説明

カラー画像形成装置

【課題】トナー容器装着部を構成する部品の種類やトナー容器の種類を少なくし、コストダウンやリサイクル性の向上を図る。
【解決手段】 異なる色の画像を形成する複数の画像形成部2と、画像形成部2に供給されるトナーを収納したトナー容器26が着脱自在に装着される複数のトナー容器装着部27とを有するカラー画像形成装置において、複数のトナー容器装着部27は同じ形状のトナー容器26が装着される同じ構造に形成され、複数のトナー容器装着部27のうち、黒トナーを収納したトナー容器26Bが装着されるトナー容器装着部27Bが2つ以上設けられている。これにより、トナー容器装着部27を1種類設ければよく、トナー容器装着部27を構成する部品の種類が少なくなる。また、黒トナーの消費量が他のカラートナーに比べて多い場合でも、黒トナーがトナー切れとなる頻度が高くなることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラープリンタやカラー複写機等のカラー画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラープリンタやカラー複写機等のカラー画像形成装置においては、異なる色の画像を形成する複数の画像形成部が設けられており、さらに、各画像形成部へ供給するトナーを収納したトナー容器が着脱自在に装着される複数のトナー容器装着部が設けられた構造のものが知られている。
【0003】
各色毎の複数のトナー容器装着部を有するカラー画像形成装置においては、或る色のトナーが無くなった場合には、空になったトナー容器をトナー容器装着部から取外してその色のトナーを収納した新しいトナー容器をトナー容器装着部に装着すればよく、取り扱いが簡単である。
【0004】
ところで、カラー画像形成装置での各色毎のトナーの消費量は、黒トナーがカラートナー(イエロー、マゼンタ、シアンの各トナー)に比べかなり多くなっている。このため、カラートナーを収納するトナー容器に比べ、黒トナーを収納するトナー容器の容積を大きくしている。
【0005】
なお、黒トナーを収納するトナー容器とカラートナーを収納するトナー容器との容積を同じにすると、消費量の多い黒トナーがトナー切れになる頻度が高くなり、黒トナーを収納したトナー容器の交換のために画像形成作業を中断される頻度が高くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
黒トナーを収納するトナー容器と、カラートナーを収納するトナー容器の容積が異なるため、大小2種類のトナー容器を準備しなければならず、トナー容器のコストが高くなる。また、トナー容器のリサイクルに際しても非効率的となっている。
【0007】
さらに、トナー容器が装着されるトナー容器装着部についても大小2種類の構造となるため、トナー容器装着部を構成する部品の種類が多くなり、カラー画像形成装置自体のコスト高につながる。
【0008】
また、カラー画像形成装置に構造の異なるトナー容器装着部を形成すると、隣り合うトナー容器装着部の構造が異なる部分において、スペース的な無駄が生じやすくなり、カラー画像形成装置の小型化を図りにくくなる。
【0009】
本発明の目的は、トナー容器装着部を構成する部品の種類やトナー容器の種類を少なくし、コストダウンやリサイクル性の向上を図ることである。
【0010】
本発明の目的は、カラー画像形成装置の小型化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、異なる色の画像を形成する複数の画像形成部と、前記画像形成部に供給されるトナーを収納したトナー容器が着脱自在に装着される複数のトナー容器装着部と、前記画像形成部と前記トナー容器装着部との間に設けられたトナー搬送機構と、を有し、前記トナー容器装着部に装着された前記トナー容器内に収納されたトナーをそのトナーを使用する前記画像形成部に前記トナー搬送機構により供給するようにしたカラー画像形成装置において、複数の前記トナー容器装着部は同じ形状の前記トナー容器が装着される同じ構造に形成され、黒トナーを収納した前記トナー容器が装着される前記トナー容器装着部が2つ以上設けられていることを特徴とする。
【0012】
ここで、「トナー容器装着部の構造が同じである」とは、それらのトナー容器装着部を構成する部品が共通であり、各トナー容器装着部の形状及びサイズが同じであることを意味する。
【0013】
したがって、複数のトナー容器装着部が同じ構造に形成されているので、黒トナーを収納したトナー容器を装着するためのトナー容器装着部と黒トナー以外のカラートナーを収納したトナー容器を装着するためのトナー容器装着部との2種類のトナー容器装着部を設ける必要がなくなり、トナー容器装着部を構成する部品の種類が少なくなり、カラー画像形成装置のコストダウンを図れる。
