説明

カーボンナノチューブ配線及びその製造方法

【課題】カーボンナノチューブを有するプラグ配線において良好な電気的接続を得ることができるカーボンナノチューブ配線及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1配線層12上に層間絶縁膜13が形成され、層間絶縁膜13上に第2配線層14が形成されている。第1配線層12と第2配線層14との間の層間絶縁膜13内にはコンタクト孔15が形成される。コンタクト孔15内には、一端が第1配線層12に接続され、他端が第2配線層14に接続された複数のカーボンナノチューブ16が形成されている。さらに、層間絶縁膜13と第2配線層14との間にはストッパ膜17が形成され、ストッパ膜17の一部は複数のカーボンナノチューブ16の前記他端間に充填されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブ配線及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(1)開端の問題
カーボンナノチューブ(CNT:Carbon Nanotube)は、チューブ面に並行にバリスティック伝導をするために、配線の長さによらず低抵抗な配線が得られることが期待されている。また、チューブ壁を何層か持つマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT:Multi-Walled Carbon Nanotube)では、ウォールの分だけ電流が流れるのでシングルウォールカーボンナノチューブの抵抗をRとすると、抵抗値はR/n(nは壁の枚数)になる。
【0003】
一方、カーボンナノチューブでは壁から壁へ横切る方向の伝導は非常に抵抗が高い。一般に、MWCNTを成長させると、その成長の終端はドーム状に閉口している。今、理想的にMWCNTの成長高さが揃っていてMWCNTの上面で配線金属と接触していたとしても、MWCNTの内部の並列の伝導パスを使うためには、必ず数層の側壁を横断する電流を流さないといけない。
【0004】
更に、現実的にはMWCNTの長さにはばらつきがあり、ビア(Via)開口部からはみ出した部分は横方向に倒れたり、傾いたりしているので、上層配線金属はMWCNTの側壁と接触することになる。
【0005】
したがって、MWCNTの低抵抗のメリットが十分に活用できないという問題がある。これは低抵抗という観点だけでなく、電流密度耐性という観点からも、すなわちMWCNT内の全ての壁を伝導に使えないのは電流密度という点からも効率を落としている。
【0006】
これらの問題を解決するために、MWCNTの端の結晶構造を破壊し(開端プロセス)、上部配線とMWCNT内部の多層壁面とが接触するように接続を取ることが考えられる。この開端プロセスとしては、プラズマやUV、イオンビームなどのエネルギー線を照射して構造の破壊を行う方法や、酸素、水素、フッ素などの化学種、ラジカルを作用させて開端する手法などが考えられる。
【0007】
しかしながら、個々のカーボンナノチューブ間には空間があるので、現実のカーボンナノチューブ配線構造に対してこれらの開端処理を行うと、開端を行いたいカーボンナノチューブ先端部分以外の部分も結晶構造が破壊されてしまう問題がある。さらに、カーボンナノチューブの根元である第1配線の表面が変化をおこしてしまうことがある。
【0008】
(2)ホール部分からの余剰成長とCMP(Chemical Mechanical Polish)除去の困難
ビアホールやコンタクトホール(以下、コンタクト孔)にカーボンナノチューブを成長させたとき、カーボンナノチューブがホールの高さよりも突き出して成長する場合がある。この余剰のカーボンナノチューブはCMPなどを用いて除去されるが、カーボンナノチューブはCMPのレートが遅いために層間絶縁膜が削れる一方でカーボンナノチューブが層間絶縁膜上に残り、ごみになる不具合が起こる。
【0009】
また、カーボンナノチューブを固定するために、SOG(Spin On Glass)を塗布してCMPを行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。それでも一般に、SOGのCMPレートは早く、カーボンナノチューブは削れにくいので、カーボンナノチューブを引きずったり、ホールから引き抜いてしまったり、または、カーボンナノチューブはまったく削れず、SOGやその下の層間絶縁膜だけが削れて行き、カーボンナノチューブはただ倒されるだけということが起こる。このような状態でカーボンナノチューブ上に第2配線を形成すると、パターン不良やごみの発生による電気的な不良を引き起こす。
【0010】
CMPではなくプラズマエッチングを用いて、カーボンナノチューブの余剰部分を除去する方法もあるが、「開端の問題」で述べたように、カーボンナノチューブ先端のみならず、カーボンナノチューブの側壁やカーボンナノチューブ下の配線へのダメージが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−41954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、カーボンナノチューブを有するプラグ配線において良好な電気的接続を得ることができるカーボンナノチューブ配線及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1実施態様のカーボンナノチューブ配線は、第1配線層と、前記第1配線層上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成された第2配線層と、前記第1配線層と前記第2配線層との間の前記層間絶縁膜内に形成されたコンタクト孔と、前記コンタクト孔内に形成され、一端が前記第1配線層に接続され、他端が前記第2配線層に接続された複数のカーボンナノチューブと、前記層間絶縁膜と前記第2配線層との間に形成され、一部が前記複数のカーボンナノチューブの前記他端間に充填されたストッパ膜とを具備することを特徴とする。
【0014】
本発明の第2実施態様のカーボンナノチューブ配線の製造方法は、第1配線層上に層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1配線層上の前記層間絶縁膜内にコンタクト孔を形成する工程と、前記コンタクト孔内の前記第1配線層上にカーボンナノチューブを成長させ、前記コンタクト孔から先端が突き出た複数のカーボンナノチューブを形成する工程と、前記層間絶縁膜上及び前記複数のカーボンナノチューブ間に、ストッパ膜を形成する工程と、前記ストッパ膜上及び前記複数のカーボンナノチューブ上に絶縁膜を形成する工程と、前記ストッパ膜をストッパとして用い、前記ストッパ膜上の前記絶縁膜と共に、前記コンタクト孔上の前記複数のカーボンナノチューブを除去する工程と、前記複数のカーボンナノチューブ上に第2配線層を形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0015】
本発明の第3実施態様のカーボンナノチューブ配線の製造方法は、第1配線層上に層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1配線層上の前記層間絶縁膜内にコンタクト孔と配線溝を形成する工程と、前記コンタクト孔内の第1配線層上にカーボンナノチューブを成長させ、コンタクト孔から先端が突き出た複数のカーボンナノチューブを形成する工程と、前記コンタクト孔上の前記複数のカーボンナノチューブ間に、保護膜を形成する工程と、前記保護膜をエッチングし、前記コンタクト孔上に前記保護膜の一部の膜を残したまま、前記複数のカーボンナノチューブの端部を露出する工程と、前記複数のカーボンナノチューブの端部をエッチングする工程と、前記配線溝内に第2配線層を形成する工程とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、カーボンナノチューブを有するプラグ配線において良好な電気的接続を得ることができるカーボンナノチューブ配線及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線を示す断面図である。
