電気的特性検査装置におけるプロービング装置およびプロービングシート構造並びに角錐バンプ付プリント配線基板の製造方法
【課題】 SAWフィルタなどの電子部品に対する高周波特性の損失を少なくした高精度なプローブ測定が可能となる電気的特性検査装置におけるプロービング装置およびプロービングシート構造を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、スルーホール48a、48bで接続された表裏配線パターン48(60a、62a)、46(60b、62b)を有し、裏面パターン上に信号用とグランド用の角錐バンプ(50a、50b)を形成し、信号用角錐バンプおよびグランド用角錐バンプを、それぞれ対応する裏面パターン、スルーホール、表面パターンを径由して、信号入出力用の同軸コネクタ34に接続したプリント配線基板42を備えて構成したプローブシート構造30を備えたプロービング装置である。
【解決手段】 本発明は、スルーホール48a、48bで接続された表裏配線パターン48(60a、62a)、46(60b、62b)を有し、裏面パターン上に信号用とグランド用の角錐バンプ(50a、50b)を形成し、信号用角錐バンプおよびグランド用角錐バンプを、それぞれ対応する裏面パターン、スルーホール、表面パターンを径由して、信号入出力用の同軸コネクタ34に接続したプリント配線基板42を備えて構成したプローブシート構造30を備えたプロービング装置である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波信号を扱うSAWフィルタなどの電子部品の特性検査を行うための電気的特性検査装置におけるプロービング装置およびプロービングシート構造並びにはんだ角錐バンプ付プリント配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品の電気特性を測定するプローブ端子として、カンチレバーを用いた構造のものが多く用いられている。カンチレバー方式のプローブ端子の構造に関しては、例えば、特開平09―281142号公報において知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】SAWフィルタなどの電子部品に対する高周波特性の測定では、信号ピンとグランドエリアを隔離させないことが重要である。ところが、上記従来のカンチレバー方式では細線の同軸プローブピンを形成することが困難であるため、グランド効果が大幅に低下するという課題があった。
【0004】また、狭ピッチ、微細パターンの測定には複数のプローブピン先端の位置と高さを正確に制御することが必要であるが、カンチレバー方式ではこの作業が非常に難しくなってきている。また、カンチレバー方式では、特性測定時にプローブピン先端がウエハの電極に接触した後、電極上を若干スライドしひっかくことになるため、電極上を損傷して次工程のワイヤボンディングに支障をきたす。また、スライドによって電極上のAl等の金属がプローブピン先端に付着するため、プローブピン先端を定期的に清掃する工程が必要になる等の課題があった。
【0005】本発明の目的は、上記課題を解決すべく、SAWフィルタなどの電子部品に対する高周波特性の損失を少なくした高精度なプローブ測定が可能となる電気的特性検査装置におけるプロービング装置およびプロービングシート構造を提供することにある。
【0006】また、本発明の他の目的は、角錐バンプを被検査対象物の電極に垂直に接触させるため、電極に損傷を与えることが無く、また角錐バンプ先端が電極上をスライドしないため角錐バンプ先端に汚れが発生しにくく、検査効率を大幅に向上できる電気的特性検査装置におけるプロービング装置およびプロービングシート構造を提供することにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、プローブシート構造として基板ホルダに取付けられるプリント配線基板に信号用とグランド用として接近して配置する角錐バンプをホトマスクを用いた薄膜形成技術を使って形成できるため、狭ピッチ、微細パターンのプローブ端子が実現でき、先端の位置精度と高さ精度を容易に高度に実現できる角錐バンプ付プリント配線基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、スルーホールで接続された表裏配線パターンを有し、裏面パターン上に信号用とグランド用の角錐バンプを形成し、信号用角錐バンプおよびグランド用角錐バンプを、それぞれ対応する裏面パターン、スルーホール、表面パターンを径由して、信号入出力用の同軸コネクタに接続したプリント配線基板を備えて構成したプローブシート構造を備えたプロービング装置である。
【0009】また、本発明は、スルーホールで接続された表裏配線パターンを有し、裏面パターン上に信号用とグランド用の角錐バンプを形成して、信号用角錐バンプおよびグランド用角錐バンプを、それぞれ対応する裏面パターン、スルーホール、表面パターンを径由して、信号入出力用の同軸セミリジットケーブルに接続したプリント配線基板を備えて構成したプローブシート構造を備えたプロービング装置である。
【0010】また、本発明は、被検査対象物の電気的特性を検査する電気的特性検査装置における本体特性測定装置に対して複数の同軸ケーブルで接続されるプロービング装置において、前記被検査対象物を載置するステージ機構と、該ステージ機構に対向するように支柱に支持されるプローブシート保持具と、該プローブシート保持具に保持され、スルーホールで接続された表面側および裏面側の配線パターンを有し、該裏面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々に信号線用角錐バンプを設け、前記裏面側の配線パターンにおけるグランド用パターンに複数のグランド用角錐バンプを設け、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を前記各同軸ケーブルの接続部(同軸コネクタ若しくは同軸セミリジットケーブル)の信号線部と接続し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを前記各同軸ケーブルの接続部(同軸コネクタ若しくは同軸セミリジットケーブル)のグランド線部と接続して構成されるプリント配線基板を備えて構成したプローブシート構造とを備え、該プローブシート構造におけるプリント配線基板の裏面側に設けられた複数の信号線用角錐バンプおよび複数のグランド用角錐バンプを、前記ステージ機構上に載置された被検査対象物上に配置された電極と相対的に位置決めして所望の接触圧で接触させて被検査対象物に対して電気的特性検査用の信号の授受を行って電気的特性検査を行うように構成したことを特徴とする。
【0011】なお、前記プローブシート構造としては、中央を開口させた基板ホルダを設け、該基板ホルダの枠に複数の同軸ケーブルの接続部(同軸コネクタ若しくは同軸セミリジッドケーブル)を固定し、この基板ホルダに前記プリント配線基板を取付けてもよい。
【0012】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を、各同軸ケーブルの接続部の信号線とはんだ接続して構成し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを、各同軸ケーブルの接続部のグランド線部とはんだ接続して構成することを特徴とする。
【0013】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造における各同軸ケーブルの接続部を、同軸セミリジットケーブルで構成したことを特徴とする。
【0014】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造における各同軸ケーブルの接続部を、同軸コネクタで構成したことを特徴とする。
【0015】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをはんだ材料で形成したことを特徴とする。
【0016】また、本発明は、前記プロービング装置のはんだ角錐バンプの表面を、Ni、ロジューム、イリジュームを主成分とする材料で被覆したことを特徴とする。
【0017】また、本発明は、前記プロービング装置のはんだ角錐バンプの先端には平坦部を有することを特徴とする。
【0018】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをAu、Cu、NiおよびAuとSnの合金を主成分とする材料で形成したことを特徴とする。
【0019】また、本発明は、前記プロービング装置の角錐バンプの表面を、Ni、ロジューム、イリジュームを主成分とする材料で被覆したことを特徴とする。
【0020】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをスルーホール直下に形成したことを特徴とする。
【0021】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをスルーホールと繋がるパッド上に形成したことを特徴とする。
【0022】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプとして、複数の角錐突起を有することを特徴とする。
【0023】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプとして、先端に平坦な部分を有することを特徴とする。
【0024】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプとして、該角錐バンプより硬度の小さい台座を有することを特徴とする。
【0025】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、被検査対象物における電極の高さの変化に対応させて角錐バンプの先端の高さを変化させて構成したことを特徴とする。
【0026】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板を、内部に配線パターンを形成した金属板を有するメタルコアー配線基板で構成し、前記金属板をグランドパターンにしたことを特徴とする。
【0027】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプ形成エリア部を周辺部の基材に比べて厚肉化して構成したことを特徴とする。
【0028】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプ形成エリア部を、小形基板を積層することによって周辺部に比べて厚肉化して構成したことを特徴とする。
【0029】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプ形成エリア部を被検査対象物に対して凸状になるように周辺部を変形させて構成したことを特徴とする。
【0030】また、本発明は、被検査対象物の電気的特性を検査する電気的特性検査装置における本体特性測定装置に対して複数の同軸ケーブルで接続されるプロービング装置において、前記被検査対象物を載置するステージ機構と、該ステージ機構に対向するように支柱に支持されるプローブシート保持具と、該プローブシート保持具に保持され、スルーホールで接続された表面側および裏面側の配線パターンを有し、該表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々に裏面側から接続させて裏面側に穿設された凹部内に信号線用角錐バンプを設け、前記裏面側の配線パターンにおけるグランド用パターンに複数のグランド用角錐バンプを設け、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を前記各同軸ケーブルの接続部の信号線部と接続し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを前記各同軸ケーブルの接続部のグランド線部と接続して構成されるプリント配線基板を備えて構成したプローブシート構造とを備え、該プローブシート構造におけるプリント配線基板の裏面側に設けられた複数の信号線用角錐バンプおよび複数のグランド用角錐バンプを、前記ステージ機構上に載置された被検査対象物上に配置された電極と相対的に位置決めして所望の接触圧で接触させて被検査対象物に対して電気的特性検査用の信号の授受を行って電気的特性検査を行うように構成したことを特徴とする。
【0031】また、本発明は、スルーホールで接続された表面側および裏面側の配線パターンを有し、該裏面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々に信号線用角錐バンプを設け、前記裏面側の配線パターンにおけるグランド用パターンに複数のグランド用角錐バンプを設け、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を複数の同軸ケーブルの各々の接続部の信号線部と接続し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを前記複数の同軸ケーブルの各々の接続部のグランド線部と接続して構成されるプリント配線基板を備えて構成することを特徴とするプローブシート構造である。
