説明

γ−セクレターゼモジュレーターとしてのアミノシクロヘキサンおよびアミノテトラヒドロピランならびに関連化合物

本明細書で規定する式(I)の構造を有する化合物およびその化合物の薬学的に許容できる塩が開示される。対応する医薬組成物、治療方法、合成方法、および中間体も開示される。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトを含めた哺乳動物におけるアルツハイマー病ならびに他の神経変性障害および/または神経障害の治療に関する。本発明はまた、アミロイドタンパク質の神経沈着物が形成される一因となり得るAβペプチドの産生の、ヒトを含めた哺乳動物における調節に関する。より詳細には、本発明は、アルツハイマー病やダウン症候群などの、Aβペプチド産生に関連した神経変性障害および/または神経障害の治療に有用なアミノシクロヘキサンおよびアミノテトラヒドロピラン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
認知症は、多種多様な特有の病理学的プロセスの結果として生じる。認知症を引き起こす最も一般的な病理学的プロセスは、アルツハイマー病(AD)、脳アミロイド血管症(CM)、およびプリオン媒介疾患である(たとえば、Haanら、Clin.Neurol.Neurosurg.1990、92(4):305〜310;Glennerら、J.Neurol.Sci.1989、94:1〜28を参照されたい)。ADには、米国の人口の最も急増している部分である、85才を過ぎた全国民のほぼ半数が罹患している。それに応じて、米国におけるAD患者の数は、次の世紀の半ばまでに約400万人から約1400万人に増加することが予想される。現在、アルツハイマー病の進行を停止させ、予防し、または逆転させる有効な治療は存在しない。したがって、アルツハイマー病の進行を遅らせること、および/またはまず第一にこれを予防することのできる医薬品が早急に求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
認知症を引き起こす病理学的プロセスであるAD、CM、およびプリオン媒介疾患を改善するいくつかのプログラムが、研究グループによって進められている。γ−セクレターゼモジュレーターは、1つのそうした戦略であり、数多くの化合物が製薬グループにより評価中である。本発明は、脳浸透性γ−セクレターゼモジュレーターの群に関するものであり、したがってアルツハイマー病やダウン症候群などの、Aβペプチド産生に関連した神経変性障害および/または神経障害を治療するためのγ−セクレターゼモジュレーターとして有用である(Olsenら、Ann.Rep.Med.Chem.2007、42:27〜47)。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、薬学的に許容できるその塩を含めて、式
【0005】
【化1】

の構造を有する化合物を対象とする
[式中、Aは、1個〜3個のRで置換されていてもよいC6〜10アリールまたは5〜10員ヘテロアリールであり、
XおよびYは、独立に、C(R、NR10、またはOであり、XまたはYの少なくとも一方はC(Rであり、
各Rは、独立に、水素、C1〜6アルキル、または−(CH−C3〜7シクロアルキルであり、または2個のR置換基が、これらが結合している炭素と一緒になって、C3〜7シクロアルキルを形成している場合もあり、
各Rは、独立に、CF、フッ素、C1〜3アルキル、C3〜7シクロアルキル、またはORであり、または2個のR置換基が、これらが結合している炭素と一緒になって、C3〜4シクロアルキルを形成している場合もあり、
およびRは、独立に、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、または4〜10員ヘテロシクロアルキルであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキルは、C1〜6アルキル、ハロゲン、オキソ、シアノ、−CF、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、または4〜10員ヘテロシクロアルキルで置換されていてもよく、前記シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリール置換基は、1個〜3個のC1〜6アルキル、ハロゲン、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノでさらに置換されている場合もあり、
代替として、RおよびRは、これらが結合している窒素と一緒になって、4〜10員ヘテロシクロアルキルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成しており、前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールは、1個〜6個のRで置換されていてもよく、2個のRが、これらが結合している1個または複数の原子と一緒になって、架橋した系の場合ではヘテロシクロアルキルの追加の原子も場合により含めて、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、または4〜10員ヘテロシクロアルキルを形成している場合もあり、前記シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールは、1個〜3個のC1〜6アルキル、ハロゲン、−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノでさらに置換されている場合もあり、前記C1〜6アルキルは、1個〜3個のフッ素または−(CH−CFでさらに置換されていてもよく、
各Rは、独立に、水素またはC1〜3アルキルであり、前記アルキルは、1個〜3個のフッ素で置換されている場合もあり、
各Rは、独立に、C1〜6アルキル、フッ素、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノであり、
各Rは、独立に、−(CH−CF、シアノ、ハロゲン、C1〜3アルキル、C3−7シクロアルキル、または−ORであり、
各Rは、独立に、水素、C1〜3アルキル、または−(CH−CFであり、
各Rは、独立に、水素、CF、フッ素、C1〜3アルキル、C3〜7シクロアルキル、またはORであり、または2個のR置換基が、これらが結合している炭素と一緒になって、C3〜4シクロアルキルを形成している場合もあり、
10は、水素、−(CH−CF、C1〜3アルキル、またはC3〜7シクロアルキルであり、
各nは、0、1または2から独立に選択される整数であり、
各mは、0、1または2から独立に選択される整数であり、
各tは、0、1または2から独立に選択される整数である]。
【0006】
本発明の一実施形態、いわゆるアミノテトラヒドロピランでは、YがC(Rであり、各Rが水素であり、XがOであり、または薬学的に許容できるその塩である。
【0007】
本発明の一実施形態、いわゆるアミノシクロヘキサンでは、XおよびYがC(Rであり、各Rが水素であり、または薬学的に許容できるその塩である。
【0008】
本発明の一実施形態では、Aは、1個のRで置換されているC6〜10アリールであり、Rは、−(CH−CF、シアノ、ハロゲン、C1〜3アルキル、C3〜7シクロアルキル、または−ORであり、または薬学的に許容できるその塩である。本発明の一実施形態では、Aは、1個のRで置換されているC6〜10アリールであり、Rは、−(CH−CF、シアノ、またはハロゲンであり、または薬学的に許容できるその塩である。別の実施形態では、Aは、1個のRで置換されているフェニルであり、Rは−(CH−CFであり、tが0であり、または薬学的に許容できるその塩である。別の実施形態では、Aは、1個のRで置換されているフェニルであり、Rはシアノであり、または薬学的に許容できるその塩である。別の実施形態では、Aは、1個のRで置換されているフェニルであり、Rはハロゲンであり、または薬学的に許容できるその塩である。別の実施形態では、Aは、1個のRで置換されているフェニルであり、Rはクロロまたはフルオロであり、または薬学的に許容できるその塩である。
【0009】
本発明の別の実施形態では、Aは、2個のRで置換されているC6〜10アリールであり、各Rは、独立に、−(CH−CF、シアノ、ハロゲン、C1〜3アルキル、C3〜7シクロアルキル、または−ORであり、または薬学的に許容できるその塩である。
【0010】
本発明の別の実施形態では、Aは、3個のRで置換されているC6〜10アリールであり、各Rは、独立に、−(CH−CF、シアノ、ハロゲン、C1〜3アルキル、C3〜7シクロアルキル、または−ORであり、または薬学的に許容できるその塩である。
【0011】
本発明の一実施形態では、Aは、1個のRで置換されている5〜10員ヘテロアリールであり、Rは、−(CH−CF、シアノ、ハロゲン、C1〜3アルキル、C3〜7シクロアルキル、または−ORであり、または薬学的に許容できるその塩である。本発明の別の実施形態では、Aは、1個のRで置換されている5〜10員ヘテロアリールであり、Rは、−(CH−CFまたはハロゲンであり、または薬学的に許容できるその塩である。本発明の別の実施形態では、Aは、1個のRで置換されているピリジンであり、Rは−(CH−CFであり、または薬学的に許容できるその塩である。別の実施形態では、Aは、1個のRで置換されているピリジンであり、Rはハロゲンであり、または薬学的に許容できるその塩である、別の実施形態では、Aは、1個のRで置換されているピリジンであり、Rはクロロであり、または薬学的に許容できるその塩である。
【0012】
本発明の別の実施形態では、Aは、2個のRで置換されている5〜10員ヘテロアリールであり、各Rは、独立に、−(CH−CF、シアノ、ハロゲン、C1〜3アルキル、C3〜7シクロアルキル、または−ORであり、または薬学的に許容できるその塩である。
【0013】
本発明の別の実施形態では、Aは、3個のRで置換されている5〜10員ヘテロアリールであり、各Rは、独立に、−(CH−CF、シアノ、ハロゲン、C1〜3アルキル、C3〜7シクロアルキル、または−ORであり、または薬学的に許容できるその塩である。
【0014】
上述の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRの両方がC1〜6アルキルであり、または薬学的に許容できるその塩である。
【0015】
上述の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRが両方とも、フッ素、オキソ、シアノ、−CF、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、または4〜10員ヘテロシクロアルキルで置換されていてもよいC1〜6アルキルであり、前記シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリール置換基は、1個〜3個のC1〜6アルキル、ハロゲン、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノでさらに置換されている場合もあり、または薬学的に許容できるその塩である。
【0016】
上述の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRは、独立にC1〜6アルキルであり、RまたはRのどちらかが−CFで置換されており、または薬学的に許容できるその塩である。
【0017】
上述の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRは、独立にC1〜6アルキルであり、RおよびRの両方が−CFで置換されており、または薬学的に許容できるその塩である。
【0018】
上述の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRは、独立にC1〜6アルキルであり、RまたはRのどちらかがC3〜7シクロアルキルで置換されており、前記シクロアルキルは、1個〜3個のC1〜6アルキル、フッ素、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノで置換されていてもよく、または薬学的に許容できるその塩である。
【0019】
上述の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRは、独立にC1〜6アルキルであり、RおよびRの両方がC3〜7シクロアルキルで置換されており、前記シクロアルキルは、1個〜3個のC1〜6アルキル、フッ素、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノで独立に置換されていてもよく、または薬学的に許容できるその塩である。
【0020】
上述の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRは、独立にC1〜6アルキルであり、RまたはRのどちらかが5〜10員ヘテロアリールで置換されており、前記ヘテロアリールは、1個〜3個のC1〜6アルキル、ハロゲン、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノで置換されていてもよく、または薬学的に許容できるその塩である。
【0021】
上述の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRは、独立にC1〜6アルキルであり、RおよびRの両方が5〜10員ヘテロアリールで置換されており、前記ヘテロアリールは、1個〜3個のC1〜6アルキル、ハロゲン、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノで独立に置換されていてもよく、または薬学的に許容できるその塩である。
【0022】
上述の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRは、独立にC1〜6アルキルであり、Rは、C6〜10アリールで置換されており、Rは、C3〜7シクロアルキルで置換されており、前記アリールおよびシクロアルキルは、1個〜3個のC1〜6アルキル、ハロゲン、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノで独立に置換されていてもよく、または薬学的に許容できるその塩である。
【0023】
上述の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRは、独立にC1〜6アルキルであり、Rは、5〜10員ヘテロアリールで置換されており、Rは、C3〜7シクロアルキルで置換されており、前記ヘテロアリールまたはシクロアルキルは、1個〜3個のC1〜6アルキル、ハロゲン、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノで独立に置換されていてもよく、または薬学的に許容できるその塩である。
【0024】
上述の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRは、これらが結合している窒素と一緒になって、1個〜6個のRで置換されていてもよい4〜10員ヘテロシクロアルキルを形成しており、または薬学的に許容できるその塩である。別の実施形態では、RおよびRは、これらが結合している窒素と一緒になって、4〜10員ヘテロシクロアルキルを形成しており、ジェミナルな2個のR置換基が結合し合って、ヘテロシクロアルキルと共にスピロ環系を形成しており、ヘテロシクロアルキルは、0個〜4個の追加のRで置換されており、または薬学的に許容できるその塩である。
【0025】
上述の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRは、これらが結合している窒素と一緒になって、5〜10員ヘテロアリールを形成しており、または薬学的に許容できるその塩である。
【0026】
上述の実施形態のいずれかにおいて、各Rは、独立に水素であり、mは1であり、または薬学的に許容できるその塩である。
【0027】
本発明の別の実施形態では、薬学的に許容できるその塩を含めた化合物は、構造
【0028】
【化2】

