説明

カラー画像形成装置

【課題】本発明は、孤立ドットの印刷後のトナー濃度を均一にすることができ、良好なカラー画像を得ることができるカラー画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像ステーション毎の色ずれ量記憶手段から得られる色ずれ量をもとに色ずれ補正量を算出し、色ずれ補正量演算手段による算出結果から画素単位の色ずれを補正する。そして、色ずれ補正後の画像データに対して孤立ドットのパターン検出を行い、検出した孤立ドットの画素データに対しては、画素単位未満の副走査方向の位置ずれを補正する階調補正処理を行う。とともに、階調補正処理において、隣接する上下の2つのドットに分割して再現される孤立ドットの画素データに対しては、補正係数に応じた濃度補正処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並置された複数の像担持体により得られる複数の色画像を、搬送される転写材に順次重ね転写してカラー画像を形成するカラー画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を用いたカラー画像形成装置では、1つの感光体と複数の現像器を備え、露光、現像、転写等の画像形成工程を複数回繰り返し、1枚の転写紙上に複数の色画像を重ね合わせることによりフルカラーのプリント画像を得る方式が一般に用いられる。しかしながら、この方式には、1枚のフルカラープリント画像を得るために、3回から4回(黒色を用いた場合)の画像形成工程を繰り返す必要があり、時間がかかるという欠点があった。この欠点を補うために、複数の感光体と複数の現像器を用いて、色毎に得られた顕像を転写紙上に順次重ね合わせ、1回の通紙でフルカラーのプリント画像を得る方法がある。この方法によれば、スループットを大幅に短縮できる。
【0003】
一方、各感光体の位置精度や径のずれ、光学系の位置精度ずれなどに起因して、各色の転写紙上での位置ずれによる色ずれという問題が生じ、高品位なフルカラーのプリント画像を得ることが困難であった。この色ずれを防止する方法として、転写紙又は転写手段の一部を成す搬送ベルト上にテストトナー像を形成し、これに基づいて各光学系の光路を補正したり、各色の画像書き出し位置を補正する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、各色の画像データの出力座標位置を、レジストレーションずれを画素単位に補正した出力座標位置に変換し、更に、該変換された各色の画像データを最小ドット単位よりも小さい量で補正する構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭64−40956号公報
【特許文献2】特開平08−85237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された方法では、以下のような問題点が生じる。
【0006】
第1に、光学系の光路を補正するためには、光源やf−θレンズを含む補正光学系、光路内のミラー等を機械的に動作させ、テストトナー像の位置を合わせ込む必要があるが、このためには高精度な可動部材が必要となり、高コスト化を招く。また、補正の完了までに時間がかかるため、頻繁に補正を行うことが不可能であるが、光路長のずれは機械の昇温などにより時間と共に変化することがあり、このような場合には光学系の光路を補正することで色ずれを防止するのは困難となる。
【0007】
第2に、画像の書き出し位置を補正する場合、左端および左上部の位置ずれを補正することは可能であるが、光学系の傾きを補正したり、光路長のずれによる倍率ずれを補正することはできない。
【0008】
また、白領域(非露光領域)に孤立して存在する黒ドット(露光ドット)の画素データや黒領域(露光領域)に孤立して存在する白ドット(非露光ドット)の画素データに対する画素単位未満の色ずれ補正処理を行う。その結果、孤立ドットが1ドットで再現されたときの印字濃度と、上下のラインの隣接する2つのドットに分割して再現されたときの印字濃度が不均一どなり、正確に濃度を再現できないという問題がある。その一例を図18(a)〜図18(c)及び図19(d)〜図19(f)に示す。
【0009】
図18(a)は、色ずれ補正前の画像データの一例を示す図である。図18(a)に示す入力画像は、白領域(非露光領域)に孤立して点在する黒ドット(露光ドット)101a〜101eを含む画像データである。
【0010】
図18(b)及び図18(c)は、図18(a)に示す入力画像に対して、走査ラインの傾きを相殺するための座標位置の補正処理を行った画像データである。図18(b)は、画素単位での副走査方向の座標位置を補正するための座標変換処理を行った画像データである。図18(c)は、図18(b)の画素単位での座標変換処理を行った画像データに対して、画素単位未満での副走査方向の座標位置を補正するための階調補正処理を行った画像データである。このように、図18(a)に示す入力画像における1画素の黒ドット101b,101c,101dは、103b,103c,103dのように、上下ラインの隣接する2ドットに分割して再現されることになる。図19(f)のように、走査ラインが主走査方向8ドットに対して、副走査方向に1ドットの割合で傾いている場合の階調補正処理における各孤立ドットの濃度値の計算式を下記に示す。
【0011】
・孤立ドット103aの濃度値=102aの濃度値*8/8
・孤立ドット103bの濃度値=(上画素の濃度値)+(下画素の濃度値)
=102bの濃度値*2/8+102bの濃度値*6/8
・孤立ドット103cの濃度値=(上画素の濃度値)+(下画素の濃度値)
=102cの濃度値*4/8+102cの濃度値*4/8
・孤立ドット103dの濃度値=(上画素の濃度値)+(下画素の濃度値)
