説明

オブジェクトサポート位置決めデバイスおよびリソグラフィ装置

【課題】比較的大きな力及び/又はトルクに、好ましくはXはりの外部寸法を変更する必要なく対処可能なベアリングを有する、リソグラフィ装置用の位置決めデバイスを提供する。
【解決手段】オブジェクトサポートを位置決めするオブジェクトサポート位置決めデバイス1は、第1、第2、および第3のスライダのうち少なくとも1つのスライダ内に流体ベアリングが設けられ、流体ベアリングは、少なくとも1つのスライダの摺動方向に垂直である第1の方向に反力を作用させるための複数のベアリング面を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、オブジェクトサポート位置決めデバイスおよびリソグラフィ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常は基板のターゲット部分上に与える機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造で使用することができる。そのような場合には、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンは、基板(例えばシリコンウェーハ)上の(例えば1つまたは複数のダイの一部を含む)ターゲット部分上に転写することができる。パターンの転写は一般に、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層上への結像によるものである。一般に、単一の基板は、連続してパターニングされる、隣接するターゲット部分のネットワークを含む。従来型のリソグラフィ装置には、パターン全体をターゲット部分上に一度に露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、パターンを放射ビームによって所与の方向(「スキャン」方向)にスキャンしながら、それと同期して基板をその方向と平行に、または反平行にスキャンすることによって、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとがある。パターンを基板上にインプリントすることによって、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0003】
[0003] 既知のリソグラフィ装置では、基板テーブル用の位置決めデバイスの駆動ユニットが、Y方向に平行に延在する、位置決めデバイスの基部に固定された固定子、および固定子に沿って可動の並進器(Yスライダ)をそのそれぞれが含んだ、2つのリニアYモータを含むことができる。基部は、リソグラフィデバイスのフレームに固定することができる。駆動ユニットはさらに、X方向に平行に延在する固定子、および固定子に沿って移動させることができる並進器(Xスライダ)を含んだ、リニアXモータを含むことができる。Xモータの固定子は、リニアYモータの並進器(Yスライダ)にそのそれぞれの端部付近で固定されたXはりに取り付けることができる。したがって、この構成は、2つのYモータが縦材を形成し、Xモータが横材を形成したH字状であり、この構成はしばしばHドライブと呼ばれる。
【0004】
[0004] 被駆動オブジェクト、この場合には基板テーブルには、いわゆるエアフットを設けることができる。エアフットは、Z方向に直角に延在する基部の案内面全体にわたって可動となるように基板テーブルを案内するように構成されたガスベアリングを含む。
【0005】
[0005] リソグラフィ装置では、パターニングデバイス(レチクル)および基板(ウェーハ)をナノメートル精度で位置決めするために使用される加速力に対する機械フレームへの反作用が振動の原因であり、それにより装置の精度が損なわれる。振動の影響を最小限に抑えるために、全ての位置検知デバイスが取り付けられる分離されたメトロロジーフレームを設けて、全ての反力を、装置の残りの部分から分離されたいわゆる力フレームまたは反作用フレームに向けることが可能である。
【0006】
[0006] 一代替構成では、駆動力に対する反作用が、装置の残りの部分に対して自由に移動する被駆動マスよりも通常重い、バランスマスに向けられる。反力は、バランスマスを加速する際に消費され、装置の残りの部分に大幅に影響を及ぼさない。平面内で3自由度で可動なバランスマスについては、WO98/40791、WO98/28665、および米国特許第5,815,246号に記載されている。
【0007】
[0007] 図6は、従来技術のXモータ構成の断面を示す。Xモータは、Xはり107、Xはり107にそれぞれ取り付けられた第1の固定子部105aおよび第2の固定子部105bを含む固定子、ならびに固定子105およびXはり107に沿って、図面の平面に垂直なX方向に並進することができる並進器106を含む。Xはり107と並進器106との間に、Xはりと並進器との間にエアクッションを形成するために、エアベアリング108が設けられる。エアベアリングには、固定子105と並進器106のモータ部109との間の引力で、予め張力がかけられる。
【0008】
[0008] Xはり107がYモータによってy方向に加速されるとき、エアベアリング108が並進器をy方向に押す。エアベアリング108があるため、Xはり107と並進器106との間の機械的接触が回避されて、並進器がX方向に摺動することができる。
【0009】
[0009] しかし、基板ステージの加速度に対する、ますます増大する要求のため、エアベアリングによって対処すべき力および/またはトルクも増大している。しかし、エアベアリングの最大ベアリング面は、Xはりの寸法のため限られている。こうしたより大きな力および/またはトルクに対処するために、Xはりの寸法、例えば高さを大きくして、可能なより大きなエアベアリング面を組み込むことができる。しかし、Xはりの高さを大きくすると、更なるシステム設計に対してかなりの影響が及び、したがってそれは望ましくない。
【発明の概要】
【0010】
[0010] 比較的大きな力および/またはトルクに、好ましくはXはりの外部寸法を変更する必要なく対処することができるベアリングを有する、リソグラフィ装置用の位置決めデバイスを提供することが望ましい。
【0011】
