2次元型検出器を用いた薄膜特性測定装置及びその測定方法
【課題】多層薄膜厚の形状及び屈折率分布を反射光度計の原理を利用して測定する非接触、非破壊性測定装置を提供する。
【解決手段】1枚以上の狭帯域光フィルタと二次元に配列された光検出器を使用し、また薄膜厚さと屈折率とが非線形関数で表示される原理上の数式を反復的な数値演算方法によって最適値を探すことによって基板上の多層薄膜厚の形状、屈折率の分布などを局部的に同時に測定する。
【解決手段】1枚以上の狭帯域光フィルタと二次元に配列された光検出器を使用し、また薄膜厚さと屈折率とが非線形関数で表示される原理上の数式を反復的な数値演算方法によって最適値を探すことによって基板上の多層薄膜厚の形状、屈折率の分布などを局部的に同時に測定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層薄膜の厚さ形状及び屈折率分布を二次元反射光度計の原理を利用して測定する装置とその測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体及び各種ディスプレーのための製品のコーティング工程で基板に蒸着された薄膜の厚さと屈折率などを測定する過程は半導体製品の形成過程を観察、監視することによって品質を向上させ、不良品を早期に発見することによって工程コストを節減するのに重要な役割を果たす。特に、厚さ形状や薄膜層表面の平坦度を監視することは半導体の品質向上に必須過程である。
【0003】
最近、広く使われている薄膜層の厚さ及び屈折率測定装置は反射光度計の原理によるものである。広い意味で薄膜層測定装置とも呼ばれる反射光度計は、非接触、非破壊性測定装置として多重層薄膜の特性が測定でき、また、目標とする試料に特別な準備過程や加工の必要なしに直接測定が可能である。
【0004】
通常的に広く使われている反射光度計の構成は、大体図1Aと図1Bとに表示した通りである。光源100から出発した光が光分割器102で反射されて対物レンズ104を通じて試料薄膜110に入射される。試料基板108は基板106とその上に構成された試料薄膜110で構成されている。試料薄膜110に投射された光は、一部は試料薄膜110の表面、すなわち、試料薄膜110と大気との境界112の一点116で反射され、一部は、試料薄膜110を透過して基板106の表面114、すなわち、基板106と試料薄膜110との境界面114で反射され、さらに対物レンズ104を通じて光分割器102と反射板118との中央部位にある光検出孔120を通じて分光器130に投射された後、この分光器130では投射された反射光を分析し、主に反射光の強度を光波長の関数で求める。この結果は数値変換器132と情報処理器134とを経て試料薄膜110の厚さ、屈折率などを計算して測定値を求める。
【0005】
図1Aの例では、試料薄膜110の表面112(境界面)の一点116に投射された光は一部分が反射され、残りの部分は境界面112を経て試料薄膜110内部に屈折(浸透)されるが、この浸透した光の一部分は試料薄膜110と基板106との境界面114で反射され、残りは基板106内部に屈折(浸透)される。図2では、図1Aの例とは異なり、厚さの異なる薄膜層がある場合を例示した。
【0006】
図2を参考すれば、図1Aで対物レンズ104を通じて投射された光線210が境界面I207上の一点217で一部は反射されて反射光線222方向に向かい、一部は第2薄膜層202を透過して境界面II208の一点218で反射され(224)、また、一部は境界面II208を透過(214)する。この透過した光214の一部は境界面III209の一点219で反射されて反射光線226方向に行き、また一部216は基板206に透過される。
【0007】
図2に示したように、試料基板230で反射されて出てくる光222、224、226は基板206上の第1薄膜層204、第2薄膜層202など様々な媒質間の光学的境界面I207、II208、III209で平行多重反射されて出てくる光線であるゆえに、空気中の開始線228を基準とすれば、相互間に微細な光学的経路差を有し、この相互間の光学的経路差によって干渉現象を起こす。ここでこの微細な光学的経路差は光学的にみる時、各波長別に相異なる経路差が発生することによって光線の波長によって相互補強干渉か相互相殺干渉などの相異なる干渉現象を起こす。このような干渉現象のために反射率を光波長の関数で示せば、図3に表示したような典型的な形態を有する。ここで、横軸は光波長であり、縦軸は反射光を入射光で割った反射率である。
【0008】
図1Aをさらに参考にすれば、試料基板108で反射されて出てきた光線は様々な波長成分の重畳波であるために、この重畳波から波長別反射率を求めるためには、まず反射光線信号を波長別に分離せねばならないが、この波長別反射光線分離が分光器130で行われる。物理的には、プリズムが最も簡単な形態の分光器であるが、通常的に回折格子を利用して単色光成分に分解をする。したがって、回転式回折格子で作られた単色分光器と単一検出器、または固定型回折格子と配列型検出器とを使用して様々な波長に対する反射光の強度を検出した後、数値変換器132で数値資料に変換して情報処理器134で波長別反射率を計算する。
【0009】
図3に表示したような反射光率グラフは薄膜層の厚さ及び各薄膜層と基板の屈折率分布の特性によって独特な形態及びサイズを有している。単一薄膜層の場合に、理論的に反射率は閉鎖型に与えられる。ところが、多重薄膜層の場合には各薄膜層に対する固有行列の乗算で表現される電場−磁場の連関関係から反射率を数値的に計算できる。前記した固有行列式を整理すれば、3つの変数、すなわち、屈折率、薄膜層の厚さ、そして、反射率を相互決定的に関数的に関連させる、単一層の場合とは異なり、非線形関数で与えられる。このような非線形である場合には、反復的な試行錯誤方法で最適解を求めることが実質的な方法である場合が多い。具体的に、図3のような反射率グラフを知っていれば、薄膜層厚を変数としてその初期値を設定し、ここで設定した初期値を使って前記した非線形関数式で計算した反射率と実際に測定した反射率とを比較して誤差を求めた後、その誤差が最小になるように薄膜層厚を反復的な試行錯誤方法で反復的に演算することによって前記計算した反射率と実際に測定した反射率との誤差を最小とする薄膜層厚を求めれば、求めた薄膜層厚が所望の値になる。ここで反射率を計算するための入射光の強度は公知の試料基板及び光源を使って測定する。屈折率は反射率とそれに関連した数字情報を使用して計算すればよい。このような方法が、いわゆる”モデルによる測定方法”の一分野である。前述したように工学的に反射率を測定した後、前記した試行錯誤による”最適化技法”を適用して薄膜の厚さや屈折率を求めることが反射光度計の原理である。
【0010】
一般的に広く使われている反射光度計は薄膜層厚の均一性などを知るために構成された薄膜層の特定な”点”での薄膜層厚を測定するのに使われる。特定な点での厚さを測定するために図1A及び図1Bの反射板118の中央部位にある直径200μm程度の光検出孔120を通じて図1Bの照射された実像122のうちで特定な部分の反射光のみを採光し、すなわち、光検出孔120を通じて入射される反射光を利用して薄膜層の厚さを測定する。分光器によっては図4に示したように採光用に直径200μm程度のガラス繊維424を上板423に孔をあけて設置して上板423に投射された図1Bに示されたような照射部実像122のうちで前記した200μm直径の孔を通じてガラス繊維424を過ぎ行く光を採光する方法を使用する場合もある。
【0011】
一方、広い面積にかけて厚さ形状を測定する装置と方法とが特許文献1(米国特許第5,333,049号(Anthony M.Ledger))に提示された。レジャーの発明によると、シリコンウェハのサイズが100mmの厚さ測定装置を白色光と干渉計の原理を使って具現したが、その測定方法はウェハ領域を400個の小さい領域に分けた後、その小さい領域それぞれに対して反射率を測定した後、標準ウェハを使用して予め定めた反射率対比厚さ表で厚さを読む。ここで、厚さの範囲は少なくとも500個の区分に作る。言い換えれば、試料で反射率を測定した後、標準ウェハで求めたルックアップテーブルで厚さの値を読むのである。この方法は測定速度が速く、ウェハ全体が観察できる長所があるが、標準ウェハのデータを求める時に発生するエラーが生産ウェハ全体に伝えられる短所があり、また通常的に使われるカメラのCCD(ChargeCoupledDevices)感知器では100μm以上にもなる試料ウェハ全体の面積にかけて測定するにはその解像度が十分ではない短所がある。ここで、解像度問題は電気回路の集積度の高い半導体工程で特定された回路の一部分を検査する時に発生する。なぜなら、回路の集積度の高いウェハを処理する工程ではウェハ上の局部的な部分の薄膜厚さやその形成状態を詳細に観察、検査する必要性があるためである。そして、レジャーの発明のさらに他の短所は、ウェハの工程が変わる度に新しい標準ウェハの反射率対比薄膜厚データベースを現場で再構成しなければならないことである。また、前記したレジャーの特許では試料ウェハで測定した反射率の値に含まれている、いわゆるノイズがそのまま薄膜厚の値に反映され、また伝えられる短所がある。このような短所を一部分克服するためにレジャーのさらに他の特許(特許文献2(米国特許第5,365,340号))では試料ウェハで測定した反射率の値を自体標準化した後、標準ウェハのデータベースの値と比較して厚さの値を読む方法を提示した。ここで測定した反射率値の自体標準化は与えられた尺度関数の値を計算した後、最適化値を求めることによって施行する。しかし、前記した特許文献1(米国特許第5,333,049号)が伴う残りの短所が全て特許文献2(米国特許第5,365,340号)にも適用される。
【0012】
前記したレジャーの2つの特許文献1(米国特許第5,333,049号)と特許文献2(米国特許第5,365,340号)が有している共通的で深刻な短所は、薄膜の厚さの値を標準ウェハによって予め測定して整理したデータベースの値と比較して決定するために、薄膜厚さの値が標準ウェハデータベースの値によってあまりにも影響されることである。言い換えれば、標準ウェハによる反射率対比薄膜厚さデータベースは単純に全般的な平均値によって決定された反射率対比薄膜厚さの表に過ぎないために、標準ウェハと試料ウェハなどの膜の表面状態の大部分が均一である時にはその正確度がある程度保証される。しかし、表面に若干の屈曲があって反射率と薄膜厚さの関係とが不規則である時には薄膜厚さとの値の正確度が落ちる。
【0013】
このような短所を克服するために特許文献3(米国特許第5,555,472号(Paul J.ClapisとKeith E.Daniell))で反射率のような係数特性を理論的な数式によって計算した理論的な係数特性のライブラリーを作成した後、試料ウェハ上の諸点で測定した反射率の値と理論的な係数特性の値との誤差値とを最小化することによって薄膜の厚さの値を最適の方法で定める過程を提示した。この方法を2つの膜の厚さを測定するのに応用したが、ここでもやはり2層のうち1層は大部分その均一性を維持するという仮定下に膜層の厚さを測定する方法を提示した。前記した3つの従来技術の例は、共に試料ウェハ全体を測定する装置である。したがって、CCDカメラで反射率を試料ウェハ全面にかけて測定するにはその解像度に限界があり、制限された領域の厚さ形状を詳細に測定するには解像度問題が深刻であり、また前記したような反射率測定装置にノイズが発生して、また伝えられる。
【0014】
ここに比べて、例えば、特許文献4(米国特許第4,999,014号)、特許文献5(米国特許第4,999,508号)、そして、特許文献6(米国特許第4,999,509号)では試料ウェハ上の薄膜の一”点”での反射率を測定することによって、薄膜厚の値を決定する方法を提示した。これらは典型的な従来の分光光度計を利用して薄膜の厚さを測定する薄膜厚測定装置であって特定の一地点での薄膜層の厚さ及び屈折率を測定する装置である。しかし、一点で測定した薄膜層厚及び屈折率に関する情報のみでは薄膜層の特性や品質を評価するには不十分である。かえって、さらに広い面積の厚さ形状と屈折率分布とに関する情報が得られれば、薄膜層の特性や品質を評価するのに従来の点測定方法に比べて非常に有意義な結果が得られる。さらに、現存する分光光度計では相対的に広い対象領域全体の薄膜厚さ形状や近接した様々な点での薄膜厚分布を一度に測定することは不可能である。もちろん、ある領域での薄膜厚分布を求めようとすれば、試料基板を引続き段階的に少しずつ左右、上下方向に動かしながら測定し続ければいいが、このようにするためには超精密試料基板移送装置が必要であり、測定するにも長い時間がかかる。さらに微細領域での薄膜厚分布を求めようとすれば、試料基板が装着された超精密試料基板移送装置の動きが0.1ミクロン以下の精密度で動かなければならないので、その制御器能も容易ではなく、超微細移動台を採用しなければならないなど全体測定機器が機能的に、そして構造的に非常に複雑で、かつコストもかかる問題点がある。この場合に高価の超微細線形移動台が使われうるが、経済的な面で実質的ではない。
【特許文献1】米国特許第5,333,049号明細書
【特許文献2】米国特許第5,365,340号明細書
【特許文献3】米国特許第5,555,472号明細書
【特許文献4】米国特許第4,999,014号明細書
【特許文献5】米国特許第4,999,508号明細書
【特許文献6】米国特許第4,999,509号明細書
【特許文献7】米国特許第5,042,949号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前記したように、従来の反射光度計を使用して試料基板上の薄膜の与えられた面積にかけて薄膜層の厚さ形状と屈折率分布とを同時に測定することが実質的に不可能であり、また厚さ形状を与えられた面積にかけて段階的に測定するためには測定装置を高価の構造で作って低速に段階的な測定方法を使うしかない問題点を解決するために本発明では新しい測定装置及び方法を提示する。本発明の主な目的は試料薄膜上の与えられた一定面積内の多数の点での多層薄膜の厚さ形状及び屈折率を一括に測定して短い時間内に薄膜層の厚さ形状と屈折率分布とが得られながらもその構造が簡単な反射光度計原則による装備を提示するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
屈折率は通常的に反射率から演算し、反射率は、測定した値と薄膜層の厚さと屈折率とが非線形関数で表示される光学原理上の数式を反復的な数値演算法によって計算した値との誤差を最小化するように最適値をさがすことによって求める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図5は、本発明による薄膜層厚形状及び屈折率分布測定装置の概念図である。図5を参照すれば、本発明による多層薄膜厚さ形状と屈折率分布測定の装置は大きく分けて、光学部、試料基板移送部、画像捕捉処理部、画像処理部548、情報処理部550、システム制御部552、そして、情報表示部で構成されている。
