説明

鍵管理システム及び鍵管理装置

【課題】鍵の操作性を改善して警備員の労力を軽減し、ATMの鍵の管理の煩雑さを低減することができること。
【解決手段】鍵管理サーバ装置10は、開錠コード生成部1052が不具合通知を送信したATM50の鍵を収納する鍵管理装置30を開錠する鍵である開錠コードを生成し、開錠コード送信制御部1053は、開錠コ−ド生成部1052によって生成された開錠コードを、ATM50の不具合に対処する警備員が有する携帯通信端末装置20に送信し、鍵管理装置30は、開錠コード受信部3061が携帯通信端末装置20から開錠コードを受信し、鍵開閉制御部3062は、開錠コード受信部3061によって受信された開錠コードに基づいて鍵管理装置30を開錠するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵の操作性を改善して警備員の労力を軽減し、ATMの鍵の管理の煩雑さを低減することができる鍵管理システム及び鍵管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関は、業務運営上の経費を削減するために、銀行店舗外の自動現金預け払い機(以下においては、自動現金預け払い機を「ATM」という。)に対する貨幣の装填、回収、エラー解除などの業務を警備会社に委託している例が多い。警備会社に業務委託している場合は、ATMコーナの扉を開ける扉鍵およびATMの現金収容部を開けるATM鍵は、金融機関から警備会社に貸与されている。
【0003】
具体的には、警備会社は、ATM鍵をATMコーナの内部に設置した鍵管理装置に収納し、鍵管理装置を施錠していた。また、警備員は、担当するATMが決められており、担当するATMのATM鍵を収納している鍵管理装置を開錠するIDカードを所持していた。そして、ATMにトラブルが発生した場合は、金融機関から通知を受けて、警備会社は、トラブルが発生したATMを担当する警備員を現場へ派遣していた。ところが、該当する警備員が不在であるか、または別件に対応中である場合は、近くにいる警備員を探して現場に派遣していた。このような場合、現場に派遣される警備員は、IDカードを所持していないので、IDカードを保管してある場所、またはIDカードを所持している警備員の所まで取りに行っていた。
【0004】
そして、IDカードを受け取った後、警備員は、ATMコーナに急行し、IDカードで開錠した鍵管理装置からATM鍵を取り出して、ATMを開錠し、トラブル処置を行っていた。さらに、トラブル処置後、ATMを施錠して、ATM鍵を所定の位置に戻すと共に、鍵管理装置を施錠していた。そして、警備員は、再度IDカードを保管してあった場所、またはIDカードを所持していた警備員の所までIDカードを返却していた。なお、特許文献1では、警備端末装置が生成した開錠コードを監視センター経由で通信端末装置に送信し、通信端末装置からドアに送信された開錠コードを警備端末装置が照合してドアを開錠する従来技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−298263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術では、ATMのトラブル処置のためにIDカードを取りに行く、またはATMのトラブル処置後にIDカードを返却するなどの労力が警備員の負担となっていた。また、警備会社にとっては、ATMのトラブル処置に派遣する警備員を探し、IDカードを確実に渡すようにするためにIDカードの管理が煩雑となっていた。さらに、IDカードの紛失、盗難、もしくは警備員がIDカードを持ったまま行方不明になるなどの事故が発生しないようにするためにIDカードの管理が煩雑となっていた。従って、鍵の操作性を改善して警備員の労力を軽減し、ATM鍵の管理の煩雑さを低減することが重要な課題となっていた。
【0007】
なお、特許文献1の従来技術は、警備端末装置が開錠コードを生成しているので、現場に開錠コードを生成するアルゴリズムがあること、また、ドアを開錠するまでに警備端末装置から監視センターへ開錠コードを送信し、さらに監視センターから通信端末装置へ開錠コードを送信するので途中で傍受される可能性が高くなることなどからATMの開錠コードとして用いるにはセキュリティが不十分であった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、鍵の操作性を改善して警備員の労力を軽減し、ATMの鍵の管理の煩雑さを低減することができる鍵管理システム及び鍵管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、自動現金預け払い機と、該自動現金預け払い機の鍵を収納する施錠可能な鍵管理装置とからなる鍵管理システムであって、前記自動現金預け払い機は、前記鍵管理装置と有線および/または無線によって接続され、該自動現金預け払い機の施錠の状態を前記鍵管理装置に対して通知するものであり、前記鍵管理装置は、前記自動現金預け払い機から通知された該自動現金預け払い機の施錠の状態に応じて該鍵管理装置の施錠状態を制御する鍵開閉制御手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記鍵管理装置は、該鍵管理装置から取り出された前記自動現金預け払い機の鍵の識別情報、該鍵管理装置が開錠された時刻、該鍵管理装置が施錠された時刻を少なくとも含む鍵管理履歴情報を記憶する鍵管理履歴情報記憶手段と、該鍵管理装置と通信可能に接続されるとともに該鍵管理装置を管理する鍵管理サーバ装置に対して前記鍵管理履歴情報記憶手段に記憶された鍵管理履歴情報を送信する鍵管理履歴情報送信手段とをさらに備え、前記鍵管理サーバ装置は、前記鍵管理装置から受信した鍵管理履歴情報に基づいて算出された前記鍵管理装置が開錠されてから前記自動現金預け払い機が開錠されるまでの時間、該自動現金預け払い機が開錠されてから該自動現金預け払い機が施錠されるまでの時間、該自動現金預け払い機が施錠されてから前記鍵管理装置が施錠されるまでの時間の少なくともいずれか一つが所定の時間以内でなかった場合は、警報を出力する警報出力手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記鍵管理装置は、使用者による鍵の返却要求がなされた時に、前記自動現金預け払い機が開錠状態である場合には、前記鍵管理装置が施錠できる状態でないことを前記使用者に通知する通知手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、自動現金預け払い機と接続され、該自動現金預け払い機の鍵を収納し施錠可能な鍵管理装置であって、前記自動現金預け払い機から通知された該自動現金預け払い機の施錠の状態に応じて該鍵管理装置の施錠状態を制御する鍵開閉制御手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、使用者による鍵の返還要求がなされた時に、前記自動現金預け払い機が開錠状態である場合には、前記鍵管理装置が施錠できる状態でないことを前記使用者に通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、自動現金預け払い機は、鍵管理装置と有線および/または無線によって接続され、該自動現金預け払い機の施錠の状態を鍵管理装置に対して通知するものであり、鍵管理装置は、自動現金預け払い機から通知された該自動現金預け払い機の施錠の状態に応じて該鍵管理装置の施錠状態を制御することとしたので、警備員等の使用者が自動現金預け払い機の鍵の施錠を忘れることがなくなり、セキュリティを向上させることができる。
【0015】