=102dの濃度値*6/8+102dの濃度値*2/8
・孤立ドット103eの濃度値=102eの濃度値*8/8
図19(d)に示す露光イメージは、図19(f)に示す副走査方向に傾いた走査ライン110によって、図18(b)に示す色ずれ補正後の画像データを感光体ドラム上に走査した露光結果を表したものである。そして、図19(d)に示す104b,104c,104dは、上下のラインの隣接する2つのドットが結合して再現される孤立ドットのイメージである。
【0012】
図19(e)に示すトナー濃度105a〜105eは、それぞれ図18(c)に示す露光イメージの印刷結果の孤立ドット104a〜104eのトナー濃度であり、1画素で再現された孤立ドット104a,104eを基準(100%)として相対的に示している。
【0013】
図19(e)に示すように、孤立ドット104b〜104dのトナー濃度が一定にならずに、更には、このような不均一な濃度値が周期的に繰り返された場合、色むらが顕在化してしまい、良好なカラー画像が得られないという問題点が発生する。
【0014】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、孤立ドットの印刷後のトナー濃度を均一にすることができ、良好なカラー画像を得ることができるカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、請求項1記載のカラー画像形成装置は、感光体と、各色信号で変調された光ビームを前記感光体に照射して静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段により前記感光体上に形成された静電潜像を顕像化する現像手段と、前記現像手段により顕像化された各色像を転写材に転写するための転写手段とを有する画像ステーションを備え、前記各画像ステーションで形成された色画像を順次搬送手段により搬送される転写材に転写してカラー画像を形成するカラー画像形成装置において、前記各画像ステーションは、印刷データから印刷処理が可能な画像データを出力する画像生成手段と、当該画像ステーション毎の色ずれ量を記憶する色ずれ量記憶手段と、前記色ずれ量記憶手段に記憶された色ずれ量に基づいて色ずれ補正量を算出する色ずれ補正量演算手段と、前記色ずれ補正量演算手段による算出結果から画素単位の色ずれを補正する座標変換手段と、前記画像データ内の孤立ドットのパターンを検出するパターン検出手段と、前記パターン検出手段により検出された孤立ドットのパターンに対して画素単位未満の色ずれを補正する階調補正手段と、前記階調補正手段による階調補正後の画像データを通常のハーフトーン処理ではない例外処理を行う例外処理手段と、前記孤立ドットのパターンとして検出されなかった画素に対してハーフトーン処理を行うハーフトーン処理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画像ステーション毎の色ずれ量記憶手段から得られる色ずれ量に基づいて色ずれ補正量を算出し、色ずれ補正量演算手段による算出結果から画素単位の色ずれを補正する。一方、画像データ内の孤立ドットのパターンを検出し、検出された孤立ドットのパターンに対して画素単位未満の色ずれを補正する。そして、階調補正手段による階調補正後の画像データを通常のハーフトーン処理ではない例外処理を行う一方、孤立ドットのパターンとして検出されなかった画素に対してハーフトーン処理を行う。この結果、階調補正処理にて、隣接する上下の2つのドットに分割して再現される孤立ドットの画素データに対して分割比率に応じた濃度補正処理を行うことで、孤立ドットの印刷後のトナー濃度を均一にすることができ、良好なカラー画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係るカラー画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【0019】
本発明の実施形態に係るカラー画像形成装置1は、例えば4ドラム方式のカラーレーザビームプリンタから成る。カラー画像形成装置1は、複数枚の転写材(記録紙等)を収納する転写材カセット53を備える。転写材カセット53に収納された転写材は、給紙ローラ54によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラ対55a,55bによって画像形成部(画像ステーション)に給送される。
【0020】
画像ステーションは、ドラム状の像担持体である感光体ドラム(感光体)14K,14M,14Y,14Cと、レーザスキャナからなる露光手段51K,51M,51Y,51Cと、転写手段とで構成される。カラー画像形成装置1は、各画像ステーションで形成された色画像を順次搬送手段により搬送される転写材に転写してカラー画像を形成する。
【0021】
露光手段51K,51M,51Y,51Cは、各色信号で変調された光ビームを感光体ドラム14K,14M,14Y,14Cに照射して静電潜像を形成する。
【0022】
現像ユニット52K,52M,52Y,52Cは、感光体ドラム14K,14M,14Y,14C、C(CYAN)、Y(YELLOW)、M(MAGENTA)、K(BLACK)の各色トナー、帯電器、及び現像器(現像手段)を有している。各現像ユニット52K,52M,52Y,52Cの筐体内の帯電器と現像器との間には、所定の間隙が設けられている。各帯電器は、感光体ドラム14K,14M,14Y,14Cの各周面を所定の電荷で一様に帯電させる。
【0023】
露光手段51K,51M,51Y,51Cは、帯電した感光体ドラム14K,14M,14Y,14Cの周面を画像情報に応じて露光して静電潜像を形成する。そして、現像器は、感光体ドラム14K,14M,14Y,14C上に形成された静電潜像の帯電部位にトナーを転移させて顕像化する。