を有し、置換基は上で規定している。
【0029】
本発明の別の実施形態では、薬学的に許容できるその塩を含めた化合物は、構造
【0030】
【化3】

を有し、置換基は上で規定している。
【0031】
上述の実施形態のいずれかにおいて、Rは水素である。
【0032】
などの任意の1個の置換基についての記述を、Rなどの他の任意の置換基についての記述と組み合わせてもよく、その結果、第1の置換基と第2の置換基のそれぞれおよびすべての組合せが、各組合せが明確かつ個別に列挙されているのと同様に本明細書に示されることが理解される。たとえば、一変形形態では、RがRとまとめて扱われて、Rがメチルであり、Rがフッ素である一実施形態を示す。
【0033】
式Iの化合物および薬学的に許容できるその塩には、以下で論述するように、前記の式Iの化合物および薬学的に許容できるその塩の水和物、溶媒和物、および多形体も含まれることは理解されよう。
【0034】
一実施形態では、本発明はまた、(遊離塩基または薬学的に許容できるその塩を含めて)本出願の実施例の部において実施例1〜67として記載する個々の化合物それぞれに関する。
【0035】
別の実施形態では、本発明は、以下のもの、すなわち
{(1R,3S,4R)−4−(4−イソプロピル−2−アザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸
{(1R,3S,4R)−4−(9−イソプロピル−7−アザスピロ[4.5]デカ−7−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸
{(1R,3S,4R)−4−(9,9−ジメチル−7−アザスピロ[4.5]デカ−7−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸
{(1R,3S,4R)−4−(3,3,5,5−テトラメチルピペリジン−1−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸
{(1R,3S,4R)−4−{(シクロペンチルメチル)[(2,2−ジメチルシクロペンチル)メチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸
{(1R,3S,4R)−4−{(シクロペンチルメチル)[(3,3−ジメチルシクロペンチル)メチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸
{(1R,3S,4R)−4−[(2−クロロベンジル)(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸
{(1R,3S,4R)−4−[(3−クロロベンジル)(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸
{(1R,3S,4R)−4−[(4−クロロベンジル)(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸
{(1R,3S,4R,5S)−4−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3R,4R,5S)−4−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−1,5−メタノ−3−ベンゾアゼピン−3−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
2−((2S,4S,5R,6S)−5−(ビス(シクロペンチルメチル)アミノ)−4−メチル−6−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)酢酸
{(1R,3S,4R)−4−{(シクロペンチルメチル)[(2,2−ジメチルシクロヘキシル)メチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(2S,5R,6S)−5−(13−アザジスピロ[4.1.4.3]テトラデカ−13−イル)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(6−オキサ−13−アザジスピロ[4.1.4.3]テトラデカ−13−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(14−アザジスピロ[4.2.4.3]ペンタデカ−14−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(11−アザジスピロ[3.1.3.3]ドデカ−11−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(2,8−ジオキサ−11−アザジスピロ[3.1.3.3]ドデカ−11−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(2−オキサ−11−アザジスピロ[3.1.3.3]ドデカ−11−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(9−アザジスピロ[2.1.2.3]デカ−9−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(15−アザジスピロ[5.1.5.3]ヘキサデカ−15−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(3−オキサ−15−アザジスピロ[5.1.5.3]ヘキサデカ−15−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(14−アザジスピロ[4.1.5.3]ペンタデカ−14−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(13−アザジスピロ[3.1.5.3]テトラデカ−13−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(12−アザジスピロ[3.1.4.3]トリデカ−12−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
および前述のものそれぞれの薬学的に許容できる塩からなる群から選択される化合物に関する。
【0036】
別の実施形態では、本発明は、神経障害および精神障害の治療方法であって、そのような障害の治療において有効な量の式Iの化合物をその必要のある患者に投与するステップを含む方法を提供する。神経障害および精神障害としては、その限りでないが、哺乳動物における、急性の神経障害および精神障害、たとえば、心臓バイパス手術および心臓移植に続いて起こる脳障害(cerebral deficit)、卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性神経損傷、認知症、AIDSによる認知症、血管性認知症、混合型認知症、年齢関連記憶障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼損傷、網膜症、統合失調症および双極性障害に随伴する認知障害を含めた認知障害、特発性および薬物性のパーキンソン病、筋痙縮、および振戦を含めた筋肉の痙性に関連する障害、てんかん、けいれん、偏頭痛、偏頭痛性頭痛(migraine headache)、尿失禁、薬物耐性(substance tolerance)、薬物離脱、アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、および催眠剤からの離脱、精神病、軽度認知障害、健忘性認知障害、多領域(multi−domain)認知障害、肥満、統合失調症、不安、全般性不安障害、社会不安障害、パニック障害、外傷後ストレス障害、強迫性障害、気分障害、うつ病、躁病、双極性障害、三叉神経痛、失聴、耳鳴、眼の黄斑変性、嘔吐、脳浮腫、疼痛、急性痛および慢性痛状態、激痛、難治性疼痛、神経因性疼痛、外傷後痛、遅発性ジスキネジア、睡眠障害、ナルコレプシー、注意欠陥/多動性障害、自閉症、アスペルガー病、行為障害が挙げられ、有効量の式1の化合物または薬学的に許容できるその塩を哺乳動物に投与するステップを含む。したがって、一実施形態では、本発明は、上記の状態から選択される、ヒトなどの哺乳動物における状態の治療方法であって、哺乳動物に式Iの化合物を投与するステップを含む方法を提供する。哺乳動物は、そのような治療を必要とする哺乳動物であることが好ましい。例として、本発明は、注意欠陥/多動性障害、統合失調症、およびアルツハイマー病の治療方法を提供する。
【0037】
別の実施形態では、本発明は、神経障害および精神障害の治療方法であって、その必要のある患者に、そのような障害の治療において有効な量の式Iの化合物を投与するステップを含む方法を提供する。式Iの化合物は、場合により別の活性薬剤と組み合わせて使用する。そのような活性薬剤は、たとえば、非定型抗精神病薬、コリンエステラーゼ阻害剤、Dimebon、またはNMDA受容体拮抗薬であってよい。そうした非定型抗精神病薬としては、その限りでないが、ジプラシドン、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、パリペリドンが挙げられ、そうしたNMDA受容体拮抗薬としては、その限りでないがメマンチンが挙げられ、そうしたコリンエステラーゼ阻害剤としては、その限りでないが、ドネペジルおよびガランタミンが挙げられる。
【0038】
本発明はまた、式Iの化合物と薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物に関する。組成物は、たとえば、その限りでないが、哺乳動物における、急性の神経障害および精神障害、たとえば、心臓バイパス手術および心臓移植に続いて起こる脳障害(cerebral deficit)、卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性神経損傷、認知症、AIDSによる認知症、血管性認知症、混合型認知症、年齢関連記憶障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼損傷、網膜症、統合失調症および双極性障害に随伴する認知障害を含めた認知障害、特発性および薬物性のパーキンソン病、筋痙縮、および振戦を含めた筋肉の痙性に関連する障害、てんかん、けいれん、偏頭痛、偏頭痛性頭痛(migraine headache)、尿失禁、薬物耐性(substance tolerance)、薬物離脱、アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、および催眠剤からの離脱、精神病、軽度認知障害、健忘性認知障害、多領域(multi−domain)認知障害、肥満、統合失調症、不安、全般性不安障害、社会不安障害、パニック障害、外傷後ストレス障害、強迫性障害、気分障害、うつ病、躁病、双極性障害、三叉神経痛、失聴、耳鳴、眼の黄斑変性、嘔吐、脳浮腫、疼痛、急性痛および慢性痛状態、激痛、難治性疼痛、神経因性疼痛、外傷後痛、遅発性ジスキネジア、睡眠障害、ナルコレプシー、注意欠陥/多動性障害、自閉症、アスペルガー病、ならびに行為障害を含めた、神経障害および精神障害からなる群から選択される状態を治療する組成物でよく、有効量の式1の化合物または薬学的に許容できるその塩と薬学的に許容できる担体とを投与するステップを含む。組成物は、場合により、非定型抗精神病薬、コリンエステラーゼ阻害剤、Dimebon、またはNMDA受容体拮抗薬をさらに含む。そうした非定型抗精神病薬としては、その限りでないが、ジプラシドン、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、パリペリドンが挙げられ、そうしたNMDA受容体拮抗薬としては、その限りでないがメマンチンが挙げられ、そうしたコリンエステラーゼ阻害剤としては、その限りでないが、ドネペジルおよびガランタミンが挙げられる。
【0039】
定義
用語「アルキル」とは、1個〜20個の炭素原子、一実施形態では1個〜12個の炭素原子、別の実施形態では1個〜10個の炭素、別の実施形態では、1個〜6個の炭素原子、別の実施形態では、1個〜4個の炭素原子を含有する、直鎖または分枝鎖の飽和ヒドロカルビル置換基(すなわち、炭化水素から水素を除去して得られる置換基)を指す。そのような置換基の例として、メチル、エチル、プロピル(n−プロピルおよびイソプロピルを含める)、ブチル(n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルを含める)、ペンチル、イソアミル、ヘキシルなどが挙げられる。一部の例では、ヒドロカルビル置換基(すなわち、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールなど)中の炭素原子の数は、接頭辞「Cx〜y」によって示し、xは、置換基中の炭素原子の最小数、yは最大数である。したがって、たとえば、「C1〜6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル置換基を指す。
【0040】
「アルケニル」とは、少なくとも1個の炭素間二重結合を有する直鎖、分枝鎖、または環式の基を含めて、少なくとも1個の炭素間二重結合を有する脂肪族炭化水素を指す。2〜6個の炭素原子を有する中等度の大きさのアルケニルであることが好ましい。たとえば、本明細書では、用語「C2〜6アルケニル」とは、その限りでないが、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなどを含めて、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、C1〜6アルコキシ、C6〜10アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、C1〜6アルキルなどの上で規定したような1〜5個の適切な置換基で置換されていてもよい、2〜6個の炭素原子の直鎖または分枝鎖の不飽和ラジカルを意味する。本発明の化合物がC2〜6アルケニル基を含んでいるとき、化合物は、純粋なE(entgegen)型、純粋なZ(zusammen)型、またはこれらの任意の混合物として存在し得る。
【0041】
「アルキリデン」とは、アルカンの同じ炭素原子から2個の水素原子が除去されて生成され、その遊離原子価が二重結合の一部となる二価の基を指す。
【0042】
「アルキニル」とは、少なくとも1個の炭素間三重結合を有する直鎖、分枝鎖、または環式の基を含めて、少なくとも1個の炭素間三重結合を有する脂肪族炭化水素を指す。好ましくは2〜6個の炭素原子を有する低級アルキニルであることが好ましい。たとえば、本明細書では、用語「C2〜6アルキニル」は、2〜6個の炭素原子および1個の三重結合を有する、上で規定したような直鎖または分枝鎖炭化水素アルキニル基を意味するのに使用する。
【0043】
用語「シクロアルキル」とは、飽和した炭素環式分子から水素を除去して得られ、3個〜14個の炭素原子を有する、炭素環式の置換基を指す。一実施形態では、シクロアルキル置換基は、3個〜10個の炭素原子を有する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。
【0044】
用語「シクロアルキル」は、C〜C10芳香族環または5〜10員ヘテロ芳香族環に縮合している置換基も包含し、このような縮合シクロアルキル基を置換基として有する基は、シクロアルキル基の炭素原子に結合している。このような縮合シクロアルキル基が1個または複数の置換基で置換されているとき、1個または複数の置換基は、別段指定しない限り、シクロアルキル基の炭素原子にそれぞれ結合している。縮合C〜C10芳香族環または5〜10員ヘテロ芳香族環は、ハロゲン、C1〜6アルキル、C3〜10シクロアルキル、または=Oで置換されていてもよい。
【0045】
シクロアルキルは、3〜6個の環原子を通常含有する単環であってよい。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。代替として、ビシクロデカニルやデカリニルのように、2または3個の環が縮合していてもよい。
【0046】
用語「アリール」とは、1個の環または縮合した2個もしくは3個の環を含有する芳香族の置換基を指す。アリール置換基は、6個〜18個の炭素原子を有するものであってよい。一例として、アリール置換基は、6個〜14個の炭素原子を有するものであってよい。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、アントラセニルなどの置換基を指すことがある。用語「アリール」は、CやC炭素環などのC4〜10炭素環または4〜10員ヘテロ環に縮合したフェニル、ナフチル、アントラセニルなどの置換基も包含し、このような縮合アリール基を置換基として有する基は、アリール基の芳香族炭素に結合している。このような縮合アリール基が1個または複数の置換基で置換されているとき、1個または複数の置換基は、別段指定しない限り、縮合アリール基の芳香族炭素にそれぞれ結合している。縮合C4〜10炭素環または4〜10員ヘテロ環は、ハロゲン、C1〜6アルキル、C3〜10シクロアルキル、または=Oで置換されていてもよい。アリール基の例としては、それに応じて、フェニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフタレニル(「テトラリニル」としても知られている)、インデニル、イソインデニル、インダニル、アントラセニル、フェナントレニル、ベンゾナフテニル(「フェナレニル」としても知られている)、およびフルオレニルが挙げられる。
【0047】
一部の例では、1個または複数のヘテロ原子を含有する環式置換基(すなわち、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル)中の原子の数は、接頭辞「X〜Y員」によって示し、xは、置換基の環式部分を形成する原子の最小数であり、yは最大数である。したがって、たとえば、5〜8員ヘテロシクロアルキルとは、ヘテロシクロアルキルの環式部分中に、1個または複数のヘテロ原子を含む5〜8個の原子を含有するヘテロシクロアルキルを指す。
【0048】
用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」とは、−OHを指す。別の(1つまたは複数の)用語と組み合わせて使用するとき、接頭辞「ヒドロキシ」は、接頭辞が付いている置換基が、1個または複数のヒドロキシ置換基で置換されていることを示す。1個または複数のヒドロキシ置換基が結合している炭素を有する化合物として、たとえば、アルコール、エノール、およびフェノールが挙げられる。
【0049】
用語「シアノ」(「ニトリル」とも呼ばれる)とは、−CNを意味し、
【0050】
【化4】

と表記する場合もある。
【0051】
用語「ハロゲン」とは、フッ素(−Fと表記する場合もある)、塩素(−Clと表記する場合もある)、臭素(−Brと表記する場合もある)、またはヨウ素(−Iと表記する場合もある)を指す。一実施形態では、ハロゲンは塩素である。別の実施形態では、ハロゲンはフッ素である。別の実施形態では、ハロゲンは臭素である。
【0052】
用語「ヘテロシクロアルキル」とは、合計4〜14個の環原子を含有し、環原子の少なくとも1個が、酸素、窒素、または硫黄から選択されるヘテロ原子である、飽和または部分的に飽和した環構造から水素を除去して得られる置換基を指す。たとえば、本明細書では、用語「4〜10員ヘテロシクロアルキル」とは、置換基が全部で4〜10員の単環であることを意味する。一方、ヘテロシクロアルキルは、縮合した2個または3個の環を含み、少なくとも1個のそのような環が、ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素、または硫黄)を環原子として含有するものでもよい。ヘテロシクロアルキル置換基を有する基において、その基に結合しているヘテロシクロアルキル置換基の環原子は、その少なくとも1個のヘテロ原子でもよく、または環炭素原子でもよく、環炭素原子は、少なくとも1個のヘテロ原子と同じ環にあるものでもよく、もしくは環炭素原子は、少なくとも1個のヘテロ原子と異なる環にあるものでもよい。同様に、ヘテロシクロアルキル置換基の方が基または置換基で置換されている場合、その基または置換基は、少なくとも1個のヘテロ原子に結合していてもよく、または環炭素原子に結合していてもよく、環炭素原子は、少なくとも1個のヘテロ原子と同じ環にあるものでもよく、もしくは環炭素原子は、少なくとも1個のヘテロ原子と異なる環にあるものでもよい。
【0053】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、C6〜10芳香族環または5〜10員ヘテロ芳香族環に縮合した置換基も包含し、このような縮合ヘテロシクロアルキル基を置換基として有する基は、ヘテロシクロアルキル基のヘテロ原子またはヘテロシクロアルキル基の炭素原子に結合している。このような縮合ヘテロシクロアルキル基が1個または複数の置換基で置換されているとき、その1個または複数の置換基は、別段指定しない限り、ヘテロシクロアルキル基のヘテロ原子またはヘテロシクロアルキル基の炭素原子にそれぞれ結合している。縮合C〜C10芳香族環または5〜10員ヘテロ芳香族環は、ハロゲン、C1〜6アルキル、C3〜10シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、または=Oで置換されていてもよい。
【0054】
用語「ヘテロアリール」とは、5〜14個の環原子を含有し、環原子の少なくとも1個がヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素、または硫黄)であり、残りの環原子が、炭素、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立に選択されたものである芳香族環構造を指す。ヘテロアリールは、単環でも、または縮合した2個もしくは3個の環であってもよい。ヘテロアリール置換基の例としては、その限りでないが、ピリジル、ピラジル、ピリミジニル、ピリダジニルなどの6員環置換基、トリアゾリル、イミダゾリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、1,2,3−、1,2,4−、1,2,5−、または1,3,4−オキサジアゾリル、イソチアゾリルなどの5員環置換基、ベンゾチオフラニル、イソベンゾチオフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、プリニル、アントラニリルなどの6/5員縮合環置換基、およびキノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、1,4−ベンゾオキサジニルなどの6/6員縮合環置換基が挙げられる。ヘテロアリール置換基を有する基において、その基に結合しているヘテロアリール置換基の環原子は、その少なくとも1個のヘテロ原子でもよく、または環炭素原子でもよく、環炭素原子は、少なくとも1個のヘテロ原子と同じ環にあるものでもよく、または環炭素原子は、少なくとも1個のヘテロ原子と異なる環にあるものでもよい。同様に、ヘテロアリール置換基の方が基または置換基で置換されている場合、基または置換基は、少なくとも1個のヘテロ原子に結合していてもよく、または環炭素原子に結合していてもよく、環炭素原子は、少なくとも1個のヘテロ原子と同じ環にあるものでもよく、または環炭素原子は、少なくとも1個のヘテロ原子と異なる環にあるものでもよい。用語「ヘテロアリール」は、ピリジルN−オキシド、およびピリジンN−オキシド環を含んでいる基も包含する。
【0055】
単環ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルの例としては、その限りでないが、フラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、チオフェニル(「チオフラニル」としても知られる)、ジヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリル、イソピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イソイミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ジチオリル、オキサチオリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリル、オキサチアゾリル、オキサジアゾリル(オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル(「アゾキシミル」としても知られる)、1,2,5−オキサジアゾリル(「フラザニル」としても知られる)、または1,3,4−オキサジアゾリルを含める)、ピラニル(1,2−ピラニルまたは1,4−ピラニルを含める)、ジヒドロピラニル、ピリジニル(「アジニル」としても知られる)、ピペリジニル、ジアジニル(ピリダジニル(「1,2−ジアジニル」としても知られる)、ピリミジニル(「1,3−ジアジニル」または「ピリミジル」としても知られる)、またはピラジニル(「1,4−ジアジニル」としても知られる)を含める)、ピペラジニル、トリアジニル(s−トリアジニル(「1,3,5−トリアジニル」としても知られる)、as−トリアジニル(1,2,4−トリアジニルとしても知られる)、およびv−トリアジニル(「1,2,3−トリアジニル」としても知られる)を含める)、モルホリニル、アゼピニル、オキセピニル、チエピニル、およびジアゼピニルが挙げられる。
【0056】
縮合二環ヘテロアリールの例としては、その限りでないが、インドリジニル、ピラノピロリル、4H−キノリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ピリドピリジニル(ピリド[3,4−b]−ピリジニル、ピリド[3,2−b]−ピリジニル、またはピリド[4,3−b]−ピリジニルを含める)、プテリジニル、インドリル、イソインドリル、イソインダゾリル、ベンゾアジニル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾジアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサゾリル、インドキサジニル、アントラニリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾイソキサジニル、およびテトラヒドロイソキノリニルが挙げられる。
【0057】
縮合三環ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルの例としては、その限りでないが、5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン、4,5−ジヒドロイミダゾ[4,5,1−hi]インドール、4,5,6,7−テトラヒドロイミダゾ[4,5,1−jk][1]ベンゾアゼピン、およびジベンゾフラニルが挙げられる。
【0058】
縮合環ヘテロアリールの他の例としては、その限りでないが、ベンゾ縮合ヘテロアリール、たとえば、インドリル、イソインドリル(「イソベンゾアゾリル」または「プソイドイソインドリル」としても知られる)、インドレニニル(「プソイドインドリル」としても知られる)、イソインダゾリル(「ベンズピラゾリル」としても知られる)、ベンゾアジニル(キノリニル(「1−ベンゾアジニル」としても知られる)またはイソキノリニル(「2−ベンゾアジニル」としても知られる)を含める)、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾジアジニル(シンノリニル(「1,2−ベンゾジアジニル」としても知られる)またはキナゾリニル(「1,3−ベンゾジアジニル」としても知られる)を含める)、ベンゾピラニル(「クロマニル」または「イソクロマニル」を含める)、ベンゾチオピラニル(「チオクロマニル」としても知られる)、ベンゾオキサゾリル、インドキサジニル(「ベンゾイソオキサゾリル」としても知られる)、アントラニリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾフラニル(「クマロニル」としても知られる)、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル(「ベンゾチオフェニル」、「チオナフテニル」、または「ベンゾチオフラニル」としても知られる)、イソベンゾチエニル(「イソベンゾチオフェニル」、「イソチオナフテニル」、または「イソベンゾチオフラニル」としても知られる)、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサジニル(1,3,2−ベンゾオキサジニル、1,4,2−ベンゾオキサジニル、2,3,1−ベンゾオキサジニル、または3,1,4−ベンゾオキサジニルを含める)、ベンゾイソキサジニル(1,2−ベンゾイソキサジニルまたは1,4−ベンゾイソキサジニルを含める)、テトラヒドロイソキノリニル、カルバゾリル、キサンテニル、およびアクリジニルが挙げられる。
【0059】
用語「ヘテロアリール」は、CもしくはC炭素環などのC4〜10炭素環または4〜10員ヘテロ環に縮合した、ピリジルやキノリニルなどの置換基も包含し、このような縮合ヘテロアリール基を置換基として有する基は、ヘテロアリール基の芳香族炭素またはヘテロアリール基のヘテロ原子に結合している。このような縮合ヘテロアリール基が1個または複数の置換基で置換されているとき、その1個または複数の置換基は、別段指定しない限り、ヘテロアリール基の芳香族炭素またはヘテロアリール基のヘテロ原子にそれぞれ結合している。縮合C4〜10炭素環または4〜10員ヘテロ環は、ハロゲン、C1〜6アルキル、C3〜10シクロアルキル、または=Oで置換されていてもよい。
【0060】
ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルの追加の例として、その限りでないが、3−1H−ベンゾイミダゾール−2−オン、(1−置換)−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−3−イル、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル、[1,3]−ジオキサラニル、[1,3]−ジチオラニル、[1,3]−ジオキサニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、2−チオモルホリニル、3−チオモルホリニル、4−チオモルホリニル、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、4−チアゾリジニル、ジアゾロニル、N−置換ジアゾロニル、1−フタルイミジニル、ベンゾオキサニル、ベンゾ[1,3]ジオキシン、ベンゾ[1,4]ジオキシン、ベンゾピロリジニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾオキソラニル、ベンゾチオラニル、4,5,6,7−テトラヒドロピラゾール[1,5−a]ピリジン、ベンゾチアニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H−インドリル、キノリジニル、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニルが挙げられる。前述の基は、上で列挙した基から導かれるとき、それが可能である場合、C結合型でもN結合型でもよい。たとえば、ピロールから導かれる基は、ピロール−1−イル(N結合型)でもピロール−3−イル(C結合型)でもよい。さらに、イミダゾールから導かれる基は、イミダゾール−1−イル(N結合型)またはイミダゾール−2−イル(C結合型)でもよい。
【0061】
置換基は、1個または複数の水素原子に結合している少なくとも1個の炭素原子または窒素原子を含む場合、「置換可能」である。したがって、たとえば、水素、ハロゲン、およびシアノは、この定義の範囲内にない。
【0062】
置換基について、「置換されている」と記載する場合、置換基の炭素または窒素上にある水素置換基の場所に、非水素置換基が存在する。したがって、たとえば、置換アルキル置換基は、アルキル置換基上の水素置換基の場所に、少なくとも1個の非水素置換基が存在するアルキル置換基である。例示すると、モノフルオロアルキルは、1個のフルオロ置換基で置換されているアルキルであり、ジフルオロアルキルは、2個のフルオロ置換基で置換されているアルキルである。置換基上に2箇所以上の置換が存在する場合、各非水素置換基は、(別段記載しない限り)同一でも異なってもよいと理解すべきである。
【0063】
置換基について、「置換されていてもよい」と記載する場合、置換基は、(1)置換されていなくても、または(2)置換されていてもよい。置換基の炭素について、置換基のリストの1つまたは複数で置換されていてもよいと記載する場合、炭素上の水素の1個または複数(存在する限り)が、独立に選択される取捨選択可能な置換基で、個別にかつ/または一緒に置き換えられていてもよい。置換基の窒素について、置換基のリストの1つまたは複数で置換されていてもよいと記載する場合、窒素上の水素の1個または複数(存在する限り)が、独立に選択される取捨選択可能な置換基でそれぞれ置き換えられていてもよい。例となる一置換基は、−NR’R”と表記することができ、R’およびR”は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、窒素、または硫黄から独立に選択される1または2個のヘテロ原子を含むヘテロ環を形成していてもよく、前記ヘテロシクロアルキル部分は、置換されていてもよい。R’およびR”ならびにこれらが結合している窒素原子から形成されるヘテロ環は、部分的もしくは完全に飽和したものまたは芳香族であってよい。一実施形態では、ヘテロ環は、4〜10個の原子からなる。別の実施形態では、ヘテロ環は、ピペリジニル、モルホリニル、アゼチジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルからなる群から選択される。
【0064】
本明細書では、用語「置換基」、「ラジカル」、および「基」を区別なく使用する。
【0065】
置換基の群について、置換基のリストの1つまたは複数で置換されていてもよいと、一まとめにして記載する場合、その群は、(1)置換可能でない置換基、(2)取捨選択可能な置換基によって置換されていない置換可能な置換基、および/または(3)取捨選択可能な置換基の1つまたは複数によって置換されている置換可能な置換基を包含し得る。
【0066】
置換基について、特定の数までの非水素置換基で置換されていてもよいと記載する場合、その置換基は、(1)置換されていなくてもよく、または(2)その特定の数までの非水素置換基によって、もしくは置換基上の最大数までの置換可能な位置において、どちらか少ない方で置換されていてもよい。したがって、たとえば、置換基について、3個までの非水素置換基で置換されていてもよいヘテロアリールと記載する場合、3箇所未満の置換可能な位置を有するヘテロアリールであれば、ヘテロアリールが置換可能な位置を有するのと同じ数までに限り、非水素置換基で置換されていてもよいことになる。例示すると、(置換可能な位置を1箇所だけ有する)テトラゾリルであれば、1個までの非水素置換基で置換されていてもよいことになる。さらに例示すると、アミノ窒素について、2個までの非水素置換基で置換されていてもよいと記載する場合、アミノ窒素が第一級窒素なら、窒素は2個までの非水素置換基で置換されていてもよく、一方アミノ窒素が第二級窒素なら、アミノ窒素は1個までの非水素置換基だけで置換されていてもよい。
【0067】
多部分置換基に付いた接頭辞は、最初の部分だけに適用される。例示すると、用語「アルキルシクロアルキル」は、アルキルとシクロアルキルという2つの部分を含有する。したがって、C1〜6アルキルシクロアルキルのC1〜6接頭辞は、アルキルシクロアルキルのアルキル部分が1〜6個の炭素原子を含有することを意味し、C1〜6接頭辞は、シクロアルキル部分について述べていない。さらに例示すると、ハロアルコキシアルキルの接頭辞「ハロ」は、アルコキシアルキル置換基のアルコキシ部分だけが1個または複数のハロゲン置換基で置換されていることを示す。ハロゲン置換がアルキル部分上にだけに存在するなら、置換基は、「アルコキシハロアルキル」と記載されることになる。ハロゲン置換がアルキル部分とアルコキシ部分の両方に存在するなら、置換基は、「ハロアルコキシハロアルキル」と記載されることになる。
【0068】
置換基について、群から「独立に選択される」と記載する場合、各置換基は、他の(1つまたは複数の)置換基と無関係に選択される。したがって、各置換基は、他の(1つまたは複数の)置換基と同一でも、異なってもよい。
【0069】
本明細書では、用語「式I」を、以下では「本発明の(1つまたは複数の)化合物」と呼ぶ場合もある。このような用語は、その水和物、溶媒和物、異性体、結晶および非結晶形態、同形体、多形体、および代謝産物を含めて、式Iの化合物のすべての形態を包含するように定義される。たとえば、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩は、溶媒和していない形態および溶媒和した形態で存在する場合がある。溶媒または水が固く結合しているとき、その錯体は、湿度に関係なく明確な化学量論性を有する。しかし、チャネル溶媒和物や吸湿性化合物のように、溶媒または水の結合が弱いと、水/溶媒含有量は、湿度および乾燥条件次第となる。そのような場合では、非化学量論性が標準となる。
【0070】
式Iの化合物は、クラスレートまたは他の錯体として存在してもよい。本発明の範囲には、クラスレート、すなわち、前述の溶媒和物とは対照的に、薬物およびホストが化学量論量または非化学量論量で存在する薬物−ホスト包接錯体などの錯体も含める。化学量論量でも非化学量論量でもよい2種以上の有機および/または無機成分を含有する式Iの錯体も含める。得られる錯体は、イオン化したものでも、部分的にイオン化したものでも、またはイオン化していないものでもよい。このような錯体の総説については、HaleblianによるJ.Pharm.Sci.、64(8)、1269〜1288(1975年8月)を参照されたい。
【0071】
式Iの化合物は、不斉炭素原子を有する場合もある。式Iの化合物の炭素間結合は、本明細書では、実線(
【0072】
【化5】

