説明

酵素安定化

酵素安定化化合物を生成することができる、少なくとも1種のホウ素化合物と、少なくとも1種のα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸の塩とを添加することにより、液状酵素含有配合物を安定化させるための方法が開示されている。α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又は当該α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸の塩、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸と錯化することができるホウ素含有化合物、当該ホウ素化合物及び当該α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸により生成した錯体、並びに酵素を含む酵素安定化配合物が開示されている。本発明は、酵素濃縮物原材料、及び有用な製品配合物に適用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状組成物中の酵素(例えば、プロテアーゼ)の安定化及び可逆抑制に関し、そして詳細には、ホウ素含有化合物及びα−ヒドロキシモノカルボン酸から生成させた錯体を含有する酵素安定化系を有する液状酵素含有配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
生体細胞(例えば、バクテリア)によって生産され、そしてそれらから得られる酵素は、産業及び民生用途を含む種々の組成物中の一般成分、並びに洗濯用洗剤、洗濯用の浸けおき用洗剤及び前処理製品等の種々の洗浄用組成物となってきている。酵素組成物は、たんぱく質、でん粉及び脂肪等の有機物質を、水性液中により容易に可溶化又は分散させることが可能な、より小さな分子に分解させるために用いられる。洗浄用の酵素組成物に関する用途の一部には、洗濯用洗剤、布帛柔軟剤、全ての型の化学雑巾(wipes)、液状食器洗浄用製品(手洗い又は自動)、及び硬質面クリーナーが含まれる。
【0003】
パーソナルケア配合に含まれる酵素には、顔、スキン及びボディケア製品が含まれ、そこではプロテアーゼが、種々の高分子熟成又は加水分解作用を高める。酵素は、種々のバイオプロセス用途、例えば、穀類の甘味料への転換、発酵、バイオマスの燃料用エタノールへの転換、並びに家畜及びペット用の動物飼料の強化に用いられている。紙パルプ産業では、キシラナーゼが漂白を強化するために用いられ、セルラーゼが再生紙パルプを精製するために用いられ、そしてアミラーゼが、でん粉除去及び改良用に用いられている。酵素の他の産業的用途には、化学物質、プラスチック及び繊維のバイオテクノロジー産業生産が含まれる。酵素はまた、産業及び農業廃棄物のバイオレメディエーション、化学系毒素の汚染除去、及び生物膜除去による工程の保守向けに開発されている。
【0004】
最大量の酵素が、現在、洗剤及び洗浄剤に用いられ、そこでは洗浄性酵素が、アルカリ条件下で、加水分解活性を示すのが一般的である。洗浄性組成物は、活性プロテアーゼ(すなわち、たんぱく質分解酵素)を含むことが多く、それらはまた、デンプン含有汚れを分解するデンプン分解酵素を含むことができる。他の酵素組成物は、典型的には、プロテアーゼ又はアミラーゼと組み合わせて、リパーゼ酵素又はセルロース分解酵素を用いる。洗剤の配合者は、水性の洗浄系で活性が残るようにそれらの能力に関してこれらの酵素を選択するが、洗浄性組成物中で一般的に用いられるタンパク質分解酵素、デンプン分解酵素及び他の酵素は、貯蔵の際、活性を失うことがある(すなわち、不安定である)。
【0005】
酵素活性の損失は、液状又はゲル状組成物においてより明白である。酵素は、当該酵素の3次元構造体がほどけること、あるいは酵素の分解により不安定となる場合がある。一般的な不安定化させるものには、水又は他の溶媒等の極性溶媒、微生物の作用、電解質、帯電した界面活性剤、温度及び過度のpHが含まれる。安定化剤が酵素の構造を固定するために添加され、ホウ酸、グリコール、小有機酸、及び塩化カルシウムが含まれる。さらに、プロテアーゼは、それら自体及び他の酵素を攻撃する傾向を有し、上記配合物中で自己分解及びたんぱく質分解を引き起こす。配合者は、プロテアーゼ抑制物質、例えば、ホウ酸、ボロン酸、たんぱく性物質、ビシナルポリオールのホウ酸エステル、例えば、ホウ酸ナトリウムと、モノプロピレングリコールとを用いて、プロテアーゼを抑制する。
【0006】
貯蔵時の酵素活性の損失を補うために、配合者は、液状酵素組成物中で過剰の酵素を用いる場合がある(洗剤等)。しかし、酵素は、比較的高価な配合成分であるので、配合者は、液状組成物中で酵素安定化剤を用い、プロテアーゼの自己分解及び他の酵素不安定化反応を抑制させる場合がある。
【0007】
酵素を安定化させるために用いられる物質には、種々の有機及び無機化合物、例えば、ポリオール、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸エステル、及び糖;カルシウム塩;ホウ素化合物、並びにそれらの種々の組み合わせが含まれる。酵素の抑制により酵素を安定化させるため、たんぱく質抽出物を用いることもまたできる。
【0008】
米国特許第5,221,495号明細書には、ホウ素化合物、2個又は3個のカルボン酸基と1〜4個のヒドロキシル基とを有するヒドロキシポリカルボン酸、及びカルシウム塩を含む液体洗剤組成物のための3成分酵素安定化系が開示されている。上記ヒドロキシポリカルボン酸はクエン酸であることが好ましい。
【0009】
米国特許第4,842,758号明細書には、α−ヒドロキシ−カルボン酸又はα−ヒドロキシ−ポリ−カルボン酸、ホウ素化合物、及びたんぱく性物質、例えば、カゼインを含む成分を組み合わせることにより安定化させた酵素含有洗剤組成物が開示されている。当該特許は、例えば、マレイン酸、酒石酸、乳酸、及びクエン酸を開示し、そしてクエン酸が最も好ましい。この特許は、プロテアーゼを抑制し、ひいてはプロテアーゼ酵素及びアミラーゼ酵素の両方を安定化させるために、たんぱく性物質が必須要素であることを教示している。この特許は、たんぱく性物質を用いないと、系に用いられる酵素を安定化させることは不可能であることを教示している。1〜5wt%のα−ヒドロキシカルボン酸、並びに0.5〜2.5wt%のホウ素及び0.5〜3重量部の酵素と比較して、上記組成物中のたんぱく性物質の量は、1〜6wt%と比較的高い。この特許は、α−ヒドロキシ−酸をホウ砂(Na247・10H2O)と混合し、NaOH溶液に溶解させ、次いでこの混合物を酵素に添加することを教示している。さらに、この特許は、5%超の濃度で、ホスフェート塩ビルダーを用いることを教示している。
【0010】
米国特許第5,691,292号明細書には、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短分子鎖カルボン、ボロン酸、ポリヒドロキシル化合物及びそれらの混合物から成る群から選択される安定剤を少なくとも1種含む酵素安定化系と、活性酵素とを含む食器洗浄用洗剤組成物が記載されている。ポリオールは、約2〜約6個の炭素原子及び約2〜約6個のヒドロキシル基を含むことが好適であることが開示されている。上記特許は、具体例、例えば、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、エチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール及びグルコースを教示している(1,2−プロパンジオールが好ましい)。
【0011】
上記特許はまた、蟻酸塩を含むカルボン酸塩を、上記組成物に添加する選択肢を教示し、そして蟻酸ナトリウムが好ましいことを教示している。上記特許はまた、洗浄性ビルダー、例えば、クエン酸又はクエン酸のアルカリ金属塩(例えば、クエン酸ナトリウム)を、上記食器洗浄用洗剤組成物に添加する選択肢を教示している。上記特許は、例示的な食器洗浄用洗剤組成物として、クエン酸ナトリウム(洗浄性ビルダーとして)と、1種又は2種以上の次の成分:ホウ酸、1,2−プロパンジオール、蟻酸カルシウム及び蟻酸ナトリウムから成る酵素安定化系とを含む。
【0012】
米国特許第4,462,922号明細書には、酵素安定化系を含む水性の酵素系液体洗剤組成物が記載されている。当該酵素安定化系には、ホウ酸又はホウ酸のアルカリ金属塩、ポリオール、及び還元性のアルカリ金属塩である酸化防止剤が含まれる。この特許には、用いられうるポリオールは、2〜6個のヒドロキシル基を含むことが教示されている。列挙されたポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、エリトリトール、グルコース、フルクトース、ラクトース及びエリトリタン(erythritan)である。
【0013】
米国特許第5,468,414号明細書には、α−ヒドロキシ酸ビルダー、界面活性剤、たんぱく質分解酵素、第二の酵素、及び一定のビシナルポリオール及びホウ酸又はその誘導体の混合物を含む液体洗剤組成物が開示されている。この特許には、α−ヒドロキシ酸ビルダー、例えば、タルトレートモノ−コハク酸又はクエン酸を含む創作された液体洗剤組成物が教示されている。この特許は、α−ヒドロキシ酸ビルダーが酵素安定性に有害であることを教示し、従って、発明者は、酵素安定化系としてホウ酸又はその誘導体と組み合わせて、特別に選択されたビシナルポリオールを用いることが教示している。
【0014】
米国特許第5,976,556号明細書には、約pH5.5未満で酵素活性を有し、そしてpH5.5以上で非常に不活性である、酸性プロテアーゼを含む皮膚調製用組成物が記載されている。この特許には、皮膚pHを下げるためにα−ヒドロキシカルボン酸、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸及びリンゴ酸を含む有機酸を用いることが教示されているが、酵素安定化錯体は教示されていない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本件発明者は、一定のpH範囲において、一定のホウ素化合物を、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はそれらの塩と併用することにより、驚くべきことに酵素含有液状組成物の安定性が大きく改良された錯体が生成することを見出した。好ましい錯体は、1:1のホウ素:α−ヒドロキシ基であり、そして[1:1]-により表される一価の負電荷を有する。本発明の酵素安定化組成物及び方法は、酵素に3次元安定化を付与することによりはたらくので、水中において非常に希釈された酵素組成物でさえも、貯蔵寿命が改良される。さらに、本発明の組成物及び方法は、タンパク質分解活性を可逆抑制し、酵素を安定化し、そしてプロテアーゼ含有液状配合物の有効期間を向上させる。
【0016】
従って、本発明では、「酵素安定化」及び「酵素を安定化させた」は、酵素の3次元安定化及び可逆抑制の両方に言及する。これは、上記酵素がプロテアーゼである場合に特に関心がある。本発明は、原材料としての液状酵素濃縮物と、液状酵素含有生成物配合、例えば、洗剤との両方を安定化させることができる。本発明の酵素安定化方法により、配合者は、酵素安定化剤濃度を減らすことができ、あるいは酵素の濃度を減らすことができ、従って重要なコスト削減を提供する。さらに、本発明は、追加のたんぱく質化合物なくとも、そしてグリコール材料ほとんどなくとも有効である。
【0017】
本発明の液状酵素含有組成物は、約0.01〜25wt%の活性酵素を含有する酵素原材料と、0.0001wt%程度と少ない活性酵素を有する液状酸素含有配合物との両方を含む。酵素濃縮物は、配合者により原材料として用いられ、一方、液状酵素含有配合物は、例えば、パーソナルケア製品、医療製品、家庭製品、施設又は工業製品を含む。本発明の態様の一つは、3次元構造を安定させることにより固有の酵素活性を改良し、そのようにして、例えば、洗剤配合中の洗浄作用を改良する。本発明の別の態様は、酵素安定化化合物が、プロテアーゼのタンパク質分解活性を抑制して、酵素組成物中のプロテアーゼが自己分解すること及びたんぱく質分解することから防ぐことができることである。
【0018】
本発明の別の態様は、液状酵素含有配合物がまた、ホウ素捕捉剤、例えば、グリセロール、モノ−プロピレングリコール、一部の界面活性剤、例えば、ポリ−ヒドロキシ脂肪アミド、及びα−ヒドロキシ−ポリ−カルボン酸、例えば、クエン酸を含む場合に、上記方法及び組成物が有用であることである。ホウ素を用いてα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸により生成させた錯体は、少量で活性である。配合者は、液状酵素含有配合において、より少量のホウ素を用いることができる。これは、ホウ素含有率を下げる傾向がある場所又は用途、例えば、環境関係向けに有用である。
【0019】
本発明の別の態様は、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸、ホウ素化合物、及びα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸の[1:1]-錯体が、非酵素的なたんぱく性物質、例えば、カゼイン(先行技術に教示される)を実質的に含まない場合であっても、酵素を安定化させることである。「実質的に含まない」は、上記プロテアーゼ系(proteinaceous)たんぱく質が、1wt%未満であることを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の態様の一つは、酵素配合を安定化させるため、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸の塩、ホウ素含有化合物、及び当該α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸及び当該ホウ素含有化合物から生成させた錯体の組み合わせを含む配合の使用に関する。本発明は、酵素原材料濃縮物及び酵素含有生成物配合の両方(洗剤を含む)における、さらに有効な3次元構造酵素安定化、酵素(プロテアーゼ)抑制、及び酵素安定化を提供する。本発明の酵素安定化化合物は、特に、従前の酵素安定化剤よりも有効に、プロテアーゼのタンパク質分解活性を抑制することができる。本発明は、配合者に少量の酵素又は他の酵素安定剤を使用させる優位性を有し、従って、プロテアーゼを含有する液状組成物のコストを下げる。
【0021】
本発明の別の態様は、下記を含有する酵素安定化組成物である;
(a)ホウ素化合物と錯化することができ、酵素のための安定化特性を有する錯体を生成するα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸の塩、
(b)酵素のための安定化特性を有する錯体を生成するために、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸(又はその塩)と錯化することができるホウ素化合物;
(c)(a)及び(b)から生成したアニオン性錯体:及び
(d)酵素。
【0022】
本発明における用語「α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸」は、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はカルボン酸塩官能基を含む任意の化合物を指す。特に明記しない限り、用語「α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸」はまた、上記酸の塩を指す。
上記α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸は、次の式:
R−C(OH)(R’)−C(O)−OH
(式中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル、アリール、置換されたC1〜C10のアルキル、置換されたアリール、ニトロ、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミンから成る群から選択され、上記アルキル又はアリール基上の置換は、アリール又はアルキル基、ニトロ、ニトロ誘導体、ヒドロキシル、ヒドロキシル誘導体、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミン、アミド、アミド誘導体及びハロゲンから選択され;そしてR’は、水素原子、C1〜C10のアルキル、アリール、置換されたC1〜C10のアルキル、置換されたアリール、ニトロ、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミンから成る群から選択され、そして上記アルキル又はアリール基上の置換は、アリール又はアルキル基、ニトロ、ニトロ誘導体、ヒドロキシル、ヒドロキシル誘導体、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミン、アミド、アミド誘導体及びハロゲンから選択される)により表すことができる。好ましくは、R及びR’は、それぞれ、300未満の分子量を有する。RがR’と異なる場合、酸官能基のα位における炭素原子は、光学的に活性であり、そして種々の光学異性体をまた、考慮に入れる(例えばD−,L−,DL−α−ヒドロキシ酸)。
【0023】
酵素を抑制、例えば、タンパク質分解活性(例えば、プロテアーゼ自己分解及び/又は非たんぱく質分解酵素のたんぱく質分解)を抑制するためにホウ素と錯化させるために用いられうるか、あるいは液状酵素含有配合物中の酵素を安定化させるために用いられるα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸の非限定的例には、乳酸、マンデル酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、及びヒドロキシイソ酪酸並びに適用可能な場合にはそれらの任意の光学異性体が含まれる。一部の環境、例えば、市販の強力な液体洗剤組成物では、上記錯体は、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸の塩及びホウ酸の間で生ずる可能性が高い。本発明の別の態様は、モノ−α−ヒドロキシ酸又はその塩及びホウ素化合物の錯体が、酵素を安定化及び抑制する場合に、ホウ酸塩とジオール等を用いた系よりも有効である。
【0024】
本発明で用いられうるホウ素化合物は、水溶性であり、そして水に添加するとホウ酸又はホウ酸のアルカリ金属塩を生成するホウ素化合物である。好適な、しかし、非限定的である本発明のホウ素化合物は、国際公開第92/19709号パンフレットに引用されている。用いることができるホウ素化合物には、ホウ酸、三酸化二硼素、及び/又はホウ酸のアルカリ金属塩が含まれうる。好適なホウ酸のアルカリ金属塩には、オルト−、ピロ−、及びメタ−ホウ酸のナトリウム及びカリウム塩、ポリホウ酸塩、及びホウ砂(Na247・10H2O)が含まれる。好ましいホウ素含有化合物には、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム(Na3BO3)、他のホウ素の無機塩及び有機塩、並びにホウ砂が含まれる。
【0025】
本発明の錯体なしで用いられた場合、液状酵素濃縮物又は液体洗剤組成物中で酵素安定性を強化するために有効なホウ素含有化合物の量は、0.1重量%〜10重量%のホウ酸に等しい量である。しかし、本発明では、上記ホウ素化合物は、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はその塩と錯体を生成するので、ホウ素の量は、上記配合を安定化させるための酵素の量及びホウ素捕捉剤を考慮に入れ、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はその塩の量と関連して決定することができる。結果として、液状酵素含有組成物中のホウ素化合物の総量を、類似の先行技術の組成物よりも少なくすることができる。従って、ホウ素濃度の好ましい範囲は、ホウ酸として、酵素含有組成物中の0.1〜5wt%であり、そしてさらに好ましくは、酵素含有生成物配合中の0.1〜1.5wt%である。
【0026】
本発明の別の態様では、酵素安定性を改良するために、ホウ素含有化合物が、モノ−α−ヒドロキシカルボン酸又はその塩と錯体を生成する。
アニオン性錯体を、次の一般式で表すことができる:
【化1】