【0024】
転写手段は、現像器により感光体上に顕像化された各色像を転写材に転写する。転写手段は、転写材を搬送するための転写材搬送ベルト10(搬送手段)と、複数の回転ローラ(搬送手段)と、転写材搬送ベルト10の搬送面を挟んで配置された転写部材57K,57M,57Y,57Cとで構成される。転写材搬送ベルト10は、複数の回転ローラによって転写材の搬送方向(図1の右から左方向に)に扁平に張設されている。転写材搬送ベルト10の搬送面に対向して感光体ドラム14K,14M,14Y,14Cが直線状に並置されている。
【0025】
感光体ドラム14K,14M,14Y,14Cの各周面上に形成(現像)されたトナー像は、それらに対応する転写部材57K,57M,57Y,57Cで形成される転写電界によって、搬送されてきた転写材に発生した電荷に吸収されて転写材面に転写される。
【0026】
トナー像が転写された転写材は、排紙ローラ対59a,59bによって装置外に排出される。なお、転写材搬送ベルト10は、C,Y,M,Kの各色トナーを一旦転写してから転写材に二次転写する構成の中間転写ベルトでも構わない。
【0027】
図2は、図1に示した感光ドラム14K,14M,14Y,14C上に走査される走査ラインのずれを説明するための図である。
【0028】
図2において、301は感光体ドラム14K,14M,14Y,14C上に走査される理想的な走査ラインである。走査ライン301は、感光体ドラム14K,14M,14Y,14Cの回転方向に対して垂直に走査が行われるものである。
【0029】
一方、302は感光体ドラム14K,14M,14Y,14Cの位置精度や径のずれ、および各色の露光手段51における光学系の位置精度ずれに起因した右上がりの傾きおよび湾曲が発生している実際の走査ラインである。このような走査ラインの傾きおよび湾曲が、いずれかの色の画像ステーションにおいて存在する場合、転写材(又は中間転写ベルト)に複数色のトナー像を一括転写した際に、色ずれが発生することになる。
【0030】
本実施の形態では、主走査方向(図示のX方向)において、印字領域の走査開始位置となるポイントAを基準点として、複数のポイント(ポイントB〜D)で理想的な走査ライン301と実際の走査ライン302の副走査方向(図示のY方向)のずれ量が測定される。そのずれ量を測定したポイント毎に複数の領域(Pa−Pb間を領域1、Pb−Pc間を領域2、Pc−Pd間を領域3とする)に分割して考え、各ポイント間を結ぶ直線(Lab,Lbc,Lcd)により、各領域の走査ラインの傾きを近似するものとする。なお、ポイント間のずれ量の差(領域1はm1、領域2はm2−m1、領域3はm3−m2)が正の値である場合、該当領域の走査ラインは右上がりの傾きを有することを示し、負の値である場合、右下がりの傾きを有することを示す。
【0031】
次に、走査ラインの傾きおよび湾曲により発生する色ずれを補正する色ずれ補正処理の動作を説明する。
【0032】
図3は、図1のカラー画像形成装置1内のプリンタエンジンとコントローラの概略構成を示すブロック図である。
【0033】
カラー画像形成装置1は、プリンタエンジン401と、コントローラ402とを備える。プリンタエンジン401は、上述した感光体ドラム14K,14M,14Y,14Cと、露光手段51K,51M,51Y,51Cと、転写材搬送ベルト10と、複数の回転ローラと、色ずれ量記憶手段403C,403M,403Y,403Kとを備える。プリンタエンジン401は、コントローラ402で生成された画像ビットマップ情報に基づいて実際に印字処理を行う。
【0034】
色ずれ量記憶手段403C,403M,403Y,403K(以下、単に「色ずれ量記憶手段403」と略す)には、色毎に、上述した領域毎の走査ラインのずれ量がそれぞれ記憶される。本実施の形態では、図2で説明した、複数のポイントで測定した実際の走査ライン301と理想的な走査ラインの副走査方向のずれ量が、走査ラインの傾きおよび湾曲を示す情報として色ずれ量記憶手段403に記憶される。色ずれ量記憶手段403に記憶される情報の一例を図4に示す。
【0035】
図4において、走査ラインの傾きおよび湾曲を示す情報は、定義された各領域に対する幅と傾きから成り、本実施の形態では、領域1〜3に対する幅L1,L2,L3(mm)と傾きm1,m2,m3(mm)で構成される。L1,L2,L3およびm1,m2,m3の詳細については後述する。
【0036】
なお、本実施の形態では、色ずれ量記憶手段403に、理想的な走査ラインと実際の走査ラインのずれ量を記憶するようにしているが、実際の走査ラインの傾きおよび湾曲の特性が識別可能な情報であれば、幅と傾きに限ったものではない。
【0037】
また、色ずれ量記憶手段403に記憶される情報は、画像形成装置1の製造工程において、理想的な走査ラインと実際の走査ラインのずれ量が測定され、該装置固有の情報として予め記憶されてもよい。また、上記ずれ量を検出する検出機構を装置自体に装備し、各色の感光体ドラム毎にずれを測定するための所定のパターンを形成して、該検出機構により検出したずれ量を記憶するような構成でも構わない。
【0038】
コントローラ402は、画像生成手段404と、色変換手段405と、ビットマップメモリ406を備える。また、コントローラ402は、色ずれ量記憶手段403に接続された色ずれ補正量演算手段407C,407M,407Y,407K(以下、単に「色ずれ補正量演算手段407」と略す)を備える。また、色ずれ補正手段408C,408M,408Y,408K(以下、単に「色ずれ補正手段408」と略す)と、例外処理手段409C,409M,409Y,409K(以下、単に「例外処理手段409」と略す)を備える。また、コントローラ402は、ハーフトーン処理手段410C,410M,410Y,410K(以下、単に「ハーフトーン処理手段410」と略す)を備える。さらに、ハーフトーン処理された画像データに基づいてパルス幅変調される光ビームの光量を補正するPWM(Pulse Width Modulation)411C,411M,411Y,411K(以下、単に「PWM411」と略す)を備える。