)、くさび形実線(
【0073】
【化6】

)、またはくさび形破線(
【0074】
【化7】

)を使用して表記することがある。不斉炭素原子への結合の表記に実線が使用されていれば、その炭素原子における考えられるすべての立体異性体(たとえば、特定の鏡像異性体、ラセミ混合物など)が含まれることを示すものとする。不斉炭素原子への結合の表記にくさび形実線または破線が使用されていれば、示した立体異性体だけが含まれることを示すものとする。式Iの化合物が2個以上の不斉炭素原子を含んでいる場合があることも考えられる。こうした化合物において、不斉炭素原子への結合の表記に実線が使用されていれば、考えられるすべての立体異性体が含まれるものであることを示すものとする。たとえば、別段記述しない限り、式Iの化合物は、鏡像異性体およびジアステレオ異性体として、またはそのラセミ体および混合物として存在し得るものとされる。式Iの化合物中の1個または複数の不斉炭素原子への結合の表記に実線が使用され、同じ化合物中の他の不斉炭素原子への結合の表記にくさび形実線または破線が使用されていれば、ジアステレオ異性体の混合物が存在することを示すものとする。
【0075】
式Iの立体異性体には、2種以上の異性を示す化合物を含めて、式Iの化合物のシスおよびトランス異性体、RおよびS鏡像異性体などの光学異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体、回転異性体、配座異性体、および互変異性体、ならびにその混合物(ラセミ体やジアステレオ異性体のペアなど)が含まれる。対イオンが光学活性を有する、たとえばD−乳酸もしくはL−リシンである、またはラセミ体である、たとえばDL−酒石酸もしくはDL−アルギニンである、酸付加塩または塩基付加塩も含まれる。第三級アミンのプロトン付加による塩形成後にジアステレオ異性体混合物が生成する場合もあることは理解される。
【0076】
ラセミ体が結晶するとき、2種の異なるタイプの結晶が考えられる。第1のタイプは、両方の鏡像異性体を等モル量で含有する均質な一形態の結晶が生成する、上で言及したラセミ化合物(真のラセミ体)である。第2のタイプは、2形態の結晶が等モル量で生成し、それぞれが単一の鏡像異性体を含む、ラセミ混合物または集成体である。
【0077】
式Iの化合物は、互変異性および構造異性の現象を示す場合もある。たとえば、式Iの化合物は、エノールおよびイミン型、およびケトおよびエナミン型を含めたいくつかの互変異性体形態、幾何異性体、ならびにその混合物で存在することがある。そうした互変異性体形態はすべて、式Iの化合物の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中では互変異性体の組の混合物として存在する。固体形態では、通常は一方の互変異性体が優勢である。1つの互変異性体について記載する場合があるとしても、本発明は、式Iの化合物のすべての互変異性体を包含する。
【0078】
本発明は、1個または複数の原子が、原子番号は同じであるが、原子質量または質量数が自然界で通常見られる主要な原子質量または質量数と異なっている原子で置き換えられていることを除き、上記式Iとして列挙した化合物と同一である、同位体標識された化合物も包含する。式Iの化合物に組み込むことのできる同位体の例として、その限りでないがH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、36Clなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体が挙げられる。特定の同位体標識された式Iの化合物、たとえば、Hや14Cなどの放射性同位体が組み込まれている式Iの化合物は、薬物および/または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわちH、およびカーボン14、すなわち14C同位体は、その調製しやすさと検出性を考えると特に好ましい。さらに、ジュウテリウム、すなわちHなどのより重い同位体で置換すると、代謝安定性がより高いために生じる特定の治療上の有利点、たとえば、in vivo半減期の延長または投与必要量の縮小がもたらされる場合があり、したがって状況によっては好ましいこともある。同位体標識された式Iの化合物は、一般に、以下でスキームならびに/または実施例および調製例に記載する手順を、同位体標識されていない試薬の代わりに同位体標識された試薬を用いて実施することにより調製できる。
【0079】
本発明の化合物は、無機酸または有機酸から導かれる塩の形で使用してもよい。特定の化合物に応じて、化合物の塩は、異なる温度および湿度の中での薬学的安定性の向上や、水または油への望ましい溶解性などの、塩の物理的性質の1つまたは複数のために、有利になる場合がある。一部の例では、化合物の塩を、化合物の単離、精製、および/または分割を助けるものとして使用する場合もある。
【0080】
(たとえば、in vitroの状況で使用するのとは対照的に、)塩を患者に投与しようとする場合、塩は、薬学的に許容できることが好ましい。用語「薬学的に許容できる塩」とは、式Iの化合物を、そのアニオンまたはカチオンがヒトによる消費に適切であると一般にみなされる酸または塩基と化合させることにより調製された塩を指す。薬学的に許容できる塩は、親化合物より水への溶解性が高いため、本発明の方法の生成物として特に有用である。医学における使用では、本発明の化合物の塩は、非毒性の「薬学的に許容できる塩」である。用語「薬学的に許容できる塩」の範囲に含まれる塩は、遊離塩基を適切な有機酸または無機酸と反応させることにより一般に調製される、本発明の化合物の非毒性の塩を指す。
【0081】
本発明の化合物の薬学的に許容できる適切な酸付加塩としては、可能であるとき、塩化水素酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ホウ酸、フルオロホウ酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、炭酸、スルホン酸、硫酸などの無機酸、および酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸,エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イソチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コハク酸、トルエンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸から導かれる塩が挙げられる。適切な有機酸として、一般に、その限りでないが、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族(araliphatic)、ヘテロ環式、炭素環式、およびスルホン酸の部類の有機酸が挙げられる。
【0082】
適切な有機酸の具体例としては、その限りでないが、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、ジグルコン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、グルクロン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ピルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、アントラニル酸、ステアリン酸塩、サリチル酸塩、p−ヒドロキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、エンボン酸塩(パモ酸塩)、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パントテン酸塩、トルエンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、スルファニル酸塩、シクロヘキシルアミノスルホン酸塩、アルゲン酸(algenic acid)、β−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸塩、ガラクツロン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、グリコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレスルホン酸塩(2−naphthalesulfonate)、シュウ酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、チオシアン酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられる。
【0083】
さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合、薬学的に許容できる適切なその塩として、アルカリ金属塩、すなわちナトリウム塩またはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、たとえばカルシウム塩またはマグネシウム塩、および適切な有機配位子を相手に形成された塩、たとえば第四級アンモニウム塩を挙げることができる。別の実施形態では、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、メグルミン、オールアミン、トロメタミン、および亜鉛の塩を始めとする、非毒性の塩を形成する塩基から、塩基塩が生成される。
【0084】
有機塩は、第二級、第三級、または第四級アミン塩、たとえば、トロメタミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、プロカインから生成することができる。塩基性窒素を含有する基は、低級アルキル(C〜C)ハロゲン化物(たとえば、メチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、ジアルキル硫酸塩(すなわち、ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミルの硫酸塩)、長鎖ハロゲン化物(すなわち、デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、アリールアルキルハロゲン化物(すなわち、ベンジルおよびフェネチルの臭化物)他などの作用剤で四級化することができる。
【0085】
一実施形態では、酸および塩基の半塩、たとえば、半硫酸塩および半カルシウム塩を生成することもできる。
【0086】
通常、本発明の化合物は、本明細書に記載の状態の治療に有効な量で投与する。本発明の化合物は、任意の適切な経路によって、そのような経路に適合させた医薬組成物の形で、目的の治療に有効な用量で投与する。医学的状態の進行の治療に必要となる、化合物の治療上有効な用量は、医学分野でよく知られている前臨床および臨床の手法を使用して、当業者により容易に突きとめられる。用語「治療有効量」とは、本明細書では、治療対象の障害の症状の1つまたは複数をある程度軽減する、化合物投与量を指す。
【0087】
用語「治療する」とは、本明細書では、別段指摘しない限り、そうした用語が適用される障害もしくは状態、またはその障害もしくは状態の1つまたは複数の症状を後退させ、緩和し、その進行を阻止し、または予防することを意味する。用語「治療」とは、本明細書では、別段指摘しない限り、治療する行為を指し、「治療する」は、直前で定義したものである。用語「治療する」は、対象の補助治療およびネオアジュバント治療も包含する。
【0088】
本発明の化合物は、経口投与することができる。経口投与は、化合物が消化管に入るように飲み込むものでもよく、または化合物が口から直接血流に入る頬側もしくは舌下投与を用いてもよい。
【0089】
別の実施形態では、本発明の化合物は、血流中、筋肉中、または内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適する手段としては、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、および皮下が挙げられる。非経口投与に適する装置としては、(微細針を含めた)針注射器、無針注射器、および注入技術が挙げられる。
【0090】
別の実施形態では、本発明の化合物は、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち、皮膚上にまたは経皮的に投与することもできる。別の実施形態では、本発明の化合物は、鼻腔内投与または吸入投与することもできる。別の実施形態では、本発明の化合物は、直腸または膣内に投与することができる。別の実施形態では、本発明の化合物は、眼または耳に直接投与することもできる。
【0091】
化合物および/または化合物を含有する組成物の投与計画は、患者のタイプ、年齢、体重、性別、および医学的状態、状態の重症度、投与経路、ならびに用いる特定の化合物の活性を含めた様々な要素に基づく。したがって、投与計画は、広い範囲で様々となり得る。体重1キログラムあたり1日約0.01mg〜約100mg程度の投与量レベルが、上で指摘した状態の治療において有用である。一実施形態では、(1回分として、または数回分に分けて投与される)本発明の化合物の合計日用量は通常、約0.01〜約100mg/kgである。別の実施形態では、本発明の化合物の合計日用量は、約0.1〜約50mg/kgであり、別の実施形態では、約0.5〜約30mg/kg(すなわち、体重1kgあたりの本発明の化合物mg)である。一実施形態では、投薬は、0.01〜10mg/kg/日である。別の実施形態では、投薬は、0.1〜1.0mg/kg/日である。投与単位組成物は、このような量またはその約数を含有して日用量を構成するものであってよい。多くの例で、化合物の投与は、1日に複数回(通常は4回以下)繰り返される。1日あたりの複数回用量は通常、所望であれば、合計日用量を増やすのに使用することができる。
【0092】
経口投与では、組成物は、患者への投与量の症状による調整を考えて、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、75.0、100、125、150、175、200、250、および500ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形で提供することができる。医薬は通常、約0.01mg〜約500mgの活性成分、または別の実施形態では約1mg〜約100mgの活性成分を含有する。静脈内では、用量は、定速注入の際、約0.1〜約10mg/kg/分の範囲であってよい。
【0093】
本発明による適切な対象には、哺乳動物対象が含まれる。本発明による哺乳動物としては、その限りでないが、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタ、げっ歯動物、ウサギ目、霊長類などが挙げられ、子宮内の哺乳動物も含まれる。一実施形態では、ヒトが適切な対象である。ヒト対象は、どちらの性でもよく、いずれの発育段階でもよい。
【0094】
別の実施形態では、本発明は、本明細書で列挙した状態を治療する医薬を調製するための、1種または複数の本発明の化合物の使用を含む。
【0095】
上で言及した状態を治療するために、本発明の化合物は、化合物それ自体として投与することができる。代替として、薬学的に許容できる塩は、親化合物より水への溶解性が高いため、医学的適用に適する。
【0096】
別の実施形態では、本発明は、医薬組成物を含む。そのような医薬組成物は、薬学的に許容できる担体が加えられた本発明の化合物を含む。担体は、固体、液体、または両方でよく、0.05重量%〜95重量%の活性化合物を含有してよい単位用量組成物、たとえば錠剤としての化合物に配合することができる。本発明の化合物を、標的設定可能な薬物担体としての適切なポリマーに連結することもできる。薬理活性のある他の物質が存在してもよい。
【0097】
本発明の化合物は、適切な任意の経路で、好ましくはそのような経路に適合させた医薬組成物の形で、また目的の治療に有効な用量で投与することができる。活性化合物および組成物は、たとえば、経口、直腸、非経口、または局所投与することができる。
【0098】
固体服用形態の経口投与は、たとえば、それぞれが所定の量の少なくとも1種の本発明の化合物を含有する、硬または軟カプセル剤、丸剤、カシェ剤、ロゼンジ、錠剤などの別個の単位にして行うことができる。別の実施形態では、経口投与は、粉末または顆粒の形にすることができる。別の実施形態では、経口服用形態は、たとえばロゼンジなどの舌下である。このような固体剤形では、式Iの化合物を1種または複数の佐剤と組み合わせるのが普通である。こうしたカプセル剤または錠剤は、徐放製剤を含有するものでもよい。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合では、剤形は、緩衝剤を含んでもよく、または腸溶コーティングを施して調製してもよい。
【0099】
別の実施形態では、経口投与は、液体服用形態にすることができる。経口投与用の液体剤形としては、たとえば、当分野で一般に使用される不活性希釈剤(すなわち、水)を含有する薬学的に許容できる乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。このような組成物は、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、香味剤(たとえば、甘味剤)、および/または着香剤などの佐剤も含んでよい。
【0100】
別の実施形態では、本発明は、非経口投与形態を含む。「非経口投与」は、たとえば、皮下注射、静脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、および注入を包含する。注射製剤(すなわち、注射可能な水性または油性滅菌懸濁液)は、適切な分散剤、湿潤剤、および/または懸濁化剤を使用し、既知の技術に従って製剤することができる。
【0101】
別の実施形態では、本発明は、局所投与形態を含む。「局所投与」は、たとえば、経皮パッチやイオン導入デバイスによるものなどの経皮投与、眼内投与、または鼻腔内もしくは吸入投与を包含する。局所投与用の組成物として、たとえば、局所用のゲル、スプレー、軟膏、およびクリームも挙げられる。局所用製剤は、皮膚または他の患部を介した活性成分の吸収または浸透を高める化合物を含んでもよい。本発明の化合物を経皮的デバイスによって投与するとき、投与は、レザバーと多孔質膜のタイプまたは各種固体マトリックスのいずれかのパッチを使用して実現される。この目的のための典型的な製剤として、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散粉剤、包帯剤、フォーム、フィルム、皮膚パッチ、ウェーハ、植込錠、スポンジ、繊維、絆創膏、およびマイクロエマルジョンが挙げられる。リポソームを使用してもよい。典型的な担体として、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが挙げられる。浸透性改善剤を混ぜてもよい。たとえば、FinninおよびMorgan、J.Pharm.Sci.、88(10)、955〜958(1999)を参照されたい。
【0102】
眼への局所投与用の製剤としては、たとえば、本発明の化合物を適切な担体に溶解または懸濁させてある点眼剤が挙げられる。眼または耳への投与に適する典型的な製剤は、pH調整された等張性滅菌食塩水中の微粒子化懸濁液または溶液からなる液滴の形にすることができる。眼または耳への投与に適する他の製剤としては、軟膏、生分解性(すなわち、被吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(すなわち、シリコーン)の植込錠、ウェーハ、レンズ、ならびにニオソームやリポソームなどの微粒子系または小胞系が挙げられる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー、たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、たとえばゲランガムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と共に混ぜることもできる。このような製剤は、イオン導入法によって送達することもできる。
【0103】
鼻腔内投与または吸入による投与では、本発明の活性化合物は、患者によって圧迫もしくはポンピングされるポンプスプレー容器から溶液もしくは懸濁液の形で、または適切な噴射剤を使用して加圧容器もしくはネブライザーからエアロゾルスプレー体裁として、好都合に送達される。鼻腔内投与に適する製剤は通常、(単独、たとえばラクトースとの乾燥ブレンドにした混合物として、またはたとえばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合した混合型成分粒子としての)乾燥粉末の形で乾燥粉末吸入器から、または加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザー)、もしくはネブライザーからエアロゾルスプレーとして、1,1,1,2−テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用しもしくは使用せずに投与される。鼻腔内の使用では、粉末は、生体接着剤、たとえばキトサンまたはシクロデキストリンを含んでよい。
【0104】
別の実施形態では、本発明は、直腸投与形態を含む。そうした直腸投与形態は、たとえば、坐剤の形にすることができる。カカオ脂が伝統的な坐剤基剤であるが、種々の代替品を適宜使用してもよい。
【0105】
医薬分野で知られている他の担体材料および投与方式も使用してよい。本発明の医薬組成物は、有効な製剤および投与手順などの薬学のよく知られている技術のいずれによって調製してもよい。有効な製剤および投与手順に関しての上記の考慮事項は、当業界でよく知られており、標準的な教本に記載されている。薬物の製剤については、たとえば、Hoover,John E.、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、ペンシルヴェニア州イーストン、1975;Libermanら編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、ニューヨーク州ニューヨーク、1980;およびKibbeら編、Handbook of Pharmaceutical Excipients(第3版)、American Pharmaceutical Association、ワシントン、1999で論述されている。
【0106】
本発明の化合物は、種々の状態または病態の治療において、単独で、または他の治療薬と組み合わせて使用することができる。本発明の(1つまたは複数の)化合物および他の(1つまたは複数の)治療薬は、(同じ剤形または別々の剤形で)同時に、または逐次投与することができる。例となる治療薬は、たとえば、代謝型グルタミン酸受容体作動薬であってよい。
【0107】
2種以上の化合物の「組み合わせた」投与とは、一方の存在が他方の生物学的効果を変更するのに十分なだけ時間を接近させて、2種の化合物を投与することを意味する。2種以上の化合物は、同時に、並行して、または逐次投与することができる。加えて、同時投与は、投与前に化合物を混合する、または同じ時点であるが、異なる解剖学的部位で、もしくは異なる投与経路を使用して化合物を投与することにより、実施することもできる。
【0108】
語句「並行投与」、「共投与」、「同時投与」、および「同時に投与する」とは、化合物を組み合わせて投与することを意味する。
【0109】
本発明は、上述の治療方法を実施する際の使用に適するキットをさらに含む。一実施形態では、キットは、本発明の化合物の1種または複数を含む第1の剤形と、剤形の容器とを、本発明の方法を実施するのに十分な量で収容する。
【0110】
別の実施形態では、本発明のキットは、1種または複数の本発明の化合物を含む。
【0111】
別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物を調製するのに有用な新規な中間体に関する。
【0112】
一般合成スキーム
式Iの化合物は、以下で述べる方法、ならびに有機化学の分野で知られている合成方法または当業者によく知られている修飾および誘導体化によって調製することができる。本明細書で使用する出発材料は、市販されており、または当分野で知られている型どおりの方法(COMPENDIUM OF ORGANIC SYNTHETIC METHODS、第I〜XII巻(Wiley−Interscience刊)などの標準の参考書籍に記載されている方法など)によって調製することができる。好ましい方法として、その限りでないが、以下に記載の方法が挙げられる。
【0113】
以下の合成シーケンスのいずれの際も、問題の分子のいずれかにある感受性基または反応性基を保護することが必要かつ/または望ましいといえる。これは、参照により本明細書に援用される、T.W.Greene、Protective Groups in Organic Chemistry、John Wiley&Sons、1981;T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Chemistry、John Wiley&Sons、1991;ならびにT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Chemistry、John Wiley&Sons、1999に記載の保護基などの、従来の保護基によって実現することができる。
【0114】
式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、以下で論述する反応スキームに従って調製することができる。別段指摘しない限り、スキームにおける置換基は、上記のように規定される。生成物の単離および精製は、当業の化学者に知られている標準の手順によって実現される。
【0115】
スキーム、方法、および実施例で使用する種々の記号、上付き文字、および下付き文字は、表示の都合のため、かつ/またはそれらがスキームに導入される順番を反映させるために使用し、添付の特許請求の範囲にある記号、上付き文字、または下付き文字に必ずしも対応するものでないことは、当業者に理解されよう。スキームは、本発明の化合物の合成において有用な方法の典型である。それらスキームは、本発明の範囲に何ら制約を課さない。
【0116】
一般スキーム
【0117】
【化8】

