説明

キナーゼ阻害剤としてのアミド誘導体

本発明は、新規なAGCキナーゼ阻害剤、具体的には式(I)もしくは(II)の化合物、またはこれらの立体異性体、互変異性体、ラセミ体、代謝産物、プロドラッグまたは前駆薬、塩、水和物、またはその溶媒和物に関するもので、式中、Ar1、Ar2、R1、R3、pおよびnは、特許請求範囲に定義する意味を有する。特に、本発明は、より具体的には、該阻害剤を含むROCK阻害剤、組成物、具体的には医薬品、および疾患の治療または予防における該阻害剤の使用に関する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のキナーゼ阻害剤、より具体的には、AGCキナーゼ阻害剤、組成物、特に該阻害剤を含む医薬品に関するものであり、および疾患の治療および予防における該阻害剤の使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
AGCファミリータンパク質キナーゼは、これらのファミリーを構成するタンパク質キナーゼA(PKA)、タンパク質キナーゼG(PKG)、およびタンパク質キナーゼC(PKC)にちなんで命名されている。
【0003】
対象となるAGCキナーゼの1つは、Rho関連コイルドコイル形成タンパク質セリン/スレオニンキナーゼ(ROCK)であり、Ras関連低分子量GTPaseRhoのエフェクターであると信じられている。Rhoファミリーは、RhoA、B、C、D、E、F、G、Rad、Rac2、Cdc42、およびTC10を含む少なくとも10種類の低分子量GTP結合タンパク質からなる。ROCKの2種類のアイソフォーム:α(ROCKII)およびβ(ROCKI)が知られている。ROCKIは、心臓、肺および骨格筋等の非神経組織中で最も高い発現レベルを示すのに対し、ROCKIIは、もっぱら脳内(海馬、大脳皮質、および小脳)で発現する。
【0004】
Rho/Rhoキナーゼが媒介する経路は、アンジオテンシンII、5−HT、NA、トロンビン、エンドセリン1、ウロテンシンII、血小板由来増殖因子、およびATP/ADP等の多くのアゴニストの信号伝達経路に重要な役割を果たしている。ROCKの活性化は、MLCP、MLC、LIMK、CRMP2等の種々のタンパク質のリン酸化を起こす。主要な基質の1つが、ミオシン軽鎖MLCである。MLCの活性化は、ROCKによるMLCホスファターゼの不活性化とともに、アクチン−ミオシン相互作用、およびそれに続く細胞収縮および張線維の生成を刺激する原因となる。ROCKは、アクチンフィラメントの増大をもたらすLIMの活性化も引き起こす。最後に、ROCKは、細胞骨格制御二関与するERMタンパク質複合体および他のタンパク質を活性化する。
【0005】
結論として、ROCKは、平滑筋の収縮、アクチン細胞骨格の形成、血小板の活性化、ミオシンホスファターゼによる細胞の接着、移動、増殖、および生存の下方制御、トロンビンによる大動脈平滑筋の応答、心筋細胞の肥大、気管支平滑筋の収縮、平滑筋の収縮、および非筋肉細胞の細胞骨格の再形成、容積調節アニオンチャンネルの活性化、神経突起退縮、好中球の遊走、創傷の治癒、および細胞形質転換および遺伝子発現等の種々の細胞機能に重要な役割を果たしている。
【0006】
より具体的には、ROCKは、高血圧、脳血管けいれん、冠けいれん性狭心症、気管支ぜんそく、早期陣痛、勃起不全、緑内障、血管平滑筋細胞の増殖、心筋肥大、悪性腫瘍、虚血/再灌流傷害、内皮機能不全、クローン病および潰瘍性大腸炎、レイノルド病、良性前立腺過形成、およびアテノーム性動脈硬化等の種々の疾患および異常に関与している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、ROCKの阻害剤の開発は、ROCK経路が関与する疾患の治療のための治療薬として有用であろう。特にこれらの疾患の大部分について現在利用できる治療が不適切とすると、ROCKの活性化に伴う種々の疾患または症状を治療するのに有用なROCKの阻害剤を開発する大きな必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要約
本明細書に記載の化合物が、AGCキナーゼ、特にROCKに対する阻害剤として作用することを本発明者らが発見したのは驚くべきことである。
【0009】
これらの化合物、およびこれらの医薬的に許容される組成物は、ぜんそく等のアレルギー性疾患、循環器疾患、血管疾患、眼疾患、腎疾患、勃起不全、炎症性疾患、増殖性疾患、神経疾患および中枢神経系(CNS)疾患、骨粗鬆症、腎疾患およびAIDS等の種々の疾患の治療または重篤度の軽減に有用である。
【0010】
第1の態様から見ると、本発明は、式IまたはIIの化合物、またはこれらの立体異性体、互変異性体、ラセミ体、代謝産物、プロドラッグまたは前駆薬、塩、水和物、または溶媒和物を提供する。
【化1】

式中:
Arは、炭素原子と少なくとも1つの窒素原子とを含む芳香族6員環の第1の環であって、該第1の環は、炭素原子と、場合によっては少なくとも1つの窒素原子とを含む、飽和、不飽和、または芳香族4員環、5員環、6員環、または7員環の第2の環と場合によっては縮合しており、該第1あるいは第2の環は、それぞれ単独で、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アシル、アリールまたはヘテロアリールを含む群より単独で選択される1つ以上の置換基で置換されており、該置換基は、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、アミド、カルボキシ、アミノ、シアノ、ハロアルコキシ、およびハロアルキルを含む群より選択される1つ以上のさらなる置換基によって場合によっては置換されており;
Arは、炭素原子と場合によっては1つまたは2つのヘテロ原子とを含む芳香族5員環または6員環の第3の環であって、該第3の環は、炭素原子と場合によっては少なくとも1つのヘテロ原子とを含む芳香族6員環の第4の環と場合によっては縮合しており、該第3の環は、ハロゲン、アルケニル、アルキル、アルキニル、アシルアミノ、アルコキシ、アリールアミノ、ニトロ、ハロアルコキシ、アリール、またはヘテロアリールを含む群より選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されており、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、アミド、カルボキシ、アミノ、シアノ、ハロアルコキシ、およびハロアルキルを含む群より選択される1つ以上のさらなる置換基によって場合によっては置換されており;
nは、0または1より選択される整数であり;
pは、2、3、4または5;好ましくは3または4、さらに好ましくは3、より選択される整数であり
は、下式より選択され:
【化2】

は、下式で表され、
【化3】

Aは、酸素または硫黄原子であり;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはアラルキルより選択され、
およびRは、それぞれ単独で水素、あるいはアルコキシ、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アミノ、アラルキル、アリール、カルボニルアミノ、シクロアルキル、ホルミルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルより選択される群、
を含む群より選択され、またはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール基に縮合しており、またはヘテロアリール基は、1つ以上のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールであってよく、またはRおよびRは、これらが結合した炭素原子とともにヘテロシクリル環を形成しており、

それぞれの基または該ヘテロシクリル環は、ハロ、アルケニルアミノオキシ、アルコキシ、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシアミノアルケニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルチオ、アミノ、アラルキル、アリール、アリールアルケニルアミノオキシ、アリールアミノ、アリールアミノスルホニル、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニルアンモキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロシクリル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、オキソ、スルホニルより選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されており、またはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル置換基と縮合しており、またはヘテロアリールは1つ以上のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであってよく、

それぞれの該置換基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルキルヘテロアリール、アルキルスルホニル、アラルキル、アリール、アリールアミノ、アリールオキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ニトロ、オキソ、またはスルホニルより選択される1つ以上のさらなる置換基で場合によっては置換されており、

nが1である場合、RおよびRは、これらが結合した炭素原子とともに、
ハロ、アルケニルアミノオキシ、アルコキシ、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシアミノアルケニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルチオ、アミノ、アラルキル、アリール、アリールアルケニルアミノオキシ、アリールアミノ、アリールアミノスルホニル、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールアルケニルアンモキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロシクリル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、オキソ、スルホニルより選択される1つ以上のさらなる置換基で場合によっては置換されたヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成しており、またはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルと縮合しており、またはヘテロアリール置換基は、1つ以上のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、