【図2】第1実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図3】第1実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線を示す断面図である。
【図5】第2実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図6】第2実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図7】第2実施形態の変形例のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図8】第2実施形態の変形例のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線、及びその製造方法を示す断面図である。
【図10】第3実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図11】第3実施形態の変形例のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図12】第3実施形態の変形例のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線を示す断面図である。
【図14】第4実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図15】第4実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図16】本発明の第5実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線を示す断面図である。
【図17】第5実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図18】第5実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図19】本発明の第6実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線を示す断面図である。
【図20】第6実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【図21】第6実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
【0019】
本発明の実施形態では、第1配線層、第2配線層、及び第1配線層と第2配線層間に配置された層間絶縁膜を有する多層配線構造において、層間絶縁膜内に形成される、第1配線層と第2配線層とを電気的に接続するプラグ配線について述べる。プラグ配線は、層間絶縁膜内のコンタクト孔内に形成されたカーボンナノチューブを有する。
【0020】
[1]第1実施形態
第1実施形態では、プラグ配線を有する層間絶縁膜上にストッパ膜としての絶縁膜が形成され、第2配線層がエッチング工程により形成された例を説明する。層間絶縁膜上の絶縁膜は、コンタクト孔から突き出たカーボンナノチューブを研磨するCMP工程において、ストッパ膜として働くと共に、カーボンナノチューブを固定する。
【0021】
[1−1]カーボンナノチューブプラグ配線
図1(a)は、第1実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線を示す断面図である。
【0022】
図示するように、層間絶縁膜11内には、第1配線層12が形成されている。層間絶縁膜11は、例えば、SiO、SiOCからなり、図示しない半導体基板上に形成されている。第1配線層12は、例えばCuからなり、表面が露出されるように層間絶縁膜11に埋め込まれている。
【0023】
第1配線層12と層間絶縁膜11との間には、必要に応じてバリアメタル(図示しない)が形成される。バリアメタルは、例えばTa、TaN、Ti、TiNの少なくともいずれか、あるいはこれらの積層膜からなる。
【0024】
層間絶縁膜11上及び第1配線層12上には、層間絶縁膜13が形成されている。層間絶縁膜13は、例えば、SiO、SiOCからなる。
【0025】
第1配線層12上の層間絶縁膜13内には、層間絶縁膜13上に形成される第2配線層14と第1配線層12とを電気的に接続するためのコンタクト用の孔(コンタクト孔)15が形成されている。コンタクト孔15内には、カーボンナノチューブ16が形成されている。カーボンナノチューブ16は、第1配線層12と第2配線層14とを電気的に接続する。第2配線層14は、例えばAlからなる。
【0026】
層間絶縁膜13上には、ストッパ膜17が形成されている。ストッパ膜17は、カーボンナノチューブ16の第2配線層14側の端部に、複数のカーボンナノチューブ16を固定するように充填されている。ストッパ膜17は、絶縁膜、例えばSiNまたは、SiC、SiCNからなり、紫外線(UV)をカットする効果も持つ。ストッパ膜17には、SiNとSiOの積層膜、またはSiNとSiOCの積層膜を用いてもよい。
【0027】
ストッパ膜17と第2配線層14との間には、バリアメタル18が形成されている。カーボンナノチューブ16はその一端で第1配線層12に接触し、その他端でバリアメタル18に接触している。そして、第1配線層12と第2配線層14が、カーボンナノチューブ16を介して電気的に接続されている。バリアメタル18は、例えばTa、TaN、Ti、TiNの少なくともいずれか、あるいはこれらの積層膜からなる。
【0028】
なお、図1(a)には、ストッパ膜17がカーボンナノチューブ16の第2配線層14側の一端に、バリアメタル18の底面からストッパ膜17の底面まで形成された例を示したが、図1(b)に示すように、ストッパ膜17がバリアメタル18の底面からストッパ膜17の底面より深い位置まで形成されていてもよい。すなわち、ストッパ膜17がバリアメタル18の底面からコンタクト孔の内部まで入り込んでいてもよい。
【0029】
[1−2]カーボンナノチューブプラグ配線の製造方法
図2及び図3は、第1実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【0030】
層間絶縁膜11に配線溝を形成した後、図2(a)に示すように配線溝に第1配線層12を形成する。その後、層間絶縁膜11上及び第1配線層12上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)により層間絶縁膜13を形成する。さらに、第1配線層12上の層間絶縁膜13内に、リソグラフィ法によりコンタクト孔15を形成する。
【0031】
次に、コンタクト孔15内の第1配線層12上にカーボンナノチューブ16を形成する。詳述すると、コンタクト孔15内において、第1配線層12の表面からカーボンナノチューブ16を通常の方法により成長させ、コンタクト孔15の高さから突き出るまで成長させる。すなわち、コンタクト孔15から先端部が突き出たカーボンナノチューブ16を形成する。
【0032】
次に、図2(b)に示すように、層間絶縁膜13上、及びコンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16間に、CVDによりストッパ膜17を形成する。このとき、ストッパ膜17は、複数のカーボンナノチューブ16間まで入り込み、コンタクト孔15上、あるいはコンタクト孔15の開口部近傍のカーボンナノチューブ16間に充填される。これにより、複数のカーボンナノチューブ16がストッパ膜17によって固定される。