【0032】また、本発明は、スルーホールを介して表裏の配線パターン同士を接続したプリント配線基板を製造するプリント基板製造工程と、Si基板を選択エッチングをして複数の信号用角ピットおよび複数のグランド用角ピットを形成する角ピット形成工程と、該角ピット形成工程で形成されたSi基板の複数の信号用角ピットおよび複数のグランド用角ピットの各々にはんだホールを搭載するはんだボール搭載工程と、該はんだボール搭載工程でSi基板の複数の信号用角ピットおよび複数のグランド用角ピットの各々に搭載されたはんだボールと、前記プリント配線基板製造工程で製造されたプリント配線基板の裏面配線パターンにおける複数の信号パターンおよびグランドパターンとを、相対的に位置合わせをして加熱することにより各はんだボールを溶融して、プリント配線基板側では裏面配線パターンと接続し、更にSi基板側では角ピットの形状に倣って角錐バンプを形成し、該形成されたはんだ角錐バンプを冷却・硬化させた後、Si基板を取り外すことによって複数の信号用はんだ角錐バンプおよび複数のグランド用はんだ角錐バンプが転写されたプリント配線基板を得るバンプ形成工程とを有することを特徴とする角錐バンプ付プリント配線基板の製造方法である。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】まず、本発明に係るSAWフィルタなどの電子部品の検査装置の実施例について図1〜図5を用いて説明する。図1は本発明に係るSAWフィルタなどの電子部品の検査装置の一実施例を示す外観図である。 SAWフィルタ等のチップを多数配列されて形成された被検査対象のウエハ40は、ウエハ保持ステージ20上に載置される。ウエハ保持ステージ20を固定したXテーブル12、Yテーブル14、Zテーブル16、およびθテーブル18は、架台10上に設置される。そして、それぞれのテーブル12、14、16、18は、コントローラ22によって駆動制御されることによって、被検査対象のウエハ40をプローブシート構造30に対してX方向、Y方向、Z方向、およびθ(回転)方向に位置決めできるように構成されている。
【0035】そして、上記プローブシート構造30は、架台10上に設置された支柱24に組み込まれたプローブシート保持具26に固定される。更に、プローブシート構造30には、同軸ケーブル32と着脱可能な同軸コネクタ34が取り付けられる。この同軸ケーブル32の他端は、ウエハに配列されたチップ(電子部品)の電気的特性を測定する本体特性測定装置36に接続されている。
【0036】テーブル12にはプローブシート構造30に設けられた端子50a、50bなどの画像を撮像するカメラ38が取り付けられ、架台10にはウエハ40の各チップに形成されたパッド(電極)の画像を撮像するカメラ39が取り付けられている。
【0037】従って、コントローラ22が、カメラ38で撮像される画像と、カメラ39で撮像される画像とに基づいて、Xテーブル12、Yテーブル14、およびθテーブル18を駆動制御することにより、ウエハ40の各チップに形成されたパッド(電極)を、プローブシート構造30に設けられた端子50a、50bなどに対してX−Y平面内において相対的に位置決めすることを可能にしている。
【0038】更に、コントローラ22による例えばZステージ16の駆動制御は、ウエハ40の各チップに形成されたパッド(電極)がプローブシート構造30に設けられた端子50a、50bに接触した際、所望の接触圧が得られるように行われる。即ち、コントローラ22は、ウエハ40の各チップに形成されたパッド(電極)がプローブシート構造30に設けられたプローブ端子(角錐バンプ)50a、50bに接触した際の接触圧を任意に設定できるように構成されている。
【0039】次に、本発明に係るプローブシート構造30の実施例について図2〜図5を用いて説明する。図2は本発明に係るプローブシート構造30の一実施例を示す断面図である。
【0040】プローブシート構造30は、プローブシート保持具26に取り付けられる中央に開口を形成した長方形の枠状(額縁状)の基板ホルダ52と、基板ホルダ52の下面に固定されるプリント配線基板42とによって構成される。基板ホルダ52に形成された開口は、同軸コネクタ34もしくは同軸セミリジットケーブル35が、斜め方向からプリント配線基板42の表面に導けるように、上方に向かって拡開して(傾斜面53を有して)形成されている。そして、プリント配線基板42は、厚さが0.4〜1.5mm程度のガラスエポキシ基板で形成される。このプリント配線基板42の表面には、信号パターン60とグランドパターン62とからなるCuなどの導体表面パターン44が形成され、プリント配線基板42の裏面には信号パターン60とグランドパターン62とからなるCuなどの導体裏面パターン46が形成され、表面パターン44と裏面パターン46とはスルーホール48でつながって形成される。更に裏面パターン46上の信号パターン60およびグランドパターン62の各々には、ウエハ40の各チップに形成されたパッド(電極)と接触接続するための角錐バンプ50が形成されている。
【0041】同軸コネクタのセミリジットケーブル35をつなげた同軸コネクタ34は、断面が三角形状をしたコネクタホルダ54を介して基板ホルダ52に傾斜させて固定されている。同軸ケーブル32のプローブシート側が着脱自在に接続される接続部である同軸コネクタ34若しくは同軸コネクタにつながる同軸セミリジットケーブル35の信号線部66およびグランド線部68の各々は、はんだ56a、56bによってプリント配線基板42の表面パターン44の信号パターン60aおよびグランドパターン62aの各々と接続されている。即ち、同軸コネクタ34若しくは同軸コネクタ34につながった同軸セミリジットケーブル35の信号線部66は、表面パターン44の信号パターン60aとはんだ56aによって接続される。同軸コネクタ34若しくは同軸コネクタにつながった同軸セミリジットケーブル35のグランド線部68は、表面パターン44のグランドパターン62aとはんだ56bによって接続される。
【0042】図3は本発明に係るプローブシート構造30の断面図詳細、図4は角錐バンプ配置部の平面図、図5は同軸コネクタ取り付け部の平面図である。これらの図において、図2と同一符号の要素は同一内容を示す。
【0043】角錐バンプ50aは、信号用の角錐バンプで、裏面パターン46の信号パターン60b上に設けられ、スルーホール48aを介して表面パターン44の信号パターン60aにつながる。この表面パターン44の信号パターン60aは、さらにはんだ56aによって同軸コネクタ34若しくは同軸コネクタにつながった同軸セミリジットケーブル35の信号線部66につながっている。なお、同軸ケーブル32のプローブシート側の接続部が着脱自在に挿着される同軸コネクタ34は、同軸セミリジットケーブル35をつなげており、コネクタホルダ54を介して基板ホルダ52に傾斜させて固定される。
【0044】角錐バンプ50bは、グランド用角錐バンプで、同様に裏面パターン46のグランドパターン62b上に設けられ、スルーホール48bを介してグランドパターン62aにつながり、さらにはんだ56bによって、同軸ケーブル32の接続部である同軸コネクタ34若しくは同軸コネクタにつながった同軸セミリジットケーブル35のグランド線部68につながっている。
【0045】以上説明したように、プリント配線基板42の表面パターン44とウエハに配列されたチップ(電子部品)の電気的特性を測定する本体特性測定装置36との間を、高周波信号特性に対して影響を受け難い同軸ケーブル32で接続するように構成した。そして、同軸ケーブル32の接続部である同軸コネクタ34若しくは同軸セミリジットケーブル35の信号線部66をはんだ接続する表面の信号パターン60aから裏面の信号用の角錐バンプ50aまでの距離を、スルーホール48aを介してできるだけ短くし、しかも、同軸ケーブル32の接続部である同軸コネクタ34若しくは同軸セミリジットケーブル35のグランド線部68をはんだ接続する表面のグランドパターン62aからスルーホール48bを介して裏面のグランド用角錐バンプ50bまで、上記表面の信号パターン60aおよび裏面の信号パターン60bの周囲を囲むように形成して高周波信号特性に対して影響を受けないように構成した。この結果、グランド効果を低下させることなく、SAWフィルタ等の電気的特性を高精度に測定することを可能にした。
【0046】次に、本発明に係る検査装置の動作の概略について図1〜図5を用いて説明する。本体特性測定装置36との間を、同軸ケーブル32が挿着される同軸コネクタ34に対して同軸セミリジッドケーブル35で接続されたプローブシート構造30は、予めプローブシート保持具26に固定されている。
【0047】そして、特性検査を行うウエハ40は、ウエハ保持ステージ20上に設置され、真空にて吸着保持される。この状態で、コントローラ22からの制御によりXテーブル12を駆動させて、カメラ38によってプローブシート構造30裏面に形成された位置あわせマーク(図示せず)を読み取り、同時にカメラ39によってウエハ40上に形成された位置あわせマーク(図示せず)を読み取る。この結果をもとに、コントローラ22にて制御処理を行い、ウエハ40上の電極を、プローブシート構造30上の角錐バンプ50aおよび50bに位置合わせされる。この状態で、Zテーブル16を駆動させてウエハ40を上昇させ、ウエハ40の電極が角錐バンプ50aおよび50bの先端と接触したときから、Zテーブル16を所望の微量上昇させることによって、角錐バンプ50aおよび50bは、ウエハ40の電極に対して所望の接触圧を得て電気的に接続される。このように、角錐バンプ50aおよび50bのウエハ40上の電極に対する接触圧力は、プリント配線基板42の僅かな撓みによって得ることが可能となる。特に、図4および図5に示すように、対なる角錐バンプ50aの中心軸を基準に、信号パターン60aおよび60b並びにはんだ接続される同軸セミリジッドケーブル35が、軸対称に配置されているので、対なる角錐バンプ50aおよび50bの各々は、ウエハ40上の電極に対して均一な接触圧力を得ることが可能となる。更に、対なる角錐バンプ50aおよび50bの各々の先端が、ウエハ40上の電極に接触した際、基本的に横方向には微動しないので、電極の損傷を防止することも可能となる。
【0048】このように、角錐バンプ50aおよび50bがウエハ40上の電極と接続されると、本体特性測定装置36は、同軸ケーブル32および該同軸ケーブル32の接続部が挿着された同軸コネクタ35につながった同軸セミリジッドケーブル35を通してウエハ40上の所望のチップに信号を送信し、受信される信号に基づいて上記チップの電気的特性の測定を実行する。
【0049】本体特性測定装置36による測定は、ウエハ上の1個または複数個のチップを1動作で行うが、この1動作終了後に、コントローラ22は、Zテーブル16を下降させるように制御し、更にXテーブル12およびYテーブル14を駆動制御してウエハ40を他のチップの位置に移動させ、本体特性測定装置36は、先ほどと同じ動作で次のチップの特性測定を行う。
【0050】次に、本体特性測定装置36による特性測定時の信号経路について説明する。まず、信号パターン60aにスルーホール48aを介して接続された角錐バンプ50aは、ウエハ40上の信号用の電極に接触し、グランドパターン62aにスルーホール48bを介して接続された角錐バンプ50bは、同じくウエハ上のグランド電極と接触する。本体特性測定装置36から2本の同軸ケーブル32により送られてきた2つの電気信号(入力信号)の各々は、各々同軸コネクタ34を径由して同軸セミリジットケーブル35の信号線部66を通り、各信号パターン60およびスルーホール48aから各角錐バンプ50aを径由して、測定対象物であるウエハ上におけるチップの2つの入力電極に送信され、チップ内に伝達される。チップ内回路からの2つの戻り信号(出力信号)の各々は、各角錐バンプ50bから各グランドパターン62およびスルーホール48bを通って、各同軸セミリジットケーブル35のグランド線部68、同軸コネクタ34を通り本体特性測定装置36に戻り、電気的特性が測定される。
【0051】本実施例は、SAWフィルタなどの高周波用チップの特性測定を対象としているため、プリント配線基板42の表面および裏面における信号パータン60とグランドパターン62を極力近づけて配置し、高周波信号の損失を小さく押さえている。また、角錐バンプ50と配線パターン60をホトリソ工程で製作することによって角錐バンプ50および信号パターン60のサイズを小さくし、良好な高周波特性を得ている。
【0052】なお、以上の説明では、チップ毎にプロービングをすることにより(錐バンプを電極に接触させて接続することにより)、信号の授受を行って高周波電気特性を測定して検査を行うことについて説明したが、複数チップについて同時にプロービングをすることにより(同軸ケーブル32、該同軸ケーブル32を接続する同軸コネクタ34、該同軸コネクタ34から導かれる同軸セミリジットケーブル35、プリント配線基板上の配線パターン、および裏面に設ける角錐パッドを設けることによって、複数チップに対して同時に角錐バンプを電極に接触させて接続することにより)、複数チップに亘って同時に信号の授受を行って一括して高周波電気特性を測定して検査を行っても良い。
【0053】次に、角錐バンプ50の形成方法の実施例について、図6および図7を用いて説明する。まず、図6(a)に示すように、Si基板70の上面に塗布、硬化したエッチング用レジスト膜72面にホトマスク74の角ピットパターン75を露光、焼き付けする。図6(b)には、焼き付け後現像処理を行った後のレジスト膜72を示している。この状態で、Si基板70をエッチングすることによって図6(c)に示すように、角ピット76をSi基板70に形成する。その後、レジスト膜72を剥離することによって、図6(d)に示す如く、角ピット76が形成されたSi基板70が完成する。角ピットの形状は、Si基板70のエッチング面を選択することによって決定される。本実施例では、エッチング面を111面にすることにより四角錐の角ピット76を形成している。実作業ではSi基板70の裏面のエッチングを防止するため、裏面にもエッチングレジスト膜を施す処理、さらには角ピット76形成後に角ピット76内部およびSi基板70表面を金属に塗れにくくするための酸化Si膜形成処理を行う。