[0011] 本発明の一実施形態によれば、オブジェクトサポートを位置決めするように構築および構成されたオブジェクトサポート位置決めデバイスであって、それぞれに対応する第1および第2のスライダが取り付けられた、第1および第2の側ばりと、第1および第2のスライダをそれぞれに対応する側ばり(side beam)に沿って移動させるように構成された、第1および第2のモータと、その第1および第2の端部の近傍でそれぞれ第1および第2のスライダに取り付けられ、第3のスライダがそこに取り付けられた横ばり(cross beam)であって、横ばりと第1および第2のスライダが一緒に取り付けられる横ばりと、1つのオブジェクトサポートを支持するように適合された第3のスライダを、横ばりに沿って長手方向に移動させるように構成された第3のモータとを含み、第1、第2、および第3のスライダのうち少なくとも1つのスライダ内に流体ベアリング構成が設けられ、流体ベアリング構成が、少なくとも1つのスライダの摺動方向に実質的に垂直である第1の方向に反力を作用させるための複数のベアリング面を含む、オブジェクトサポート位置決めデバイスが提供される。
【0012】
[0012] 本発明の一実施形態によれば、オブジェクトサポートを位置決めするように構築および構成されたオブジェクトサポート位置決めデバイスであって、それぞれに対応する第1および第2のスライダが取り付けられた、第1および第2の側ばりと、第1および第2のスライダをそれぞれに対応する側ばりに沿って移動させるように構成された、第1および第2のモータと、その第1および第2の端部の近傍でそれぞれ第1および第2のスライダに取り付けられ、第3のスライダがそこに取り付けられた横ばりであって、横ばりと第1および第2のスライダが一緒に取り付けられる横ばりと、1つのオブジェクトサポートを支持するように適合された第3のスライダを、横ばりに沿って長手方向に移動させるように構成された第3のモータとを含み、第1、第2、および第3のスライダのうち少なくとも1つのスライダ内に流体ベアリング構成が設けられ、流体ベアリング構成が、少なくとも1つのスライダの摺動方向に実質的に垂直な平面内に少なくとも部分的にある第1の回転方向に、反作用トルクを相まって作用させるように構成されている複数のベアリング面を含む、オブジェクトサポート位置決めデバイスが提供される。
【0013】
[0013] 本発明の一実施形態によれば、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、放射ビームの断面内にパターンを付与して、パターン付き放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持する構造になっている第1のオブジェクトサポートと、基板を保持する構造になっている第2のオブジェクトサポートと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分上に投影するように構成された投影システムと、これらのオブジェクトサポートのうち少なくとも1つのオブジェクトサポートを位置決めするように構築および構成されたオブジェクトサポート位置決めデバイスであって、それぞれに対応する第1および第2のスライダが取り付けられた第1および第2の側ばり、第1および第2のスライダをそれぞれに対応する側ばりに沿って移動させるように構成された、第1および第2のモータ、その第1および第2の端部の近傍でそれぞれ第1および第2のスライダに取り付けられ、第3のスライダがそこに取り付けられた横ばりであって、横ばりと第1および第2のスライダが一緒に取り付けられる横ばり、ならびに1つのオブジェクトサポートを支持するように適合された第3のスライダを、横ばりに沿って長手方向に移動させるように構成された第3のモータを含み、第1、第2、および第3のスライダのうち少なくとも1つのスライダ内に流体ベアリング構成が設けられ、流体ベアリングg構成が、少なくとも1つのスライダの摺動方向に実質的に垂直である第1の方向に反力を作用させるための複数のベアリング面を含むオブジェクトサポート位置決めデバイスとを含む、リソグラフィ投影装置が提供される。
【0014】
[0014] 本発明の一実施形態によれば、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、放射ビームの断面内にパターンを付与して、パターン付き放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持する構造になっている第1のオブジェクトサポートと、基板を保持する構造になっている第2のオブジェクトサポートと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分上に投影するように構成された投影システムと、これらのオブジェクトサポートのうち少なくとも1つのオブジェクトサポートを位置決めするように構築および構成されたオブジェクトサポート位置決めデバイスであって、それぞれに対応する第1および第2のスライダが取り付けられた第1および第2の側ばり、第1および第2のスライダをそれぞれに対応する側ばりに沿って移動させるように構成された、第1および第2のモータ、その第1および第2の端部の近傍でそれぞれ第1および第2のスライダに取り付けられ、第3のスライダがそこに取り付けられた横ばりであって、横ばりと第1および第2のスライダが一緒に取り付けられる横ばり、ならびに1つのオブジェクトサポートを支持するように適合された第3のスライダを、横ばりに沿って長手方向に移動させるように構成された第3のモータを含み、第1、第2、および第3のスライダのうち少なくとも1つのスライダ内に流体ベアリング構成が設けられ、流体ベアリング構成が、少なくとも1つのスライダの摺動方向に実質的に垂直な平面内に少なくとも部分的にある第1の回転方向に、反作用トルクを相まって作用させるように構成されている複数のベアリング面を含むオブジェクトサポート位置決めデバイスとを含む、リソグラフィ投影装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
[0015] 次に、本発明の諸実施形態を、ほんの一例として、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照して説明する。
【0016】
