説明

電流検出式の双方向スイッチおよびプラズマディスプレイ用の駆動回路

【解決手段】開示される双方向スイッチ(20)は、第1および第2の半導体スイッチング素子(22)と、これらのスイッチング素子に直列に接続されることによって直列回路を形成する電流センサ(RS)と、これら第1および第2のスイッチング素子がほぼ同時にオン・オフされるようにこれら第1および第2のスイッチング素子のオン・オフ操作を制御する駆動回路(30)であって、制御入力に応じてこれら第1および第2のスイッチング素子をオンにしたり電流センサの電流がほぼゼロ電流近くまで低下する際にこれら第1および第2のスイッチング素子をオフにしたりする駆動回路と、を備える。また、このような双方向スイッチ(20)を用いたプラズマディスプレイパネル(PDP)用の放電サステイン駆動回路も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング回路に関する。具体的に言うと、本発明は、電流検出式の双方向スイッチング回路に関し、更に具体的に言うと、本発明は、プラズマディプレイ用の電流検出式の双方向スイッチング回路に関する。本発明は、電流検出式の双方向スイッチと、該双方向スイッチを用いたプラズマディプレイ装置用のサステイン駆動回路とに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイ装置は、薄型のディスプレイ装置であるという理由で好評を博している。現在のところ、プラズマディスプレイパネル(PDP)装置は、テレビのモニタおよび受像器ならびにパソコンのモニタなどを含む多くの用途に用いられている。AC型プラズマディプレイ装置には、通常約180ボルトのAC電圧が印加される。このようなディスプレイ装置は、限られた時間しか放電を行うことができない。放電を持続させるためには、PDP装置にAC信号を供給することが可能である。PDP装置は、基本的に容量式であるので、放電を維持するためには、PDPに素早く交流電圧を印可する必要がある。したがって、PDPは、印可される電圧を周期的に逆転させるAC信号によって充電と放電とを繰り返さなければならない。
【0003】
目下のところ、代表的なPDPサステインドライバは、Bプラス電圧によってPDP上に発生する電荷を蓄えるための少なくとも2つのコンデンサと、更に、PDP上の電荷を周期的に逆転させるためのいくつかのトランジスタスイッチおよびダイオードならびに少なくとも2つのインダクタとを使用している。
【0004】
一般に、このようなPDPサステインドライバは、フルブリッジドライバと、電荷の蓄積およびその逆転を可能にする目的で電荷蓄積コンデンサに接続された2つのインダクタおよび更に2つのスイッチング回路とを内蔵している。
【0005】
図1には、従来の技術による代表的なPDPサステインドライバが示されている。PDP装置は、主として容量式であるので、コンデンサCpとして示されている。コンデンサCpは、トランジスタQ3,Q4,Q7,Q8で構成されるフルブリッジドライバ10の出力に接続されている。フルブリッジドライバは、Bプラス電源とアースとの間に接続され、Bプラス電源は、一般に170〜180ボルトの直流である。Cpで表されるPDP装置の両端に接続されたフルブリッジドライバの出力は、インダクタL1,L2を通じて電荷蓄積回路12,14にも接続されている。一方の電荷蓄積回路12は、トランジスタQ1,Q2、ダイオードD1,D2、および電荷蓄積コンデンサC1を備える。もう一方の電荷蓄積回路14は、トランジスタQ5,Q6、ダイオードD3,D4、および電荷蓄積コンデンサC2を備える。また、ダイオードD5,D6,D7,D8も必要とされる。したがって、図1に示された回路は、8つのトランジスタ、8つのダイオード、2つのインダクタ、および2つの電荷蓄積コンデンサを備える。
【0006】
図1の回路において、AC型プラズマディプレイパネル(ACPDP)は、フルブリッジドライバ10を用いることによって、パネル(Cp)に正の電圧および負の電圧を交互に印可し、所定期間にわたって画像を維持している。PDPは、容量性の負荷であるので、フルブリッジを構成するスイッチに高いピーク電流が流れ込む事態を避けることができない。これは、過剰の損失をもたらし、システム効率を低下させる。図1に示されたPDPサステイン回路は、このような損失およびピーク電流を抑えるために、電荷の蓄積および回復を行う回路構成を用いてピーク電流の低下を図っている。
【0007】
図1に示されるように、サイクルの動作は以下の通りである。先ず、パネルCpは、バス電圧源によって、図1に示された正の方向に充電される。トランジスタQ2,Q8は、初めはオンにされている。次いで、Cpからの電荷は、インダクタL1と、ダイオードD2と、トランジスタQ2と、トランジスタQ8とを通じてコンデンサC1に移動される。すると、Q2およびQ8はオフにされる。次いで、Q5およびQ4がオンにされる。これらのトランジスタがオンにされた状態で、Cpで表されたPDPは、コンデンサC2に蓄積された電荷によって、トランジスタQ5と、ダイオードD3と、インダクタL2と、トランジスタQ4とを通じて逆方向に充電される。こうして、Cpは逆方向に充電され、Q5はオフにされる。次いで、トランジスタQ7がオンにされ、コンデンサCpは、バス電圧によって、トランジスタQ7と、やはりオン状態にあるトランジスタQ4とを通じてフル充電される。Q7は、所定時間の経過後にオフにされ、PDP Cpは、今度は逆方向にフル充電される。次いで、Q4をなおもオン状態に維持したままで、トランジスタQ6をオンにする。すると、Cpの電荷は、L2、D4、Q6、およびQ4を通じてコンデンサC2に移動される。
【0008】
次いで、トランジスタQ1,Q8がオンにされる。すると、C1に存在する電荷は、Cpに移動されるので、パネルは再び逆方向に充電される。コンデンサC1の電荷は、トランジスタQ1と、ダイオードD1と、インダクタL1と、トランジスタQ8とを通じてCpに移動される。トランジスタQ4は、この時点でオフにされる。次いで、Q8をオン状態に維持したまま、今度はQ1をオフにするとともにQ3をオンにし、プラズマディプレイパネルの容量を最初の方向にフルバス電圧までフル充電する。Q3は所定の時間の経過後にオフにされ、サイクルは繰り返されるので、Q2およびQ8はオンにされ、前述のように、コンデンサC1に電荷を移動させる。
【0009】