また、本発明によれば、鍵管理装置は、該鍵管理装置から取り出された自動現金預け払い機の鍵の識別情報、該鍵管理装置が開錠された時刻、該鍵管理装置が施錠された時刻を少なくとも含む鍵管理履歴情報を記憶するとともに、該鍵管理装置と通信可能に接続されるとともに該鍵管理装置を管理する鍵管理サーバ装置に対して鍵管理履歴情報を送信し、鍵管理サーバ装置は、鍵管理装置から受信した鍵管理履歴情報に基づいて算出された鍵管理装置が開錠されてから自動現金預け払い機が開錠されるまでの時間、該自動現金預け払い機が開錠されてから該自動現金預け払い機が施錠されるまでの時間、該自動現金預け払い機が施錠されてから鍵管理装置が施錠されるまでの時間の少なくともいずれか一つが所定の時間以内でなかった場合は、警報を出力することとしたので、警備員等の利用者の行動をより詳細にリアルタイムに監視することができ、不正行為を防止し、セキュリティを向上させることができる。
【0016】
また、本発明によれば、鍵管理装置は、使用者による鍵の返却要求がなされた時に、自動現金預け払い機が開錠状態である場合には、鍵管理装置が施錠できる状態でないことを使用者に通知することとしたので、警備員等の使用者が自動現金預け払い機の施錠を忘れて、自動現金預け払い機の鍵を鍵管理装置に収納してしまうことを防止することができる。
【0017】
また、本発明によれば、自動現金預け払い機から通知された該自動現金預け払い機の施錠の状態に応じて該鍵管理装置の施錠状態を制御することとしたので、警備員等の使用者が自動現金預け払い機の鍵の施錠を忘れることがなくなり、セキュリティを向上させることができる。
【0018】
また、本発明によれば、使用者による鍵の返還要求がなされた時に、前記自動現金預け払い機が開錠状態である場合には、前記鍵管理装置が施錠できる状態でないことを前記使用者に通知することとしたので、警備員等の使用者が自動現金預け払い機の施錠を忘れて、自動現金預け払い機の鍵を鍵管理装置に収納してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、実施例1に係る鍵管理システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、実施例1に係る鍵管理システムの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、図2に示す鍵管理情報記憶部に記憶された鍵管理情報を示す図である。
【図4】図4は、図1に示す現地コード記憶部が記憶する現地コードを示す図である。
【図5】図5は、図1に示す鍵管理装置の外観の一例を示す図である。
【図6−1】図6−1は、図1に示す携帯端末装置が表示する入力画面の一例を示す図である。
【図6−2】図6−2は、図1に示す携帯端末装置が表示する入力画面の一例を示す図である。
【図6−3】図6−3は、図1に示す携帯端末装置が表示する入力画面の一例を示す図である。
【図6−4】図6−4は、図1に示す携帯端末装置が表示する入力画面の一例を示す図である。
【図6−5】図6−5は、図1に示す携帯端末装置が表示する入力画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、図1に示す鍵管理システムの開錠手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、図1に示す鍵管理システムの施錠手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施例2に係る鍵管理システムの施錠手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、実施例3に係る鍵管理システムの施錠手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図1に示す鍵管理装置の外観の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、実施例1〜3に係る鍵管理システムについて図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
(1)実施例1は、開錠コードが作成されてから所定の時間内で鍵管理装置を開錠する場合について説明する。
(2)実施例2は、ATMの鍵の施錠と鍵管理装置の鍵の施錠とを連携させて行う場合について説明する。
(3)実施例3は、警備員が鍵管理装置から鍵を取り出して、鍵管理装置に収納するまでの時間を管理する場合について説明する。
【実施例1】
【0021】
本実施例1は、開錠コードが作成されてから所定の時間内で鍵管理装置を開錠する場合について説明する。ここでは、(1−1)鍵管理システムの概要と主要な特徴、(1−2)鍵管理システムの構成、(1−3)携帯通信端末装置の入力画面表示、(1−4)鍵管理システムの開錠手順、(1−5)鍵管理システムの施錠手順の順番で説明する。
【0022】
(1−1)鍵管理システムの概要と主要な特徴
図1を参照して、実施例1に係る鍵管理システム1の概要と主要な特徴について説明する。図1は、実施例1に係る鍵管理システム1の概要を示す図である。図1に示すように鍵管理システム1は、銀行店舗外ATMコーナに設置されたATM50のトラブル通知を受信する鍵管理サーバ装置10と、ATM50の鍵を収納し、施錠された鍵管理装置30とからなるシステムであり、鍵の操作性を改善して警備員の労力を軽減し、ATM50の鍵の管理の煩雑さを低減することができることを特徴とする。
【0023】
具体的に説明すると、銀行店舗外ATMコーナに設置されたATM50にトラブルが発生すると、ATM監視ラインを介して監視センタ−のATM監視サーバ装置40がATM50のトラブルを検出する。そして、ATM監視サーバ装置40は、ATM50のトラブルを検出すると警備会社の鍵管理サーバ装置10にATM50のトラブルを通知する。それと同時に、監視センターから警備会社に警備員の出動が要請される。
【0024】
すると、鍵管理サーバ装置10は、警備員の出動要請に基づいてトラブルを発生したATM50を担当する警備員がいる場合はその警備員に、またその警備員がいない場合は、トラブルを発生したATM50に最も近い位置にいる警備員にトラブルを処置するよう携帯通信端末装置20を介して通知する。なお、かかる警備員の検索は、警備員が携帯している携帯通信端末装置20の現在位置を検索し、かかる携帯通信端末装置20の現在位置情報を取得すること(いわゆる第三者検索)で行われる。
【0025】
そして、ATMコーナに急行した警備員によって携帯通信端末装置20から鍵管理システムが起動されると、鍵管理サーバ装置10は、トラブルを発生したATM50のATM鍵を収納している鍵管理装置30を開錠する開錠コードを生成して携帯通信端末装置20に送信する。さらに、鍵管理装置30は、携帯通信端末装置20から開錠コードを受信して、鍵管理装置30を開錠する。
【0026】
続いて、警備員は、鍵管理装置30に収納されたATM鍵を取出し、ATM50を開錠して、ATM50のトラブル処置を行った後、鍵管理装置30にATM鍵を収納して鍵管理装置30を施錠する。
【0027】
このように、上記鍵管理システムによれば、警備員は、ATM50のトラブル処置のために鍵管理装置30を開錠するIDカードを取りに行く、またはトラブル処置後IDカードを返却するなどが必要なく、また、警備員がIDカードを携行することがないため、IDカードの紛失、盗難、もしくは警備員がIDカードを持ったまま行方不明になるなどの事故が発生することがない。従って、鍵の操作性を改善して警備員の労力を軽減し、ATMの鍵の管理の煩雑さを低減することできる。
【0028】
なお、ここでは、ATM監視サーバ装置40がATM50のトラブルを検出し、鍵管理サーバ装置10にトラブルを通知し、それと同時に、監視センターから警備会社に警備員の出動が要請され、鍵管理サーバ装置10は、警備員にトラブルを処理するよう携帯通信端末装置20を介して通知する場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、顧客がATM50に設置された電話から監視センターに電話でトラブル発生を伝達し、そして監視センターのオペレータが警備会社に電話で出動を伝達し、さらに警備会社のオペレータが鍵管理サーバ装置10に出動要請を入力する場合に適用することができる。
【0029】
(1−2)鍵管理システムの構成