(式中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル、アリール、置換されたC1〜C10のアルキル、置換されたアリール、ニトロ、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミンから成る群から選択され、そして上記アルキル又はアリール基上の置換は、アリール又はアルキル基、ニトロ、ニトロ誘導体、ヒドロキシル、ヒドロキシル誘導体、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミン、アミド、アミド誘導体及びハロゲンから選択され;そしてR’は、水素原子、C1〜C10のアルキル、アリール、置換されたC1〜C10のアルキル、置換されたアリール、ニトロ、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミンから成る群から選択され、そして上記アルキル又はアリール基上の置換は、アリール又はアルキル基、ニトロ、ニトロ誘導体、ヒドロキシル、ヒドロキシル誘導体、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミン、アミド、アミド誘導体及びハロゲンから選択される)。
【0027】
ホウ素含有化合物及びα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はその塩の間の錯体の生成は、平衡反応である。従って、本発明の酵素安定化化合物は、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸、ホウ素含有化合物(ホウ酸を生成可能)、及びホウ素α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸錯体の両方を含む錯体を含むことができる。pH、温度、活性錯体を生成するための錯化速度、任意の第二の錯体の錯化速度、添加される成分の量、及びホウ素捕捉剤の存在並びに酵素濃度は、各成分の量に影響を与えることができる要因の一部である。
【0028】
生成した錯体は、酵素の活性位置及び当該酵素の活性位置の周りのサブサイトと親和性を有する。理論に結びつけることなく、モノ錯体、1モルのホウ素:1モルのα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸基を有するアニオン([1:1]-と表される)が、酵素の表面に吸着することで酵素を安定化し、そして酵素の活性位置に結合することで酵素を抑制すると考えられる。1:2のホウ素原子:α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸基の比を有する二錯体は、酵素を安定化させる効果をほとんど有しないであろう。というのは、当該二錯体は、酵素に取り付くか、あるいはそれと結合しないからである。
【0029】
本発明の実施形態の一つは、乳酸及びホウ酸を、pH2〜10、好ましくはpH3〜9の液状酵素組成物に添加することを含み、そしてより好ましい範囲は、pH4〜pH9であり、その結果、[1:1]-錯体が生成する。
【0030】
ホウ素化合物の、α−ヒドロキシモノカルボン酸との平衡が検討されている。錯体生成定数はK1及びK2と称されることが多い。例えば、Pizerらの「The Boric Acid/Lactic Acid System.Equilibria and Reaction Mechanism」Inorg.Chem.1984,23,3023−3026は、ホウ酸、B(OH)3と、乳酸、CH3CH(OH)COOHが反応して1:1及び1:2の化学量論性の両方を有するアニオン性錯体を生成することを検討している。
Pizerらは、次のような第一の2つの錯化:
【数1】

(式中、H2Lは、完全にプロトン化した乳酸である)
に関する平衡を記載している。
【0031】
しかし、pH4〜約pH10において、第一の錯化反応が、プロトンを失った乳酸との第二の錯化を支配する。
【数2】