【0039】
次に、コントローラ402において、色ずれ量記憶手段403に記憶された走査ラインのずれ量を相殺するように画像データを補正して印刷処理を行う動作を説明する。
【0040】
画像生成手段404は、不図示のコンピュータ等の情報処理装置から受信する印刷データから印刷処理が可能なラスターイメージデータを生成し、RGBデータとしてドット毎に色変換手段405に出力する。
【0041】
色変換手段405は、RGBデータをプリンタエンジン401で処理可能なCMYK空間のデータに変換し、ビットマップメモリ406に色毎に蓄積する。ビットマップメモリ406は、印刷処理を行うラスターイメージデータ(以下、「画像データ」という)を一旦蓄積するものであり、1ページ分の画像データを蓄積するページメモリ、または複数ライン分のデータを記憶するバンドメモリである。
【0042】
色ずれ補正量演算手段407は、色ずれ量記憶手段403に記憶された走査ラインのずれ量の情報に基づき、ドット毎に、色ずれ補正手段408から指定される主走査方向の座標情報に対応した副走査方向の色ずれ補正量を算出する。そして、算出した色ずれ補正量を色ずれ補正手段408にそれぞれ出力する。
【0043】
主走査方向の座標データをx(ドット)、副走査方向の色ずれ補正量をΔy(ドット)とした場合、図2に示した各領域のΔyの演算式を以下に示す(なお、印字密度を600dpiとする)。
【0044】
領域1:Δy1=x*(m1/L1)
領域2:Δy2=m1*23.622+(x−L1*23.622)*((m2−m1)/(L2−L1))
領域3:Δy3=m2*23.622+(x−L2*23.622)*((m3−m2)/(L3−L2))
L1,L2,L3は、印刷開始位置から領域1、領域2、領域3の左端までの主走査方向の距離(mm)である。m1,m2,m3は、領域1、領域2、領域3の右端における理想的な走査ライン301と実際の走査ライン302のずれ量である。
【0045】
色ずれ補正手段408は、色ずれ補正量演算手段407によりドット毎に算出される色ずれ補正量に基づいて、ビットマップメモリ406に蓄積されたビットマップデータの座標変換および画素毎の露光量の調整を行う。これは、各色のトナー像を転写媒体に転写したときに、走査ラインの傾きや湾曲による色ずれ(レジストレーションずれ)を防ぐためである。
【0046】
次に、色ずれ量補正手段408について図5及び図6を用いて説明する。
【0047】
図5は、色ずれ量補正手段408の概略構成を示す図である。
【0048】
図5において、色ずれ補正手段408は、座標カウンタ801、座標変換手段802、ラインバッファ803、ウィンドウデータ804、パターン記憶部805、パターン検出手段806、及び階調補正手段807によって構成される。
【0049】
座標カウンタ801は、色ずれ補正処理の対象となる主走査方向および副走査方向の座標位置データを座標変換手段802に出力する。同時に、主走査方向の座標位置データを色ずれ量演算手段408に出力する。
【0050】
座標変換手段802は、座標カウンタ801からの主走査方向および副走査方向の座標位置データと、色ずれ補正量演算手段407より得られる色ずれ補正量Δyに基づき、当該Δyの整数部分の補正処理を行う。つまり画素単位での副走査方向に対する色ずれ補正処理(再構成処理)を行う。
【0051】
パターン検出手段806は、ラインバッファ803から得たn×m(本実施の形態においては3×3)のウィンドウデータ804と、パターン記憶部805に予め記憶されている階調補正処理を行うべき特定のパターンを比較する。これにより、画像データ内のパターン検出を行い、該階調補正処理を行うべき特定パターンの画素データであるか否かを後段に示す。
【0052】
階調補正手段807は、パターン検出手段806により、階調補正処理を行うべきパターンであると検出された画素に対して、色ずれ量演算手段407からの色ずれ補正量Δyに基づき、Δyの小数点以下の補正処理を行う。つまり副走査方向の隣接する上下のドットの露光比率の調整を行い画素単位未満での位置ずれ補正を行う。
【0053】
次に、階調補正手段807について図6を用いて説明する。
【0054】
図6は、階調補正手段807の概略構成を示す図である。
【0055】
図6において、階調補正手段807は、乗算器810,811、及び加算器812から構成され、主走査位置が同一なn−1ライン目及びnライン目の画素データを入力し、また入力された色ずれ補正量Δyに基づく補正係数α,βによって以下の演算処理を行う。
【0056】
P’n(x)=α*Pn−1(x)+β*Pn(x)
P’n(x):nライン目の主走査位置xの補正後の画素データ
Pn−1(x):n−1ライン目の主走査位置xの補正前の画素データ
Pn1(x):nライン目の主走査位置xの補正前の画素データ
α:色ずれ補正量Δyの小数部分
β:1−α
また、パターン検出手段806により階調補正処理を行うべきパターンでないと検出された画像データに対しては、画素未満の色ずれに関しては補正処理の必要ないと判断し、階調補正手段による階調補正を行わないものとする。
【0057】
図7(a)〜図7(c)は、座標変換手段802による色ずれ補正量Δyの整数部分のずれ量補正の内容を説明するための図である。
【0058】
座標変換手段802は、図7(a)に示すように、直線で近似された走査ラインの色ずれ情報から求められる色ずれ補正量Δyの整数部分の値に応じて、ビットマップメモリ406に蓄積された画像データの副走査方向(図示のY方向)の座標をオフセットする。