【0018】
光学部は測定用光を発生させる光源500と集束レンズ502、絞り504、投射レンズ506、光分割器508、対物レンズ510、補助レンズ530、そして、狭帯域通過光フィルタ538が多数装着されたフィルタ環534で構成されている。薄膜層厚測定用光源500としては通常的に使われる可視光線が使われる。この光源から発生された光は、集束レンズ502、試料基板514上に投射される集束光の投射面積を調節する絞り504と平行光レンズ506を通じて平行光となって光分割器508に投射された後、反射されて対物レンズ510を通じて試料基板514上部にある、例えば、単層薄膜層518の上の表面である境界面I520と下の図面である境界面II522で反射される。試料基板で反射された光はさらに対物レンズ510を通じ、光分割器508を経た後、補助レンズ530によって狭帯域通過光フィルタ538を通過した後、CCD光検出器542に集光される。狭帯域通過光フィルタ538を通過した反射光は前記光フィルタによって決定される特定波長帯に対応する光で二次元型光検出器542にその映像が結ばれるようになる。
【0019】
画像捕捉処理部は、二次元型光検出器542と画像捕捉器546とで構成されている。試料基板514上の薄膜層518の境界面I520と境界面II522で反射された反射光が対物レンズ510、光分割器508、補助レンズ530、そして狭帯域通過光フィルタ538で構成されている光通路を経てニ次元型光検出器542に投射された光映像から二次元型光検出器542内に装着されている電荷連繋素子(電荷結合素子;CCD:Charge Coupled Device)による光感知器を通じて画素単位の光度情報に変わる。このニ次元画像は画像捕捉器546によって捕捉された後、フレームメモリ(図示せず)に保存される。さらに詳細に説明すれば、二次元型光検出器542内にはCCDがニ次元型に配列されている。前記した試料薄膜層518の境界面I520と境界面II522とで反射された反射光は狭帯域通通過光フィルタ538を通過した後、この狭帯域に属する波長の光のみが前記した二次元型CCDに投射されれば、このCCDによって感知された画素は二次元画素群を形成する。この時、形成された画素群を画像捕捉器546を通じて捕捉した後、フレームメモリ(図示せず)に保存する。
【0020】
試料基板移送部は、試料基板移送台524、試料基板移送台駆動部526、そして、試料基板移送台制御部528で構成されている。試料基板移送台524は試料基板514を支持するステージであるが、試料基板移送台駆動部526のモーターによって縦横、そして上下方向に動く。この動きは試料基板移送台制御部528によって制御され、またこの試料基板移送台制御部528はシステム制御部552によって制御される。そして、このシステム制御部552は入力/出力装置558と情報伝達を行う。
【0021】
画像処理部548は、画像捕捉器546が捕捉した映像情報から反射光の強度を波長の関数で抽出して図7に示されたような反射率グラフを光波長の関数で求める。ここで反射率は反射率=反射光強度/入射光強度と定義され、入射光強度は公知されている標準試料を使って測定する。
【0022】
情報処理部550は、機能上で一種の変数演算部であって、図7に表示したような反射率グラフから薄膜層の厚さ、薄膜の厚さ形状、屈折率分布などを二次元にわたって演算し出す機能を行う。設計によっては、画像処理部548と情報処理部550とは1つの制御部で制御する場合もある。さらに、画像処理部548、情報処理部550、そして、システム制御部552、試料基板制御部528を統合して総制御部、またはコンピュータが制御するように設計することもできる。
【0023】
画像認識部554とモニター556とは画像捕捉器546で捕捉した画素情報に基づいて画像処理部548と情報処理部550とによって処理及び取り出された情報をモニター556を通じて画面表示することによって測定装置ユーザーの測定装置使用を容易に、かつ便利にする。特に、画像処理部548と情報処理部550とで抽出した薄膜層厚形状と屈折率分布などを含む媒介変数をモニター556を通じて画面表示する。
【0024】
システム制御部552は本発明によるモニター556を含む測定装置を全体的に制御及び調整する役割を行う。
【0025】
次に、本発明による多層薄膜の厚さ形状及び屈折率分布を測定する装置の動作原理及び機能を図5を参照として詳細に説明する。
【0026】
光源500から出てきた光は集束レンズ502、絞り504、平行光投射レンズ506、光分割器508、対物レンズ510を通じる光路を経て試料基板514に投射される。ここで測定する試料薄膜518はその基板516上に図2に示したように2層の薄膜202、204で形成された構造を試料基板514として使用した場合の例を挙げて説明する。図2を参照すれば、試料基板230は基板206上に第1薄膜層204と第2薄膜層202とが形成された構造を有している。この場合に、これら薄膜層は屈折率など光学的特性が相異なり、第2薄膜層202と空気との境界面I207、前記した第2薄膜層202と第1薄膜層204間の境界面II208、そして、第1薄膜層204と基板206との境界面III209の3枚の境界面が存在する。光学的特性が相異なる薄膜層間の光学的境界面では反射、屈折、そして、透過現象が発生することによって、図2に示したように試料基板230全体で反射された反射光は光路差(210→222、210→212→224、210→212→214→226)がある幾つかの境界面での反射光の重畳された光222、224、226よりなる。一般的に、測定しようとする薄膜層の厚さは数ミクロンないし数十Å程度と薄いので、薄膜で反射される反射光間の経路差は、いわゆる光学的可干渉距離より短いために、光学でよく知られたように、反射光が重なる時に反射光間に干渉現象が起きる。しかも、幾何学的に2つの光路が同じであるとしても光信号の波長が異なる時には波長によってその光路が異なることによって波長別に異なる干渉現象が起きる。したがって、ある波長では相殺干渉現象が、他の波長では補強干渉現象が起きるようになるが、この時の反射光の強度は光波長によって異なる値を有する。そして、入射光と反射光の強度も狭帯域内の波長によって異なる値を有する。また、前記した干渉現象は反射光の幾何学的な、すなわち、薄膜層の厚さによる光路差、そして、媒体層の光学的な特性によって変わる屈折率の差で分かる光路差によって発生する。反射率は反射率=反射光強度/入射光強度と定義されるために、入射光強度を標準試料を使って測定すれば、図3に表示したような反射率グラフを光波長の関数で求めるようになる。本発明では、薄膜層の厚さ、そして薄膜層の特性である反射率と屈折率とを関連させる非線形関数関係を求め、本発明で提示する方法で反射率を測定した後、薄膜層の厚さと屈折率分布とを反復的な試行錯誤による最適値を探す方法によって演算する。
【0027】
本発明によって薄膜層の厚さと屈折率との最適値を探すための理論的背景に関して”光学”(”Optics”by Eugene Hecht、4th Edition、Addison−Wedley、2002)を参照として次に述べる。
【0028】
薄膜層の厚さや屈折率を知っている場合の理論的な反射率は単一薄膜層の場合には比較的に簡単な閉鎖形態で与えられる。しかし、多重薄膜層の場合には、各薄膜層に当る特性行列の乗算で与えられる電場と磁場の薄膜間の境界面条件で分かる連繋式を使用して数値的に理論的な伝達率グラフを求めることから始まる。
【0029】
本発明によると、光源から出てくる光は測定しようとする試料基板にほぼ垂直に投射される場合であって、入射媒質、すなわち空気−薄膜層−基板で構成された単一薄膜試料の場合をまず考慮する。図5を参照すれば、この時に反射係数rは複素数として次の数式[1]に与えられたような閉鎖形態で表現され、エネルギーの意味を有する絶対反射率Rは複素数で表現される反射係数rの自乗である数式[2]で与えられる。
【0030】
【数1】
【0031】
ここで、r0lとr1Sとは入射媒質(空気)−薄膜層間の境界面、すなわち境界面I520と薄膜層−基板間の境界面、すなわち境界面II522、それぞれでのフレネル反射係数であり、βは光が薄膜層を通過する時に生じる位相変化量であり、
【0032】
【数2】
【0033】
で与えられる。ここで、ηは、屈折率、dは、薄膜層の厚さ、そして、λは、光波長である。そして、*は共役複素数であることを表示する。ここで注目すべきことは位相変化量βと屈折率ηとを光波長λを変数として測定すれば、薄膜の厚さが分かる。特許文献7(米国特許第5,042,949号公報)が一例である。
【0034】
多重薄膜層の場合には前記した数式[1]、そして数式[2]のような閉鎖形態の式で表現されず、i−番目薄膜層の上下境界面での光の電場と磁場との強度は次のような数式[3]で与えられたような関数関係を有する。
【0035】
【数3】
【0036】
ここで、i=1,2,3,・・・,pであり、
【0037】
【数4】
【0038】
はi番目薄膜層の上部境界面と下部境界面間の電場と磁場との関係を関数で連結させる特性行列であり、行列Miの各要素、mi,11,mi,12,mi,21,mi,22はi番目薄膜層の上下境界面での複素屈折率、薄膜層厚、そして光波長などの関数である。前記数式[3]からp個の薄膜で構成された多重薄膜の試料基板の入射媒質−最上層薄膜と最下層薄膜−基板間の境界面での光の電場と磁場との強度は次のような数式[4]で与えられた関数関係を有する。
【0039】
【数5】
【0040】
ここで、
【0041】
【数6】
【0042】
そして、最上層薄膜と最下層薄膜との境界面での電場と磁場とが満足すべき境界面条件で次のような行列方程式を得る。
【0043】
【数7】
【0044】
これを整理すれば、下の式[5]を得る。
【0045】
【数8】
【0046】
ここで、
【0047】
【数9】
【0048】
rは反射係数、そして、tは、通過係数である。前記式[5]を反射係数rに関して解けば、次のような式[6]を得る。
【0049】
【数10】
【0050】
ここで、γoとγSとはそれぞれ入射媒質(空気)と基板との複素屈折率であり、m11,m12,m21,m22は特性行列Mの要素などである。m11,m12,m21、そしてm22は数式[4]で表示したようにM1,M2,・・・,MPを全て乗じることによって求められ、これらそれぞれの要素は薄膜層の厚さd、反射光の反射角度、そして、絶対屈折率nの関数である。そして、絶対反射率Rは、式[2]で求められる。すなわち、
【0051】
【数11】
【0052】
で与えられる。ここで、*は共役複素数であることを意味する。
【0053】
本発明によると、前記したように理論的な反射率の式[6]が誘導されるので、反射率グラフを測定によって求めれば、理論的に計算した反射率と測定した反射率グラフの反射率との誤差を最小化することによって、逆に薄膜の厚さや反射率が求められる。さらに詳細に説明すれば、前記式[6]で反射率rは薄膜層厚dの非線形関数であるので、屈折率rの測定値が与えられた時、薄膜層の厚さdを求めるためには、まず薄膜層の厚さを任意の値に設定した後、この厚さに該当する理論的な反射率を光波長別に数式[6]から演算すれば、ここで求めた理論的な反射率と測定した反射率との差が得られるが、前記で仮定した薄膜層の厚さが正確である場合、この誤差は理想的にはゼロになる。しかし、実際には、薄膜層厚の値が真値であっても測定した反射率と数式[6]を通じて計算した反射率間には一般的に誤差が存在する。この時に、薄膜層厚を変数に設定し、反射率誤差を最小化させるために試行錯誤を続けることによって厚さの最適値を求める最適化技法を使用して薄膜層の”最適”厚さを定めることができる。ここで、本発明によれば、反射率は反射光の波長によって変わるために誤差を最小化する方法としては、あらゆる波長での反射率の測定値に対する誤差の合計を最小化する非線形最小誤差を探す方法を使用すればよい。例えば、ラベンバーグ−マルクォルト方法のような非線形最小誤差自乗法を使用すればよい。
【0054】
前記したように反射率が与えられれば、屈折率を容易に求められるために、本発明によれば、薄膜層の屈折率を知らない場合には光波長に対する屈折率の分布をコーシーモデルまたはローレンツ振動子モデルなどのモデルを使って求めればよい。この場合に、薄膜層の屈折率が選択したモデルで表現されると仮定すれば、理論的な反射率と仮定したモデルによって計算した反射率間の誤差が仮定したモデルのモデル係数の関数で表現され、計算した屈折率と測定した屈折率との誤差が最小になるようにモデル係数を定めれば、この時のモデル係数の値は最適の値になる。言い換えれば、誤差を最も小さくする最適屈折率を定めるのである。したがって、薄膜層厚の場合のように屈折率モデルの係数を変数に設定し、反射率誤差に最適化技法を適用すれば、光波長による屈折率が得られる。前記した方法のような最適化方法にも同一に非線形最小誤差法を適用すればよい。
【0055】
本発明によれば、前記説明したように、二次元配列型の光検出器の各画素領域で薄膜層の厚さ及び屈折率を”測定”するが、このようにして求めた薄膜層の厚さと屈折率をそれぞれ該当される試料面積上の位置で探せば、試料面積上の薄膜層厚形状と屈折率分布とが得られ、これら分布をモニターに二次元か三次元で表示でき、このように三次元に可視化した薄膜層厚形状から薄膜層の厚さ分布を直観的に容易に把握できる。同じ方法で測定しようとする試料面積上での屈折率分布も容易に直観的に把握できもする。
【0056】
前記説明したように、本発明によれば、検出器内の光度信号感知器を二次元的に配列されている光感知器を使用すれば、試料の測定対象部位が検出器の視野範囲内に入りさえすれば、検出器の視野範囲内のどの位置でも薄膜層の厚さが求められる。したがって、従来技術とは別に試料の測定対象部位が検出器の視野範囲内に入る程だけで試料基板を一次移送すれば十分である。すなわち、測定対象部が視野範囲に入りさえすれば、画像認識技術によって、測定対象部が視野範囲のどこに位置しているかが分かることによってその位置での薄膜層厚を求めさえすればよい。したがって、従来技術とは別に二次的な微細移送器具が必要なくなる。
【0057】
効率的な測定をするためには、現実的に、薄膜層の厚さや屈折率を試料のどの特定部分または特定パターンに沿って測定する場合がよくあるが、本発明によれば、このような場合にソフトウェアを変えることによって容易に測定できる。すなわち、二次元型光検出器で得られる薄膜層の厚さ及び屈折率をマッピングして実際試料基板表面上の所望の特定部分に該当する厚さ及び屈折率に関する値を容易に求められる。言い換えれば、前記したあらゆる過程をソフトウェアでプログラミングして施行する。
【0058】