さらに、pH4〜pH10の範囲において、[1:2]-の生成は少ない。というのは、[1:1]-は、ヒドロキシ酸アニオンと錯化しなければならないからである:2価のマイナスのアニオンと反応する確率は低い。従って、この研究は以下を示唆している:乳酸の場合、[1:2]-錯体の生成は、pH2〜pH4において有利であり、一方、[1:1]-錯体は、約pH2〜pH10、最も好ましくはpH3〜pH9で生成する。約pH9.15超では、ボラートアニオンB(OH)4-が、溶液中で優位を占めはじめ、そしてα−ヒドロキシアニオンとの錯体を生成しない傾向がある。
【0032】
本発明の錯体を生成させるためのpH範囲のさらに一般的な状態を、次の通りに表現することができる:α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸のpKaをpKaAHAと表し、そしてホウ素化合物のpKaをpKaBと表すと、配合のpH範囲は、pKaAHA−2ポイントから、最大pKaB+2ポイントであることが望ましい。より好ましいpH範囲は、pKaAHA−1.5ポイントから、最大pKaB+1.5ポイントである。さらにより好ましい範囲は、pKaAHA−1ポイントから、最大pKaB+1ポイントである。簡単にするため、本発明のα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸のpKaAHAが、pH3〜pH4の間で変わり、ホウ酸のpKaBが約9.14であるので、容易にモニターされる固有のpH範囲に言及することが好都合である。
【0033】
本発明の組成物中の好ましいpHを決定する別の要因は、上記酵素のpHの許容範囲及び活性領域である。ほとんどの場合、そして大部分の洗剤配合物に添加される液状酵素濃縮物及び液体洗剤組成物の場合には、一又は複数の上記酵素は、pH5.5超において酵素的に活性であり、そして詳細には、pH5.5超、そしてさらに好ましくはpH7.0超においてピーク活性を示す。
【0034】
生成するモノ錯体又は二錯体の量はまた、配合中に用いられるホウ素化合物の、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸に対する比によって決まることを見出した。上記[1:2]-は、大過剰の乳酸を用いると容易に生成させることができる。これは、下記の例5のNMR試料において実証されている。このNMRデータにおいて、モノ錯体又は二錯体に関する領域は若干異なり、二錯体の生成が濃度に依存することを示している。
【0035】
生成させた各モルの[1:1]-錯体に必要な酸のモルを、選択されたα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸(又は塩)及びホウ素化合物、液状酵素含有組成物のpH、酵素の濃度及び存在するホウ素捕捉剤の量に基づいて見積もることができる。従って、添加するα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸(又はその塩)の量を、錯化させるべきホウ素化合物の量と、抑制又は安定化すべき酵素の量との両方に基づいて決めることができる。同様に、添加するホウ素化合物の量を、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はその塩の量によって決定し;さらに、ホウ素の量を、ホウ酸捕捉剤、例えば、グリコール、ポリヒドロキシル脂肪アミド、又はα−ヒドロキシポリカルボン酸ビルダー(すなわちクエン酸)である物質の量と、pHとに基づいて調整することができる。
【0036】
本発明では、モノ−α−ヒドロキシカルボン酸:ホウ素化合物のモル比は、1:100〜100:1である。モノ−α−ヒドロキシカルボン酸及びホウ素により生成した錯体:酵素のモル比は、1:1〜500:1の範囲で存在する。しかし、より少ない錯体を用いるのが経済的であり、そして本発明の錯体:酵素のモル比は、1:1〜100:1であることが好ましい。出発点として、配合中のα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸の量は、0.01〜25wt%の範囲にわたることができる。さらに好ましくは、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸は、0.1〜10wt%である。
【0037】
本発明の別の態様は、先行技術と比較してより低いホウ素濃度を用いて、酵素組成物を安定化させることができる。本発明の[1:1]-錯体は、ジオール及びボラートの組み合わせを用いた系よりもさらに有効に酵素を安定化し、そして/又は酵素(プロテアーゼ等)を可逆抑制することができる。例えば、大部分の強力な無リン系(non−phosphate)洗剤は、約8〜8.5のpHを有し、そして比較的高い濃度で、ビシナルジオール及びホウ素化合物から作られた酵素抑制剤を用い、十分な酵素安定化及び(プロテアーゼ)可逆抑制を達成している。より少量のホウ素−捕捉剤、例えば、ジオール、ポリヒドロキシ系界面活性剤又はα−ヒドロキシ−ポリ−カルボン酸を用いると、組成物全体において、より少量のホウ素が必要とされる。
【0038】
本発明は、ホウ素を錯化させるためにα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸を使用する。α−ヒドロキシ−ポリ−カルボン酸、例えば、クエン酸、例えば、洗剤用の一般のビルダーは、ホウ素と錯体を生成し、そして酵素組成物と共に用いられることが多い。しかし、約5超のpHでは、クエン酸塩及びホウ酸の間の錯体が、2〜3の負電荷を有し、ひいては親水性が高すぎ、酵素の活性位置の疎水性ポケットに適合することができず、酵素、特にプロテアーゼを可逆抑制することができない。従って、約5超のpHにおいて、クエン酸は、酵素安定性に有害なホウ素捕捉剤である。
【0039】
本発明の液状酵素含有組成物は、少なくとも1種の酵素を含む。原則として、本発明は、任意の種類の酵素、好ましくは、pH2〜pH10の間で有用な酵素に対して安定性を有する。酵素の非限定的な例には、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼが含まれる。酵素を、それらの当業者に教示される水準、例えば、Novozymes、Novo Nordisk、及びGenencorの供給者により推奨される水準において用いることができる。本発明の液状酵素含有組成物は、約0.01〜25wt%の活性酵素を含有する酵素原材料と、0.0001wt%程度に少量の、活性酵素を有する液状酵素含有配合物との両方を含む。酵素濃縮物は、配合者により原材料として用いられ、一方、液状酵素含有配合物には、例えば、パーソナルケア製品、医療製品、家庭製品、施設又は工業製品が含まれる。
【0040】
本発明の組成物中の純粋酵素の典型的な濃度は、0.0001%〜25%である。これは、酵素原材料の場合、上記組成物の0.01〜25重量%であることができ、あるいは、酵素含有配合の場合、上記組成物の0.0001〜2.5重量%であることができる。本発明の種々の組成物中に導入するために好適な酵素を、任意の好適な源、例えば、野菜、動物、バクテリア、菌及び酵母源の、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、グルコ−アミラーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ(keratanase)、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポオキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ(pentosanase)、マラナーゼ(malanase)、B−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ(arabinosidase)、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、デキストラナーゼ、トランスフェラーゼ、ラッカーゼ、マンナナーゼ、キシログルカナーゼ(xyloglucanase)、それらの誘導体及びそれらの混合物から成る群から選択することができる。化学的又は遺伝学的に変性されたロウタント(routant)により製造された本発明の酵素は、近い構造の酵素変異体であるので、当然、含まれる。本発明の酵素含有組成物の非限定的例には、米国特許出願公開2005/0059567号明細書、国際公開第2004/113484号パンフレット及び同92/19709号パンフレットに記載される酵素及びそれらの種類が含まれうる。
【0041】
本発明の酵素安定化化合物は、プロテアーゼの活性を抑制する。プロテアーゼは、たんぱく質を、単に可溶性の物質(例えば、ペプチド及びアミノ酸)に加水分解を生じさせる又は触媒する種々の酵素を意味する。本発明では、プロテアーゼには、ポリペプチド鎖又はたんぱく質分子内部のペプチド結合の加水分解を触媒するエンドペプチターゼと、ポリペプチド鎖の末端から単一のアミノ酸の加水分解を触媒するエキソペプチダーゼとが含まれる。
【0042】
従って、本発明の一態様は、プロテアーゼを含有する、安定化された酵素含有組成物である。プロテアーゼは、動物、野菜又は微生物(好ましい)源に属することができる。さらに好ましいのは、バクテリア源のセリンプロテアーゼである。この酵素の精製形態又は非精製形態を用いることができる。化学的又は遺伝学的に変性されたロウタントにより製造されたプロテアーゼは、近い構造の酵素変異体であるので、当然含まれる。特に好ましいのは、バシラス属(Bacillus)の、枯草菌(Bacillus subtilis)及び/又はリケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)から得られるバクテリアのセリンたんぱく質分解酵素である。
【0043】
好適なプロテアーゼには、市販のAlcalase*、Esperase*、Savinase*(好ましい);Maxatase*、Maxacal*(好ましい)、及びMaxapem*15(Maxacalにより合成されたたんぱく質)、及びサブチリシンBPN及びBPN1(好ましい)が含まれる。好ましいたんぱく質分解酵素はまた、変性されたバクテリアのセリンプロテアーゼ、例えば、1987年4月28日に出願された欧州特許出願シリアルナンバー第87303761.8号明細書(特に、17、24及び98ページ)に記載され、当該明細書中で「プロテアーゼB」と称される変性されたバクテリアのセリンプロテアーゼ、そして1986年10月29日に公開されたVenegasの欧州特許出願第199,404号明細書に記載され、当該明細書中で「プロテアーゼA」と称される変性されたバクテリアのセリンたんぱく質分解酵素が指す変性されたバクテリアのセリンプロテアーゼである。次いで、好ましいたんぱく質分解酵素は、Savinase、Esperase、Maxacal、BPN、プロテアーゼA、プロテアーゼB、及びプロテアーゼC、並びにそれらの混合物から成る群から選択される。
【0044】
本明細書で用いる場合、好適なリパーゼには、化学的又は遺伝学的に変性されたロウタントに由来するリパーゼを含む、バクテリア、動物、及び菌源のリパーゼが含まれる。
好適なバクテリアのリパーゼには、英国特許第1,372,034号明細書に開示されるような、シュードモナス属(Pseudomonas)、例えば、シュードモナススツツゼリ(Pseudomonas stutzeri)ATCC19,154により生産されたリパーゼが含まれる(参照により本明細書に組み入れる)。好適なリパーゼには、微生物蛍光菌(Pseudomonas Fluorescens) IAM 1057により製造されたリパーゼの抗体と正の免疫交差反応を示すものが含まれる。このリパーゼ及びその精製法は、1978年2月24日に出願公開された日本国特許出願第53−20487号明細書に記載され、参照により本明細書に組み入れる。このリパーゼは、商標名リパーゼP「アミノ」の下で入手可能であり、下記の本明細書において、「アミノ−P」と称する。
【0045】
上記リパーゼは、Oucheterlon(Acta.Med.Scan.,133、pages 76−79(1950)に従う、一般的かつ周知の免疫拡散法を用いると、アミノ−P抗体と正の免疫交差反応を示すものである。これらのリパーゼ、及びアミノ−Pとのそれらの免疫交差反応はまた、1987年11月17日に公開されたThornらの米国特許第4,707,291号明細書に記載されており、参照により本明細書に組み入れる。それらの典型的な例は、アミノ−Pリパーゼ、シュードモナスフラジ(Pseudomonas fragi) FERM P 1339(商標名「amino−B」の下、入手可能である)に由来するリパーゼ、シュードモナスニトロレデューセン・バール・リポリクタム(Pseudomonas nitroreducenns var. lipolyticum) FERM P 1338(「アミノ−CES」の商標名の下、入手可能である)に由来するリパーゼ、クロモバクテルビスコスム・バール・リポリクタム(Chromobacterviscosumvar.lipolyticum) NRRlb 3673に由来するリパーゼ、及びさらにクロモバクテルビスコスム(Chromobacter viscosum)リパーゼ、及びシュードモナスグラドロリ(Pseudomonas gladloli)に由来するリパーゼである。他の重要なリパーゼは、Areario AKG及びBacillis Spリパーゼ(例えば、Solvay酵素)である。
【0046】
上記組成物に適合する重要な他のリパーゼは、1990年11月28日に公開された欧州特許出願公開第0339681号明細書、1990年9月5日に公開された同第0385401号明細書、1987年8月15日に公開された同第0218272号明細書、及び1989年5月18日に公開されたPCT/DK88/00177号に記載されている(参照により本明細書に組み入れる)。
【0047】
好適な菌のリパーゼには、フミコララヌギノサ(Humicola lanuginosa)及びテルモマイセスラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)により製造されたものが含まれる。最も好ましいのは、欧州特許出願第0258068号明細書(参照により本明細書に組み入れる)に記載される、フミコララヌギノサ(Humicola lanuginosa)から遺伝子をクローニングし、こうじ菌(Aspergillus oryzae)中の遺伝子に発現させることにより得られるリパーゼであり、Novozymesから、Lipolase*の商標名の下、市販されている。さらなる例を、米国特許出願公開第2005/0059567号明細書、国際公開第2004/113484号パンフレット及び国際公開第92/19709号パンフレットに見出すことができる。
【0048】
液体洗剤組成物中で用いるために好適な任意のアミラーゼを、これらの組成物中で用いることができる。アミラーゼには、例えば、英国特許第1,296,839号明細書にさらに詳細に記載される、B.リチエニフォームス(B.licheniforms)の特別な種類から得られたa−アミラーゼが含まれる。デンプン分解酵素には、例えば、Rapadase*、Maxamyl*、Termamyl*及びBAN*が含まれる。さらなる例を、米国特許出願公開第2005/0059567号明細書、国際公開第2004/113484明細書及び国際公開第92/19709号明細書に見出すことができる。
【0049】
本発明に用いることができるセルラーゼには、バクテリアのセルラーゼ及び菌のセルラーゼの両方が含まれる。好ましくは、それらは、5〜9.5の最適なpHを有することができる。好適なセルラーゼは、Barbesgoardらの米国特許第4,435,307号明細書に開示されており、当該明細書には、ヒュミコラインソレンズ(Humicola insolens)から生産された菌のセルラーゼが開示されている。好適なセルラーゼはまた、英国特許出願公開第2.075.028号明細書;同第2.095.275号明細書及びDE−OS−2.247.832号明細書に開示されている。
【0050】
上記セルラーゼの例は、ヒュミコラインソレンズ(Humicola insolens)(ヒュミコラグリセアバール.セルモイデア(Humicola grisea var.thermoidea))の種類、特にヒュミコラ(Humicola)種 DSM 1800により生産されたセルラーゼである。
他の好適なセルラーゼは、約50KDaの分子量、5.5の等電点を有し、そして415のアミノ酸を含むヒュミコラインソレンズ(Humicola insolens)から生じたセルラーゼである。上記セルラーゼは、1993年3月19日に出願された同時係属の欧州特許出願第93200811.3号明細書に記載されている。特に好適なセルラーゼは、カラーケアの利益を有するセルラーゼである。上記セルラーゼの例は、1991年11月6日に出願された欧州特許出願第91202879.2号明細書(Novo Nordisk)に記載されている。さらなる例は、米国特許出願公開第2005/0059567号明細書、国際公開第2004/113484号明細書及び同第92/19709号明細書に見出される。
【0051】
本発明の組成物中で用いるための酵素の製法は、本発明を作用させるために重要ではない。遺伝子操作に加えて、突然変異生成による酵素の他の製法、例えば、指定部位突然変異誘発、飽和突然変異生成、カセット式突然変異生成、又は、例えば、組み換え又は非組み換え法による直接酵素進化を用いることができる。
【0052】
この構成の方法は、2〜10で最も有効であるので、このpH範囲における適用操作、例えば、動物飼料、食品取扱い及び食品加工、布帛ケア及び硬質面ケアを含む家事、並びにパーソナルケアに有用である。本発明の酵素組成物は、吸収を増やすために有用なフィターゼ、又は農業用途における動物飼料に由来する有機リンを含むものを含む。同様に、本発明の組成物は、栄養分の剥離及び吸着を向上させるため、キシラナーゼ及びプロテアーゼを含有するものを含む。
【0053】
本発明の他の安定化酵素組成物は、食肉加工、フルーツ及び野菜加工分野、でん粉加工、飲料、パン焼き、又は食用酵素に関する食品産業向けに有用である。上記組成物中の酵素には、香味強化用のグルタミナーゼ、ラクターゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、及びプロテアーゼが含まれる。
本発明の他の安定化酵素組成物は、パーソナルケアに有用である。例えば、プロテアーゼ、リパーゼ及びカタラーゼは、コンタクトレンズ洗浄剤に有用であり、一方、グルコアミラーゼ及びグルコースオキシダーゼは、練り歯磨き組成物に有用である。酵素組成物は、洗浄及びケミカルピールを含むスキンケアに有用である。
【0054】
酵素系は、廃棄物処理分野に対する化学系及び環境用途におけるさらなる用途を有する。本発明の安定化酵素系、例えば、リパーゼ、アミラーゼ、ニトルラーゼ(nitrlase)、ヒドララーゼ(hydralase)、グルコシンサターゼ(glucosynthatase)、及びモノ−オキシゲナーゼは、使用前の改良された貯蔵時間の優位性を有する。特殊化学法、例えば、キラル合成では、一般にヒドロラーゼ、特にリパーゼを含む組成物が用いられる。
【0055】
本発明の安定化酵素含有組成物を、液状界面活性剤含有組成物に配合することができる。当該界面活性剤を、最終組成の用途に基づいて選択することができ、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性(amphophlytic)界面活性剤、双極性(zwitterionic)界面活性剤及びこれらの界面活性剤の1種又は2種以上の混合物を含む。本発明で用いることができる非限定的な界面活性剤は、下記参考文献に記載されている:国際公開第92/19709号パンフレット、米国特許出願公開第2005/0059567号明細書、国際公開第2005/049776号パンフレット、米国特許第6,803,355号明細書、国際公開第2004/113484号パンフレット、同第2005/012474号パンフレット。一例として、本発明の実施形態としての洗剤又は洗濯配合物において、安定化酵素含有組成物は、約1%〜約60重量%の界面活性剤を少なくとも1種含むことができる。