次に、図2を参照して、実施例1に係る鍵管理システム1の構成について説明する。図2は、実施例1に係る鍵管理システム1の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、鍵管理システム1は、鍵管理サーバ装置10、携帯通信端末装置20、鍵管理装置30を有する。鍵管理サーバ装置10は、鍵管理システム1の全体を管理するサーバ装置であり、入力部101、出力部102、無線通信部103、記憶部104、制御部105、計時部106を有する。
【0030】
入力部101は、ユーザの要求や指示を入力する入力装置であり、キーボードやマウスなどである。また、出力部102は、鍵管理ログなどを表示する表示装置であり、LCD(Liquid Crystal Display)などである。また、無線通信部103は、携帯無線通信装置20と通信を行う無線通信装置であり、無線通信アンテナ1031を有する。
【0031】
記憶部104は、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置であり、鍵管理情報記憶部1041と、鍵管理ログ記憶部1042と、現地コード記憶部1043とを有する。鍵管理情報記憶部1041は、ATM50の識別情報と、ATM50の鍵を収納する鍵管理装置30の識別情報と、ATM50の位置情報と、を対応付ける鍵管理情報を予め記憶する記憶部である。また、鍵管理ログ記憶部1042は、鍵管理装置30から取り出されたATM50の鍵の識別情報、ATM50の鍵が取り出された時刻、取り出された鍵が収納された時刻を少なくとも含む鍵管理ログを記憶する記憶部である。ここで、図3を参照して、図2に示す鍵管理情報記憶部1041に記憶された鍵管理情報について説明する。図3は、図2に示す鍵管理情報記憶部1041に記憶された鍵管理情報を示す図である。
【0032】
同図に示すように、鍵管理情報は、鍵管理装置30の識別情報K1、K2、K3と、鍵管理装置30の警備を担当する警備員の識別情報A、B、Cと、警備員が有する携帯通信端末装置20の識別情報PA、PB、PCと、鍵管理装置30が鍵を管理するATM50の識別情報ATM1、ATM2、ATM3と、ATM50の位置情報(x1、y1、z1)、(x2、y2、z3)、(x3、y3、z3)と、を対応付けた情報である。
【0033】
このように、鍵管理情報記憶部1041は、鍵管理装置30の識別情報と、鍵管理装置30の警備を担当する警備員の識別情報と、警備員が有する携帯通信端末装置20の識別情報と、鍵管理装置30が鍵を管理するATM50の識別情報と、ATM50の位置情報と、を対応付けた鍵管理情報を記憶することとしたので、ATM50が不具合を発生した場合に、警備員が定期的な時間、ルートで現場を回っていない場合でも、最適な警備員を迅速に検索することができる。
【0034】
また、図4を参照して、図1に示す現地コード記憶部1043が記憶する現地コードについて説明する。図4は、図1に示す現地コード記憶部1043が記憶する現地コードを示す図である。同図に示すように、現地コードP1、P2、P3は、ATM50の識別情報ATM1、ATM2、ATM3およびATM50の位置情報(x1、y1、z1)、(x2、y2、z2)、(x3、y3、z3)と対応付けられている。すなわち、現地コードとは、ATMコーナの識別コードである。
【0035】
そして、携帯通信端末装置20から現地コードおよび移動機番号(携帯通信端末装置識別番号)を受信すると、後述する現地コード判定部1055は、上記した第三者検索を行って携帯通信端末装置20の現在位置情報を取得した後、現地コードに対応したATM50の位置情報と携帯通信端末装置20の位置情報との間における距離rを算出し、鍵管理サーバ装置10から開錠コードを受信可能な領域(携帯通信端末装置20による開錠コードの受信を許可する領域)であるか否かを判定する。例えば、図4の現地コードがP1の場合、鍵管理サーバ装置10から開錠コードが受信可能な領域は、r<r11の領域である。
【0036】
このように、現地コード記憶部1043は、携帯通信端末装置20による開錠コードの受信を許可する領域(開錠コード受信可能領域)を記憶し、後述する現地コード判定部1055によって、携帯通信端末装置20の位置情報が開錠コード受信可能領域に含まれると判定された場合に、後述する開錠コード生成部1052によって開錠コードを生成するよう構成したので、位置情報を利用して開錠コードを送信する条件を限定することができ、開錠コードの送信をより安全かつ確実なものとしてセキュリティの向上を図ることができる。
【0037】
図2の説明に戻ると、制御部105は、鍵管理サーバ装置10の全体を制御する制御部であり、ATM不具合通知受付部1051、開錠コード生成部1052、開錠コード送信制御部1053、鍵管理ログ受信部1054、現地コード判定部1055を有する。ATM不具合通知受付部1051は、不具合を発生したATMの識別情報を少なくとも含む不具合通知をATM監視サーバ装置40から受け付ける受付部である。
【0038】
開錠コード生成部1052は、不具合を発生したATMに対応付けられた鍵管理装置30を開錠する開錠コードを生成する生成部であり、開錠コード暗号化部1052aを有する。開錠コード暗号化部1052aは、開錠コードを暗号化する暗号化部である。また、開錠コードは、鍵管理装置30の識別情報および/または開錠コードが作成された時刻である。なお、かかる開錠コード生成部1052は、携帯通信端末装置20から受信した暗証番号が適切なものであること、および、後述する現地コード判定部1055によって携帯通信端末装置20の位置情報が開錠コード受信可能領域に含まれると判定されることを条件に、開錠コードを生成する。
【0039】
開錠コード送信制御部1053は、不具合通知に基づいて生成された開錠コードを不具合に対処する警備員が有する携帯通信端末装置20に送信するよう制御する制御部であり、警備員検索部1053aを有する。警備員検索部1053aは、いわゆる第三者検索を行って警備員の携帯通信端末装置30の位置情報を取得するとともに、かかる位置情報および鍵管理情報から不具合に対処する警備員を検索する検索部である。警備員検索部1053aは、例えば、不具合を発生したATM50に最も近い位置にいる警備員を検索する。
【0040】
このように、鍵管理サーバ装置10は、警備員検索部1053aが携帯通信端末装置20の位置情報および不具合通知を送信した自動現金預払い機の位置情報に基づいて自動現金預け払い機の不具合に対処する警備員を検索し、開錠コード送信制御部1053は、検索された警備員が有する携帯通信端末装置20に開錠コードを送信することとしたので、警備員が定期的な時間、ルートで現場を回っていない場合でも、最適な警備員を迅速に派遣することができる。
【0041】
鍵管理ログ受信部1054は、携帯通信端末装置20から鍵管理ログを受信する受信部である。また、現地コード判定部1055は、上述したように、携帯通信端末装置20の位置情報が現地コード記憶部2062に記憶された開錠コード受信可能領域に含まれるか否かを判定する処理部である。また、計時部106は、時刻を計測する計時部である。
【0042】
携帯通信端末装置20は、警備員が所持する携帯電話、PHS、PDAなどの通信端末装置である。また、携帯通信端末装置20は、鍵管理サーバ装置10から鍵管理装置30を開錠する鍵である開錠コードを受信し、受信した開錠コードを鍵管理装置30に送信する。また、携帯通信端末装置20は、鍵管理装置30から鍵管理ログを受信して、受信した鍵管理ログを鍵管理サーバ装置10に送信する。
【0043】
携帯通信端末装置20は、入力部201、出力部202、無線通信部203、赤外線通信部205、記憶部206、制御部207を有する。入力部201は、警備員の要求や指示などを入力する入力部であり、テンキーなどである。また、出力部202は、入力画面を表示する表示装置であり、LCDなどである。
【0044】
無線通信部203は、鍵管理サーバ装置10と無線通信をする無線通信装置であり、無線通信アンテナ2031を有する。また、赤外線通信部205は、赤外線で鍵管理装置30と通信を行う赤外線通信装置である。
【0045】