【図1】[0016]本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】[0017]本発明の一実施形態による位置決めデバイスの上面図である。
【図3】[0018]本発明の一実施形態によるエアベアリング構成を有する、Xはり上のXスライダの断面を示す図である。
【図4】[0019]本発明の一実施形態によるベアリング構成を概略的に示す図である。
【図5】[0020]本発明の一実施形態によるベアリング構成を概略的に示す図である。
【図6】[0021]Xはり上のXスライダの従来技術のエアベアリング構成の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0022] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えばUV放射または他の任意の適切な放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持する構造になっており、かついくつかのパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1の位置決めデバイスPMに接続された、パターニングデバイスサポートまたはサポート構造(例えばマスクテーブル)MTとを含む。この装置はまた、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持する構造になっており、かついくつかのパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2の位置決めデバイスPWに接続された、基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTまたは「基板サポート」も含む。この装置はさらに、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを、基板Wのターゲット部分C(例えば、1つまたは複数のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSを含む。
【0018】
[0023] 照明システムは、放射を誘導、整形、または制御するために、屈折タイプ、反射タイプ、磁気タイプ、電磁タイプ、静電タイプ、もしくは他のタイプの光学コンポーネント、またはそれらの任意の組合せなど、さまざまなタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0019】
[0024] パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および例えばパターニングデバイスが真空環境内で保持されるか否かのような他の条件に応じる方式で、パターニングデバイスを保持する。パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスを保持するために、機械的クランプ技法、真空クランプ技法、静電クランプ技法、または他のクランプ技法を使用することができる。パターニングデバイスサポートは、例えばフレームでも、テーブルでもよく、それは必要に応じて固定されても、可動でもよい。パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスが、例えば投影システムに対して所望の位置にあるようにすることができる。本明細書において「レチクル」または「マスク」という用語を使用している場合、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義語と見なすことができる。
【0020】
[0025] 本明細書で使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを形成するために、放射ビームの断面内にパターンを付与するのに使用することができる任意のデバイスを指すものとして、広義に解釈すべきである。放射ビームに付与されたパターンは、例えば、パターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに厳密に対応しないことがあることに留意されたい。一般には、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路など、ターゲット部分内に形成されているデバイス内の、特定の機能層に対応する。
【0021】
[0026] パターニングデバイスは、透過型でも、反射型でもよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルがある。マスクは、リソグラフィにおいて公知であり、マスクには、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスクタイプ、ならびにさまざまなハイブリッドマスクタイプがある。プログラマブルミラーアレイの一例は、小型のミラーのマトリックス配列を使用しており、ミラーをそれぞれ、入射する放射ビームをさまざまな方向に反射するように個々に傾動することができる。傾動されたミラーにより、ミラーマトリックスによって反射された放射ビーム内にパターンが付与される。
【0022】
[0027] 本明細書で使用される「投影システム」という用語は、使用される露光放射に適した、または液浸液の使用もしくは真空の使用など、他の要因に適した、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁光学システム、および静電光学システム、またはそれらの任意の組合せを含む、任意のタイプの投影システムを包含するものとして、広義に解釈すべきである。本明細書において、「投影レンズ」という用語を使用している場合、より一般的な用語である「投影システム」と同義語と見なすことができる。
【0023】
[0028] ここで示したように、この装置は、(例えば、透過マスクを使用する)透過型である。あるいは、装置は、(例えば、上記で言及したタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、または反射マスクを使用する)反射型でもよい。
【0024】