【0014】
また、黒トナーを収納したトナー容器とカラートナーを収納したトナー容器とが同じ形状であって各トナー容器に収納されるトナー量が同じであっても、黒トナーを収納したトナー容器が装着されるトナー容器装着部が2つ以上設けられているので、黒トナーの消費量がカラートナーに比べて多い場合でも、黒トナーがトナー切れになる頻度が高くなるということ、及び、黒トナーがトナー切れになったために画像形成作業が中断される頻度が高くなるということは生じない。
【0015】
さらに、複数のトナー容器装着部には同じ形状のトナー容器が装着されるので、このカラー画像形成装置で使用されるトナー容器が1種類となり、トナー容器のコストダウンを図ることができるとともに、トナー容器のリサイクル性が高くなる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のカラー画像形成装置において、複数の前記トナー容器装着部は、横一列に配列されていることを特徴とする。
【0017】
したがって、同じ構造に形成された複数のトナー容器装着部が横一列に配列されることにより、構造が異なるトナー容器装着部を配列する場合に比べて隣り合うトナー容器装着部の間に無駄なスペースを発生させることなくトナー容器装着部を配列することができ、これにより、カラー画像形成装置の小型化を図ることができ、特に、高さ寸法を抑えることができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のカラー画像形成装置において、黒トナーを収納した前記トナー容器が装着される2つ以上の前記トナー容器装着部は隣合せに配置されていることを特徴とする。
【0019】
したがって、トナー容器装着部の数が多くなるとともに使用するトナー容器の数が多くなっても、黒トナーを収納したトナー容器を装着するトナー容器装着部を間違えることを防止できる。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載のカラー画像形成装置において、黒トナーを収納して前記トナー容器装着部に装着された2つ以上の前記トナー容器のうちの一つから黒トナーの供給を行わせるように切替自在であり、黒トナーの供給が行われていた一つの前記トナー容器内の黒トナーが無くなった場合に黒トナーを収納して他の前記トナー容器装着部に装着されている他の前記トナー容器から黒トナーの供給を行わせる切替手段を有することを特徴とする。
【0021】
したがって、1つのトナー容器内の黒トナーが無くなった場合に他のトナー容器から黒トナーを供給することができ、1つのトナー容器内の黒トナーが無くなった場合でも画像形成作業を中断することなく継続することができ、他のトナー容器から黒トナーを供給しているときに黒トナーが無くなったトナー容器を新しいものに交換することができる。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか一記載のカラー画像形成装置において、前記トナー容器装着部に装着されている前記トナー容器内のトナーが無くなったことを検知する検知手段と、トナーが無くなった前記トナー容器が装着されている前記トナー容器装着部を報知する報知手段とが設けられていることを特徴とする。
【0023】
したがって、各トナー容器装着部に装着されているトナー容器内のトナーが無くなったことが検知手段により検知され、かつ、トナーが無くなったことが報知手段により報知されるので、収納したトナーが無くなったトナー容器を新しいトナー容器に交換する作業を速やかに行うことが可能となる。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか一記載のカラー画像形成装置において、黒トナーを収納した前記トナー容器が装着される前記トナー容器装着部のみに対向する開口面積であってそのトナー容器装着部に装着される前記トナー容器を着脱可能とする開口面積を有する開口部が外装カバーに形成されていることを特徴とする。
【0025】
したがって、黒トナーを収納したトナー容器のトナー容器装着部への着脱を開口部から行うことができ、この開口部は黒トナーを収納したトナー容器が装着されるトナー容器装着部のみに対向する開口面積を有するためにトナー容器の着脱時にトナー容器や作業者の手等がトナー容器装着部の周囲の機構に触れるということを防止できる。このため、黒トナーを収納したトナー容器のトナー容器装着部への着脱を、安全性を維持しながら画像形成作業を中断させることなく行うことができる。なお、「外装カバー」とは、カラー画像形成装置の外側を覆っているカバーを意味する。