【0054】次に、上記Si基板70を鋳型としてプリント配線基板42に角錐バンプを形成する工程について、図7(a)〜(c)を用いて説明する。まず、図7(a)に示すように、Si基板70の角ピット76部にフラックス80を塗布し、はんだボール82を搭載する。ついで、図7(b)に示すように、プリント配線基板42の裏面パターン46とはんだボール82とを位置合わせし、加熱することによってはんだボール82を溶融して、プリント配線基板42側では裏面パターン46と接続し、Si基板70側では角ピット76の形状に倣って角錐バンプを形成する。Si基板70面にははんだがぬれない処理が施されているため、はんだを冷却、硬化させた後、Si基板70を取り外すことによって、図7(c)に示す如く、角錐バンプ50が転写されたプリント配線基板42を完成させることが可能となる。このように、角錐バンプ50をはんだボール82を用いて形成することにより、角ピット76の形状に倣って転写することができると共にプリント配線基板の裏面パターン46への接続を同時に行うことができるメリットを有する。更に、角錐バンプ50の先端の摩耗を防止するために、角錐バンプ50の表面に、硬質Niめっき等の処理を施して硬度を上げれば良い。
【0055】本実施例では、Au−20Sn組成のはんだボール82を用いたが、特にこの組成に限定するものではない。
【0056】また、本実施例では角錐バンプ50の形成にAu−20Snのはんだボール82を用いたが、角ピット76に、めっき、蒸着あるいは印刷等の手法によって金属(例えば、Au、Cu、Ni若しくはAuとSnの合金を主成分とする金属)を充填し、この金属をプリント配線基板42の裏面パターン46に転写して結合させて角錐バンプ50を形成する方法も有効である。即ち、図6(a)〜図6(d)で出来上がったSi基板70の各ピッ76を含む上面に、めっき用導電金属膜をスパッタ等によって成膜し、その上にめっきレジスト膜を塗布して硬化し、角ピット76に対応するパターンを有するホトマスクを用いて露光・現像して角ピット76上のめっきレジスト膜を除去してめっき用導電金属膜を露出し、該露出されためっき用導電金属膜を用いてこの部分(角錐ピット76内)にめっきによって、導電金属(例えば、Au、Cu、Ni若しくはAuとSnの合金を主成分とする金属)を充填し、その後、角錐ピット76の外側のめっきレジスト膜およびめっき用導電金属を剥離することによって、図7(a)に示すような、Si基板70の角錐ピット76上にめっき導電金属が充填された角錐バンプが形成されることになる。そこで、つづいて、図7(b)に示すように、プリント配線基板42の裏面パターン46とめっき導電金属が充填された角錐バンプとを位置合わせし、加熱圧着することによってめっき導電金属が充填された角錐バンプを、プリント配線基板42側では裏面パターン46と接続し、Si基板70側では角ピット76の形状に倣って角錐バンプを形成する。その後、Si基板70を取り外すことによって、図7(c)に示す如く、角錐バンプ50が転写されたプリント配線基板42を完成させることが可能となる。
【0057】なお、例えば、Au、Cu、Ni若しくはAuとSnの合金を主成分とする金属からなる角錐バンプ50の表面に、Ni、ロジューム、イリジュームを主成分とする材料でコーテイングすることによって角錐バンプ50の先端の摩耗を低減することが可能となる。
【0058】次に、角錐バンプ50の形状の実施例について、図8〜図13を用いて説明する。図8〜図11には、(a)に角錐バンプ50の断面を、(b)に角錐バンプ50の斜視図を示し、図12、および図13には、角錐バンプ50の斜視図のみを示す。図8は先端が鋭角に形成されたもの、図9は先端の一部を平坦化し、角フラット面92としたもの、図10は1個の角錐バンプに複数個の小突起92を形成したもの、図11は図10の先端を平坦化し、小フラット面96を有するもの、図12は先端を線状に形成し、稜線部98を有するもの、図13は先端の平坦部を矩形状にした矩形フラット面100を有するものである。
【0059】これらの形状は、被検査対象の電極の形状、寸法、性状等によって使い分けることにより効率的な測定が可能となる。また、これらの角錐バンプ50の形状は、Si基板70に角ピット76を形成する時に角ピットパターン形状を変えることによって作成しておくことが効率的であるが、図9、図11、および図13に示す先端を平坦化する処理は、角錐バンプ50を形成後に先端をつぶすことによって平坦化することも可能である。
【0060】以上説明したように、角錐バンプ50の形状としては、作り易さの点から、図9に示す如く、先端を平坦にしたものが耐摩耗性を考慮して最も好ましいことになる。
【0061】次に、プリント配線基板42上の角錐バンプ50形成位置の実施例について、図14および図15を用いて説明する。図14は、スルーホール48(48a、48b)につながる裏面パターン46(60b、62b)の上に角錐バンプ50(50a、50b)を形成したものである。これに対し、図15は、スルーホール48(48a、48b)の直下に角錐バンプ50(50a、50b)を形成したものである。このように、角錐バンプ50(50a、50b)をスルーホール48(48a、48b)の直下に形成することにより、バンプが形成されている配線パターンの電気容量を小さくすることができ、その結果高周波に有利な構造となる。
【0062】本発明に係る検査装置においては、角錐バンプ50が常に一定荷重で被検査対象の電極に接触することが重要である。この目的を果たす構造の実施例を図16〜図18を用いて説明する。
【0063】第1の構造は、図16に示すように、プリント配線基板42の角錐バンプ50(2つの信号用角錐バンプ50a、および2つのグランド用角錐バンプ50b)の配置エリア部を1.5mm〜3mm程度に厚くして板厚部120を形成し、基板ホルダ52の開口内において板厚部120の周囲を0.4mm〜1mm程度に薄くして板薄部122を形成したものである。この第1の構造は、角錐バンプ50部を厚くすることによって板厚部120に剛性を持たせ、良好な平坦度を保持できるようにするとともに、板薄部122を軟構造とすることによってばね性を持たせ、測定端子(角錐バンプ)50からウエハ上の電極に対して常に一定荷重がかけられるように構成している。
【0064】第2の構造は、図17に示すように、角錐バンプ50(2つの信号用角錐バンプ50a、および2つのグランド用角錐バンプ50b)を形成した0.2mm〜1mm程度の厚さで、基板ホルダ52の開口よりも小さくした小基板110と、電気配線に必要な裏面パターン46(60b、62b)、スルーホール48(48a、48b)、表面パターン44(60a、62a)を有する0.4mm〜1.5mm程度の厚さのプリント配線基板42とを電気的に接続した積層構造で、図16に示す構造と同じ効果が得られる。なお、小基板110も、図4および図5に示すプリント配線基板42と同様に、表面パターン114、スルーホール112(112a、112b)、および裏面パターン116を、信号用とグランド用とに分けて形成している。更に、角錐バンプ50は測定の繰り返しによって先端が摩耗、変形するため、所定回数測定を行った後で交換することが必要になるが、図17に示す積層構造では小基板110とプリント配線基板42とをはんだ等で接続することにより、小基板110のみの交換が容易に行えるという効果がある。
【0065】第3の構造は、図18に示すように、0.4mm〜1.5mm程度の厚さのプリント配線基板42の基材を、角錐バンプ50を配列した領域の周囲において変形させてばね性を持たせることによって、荷重の均一化を図ることが可能な構造である。
【0066】次に、角錐バンプの形成の実施例を図19〜図21を用いて説明する。角錐バンプの形成の第1の実施例は、図19に示すように、プリント配線基板42の裏面パターン46(60b、62b)上にあらかじめAuバンプ130を形成した後に、その上に角錐バンプ50(50a、50b)を形成したものである。Auバンプ130は、Au線を用いたスタッドバンプ方式が有効であるが、めっき、印刷等で形成してもよい。Auバンプ130は柔らかく、しかも角錐バンプ50にAu−20Snなどのはんだを用いると、特性測定時の角錐バンプ50先端に作用する衝撃荷重を軽減し、被検査対象物40の電極および角錐バンプ50先端の損傷を防止するのに効果がある。このため本実施例ではAuを用いたが、Auに限らず銅、錫、ニッケル等の導電金属なども十分適用可能である。
【0067】角錐バンプの形成の第2の実施例は、図20に示すように、プリント配線基板42’の裏面パターン46と絶縁基材140の一部を除去した凹部142を形成して表面パターン44の内特に信号パターン60aの裏面を露出させておき、この凹部142部の表面パターン44の内特に信号パターン60aの裏面に角錐バンプ50aを取付け、裏面パターン46の内特にグランドパターン62bの表面に角錐バンプ50bを取付けた構造である。このように、信号用角錐バンプ50aをプリント配線基板42’の表面の信号パターン60aに直接接続することによって、スルーホール48aや裏面の信号パターン60bを設けることなく、同軸セミリジッドケーブル35の信号線部66と最短距離で接続することが可能となる。さらに、本構造においては、凹部142を機械的あるいは化学的な簡単な処理で形成することが可能であり、プリント配線基板42’を低コストで作成することが出来るという効果も得られる。また凹部142と裏面パターン46では接続部に段差が生じているが、角錐バンプ50a、50b転写時のはんだ量の調節によって、凹部142には厚い台座144を形成でき、裏面パターン46部には薄い台座146を形成でき、その結果角錐バンプ50a、50bの先端は両者共同じ高さに形成することが可能となる。
【0068】角錐バンプの形成の第3の実施例は、図21に示すように、光モジュール等の電極位置に段差を有する被検査対象物に適した角錐バンプ構造である。高い位置にある電極152aと低い位置にある電極152bを有する段差チップ150に対し、それぞれの電極に同時に接触できるバンプ高さの低い角錐バンプ158aとバンプ高さの高い角錐バンプ158bをプリント配線基板42に形成している。先端高さの異なる角錐バンプは、鋳型となるSi基板の角ピットのパターン寸法を異ならせることによって簡単に形成することが可能である。
【0069】次に、本発明に係るプローブシート構造30の他の実施例について、図22、および図23を用いて説明する。このプローブシート構造30の他の実施例において、図2〜図5に示す実施例と相違する点は、角錐バンプ50a、50bがウエハ40のチップに形成された電極と接触した際、プリント配線基板42をできるだけ変形しやすくすることによって接触荷重を低減し、しかも均一な接触荷重が得られるように、基板ホルダ52の開口を大きくし、この開口の大きさに合わせてプリント配線基板42の平面的な大きさも大きくして形成したものである。プリント配線基板42を変形しやすくするためには、プリント配線基板42を例えば0.4mm以下に薄くすれば可能となるが、逆に強度の問題が生じることになる。そこで、基板ホルダ52の開口を大きくし、この開口の大きさに合わせて、厚さが0.4〜1.5mm程度のガラスエポキシ基板で形成されるプリント配線基板42の平面的な大きさも大きくすることによって、プリント配線基板42を変形しやすくして、角錐バンプ50a、50bのウエハ40上の電極への接触荷重を低減し、しかも均一な接触荷重を得られるように構成した。
【0070】即ち、図2〜図3、図5に示す同軸セミリジットケーブル35の代りに、プリント配線基板42の表面の信号パターン60aを長くすることによって構成した。その結果、角錐バンプ形成エリアから同軸コネクタ34の取付け部までの距離を大きく取れることから、プリント配線基板42の弾力性を利用して特性測定時に被検査対象物の電極部への衝撃を軽減することが出来る構造となる。
【0071】ところが、プリント配線基板42の表面において、信号パターン60aの長さが長くなるので、この信号パターン60aを、極力近づけるべく囲むようにグランドパターン62aを形成した。これによって、高周波信号の損失を抑えることを可能にした。
【0072】また、図23に示すように、プリント配線基板42の内部に配線パターンを形成した金属板160を配置し、この金属板160をグランド層とすることにより、よりグランドエリアを信号層の近くまで配置することを可能にして、高周波特性の測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、プローブシート構造として基板ホルダに取付けられるプリント配線基板に信号用の角錐バンプとグランド用の角錐バンプを接近して配置することが出来るため、グランドの効果を十分に発揮して、SAWフィルタなどの電子部品に対する高周波特性の損失を少なくした高精度なプローブ測定が可能となる効果を奏する。
【0074】また、本発明によれば、角錐バンプを被検査対象物の電極に垂直に接触させるため、電極に損傷を与えることが無く、また角錐バンプ先端が電極上をスライドしないため角錐バンプ先端に汚れが発生しにくく、検査効率を大幅に向上できる効果を奏する。
【0075】また、本発明によれば、プローブシート構造として基板ホルダに取付けられるプリント配線基板に信号用とグランド用として接近して配置する角錐バンプをホトマスクを用いた薄膜形成技術を使って形成できるため、狭ピッチ、微細パターンのプローブ端子が実現でき、先端の位置精度と高さ精度を容易に高度に実現することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子部品の検査装置の一実施例を示す外観構成図である。
【図2】本発明に係るプローブシート構造の第1の実施例を示す断面図である。
【図3】本発明に係るプローブシート構造の第1の実施例を示す詳細断面図である。
【図4】本発明に係るプローブシート構造の第1の実施例である角錐バンプ形成部を示す裏面図である。
【図5】本発明に係るプローブシート構造の第1の実施例である同軸コネクタ取り付け部を示す平面図である。
【図6】本発明に係る角錐バンプの形成工程の内、Si基板に角錐ピットを形成する前半の工程を説明するための図である。