[0029] このリソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブルもしくは「基板サポート」(および/または2つ以上のマスクテーブルもしくは「マスクサポート」)を有するタイプのものでもよい。そのような「マルチステージ」の機械では、追加のテーブルまたはサポートを同時に使用しても、1つまたは複数のテーブルまたはサポート上で予備段階を実施している間に、1つまたは複数の他のテーブルまたはサポートを露光に使用してもよい。
【0025】
[0030] このリソグラフィ装置は、投影システムと基板の間の空間を埋めるように、基板の少なくとも一部分を、比較的高い屈折率を有する液体、例えば水で覆うことができるタイプのものでもよい。液浸液を、リソグラフィ装置内の他の空間、例えば、マスクと投影システムの間に与えることもできる。液浸技法は、投影システムの開口数を増大させるために使用することができる。本明細書で使用される「液浸」という用語は、基板などの構造が液体中に浸されなければならないことを意味するのではなく、露光中に、液体が投影システムと基板の間にあることを意味するにほかならない。
【0026】
[0031] 図1を参照すると、イルミネータILが、放射源SOから放射ビームを受け取る。放射源およびリソグラフィ装置は、例えば、放射源がエキシマレーザであるとき、別々のものとすることができる。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとは見なされず、放射ビームが、例えば適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを用いて、放射源SOからイルミネータILに渡される。別の場合には、例えば放射源が水銀ランプであるとき、放射源をリソグラフィ装置の一部とすることができる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならビームデリバリシステムBDと共に、放射システムと呼ぶことができる。
【0027】
[0032] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するように構成されたアジャスタADを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の、少なくとも外側および/または内側半径範囲(一般に、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータINやコンデンサCOなど、他のさまざまなコンポーネントを含むことができる。イルミネータは、放射ビームがその断面内に、所望の均一性および強度分布を有するように調整するために使用することができる。
【0028】
[0033] 放射ビームBが、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。放射ビームBは、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを経由して投影システムPSを通過し、投影システムPSが、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2の位置決めデバイスPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または容量センサ)を用いて、例えばさまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路中に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1の位置決めデバイスPMおよび(図1には明示的に図示されていない)もう1つの位置センサを使用して、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを、例えばマスクライブラリから機械的に取り出した後、またはスキャン中に、放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることができる。一般に、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTの移動は、第1の位置決めデバイスPMの一部を形成する、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現することができる。同様に、基板テーブルWTまたは「基板サポート」の移動は、第2のポジショナPWの一部を形成する、ロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使用して実現することができる。(スキャナとは対照的に)ステッパの場合には、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTをショートストロークアクチュエータだけに接続してもよく、固定してもよい。パターニングデバイス(例えばマスク)MAおよび基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2、および基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合せすることができる。図示の基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有しているが、ターゲット部分相互間の間隔内に配置することもできる(これは、スクライブラインアライメントマークとして知られる)。同様に、パターニングデバイス(例えばマスク)MA上に2つ以上のダイが設けられている状況では、パターニングデバイスアライメントマークを、ダイ相互間に配置することができる。
【0029】
[0034] 図示の装置は、以下のモードのうち少なくとも1つのモードで使用することができる。
【0030】
[0035] 1.ステップモードでは、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」、および基板テーブルWTまたは「基板サポート」が基本的に固定されたまま、放射ビームに付与されたパターン全体が、ターゲット部分C上に一度に投影される(すなわち、単一静止露光)。次いで、異なるターゲット部分Cを露光することができるように、基板テーブルWTまたは「基板サポート」が、Xおよび/またはY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静止露光で像形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0031】