【発明の効果】
【0026】
請求項1記載の発明のカラー画像形成装置によれば、複数のトナー容器装着部が、同じ形状のトナー容器が装着される同じ構造に形成されているので、黒トナーを収納したトナー容器を装着するためのトナー容器装着部と黒トナー以外のカラートナーを収納したトナー容器を装着するためのトナー容器装着部との2種類のトナー容器装着部を設ける必要がなくなり、トナー容器装着部を構成する部品の種類を少なくしてカラー画像形成装置のコストダウンを図ることができる。また、黒トナーを収納したトナー容器とカラートナーを収納したトナー容器とが同じ形状であって各トナー容器に収納されるトナー量が同じであっても、黒トナーを収納したトナー容器が装着されるトナー容器装着部が2つ以上設けられているので、黒トナーの消費量がカラートナーに比べて多い場合でも、黒トナーがトナー切れになる頻度が高くなるということ、及び、黒トナーがトナー切れになったために画像形成作業が中断される頻度が高くなるということを防止できる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載のカラー画像形成装置において、複数の前記トナー容器装着部は、横一列に配列されているので、構造が異なるトナー容器装着部を配列する場合に比べて隣り合うトナー容器装着部の間に無駄なスペースを発生させることなくトナー容器装着部を配列することができ、これにより、カラー画像形成装置の小型化を図ることができ、特に、高さ寸法を抑えることができる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載のカラー画像形成装置において、黒トナーを収納した前記トナー容器が装着される2つ以上の前記トナー容器装着部は隣合せに配置されているので、トナー容器装着部の数が多くなるとともに使用するトナー容器の数が多くなっても、黒トナーを収納したトナー容器を装着するトナー容器装着部を間違えることを防止できる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれか一記載のカラー画像形成装置において、黒トナーを収納して前記トナー容器装着部に装着された2つ以上の前記トナー容器のうちの一つから黒トナーの供給を行わせるように切替自在であり、黒トナーの供給が行われていた一つの前記トナー容器内の黒トナーが無くなった場合に黒トナーを収納して他の前記トナー容器装着部に装着されている他の前記トナー容器から黒トナーの供給を行わせる切替手段を有するので、1つのトナー容器内の黒トナーが無くなった場合に他のトナー容器から黒トナーを供給することができ、1つのトナー容器内の黒トナーが無くなった場合でも画像形成作業を中断することなく継続することができる。
【0030】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし4のいずれか一記載のカラー画像形成装置において、前記トナー容器装着部に装着されている前記トナー容器内のトナーが無くなったことを検知する検知手段と、トナーが無くなった前記トナー容器が装着されている前記トナー容器装着部を報知する報知手段とが設けられているので、各トナー容器装着部に装着されているトナー容器内のトナーが無くなったことが検知手段により検知され、かつ、トナーが無くなったことが報知手段により報知されるので、収納したトナーが無くなったトナー容器を新しいトナー容器に交換する作業を速やかに行うことが可能となる。
【0031】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし5のいずれか一記載のカラー画像形成装置において、黒トナーを収納した前記トナー容器が装着される前記トナー容器装着部のみに対向する開口面積であってそのトナー容器装着部に装着される前記トナー容器を着脱可能とする開口面積を有する開口部が外装カバーに形成されているので、黒トナーを収納したトナー容器のトナー容器装着部への着脱を、安全性を維持しながら画像形成作業を中断させることなく開口部から行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はカラー画像形成装置の概略構造を示す正面図、図2はカラー画像形成装置の外観を示す斜視図、図3は黒トナーを収納したトナー容器の着脱構造を示す斜視図である。
【0033】
このカラー画像形成装置の本体ケース1内の略中央部には、異なる色(イエローY、マゼンタM、シアンC、黒B)の画像を形成する4個の画像形成部2が配置されている。なお、これらの画像形成部2は、使用するトナーの色が異なるために形成する画像の色が異なるものであり、構造は同じである。また、これらの画像形成部2の説明において、形成される画像の色について言及する場合には、イエローの画像を形成する画像形成部2には"Y"、マゼンタの画像を形成する画像形成部2には"M"、シアンの画像を形成する画像形成部2には"C"、黒の画像を形成する画像形成部2には"B"の添字を付して説明する。