構成要素Q1,Q2,D1,D2は、CpからC1に、そして反対にC1からCpに電荷を移動させる双方向スイッチとして機能する。同様に、構成要素Q5,Q6,D3,D4は、CpとC2との間で電荷を移動させる双方向スイッチとして機能する。これらのトランジスタは、例えばIR−2110ハーフブリッジドライバまたはIR−2113ハーフブリッジドライバなどのハーフブリッジドライバによって駆動される。インダクタL1,L2は、電荷の大部分を確実に移動させるために必要である。これらのインダクタを欠くと、いずれの方向にも半分ほどの電荷しか移動させることができない。Cpとバス電圧との電圧差が小さい場合は、フルブリッジスイッチを流れるピーク電流も減少するので、損失を抑えることができる。したがって、電荷の大部分を移動させることは、大いに望ましいことである。また、移動のタイミングも重要である。移動のタイミングは、インダクタを流れる電流がゼロに近づくように、十分な長さを取る必要がある。なぜなら、そうすれば、いずれの方向にも最大量の電荷を確実に移動させられるからである。図2および図3は、従来の双方向スイッチの主要構成要素をシミュレートした図である。これらの図から明らかなように、Cpにかかる電圧が最小で、且つインダクタL1を流れる電流がゼロであるとき、C1にかかる電圧は最大である、すなわち、電荷の大部分は移動済みである。インダクタは、移動期間が終了した時点で、必然的に、構成要素およびタイミングのばらつきを原因とするある程度の残留電流を有する。ダイオードD5,D6,D7,D8は、この残留電流を散逸させる目的で設けられているが、これらのダイオードは、余分な損失を生じる原因にもなる。
【0010】
図1に示された回路は、複雑な構成を有するうえに、かなりの数の構成要素を必要とする。すなわち、前述のように、8つのトランジスタ、8つのダイオード、2つの蓄積コンデンサ、および2つのインダクタを必要とする。この回路は、複雑で高価であるうえに、多数の構成要素を用いるゆえの余計なスイッチング損失を伴う。
【0011】
したがって、使用される構成要素が少ないうえに被る損失も少ない簡単で安価な回路を提供することが望まれている。
【0012】
また、PDPサステイン駆動回路およびその他の用途で用いることができる改良型の双方向スイッチを提供することも望まれている。
【発明の開示】
【0013】
本発明の目的は、改良型の双方向スイッチを、より具体的には電流検出式の双方向スイッチを提供することにある。
【0014】
本発明の更なる目的は、プラズマディプレイ装置用の改良型のサステインドライバを提供することにある。
【0015】
本発明の上記およびその他の目的は、下記の双方向スイッチによって実現される。
すなわち、この双方向スイッチは、
第1および第2の半導体スイッチング素子と、
これら第1および第2のスイッチング素子に直列に接続されることによって直列回路を形成する電流センサと、
これら第1および第2のスイッチング素子がほぼ同時にオン・オフされるように、これら第1および第2のスイッチング素子のオン・オフ操作を制御する駆動回路であって、制御入力に応じて第1および第2のスイッチング素子をオンにしたり電流センサを流れる電流がほぼゼロ電流近くまで低下する際に第1および第2のスイッチング素子をオフにしたりする駆動回路と、
を備える。
【0016】
本発明の目的は、また、下記の双方向スイッチによっても実現される。
すなわち、この双方向スイッチは、
少なくとも1つの半導体スイッチング素子と、
この少なくともスイッチング素子に直列に接続されることによって直列回路を形成する電流センサと、
この少なくとも1つのスイッチング素子のオン・オフ操作を制御する駆動回路であって、制御入力に応じてスイッチング素子をオンにしたり電流センサを流れる電流がほぼゼロ電流に近くまで低下する際にスイッチング素子をオフにしたりする駆動回路と、
を備える。
【0017】
更に、本発明の目的は、プラズマディプレイ装置用の放電サステイン駆動回路によっても実現される。
すなわち、この放電サステイン駆動回路は、
プラズマディプレイ装置にかかるDCバス電圧の切り換えを行うための第1のトランジスタスイッチング回路と、
蓄積容量と、
少なくとも1つのインダクタと、
第1および第2の双方向スイッチング回路であって、互いに直列に結合されるとともに第1のスイッチング回路に結合され、少なくとも1つのインダクタを通じてプラズマディプレイ装置から蓄積容量に電荷を移動させたりプラズマディプレイ装置に戻したりする第1および第2の双方向スイッチング回路と、
これら第1および第2の双方向スイッチング回路用のコントローラであって、これら第1および第2の双方向スイッチング回路が蓄積容量の電荷を受け取ったりその電荷を逆充電方向にプラズマディプレイ装置に戻したりするように、これら第1および第2の双方向スイッチング回路を制御するコントローラと、
を備える。
【0018】
本発明の目的は、また、電流センサをそれぞれに有し、それぞれ自身を流れる電流がほぼゼロであるときにオフになる、複数の双方向スイッチング回路によっても実現される。
【0019】
本発明の目的は、更に、プラズマディプレイ装置用の放電サステイン駆動回路を操作する下記の方法によって実現される。
この放電サステイン駆動回路は、
プラズマディプレイ装置にかかるDCバス電圧の切り換えを行うための第1のトランジスタスイッチング回路と、
蓄積容量と、
少なくとも1つのインダクタと、
第1および第2の双方向スイッチング回路であって、互いに直列に結合されるとともに第1のスイッチング回路に結合され、少なくとも1つのインダクタを通じてプラズマディプレイ装置から蓄積容量に電荷を移動させたりプラズマディプレイ装置に戻したりする第1および第2の双方向スイッチング回路と、
これら第1および第2の双方向スイッチング回路用のコントローラであって、これら第1および第2の双方向スイッチング回路が蓄積容量の電荷を受け取ったりその電荷を逆充電方向にプラズマディプレイ装置に戻したりするように、これら第1および第2の双方向スイッチング回路を制御するコントローラと、
を備える。
このとき、第1のスイッチングは、DCバスの両端に接続された第1および第2の直接接続トランジスタと、DCバスの両端に接続された第3および第4の直列接続トランジスタとを含むフルブリッジスイッチング回路であり、
このうち、第1および第3のトランジスタは、高電位側に接続され、第2および第4のトランジスタは、低電位側に接続され、
プラズマディプレイ装置は、第1および第2のトランジスタの共通接続と、第3および第4のトランジスタの共通接続との間に接続され、
第1および第2の双方向スイッチング回路は、互いに直列に結合され、
蓄積容量および少なくとも1つのインダクタは、直列回路のかたちで第2の双方向スイッチング回路の両端に結合される。