[0036] 2.スキャンモードでは、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」、および基板テーブルWTまたは「基板サポート」が同期スキャンされるとともに、放射ビームに付与されたパターンが、ターゲット部分C上に投影される(すなわち、単一動的露光)。パターニングデバイス(例えばマスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」に対する基板テーブルWTまたは「基板サポート」の速度および方向は、投影システムPSの倍率(縮小率)および像の反転特性によって決まり得る。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向の)幅が制限され、スキャン運動の長さによって、ターゲット部分の(スキャン方向の)高さが決まる。
【0032】
[0037] 3.別のモードでは、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」が、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で基本的に固定されたままであり、基板テーブルWTまたは「基板サポート」が移動またはスキャンされるとともに、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分C上に投影される。このモードでは、一般にパルス放射源が使用され、基板テーブルWTまたは「基板サポート」が移動する毎にその後で、またはスキャン中に連続する放射パルスと放射パルスの間に、プログラマブルパターニングデバイスが必要に応じて更新される。この動作モードは、上記で言及したタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに、容易に適用することができる。
【0033】
[0038] 上述の使用モードの組合せおよび/または変形、あるいは全く異なる使用モードを使用することもできる。
【0034】
[0039] 図2は、全体が参照符号1で示される本発明の一実施形態による基板サポート用の位置決めデバイスの概略上面図を示す。位置決めデバイス1は、Y方向に平行に延在する、位置決めデバイスの基部3に固定された固定子2、および固定子に沿って可動な(Yスライダとも呼ばれる)Y並進器4をそのそれぞれが含んだ、2つのリニアYモータを含む。
【0035】
[0040] 基部3は、リソグラフィ装置のフレームに固定される。位置決めデバイス1はさらに、X方向に平行に延在する固定子5、および固定子5に沿って移動させることができる(Xスライダとも呼ばれる)X並進器6を含んだ、リニアXモータを含む。Xモータの固定子5は、Xはり7に取り付けられ、Xはり7は、そのそれぞれの端部付近で、リニアYモータの並進器4(Yスライダ)に固定される。X並進器6は、基板サポート9を取り付けることができるサポート部8に接続される。好ましくは、基板サポート9の全重量がサポート部8によって支えられることのないように、エアベッドが基板サポート9を支持するために設けられる。
【0036】
[0041] YモータおよびXモータの構成は、2つのYモータが縦材を形成し、Xモータが横材を形成したH字状であり、この構成はしばしばHドライブと呼ばれる。
【0037】
[0042] X並進器およびY並進器の摺動支持は、各並進器内の流体ベアリング構成(以後流体ベアリングとも呼ばれる)によって得られる。次に、X並進器の摺動支持についてより詳細に論じる。
【0038】
[0043] 図3は、Xモータの、図2の線I−Iに沿った断面を示す。断面I−Iは、固定子5、X並進器6、およびXはり7を詳細に示す。基板サポート9を支持するように構成されたサポート部8は、想像線(ghost line)として示されている。
【0039】
[0044] 固定子5は、上部5aおよび下部5bを含み、それらの間に、X並進器6の可動モータ部11が構成される。可動モータ部11には、リニアXモータを冷却するように構成された冷却チャネル12が設けられる。
【0040】
[0045] 可動モータ部11の一方の端部(図3の右側)のところに、サポート部8が接続される。可動モータ部11の他方の端部のところで、X並進器6がXはり7内に延在し、4つのエアベアリングアーム13を含む。y方向の力に対処するためのエアベアリングを形成すると同時に、Xはり7および固定子5に対するX並進器6の非接触摺動移動を可能にするために、ベアリングアーム13とXはり7が、X並進器6とXはり7の内面との間にエアベアリング面を有するエアベアリング構成を形成する。ベアリング面は、Xはり7からX並進器6に正のy方向に力を非接触伝達するための4つの第1のベアリング面14a、14bを含み、さらに、4つの第2のベアリング面15a、15bが、反対のy方向に力を非接触伝達するために設けられる。
【0041】
[0046] さらに、可動モータ部11の両側には、正および負のZ方向の力に対処するために、エアベアリング16がXはり7とX固定子6との間に設けられる。
【0042】
[0047] エアベアリング構成の第1の4つのベアリング面14a、14bは、互いに実質的に平行に設けられ、4つのベアリングアーム13による構造のため離隔した関係で構成された2つのベアリング面14a、14bの2つの対を形成する。同様に、エアベアリング構成の4つの第2のベアリング面15a、15bも、互いに実質的に平行に設けられ、離隔した関係で構成された2つのベアリング面15a、15bの2つの対を形成する。この構成により、ある一定の寸法内、具体的には既知のXはり7の寸法内に、ベアリング面の比較的大きな面積を設けることが可能になる。
【0043】
[0048] 図3に示す4つの第1のベアリング面14a、14bの組合せは、同じ面積をカバーする1つのベアリング面よりも大きな力をもたらすことができる。というのも、これらのベアリング面が、反力をそれらがもたらすことのできる方向に離隔されているためである。その結果、同じ圧力において、より大きな力をこのベアリング構成によってもたらすことができるが、Xはり7の外部寸法は、図6に示すX並進器106とXはり107との間の従来技術のベアリング構成に比べて増大させる必要がない。