前記説明しように、本発明では、多層薄膜の厚さ形状と屈折率分布とを二次元反射光度器の原理を利用して測定する装置とその測定方法とにおいて、図5に示したようにフィルタ環534を使用して光波長を分別する方法を提示する。本発明によれば、フィルタ環の代りに図8に示されたような形態の線形可変フィルタの構造を使用してもよく、また、図9に示されたような形態の部分円形可変フィルタの構造を使用してもよい。ここで、線形可変フィルタや部分円形可変フィルタはそのフィルタ機能の光波長が連続的に変わるものである場合もあり、前記したフィルタ環のように段階的に変わるものである場合もある。部分円形可変フィルタその構造が完全に円形に作られる場合もあり、また、円の一部分として作られる場合もある。また、線形可変フィルタのように、そのフィルタ機能が連続的に変わるものである場合もあり、前記したフィルタ環のように段階的に変わるものである場合もある。本発明によれば、図5で、フィルタ環534はその回転軸536を中心として回転するようになっており、この回転運動はシステム制御部552や情報処理部550のような制御器能を有しているブロックで制御するようにする(図示せず)。
【0059】
また、本発明によれば、図5に示したように光フィルタ環534の代りに液晶同調フィルタや音響光学同調フィルタなどのような同調フィルタ539(点線で表示)を使用してもよい。例えば、液晶同調フィルタの原理と代表的な構造は”ImagingSpectrometryUsing LiquidCrystal Tunable Filters”、byTom Chrien andChris Chovit、Jet PropulsionLaboratory、and Peter Miller、Cambridge Research and Instrumentation、Inc.、April、1993によって提示され、音響光学同調フィルタの原理及び構造は”Introductionto Acousto−Optics”、andalso AOTF(acousto−optic tunable filter)Sepectroscopy、by Brimrose Corporation ofAmericaによって提示された。図5で、フィルタ環534の代りに使用する同調フィルタ539に入射される光源に対して光フィルタ環を使用する時と同じく情報処理部550とシステム制御部552とによって条件に合った特定波長のみを選別することによって同調フィルタも狭帯域通過光フィルタとして動作する。前記した同調フィルタの場合、機械的な駆動部なしに電気的信号によって動作するために、マイクロ秒(μs)単位のリアルタイムに近い短い時間内にその動作の可能を完了する。したがって、実際工程現場で測定にかかる時間が大幅に短縮される。
【0060】
本発明による前記測定装置は測定試料の光学的境界面で反射される光が前記した狭帯域通過光フィルタか可変フィルタ、または同調フィルタを通過した後、二次元配列型の光検出器542に実像を投射させる構造よりなっているが、本発明によれば、光フィルタの機能が電子的になっているために同調フィルタ539を使用する場合には同調フィルタ539と二次元配列型の光検出器542とを統合してその構造をより効率的にできる。
【0061】
前記したように、屈折率は薄膜層の厚さの非線形関数で表示され、したがって、屈折率と薄膜層の厚さは非線形関数関係を有しているために、反復的な試行錯誤方法によって最適値を求めることが実質的である。しかし、例えば、測定しようとする薄膜層厚の範囲内で屈折率誤差の最小値が1つ以上存在して地域的最小値を求め難い場合がある。このような場合には測定装備ユーザーが経験によって最小値を選択してその値に該当する薄膜層の厚さを選択すればよい。この方法に対する代案としては、本発明によれば、光源として紫外線や赤外線光源を使用すればよい。例えば、測定対象の薄膜層厚が薄くなれば、図3の反射率グラフが平坦になる傾向があって反射率が鈍化される。すなわち、通常的に使われる可視光光源を使用する場合、測定しようとする薄膜層の最小厚さが100Åないし200Å程度に制限される。これに反して、紫外線領域では反射率グラフが稠密に現れるので、紫外線光源を使用する場合には薄膜層の厚さが数十Å乃至まででも測定可能である。逆に、薄膜層の厚さが相対的に非常に厚い場合、可視光光源のみを使用すれば、図3の反射率グラフが光波長方向にあまり稠密に現れるために、すなわち、頂と谷間とがあまりにも多いために反射率誤差値の局部的な最小点があまりにも多く存在するようになる。したがって、非線形最小誤差法などの最適化方法の適用時、全域最小値によく収斂しない場合がよくある。このような場合に数ミクロン波長帯の赤外線領域の光源を使用すれば、この領域では図3に示されたような反射率グラフの波形がより広く分布されるために、局部最小点を探す問題が減り、全域最小値に収斂する可能性が高まることによって数十ミクロン以上の薄膜層の厚さも測定が容易になる。
【0062】
前記した実施例は本発明の原理と内容とを説明するための一例に過ぎず、本発明の原理及び基本思想を制限するためのものでは全くない。当業者は前記発明の詳細なる説明などの変形を容易に理解し、考え出すことができるであろう。したがって、当業者は前記した本発明の詳細なる説明を通じてその原理及び基本思想の意味を広い範囲で理解し、考え出すことができるであろう。
【0063】
本発明の実施例を図5を参照して説明する。本発明による多層薄膜の厚さ形状と屈折率分布とを測定する装置は、図5の概念図に示した構造を有しているが、大きく分けて、光学部、試料基板移送部、画像捕捉処理部、画像処理部548、情報処理部550、そしてシステム制御部552で構成されている。
【0064】
光学部は、光源500、集束レンズ502、絞り504、投射レンズ506、光分割器508、対物レンズ510、補助レンズ530、そして狭帯域通過光フィルタ環534で構成されており、試料基板移送部は、試料基板移送台524、試料基板移送台駆動部526、そして試料基板移送台制御部528で構成されている。画像捕捉処理部は、二次元型光検出器542と画像捕捉器546で構成されており、画像表示部は、画像認識部554とモニター556とで構成されている。本測定装置は、さらに画像処理部548と情報処理部550とを具備しており、最後に、測定装置全体を制御するシステム制御部552があり、ここに、プリンタや各種記録装置、そしてデータ伝送装置などの機能を揃えた情報交換装置などを連結させるようになっている。
【0065】
前記した発明の構成及び作用で述べたように、本測定装置は薄膜層の厚さ形状と屈折率分布とを広い領域にかけて測定する汎用測定装置である。光源としては、可視光線、赤外線、紫外線などの光源が使用でき、この実施例では可視光線を光源として使用した場合を例に挙げて説明する。
【0066】
可視光線の光波長帯域でよく測定する薄膜は近来に多く使われる最先端技術用半導体素子製造に使われるフォトレジスト(photoresist:PR)であり、その厚さの範囲は、約0.3ミクロンないし3.0ミクロンである。試料としては、シリコン基板上にフォトレジスト薄膜を覆わせたものを使用し、反射率の明かは標準基板も測定用標準指針として使用した。
【0067】
光学部は、典型的な顕微鏡と類似した構造を有し、光源としては一般的に広く使われている、例えば、タングステンハロゲン電球を使用した。まず、試料基板上に置いた反射率を既に知っている標準基板から反射されて来る反射光が狭帯域通過光フィルタ環534を通過した後、CCD542に投射された反射光の強度をCCDが二次元型に装着されているCCD542を通じて測定した。次には、シリコン試料基板514を試料基板移送台に置き、標準基板である場合と同じ、CCDが二次元型に装着されているCCD542を通じて反射光の強度を測定した。この時にCCD542に投入される反射光は狭帯域通過光フィルタ環534に装着されている狭帯域通過光フィルタ538を通じてフィルタリングされるために試料基板上の選択された地点で反射される反射光の強度は実際に使われた光フィルタによって決定される光波長の関数で与えられる。本実施例に使われた狭帯域通過光フィルタ環534の概略図を図6に図示した。狭帯域通過光フィルタ環634にはこの実施例で28個の光フィルタが装着されており、光フィルタの通過領域は最低400から最高800ナノミリメートルである。このフィルタ環は中心部に位置した回転軸636[図5では536]を中心として回転するようになっているが、回転運動はシステム制御器552、画像処理部548、または情報処理部550で制御する。この狭帯域通過光フィルタ環の回転はソフトウェアによって自動制御されるようになっており、試料薄膜520上の選択された特定地域での光波長別反射光の測定が終わるまで段階別に回転する。反射率は試料基板で測定した反射光強度と標準基板とで測定した入射光強度の比率、すなわち、反射率=反射光強度/入射光強度で与えられ、光波長の関数である。したがって、測定した反射光の強度から得た反射率グラフは図7に示された通りである。本発明によれば、ここで狭帯域通過光フィルタ環534の代りに図8に示した線形可変光フィルタ800、または図9に示されたような部分円形可変光フィルタ900を使用してもいい。もちろん、ここにも適切な駆動装置が必要である。すなわち、線形可変光フィルタ800の場合には光フィルタを線形に動かすことによって二次元型CCD542に投射される反射光を光波長別に差別化して測定する。部分円形可変光フィルタ900である場合には、前記した光フィルタ環(534または634)の場合と類似して部分回転運動をさせる。
【0068】
また、前記したように、本発明によれば、光フィルタとして液晶同調フィルタか音響光学同調フィルタなどのような同調フィルタ539を使用してもいい。同調フィルタ539は光を直接扱う光フィルタとは異なって間接的な電子フィルタとして図5でフィルタ環534の代りに使用する。原理は、入射される光から情報処理部550またはシステム制御部552による条件に合った特定波長のみを電子的に選別することによって狭帯域通過光フィルタと類似した動作を電子的に行う。同調フィルタの場合、機械的な駆動部なしに電気的信号によって動作するために、マイクロ秒単位のリアルタイム内にフィルタ機能の駆動が可能である。したがって、機械的にフィルタ本体を動かして光波長帯を変化させねばならない光フィルタより非常に速い時間内にフィルタ機能の実施が可能であるために、測定時間が光フィルタの場合に比べて顕著に短縮される。
【0069】
本発明によれば、同調フィルタ電子フィルタであるためにCCD542と容易に統合され、光フィルタまたは同調フィルタなどの物理的位置はフィルタ機能を効率的にするためには光源500とCCD542間の光路532に光が集中する所に位置すればよい。例えば、光源500の前、絞り504の前または後、試料上の焦点512の真上、そして、この実施例でのように光フィルタ環534の現在位置にフィルタ位置させればよい。これらの可能性のある位置のうち光源500の直前の位置では雑光が一番少なく影響されるためにフィルタの機能がさらに効率的である。また、前記したフィルタの可能な位置は、理論的には、光源500とCCD542間の光路中間の任意の地点に位置させても構わない。しかし、実質的には光路のうちで光が集中される点にフィルタを位置させれば、フィルタのサイズ、構造、また、機能の観点でさらに効率的である。
【0070】
前記したあらゆる場合に各狭帯域通過光フィルタを通過する光の波長は1つの固定された光波長ではなく狭い通過領域にかけた光波長帯であるので、この時にこの狭帯域光フィルタを通過した光は狭帯域通過範囲内での光波長に対する実質的な平均値を意味する。また、前記した線形可変光フィルタと部分円形可変光フィルタの動きを制御する駆動装置を自動で構成して反射光の強度を測定する。一旦、標準基板での反射光と試料基板での反射光とを光波長の関数で測定すれば、相対的な反射率は試料基板で反射される反射光の強度を標準機関で反射される反射光の強度で割ることによって求める。すなわち、反射率=試料基板からの反射光の強度/標準基板からの反射光の強度で与えられる。結果的には、図7に示されたような反射率対光波長グラフを得るようになる。
【0071】
本発明によれば、光学部は前述したように、原理上には、通常的には光顕微鏡の構造よりなっており、光源500としては、可視光線、赤外線、そして紫外線を選択的に必要と用途とに応じて使用する。前述したように本実施例では可視光線の光源を使ってフォトレジストの厚さと屈折率とを測定した。対物レンズ510は顕微鏡と共にその拡大率を変えられるが、本実施例では50倍の対物レンズを使用した。試料基板から捕捉した映像は直径が60μmから80μm程度の領域512を測定目標領域にし、このサイズの領域512から反射される反射光が対物レンズ510、光分割器508、補助レンズ530、狭帯域通過光フィルタ538を通じてCCD542内部に装着されている二次元型CCDで構成されている感知器に投射されて反射光の強度が測定された。CCD感知器の面積は試料上で60μm×80μm程度に該当し、この領域内で640×480個の画素密度の解像度で反射光を感知した。実際には、CCD感知器で発生された電気的信号が画像捕捉器546を通じて捉えた後、フレームメモリ(図示せず)に保存され、このフレームメモリに保存された画像は画像処理部548で分析されて反射光の強度を抽出した。さらに具体的に説明すれば、例えば、(3×3)サイズの基本画素群単位に作り、(32×32)単位のサイズの画素群にCCDの全体画素領域を分割し、この(32×32)サイズの画素群に対して反射光の強度の平均値を求めた。この過程を狭帯域通過光フィルタ環にある狭帯域通過光フィルタの個数ほど繰り返すことによって得た反射光の強度を光波長の関数で求めた後、標準基板で読んだ標準反射光の強度を使用して標準化することによって図7に示したような反射率グラフを得た。640×480個の全画素に該当する画像全体にかけて、そして狭帯域通過光フィルタ環に装着されている28個のフィルタ個数通りに測定するためには、この実施例の場合、(32×32)画素単位のサイズの代りに(35×35)サイズの画素単位に分割することによって、{(640×480)/(35×35)}×28回測定を行った。そして、1つの画像で(640×480)/(35×35)個の反射光の強度が光周波数の関数で求められた。この過程は主に画像処理部548で進行された。
【0072】
ここで、本発明の詳細なる説明で説明したように、反射率誤差の最小化方法を活用して測定しようとする薄膜層であるフォトレジスト膜の厚さを測定したが、この時に必要な演算は情報処理部550で主に施行された。本発明によれば、この時に必要な演算を画像処理部548でもできる。そして、前述したように前記測定した反射光強度を測定した標準反射光強度で割って測定値を反射率で表示して反射率グラフを光波長の関数で図7に表示したように求めた。このように求めたグラフの値を臨時的にメモリに保存した後、薄膜層の厚さを計算するのに使用した。ここでグラフの値を臨時メモリに保存せずに直接計算することもできる。この実施例では反射率グラフの値を臨時保存した後、画像処理部で薄膜層の厚さを演算した。
【0073】
本発明によれば、発明の詳細なる説明で数式[2]は単一薄膜層である場合の反射率の自乗で表現される。すなわち、