【0033】
その後、ストッパ膜17上及びカーボンナノチューブ16上に層間絶縁膜を形成する。例えば、スピンコートによりSOG(Spin On Glass)膜19を形成する。
【0034】
次に、図2(c)に示すように、ストッパ膜17上のSOG膜19及びカーボンナノチューブ16をCMPにより研磨する。詳述すると、まず、カーボンナノチューブ16上のSOG膜19を研磨する。その後、研磨部がカーボンナノチューブ16に達したら、図3(a)に示すように、SOG膜19と共にカーボンナノチューブ16を研磨する。そして、図3(b)に示すように、ストッパ膜17上のSOG膜19を研磨すると共に、コンタクト孔15上のストッパ膜17より上方に突き出たカーボンナノチューブ16を研磨する。
【0035】
なお、ストッパ膜17には、SOG膜19及びカーボンナノチューブ16を研磨するCMP工程において、SOG膜19に対して選択性のある絶縁膜、例えばSiNまたは、SiC、SiCNを用いる。言い換えると、CMP工程における研磨速度がSOG膜19よりも遅い膜をストッパ膜17に用いる。このため、ストッパ膜17上のSOG膜19及びカーボンナノチューブ16を研磨したところで研磨を停止することは容易である。
【0036】
ここで、カーボンナノチューブ16間にストッパ膜17が充填され、複数のカーボンナノチューブ16がストッパ膜17により固定されている。このため、研磨工程(CMP工程)において、カーボンナノチューブ16に掛かる横方向の力を抑えることができ、カーボンナノチューブ16が破損するのを防ぐことができる。すなわち、カーボンナノチューブ16が倒れたり、コンタクト孔15内から引き抜かれたりするのを防ぐことができ、上面がきれいに揃ったカーボンナノチューブ16を形成できる。これにより、カーボンナノチューブ16のパターン不良やごみの発生によって生じる電気的な特性不良を低減できる。
【0037】
その後、図3(c)に示すように、カーボンナノチューブ16の露出した先端部に開端処理を行う。開端処理には、例えば、プラズマ、UV、イオンビームなどのエネルギー線を照射してカーボンナノチューブの先端部を破壊する方法、または、酸素、水素、フッ素などの化学種やラジカルを作用させてカーボンナノチューブの先端部を処理する方法などがある。
【0038】
次に、開端されたカーボンナノチューブ16上及びストッパ膜17上に、例えばスパッタまたはCVD、ALD(Atomic Layer Deposition)によりバリアメタル18を形成する。さらに、バリアメタル18上に第2配線層14となるアルミニウム膜を形成する。そして、リソグラフィ法によりバリアメタル18及びアルミニウム膜をパターニングして、図1(a)に示すように、第2配線層14を形成する。
【0039】
ストッパ膜の誘電率が高い場合には、全て除去したほうが誘電率の観点から好ましい。ただし、カーボンナノチューブの上端を固定する膜がなくなると、開端処理などを行った場合にカーボンナノチューブの側壁が損傷を受けてしまう。
【0040】
そこで、前述したように、ストッパ膜17に、SiNとSiOの積層膜、またはSiNとSiOCの積層膜などの2重構造を用いてもよい。SiNは誘電率が高い膜であり、SiOやSiOCは誘電率が低い膜である。このような2重構造を用い、上層側(SiN)をCMP工程後に除去し、下層側(SiOまたはSiOC)を残すようにすれば、誘電率の高い膜を除去できると共に、カーボンナノチューブの上端を固定する膜を残すことができる。
【0041】
また、ストッパ膜が単層の場合でも、図1(b)に示したように、ストッパ膜17の堆積時に、コンタクト孔15内のカーボンナノチューブ16間にストッパ膜17が入り込むような堆積を行えば、単層のストッパ膜17を除去してもコンタクト孔15の開口部をストッパ膜で塞ぐことができる。これにより、開端処理などを行った場合に、カーボンナノチューブの側壁が損傷を受けるのを防ぐことができる。
【0042】
[1−3]第1実施形態の効果
以上説明したように第1実施形態によれば、複数のカーボンナノチューブ16間にストッパ膜17が充填されて、カーボンナノチューブ16が固定されているため、コンタクト孔15から突き出たカーボンナノチューブ16を研磨する工程において、カーボンナノチューブ16が破損するのを防ぐことができる。これにより、カーボンナノチューブ16のパターン不良やごみの発生によって生じる電気的な特性不良を低減でき、第1配線層12と第2配線層14との電気的な接続を改善することができる。
【0043】
さらに、カーボンナノチューブ16の開端処理において、コンタクト孔15の開口部がストッパ膜17で遮断されているため、開端処理時におけるエネルギー線や化学種、ラジカルなどがコンタクト孔内に侵入するのを低減できる。これにより、コンタクト孔15内のカーボンナノチューブ16の側壁やコンタクト孔底の第1配線層12の表面が損傷するのを防ぐことができる。
【0044】
[2]第2実施形態
第2実施形態では、プラグ配線を有する層間絶縁膜上にストッパ膜としての金属膜等が形成され、第2配線層がエッチング工程により形成された例を説明する。層間絶縁膜上の金属膜等は、コンタクト孔から突き出たカーボンナノチューブを研磨するCMP工程において、ストッパ膜として働くと共に、カーボンナノチューブを固定する。
【0045】
[2−1]カーボンナノチューブプラグ配線
図4(a)は、第2実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線を示す断面図である。
【0046】
図示するように、層間絶縁膜11内には、第1配線層12が形成されている。層間絶縁膜11は、図示しない半導体基板上に形成されている。第1配線層12は、表面が露出されるように層間絶縁膜11に埋め込まれている。第1配線層12と層間絶縁膜11との間には、必要に応じてバリアメタル(図示しない)が形成されている。
【0047】
層間絶縁膜11上及び第1配線層12上には、層間絶縁膜13が形成されている。第1配線層12上の層間絶縁膜13内には、第2配線層14と第1配線層12とを電気的に接続するためのコンタクト孔15が形成されている。コンタクト孔15内には、カーボンナノチューブ16が形成されている。カーボンナノチューブ16は、第1配線層12と第2配線層14とを電気的に接続する。
【0048】
カーボンナノチューブ16上及び層間絶縁膜13上には、バリアメタル18が形成されている。バリアメタル18上には、第2配線層14が形成されている。カーボンナノチューブ16はその一端で第1配線層12に接触し、その他端でバリアメタル18に接触している。そして、第1配線層12と第2配線層14が、カーボンナノチューブ16を介して電気的に接続されている。
【0049】
なお、図4(a)には、ストッパ膜としてのメタル膜がカーボンナノチューブ16の第2配線層14側の一端に残らない例を示したが、図4(b)に示すように、ストッパ膜21がカーボンナノチューブ16の第2配線層14側の一端に形成されていてもよい。すなわち、ストッパ膜21がバリアメタル18の底面からコンタクト孔の内部まで入り込んでいてもよい。ストッパ膜21は、金属膜または金属化合物、高融点金属、高融点金属化合物からなり、例えばTaまたはTaN、Ti、TiN、Wからなる。また、ストッパ膜21は、アモルファスシリコンで形成されてもよい。
【0050】
[2−2]カーボンナノチューブプラグ配線の製造方法
図5及び図6は、第2実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【0051】
層間絶縁膜11に配線溝を形成した後、図5(a)に示すように、配線溝に第1配線層12を形成する。その後、層間絶縁膜11上及び第1配線層12上に、例えばCVDにより層間絶縁膜13を形成する。さらに、第1配線層12上の層間絶縁膜13内に、リソグラフィ法によりコンタクト孔15を形成する。
【0052】