【0056】
本発明で用いることができるアニオン性界面活性剤は、それらの分子構造中の長分子鎖炭化水素疎水性基と、親水性基、すなわち、スルホネート基又はスルフェート基等の水溶性基を含有するそれらの表面活性化合物である。上記アニオン性界面活性剤には、水溶性の高級アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキル硫酸、及びアルキルポリエーテル硫酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム及びカリウム)塩が含まれる。
【0057】
本発明と共に用いられる高級アルキルポリエーテル硫酸塩は、直鎖又は分岐鎖のアルキルであることができ、そして2個又は3個の炭素原子を含むことができる低級アルコキシ基を含むことができる。分岐鎖アルキルは生分解性の度合いが高いので、直鎖の高級アルキルポリエーテル硫酸塩が好ましく、そして低級ポリアルコキシ基は、エトキシ基であることが好ましい。
【0058】
単独又は他の界面活性剤と組み合わせて本発明と共に用いることができる非イオン性の合成有機洗剤が、以下に記載される。周知であるように、上記非イオン性の合成有機洗剤は、有機系疎水性基及び有機系親水性基、例えば、脂肪酸グルコースアミドの存在を特徴とする。大部分の非イオン性界面活性剤は、有機脂肪族又はアルキル芳香族の疎水性化合物を、エチレンオキシド(実際は、親水性)と縮合させることにより生成することが多い。
【0059】
通常、上記非イオン性洗剤は、ポリ−低級アルコキシル化脂溶性物質(lipophiles)であり、そこでは、所望の親水性親油性バランスが、親水性のポリ−低級アルコキシ基を、脂溶性部分に付加させることにより得られる。用いられる好ましい類の非イオン性洗剤は、ポリ−低級アルコキシル化高級アルカノールであり、当該アルカノールは、6〜18個の炭素原子を有し、そして低級アルキレンオキシド(2、3又は4個の炭素原子)のモル数は、3〜12である。上記材料に関して、上記高級アルカノールが、9〜11個又は12〜15個の炭素原子の高級脂肪アルコールである、そして1モルあたり、5〜8個又は5〜9個の低級アルコキシ基を含むものを用いることが好ましい。
【0060】
例示的な上記化合物は、上記アルカノールが12〜15個の炭素原子を有し、そして1モルあたり約7個のエチレンオキシド等を含むものであり、例えば、Shell Chemical Company,Incにより製造される、Neodol 25−7及びNeodol 23−6.5である。前者は、平均して12〜15個の炭素原子である高級脂肪アルコールの混合物の縮合生成物(約7モルのエチレンオキシド)であり、後者は、高級脂肪アルコールの炭素原子含有量が12〜13であり、そして存在するエチレンオキシド基の数が平均して約6.5である混合物に相当する。上記高級アルコールは、第一級アルカノールである。2種又は3種以上の非イオン性界面活性剤の混合物を用いることができる。
【0061】
多くのカチオン性界面活性剤が、当技術分野で知られており、そして約10〜24個の炭素原子の長分子鎖アルキル基を少なくとも1種有する大部分のカチオン性界面活性剤が、本発明において好適である。上記成分は、「Cationic Surfactant」,Jungermann,1970に記載されている(参照により組み入れる)。米国特許第4,497,718号明細書(参照により組み入れる)には、特定のカチオン性界面活性剤が記載されており、詳細には、本発明において界面活性剤として用いることができる界面活性剤が記載されている。非イオン性及びアニオン性界面活性剤と同様に、本発明の組成物は、単独又は当技術分野で公知の任意の他の界面活性剤と組み合わせて、カチオン性界面活性剤を用いることができる。当然ながら、上記組成物は、カチオン性界面活性剤を全く含まなくてもよい。
【0062】
両性合成洗剤を、複素環式の第二級及び第三級アミンの脂肪族誘導体又は脂肪族の誘導体として広く記載することができ、当該脂肪族基は、直鎖又は分岐鎖であることができ、そして脂肪族置換基の一つは、約8〜18個の炭素原子を含み、そして少なくとも1は、アニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェートを含む。この定義内に属する化合物の例は、3−(ドデシルアミノ)プロピオン酸ナトリウム、3−(ドデシルアミノ)−プロパン−1−スルホン酸ナトリウム、2−(ドデシルアミノ)エチル硫酸ナトリウム、2−(ジメチルアミノ)オクタデカン酸ナトリウム、3−(N−カルボキシメチルドセシルアミノ)プロパン−1−スルホン酸二ナトリウム(disodium 3−(N−carboxymethyldocecylamino)propane 1−sulfate)、オクタデシル−イミノ二酢酸二ナトリウム、1−カルボキシメチル−2−ウンデシルイミダゾールナトリウム、及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−スルファト−3ドデコキシプロピルアミンナトリウム(sodium N,N−bis(2−hydroxyethyl)−2−sulfato−3−dodecoxypropylamine)である。3−(ドデシルアミノ)プロパン−1−スルホン酸ナトリウムが好ましい。
【0063】
双極性界面活性剤を、第二級及び第三級アミンの誘導体、複素環式第二級及び第三級アミンの誘導体、又は第四級アンモニウムの誘導体、第四級ホスホニウム又は第三級スルホニウム化合物として広く記載することができる。第四級化合物中のカチオン性原子は、複素環の一部であることができる。これらの化合物の全てにおいて、約3〜18個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の脂肪族基、及びアニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネートが存在する。
【0064】
本発明の組成物はまた、他の任意の酵素安定化剤又は抑制剤を含むことができる。安定化剤の非限定的な例には、グリコール(例えば、モノプロピレングリコール)又はポリオール(例えば、ソルビトール、グリセロール)、カルシウムイオン及び小カルボン酸及び塩(例えば、蟻酸)が含まれる。当然ながら、一部の一般的な酵素安定化剤のホウ素捕捉特性により、それらを大量に使用することは、本発明では望ましくない。他の非限定的例には、ポリオールのホウ酸エステル、ペプチドアルデヒド、フルオロメチルケトン、ボロン酸、ペプチドボロン酸、及び酸化防止剤が含まれる。本発明の組成物により、他の酵素安定化剤を除去又は減少させることができる。というのは、酵素を安定化又は抑制させるための改良技術であるからである。換言すると、本発明の組成物は、一定の他の酵素安定化剤のより低い濃度を可能とするか、又はそれらを除外することができ、あるいは他の酵素安定化剤と相互作用し、ひいては酵素を不安定化させることが知られている所望の成分を含むことができる。例えば、強力なキーラント(chelant)、例えば、EDTA、DTPA又はHEIDAの使用を、本発明の組成物に適合させることができる。本発明の化合物を除外して、強いキーラントは、酵素の3次元構造体を安定化させることを目的とするカルシウムイオンと錯化するであろう。
【0065】
ビシナルジオール、例えば、モノプロピレングリコール(MPG)又はグリセロールを含むポリオールは、溶媒及び酵素安定化剤として知られている万能成分である。それらは、本発明の配合中において、少量で有用である任意成分である。モノプロピレングリコールを、本発明の組成物中で、約0.1%〜約10%の量において用いることができるが、より少量、例えば、0.1%〜5%が好ましい。ジオールは、酵素の活性を減らす傾向を有するので、配合中では、より少量を用いることが好ましい。本発明の酵素安定化剤を用いることにより、組成物(例えば、洗剤)中で用いるべきジオールをより少なくすることができることが見出された。例えば、例4において、より少量のグリコールが、酵素安定化洗濯用液体洗剤配合中で用いられた。汚染除去は、酵素活性に関する試験基準であり、そして洗浄結果により、モノプロピレン含有率の高い参照の洗濯用液体洗剤は、本発明の例よりも、酵素汚染除去が非常に乏しいことが明らかに実証された。これは、高濃度のモノプロピレングリコール(ビシナルジオール)により、より低い酵素の固有活性が与えられることを示している。
【0066】
本発明の組成物は、非酵素系たんぱく質、例えば、カゼイン(先の先行技術に記載される)を用いることなく、有効である。この組成物中のホウ素含有化合物及びα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はその塩により生成した錯体は、追加の非酵素系たんぱく質なしで、酵素を有効に安定化及び/又は抑制する。
【0067】
本発明の組成物はまた、溶媒を含むことができる。非限定的及び好適な溶媒は、国際公開第2004/113484号パンフレットに記載されている。これらの溶媒には、7個未満の炭素を有する低級アルカノール、ビシナルジオールを有しないポリオール、2〜4個の炭素を有するオキシド及びアルキルに基づくグリコールエーテル、最大8個の炭素を有するアリール又は置換されたアリールが含まれる。上記溶媒は、本発明の化合物を除いて、ホウ素化合物を捕捉する化合物を本質的に含まない物理的に安定な配合を製造する上で有用である。本発明により、配合者は、ホウ素捕捉剤である安定化剤の使用を減らすことにより酵素を安定化させるために、ホウ素化合物の濃度を下げることができる。
【0068】
本発明の液状酵素含有生成物配合に導入するために好適な添加剤には、下記が含まれる(これらに限定されるものではない):米国特許第5,705,464号明細書、同第5,710,115号明細書、同第5,698,504号明細書、同第5,695,679号明細書、同第5,686,014号明細書及び同第5,646,101号明細書、及び国際公開第2004/113484号パンフレット、米国特許出願公開第2005/0059567号明細書、国際公開第2005/049776号パンフレット、米国特許第6,803,355号明細書、国際公開第2004/113484号パンフレット、同第2005/012474号パンフレット(全てを、参照により本明細書に組み入れる)に記載されるような、漂白系、ビルダー、分散剤、防汚剤(soil release agent)、キレート剤、泡立抑制剤(suds suppressor)、柔軟剤、染料移動抑制剤、無りん系ビルダー、カラースペックル、シルバーケア、曇り防止(anti−tarnish)剤及び/又は耐食剤、染料、充填剤、殺菌剤、アルカリ性供給源、ヒドロトロープ、溶媒、酸化防止剤、香料、可溶化剤、担体、加工助剤、顔料、及びpH調整剤。
【0069】
本発明の酵素安定化化合物は、可逆性のプロテアーゼ抑制剤を生成しないホウ素化合物と錯化する傾向がある成分もまた含む、良好な酵素安定性を有する配合を製造するために特に重要である。ホウ素捕捉剤とも称する上記成分は、酵素を不安定化させる可能性を有することが知られているが、上記配合中で重要でありうる。例は、ビシナルOH基を含む炭水化物及びそれらの誘導体、α−ヒドロキシポリカルボン酸、ホウ素化合物と錯化しうる抗しわ剤(anti−wrinkling agent)、ポリ−ヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤及び2個超のビシナルOH基を有するポリオールである。本発明の酵素含有組成物は、ホウ素補足剤の存在を許容することができ、考えられる用途において非常に重要であることができる。
【0070】
本発明の組成物において用いられる酵素安定化により、低濃度の酵素安定化剤及び酵素を用いて、さらに有効な酵素安定化を達成することができる。これにより、酵素含有組成物の有効期間が改良され、酵素含有組成物の使用に関連するコストが削減される。例えば、洗剤組成物中で用いるための一般的なプロテアーゼ原材料は、約4%の活性酵素、約60%のモノプロピレングリコール(MPG)、約10%の酵素安定化剤、例えば、塩化カルシウム及び蟻酸のアルカリ金属塩、並びに約26%の水を含むが、一方、本発明のプロテアーゼ原材料は、概して、より低濃度の比較的高価な酵素安定化剤及び安定溶媒を含む。
【0071】
しかし、本発明によると、約4%の活性酵素を含有するプロテアーゼ濃縮原材料は、約1%のホウ酸、約1%〜5%のα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸及び約90%〜約92%の水を含むことができる。同様に、約1%〜約2%の酵素原材料を含有する一般的な強力な液体洗剤組成物は、約5〜約13%のMPG、約1〜約4%のホウ酸、約35%の活性成分(actives)及び約50%の水を含む。本発明によると、類似の強力な液体洗剤組成物は、より少量の比較的高価な酵素安定化剤/抑制化剤及び酵素安定化溶媒を含むことができる。相対的に、約1%〜約2%の酵素原材料を含有する、本発明の強力な液体洗剤配合は、約35%の活性成分及び約55〜57%の水に加えて、約1〜約5%のMPG、約1〜約1.5%のホウ酸、及び約1%〜約3%の酵素安定化α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸を含むことができる。
【0072】
本発明の液状酵素含有組成物を、現在、酵素が配合に添加されている大部分の用途において用いることができる。現在のところ、酵素の家庭内ケアの最も大きな用途は、布帛ケアである。本発明の液状布帛ケア組成物には、洗濯用洗剤、洗濯用事前シミ抜き製品、及び布帛柔軟剤配合物が含まれる。
【0073】
本発明の液状安定化酵素含有組成物の他の用途には、他の家庭内ケア製品、パーソナルケア製品、例えば、スキンケア製品、及び産業製品が含まれる。上記パーソナルケア製品には、例えば、ハンドソープ、手用の消毒薬、ボディーソープ、洗口液、練り歯磨き、シャワージェル、シャンプー、ボディーローション、デオドラント、鼻用スプレー及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。スキンケア製品は、酵素の皮膚への安全な移動を促進するために、皮膚科学的に許容できる担体を導入することができる。本発明の別の態様では、本発明のスキンケア製品は、一定の添加剤成分を含む。上記添加剤は、下記を含むがこれらに限定されるものではない:抗菌性及び抗真菌性活性成分、界面活性剤、落屑活性成分、にきび抑制活性成分、抗しわ活性成分、抗萎縮活性成分、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、キレート化剤、フラボノイド、抗炎症薬、抗脂肪沈着薬、局所麻酔薬、日焼け活性成分、日焼け止め活性成分、品質改良剤、増粘剤、脱粘着剤(detackifying agent)、臭気抑制剤、スキンセンセート(skin sensate)、制汗剤及びそれらの混合物。
【0074】
本発明の目的において、布帛ケアに加えて、好適な家庭内ケア製品には、下記が含まれるがこれらに限定されるものではない:硬質面用クリーナー(hard surface cleaner)、脱臭剤、手洗い用食器洗剤、自動用食器洗剤、床面ケア用組成物、台所用洗浄剤又は殺菌剤、浴室用洗浄剤又は殺菌剤及びそれらの組み合わせ。産業的用途の非限定的例は、産業システムにおける生物膜除去、食品及び飼料産業の酵素用途である。さらなる産業用途には、医療又は特殊酵素及び用途、例えば、物質洗浄又は殺菌が含まれる。
【0075】
本発明のさらに別の態様では、本発明の液状安定化酵素含有組成物を、用いるための繊維、紙、又は布地に固定又は含浸させることができる。例えば、上記組成物を、顔又は手を拭く又は乾燥させるために好適なパーソナルケア拭き取り繊維に添加することができる。他の上記含浸させたパーソナルケア製品には、女性用ナプキン又はおむつ、炎症を起こした、傷ついた、又は座瘡が生じた皮膚の応急手当用消毒薬、及び術前又は術後用途向けの拭き取り繊維が含まれる。家庭内ケア製品はまた、家庭内の清掃又はケアに好適な拭き取り繊維又はタオルの状態を選択することができる。
【0076】
本発明のさらに別の態様では、本明細書に開示される家庭内ケア製品は、一定の添加剤成分を含む。上記添加剤には、下記が含まれるが、それらに限定されるものではない:ビルダー、漂白剤、漂白活性剤(breach activator)、遷移金属漂白触媒、酸素移動剤及び前駆体、防汚剤、粘土汚染除去剤及び/又は再沈殿防止剤、高分子量の分散剤、増白剤、高分子量の染料移動禁止剤、キレート剤、消泡剤、アルコキシル化ポリカルボキシレート、布帛柔軟剤、香料、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、染料又は顔料、溶媒固体充填剤(solvent solid filler)、洗浄性の界面活性剤及びそれらの組み合わせ。
【0077】
本発明の別の好ましい態様では、本発明に従って配合された酵素濃縮物を含む生成物を、スキンケア製品に導入することができる。本発明の一態様では、上記スキンケア製品は、皮膚科学的に許容できる担体を導入して、本発明に従って配合された酵素混合物を含む生成物を、皮膚の所望の領域までの安全な移動を促進することができる。本発明の別の態様では、本発明のスキンケア製品は、一定の添加剤成分を含む。
【0078】
上記添加剤は、下記を含むが、それらに限定されるものではない:抗菌性及び抗真菌性活性成分、界面活性剤、落屑活性成分、にきび抑制活性成分、抗しわ活性成分、抗萎縮活性成分、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、キレート化剤、フラボノイド、抗炎症薬、抗脂肪沈着薬、局所麻酔薬、日焼け活性成分、日焼け止め活性成分、品質改良剤、増粘剤、脱粘着剤、臭気抑制剤、スキンセンセート、制汗剤及びそれらの混合物。さらに、前述の各添加剤成分の完全なる記述及び例は、The Procter and Gamble Company,Cincinnati,Ohioに譲渡された米国特許第6,294,186号明細書に説明されている(参照により本明細書に組み入れる)。
【実施例】
【0079】
次の好ましくかつ具体的な態様の例は、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載されている。当業者及び本発明を製造又は利用する者は、本発明の改良を思いつくであろう。
【0080】
例1
この例では、酵素(リパーゼ及びプロテアーゼ)を含むいくつかの洗剤組成物を、貯蔵の際の酵素の残存活性に関して解析した。
本発明に従ういくつかの強力な液体洗剤組成物の成分を下記の表1に説明する。表1に用いられる略称及び当該成分の供給源の説明を、下記に示す。
MEA LAS:C10〜13の直鎖のアルキルベンゼンスルホン酸の、モノエタノールアミンとの塩。Huels AG(Schweiz)から供給されたMarlon AMX。
オレイン酸:Hydrior AGから供給された。
ココナッツ酸:Hydrior AGから供給されたC12〜14脂肪酸。
Dobanol 45 E 7:Shell Chemical Companyから供給されたC14〜15のアルキルエトキシレート(7)。
クエン酸:Flukaから供給された。
ホウ酸:Flukaから供給された。
エタノール:Flukaから供給された。
MPG:Flukaから供給されたモノプロピレングリコール。
CaCl2:Flukaから供給された塩化カルシウム。
Lipolase:Novozymesから供給されたリパーゼ酵素−Lipolase 100L。
Savinase 16L Type EX:Novozymesから供給されたプロテアーゼ酵素。
DL−乳酸:Flukaから供給された。
マンデル酸:Malinckrodt Baker bvから供給されたDL−マンデル酸。
MEA:Flukaから供給されたモノエタノールアミン。
水:脱イオン水。
【0081】
【表1】