【0044】
[0049] 反対のy方向についてもやはり、同じXはり寸法内に設けられた単一のベアリング面の場合と同様に、より大きなエアベアリング面が4つの第2のベアリング面15a、15bによって形成される。
【0045】
[0050] Y方向の増大したエアベアリング面により、Xはりの寸法を大きくせずに、Xはりのエアベアリング構成においてY方向のより高い加速度に対処することができる。
【0046】
[0051] 同様に、上部の第1のベアリング面14aと、下部の第2のベアリング面15bとが相まって、x軸の周りの第1の回転方向Rxに、図6に示す同じXはり寸法内の単一のベアリング面の場合よりも大きなトルクをもたらすことができる。また同様に、下部の第1のベアリング面14bと、上部の第2のベアリング面15aとが相まって、x軸の周りの反対の回転方向Rxに、同じXはり寸法内の単一のベアリング面の場合よりも大きなトルクをもたらすことができる。
【0047】
[0052] したがって、増大したエアベアリング面により、Xはりの寸法を大きくせずに、Xはりのエアベアリング構成においてRz方向のより高い加速度に対処することができる。
【0048】
[0053] y方向およびz方向に対するエアベアリング構成を設けることによって、非常に小さな摩擦を伴う、X並進器6とXはり7との間のX方向の摺動移動が可能になり得ると同時に、基板サポート9を加速させるために、大きな加速力および/またはトルクを、Yモータによって加速されるXはり7からサポート部8に接続されたX並進器6に伝達することができる。
【0049】
[0054] 一代替構成でもやはり、1つもしくは複数の第1のベアリング面14a、14bおよび/または1つもしくは複数の第2のベアリング面15a、15bを設けることができ、それにより、少なくとも2つのベアリング面が、単一方向の力に反作用するために、離隔した関係で設けられる。そのような実施形態が、図4に示されている。X並進器6が、4つのベアリングアームを含む。Xはり7およびベアリングアーム13は、第1のベアリング面14a、14bが4つあるが、ベアリング面15a、15bが2つしかないように設計される。その結果、Xはり7からX並進器6に伝達することができる力は、負のy方向よりも正のy方向の方が大きくなる。というのも、正のy方向について、第1のベアリング面14a、14bの面積が、第2のベアリング面15a、15bの面積の約2倍であるためである。そのような実施形態は、より大きな加速度が一方向にしか生じない場合に、適用することができる。
【0050】
[0055] 図3の実施形態では、第1のベアリング面14a、14bおよび第2のベアリング面15a、15bが、ベアリング構成が実質的に正または負のy方向のみの力に反作用することができるように、y方向に平行である軸A−Aに垂直に構成される。一代替実施形態では、第1および/または第2のベアリング面のうち1つまたは複数が、ベアリング面がZ成分も有するように軸A−Aに対して斜めに構成される。ベアリング面を軸A−Aに対して対称にもすることによって、自動的に中心に戻るエアベアリング構成を得ることができ、すなわち、Xはり7とX並進器6との間でベアリング面14a、14bまたは15a、15b上にガス圧力が存在するときに、X並進器6およびXはりが軸A−Aに対してもアライメントされる。そのような実施形態の一例が、図5に示されている。
【0051】
[0056] 先に、X並進器6のベアリング構成について詳細に説明してきた。類似の構造を使用して、固定子2上のy並進器4の摺動支持を行うことができる。方向x、y、およびzは、基板テーブル9を移動させることができる主方向を示すために使用されている。また、上部のという用語および下部のという用語は、異なるベアリング面を示すために使用されている。これらの方向および用語は、指示的なものであり、かつ説明のために使用したにすぎないと見なすべきである。本発明の一実施形態は、これらの方向のシステムに限定されず、任意の位置決めデバイスで使用して、並進器と固定子エレメントとの間の摺動移動の可能性を実現することができる。また、上部のという用語および下部のという用語は、それぞれに対応する部分を示すために使用されているにすぎず、本発明をそれぞれに対応する位置または向きに限定するものと見なすべきではない。
【0052】
[0057] ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に対して、具体的な言及がこの説明において行われることがあるが、本明細書に記載のリソグラフィ装置には、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用の誘導パターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造など、他の適用分野があることを理解されたい。そのような代替適用分野の文脈では、本明細書において「ウェーハ」または「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、より一般的な用語である「基板」または「ターゲット部分」と同義語と見なすことができることが、当業者には理解されよう。本明細書において言及される基板は、露光前または後に、例えばトラック(一般に、レジストの層を基板に与え、露光後のレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツール内で処理することができる。適用可能な場合、本明細書における開示は、そのような基板処理ツール、および他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、例えば多層ICを形成するために、基板を2回以上処理することもでき、したがって、本明細書で使用される基板という用語は、複数の処理済みの層をすでに含む基板を指すこともある。
【0053】