次に、コンタクト孔15内の第1配線層12上にカーボンナノチューブ16を形成する。詳述すると、第1配線層12の表面からカーボンナノチューブ16を通常の方法により成長させ、コンタクト孔15の高さから突き出るまで成長させる。
【0053】
次に、図5(b)に示すように、層間絶縁膜13上、及びコンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16間に、スパッタによりストッパ膜21、例えば金属膜を形成する。このとき、ストッパ膜21は、複数のカーボンナノチューブ16間まで入り込み、コンタクト孔15上、あるいはコンタクト孔15の開口部近傍のカーボンナノチューブ16間に充填される。これにより、複数のカーボンナノチューブ16がストッパ膜21によって固定される。その後、ストッパ膜21上及びカーボンナノチューブ16上に、スピンコートによりSOG膜19を形成する。
【0054】
次に、図5(c)及び図6(a)に示すように、SOG膜19、ストッパ膜21、及びカーボンナノチューブ16をCMPにより研磨する。詳述すると、まず、カーボンナノチューブ16上及びストッパ膜21上のSOG膜19を研磨する。その後、研磨部がカーボンナノチューブ16に達したら、ストッパ膜21と共にカーボンナノチューブ16を研磨する。さらに、ストッパ膜21とカーボンナノチューブ16の研磨を進め、図6(b)に示すように、層間絶縁膜13上及びコンタクト孔15上のストッパ膜21とカーボンナノチューブ16を除去する。
【0055】
ここで、カーボンナノチューブ16間にストッパ膜21が充填され、複数のカーボンナノチューブ16がストッパ膜21により固定されており、ストッパ膜17のところでカーボンナノチューブ16が集中的に研磨される。このため、研磨工程(CMP工程)において、カーボンナノチューブ16に掛かる横方向の力を抑えることができ、カーボンナノチューブ16が破損するのを防ぐことができる。すなわち、カーボンナノチューブ16が倒れたり、コンタクト孔15内から引き抜かれたりするのを防ぐことができる。これにより、カーボンナノチューブ16のパターン不良やごみの発生によって生じる電気的な特性不良を低減できる。
【0056】
その後、必要に応じて、コンタクト孔上のカーボンナノチューブ16の露出した先端部に開端処理を行う。この開端処理は、次のスパッタ工程の直前に行うのが好ましく、またスパッタ工程の前処理として行ってもよい。
【0057】
次に、カーボンナノチューブ16上及び層間絶縁膜13上に、例えばスパッタによりバリアメタル18を形成する。さらに、バリアメタル18上に第2配線層14となるアルミニウム膜を形成する。そして、リソグラフィ法によりバリアメタル18及びアルミニウム膜をパターニングして、図4(a)に示すように、第2配線層14を形成する。
【0058】
なお、カーボンナノチューブの上端を固定する膜がなくなると、開端処理などを行った場合にカーボンナノチューブの側壁が損傷を受けてしまう。そこで、ストッパ膜として、金属膜等と絶縁膜の積層膜の2重構造を用いてもよい。このような2重構造を用い、上層側(金属膜等)をCMP工程後に除去し、下層側(絶縁膜)を残すようにすれば、開端処理などを行った場合に、カーボンナノチューブの側壁が損傷を受けるのを防ぐことができる。なお、使用する材料等、その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0059】
[2−3]第2実施形態の効果
以上説明したように第2実施形態によれば、複数のカーボンナノチューブ16間にストッパ膜21が充填されて、カーボンナノチューブ16が固定されているため、コンタクト孔15から突き出たカーボンナノチューブ16を研磨する工程において、カーボンナノチューブ16が破損するのを防ぐことができる。これにより、カーボンナノチューブ16のパターン不良やごみの発生によって生じる電気的な特性不良を低減でき、第1配線層12と第2配線層14との電気的な接続を改善することができる。
【0060】
[2−4]変形例のカーボンナノチューブプラグ配線とその製造方法
この変形例は、コンタクト孔15から突き出たカーボンナノチューブ16を研磨するCMP工程時に、ストッパ膜21としての金属膜等を全て研磨せず、金属膜等を残すものである。
【0061】
図7(a)から図8(a)までの工程は、前述した図5(a)から図6(a)までの工程と同様であるため、説明は省略する。
【0062】
図8(a)に示すように、ストッパ膜21とカーボンナノチューブ16を研磨し、層間絶縁膜13上及びコンタクト孔15上に、所定の厚さのストッパ膜21とカーボンナノチューブ16を残す。
【0063】
次に、図8(b)に示すように、カーボンナノチューブ16の露出した先端部に開端処理を行う。この開端処理は、次のスパッタ工程の直前に行うのが好ましく、またスパッタ工程の前処理として行ってもよい。
【0064】
次に、開端されたカーボンナノチューブ16上及びストッパ膜21上に、図8(c)に示すように、例えばスパッタによりバリアメタル18を形成する。さらに、バリアメタル18上に第2配線層14となるアルミニウム膜を形成する。そして、リソグラフィ法によりバリアメタル18、アルミニウム膜、及びストッパ膜21をパターニングして、図8(d)に示すように、第2配線層14を形成する。
【0065】
[2−5]第2実施形態の変形例の効果
第2実施形態の変形例によれば、第2実施形態と同様に、カーボンナノチューブ16がストッパ膜21により固定されているため、カーボンナノチューブ16を研磨する工程において、カーボンナノチューブ16が破損するのを防ぐことができる。
【0066】
さらに、カーボンナノチューブ16の開端処理において、コンタクト孔15の開口部がストッパ膜21で遮断されているため、開端処理時におけるエネルギー線や化学種、ラジカルなどがコンタクト孔内に侵入するのを低減できる。これにより、コンタクト孔15内のカーボンナノチューブ16の側壁やコンタクト孔底の第1配線層12の表面が損傷するのを防ぐことができる。
【0067】
[3]第3実施形態
第3実施形態では、プラグ配線を有する層間絶縁膜上にストッパ膜としての絶縁膜が形成され、第2配線層がシングルダマシン法により形成された例を説明する。層間絶縁膜上の絶縁膜は、コンタクト孔から突き出たカーボンナノチューブを研磨するCMP工程において、ストッパ膜として働くと共に、カーボンナノチューブを固定する。
【0068】
[3−1]カーボンナノチューブプラグ配線
図9(a)は、第3実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線を示す断面図である。
【0069】
図示するように、層間絶縁膜11内には、第1配線層12が形成されている。層間絶縁膜11は、図示しない半導体基板上に形成されている。第1配線層12は、表面が露出されるように層間絶縁膜11に埋め込まれている。第1配線層12と層間絶縁膜11との間には、必要に応じてバリアメタル(図示しない)が形成される。
【0070】
層間絶縁膜11上及び第1配線層12上には、層間絶縁膜13が形成されている。第1配線層12上の層間絶縁膜13内には、第2配線層33と第1配線層12とを電気的に接続するためのコンタクト孔15が形成されている。コンタクト孔15内には、カーボンナノチューブ16が形成されている。カーボンナノチューブ16は、第1配線層12と第2配線層33とを電気的に接続する。第2配線層33は、例えばCuからなる。
【0071】
層間絶縁膜13上には、ストッパ膜31が形成されている。ストッパ膜31は、カーボンナノチューブ16の第2配線層14側の端部に、複数のカーボンナノチューブ16を固定するように充填されている。ストッパ膜31は、絶縁膜、例えばSiNまたはSiOからなる。
【0072】