【図7】本発明に係る角錐バンプの形成工程の内、プリント配線基板に角錐バンプを形成する後半の工程を説明するための図である。
【図8】本発明に係る角錐バンプの形状の第1の実施例を示す断面および斜視図である。
【図9】本発明に係る角錐バンプの形状の第2の実施例を示す断面および斜視図である。
【図10】本発明に係る角錐バンプの形状の第3の実施例を示す断面および斜視図である。
【図11】本発明に係る角錐バンプの形状の第4の実施例を示す断面および斜視図である。
【図12】本発明に係る角錐バンプの形状の第5の実施例を示す斜視図である。
【図13】本発明に係る角錐バンプの形状の第5の実施例を示す斜視図である。
【図14】本発明に係る角錐バンプの第1の形成位置を示す断面図である。
【図15】本発明に係る角錐バンプの第2の形成位置を示す断面図である。
【図16】本発明に係るプローブシートの第1の構造の実施例を示す詳細断面図である。
【図17】本発明に係るプローブシートの第2の構造の実施例を示す詳細断面図である。
【図18】本発明に係るプローブシートの第3の構造の実施例を示す詳細断面図である。
【図19】本発明に係る角錐バンプ部の他の実施例を示す断面図である。
【図20】本発明に係る角錐バンプ部の更に他の実施例を示す断面図である。
【図21】本発明に係る角錐バンプ部の更に他の実施例を示す断面図である。
【図22】本発明に係るプローブシート構造の実施例を示す平面図、断面図、および裏面図である。
【図23】本発明に係るプローブシート構造の実施例を示す平面図、断面図、および裏面図である。
【符号の説明】
10…架台、12…Xテーブル、14…Yテーブル、16…Zテーブル、18…θテーブル、20…ウエハ保持ステージ、22…コントローラ、24…支柱、26…プローブシート保持具、30…プローブシート構造、32…同軸ケーブル、34…同軸コネクタ、35…同軸セミリジットケーブル、36…本体特性測定装置、38…カメラ、39…カメラ、40…ウエハ、42…プリント配線基板、44…表面パターン、46…裏面パターン、48…スルーホール、48a、112a…信号スルーホール、48b、112b…グランドスルーホール、50…角錐バンプ、50a…信号角錐バンプ、50b…グランド角錐バンプ、52…基板ホルダ、53…開口傾斜面、54…コネクタホルダ、56…はんだ、60…信号パターン、60a…表面信号パターン、60b…裏面信号パターン、62…グランドパターン、62a…表面グランドパターン、62b…裏面グランドパターン、64…絶縁エリア、66…信号線部、68…グランド線部、70…Si基板、72…レジスト膜、74…ホトマスク、76…角ピット、80…フラックス、82…はんだボール、92…角フラット、94…小凸起、96…小フラット面、98…稜線、100…矩形フラット面、110…小基板、114…小基板表面パターン、116…小基板裏面パターン、120…板厚部、140…絶縁基材、142…凹部、144…厚い台座、146…薄い台座、152a、152b…電極、160…金属板。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波信号を扱うSAWフィルタなどの電子部品の特性検査を行うための電気的特性検査装置におけるプロービング装置およびプロービングシート構造並びにはんだ角錐バンプ付プリント配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品の電気特性を測定するプローブ端子として、カンチレバーを用いた構造のものが多く用いられている。カンチレバー方式のプローブ端子の構造に関しては、例えば、特開平09―281142号公報において知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】SAWフィルタなどの電子部品に対する高周波特性の測定では、信号ピンとグランドエリアを隔離させないことが重要である。ところが、上記従来のカンチレバー方式では細線の同軸プローブピンを形成することが困難であるため、グランド効果が大幅に低下するという課題があった。
【0004】また、狭ピッチ、微細パターンの測定には複数のプローブピン先端の位置と高さを正確に制御することが必要であるが、カンチレバー方式ではこの作業が非常に難しくなってきている。また、カンチレバー方式では、特性測定時にプローブピン先端がウエハの電極に接触した後、電極上を若干スライドしひっかくことになるため、電極上を損傷して次工程のワイヤボンディングに支障をきたす。また、スライドによって電極上のAl等の金属がプローブピン先端に付着するため、プローブピン先端を定期的に清掃する工程が必要になる等の課題があった。
【0005】本発明の目的は、上記課題を解決すべく、SAWフィルタなどの電子部品に対する高周波特性の損失を少なくした高精度なプローブ測定が可能となる電気的特性検査装置におけるプロービング装置およびプロービングシート構造を提供することにある。
【0006】また、本発明の他の目的は、角錐バンプを被検査対象物の電極に垂直に接触させるため、電極に損傷を与えることが無く、また角錐バンプ先端が電極上をスライドしないため角錐バンプ先端に汚れが発生しにくく、検査効率を大幅に向上できる電気的特性検査装置におけるプロービング装置およびプロービングシート構造を提供することにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、プローブシート構造として基板ホルダに取付けられるプリント配線基板に信号用とグランド用として接近して配置する角錐バンプをホトマスクを用いた薄膜形成技術を使って形成できるため、狭ピッチ、微細パターンのプローブ端子が実現でき、先端の位置精度と高さ精度を容易に高度に実現できる角錐バンプ付プリント配線基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、スルーホールで接続された表裏配線パターンを有し、裏面パターン上に信号用とグランド用の角錐バンプを形成し、信号用角錐バンプおよびグランド用角錐バンプを、それぞれ対応する裏面パターン、スルーホール、表面パターンを径由して、信号入出力用の同軸コネクタに接続したプリント配線基板を備えて構成したプローブシート構造を備えたプロービング装置である。
【0009】また、本発明は、スルーホールで接続された表裏配線パターンを有し、裏面パターン上に信号用とグランド用の角錐バンプを形成して、信号用角錐バンプおよびグランド用角錐バンプを、それぞれ対応する裏面パターン、スルーホール、表面パターンを径由して、信号入出力用の同軸セミリジットケーブルに接続したプリント配線基板を備えて構成したプローブシート構造を備えたプロービング装置である。
【0010】また、本発明は、被検査対象物の電気的特性を検査する電気的特性検査装置における本体特性測定装置に対して複数の同軸ケーブルで接続されるプロービング装置において、前記被検査対象物を載置するステージ機構と、該ステージ機構に対向するように支柱に支持されるプローブシート保持具と、該プローブシート保持具に保持され、スルーホールで接続された表面側および裏面側の配線パターンを有し、該裏面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々に信号線用角錐バンプを設け、前記裏面側の配線パターンにおけるグランド用パターンに複数のグランド用角錐バンプを設け、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を前記各同軸ケーブルの接続部(同軸コネクタ若しくは同軸セミリジットケーブル)の信号線部と接続し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを前記各同軸ケーブルの接続部(同軸コネクタ若しくは同軸セミリジットケーブル)のグランド線部と接続して構成されるプリント配線基板を備えて構成したプローブシート構造とを備え、該プローブシート構造におけるプリント配線基板の裏面側に設けられた複数の信号線用角錐バンプおよび複数のグランド用角錐バンプを、前記ステージ機構上に載置された被検査対象物上に配置された電極と相対的に位置決めして所望の接触圧で接触させて被検査対象物に対して電気的特性検査用の信号の授受を行って電気的特性検査を行うように構成したことを特徴とする。
【0011】なお、前記プローブシート構造としては、中央を開口させた基板ホルダを設け、該基板ホルダの枠に複数の同軸ケーブルの接続部(同軸コネクタ若しくは同軸セミリジッドケーブル)を固定し、この基板ホルダに前記プリント配線基板を取付けてもよい。
【0012】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を、各同軸ケーブルの接続部の信号線とはんだ接続して構成し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを、各同軸ケーブルの接続部のグランド線部とはんだ接続して構成することを特徴とする。
【0013】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造における各同軸ケーブルの接続部を、同軸セミリジットケーブルで構成したことを特徴とする。
【0014】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造における各同軸ケーブルの接続部を、同軸コネクタで構成したことを特徴とする。
【0015】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをはんだ材料で形成したことを特徴とする。
【0016】また、本発明は、前記プロービング装置のはんだ角錐バンプの表面を、Ni、ロジューム、イリジュームを主成分とする材料で被覆したことを特徴とする。
【0017】また、本発明は、前記プロービング装置のはんだ角錐バンプの先端には平坦部を有することを特徴とする。
【0018】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをAu、Cu、NiおよびAuとSnの合金を主成分とする材料で形成したことを特徴とする。
【0019】また、本発明は、前記プロービング装置の角錐バンプの表面を、Ni、ロジューム、イリジュームを主成分とする材料で被覆したことを特徴とする。
【0020】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをスルーホール直下に形成したことを特徴とする。
【0021】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをスルーホールと繋がるパッド上に形成したことを特徴とする。
【0022】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプとして、複数の角錐突起を有することを特徴とする。
【0023】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプとして、先端に平坦な部分を有することを特徴とする。
【0024】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプとして、該角錐バンプより硬度の小さい台座を有することを特徴とする。
【0025】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、被検査対象物における電極の高さの変化に対応させて角錐バンプの先端の高さを変化させて構成したことを特徴とする。
【0026】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板を、内部に配線パターンを形成した金属板を有するメタルコアー配線基板で構成し、前記金属板をグランドパターンにしたことを特徴とする。
【0027】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプ形成エリア部を周辺部の基材に比べて厚肉化して構成したことを特徴とする。
【0028】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプ形成エリア部を、小形基板を積層することによって周辺部に比べて厚肉化して構成したことを特徴とする。
【0029】また、本発明は、前記プロービング装置のプローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプ形成エリア部を被検査対象物に対して凸状になるように周辺部を変形させて構成したことを特徴とする。
【0030】また、本発明は、被検査対象物の電気的特性を検査する電気的特性検査装置における本体特性測定装置に対して複数の同軸ケーブルで接続されるプロービング装置において、前記被検査対象物を載置するステージ機構と、該ステージ機構に対向するように支柱に支持されるプローブシート保持具と、該プローブシート保持具に保持され、スルーホールで接続された表面側および裏面側の配線パターンを有し、該表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々に裏面側から接続させて裏面側に穿設された凹部内に信号線用角錐バンプを設け、前記裏面側の配線パターンにおけるグランド用パターンに複数のグランド用角錐バンプを設け、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を前記各同軸ケーブルの接続部の信号線部と接続し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを前記各同軸ケーブルの接続部のグランド線部と接続して構成されるプリント配線基板を備えて構成したプローブシート構造とを備え、該プローブシート構造におけるプリント配線基板の裏面側に設けられた複数の信号線用角錐バンプおよび複数のグランド用角錐バンプを、前記ステージ機構上に載置された被検査対象物上に配置された電極と相対的に位置決めして所望の接触圧で接触させて被検査対象物に対して電気的特性検査用の信号の授受を行って電気的特性検査を行うように構成したことを特徴とする。