【0074】
【数12】
【0075】
rは式[1]で与えられた複素反射率であって複素数であり、この複素反射率rは薄膜層厚dの関数である。ここで、Rは絶対反射率である。そして、実際に、測定した反射率をrmといい、演算した反射率を
【0076】
【数13】
【0077】
と言えば、反射率の誤差reは
【0078】
【数14】
【0079】
で与えられる。ここでR、rm、rc、re、は共に整数である。結果的に薄膜層の厚さの初期値dlを定めた後、rclを数式[2]によって計算した後、
【0080】
【数15】
【0081】
を求めた。次に厚さを
【0082】
【数16】
【0083】
ほど変えた後でrc2をさらに計算した後、誤差re2をさらに求めた。ここでもし誤差re2が誤差relより小さければ、引続き薄膜層厚の値を少しずつ増加させながら誤差が最小化されるまで進行する。中間に誤差が増加すれば、逆に厚さの値を減少させる。この時に厚さを減少させる量を増加させた値よりさらに小さく変化させる。厚さの初期値dlを設定して計算した結果、もし誤差re2がrelより大きければ、逆に薄膜層厚の値を減少させながら誤差を計算して行くことによって誤差が最小値になるまで繰り返す。この時に、誤差が増加する場合には前記したように薄膜層の厚さを若干厚くする。このような過程を繰り返して誤差が最小になる時の薄膜層厚を探し出す。前記した反復的な試行錯誤法を適用して前述した(3×3)サイズの各画素群に該当される薄膜層の厚さを演算することによって選択した試料上の測定領域での薄膜層厚の形状を求めた。この結果をモニター556に二次元及び三次元映像で表示した。
【0084】
前記した薄膜層厚の測定過程は図7に示したように反射率が反射光波長によって変わるために光フィルタの数字通り、すなわち、本実施例では28種の演算を繰り返した後、28個の誤差を合算して計算時に使用した。
【0085】
前述したように可視光線光源で測定できる薄膜層の最小厚さは100Åないし200Å程度に制限される。したがって、薄膜層の厚さが、例えば100Å以下である時には紫外線光源を使用して薄膜層厚を測定する。すなわち、薄膜層の厚さが薄いほど光源の波長が短くなければならない。この結果は図7の反射率グラフで光波長方向に稠密したグラフに現れる。紫外線光源を使用する時には狭帯域通過光フィルタの波長の短い方向に変わるために、例えば、この実施例の第一の例で光フィルタ環に装着された28個よりなっている光フィルタセットも光波長の短い狭帯域通過光フィルタセットに変わらなければならない。逆に、測定しようとする薄膜層の厚さが厚ければ、例えば、5μないし10μである場合には、光源を赤外線光源に変えれば、測定が容易である。この場合には図7の反射率グラフが光波長軸に広がる。この時にも実施例の一例として、光フィルタ環に装着された光フィルタセットが波長の長い狭帯域通過光フィルタに変わらなければならない。残りの画像処理過程は紫外線光源を使用する場合や赤外線光源を使用する場合にも可視光線光源を使用する場合と同じである。
【0086】
画像捕捉器546を通じて画像処理部548が受けた試料映像情報は二次元型CCD542に装着されたCCDを通じて与えられた(3×3)サイズの画素群の位置で感知された光の強度とその(3×3)サイズの画素群の実際的な位置であり、前記画素群に入射される光波長に関する情報は光フィルタ環534に装着された光フィルタセットのうちから選択された特定光フィルタの位置によって決定される。この光波長に関する情報は光フィルタ環534から直接画像処理部548かシステム制御部552に伝えられる。この時に前記CCD感知器542の画素群に入射する光とその光波長とに関する情報を同期化させる。
【0087】
前記したように与えられた(3×3)サイズの画素群に該当する光度とその画素群で表現される映像の位置、そしてこの画素群に対比する光波長、また初期値と任意に仮定した薄膜層厚の値とを数式[2]に適用して
【0088】
【数17】
【0089】
を演算するが、数式[2]内にはいくつかの定数と係数とがあり、またsineとcosine関数もある。しかも、rcを反復的に演算して、
【0090】
【数18】
【0091】
が最小になるまで反復的な演算をする。本発明によれば、演算時間を短縮させるためには数式[2]を部分的に演算した後、その値をメモリに予め保存した後、この保存した値を読んで使用することによって演算を短い時間で施行するルックアップテーブル方式を使えばよい。ここで、数式[2]の部分的計算をどのように分けてすべきかということは設計者がすることが通例であるが、ユーザー選択方式で設計することもできる。
【0092】
本発明によれば、例えば、前記した(3×3)サイズの画素群を一領域とみて3×3=9個の画素で構成された画素群に対して各画素に対応する反射率誤差をあらゆる光波長にかけて演算した後でその平均値を最小化しなければならないために、この時に使用する平均反射率の誤差を最小化する”最適化演算過程”は相当複雑である。しかも、与えられた画素群の位置での反射率誤差reは入射光の波長、薄膜の厚さなどの非線形関数であるために、いわゆる非線形誤差の最小化演算過程を反復的に適用する必要がある。本発明では、一例として、前記した非線形誤差の最小化方法のうちの1つである”レデンバーグ−マルクアルト非線形誤差自乗の最小化方法”を適用した。すなわち、
【0093】
【数19】
【0094】
の値を最小化することである。しかし、本発明では、前記方法と類似した他の誤差最小化方法を適用してもいい。
【0095】
本実施例の場合には与えられたフォトレジスト薄膜層の反射率を測定するために被測定試料の屈折率を知っている。しかし、場合によっては測定しようとする薄膜層の屈折率を知らない場合があるが、この時には光波長に対する屈折率の分布をコーシー模型やローレンツ振動子模型などの模型を使用して求める方法が提示された。(”SpectroscopicEllipsometry and Reflectometry”by H.G.Tompkins、W.A.McGahan、JohnWiley、1999)。薄膜層の屈折率を前記した特定模型でモデリングすれば、理論的な反射率と測定した反射率間の誤差が該当模型の模型係数の関数で表示され、この模型係数を備えた特定模型の値が実際の屈折率の値にもっとも近い場合には前記誤差が最小になる。この時にも、薄膜層の場合と同じく、屈折率模型の係数を変数に設定し、反射率誤差に最適化方法を適用して光波長による屈折率を得る。最適化方法としては、前記したように非線形最小誤差方法を適用する。
【0096】
前記したような複雑な演算は、画像処理部548と情報処理部550とで行われる。画像処理部548の機能は他の役割も果たすが、反射率誤差演算に必要な反射率測定値を抽出し出す役割などを遂行し、屈折率演算、反射率誤差演算、反射率誤差最適化、屈折率を知らない場合の屈折率モデル選定及び演算などは主に情報処理部550で処理する。しかし、画像処理部548と情報処理部550との機能分担は設計者の裁量に拠るために、場合によっては画像処理部548と情報処理部550とを合わせて1つに設計することもできる。この実施例では便宜上、画像処理部548と情報処理部550とを2つの他のブロックに区分して図5に図示した。本発明によって構成されたルックアップテーブルを効率的に使用するためには、通常的に情報処理部550、または画像処理部548と密接にその機能を遂行するように演算システムを構成する。
【0097】
画像捕捉器546で抽出して与えられた画素に該当する信号は画像認識部554にも伝えられ、この画像認識部554では試料上の選択された測定領域、すなわち図5の狭帯域通過光フィルタ環534を通過する試料表面の映像を再合成してモニター556を通じて画面表示する。測定機ユーザーはモニタースクリーン上で所望の測定領域を指定して画像処理部548と情報処理部550とで測定に必要な演算を遂行する。この時に、ユーザーは測定時間を節約するために限定された測定領域のみを指定する事もでき、例えば、図5の狭帯域通過光フィルタ環534を通過する測定領域全面の映像をモニター556に画面表示することもできる。このモニター556上に画面表示する画像情報は試料基板の表面状態、薄膜層厚の形状、屈折率分布、反射率分布、試料のX−Y座標、狭帯域通過光フィルタ環に関する情報、選択した測定領域映像の倍率などの情報である。
【0098】
本発明による薄膜層厚の形状及び屈折率分布の測定装置は試料基板514の様々な所を測定する場合には、光学部の対物レンズ510の焦点を自動的に合せる自動焦点調節装置を使用する。この時に、対物レンズ510と試料基板514の相対的な位置がX−Y−Zの3方向に動く。この時に試料基板514と共に動く試料基板移送台524の動きは、試料基板移送台駆動部526とそれを調整する試料基板移送台制御部528で制御する。
【0099】
本発明によれば、この実施例で例示した薄膜層厚の形状及び屈折率分布の測定装置の全般的な制御はシステム制御部552が施行する。システム制御部552は基本的にマイクロプロセッサー、マイクロコンピューターまたはマイクロコントローラを中心として構成されている制御器である。システム制御部552はハードウェアとソフトウェアとで構成されているので、ハードウェアは代表的な例として、主にマイクロプロセッサー、メインメモリ、ハードディスク、I/O連結部分、プリンタのようなI/O装置などで構成されており、ソフトウェアは大きく分けて開始プログラム、主制御プログラムなどで構成されている。このシステム制御部552は薄膜層厚及び屈折率分布測定装置の様々な部分を制御する。すなわち、光学部、試料基板移送台制御部528、狭帯域通過光フィルタ環534、二次元型CCD542、フレームグラバー(画像補足器)546、情報処理部550、画像処理部548、画像認識部554、モニター556などのあらゆる機械的な動きはもとより、複雑な計算機能を含んであらゆる演算過程及び情報処理機能を制御する。
【0100】
前記した実施例は本発明の原理及び内容を説明するための一例に過ぎず、本発明の原理と基本思想とを制限するためのものでは全くない。当業者はこの実施例と類似しているかその変形を容易に理解して考えて出せるであろう。したがって、当業者はこの実施例を通じてその原理と基本思想の意味を広い範囲で理解し、考えて出すことができるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明による薄膜層の厚さ形状と屈折率分布の測定装置と方法とは既存の装備に比べて選択した点での厚さと屈折率とを測定するのでなく、選択した特定面積上での厚さの形状と屈折率分布とを測定し、一目で見られるようにする。したがって、一点での測定値よりはさらに信頼性があり、点よりは広い測定領域にかけて薄膜層の厚さ形状と屈折率分布とを測定し、しかも試料表面上の選択した測定領域の映像を平面や立体で見せるために、点の測定に比べてはるかに正確な情報を得る。さらに発明によれば、光源と狭帯域通過光フィルタ紫外線光源や赤外線光源とを使用し、また光源の波長帯域に該当する適切な可変光フィルタを使用することによって、可視光線を使用する時より薄いかまたは厚い薄膜層の厚さや屈折率を測定するのに便利で、かつ容易である。しかも狭帯域通過光フィルタセットを使用することによって測定速度が速い。また、本発明によると、薄膜厚さ形状、屈折率分布などを画素群毎に演算するために測定値の分解度が高く、局部的な変化も測定可能である。本発明によると、選択した測定領域の薄膜層厚の形状と屈折率分布とを二次元画面映像でモニターに表示するために、ユーザーが試料基板の薄膜層表面や屈折率の状態を二次元で観察、評価できる。したがって、ユーザーは薄膜層の状態や特性に対して強固で、かつ確固たる判断を下せる。言い換えれば、一点を中心として測定する既存の技術に比べて二次元形状は信頼度がはるかに高く、またさらに多くの情報が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1A】従来の反射光度計原理図である。
【図1B】図1Aの反射光度計に使われる微細孔が中央部位にあけた反射板の詳細図である。
【図2】多層試料基板の境界面での多重反射現象を説明する概念図である。
【図3】代表的な反射率グラフである。
【図4】採光用にガラス繊維を使用した既存の反射光度計の構造図である。
【図5】本発明による薄膜厚さ形状及び屈折率分布の測定装置を示す図である。
【図6】いくつかの光フィルタが装着されたフィルタ環を示す図である。
【図7】フィルタ環を使用して得た代表的な反射光強度グラフである。
【図8】線形可変フィルタの概念的な構造図である。
【図9】部分円形可変フィルタの概念的な構造図である。
【図10】フィルタ環を使用して厚さ及び屈折率を測定する過程を説明するフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層薄膜の厚さ形状及び屈折率分布を二次元反射光度計の原理を利用して測定する装置とその測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体及び各種ディスプレーのための製品のコーティング工程で基板に蒸着された薄膜の厚さと屈折率などを測定する過程は半導体製品の形成過程を観察、監視することによって品質を向上させ、不良品を早期に発見することによって工程コストを節減するのに重要な役割を果たす。特に、厚さ形状や薄膜層表面の平坦度を監視することは半導体の品質向上に必須過程である。
【0003】
最近、広く使われている薄膜層の厚さ及び屈折率測定装置は反射光度計の原理によるものである。広い意味で薄膜層測定装置とも呼ばれる反射光度計は、非接触、非破壊性測定装置として多重層薄膜の特性が測定でき、また、目標とする試料に特別な準備過程や加工の必要なしに直接測定が可能である。
【0004】
通常的に広く使われている反射光度計の構成は、大体図1Aと図1Bとに表示した通りである。光源100から出発した光が光分割器102で反射されて対物レンズ104を通じて試料薄膜110に入射される。試料基板108は基板106とその上に構成された試料薄膜110で構成されている。試料薄膜110に投射された光は、一部は試料薄膜110の表面、すなわち、試料薄膜110と大気との境界112の一点116で反射され、一部は、試料薄膜110を透過して基板106の表面114、すなわち、基板106と試料薄膜110との境界面114で反射され、さらに対物レンズ104を通じて光分割器102と反射板118との中央部位にある光検出孔120を通じて分光器130に投射された後、この分光器130では投射された反射光を分析し、主に反射光の強度を光波長の関数で求める。この結果は数値変換器132と情報処理器134とを経て試料薄膜110の厚さ、屈折率などを計算して測定値を求める。
【0005】
図1Aの例では、試料薄膜110の表面112(境界面)の一点116に投射された光は一部分が反射され、残りの部分は境界面112を経て試料薄膜110内部に屈折(浸透)されるが、この浸透した光の一部分は試料薄膜110と基板106との境界面114で反射され、残りは基板106内部に屈折(浸透)される。図2では、図1Aの例とは異なり、厚さの異なる薄膜層がある場合を例示した。