記憶部206は、RAM(Random Access Memory)などの半導体記憶装置であり、暗証番号記憶部2061、開錠コード記憶部2062、鍵管理ログ記憶部2063を有する。暗証番号記憶部2061は、警備員の暗証番号を記憶する記憶部である。また、開錠コード記憶部2062は、開錠コードを記憶する記憶部である。また、鍵管理ログ記憶部2063は、鍵管理ログを記憶する記憶部である。
【0046】
制御部207は、携帯通信端末装置20の全体を制御する制御部であり、入力画面表示制御部2071、暗証番号認証部2072、開錠コード送受信部2073、鍵管理ログ送受信部2074を有する。入力画面表示制御部2071は、携帯通信端末装置20の出力部202に入力画面を表示するよう制御する制御部である。なお、入力画面表示制御部2071が表示するよう制御する入力画面については別途詳細に説明する。
【0047】
暗証番号認証部2072は、入力部201から入力された暗証番号を暗証番号記憶部2061に記憶された暗証番号に基づいて認証する認証部である。また、開錠コード送受信部2073は、鍵管理サーバ装置10から開錠コードを受信して、受信した開錠コードを開錠コード記憶部2062に記憶させ、または開錠コード記憶部2062から開錠コードを取り出して、取り出した開錠コードを鍵管理装置30に送信する送受信部である。
【0048】
また、鍵管理ログ送受信部2074は、鍵管理装置30から鍵管理ログを受信して、受信した鍵管理ログを鍵管理ログ記憶部2063に記憶させ、または、鍵管理ログ記憶部2063から鍵管理ログを取り出して、取り出した鍵管理ログを鍵管理サーバ装置10へ送信する送受信部である。
【0049】
鍵管理装置30は、ATMの鍵を収納する装置であり、入力部301、出力部302、赤外線通信部303、記憶部304、鍵開閉部305、制御部306、計時部307を有する。入力部301は、警備員が要求や指示を入力する入力装置であり、キーボードなどである。また、出力部302は、鍵管理ログなどを表示する出力装置であり、LCDやプリンタなどである。
【0050】
赤外線通信部303は、携帯通信端末装置20と赤外線で通信を行う赤外線通信装置である。また、記憶部304は、RAMなどの半導体記憶装置であり、開錠コード記憶部3041、鍵管理ログ記憶部3042を有する。開錠コード記憶部3041は、開錠コードを記憶する記憶部である。また、鍵管理ログ記憶部3042は、鍵管理ログを記憶する記憶部である。
【0051】
鍵開閉部305は、鍵管理装置30を開錠または施錠し、鍵管理装置30に収納されているATM50の鍵を取り出し、または保持可能とする開閉部である。具体的には、鍵開閉部305は、管理装置30の本体扉の鍵とキーホルダからなり、本体扉およびキーホルダを開閉し、ATM50の鍵を取り出し、または保持可能とする。なお、本体扉およびキーホルダについて別途説明する。
【0052】
制御部306は、鍵管理装置30の全体を管理する制御部であり、開錠コード受信部3061、鍵開閉制御部3062、鍵管理ログ取得部3063、鍵管理ログ送信部3064を有する。開錠コード受信部3061は、携帯通信端末装置20から開錠コードを受信し、開錠コード記憶部3041に記憶させる受信部である。また、鍵開閉制御部3062は、開錠コードに基づいて鍵管理装置30の本体扉の鍵およびキーホルダを開閉し、ATM50の鍵を取り出し、または保持可能とするよう制御する。
【0053】
また、鍵開閉制御部3062は、携帯通信端末装置20から鍵管理装置30を施錠するよう要求された場合でも、警備員によってATM50の鍵が所定のキーホルダに返却されていない場合および/または本体扉が閉じられていない場合は、鍵管理装置30の鍵を施錠できる状態ではないので携帯通信端末装置20に鍵管理装置30の鍵が施錠できる状態でないことを通知する。
【0054】
鍵管理ログ取得部3063は、鍵管理ログを取得し、取得した鍵管理ログを鍵管理ログ記憶部3042に記憶させる取得部である。また、鍵管理ログ送信部3064、鍵管理ログ記憶部3042から鍵管理ログを取り出して、取り出した鍵管理ログを携帯通信端末装置20に送信する送信部である。ここで、図5を参照して、図1に示す鍵管理装置30の外観の一例について説明する。図5は、図1に示す鍵管理装置30の外観の一例を示す図である。
【0055】
同図に示すように、鍵管理装置30は、入力部301としてキーボードを有する。また、出力部としてLCDおよびプリンタを有する。赤外線通信部303の赤外線受光部で、携帯通信端末装置20から開錠コードを搬送した赤外線を受光すると、鍵開閉制御部3062は、鍵管理装置30の本体扉の鍵およびキー管理部のキーホルダを開閉して、開錠コードに基づいてATM50の鍵を取出し、または保持可能とするように制御する。また、鍵開閉制御部3062は、キーホルダから鍵が抜き取られると、キーランプを赤く点灯させ、抜き取られた鍵が収納されるまで点灯させる。
【0056】
(1−3)携帯通信端末装置の入力画面表示
次に、図6−1〜図6−5を参照して、図1に示す携帯通信端末装置20が表示する入力画面の一例について説明する。図6−1〜図6−5は、図1に示す携帯通信端末装置20が表示する入力画面の一例を示す図である。携帯通信端末装置20が表示する入力画面は、大別すると(a)初期画面(図6−1参照)、(b)現地到着処理要求画面(図6−2参照)、(c)鍵管理装置開錠要求画面(図6−3参照)、(d)鍵管理装置施錠要求画面(図6−4参照)、(e)現地出発処理要求画面(図6−5参照)からなる。以下においては、これら入力画面について順次説明する。
【0057】
(a)初期画面(図6−1参照)
携帯通信端末装置20は、起動すると、入力画面表示制御部2071が画面(A―1)を表示する。警備員によって画面(A−1)に暗証番号が入力されると、入力画面表示制御部2071は、画面(A−2)を表示する。また、画面(A−2)には、“開錠コード送信”、“鍵管理装置開”、“鍵管理装置閉”、“現地出発処理”などのメニューがあり、それらを選択するとそれぞれ画面B、画面C、画面D、画面Eへ切り替わる。
【0058】
一方、警備員によって入力された暗証番号が間違っていた場合は、暗証番号認証部2072によって暗証番号が認証されないので、入力画面表示制御部2071は、画面(A−3)に示すように「暗証番号が間違っています」という警告を表示する。そして、警備員によって画面(A−3)の“OK”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、画面(A−3)を画面(A−1)に戻す。
【0059】
(b)現地到着処理要求画面(図6−2参照)
警備員によって画面(A−2)のメニューから“開錠コード送信”が選択されると、入力画面表示制御部2071は、現地到着処理要求画面の最初の画面である画面(B−1)を表示する。そして、警備員によって画面(B−1)に現地コードが入力され、“OK”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、画面(B−2)に切り替えて「移動機番号を送信します。よろしいですか?」という警告を表示する。さらに、警備員によって画面(B−2)の“はい”ボタンが指定され、移動機番号の送信が正常に終了すると、入力画面表示制御部2071は、「正常にダウンロードされました」というメッセージを表示する。
【0060】
一方、警備員によって画面(B−2)の“いいえ”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、入力画面を画面(B−1)に戻す。また、警備員によって画面(B−2)の“はい”ボタンが指定されても、携帯通信端末装置20の位置情報が開錠コード受信可能領域に含まれない場合には、入力画面表示制御部2071は、画面(B−4)に示すように「ダウンロードできない現地コードです」という警告(エラー)を表示する。そして、警備員によって画面(B−4)の“OK”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、画面(B−4)を画面(B−1)に戻す。
【0061】
(c)鍵管理装置開錠要求画面(図6−3参照)