または1つ以上のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリル環と場合によっては縮合しており、

それぞれの該置換基または縮合環は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルヘテロアリール、アルキルスルホニル、アラルキル、アリール、アリールアミノ、アリールオキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、またはスルホニルを含む群より選択される1つ以上のさらなる置換基で場合によっては置換されている。
【0011】
他の態様から見ると、本発明は、本発明の化合物を含む、医薬組成物および/または獣医薬組成物を提供する。
【0012】
さらに他の態様から見ると、本発明は、人間医学または獣医学で用いるための本発明の化合物を提供する。
【0013】
さらに他の態様から見ると、本発明は、眼疾患、勃起不全、循環器疾患、血管疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、神経疾患および中枢神経系(CNS)の疾患、気管支ぜんそく、骨粗鬆症、腎疾患、およびAIDSを含む群より選択される少なくとも1つの疾患および/または異常の予防および/または治療のための薬剤の調製時において本発明の化合物の使用を提供する。
【0014】
さらに他の態様から見ると、本発明は、網膜症、黄斑変性、および緑内障を含む眼疾患の予防および/または治療、および/または合併症および/またはこれらに伴う症状の予防、治療および/または軽減のための薬剤の調製時において本発明の化合物の使用を提供する。
【0015】
さらに他の態様から見ると、本発明は、接触性皮膚炎、乾癬、関節リウマチ、炎症性大腸炎、クローン病、および潰瘍性大腸炎を含む群より選択される炎症性疾患の予防、および/または治療、および/またはこれらにに伴う合併症および/または症状および/または炎症性応答の予防、治療、および/または軽減のための薬剤の調製時において本発明の化合物の使用を提供する。
【0016】
さらに他の態様から見ると、本発明は、急性発作、うっ血心不全、循環器虚血、心疾患、心臓リモデリング、狭心症、冠けいれん性狭心症、脳血管けいれん、肺血管収縮、再狭窄、高血圧、(肺)高血圧、動脈硬化、(深部血栓症等の)血栓症、および血小板関連疾患を含むがこれらに限定されない群より選択される循環器疾患および血管疾患、および/または合併症および/もしくはこれらに伴う症状の予防、治療および/または軽減のための薬剤の調製時において本発明の化合物の使用を提供する。
【0017】
さらに他の態様から見ると、本発明は、卒中、多発性硬化症、脳または脊髄損傷、アルツハイマー病、MS、および神経痛を含む炎症および脱髄疾患を含む群より選択される神経および中枢神経径疾患の予防、治療、および/または管理、および/またはこれらに伴う合併症および/または症状の予防、治療、および/または軽減のための薬剤の調製時において本発明の化合物の使用を提供する。
【0018】
さらに他の態様から見ると、本発明は、脳腫瘍(グリオーマ)、乳ガン、大腸ガン、腸ガン、皮膚ガン、頭頸部ガン、腎臓ガン、肺癌、肝ガン、卵巣ガン、膵臓ガン、前立腺ガン、または甲状腺ガン、白血病、リンパ腫、肉腫、悪性黒色腫を含む群より選択されるガンの予防、および/または治療、および/またはこれらに伴う合併症および/または症状および/または炎症性応答の予防、治療、および/または軽減のための薬剤の調製時において本発明の化合物の使用を提供する。
【0019】
さらに他の態様から見ると、本発明は、勃起不全、気管支ぜんそく、骨粗鬆症、腎疾患、およびAIDSの予防および/または治療、および/またはこれらに伴う合併症および/または症状の予防、治療、および/または軽減のための薬剤の調製時において本発明の化合物の使用を提供する。
【0020】
さらに他の態様から見ると、本発明は、インビボまたはインビトロで、少なくとも1種類のキナーゼの活性を阻害するため、本発明の化合物、または該化合物を含む組成物の使用を提供する。
【0021】
さらに他の態様から見ると、本発明は、少なくとも1種類のROCKキナーゼ、例えばROCKIIおよび/またはROCKIアイソフォームの活性を阻害するため、本発明の化合物、または該化合物を含む組成物の使用を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
発明の詳細な説明
ここで、本発明をより詳細に説明する。以下の節において、本発明の種々の態様をより詳細に定義する。このように定義するそれぞれの態様は、特に明記しない限り、任意の他の態様と結びつけることができる。具体的には、好ましいか、または有利であると示されている任意の特徴を、好ましいか、または有利であると示されている任意の他の特徴と結びつけることができる。
【0023】
文脈からそうでないことが示されていない場合、本明細書で、図示した1価または2価の基が、その基の関係する構造、またはその基が部分を形成するような構造に結合している点を示すのに、アステリスクを用いている。
【0024】
式IまたはIIの化合物中に存在しうる未定義の(ラセミ)不斉中心は、未定義の不斉中心の結合であることを視覚化するために、波線の結合または直線の結合を描くことで交換可能なように示しており、例えば、
【化4】

は、式IまたはIIの化合物のアミンを有する炭素として用いている。
【0025】
一実施態様では、本発明は、以下の式IまたはIIの化合物を提供する:
【化5】

式中、
Arは、炭素原子と少なくとも1つの窒素原子とを含む芳香族6員環の第1の環であって、該第1の環は、炭素原子と、場合によっては少なくとも1つの窒素原子とを含む、飽和、不飽和、または芳香族4員環、5員環、6員環、または7員環の第2の環と場合によっては縮合しており、該第1あるいは第2の環は、それぞれ単独で、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アシル、アリールまたはヘテロアリールを含む群より単独で選択される1つ以上の置換基で置換されており、式中該置換基は、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、アミド、カルボキシ、アミノ、シアノ、ハロアルコキシ、およびハロアルキルを含む群より選択される1つ以上のさらなる置換基によって場合によっては置換されており、
Arは、炭素原子と場合によっては1つまたは2つのヘテロ原子とを含む芳香族5員環または6員環の第3の環であって、該第3の環は、炭素原子と場合によっては少なくとも1つのヘテロ原子とを含む芳香族6員環の第4の環と場合によっては縮合しており、該第3の環は、ハロゲン、アルケニル、アルキル、アルキニル、アシルアミノ、アルコキシ、アリールアミノ、ニトロ、ハロアルコキシ、アリール、またはヘテロアリールを含む群より選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されており、式中、該置換基は、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、アミド、カルボキシ、アミノ、シアノ、ハロアルコキシ、およびハロアルキルを含む群より選択される1つ以上のさらなる置換基によって場合によっては置換されており、
Nは、0または1より選択される整数であり、
pは、2、3、4または5、好ましくは3または4、さらに好ましくは3より選択
される整数であり、
は、下式より選択され:
【化6】