ストッパ膜31上には、層間絶縁膜、例えばSOG膜19が形成されている。コンタクト孔15上のSOG膜19内には、配線溝が形成されている。この配線溝内にはバリアメタル32が形成され、バリアメタル32上には第2配線層33が形成されている。カーボンナノチューブ16はその一端で第1配線層12に接触し、その他端でバリアメタル32に接触している。そして、第1配線層12と第2配線層33が、カーボンナノチューブ16を介して電気的に接続されている。バリアメタル32は、例えばTa、TaN、Ti、TiNの少なくともいずれか、あるいはこれらの積層膜からなる。さらに、第2配線層33は、例えばCuからなる。
【0073】
なお、図9(a)にはコンタクト孔において、ストッパ膜31がカーボンナノチューブ16の第2配線層33側の一端に、バリアメタル32の底面からストッパ膜31の底面まで形成された例を示したが、ストッパ膜31がバリアメタル32の底面からストッパ膜31の底面より深い位置まで形成されていてもよい。すなわち、ストッパ膜31がバリアメタル32の底面からコンタクト孔の内部まで入り込んでいてもよい。
【0074】
[3−2]カーボンナノチューブプラグ配線の製造方法
図9(b)及び図10は、第3実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【0075】
層間絶縁膜11に配線溝を形成した後、図9(b)に示すように配線溝に第1配線層12を形成する。その後、層間絶縁膜11上及び第1配線層12上に、例えばCVDにより層間絶縁膜13を形成する。さらに、第1配線層12上の層間絶縁膜13内に、リソグラフィ法によりコンタクト孔15を形成する。
【0076】
次に、コンタクト孔15内の第1配線層12上にカーボンナノチューブ16を形成する。詳述すると、第1配線層12の表面からカーボンナノチューブ16を通常の方法により成長させ、コンタクト孔15の高さから突き出るまで成長させる。
【0077】
次に、図10(a)に示すように、層間絶縁膜13上、及びコンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16間に、CVDによりストッパ膜31を形成する。このとき、ストッパ膜31は、複数のカーボンナノチューブ16間まで入り込み、コンタクト孔15上、あるいはコンタクト孔15の開口部近傍のカーボンナノチューブ16間に充填される。これにより、複数のカーボンナノチューブ16がストッパ膜31によって固定される。
【0078】
その後、ストッパ膜31上及びカーボンナノチューブ16上に層間絶縁膜を形成する。例えば、スピンコートによりSOG膜19を形成する。ストッパ膜31には、SOG膜19に対してエッチング選択比が十分に取れる膜を用いる。
【0079】
次に、図10(b)に示すように、コンタクト孔15上のSOG膜19内に、リソグラフィ法を用いたRIE(Reactive Ion Etching)により配線溝34を形成する。続いて、配線溝34内のストッパ膜31上に突き出たカーボンナノチューブ16に対して、プラズマ処理、例えばRIEを行い、図10(c)に示すように、ストッパ膜31上に突き出たカーボンナノチューブ16を除去すると共に、カーボンナノチューブ16の先端を開く開端処理を行う。この開端処理は、次のスパッタ工程の直前に行うのが好ましく、またスパッタ工程の前処理として行ってもよい。
【0080】
ここで、コンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16間にはストッパ膜31が充填されているため、前記プラズマ処理において、エネルギー線や化学種、ラジカルなどがコンタクト孔内に侵入するのを低減できる。これにより、コンタクト孔15内のカーボンナノチューブ16の側壁やコンタクト孔底の第1配線層12の表面が損傷するのを防ぐことができる。
【0081】
次に、配線溝34内に、例えばスパッタによりバリアメタルを形成し、続いてバリアメタル上にCu膜を形成する。そして、SOG膜19上のCu膜及びバリアメタルをCMPにより研磨して、図9(a)に示したように、配線溝34内にバリアメタル32及び第2配線層33を形成する。
【0082】
[3−3]第3実施形態の効果
以上説明したように第3実施形態によれば、コンタクト孔15上の複数のカーボンナノチューブ16間がストッパ膜31で充填されているため、カーボンナノチューブ16のエッチング時及び開端処理時におけるエネルギー線や化学種、ラジカルなどがコンタクト孔内に侵入するのを低減できる。これにより、コンタクト孔15内のカーボンナノチューブ16の側壁やコンタクト孔底の第1配線層12の表面が損傷するのを防ぐことができる。この結果、カーボンナノチューブ16を有するプラグ配線の電気的な不良を防止でき、第1配線層12と第2配線層33との電気的な接続を改善することができる。
【0083】
[3−4]変形例のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法
図11及び図12は、第3実施形態の変形例のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【0084】
この変形例では、層間絶縁膜13上及びコンタクト孔15上に、CVDによりストッパ膜31を形成したとき、図11(b)に示すように、カーボンナノチューブ16間にストッパ膜31が入り込むと共に、ストッパ膜31がカーボンナノチューブ16上に形成される場合を説明する。
【0085】
図11(a)の工程は、前述した図9(b)の工程と同様であるため、説明は省略する。その後、図11(b)に示すように、層間絶縁膜13上、コンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16間及びカーボンナノチューブ16上に、CVDによりストッパ膜31を形成する。このとき、ストッパ膜31は、所定の成膜条件により、カーボンナノチューブ16上に形成されると共に、複数のカーボンナノチューブ16間まで入り込み、コンタクト孔15上、あるいはコンタクト孔15の開口部近傍のカーボンナノチューブ16間に充填される。これにより、複数のカーボンナノチューブ16がストッパ膜31によって固定される。
【0086】
その後、ストッパ膜31上及びカーボンナノチューブ16上に層間絶縁膜を形成する。例えば、スピンコートによりSOG膜19を形成する。
【0087】
次に、図11(c)に示すように、コンタクト孔15上のSOG膜19内に、リソグラフィ法により配線溝34を形成する。続いて、図12(a)に示すように、配線溝34内のカーボンナノチューブ16上のストッパ膜31を、例えばRIEによりエッチングする。さらに、ストッパ膜31上に突き出たカーボンナノチューブ16に対して、プラズマ処理、例えばRIEを行い、ストッパ膜31上に突き出たカーボンナノチューブ16を除去すると共に、カーボンナノチューブ16の先端を開く開端処理を行う。この開端処理は、次のスパッタ工程の直前に行うのが好ましく、またスパッタ工程の前処理として行ってもよい。
【0088】
ここで、コンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16間にはストッパ膜31が充填されているため、前記プラズマ処理において、コンタクト孔15内のカーボンナノチューブ16の側壁やコンタクト孔底の第1配線層12の表面が損傷するのを防ぐことができる。
【0089】
次に、配線溝34内に、例えばスパッタによりバリアメタルを形成し、続いてバリアメタル上にCu膜を形成する。そして、SOG膜19上のCu膜及びバリアメタルをCMPにより研磨して、図12(b)に示すように、配線溝34内にバリアメタル32及び第2配線層33を形成する。その他の構成及び効果は、前述した第3実施形態と同様である。
【0090】
[4]第4実施形態
第4実施形態では、プラグ配線を有する層間絶縁膜上にストッパ膜としての金属膜等が形成され、第2配線層がシングルダマシン法により形成された例を説明する。層間絶縁膜上の金属膜等は、コンタクト孔から突き出たカーボンナノチューブを研磨するCMP工程において、ストッパ膜として働くと共に、カーボンナノチューブを固定する。