警備員によって画面(B−3)で“OK”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、鍵管理装置開錠要求画面の最初の画面である画面(C−1)を表示する。そして、警備員によって画面(C−1)の“送信”ボタンが選択されると、開錠コード送受信部2073は、赤外線通信部205を介して開錠コードを鍵管理装置30に送信する。
この間、入力画面表示制御部2071は、入力画面を画面(C−2)に切り替えて「赤外線通信中です」というメッセージを表示する。さらに、開錠コード送受信部2073が開錠コードの送信を完了すると、入力画面表示制御部2071は、画面(C−3)に[通信が正常に完了しました」というメッセージを表示する。
【0062】
一方、警備員によって画面(C−1)の“TOP”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、入力画面を画面(A−2)に戻す。また、画面(C−4)に示すように、開錠コードが携帯通信端末装置20から鍵管理装置30へ送信された時刻と、開錠コードが生成されてから鍵管理装置30が開錠コードを受信するまでの時間が所定の時間を超えた場合、すなわち、鍵管理コードの有効期限が切れた場合は、鍵管理装置30が携帯通信端末装置20に開錠コードの有効期限が切れたことを通知し、入力画面表示制御部2071は、「開錠コードの有効期限切れです」という警告を表示する。そして、警備員によって画面(C−4)の“確認”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、画面(C−4)を画面(A−2)に戻す。
【0063】
また、画面(C−5)に示すように、携帯通信端末装置20から送信された開錠コードが鍵管理装置30の号機番号(現地コード)に合致してない場合には、入力画面表示制御部2071は、「現地コードが異なります」という警告を表示する。そして、警備員によって画面(C−5)の“確認”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、画面(C−5)を画面(A−2)に戻す。
【0064】
(d)鍵管理装置施錠要求画面(図6−4参照)
警備員によって画面(C−3)で“OK”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、鍵管理装置施錠要求画面の最初の画面である画面(D−1)を表示する。警備員は、鍵管理装置30を開錠してATM50の鍵を取り出して作業を行う。そして、作業が終了すると警備員によってATM50の鍵が所定のキーホルダに収納され、鍵管理装置30の本体扉が閉じられる。さらに、警備員によって画面(D−1)の“返却”ボタンが選択されると、入力画面表示制御部2071は、入力画面を画面(D−2)に切り替えて「赤外線通信中です」というメッセージを表示する。そして、入力画面表示制御部2071は、「通信が正常に完了しました」というメッセージを表示する。これと同時に、鍵管理装置30の鍵開閉制御部3062は、鍵管理装置30の本体扉の鍵およびキーホルダを施錠するよう制御する。
【0065】
一方、警備員によって画面(D−1)の“TOP”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、入力画面を画面(A−2)に戻す。また、鍵管理装置30は、警備員によってATM50の鍵が所定のキーホルダに返却されていない場合および/または本体扉が閉じられていない場合は、鍵が施錠できる状態でないことを携帯通信端末装置20に通知する。そして、鍵が施錠できる状態でないとの通知を受信した携帯通信端末装置は、画面(D−4)に示すように、入力画面表示制御部2071が「施錠されていません」という警告を表示する。さらに、警備員によって画面(D−4)の“OK”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、入力画面を画面(D−1)に戻す。
【0066】
(e)現地出発処理要求画面(図6−5参照)
警備員によって画面(D−3)の“OK”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、現地出発処理要求画面の最初の画面である画面(E−1)を表示する。そして、警備員によって“送信”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、入力画面を画面(E−2)に切り替えて「移動機番号を送信します。よろしいですか?」という警告を表示する。さらに、警備員によって画面(E−2)で“はい”ボタンが選択されると、入力画面表示制御部2071は、入力画面を画面(E−3)に切り替えて「通信が正常に完了しました」というメッセージを表示する。そして、警備員によって画面(E−3)の“OK”ボタンが選択されると、入力画面表示制御部2071は、画面(E−3)を画面(E−4)に切り替えて鍵管理ログを表示する。さらに、警備員によって画面(E−4)の“TOP”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、画面(E−4)を画面(A−2)に戻す。
【0067】
一方、警備員によって画面(E−1)の“T・BR>NP”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、入力画面を画面(A−2)に戻す。また、画面(E−2)の“いいえ”ボタンが指定されると、入力画面表示制御部2071は、画面(E−2)を画面(E−1)に戻す。
【0068】
(1−4)鍵管理システムの開錠手順
次に、図7を参照して、図1に示す鍵管理システム1の開錠手順について説明する。図7は、図1に示す鍵管理システム1の開錠手順を示すフローチャートである。同図に示すように鍵管理サーバ装置10のATM不具合通知受付部1051は、ATM監視サーバ装置40からトラブル通知があったか否かを判定する(ステップS501)。その結果、トラブル通知がなかった場合は(ステップS501否定)、ATM不具合通知受付部1051は、トラブル通知があるまで待つ。
【0069】
一方、トラブル通知があった場合は(ステップS501肯定)、開錠コード送信制御部1053は、警備員検索部1053aによってATMのトラブルに対処する警備員を鍵管理情報記憶部1041の鍵管理情報から検索し、検索した警備員の携帯通信端末装置20に出動を通知する(ステップS502)。
【0070】
出動通知を受けて、トラブルを発生したATMに駆けつけた警備員によって、携帯通信端末装置20が起動される。そして、携帯通信端末装置20の入力画面表示制御部2071は、図6−1に示すように初期画面を表示する(ステップS503)。さらに、入力画面表示制御部2071は、初期画面から暗証番号を入力すると(ステップS504)、暗証番号認証部2072によって暗証番号が認証されたか否かを判定する(ステップS505)。
【0071】
その結果、暗証番号が認証されなかった場合は(ステップS505否定)、入力画面表示制御部2071は、ステップS503に戻る。一方、暗証番号が認証された場合は(ステップS505肯定)、入力画面表示制御部2071は、図6−2に示すように現地到着処理要求画面を表示する(ステップS506)。そして、現地到着処理要求画面から現地コードを入力すると(ステップS507)、携帯通信端末装置20は、現地コード、移動機番号(携帯通信端末装置識別番号)および暗証番号からなる開錠コード生成要求を鍵管理サーバ装置10に送信する(ステップS508)。
【0072】
かかる開錠コード生成要求を受信した鍵管理サーバ装置10は、先ずは暗証番号が適切なものであるか否かを判定し(ステップS509)、これが適切であった場合には(ステップS509肯定)、現地コード判定部1055は、携帯通信端末装置20の位置情報が開錠コード受信可能領域に含まれるかを判定する(ステップS510)。そして、携帯通信端末装置20の位置情報が開錠コード受信可能領域に含まれる場合には(ステップS510肯定)、開錠コード生成部1052は、開錠コードを生成して、暗号化し(ステップS511)、開錠コード送信制御部1053は、通信携帯通信端末装置20に開錠コードを送信する(ステップS512)。