プラズマディプレイ装置用のこの放電サステイン駆動回路を操作する方法は、
プラズマディプレイ装置をほぼバス電圧まで充電するために、第1および第4のトランジスタをオンにする工程と、
プラズマディプレイ装置がほぼバス電圧まで充電されたときに、第1および第4のトランジスタをオフにする工程と、
プラズマディプレイ装置の電荷を蓄積容量に移動させるために、第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
第1の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、第1の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
蓄積容量の電荷を逆転させるために、第2の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
第2の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、第2の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
蓄積容量の逆転電荷をプラズマディプレイ装置に移動させるために、第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
プラズマディプレイ装置を逆方向にほぼバス電圧までフル充電するために、第2および第3のトランジスタをオンにする工程と、
プラズマディプレイ装置がほぼバス電圧まで充電されたときに、第2および第3のトランジスタをオフにする工程と、
プラズマディプレイ装置の逆転電荷を蓄積容量に移動させるために、第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
第1の双方向スイッチングを流れる電流がほぼゼロになるときに、第1の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
蓄積容量の電荷を再び逆転させるために、第2の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
第2の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、第2の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
蓄積容量の電荷をプラズマディプレイ装置に移動させるために、第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
プラズマディプレイ装置における放電を持続させる必要がある限り、上記の各工程を繰り返す工程と、
を備える。
【0020】
添付の図面を参照にして行われる以下の説明から、本発明の他の特徴および利点が明らかになる。
【0021】
本発明は、添付の図面を参照にして行われる以下の詳細な説明において、更に詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
再び図面を参照せよ。図4Aは、本発明にしたがった、電流検出式の双方向スイッチを示している。図に示された実施形態において、双方向スイッチ20は、2つのソース接地すなわちNチャネルMOSFET22と、1つの駆動IC30とを用いている。これらのNチャネルFETは、同時にオン・オフされるので、それらのゲートは、駆動回路30の出力HOに共通に接続されている。双方向スイッチ20は、制御回路のIN端子に印加されるONパルスを通じて外部から駆動される。スイッチを流れる電流を検出するために、およそ10ミリオームの直列抵抗RSが用いられる。双方向スイッチ20は、電流がゼロに近づき、一方の入力/出力(I/O)から他方の入力/出力(I/O)への電荷の移動が完了したことが示されたときに、自動的にオフにされる。スイッチ制御回路のブロック図が、図5に示されている。図4Aは、入力IN、電流検出入力CS、および出力HOにおける波形を、ソース電圧VSを基準に示している。制御回路30の端子は、入力論理供給電圧であるVCCと、高電位側ゲートドライバのための論理入力であるINと、低電位側論理供給のリターンであるCOMと、ブートストラップコンデンサの充電入力であるCHGと、高電位側のフローティング供給であるVBと、高電位側の出力であるHOと、高電位側の電流検出入力であるCSと、高電位側フローティング供給のリターンであるVSとを含む。
【0023】
図5に示されるように、制御回路のブロック図は、MOSFET、シュミットトリガ、パルス発生器、dv/dtフィルタ、RSラッチ、レベルシフタ、比較器、および増幅器など、ほとんど従来からの回路構成を用いているので、ここでは詳細な説明を省く。図4Aに示されるように入力INで入力が受信されると、出力HOは、遅延td(オン)後に高くなる。図4Aには、電流検出入力CSにおける代表的な波形が示されている。これは、抵抗RSを流れる電流に比例する。検出電流がゼロに戻ると、出力HOは、遅延td(オフ)後に低くなり、MOSFET22をオフにする。出力HOは、MOSFETに直列に接続された検出抵抗の次の電流ゼロクロス点で自動的にシャットダウンする。出力HOは、また、IN端子における論理ゼロによってオフにすることもできる。これは、図4Bの25で示されている。つまり、電流検出入力がゼロになる前にゼロになる入力が入力INで受信されると、HO出力は、27で示されるようにゼロになる。それ以外の場合は、出力HOは、図4Bの29で示されるように次の電流ゼロクロス点でゼロになる。
【0024】
再び図4Aを参照するとわかるように、電流は、スイッチ内を双方向に流れることができるので、電流検出の回路構成では、図5に示されるように、双方向のゼロクロス点の検出を補助するためのレベルシフト機能回路35が用いられている。この構成の双方向スイッチは、図1にあるような、MOSFET Q1,Q2,Q3,Q4に直列のダイオードD1,D2,D3,D4を必要としない。また、インダクタL1,L2における残留電流は、構成要素や入力パルス幅のばらつきに寄らずに常に小さいので、ダイオードD5,D6,D7,D8も不要である。唯一の条件は、入力パルスの幅が、電荷を完全に移動させるために必要な幅よりも広くなくてはならない点である。したがって、入力パルスINの幅は、電荷がいつ完全に移動されかをゼロクロスによって示す入力CSにおけるパルス幅よりも、幅広であることが望ましい。図4Bに示されるように、31から33に至るINは、パルスCSと比べて時間的に長い。更に、図4Aの回路は、パネルと蓄積コンデンサとの間で電荷を完全に移動させることができるので、システム効率を高めることができる。