【0118】
スキーム1は、式Iによって表記される化合物の調製方法を図示するものである。この方法は、当業者に知られているいくつかの方法の1つを使用し、式1.1の第一級アミンの還元的アミノ化から開始して、第三級アミン1.2を得る。たとえば、式1.1の化合物を、過剰のアルデヒド1またはケトン1、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの適切な還元剤で処理して、R=Rである1.2を得ることができる。別法として、最初にアルデヒド1またはケトン1を用いて式1.3の化合物を得た後、アルデヒド2またはケトン2を用いて式1.2の化合物を得る2回の連続した還元的アミノ化によって、式1.2の化合物(R≠Rである)を調製することもできる。Buchwald−Hartwig条件などの当業者に知られている方法を使用し、適切なハロゲン化アリールまたはヘテロアリールとの式1.3のアミンの、遷移金属を触媒とするクロスカップリングによって、Rがアリールまたはヘテロアリールである式1.2の化合物を調製することもできる。別法として、式1.3のアミンと適切なハロゲン化ヘテロアリールの求核芳香族置換反応を用いて、式1.2の化合物を得ることもできる。次いで、得られる式1.2のエステルを、MeOHもしくはTHFまたはこれらの混合物などの溶媒中にて、KOH、LiOH、NaOHなどの塩基水溶液で処理することにより加水分解して、式Iの化合物を得る。
【0119】
【化9】

【0120】
スキーム2は、式2.6の中間体の調製方法を図示するものである。式2.1のエノンに、THFなどの溶媒中で、グリニャール試薬などの適切な有機金属種とCuBr−DMSなどの銅(I)供給源から導かれるクプラートを1,4−付加させる。得られる式2.2のケトンを、L−Selectrideなどの還元剤で処理して、式2.3のアルコールを得る。トリエチルアミンなどのアミン塩基の存在下、式2.3の化合物を塩化メシルに曝すと、式2.4のメシレートが得られ、これを、トルエンや1,2−ジメトキシエタンなどの適切な溶媒中にてマロン酸ジエチルおよび水素化ナトリウムの存在下で加熱することにより、式2.5の中間体に変換することができる。次いで、式2.5のジエステルを、6N HClなどの酸水溶液の存在下で加熱した後、メタノールを加えることにより、加水分解、脱炭酸、およびFischerのエステル化にかけて、式2.6の目標中間体を得る。
【0121】
【化10】

【0122】
スキーム3は、式3.5および3.6によって表記される化合物の調製方法を図示するものである。この方法は、式3.1のβ−ニトロスチレンジエノフィルを式3.2のジエン(すなわち、2−トリメチルシリルオキシ−1,3−ブタジエン)と共に加熱することから開始して、式3.3のニトロシクロヘキサノンを得る(J.Am.Chem.Soc.1953、75、1912)。式3.3のケトンを、メチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテートなどの試薬を用いたウィッティヒオレフィン化により、式3.4の中間体がE異性体とZ異性体の分離可能な混合物として得られる。オレフィンおよびニトロ基を、Pd/Cを触媒として使用する水素化を始めとする種々の条件下で還元すると、式3.5と3.6の化合物のジアステレオ異性体混合物を得ることができる。別法として、酢酸中の亜鉛を始めとする種々の条件下でニトロ基を還元した後、Rhなどの触媒を用いてアルケンを水素化することを含む段階的方法により、式3.5の化合物が主要なジアステレオ異性体として(約3/1)得られる。
【0123】
スキーム3には、式3.5の化合物を調製する追加の2通りの方法についても記載している。亜鉛と酢酸を始めとする種々の条件下で式3.3のニトロ基を還元した後、得られるアミンをBoc保護すると、式3.7の化合物が得られる。この中間体は、スキーム2で2.2の2.6への変換について示したのと同様にして、式3.5の化合物に変換することができる。別法として、Rがメトキシである式3.7の化合物をDBUなどの塩基で処理して、式3.8の化合物を得ることもできる。グリニャール試薬などの適切な有機金属種とCuBr−DMSなどの銅(I)供給源から導かれるクプラートを1,4−共役付加させることにより、様々なR基を式3.8の化合物に導入して、式3.9の化合物を得ることができる。これらは、スキーム2で2.2の2.6への変換について示した方法と同様の方法を使用し、式3.5の化合物に変換することができる。
【0124】
【化11】

【0125】
スキーム4は、式4.11によって表記される化合物の調製方法を図示するものである。この方法は、N−tert−ブトキシカルボニルD−グルタミン酸エステル4.1の酸部分を、ボランまたは適切な他の還元剤で処理することにより還元することを含む。BF−OEtまたはp−トルエンスルホン酸の存在下、式4.2の第一級アルコールを2,2−ジメトキシプロパンと反応させて、式4.3のジメチルオキサゾリジンを得る。LiAlHなどの適切な還元剤を使用し、式4.3のエステル部分を還元して、式4.4の第一級アルコールを得る。式4.4のアルコールを、当業者に知られている種々の条件下で、たとえばSwern酸化によって酸化させると、中間体アルデヒドを得ることができ、これを、エチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテートでの処理などのオレフィン化条件下で、式4.5のα,β−不飽和エステルに変換する。式4.5の化合物を濃HClで処理すると、式4.6のアミノアルコールが得られる。式4.6のアミノアルコールを過剰のアルデヒド1またはケトン1、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの適切な還元剤で処理して、式4.7の置換アミン(R=R)を得ることができる。別法として、式4.6の化合物を、アルデヒド1またはケトン1、およびNa(OAc)BHなどの還元剤に続いて、アルデヒド2またはケトン2、およびNa(OAc)BHなどの還元剤で連続して処理して、式4.7の化合物(R≠R)を得る。ジイソプロピルエチルアミンを塩基として使用するなどの、エピマー化を回避する条件下での式4.7の化合物のSwern酸化により、式4.8のアルデヒドが得られ、これをグリニャール試薬で処理して、式4.9のアルコールを得ることができる(Angew.Chem.、Int.Ed.Engl.1991、30、1531)。別法として、式4.7のアルコールの酸化を、Parikh−Doering条件(J.Am.Chem.Soc.1967、89、5505)などの当業者に知られている他の方法を使用して実現して、式4.8のアルデヒドを得ることもできる。式4.9の化合物を、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、フッ化テトラブチルアンモニウム、または適切な他の塩基での処理によって環化させて、式4.10のテトラヒドロピランを得ることができる。次いで、MeOHもしくはTHFまたはこれらの組合せなどの溶媒中にてKOH、LiOH、NaOHなどの塩基水溶液で処理することにより、式4.10の化合物のエステル官能基を加水分解して、式4.11のカルボン酸を得る。
【0126】
【化12】

【0127】
スキーム5は、式5.5によって表記される化合物の調製方法を図示するものである。式4.6のアミノアルコールをベンズアルデヒドおよびNaBH(OAc)で処理して、式5.1のビスベンジルアミンを得る。ジイソプロピルエチルアミンを塩基として使用するなどの、エピマー化を回避する条件下での式5.1の化合物のSwern酸化により、式5.2のアルデヒドが得られ、これをアリールグリニャール試薬で処理して、式5.3のアルコールを得ることができる(Angew.Chem.、Int.Ed.Engl.1991、30、1531)。ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、フッ化テトラブチルアンモニウム、または適切な他の塩基を用い、式5.3の化合物を環化させると、式5.4のテトラヒドロピランを得ることができる。Pd(OH)または適切な他の触媒の存在下でのギ酸アンモニウムなどの、当業者に知られている方法を使用し、式5.4の化合物を水素化分解すると、式5.5の化合物が得られる。
【0128】
【化13】

【0129】
スキーム6は、式6.3によって表記される化合物の調製方法を図示するものである。グリニャール試薬などの適切な有機金属種とCuBr−DMSなどの銅(I)供給源から導かれるクプラートを1,4−共役付加させることにより、式6.1の化合物に様々なR基を導入して、式6.2の化合物を得ることができる。式6.2の化合物は、スキーム4で4.3の4.11への変換について示した方法と同様の方法を使用し、式6.3の化合物に変換することができる。
【0130】
【化14】

【0131】
スキーム7は、式7.7によって表記される化合物の調製方法を図示するものである。式7.1のα,β−不飽和エステルに、塩化トリメチルシリルなどの添加剤を場合により含んだアリールグリニャール試薬などの適切な有機金属種とCuBr−DMSなどの銅(I)供給源から導かれるクプラートを1,4−共役付加させて、式7.2の化合物を得る。式7.2のエステル化合物をLiAlHなどの適切な還元剤で処理して、式7.3の第一級アルコールを得る。式7.3のアルコールを、Swern酸化を始めとする当業者に知られている種々の条件下で酸化させて、中間体アルデヒドを得、これを、メチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテートでの処理などのオレフィン化条件下で、式7.4のα,β−不飽和エステルに変換する。MeOHなどの溶媒中にてp−トルエンスルホン酸などの酸で処理することにより、式7.4のアセトニド部分を選択的に脱保護し、少ない方のジアステレオ異性体を分離して、式7.5のアミノアルコールを得る。式7.5の化合物を、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、フッ化テトラブチルアンモニウム、または適切な他の塩基で処理することにより環化すると、式7.6のテトラヒドロピランを得ることができる。トリフルオロ酢酸などの当業者に知られている条件を使用し、Boc基を除去すると、式7.7の化合物を得ることができる。
【0132】
実験手順および作業実施例
以下では、本発明の様々な化合物の合成について例示する。これら実施例で例示する方法を、単独で、または当業界で一般に知られている技術と組み合わせて使用し、本発明の範囲内の追加の化合物を調製することもできる。
【0133】
以下で表記する本発明の中間体化合物は、示した特定の鏡像異性体に限定されず、すべての立体異性体およびその混合物も包含することは理解されよう。式Iの化合物は、式Iの化合物の中間体を包含する場合があることも理解されよう。
【0134】
実験手順
実験は通常、特に酸素または水分に敏感な試薬または中間体を用いた場合では、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)中で実施した。市販の溶媒および試薬は、適切な場合では無水溶媒(通常、Aldrich Chemical Company(ウィスコンシン州ミルウォーキー)のSure−Seal(商標)製品)を含めて、通常それ以上精製せずに使用した。質量分析データは、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)または大気圧化学イオン化(APCI)のどちらかにより報告する。核磁気共鳴(NMR)データの化学シフトは、用いた重水素化溶媒の残存ピークを基準とした百万分率(ppm、δ)で表示する。
【0135】
他の実施例、調製例、または方法における手順を参考として挙げる合成では、反応条件(反応の長さおよび温度)は様々でよい。一般に、反応は、薄層クロマトグラフィーまたは質量分析によって追跡し、適切であれば後処理にかけた。精製は、実験によって様々となる場合があり、一般に、溶離液/勾配に使用する溶媒および溶媒比率は、適切なRまたは保持時間が得られるように選択した。
【0136】
調製例
調製例1
メチル{(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート(P1)
【0137】
【化15】

ステップ1.tert−ブチル{(1R,2S)−4−オキソ−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}カルバメートの合成。CuBr−ジメチルスルフィド(12.3g、59.2mmol)をTHF(50mL)に溶かした冷却した(−78℃)懸濁液に、臭化4−(トリフルオロメチル)フェニルマグネシウム(0.7M THF溶液、169mL、118mmol)を30分かけて滴下添加した。得られる混合物を−78℃で1時間撹拌した。次いで、tert−ブチル[(1R)−4−オキソシクロヘキサ−2−エン−1−イル]カルバメート(J.Chem.Soc.、Perkin Trans.1 2000、329〜343)(5.0g、20mmol)のTHF(50mL)溶液を10分かけて滴下添加した。加え終えた後、飽和NHCl水溶液(125mL)で反応を失活させ、室温に温めた。混合物をEtOAcで抽出し、有機層を合わせて飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:5%〜50%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物を白色の固体(6g、70%)として得た。
【0138】
ステップ2.tert−ブチル{(1R,2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}カルバメートの合成。tert−ブチル{(1R,2S)−4−オキソ−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}カルバメート(6.0g、16.8mmol)をTHF(168mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。この溶液に、L−Selectride(1.0M THF溶液、37mL、37mmol)を滴下添加した。次いで混合物を18時間かけてゆっくりと室温に温めた。飽和NHCl水溶液(125mL)で反応を失活させ、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を合わせて飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過した後、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜50%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物(4.5g、75%)を得た。LCMS m/z 304.4 ([M - 2-メチルプロパ-1-エン]+1).
【0139】
ステップ3.(1S,3S,4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシルメタンスルホネートの合成。tert−ブチル{(1R,2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}カルバメート(4.5g、12.5mmol)およびトリエチルアミン(2.27mL、16.3mmol)をCHCl(79mL)中で合わせ、0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(1.20mL、15mmol)を加え、混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで室温に温めた。1時間後、混合物を飽和NaHCO水溶液および水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮して表題化合物を得、これをそれ以上精製せずに使用した(5.48g、定量的)。
【0140】
ステップ4.ジエチル{(1R,3S,4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}マロネートの合成。NaH(544mg、22.7mmol)の1,2−ジメトキシエタン(30mL)懸濁液にマロン酸ジエチル(3.87mL、25.5mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物に、(1S,3S,4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシルメタンスルホネート(3.72g、8.5mmol)の1,2−ジメトキシエタン(10mL)溶液を加えた。得られる溶液を加熱還流した。36時間後、反応液を室温に冷却し、飽和NHCl水溶液(50mL)で失活させた。混合物をEtOAcに溶かし、HOおよび飽和NaCl水溶液で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去した。残渣をCHCl/ヘプタンから沈殿させて、表題化合物を白色の固体(2.95g、69%)として得た。LCMS m/z 446.6 ([M - 2-メチルプロパ-1-エン]+1).
【0141】
ステップ5.メチル{(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート(P1)の合成。ジエチル{(1R,3S,4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}マロネート(2.88g、5.74mmol)を6N HCl水溶液(50mL)で処理し、混合物を72時間加熱還流した。反応液を室温に冷却し、減圧下で溶媒を除去した。残渣をMeOH(50mL)に溶解させ、数滴の濃HSOで処理し、加熱還流した。1時間後、反応液を室温に冷却し、減圧下で溶媒を除去した。残渣をCHClに溶解させ、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、灰色がかった固体を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜20%のMeOH CHCl溶液)によって精製して、表題化合物をオフホワイトの固体(1.8g、99%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.19-1.44 (m, 3H), 1.83-1.93 (m, 2H), 1.94-2.06
(m, 2H), 2.23 (dd, ABXパターンの半分,
J=15.0, 7.2 Hz, 1H), 2.29 (dd, ABXパターンの半分, J=15.1, 6.9 Hz, 1H), 2.39-2.47 (m, 1H), 2.88 (ddd, J=10.5, 10.5,
3.9 Hz, 1H), 3.66 (s, 3H), 7.35 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.58 (d, J=8.2 Hz, 2H).
【0142】
調製例2
エチル(2E,6R)−6−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−7−オキソヘプタ−2−エノエート(P2)
【0143】
【化16】