【0073】
これとは反対に、暗証番号が適切なものでないか(ステップS509否定)、携帯通信端末装置20の位置情報が開錠コード受信可能領域に含まれなかった場合には(ステップS510否定)、鍵管理サーバ装置10は、通信携帯通信端末装置20にエラーを送信する(ステップS513)。
【0074】
一方、携帯通信端末装置20では、鍵管理サーバ装置10からエラーを受信した場合には(ステップS514肯定)、入力画面表示制御部2071は、図6−2の画面(B−4)に示したようなエラー画面を表示した後に、警備員の指示に応じて現地到着処理要求画面を改めて表示する(ステップS506)。これとは反対に、鍵管理サーバ装置10から開錠コードを受信した場合には(ステップS514否定)、開錠コード送受信部2073は、開錠コードを開錠コード記憶部2062に記憶すると共に、この鍵を鍵管理装置30に送信する(ステップS515)。
【0075】
そして、携帯通信端末装置20から開錠コードを受信した鍵管理装置30の開錠コード受信部3061は、開錠コードを復号化し、開錠コード記憶部3041に記憶させると共に(ステップS516)、鍵開閉制御部3062は、開錠コードから鍵管理装置20の号機番号および開錠コードの作成時刻を読み出す(ステップS517)。
【0076】
さらに、鍵開閉制御部3062は、鍵管理装置30の号機番号が所定の番号か否かを判定する(ステップS518)。その結果、鍵管理装置30の号機番号が所定の番号でない場合は(ステップS518否定)、鍵開閉制御部3062は、鍵が違うこと(現地コードが異なること)を携帯通信端末装置20に送信した後に(ステップS519)、本手順を終了する。一方、鍵管理装置30の号機番号が所定の番号である場合は(ステップS518肯定)、鍵開閉制御部3062は、さらに、計時部307によって計時された現在時刻と開錠コード作成時刻との時間差が所定の有効期限以内であるか否かを判定する(ステップS520)。
【0077】
その結果、現在時刻と開錠コード作成時刻との時間差が所定の有効期限以内である場合は(ステップS520肯定)、鍵開閉制御部3062は、鍵管理装置30を開錠するとともに(ステップS521)、開錠したことを携帯通信端末装置20に送信して(ステップS522)、本手順を終了する。一方、現在時刻と開錠コード作成時刻との時間差が所定の有効期限を越えている場合は(ステップS520否定)、鍵開閉制御部3062は、携帯通信端末装置20に鍵の有効期限切を通知する(ステップS523)。
【0078】
これに対して、携帯通信端末装置20の入力画面表示制御部2071は、鍵管理装置30からエラー(鍵の有効期限切れや、現地コード違い)を受信した場合には(ステップS524肯定)、その旨のエラー画面を表示する(ステップS525)。一方、鍵管理装置30からエラーを受信しなかった場合には(ステップS524否定)、入力画面表示制御部2071は、本手順を終了する。
【0079】
上記一連の処理を行うことにより、警備員は、ATM50のトラブル処置のために鍵管理装置10を開錠するIDカードを取りに行く、またはトラブル処置後IDカードを返却するなどが必要なく、また、警備員がIDカードを携行することがないため、IDカードの紛失、盗難、もしくは警備員がIDカードを持ったまま行方不明になるなどの事故が発生することがない。従って、鍵の操作性を改善して警備員の労力を軽減し、ATMの鍵の管理の煩雑さを低減することできる。
【0080】
(1−5)鍵管理システムの施錠手順
次に、図8を参照して、図1に示す鍵管理システム1の施錠手順について説明する。図8は、図1に示す鍵管理システム1の施錠手順を示すフローチャートである。警備員は、鍵管理装置30からATM50の鍵を取り出して、ATM50のトラブル対策をおこなった後に、ATM50の鍵を鍵管理装置30に返却するために以下の鍵管理装置30の施錠手順を実施する。
【0081】
同図に示すように、携帯通信端末装置20の入力画面表示制御部2071は、図6−4に示すように出力部202に鍵管理装置施錠要求画面を表示する(ステップS601)。そして、開錠コード送受信部2073は、警備員によって入力画面の“返却”ボタンが選択されると、鍵管理装置30にATM50の鍵の返却を通知する(ステップS602)。
【0082】
さらに、携帯通信端末装置20から鍵の返却通知を受信した鍵管理装置30の鍵開閉制御部3062は、警備員によってATM50の鍵が所定のキーホルダに返却され、かつ本体扉が閉じられているか否か、すなわち、鍵管理装置30の鍵が施錠できる状態か否かを判定する(ステップS603)。その結果、鍵管理装置30の鍵が施錠できる状態である場合は(ステップS603肯定)、鍵開閉制御部3062は、鍵管理装置30を施錠し(ステップS604)、鍵管理ログ取得部3063は、ATM50の鍵の返却時刻を鍵管理ログとして取得し、鍵管理ログ記憶部3042に記憶させる(ステップS605)。そして、鍵管理ログ送信部3064は、鍵管理ログを携帯通信端末装置20に送信する(ステップS606)。
【0083】
一方、鍵管理装置30の鍵が施錠できる状態でない場合は(ステップS603否定)、鍵開閉制御部3062は、鍵管理装置30が施錠できる状態でないことを携帯通信端末装置20に通知する(ステップS607)。
【0084】
そして、入力画面表示制御部2071は、鍵管理装置30から鍵が施錠できる状態でないとの通知があったか否かを調べる(ステップS608)。その結果、鍵管理装置30から鍵が施錠できる状態でないとの通知があった場合は(ステップS608肯定)、入力画面表示制御部2071は、ステップS601に戻る。
【0085】
一方、鍵管理装置30から鍵が施錠できる状態であるとの通知があった場合は(ステップS608否定)、入力画面表示制御部2071は、図6−5に示すように現地出発処理要求画面を表示する(ステップS609)。
【0086】
そして、警備員によって“送信”ボタンが押されると、鍵管理ログ送受信部2074は、鍵管理装置30から受信した鍵管理ログを鍵管理サーバ装置10に送信し、入力画面表示制御部2071は、鍵管理ログを表示する(ステップS610)。さらに、鍵管理サーバ装置10は、携帯通信端末装置20から鍵管理ログを受信すると、鍵管理ログ受信部1054が鍵管理ログ記憶部1042に鍵管理ログを記憶させる(ステップS611)。
【0087】
上記一連の処理を行うことにより、鍵管理装置30は、鍵管理装置30から鍵管理ログを取得し、取得した鍵管理ログを携帯通信端末装置20に送信し、鍵管理サーバ装置10は、携帯通信端末装置10から鍵管理ログを受信することとしたので、鍵管理ログを鍵管理サーバ装置10にリアルタイムに送信し、警備員の行動を監視することができる。なお、ここでは、現地出発処理要求時に鍵管理ログをまとめて鍵管理サーバ10に送信したが、本発明は、これに限定されるものではなく、鍵管理装置30の開錠時または施錠時に開錠または施錠に関する鍵管理ログをその都度送信することも可能である。
【0088】
上述してきたように、本実施例1では、鍵管理サーバ装置10は、開錠コード生成部1052が不具合通知を送信した自動現金預け払い機の鍵を収納する鍵管理装置を開錠するための開錠コードを生成し、開錠コード送信制御部1053は、生成された開錠コードを、自動現金預け払い機の不具合に対処する警備員が有する通信端末装置に送信し、鍵管理装置30は、開錠コード受信部3061が携帯通信端末装置20から開錠コードを受信し、鍵開閉制御部3062は、受信された開錠コードに基づいて鍵管理装置を開錠させることとしたので、警備員が鍵管理装置30のIDカードを携行する必要がなく、またはIDカードの紛失、盗難、もしくは警備員がIDカードを持ったまま行方不明になるなどの事故を防止でき、もって、鍵の操作性を改善して警備員の労力を軽減し、ATMの鍵の管理の煩雑さを低減することができる。
【0089】
また、開錠コード生成部1052は、鍵管理装置30の識別情報を開錠コードとして生成し、鍵開閉制御部3062は、生成された開錠コードが予め登録された鍵管理装置の識別情報に一致する場合に、鍵管理装置を開錠させることとしたので、トラブルを発生した自動現金預け払い機の鍵を収納した管理装置だけに有効な開錠コードを警備員に送信でき、セキュリティが高まる。