【0059】
例えば、図7(b)に示すように、座標カウンタ801からの副走査方向の座標位置がnである場合、主走査方向の座標位置をXとすると、主走査方向のX座標において、(1)の領域では、色ずれ補正量Δyが0以上1未満である。また、nライン目のデータを再構成する場合、ビットマップメモリからnライン目のデータを読み出す。
【0060】
(2)の領域では、色ずれ補正量Δyが1以上2未満であり、nライン目のデータを再構成する場合、1副走査ライン数をオフセットした位置の画像ビットマップつまりビットマップメモリからn+1ライン目のデータを読み出すための座標変換処理が行われる。同様に(3)の領域ではn+2ライン目、(4)の領域ではn+3ライン目のデータを読み出すため座標変換処理が行われる。
【0061】
以上の方法により画素単位での副走査方向の再構成処理が行われる。
【0062】
図7(c)は、座標変換手段802により画素単位での色ずれ補正のみを行った画像データを感光体ドラムに露光した様子を示す図である。
【0063】
図8(a)〜図8(c)及び図9(d)〜図9(f)は、階調補正手段807が行う画素単位未満の色ずれ補正、つまり色ずれ補正量Δyの小数点以下のずれ量補正の内容を説明するための図である。小数点以下のずれ量の補正は、副走査方向の隣接する上下の2つのドットの露光量の比率(露光比率)を調整することにより行われる。
【0064】
図8(a)は右上がりの傾きを有する走査ラインの一例を示す図である。図8(b)は階調補正前の水平な直線のビットマップイメージを示す図であり、図8(c)は図8(a)の走査ラインの傾きを相殺するために図8(b)のビットマップイメージが補正された補正ビットマップイメージを示す図である。図8(c)の補正ビットマップイメージを実現するために、副走査方向の隣接する上下の2つのドットの露光量調整を行う。図9(d)は色ずれ補正量Δyと階調補正を行うための補正係数との関係を表した表の一例を示す図である。
【0065】
図9(d)において、kは色ずれ補正量Δyの整数部分(小数点以下を切り捨て)であり、画素単位での副走査方向の補正量を表す。αとβは、画素単位未満の副走査方向の補正を行うための補正係数で、色ずれ補正量Δyの小数点以下の情報より、副走査方向の隣接する上下の2つのドットの露光量の比率を表し、下式により計算される。
【0066】
α=Δy−k(α:先行するドットの比率)
β=1−α(β:後行するドットの比率)
図9(e)は、図9(d)の補正係数に従って、副走査方向の隣接する上下の2つのドットの露光比率を調整するための階調補正を行ったビットマップイメージを示す図である。図9(f)は、図9(e)の階調補正されたビットマップイメージの感光体ドラムでの露光イメージを示す図であり、走査ラインの傾きが相殺され、水平な直線が形成されることになる。
【0067】
次に、図3における例外処理手段409およびハーフトーン処理手段410について説明する。
【0068】
例外処理手段409は、パターン検出手段806により検出された特定パターンの階調補正処理後の画素データに対して、ハーフトーン処理手段410によるハーフトーン処理とは異なる例外処理を行う。例外処理手段409は、パターン検出手段806により検出される特定のパターンに応じた最適な処理を行うものとする。これに対して、特定のパターンではない画素データに対しては、ハーフトーン処理手段410により通常のハーフトーン処理(ディザや誤差拡散などの擬似中間調処理)を行う。これら一連の処理を図10に示す。以下、ステップ毎に説明する。
【0069】
ステップS121:座標変換手段802を用いて座標変換をして画素単位以上の色ずれに対する補正を行う。ステップS122へ進む。
【0070】
ステップS122:ステップS121で座標変換した画像データをラインバッファ803に格納する。ステップS123へ進む。
【0071】
ステップS123:パターン検出手段806により、画像データ内の特定のパターンを検出する。予めパターン記憶部805に登録された特定のパターンが検出された場合は、ステップS124へ進み、特定のパターンが検出されなかった場合はステップS125へ進む。
【0072】
ステップS124:検出した特定のパターンの画素データに対して階調補正手段807により階調補正を行い、画素単位未満の色ずれ補正を行う。ステップS126へ進む。
【0073】
ステップS125:特定のパターンでない画素データに対してハーフトーン処理を行う。
【0074】
ステップS126:画素単位未満の色ずれ補正がなされた特定のパターンの画素データに対して例外処理を行う。
【0075】
例外処理手段409およびハーフトーン処理手段410より得られた画素データは、パターン検出手段806の検出結果に基づき適宜選択され、PWM部411によってパルス幅変調され、2値のレーザ駆動信号としてプリンタエンジン401に出力される。
【0076】
次に、パターン記憶部805に特定のパターンとして孤立ドットのパターンを登録したときの階調補正処理および例外処理について説明する。
【0077】
例外処理手段409は、階調補正処理にて、隣接する上下の2つのドットに分割して再現される孤立ドットの印字後のトナー濃度が1ドットで再現される孤立ドットのトナー濃度と同等になるように、濃度補正処理を行うものである。すなわち、階調補正処理を行った画素データに対して、階調補正処理時の補正係数値に応じて濃度補正処理を行うものである。
【0078】
図11は、孤立ドットパターンの画素データの色ずれ補正処理を示すフローチャートである。
【0079】
ステップS131:パターン検出手段806により、検出すべき画像データ内の孤立ドットのパターンを検出する。孤立ドットのパターンの画素であった場合は、ステップS133へ進み、孤立ドットのパターンの画素でなかった場合はステップS132へ進む。ここで、パターン検出手段806は、白領域(非露光領域)中に孤立して存在する黒ドット(露光ドット)か、或いは、黒領域(露光領域)中に孤立して存在する白ドット(非露光ドット)を検出し、後段の例外処理手段409に出力する。