【0031】また、本発明は、スルーホールで接続された表面側および裏面側の配線パターンを有し、該裏面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々に信号線用角錐バンプを設け、前記裏面側の配線パターンにおけるグランド用パターンに複数のグランド用角錐バンプを設け、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を複数の同軸ケーブルの各々の接続部の信号線部と接続し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを前記複数の同軸ケーブルの各々の接続部のグランド線部と接続して構成されるプリント配線基板を備えて構成することを特徴とするプローブシート構造である。
【0032】また、本発明は、スルーホールを介して表裏の配線パターン同士を接続したプリント配線基板を製造するプリント基板製造工程と、Si基板を選択エッチングをして複数の信号用角ピットおよび複数のグランド用角ピットを形成する角ピット形成工程と、該角ピット形成工程で形成されたSi基板の複数の信号用角ピットおよび複数のグランド用角ピットの各々にはんだホールを搭載するはんだボール搭載工程と、該はんだボール搭載工程でSi基板の複数の信号用角ピットおよび複数のグランド用角ピットの各々に搭載されたはんだボールと、前記プリント配線基板製造工程で製造されたプリント配線基板の裏面配線パターンにおける複数の信号パターンおよびグランドパターンとを、相対的に位置合わせをして加熱することにより各はんだボールを溶融して、プリント配線基板側では裏面配線パターンと接続し、更にSi基板側では角ピットの形状に倣って角錐バンプを形成し、該形成されたはんだ角錐バンプを冷却・硬化させた後、Si基板を取り外すことによって複数の信号用はんだ角錐バンプおよび複数のグランド用はんだ角錐バンプが転写されたプリント配線基板を得るバンプ形成工程とを有することを特徴とする角錐バンプ付プリント配線基板の製造方法である。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】まず、本発明に係るSAWフィルタなどの電子部品の検査装置の実施例について図1〜図5を用いて説明する。図1は本発明に係るSAWフィルタなどの電子部品の検査装置の一実施例を示す外観図である。 SAWフィルタ等のチップを多数配列されて形成された被検査対象のウエハ40は、ウエハ保持ステージ20上に載置される。ウエハ保持ステージ20を固定したXテーブル12、Yテーブル14、Zテーブル16、およびθテーブル18は、架台10上に設置される。そして、それぞれのテーブル12、14、16、18は、コントローラ22によって駆動制御されることによって、被検査対象のウエハ40をプローブシート構造30に対してX方向、Y方向、Z方向、およびθ(回転)方向に位置決めできるように構成されている。
【0035】そして、上記プローブシート構造30は、架台10上に設置された支柱24に組み込まれたプローブシート保持具26に固定される。更に、プローブシート構造30には、同軸ケーブル32と着脱可能な同軸コネクタ34が取り付けられる。この同軸ケーブル32の他端は、ウエハに配列されたチップ(電子部品)の電気的特性を測定する本体特性測定装置36に接続されている。
【0036】テーブル12にはプローブシート構造30に設けられた端子50a、50bなどの画像を撮像するカメラ38が取り付けられ、架台10にはウエハ40の各チップに形成されたパッド(電極)の画像を撮像するカメラ39が取り付けられている。
【0037】従って、コントローラ22が、カメラ38で撮像される画像と、カメラ39で撮像される画像とに基づいて、Xテーブル12、Yテーブル14、およびθテーブル18を駆動制御することにより、ウエハ40の各チップに形成されたパッド(電極)を、プローブシート構造30に設けられた端子50a、50bなどに対してX−Y平面内において相対的に位置決めすることを可能にしている。
【0038】更に、コントローラ22による例えばZステージ16の駆動制御は、ウエハ40の各チップに形成されたパッド(電極)がプローブシート構造30に設けられた端子50a、50bに接触した際、所望の接触圧が得られるように行われる。即ち、コントローラ22は、ウエハ40の各チップに形成されたパッド(電極)がプローブシート構造30に設けられたプローブ端子(角錐バンプ)50a、50bに接触した際の接触圧を任意に設定できるように構成されている。
【0039】次に、本発明に係るプローブシート構造30の実施例について図2〜図5を用いて説明する。図2は本発明に係るプローブシート構造30の一実施例を示す断面図である。
【0040】プローブシート構造30は、プローブシート保持具26に取り付けられる中央に開口を形成した長方形の枠状(額縁状)の基板ホルダ52と、基板ホルダ52の下面に固定されるプリント配線基板42とによって構成される。基板ホルダ52に形成された開口は、同軸コネクタ34もしくは同軸セミリジットケーブル35が、斜め方向からプリント配線基板42の表面に導けるように、上方に向かって拡開して(傾斜面53を有して)形成されている。そして、プリント配線基板42は、厚さが0.4〜1.5mm程度のガラスエポキシ基板で形成される。このプリント配線基板42の表面には、信号パターン60とグランドパターン62とからなるCuなどの導体表面パターン44が形成され、プリント配線基板42の裏面には信号パターン60とグランドパターン62とからなるCuなどの導体裏面パターン46が形成され、表面パターン44と裏面パターン46とはスルーホール48でつながって形成される。更に裏面パターン46上の信号パターン60およびグランドパターン62の各々には、ウエハ40の各チップに形成されたパッド(電極)と接触接続するための角錐バンプ50が形成されている。
【0041】同軸コネクタのセミリジットケーブル35をつなげた同軸コネクタ34は、断面が三角形状をしたコネクタホルダ54を介して基板ホルダ52に傾斜させて固定されている。同軸ケーブル32のプローブシート側が着脱自在に接続される接続部である同軸コネクタ34若しくは同軸コネクタにつながる同軸セミリジットケーブル35の信号線部66およびグランド線部68の各々は、はんだ56a、56bによってプリント配線基板42の表面パターン44の信号パターン60aおよびグランドパターン62aの各々と接続されている。即ち、同軸コネクタ34若しくは同軸コネクタ34につながった同軸セミリジットケーブル35の信号線部66は、表面パターン44の信号パターン60aとはんだ56aによって接続される。同軸コネクタ34若しくは同軸コネクタにつながった同軸セミリジットケーブル35のグランド線部68は、表面パターン44のグランドパターン62aとはんだ56bによって接続される。
【0042】図3は本発明に係るプローブシート構造30の断面図詳細、図4は角錐バンプ配置部の平面図、図5は同軸コネクタ取り付け部の平面図である。これらの図において、図2と同一符号の要素は同一内容を示す。
【0043】角錐バンプ50aは、信号用の角錐バンプで、裏面パターン46の信号パターン60b上に設けられ、スルーホール48aを介して表面パターン44の信号パターン60aにつながる。この表面パターン44の信号パターン60aは、さらにはんだ56aによって同軸コネクタ34若しくは同軸コネクタにつながった同軸セミリジットケーブル35の信号線部66につながっている。なお、同軸ケーブル32のプローブシート側の接続部が着脱自在に挿着される同軸コネクタ34は、同軸セミリジットケーブル35をつなげており、コネクタホルダ54を介して基板ホルダ52に傾斜させて固定される。
【0044】角錐バンプ50bは、グランド用角錐バンプで、同様に裏面パターン46のグランドパターン62b上に設けられ、スルーホール48bを介してグランドパターン62aにつながり、さらにはんだ56bによって、同軸ケーブル32の接続部である同軸コネクタ34若しくは同軸コネクタにつながった同軸セミリジットケーブル35のグランド線部68につながっている。
【0045】以上説明したように、プリント配線基板42の表面パターン44とウエハに配列されたチップ(電子部品)の電気的特性を測定する本体特性測定装置36との間を、高周波信号特性に対して影響を受け難い同軸ケーブル32で接続するように構成した。そして、同軸ケーブル32の接続部である同軸コネクタ34若しくは同軸セミリジットケーブル35の信号線部66をはんだ接続する表面の信号パターン60aから裏面の信号用の角錐バンプ50aまでの距離を、スルーホール48aを介してできるだけ短くし、しかも、同軸ケーブル32の接続部である同軸コネクタ34若しくは同軸セミリジットケーブル35のグランド線部68をはんだ接続する表面のグランドパターン62aからスルーホール48bを介して裏面のグランド用角錐バンプ50bまで、上記表面の信号パターン60aおよび裏面の信号パターン60bの周囲を囲むように形成して高周波信号特性に対して影響を受けないように構成した。この結果、グランド効果を低下させることなく、SAWフィルタ等の電気的特性を高精度に測定することを可能にした。
【0046】次に、本発明に係る検査装置の動作の概略について図1〜図5を用いて説明する。本体特性測定装置36との間を、同軸ケーブル32が挿着される同軸コネクタ34に対して同軸セミリジッドケーブル35で接続されたプローブシート構造30は、予めプローブシート保持具26に固定されている。
【0047】そして、特性検査を行うウエハ40は、ウエハ保持ステージ20上に設置され、真空にて吸着保持される。この状態で、コントローラ22からの制御によりXテーブル12を駆動させて、カメラ38によってプローブシート構造30裏面に形成された位置あわせマーク(図示せず)を読み取り、同時にカメラ39によってウエハ40上に形成された位置あわせマーク(図示せず)を読み取る。この結果をもとに、コントローラ22にて制御処理を行い、ウエハ40上の電極を、プローブシート構造30上の角錐バンプ50aおよび50bに位置合わせされる。この状態で、Zテーブル16を駆動させてウエハ40を上昇させ、ウエハ40の電極が角錐バンプ50aおよび50bの先端と接触したときから、Zテーブル16を所望の微量上昇させることによって、角錐バンプ50aおよび50bは、ウエハ40の電極に対して所望の接触圧を得て電気的に接続される。このように、角錐バンプ50aおよび50bのウエハ40上の電極に対する接触圧力は、プリント配線基板42の僅かな撓みによって得ることが可能となる。特に、図4および図5に示すように、対なる角錐バンプ50aの中心軸を基準に、信号パターン60aおよび60b並びにはんだ接続される同軸セミリジッドケーブル35が、軸対称に配置されているので、対なる角錐バンプ50aおよび50bの各々は、ウエハ40上の電極に対して均一な接触圧力を得ることが可能となる。更に、対なる角錐バンプ50aおよび50bの各々の先端が、ウエハ40上の電極に接触した際、基本的に横方向には微動しないので、電極の損傷を防止することも可能となる。
【0048】このように、角錐バンプ50aおよび50bがウエハ40上の電極と接続されると、本体特性測定装置36は、同軸ケーブル32および該同軸ケーブル32の接続部が挿着された同軸コネクタ35につながった同軸セミリジッドケーブル35を通してウエハ40上の所望のチップに信号を送信し、受信される信号に基づいて上記チップの電気的特性の測定を実行する。
【0049】本体特性測定装置36による測定は、ウエハ上の1個または複数個のチップを1動作で行うが、この1動作終了後に、コントローラ22は、Zテーブル16を下降させるように制御し、更にXテーブル12およびYテーブル14を駆動制御してウエハ40を他のチップの位置に移動させ、本体特性測定装置36は、先ほどと同じ動作で次のチップの特性測定を行う。
【0050】次に、本体特性測定装置36による特性測定時の信号経路について説明する。まず、信号パターン60aにスルーホール48aを介して接続された角錐バンプ50aは、ウエハ40上の信号用の電極に接触し、グランドパターン62aにスルーホール48bを介して接続された角錐バンプ50bは、同じくウエハ上のグランド電極と接触する。本体特性測定装置36から2本の同軸ケーブル32により送られてきた2つの電気信号(入力信号)の各々は、各々同軸コネクタ34を径由して同軸セミリジットケーブル35の信号線部66を通り、各信号パターン60およびスルーホール48aから各角錐バンプ50aを径由して、測定対象物であるウエハ上におけるチップの2つの入力電極に送信され、チップ内に伝達される。チップ内回路からの2つの戻り信号(出力信号)の各々は、各角錐バンプ50bから各グランドパターン62およびスルーホール48bを通って、各同軸セミリジットケーブル35のグランド線部68、同軸コネクタ34を通り本体特性測定装置36に戻り、電気的特性が測定される。
【0051】本実施例は、SAWフィルタなどの高周波用チップの特性測定を対象としているため、プリント配線基板42の表面および裏面における信号パータン60とグランドパターン62を極力近づけて配置し、高周波信号の損失を小さく押さえている。また、角錐バンプ50と配線パターン60をホトリソ工程で製作することによって角錐バンプ50および信号パターン60のサイズを小さくし、良好な高周波特性を得ている。
【0052】なお、以上の説明では、チップ毎にプロービングをすることにより(錐バンプを電極に接触させて接続することにより)、信号の授受を行って高周波電気特性を測定して検査を行うことについて説明したが、複数チップについて同時にプロービングをすることにより(同軸ケーブル32、該同軸ケーブル32を接続する同軸コネクタ34、該同軸コネクタ34から導かれる同軸セミリジットケーブル35、プリント配線基板上の配線パターン、および裏面に設ける角錐パッドを設けることによって、複数チップに対して同時に角錐バンプを電極に接触させて接続することにより)、複数チップに亘って同時に信号の授受を行って一括して高周波電気特性を測定して検査を行っても良い。