【0091】
[4−1]カーボンナノチューブプラグ配線
図13(a)は、第4実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線を示す断面図である。
【0092】
図示するように、層間絶縁膜11内には、第1配線層12が形成されている。層間絶縁膜11は、図示しない半導体基板上に形成されている。第1配線層12は、表面が露出されるように層間絶縁膜11に埋め込まれている。第1配線層12と層間絶縁膜11との間には、必要に応じてバリアメタル(図示しない)が形成される。
【0093】
層間絶縁膜11上及び第1配線層12上には、層間絶縁膜13が形成されている。第1配線層12上の層間絶縁膜13内には、第2配線層33と第1配線層12とを電気的に接続するためのコンタクト孔15が形成されている。コンタクト孔15内には、カーボンナノチューブ16が形成されている。カーボンナノチューブ16は、第1配線層12と第2配線層33とを電気的に接続する。第2配線層33は、例えばCuからなる。
【0094】
層間絶縁膜13上には、さらに層間絶縁膜、例えばSOG膜42が形成されている。コンタクト孔15上のSOG膜42内には、配線溝が形成されている。この配線溝内にはバリアメタル32が形成され、バリアメタル32上には第2配線層33が形成されている。カーボンナノチューブ16はその一端で第1配線層12に接触し、その他端でバリアメタル32に接触している。そして、第1配線層12と第2配線層33が、カーボンナノチューブ16を介して電気的に接続されている。
【0095】
なお、図13(a)には、ストッパ膜としてのメタル膜がカーボンナノチューブ16の第2配線層33側の一端に残らない例を示したが、図13(b)に示すように、ストッパ膜41がカーボンナノチューブ16の第2配線層33側の一端に形成されていてもよい。すなわち、ストッパ膜41がバリアメタル32の底面からコンタクト孔の内部まで入り込んでいてもよい。ストッパ膜41は、金属膜または金属化合物、高融点金属、高融点金属化合物からなり、例えばTaまたはTaN、Ti、TiN、Wからなる。また、ストッパ膜41は、アモルファスシリコンで形成されてもよい。
【0096】
[4−2]カーボンナノチューブプラグ配線の製造方法
図14及び図15は、第4実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【0097】
層間絶縁膜11に配線溝を形成した後、図14(a)に示すように、配線溝に第1配線層12を形成する。その後、層間絶縁膜11上及び第1配線層12上に、例えばCVDにより層間絶縁膜13を形成する。さらに、第1配線層12上の層間絶縁膜13内に、リソグラフィ法によりコンタクト孔15を形成する。
【0098】
次に、コンタクト孔15内の第1配線層12上にカーボンナノチューブ16を形成する。詳述すると、第1配線層12の表面からカーボンナノチューブ16を通常の方法により成長させ、コンタクト孔15の高さから突き出るまで成長させる。
【0099】
次に、図14(b)に示すように、層間絶縁膜13上、及びコンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16間に、スパッタによりストッパ膜41、例えば金属膜を形成する。このとき、ストッパ膜41は、複数のカーボンナノチューブ16間まで入り込み、コンタクト孔15上、あるいはコンタクト孔15の開口部近傍のカーボンナノチューブ16間に充填される。これにより、複数のカーボンナノチューブ16がストッパ膜41によって固定される。その後、ストッパ膜41上及びカーボンナノチューブ16上に、スピンコートによりSOG膜19を形成する。
【0100】
次に、図14(c)及び図14(d)に示すように、SOG膜19、ストッパ膜41、及びカーボンナノチューブ16をCMPにより研磨する。詳述すると、まず、カーボンナノチューブ16上及びストッパ膜41上のSOG膜19を研磨する。その後、研磨部がカーボンナノチューブ16に達したら、ストッパ膜41と共にカーボンナノチューブ16を研磨する。さらに、ストッパ膜41とカーボンナノチューブ16の研磨を進め、図15(a)に示すように、層間絶縁膜13上及びコンタクト孔15上のストッパ膜41とカーボンナノチューブ16を除去する。
【0101】
ここで、カーボンナノチューブ16間にストッパ膜41が充填され、複数のカーボンナノチューブ16がストッパ膜41により固定されている。このため、前述した前記研磨工程(CMP工程)において、カーボンナノチューブ16に掛かる横方向の力を抑えることができ、カーボンナノチューブ16が破損するのを防ぐことができる。すなわち、カーボンナノチューブ16が倒れたり、コンタクト孔15内から引き抜かれたりするのを防ぐことができる。これにより、カーボンナノチューブ16のパターン不良やごみの発生によって生じる電気的な特性不良を低減できる。
【0102】
その後、図15(b)に示すように、層間絶縁膜13上及びコンタクト孔15上にSOG膜42を形成する。さらに、図15(c)に示すように、コンタクト孔15上のSOG膜42内に、リソグラフィ法を用いたRIEにより配線溝43を形成する。続いて必要に応じて、配線溝43内のカーボンナノチューブ16の露出した先端部に開端処理を行う。この開端処理は、次のスパッタ工程の直前に行うのが好ましく、またスパッタ工程の前処理として行ってもよい。
【0103】
次に、配線溝43内に、例えばスパッタによりバリアメタルを形成し、続いてバリアメタル上にCu膜を形成する。そして、SOG膜42上のCu膜及びバリアメタルをCMPにより研磨して、図13(a)に示したように、配線溝43内にバリアメタル32及び第2配線層33を形成する。
【0104】
[4−3]第4実施形態の効果
以上説明したように第4実施形態によれば、複数のカーボンナノチューブ16間にストッパ膜41が充填されて、カーボンナノチューブ16が固定されているため、コンタクト孔15から突き出たカーボンナノチューブ16を研磨する工程において、カーボンナノチューブ16が破損するのを防ぐことができる。これにより、カーボンナノチューブ16のパターン不良やごみの発生によって生じる電気的な特性不良を低減でき、第1配線層12と第2配線層14との電気的な接続を改善することができる。
【0105】
[5]第5実施形態
第5実施形態では、コンタクト孔から突き出たカーボンナノチューブのエッチング時の保護膜として、コンタクト孔上に絶縁膜が形成され、第2配線層がデュアルダマシン法により形成された例を説明する。
【0106】
[5−1]カーボンナノチューブプラグ配線
図16(a)は、第5実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線を示す断面図である。
【0107】
図示するように、層間絶縁膜11内には、第1配線層12が形成されている。層間絶縁膜11は、図示しない半導体基板上に形成されている。第1配線層12は、表面が露出されるように層間絶縁膜11に埋め込まれている。第1配線層12と層間絶縁膜11との間には、必要に応じてバリアメタル(図示しない)が形成される。
【0108】
層間絶縁膜11上及び第1配線層12上には、層間絶縁膜13が形成されている。第1配線層12上の層間絶縁膜13内には、第2配線層51と第1配線層12とを電気的に接続するためのコンタクト孔15が形成されている。コンタクト孔15内には、カーボンナノチューブ16が形成されている。カーボンナノチューブ16は、第1配線層12と第2配線層51とを電気的に接続する。第2配線層51は、例えばCuからなる。
【0109】
層間絶縁膜13上には、層間絶縁膜52、例えばSiOが形成されている。コンタクト孔15上の層間絶縁膜52内には配線溝が形成されている。この配線溝内には、配線溝内を覆うように保護膜53が形成されている。保護膜53は、コンタクト孔15から突き出た複数のカーボンナノチューブ16間に充填されている。保護膜53は、絶縁膜、例えばSiOまたはSiN、SiCNからなる。