【0006】
図2を参考すれば、図1Aで対物レンズ104を通じて投射された光線210が境界面I207上の一点217で一部は反射されて反射光線222方向に向かい、一部は第2薄膜層202を透過して境界面II208の一点218で反射され(224)、また、一部は境界面II208を透過(214)する。この透過した光214の一部は境界面III209の一点219で反射されて反射光線226方向に行き、また一部216は基板206に透過される。
【0007】
図2に示したように、試料基板230で反射されて出てくる光222、224、226は基板206上の第1薄膜層204、第2薄膜層202など様々な媒質間の光学的境界面I207、II208、III209で平行多重反射されて出てくる光線であるゆえに、空気中の開始線228を基準とすれば、相互間に微細な光学的経路差を有し、この相互間の光学的経路差によって干渉現象を起こす。ここでこの微細な光学的経路差は光学的にみる時、各波長別に相異なる経路差が発生することによって光線の波長によって相互補強干渉か相互相殺干渉などの相異なる干渉現象を起こす。このような干渉現象のために反射率を光波長の関数で示せば、図3に表示したような典型的な形態を有する。ここで、横軸は光波長であり、縦軸は反射光を入射光で割った反射率である。
【0008】
図1Aをさらに参考にすれば、試料基板108で反射されて出てきた光線は様々な波長成分の重畳波であるために、この重畳波から波長別反射率を求めるためには、まず反射光線信号を波長別に分離せねばならないが、この波長別反射光線分離が分光器130で行われる。物理的には、プリズムが最も簡単な形態の分光器であるが、通常的に回折格子を利用して単色光成分に分解をする。したがって、回転式回折格子で作られた単色分光器と単一検出器、または固定型回折格子と配列型検出器とを使用して様々な波長に対する反射光の強度を検出した後、数値変換器132で数値資料に変換して情報処理器134で波長別反射率を計算する。
【0009】
図3に表示したような反射光率グラフは薄膜層の厚さ及び各薄膜層と基板の屈折率分布の特性によって独特な形態及びサイズを有している。単一薄膜層の場合に、理論的に反射率は閉鎖型に与えられる。ところが、多重薄膜層の場合には各薄膜層に対する固有行列の乗算で表現される電場−磁場の連関関係から反射率を数値的に計算できる。前記した固有行列式を整理すれば、3つの変数、すなわち、屈折率、薄膜層の厚さ、そして、反射率を相互決定的に関数的に関連させる、単一層の場合とは異なり、非線形関数で与えられる。このような非線形である場合には、反復的な試行錯誤方法で最適解を求めることが実質的な方法である場合が多い。具体的に、図3のような反射率グラフを知っていれば、薄膜層厚を変数としてその初期値を設定し、ここで設定した初期値を使って前記した非線形関数式で計算した反射率と実際に測定した反射率とを比較して誤差を求めた後、その誤差が最小になるように薄膜層厚を反復的な試行錯誤方法で反復的に演算することによって前記計算した反射率と実際に測定した反射率との誤差を最小とする薄膜層厚を求めれば、求めた薄膜層厚が所望の値になる。ここで反射率を計算するための入射光の強度は公知の試料基板及び光源を使って測定する。屈折率は反射率とそれに関連した数字情報を使用して計算すればよい。このような方法が、いわゆる”モデルによる測定方法”の一分野である。前述したように工学的に反射率を測定した後、前記した試行錯誤による”最適化技法”を適用して薄膜の厚さや屈折率を求めることが反射光度計の原理である。
【0010】
一般的に広く使われている反射光度計は薄膜層厚の均一性などを知るために構成された薄膜層の特定な”点”での薄膜層厚を測定するのに使われる。特定な点での厚さを測定するために図1A及び図1Bの反射板118の中央部位にある直径200μm程度の光検出孔120を通じて図1Bの照射された実像122のうちで特定な部分の反射光のみを採光し、すなわち、光検出孔120を通じて入射される反射光を利用して薄膜層の厚さを測定する。分光器によっては図4に示したように採光用に直径200μm程度のガラス繊維424を上板423に孔をあけて設置して上板423に投射された図1Bに示されたような照射部実像122のうちで前記した200μm直径の孔を通じてガラス繊維424を過ぎ行く光を採光する方法を使用する場合もある。
【0011】
一方、広い面積にかけて厚さ形状を測定する装置と方法とが特許文献1(米国特許第5,333,049号(Anthony M.Ledger))に提示された。レジャーの発明によると、シリコンウェハのサイズが100mmの厚さ測定装置を白色光と干渉計の原理を使って具現したが、その測定方法はウェハ領域を400個の小さい領域に分けた後、その小さい領域それぞれに対して反射率を測定した後、標準ウェハを使用して予め定めた反射率対比厚さ表で厚さを読む。ここで、厚さの範囲は少なくとも500個の区分に作る。言い換えれば、試料で反射率を測定した後、標準ウェハで求めたルックアップテーブルで厚さの値を読むのである。この方法は測定速度が速く、ウェハ全体が観察できる長所があるが、標準ウェハのデータを求める時に発生するエラーが生産ウェハ全体に伝えられる短所があり、また通常的に使われるカメラのCCD(ChargeCoupledDevices)感知器では100μm以上にもなる試料ウェハ全体の面積にかけて測定するにはその解像度が十分ではない短所がある。ここで、解像度問題は電気回路の集積度の高い半導体工程で特定された回路の一部分を検査する時に発生する。なぜなら、回路の集積度の高いウェハを処理する工程ではウェハ上の局部的な部分の薄膜厚さやその形成状態を詳細に観察、検査する必要性があるためである。そして、レジャーの発明のさらに他の短所は、ウェハの工程が変わる度に新しい標準ウェハの反射率対比薄膜厚データベースを現場で再構成しなければならないことである。また、前記したレジャーの特許では試料ウェハで測定した反射率の値に含まれている、いわゆるノイズがそのまま薄膜厚の値に反映され、また伝えられる短所がある。このような短所を一部分克服するためにレジャーのさらに他の特許(特許文献2(米国特許第5,365,340号))では試料ウェハで測定した反射率の値を自体標準化した後、標準ウェハのデータベースの値と比較して厚さの値を読む方法を提示した。ここで測定した反射率値の自体標準化は与えられた尺度関数の値を計算した後、最適化値を求めることによって施行する。しかし、前記した特許文献1(米国特許第5,333,049号)が伴う残りの短所が全て特許文献2(米国特許第5,365,340号)にも適用される。
【0012】
前記したレジャーの2つの特許文献1(米国特許第5,333,049号)と特許文献2(米国特許第5,365,340号)が有している共通的で深刻な短所は、薄膜の厚さの値を標準ウェハによって予め測定して整理したデータベースの値と比較して決定するために、薄膜厚さの値が標準ウェハデータベースの値によってあまりにも影響されることである。言い換えれば、標準ウェハによる反射率対比薄膜厚さデータベースは単純に全般的な平均値によって決定された反射率対比薄膜厚さの表に過ぎないために、標準ウェハと試料ウェハなどの膜の表面状態の大部分が均一である時にはその正確度がある程度保証される。しかし、表面に若干の屈曲があって反射率と薄膜厚さの関係とが不規則である時には薄膜厚さとの値の正確度が落ちる。
【0013】
このような短所を克服するために特許文献3(米国特許第5,555,472号(Paul J.ClapisとKeith E.Daniell))で反射率のような係数特性を理論的な数式によって計算した理論的な係数特性のライブラリーを作成した後、試料ウェハ上の諸点で測定した反射率の値と理論的な係数特性の値との誤差値とを最小化することによって薄膜の厚さの値を最適の方法で定める過程を提示した。この方法を2つの膜の厚さを測定するのに応用したが、ここでもやはり2層のうち1層は大部分その均一性を維持するという仮定下に膜層の厚さを測定する方法を提示した。前記した3つの従来技術の例は、共に試料ウェハ全体を測定する装置である。したがって、CCDカメラで反射率を試料ウェハ全面にかけて測定するにはその解像度に限界があり、制限された領域の厚さ形状を詳細に測定するには解像度問題が深刻であり、また前記したような反射率測定装置にノイズが発生して、また伝えられる。
【0014】
ここに比べて、例えば、特許文献4(米国特許第4,999,014号)、特許文献5(米国特許第4,999,508号)、そして、特許文献6(米国特許第4,999,509号)では試料ウェハ上の薄膜の一”点”での反射率を測定することによって、薄膜厚の値を決定する方法を提示した。これらは典型的な従来の分光光度計を利用して薄膜の厚さを測定する薄膜厚測定装置であって特定の一地点での薄膜層の厚さ及び屈折率を測定する装置である。しかし、一点で測定した薄膜層厚及び屈折率に関する情報のみでは薄膜層の特性や品質を評価するには不十分である。かえって、さらに広い面積の厚さ形状と屈折率分布とに関する情報が得られれば、薄膜層の特性や品質を評価するのに従来の点測定方法に比べて非常に有意義な結果が得られる。さらに、現存する分光光度計では相対的に広い対象領域全体の薄膜厚さ形状や近接した様々な点での薄膜厚分布を一度に測定することは不可能である。もちろん、ある領域での薄膜厚分布を求めようとすれば、試料基板を引続き段階的に少しずつ左右、上下方向に動かしながら測定し続ければいいが、このようにするためには超精密試料基板移送装置が必要であり、測定するにも長い時間がかかる。さらに微細領域での薄膜厚分布を求めようとすれば、試料基板が装着された超精密試料基板移送装置の動きが0.1ミクロン以下の精密度で動かなければならないので、その制御器能も容易ではなく、超微細移動台を採用しなければならないなど全体測定機器が機能的に、そして構造的に非常に複雑で、かつコストもかかる問題点がある。この場合に高価の超微細線形移動台が使われうるが、経済的な面で実質的ではない。
【特許文献1】米国特許第5,333,049号明細書
【特許文献2】米国特許第5,365,340号明細書
【特許文献3】米国特許第5,555,472号明細書
【特許文献4】米国特許第4,999,014号明細書
【特許文献5】米国特許第4,999,508号明細書
【特許文献6】米国特許第4,999,509号明細書
【特許文献7】米国特許第5,042,949号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前記したように、従来の反射光度計を使用して試料基板上の薄膜の与えられた面積にかけて薄膜層の厚さ形状と屈折率分布とを同時に測定することが実質的に不可能であり、また厚さ形状を与えられた面積にかけて段階的に測定するためには測定装置を高価の構造で作って低速に段階的な測定方法を使うしかない問題点を解決するために本発明では新しい測定装置及び方法を提示する。本発明の主な目的は試料薄膜上の与えられた一定面積内の多数の点での多層薄膜の厚さ形状及び屈折率を一括に測定して短い時間内に薄膜層の厚さ形状と屈折率分布とが得られながらもその構造が簡単な反射光度計原則による装備を提示するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
屈折率は通常的に反射率から演算し、反射率は、測定した値と薄膜層の厚さと屈折率とが非線形関数で表示される光学原理上の数式を反復的な数値演算法によって計算した値との誤差を最小化するように最適値をさがすことによって求める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図5は、本発明による薄膜層厚形状及び屈折率分布測定装置の概念図である。図5を参照すれば、本発明による多層薄膜厚さ形状と屈折率分布測定の装置は大きく分けて、光学部、試料基板移送部、画像捕捉処理部、画像処理部548、情報処理部550、システム制御部552、そして、情報表示部で構成されている。
【0018】
光学部は測定用光を発生させる光源500と集束レンズ502、絞り504、投射レンズ506、光分割器508、対物レンズ510、補助レンズ530、そして、狭帯域通過光フィルタ538が多数装着されたフィルタ環534で構成されている。薄膜層厚測定用光源500としては通常的に使われる可視光線が使われる。この光源から発生された光は、集束レンズ502、試料基板514上に投射される集束光の投射面積を調節する絞り504と平行光レンズ506を通じて平行光となって光分割器508に投射された後、反射されて対物レンズ510を通じて試料基板514上部にある、例えば、単層薄膜層518の上の表面である境界面I520と下の図面である境界面II522で反射される。試料基板で反射された光はさらに対物レンズ510を通じ、光分割器508を経た後、補助レンズ530によって狭帯域通過光フィルタ538を通過した後、CCD光検出器542に集光される。狭帯域通過光フィルタ538を通過した反射光は前記光フィルタによって決定される特定波長帯に対応する光で二次元型光検出器542にその映像が結ばれるようになる。
【0019】
画像捕捉処理部は、二次元型光検出器542と画像捕捉器546とで構成されている。試料基板514上の薄膜層518の境界面I520と境界面II522で反射された反射光が対物レンズ510、光分割器508、補助レンズ530、そして狭帯域通過光フィルタ538で構成されている光通路を経てニ次元型光検出器542に投射された光映像から二次元型光検出器542内に装着されている電荷連繋素子(電荷結合素子;CCD:Charge Coupled Device)による光感知器を通じて画素単位の光度情報に変わる。このニ次元画像は画像捕捉器546によって捕捉された後、フレームメモリ(図示せず)に保存される。さらに詳細に説明すれば、二次元型光検出器542内にはCCDがニ次元型に配列されている。前記した試料薄膜層518の境界面I520と境界面II522とで反射された反射光は狭帯域通通過光フィルタ538を通過した後、この狭帯域に属する波長の光のみが前記した二次元型CCDに投射されれば、このCCDによって感知された画素は二次元画素群を形成する。この時、形成された画素群を画像捕捉器546を通じて捕捉した後、フレームメモリ(図示せず)に保存する。
【0020】
試料基板移送部は、試料基板移送台524、試料基板移送台駆動部526、そして、試料基板移送台制御部528で構成されている。試料基板移送台524は試料基板514を支持するステージであるが、試料基板移送台駆動部526のモーターによって縦横、そして上下方向に動く。この動きは試料基板移送台制御部528によって制御され、またこの試料基板移送台制御部528はシステム制御部552によって制御される。そして、このシステム制御部552は入力/出力装置558と情報伝達を行う。
【0021】