【0034】
各画像形成部2は、矢印方向へ回転駆動される感光体ドラム3、感光体ドラム3の外周部に配置されたクリーニング器4、帯電器5、現像器6等により構成されている。クリーニング器4は感光体ドラム3の外周面に付着している残留トナーをクリーニングし、帯電器5は感光体ドラム3の表面を一様に帯電し、現像器6は感光体ドラム3の表面に書き込まれた静電潜像にトナーを付着させることによりトナー像を形成する。なお、各画像形成部2の各感光体ドラム3の表面に静電潜像を形成するためのレーザー光を出射する露光器7が画像形成部2の近傍に設けられ、露光器7から出射されたレーザー光を各感光体ドラム3の表面に照射するための照射用スリットが各画像形成部2における帯電器5と現像器6との間に確保されている。
【0035】
感光体ドラム3は、直径が30〜100mm程度のアルミニウム製円筒と、その表面に設けられた光導電性物質である有機半導体の層とにより形成されている。
【0036】
4個の画像形成部2は横一列に等間隔で配置され、各画像形成部2の感光体ドラム3の外周面の一部に接するように中間転写ベルト8が配置されている。
【0037】
中間転写ベルト8は、厚みが50〜600μmの樹脂フィルム又はゴムを基体として形成されたループ状のベルトで、感光体ドラム3上に形成されたトナー像が転写可能となる抵抗値を有している。この中間転写ベルト8は、ローラ9、10、11により支持されて矢印方向へ回転駆動される。中間転写ベルト8の裏側(ループの内側)には、各感光体ドラム3上のトナー像を中間転写ベルト8上に転写させるための4個の転写器12が配置されている。中間転写ベルト8の表側(ループの外側)には、中間転写ベルト8の表面に付着した残留トナーや紙粉等をクリーニングするクリーニング器13が配置されている。
【0038】
本体ケース1内における4個の画像形成部2の下方には、記録媒体(用紙)Sが積層保持される給紙カセット14が上下2段に配置されている。各給紙カセット14内に積層保持されている記録媒体Sは、最上位のものから順に分離給紙される。
【0039】
本体ケース1内には、給紙カセット14内から分離給紙された記録媒体Sが搬送される搬送経路15が形成されている。この搬送経路15上には、レジストローラ16、転写ベルト17、定着器18、排紙ローラ19等が配置されている。
【0040】
レジストローラ16は、所定のタイミングで間欠的に回転駆動されるローラである。このレジストローラ16が間欠的に回転駆動されることにより、レジストローラ16の位置まで搬送されて停止していた記録媒体Sが転写位置へ送り込まれる。
【0041】
転写ベルト17は、厚みが50〜600μmの樹脂フィルム又はゴムを基体として形成されたループ状のベルトで、ローラ20、21、22により支持されて矢印方向へ回転駆動される。転写ベルト17の裏側(ループの内側)には転写器23が配置され、転写ベルト17の表側には転写ベルト17の表面に付着した残留トナーや紙粉等をクリーニングするクリーニング器24が配置されている。中間転写ベルト8におけるその裏側をローラ10により支持された部分は、転写ベルト17の表面側におけるその裏側をローラ21と転写器23とにより支持された間の部分に押し付けられており、この部分が記録媒体Sに対してトナー像が転写される転写位置とされている。
【0042】
定着器18は、記録媒体S上に転写されたトナー像を熱と圧力とを加えて記録媒体Sに定着させる部分である。定着器18においてトナー像が定着された記録媒体Sは、排紙ローラ19により本体ケース1の上面部に形成されている排紙トレイ部25上に排紙される。
【0043】
本体ケース1内における4個の画像形成部2及び中間転写ベルト8の上方には、画像形成部2に供給されるトナーを収納したトナー容器26が着脱自在に装着される5つのトナー容器装着部27が設けられている。なお、トナー容器26、トナー容器装着部27の説明において、トナーの色について言及したい場合には、イエロートナーについては"Y"、マゼンタトナーについては"M"、シアントナーについては"C"、黒トナーについては"B"の添字を付して説明する。
【0044】
