説明

PDMA端末

【課題】 簡易なポインタ操作で手書き情報をそのまま伝送することが可能な太陽電池駆動のPDMA端末を提供する。
【解決手段】 PDMA1の筐体には、太陽電池11、タッチスクリーン付き表示パネル12、PCカード挿入用スロット13、イヤフォン・マイク接続用のジャック14及び光学ジョグスイッチ15が設けられている。スロットに携帯電話用PCカードを挿入し、表示スクリーンに表示されているオフフック釦を押下した後、電話番号に従って数字釦を押下することにより宛先に電話をかける。次にメール切替え釦を押下して予め作成してある手書き画像を読み出すと、この手書き画像を宛先に伝送することができる。また、ジャックにイヤフォン・マイクを接続すればそのまま携帯電話として使用することもできる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパーソナル端末に係り、特にタッチスクリーンに描いた画像をそのまま所定の伝送先に伝送することの可能なPDMA(パーソナル・ドロー・アンド・メール・アシステンス)端末に係る。
【0002】
【従来の技術】IC技術の進歩に伴い、ディスプレイパネル及びタッチスクリーンを装備した携帯型パーソナルコンピュータであるPDA(パーソナル・ディジタル・アシスタンス)が実用化されている。
【0003】従来のPDAを使用して文字情報を伝送しようとすると、例えばキーボード又は他の入力手段により文字及び数字を入力して文字情報のディジタルデータを生成した後に、例えば携帯電話により所定の相手に伝送することが必要となる。
【0004】また、所望のスケジュール帳を表示しようとすると、前送り又は後送り表示をスタイラスでタップする必要があった。さらに、現在実用化されているPDAは二次電池を電力源とする場合が一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キーボードを使用して文字入力する場合にはシステムが大型となることを回避できず、スタイラス操作により文字入力する場合には認識ソフトが必要となるのでCPU負荷が過重となることは回避できない。
【0006】また、一方の手でPDAを把持している場合には他方の手でスタイラスを操作しなければならず、片手での操作が困難であった。
【0007】さらに、適当な時期に二次電池を充電する必要があるだけでなく、PDAの重量が増加することを回避できない。
【0008】本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、簡易なポインタ操作で手書き情報をそのまま伝送することが可能な太陽電池駆動のPDMA端末を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るPDMA端末は、プログラムを実行するCPUと、CPUが実行するプログラムを記憶するROMと、CPUの処理結果を記憶するRAMと、CPUの処理結果を表示する表示パネルと、表示パネル表面に設置されCPUに対する操作指令並びに手書き文字・画像を入力するタッチスクリーンと、CPUに対する操作指令を出力するジョグスイッチと、音声データを入力し記憶されている音声データを出力する音声入出力部と、記憶されている音声データ又は手書き画像データを所定の宛先に伝送する伝送部と、ROM、CPU、RAM、表示パネル、タッチスクリーン、ジョグスイッチ、音声データ入出力部及び伝送部に駆動電力を供給する太陽電池を具備する。
【0010】本発明に係るPDMA端末にあっては、手書き入力された画像をそのまま所定の宛先に伝送されるとともに、全体が太陽電池によって駆動される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るPDMA端末の斜視図であって、PDMA端末1の表面に太陽電池11及びタッチスクリーン付き表示パネル12、PDMA端末1の上端面にはPCカード挿入用のスロット13、並びにPDMA端末1の側面にはイヤフォン・マイク接続用のジャック14及び光学ジョグスイッチ15が設置されている。
【0012】図2は本発明に係るPDMA端末の構成図であって、CPU200には二本のバス201及び202が接続される。第一のバス201には、表示パネルインターフェイス(I/F)203を介して表示パネル121、一時記憶装置として使用されるRAM204、オペレーティング・システム等のプログラムが記憶されるROM205、並びにPCカードI/F206を介してコネクタ207が接続される。