【0082】
プロテアーゼの残存活性を決定するために用いた方法:
パーセンテージで表現されるプロテアーゼ残存活性対初期プロテアーゼ濃度を、次の方法に従って評価した:Manual Procedure for Determination of Protelytic Activity in Detergents(Azocasein Substrate),Novo Nordisk,Biochem NH919 494 3485。
【0083】
リパーゼの残存活性を決定するために用いた方法:
リパーゼの初期活性を、pHスタット滴定メータを用いて測定した。滴定用水性混合物を調製し、そして当該混合物は、10mMの塩化カルシウム、20mMの塩化ナトリウム、5mMのトリス緩衝剤及び10%のトリオレイン基質(50%のトリオレインを含むSigma lipase kit substrate 800)を含んでいた。上記滴定混合物のpHを、HClを添加して、pH8.3〜8.6に調整した。上記例の洗剤組成物10〜100μLを、50mLの上記滴定混合物に添加した。トリオレイン基質のリパーゼ触媒化加水分解により生成した脂肪酸(オレイン酸)を、水酸化ナトリウム標準溶液(0.025規定)に対して滴定した。滴定時間は、8分に達した。滴定曲線の勾配を、リパーゼ活性の基準として取得した。初期のリパーゼ活性を、洗剤組成物の調製の直後に測定した。次いで、上記洗剤試料を、35℃で熟成し、そしてリパーゼ残存活性を、1週間の貯蔵の後評価した。表1のリパーゼ残存活性を、初期活性に関するパーセンテージとして示す。
【0084】
上記組成物を、一般的な強力な液体洗剤系組成物(HDL)HDL1及び2と比較した。HDL1及び2は、一般的な洗濯用洗剤と同様であり、そして参照用に用いられた。HDL3及び4は、特許請求の範囲の技術の、限定的な配合例ではない。両洗濯用洗剤HDL3及びHDL4は、HDL3&4と同量の酵素安定化剤(%)を含むHDL1よりも、貯蔵の際の残存プロテアーゼ及びリパーゼ安定性が高い。HDL2は、より高い(5%に対して12%)MPG(モノプロピレングリコール)の濃度によって、第一の参照HDL1と異なる。HDL2は、より高いMPGの濃度のため、HDL1よりも良好なプロテアーゼ及びリパーゼ残存活性を有する。HDL2は、HDL4に対して、若干良好なリパーゼ及びプロテアーゼ残存安定性を示す。しかし、これは、大部分が、その高いMPG濃度のためである。HDL3は、HDL2よりも、リパーゼ残存安定性が等しく、そしてHDL2に対して、プロテアーゼ残存安定性が高い。従って、本発明の、液体洗剤HDL3は、HDL2(高濃度のMPG)に対して、総合的にさらに有効である。
【0085】
例2
この例は、酵素プレミックスの貯蔵の際の、リパーゼ及びプロテアーゼ残存活性を実証するものである。本発明に従う酵素組成物の成分を、下記表2に説明する。表2に示す略称、及び成分供給源の説明を、下記に示す。
Lipolase 100L:Novozymesから供給されたリパーゼ酵素。
Savinase 16L Type EX:Novozymesから供給されたプロテアーゼ酵素。
ホウ酸:Flukaから供給された。
DL−乳酸:Flukaから供給された。
【0086】
時間に対するプロテアーゼ及びリパーゼ残存活性に関する方法は、例1に記載されている。
【0087】
プロテアーゼ及びリパーゼの両方を含む酵素プレミックスを調製した。当該プレミックスは、高濃度の、添加された水を含んでいた(70%超)。当該プレミックス中に、液状酵素原材料に由来するモノ−プロピレングリコールが、総計で約7.5%存在していた。低濃度の苛性アルカリを用いて、上記酵素プレミックスのpHを、pH6に調整した。高い水濃度、極性溶媒、及びプロテアーゼの存在にもかかわらず、上記プレミックスのリパーゼは、35℃において優れた貯蔵安定性を実証した。これにより、プロテアーゼが非常に良好に抑制され、ひいては当該プロテアーゼは、上記酵素プレミックス中に存在する、既に安定化されたリパーゼを分解しないことが実証された。これによりまた、本発明のアニオン錯体が酵素を安定化することが実証された。
【0088】
【表2】