【0110】
配線溝内の保護膜53上には、保護膜53を覆うようにバリアメタル54が形成されている。さらに、配線溝内のバリアメタル54上には、第2配線層51が形成されている。バリアメタル54は、第2配線層51と保護膜53との間に配置されており、第2配線層51を形成する材料の保護膜53及び層間絶縁膜52への拡散を防止する。
【0111】
なお、図16(a)には、層間絶縁膜52上に保護膜53が形成されていない例、すなわち保護膜53が残らない例を示したが、図16(b)に示すように、層間絶縁膜52上に保護膜53が形成されていてもよい。
【0112】
[5−2]カーボンナノチューブプラグ配線の製造方法
図17及び図18は、第5実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【0113】
図17(a)に示すように、層間絶縁膜11に配線溝を形成した後、配線溝に第1配線層12を形成する。その後、層間絶縁膜11上及び第1配線層12上に、例えばCVDにより層間絶縁膜13,52を形成する。そして、層間絶縁膜13,52内に、リソグラフィ法によりコンタクト孔15と配線溝55を形成する。
【0114】
次に、コンタクト孔15内の第1配線層12上にカーボンナノチューブ16を形成する。詳述すると、第1配線層12の表面からカーボンナノチューブ16を通常の方法により成長させ、コンタクト孔15の高さから突き出るまで成長させる。
【0115】
その後、図17(b)に示すように、コンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16間及びカーボンナノチューブ15上、及び層間絶縁膜52上に、CVDにより保護膜53を形成する。このとき、保護膜53は、複数のカーボンナノチューブ16間まで入り込み、コンタクト孔15上、あるいはコンタクト孔15の開口部近傍のカーボンナノチューブ16間に充填される。これにより、コンタクト孔15の内部が保護膜53と複数のカーボンナノチューブ16によって保護される。
【0116】
次に、図17(c)に示すように、保護膜53をドライエッチング法、例えばRIEによりエッチングし、コンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16の端部を露出させる。このとき、コンタクト孔15上に保護膜53が残るようにする。
【0117】
その後、配線溝55内の保護膜53上に突き出たカーボンナノチューブ16に対して、プラズマ処理、例えばRIEを行い、図18(a)に示すように、保護膜53上に突き出たカーボンナノチューブ16を除去すると共に、カーボンナノチューブ16の先端を開く開端処理を行う。この開端処理は、次のスパッタ工程の直前に行うのが好ましく、またスパッタ工程の前処理として行ってもよい。
【0118】
ここで、コンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16間には保護膜53が充填されているため、前記プラズマ処理において、エネルギー線や化学種、ラジカルなどがコンタクト孔内に侵入するのを低減できる。これにより、コンタクト孔15内のカーボンナノチューブ16の側壁やコンタクト孔底の第1配線層12の表面が損傷するのを防ぐことができる。
【0119】
次に、図18(b)に示すように、配線溝55内及び層間絶縁膜52上に、例えばスパッタによりバリアメタル54を形成し、続いてバリアメタル54上にCu膜51を形成する。そして、層間絶縁膜52上のCu膜51、バリアメタル54、及び保護膜53をCMPにより研磨して、図16(a)に示したように、配線溝55内にバリアメタル54及び第2配線層51を形成する。またこのとき、図16(b)に示したように、層間絶縁膜52上に保護膜53が残るようにしてもよい。
【0120】
[5−3]第5実施形態の効果
以上説明したように第5実施形態の製造方法によれば、コンタクト孔15上の複数のカーボンナノチューブ16間が保護膜53で充填されているため、カーボンナノチューブ16のエッチング時及び開端処理時におけるエネルギー線や化学種、ラジカルなどがコンタクト孔内に侵入するのを低減できる。これにより、コンタクト孔15内のカーボンナノチューブ16の側壁やコンタクト孔底の第1配線層12の表面が損傷するのを防ぐことができる。この結果、カーボンナノチューブ16を有するプラグ配線の電気的な不良を防止でき、第1配線層12と第2配線層33との電気的な接続を改善することができる。
【0121】
[6]第6実施形態
第6実施形態では、プラグ配線を有する層間絶縁膜上にストッパ膜としての絶縁膜が形成され、さらにコンタクト孔から突き出たカーボンナノチューブのエッチング時の保護膜として絶縁膜が形成され、第2配線層がシングルダマシン法により形成された例を説明する。
【0122】
[6−1]カーボンナノチューブプラグ配線
図19(a)は、第6実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線を示す断面図である。
【0123】
図示するように、層間絶縁膜11内には、第1配線層12が形成されている。層間絶縁膜11は、図示しない半導体基板上に形成されている。第1配線層12は、表面が露出されるように層間絶縁膜11に埋め込まれている。第1配線層12と層間絶縁膜11との間には、必要に応じてバリアメタル(図示しない)が形成される。
【0124】
層間絶縁膜11上及び第1配線層12上には、層間絶縁膜13が形成されている。第1配線層12上の層間絶縁膜13内には、第2配線層51と第1配線層12とを電気的に接続するためのコンタクト孔15が形成されている。コンタクト孔15内には、カーボンナノチューブ16が形成されている。カーボンナノチューブ16は、第1配線層12と第2配線層51とを電気的に接続する。
【0125】
層間絶縁膜13上には、ストッパ膜31が形成されている。ストッパ膜31は、カーボンナノチューブ16の第2配線層51側の端部に、複数のカーボンナノチューブ16を固定するように充填されている。
【0126】
ストッパ膜31上には、層間絶縁膜52、例えばSiOが形成されている。コンタクト孔15上の層間絶縁膜52内には配線溝が形成されている。この配線溝内には、配線溝を覆うように保護膜53が形成されている。保護膜53は、コンタクト孔15から突き出た複数のカーボンナノチューブ16間に充填されている。
【0127】
配線溝内の保護膜53上には、保護膜53を覆うようにバリアメタル54が形成されている。さらに、配線溝内のバリアメタル54上には、第2配線層51が形成されている。バリアメタル54は、第2配線層51と保護膜53との間に配置されており、第2配線層51を形成する材料の保護膜53及び層間絶縁膜52への拡散を防止する。
【0128】
なお、図19(a)には、層間絶縁膜52上に保護膜53が形成されていない例、すなわち保護膜53が残らない例を示したが、図19(b)に示すように、層間絶縁膜52上に保護膜53が形成されていてもよい。
【0129】
[6−2]カーボンナノチューブプラグ配線の製造方法
図20及び図21は、第6実施形態のカーボンナノチューブプラグ配線の製造方法を示す断面図である。
【0130】
図20(a)に示すように、コンタクト孔15内の第1配線層12上にカーボンナノチューブ16を形成する。層間絶縁膜13上、及びコンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16間に、ストッパ膜31を形成する。ストッパ膜31上及びカーボンナノチューブ16上に、CVDにより層間絶縁膜52を形成する。さらに、コンタクト孔15上の層間絶縁膜52内に、リソグラフィ法により配線溝61を形成する。
【0131】