各トナー容器装着部27は、同じ形状のトナー容器26が装着される同じ構造に、即ち、共通の部品を用いて、同じ形状及び同じサイズに形成されており、1つはイエロートナーを収納したトナー容器26Yが装着されるトナー容器装着部27Y、1つはマゼンタトナーを収納したトナー容器26が装着されるトナー容器装着部27M、1つはシアントナーを収納したトナー容器26Cが装着されるトナー容器装着部27C、2つは黒トナーを収納したトナー容器26Bが装着されるトナー容器装着部27Bである。各トナー容器装着部27からは、それぞれのトナーの色と同じ色の画像を形成する画像形成部2Y、2M、2C、2Bへトナーを供給するトナー搬送機構(図示せず)が設けられている。
【0045】
5つのトナー容器装着部27は横一列に等間隔で配置されており、黒トナーを収納したトナー容器26Bが装着される2つのトナー容器装着部27Bは隣合せに配置されている。
【0046】
各トナー容器装着部27には、装着されるトナー容器26が載置されるスライド自在な載置板28、この載置板28に対して振動を付与することによりトナー容器26内からトナーを落下させる振動機構(図示せず)、装着されたトナー容器26から落下したトナーが一時的に貯留されるトナー貯留部(図示せず)、トナー貯留部に配置されてトナー容器装着部27に装着されているトナー容器26内のトナーが無くなったことを検知するためのセンサ(図示せず)等が設けられている。
【0047】
載置板28は、手前側(本体ケース1の正面側)と奥側とへスライド自在であり、手前側へスライドさせた載置板28へトナー容器26を図3に示すように横向きに載置し、トナー容器26を載置した載置板28を本体ケース1の奥側へ押し込むことにより、トナー容器装着部27へのトナー容器26の装着が終了する。
【0048】
トナー容器26の側面(載置板28に載置したときに載置板28に対向する面)には、保管時にはシールにより閉じられ、載置板28に載置された後にそのシールを剥がされることにより開口されるトナー供給口(図示せず)が形成されている。載置板28におけるこの載置板28上に載置されたトナー容器26のトナー供給口に対向する位置には開口(図示せず)が形成され、この開口の箇所には開閉自在なシャッター29が設けられている。このシャッター29はスプリングにより閉止方向に付勢され、載置板28を手前側に引き出したときに開口を閉止し、載置板28を奥側に押し込んだときに開口を開放する構造となっている。トナー容器26を載置した載置板28を奥側に押し込んでシャッター29を開放させ、その後、振動機構で載置板28及びトナー容器26に振動を与えることにより、トナー容器26内のトナーがトナー供給口と開口とを通過して落下し、一旦トナー貯留部に貯留され、その後にトナー搬送機構によりそのトナーの色に応じた各画像形成部2Y、2M、2C、2Bへ供給される。
【0049】
本体ケース1の正面側には、外装カバー30が設けられている。この外装カバー30は、画像形成部2や中間転写ベルト8、及び、トナー容器装着部27を覆う閉止位置と、画像形成部2や中間転写ベルト8、及び、トナー容器装着部27を露出させる開放位置とへ開閉自在に設けられている。
【0050】
外装カバー30の一部には開口部31が形成され、この開口部31には開閉自在な開口部カバー32が設けられている。開口部31には、黒トナーを収納したトナー容器26Bが装着されるトナー容器装着部27Bのみに対向する開口面積であってそのトナー容器装着部27Bに装着されるトナー容器26を着脱可能とする開口面積を有している。このため、開口部カバー32を開放して黒トナーを収納したトナー容器26Bを開口部31からトナー容器装着部27Bへ着脱するとき、トナー容器26Bや作業者の手等がトナー容器装着部27Bの周囲の機構に触れるということを防止できる。
【0051】
また、このカラー画像形成装置には、画像形成部2における画像形成動作、給紙カセット14からの給紙動作、各トナー容器26からのトナー供給動作を、各種のセンサの検知結果や、操作パネル(図示せず)に設けられた操作キーの入力結果に応じて制御するマイクロコンピュータ構成の制御部(図示せず)が設けられている。そして、このカラー画像形成装置には、制御部により実行される処理として各種の手段が設けられている。これらの各種の手段としては、検知手段、報知手段、切替手段等が設けられている。
【0052】
検知手段は、トナー容器装着部27に装着されているトナー容器26内のトナーが無くなったことを検知する処理である。或る画像形成部2内のトナーが所定量まで減少したことが検知されると、その色のトナーを収納しているトナー容器26が装着されているトナー容器装着部27の振動機構が駆動され、トナー容器26内のトナーがトナー貯留部に落下されるが、振動機構が所定時間駆動されてもトナー貯留部内のトナー量が所定量に達しないことをトナー貯留部内のセンサが検出した場合に実行される。
【0053】