【0053】次に、角錐バンプ50の形成方法の実施例について、図6および図7を用いて説明する。まず、図6(a)に示すように、Si基板70の上面に塗布、硬化したエッチング用レジスト膜72面にホトマスク74の角ピットパターン75を露光、焼き付けする。図6(b)には、焼き付け後現像処理を行った後のレジスト膜72を示している。この状態で、Si基板70をエッチングすることによって図6(c)に示すように、角ピット76をSi基板70に形成する。その後、レジスト膜72を剥離することによって、図6(d)に示す如く、角ピット76が形成されたSi基板70が完成する。角ピットの形状は、Si基板70のエッチング面を選択することによって決定される。本実施例では、エッチング面を111面にすることにより四角錐の角ピット76を形成している。実作業ではSi基板70の裏面のエッチングを防止するため、裏面にもエッチングレジスト膜を施す処理、さらには角ピット76形成後に角ピット76内部およびSi基板70表面を金属に塗れにくくするための酸化Si膜形成処理を行う。
【0054】次に、上記Si基板70を鋳型としてプリント配線基板42に角錐バンプを形成する工程について、図7(a)〜(c)を用いて説明する。まず、図7(a)に示すように、Si基板70の角ピット76部にフラックス80を塗布し、はんだボール82を搭載する。ついで、図7(b)に示すように、プリント配線基板42の裏面パターン46とはんだボール82とを位置合わせし、加熱することによってはんだボール82を溶融して、プリント配線基板42側では裏面パターン46と接続し、Si基板70側では角ピット76の形状に倣って角錐バンプを形成する。Si基板70面にははんだがぬれない処理が施されているため、はんだを冷却、硬化させた後、Si基板70を取り外すことによって、図7(c)に示す如く、角錐バンプ50が転写されたプリント配線基板42を完成させることが可能となる。このように、角錐バンプ50をはんだボール82を用いて形成することにより、角ピット76の形状に倣って転写することができると共にプリント配線基板の裏面パターン46への接続を同時に行うことができるメリットを有する。更に、角錐バンプ50の先端の摩耗を防止するために、角錐バンプ50の表面に、硬質Niめっき等の処理を施して硬度を上げれば良い。
【0055】本実施例では、Au−20Sn組成のはんだボール82を用いたが、特にこの組成に限定するものではない。
【0056】また、本実施例では角錐バンプ50の形成にAu−20Snのはんだボール82を用いたが、角ピット76に、めっき、蒸着あるいは印刷等の手法によって金属(例えば、Au、Cu、Ni若しくはAuとSnの合金を主成分とする金属)を充填し、この金属をプリント配線基板42の裏面パターン46に転写して結合させて角錐バンプ50を形成する方法も有効である。即ち、図6(a)〜図6(d)で出来上がったSi基板70の各ピッ76を含む上面に、めっき用導電金属膜をスパッタ等によって成膜し、その上にめっきレジスト膜を塗布して硬化し、角ピット76に対応するパターンを有するホトマスクを用いて露光・現像して角ピット76上のめっきレジスト膜を除去してめっき用導電金属膜を露出し、該露出されためっき用導電金属膜を用いてこの部分(角錐ピット76内)にめっきによって、導電金属(例えば、Au、Cu、Ni若しくはAuとSnの合金を主成分とする金属)を充填し、その後、角錐ピット76の外側のめっきレジスト膜およびめっき用導電金属を剥離することによって、図7(a)に示すような、Si基板70の角錐ピット76上にめっき導電金属が充填された角錐バンプが形成されることになる。そこで、つづいて、図7(b)に示すように、プリント配線基板42の裏面パターン46とめっき導電金属が充填された角錐バンプとを位置合わせし、加熱圧着することによってめっき導電金属が充填された角錐バンプを、プリント配線基板42側では裏面パターン46と接続し、Si基板70側では角ピット76の形状に倣って角錐バンプを形成する。その後、Si基板70を取り外すことによって、図7(c)に示す如く、角錐バンプ50が転写されたプリント配線基板42を完成させることが可能となる。
【0057】なお、例えば、Au、Cu、Ni若しくはAuとSnの合金を主成分とする金属からなる角錐バンプ50の表面に、Ni、ロジューム、イリジュームを主成分とする材料でコーテイングすることによって角錐バンプ50の先端の摩耗を低減することが可能となる。
【0058】次に、角錐バンプ50の形状の実施例について、図8〜図13を用いて説明する。図8〜図11には、(a)に角錐バンプ50の断面を、(b)に角錐バンプ50の斜視図を示し、図12、および図13には、角錐バンプ50の斜視図のみを示す。図8は先端が鋭角に形成されたもの、図9は先端の一部を平坦化し、角フラット面92としたもの、図10は1個の角錐バンプに複数個の小突起92を形成したもの、図11は図10の先端を平坦化し、小フラット面96を有するもの、図12は先端を線状に形成し、稜線部98を有するもの、図13は先端の平坦部を矩形状にした矩形フラット面100を有するものである。
【0059】これらの形状は、被検査対象の電極の形状、寸法、性状等によって使い分けることにより効率的な測定が可能となる。また、これらの角錐バンプ50の形状は、Si基板70に角ピット76を形成する時に角ピットパターン形状を変えることによって作成しておくことが効率的であるが、図9、図11、および図13に示す先端を平坦化する処理は、角錐バンプ50を形成後に先端をつぶすことによって平坦化することも可能である。
【0060】以上説明したように、角錐バンプ50の形状としては、作り易さの点から、図9に示す如く、先端を平坦にしたものが耐摩耗性を考慮して最も好ましいことになる。
【0061】次に、プリント配線基板42上の角錐バンプ50形成位置の実施例について、図14および図15を用いて説明する。図14は、スルーホール48(48a、48b)につながる裏面パターン46(60b、62b)の上に角錐バンプ50(50a、50b)を形成したものである。これに対し、図15は、スルーホール48(48a、48b)の直下に角錐バンプ50(50a、50b)を形成したものである。このように、角錐バンプ50(50a、50b)をスルーホール48(48a、48b)の直下に形成することにより、バンプが形成されている配線パターンの電気容量を小さくすることができ、その結果高周波に有利な構造となる。
【0062】本発明に係る検査装置においては、角錐バンプ50が常に一定荷重で被検査対象の電極に接触することが重要である。この目的を果たす構造の実施例を図16〜図18を用いて説明する。
【0063】第1の構造は、図16に示すように、プリント配線基板42の角錐バンプ50(2つの信号用角錐バンプ50a、および2つのグランド用角錐バンプ50b)の配置エリア部を1.5mm〜3mm程度に厚くして板厚部120を形成し、基板ホルダ52の開口内において板厚部120の周囲を0.4mm〜1mm程度に薄くして板薄部122を形成したものである。この第1の構造は、角錐バンプ50部を厚くすることによって板厚部120に剛性を持たせ、良好な平坦度を保持できるようにするとともに、板薄部122を軟構造とすることによってばね性を持たせ、測定端子(角錐バンプ)50からウエハ上の電極に対して常に一定荷重がかけられるように構成している。
【0064】第2の構造は、図17に示すように、角錐バンプ50(2つの信号用角錐バンプ50a、および2つのグランド用角錐バンプ50b)を形成した0.2mm〜1mm程度の厚さで、基板ホルダ52の開口よりも小さくした小基板110と、電気配線に必要な裏面パターン46(60b、62b)、スルーホール48(48a、48b)、表面パターン44(60a、62a)を有する0.4mm〜1.5mm程度の厚さのプリント配線基板42とを電気的に接続した積層構造で、図16に示す構造と同じ効果が得られる。なお、小基板110も、図4および図5に示すプリント配線基板42と同様に、表面パターン114、スルーホール112(112a、112b)、および裏面パターン116を、信号用とグランド用とに分けて形成している。更に、角錐バンプ50は測定の繰り返しによって先端が摩耗、変形するため、所定回数測定を行った後で交換することが必要になるが、図17に示す積層構造では小基板110とプリント配線基板42とをはんだ等で接続することにより、小基板110のみの交換が容易に行えるという効果がある。
【0065】第3の構造は、図18に示すように、0.4mm〜1.5mm程度の厚さのプリント配線基板42の基材を、角錐バンプ50を配列した領域の周囲において変形させてばね性を持たせることによって、荷重の均一化を図ることが可能な構造である。
【0066】次に、角錐バンプの形成の実施例を図19〜図21を用いて説明する。角錐バンプの形成の第1の実施例は、図19に示すように、プリント配線基板42の裏面パターン46(60b、62b)上にあらかじめAuバンプ130を形成した後に、その上に角錐バンプ50(50a、50b)を形成したものである。Auバンプ130は、Au線を用いたスタッドバンプ方式が有効であるが、めっき、印刷等で形成してもよい。Auバンプ130は柔らかく、しかも角錐バンプ50にAu−20Snなどのはんだを用いると、特性測定時の角錐バンプ50先端に作用する衝撃荷重を軽減し、被検査対象物40の電極および角錐バンプ50先端の損傷を防止するのに効果がある。このため本実施例ではAuを用いたが、Auに限らず銅、錫、ニッケル等の導電金属なども十分適用可能である。
【0067】角錐バンプの形成の第2の実施例は、図20に示すように、プリント配線基板42’の裏面パターン46と絶縁基材140の一部を除去した凹部142を形成して表面パターン44の内特に信号パターン60aの裏面を露出させておき、この凹部142部の表面パターン44の内特に信号パターン60aの裏面に角錐バンプ50aを取付け、裏面パターン46の内特にグランドパターン62bの表面に角錐バンプ50bを取付けた構造である。このように、信号用角錐バンプ50aをプリント配線基板42’の表面の信号パターン60aに直接接続することによって、スルーホール48aや裏面の信号パターン60bを設けることなく、同軸セミリジッドケーブル35の信号線部66と最短距離で接続することが可能となる。さらに、本構造においては、凹部142を機械的あるいは化学的な簡単な処理で形成することが可能であり、プリント配線基板42’を低コストで作成することが出来るという効果も得られる。また凹部142と裏面パターン46では接続部に段差が生じているが、角錐バンプ50a、50b転写時のはんだ量の調節によって、凹部142には厚い台座144を形成でき、裏面パターン46部には薄い台座146を形成でき、その結果角錐バンプ50a、50bの先端は両者共同じ高さに形成することが可能となる。
【0068】角錐バンプの形成の第3の実施例は、図21に示すように、光モジュール等の電極位置に段差を有する被検査対象物に適した角錐バンプ構造である。高い位置にある電極152aと低い位置にある電極152bを有する段差チップ150に対し、それぞれの電極に同時に接触できるバンプ高さの低い角錐バンプ158aとバンプ高さの高い角錐バンプ158bをプリント配線基板42に形成している。先端高さの異なる角錐バンプは、鋳型となるSi基板の角ピットのパターン寸法を異ならせることによって簡単に形成することが可能である。
【0069】次に、本発明に係るプローブシート構造30の他の実施例について、図22、および図23を用いて説明する。このプローブシート構造30の他の実施例において、図2〜図5に示す実施例と相違する点は、角錐バンプ50a、50bがウエハ40のチップに形成された電極と接触した際、プリント配線基板42をできるだけ変形しやすくすることによって接触荷重を低減し、しかも均一な接触荷重が得られるように、基板ホルダ52の開口を大きくし、この開口の大きさに合わせてプリント配線基板42の平面的な大きさも大きくして形成したものである。プリント配線基板42を変形しやすくするためには、プリント配線基板42を例えば0.4mm以下に薄くすれば可能となるが、逆に強度の問題が生じることになる。そこで、基板ホルダ52の開口を大きくし、この開口の大きさに合わせて、厚さが0.4〜1.5mm程度のガラスエポキシ基板で形成されるプリント配線基板42の平面的な大きさも大きくすることによって、プリント配線基板42を変形しやすくして、角錐バンプ50a、50bのウエハ40上の電極への接触荷重を低減し、しかも均一な接触荷重を得られるように構成した。
【0070】即ち、図2〜図3、図5に示す同軸セミリジットケーブル35の代りに、プリント配線基板42の表面の信号パターン60aを長くすることによって構成した。その結果、角錐バンプ形成エリアから同軸コネクタ34の取付け部までの距離を大きく取れることから、プリント配線基板42の弾力性を利用して特性測定時に被検査対象物の電極部への衝撃を軽減することが出来る構造となる。
【0071】ところが、プリント配線基板42の表面において、信号パターン60aの長さが長くなるので、この信号パターン60aを、極力近づけるべく囲むようにグランドパターン62aを形成した。これによって、高周波信号の損失を抑えることを可能にした。
【0072】また、図23に示すように、プリント配線基板42の内部に配線パターンを形成した金属板160を配置し、この金属板160をグランド層とすることにより、よりグランドエリアを信号層の近くまで配置することを可能にして、高周波特性の測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、プローブシート構造として基板ホルダに取付けられるプリント配線基板に信号用の角錐バンプとグランド用の角錐バンプを接近して配置することが出来るため、グランドの効果を十分に発揮して、SAWフィルタなどの電子部品に対する高周波特性の損失を少なくした高精度なプローブ測定が可能となる効果を奏する。