ステップ1.メチル(4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−ヒドロキシペンタノエートの合成。ボランTHF溶液(1N、370mL、0.370mol)を氷塩浴で−5/−10℃に冷却した。N−tert−ブトキシカルボニル−D−グルタミン酸γ−メチルエステル(44.93g、0.172モル)のTHF(150mL)溶液を1.5時間かけて滴下添加し、その間温度を0℃未満に保った。加え終えた後、反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いでAcOH(10% MeOH溶液、75mL)で慎重に失活させた。過剰のボランが分解し切ったとき、真空中で揮発性物質を除去し、残渣をtert−ブチルメチルエーテルと0.5N HCl水溶液とに分配した。有機相を飽和NaHCO水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させると、表題化合物が油性残渣(25.16g、59%)として得られた。この材料をそれ以上精製せずに次のステップで使用した。
【0144】
ステップ2.tert−ブチル(4R)−4−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレートの合成。メチル(4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−ヒドロキシペンタノエート(25.00g、0.101モル)および2,2−ジメトキシプロパン(105.26g、1.012モル)を、窒素雰囲気中でアセトン(300mL)に溶解させた。BF・EtO(2.11g、0.015モル)を15分かけて滴下添加し、黄色の溶液を室温で3時間撹拌した。トリエチルアミン(25mL、0.180モル)を加え、混合物を真空中で濃縮した。残渣をEtOAc(800mL)と飽和NaHCO水溶液(150mL)とに分配した。有機相を飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾燥させて、表題化合物を油性残渣(30.46g、100%)として得、これをそれ以上精製せずに次のステップで使用した。
【0145】
ステップ3.tert−ブチル(4R)−4−(3−ヒドロキシプロピル)−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレートの合成。三口フラスコにおいて、窒素雰囲気中にてLiAlH(5.77g、0.152モル)を0℃でTHF(250mL)に懸濁させた。この懸濁液に、tert−ブチル(4R)−4−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート(30.46g、0.101モル)のTHF(250mL)溶液を、内部温度を0℃に保ちながら1時間かけて滴下添加した。混合物を1時間室温に温めた。TLCによって、出発材料が完全に変換されたことが示されたとき、混合物を0℃に冷却した。水(6mL)、NaOH水溶液(4N、6mL)、および水(18mL)を連続して加えることにより、反応を失活させた。懸濁液をtert−ブチルメチルエーテル(500mL)で希釈し、室温で1時間撹拌した。Celiteで濾過して塩を除去し、溶液を真空中で濃縮して、表題化合物を油性残渣(25.46g、97%)として得、これをそれ以上精製せずに次のステップで使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.45 (s, 9H), 1.49 - 1.66 (m, 6H), 1.70
(br s, 1H), 1.81 (br s, 1H), 2.07 (br s, 1H), 3.57 - 3.74 (m, 3H), 3.78 (br s,
1H), 3.87 - 3.99 (m, 2H).
【0146】
ステップ4.tert−ブチル(4R)−4−[(3E)−5−エトキシ−5−オキソペンタ−3−エン−1−イル]−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレートの合成。滴下漏斗を備えた三口フラスコにおいて、窒素雰囲気中で、塩化オキサリル(17.09g、0.135モル)をCHCl(225mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。この溶液に、ジメチルスルホキシド(23.21g、0.298モル)のCHCl(115mL)溶液を、内部温度を−70℃未満に維持しながら25分かけて滴下添加した。30分後、tert−ブチル(4R)−4−(3−ヒドロキシプロピル)−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート(25.40g、0.098モル)のCHCl(115mL)溶液を、内部温度を−70℃未満に保ちながら40分かけて加えた。混合物を−78℃で1時間撹拌した後、トリエチルアミン(49.65g、0.492モル)をCHCl(115mL)溶液として25分かけて加えた。20分後のTLCによって、アルコールがアルデヒドに完全に変換されたことが示された。反応混合物に、エチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(51.27g、0.147モル)を−78℃で5分かけて少量ずつ加えた。冷却浴を取り外し、3時間後、橙色の懸濁液を水(400mL)で失活させ、水層をCHCl(300mL)で抽出した。有機層を合わせてクエン酸(10%水溶液、250mL)、水(200mL)、および飽和NaCl水溶液(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。濾過し、溶媒を蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜25%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製すると、表題化合物が粘稠な油状物(9.50g、30%)として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.25 (t, J=7.13 Hz, 3H), 1.45 (br s, 9H),
1.54 (d, J=17.8 Hz, 3H), 1.61 - 1.84 (m, 2H), 1.84 - 2.00 (m, 1H), 2.06 - 2.31
(m, 2H), 3.70 (d, J=7.6 Hz, 1H), 3.78 (br s, 1H), 3.85 - 3.97 (m, 2H), 4.15 (q,
J=7.2 Hz, 2H), 5.82 (dt, J=15.6, 1.5 Hz, 1H), 6.85 - 7.00 (m, 1H).
【0147】
ステップ5.エチル(2E,6R)−6−アミノ−7−ヒドロキシヘプタ−2−エノエートの合成。tert−ブチル(4R)−4−[(3E)−5−エトキシ−5−オキソペンタ−3−エン−1−イル]−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート(16.8g、51.3mmol)をEtOAc(100mL)に溶解させ、濃HCl水溶液(15mL、190mmol)で処理した。混合物を室温で80分間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をヘプタン(5×100mL)と共沸させて、表題化合物を粘稠な油状物(9.6g、定量的)として得た。LCMS m/z 188.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.24 (t, J=7.0 Hz, 3H), 1.82 (br s, 1H),
1.97 (br s, 1H), 2.38 (br s, 2H), 3.46 (br s, 1H), 3.73 (br s, 1H), 3.90 (br s,
1H), 4.13 (q, J=6.4 Hz, 2H), 5.23 (br s, 1H), 5.89 (d, J=15.4 Hz, 1H), 6.89 (m,
1H), 7.97 (br s, 2H).
【0148】
ステップ6.エチル(2E,6R)−6−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−7−ヒドロキシヘプタ−2−エノエートの合成。エチル(2E,6R)−6−アミノ−7−ヒドロキシヘプタ−2−エノエート(9.6g、51mmol)およびシクロペンタンカルバルデヒド(14.1mL、128mmol)をCHCl(500mL)中で合わせ、水浴で冷却した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(35g、160mmol)を5gずつ加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで飽和NaHCO水溶液で失活させた。有機層を分離し、水層をCHClで抽出した。有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:5%〜25%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物を粘稠な油状物(14.7g、82%)として得た。APCI m/z 352.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.03-1.29 (m, 4H), 1.29 (t, J=7.1 Hz, 3H),
1.49-1.65 (m, 8H), 1.67-1.84 (m, 5H), 1.95-2.07 (m, 2H), 2.08-2.22 (m, 2H),
2.26 (dd, J=12.6, 10.1 Hz, 2H), 2.39 (dd, J=12.7, 4.8 Hz, 2H), 2.76-2.84 (m,
1H), 3.25 (t, J=10.4 Hz, 1H), 3.45-3.54 (m, 3H), 4.19 (q, J=7.1 Hz, 2H), 5.84
(dt, J=15.6, 1.5 Hz, 1H), 6.93 (dt, J=15.6, 6.8 Hz, 1H).
【0149】
ステップ7.エチル(2E,6R)−6−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−7−オキソヘプタ−2−エノエート(P2)の合成。塩化オキサリル(9.23mL、106mmol)をCHCl(100mL)に溶かした冷却した−78℃の溶液に、ジメチルスルホキシド(15.2mL、212mmol)のCHCl(50mL)溶液を15分かけて加えた。5分後、エチル(2E,6R)−6−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−7−ヒドロキシヘプタ−2−エノエート(18.6g、52.9mmol)のCHCl(100mL)溶液を1時間かけて滴下添加した。混合物をさらに10分間撹拌し、次いでジイソプロピルエチルアミン(46.1mL、265mmol)のCHCl(100mL)溶液を30分かけて滴下添加した。得られる混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで室温に温めた。反応液を水(150mL)中に注ぎ、CHCl(200mL)で希釈した。有機層を分離し、水および飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過した後、減圧下で溶媒を除去して、表題化合物を粘稠な油状物として得、これを精製または特徴付けをせずに使用した(18.5g、定量的)。反応を繰り返し、サンプルについてNMRデータを取得した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.10-1.23 (m, 4H), 1.30 (t, J=7.1 Hz, 3H),
1.49-1.64 (m, 9H), 1.67-1.78 (m, 4H), 1.80-1.90 (m, 1H), 1.95-2.06 (m, 2H),
2.21-2.38 (m, 2H), 2.44 (d, J=7.6 Hz, 4H), 3.18 (t, J=6.6 Hz, 1H), 4.20 (q,
J=7.1 Hz, 2H), 5.85 (dt, J=15.6, 1.5 Hz, 1H), 6.96 (dt, J=15.5, 6.8 Hz, 1H),
9.76 (s, 1H).
【0150】
調製例3および調製例4
エチル{(2S,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート(P3)およびエチル{(2R,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート(P4)
【0151】
【化17】

ステップ1.エチル(2E,6R,7S)−6−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−7−ヒドロキシ−7−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ヘプタ−2−エノエートの合成。臭化4−(トリフルオロメチル)フェニルマグネシウムをTHFに溶かした冷却した−78℃の溶液(200mL、0.66M、132mmol)に、エチル(2E,6R)−6−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−7−オキソヘプタ−2−エノエート(P2)(18.5g、52mmol)のTHF(125mL)溶液を45分かけて滴下添加した。反応液を−78℃で10分間撹拌し、次いで飽和NHCl水溶液(125mL)で失活させた。混合物を室温に温め、水とtert−ブチルメチルエーテルとに分配した。水層をtert−ブチルメチルエーテルで抽出し、有機層を合わせて1M NaOH水溶液で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜10%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物を粘稠な油状物(20.4g、77%)として得た。APCI m/z 496.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.99 - 1.18 (m, 5H), 1.25 (t, J=7.1 Hz,
3H), 1.40 -1.59 (m, 9H), 1.67 (d, J=17.6 Hz, 3H), 1.86 - 2.04 (m, 2H), 2.04 -
2.22 (m, 2H), 2.30 (dd, J=13.0, 6.6 Hz, 2H), 2.33 - 2.39 (m, 1H), 2.43 (dd,
2H), 2.69 (d, J=5.2 Hz, 1H), 2.83 (dt, J=8.2, 4.3 Hz,1H), 4.14 (q, J=7.1 Hz,
2H), 4.97 (t, J=4.0 Hz, 1H), 5.72 (dt, J=15.7, 1.6 Hz, 1H), 6.88 (dt, J=15.7,
6.7 Hz, 1H), 7.40 (d, J=8.0 Hz, 2H). 7.57 (d, J=8.3 Hz, 2H).
【0152】
ステップ2.エチル{(2S,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート(P3)およびエチル{(2R,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート(P4)の合成。ナトリウムエトキシドのEtOH溶液[ナトリウム金属(1.1g、48mmol)をEtOH(100mL)に慎重に加えることにより作製]に、エチル(2E,6R,7S)−6−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−7−ヒドロキシ−7−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ヘプタ−2−エノエート(20g、40mmol)のEtOH(100mL)溶液を加えた。混合物を1時間加熱還流し、次いで室温に冷却した。濃HSO(3mL、50mmol)を加え、混合物を18時間加熱還流した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で濃縮して、もとの体積のおよそ半分にした。混合物を飽和NaHCO水溶液で中和し、ヘプタンで抽出した。有機層をMgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜5%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、エチル{(2S,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート(P3)を粘稠な油状物(13.26g、66%)として得た。P3の相対立体化学は、NMR調査、詳細には、アリール基近傍のメチンプロトンとエチルアセチル部分近傍のメチン間のNOEシグナル、および第三級アミン近傍のメチンプロトンとアリール基近傍のプロトン間の9.9Hz結合定数(ジアキシアルな関係を示す)の観測結果に基づいて割り当てた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.74 - 0.99 (m, 5H), 1.07 - 1.16 (m, 2H),
1.18 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.22 - 1.58 (m, 10H), 1.61 - 1.75 (m, 3H), 1.85 - 1.94
(m, 1H), 1.95 - 2.02 (m, 1H), 2.05 (dd, J=12.5, 9.4 Hz, 2H), 2.25 (dd, J=12.6,
5.4 Hz, 2H), 2.40 (dd, J=15.3, 6.3 Hz, 1H), 2.56 (dd, J=15.3, 6.6 Hz, 1H), 2.73
(ddd, J=11.7, 10.0, 3.8 Hz, 1H), 3.85 (m, 1H), 4.08 (m, 2H), 4.32 (d, J=9.9 Hz,
1H), 7.44 (d, J=8.2 Hz, 2H), 7.52 (d, J=8.4 Hz, 2H).量がより少ない、異性体のエチル{(2R,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート(P4)も単離した(1.7g、9%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.82-0.91 (m, 2H), 0.94-1.04 (m, 2H),
1.16-1.24 (m, 2H), 1.23 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.33-1.63 (m, 10H), 1.70-1.91 (m,
5H), 1.97-2.07 (m, 1H), 2.12 (dd, J=12.6, 9.5 Hz, 2H), 2.32 (dd, J=12.6, 5.2
Hz, 2H), 2.60 (dd, J=14.3, 6.8 Hz, 1H), 2.81-2.88 (m, 1H), 2.92 (dd, J=14.3,
8.2 Hz, 1H), 4.07-4.20 (m, 2H), 4.44-4.50 (m, 1H), 4.57 (d, J=10.0 Hz, 1H),
7.53 (AB四重線, JAB=8.3
Hz, ΔνAB=23.3 Hz, 4H).
【0153】
調製例5
メチル2−{(2R,4S,5S)−5−アミノ−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート,塩酸塩(P5)
【0154】
【化18】

ステップ1.tert−ブチル(4S)−4−{(1S)−3−メトキシ−3−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレートの合成。ヨウ化銅(16.9g、87.6mmol)をTHF(100mL)に懸濁させ、−78℃に冷却した。この冷懸濁液に、臭化4−(トリフルオロメチル)フェニルマグネシウム(1M THF溶液、175mL、175mmol)を滴下添加した。混合物を0℃に温め、2時間撹拌した。混合物を再び−78℃に冷却し、塩化トリメチルシリル(22.2mL、175mmol)を加えた後、tert−ブチル(4S)−4−[(1E)−3−メトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル]−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート(5.0g、18mmol、Tetrahedron:Asymmetry 2006、3170〜3178を参照されたい)をTHF(50mL)溶液として加えた。反応液を一晩かけてゆっくりと室温に温めた。反応液を9:1の飽和NHCl水溶液:濃NHOH(500mL)中に注ぎ、tert−ブチルメチルエーテルおよびEtOAcで抽出した。有機層を合わせて1M NaOH水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:10%〜30%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物を粘稠な油状物(7.3g、97%)として得た。LCMS m/z 432.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.19 - 1.32 (m, 3H), 1.35 - 1.71 (m, 12H),
2.84 (d, J=7.3 Hz, 2H), 3.54 (s, 3H), 3.58 - 4.03 (m, 4H), 7.28 - 7.41 (m, 2H),
7.54 (dd, J=6.2, 3.1 Hz, 2H).
【0155】
ステップ2.tert−ブチル(4S)−4−{(1S)−3−ヒドロキシ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレートの合成。LiAlH(0.806g、20.2mmol)をTHF(20mL)に懸濁させ、0℃に冷却した。tert−ブチル(4S)−4−{(1S)−3−メトキシ−3−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート(5.8g、13mmol)をTHF(50mL)溶液として滴下添加した。混合物を室温に温め、45分間撹拌した。水(0.9mL)、15%NaOH水溶液(0.9mL)、および水(2.7mL)を連続して加えることにより、反応を失活させた。混合物を30分間撹拌し、次いで濾過した。固体をTHFですすぎ、濾液を合わせて減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:10%〜30%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物を粘稠な油状物(5.4g、定量的)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.14 - 1.69 (m, 15H), 1.98 - 2.14 (m, 2H),
3.24 - 3.53 (m, 3H), 3.53 - 3.64 (m, 1H), 3.71 - 3.84 (m, 1H), 3.88 - 3.98 (m,
1H), 4.03 - 4.15 (m, 1H), 7.30 - 7.42 (m, 2H), 7.45 - 7.63 (m, 2H).
【0156】
ステップ3.tert−ブチル(4S)−4−{(1S,3E)−5−メトキシ−5−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ペンタ−3−エン−1−イル}−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレートの合成。塩化オキサリル(2.64mL、30.2mmol)をCHCl(25mL)に溶かした冷却した−78℃の溶液に、ジメチルスルホキシド(4.34mL、60.5mmol)のCHCl(10mL)溶液を加えた。15分間撹拌した後、tert−ブチル(4S)−4−{(1S)−3−ヒドロキシ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート(5.42g、13.4mmol)のCHCl(25mL)溶液を15分かけて滴下添加した。混合物をさらに15分間撹拌し、次いでトリエチルアミン(10.3mL、73.9mmol)のCHCl(10mL)溶液を滴下添加した。得られる混合物を−78℃で1時間撹拌した。メチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(9.0g、27mmol)を1回で加え、混合物を室温に温めた。室温で3時間撹拌した後、反応液を水(100mL)中に注ぎ、CHClで抽出した。有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:10%〜30%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物を粘稠な油状物(3.4g、55%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.24 (br s, 3H), 1.36 - 1.57 (m, 10H),
1.67 (br s, 1H), 2.59 - 2.82 (m, 2H), 3.50 (dt, J=10.0, 5.1 Hz, 1H), 3.63 (s,
3H), 3.70 - 3.82 (m, 1H), 3.86 (dd, J=9.7, 1.6 Hz, 1H), 3.92 - 4.02 (m, 1H),
4.07 - 4.16 (m, 1H), 5.78 (d, J=15.1 Hz, 1H), 6.73 (dt, J=15.5, 7.1 Hz, 1H),
7.25 - 7.41 (m, 2H), 7.44 - 7.58 (m, 2H).
【0157】
ステップ4.メチル(2E,5S,6S)−6−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−7−ヒドロキシ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ヘプタ−2−エノエートの合成。tert−ブチル(4S)−4−{(1S,3E)−5−メトキシ−5−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ペンタ−3−エン−1−イル}−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート(3.4g、7.4mmol)をMeOH(75mL)に溶解させた。p−トルエンスルホン酸一水和物(0.147g、0.743mmol)を加え、混合物を室温で14時間撹拌した。反応液をEtOAcと1:1の飽和NaCl水溶液:飽和NaHCO水溶液とに分配した。水層をEtOAcで抽出し、有機層を合わせてMgSOで乾燥させた。濾過した後、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:30%〜50%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物を白色の固体(1.6g、52%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.3 (s, 9H), 1.9 (br s, 1H), 2.6 - 2.8 (m,
2H), 3.2-3.3 (m, 1H), 3.5-3.6 (m, 2H), 3.65 (s, 3H), 3.8 - 3.9 (m, 1H), 4.3 - 4.4
(m, 1H), 5.78 (d, 1H), 6.73 (dt, 1H), 7.3 (d, 2H), 7.5 (d, 2H).
【0158】
ステップ5.メチル2−{(2R,4S,5S)−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテートの合成。メチル(2E,5S,6S)−6−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−7−ヒドロキシ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ヘプタ−2−エノエート(300mg、0.719mmol)をTHF(5mL)に溶解させ、フッ化テトラブチルアンモニウム(1M THF溶液、1.0mL、1mmol)で処理した。反応液を室温で1時間撹拌し、次いでEtOAcと1M HCl水溶液とに分配した。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過した後、減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:10%〜30%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物を白色の固体(225mg、75%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.23 (s, 9H), 1.54 - 1.70 (m, 1H), 1.94
(ddd, J=13.4, 3.9, 2.1 Hz, 1H), 2.43 (dd, J=15.5, 5.6 Hz, 1H), 2.60 (dd,
J=15.5, 7.4 Hz, 1H), 2.65 - 2.78 (m, 1H), 3.23 (t, J=10.8 Hz, 1H), 3.67 (s,
3H), 3.79 - 3.94 (m, 2H), 4.06 (br s, 1H), 4.14 (dd, J=11.1, 4.8 Hz, 1H), 7.33
(d, J=8.1 Hz, 2H), 7.55 (d, J=8.2 Hz, 2H).
【0159】
ステップ6.メチル2−{(2R,4S,5S)−5−アミノ−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート,塩酸塩(P5)の合成。メチル2−{(2R,4S,5S)−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート(500mg、1.2mmol)をCHCl(10mL)に溶解させ、HCl 1,4−ジオキサン溶液(3.0mL、4M、12mmol)で処理した。混合物を室温で18時間撹拌し、減圧下で溶媒を除去して、表題化合物を白色の固体(424mg、定量的)として得た。反応を繰り返し、サンプルについてMSデータを取得した。LCMS m/z 318.0 (M+1).
【0160】
調製例6
メチル{(3S,4R)−4−アミノ−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロヘキシル}アセテート(P6)
【0161】
【化19】