【0080】
ステップS132:孤立ドットのパターンでない画素データに対してハーフトーン処理を行う。
【0081】
ステップS133:孤立ドットのパターンである画素データに対して階調補正手段807により階調補正を行い、画素単位未満の色ずれ補正を行うとともに、階調補正処理時の補正係数α,βの大きいほうの値を付加して後段の例外処理手段409に出力する。ステップS134へ進む。
【0082】
ステップS134:孤立ドットが白領域中に存在する黒ドットの場合、ステップS135に進み、黒領域中に存在する白ドットの場合、ステップS140に進む。
【0083】
ステップS135:補正係数の値に応じてステップS136〜ステップS139の処理を行う。
【0084】
ステップS136:補正係数の値が1.0の場合、孤立ドットが1画素で再現されているので濃度補正処理を行わない。
【0085】
ステップS137:補正係数の値が0.8以上で1.0未満の場合、孤立ドットが隣接する上下の2画素で再現されているので階調補正後の画素データに対して1.1倍の濃度補正処理を行う。
【0086】
ステップS138:補正係数の値が0.6以上で0.8未満の場合、孤立ドットが隣接する上下の2画素で再現されているので階調補正後の画素データに対して1.2倍の濃度補正処理を行う。
【0087】
ステップS139:補正係数の値が0.6未満の場合、孤立ドットが隣接する上下の2画素で再現されているので階調補正後の画素データに対して1.3倍の濃度補正処理を行う。
【0088】
ステップS140:補正係数の値に応じてステップS141〜ステップS144の処理を行う。
【0089】
ステップS141:補正係数の値が1.0の場合、孤立ドットが1画素で再現されているので濃度補正処理を行わない。
【0090】
ステップS142:補正係数の値が0.8以上で1.0未満の場合、孤立ドットが隣接する上下の2画素で再現されているので階調補正後の画素データに対して0.9倍の濃度補正処理を行う。
【0091】
ステップS143:補正係数の値が0.6以上で0.8未満の場合、孤立ドットが隣接する上下の2画素で再現されているので階調補正後の画素データに対して0.8倍の濃度補正処理を行う。
【0092】
ステップS144:補正係数の値が0.6未満の場合、孤立ドットが隣接する上下の2画素で再現されているので階調補正後の画素データに対して0.7倍の濃度補正処理を行う。
【0093】
次に、上記処理による白領域中の黒レベルの孤立ドットの色ずれ補正処理の流れを図12(a)〜図14(f)を用いて説明する。
【0094】
図12(a)に示す入力画像は、白領域(非露光領域)に孤立して点在する黒ドット(露光ドット)901a〜901eを含む画像データである。
【0095】
図12(b)には、主走査方向の各画素位置における副走査方向の色ずれ補正量Δy、副走査方向の画素単位の座標変換量k、階調補正処理時の補正係数α,βを示す。
【0096】
図13(c)及び図13(d)に示す画像データは、図12(a)に示す入力画像に対して、走査ラインの副走査方向への傾きを相殺するための座標位置の補正処理を行った画像データである。図13(c)に示す画像データは、画素単位での副走査方向の座標位置を補正するための座標変換処理を行った画像データである。
【0097】
図13(d)に示す画像データは、図13(c)の画素単位での座標変換処理を行った画像データに対して、画素単位未満での副走査方向の座標位置を補正するための階調補正処理を行った画像データである。この処理により、図12(a)に示す入力画像データにおける1画素の黒ドット901b,901c,901dは、903b,903c,903dのように、上下ラインの隣接する2つのドットに分割して再現されることになる。以下に、(b)の色ずれ補正量に基づく該階調補正処理における各孤立ドットの濃度値の計算式を示す。
【0098】
・孤立ドット903aの濃度値=902aの濃度値*1.0
・孤立ドット903bの濃度値=(上画素の濃度値)+(下画素の濃度値)
=902bの濃度値*0.25+902bの濃度値*0.75
・孤立ドット903cの濃度値=(上画素の濃度値)+(下画素の濃度値)
=902cの濃度値*0.5+902cの濃度値*0.5
・孤立ドット903dの濃度値=(上画素の濃度値)+(下画素の濃度値)
=902dの濃度値*0.75+902dの濃度値*0.25
・孤立ドット903eの濃度値=902eの濃度値*1.0
図14(e)に示す画像データは、孤立ドットの例外処理後の画像データであり、階調補正処理時の補正係数α,βの大きいほうの値に応じて濃度補正処理を行ったものである。以下に各孤立ドットの濃度補正の演算式を示す。
【0099】
・孤立ドット904a(補正係数1.0)の場合:903aの濃度値*1.0
・孤立ドット904b(補正係数0.75)の場合:(上画素の濃度値)+(下画素の濃度値)=903b1の濃度値*1.2+903b2の濃度値*1.2
・孤立ドット904c(補正係数0.5)の場合:(上画素の濃度値)+(下画素の濃度値)=903c1の濃度値*1.3+903c2の濃度値*1.3
・孤立ドット904d(補正係数0.75)の場合:(上画素の濃度値)+(下画素の濃度値)=903d1の濃度値*1.2+903d2の濃度値*1.2
・孤立ドット904e(補正係数1.0)の場合:903eの濃度値*1.0
図14(f)の露光イメージ905a〜905eは、図12(b)の副走査方向に傾きのある走査ライン910により、図14(e)の例外処理後の孤立ドットパターンの画素データ904a〜904eを感光体ドラム上に走査した露光結果を表したものである。