は、下式で表され、
【化7】

式中、
Aは、酸素または硫黄原子であり、
、RおよびRは、それぞれ単独で、
(A)水素;
(B)場合によっては下記で置換されたアルキル、アルケニル、またはアルキニル:
(i)1つ以上のホモ、ヘテロ、アリール、またはヘテロアリール環が縮合していてもよいホモ、ヘテロ、アリールまたはヘテロアリール環で、この環、または1つ以上の任意の環は、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、およびホモ、ヘテロ、アリール、またはヘテロアリール環からなる第1の群よりそれぞれ単独で選択され、この第1の群の任意の置換基は、酸素、硫黄、または酸素原子を介して、または1つの炭素原子を介して結合しており、またはハロ、オキソ、ニトロ、アミド、カルボキシ、ヒドロキシル、アミノ、シアノおよびハロアルコキシからなる第2の群よりそれぞれ単独で選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されており;または
(ii)(i)で定義した第2の群より選択される置換基、または
(iii)(i)で定義した第1の群より選択される置換基で、該置換基は酸素、硫黄、または酸素原子を介して、または1つの炭素原子を介して結合しており、ホモ、ヘテロ、アリール、またはヘテロアリール環は、(i)で定義したとおりであり;
(C)場合によっては下記で置換されたホモまたはヘテロ環:
(iv)(i)で定義したホモ、ヘテロ、アリール、またはヘテロアリール環;または
(v)(i)で定義した第2の群より選択される置換基;または
(vi)(i)で定義した第1の群より選択される置換基で、該アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、および、ホモ、ヘテロ、アリール、またはヘテロアリール環は、存在する場合には、酸素、硫黄、または酸素原子を介して、または1つの炭素原子を介して結合しており、ホモ、ヘテロ、アリール、またはヘテロアリール環は、(i)で定義したとおりであり;または
(vii)ホモまたはヘテロ環が4つ以上の環原子を有し、縮合したホモまたはヘテロ環が、1つ以上のホモまたはヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環であってよい場合、アリールまたはヘテロアリール環、および存在する場合にはこれらの環は、(i)で定義した第1または第2の群よりそれぞれ単独で選択される1つ以上のさらなる置換基で場合によっては置換されていてもよく、存在する場合には、第2の群に含まれる置換基は、酸素、硫黄、または酸素原子を介して、または1つの炭素原子を介して結合している。
(D)場合によっては置換されているアリールまたはヘテロアリール:
(viii)(i)で定義したホモ、ヘテロ、アリール、またはヘテロアリール環;または
(ix)(i)で定義した第2の群より選択される置換基;または
(x)(i)で定義した第1の群より選択される置換基で、該置換基は酸素、硫黄、または酸素原子を介して、または1つの炭素原子を介して結合しており、ホモ、ヘテロ、アリール、またはヘテロアリール環は、(i)で定義したとおりであり;
(xi)縮合したホモまたはヘテロ環が、1つ以上のホモまたはヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環である場合、アリールまたはヘテロアリール環、および存在する場合にはこれらの環は、(i)で定義した第1または第2の群よりそれぞれ単独で選択される1つ以上のさらなる置換基で場合によっては置換されていてもよく、存在する場合には、第2の群に含まれる置換基は、酸素、硫黄、または酸素原子を介して、または1つの炭素原子を介して結合しており、またはRおよびRは、これらが結合した共通の窒素原子とともにヘテロ環を形成していてもよく、またはnが1である場合、RおよびRは、これらが結合した共通の窒素原子とともにともにヘテロ環を形成していてもよく、この環は、場合によっては下記で置換されている;
(xii)(B)で定義したアルキル、アルケニルまたはアルキニル、(C)で定義したホモまたはヘテロ環、または(D)で定義したアリールまたはヘテロアリール環;
(xiii)RおよびRおよび共通の窒素原子より形成された、場合によっては置換されているこのヘテロ環が4つ以上の環原子を有し、縮合したホモまたはヘテロ環が、1つ以上のホモまたはヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環であってよい場合、これらの環は、存在する場合には、(B)で定義したアルキル、アルケニルまたはアルキニル、(C)で定義したホモまたはヘテロ環;または(D)で定義したアリールまたはヘテロアリール環でそれぞれ単独で置換されていてもよい。
または、これらの立体異性体、互変異性体、ラセミ体、代謝産物、プロドラッグまたは前駆薬、塩、水和物、または溶媒和物を提供する。
【0026】
本発明の化合物について記載する場合、用いる用語は、文脈から異なると解釈される場合を除き、以下の定義にしたがって解釈される。
【0027】
「アルキル」という用語は、それ自体で、または他の置換基の一部として、式C2n+1の炭化水素基を意味し、ここで、nは1以上の数である。通常、本発明のアルキル基は、1〜20個の炭素原子、より好ましくは1〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは1〜8個の炭素原子、具体的には、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含んでいる。アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、本明細書で示すように置換を受けていてもよい。本明細書で、炭素原子の後に下付き文字を用いる場合、下付き文字は、炭素原子の数を意味し、名前を有する基を含んでいてもよい。したがって、例えば、C1〜4アルキルとは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル、およびその異性体(n-ブチル、i-ブチル、およびt-ブチル等)、ペンチルおよびその異性体、ヘキシルおよびその異性体、ヘプチルおよびその異性体、オクチルおよびその異性体、ノニルおよびその異性体、デシルおよびその異性体がある。C1〜6アルキルは、炭素原子数が1〜6である全ての直鎖状、分岐または環状アルキルを含んでおり、したがって、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、ブチルおよびその異性体(n-ブチル、i-ブチル、およびt-ブチル等)、ペンチルおよびその異性体、ヘキシルおよびその異性体、シクロペンチル、2-、3-、または4-メチルシクロペンチル、シクロペンチルメチレン、シクロヘキシルを含んでいる。
【0028】
「場合によっては置換されているアルキル」という用語は、任意の利用可能な結合点において、1つ以上の置換基(例えば、1つ〜4つの置換基、あるいは、例えば、1つ、2つ、3つ、もしくは4つの置換基、または1つもしくは2つの置換基)で場合によっては置換されているアルキル基を意味する。該置換基の非限定的な例としては、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル、ニトロ、アミノ、オキシム、イミン、アジド、ヒドラジノ、シアノ、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アシル、アルキルアミノ、アルコキシ、チオ、アルキルチオ、カルボン酸、アシルアミノ、アルキルエステル,カルバメート、チオアミド、アミド、尿素、スルホンアミド等が挙げられる。
【0029】
「アルキル」という用語が、「ヒドロキシアルキル」のように、他の用語の接尾語として用いられている場合、上で定義するアルキル基が、同様に本明細書で定義するような、他の固有の名称を有する置換基より選択される1つまたは2つ(好ましくは1つ)の置換基で置換されていることを意味する。「ヒドロキシアルキル」という用語は、-Ra−OH基を意味し、ここでRaは、本明細書で定義するアルキレン基である。例えば、「ヒドロキシアルキル」は、2-ヒドロキシエチル、1-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピル、3,4−ジヒドロキシブチル等を含んでいる。「アルコキシアルキル」は、1つまたは2つのOR'で置換されたアルキル基を意味し、ここで、R'は、後に定義するアルコキシ基である。例えば、「アラルキル」または「(アリール)アルキル」とは、少なくとも1つのアルキル置換基が、後に定義するアリールである、ベンジル等の置換アルキルを意味する。例えば、「ヘテロアリールアルキル」とは、少なくとも1つのアルキル置換基が、後に定義するヘテロアリールである、ピリジニル等の置換アルキルを意味する。
【0030】
本明細書で用いる場合、「シクロアルキル基」という用語は、環状アルキル基、すなわち、1つ、2つ、または3つの環状構造を有する1価の炭化水素基を意味する。シクロアルキルは、全ての飽和、または部分飽和(1つまたは2つの二重結合を含む)の、1〜3個の環を含む、単環式、二環式、および三環式等の炭化水素基を含む。シクロアルキル基は、環内に3個以上の、本発明においては、通常3〜10個の炭素原子、より好ましくは3〜8個の炭素原子、さらにより好ましくは3〜6個の炭素原子を含んでいてよい。多環式シクロアルキルの他の環は、縮合、架橋、および/または1つ以上のスピロ原子を介して結合していてもよい。シクロアルキル基は、後に議論するホモ環状環の部分集合と見なすこともできる。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、およびシクロデシルがあり、シクロプロピルが特に好ましい。「場合によっては置換されているシクロアルキル」とは、上でシクロアルキルについて定義したものより選択される1つ以上の置換基(例えば、1つ〜3つの置換基、または、1つもしくは2つの置換基)を場合によっては有するシクロアルキルを意味する。接尾語「エン」が、環式基について用いる場合、他の基に対する結合点として2つの単結合を有する、本明細書で定義した環式基を意味することを意図している。
【0031】
定義したアルキル基が、2価、すなわち、他の2つの基と結合するための2つの単結合を有する場合、これらは「アルキレン基」と称される。アルキレン基の非限定的な例としては、メチレン、エチレン、メチルメチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン,ペンタメチレン、およびヘキサメチレンが挙げられる。同様に、上で定義したアルケニル基および上で定義したアルキニル基が、それぞれ、他の基に結合するための単結合を有する2価の基である場合、これらは、それぞれ、「アルケニレン」および「アルキニレン」と称される。
【0032】
通常、本発明のアルキレン基は、好ましくは、対応するアルキル基と同数の炭素原子を含んでいる。本明細書で「シクロアルキレン」は、式C2n−2の2価の飽和ホモ環状炭化水素基を意味する。本発明のシクロアルキレン基は、好ましくは、対応するシクロアルキル基と同数の炭素原子を含んでいる。2価のアルキレン基またはシクロアルキレン基が存在する場合、この基が一部をなす分子との結合は、共通の炭素原子、または異なる炭素原子を介してよく、好ましくは、共通の炭素原子を介している。このことを説明するために、本発明のアステリスクによる分類を適用すると、Cアルキレン基は、例えば、−CHCHCH−CH(−CHCH)−、または−CHCH(−CH)−であってよい。同様に、Cシクロアルキレン基は、
【化8】