報知手段は、トナーが無くなったトナー容器26が装着されているトナー容器装着部27を報知する処理である。或るトナー容器26内のトナーが無くなったことが検知手段により検知された場合、そのトナー容器26が装着されているトナー容器装着部27を報知する表示を操作パネル上で行ったり、各トナー容器装着部27に対応して設けられているLED(図示せず)を点灯させたりすることにより実行される。
【0054】
切替手段は、黒トナーの供給が行われていた一つのトナー容器26内の黒トナーが無くなった場合に、黒トナーを収納して他のトナー容器装着部27に装着されているトナー容器26からの黒トナーの供給を行わせる処理である。黒トナーを供給していたトナー容器26内の黒トナーが無くなったことが検知手段により検知された場合、黒トナーを収納した他のトナー容器26が装着されている他のトナー容器装着部27の振動機構を駆動させることにより実行される。
【0055】
このような構成において、各トナー容器装着部27に装着されたトナー容器26内のトナーは、振動機構が駆動されることによりトナー貯留部に落下され、トナー貯留部からそのトナーの色の画像形成が行われる画像形成部2に向けてトナー搬送機構により搬送される。
【0056】
各トナー装着部27に装着されているトナー容器26内のトナーが無くなった場合には、検知手段により検知され、その検知結果に応じて報知手段により報知される。このため、トナーが無くなったトナー容器26を新しいトナー容器26に交換する作業を速やかに行うことができる。
【0057】
カラートナーを収納したトナー容器26Y、26M、26Cの交換に際しては、外装カバーを開放して行う。なお、外装カバー30を開放した場合には、トナー容器装着部27の周囲に位置する機構、例えば、中間転写ベルト8等が露出されるため、安全性等を考慮して画像形成作業の動作が一時中断される。
【0058】
一方、黒トナーを収納したトナー容器26Bの交換に際しては、開口部カバー32を開放して開口部31を開口させ、この開口部31から行う。この開口部31は、トナー容器26Bが装着されるトナー容器装着部27Bのみに対向する開口面積を有するとともにトナー容器26Bを着脱可能とする開口面積を有するので、トナー容器26の着脱時にトナー容器26や作業者の手等がトナー容器装着部27Bの周囲の機構に触れるということを防止でき、トナー容器装着部27Bへのトナー容器26の着脱を、安全性を維持しながら画像形成作業を中断させることなく行うことができる。
【0059】
ここで、このようなカラー画像形成装置においては、黒トナーの消費量がカラートナーの消費量に比べて多い。しかし、カラートナーを収納したトナー容器26Y、26M、26Cが装着されるトナー容器装着部27Y、27M、27Cがそれぞれ1つであるのに対し、黒トナーを収納したトナー容器26Bが装着されるトナー容器装着部27が2つ設けられている。このため、黒トナーの消費量がカラートナーに比べて多い場合でも、黒トナーがトナー切れになる頻度が高くなるということ、及び、黒トナーがトナー切れになったために画像形成作業が中断される頻度が高くなるということは生じない。
【0060】
さらに、1つのトナー容器26B内の黒トナーが無くなった場合には、他のトナー容器26B内の黒トナーが供給されるように切替手段による切替えが行われるので、1つのトナー容器26B内の黒トナーが無くなった場合でも画像形成作業を中断することなく継続することができる。
【0061】
各色のトナーが収納されるトナー容器26は、全て同じ形状に形成さているので、カラートナーを収納する小型のトナー容器と、黒トナーを収納する大型のトナー容器との2種類のトナー容器を準備する必要がなくなり、トナー容器26のコストダウンを図ることができるとともに、トナー容器26のリサイクル性を高めることができる。
【0062】
さらに、各色のトナーを収納するトナー容器26が装着される全てのトナー容器装着部27が同じ構造に形成されているため、トナー容器装着部27を構成する部品の種類を減らすことができ、カラー画像形成装置のコストダウンを図ることができる。
【0063】
そして、同じ構造の5つのトナー容器装着部27が横一列に配列されているので、構造が異なるトナー容器装着部を配列する場合に比べて隣り合うトナー容器装着部27の間に無駄がスペースが発生しなくなり、カラー画像形成装置の小型化を図ることができる。特に、高さ寸法について小型化を図ることができる。
【0064】