【0100】
図14(f)において、905b,905c,905dは、上下2ラインの2つのドットが結合して再現される孤立ドットの露光イメージである。905b2,905c2,905d2は、例外処理を行わなかった場合、すなわち図13(d)の903b,903c,903dを露光した場合の孤立ドットの大きさを示したものである。隣接する上下の2ドットに分割して再現される孤立ドットについては、印字後のトナー濃度が1ドットで再現される孤立ドットのトナー濃度と同等になるように、補正係数に応じて例外処理により濃度値を濃い方向に補正することで、露光ドットの大きさが補正される。
【0101】
このように、パターン検出手段806で検出された白領域(非露光領域)中に存在する黒レベルの孤立ドット(露光ドット)に対して階調補正処理を行う場合は以下の例外処理を行う。すなわち、副走査方向に隣接する上下の2つのドットに分割して再現される孤立ドットについては、階調補正処理時の補正係数に応じて、その濃度値を濃い方向に補正する例外処理を行う。これにより、1ドットで再現される孤立ドットと同等のトナー濃度レベルにすることが可能となる。
【0102】
次に、黒領域(露光領域)中の白レベルの孤立ドット(非露光ドット)に対する色ずれ補正処理の流れを図15(a)〜図17(f)を用いて説明する。
【0103】
図12(a)〜図14(f)の場合と同様に、図16(c)に示す画素単位の色ずれ補正処理、図16(d)に示す画素単位未満の色ずれ補正処理が行われる。ここで図17(e)に示す例外処理においては、階調補正処理時の補正係数α,βの大きいほうの値に応じて濃度補正処理を行うものである。以下に各孤立ドットの濃度補正の演算式を示す。
・孤立ドット1004a(補正係数1.0)の場合:1003aの濃度値*1.0
・孤立ドット1004b(補正係数0.75)の場合:(上画素の濃度値)+(下画素の濃度値)=1003b1の濃度値*0.8+1003b2の濃度値*0.8
・孤立ドット1004c(補正係数0.5)の場合:(上画素の濃度値)+(下画素の濃度値)=1003c1の濃度値*0.7+1003c2の濃度値*0.7
・孤立ドット1004d(補正係数0.75)の場合:(上画素の濃度値)+(下画素の濃度値)=1003d1の濃度値*0.8+1003d2の濃度値*0.8
・孤立ドット1004e(補正係数1.0)の場合:903eの濃度値*1.0
図17(f)の露光イメージ1005a〜1005eは、図15(b)の副走査方向に傾きのある走査ライン910で図17(e)の例外処理後の孤立ドットパターンの画素データ1004a〜1004eを感光体ドラム上に走査した露光結果を表したものである。
【0104】
図17(f)において、1005b,1005c,1005dは、分割比率の異なった、上下2ラインの2つのドットが結合して再現される孤立ドットである。そして、1ドットで再現される孤立ドット1005a,1005eのトナー濃度と同等になるように、分割比率に応じて例外処理手段409により濃度値を薄い方向に補正することによって露光ドットの大きさが補正される。
【0105】
このように、パターン検出手段806で検出された黒領域(露光領域)中に存在する白レベルの孤立ドット(非露光ドット)に対して階調補正処理を行う場合は以下の例外処理を行う。すなわち、副走査方向に隣接する上下の2つのドットに分割して再現される孤立ドットについては、階調補正処理時の補正係数に応じて、その濃度値を薄い方向に補正する例外処理を行う。これにより、1ドットで再現される孤立ドットと同等のトナー濃度レベルにすることが可能となる。
【0106】
上記実施の形態によれば、画像ステーション毎の色ずれ量記憶手段から得られる色ずれ量に基づいて色ずれ補正量を算出し、色ずれ補正量演算手段による算出結果から画素単位の色ずれを補正する。そして、色ずれ補正後の画像データに対して孤立ドットのパターン検出を行い、検出した孤立ドットの画素データには画素単位未満の副走査方向の位置ずれを補正する階調補正処理を行う。そして、階調補正処理において、隣接する上下の2つのドットに分割して再現される孤立ドットの画素データに対しては、分割比率に応じた濃度補正処理を行う。これにより、孤立ドットの印刷後のトナー濃度を均一にすることができ、良好なカラー画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施形態に係るカラー画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】図1に示した感光ドラム14K,14M,14Y,14C上に走査される走査ラインのずれを説明するための図である。
【図3】図1のカラー画像形成装置1内のプリンタエンジンとコントローラの概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示した色ずれ量記憶手段403C,403M,403Y,403Kに記憶される情報の一例を示す図である。
【図5】色ずれ量補正手段408の概略構成を示す図である。
【図6】階調補正手段807の概略構成を示す図である。
【図7】(a)〜(c)は、座標変換手段802による色ずれ補正量Δyの整数部分のずれ量を補正する動作を説明するための図である。
【図8】階調補正手段807が行う画素単位未満の色ずれ補正の内容を説明するための図であり、(a)は右上がりの傾きを有する走査ラインの一例を示し、(b)は階調補正前の水平な直線のビットマップイメージを示し、(c)は補正ビットマップイメージを示す。
【図9】階調補正手段807が行う画素単位未満の色ずれ補正の内容を説明するための図であり、(d)は色ずれ補正量Δyと階調補正を行うための補正係数との関係を表した表の一例を示し、(e)は図8(d)の補正係数に従って、副走査方向の前後のドットの露光比率を調整するための階調補正を行ったビットマップイメージを示し、(f)は階調補正されたビットマップイメージの感光体ドラムでの露光イメージを示す。