であってよい。
【0033】
シクロアルキレン基が存在する場合、この基は、この基が一部をなす分子との結合が、共通の炭素原子を介している、好ましくはC〜Cシクロアルキレン基、より好ましくはCシクロアルキレン基(シクロプロピレン基)である。本発明の化合物中の2価のシクロアルキレンおよびアルキレン基は、置換されていてもよいが、好ましくは置換されていない。
【0034】
本明細書で用いる場合、「アルケニル」という用語は、直鎖、分岐鎖または環状であってよく、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含む不飽和の炭化水素基を意味する。したがって、アルケニル基は、2個以上の炭素原子を含んでおり、好ましくは2〜20個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは2〜8個の炭素原子、例えば、2〜6個の炭素原子を含んでいる。シクロアルキル基と同様、シクロアルケニル基は、以後議論するホモ環状環の部分集合であるとみなすことができる。アルケニル基の例としては、エテニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニルおよびその異性体、2−ヘキセニルおよびその異性体、2−ヘプテニルおよびその異性体、2−オクテニルおよびその異性体、2,4−ペンタジエニル等がある。場合によっては置換されているアルケニルとは、上で置換アルキルについて定義したものより選択される1つ以上の置換基(例えば、1つ、2つ、または3つの置換基、あるいは1つ〜2つの置換基)を場合によっては有するアルケニルを意味する。シクロアルキル基と同様、シクロアルケニル基は、以後議論するホモ環状環の部分集合であるとみなすことができる。
【0035】
本明細書で用いる場合、「アルキニル」とは、アルケニルと同様、1価の不飽和炭化水素基であって、不飽和が1つ以上の炭素−炭素三重結合に由来するものを意味する。アルキニル基は、通常、かつ好ましくは、上述のアルケニル基に関するのと同数の炭素原子を含む。アルキニル基の例としては、エチニル、2-プロピニル、2-ブチニル、3-ブチニル、2-ペンチニルおよびその異性体、2-ヘキシニルおよびその異性体、2-ヘプチニルおよびその異性体、2-オクチニルおよびその異性体等がある。場合によっては置換されているアルキニルとは、上で置換アルキルについて定義したものより選択される1つ以上の置換基(例えば、1つ〜4つの置換基、または1つ〜2つの置換基)を場合によっては有しているアルキニルを意味する。シクロアルキル基と同様、シクロアルキニル基は、以後議論するホモ環状環の部分集合であるとみなすことができる。
【0036】
本明細書で用いる場合、「ホモ環状環」という用語は、環原子が炭素原子のみを含む環を意味する。したがって、ホモ環状環の例としては、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニルが挙げられ、シクロアルキルおよびシクロアルケニルが好ましい。環の炭素原子がヘテロ原子,好ましくは窒素、酸素または硫黄で置換されている場合,該置換により生じるヘテロ原子を含むを、以後、ヘテロ環状環と称する。2つ以上の炭素原子が置換され、複数のへテロ源を含むヘテロ環状環を形成していてもよい。
【0037】
本明細書で用いる場合、「ヘテロシクリル」または「ヘテロシクロ」という用語は、それ自体で、または他の基の一部として、非芳香族の、完全に飽和、または一部が不飽和の、少なくとも1つの炭素原子を含む環において少なくとも1つのヘテロ原子を含む環状基(例えば、3〜13員環の単環式、7〜17員環の二環式、または10〜20員環の三環式、または3〜10個の環原子を含む)を意味する。ヘテロ原子を含むヘテロ環基のそれぞれの環は、窒素原子、酸素原子、および/または硫黄原子より選択される、1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を有していてよく、窒素および硫黄ヘテロ原子は場合によっては酸化されていてもよく、窒素原子は、場合によっては四級化されていてもよい。ヘテロ環基は、環または環系における、原子価が許容する任意のヘテロ原子または炭素原子で結合していてよい。多環式ヘテロ環の環は、縮合、架橋、および/または1個または複数個のスピロ原子を介して結合していてもよい。場合によっては置換されているヘテロ環とは、上において置換アリールについて定義したものより選択される1つ以上の置換基(例えば、1つ〜4つの置換基、または1つ〜2つの置換基)を有するヘテロ環を意味する。
【0038】
ヘテロ環基としては、ピペリジニル、アゼチジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジル、スクシンイミジル、3H−インドリル、インドリニル、イソインドリニル、クロメニル、イソクロマニル、キサンテニル、2H−ピロリル、1−ピロリニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニル、4H−キノリジニル、4aH−カルバゾリル、2−オキソピペラジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、2−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、ピラニル、ジヒドロ−2H−ピラニル、4H−ピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル,トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、オキセタニル、チエタニル、3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル、2,5−ジオキシイミダゾリジニル、2,2,4−ピペリドニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼニル、インドリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルスルホキシド、チオモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソラニル、1,4−オキサチアニル、1,4−ジチアニル、1,3,5−トリオキサニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H−1,5,2−ジチアジニル、2H−オキソシニル、1H−ピロリジニル、テトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、N−ホルミルピペラジニル、およびモルホリニルが挙げられる。
【0039】
本明細書で用いる場合、「アリール」という用語は、複数の不飽和結合を有し、単一の環(フェニル等)または縮合(ナフタレンまたはアントラセン等)もしくは共有結合した複数の芳香属環を有し、通常5〜8個の原子を含み、少なくとも1つの環が芳香族である芳香族炭化水素基を意味する。芳香族環は、これに縮合した1つ〜3つの他の環(シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールのいずれか)を場合によっては有していてよい。アリールには、ここで列挙した炭素環式系の部分水素化誘導体も含まれることが意図される。アリールの非限定的な例には、フェニル、ビフェニリル、ビフェニレニル、5−または6−テトラリニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−アズレリニル、1−または2−ナフチル、1−、2−または3−インデニル、1−、2−または9−アンスリル、1−、2−、3−、4−または5−アセナフチレニル、3−、4−または5−アセナフテニル、1−、2−、3−、4−または10−フェナンスリル、1−または2−ペンタレニル、1、2−、3−または4−フルオレニル、4−または5−インダニル、5−、6−、7−または8−テトラヒドロナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、1,4−ジヒドロナフチル、ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニル、1−、2−、3−、4−または5−ピレニルが含まれる。
【0040】
アリール環は、1つ以上の芳香族置換基で場合によっては置換されていてもよい。「場合によっては置換されているアリール」とは、任意の可能な結合点において、1つ以上の置換基(例えば、1つ〜5つの置換基、または1つ〜2つの置換基)を場合によっては有しているアリールを意味する。該置換基の非限定的な例は、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、アミノ、ヒドラジノ、アミノカルボニル、アジド、シアノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、−SO−NH、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ヘテロアリールアルキル、アルキルスルホンアミド、ヘテロシクリル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アシル、アリールカルボニル、アミノカルボニル、アルキルスルホキシド、−SO15、アルキルチオ、カルボキシ等より選択され、ここで、R15は、アルキルまたはシクロアルキルである。
【0041】
本明細で用い場合、「アリーレン」という用語は、フェニレン、ビフェニリレン、ナフチレン、アントラセニレン、フェナントレニレン、フルオレニレン、インデニレン、ペンタレニレン、アズレリニレン等の2価の炭素環式芳香族環系を意味する。アリーレンには、ここで列挙された炭素環式系の部分水素化誘導体も含まれることが意図される。該部分水素化された誘導体の非限定的な例としては、1,2,3,4−テトラヒドロナフチレン、1,4−ジヒドロナフチレン等がある。
【0042】
アリール基における炭素原子は、ヘテロ原子で置換されていてもよく、得られる環は、本明細書においてヘテロアリール環と称される。
【0043】
本明細書で用い場合、「ヘテロアリール」 という用語は、それ自体で、または他の基の一部として、5〜12個の炭素原子を有する芳香族環、または縮合または共有結合し、通常5〜8個の原子を含み、そのうち少なくとも1つが芳香族であり、これらの環のうち1つ以上の炭素原子が、酸素、窒素、または硫黄原子で置換されていてもよく、窒素および硫黄ヘテロ原子が場合によっては酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子が場合によっては四級化されていてもよい1つ〜3つの環を含む環系を意味する。該環は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル環に縮合していてもよい。ヘテロアリールの非限定的な例は、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、1,2,3−トリアゾール−1−、−2−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−、−4−または−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−または−4−イル、1,3,4−チアジアゾリル、1−または5−テトラゾリル、2−、3−または4−ピリジル、3−または4−ピリダジニル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、2−、3−、4−、5−6−2H−チオピラニル、2−、3−または4−4H−チオピラニル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフリル、1−、3−、4−または5−イソベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾチエニル、1−、3−、4−または5−イソベンゾチエニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、2−または3−ピラジニル、1,4−オキサジン−2−または−3−イル、1,4−ジオキシン−2−または−3−イル、1,4−チアジン−2−または−3−イル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジン−2−、−4−または−6−イル、チエノ[2,3−b]フラン−2−、−3−、−4−、または−5−イル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、1−、2−チアントレニル、3−、4−または5−イソベンゾフラニル、1−、2−、3−、4−または9−キサンテニル、1−、2−、3−または4−フェノキサチイニル、2−、3−ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−インドリジニル、2−、3−、4−または5−イソインドリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インダゾリル、2−、6−、7−または8−プリニル、4−、5−または6−フタラジニル、2−3−または4−ナフチリジニル、2−、5−または6−キノキサリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、1−、2−、3−または4−キノリジニル、2−、3−、4−、5−、6−、7−,または8−キノリニル(キノリル)、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリニル(イソキノリル)、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、6−または7−プテリジニル、1−、2−、3−、4−または9−カルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−カルボリニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−または10−フェナントリジニル、1−、2−、3−または4−アクリジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−ペリミジニル、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−または10−(1,7)フェナントロリニル、1−または2−フェナジニル、1−、2−、3−、4−、または10−フェノチアジニル、3−または4−フラザニル、1−、2−、3−、4−、または10−フェノキサジニル、またはこれらのさらに置換された誘導体であってよい。
【0044】
「場合によっては置換されたヘテロアリール」とは、上で置換アリールについて定義したものより選択される1つ以上の置換基(例えば、1つ〜4つの置換基、または1つ〜2つの置換基)を場合によっては有しているヘテロアリールを意味する。
【0045】
本明細書で用いる場合、「オキソ」という用語は、基=Oを意味する。
【0046】
本明細書で用いる場合、「アルコキシ」という用語は、式−ORを有する基を意味し、ここでRはアルキルである。好ましくは、アルキルは、C〜C10アルキル、好ましくはC〜Cアルキルである。アルコキシ基における酸素原子が硫黄で置換されている場合、得られる基はチオアルコキシと呼ばれる。ハロアルコキシは、アルキル基における1つ以上の水素原子がハロで置換された基である。
【0047】
本明細書で用いる場合、「アリールオキシ」という用語は、基−O−アリールを示し、ここで、アリールは上で定義したとおりである。
【0048】
本明細書で用いる場合、「アロイル」という用語は、基−C(O)−アリールを示し、ここで、アリールは上で定義したとおりである。
【0049】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、それ自体で、または他の置換基の一部として、上述のアルキル鎖の1つに結合した上述のシクロアルキル基の1つを有する基を意味する。該シクロアルキルアルキル基の例としては、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、1−シクロペンチルエチル、1−シクロヘキシルエチル、2−シクロペンチルエチル、2−シクロヘキシルエチル、シクロブチルプロピル、シクロペンチルプロピル、3−シクロペンチルブチル、シクロヘキシルブチル等が挙げられる。
【0050】
「ヘテロシクリル‐アルキル」という用語は、それ自体で、または他の置換基の一部として、上述のアルキル鎖の1つに結合した上述のヘテロシクリル基の1つを有する基、すなわち、Rはアルキレンまたはアルキル基で置換されたアルキレンであり、Rはヘテロシクリル基である基−R−Rを意味する。
【0051】
「アシル」という用語は、それ自体で、または他の置換基の一部として、2〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、またはアルカノイル残基が1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルカノイル基、すなわち、アルキル、アリール等であるがこれらに限定されない基に結合したカルボニル基、より具体的には、R10が、上で定義したアルキル、アリール、置換アルキル、または置換アリールより選択されうる基-COR10を意味する。したがって、アシルという用語には、R10がアルキルであるアルキルカルボニル(-COR10)が含まれる。好ましくは、アシルは、C〜C11アシル、またはC〜Cアシルである。アシル基における酸素原子が硫黄で置換されている場合、得られる基はチオアシルと称される。該アシルの例として、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリルおよびピバロイル、ベンゾイル、フェニルアセチル、フェニルプロピオニル、およびフェニルブチリルを挙げることができる。
【0052】
「アミノ」という用語は、基−NHを意味する。
【0053】
「アルキルアミノ」という用語は、それ自体で、または他の置換基の一部として、1つまたは2つの、単独で選択され、場合によっては置換されているアルキル基、シクロアルキル基、アラルキルまたはシクロアルキルアルキル基に結合したアミノ基を意味し、すなわち、アルキルアミノは、RおよびRが、それぞれ単独で、水素、シクロアルキル、アラルキル、またはアルキルより選択される−N(R)(R)を意味する。アルキルアミノ基の非限定的な例としては、メチルアミノ(NHCH)、エチルアミノ(NHCHCH)、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n-ヘキシルアミノ等が挙げられる。
【0054】
「アミノアルキル」という用語は、、基−R−NRを意味し、ここで、Rがアルキレンまたは置換アルキレンであり、Rが水素、または本明細書で定義したアルキルもしくは置換アルキルであり、Rが水素、または本明細書で定義したアルキルである。
【0055】
「アミノカルボニル」という用語は、基−(C=O)−NHを意味する。
【0056】
「アルキルアミノカルボニル」という用語は、基−(C=O)−NRを意味し、ここで、Rが水素、または本明細書で定義したアルキルもしくは置換アルキルであり、Rが水素、または本明細書で定義したアルキルである。
【0057】
「アルキルアミノカルボニルアミノ」という用語は、基−NH(C=O)−NR、または−NR'(C=O)−NRを意味し、ここで、Rが水素、または本明細書で定義したアルキルもしくは置換アルキルであり、Rが水素、または本明細書で定義したアルキルであり、R'がアルキルまたは置換アルキルである。
【0058】
「カルボキシ」または「カルボキシル」という用語は、基−COHを意味する。したがって、カルボキシアルキルは、−COHである少なくとも1つの置換基を有する、上で定義したアルキル基である。
【0059】
「アルコキシカルボニル」という用語は、アルキル基に結合し、基−C(=O)OR10を生成したカルボキシ基を意味し、ここでR10は、上でアシルについて定義したとおりである。
【0060】
「アルキルカルボニルオキシ」という用語は、−C(=O)OR11を意味し、ここでR11は、上でアシルについて定義したとおりである。
【0061】
「アルキルカルボニルアミノ」という用語は、式-NH(C=O)Rまたは-NR'(C=O)Rの基であり、ここで、RおよびR'は、それぞれ単独で、アルキルまたは置換アルキルである。
【0062】
「アルキルカルボニルアミノアルキル」という用語は、基−R−NR−C(=O)−Rを意味し、ここで、Rは、アルキレンまたは置換アルキレンであり、Rは、水素、または本明細書で定義したアルキルであり、Rは、本明細書で定義したアルキルである。
【0063】
「アルコキシ」という用語は、それ自体で、または他の置換基の一部として、1つの、場合によっては置換されている直鎖または分岐鎖状アルキル基、アラルキル、またはシクロアルキルアルキル基に結合した酸素原子を含む基を意味する。好適なアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキサンオキシ等が挙げられる。
【0064】
「アルキルチオ」という用語は、それ自体で、または他の置換基の一部として、1つの、場合によっては置換されている直鎖または分岐鎖状アルキル基、アラルキル、またはシクロアルキルアルキル基に結合した硫黄原子を含む基を意味する。アルキルチオ基の非限定的な例としては、メチルチオ(SCH)、エチルチオ(SCHCH)、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ヘキシルチオ等が挙げられる。
【0065】
「アシルアミノ」という用語は、それ自体で、または他の置換基の一部として、上述のアシル基より選択される1つまたは2つのアシル基に結合したアミノ基を含む基を意味する。ジカルボン酸の2つのアシル基がアミノ基に結合している場合、これらは、フタルイミド、マレイミド等のイミドを表し、「アシルアミノ」という用語の意味に含まれる。
【0066】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、基または基の一部として、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードの総称である。
【0067】
「ハロアルキル」という用語は、単独で、または組み合わせで、1つ以上の水素が、上で定義したハロゲンで置換された、上述の意味を有するアルキル基を意味する。該ハロアルキル基の非限定的な例としては、クロロメチル、1−ブロモエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1,1,1−トリフルオロエチル等が挙げられる。
【0068】
「ハロアルコキシ」という用語は、単独で、または組み合わせで、アルキル基が、1つ、2つ、または3つのハロゲン原子で置換されている式−O−アルキルの基を意味する。例えば、「ハロアルコキシ」としては、−OCFおよび−OCHFが挙げられる。
【0069】
「スルホンアミド」という用語は、単独で、または組み合わせで、式−SO−NRRの基を意味し、ここで、Rは、それぞれ単独で、水素、または本明細書で定義したアルキルである。
【0070】
「アルキルスルホニルアミノ」という用語は、単独で、または組み合わせで、式−NR−SO−Rの基を意味し、ここで、Rdは、水素、または本明細書で定義したアルキルであり、Rは、単独で、本明細書で定義したアルキルである。
【0071】
「置換された」という用語が本発明で用いる場合には常に、「置換された」を用いた表現において表示された原子上の1つ以上の原子が、表示された原子の通常の原子価を越えない場合には、表示された基より選択された基で置換されており、置換により化学的に安定な化合物、すなわち、反応混合物よりの有用な純度までの精製、および治療剤としての製剤に耐えうる十分な堅牢性を有する化合物が得られる
【0072】
基が、場合によっては置換されている場合、該基は、1つまたは複数、好ましくは1つまたは2つの置換基で置換されている。置換基は、例えば、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、アミド、カルボキシ、アミノ、シアノハロアルコキシ、およびハロアルキルからなる群より選択することができる。
【0073】
本明細書で用いる場合、「それぞれ、場合によっては置換されているアルキル、アリール、またはシクロアルキル」、または「場合によっては置換されているアルキル、アリール、またはシクロアルキル」という用語は、場合によっては置換されているアルキル、場合によっては置換されているアリール、および場合によっては置換されているシクロアルキルを意味する。
【0074】
本発明で用いる場合に常に、「本発明の化合物」および同様な用語は、一般式IまたはIIおよびこれらの任意の部分集合の化合物を含むことが意図される。この用語は、表1、2、3、4、5、6、および7に図示された化合物およびこれらの誘導体、N−オキシド、塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、ラセミ混合物、互変異性体、光学異性体、アナローグ、プロドラッグ、エステルおよび代謝産物とともに、これらの四級化窒素アナローグをも意味する。この化合物のN−オキシド型には、1つまたはいくつかの窒素原子が酸化され、いわゆるN−オキシドを生じている化合物が含まれることを意図している。
【0075】
明細書および特許請求の範囲において用いる場合、単数形の「a」、「an」、および「the」には、文脈から明らかに異なると解釈される場合を除き、複数の指示対象が含まれる。例としては、「化合物」は、1つの化合物および2つ以上の化合物を意味する。
【0076】
本明細書において、上、または他の箇所で記載された用語は、当業者によく理解されている。
【0077】
以下、本発明の化合物の好ましい特徴について説明する。
【0078】
特定の一実施態様では、式IまたはIIの化合物は、式III、IV、V、またはVIの化合物である。
【化9】