【0089】
例2のリパーゼ残存活性は、例3のものよりも約4倍多い乳酸及びホウ酸含有率の存在下で得られた。プロテアーゼの存在下で、リパーゼ残存活性は、続く例3のものよりも約10倍低い。
【0090】
例3
貯蔵後に、プロテアーゼ濃縮物のたんぱく質分解残存活性を評価した。本発明と併用させたプロテアーゼ濃縮物の成分を、下記表3に説明する。表3に用いられる略称及び当該成分の供給源の説明を、下記に示す。
蟻酸Na:蟻酸ナトリウム。
CaCl2:塩化カルシウム。
MPG:モノプロピレングリコール。
プロテアーゼ:GENENCOR INTERNATIONALに由来するプロテアーゼ濃縮物。
ホウ酸:Flukaから供給された。
D,L−乳酸:Flukaから供給されたDL−乳酸。
マンデル酸:Malinckrodt Baker bvから供給されたDL−マンデル酸。
【0091】
本発明の化合物を用いて、プロテアーゼの安定性を評価し、そしてこのプロテアーゼ向けに通常用いられる従来のMFGベースの安定化系と比較した。Genencor Internationalにより評価された、3種の異なる試料のプロテアーゼ残存活性の結果を、表3に示す。本発明は、全て約90%の水を含む、液状原材料試料2及び3中のプロテアーゼ酵素を安定化した。酵素は、高濃度の水中では安定でないのが通常である。試料2及び3に関して、表3に示されるプロテアーゼ残存活性は、約28%の含水率を有する試料1中のプロテアーゼ残存活性に匹敵する。試料1はまた、当該組成物の約70%に近い割合を占める酵素安定化剤を含む。
【0092】
【表3】