【0013】また第二のバス202には、RTCタイマ208、割り込みコントローラ208、ディジタル/アナログコンバータ(D/A)209、アナログ/ディジタルコンバータ(A/D)210、タッチパネルI/F211を介してタッチスクリーン122、シリアルI/F212を介して光学ジョグスイッチ15が接続されている。
【0014】タッチスクリーン122は透明で表示パネル(LCD、ELD等)121上に積層されており、表示パネル121に表示されたポインタをスタイラスで操作することによりPDMA端末1に操作指令を入力し、あるいはタッチスクリーン122上にスタイラスで描かれた文字、数字及び画像を画像情報として取り込むことが可能となる。
【0015】D/A209及びA/D210はジャック14を介してイヤフォン・マイクのイヤフォン141及びマイクロフォン142に接続される。なお、イヤフォン・マイクはイヤフォンとマイクロフォンを一体化したものであって、耳に装着してPDMA端末が受信したディジタルデータを音声として耳内に放射するとともに、骨伝導により耳まで伝導された使用者が発した音声を検出してディジタルデータとしてPDMA端末内に取り込む。
【0016】さらに、コネクタ207はスロット13の底部に設けられ、スロット13に種々の機能のコンパクトカードを挿入することによりPDMA端末1を種々の用途に使用することができる。
【0017】例えば、携帯電話(PHSを含む)用PCカードを挿入することによりPDMA端末1を携帯電話として、無線通信用PCカードを挿入することによりPDMA端末1をトランシーバとして使用可能となる。また、メモリカードを挿入すれば、PDMA端末1の外部記憶装置として文字情報、画像情報、音声情報等を記憶することが可能となる。
【0018】図3は光学ジョグスイッチの構成図であって、第一のLED151、第一のフォトダイオード152、第二のLED153及び第二のフォトダイオード154が直列に並べられた構成を有する。そして第一のLED151から発射され光学ジョグスイッチ15上の親指3で反射された光は第一のフォトダイオード152で、第二のLED153から発射され親指3で反射された光は第二のフォトダイオード154で検出される。
【0019】そして、光学ジョグスイッチ15上で親指3を移動させたときに、第一のフォトダイオード152及び第二のフォトダイオード154のいずれが早く反射光を検出したかを判定することにより、指の移動方向を検出することが可能となる。
【0020】図4及び図5は移動方向判定方法の説明図であって、図4は親指3が第一のLED151から第二のLED153に向かって移動した場合を、図5は親指3が第二のLED153から第一のLED151に向かって移動した場合を示す。
【0021】なお上段から順に、第一のフォトダイオード152の出力P1、第二のフォトダイオード154の出力P、P1とPの論理積、P1及びPの論理積が“H”から“L”に遷移したときに起動する一次遅れ、一次遅れが所定の閾値を越えたときに立ち上がるトリガ、P1とトリガの論理積、及びPとトリガの論理積を表す。
【0022】図4から親指3が第一のLED151から第二のLED153に向かって移動した場合には、P1とトリガの論理積が“H”となり、図5から親指3が第二のLED153から第一のLED151に向かって移動した場合には、Pとトリガの論理積が“H”となることが判る。
【0023】従って、P1とトリガの論理積が“H”となったときには前頁に戻り、Pとトリガの論理積が“H”となったときは次頁に進むようにすればよい。
【0024】またP1又はPが所定時間内に“L”→“H”→“L”→“H” →“L”と変化した場合にはダブルクリック操作と見なすようにしてもよい。
【0025】なお、本発明に係るPDMAは太陽電池11により光を電力に変換し、この電力を駆動源としており、夜間の操作を可能とするために適宜の電力蓄積素子(二次電池、キャパシタ等)を具備している。
【0026】図6は電話用表示図であって、表示パネル12には0〜9の数字釦610〜619、オフフック釦620、オンフック釦621、メール切替え釦622、*釦623、及び#釦624、並びに電界強度625、日付626、時刻627、及び蓄積電力量628が表示されている。
【0027】即ち電話番号「03−5550−×□○△」に電話をかける場合には、オフフック釦620をスタイラスで押下した後に、スタイラスで電話番号の数字釦を順に押下すればよい。すると電話が通じた後に、RAM204内の所定場所に設けられた送信ボックスに予め記憶されているデータが電話先に送信される。この状態でイヤフォン・マイクを使用すればPDMA端末を携帯電話として使用することもできる。