は、−CH−、−CH(R14)−、−NH−、−O−、−S−、−C(=O)−より選択され、
pは、2、3、または4より選択され、
rは、0、1、2、または3より選択される整数であり、
式中、R13およびR14は、それぞれ単独で、水素またはアルキルより選択され、
または、R13およびR14は、これらが結合した炭素原子とともにアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成しており、
または、rが2であり、および2つのR13は、これらが結合した炭素原子とともに、アリール,ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリルを形成しており、
式中、R15およびR16は、これらが結合した炭素原子とともに、それぞれ、ハロ、アルコキシ、アルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルキルヘテロアリール、アルキルスルホニル、アラルキル、アリール、アリールアミノ、アリールオキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、またはスルホニルを含む群より選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されているアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルを形成しており、
式中、Ar、Ar、R、R、およびRは、上で定義したのと同様の意味を有する。
【0079】
Arは、好ましくは、場合によっては置換されていてもよい4−ピリジル環であり、または4−ピリジル環をビシクロ環の一部として含んでおり、該ビシクロ構造は、式IまたはIIに示したアミド残基の窒素原子に、(1)4−ピリジル環中の炭素原子を介して結合している。
【0080】
Arに対する好ましい構造は、下式で表される。
【化10】

式中、
mは、0、1、2、または3より選択される整数であり;
Wは、C(R)またはNであり;
YおよびZは、それぞれ単独で、NおよびCRを含む群より選択され;
は、水素、ハロゲン,またはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールを含む群、より選択され、それぞれの基は、ハロ、ヒドロキシル、アミド、カルボキシ、アミノ、シアノ、ハロアルコキシ、およびハロアルキルを含む群より選択される置換基で場合によっては置換されている。
【0081】
これらのArに対する好ましい構造において、下記の構造が好ましい:
mは0または1、好ましくは0であり;
WはNまたはC(R)であり、特にW中に存在するRは水素である。
【0082】
特定の一実施態様では、Arに対するこれらの構造において、YがCHであり、ZがCHであり、またはYがCHであり、ZがNであり、またはYがNであり、ZがCHである構造が好ましい。
【0083】
Arは、好ましくは下式の構造である:
【化11】

式中、
は、水素およびハロゲン、アルケニル、アルキル、アルキニル、アシルアミノ、アルコキシ、アリールアミノ、ニトロ、ハロアルコキシ、アリールまたはヘテロアリールを含む群より選択され、1つ以上の置換基で場合によっては置換されており;
は、水素、ハロゲンおよびアルキルを含む群より選択される。
【0084】
特に好ましくは、−Ar−は、下式のいずれかであり、
【化12】