画像処理部548は、画像捕捉器546が捕捉した映像情報から反射光の強度を波長の関数で抽出して図7に示されたような反射率グラフを光波長の関数で求める。ここで反射率は反射率=反射光強度/入射光強度と定義され、入射光強度は公知されている標準試料を使って測定する。
【0022】
情報処理部550は、機能上で一種の変数演算部であって、図7に表示したような反射率グラフから薄膜層の厚さ、薄膜の厚さ形状、屈折率分布などを二次元にわたって演算し出す機能を行う。設計によっては、画像処理部548と情報処理部550とは1つの制御部で制御する場合もある。さらに、画像処理部548、情報処理部550、そして、システム制御部552、試料基板制御部528を統合して総制御部、またはコンピュータが制御するように設計することもできる。
【0023】
画像認識部554とモニター556とは画像捕捉器546で捕捉した画素情報に基づいて画像処理部548と情報処理部550とによって処理及び取り出された情報をモニター556を通じて画面表示することによって測定装置ユーザーの測定装置使用を容易に、かつ便利にする。特に、画像処理部548と情報処理部550とで抽出した薄膜層厚形状と屈折率分布などを含む媒介変数をモニター556を通じて画面表示する。
【0024】
システム制御部552は本発明によるモニター556を含む測定装置を全体的に制御及び調整する役割を行う。
【0025】
次に、本発明による多層薄膜の厚さ形状及び屈折率分布を測定する装置の動作原理及び機能を図5を参照として詳細に説明する。
【0026】
光源500から出てきた光は集束レンズ502、絞り504、平行光投射レンズ506、光分割器508、対物レンズ510を通じる光路を経て試料基板514に投射される。ここで測定する試料薄膜518はその基板516上に図2に示したように2層の薄膜202、204で形成された構造を試料基板514として使用した場合の例を挙げて説明する。図2を参照すれば、試料基板230は基板206上に第1薄膜層204と第2薄膜層202とが形成された構造を有している。この場合に、これら薄膜層は屈折率など光学的特性が相異なり、第2薄膜層202と空気との境界面I207、前記した第2薄膜層202と第1薄膜層204間の境界面II208、そして、第1薄膜層204と基板206との境界面III209の3枚の境界面が存在する。光学的特性が相異なる薄膜層間の光学的境界面では反射、屈折、そして、透過現象が発生することによって、図2に示したように試料基板230全体で反射された反射光は光路差(210→222、210→212→224、210→212→214→226)がある幾つかの境界面での反射光の重畳された光222、224、226よりなる。一般的に、測定しようとする薄膜層の厚さは数ミクロンないし数十Å程度と薄いので、薄膜で反射される反射光間の経路差は、いわゆる光学的可干渉距離より短いために、光学でよく知られたように、反射光が重なる時に反射光間に干渉現象が起きる。しかも、幾何学的に2つの光路が同じであるとしても光信号の波長が異なる時には波長によってその光路が異なることによって波長別に異なる干渉現象が起きる。したがって、ある波長では相殺干渉現象が、他の波長では補強干渉現象が起きるようになるが、この時の反射光の強度は光波長によって異なる値を有する。そして、入射光と反射光の強度も狭帯域内の波長によって異なる値を有する。また、前記した干渉現象は反射光の幾何学的な、すなわち、薄膜層の厚さによる光路差、そして、媒体層の光学的な特性によって変わる屈折率の差で分かる光路差によって発生する。反射率は反射率=反射光強度/入射光強度と定義されるために、入射光強度を標準試料を使って測定すれば、図3に表示したような反射率グラフを光波長の関数で求めるようになる。本発明では、薄膜層の厚さ、そして薄膜層の特性である反射率と屈折率とを関連させる非線形関数関係を求め、本発明で提示する方法で反射率を測定した後、薄膜層の厚さと屈折率分布とを反復的な試行錯誤による最適値を探す方法によって演算する。
【0027】
本発明によって薄膜層の厚さと屈折率との最適値を探すための理論的背景に関して”光学”(”Optics”by Eugene Hecht、4th Edition、Addison−Wedley、2002)を参照として次に述べる。
【0028】
薄膜層の厚さや屈折率を知っている場合の理論的な反射率は単一薄膜層の場合には比較的に簡単な閉鎖形態で与えられる。しかし、多重薄膜層の場合には、各薄膜層に当る特性行列の乗算で与えられる電場と磁場の薄膜間の境界面条件で分かる連繋式を使用して数値的に理論的な伝達率グラフを求めることから始まる。
【0029】
本発明によると、光源から出てくる光は測定しようとする試料基板にほぼ垂直に投射される場合であって、入射媒質、すなわち空気−薄膜層−基板で構成された単一薄膜試料の場合をまず考慮する。図5を参照すれば、この時に反射係数rは複素数として次の数式[1]に与えられたような閉鎖形態で表現され、エネルギーの意味を有する絶対反射率Rは複素数で表現される反射係数rの自乗である数式[2]で与えられる。
【0030】
【数1】
【0031】
ここで、r0lとr1Sとは入射媒質(空気)−薄膜層間の境界面、すなわち境界面I520と薄膜層−基板間の境界面、すなわち境界面II522、それぞれでのフレネル反射係数であり、βは光が薄膜層を通過する時に生じる位相変化量であり、
【0032】
【数2】
【0033】
で与えられる。ここで、ηは、屈折率、dは、薄膜層の厚さ、そして、λは、光波長である。そして、*は共役複素数であることを表示する。ここで注目すべきことは位相変化量βと屈折率ηとを光波長λを変数として測定すれば、薄膜の厚さが分かる。特許文献7(米国特許第5,042,949号公報)が一例である。
【0034】
多重薄膜層の場合には前記した数式[1]、そして数式[2]のような閉鎖形態の式で表現されず、i−番目薄膜層の上下境界面での光の電場と磁場との強度は次のような数式[3]で与えられたような関数関係を有する。
【0035】
【数3】
【0036】
ここで、i=1,2,3,・・・,pであり、
【0037】
【数4】
【0038】
はi番目薄膜層の上部境界面と下部境界面間の電場と磁場との関係を関数で連結させる特性行列であり、行列Miの各要素、mi,11,mi,12,mi,21,mi,22はi番目薄膜層の上下境界面での複素屈折率、薄膜層厚、そして光波長などの関数である。前記数式[3]からp個の薄膜で構成された多重薄膜の試料基板の入射媒質−最上層薄膜と最下層薄膜−基板間の境界面での光の電場と磁場との強度は次のような数式[4]で与えられた関数関係を有する。
【0039】
【数5】
【0040】
ここで、
【0041】
【数6】
【0042】
そして、最上層薄膜と最下層薄膜との境界面での電場と磁場とが満足すべき境界面条件で次のような行列方程式を得る。
【0043】
【数7】
【0044】
これを整理すれば、下の式[5]を得る。
【0045】
【数8】
【0046】
ここで、
【0047】
【数9】
【0048】
rは反射係数、そして、tは、通過係数である。前記式[5]を反射係数rに関して解けば、次のような式[6]を得る。
【0049】
【数10】
【0050】
ここで、γoとγSとはそれぞれ入射媒質(空気)と基板との複素屈折率であり、m11,m12,m21,m22は特性行列Mの要素などである。m11,m12,m21、そしてm22は数式[4]で表示したようにM1,M2,・・・,MPを全て乗じることによって求められ、これらそれぞれの要素は薄膜層の厚さd、反射光の反射角度、そして、絶対屈折率nの関数である。そして、絶対反射率Rは、式[2]で求められる。すなわち、
【0051】
【数11】
【0052】
で与えられる。ここで、*は共役複素数であることを意味する。
【0053】
本発明によると、前記したように理論的な反射率の式[6]が誘導されるので、反射率グラフを測定によって求めれば、理論的に計算した反射率と測定した反射率グラフの反射率との誤差を最小化することによって、逆に薄膜の厚さや反射率が求められる。さらに詳細に説明すれば、前記式[6]で反射率rは薄膜層厚dの非線形関数であるので、屈折率rの測定値が与えられた時、薄膜層の厚さdを求めるためには、まず薄膜層の厚さを任意の値に設定した後、この厚さに該当する理論的な反射率を光波長別に数式[6]から演算すれば、ここで求めた理論的な反射率と測定した反射率との差が得られるが、前記で仮定した薄膜層の厚さが正確である場合、この誤差は理想的にはゼロになる。しかし、実際には、薄膜層厚の値が真値であっても測定した反射率と数式[6]を通じて計算した反射率間には一般的に誤差が存在する。この時に、薄膜層厚を変数に設定し、反射率誤差を最小化させるために試行錯誤を続けることによって厚さの最適値を求める最適化技法を使用して薄膜層の”最適”厚さを定めることができる。ここで、本発明によれば、反射率は反射光の波長によって変わるために誤差を最小化する方法としては、あらゆる波長での反射率の測定値に対する誤差の合計を最小化する非線形最小誤差を探す方法を使用すればよい。例えば、ラベンバーグ−マルクォルト方法のような非線形最小誤差自乗法を使用すればよい。
【0054】
前記したように反射率が与えられれば、屈折率を容易に求められるために、本発明によれば、薄膜層の屈折率を知らない場合には光波長に対する屈折率の分布をコーシーモデルまたはローレンツ振動子モデルなどのモデルを使って求めればよい。この場合に、薄膜層の屈折率が選択したモデルで表現されると仮定すれば、理論的な反射率と仮定したモデルによって計算した反射率間の誤差が仮定したモデルのモデル係数の関数で表現され、計算した屈折率と測定した屈折率との誤差が最小になるようにモデル係数を定めれば、この時のモデル係数の値は最適の値になる。言い換えれば、誤差を最も小さくする最適屈折率を定めるのである。したがって、薄膜層厚の場合のように屈折率モデルの係数を変数に設定し、反射率誤差に最適化技法を適用すれば、光波長による屈折率が得られる。前記した方法のような最適化方法にも同一に非線形最小誤差法を適用すればよい。
【0055】
本発明によれば、前記説明したように、二次元配列型の光検出器の各画素領域で薄膜層の厚さ及び屈折率を”測定”するが、このようにして求めた薄膜層の厚さと屈折率をそれぞれ該当される試料面積上の位置で探せば、試料面積上の薄膜層厚形状と屈折率分布とが得られ、これら分布をモニターに二次元か三次元で表示でき、このように三次元に可視化した薄膜層厚形状から薄膜層の厚さ分布を直観的に容易に把握できる。同じ方法で測定しようとする試料面積上での屈折率分布も容易に直観的に把握できもする。
【0056】
前記説明したように、本発明によれば、検出器内の光度信号感知器を二次元的に配列されている光感知器を使用すれば、試料の測定対象部位が検出器の視野範囲内に入りさえすれば、検出器の視野範囲内のどの位置でも薄膜層の厚さが求められる。したがって、従来技術とは別に試料の測定対象部位が検出器の視野範囲内に入る程だけで試料基板を一次移送すれば十分である。すなわち、測定対象部が視野範囲に入りさえすれば、画像認識技術によって、測定対象部が視野範囲のどこに位置しているかが分かることによってその位置での薄膜層厚を求めさえすればよい。したがって、従来技術とは別に二次的な微細移送器具が必要なくなる。
【0057】
効率的な測定をするためには、現実的に、薄膜層の厚さや屈折率を試料のどの特定部分または特定パターンに沿って測定する場合がよくあるが、本発明によれば、このような場合にソフトウェアを変えることによって容易に測定できる。すなわち、二次元型光検出器で得られる薄膜層の厚さ及び屈折率をマッピングして実際試料基板表面上の所望の特定部分に該当する厚さ及び屈折率に関する値を容易に求められる。言い換えれば、前記したあらゆる過程をソフトウェアでプログラミングして施行する。
【0058】
前記説明しように、本発明では、多層薄膜の厚さ形状と屈折率分布とを二次元反射光度器の原理を利用して測定する装置とその測定方法とにおいて、図5に示したようにフィルタ環534を使用して光波長を分別する方法を提示する。本発明によれば、フィルタ環の代りに図8に示されたような形態の線形可変フィルタの構造を使用してもよく、また、図9に示されたような形態の部分円形可変フィルタの構造を使用してもよい。ここで、線形可変フィルタや部分円形可変フィルタはそのフィルタ機能の光波長が連続的に変わるものである場合もあり、前記したフィルタ環のように段階的に変わるものである場合もある。部分円形可変フィルタその構造が完全に円形に作られる場合もあり、また、円の一部分として作られる場合もある。また、線形可変フィルタのように、そのフィルタ機能が連続的に変わるものである場合もあり、前記したフィルタ環のように段階的に変わるものである場合もある。本発明によれば、図5で、フィルタ環534はその回転軸536を中心として回転するようになっており、この回転運動はシステム制御部552や情報処理部550のような制御器能を有しているブロックで制御するようにする(図示せず)。
【0059】
また、本発明によれば、図5に示したように光フィルタ環534の代りに液晶同調フィルタや音響光学同調フィルタなどのような同調フィルタ539(点線で表示)を使用してもよい。例えば、液晶同調フィルタの原理と代表的な構造は”ImagingSpectrometryUsing LiquidCrystal Tunable Filters”、byTom Chrien andChris Chovit、Jet PropulsionLaboratory、and Peter Miller、Cambridge Research and Instrumentation、Inc.、April、1993によって提示され、音響光学同調フィルタの原理及び構造は”Introductionto Acousto−Optics”、andalso AOTF(acousto−optic tunable filter)Sepectroscopy、by Brimrose Corporation ofAmericaによって提示された。図5で、フィルタ環534の代りに使用する同調フィルタ539に入射される光源に対して光フィルタ環を使用する時と同じく情報処理部550とシステム制御部552とによって条件に合った特定波長のみを選別することによって同調フィルタも狭帯域通過光フィルタとして動作する。前記した同調フィルタの場合、機械的な駆動部なしに電気的信号によって動作するために、マイクロ秒(μs)単位のリアルタイムに近い短い時間内にその動作の可能を完了する。したがって、実際工程現場で測定にかかる時間が大幅に短縮される。
【0060】
本発明による前記測定装置は測定試料の光学的境界面で反射される光が前記した狭帯域通過光フィルタか可変フィルタ、または同調フィルタを通過した後、二次元配列型の光検出器542に実像を投射させる構造よりなっているが、本発明によれば、光フィルタの機能が電子的になっているために同調フィルタ539を使用する場合には同調フィルタ539と二次元配列型の光検出器542とを統合してその構造をより効率的にできる。
【0061】