【0025】
図6は、本発明にしたがった、双方向スイッチを用いたPDPサステイン駆動回路を示している。図に示されるように、サステイン駆動回路は、トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4を備えるフルブリッジと、1つの蓄積コンデンサCsとを、BDS1およびBDS2として示された2つの双方向スイッチおよびインダクタL1,L2とともに用いている。この回路は、ダイオードD1〜D8および一方の蓄積コンデンサを必要としない。図7を参照にして説明されるもう1つの実施形態では、必要とされるインダクタは1つのみである。
【0026】
図6を参照にすると、回路は、以下のように作動することがわかる。先ず、トランジスタQ3,Q4がオンにされる。これは、ディスプレイCpパネルを、トランジスタQ3,Q4を通じてフルバス電圧まで充電する。次いで、Q3,Q4はオフにされる。次いで、双方向スイッチBDS1がオンにされ、BDS1およびインダクタL1を通じてディスプレイCpから蓄積コンデンサCsへと電荷が移動される。BDS1は、図4Bにしたがって、Csへの電荷の移動が完了した電流ゼロクロス点で自動的にオフになる。次いで、BDS2がオンにされ、Csの電荷はBDS2を通じてインダクタL2へと流れ込む。L2ひいてはBDS2を流れる電流がゼロになると、CsおよびL2を含む共振回路の電荷は逆転され、BDS2はオフになる。次いで、BDS1がオンにされ、逆帯電されたコンデンサCsは、今度はその電荷を、BDS1と、Csと、L1とを含む直列回路の両端に直接に接続されたCpに、BDS1およびL1を通じて移動させる。次いで、Q1およびQ2がオンにされ、Cpにかかる逆電圧は、Cpを更にフルバス電圧まで充電する。次いで、Q1およびQ2はオフにされ、Cpに蓄積された電荷をCsに移動させるとともに逆転させるために、BDS1およびBDS2が再び用いられる。したがって、Cpにかかる逆充電された電圧は、BDS1のオン操作を通じてCsに移動され、このBDS1は、電荷が完全に移動された時点でオフになる。次いで、Csの電荷を再び逆転させるために、BDS2がオンにされる。BDS2は、電荷が逆転された時点でオフにされる。そして、再びCpを逆方向に充電することが行われ、サイクルが繰り返される。すなわち、Cpをフルバス電圧まで充電するために、Q3およびQ4がオンにされ、その電荷を移動させるとともに逆転させるために、スイッチBDS1およびBDS2が用いられる。
【0027】
図6に従った回路は、図1の回路と比べて、使用する構成要素が9つ少ない(すなわち、図1のダイオードD1〜D8および一方の蓄積コンデンサが排除されている)。更に、CpとCsとの間における効率良い電荷移動によって、フルブリッジを流れる二種類の電流を減少させることができるので、結果としてスイッチング損失も低減される。
【0028】
図7は、1つのインダクタL1のみを使用する別の回路を説明した図である。図6の回路と同様に、先ず、Q3およびQ4が、Cpをフルバス電圧まで充電し、次いで、オフにされる。次いで、Csを充電するために、BDS1がオンにされる。BDS1は、Cpの電荷がCsに移動されるとオフになる。次いで、BDS2がオンにされ、L1を通じてCsの電荷が逆転されるとオフになる。次いで、BDS1がオンにされ、逆充電されたCsからCpへと電荷が移動し、Cpを逆充電する。次いで、Q1およびQ2がオンにされ、Cpを逆方向にフルバス電圧までフル充電する。次いで、Q1およびQ2がオフにされるとともにBDS1がオンにされ、Csを充電する。Csが逆方向にフル充電されると、BDS1がオフにされるとともにBDS2がオンにされ、Csの電荷を再び逆転させる。次いで、BDS2がオフにされるとともにBDS1がオンにされ、Cpを再び元の方向に充電する。こうして、サイクルが繰り返される。
【0029】
以上では、電流検出式の双方向スイッチと、プラズマディプレイ装置用の高効率のサステインドライバとに関して説明を行ってきた。
【0030】
以上では、特定の実施の形態を取り上げて発明を説明してきたが、当業者ならば、他の変更および代替の形態ならびに他の用途を多数思い付くことが可能である。したがって、本発明は、本明細書に記載された詳細に限定されず、添付した特許請求の範囲によってのみ範囲を限定される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来の技術によるPDPサステイン駆動回路を示した図である。
【図2】図1の回路において、PDPから電荷蓄積コンデンサへの電荷の移動をシミュレートするために用いられる回路を示した図である。
【図3】PDPから電荷蓄積コンデンサへの電荷の移動をシミュレートした結果を、蓄積コンデンサにかかる電圧、PDP Cpにかかる電圧、インダクタL1を流れる電流、およびスタートパルスに関して示した図である。
【図4A】本発明にしたがった、電流検出式の双方向スイッチを示した図である。
【図4B】図4Aの回路に関する波形を示した図である。
【図5】図4Aの回路のための双方向スイッチドライバを示したブロック図である。
【図6】本発明の双方向スイッチを用いた本発明のPDPサステイン回路を示した図である。
【図7】図6の回路の変更形態であって、インダクタを1つだけ使用する場合の形態を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向スイッチであって、
第1および第2の半導体スイッチング素子と、
前記スイッチング素子に直列に接続されることによって直列回路を形成する電流センサと、
前記第1および第2のスイッチング素子がほぼ同時にオン・オフされるように、前記第1および第2のスイッチング素子のオン・オフ操作を制御するための駆動回路であって、制御入力に応じて前記第1および第2のスイッチング素子をオンにしたり前記電流センサの電流がほぼゼロ電流近くまで低下する際に前記第1および第2のスイッチング素子をオフにしたりする駆動回路と、
を備える双方向スイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載の双方向スイッチであって、
前記電流センサは検出抵抗である、双方向スイッチ。
【請求項3】
請求項1に記載の双方向スイッチであって、
前記第1および第2のスイッチング素子は、
a)前記制御入力が状態を変化させること、または
b)前記電流センサを流れる電流がほぼゼロ電流まで低下すること