好ましくは、式中、RおよびRは水素である。
【0085】
好ましくは、AがR中に存在する場合、Aは酸素または硫黄である。一実施態様では、Aは好ましくは硫黄である。他の実施態様では、Aは好ましくは酸素である。
【0086】
本発明の一実施態様によると、好ましい構造は、下記III1〜VI2の構造式のいずれか1つを有する化合物である。
【化13】

式中、Ar、R、R、R、R13、R15、R16、rおよびpは、上で定義した意味を有する。
【0087】
本発明の具体的な実施態様によると、化合物は、下記III3-VI4の構造式のいずれか1つを有する。
【化14】

式中、Ar、W、Y、Z、Y、R、R、R、R、R13、R15、R16、r、m およびpは、上で定義した意味を有する。
【0088】
一実施態様では、Arはヘテロアリールであり、R、Rは、それぞれ単独で、場合によっては置換されているアリール、アルキル、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、縮合アリールシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニルアミノアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルアミノアルキル、アリールアルキルヘテロシクロアルキル、アルキルアミノを含む群より選択され、置換基は、それぞれ単独で1つ以上の、場合によっては置換されているアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノであり、
または、RおよびRは、これらが結合したNとともに、場合によっては置換されており、1つ以上の、場合によっては置換されているアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルが縮合していてもよいヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており,置換基は、それぞれ単独で1つ以上のアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノであり、それぞれの置換基は、1つ以上のアルキル、アリール、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アラルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキルで場合によっては置換されている。
【0089】
他の実施態様では、Arはヘテロアリールであり、Rは、場合によっては置換されているアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはアリールより選択され、場合によっては置換されているアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルが縮合していてもよく、置換基は、それぞれ単独で1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノである。好ましい実施態様では、Arがピリジン−4−イルである。
【0090】
一実施態様では、本発明は、Arがピリジン−4−イルであり、Arがフェニレンであり、Rが水素であり、Rが、フェニルメチル、2−フェニルメチル、1−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、2(2−クロロフェニル)メチル、2(3−クロロフェニル)メチル、2(4−クロロフェニル)メチル、2(4−メトキシフェニル)メチル、2(2−フルオロフェニル)メチル、2(3−フルオロフェニル)メチル、2(4−フルオロフェニル)メチルより選択され、Rが、メチル、エチル、プロピル、フェニルメチル、フェニル、4メチルフェニル、1−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、2(2−クロロフェニル)メチル、2(3−クロロフェニル)メチル、2(4−クロロフェニル)メチル、2(4−メトキシフェニル)メチル、2(2−メトキシフェニル)メチル、2(2−フルオロフェニル)メチル、2(3−フルオロフェニル)メチル、および2(4−フルオロフェニル)メチルより選択される、上で定義した化合物を提供する。
【0091】
一実施態様では、本発明は、Arがピリジン−4−イルであり、Arがフェニレンであり、RおよびRが、これらが結合したNとともに、場合によっては置換されている1つ以上のアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルが縮合しており、場合によっては置換されているヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、,置換基は、それぞれ単独で、1つ以上の、場合によっては置換されているアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノである、上で定義した化合物を提供する。
【0092】
本発明の具体的な実施態様によると、化合物は、下記III5-VI6の構造式のいずれか1つを有しており、
【化15】

式中、W、Y、Z、Y、R、R、R、R、R13、R15、R16、r、m、およびpは、上で定義した意味を有する。
【0093】
一実施態様では、本発明は、Rが、水素、アルキル、またはシクロアルキルより選択され、W、Y、Z、Y、R、R、R、R13、R15、R16、r、m、およびpが上で定義した意味を有する、上で定義した化合物を提供する。
【0094】
一実施態様では、本発明は、Rが、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキルスルホニルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルキルアミノより選択され、それぞれ、アルキル、アルコキシ、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルより選択される1または複数の置換基で場合によっては置換されており、W、Y、Z、Y、R、R、R、R13、R15、R16、r、m、およびpが上で定義した意味を有する、上で定義した化合物を提供する。
【0095】
一実施態様では、本発明は、RおよびRが、これらが結合したNとともに、場合によっては置換されている1つ以上のアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルが縮合しており、場合によっては置換されているヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、,置換基は、それぞれ単独で、1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノより選択され、,それぞれの置換基は、1つ以上のアルキル、アリール、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アラルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキルで場合によっては置換されており、W、Y、Z、Y、R、R、R13、R15、R16、r、m、およびpは、上で定義した意味を有する、上で定義した化合物を提供する。
【0096】
本発明の特定な一実施態様では、化合物は、下記のIII7−VI8構造式のいずれか1つを有しており、
【化16】

式中、
tは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8より選択される整数であり、
sは、0、または1より選択される整数であり、
vは、0、または1より選択される整数であり、
は、水素、アルキル、またはシクロアルキルより選択され、
20は、水素、またはアルキルより選択され、
Arは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルより選択され、それぞれ、ハロ、アルコキシ、アルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、を含む群より選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されており、
21は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルスルホニルアミノ、ヒドロキシル、アルキルアミノより選択され、
22は、水素、アルキル、アリールより選択され、
は、CHR23、またはNR23より選択され、R23は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルより選択され、それぞれ、アルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ,より選択されるさらなる置換基で場合によっては置換されており、
または、R22、およびR23は、これらが結合した炭素原子とともに、場合によっては置換されているアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、置換基はそれぞれ単独で1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノより選択され、
は、O、NR26、またはC(R26)R27より選択され、R26およびR27は、それぞれ単独で、水素、またはアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシルを含む群より選択され、,それぞれの基は、1つ以上のアルキル、ハロ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アルコキシで場合によっては置換されており、
24およびR25は、それぞれ単独で、水素、またはアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシルを含む群より選択され、,それぞれの基は、1つ以上のアルキル、ハロ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アルコキシで場合によっては置換されており、
または、R24およびR26は、これらが結合した原子とともに、場合によっては置換されているアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、置換基は、単独で1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノより選択され、
は、O、S、NR30、またはCHR30より選択され、R30は、水素、またはアルキル、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルを含む群より選択され、それぞれの基は、1つ以上のハロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリールで場合によっては置換されており、
28およびR29は、それぞれ単独で、水素、またはアルキル、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルを含む群より選択され、それぞれの基は、1つ以上のアルキル、ハロ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アルコキシで場合によっては置換されており、またはR29およびR30は、これらが結合した原子とともに、場合によっては置換されたアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、置換基は、単独で、1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノより選択され、
は、O、S、NR33、C(R33)R34より選択され、R33、およびR34 は、それぞれ単独で、水素、またはアルキル、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルを含む群より選択され、それぞれの基は、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリールで場合によっては置換されており、
31、R32、R35およびR36は、それぞれ単独で、水素、またはアルキル、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルを含む群より選択され、それぞれの基は、1つ以上のアルキル、ハロ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アルコキシで場合によっては置換されており、
または、R31、およびR32は、これらが結合した原子とともに、場合によっては置換されているアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、置換基は、単独で1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノより選択され、
または、R32およびR33は、これらが結合した原子とともに、場合によっては置換されているアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、置換基は、単独で1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノより選択され、
点線は、場合によっては二重結合を表す。
【0097】
一実施態様では、本発明は、Arが、フェニル、ビフェニリル、ビフェニレニル、5−または6−テトラリニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−アズレリニル、1−または2−ナフチル、1−、2−または3−インデニル、1−、2−または9−アンスリル、1−2−、3−、4−または5−アセナフチレニル、3−、4−または5−アセナフテニル、1−、2−、3−、4−または10−フェナンスリル、1−または2−ペンタレニル、1、2−、3−または4−フルオレニル、4−または5−インダニル、5−、6−、7−または8−テトラヒドロナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、1,4−ジヒドロナフチル、ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニル、1−、2−、3−、4−または5−ピレニル、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、1,2,3−トリアゾール−1−、−2−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−、−4−または−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−または−4−イル、1,3,4−チアジアゾリル、1−または5−テトラゾリル、2−、3−または4−ピリジル、3−または4−ピリダジニル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、2−、3−、4−、5−6−2H−チオピラニル、2−、3−または4−4H−チオピラニル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフリル、1−、3−、4−または5−イソベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾチエニル、1−、3−、4−または5−イソベンゾチエニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、2−または3−ピラジニル、1,4−オキサジン−2−または−3−イル、1,4−ジオキシン−2−または−3−イル、1,4−チアジン−2−または−3−イル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジン−2−、−4−または−6−イル、チエノ[2,3−b]フラン−2−、−3−、−4−、または−5−イル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、1−、2−チアントレニル、3−、4−または5−イソベンゾフラニル、1−、2−、3−、4−または9−キサンテニル、1−、2−、3−または4−フェノキサチイニル、2−、3−ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−インドリジニル、2−、3−、4−または5−イソインドリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インダゾリル、2−、6−、7−または8−プリニル、4−、5−または6−フタラジニル、2−、3−または4−ナフチリジニル、2−、5−または6−キノキサリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、1−、2−、3−または4−キノリジニル、2−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−キノリニル(キノリル)、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリニル(イソキノリル)、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、6−または7−プテリジニル、1−、2−、3−、4−または9−カルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−カルボリニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−または10−フェナントリジニル、1−、2−、3−または4−アクリジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−ペリミジニル、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−または10−(1,7)フェナントロリニル、1−または2−フェナジニル、1−、2−、3−、4−、または10−フェノチアジニル、3−または4−フラザニル、1−、2−、3−、4−、または10−フェノキサジニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、ピペリジニル、アゼチジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジル、スクシンイミジル、3H−インドリル、インドリニル、イソインドリニル、クロメニル、イソクロマニル、キサンテニル、2H−ピロリル、1−ピロリニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニル、4H−キノリジニル、4aH−カルバゾリル、2−オキソピペラジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、2−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、ピラニル、ジヒドロ−2H−ピラニル、4H−ピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、オキセタニル、チエタニル、3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル、2,5−ジオキシイミダゾリジニル、2,2,4−ピペリドニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、インドリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルスルホキシド、チオモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソラニル、1,4−オキサチアニル、1,4−ジチアニル、1,3,5−トリオキサニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H−1,5,2−ジチアジニル、2H−オキソシニル、1H−ピロリジニル、テトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、N−ホルミルピペラジニル、モルホリニルより選択され、それぞれ、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルより選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されている上述の任意の化合物に関する。
式IまたはIIの化合物が少なくとも1つの不斉中心を含み、したがって、異なる立体異性体として存在しうることは当業者に自明である。この不斉中心は、下式においてアステリスク(*)で示されている。
【化17】