【0093】
例4
本発明に従う種々の酵素安定化/抑制システムに基づく、3種の洗濯用液体洗剤配合物の洗浄効率を比較した。良好な酵素の汚染除去は、モノプロピレングリコールと比較して、L−乳酸及びD,L−乳酸により実証され、そしてより高い酵素活性に帰属されうる。
【0094】
3種の配合の間の相違点を、以下に説明する。
−試料1は、2%のD,L−乳酸を含む。
−試料2は、2%のL−乳酸を含む。
−試料3は、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸を含まないが、さらに9%のモノプロピレングリコールを含む参照試料である。
【0095】
下記表6及び表7の結果は、試料1及び2が、試料3よりも良好な汚染除去効率を有することを示している。さらに、試料2(L−乳酸系)は、試料1(D,L−乳酸系)よりも、特に酵素汚染除去において、平均して良好な洗浄結果を与えた。従って、本発明の酵素安定化/抑制系において、L−乳酸は、D,L−乳酸よりも好ましい。現在、L−乳酸は、乳酸の優れた供給源となっており、そして現段階では、おそらくD,L−乳酸よりも安いであろう。試料1、2及び3の組成を、下記表4に示す。
【0096】
【表4】

【0097】
本発明に従う強力な液体洗剤組成物のいくつかの成分を、上記表4において説明する。表4に用いられる略称及び当該成分の供給源の説明を、下記に示す。
【0098】
LAS:C10〜13の直鎖のアルキルベンゼンスルホン酸。Huels AG(Schweiz)から供給されたMarlon AS3。
ココナッツ酸:Hydrior AGから供給されたC12〜14脂肪酸。
Dobanol 45 E 7:Shell Chemical Companyから供給されたC14〜15のアルキルエトキシレート(7)。
クエン酸:Flukaから供給された。
ホウ酸:Flukaから供給された。
エタノール:Flukaから供給された。
MPG:Flukaから供給されたモノプロピレングリコール。
CaCl2:Flukaから供給された塩化カルシウム。
Lipolase:Novozymesから供給されたリパーゼ酵素−Lipolase 100L。
Savinase 16L Type EX:Novozymesから供給されたプロテアーゼ酵素。
D,L−乳酸:DL−乳酸:Flukaから供給された。
L−乳酸:Flukaから供給された。
MEA:Flukaから供給されたモノエタノールアミン。
水:脱イオン水。
【0099】
洗浄試験を実施し、測定を実施し、当該結果の統計的関連性及びそれらの比較を、次の指針/手順に続いて得た。
上記強力液体洗剤を、40℃のコットンプログラムにおける10回の洗浄サイクルの際に比較し、そして1回の洗浄サイクルあたり、100mLで投与した。
次の基準の洗浄性能を比較した:18種の人工的に汚染させた試験布帛(12種は、綿上、そして6種は、ポリエステル/綿上)。
【0100】
試験条件
洗浄試験を、5台の洗浄装置、Miele Novotronic W985 WPSで実施した。「水−プラス−ボタン」を伴う前洗浄なしの改良した40℃コットンプログラムを用いた。洗浄装置の固有差により生ずる影響を避けるために、各生成物の試験を、装置内で交替させて実施した(試験の際の装置の周期的な交換)。当該試験を、2.5ミリモル/Lの水の硬度(すなわち、14°dのドイツ式水の硬度)において実施した。総充填量は、4.0kgであった。10回の洗浄サイクルの際の充填物の構成を、表5に示す。
【0101】
【表5】

【0102】
一次洗浄効果
洗浄性能を測定するために、人工的に汚染させた試験布帛(10×10)cm2を、4枚の新しい試験布帛セットを用いて各洗浄サイクルに適用した。4枚のキャリア布帛に固定された下記試験布帛を用いた。
【0103】
一般洗浄性
・wfk−CO−色素/皮脂(Code 10 D)
・EMPA−CO−すす/鉱物油(Code 106)
脂肪除去
・wfk−CO−使用済みモータ油(Code 10 GM)
・wfk−PES/CO−使用済みモータ油(Code 20 GM)
【0104】
漂白性能
・wfk−CO−赤ワイン(Code 90 LI)
・wfk−CO−トマトケチャップ(Code 10 T)
・wfk−PES/CO−トマトケチャップ(Code 20 T)
・wfk−CO−茶(Code 10 J)
・wfk−CO−時間が経った血液(Code 10 PB)
・wfk−PES/CO−時間が経った血液(Code 20 PB)
【0105】
酵素性能
・wfk−CO−顔料/オイル/ミルク(Code 10 PPM)
・wfk−PES/CO−顔料/オイル/ミルク(Code 20 PPM)
・wfk−PES/CO−リップスティック(Code 20 LS)
・EMPA−CO−草(Code 164)
・EMPA−CO−ミルクココア(Code 112)
・wfk−PES/CO−ミルクココア(Code 20 MF)
・wfk−CO−時間が経った卵黄(Code 10 EG)
・wfk−でん粉/色素(Code 10 R)
【0106】
当該布切れを、1回(single)の洗浄サイクル(1回の洗浄評価)で洗浄し、乾燥させ、そして左側(機器測定を受けない面)に注意深くアイロンをかけた。洗浄性能を、Y値を測定する自動式反射率計(Datacolor Spectraflash SF 500,10°オブザーバー,D65,光沢なし,420nmにおけるUVフィルター利用)を用いて反射率を測定することにより定量化した。各布帛を4回測定した。各汚染モニターに関して、160回の測定の平均値及び標準偏差を計算した。統計的な計算は、ISO規格に従って、T試験(二面ケース)を用いて行った。
【0107】
一次洗浄効果
一次洗浄効果の結果を、表6に示す。
【0108】
【表6】

【0109】
一次洗浄効果の統計的評価の結果を、表7に示す。
【0110】
【表7】

【0111】
表7のデータを理解するための追加の説明、試料AとBとの比較
「+」=生成物Aは、統計上、生成物Bよりも非常に良好である。
「0」=両生成物は、統計上、等しい。
「−」=生成物Aは、統計上、生成物Bよりも非常に悪い。
【0112】
例5
水溶液中で、乳酸とホウ酸との錯化の際のpHの影響を測定した。当該溶液に添加する乳酸のホウ酸に対するモル比を変化させた。pH8.5において用いられた配合を表8に示す。ホウ素及び乳酸から生成させた各錯体において測定されたホウ素(%)を、各表9〜11に、所与のpHにおける各原材料比に関して報告する。
【0113】
各錯体(%)を、11B−NMRにより評価し、そして結果を、図1〜3に加えられた成分の各比に関して表示する。図4は、ホウ酸単独の11B−NMRスペクトルを表す。pH<3において、[1:2]-錯体に割り当てられたピークは、驚くべきことに最初から現れている。これは、スペクトル中で位置を変える[1:1]-錯体及び[1:2]-錯体による、ピークのpH影響の可能性を示唆している。しかし、当該化学シフトは、pH8.5におけるスペクトルと一致している。
【0114】
【表8】

【0115】
【表9】

【0116】
【表10】

【0117】
【表11】

【0118】
*Alcalase、Esperase及びSavinaseは、Novo Industriesの商標である。Maxataseは、Pfizer Incの商標である。Maxacalは、Gist−Brocades N.V.の商標である。Maxapenは、Gist−Brocades N.V.、及びU.S.におけるInternational Biosynthesisの商標である。Lipolase及びTermamylは、Novozymesの商標である。Rapidase及びMaxamylは、DSM IP Assets B.V.の商標である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】図1は、0.2:0.2のホウ酸:乳酸の比から生成させた種々のホウ素化合物に関する、4種の異なるpH溶液に対する11B−NMR試験に由来するピークを示す。
【図2】図2は、0.2:0.4のホウ酸:乳酸の比から生成させた種々のホウ素化合物に関する、4種の異なるpH溶液に対する11B−NMR試験に由来するピークを示す。
【図3】図3は、0.2:0.6のホウ酸:乳酸の比から生成させた種々のホウ素化合物に関する、4種の異なるpH溶液に対する11B−NMR試験に由来するピークを示す。
【図4】図4は、飽和のH3BO3に関する、11B−NMRに由来するピークを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ホウ素化合物と錯化して、酵素のための安定化特性を有する錯体を生成することができるα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸の塩;及び
(b)酵素のための安定化特性を有する錯体の生成を促進するpHにおいて、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はその塩と錯化して、酵素のための安定化特性を有する錯体を生成することができるホウ素化合物:
を、液状酵素含有組成物に添加することを含む、当該組成物の安定化法。
【請求項2】
前記酵素含有組成物がプロテアーゼを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物に添加する、前記α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸:ホウ素化合物のモル比が、1:100〜100:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記液状酵素含有組成物のpH範囲が、前記α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸のpKaの2pH単位下のpHと、前記ホウ素化合物のpKaの2pH単位上のpHとの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記液状酵素含有組成物のpH範囲が、約2〜約10である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記液状酵素含有組成物のpH範囲が、約3〜約9である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記液状酵素含有組成物のpH範囲が、約4〜約9である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸の塩と、ホウ素化合物とを、最初に水中で共混合して混合物を生成させ、次いで、当該混合物を、前記液状酵素含有組成と混合する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸が、次の式:
R−C(OH)(R’)−C(O)−OH
(式中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル、アリール、置換されたC1〜C10のアルキル、置換されたアリール、ニトロ、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミンから成る群から選択され、そして前記アルキル又はアリール基上の置換は、アリール又はアルキル基、ニトロ、ニトロ誘導体、ヒドロキシル、ヒドロキシル誘導体、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミン、アミド、アミド誘導体及びハロゲンから選択され;そしてR’は、水素原子、C1〜C10のアルキル、アリール、置換されたC1〜C10のアルキル、置換されたアリール、ニトロ、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミンから成る群から選択され、そして前記アルキル又はアリール基上の置換は、アリール又はアルキル基、ニトロ、ニトロ誘導体、ヒドロキシル、ヒドロキシル誘導体、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミン、アミド、アミド誘導体及びハロゲンから選択される)
で表され、そして
当該酸は、適用可能な場合には、当該酸群の光学異性体群から選択されることができる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
R及びR’が、それぞれ、300未満の分子量を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記α−ヒドロキシモノカルボン酸が、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシイソ酪酸、マンデル酸、適用可能な場合には当該酸群の光学異性体、及びこれらの酸の組み合わせから成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ホウ素化合物が、ホウ酸、三酸化二硼素、ホウ酸のアルカリ金属塩、及びホウ酸の無機又は有機塩から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ホウ酸のアルカリ金属塩が、オルト−ホウ酸ナトリウム、ピロ−ホウ酸ナトリウム、メタ−ホウ酸ナトリウム、ポリホウ酸ナトリウム、オルト−ホウ酸カリウム、ピロ−ホウ酸カリウム、メタ−ホウ酸カリウム、ポリホウ酸カリウム、及びホウ砂(Na247−10H2O)から成る群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ホウ素含有化合物が、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム(Na3BO3)及びホウ砂から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸及び前記ホウ素化合物が、下記構造:
【化1】