のうち、最初に生じる方に応じてオフになる、双方向スイッチ。
【請求項4】
請求項1に記載の双方向スイッチであって、
前記駆動回路は、前記電流センサに結合された電流検出入力を有し、更に、前記電流センサにおける電流ゼロクロス点を双方向に検出するためのレベルシフト回路を含む、双方向スイッチ。
【請求項5】
プラズマディプレイ装置用の放電サステイン駆動回路であって、
前記プラズマディプレイ装置にかかるDCバス電圧の切り換えを行うための第1のトランジスタスイッチング回路と、
蓄積容量と、
少なくとも1つのインダクタと、
第1および第2の双方向スイッチング回路であって、互いに直列に結合されるとともに前記第1のトランジスタスイッチング回路に結合され、前記少なくとも1つのインダクタを通じて前記プラズマディプレイ装置から前記蓄積容量に電荷を移動させたり前記プラズマディプレイ装置に戻したりする第1および第2の双方向スイッチング回路と、
前記双方向スイッチング回路用のコントローラであって、前記双方向スイッチング回路が前記蓄積容量の電荷を受け取ったりその電荷を逆充電方向に前記プラズマディプレイ装置に戻したりするように、前記双方向スイッチング回路を制御するコントローラと、
を備える放電サステイン駆動回路。
【請求項6】
請求項5に記載の放電サステイン駆動回路であって、
前記第1のトランジスタスイッチング回路は、フルブリッジトランジスタスイッチング回路である、放電サステイン駆動回路。
【請求項7】
請求項5に記載の放電サステイン駆動回路であって、
前記蓄積容量は、単数の蓄積コンデンサである、または並列に接続された複数の蓄積コンデンサである、放電サステイン駆動回路。
【請求項8】
請求項5に記載の放電サステイン駆動回路であって、
前記双方向スイッチング回路は、それぞれ電流センサを含み、自身を流れる電流がほぼゼロであるときにオフになる、放電サステイン駆動回路。
【請求項9】
請求項5に記載の放電サステイン駆動回路であって、
前記双方向スイッチング回路は、それぞれ、ほぼ同時にオンにされる2つの直列接続された半導体スイッチを含む、放電サステイン駆動回路。
【請求項10】
請求項9に記載の放電サステイン駆動回路であって、更に、
前記半導体スイッチに直列の電流センサを備える放電サステイン駆動回路。
【請求項11】
請求項10に記載の放電サステイン駆動回路であって、
前記電流センサは抵抗である、放電サステイン駆動回路。
【請求項12】
請求項5に記載の放電サステイン駆動回路であって、
前記少なくとも1つのインダクタは、前記双方向スイッチング回路の両方に直列の第1および第2のインダクタであり、前記蓄積容量は、双方向スイッチング回路の一方と前記第2のインダクタとの直列接続に並列に接続される、放電サステイン駆動回路。
【請求項13】
請求項5に記載の放電サステイン駆動回路であって、
前記少なくとも1つのインダクタは、前記蓄積容量とともに直列回路を形成するように接続され、前記蓄積容量と前記少なくとも1つのインダクタとの前記直列回路は、前記双方向スイッチング回路の一方に並列に接続される、放電サステイン駆動回路。
【請求項14】
請求項6に記載の放電サステイン駆動回路であって、
前記フルブリッジスイッチング回路は、前記DCバスの両端に接続された第1および第2の直列接続されたトランジスタと、前記DCバスの両端に接続された第3および第4の直列接続されたトランジスタとを含み、前記第1および第3のトランジスタは、高電位側に接続され、前記第2および第4のトランジスタは、低電位側に接続され、
前記プラズマディプレイ装置は、前記第1および第2のトランジスタの共通接続と、前記第3および第4のトランジスタの共通接続との間に接続され、前記第1および第2の双方向スイッチング回路は、互いに直列に結合されるとともに第1および第2のインダクタに直列に結合され、前記蓄積容量は、前記第2の双方向スイッチング回路と前記第2のインダクタとの直列接続の両端に接続され、
前記回路(放電サステイン駆動回路)は、
前記プラズマディプレイ装置をほぼバス電圧まで充電するために、前記第1および第4のトランジスタをオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置がほぼバス電圧まで充電されたときに、前記第1および第4のトランジスタをオフにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置の電荷を前記蓄積容量に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記電荷の移動がほぼ完了したときに、前記第1の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の電荷を逆転させるために、前記第2の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記第2の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、前記第2の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の逆転電荷を再び前記プラズマディプレイ装置に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置を逆方向にほぼバス電圧まで更に充電するために、前記第2および第3のトランジスタをオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置がほぼバス電圧まで充電されたときに、前記第2および第3のトランジスタをオフにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置から前記蓄積容量へと電荷を移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記蓄積容量の電荷を逆転させるために、前記第2の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記第2の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、前記第2の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の再逆転電荷を前記プラズマディプレイ装置に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置における放電を持続させる必要がある限り、上記の各工程を繰り返す工程と
に従って動作する、放電サステイン駆動回路。