[0058] 光リソグラフィの文脈において、本発明の諸実施形態の使用に対して、上記で具体的な言及を行ってきたかもしれないが、本発明を、他の適用分野、例えばインプリントリソグラフィで使用することができ、文脈が許容する場合は、光リソグラフィに限定されないことが理解されよう。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが、基板上に形成されるパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジストの層へと押し込むことができ、その後すぐに、レジストが、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せを印加することによって硬化される。レジストが硬化された後、パターニングデバイスは、レジスト中にパターンを残した状態でそこから移される。
【0054】
[0059] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、(例えば、365、248、193、157もしくは126nmの波長、またはその近くの波長を有する)紫外(UV)放射、および(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)極端紫外(EUV)放射、ならびにイオンビームまたは電子ビームなどの粒子ビームを含む、あらゆるタイプの電磁放射を包含する。
【0055】
[0060] 「レンズ」という用語は、文脈が許容する場合、屈折光学コンポーネント、反射光学コンポーネント、磁気光学コンポーネント、電磁光学コンポーネント、および静電光学コンポーネントを含む、さまざまなタイプの光学コンポーネントのいずれか1つまたは組合せを指すことがある。
【0056】
[0061] 以上、本発明の具体的な諸実施形態について上記で説明してきたが、本発明を、説明した以外の方式で実施できることが理解されよう。例えば、本発明は、上記で開示した方法を記述した機械読取可能命令の1つもしくは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラムの形、またはそのようなコンピュータプログラムが中に記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気または光ディスク)の形をとることができる。
【0057】
[0062] 上記の説明は、限定するものではなく、例示のためのものである。したがって、添付の記載した特許請求の範囲に記載の範囲から逸脱することなく、説明したように本発明に対して修正を行えることが、当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトサポートを位置決めする位置決めデバイスであって、
それぞれに対応する第1および第2のスライダが取り付けられた、第1および第2の側ばりと、
前記第1および第2のスライダをそれぞれに対応する側ばりに沿って移動させるように構成された、第1および第2のモータと、
その第1および第2の端部の近傍でそれぞれ前記第1および第2のスライダに取り付けられ、第3のスライダがそこに取り付けられた横ばりであって、前記横ばりと前記第1および第2のスライダが一緒に取り付けられる、横ばりと、
前記オブジェクトサポートを支持する前記第3のスライダを、前記横ばりに沿って長手方向に移動させる第3のモータと、
前記第1、第2、および第3のスライダのうち少なくとも1つのスライダ内の流体ベアリングであって、使用の際に前記少なくとも1つのスライダの摺動方向に実質的に垂直である第1の方向に反力を作用させる複数のベアリング面を備える、流体ベアリングと
を備える、位置決めデバイス。
【請求項2】
前記複数のベアリング面が、互いに実質的に平行に構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記複数のベアリング面のうち2つが、前記第1の方向に互いに離隔して構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記流体ベアリングが、複数のエアベアリング面を備えるエアベアリングである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記複数のベアリング面が、前記第1の方向に対して斜角で構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記流体ベアリングが、前記第1の方向とは反対の第2の方向に反力を作用させるように構成された1つまたは複数の第2のベアリング面を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記流体ベアリングが、前記第1の方向とは反対の第2の方向に反力を作用させるように構成された複数の第2のベアリング面を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記複数の第2のベアリング面が、前記第2の方向に、互いに実質的に平行に、または互いに離隔して、または互いに実質的に平行にかつ離隔して構成される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記流体ベアリングが、前記第3のスライダ内に設けられる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記流体ベアリングが、前記第1の方向に実質的に垂直である第3の方向に反力を作用させるように構成された1つまたは複数の流体ベアリングを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記流体ベアリングが、前記第3の方向とは反対の第4の方向に反力を作用させるように構成された1つまたは複数の流体ベアリングを備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第1、第2、および第3のスライダのうち前記少なくとも1つのスライダが、少なくとも前記第1の方向に実質的に垂直な方向に延在する2つ以上のベアリングアームを備え、前記2つ以上のベアリングアームがそれぞれ、前記複数のベアリング面の1つを範囲設定する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1、第2、および第3のスライダのうち前記少なくとも1つのスライダが、少なくとも前記第1の方向に実質的に垂直な方向に延在する4つのベアリングアームを備え、前記4つのベアリングアームがそれぞれ、前記複数のベアリング面の1つを範囲設定する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1、第2、および第3のスライダのうち前記少なくとも1つのスライダが、少なくとも前記第1の方向に実質的に垂直な方向に延在する4つのベアリングアームを備え、前記4つのベアリングアームがそれぞれ、前記複数のベアリング面の少なくとも1つ、および前記第2のベアリング面の少なくとも1つを範囲設定する、請求項6に記載のデバイス。
