマー病および多発性硬化症(MS)のようなCNS関連疾患、血液疾患からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
治療有効量の請求項1または5の化合物および1種またはそれ以上の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項17】
治療有効量の請求項1または5の化合物および1種またはそれ以上のAT受容体アンタゴニスト、アルファアドレナリン受容体アンタゴニスト、レニン阻害剤、ACE阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ACE/NEP二重阻害剤、ECE阻害剤、NEP阻害剤、バソプレシンアンタゴニスト、アルドステロン受容体アンタゴニスト、アルドステロン阻害剤、アンジオテンシンワクチンおよびウロテンシンII受容体アンタゴニストから選択される治療活性剤を含む医薬組成物。
【請求項18】
薬剤として使用するための請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項19】
対象におけるMMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13が介在する障害または疾患の処置のための医薬組成物の製造のための請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項20】
薬剤として使用するための請求項5に記載の式(II)の化合物。
【請求項21】
対象におけるMMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13が介在する障害または疾患の処置のための医薬組成物の製造のための請求項5に記載の式(II)の化合物の使用。
【請求項22】
薬剤として使用するための請求項16または17に記載の医薬組成物。
【請求項23】
対象におけるMMP−9および/またはMMP−12および/またはMMP−13が介在する障害または疾患の処置のための薬剤の製造のための請求項16または17に記載の医薬組成物の使用。

【公表番号】特表2009−535299(P2009−535299A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503205(P2009−503205)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/064973
【国際公開番号】WO2007/117981
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】