前記したように、屈折率は薄膜層の厚さの非線形関数で表示され、したがって、屈折率と薄膜層の厚さは非線形関数関係を有しているために、反復的な試行錯誤方法によって最適値を求めることが実質的である。しかし、例えば、測定しようとする薄膜層厚の範囲内で屈折率誤差の最小値が1つ以上存在して地域的最小値を求め難い場合がある。このような場合には測定装備ユーザーが経験によって最小値を選択してその値に該当する薄膜層の厚さを選択すればよい。この方法に対する代案としては、本発明によれば、光源として紫外線や赤外線光源を使用すればよい。例えば、測定対象の薄膜層厚が薄くなれば、図3の反射率グラフが平坦になる傾向があって反射率が鈍化される。すなわち、通常的に使われる可視光光源を使用する場合、測定しようとする薄膜層の最小厚さが100Åないし200Å程度に制限される。これに反して、紫外線領域では反射率グラフが稠密に現れるので、紫外線光源を使用する場合には薄膜層の厚さが数十Å乃至まででも測定可能である。逆に、薄膜層の厚さが相対的に非常に厚い場合、可視光光源のみを使用すれば、図3の反射率グラフが光波長方向にあまり稠密に現れるために、すなわち、頂と谷間とがあまりにも多いために反射率誤差値の局部的な最小点があまりにも多く存在するようになる。したがって、非線形最小誤差法などの最適化方法の適用時、全域最小値によく収斂しない場合がよくある。このような場合に数ミクロン波長帯の赤外線領域の光源を使用すれば、この領域では図3に示されたような反射率グラフの波形がより広く分布されるために、局部最小点を探す問題が減り、全域最小値に収斂する可能性が高まることによって数十ミクロン以上の薄膜層の厚さも測定が容易になる。
【0062】
前記した実施例は本発明の原理と内容とを説明するための一例に過ぎず、本発明の原理及び基本思想を制限するためのものでは全くない。当業者は前記発明の詳細なる説明などの変形を容易に理解し、考え出すことができるであろう。したがって、当業者は前記した本発明の詳細なる説明を通じてその原理及び基本思想の意味を広い範囲で理解し、考え出すことができるであろう。
【0063】
本発明の実施例を図5を参照して説明する。本発明による多層薄膜の厚さ形状と屈折率分布とを測定する装置は、図5の概念図に示した構造を有しているが、大きく分けて、光学部、試料基板移送部、画像捕捉処理部、画像処理部548、情報処理部550、そしてシステム制御部552で構成されている。
【0064】
光学部は、光源500、集束レンズ502、絞り504、投射レンズ506、光分割器508、対物レンズ510、補助レンズ530、そして狭帯域通過光フィルタ環534で構成されており、試料基板移送部は、試料基板移送台524、試料基板移送台駆動部526、そして試料基板移送台制御部528で構成されている。画像捕捉処理部は、二次元型光検出器542と画像捕捉器546で構成されており、画像表示部は、画像認識部554とモニター556とで構成されている。本測定装置は、さらに画像処理部548と情報処理部550とを具備しており、最後に、測定装置全体を制御するシステム制御部552があり、ここに、プリンタや各種記録装置、そしてデータ伝送装置などの機能を揃えた情報交換装置などを連結させるようになっている。
【0065】
前記した発明の構成及び作用で述べたように、本測定装置は薄膜層の厚さ形状と屈折率分布とを広い領域にかけて測定する汎用測定装置である。光源としては、可視光線、赤外線、紫外線などの光源が使用でき、この実施例では可視光線を光源として使用した場合を例に挙げて説明する。
【0066】
可視光線の光波長帯域でよく測定する薄膜は近来に多く使われる最先端技術用半導体素子製造に使われるフォトレジスト(photoresist:PR)であり、その厚さの範囲は、約0.3ミクロンないし3.0ミクロンである。試料としては、シリコン基板上にフォトレジスト薄膜を覆わせたものを使用し、反射率の明かは標準基板も測定用標準指針として使用した。
【0067】
光学部は、典型的な顕微鏡と類似した構造を有し、光源としては一般的に広く使われている、例えば、タングステンハロゲン電球を使用した。まず、試料基板上に置いた反射率を既に知っている標準基板から反射されて来る反射光が狭帯域通過光フィルタ環534を通過した後、CCD542に投射された反射光の強度をCCDが二次元型に装着されているCCD542を通じて測定した。次には、シリコン試料基板514を試料基板移送台に置き、標準基板である場合と同じ、CCDが二次元型に装着されているCCD542を通じて反射光の強度を測定した。この時にCCD542に投入される反射光は狭帯域通過光フィルタ環534に装着されている狭帯域通過光フィルタ538を通じてフィルタリングされるために試料基板上の選択された地点で反射される反射光の強度は実際に使われた光フィルタによって決定される光波長の関数で与えられる。本実施例に使われた狭帯域通過光フィルタ環534の概略図を図6に図示した。狭帯域通過光フィルタ環634にはこの実施例で28個の光フィルタが装着されており、光フィルタの通過領域は最低400から最高800ナノミリメートルである。このフィルタ環は中心部に位置した回転軸636[図5では536]を中心として回転するようになっているが、回転運動はシステム制御器552、画像処理部548、または情報処理部550で制御する。この狭帯域通過光フィルタ環の回転はソフトウェアによって自動制御されるようになっており、試料薄膜520上の選択された特定地域での光波長別反射光の測定が終わるまで段階別に回転する。反射率は試料基板で測定した反射光強度と標準基板とで測定した入射光強度の比率、すなわち、反射率=反射光強度/入射光強度で与えられ、光波長の関数である。したがって、測定した反射光の強度から得た反射率グラフは図7に示された通りである。本発明によれば、ここで狭帯域通過光フィルタ環534の代りに図8に示した線形可変光フィルタ800、または図9に示されたような部分円形可変光フィルタ900を使用してもいい。もちろん、ここにも適切な駆動装置が必要である。すなわち、線形可変光フィルタ800の場合には光フィルタを線形に動かすことによって二次元型CCD542に投射される反射光を光波長別に差別化して測定する。部分円形可変光フィルタ900である場合には、前記した光フィルタ環(534または634)の場合と類似して部分回転運動をさせる。
【0068】
また、前記したように、本発明によれば、光フィルタとして液晶同調フィルタか音響光学同調フィルタなどのような同調フィルタ539を使用してもいい。同調フィルタ539は光を直接扱う光フィルタとは異なって間接的な電子フィルタとして図5でフィルタ環534の代りに使用する。原理は、入射される光から情報処理部550またはシステム制御部552による条件に合った特定波長のみを電子的に選別することによって狭帯域通過光フィルタと類似した動作を電子的に行う。同調フィルタの場合、機械的な駆動部なしに電気的信号によって動作するために、マイクロ秒単位のリアルタイム内にフィルタ機能の駆動が可能である。したがって、機械的にフィルタ本体を動かして光波長帯を変化させねばならない光フィルタより非常に速い時間内にフィルタ機能の実施が可能であるために、測定時間が光フィルタの場合に比べて顕著に短縮される。
【0069】
本発明によれば、同調フィルタ電子フィルタであるためにCCD542と容易に統合され、光フィルタまたは同調フィルタなどの物理的位置はフィルタ機能を効率的にするためには光源500とCCD542間の光路532に光が集中する所に位置すればよい。例えば、光源500の前、絞り504の前または後、試料上の焦点512の真上、そして、この実施例でのように光フィルタ環534の現在位置にフィルタ位置させればよい。これらの可能性のある位置のうち光源500の直前の位置では雑光が一番少なく影響されるためにフィルタの機能がさらに効率的である。また、前記したフィルタの可能な位置は、理論的には、光源500とCCD542間の光路中間の任意の地点に位置させても構わない。しかし、実質的には光路のうちで光が集中される点にフィルタを位置させれば、フィルタのサイズ、構造、また、機能の観点でさらに効率的である。
【0070】
前記したあらゆる場合に各狭帯域通過光フィルタを通過する光の波長は1つの固定された光波長ではなく狭い通過領域にかけた光波長帯であるので、この時にこの狭帯域光フィルタを通過した光は狭帯域通過範囲内での光波長に対する実質的な平均値を意味する。また、前記した線形可変光フィルタと部分円形可変光フィルタの動きを制御する駆動装置を自動で構成して反射光の強度を測定する。一旦、標準基板での反射光と試料基板での反射光とを光波長の関数で測定すれば、相対的な反射率は試料基板で反射される反射光の強度を標準機関で反射される反射光の強度で割ることによって求める。すなわち、反射率=試料基板からの反射光の強度/標準基板からの反射光の強度で与えられる。結果的には、図7に示されたような反射率対光波長グラフを得るようになる。
【0071】
本発明によれば、光学部は前述したように、原理上には、通常的には光顕微鏡の構造よりなっており、光源500としては、可視光線、赤外線、そして紫外線を選択的に必要と用途とに応じて使用する。前述したように本実施例では可視光線の光源を使ってフォトレジストの厚さと屈折率とを測定した。対物レンズ510は顕微鏡と共にその拡大率を変えられるが、本実施例では50倍の対物レンズを使用した。試料基板から捕捉した映像は直径が60μmから80μm程度の領域512を測定目標領域にし、このサイズの領域512から反射される反射光が対物レンズ510、光分割器508、補助レンズ530、狭帯域通過光フィルタ538を通じてCCD542内部に装着されている二次元型CCDで構成されている感知器に投射されて反射光の強度が測定された。CCD感知器の面積は試料上で60μm×80μm程度に該当し、この領域内で640×480個の画素密度の解像度で反射光を感知した。実際には、CCD感知器で発生された電気的信号が画像捕捉器546を通じて捉えた後、フレームメモリ(図示せず)に保存され、このフレームメモリに保存された画像は画像処理部548で分析されて反射光の強度を抽出した。さらに具体的に説明すれば、例えば、(3×3)サイズの基本画素群単位に作り、(32×32)単位のサイズの画素群にCCDの全体画素領域を分割し、この(32×32)サイズの画素群に対して反射光の強度の平均値を求めた。この過程を狭帯域通過光フィルタ環にある狭帯域通過光フィルタの個数ほど繰り返すことによって得た反射光の強度を光波長の関数で求めた後、標準基板で読んだ標準反射光の強度を使用して標準化することによって図7に示したような反射率グラフを得た。640×480個の全画素に該当する画像全体にかけて、そして狭帯域通過光フィルタ環に装着されている28個のフィルタ個数通りに測定するためには、この実施例の場合、(32×32)画素単位のサイズの代りに(35×35)サイズの画素単位に分割することによって、{(640×480)/(35×35)}×28回測定を行った。そして、1つの画像で(640×480)/(35×35)個の反射光の強度が光周波数の関数で求められた。この過程は主に画像処理部548で進行された。
【0072】
ここで、本発明の詳細なる説明で説明したように、反射率誤差の最小化方法を活用して測定しようとする薄膜層であるフォトレジスト膜の厚さを測定したが、この時に必要な演算は情報処理部550で主に施行された。本発明によれば、この時に必要な演算を画像処理部548でもできる。そして、前述したように前記測定した反射光強度を測定した標準反射光強度で割って測定値を反射率で表示して反射率グラフを光波長の関数で図7に表示したように求めた。このように求めたグラフの値を臨時的にメモリに保存した後、薄膜層の厚さを計算するのに使用した。ここでグラフの値を臨時メモリに保存せずに直接計算することもできる。この実施例では反射率グラフの値を臨時保存した後、画像処理部で薄膜層の厚さを演算した。
【0073】
本発明によれば、発明の詳細なる説明で数式[2]は単一薄膜層である場合の反射率の自乗で表現される。すなわち、
【0074】
【数12】
【0075】
rは式[1]で与えられた複素反射率であって複素数であり、この複素反射率rは薄膜層厚dの関数である。ここで、Rは絶対反射率である。そして、実際に、測定した反射率をrmといい、演算した反射率を
【0076】
【数13】
【0077】
と言えば、反射率の誤差reは
【0078】
【数14】
【0079】
で与えられる。ここでR、rm、rc、re、は共に整数である。結果的に薄膜層の厚さの初期値dlを定めた後、rclを数式[2]によって計算した後、
【0080】
【数15】
【0081】
を求めた。次に厚さを
【0082】
【数16】
【0083】
ほど変えた後でrc2をさらに計算した後、誤差re2をさらに求めた。ここでもし誤差re2が誤差relより小さければ、引続き薄膜層厚の値を少しずつ増加させながら誤差が最小化されるまで進行する。中間に誤差が増加すれば、逆に厚さの値を減少させる。この時に厚さを減少させる量を増加させた値よりさらに小さく変化させる。厚さの初期値dlを設定して計算した結果、もし誤差re2がrelより大きければ、逆に薄膜層厚の値を減少させながら誤差を計算して行くことによって誤差が最小値になるまで繰り返す。この時に、誤差が増加する場合には前記したように薄膜層の厚さを若干厚くする。このような過程を繰り返して誤差が最小になる時の薄膜層厚を探し出す。前記した反復的な試行錯誤法を適用して前述した(3×3)サイズの各画素群に該当される薄膜層の厚さを演算することによって選択した試料上の測定領域での薄膜層厚の形状を求めた。この結果をモニター556に二次元及び三次元映像で表示した。
【0084】
前記した薄膜層厚の測定過程は図7に示したように反射率が反射光波長によって変わるために光フィルタの数字通り、すなわち、本実施例では28種の演算を繰り返した後、28個の誤差を合算して計算時に使用した。
【0085】
前述したように可視光線光源で測定できる薄膜層の最小厚さは100Åないし200Å程度に制限される。したがって、薄膜層の厚さが、例えば100Å以下である時には紫外線光源を使用して薄膜層厚を測定する。すなわち、薄膜層の厚さが薄いほど光源の波長が短くなければならない。この結果は図7の反射率グラフで光波長方向に稠密したグラフに現れる。紫外線光源を使用する時には狭帯域通過光フィルタの波長の短い方向に変わるために、例えば、この実施例の第一の例で光フィルタ環に装着された28個よりなっている光フィルタセットも光波長の短い狭帯域通過光フィルタセットに変わらなければならない。逆に、測定しようとする薄膜層の厚さが厚ければ、例えば、5μないし10μである場合には、光源を赤外線光源に変えれば、測定が容易である。この場合には図7の反射率グラフが光波長軸に広がる。この時にも実施例の一例として、光フィルタ環に装着された光フィルタセットが波長の長い狭帯域通過光フィルタに変わらなければならない。残りの画像処理過程は紫外線光源を使用する場合や赤外線光源を使用する場合にも可視光線光源を使用する場合と同じである。