(式中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル、アリール、置換されたC1〜C10のアルキル、置換されたアリール、ニトロ、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミンから成る群から選択され、そして前記アルキル又はアリール基上の置換は、アリール又はアルキル基、ニトロ、ニトロ誘導体、ヒドロキシル、ヒドロキシル誘導体、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミン、アミド、アミド誘導体及びハロゲンから選択され;そしてR’は、水素原子、C1〜C10のアルキル、アリール、置換されたC1〜C10のアルキル、置換されたアリール、ニトロ、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミンから成る群から選択され、そして前記アルキル又はアリール基上の置換は、アリール又はアルキル基、ニトロ、ニトロ誘導体、ヒドロキシル、ヒドロキシル誘導体、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミン、アミド、アミド誘導体及びハロゲンから選択される)
のアニオン錯体を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸が、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシイソ酪酸、マンデル酸、適用可能な場合には当該酸群の光学異性体、及びこれらの酸の組み合わせから選択され、そして前記ホウ素化合物が、ホウ酸、三酸化二硼素、ホウ酸のアルカリ金属塩、並びにホウ酸の無機及び有機塩から成る群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
生成した前記錯体:前記組成物中の全活性酵素のモル比が、1:1〜500:1である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
生成した前記錯体:前記組成物中の全活性酵素のモル比が、1:1〜100:1である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ホウ素化合物を、0.1%〜10%(ホウ酸として表現する)の範囲内で添加する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記ホウ素化合物を、0.1%〜5%(ホウ酸として表現する)の範囲内で添加する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記ホウ素化合物を、0.1%〜1.5%(ホウ酸として表現する)の範囲内で添加する、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記液状酵素含有組成物が、プロテアーゼを抑制する特性を有する非酵素系たんぱく性物質を実質的に含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
ポリオールを、前記酵素含有組成物の0.1〜10wt%において添加することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
ポリオールを、前記酵素含有組成物の0.1〜5wt%において添加することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記ポリオールが、1,2−ジオール、1,3−ジオール、及び1,2,3−トリオール並びにそれらの混合物から成る群から選択される、請求項23又は請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記液状酵素含有組成物が、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性界面活性剤及び両性界面活性剤から成る種から選択される界面活性剤を1〜60wt%さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記液状酵素含有組成物が、少なくとも2個又は3個以上のカルボン酸基を有するα−ヒドロキシ−ポリ−カルボン酸ビルダーを含む洗剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記液状酵素含有組成物が、ホスフェートビルダーを5wt%未満含む洗剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
(a)ホウ素化合物と錯化して、酵素のための安定化特性を有する錯体を生成することができるα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はα−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸の塩;
(b)α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸又はその塩と錯化して、酵素のための安定化特性を有する錯体を生成することができるホウ素化合物;
(c)(a)及び(b)から生成した錯体;並びに
(d)酵素:
を含む酵素安定化組成物。
【請求項30】
非酵素系たんぱく質を実施的に含まない、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項31】
カゼインを実施的に含まない、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項32】
生成物配合の総重量に基づいてホスフェート塩を5wt%未満含む、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項33】
前記α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸が、次の式:
RC(OH)(R’)−C(O)−OH
(式中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル、アリール、置換されたC1〜C10のアルキル、置換されたアリール、ニトロ、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミンから成る群から選択され、そして前記アルキル又はアリール基上の置換は、アリール又はアルキル基、ニトロ、ニトロ誘導体、ヒドロキシル、ヒドロキシル誘導体、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミン、アミド、アミド誘導体及びハロゲンから選択され;そしてR’は、水素原子、C1〜C10のアルキル、アリール、置換されたC1〜C10のアルキル、置換されたアリール、ニトロ、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミンから成る群から選択され、そして前記アルキル又はアリール基上の置換は、アリール又はアルキル基、ニトロ、ニトロ誘導体、ヒドロキシル、ヒドロキシル誘導体、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミン、アミド、アミド誘導体及びハロゲンから選択される)
によって表され、そして
当該酸は、適用可能な場合には、当該酸群の光学異性体から選択されることができる、
請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項34】
前記α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸が、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシイソ酪酸、マンデル酸、適用可能な場合には当該酸群の光学異性体、及びこれらの酸の組み合わせから成る群から選択される、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項35】
前記錯体(c)が、α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸のアニオン:ホウ素を1:1の比で有する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項36】
前記酵素(d)がプロテアーゼである、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項37】
前記錯体(c)が、次の構造:
【化2】

(式中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル、アリール、置換されたC1〜C10のアルキル、置換されたアリール、ニトロ、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミンから成る群から選択され、そして前記アルキル又はアリール基上の置換は、アリール又はアルキル基、ニトロ、ニトロ誘導体、ヒドロキシル、ヒドロキシル誘導体、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミン、アミド、アミド誘導体及びハロゲンから選択され;そしてR’は、水素原子、C1〜C10のアルキル、アリール、置換されたC1〜C10のアルキル、置換されたアリール、ニトロ、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミンから成る群から選択され、そして前記アルキル又はアリール基上の置換は、アリール又はアルキル基、ニトロ、ニトロ誘導体、ヒドロキシル、ヒドロキシル誘導体、エステル、エーテル、アミン、アミン誘導体、置換されたアミン、アミド、アミド誘導体及びハロゲンから選択される)
のアニオンである、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項38】
前記ホウ素化合物が、ホウ酸として0.1〜10wt%において存在する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項39】
前記ホウ素化合物が、ホウ酸として0.1〜5wt%において存在する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項40】
前記ホウ素化合物が、ホウ酸として0.1〜1.5wt%において存在する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項41】
前記α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸が、前記組成物の0.01〜25wt%において存在する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項42】
前記α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸が、前記組成物の0.01〜10wt%において存在する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項43】
前記酵素が、0.0001〜25wt%の活性酵素の濃度で存在する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項44】
前記酵素が、0.0001〜2.5wt%の活性酵素の濃度で存在する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項45】
前記酵素が、0.01〜25wt%の活性酵素の濃度で存在する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項46】
前記α−ヒドロキシ−モノ−カルボン酸のpKaの2pH単位下のpHと、前記ホウ素化合物のpKaの2pH単位上のpHとの間のpHを有する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項47】
約2〜約10のpHを有する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項48】
約3〜約9のpHを有する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項49】
約4〜約9のpHを有する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項50】
酵素安定化錯体を製造することができないホウ素捕捉剤をさらに含む、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項51】
界面活性剤、糖、ジオール、及びポリオールから成る群から選択されるホウ素捕捉剤をさらに含む、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項52】
前記組成物が洗剤であり、そして2個又は3個以上のカルボン酸基を有するα−ヒドロキシ−ポリ−カルボン酸ビルダーを有する、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項53】
前記組成物が、家庭又は産業用洗浄用途向けに有用であり、そして前記組成物中の前記酵素が、セルラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、及びアミラーゼから成る群から選択される、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項54】
液状酵素含有組成物が、洗濯用洗剤として有用である、請求項29又は53に記載の酵素安定化組成物。
【請求項55】
液状酵素含有組成物が、硬質面用クリーナーとして有用である、請求項29又は53に記載の酵素安定化組成物。
【請求項56】
液状酵素含有組成物が、布帛柔軟剤として有用である、請求項29又は53に記載の酵素安定化組成物。
【請求項57】
液状酵素含有組成物が、食器洗浄用配合物として有用である、請求項29又は53に記載の酵素安定化組成物。
【請求項58】
前記組成物が動物飼料向けに有用であり、そして当該組成物中の前記酵素が、フィターゼ、キシラナーゼ、及びプロテアーゼから成る群から選択される、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項59】
前記組成物が人間の食品向けに有用であり、そして当該組成物中の前記酵素が、グルタミナーゼ、ラクターゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、及びプロテアーゼから成る群から選択される、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項60】
前記組成物が化学処理又は廃棄物処理向けに有用であり、そして当該組成物中の前記酵素が、リパーゼ、アミラーゼ、ニトラーゼ(nitlase)、ヒドララーゼ、グルコンシンサターゼ、及びモノ−オキシゲナーゼから選択される、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項61】
前記組成物がキラル合成向けに有用であり、そして当該組成物中の前記酵素が、ヒドロラーゼ及びリパーゼから選択される、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項62】
前記組成物がコンタクトレンズの洗浄向けに有用であり、そして当該組成物中の前記酵素が、プロテアーゼ、リパーゼ及びカタラーゼから成る群から選択される、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項63】
前記組成物が練り歯磨き組成物向けに有用であり、そして当該組成物中の酵素が、グルコアミラーゼ及びグルカーゼ(glucase)から成る群から選択される、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項64】
前記組成物が、顔、スキン及びボディケア製品向けに有用であり、そして当該組成物中の前記酵素が、プロテアーゼから選択される、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項65】
前記組成物が布帛ケア用途向けに有用であり、そして当該組成物中の前記酵素が、セルラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、及びアミラーゼから成る群から選択される、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項66】
前記組成物が酵素原材料濃縮物であり、洗剤、産業及び医療用配合物に有用である、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項67】
ポリオールを、前記酵素含有組成物の0.1〜10wt%において添加することをさらに含む、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項68】
ポリオールを、前記酵素含有組成物の0.1〜5wt%において添加することをさらに含む、請求項29に記載の酵素安定化組成物。
【請求項69】
前記ポリオールが、1,2−ジオール、1,3−ジオール、及び1,2,3−トリオール並びにそれらの混合物から成る群から選択される、請求項67又は68に記載の酵素安定化組成物。
【請求項70】
前記液状酵素含有組成物が、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性界面活性剤及び両性界面活性剤から成る種から選択される界面活性剤1〜60wt%をさらに含む、請求項29に記載の酵素安定化組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−522625(P2008−522625A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545631(P2007−545631)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/044454
【国際公開番号】WO2006/063155
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】