【0098】
式IまたはIIの化合物中に存在しうるそれぞれの不斉中心の絶対配置を、立体化学記述子RおよびSを用いて示すことができる。化合物中に2つの不斉中心が存在する場合、例えば、立体配置R,Rにおいて、最初の文字は、アミノ基を有する炭素原子(*)の立体配置を表す。
【0099】
特定な一実施態様では、式IまたはIIの化合物について好ましい立体配置は、Arがナフチレンのフェニレンである場合、式Iaを有する。Arがチエニレンである場合、好ましい立体配置は、式Ibを有する。
【化18】

【0100】
特定な一実施態様では、式XVIの化合物について、アステリスク(*)を付した炭素原子は、好ましくはSの立体配置を有し、すなわち、式XVIaの化合物である。
【化19】

【0101】
特定な一実施態様では、式XIVの化合物について、Rおよび/またはRが不斉中心を全く有しない場合、アステリスク(*)を付した炭素原子は、好ましくはSの立体配置を有し、すなわち、式XIVaの化合物である。
【化20】

【0102】
式XIVの化合物において、Rおよび/またはRが不斉中心を有する場合、アステリスク(*)を付した炭素原子は、好ましくはSの立体配置を有している。
【0103】
例えば、化合物83は、4つのジアステレオマー:83a 4−{(S)−1−アミノ−2−[(R)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、83b 4−{(S)−1−アミノ−2−[(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、83c 4−{(R)−1−アミノ−2−[(R)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド;および83d 4−{(R)−1−アミノ−2−[(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミドを有している。化合物83a-83d。
【化21】

【0104】
アステリスク(*)を付した炭素原子(化合物83e参照)は、好ましくはSの立体配置を有し、すなわち、好ましい化合物は、83aまたは83bである。
【化22】

【0105】
特定な一実施態様では、式XVの化合物について、Rおよび/またはRが不斉中心を全く有しない場合、アステリスク(*)を付した炭素原子は、好ましくはSの立体配置を有し、すなわち、式XVaの化合物である。
【化23】

【0106】
式XVの化合物において、R5および/またはR6が不斉中心を有する場合、アステリスク(*)を付した炭素原子は、好ましくはRの立体配置を有している。
【0107】
例えば、化合物87は、4つのジアステレオマー:87a 4−{(R)−1−アミノ−3−[(R)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド;87b 4−{(R)−1−アミノ−3−[(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド;87c 4−{(S)−1−アミノ−3−[(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド;および87d 4−{(S)−1−アミノ−3−[(R)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミドを有している。87a-87d。
【化24】

【0108】
アステリスク(*)を付した炭素原子(化合物87e参照)は、好ましくはSの立体配置を有し、すなわち、好ましい化合物は、87aまたは87bである。
【化25】