【0090】
また、開錠コード生成部1052は、開錠コードが作成された時刻を開錠コードとして生成し、鍵開閉制御部3062は、開錠コードが生成されてから開錠コードが受信されるまでの時間が所定の時間以内である場合に、鍵管理装置を開錠させることとしたので、有効期限を有する開錠コードを警備員にタイムリに送信でき、セキュリティを向上することができる。
【0091】
また、鍵管理装置30は、鍵管理ログ取得部3063が鍵管理装置30から取り出されたATM50の鍵の識別情報、携帯通信端末装置20の識別情報、鍵管理装置30が開錠された時刻、鍵管理装置30が施錠された時刻を少なくとも含む鍵管理ログを取得し、鍵管理ログ送信部3064は、取得した鍵管理ログを携帯通信端末装置20に送信し、鍵管理サーバ装置10は、鍵管理ログ受信部1054が通信端末装置20から鍵管理ログを受信し、鍵管理ログ記憶部1042は、受信した鍵管理ログを記憶させることとしたので、鍵管理ログを鍵管理サーバ装置10にリアルタイムに送信し、警備員の行動を監視することができる。
【0092】
なお、上記した実施例1では、携帯通信端末装置20から開錠コード生成要求(現地コード、移動機番号および暗証番号)を受け付けて、暗証番号による判定のみならず、現地コードによる判定も行う場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、暗証番号の判定のみを行って開錠コードを生成するようにしてもよい。
【実施例2】
【0093】
本実施例2は、ATMの鍵の施錠と鍵管理装置の鍵の施錠とを連携させて行う場合について説明する。ここでは、実施例1で説明した内容については説明を省略し、相違する点について説明する。
【0094】
本実施例2に係る鍵管理システム1aの構成は、図2と基本的には同じであるが、鍵管理装置30とATM50が連携している点で実施例1の鍵管理システム1の構成と相違している。すなわち、ATM50は、例えば、有線を介してATM50の鍵の開錠または施錠の状態を鍵管理装置30に通知する手段を有している。したがって、鍵管理装置30は、ATM50が開錠されているか、施錠されているかを知ることができるようにしたので、警備員がATM50の鍵の施錠を忘れて、ATM50の鍵を鍵管理装置30に収納してしまうことを防止することができる。以下においては、本実施例2の鍵管理システム1aがこのような構成であることを前提に説明する。
【0095】
図9を参照して、実施例2に係る鍵管理システム1aの施錠手順について説明する。図9は、実施例2に係る鍵管理システム1aの施錠手順を示すフローチャートである。本フローチャートのステップS710〜ステップS713は、図8に示すフローチャートのステップS608〜ステップS611と同じであるので、ステップS701〜ステップS709について説明する。
【0096】
同図に示すように、携帯通信端末装置20の入力画面表示制御部2071は、出力部202に鍵管理装置施錠要求画面を表示している(ステップS701)。そして、開錠コード送受信部2073は、警備員によって入力画面の“返却”ボタンが選択されると、鍵管理装置30にATM50の鍵の返却を通知する(ステップS702)。
【0097】
一方、ATM50は、ATM50の鍵の状態を鍵管理装置30に送信する(ステップS703)。そして、鍵管理装置30が携帯通信端末装置20からの鍵の返却通知と、ATM50からのATM50の鍵の状態を受信すると、鍵開閉制御部3062は、まずATM50の鍵が施錠されているか否かを確認する(ステップS704)。
【0098】
その結果、ATM50の鍵が施錠されている場合は(ステップS704肯定)、鍵開閉制御部3062は、さらに、鍵管理装置30の鍵が施錠できる状態か否かを判定する(ステップS705)。その結果、鍵管理装置30の鍵が施錠できる場合は(ステップS705肯定)、鍵開閉制御部3062は、鍵管理装置30を施錠し(ステップS706)、鍵管理ログ取得部3063は、ATM50の鍵の開錠時刻、施錠時刻、鍵管理装置の施錠時刻を鍵管理ログとして取得し、鍵管理ログ記憶部3042に記憶させる(ステップS707)。そして、鍵管理ログ送信部3064は、鍵管理ログを携帯通信端末装置20に送信する(ステップS708)。
【0099】
一方、ATM50の鍵が施錠されていない場合(ステップS704否定)、または鍵管理装置30の鍵が施錠できる状態でない場合は(ステップS705否定)、鍵開閉制御部3062は、鍵管理装置30の鍵が施錠できる状態でないことを携帯通信端末装置20に通知する(ステップS709)。
【0100】
上記一連の処理を行うことにより、鍵管理システム1aは、警備員がATM50の施錠を忘れて、ATM50の鍵を鍵管理装置30に収納してしまうことを防止することができる。なお、ここでは、有線を介してATM50の鍵の開錠または施錠の状態を鍵管理装置30に通知する場合について説明したが、無線を介してATM50の鍵の開錠または施錠の状態を鍵管理装置30に通知する場合に適用することもできる。
【0101】
上述してきたように、本実施例2では、ATM50は、鍵管理装置30と有線および/または無線によって接続し、鍵管理装置30にATM50の開錠また施錠を通知するものであって、ATM50が施錠されている場合に、鍵管理装置30を施錠させることとしたので、警備員がATM50の鍵の施錠を忘れることがなく、セキュリティを向上することができる。
【実施例3】
【0102】
本実施例3は、警備員が鍵管理装置30から鍵を取り出して、鍵管理装置30に収納するまでの時間を管理する場合について説明する。ここでは、実施例1で説明した内容については説明を省略し、相違する点について説明する。また、本実施例3に係る鍵管理システム1aの構成は、実施例2の構成と同じである。以下においては、本実施例3の鍵管理システム1aが実施例2の構成であることを前提に説明する。
【0103】
次に、図10を参照して、実施例3に係る鍵管理システム1aの施錠手順について説明する。図10は、実施例3に係る鍵管理システム1aの施錠手順を示すフローチャートである。本フローチャートのステップS801〜ステップS813は、図9に示すフローチャートのステップS701〜ステップS713と同じであるので、ステップS814〜ステップS817について説明する。
【0104】
鍵管理サーバ装置10は、携帯通信端末装置20から鍵管理ログを受信して、鍵管理ログ記憶部1042に記憶させる。これと共に、開錠コード送信制御部1053は、開錠コードが作成されてから所定の時間以内に鍵管理ログを受信したか否かを判定する(ステップS814)。その結果、開錠コードが作成されてから所定の時間以内に鍵管理ログを受信しなかった場合は(ステップS814否定)、開錠コード送信制御部1053は、異常事態が発生したものとして出力部102に警報を出力、例えば、表示する(ステップS815)。
【0105】
一方、開錠コードが作成されてから所定の時間以内に鍵管理ログを受信した場合は(ステップS814肯定)、開錠コード送信制御部1053は、さらに、ATM/鍵管理装置の開錠/施錠が所定の時間以内に行われたか否かを判定する(ステップS816)。例えば、開錠コード送信制御部1053は、開錠コードが作成されてから鍵管理装置30が開錠されるまでの時間、鍵管理装置30が開錠されてからATM50の鍵が開錠されるまでの時間、ATM50の鍵が開錠されてからATM50の鍵が施錠されるまでの時間、ATM50の鍵が施錠されてからATM50の鍵を鍵管理装置30に収納するまでの時間の少なくともいずれか一つが所定の時間以内に行われたか否かを判定する。
【0106】
その結果、ATM/鍵管理装置の開錠/施錠が所定の時間以内に行われなかった場合は(ステップS816否定)、開錠コード送信制御部1053は、出力部102に警報を出力する(ステップS817)。一方、ATM/鍵管理装置の開錠/施錠が所定の時間以内に行われた場合は(ステップS816肯定)、開錠コード送信制御部1053は、本手順を終了する。
【0107】