【0074】また、本発明によれば、角錐バンプを被検査対象物の電極に垂直に接触させるため、電極に損傷を与えることが無く、また角錐バンプ先端が電極上をスライドしないため角錐バンプ先端に汚れが発生しにくく、検査効率を大幅に向上できる効果を奏する。
【0075】また、本発明によれば、プローブシート構造として基板ホルダに取付けられるプリント配線基板に信号用とグランド用として接近して配置する角錐バンプをホトマスクを用いた薄膜形成技術を使って形成できるため、狭ピッチ、微細パターンのプローブ端子が実現でき、先端の位置精度と高さ精度を容易に高度に実現することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子部品の検査装置の一実施例を示す外観構成図である。
【図2】本発明に係るプローブシート構造の第1の実施例を示す断面図である。
【図3】本発明に係るプローブシート構造の第1の実施例を示す詳細断面図である。
【図4】本発明に係るプローブシート構造の第1の実施例である角錐バンプ形成部を示す裏面図である。
【図5】本発明に係るプローブシート構造の第1の実施例である同軸コネクタ取り付け部を示す平面図である。
【図6】本発明に係る角錐バンプの形成工程の内、Si基板に角錐ピットを形成する前半の工程を説明するための図である。
【図7】本発明に係る角錐バンプの形成工程の内、プリント配線基板に角錐バンプを形成する後半の工程を説明するための図である。
【図8】本発明に係る角錐バンプの形状の第1の実施例を示す断面および斜視図である。
【図9】本発明に係る角錐バンプの形状の第2の実施例を示す断面および斜視図である。
【図10】本発明に係る角錐バンプの形状の第3の実施例を示す断面および斜視図である。
【図11】本発明に係る角錐バンプの形状の第4の実施例を示す断面および斜視図である。
【図12】本発明に係る角錐バンプの形状の第5の実施例を示す斜視図である。
【図13】本発明に係る角錐バンプの形状の第5の実施例を示す斜視図である。
【図14】本発明に係る角錐バンプの第1の形成位置を示す断面図である。
【図15】本発明に係る角錐バンプの第2の形成位置を示す断面図である。
【図16】本発明に係るプローブシートの第1の構造の実施例を示す詳細断面図である。
【図17】本発明に係るプローブシートの第2の構造の実施例を示す詳細断面図である。
【図18】本発明に係るプローブシートの第3の構造の実施例を示す詳細断面図である。
【図19】本発明に係る角錐バンプ部の他の実施例を示す断面図である。
【図20】本発明に係る角錐バンプ部の更に他の実施例を示す断面図である。
【図21】本発明に係る角錐バンプ部の更に他の実施例を示す断面図である。
【図22】本発明に係るプローブシート構造の実施例を示す平面図、断面図、および裏面図である。
【図23】本発明に係るプローブシート構造の実施例を示す平面図、断面図、および裏面図である。
【符号の説明】
10…架台、12…Xテーブル、14…Yテーブル、16…Zテーブル、18…θテーブル、20…ウエハ保持ステージ、22…コントローラ、24…支柱、26…プローブシート保持具、30…プローブシート構造、32…同軸ケーブル、34…同軸コネクタ、35…同軸セミリジットケーブル、36…本体特性測定装置、38…カメラ、39…カメラ、40…ウエハ、42…プリント配線基板、44…表面パターン、46…裏面パターン、48…スルーホール、48a、112a…信号スルーホール、48b、112b…グランドスルーホール、50…角錐バンプ、50a…信号角錐バンプ、50b…グランド角錐バンプ、52…基板ホルダ、53…開口傾斜面、54…コネクタホルダ、56…はんだ、60…信号パターン、60a…表面信号パターン、60b…裏面信号パターン、62…グランドパターン、62a…表面グランドパターン、62b…裏面グランドパターン、64…絶縁エリア、66…信号線部、68…グランド線部、70…Si基板、72…レジスト膜、74…ホトマスク、76…角ピット、80…フラックス、82…はんだボール、92…角フラット、94…小凸起、96…小フラット面、98…稜線、100…矩形フラット面、110…小基板、114…小基板表面パターン、116…小基板裏面パターン、120…板厚部、140…絶縁基材、142…凹部、144…厚い台座、146…薄い台座、152a、152b…電極、160…金属板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】被検査対象物の電気的特性を検査する電気的特性検査装置における本体特性測定装置に対して複数の同軸ケーブルで接続されるプロービング装置において、前記被検査対象物を載置するステージ機構と、該ステージ機構に対向するように支柱に支持されるプローブシート保持具と、該プローブシート保持具に保持され、スルーホールで接続された表面側および裏面側の配線パターンを有し、該裏面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々に信号線用角錐バンプを設け、前記裏面側の配線パターンにおけるグランド用パターンに複数のグランド用角錐バンプを設け、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を前記各同軸ケーブルの接続部の信号線部と接続し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを前記各同軸ケーブルの接続部のグランド線部と接続して構成されるプリント配線基板を備えて構成されるプローブシート構造とを備え、該プローブシート構造におけるプリント配線基板の裏面側に設けられた複数の信号線用角錐バンプおよび複数のグランド用角錐バンプを、前記ステージ機構上に載置された被検査対象物上に配置された電極と相対的に位置決めして所望の接触圧で接触させて被検査対象物に対して電気的特性検査用の信号の授受を行って電気的特性検査を行うように構成したことを特徴とする電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項2】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を、各同軸ケーブルの接続部の信号線とはんだ接続して構成し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを、各同軸ケーブルの接続部のグランド線部とはんだ接続して構成することを特徴とする請求項1記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項3】前記プローブシート構造における同軸ケーブルの接続部を、同軸セミリジットケーブルで構成したことを特徴とする請求項1記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項4】前記プローブシート構造における同軸ケーブルの接続部を、同軸コネクタで構成したことを特徴とする請求項1記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項5】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをはんだ材料で形成したことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項6】前記はんだ角錐バンプの表面を、Ni、ロジューム、イリジュームを主成分とする材料で被覆したことを特徴とする請求項5記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項7】前記はんだ角錐バンプの先端には平坦部を有することを特徴とする請求項5記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項8】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをAu、Cu、NiおよびAuとSnの合金を主成分とする材料で形成したことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項9】前記角錐バンプの表面を、Ni、ロジューム、イリジュームを主成分とする材料で被覆したことを特徴とする請求項8記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項10】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをスルーホール直下に形成したことを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項11】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをスルーホールと繋がるパッド上に形成したことを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項12】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプとして、複数の角錐突起を有することを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項13】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプとして、先端に平坦な部分を有することを特徴とする請求項8または9記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項14】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプとして、該角錐バンプより硬度の小さい台座を有することを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項15】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、被検査対象物における電極の高さの変化に対応させて角錐バンプの先端の高さを変化させて構成したことを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項16】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板を、内部に配線パターンを形成した金属板を有するメタルコアー配線基板で構成し、前記金属板をグランドパターンにしたことを特徴とする請求項1〜15の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項17】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプ形成エリア部を周辺部の基材に比べて厚肉化して構成したことを特徴とする請求項1〜15の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項18】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプ形成エリア部を、小形基板を積層することによって周辺部に比べて厚肉化して構成したことを特徴とする請求項1〜15の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項19】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプ形成エリア部を被検査対象物に対して凸状になるように周辺部を変形させて構成したことを特徴とする請求項1〜15の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項20】被検査対象物の電気的特性を検査する電気的特性検査装置における本体特性測定装置に対して複数の同軸ケーブルで接続されるプロービング装置において、前記被検査対象物を載置するステージ機構と、該ステージ機構に対向するように支柱に支持されるプローブシート保持具と、該プローブシート保持具に保持され、スルーホールで接続された表面側および裏面側の配線パターンを有し、該表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々に裏面側から接続させて裏面側に穿設された凹部内に信号線用角錐バンプを設け、前記裏面側の配線パターンにおけるグランド用パターンに複数のグランド用角錐バンプを設け、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を前記各同軸ケーブルの接続部の信号線部と接続し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを前記各同軸ケーブルの接続部のグランド線部と接続して構成されるプリント配線基板を備えて構成されるプローブシート構造とを備え、該プローブシート構造におけるプリント配線基板の裏面側に設けられた複数の信号線用角錐バンプおよび複数のグランド用角錐バンプを、前記ステージ機構上に載置された被検査対象物上に配置された電極と相対的に位置決めして所望の接触圧で接触させて被検査対象物に対して電気的特性検査用の信号の授受を行って電気的特性検査を行うように構成したことを特徴とする電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項21】スルーホールで接続された表面側および裏面側の配線パターンを有し、該裏面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々に信号線用角錐バンプを設け、前記裏面側の配線パターンにおけるグランド用パターンに複数のグランド用角錐バンプを設け、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を複数の同軸ケーブルの各々の接続部の信号線部と接続し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを前記複数の同軸ケーブルの各々の接続部のグランド線部と接続して構成されるプリント配線基板を備えて構成することを特徴とするプローブシート構造。