【図10】色ずれ補正手段408における色ずれ補正処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】孤立ドットパターンの画素データの色ずれ補正処理を示すフローチャートである。
【図12】白領域中の黒レベルの孤立ドットの色ずれ補正処理の流れを示す図であり、(a)は色ずれ補正前の画像データ、(b)は色ずれ補正量の一例を示す。
【図13】白領域中の黒レベルの孤立ドットの色ずれ補正処理の流れを示す図であり、(c)は色ずれ補正後(画素単位)の画像データ、(d)は色ずれ補正後(画素単位未満)の画像データの一例を示す。
【図14】白領域中の黒レベルの孤立ドットの色ずれ補正処理の流れを示す図であり、(e)は例外処理後(濃度補正)の画像データ、(f)は露光イメージの一例を示す。
【図15】黒領域中の白レベルの孤立ドットの色ずれ補正処理の流れを示す図であり、(a)は色ずれ補正前の画像データ、(b)は色ずれ補正量の一例を示す。
【図16】黒領域中の白レベルの孤立ドットの色ずれ補正処理の流れを示す図であり、(c)は色ずれ補正後(画素単位)の画像データ、(d)は色ずれ補正後(画素単位未満)の画像データの一例を示す。
【図17】黒領域中の白レベルの孤立ドットの色ずれ補正処理の流れを示す図であり、(e)は例外処理後(濃度補正)の画像データ、(f)は露光イメージの一例を示す。
【図18】(a)〜(c)は従来例における孤立ドットの濃度ムラを説明するための図である。
【図19】(d)〜(f)は従来例における孤立ドットの濃度ムラを説明するための図である。
【符号の説明】
【0108】
1 画像形成装置
401 プリンタエンジン
402 コントローラ
403C,403M,403Y,403K 色ずれ量記憶手段
404 画像生成手段
405 色変換手段
406 ビットマップメモリ
407C,407M,407Y,407K 色ずれ補正量演算手段
408C,408M,408Y,408K 色ずれ補正手段
409C,409M,409Y,409K 例外処理手段
410C,410M,410Y,410K ハーフトーン処理手段
801 座標カウンタ
802 座標変換手段
803 ラインバッファ
805 パターン記憶部
806 パターン検出手段
807 階調補正手段
810,811 乗算器
812 加算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、各色信号で変調された光ビームを前記感光体に照射して静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段により前記感光体上に形成された静電潜像を顕像化する現像手段と、前記現像手段により顕像化された各色像を転写材に転写するための転写手段とを有する画像ステーションを備え、前記各画像ステーションで形成された色画像を順次搬送手段により搬送される転写材に転写してカラー画像を形成するカラー画像形成装置において、
前記各画像ステーションは、印刷データから印刷処理が可能な画像データを出力する画像生成手段と、
当該画像ステーション毎の色ずれ量を記憶する色ずれ量記憶手段と、
前記色ずれ量記憶手段に記憶された色ずれ量に基づいて色ずれ補正量を算出する色ずれ補正量演算手段と、
前記色ずれ補正量演算手段による算出結果から画素単位の色ずれを補正する座標変換手段と、
前記画像データ内の孤立ドットのパターンを検出するパターン検出手段と、
前記パターン検出手段により検出された孤立ドットのパターンに対して画素単位未満の色ずれを補正する階調補正手段と、
前記階調補正手段による階調補正後の画像データを通常のハーフトーン処理ではない例外処理を行う例外処理手段と、
前記孤立ドットのパターンとして検出されなかった画素に対してハーフトーン処理を行うハーフトーン処理手段とを備えることを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
前記パターン検出手段は、非露光領域に孤立して存在する露光ドットのパターン又は露光領域に孤立して存在する非露光ドットのパターンを検出することを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項3】
前記例外処理手段は、前記パターン検出手段により前記非露光領域に孤立して存在する露光ドットのパターンが検出され、前記階調補正手段により前記孤立ドットが副走査方向に隣接する2つのドットに分割して再現される場合、前記孤立ドットの濃度値を濃い方向に補正することを特徴とする請求項2記載のカラー画像形成装置。
【請求項4】
前記例外処理手段は、前記パターン検出手段により前記露光領域に孤立して存在する非露光ドットのパターンが検出され、前記階調補正手段により前記孤立ドットが副走査方向に隣接する2つのドットに分割して再現される場合、前記孤立ドットの濃度値を薄い方向に補正することを特徴とする請求項2記載のカラー画像形成装置。
【請求項5】
前記例外処理手段は、前記孤立ドットが前記階調補正手段によって副走査方向に隣接する2つのドットに分割して再現される際の補正係数に応じて濃度補正処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項の記載のカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−56647(P2009−56647A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−224553(P2007−224553)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】