【請求項15】
請求項14に記載の回路であって、
前記双方向スイッチング回路は、それぞれ、自身を流れる電流がほぼゼロになるときに自動的にオフになる、回路。
【請求項16】
請求項14に記載の回路であって、
前記トランジスタは、いずれもMOSFETであり、前記双方向スイッチング回路は、MOSFETを使用している、回路。
【請求項17】
請求項6に記載の回路であって、
前記フルブリッジスイッチング回路は、前記DCバスの両端に接続された第1および第2の直列接続されたトランジスタと、前記DCバスの両端に接続された第3および第4の直列接続されたトランジスタとを含み、前記第1および第3のトランジスタは、高電位側に接続され、前記第2および第4のトランジスタは、低電位側に接続され、
前記プラズマディプレイ装置は、前記第1および第2のトランジスタの共通接続と、前記第3および第4のトランジスタの共通接続との間に接続され、前記第1および第2の双方向スイッチング回路は、互いに直列に結合され、前記蓄積容量および前記少なくとも1つのインダクタは、直列回路のかたちで前記第2の双方向スイッチング回路の両端に接続され、
前記回路は、
前記プラズマディプレイ装置をほぼバス電圧まで充電するために、前記第1および第4のトランジスタをオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置がほぼバス電圧まで充電されたときに、前記第1および第4のトランジスタをオフにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置の電荷を前記蓄積容量に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記第1の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、前記第1の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の電荷を逆転させるために、前記第2の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記第2の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、前記第2の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の逆転電荷を前記プラズマディプレイ装置に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置を逆方向にほぼバス電圧までフル充電するために、前記第2および第3のトランジスタをオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置がほぼバス電圧まで充電されたときに、前記第2および第3のトランジスタをオフにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置の逆転電荷を前記蓄積容量に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記第1の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、前記第1の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の電荷を再び逆転させるために、前記第2の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記第2の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、前記第2の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の電荷を前記プラズマディプレイ装置に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置における放電を持続させる必要がある限り、上記の各工程を繰り返す工程と
に従って動作する、回路。
【請求項18】
請求項17に記載の回路であって、
前記双方向スイッチング回路は、それぞれ、自身を流れる電流がほぼゼロであるときに自動的にオフになる、回路。
【請求項19】
請求項17に記載の回路であって、
前記トランジスタは、いずれもMOSFETであり、前記双方向スイッチング回路は、MOSFETを使用している、回路。
【請求項20】
請求項5に記載の回路であって、
前記第1および第2の双方向スイッチング回路は、それぞれ、
第1および第2の半導体スイッチング素子と、
前記第1および第2のスイッチング素子に直列に接続されることによって直列回路を形成する電流センサと、
前記第1および第2のスイッチング素子がほぼ同時にオン・オフされるように、前記第1および第2のスイッチング素子のオン・オフ操作を制御するための駆動回路であって、制御入力に応じて前記第1および第2のスイッチング素子をオンにしたり前記電流センサの電流がほぼゼロ電流近くまで低下する際に前記第1および第2のスイッチング素子をオフにしたりする駆動回路と
を含む、回路。
【請求項21】
請求項5に記載の回路であって、
前記第1および第2の双方向スイッチング回路は、それぞれ、
少なくとも1つの半導体スイッチング素子と、
前記少なくとも1つのスイッチング素子に直列に接続されることによって直列回路を形成する電流センサと、
前記少なくとも1つのスイッチング素子のオン・オフ操作を制御するための駆動回路であって、制御入力に応じて前記スイッチング素子をオンにしたり前記電流センサの電流がほぼゼロ電流近くまで低下する際に前記スイッチング素子をオフにしたりする駆動回路と
を含む、回路。
【請求項22】
双方向スイッチであって、
少なくとも1つの半導体スイッチング素子と、
前記少なくとも1つのスイッチング素子に直列に接続されることによって直列回路を形成する電流センサと、
前記少なくとも1つのスイッチング素子のオン・オフ操作を制御するための駆動回路であって、制御入力に応じて前記スイッチング素子をオンにしたり前記電流センサの電流がほぼゼロ電流近くまで低下する際に前記スイッチング素子をオフにしたりする駆動回路と
を備える双方向スイッチ。
【請求項23】
請求項22に記載の双方向スイッチであって、
前記電流センサは検出抵抗である、双方向スイッチ。
【請求項24】
請求項22に記載の双方向スイッチであって、
前記スイッチング素子は、
a)前記制御入力が状態を変化させること、または