【0086】
画像捕捉器546を通じて画像処理部548が受けた試料映像情報は二次元型CCD542に装着されたCCDを通じて与えられた(3×3)サイズの画素群の位置で感知された光の強度とその(3×3)サイズの画素群の実際的な位置であり、前記画素群に入射される光波長に関する情報は光フィルタ環534に装着された光フィルタセットのうちから選択された特定光フィルタの位置によって決定される。この光波長に関する情報は光フィルタ環534から直接画像処理部548かシステム制御部552に伝えられる。この時に前記CCD感知器542の画素群に入射する光とその光波長とに関する情報を同期化させる。
【0087】
前記したように与えられた(3×3)サイズの画素群に該当する光度とその画素群で表現される映像の位置、そしてこの画素群に対比する光波長、また初期値と任意に仮定した薄膜層厚の値とを数式[2]に適用して
【0088】
【数17】
【0089】
を演算するが、数式[2]内にはいくつかの定数と係数とがあり、またsineとcosine関数もある。しかも、rcを反復的に演算して、
【0090】
【数18】
【0091】
が最小になるまで反復的な演算をする。本発明によれば、演算時間を短縮させるためには数式[2]を部分的に演算した後、その値をメモリに予め保存した後、この保存した値を読んで使用することによって演算を短い時間で施行するルックアップテーブル方式を使えばよい。ここで、数式[2]の部分的計算をどのように分けてすべきかということは設計者がすることが通例であるが、ユーザー選択方式で設計することもできる。
【0092】
本発明によれば、例えば、前記した(3×3)サイズの画素群を一領域とみて3×3=9個の画素で構成された画素群に対して各画素に対応する反射率誤差をあらゆる光波長にかけて演算した後でその平均値を最小化しなければならないために、この時に使用する平均反射率の誤差を最小化する”最適化演算過程”は相当複雑である。しかも、与えられた画素群の位置での反射率誤差reは入射光の波長、薄膜の厚さなどの非線形関数であるために、いわゆる非線形誤差の最小化演算過程を反復的に適用する必要がある。本発明では、一例として、前記した非線形誤差の最小化方法のうちの1つである”レデンバーグ−マルクアルト非線形誤差自乗の最小化方法”を適用した。すなわち、
【0093】
【数19】
【0094】
の値を最小化することである。しかし、本発明では、前記方法と類似した他の誤差最小化方法を適用してもいい。
【0095】
本実施例の場合には与えられたフォトレジスト薄膜層の反射率を測定するために被測定試料の屈折率を知っている。しかし、場合によっては測定しようとする薄膜層の屈折率を知らない場合があるが、この時には光波長に対する屈折率の分布をコーシー模型やローレンツ振動子模型などの模型を使用して求める方法が提示された。(”SpectroscopicEllipsometry and Reflectometry”by H.G.Tompkins、W.A.McGahan、JohnWiley、1999)。薄膜層の屈折率を前記した特定模型でモデリングすれば、理論的な反射率と測定した反射率間の誤差が該当模型の模型係数の関数で表示され、この模型係数を備えた特定模型の値が実際の屈折率の値にもっとも近い場合には前記誤差が最小になる。この時にも、薄膜層の場合と同じく、屈折率模型の係数を変数に設定し、反射率誤差に最適化方法を適用して光波長による屈折率を得る。最適化方法としては、前記したように非線形最小誤差方法を適用する。
【0096】
前記したような複雑な演算は、画像処理部548と情報処理部550とで行われる。画像処理部548の機能は他の役割も果たすが、反射率誤差演算に必要な反射率測定値を抽出し出す役割などを遂行し、屈折率演算、反射率誤差演算、反射率誤差最適化、屈折率を知らない場合の屈折率モデル選定及び演算などは主に情報処理部550で処理する。しかし、画像処理部548と情報処理部550との機能分担は設計者の裁量に拠るために、場合によっては画像処理部548と情報処理部550とを合わせて1つに設計することもできる。この実施例では便宜上、画像処理部548と情報処理部550とを2つの他のブロックに区分して図5に図示した。本発明によって構成されたルックアップテーブルを効率的に使用するためには、通常的に情報処理部550、または画像処理部548と密接にその機能を遂行するように演算システムを構成する。
【0097】
画像捕捉器546で抽出して与えられた画素に該当する信号は画像認識部554にも伝えられ、この画像認識部554では試料上の選択された測定領域、すなわち図5の狭帯域通過光フィルタ環534を通過する試料表面の映像を再合成してモニター556を通じて画面表示する。測定機ユーザーはモニタースクリーン上で所望の測定領域を指定して画像処理部548と情報処理部550とで測定に必要な演算を遂行する。この時に、ユーザーは測定時間を節約するために限定された測定領域のみを指定する事もでき、例えば、図5の狭帯域通過光フィルタ環534を通過する測定領域全面の映像をモニター556に画面表示することもできる。このモニター556上に画面表示する画像情報は試料基板の表面状態、薄膜層厚の形状、屈折率分布、反射率分布、試料のX−Y座標、狭帯域通過光フィルタ環に関する情報、選択した測定領域映像の倍率などの情報である。
【0098】
本発明による薄膜層厚の形状及び屈折率分布の測定装置は試料基板514の様々な所を測定する場合には、光学部の対物レンズ510の焦点を自動的に合せる自動焦点調節装置を使用する。この時に、対物レンズ510と試料基板514の相対的な位置がX−Y−Zの3方向に動く。この時に試料基板514と共に動く試料基板移送台524の動きは、試料基板移送台駆動部526とそれを調整する試料基板移送台制御部528で制御する。
【0099】
本発明によれば、この実施例で例示した薄膜層厚の形状及び屈折率分布の測定装置の全般的な制御はシステム制御部552が施行する。システム制御部552は基本的にマイクロプロセッサー、マイクロコンピューターまたはマイクロコントローラを中心として構成されている制御器である。システム制御部552はハードウェアとソフトウェアとで構成されているので、ハードウェアは代表的な例として、主にマイクロプロセッサー、メインメモリ、ハードディスク、I/O連結部分、プリンタのようなI/O装置などで構成されており、ソフトウェアは大きく分けて開始プログラム、主制御プログラムなどで構成されている。このシステム制御部552は薄膜層厚及び屈折率分布測定装置の様々な部分を制御する。すなわち、光学部、試料基板移送台制御部528、狭帯域通過光フィルタ環534、二次元型CCD542、フレームグラバー(画像補足器)546、情報処理部550、画像処理部548、画像認識部554、モニター556などのあらゆる機械的な動きはもとより、複雑な計算機能を含んであらゆる演算過程及び情報処理機能を制御する。
【0100】
前記した実施例は本発明の原理及び内容を説明するための一例に過ぎず、本発明の原理と基本思想とを制限するためのものでは全くない。当業者はこの実施例と類似しているかその変形を容易に理解して考えて出せるであろう。したがって、当業者はこの実施例を通じてその原理と基本思想の意味を広い範囲で理解し、考えて出すことができるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明による薄膜層の厚さ形状と屈折率分布の測定装置と方法とは既存の装備に比べて選択した点での厚さと屈折率とを測定するのでなく、選択した特定面積上での厚さの形状と屈折率分布とを測定し、一目で見られるようにする。したがって、一点での測定値よりはさらに信頼性があり、点よりは広い測定領域にかけて薄膜層の厚さ形状と屈折率分布とを測定し、しかも試料表面上の選択した測定領域の映像を平面や立体で見せるために、点の測定に比べてはるかに正確な情報を得る。さらに発明によれば、光源と狭帯域通過光フィルタ紫外線光源や赤外線光源とを使用し、また光源の波長帯域に該当する適切な可変光フィルタを使用することによって、可視光線を使用する時より薄いかまたは厚い薄膜層の厚さや屈折率を測定するのに便利で、かつ容易である。しかも狭帯域通過光フィルタセットを使用することによって測定速度が速い。また、本発明によると、薄膜厚さ形状、屈折率分布などを画素群毎に演算するために測定値の分解度が高く、局部的な変化も測定可能である。本発明によると、選択した測定領域の薄膜層厚の形状と屈折率分布とを二次元画面映像でモニターに表示するために、ユーザーが試料基板の薄膜層表面や屈折率の状態を二次元で観察、評価できる。したがって、ユーザーは薄膜層の状態や特性に対して強固で、かつ確固たる判断を下せる。言い換えれば、一点を中心として測定する既存の技術に比べて二次元形状は信頼度がはるかに高く、またさらに多くの情報が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1A】従来の反射光度計原理図である。
【図1B】図1Aの反射光度計に使われる微細孔が中央部位にあけた反射板の詳細図である。
【図2】多層試料基板の境界面での多重反射現象を説明する概念図である。
【図3】代表的な反射率グラフである。
【図4】採光用にガラス繊維を使用した既存の反射光度計の構造図である。
【図5】本発明による薄膜厚さ形状及び屈折率分布の測定装置を示す図である。
【図6】いくつかの光フィルタが装着されたフィルタ環を示す図である。
【図7】フィルタ環を使用して得た代表的な反射光強度グラフである。
【図8】線形可変フィルタの概念的な構造図である。
【図9】部分円形可変フィルタの概念的な構造図である。
【図10】フィルタ環を使用して厚さ及び屈折率を測定する過程を説明するフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜が形成された試料基板を支持して搬送されうる試料基板移送台を含む試料基板移送部と、
前記試料基板移送台に支持される前記試料基板に入射される入射光を提供する光源を含む光学部と、
前記試料基板に入射される入射光または試料基板から反射される反射光を光波長別に選択的にフィルタリングするフィルタ手段と、
前記フィルタ手段によって選択された特定光波長を有し、前記試料基板から反射された反射光を2次元的に検出する2次元型光検出器と、
前記2次元型光検出器によって検出された前記反射光に含まれる映像情報を捕捉する画像捕捉器と、
前記画像捕捉器によって捕捉された前記反射光に含まれる映像情報を用いて前記反射光の強度を抽出し、画素ごとに絶対反射率から反射率グラフを光波長の関数で求める画像処理部と、
前記反射率グラフを用いて前記薄膜の特性として薄膜の厚さ、薄膜の厚さ形状、薄膜の屈折率、及び薄膜の屈折率分布を演算する情報処理部とを含み、
前記フィルタ手段はフィルタリングする光波長を連続的に変更可能であることを特徴とする薄膜特性測定装置。
【請求項2】
薄膜が上面に形成された試料基板における測定しようとする特定領域を位置決めする段階と、
前記試料基板上に光を投射する段階と、
フィルタリングする光波長を連続的に変更可能なフィルタを用いて前記光を光波長別に選択的にフィルタリングする段階と、
前記特定波長帯別にフィルタリングされ、前記試料基板上から反射された反射光を2次元的に検出する段階と、
前記検出された反射光に含まれる映像情報を捕捉する段階と、
前記映像情報から前記反射光の強度を抽出し、画素ごとに絶対反射率から反射率グラフを光波長の関数で求める段階と、
前記反射率グラフを用いて前記薄膜の特性として薄膜の厚さ、薄膜の厚さ形状及び薄膜の屈折率分布を演算する段階とを含むことを特徴とする薄膜特性測定方法。
【請求項1】
薄膜が形成された試料基板を支持して搬送されうる試料基板移送台を含む試料基板移送部と、
前記試料基板移送台に支持される前記試料基板に入射される入射光を提供する光源を含む光学部と、
前記試料基板に入射される入射光または試料基板から反射される反射光を光波長別に選択的にフィルタリングするフィルタ手段と、
前記フィルタ手段によって選択された特定光波長を有し、前記試料基板から反射された反射光を2次元的に検出する2次元型光検出器と、
前記2次元型光検出器によって検出された前記反射光に含まれる映像情報を捕捉する画像捕捉器と、
前記画像捕捉器によって捕捉された前記反射光に含まれる映像情報を用いて前記反射光の強度を抽出し、画素ごとに絶対反射率から反射率グラフを光波長の関数で求める画像処理部と、
前記反射率グラフを用いて前記薄膜の特性として薄膜の厚さ、薄膜の厚さ形状、薄膜の屈折率、及び薄膜の屈折率分布を演算する情報処理部とを含み、
前記フィルタ手段はフィルタリングする光波長を連続的に変更可能であることを特徴とする薄膜特性測定装置。
【請求項2】
薄膜が上面に形成された試料基板における測定しようとする特定領域を位置決めする段階と、
前記試料基板上に光を投射する段階と、
フィルタリングする光波長を連続的に変更可能なフィルタを用いて前記光を光波長別に選択的にフィルタリングする段階と、
前記特定波長帯別にフィルタリングされ、前記試料基板上から反射された反射光を2次元的に検出する段階と、
前記検出された反射光に含まれる映像情報を捕捉する段階と、
前記映像情報から前記反射光の強度を抽出し、画素ごとに絶対反射率から反射率グラフを光波長の関数で求める段階と、
前記反射率グラフを用いて前記薄膜の特性として薄膜の厚さ、薄膜の厚さ形状及び薄膜の屈折率分布を演算する段階とを含むことを特徴とする薄膜特性測定方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−31301(P2009−31301A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235547(P2008−235547)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【分割の表示】特願2003−529082(P2003−529082)の分割
【原出願日】平成14年9月23日(2002.9.23)
【出願人】(504111521)
【氏名又は名称原語表記】KMAC
【住所又は居所原語表記】104−11, Munji−dong,Yusong−gu, 305−380 Daejeon, Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【分割の表示】特願2003−529082(P2003−529082)の分割
【原出願日】平成14年9月23日(2002.9.23)
【出願人】(504111521)
【氏名又は名称原語表記】KMAC
【住所又は居所原語表記】104−11, Munji−dong,Yusong−gu, 305−380 Daejeon, Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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