次に、図20(b)に示すように、コンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16間及びカーボンナノチューブ15上、ストッパ膜31上、及び層間絶縁膜52上に、CVDにより保護膜53を形成する。このとき、保護膜53は、複数のカーボンナノチューブ16間まで入り込み、ストッパ膜31上のカーボンナノチューブ16間に充填される。これにより、コンタクト孔15の内部が保護膜53とストッパ膜31によって保護される。
【0132】
次に、図20(c)に示すように、保護膜53をドライエッチング法、例えばRIEによりエッチングし、コンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16の端部を露出させる。このとき、ストッパ膜31上に保護膜53が残るようにする。
【0133】
その後、配線溝61内の保護膜53上に突き出たカーボンナノチューブ16に対して、プラズマ処理、例えばRIEを行い、図21(a)に示すように、保護膜53上に突き出たカーボンナノチューブ16を除去すると共に、カーボンナノチューブ16の先端を開く開端処理を行う。この開端処理は、次のスパッタ工程の直前に行うのが好ましく、またスパッタ工程の前処理として行ってもよい。
【0134】
ここで、コンタクト孔15上のカーボンナノチューブ16間には保護膜53とストッパ膜31が充填されているため、前記プラズマ処理において、エネルギー線や化学種、ラジカルなどがコンタクト孔内に侵入するのを低減できる。これにより、コンタクト孔15内のカーボンナノチューブ16の側壁やコンタクト孔底の第1配線層12の表面が損傷するのを防ぐことができる。
【0135】
次に、図21(b)に示すように、配線溝61内及び層間絶縁膜52上に、例えばスパッタによりバリアメタル54を形成し、続いてバリアメタル54上にCu膜51を形成する。そして、層間絶縁膜52上のCu膜51、バリアメタル54、及び保護膜53をCMPにより研磨して、図19(a)に示したように、配線溝61内にバリアメタル54及び第2配線層51を形成する。またこのとき、図19(b)に示したように、層間絶縁膜52上に保護膜53が残るようにしてもよい。
【0136】
[6−3]第6実施形態の効果
以上説明したように第6実施形態によれば、コンタクト孔15上の複数のカーボンナノチューブ16間が保護膜53とストッパ膜31で充填されているため、カーボンナノチューブ16のエッチング時及び開端処理時におけるエネルギー線や化学種、ラジカルなどがコンタクト孔内に侵入するのを低減できる。これにより、コンタクト孔15内のカーボンナノチューブ16の側壁やコンタクト孔底の第1配線層12の表面が損傷するのを防ぐことができる。この結果、カーボンナノチューブ16を有するプラグ配線の電気的な不良を防止でき、第1配線層12と第2配線層51との電気的な接続を改善することができる。
【0137】
本発明の実施形態では、ビアホールまたはコンタクト孔内にカーボンナノチューブを形成したプラグ配線において、ホール高さよりも高く飛び出て成長したカーボンナノチューブの部分を絶縁膜または金属膜等で包み込み、かつホール開口部付近を蓋をするように保護することにより、その後のCMPや、プラズマ処理、エッチング、アッシングプロセスなどで、カーボンナノチューブ自身が破損したり、ホール底の配線などが酸化したり、構造欠陥が誘起したり、その他のダメージを受けないようにすることができる。
【0138】
なお、前述した各実施形態はそれぞれ、単独で実施できるばかりでなく、適宜組み合わせて実施することも可能である。さらに、前述した各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、各実施形態において開示した複数の構成要件の適宜な組み合わせにより、種々の段階の発明を抽出することも可能である。
【符号の説明】
【0139】
11…層間絶縁膜、12…第1配線層、13…層間絶縁膜、14…第2配線層、15…コンタクト孔、16…カーボンナノチューブ、17…ストッパ膜、18…バリアメタル、19…SOG膜、21…ストッパ膜、31…ストッパ膜、32…バリアメタル、33…第2配線層、34…配線溝、41…ストッパ膜、42…SOG膜、43…配線溝、51…第2配線層、52…層間絶縁膜、53…保護膜、54…バリアメタル、61…配線溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1配線層と、
前記第1配線層上に形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に形成された第2配線層と、
前記第1配線層と前記第2配線層との間の前記層間絶縁膜内に形成されたコンタクト孔と、
前記コンタクト孔内に形成され、一端が前記第1配線層に接続され、他端が前記第2配線層に接続された複数のカーボンナノチューブと、
前記層間絶縁膜と前記第2配線層との間に形成され、一部が前記複数のカーボンナノチューブの前記他端間に充填されたストッパ膜と、
を具備することを特徴とするカーボンナノチューブ配線。
【請求項2】
前記ストッパ膜は、前記コンタクト孔内の前記複数のカーボンナノチューブ間の前記層間絶縁膜と前記第2配線層との間の部分のストッパ膜よりも下方まで入り込んでいることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ配線。
【請求項3】
第1配線層上に層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第1配線層上の前記層間絶縁膜内にコンタクト孔を形成する工程と、
前記コンタクト孔内の前記第1配線層上にカーボンナノチューブを成長させ、前記コンタクト孔から先端が突き出た複数のカーボンナノチューブを形成する工程と、
前記層間絶縁膜上及び前記複数のカーボンナノチューブ間に、ストッパ膜を形成する工程と、
前記ストッパ膜上及び前記複数のカーボンナノチューブ上に絶縁膜を形成する工程と、
前記ストッパ膜をストッパとして用い、前記ストッパ膜上の前記絶縁膜と共に、前記コンタクト孔上の前記複数のカーボンナノチューブを除去する工程と、
前記複数のカーボンナノチューブ上に第2配線層を形成する工程と、
を具備することを特徴とするカーボンナノチューブ配線の製造方法。
【請求項4】
前記複数のカーボンナノチューブを除去する工程の後、前記複数のカーボンナノチューブの露出した先端部を開端する開端処理をさらに具備することを特徴とする請求項3に記載のカーボンナノチューブ配線の製造方法。
【請求項5】
第1配線層上に層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第1配線層上の前記層間絶縁膜内にコンタクト孔と配線溝を形成する工程と、
前記コンタクト孔内の第1配線層上にカーボンナノチューブを成長させ、コンタクト孔から先端が突き出た複数のカーボンナノチューブを形成する工程と、
前記コンタクト孔上の前記複数のカーボンナノチューブ間に、保護膜を形成する工程と、
前記保護膜をエッチングし、前記コンタクト孔上に前記保護膜の一部の膜を残したまま、前記複数のカーボンナノチューブの端部を露出する工程と、
前記複数のカーボンナノチューブの端部をエッチングする工程と、
前記配線溝内に第2配線層を形成する工程と、
を具備することを特徴とするカーボンナノチューブ配線の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2011−61026(P2011−61026A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209527(P2009−209527)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代半導体材料・プロセス基盤(MIRAI)プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】