上記一連の処理を行うことにより、鍵管理システム1aは、現場における警備員の行動をリアルタイムで監視することができる。なお、ここでは、ATM50の鍵の開閉信号は、鍵管理装置30および携帯通信端末装置20を介して鍵管理サーバ装置10に送信される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ATM50の鍵の開閉信号は、図1に示すATM監視サーバ装置40を介して鍵管理サーバ装置10に送信する場合に適用することができる。
【0108】
上述してきたように、本実施例3では、鍵管理ログ送信部3064は、ATM50が開錠された時刻およびATM50が施錠された時刻とをさらに含む鍵管理履歴情報を通信端末装置20に送信し、鍵管理サーバ装置10は、通信端末装置20から受信した鍵管理履歴情報に基づいて算出された鍵管理装置30が開錠されてからATM50が開錠されるまでの時間、ATM50が開錠されてからATM50が施錠されるまでの時間、ATM50が施錠されてから鍵管理装置30が施錠されるまでの時間の少なくともいずれか一つが所定の時間以内でなかった場合は、警報を出力することとしたので、警備員の行動をより詳細にリアルタイムで監視することができ、不正な行為を防止し、セキュリティを向上することができる。
【0109】
ところで、本実施例1では、携帯通信端末装置20が鍵管理サーバ装置10から開錠コードを受信し、受信した開錠コードを用いてATM50を開錠する場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、利用できる日時を限定した、および/または利用できる場所を限定した携帯通信端末装置20上の開錠コードを用いてATM50やATMコーナ扉を開錠する場合に適用することができる。この場合、鍵管理サーバ装置10と通信できない領域でも開錠コードを利用できる。
【0110】
また、本実施例1および3では、鍵管理ログ送信部3064は、鍵管理装置30から携帯通信端末装置20を経由して鍵管理サーバ装置10に鍵管理ログを送信する場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、鍵管理ログ送信部3064は、鍵管理装置30から鍵管理サーバ装置10に直接鍵管理ログを送信する場合に適用することができる。この場合、鍵管理ログが携帯通信端末装置20に滞留することがないので、鍵管理サーバ装置10は、より短時間で鍵管理ログを取得できる。
【0111】
また、本実施例1では、図5に示すようにATM鍵が鍵管理装置30のキーホルダに保持され、収納されている場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、図11に示すようにATM鍵ボタンが鍵管理装置30に内蔵されている場合に適用することができる。例えば、開錠すべきATM鍵ボタンが緑色に点灯したキーランプによって表示され、表示されたATM鍵ボタンが押されると、押されたATM鍵ボタンに対応するATM50が開錠すると共にキーランプが赤色に変化して、ATM50が開錠されていることを表示する。この場合、ATM鍵をキーホルダから取り外したり、保持したりする必要がないので、ATM鍵の操作性を改善すると共に、ATM鍵の紛失、盗難、もしくは警備員がATM鍵を持ったまま行方不明になるなどの事故が発生しない。
【産業上の利用可能性】
【0112】
以上のように、本発明にかかる鍵管理システム及び鍵管理装置は、金融関係のATMの鍵の管理に適している。
【符号の説明】
【0113】
1、1a 鍵管理システム
10 鍵管理サーバ装置
20 携帯通信端末装置
30 鍵管理装置
40 ATM監視サーバ装置
50 ATM
101、201、301 入力部
102、202、302 出力部
103、203 無線通信部
1031、2031 無線通信アンテナ
104 記憶部
1041 鍵管理情報記憶部
1042 鍵管理ログ記憶部
1043 現地コード記憶部
105 制御部
1051 ATM不具合通知受付部
1052 開錠コード生成部
1052a 開錠コード暗号化部
1053 開錠コード送信制御部
1053a 警備員検索部
1054 鍵管理ログ受信部
1055 現地コード判定部
106、307 計時部
205、303 赤外線通信部
206 記憶部
2061 暗証番号記憶部
2062 開錠コード記憶部
2063 鍵管理ログ記憶部
207 制御部
2071 入力画面表示制御部
2072 暗証番号認証部
2073 開錠コード送受信部
2074 鍵管理ログ送受信部
304 記憶部
3041 開錠コード記憶部
3042 鍵管理ログ記憶部
305 鍵開閉部
306 制御部
3061 開錠コード受信部
3062 鍵開閉制御部
3063 鍵管理ログ取得部
3064 鍵管理ログ送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動現金預け払い機と、該自動現金預け払い機の鍵を収納する施錠可能な鍵管理装置とからなる鍵管理システムであって、
前記自動現金預け払い機は、
前記鍵管理装置と有線および/または無線によって接続され、該自動現金預け払い機の施錠の状態を前記鍵管理装置に対して通知するものであり、
前記鍵管理装置は、
前記自動現金預け払い機から通知された該自動現金預け払い機の施錠の状態に応じて該鍵管理装置の施錠状態を制御する鍵開閉制御手段を備えた
ことを特徴とする鍵管理システム。
【請求項2】
前記鍵管理装置は、
該鍵管理装置から取り出された前記自動現金預け払い機の鍵の識別情報、該鍵管理装置が開錠された時刻、該鍵管理装置が施錠された時刻を少なくとも含む鍵管理履歴情報を記憶する鍵管理履歴情報記憶手段と、
該鍵管理装置と通信可能に接続されるとともに該鍵管理装置を管理する鍵管理サーバ装置に対して前記鍵管理履歴情報記憶手段に記憶された鍵管理履歴情報を送信する鍵管理履歴情報送信手段とをさらに備え、
前記鍵管理サーバ装置は、
前記鍵管理装置から受信した鍵管理履歴情報に基づいて算出された前記鍵管理装置が開錠されてから前記自動現金預け払い機が開錠されるまでの時間、該自動現金預け払い機が開錠されてから該自動現金預け払い機が施錠されるまでの時間、該自動現金預け払い機が施錠されてから前記鍵管理装置が施錠されるまでの時間の少なくともいずれか一つが所定の時間以内でなかった場合は、警報を出力する警報出力手段を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の鍵管理システム。
【請求項3】
前記鍵管理装置は、使用者による鍵の返却要求がなされた時に、前記自動現金預け払い機が開錠状態である場合には、前記鍵管理装置が施錠できる状態でないことを前記使用者に通知する通知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の鍵管理システム。
【請求項4】
自動現金預け払い機と接続され、該自動現金預け払い機の鍵を収納し施錠可能な鍵管理装置であって、
前記自動現金預け払い機から通知された該自動現金預け払い機の施錠の状態に応じて該鍵管理装置の施錠状態を制御する鍵開閉制御手段
を備えたことを特徴とする鍵管理装置。
【請求項5】
使用者による鍵の返還要求がなされた時に、前記自動現金預け払い機が開錠状態である場合には、前記鍵管理装置が施錠できる状態でないことを前記使用者に通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の鍵管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図6−5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−285865(P2010−285865A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158244(P2010−158244)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【分割の表示】特願2004−299411(P2004−299411)の分割
【原出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】