【請求項15】
オブジェクトサポートを位置決めする位置決めデバイスであって、
それぞれに対応する第1および第2のスライダが取り付けられた第1および第2の側ばりと、
前記第1および第2のスライダをそれぞれに対応する側ばりに沿って移動させる第1および第2のモータと、
その第1および第2の端部の近傍でそれぞれ前記第1および第2のスライダに取り付けられ、第3のスライダがそこに取り付けられた横ばりであって、前記横ばりと前記第1および第2のスライダが一緒に取り付けられる、横ばりと、
前記オブジェクトサポートを支持する前記第3のスライダを、前記横ばりに沿って長手方向に移動させる第3のモータと、
前記第1、第2、および第3のスライダのうち少なくとも1つのスライダ内の流体ベアリングであって、使用の際に、前記少なくとも1つのスライダの摺動方向に実質的に垂直な平面内に少なくとも部分的にある第1の回転方向に、反作用トルクを相まって作用させる複数のベアリング面を備える、流体ベアリングと
を備える、位置決めデバイス。
【請求項16】
前記複数のベアリング面が、互いに実質的に平行に構成される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記複数のベアリング面のうち少なくとも2つが、前記摺動方向に実質的に垂直な方向に互いに離隔して構成される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
前記流体ベアリングが、複数のエアベアリング面を備えるエアベアリングである、請求項15に記載のデバイス。
【請求項19】
前記複数のベアリング面が、前記摺動方向に実質的に垂直な方向に対して斜角で構成される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項20】
前記流体ベアリングが、使用の際に前記第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に反作用トルクを相まって作用させるように構成された、1つまたは複数の第2のベアリング面を備える、請求項15に記載のデバイス。
【請求項21】
前記流体ベアリングが、使用の際に前記第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に反作用トルクを相まって作用させるように構成された、複数の第2のベアリング面を備える、請求項15に記載のデバイス。
【請求項22】
前記複数の第2のベアリング面が、前記摺動方向に実質的に垂直な方向に、互いに平行に、または互いに離隔して、または互いに平行にかつ離隔して構成される、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記流体ベアリングが、前記第3のスライダ内に設けられる、請求項15に記載のデバイス。
【請求項24】
前記第1、第2、および第3のスライダのうち前記少なくとも1つのスライダが、前記摺動方向に実質的に垂直な前記平面内に延在する2つ以上のベアリングアームを備え、前記2つ以上のベアリングアームがそれぞれ、前記複数のベアリング面の1つを範囲設定する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項25】
前記第1、第2、および第3のスライダのうち前記少なくとも1つのスライダが、前記摺動方向に実質的に垂直な平面内に延在する4つのベアリングアームを備え、前記4つのベアリングアームがそれぞれ、前記複数のベアリング面の1つを範囲設定する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第1、第2、および第3のスライダのうち前記少なくとも1つのスライダが、前記摺動方向に実質的に垂直な前記平面内に延在する4つのベアリングアームを備え、前記4つのベアリングアームがそれぞれ、前記複数のベアリング面の少なくとも1つ、および前記複数の第2のベアリング面の少なくとも1つを範囲設定する、請求項21に記載のデバイス。
【請求項27】
放射ビームの断面内にパターンを付与してパターン付き放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持する第1のオブジェクトサポートと、
基板を保持する第2のオブジェクトサポートと、
前記パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、
前記オブジェクトサポートのうち少なくとも1つのオブジェクトサポートを位置決めする位置決めデバイスであって、
それぞれに対応する第1および第2のスライダが取り付けられた第1および第2の側ばり、
前記第1および第2のスライダをそれぞれに対応する側ばりに沿って移動させる第1および第2のモータ、
その第1および第2の端部の近傍でそれぞれ前記第1および第2のスライダに取り付けられ、第3のスライダがそこに取り付けられた横ばりであって、前記横ばりと前記第1および第2のスライダが一緒に取り付けられる、横ばり、
前記少なくとも1つのオブジェクトサポートを支持する前記第3のスライダを、前記横ばりに沿って長手方向に移動させる第3のモータ、ならびに
前記第1、第2、および第3のスライダのうち少なくとも1つのスライダ内の流体ベアリングであって、使用の際に前記少なくとも1つのスライダの摺動方向に実質的に垂直である第1の方向に反力を作用させる複数のベアリング面を備える、流体ベアリングと
を備える位置決めデバイスと
を備えるリソグラフィ投影装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−67949(P2010−67949A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−145897(P2009−145897)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】