また、5つのトナー容器装着部27のうち、黒トナーを収納したトナー容器26Bが装着される2つのトナー容器装着部27Bが隣合せに配置されているので、トナー容器装着部27Bにカラートナーを収納した他のトナー容器26Y、26M、26Cを装着するという誤操作を防止することができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、一方のトナー容器装着部27Bに装着されたトナー容器26B内の黒トナーが無くなった後に他方のトナー容器装着部27Bに装着されたトナー容器26B内の黒トナーを供給する切替手段を設けた場合を例に挙げて説明したが、2つのトナー容器装着部27Bの振動機構を同時に駆動させることにより、2つのトナー容器装着部27Bに装着されている2つのトナー容器26Bから黒トナーを同時に供給するようにしてもよい。
【0066】
また、2つのトナー容器装着部27Bと画像形成部2Bとの間に設けられるトナー搬送機構は、別個に設けてもよく、又は、共有させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施の形態のカラー画像形成装置の概略構造を示す正面図である。
【図2】カラー画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】黒トナーを収納したトナー容器の着脱構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
2(2Y、2M、2C、2B)画像形成部
26(26Y、26M、26C、26B)トナー容器
27(27Y、27M、27C、27B)トナー容器装着部
30外装カバー
31開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる色の画像を形成する複数の画像形成部と、前記画像形成部に供給されるトナーを収納したトナー容器が着脱自在に装着される複数のトナー容器装着部と、前記画像形成部と前記トナー容器装着部との間に設けられたトナー搬送機構と、を有し、前記トナー容器装着部に装着された前記トナー容器内に収納されたトナーをそのトナーを使用する前記画像形成部に前記トナー搬送機構により供給するようにしたカラー画像形成装置において、複数の前記トナー容器装着部は同じ形状の前記トナー容器が装着される同じ構造に形成され、黒トナーを収納した前記トナー容器が装着される前記トナー容器装着部が2つ以上設けられていることを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
複数の前記トナー容器装着部は、横一列に配列されていることを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項3】
黒トナーを収納した前記トナー容器が装着される2つ以上の前記トナー容器装着部は隣合せに配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のカラー画像形成装置。
【請求項4】
黒トナーを収納して前記トナー容器装着部に装着された2つ以上の前記トナー容器のうちの一つから黒トナーの供給を行われるように切替自在であり、黒トナーの供給が行われていた一つの前記トナー容器内の黒トナーが無くなった場合に黒トナーを収納して他の前記トナー容器装着部に装着されている他の前記トナー容器から黒トナーの供給を行わせる切替手段を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載のカラー画像形成装置。
【請求項5】
前記トナー容器装着部に装着されている前記トナー容器内のトナーが無くなったことを検知する検知手段と、トナーが無くなった前記トナー容器が装着されている前記トナー容器装着部を報知する報知手段とが設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載のカラー画像形成装置。
【請求項6】
黒トナーを収納した前記トナー容器が装着される前記トナー容器装着部のみに対向する開口面積であってそのトナー容器装着部に装着される前記トナー容器を着脱可能とする開口面積を有する開口部が外装カバーに形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載のカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−140549(P2007−140549A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−18780(P2007−18780)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【分割の表示】特願2002−7349(P2002−7349)の分割
【原出願日】平成14年1月16日(2002.1.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】