b)前記電流センサを流れる電流がほぼゼロ電流まで低下すること
のうち、最初に生じる方に応じてオフになる、双方向スイッチ。
【請求項25】
請求項22に記載の双方向スイッチであって、
前記駆動回路は、前記電流センサに結合された電流検出入力を有し、更に、前記電流センサにおける電流ゼロクロス点を双方向に検出するためのレベルシフト回路を含む、双方向スイッチ。
【請求項26】
プラズマディプレイ装置用の放電サステイン駆動回路であって、
前記プラズマディプレイ装置にかかるDCバス電圧の切り換えを行うための第1のトランジスタスイッチング回路と、
蓄積容量と、
少なくとも1つのインダクタと、
第1および第2の双方向スイッチング回路であって、互いに直列に結合されるとともに前記第1のトランジスタスイッチング回路に結合され、前記少なくとも1つのインダクタを通じて前記プラズマディプレイ装置から前記蓄積容量に電荷を移動させたり前記プラズマディプレイ装置に戻したりする第1および第2の双方向スイッチング回路と、
前記第1および第2の双方向スイッチング回路用のコントローラであって、前記第1および第2の双方向スイッチング回路が前記蓄積容量の電荷を受け取ったりその電荷を逆充電方向に前記プラズマディプレイ装置に戻したりするように、前記第1および第2の双方向スイッチング回路を制御するコントローラと、
を備え、前記第1および第2の双方向スイッチング回路は、それぞれ、自身を流れる電流がほぼゼロであるときにオフになる、放電サステイン駆動回路。
【請求項27】
プラズマディプレイ装置用の放電サステイン駆動回路であって、
前記プラズマディプレイ装置にかかるDCバス電圧の切り換えを行うための第1のトランジスタスイッチング回路と、
蓄積容量と、
少なくとも1つのインダクタと、
第1および第2の双方向スイッチング回路であって、互いに直列に結合されるとともに前記第1のトランジスタスイッチング回路に結合され、前記少なくとも1つのインダクタを通じて前記プラズマディプレイ装置から前記蓄積容量に電荷を移動させたり前記プラズマディプレイ装置に戻したりする第1および第2の双方向スイッチング回路と、
前記第1および第2の双方向スイッチング回路用のコントローラであって、前記第1および第2の双方向スイッチング回路が前記蓄積容量の電荷を受け取ったりその電荷を逆充電方向に前記プラズマディプレイ装置に戻したりするように、前記第1および第2の双方向スイッチング回路を制御するコントローラと
を備え、前記蓄積容量は、単数の蓄積コンデンサである、または並列に接続された複数の蓄積コンデンサである、放電サステイン駆動回路。
【請求項28】
プラズマディプレイ装置用の放電サステイン駆動回路を動作させる方法であって、
前記放電サステイン駆動回路は、
前記プラズマディプレイ装置にかかるDCバス電圧の切り換えを行うための第1のトランジスタスイッチング回路と、
蓄積容量と、
少なくとも1つのインダクタと、
第1および第2の双方向スイッチング回路であって、互いに直列に結合されるとともに前記第1のトランジスタスイッチング回路に結合され、前記少なくとも1つのインダクタを通じて前記プラズマディプレイ装置から前記蓄積容量に電荷を移動させたり前記プラズマディプレイ装置に戻したりする第1および第2の双方向スイッチング回路と、
前記第1および第2の双方向スイッチング回路用のコントローラであって、前記第1および第2の双方向スイッチング回路が前記蓄積容量の電荷を受け取ったりその電荷を逆充電方向に前記プラズマディプレイ装置に戻したりするように、前記第1および第2の双方向スイッチング回路を制御するコントローラと、を備え、
前記第1のトランジスタスイッチング回路は、前記DCバスの両端に接続された第1および第2の直列接続されたトランジスタと、前記DCバスの両端に接続された第3および第4の直列接続されたトランジスタとを含むフルブリッジスイッチング回路であり、
前記第1および第3のトランジスタは、高電位側に接続され、前記第2および第4のトランジスタは、低電位側に接続され、
前記プラズマディプレイ装置は、前記第1および第2のトランジスタの共通接続と、前記第3および第4のトランジスタの共通接続との間に接続され、
前記第1および第2の双方向スイッチング回路は、互いに直列に結合されるとともに第1および第2のインダクタに直列に結合され、
前記蓄積容量は、前記第2の双方向スイッチング回路と前記第2のインダクタとの直列接続の両端に接続され、
前記方法は、
前記プラズマディプレイ装置をほぼバス電圧まで充電するために、前記第1および第4のトランジスタをオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置がほぼバス電圧まで充電されたときに、前記第1および第4のトランジスタをオフにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置の電荷を前記蓄積容量に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記電荷の移動がほぼ完了したときに、前記第1の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の電荷を逆転させるために、前記第2の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記第2の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、前記第2の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の逆転電荷を前記プラズマディプレイ装置に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置を逆方向にほぼバス電圧まで更に充電するために、前記第2および第3のトランジスタをオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置がほぼバス電圧まで充電されたときに、前記第2および第3のトランジスタをオフにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置から前記蓄積容量に電荷を移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記蓄積容量の電荷を逆転させるために、前記第2の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記第2の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、前記第2の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の再逆転電荷を前記プラズマディプレイ装置に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置における放電を持続させる必要がある限り、上記の各工程を繰り返す工程と