ステップ1.2−ニトロ−1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エタノールの合成。6−(トリフルオロメチル)ニコチンアルデヒド(10.2g、58.2mmol)のTHF(100mL)溶液に、tert−ブタノール(99%、33.2mL、349mmol)およびニトロメタン(99%、4.76mL、87.2mmol)を加え、溶液を0℃に冷却した。カリウムtert−ブトキシド(99%、659mg、5.81mmol)を加え、反応液をゆっくりと室温に温めた。3日後、真空中で溶媒を除去し、残渣を水(100mL)とEtOAcとに分配した。有機層を水で洗浄し、次いでMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:20%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製すると、生成物がオフホワイトの固体(8.8g、64%)として得られた。APCI m/z 237.0 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.15 (br s, 1H), 4.60 (dd, ABXパターンの半分, J=14, 3.6 Hz, 1H), 4.65 (dd, ABXパターンの半分, J=13.9, 8.7 Hz, 1H), 5.65 (br d,
J=8.6 Hz, 1H), 7.77 (d, J=8.1 Hz, 1H), 8.01 (dd, J=8.1, 2.2 Hz, 1H), 8.79 (d,
J=1.9 Hz, 1H).
【0162】
ステップ2. 5−[(E)−2−ニトロビニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジンの合成。2−ニトロ−1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エタノール(8.8g、37mmol)のCHCl(100mL)溶液に、無水酢酸(98%、3.59mL、37.2mmol)を加えた。N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(99%、230mg、1.86mmol)を加え、反応液を室温で2時間撹拌した。飽和NaHCO水溶液(50mL)を加え、有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:10%〜20%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製すると、生成物が淡黄色の固体(6.3g、78%)として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.68 (d, J=13.9 Hz, 1H), 7.81 (d, J=8.1
Hz, 1H), 8.04-8.08 (m, 1H), 8.05 (d, J=14.1 Hz, 1H), 8.91-8.92 (m, 1H).
【0163】
ステップ3.トランス−4−ニトロ−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロヘキサノンの合成。5−[(E)−2−ニトロビニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(6.3g、29mmol)および2−(トリメチルシリル)オキシ−1,3−ブタジエン(10.0mL、57.6mmol)をトルエン(25mL)に溶かした溶液を、密封容器中で120℃に加熱した。18時間後、反応液を冷却し、1M HCl水溶液(15mL)およびMeOHで処理し、この混合物を室温で30分間撹拌した。次いで反応液をEtOAcで抽出し、有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:10%〜50%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製すると、生成物が粘稠な油状物(7.4g、89%)として得られた。APCI m/z 289.0 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
選択ピーク: δ 3.85 (ddd, J=12.3, 10.8, 5.5 Hz, 1H), 5.12 (ddd, J=10.6, 10.6, 3.8
Hz, 1H), 7.71 (br d, J=8.1 Hz, 1H), 7.78 (dd, J=8.2, 2.2 Hz, 1H), 8.67 (d,
J=2.1 Hz, 1H).
【0164】
ステップ4.メチル(2E/2Z)−{3,4−トランス−4−ニトロ−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロヘキシリデン}アセテートの合成。トランス−4−ニトロ−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロヘキサノン(7.4g、26mmol)のトルエン(50mL)溶液に、メチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(12.9g、38.6mmol)を加え、得られる溶液を100℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、反応液を真空中で濃縮し、ジエチルエーテル(50mL)で希釈した。5分間撹拌した後、混合物を濾過し、固体を追加のジエチルエーテルで洗浄し、濾液を合わせて真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:10%〜30%のEtOAcヘプタン溶液)を使用して精製すると、生成物がEおよびZオレフィン異性体の混合物(6.46g、73%)として得られた。
【0165】
ステップ5.メチル{(3S,4R)−4−アミノ−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロヘキシリデン}アセテートの合成。メチル(2E/2Z)−{3,4−トランス−4−ニトロ−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロヘキシリデン}アセテート(6.4g、19mmol)のTHF(20mL)溶液に、AcOH(50mL、870mmol)および亜鉛(50g、760mmol)を加えた。反応液を室温で3時間撹拌し、次いで2.5時間75℃に加熱した。反応液を室温に冷却し、濾過し、集まった固体をEtOAcおよびMeOHで洗浄した。濾液を合わせて真空中で濃縮し、得られる残渣をEtOAcに溶解させ、飽和NaHCO水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配0%〜10%のMeOH EtOAc溶液)を使用して、生成物のE異性体とZ異性体を分離した。極性の弱い方の異性体をキラルクロマトグラフィーにかけて、その鏡像異性体を分離した(カラム:Chiralcel OJ−H、5μm、移動相:0.2%のイソプロピルアミン改質剤を含有する90/10のCO/MeOH)。後から溶離される鏡像異性体を固体(509mg、9%)として取得した。二重結合についての立体化学は不明であり、絶対立体配置の割当ては、より早く溶離される鏡像異性体を使用して調製した対応する類似体に対して、この鏡像異性体から導かれた生成物の生物学的活性がより高いことを根拠に行った。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.99 (br s, 2H), 1.40-1.51 (m, 1H),
2.05-2.23 (m, 2H), 2.38-2.44 (m, 1H), 2.44-2.53 (dd, J=13, 13 Hz, 1H), 2.59
(ddd, J=12, 10, 4 Hz, 1H), 3.17 (ddd, J=10.6, 10.2, 3.8 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H),
4.01 (br d, J=14 Hz, 1H), 5.71 (s, 1H), 7.69 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.77 (br d,
J=8.0 Hz, 1H), 8.65 (s, 1H).
【0166】
ステップ6.メチル{(3S,4R)−4−アミノ−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロヘキシル}アセテート(P6)の合成。炭素担持ロジウム(5%、担持量(loading factor)0.485mmol/g、165mg、0.0800mmol)およびメチル{(3S,4R)−4−アミノ−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロヘキシリデン}アセテート(500mg、1.59mmol)をMeOH(10mL)中で合わせ、30psiの水素中で18時間水素化した。反応液を濾過し、真空中で溶媒を除去して、生成物を油状物(500mg、99%)として得た。この材料は、アセテート基を有する中心におけるジアステレオ異性体の混合物であると推定されたが、さらに精製することなく使用した。APCI m/z 317.1 (M+1).
【0167】
調製例7
メチル[(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル]アセテート(P7)
【0168】
【化20】

ステップ1.(1S,3S,4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(4−クロロフェニル)シクロヘキシルメタンスルホネートの合成。tert−ブチル[(1R,2S,4S)−2−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシシクロヘキシル]カルバメート(臭化4−(トリフルオロメチル)フェニルマグネシウムでなく塩化4−クロロフェニルマグネシウム物を用いる以外は、調製例1のtert−ブチル{(1R,2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}カルバメートと同じようにして調製したもの)(2.10g、6.44mmol)のCHCl(30mL)溶液に、トリエチルアミン(1.34mL、9.64mmol)を加え、フラスコを氷浴で冷却した。塩化メタンスルホニル(0.701mL、9.02mmol)を加えた後、反応液を0℃で3時間撹拌した。次いで飽和NaHCO水溶液(100mL)を加え、混合物をCHCl(2×150mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和NaHCO水溶液(100mL)および水(100mL)で洗浄し、次いでMgSOで乾燥させた。濾過し、減圧下で溶媒を除去すると、生成物が白色の泡沫(2.25g、86%)として得られた。
【0169】
ステップ2.ジエチル[(1R,3S,4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル]マロネートの合成。マロン酸ジエチル(3.95mL、26.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶かした氷冷溶液に、カリウムtert−ブトキシドの溶液(1M THF溶液、20.8mL、20.8mmol)を10分かけて滴下添加した。反応液を室温に温め、1.5時間撹拌した。(1S,3S,4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(4−クロロフェニル)シクロヘキシルメタンスルホネート(2.10g、5.20mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)溶液を20分かけて滴下添加し、反応混合物を20分間40℃に、次いで100℃に加熱し、その温度で14時間撹拌した。次いで反応液を冷却し、飽和NaHCO水溶液(100mL)で処理した。EtOAc(3×100mL)で抽出した後、有機層を合わせて飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をEtOAc/ヘプタンから沈殿させて、生成物を白色の固体として得、引き続いて母液から再び沈殿させると、2回目の生成物が、これも白色の固体として得られた(合計:1.66g、68%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.12 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.17 (t, J=7.1 Hz,
3H), 1.18 (s, 9H), 1.23-1.45 (m, 3H), 1.63-1.72 (m, 2H), 1.83-1.90 (m, 1H),
1.97-2.08 (m, 1H), 2.52-2.60 (m, 1H), 3.29 (d, J=8.6 Hz, 1H), 3.39-3.49 (m,
1H), 4.04-4.15 (m, 4H), 6.55 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.24 (AB四重線, JAB=8.5 Hz, ΔνAB=39.0
Hz, 4H).
【0170】
ステップ3.メチル[(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル]アセテート(P7)の合成。ジエチル[(1R,3S,4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル]マロネート(9.00g、19.2mmol)を水(50mL)に混ぜた混合物に、濃縮HCl(12M、50mL、600mmol)を滴下添加した。得られる不均質な混合物を114℃で22時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、次いで残渣にCHCl(500mL)を混ぜ、半飽和NaHCO水溶液(100mL)の滴下によって処理した。30分間撹拌した後、追加のCHCl(1L)を加えて、残存する固体を可溶化した。有機層を半飽和NaHCO水溶液(2×100mL)で洗浄し、次いでMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られる材料をMeOH(100mL)と混合し、減圧下で濃縮し、これを3回実施した。得られる材料は、メチルエステルP7と対応するカルボン酸の混合物であると特徴付けられた。LCMS m/z 282.4 (M+1)およびm/z 268.4、270.4
(M+1).この混合物にMeOH(100mL)を加え、得られる溶液を濃HSO(0.1mL)の滴下によって処理し、次いで室温で18時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をCHCl(500mL)に溶解させた。半飽和NaHCO溶液(100mL)をゆっくりと加えた後、水層をCHCl(3×150mL)で抽出し、有機層を合わせて半飽和NaHCO溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を淡褐色の固体(4.60g、85%)として得た。この材料をさらに精製することなく使用した。LCMS m/z 282.4 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.16-1.41 (m, 5H), 1.81-1.91 (m, 2H),
1.92-2.04 (m, 2H), 2.19-2.31 (m, 2H), 2.29-2.36 (m, 1H), 2.80 (ddd, J=10.5,
10.5, 3.9 Hz, 1H), 3.66 (s, 3H), 7.16 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.29 (d, J=8.4 Hz,
2H).
【0171】
調製例8
メチル[(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)シクロヘキシル]アセテート(P8)
【0172】
【化21】

ジメチル[(1R,3S,4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(4−フルオロフェニル)シクロヘキシル]マロネート(調製例1でジエチル{(1R,3S,4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}マロネートについて記載したのと似たようにして調製したもの)(680mg、1.61mmol)をMeOH(2mL)およびHCl水溶液(6M、7mL)で処理した。反応液を100℃で18時間加熱し、次いで追加のMeOH(15mL)で希釈し、さらに24時間加熱した。真空中で濃縮した後、残渣をMeOH(10mL)に溶解させ、数滴の濃HSOで処理し、18時間加熱還流した。冷却した後、真空中で溶媒を除去し、残渣をtert−ブチルメチルエーテルと1M NaOH水溶液とに分配した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、生成物を固体として得た。この材料は、NMRおよびLCMSによって、P8と、対応するマロン酸ジメチル類似体の1:1混合物であると決定された(P8の補正収率:180mg、42%)。LCMS m/z 266.4 (M+1)およびm/z 324.4 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) (報告されたNMRデータは、P8とマロン酸ジメチルアナログとの混合物を表す) δ 1.16-1.44 (m,
10H), 1.78-1.90 (m, 4H), 1.92-2.06 (m, 3H), 2.19-2.38 (m, 5H), 2.80 (ddd,
J=10.5, 10.5, 3.9 Hz, 2H), 3.22 (d, J=8.9 Hz, 1H), 3.66 (s, 3H), 3.70 (s, 3H),
3.74 (s, 3H), 6.98-7.03 (m, 4H), 7.15-7.20 (m, 4H).
【0173】
調製例9
メチル{3,4−トランス−4−[(3−メチルブチル)(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート(P9)
【0174】
【化22】

ステップ1.メチル{3,4−トランス−4−アミノ−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテートの合成
エチル(2E/2Z)−{3,4−トランス−4−ニトロ−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシリデン}アセテート(調製例6でメチル(2E/2Z)−{3,4−トランス−4−ニトロ−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロヘキシリデン}アセテートについて記載したのと似たようにして調製したもの)(4.5g、13mmol)のEtOAc(40mL)溶液を、パラジウム担持炭素(10%、50%の水で湿らせたもの、2.0g)のEtOAc(10mL)懸濁液に加え、混合物を50psiで18時間水素化した。Celiteを加えた後、混合物を濾過し、フィルターケーキをEtOAcおよびMeOHで洗浄した。濾液を合わせて減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけて(溶離液:EtOAc、次いで1%のNHOHおよび10%のMeOHを含有するEtOAc)、生成物を油状物(970mg、24%)として得た。この材料は、H NMRによって、酢酸メチルを有する中心におけるジアステレオ異性体の概ね2:1の混合物であると決定された。LCMS m/z 316.1 (M+1).
【0175】
ステップ2.メチル{3,4−トランス−4−[(3−メチルブチル)(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート(P9)の合成。メチル{3,4−トランス−4−アミノ−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート(450mg、1.43mmol)の1,2−ジクロロエタン(10mL)溶液に、3−メチルブタナール(0.191mL、1.78mmol)およびMgSO(99%、868mg、7.14mmol)を加え、反応液を室温で4時間撹拌した。濾過し、固体をCHClで洗浄した後、濾液を合わせて真空中で濃縮して油状物とし、これをトルエン(50mL)に溶解させ、再度濃縮した。得られる材料を1,2−ジクロロエタン(10mL)に溶解させ、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(98%、365mg、1.69mmol)で処理し、18時間撹拌した。この時点で、3,3,3−トリフルオロプロパナール(0.267mL、2.86mmol)を加えた後、AcOH(0.165mL、2.86mmol)および追加のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(98%、406mg、1.88mmol)を加えた。3時間後、飽和NaHCO水溶液で反応を失活させた。水層をCHClで抽出し、有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製すると、生成物が粘稠な油状物(426mg、62%)として得られた。この材料は、H NMRによって、酢酸メチルを有する中心におけるジアステレオ異性体の概ね2:1の混合物であると決定された。APCI m/z 482.4 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.76-0.79 (m, 6H), 0.85-1.51 (m, 6H),
1.63-1.85 (m, 4H), 1.89-2.03 (m, 2H), 2.18-2.53 (m, 5H), 2.65-2.87 (m, 3H),
3.70および3.66 (2つの一重線, 3H), 7.23 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.53 (d,
J=8.0 Hz, 2H).
【実施例】
【0176】
実施例および方法
(実施例1)(方法A)
{(1R,3S,4R)−4−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸(1)の合成
【0177】
【化23】

ステップ1.メチル{(1R,3S,4R)−4−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテートの合成。メチル{(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート(P1)(7.08g、22.4mmol)を1,2−ジクロロエタン(100mL)に溶解させ、シクロペンタンカルバルデヒド(7.9mL、74mmol)に続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(17g、79mmol)で処理した。反応混合物を室温で5時間撹拌した。混合物をCHClで希釈し、飽和NaHCO水溶液で失活させた。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜50%のEtOAcヘプタン溶液)によって、さらにMeOH/水からの沈殿によって精製して、表題化合物を白色の固体(8.06g、75%)として得た。APCI m/z 480.2 (M+1).
【0178】
ステップ2.{(1R,3S,4R)−4−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸(1)の合成。メチル{(1R,3S,4R)−4−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート(8.06g、16.8mmol)をTHF(85mL)およびMeOH(85mL)に溶解させ、1M NaOH水溶液(85mL)で処理した。得られる混合物を室温で18時間撹拌し、次いで1M HCl水溶液で中和した。混合物をEtOAcで3回抽出し、有機層を合わせて飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過した。減圧下で溶媒を除去して、表題化合物を白色の泡沫状固体(7.2g、92%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.71-0.80 (m, 2H), 0.92-1.02 (m, 2H),
1.04-1.21 (m, 4H), 1.31-1.63 (m, 11H), 1.75-1.99 (m, 6H), 2.04-2.19 (m, 4H),
2.22 (dd, J=12.7, 5.1 Hz, 2H), 2.72-2.85 (m, 2H), 7.26 (d, 2H; 溶媒ピークにより一部不明確と推定), 7.49 (d, J=8.2 Hz, 2H).反応を繰り返し、生成物についてMSデータを取得した。LCMS m/z 466.3
(M+1).
【0179】
(実施例2)(方法B)
{(1R,3S,4R)−4−[ベンジル(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸(2)の合成
【0180】
【化24】