【請求項22】スルーホールを介して表裏の配線パターン同士を接続したプリント配線基板を製造するプリント基板製造工程と、Si基板を選択エッチングをして複数の信号用角ピットおよび複数のグランド用角ピットを形成する角ピット形成工程と、該角ピット形成工程で形成されたSi基板の複数の信号用角ピットおよび複数のグランド用角ピットの各々にはんだホールを搭載するはんだボール搭載工程と、該はんだボール搭載工程でSi基板の複数の信号用角ピットおよび複数のグランド用角ピットの各々に搭載されたはんだボールと、前記プリント配線基板製造工程で製造されたプリント配線基板の裏面配線パターンにおける複数の信号パターンおよびグランドパターンとを、相対的に位置合わせをして加熱することにより各はんだボールを溶融して、プリント配線基板側では裏面配線パターンと接続し、更にSi基板側では角ピットの形状に倣って角錐バンプを形成し、該形成されたはんだ角錐バンプを冷却・硬化させた後、Si基板を取り外すことによって複数の信号用はんだ角錐バンプおよび複数のグランド用はんだ角錐バンプが転写されたプリント配線基板を得るバンプ形成工程とを有することを特徴とする角錐バンプ付プリント配線基板の製造方法。
【請求項1】被検査対象物の電気的特性を検査する電気的特性検査装置における本体特性測定装置に対して複数の同軸ケーブルで接続されるプロービング装置において、前記被検査対象物を載置するステージ機構と、該ステージ機構に対向するように支柱に支持されるプローブシート保持具と、該プローブシート保持具に保持され、スルーホールで接続された表面側および裏面側の配線パターンを有し、該裏面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々に信号線用角錐バンプを設け、前記裏面側の配線パターンにおけるグランド用パターンに複数のグランド用角錐バンプを設け、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を前記各同軸ケーブルの接続部の信号線部と接続し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを前記各同軸ケーブルの接続部のグランド線部と接続して構成されるプリント配線基板を備えて構成されるプローブシート構造とを備え、該プローブシート構造におけるプリント配線基板の裏面側に設けられた複数の信号線用角錐バンプおよび複数のグランド用角錐バンプを、前記ステージ機構上に載置された被検査対象物上に配置された電極と相対的に位置決めして所望の接触圧で接触させて被検査対象物に対して電気的特性検査用の信号の授受を行って電気的特性検査を行うように構成したことを特徴とする電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項2】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を、各同軸ケーブルの接続部の信号線とはんだ接続して構成し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを、各同軸ケーブルの接続部のグランド線部とはんだ接続して構成することを特徴とする請求項1記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項3】前記プローブシート構造における同軸ケーブルの接続部を、同軸セミリジットケーブルで構成したことを特徴とする請求項1記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項4】前記プローブシート構造における同軸ケーブルの接続部を、同軸コネクタで構成したことを特徴とする請求項1記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項5】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをはんだ材料で形成したことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項6】前記はんだ角錐バンプの表面を、Ni、ロジューム、イリジュームを主成分とする材料で被覆したことを特徴とする請求項5記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項7】前記はんだ角錐バンプの先端には平坦部を有することを特徴とする請求項5記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項8】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをAu、Cu、NiおよびAuとSnの合金を主成分とする材料で形成したことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項9】前記角錐バンプの表面を、Ni、ロジューム、イリジュームを主成分とする材料で被覆したことを特徴とする請求項8記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項10】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをスルーホール直下に形成したことを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項11】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプをスルーホールと繋がるパッド上に形成したことを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項12】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプとして、複数の角錐突起を有することを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項13】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプとして、先端に平坦な部分を有することを特徴とする請求項8または9記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項14】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプとして、該角錐バンプより硬度の小さい台座を有することを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項15】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、被検査対象物における電極の高さの変化に対応させて角錐バンプの先端の高さを変化させて構成したことを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項16】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板を、内部に配線パターンを形成した金属板を有するメタルコアー配線基板で構成し、前記金属板をグランドパターンにしたことを特徴とする請求項1〜15の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項17】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプ形成エリア部を周辺部の基材に比べて厚肉化して構成したことを特徴とする請求項1〜15の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項18】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプ形成エリア部を、小形基板を積層することによって周辺部に比べて厚肉化して構成したことを特徴とする請求項1〜15の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項19】前記プローブシート構造におけるプリント配線基板において、角錐バンプ形成エリア部を被検査対象物に対して凸状になるように周辺部を変形させて構成したことを特徴とする請求項1〜15の何れか一つに記載の電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項20】被検査対象物の電気的特性を検査する電気的特性検査装置における本体特性測定装置に対して複数の同軸ケーブルで接続されるプロービング装置において、前記被検査対象物を載置するステージ機構と、該ステージ機構に対向するように支柱に支持されるプローブシート保持具と、該プローブシート保持具に保持され、スルーホールで接続された表面側および裏面側の配線パターンを有し、該表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々に裏面側から接続させて裏面側に穿設された凹部内に信号線用角錐バンプを設け、前記裏面側の配線パターンにおけるグランド用パターンに複数のグランド用角錐バンプを設け、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を前記各同軸ケーブルの接続部の信号線部と接続し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを前記各同軸ケーブルの接続部のグランド線部と接続して構成されるプリント配線基板を備えて構成されるプローブシート構造とを備え、該プローブシート構造におけるプリント配線基板の裏面側に設けられた複数の信号線用角錐バンプおよび複数のグランド用角錐バンプを、前記ステージ機構上に載置された被検査対象物上に配置された電極と相対的に位置決めして所望の接触圧で接触させて被検査対象物に対して電気的特性検査用の信号の授受を行って電気的特性検査を行うように構成したことを特徴とする電気的特性検査装置におけるプロービング装置。
【請求項21】スルーホールで接続された表面側および裏面側の配線パターンを有し、該裏面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々に信号線用角錐バンプを設け、前記裏面側の配線パターンにおけるグランド用パターンに複数のグランド用角錐バンプを設け、表面側の配線パターンにおける複数の信号線用パターンの各々を複数の同軸ケーブルの各々の接続部の信号線部と接続し、表面側の配線パターンにおけるグランド用パターンを前記複数の同軸ケーブルの各々の接続部のグランド線部と接続して構成されるプリント配線基板を備えて構成することを特徴とするプローブシート構造。
【請求項22】スルーホールを介して表裏の配線パターン同士を接続したプリント配線基板を製造するプリント基板製造工程と、Si基板を選択エッチングをして複数の信号用角ピットおよび複数のグランド用角ピットを形成する角ピット形成工程と、該角ピット形成工程で形成されたSi基板の複数の信号用角ピットおよび複数のグランド用角ピットの各々にはんだホールを搭載するはんだボール搭載工程と、該はんだボール搭載工程でSi基板の複数の信号用角ピットおよび複数のグランド用角ピットの各々に搭載されたはんだボールと、前記プリント配線基板製造工程で製造されたプリント配線基板の裏面配線パターンにおける複数の信号パターンおよびグランドパターンとを、相対的に位置合わせをして加熱することにより各はんだボールを溶融して、プリント配線基板側では裏面配線パターンと接続し、更にSi基板側では角ピットの形状に倣って角錐バンプを形成し、該形成されたはんだ角錐バンプを冷却・硬化させた後、Si基板を取り外すことによって複数の信号用はんだ角錐バンプおよび複数のグランド用はんだ角錐バンプが転写されたプリント配線基板を得るバンプ形成工程とを有することを特徴とする角錐バンプ付プリント配線基板の製造方法。
【図2】
【図3】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図7】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図3】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図7】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2002−139547(P2002−139547A)
【公開日】平成14年5月17日(2002.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−331107(P2000−331107)
【出願日】平成12年10月30日(2000.10.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年5月17日(2002.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成12年10月30日(2000.10.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】
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