を備える方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、
前記双方向スイッチング回路は、それぞれ、自身を流れる電流がほぼゼロであるときに自動的にオフになる、方法。
【請求項30】
プラズマディプレイ装置用の放電サステイン駆動回路を動作させる方法であって、
前記放電サステイン駆動回路は、
前記プラズマディプレイ装置にかかるDCバス電圧の切り換えを行うための第1のトランジスタスイッチング回路と、
蓄積容量と、
少なくとも1つのインダクタと、
第1および第2の双方向スイッチング回路であって、互いに直列に結合されるとともに前記第1のトランジスタスイッチング回路に結合され、前記少なくとも1つのインダクタを通じて前記プラズマディプレイ装置から前記蓄積容量に電荷を移動させたりそれを前記プラズマディプレイ装置に戻したりする第1および第2の双方向スイッチング回路と、
前記第1および第2の双方向スイッチング回路用のコントローラであって、前記第1および第2の双方向スイッチング回路が前記蓄積容量の電荷を受け取ったりその電荷を逆充電方向に前記プラズマディプレイ装置に戻したりするように、前記第1および第2の双方向スイッチング回路を制御するコントローラと、を備え、
前記第1のトランジスタスイッチング回路は、前記DCバスの両端に接続された第1および第2の直列接続されたトランジスタと、前記DCバスの両端に接続された第3および第4の直列接続されたトランジスタとを含むフルブリッジスイッチング回路であり、
前記第1および第3のトランジスタは、高電位側に接続され、前記第2および第4のトランジスタは、低電位側に接続され、
前記プラズマディプレイ装置は、前記第1および第2のトランジスタの共通接続と、前記第3および第4のトランジスタの共通接続との間に接続され、
前記第1および第2の双方向スイッチング回路は、互いに直列に結合され、
前記蓄積容量および前記少なくとも1つのインダクタは、直列回路のかたちで前記第2の双方向スイッチング回路の両端に結合され、
前記方法は、
前記プラズマディプレイ装置をほぼバス電圧まで充電するために、前記第1および第4のトランジスタをオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置がほぼバス電圧まで充電されたときに、前記第1および第4のトランジスタをオフにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置の電荷を前記蓄積容量に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記第1の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、前記第1の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の電荷を逆転させるために、前記第2の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記第2の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、前記第2の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の逆転電荷を前記プラズマディプレイ装置に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置を逆方向にほぼバス電圧までフル充電するために、前記第2および第3のトランジスタをオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置がほぼバス電圧まで充電されたときに、前記第2および第3のトランジスタをオフにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置の逆転電荷を前記蓄積容量に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記第1の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、前記第1の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の電荷を再び逆転させるために、前記第2の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記第2の双方向スイッチング回路を流れる電流がほぼゼロになるときに、前記第2の双方向スイッチング回路をオフにする工程と、
前記蓄積容量の電荷を前記プラズマディプレイ装置に移動させるために、前記第1の双方向スイッチング回路をオンにする工程と、
前記プラズマディプレイ装置における放電を持続させる必要がある限り、上記の各工程を繰り返す工程と
を備える方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法であって、
前記双方向スイッチング回路は、それぞれ、自身を流れる電流がほぼゼロであるときに自動的にオフになる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−516649(P2007−516649A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533482(P2006−533482)
【出願日】平成16年5月26日(2004.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/016882
【国際公開番号】WO2004/109637
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(505300623)インターナショナル・レクティファイヤ・コーポレーション (23)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL RECTIFIER CORPORATION
【Fターム(参考)】