ステップ1.メチル{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテートの合成。メチル{(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート(P1)(4.00g、12.7mmol)をMeOH(9mL)に溶解させ、シクロペンタンカルバルデヒド(97%、1.54mL、14.0mmol)で処理した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(1.44g、38.1mmol)を1回で加えた。LCMSデータによって、反応が完了したことが示されたとき、飽和NaHCO水溶液で反応を失活させ、CHClで2回抽出した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:30%〜100%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、生成物を白色の固体(4.81g、95%)として得た。LCMS m/z 398.5 (M+1).
【0181】
ステップ2.メチル{(1R,3S,4R)−4−[ベンジル(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテートの合成。メチル{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート(200mg、0.503mmol)をTHF(5mL)に溶解させ、0℃に冷却し、AcOH(58μL、1.0mmol)およびベンズアルデヒド(76μL、0.75mmol)で処理した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(163mg、0.754mmol)を加え、反応液を室温に温めた。4時間後、混合物を飽和NaHCO水溶液で失活させ、CHClで抽出した。有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜10%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製すると、表題化合物が無色の油状物(190mg、78%)として得られた。APCI m/z 488.2 (M+1).
【0182】
ステップ3.{(1R,3S,4R)−4−[ベンジル(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸(2)の合成。メチル{(1R,3S,4R)−4−[ベンジル(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート(190mg、0.390mmol)を、THF(2mL)とMeOH(2mL)の混合物に溶解させ、次いで1M NaOH水溶液(2mL)で処理した。得られる混合物を室温で18時間撹拌し、次いで1M HCl水溶液を加えて弱酸性にした。混合物をCHClで抽出し、有機層を合わせて真空中で濃縮し、半固体を得た。この材料をジエチルエーテルに懸濁させ、濾過し、濾液を真空中で濃縮して、表題化合物を白色の泡沫(135mg、73%)として得た。APCI m/z 474.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.64-0.74 (m, 1H), 0.91-1.01 (m, 1H),
1.07-1.50 (m, 8H), 1.53-1.63 (m, 1H), 1.83-2.02 (m, 4H), 2.07-2.15 (m, 2H), 2.18-2.32
(m, 2H), 2.36 (dd, J=12.3, 4.9 Hz, 1H), 2.80-2.90 (m, 2H), 3.26 (d, J=14.1 Hz,
1H), 3.71 (d, J=14.0 Hz, 1H), 6.84-6.88 (m, 2H), 7.10-7.18 (m, 5H), 7.48 (d,
J=8.0 Hz, 2H).
【0183】
(実施例3)(方法C)
{(2S,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}酢酸(3)の合成
【0184】
【化25】

エチル{(2S,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート(P3)(13.2g、26.6mmol)をTHF(100mL)およびMeOH(100mL)に溶解させ、NaOH水溶液(1M、133mL、133mmol)で処理した。混合物を1時間50℃に温めた。反応液を室温に冷却し、次いで濃縮HClで酸性(pH4〜5)にした。混合物をtert−ブチルメチルエーテルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去して、表題化合物を白色の泡沫状固体(10.3g、83%)として得た。APCI m/z 468.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.71 - 0.85 (m, 2H), 0.85 - 0.99 (m, 2H),
1.10 (td, J=12.1, 7.1 Hz, 2H), 1.24 - 1.58 (m, 12H), 1.59 - 1.76 (m, 3H), 1.80
- 1.99 (m, 2H), 2.03 (dd, J=12.5, 9.6 Hz, 2H), 2.24 (dd, J=12.6, 5.3 Hz, 2H),
2.36 - 2.65 (m, 2H), 2.74 (t, J=10.0 Hz, 1H), 3.82 (br s, 1H), 4.34 (d, J=9.7
Hz, 1H), 7.43 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.52 (d, J=7.9 Hz, 2H).
【0185】
(実施例4)(方法D)
{(2S,5R,6S)−5−[(シクロペンチルメチル)(イソブチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}酢酸(4)の合成
【0186】
【化26】

ステップ1.エチル(2E,6R)−6−(ジベンジルアミノ)−7−ヒドロキシヘプタ−2−エノエートの合成。エチル(2E,6R)−6−アミノ−7−ヒドロキシヘプタ−2−エノエート(2.01g、9mmol)およびベンズアルデヒド(2.34mL、22.5mmol)をCHCl(50mL)中で合わせた。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(5.84g、27mmol)を加え、混合物を室温で撹拌した。4時間後、飽和NaHCO水溶液で反応を失活させた。混合物をCHClで抽出し、有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:5%〜50%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物を粘稠な油状物(2.36g、70%)として得た。LCMS m/z 368.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.28 (t, J=7.2 Hz, 3H), 1.32 - 1.43 (m,
1H), 1.77 - 1.92 (m, 1H), 2.03 - 2.26 (m, 2H), 2.68 - 2.85 (m, 1H), 2.93 (d,
J=8.3 Hz, 1H), 3.40 (d, J=13.2 Hz, 2H), 3.43 - 3.56 (m, 2H), 3.78 (d, J=13.3
Hz, 2H), 4.18 (q, J=7.1 Hz, 2H), 5.78 (dt, J=15.6, 1.4 Hz, 1H), 6.89 (dt,
J=15.7, 6.8 Hz, 1H), 7.16 - 7.36 (m, 10H).
【0187】
ステップ2.エチル(2E,6R)−6−(ジベンジルアミノ)−7−オキソヘプタ−2−エノエートの合成。エチル(2E,6R)−6−(ジベンジルアミノ)−7−ヒドロキシヘプタ−2−エノエートを、調製例2でエチル(2E,6R)−6−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−7−オキソヘプタ−2−エノエート(P2)の調製について記載した方法を使用して酸化させて、対応するアルデヒドとした。生成物が粘稠な油状物として得られ、これを精製せずに使用した(1.2g、定量的)。
【0188】
ステップ3.エチル(2E,6R,7S)−6−(ジベンジルアミノ)−7−ヒドロキシ−7−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ヘプタ−2−エノエートの合成。臭化4−(トリフルオロメチル)フェニルマグネシウムをTHFに溶かした冷却した−78℃の溶液(20mL、0.4M、8mmol)に、エチル(2E,6R)−6−(ジベンジルアミノ)−7−オキソヘプタ−2−エノエート(1.2g、3.3mmol)のTHF(30mL)溶液を30分かけて滴下添加した。反応液を−78℃で10分間撹拌し、次いで飽和NHCl水溶液で失活させた。混合物を室温に温め、CHClで抽出した。有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物を粘稠な油状物(1.28g、76%)として得た。APCI m/z 512.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.25 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.39 - 1.49 (m,
1H), 1.84 - 1.99 (m, 1H), 2.00 - 2.09 (m, 1H), 2.11 (d, J=4.7 Hz, 1H), 2.34 -
2.49 (m, 1H), 2.75 - 2.87 (m, 1H), 3.60 (d, J=14.0 Hz, 2H), 3.86 (d, J=13.8 Hz,
2H), 4.13 (q, J=7.1 Hz, 2H), 5.15 (t, J=4.0 Hz, 1H), 5.63 (dt, J=15.6, 1.4 Hz,
1H), 6.81 (dt, J=15.6, 6.8 Hz, 1H), 7.17 - 7.33 (m, 12H), 7.50 (d, J=8.1 Hz,
2H).
【0189】
ステップ4.エチル{(2S,5R,6S)−5−(ジベンジルアミノ)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテートの合成。ナトリウムエトキシドのEtOH溶液[水素化ナトリウム(40%油中懸濁液、0.053g、1.3mmol)をEtOH(1mL)に加えることにより作製]に、エチル(2E,6R,7S)−6−(ジベンジルアミノ)−7−ヒドロキシ−7−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ヘプタ−2−エノエート(0.67g、2.5mmol)のEtOH(5mL)溶液を加えた。混合物を1時間60℃に加熱し、次いで室温に冷却した。濃HSOを加えて溶液を酸性(pH約1)にし、混合物を3時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO水溶液で中和し、tert−ブチルメチルエーテルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:5%〜10%のヘプタンEtOAc)によって精製して、表題化合物を粘稠な油状物(517mg、77%)として得た。LCMS m/z 512.5 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.16 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.34 - 1.49 (m,
1H), 1.72 - 1.87 (m, 1H), 1.88 - 2.02 (m, 1H), 2.23 (dq, J=12.9, 3.5 Hz, 1H),
2.37 (dd, J=15.4, 6.4 Hz, 1H), 2.52 (dd, J=15.4, 6.5 Hz, 1H), 2.70 (ddd,
J=12.1, 9.9, 3.8 Hz, 1H), 3.41 (d, J=13.9 Hz, 2H), 3.67 (d, J=13.9 Hz, 2H),
3.88 (m, 1H), 4.00 - 4.14 (m, 2H), 4.48 (d, J=9.9 Hz, 1H), 6.84 - 6.95 (m, 4H),
7.09 - 7.18 (m, 6H), 7.21 (d, J=8.2 Hz, 2H), 7.51 (d, J=8.3 Hz, 2H).
【0190】
ステップ5.エチル{(2S,5R,6S)−5−アミノ−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテートの合成。エチル{(2S,5R,6S)−5−(ジベンジルアミノ)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート(400mg、0.78mmol)、Pd(OH)(炭素担持10%、70mg)、およびギ酸アンモニウム(1.26g、19.6mmol)をMeOH(10mL)中で合わせた。混合物を室温で18時間撹拌し、次いで濾過した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をCHClに懸濁させた。濾過し、減圧下で溶媒を除去すると、表題化合物が粘稠な油状物(246mg、95%)として得られた。LCMS m/z 332.5 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.19 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.43 - 1.64 (m,
2H), 1.82 - 1.90 (m, 1H), 2.03 - 2.13 (m, 1H), 2.45 (dd, J=15.3, 6.1 Hz, 1H),
2.60 (dd, J=15.3, 6.8 Hz, 1H), 2.69 (ddd, J=10.7, 9.2, 4.0 Hz, 1H), 3.88 - 3.96
(m, 1H), 3.97 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.09 (2つの四重線, J=7.1 Hz, 2H), 7.47 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.58 (d, J=8.0 Hz, 2H).
【0191】
ステップ6.メチル{(2S,5R,6S)−5−[(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテートの合成。実施例2でメチル{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテートの調製について記載した方法を使用し、メチル{(2S,5R,6S)−5−アミノ−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテートをシクロペンタンカルバルデヒドと反応させた。生成物が粘稠な油状物(190mg、76%)として得られた。APCI m/z 400.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.62 (br s, 1H), 0.72 - 0.98 (m, 2H), 1.31
- 1.59 (m, 8H), 1.62 - 1.77 (m, 1H), 1.79 - 1.92 (m, 1H), 2.03 (dd, J=11.2, 7.2
Hz, 1H), 2.12 - 2.23 (m, 1H), 2.34 - 2.52 (m, 3H), 2.60 (dd, J=15.4, 6.8 Hz,
1H), 3.62 (s, 3H), 3.91 (m, 1H), 4.11 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.47 (d, J=8.2 Hz,
2H), 7.57 (d, J=8.5 Hz, 2H).
【0192】
ステップ7.メチル{(2S,5R,6S)−5−[(シクロペンチルメチル)(イソブチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテートの合成。メチル{(2S,5R,6S)−5−[(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート(140mg、0.35mmol)をTHF(3mL)に溶解させた。2−メチルプロパナール(0.48mL、0.52mmol)を加えた後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(114mg、0.52mmol)を加えた。混合物を室温で18時間撹拌し、次いで飽和NaHCO水溶液で失活させた。混合物をCHClで抽出し、有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製することなく使用した(160mg、定量的)。APCI m/z 456.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.43 (d, J=6.4 Hz, 3H), 0.67 (d, J=6.6 Hz,
3H), 1.08 - 1.28 (m, 2H), 1.29 - 1.60 (m, 7H), 1.60 - 1.76 (m, 2H), 1.78 - 1.94
(m, 3H), 1.94 - 2.06 (m, 2H), 2.11 (dd, J=13.2, 5.2 Hz, 1H), 2.24 (dd, J=12.6,
5.5 Hz, 1H), 2.40 (dd, J=15.6, 6.4 Hz, 1H), 2.57 (dd, J=15.6, 6.6 Hz, 1H), 2.64
- 2.75 (m, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.77 - 3.90 (m, 1H), 4.32 (d, J=9.8 Hz, 1H), 7.43
(d, J=7.7 Hz, 2H), 7.51 (d, J=8.2 Hz, 2H).
【0193】
ステップ8.{(2S,5R,6S)−5−[(シクロペンチルメチル)(イソブチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}酢酸(4)の合成。メチル{(2S,5R,6S)−5−[(シクロペンチルメチル)(イソブチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート(159mg、0.35mmol)をTHF(1mL)およびMeOH(1mL)に溶解させ、1M NaOH水溶液(3mL、3mmol)で処理した。混合物を室温で3.5時間撹拌した。次いで、反応液を1M HCl水溶液で酸性(pH4〜5)にした。混合物をCHClで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜5%のMeOH CHCl溶液)によって精製して、表題化合物を白色の泡沫状固体(108mg、70%)として得た。APCI m/z 440.3 (M-1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.43 (d, J=6.5 Hz, 3H), 0.68 (d, J=6.6 Hz,
3H), 0.73 - 0.86 (m, 1H), 0.87 - 1.01 (m, 2H), 1.07 - 1.60 (m, 8H), 1.61 - 1.78
(m, 2H), 1.81 - 1.94 (m, 2H), 1.96 - 2.07 (m, 2H), 2.12 (dd, J=12.8, 5.1 Hz,
1H), 2.24 (dd, J=12.4, 5.2 Hz, 1H), 2.42 - 2.65 (m, 2H), 2.67 - 2.81 (m, 1H),
3.75 - 3.93 (m, 1H), 4.36 (d, J=9.9 Hz, 1H), 7.43 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.53 (m,
J=8.2 Hz, 2H).
【0194】
(実施例5)(方法E)
2−{(2R,4S,5S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}酢酸(5)の合成
【0195】
【化27】

ステップ1.メチル2−{(2R,4S,5S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテートの合成。メチル2−{(2R,4S,5S)−5−アミノ−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート,塩酸塩(P5)(100mg、0.283mmol)、シクロペンタンカルバルデヒド(0.125mL、1.13mmol)、AcOH(0.065mL、1.13mmol)、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(184mg、0.849mmol)をTHF(5mL)中で合わせ、室温で撹拌した。6時間後、反応液を飽和NaHCO水溶液で失活させ、混合物をCHClで抽出した。有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:5%〜20%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物を白色の固体(144mg、定量的)として得た。APCI m/z 482.4 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.72 - 0.85 (m, 2H), 0.90 - 1.03 (m, 2H),
1.15 - 1.29 (m, 2H), 1.29 - 1.61 (m, 8H), 1.80 (dt, J=14.7, 7.4 Hz, 2H), 1.88
(ddd, J=13.2, 3.6, 2.2 Hz, 1H), 2.12 (dd, J=12.6, 8.6 Hz, 2H), 2.23 (dd,
J=12.7, 6.3 Hz, 2H), 2.39 (dd, J=15.2, 5.4 Hz, 1H), 2.55 (dd, J=15.3, 7.79 Hz,
1H), 2.93 - 3.11 (m, 2H), 3.37 - 3.50 (m, 2H), 3.66 (s, 3H), 3.76 - 3.89 (m,
2H), 4.08 (dd, J=11.3, 4.0 Hz, 2H), 7.31 (d, J=7.9 Hz, 2H), 7.51 (d, J=8.5 Hz,
2H).
【0196】
ステップ2. 2−{(2R,4S,5S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}酢酸(5)の合成。メチル2−{(2R,4S,5S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}アセテート(136mg、0.28mmol)をTHF(2mL)およびMeOH(2mL)に溶解させた。NaOH水溶液(1M、2mL、2mmol)を加え、混合物を1時間50℃に温めた。反応液を室温に冷却し、1M HCl水溶液で酸性(pH4〜5)にした。混合物をCHClで抽出し、有機層をMgSOで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去して、表題化合物を白色の固体(119mg、90%)として得た。LCMS m/z 468.6 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.71 - 0.88 (m, 2H), 0.90 - 1.08 (m, 2H),
1.15 - 1.32 (m, 2H), 1.32 - 1.68 (m, 8H), 1.74 - 1.86 (m, 2H), 1.91 (d, J=13.0
Hz, 1H), 2.06 - 2.19 (m, 2H), 2.24 (dd, J=12.4, 6.2 Hz, 2H), 2.48 (dd, J=15.8,
4.7 Hz, 1H), 2.57 (dd, J=16.0, 7.3 Hz, 1H), 2.92 - 3.18 (m, 2H), 3.48 (t,
J=10.6 Hz, 2H), 3.73 - 3.90 (m, 2H), 4.13 (d, J=9.7 Hz, 2H), 7.32 (d, J=8.1 Hz,
2H), 7.52 (d, J=7.6 Hz, 2H).
【0197】
(実施例6)
[(1R,3S,4R)−4−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル]酢酸(6)の合成
【0198】
【化28】

ステップ1.メチル[(1R,3S,4R)−4−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル]アセテートの合成。実施例1でメチル{(1R,3S,4R)−4−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}アセテートの合成について記載した条件と同様の条件を使用し、メチル[(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル]アセテート(P7)を生成物に変換した。生成物は油状物(5.60g、77%)として得られた。LCMS m/z 446.6, 448.6 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 0.77-0.86 (m, 2H), 0.94-1.04
(m, 2H), 1.07-1.28 (m, 4H), 1.31-1.63 (m, 11H), 1.76-1.99 (m, 6H), 2.05-2.12
(m, 2H), 2.14-2.27 (m, 4H), 2.65-2.81 (m, 2H), 3.64 (s, 3H), 7.09 (d, J=8.5 Hz,
2H), 7.21 (d, J=8.4 Hz, 2H).
【0199】
ステップ2.[(1R,3S,4R)−4−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル]酢酸(6)の合成。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーを使用する2回の精製(勾配:5%〜100%の[10%の(2N アンモニアMeOH溶液)CHCl溶液]CHCl溶液、次いで勾配:0%〜20%のMeOH CHCl溶液)にかけたことを除き、実施例1で{(1R,3S,4R)−4−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸(1)の合成に用いた条件と同様の条件を使用し、メチル[(1R,3S,4R)−4−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル]アセテートを生成物に変換した。生成物は白色の固体(350mg、90%)として得られた。APCI m/z 432.2, 434.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 0.76-0.86 (m, 2H), 0.95-1.04
(m, 2H), 1.06-1.28 (m, 4H), 1.33-1.64 (m, 11H), 1.77-1.99 (m, 6H), 2.07-2.27
(m, 6H), 2.66-2.84 (m, 2H), 7.09 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.21 (d, J=8.4 Hz, 2H).
【0200】
(実施例7および8)
(2R)−2−{(1R,3S,4R)−4−[ビス(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}プロパン酸(7)および(2S)−2−{(1R,3S,4R)−4−[ビス(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}プロパン酸(8)の合成
【0201】
【化29】