【0028】図7は、図6のメール切替え釦を押下したときに表示されるメール作成表示図であって、delete釦70、mail inbox釦71、電話切替え釦72、電界強度625、日付626、時刻627、及び蓄積電力量628、並びに宛先等表示領域73及び描画領域74が表示されている。
【0029】即ち、mail inbox釦71を押下すると、送信ボックスに記憶されている画像データ並びに宛先、日付及び案件名が描画領域74並びに宛先等表示領域73に表示される。この状態でdelete釦70を押下すると、描画領域に既に描画された描画がクリアされ新規な描画が可能となる。即ちクリア後に描画領域にスタイラスで新規に描画することにより、この描画を宛先に送信することが可能となる。
【0030】なお、この状態で光学ジョグスイッチを操作すると描画表示領域に表示する頁を変更することが可能となる。
【0031】
【発明の効果】本発明に係るPDMA端末によれば、タッチパネル上にスタイラスで描かれた文字・画像をそのまま所定の宛先に伝送できるだけでなく、PDMA端末が太陽電池で駆動されるので電池が不要となり軽量化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPDMA端末の斜視図である。
【図2】本発明に係るPDMA端末の構成図である。
【図3】光学ジョグスイッチの構成図である。
【図4】移動方向判定方法の説明図(その1)である。
【図5】移動方向判定方法の説明図(その2)である。
【図6】電話用表示図である。
【図7】メール作成表示図である。
【符号の説明】
1…PDMA端末
11…太陽電池
12…タッチスクリーン付き表示パネル
13…PCカードスロット
14…イヤフォン・マイク接続用のジャック
15…光学ジョグスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 プログラムを実行するCPUと、前記CPUが実行するプログラムを記憶するROMと、前記CPUの処理結果を記憶するRAMと、前記CPUの処理結果を表示する表示パネルと、前記表示パネル表面に設置され、前記CPUに対する操作指令並びに手書き文字・画像を入力するタッチスクリーンと、前記CPUに対する操作指令を出力するジョグスイッチと、音声データを入力するとともに記憶されている音声データを出力する音声入出力部と、記憶されている音声データ又は手書き文字・画像を所定の宛先に伝送する伝送部と、前記ROM、CPU、RAM、表示パネル、タッチスクリーン、ジョグスイッチ、音声データ入出力部及び伝送部に駆動電力を供給する太陽電池を具備するPDMA端末。
【請求項2】 前記ジョグスイッチが、発光素子と、該発光素子から放射され検出対象により反射された光を受光する該発光素子に隣接して配置される受光素子からなる光電素子対を少なくとも二個直列に配置した光電アレイと、前記光電アレイの受光素子の出力から前記光電アレイ上の検出対象の移動方向を判定し、前記CPUに対し検出対象の移動方向に応じた操作信号を出力する操作信号出力部とからなる請求項1に記載のPDMA端末。
【請求項3】 前記音声入出力部が、イヤフォン・マイクと、前記イヤフォン・マイクで集音された音声をディジタルデータに変換するアナログ・ディジタル変換部と、ディジタルデータを音声に変換して前記イヤフォン・マイクに出力するディジタル・アナログ変換部からなる請求項1に記載のPDMA端末。
【請求項4】 前記伝送部が、前記PDMA端末に対して着脱自在なPCカードとして構成される請求項1に記載のPDMA端末。
【請求項5】 前記PCカードが、携帯電話対応PCカードである請求項4に記載のPDMA端末。
【請求項6】 前記PCカードが、PHS対応PCカードである請求項4に記載のPDMA端末。
【請求項7】 前記PCカードが、トランシーバ対応PCカードである請求項4に記載のPDMA端末。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2003−189008(P2003−189008A)
【公開日】平成15年7月4日(2003.7.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−386113(P2001−386113)
【出願日】平成13年12月19日(2001.12.19)
【出願人】(598013839)株式会社アンフィニ・エンタテイメント・テクノロジ (1)
【Fターム(参考)】