ステップ1.ジエチル{(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}マロネートの合成。ジエチル{(1R,3S,4R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}マロネート(100mg、0.199mmol)をCHCl(1.2mL)に溶かした0℃の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.3mL)を滴下添加した。30分後、反応液を室温に温め、1時間撹拌した。反応液を真空中で濃縮し、次いでトルエンと共沸させ、残渣をCHCl(10mL)に溶解させ、飽和NaHCO水溶液(5mL)および飽和NaCl水溶液(5mL)で洗浄した。NaSOで乾燥させた後、有機層を濾過し、減圧下で濃縮して、生成物をゴム質(80mg、100%)として得た。LCMS m/z 402.2 (M+1).
【0202】
ステップ2.ジエチル{(1R,3S,4R)−4−[ビス(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}マロネートの合成。ジエチル{(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}マロネート(80.3mg、0.200mmol)のTHF(2mL)溶液に、3−メチルブタナール(65μL、0.60mmol)、AcOH(34μL、0.60mmol)、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(95%、134mg、0.601mmol)を加え、反応液を室温で18時間撹拌した。飽和NaHCO水溶液を加えた後、混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出し、有機層を合わせて飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜60%のEtOAcヘプタン溶液)によって精製すると、生成物が無色の油状物(103mg、95%)として得られた。LCMS m/z 542.4 (M+1).
【0203】
ステップ3.ジエチル{(1R,3S,4R)−4−[ビス(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}(メチル)マロネートの合成。水素化ナトリウム(鉱油中60%、14.8mg、0.37mmol)のTHF(1mL)懸濁液を撹拌したものに、ジエチル{(1R,3S,4R)−4−[ビス(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}マロネート(100mg、0.185mmol)のTHF(1.0mL)溶液を滴下添加した。1時間後、ヨウ化メチル(23μL、0.37mmol)を加え、5時間反応を進めた。飽和NHCl水溶液を加え、混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物を無色のゴム質(103mg、100%)として得た。LCMS m/z 556.8 (M+1).
【0204】
ステップ5.(2R)−2−{(1R,3S,4R)−4−[ビス(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}プロパン酸(7)および(2S)−2−{(1R,3S,4R)−4−[ビス(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}プロパン酸(8)の合成。ジエチル{(1R,3S,4R)−4−[ビス(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}(メチル)マロネート(95mg、0.17mmol)をエタノール(1.5mL)に溶解させ、NaOH水溶液(15重量%、0.66mL、3.4mmol)で処理した。混合物を110℃で7時間加熱し、次いで冷却し、1N NaHSO水溶液でpH4にした。EtOAc(5×15mL)で抽出した後、有機層を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をジメチルスルホキシド(1mL)に溶解させ、HCl水溶液(6M、1mL)で処理し、3時間95℃に加熱した。真空中で溶媒を除去した後、残存する材料を水(5mL)と混合し、1N NaHSO水溶液を加えてpH4にした。混合物をEtOAc(5×15mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜10%のMeOH CHCl溶液)によって精製すると、ジアステレオ異性体が分離されて、最初に溶離される異性体(2R)−2−{(1R,3S,4R)−4−[ビス(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}プロパン酸(7)が白色の固体(14mg、18%)として得られた。LCMS m/z 456.6 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.77 (br d, J=6.6 Hz, 12H), 0.91-1.43 (m, 9H), 1.16 (d, J=7.0 Hz,
3H), 1.68-1.79 (m, 1H), 1.81-2.04 (m, 3H), 2.18-2.41 (m, 5H), 2.68-2.82 (m,
2H), 7.24 (d, J=7.8 Hz, 2H), 7.50 (d, J=8.0 Hz, 2H).後から溶離される異性体である(2S)−2−{(1R,3S,4R)−4−[ビス(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}プロパン酸(8)も、白色の固体(8mg、11%)として得られた。LCMS m/z 456.6 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.77 (br d, J=6.6 Hz, 12H), 0.92-1.44 (m,
9H), 1.14 (d, J=7.0 Hz, 3H), 1.70-1.81 (m, 1H), 1.85-1.94 (m, 2H), 1.96-2.02
(m, 1H), 2.18-2.28 (m, 2H), 2.29-2.41 (m, 3H), 2.69-2.81 (m, 2H), 7.25 (d,
J=8.1 Hz, 2H), 7.51 (d, J=8.1 Hz, 2H).メチル基における立体化学を任意に割り当てた。
【0205】
方法F
モノ−N−置換エステル同族体の還元的アミノ化に続くエステル加水分解によるN,N−二置換(4−アミノ−3−アリール−シクロヘキシル)酢酸の合成
【0206】
【化30】

トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのCHCl溶液(0.55M、1.0mL、0.55mmol)に、適切なN−置換メチル(4−アミノ−3−アリール−シクロヘキシル)アセテートのCHCl溶液(0.5M、0.35mL、0.18mmol)を加えた。必要なアルデヒドのCHCl溶液(0.5M、0.25mL、0.12mmol)を加えた後、反応液を氷酢酸(15μL、0.26mmol)で処理し、室温で18時間振盪した。溶媒を除去し、各反応液にMeOH(3mL)を加えた。混合物を、Dowex含有MeOHを充填したカラムにかけ、中性不純物をMeOH(5×5mL)で洗い流した。30%のジエチルアミンMeOH溶液(2×5mL)で溶離すると、生成物画分が得られ、溶媒を除去し、アミノエステルは、THF、MeOH、および水の混合物中でLiOHを用い、実施例2の最終ステップについて記載した手順と同様の手順で、エステル加水分解にかけた。最終生成物は、0.1%のTFA水溶液および0.1%のTFAアセトニトリル溶液の移動相から構成された勾配、ならびに次のカラム、すなわち1)YMC−pack ODS−AQ、5μm、2)Phenomenex Luna C18、5μm、3)Kromasil Eternity−5−C18、5μm、4)Agella Venusil ASB C18、5μmの1つを使用する逆相HPLCによって精製した。
【0207】
実施例1〜8の生物学的データを表1に示す。追加の実施例の構造を、調製に関する情報、特徴付けデータ、および生物学的活性と共に、表2および表3に示す。一部のケースでは、塩酸塩を試験したが、塩酸塩は、通常、中性化合物をジエチルエーテルまたはCHClに溶解させ、HClのジエチルエーテルまたは1,4−ジオキサン溶液を加えることにより調製した。塩酸塩は、濾過または溶媒の除去によって単離することができる。表2にある化合物の精製は、一般に、シリカゲルクロマトグラフィーによって、MeOH CHCl溶液またはMeOH EtOAc溶液を用いる溶媒勾配で実施した。
【0208】
【表1】

【0209】
【表2−1】

【0210】
【表2−2】

【0211】
【表2−3】

【0212】
【表2−4】

【0213】
【表2−5】

【0214】
【表2−6】

【0215】
【表3−1】

【0216】
【表3−2】

【0217】
【表3−3】

【0218】
【表3−4】

【0219】
【表3−5】

【0220】
【表3−6】

【0221】
ELISA読出しによる細胞ベースのγ−セクレターゼアッセイ
化合物がアミロイドβタンパク質Aβ(1〜42)の産生を調節し得る能力を、ヒトWT−APPを過剰発現するCHO細胞を使用して判定した。96ウェル組織培養処理透明プレート(Falcon)において、DMEM/F12を主体とした培地に細胞を22,000細胞/100μLウェルで播き、37℃で24時間インキュベートした。試験する化合物を100% DMSOに希釈して、IC50算定のための11段階の半対数用量反応を実現した。化合物を新鮮な培地に加えて、最終DMSOを1%とした。アッセイの最大および最小阻害値を得るために適切な媒体および阻害剤対照を加えた後、プレートを37℃で約24時間インキュベートした。
【0222】
自社製のAβ(1〜42)特異的抗体を(4μg/mL)で含有する0.1M NaHCO(pH9.0)を、50μL/ウェルで黒色の384ウェルMaxisorp(登録商標)プレート(Nunc)に加えることにより、ELISAアッセイプレートのコーティングを開始し、終夜4℃でインキュベートした。次いで、ELISAアッセイプレートから捕捉抗体を吸引し、100μL/ウェルのブロッキング緩衝液(ダルベッコPBS、1.5%BSA(Sigma A7030))を加えた。周囲温度でのインキュベートを最低2時間続行した後、2×100μLの洗浄緩衝液(ダルベッコPBS、0.05%Tween20)で洗浄した。次いでアッセイ緩衝液(ダルベッコPBS、1.0%BSA(Sigma A7030)、0.05%Tween20)20μL/ウェルを加えた。
【0223】
37℃、5%COで終夜インキュベートした後、40μL(2通り)の実験用馴化培地を、捕捉抗体を含有するブロックしたELISAプレートのウェルに移し、続いて終夜4℃でインキュベートした。Aβ(1〜42)アッセイ用培地を除去した後の対応する細胞において、比色細胞増殖アッセイ(CellTiter 96(登録商標)AQueous One Solution Cell Proliferation Assay、Promega)によって、製造者の説明書に従い細胞毒性を測定した。
【0224】
ELISAアッセイプレートを終夜4℃でインキュベートした後、結合していないAβペプチドを洗浄緩衝液で洗浄(4×100μL)して除去した。ユウロピウム(Eu)で標識(特注標識、Perkin Elmer)したAβ(1〜16)6e10 Monoclonal Antibody(Covance #SIG−39320)をアッセイ緩衝液に加えた(1:5000のEu−6e10を50μL/ウェル、20uMのEDTA)。周囲温度で最低2時間インキュベートし、続いて洗浄緩衝液で洗浄(4×100μL)した後、50μL/ウェルのDelfia Enhancement Solution(PerkinElmer)を加えた。周囲温度で1時間インキュベートした後、プレートを、標準のDELFIA TRF設定を使用するEnVisionプレートリーダー(PerkinElmer)で読みとった。非線形回帰適合分析(自社製ソフトウェア)および最大および最小阻害対照についての適切なプレート平均値を使用し、阻害IC50算定を含むデータ解析を行った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの構造を有する化合物
【化1】

[式中、Aは、1個〜3個のRで置換されていてもよいC6〜10アリールまたは5〜10員ヘテロアリールであり、
XおよびYは、独立に、C(R、NR10、またはOであり、XまたはYの少なくとも一方はC(Rであり、
各Rは、独立に、水素、C1〜6アルキル、または−(CH−C3〜7シクロアルキルであり、または2個のR置換基が、これらが結合している炭素と一緒になって、C3〜7シクロアルキルを形成している場合もあり、
各Rは、独立に、CF、フッ素、C1〜3アルキル、C3〜7シクロアルキル、またはORであり、または2個のR置換基が、これらが結合している炭素と一緒になって、C3〜4シクロアルキルを形成している場合もあり、
およびRは、独立に、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、または4〜10員ヘテロシクロアルキルであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキルは、C1〜6アルキル、ハロゲン、オキソ、シアノ、−CF、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、または4〜10員ヘテロシクロアルキルで置換されていてもよく、前記シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリール置換基は、1個〜3個のC1〜6アルキル、ハロゲン、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノでさらに置換されている場合もあり、
代替として、RおよびRは、これらが結合している窒素と一緒になって、4〜10員ヘテロシクロアルキルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成しており、前記ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールは、1個〜6個のRで置換されていてもよく、2個のRが、これらが結合している1個または複数の原子と一緒になって、架橋した系の場合ではヘテロシクロアルキルの追加の原子も場合により含めて、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、または4〜10員ヘテロシクロアルキルを形成している場合もあり、前記シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールは、1個〜3個のC1〜6アルキル、ハロゲン、−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノでさらに置換されている場合もあり、前記C1〜6アルキルは、1個〜3個のフッ素または−(CH−CFでさらに置換されていてもよく、
各Rは、独立に、水素またはC1〜3アルキルであり、前記アルキルは、1個〜3個のフッ素で置換されている場合もあり、
各Rは、独立に、C1〜6アルキル、フッ素、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノであり、
各Rは、独立に、−(CH−CF、シアノ、ハロゲン、C1〜3アルキル、C3−7シクロアルキル、または−ORであり、
各Rは、独立に、水素、C1〜3アルキル、または−(CH−CFであり、
各Rは、独立に、水素、CF、フッ素、C1〜3アルキル、C3〜7シクロアルキル、またはORであり、または2個のR置換基が、これらが結合している炭素と一緒になって、C3〜4シクロアルキルを形成している場合もあり、
10は、水素、−(CH−CF、C1〜3アルキル、またはC3〜7シクロアルキルであり、
各nは、0、1または2から独立に選択される整数であり、
各mは、0、1または2から独立に選択される整数であり、
各tは、0、1または2から独立に選択される整数である]または薬学的に許容できるその塩。
【請求項2】
YがC(Rであり、各Rは水素であり、XがOである、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項3】
XおよびYがC(Rであり、各Rは水素である、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項4】
構造
【化2】

を有する式Iaの化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項5】
構造
【化3】

を有する式Ibの化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項6】
Aが、1個のRで置換されているC6〜10アリールであり、Rは、−(CH−CF、シアノ、ハロゲン、C1〜3アルキル、C3〜7シクロアルキル、または−ORである、前記請求項のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項7】
Aが、1個のRで置換されているフェニルであり、Rは−(CH−CFである、前記請求項のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項8】
およびRが両方とも、フッ素、オキソ、シアノ、−CF、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、または4〜10員ヘテロシクロアルキルで置換されていてもよいC1〜6アルキルであり、前記シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリール置換基は、1個〜3個のC1〜6アルキル、ハロゲン、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノでさらに置換されている場合もある、前記請求項のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項9】
およびRが、独立にC1〜6アルキルであり、RおよびRの両方が、C3〜7シクロアルキルで置換されており、前記シクロアルキルは、1個〜3個のC1〜6アルキル、フッ素、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノで独立に置換されていてもよい、前記請求項のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項10】
およびRが、独立にC1〜6アルキルであり、Rが、C6〜10アリールで置換されており、Rが、C3〜7シクロアルキルで置換されており、前記アリールおよびシクロアルキルは、1個〜3個のC1〜6アルキル、ハロゲン、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノで独立に置換されていてもよい、前記請求項のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項11】
およびRが、独立にC1〜6アルキルであり、Rが、5〜10員ヘテロアリールで置換されており、Rが、C3〜6シクロアルキルで置換されており、前記ヘテロアリールまたはシクロアルキルは、1個〜3個のC1〜6アルキル、ハロゲン、−(CH−CF、ヒドロキシ、オキソ、またはシアノで独立に置換されていてもよい、前記請求項のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項12】
およびRが、これらが結合している窒素と一緒になって、1個〜6個のRで置換されていてもよい4〜10員ヘテロシクロアルキルを形成している、前記請求項のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項13】
が水素である、前記請求項のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項14】
以下のもの、すなわち、
{(1R,3S,4R)/(1S,3R,4S)−4−[(3−メチルブチル)(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,塩酸塩;
2−{(2R,4S,5S)−5−[(3−メチルブチル)(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}酢酸,塩酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(3−メチルブチル)(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,塩酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(3−メチルブチル)(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロヘキシルメチル)(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−{[(1−フルオロシクロヘキシル)メチル](3−メチルブチル)アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−[ビス(シクロヘキシルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−[(3−メチルブチル)(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(2S,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}酢酸;
{(2S,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−{(シクロペンチルメチル)[(1−メチルシクロペンチル)メチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(2R,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−(4−メチル−2−アザスピロ[5.5]ウンデカ−2−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
[(2S,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−(4−クロロ−2−メチルフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−[(1R,5S)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)(4−フルオロベンジル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)(2−フルオロベンジル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)(3−フルオロベンジル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,塩酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−(13−アザジスピロ[4.1.4.3]テトラデカ−13−イル)−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−[(3−メチルブチル)(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,アンモニウム塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロヘキシルメチル)(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,アンモニウム塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(2−シクロヘキシルエチル)(3−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(3−メチルブチル)(1,3−チアゾール−2−イルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)(2−メチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,アンモニウム塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)(3,3−ジメチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,アンモニウム塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)(2,2−ジメチルプロピル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,アンモニウム塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(3−シアノ−3−メチルブチル)(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)(ピリミジン−5−イルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−{(シクロペンチルメチル)[(1−フルオロシクロヘキシル)メチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,アンモニウム塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(2−シクロヘキシルエチル)(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−{(シクロペンチルメチル)[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)(1,3−チアゾール−4−イルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)(2−エチルブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)(イソブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロペンチルメチル)(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
[(2S,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−(4−シアノフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]酢酸,アンモニウム塩;
[(2S,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−(3−クロロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]酢酸,アンモニウム塩;
{(1R,3S,4R)−3−(4−クロロフェニル)−4−[(シクロペンチルメチル)(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−3−(4−クロロフェニル)−4−[(シクロペンチルメチル)(2−エチルブチル)アミノ]シクロヘキシル}酢酸,アンモニウム塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロブチルメチル)(シクロペンチルメチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,アンモニウム塩
{(1R,3S,4R)−3−(4−クロロフェニル)−4−[(シクロペンチルメチル)(3,3,3−トリフルオロ−2−メチルプロピル)アミノ]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−{[(1−フルオロシクロヘキシル)メチル](イソブチル)アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−{(シクロペンチルメチル)[(2−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
[(2S,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]酢酸,アンモニウム塩;
[(2S,5R,6S)−5−[ビス(シクロペンチルメチル)アミノ]−6−(4−クロロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル]酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−{(シクロペンチルメチル)[(1S)−1,3−ジメチルブチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸;
{(1R,3S,4R)−4−[(4−エトキシベンジル)(イソブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−{[(1−フルオロシクロヘキシル)メチル](2−フルオロ−6−メトキシベンジル)アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−{イソブチル[(3−プロピルイソチアゾール−4−イル)メチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(シクロヘキサ−1−エン−1−イルメチル)(イソブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−{(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イルメチル)[(1−フルオロシクロヘキシル)メチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−{(2H−クロメン−3−イルメチル)[(1−フルオロシクロヘキシル)メチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−{[(6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−イル)メチル](イソブチル)アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−{[(4−エチル−1,3−チアゾール−2−イル)メチル][(1−フルオロシクロヘキシル)メチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−{(2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−イルメチル)[(1−フルオロシクロヘキシル)メチル]アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;
{(1R,3S,4R)−4−[(4−tert−ブチルベンジル)(イソブチル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩;もしくは
{(1R,3S,4R)−4−{[(4,5−ジメチル−2−フリル)メチル](イソブチル)アミノ}−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸,トリフルオロ酢酸塩
である化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項15】
哺乳動物に有効量の請求項1もしくは14に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む、神経障害および精神障害からなる群から選択される疾患または状態の治療方法。
【請求項16】
請求項1もしくは14に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩と薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物。

【公表番号】特表2013−518094(P2013−518094A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550537(P2012−550537)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050240
【国際公開番号】WO2011/092611
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】