【0109】
本発明の化合物は、以下において一般的に説明するような、医薬および/または獣医の目的のために許容される塩の形態をとることができる。医薬的に許容される好適な有機および/または無機塩の、好ましいが非限定的な例としては、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、酢酸、およびクエン酸とともに、それ自体公知の医薬的に許容される塩(これらについては、以下に示す先行技術文献を参照されたい)がある。
【0110】
本発明の化合物が酸性基とともに塩基性基を含んでいる場合、本発明の化合物は、分子内塩を形成していてもよく、該化合物も本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物が、水素供与性のヘテロ原子(NH等)を含んでいる場合、本発明は、該水素原子が分子内の塩基性基に移動することによって形成される塩および/または異性体も含んでいる。
【0111】
さらに、一般的には、本発明の化合物の塩については、医薬的に許容される塩が好ましいが、最も広義には、本発明には、医薬的には許容されない塩が含まれていてもよく、これらは、例えば、本発明の化合物の単離および/または精製に用いることができる。例えば、光学活性な酸または塩基は、上述の式IまたはIIの化合物の光学活性な異性体の分離を促進することができるジアステレオ塩を形成させるために用いることができる。
【0112】
本発明は、通常、式IまたはIIの化合物の医薬的に許容される全ての前駆薬およびプロドラッグを含んでおり、一般的な事項については、後ほど引用する先行技術文献に記載されている。
【0113】
本明細書で用いる場合、「プロドラッグ」という用語は、エステル、アミド、およびリン酸塩等の、インビボにおける誘導体の生体変換生成物が活性な薬剤である薬理的に許容される誘導体を意味する。プロドラッグ全般について記載したGoodmanおよびGilmanによる参考文献(The Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th Ed, McGraw-Hill, lnt Ed 1992, 「Biotransformation of Drugs」、p 13-15)は、本明細書にに援用される。本発明の化合物のプロドラッグは、該成分中の官能基を、通常の操作またはインビボで修飾基が切断されると母体となる成分を生じるような方法で修飾することにより調製することができる。プロドラッグの典型例については、例えば、国際公開第99/33795号、国際公開第99/33815号、国際公開第99/33793号、および国際公開第99/33792に記載されており、これらは全て参照により本明細書に援用される。プロドラッグは、バイオアベイラビリティが増大し、インビボで容易に代謝され、活性阻害剤を生じる。本明細書で用いる場合、「前駆薬」という用語は、修飾により医薬種を生成し、修飾は、体内および体外、ならびに医薬の投与が示された位置に前駆薬が到達する前後のいずれにおいても起こり得るものである任意の化合物を意味する。
【0114】
上述のように、本発明の化合物のうちいくつかは、不斉中心として作用し、異なる光学活性種(エナンチオマーまたはジアステレオマー等)を生成する1つ以上の不斉炭素原子を有する。本発明は、全ての可能な立体配置を有するこれらの光学活性種およびこれらの混合物を含む。
【0115】
より一般的には、上述の記載より、本発明の化合物が、幾何異性体、コンホメーション異性体、E/Z−異性体、立体化学異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)、および本発明の化合物中に存在する環の置換位置が異なる同一の置換基の存在に対応する異性体等が挙げられるがこれらに限定されない種々の異性体および/または互変異性体の形態で存在しうることは、当業者には自明である。該異性体、互変異性体およびこれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。
【0116】
式IまたはIIの化合物は、当業者ならば精通している方法および化学反応を用いて、実施例に記載の方法により調製することができる。
【0117】
使用する反応条件に敏感な(適切に保護されていない場合、これらの条件下で望ましくない反応を起こす)官能基を含む本発明の望ましい化合物、および/またはこれらの調製に用いる出発物質、前躯体および/または中間体は、該反応の間、1つ以上の適当な保護基で保護することができ、保護基は、該反応および/または本発明の化合物の調製における後の工程または最終工程の完結後のいずれかにおいて、適切に除去することができる。保護された形の本発明の化合物は、本発明の範囲内に含まれる。好適な保護基とともに、これらを導入および除去するための方法および条件は当業者に自明であり、一般的に、その全文が参照により本明細書に組み入れられる、GreeneおよびWuts、「Protective groups in organic synthesis」, 3rd Edition, Wiley and Sons, 1999等の標準的な有機化学のハンドブックに記載されている。1つ以上の官能基が適当な官能基で保護されている本発明の化合物の、本発明の化合物の製造および/または合成における中間体としての用途を見出すことができ、それ自体が本発明のさらなる態様をなすことも、当業者には自明である。
【0118】
一般的に、本発明の化合物は、以下において説明する、相補的な反応性を有する分子と反応させて、所望の化合物を形成させるための、アミンまたはカルボン酸を含む中間体1、2、3、4、5、6または7を用いて調製することができる。中間体および相補的な分子は、市販されているか、当業者によって容易に調製することができる。
【0119】
本発明の化合物は、該キナーゼが関与する生物学的経路および/または過程の調節のために、かつ/または該キナーゼ、経路および/または過程が関与する疾患の予防および/または治療のために、インビボまたはインビトロ、好ましくはインビトロで、キナーゼの阻害に用いることができる。
【0120】
好ましいが非限定的な一実施態様によると、本発明の化合物を、(少なくとも1種類のアイソフォームの)ROCKの阻害のために用いることができ、ROCK阻害剤について任意の公知の目的に用いることもできる。
【0121】
本発明において、上述の式IまたはIIの化合物について特に好ましいのは、後述するROCKについての阻害アッセイにおいて、100μM未満、好ましくは50μM未満、より好ましくは10μM未満、好ましくは5μM未満、さらにより好ましくは1μM未満、好ましくは0.1μM未満、特に10nM未満、例えば1nM以下の、後述する実施例において用いるアッセイ等の好適なアッセイにより決定されるIC50で、ROCKを阻害する点である。
【0122】
また、本発明は、上述の式IまたはIIの化合物の、少なくとも1種類のキナーゼの阻害、具体的には、少なくとも1種類のROCKのアイソフォームの阻害、さらに具体的には、ROCKIおよび/またはROCKIIアイソフォームの阻害(のための組成物の調製)への使用に関する。本明細書で用いる場合、「ROCKI」は、ROK−β、p160ROCK、またはRhoキナーゼβとも称され、「ROCKII」は、ROK−α、またはRhoキナーゼαとも称される。上述のような阻害は、インビトロおよび/またはインビボで行うことができ、インビボで行われる場合には、好ましくは、上述のように選択的に行われる。
【0123】
一実施態様によると、本発明は、患者に対して本発明の化合物を投与する工程を含む、患者における、ROCKが媒介する疾患または症状の治療または重篤度を軽減させるための方法を提供する。
【0124】
本明細書で用いる場合、「ROCKが媒介する症状」または「疾患」という用語は、ROCKが関与することが知られている任意の疾患または他の有害な状態を意味する。また、「ROCKが媒介する症状」または「疾患」という用語は、ROCK阻害剤を用いた治療により軽減させることができる疾患または症状も意味する。したがって、本発明の他の実施態様は、ROCKが関与することが知られている1または複数の疾患または症状の治療または重篤度を軽減させるための方法に関する。
【0125】
特に好ましい実施態様によると、本発明の化合物は、好ましくは、少なくとも1種類の疾患、少なくとも1種類のROCKのアイソフォームが関与している疾患の予防および/または治療のために用いる。さらにより特に好ましい実施態様によると、本発明の化合物は、ROCKIまたはROCKIIが関与する、炎症性疾患、慢性閉塞性膀胱疾患(COBD)およびこれに関連する勃起不全ならびに糖尿病に関連するED等の、少なくとも1種類の疾患または異常の予防および/または治療のために用いることができる。
【0126】
特に、本発明は、本発明の化合物の、眼疾患または異常(網膜炎、緑内障、ならびに黄斑変性および網膜色素変性等の網膜変性疾患等であるが、これらに限定されない)、腎疾患(腎機能障害等であるがこれらに限定されない)、および膀胱機能障害(慢性閉塞性膀胱疾患等であるがこれらに限定されない)、勃起不全(膀胱疾患に関連する勃起不全および糖尿病に関連する勃起不全等であるがこれらに限定されない)、神経および中枢神経系(脳)疾患または異常(アルツハイマー、髄膜炎およびけいれん等であるがこれらに限定されない)、高血圧、肺疾患(ぜんそく、線維症、肺炎、嚢疱性線維症、および呼吸窮迫症候群等であるがこれらに限定されない)、早産、ガン(脳腫瘍(グリオーマ)、乳ガン、大腸ガン、腸ガン、皮膚ガン、頭頸部ガン、腎臓ガン、肺癌、肝ガン、卵巣ガン、膵臓ガン、前立腺ガン、または甲状腺ガン、白血病、リンパ腫、肉腫、悪性黒色腫等であるがこれらに限定されない)、循環器および血管(血管、動脈)疾患および異常(脳血管収縮、虚血、再灌流、肺血管収縮、急性発作、うっ血心不全、循環器虚血、心疾患、心臓リモデリング、低酸素末梢循環不全、動脈硬化、血栓症、動脈瘤および出血等であるがこれらに限定されない)、血液疾患(敗血症、好酸球症、内毒素血症等であるがこれらに限定されない)、骨格筋疾患(けいれん等であるがこれらに限定されない)、炎症性疾患、感染症、アレルギーおよび自己免疫疾患および異常、AIDS、骨疾患(骨粗鬆症等であるがこれらに限定されない)、炎症性疾患、糖尿病(高血糖等であるがこれらに限定されない)、肥満および膵臓疾患より選択される少なくとも1つの疾患および/または異常の治療および/または重篤度の軽減のための薬剤を調製するための使用に関する。
【0127】
例えば、本発明の化合物を、以下の疾患および異常等の予防および/または治療に用いることができる:
【0128】
急性発作、うっ血心不全、循環器虚血、心疾患、心臓リモデリング、狭心症、冠けいれん性狭心症、脳血管けいれん、肺血管収縮、再狭窄、高血圧、(肺)高血圧、動脈硬化、深部血栓症等の血栓症、および血小板関連疾患等であるがこれらに限定されない循環器疾患および血管疾患。
【0129】
卒中、多発性硬化症、脳または脊髄損傷、アルツハイマー病、MS、および神経痛を含む炎症および脱髄疾患等であるがこれらに限定されない神経および中枢神経径疾患。本発明の組成物は、このように、種々の神経疾患における神経変性の予防および神経形成の促進に好適である。
【0130】
脳腫瘍(グリオーマ)、乳ガン、大腸ガン、腸ガン、皮膚ガン、頭頸部ガン、腎臓ガン、肺癌、肝ガン、卵巣ガン、膵臓ガン、前立腺ガン、または甲状腺ガン、白血病、肉腫、リンパ腫、悪性黒色腫等であるがこれらに限定されないガン等の増殖性疾患。
【0131】
接触性皮膚炎、乾癬、関節リウマチ、炎症性大腸炎、クローン病、および潰瘍性大腸炎等であるがこれらに限定されない炎症性疾患。
【0132】
さらに、本発明の組成物は、勃起不全、気管支ぜんそく、骨粗鬆症、緑内障、黄斑変性、および網膜炎等の眼疾患、腎疾患、およびAIDS等の疾患および異常の予防および/または治療に用いることができる。
【0133】
したがって、本発明は、急性発作、うっ血心不全、循環器虚血、心疾患、心臓リモデリング、狭心症、冠けいれん性狭心症、脳血管けいれん、肺血管収縮、再狭窄、高血圧、(肺)高血圧、動脈硬化、深部血栓症等の血栓症、および血小板関連疾患等であるがこれらに限定されない循環器疾患および血管疾患、卒中、多発性硬化症、脳または脊髄損傷、アルツハイマー病、MS、および神経痛を含む炎症および脱髄疾患等であるがこれらに限定されない神経および中枢神経径疾患、脳腫瘍(グリオーマ)、乳ガン、大腸ガン、腸ガン、皮膚ガン、頭頸部ガン、腎臓ガン、肺癌、肝ガン、卵巣ガン、膵臓ガン、前立腺ガン、または甲状腺ガン、白血病、肉腫、リンパ腫、悪性黒色腫等であるがこれらに限定されないガン等の増殖性疾患、勃起不全、気管支ぜんそく、骨粗鬆症、緑内障、黄斑変性、および網膜炎等の眼疾患、腎疾患、AIDS、早期陣痛、平滑筋細胞の増殖、心筋肥大、悪性腫瘍、虚血/再灌流傷害、内皮機能不全、クローン病および潰瘍性大腸炎、レイノルド病、良性前立腺過形成、およびアテノーム性動脈硬化より選択される疾患または症状の治療または重篤度の軽減方法で、該方法は、本発明の化合物または組成物を、これらを必要とする患者に投与する工程を含む方法に関する。
【0134】
医薬用途のために、本発明の化合物は、有利の酸または塩基として、および/または医薬的に許容される酸添加塩および/または塩基添加塩(例えば、毒性のない有機または無機酸または塩基を用いて得られる)、水和物、溶媒和物および/または錯体の形態で、および/またはエステル等のプロドラッグまたは前駆薬の形態で用いることができる。本明細書で用いる場合、特に断らない限り、「溶媒和物」という用語には、好適な無機溶媒(水和物等)、またはアルコール、ケトン、エステル等であるがこれらに限定されない有機溶媒と、本発明の化合物とによって形成される任意の組み合わせが含まれる。該塩、水和物、溶媒和物等、およびこれらの調製は、当業者には自明であり、例えば、米国特許第6,372,778号、米国特許第6,369,086号、米国特許第6,369,087号、および米国特許第6,372,733号に記載の、塩、水和物、溶媒和物等、およびこれらの調製について記載されている。
【0135】
水溶性、油溶性、または分散可能な生成物である、本発明の化合物の医薬的に許容される塩としては、例えば、無機または有機酸または塩基より形成される、通常の毒性を有しない塩または四級アンモニウム塩が挙げられる。該酸添加塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシラート、およびウンデカン酸塩が挙げられる。塩基塩としては、アンモニウム塩、ナトリウムおよびカリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩等の有機塩基との塩、N−メチル−D−グルカミン、およびアルギニン、リジン等のアミノ酸との塩等が挙げられる。さらに、塩基性窒素を含む基は、塩化、臭化、およびヨウ化メチル、エチル、プロピル、およびブチル等のハロゲン化低級アルキル、ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミル硫酸等のジアルキル硫酸,塩化、臭化、およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリル等のハロゲン化長鎖アルキル、臭化ベンジルおよびフェネチル等のハロゲン化アラルキル等の試薬を用いて四級化することができる。医薬的に許容される他の塩としては、エノラート硫酸塩および硫酸塩が挙げられる。
【0136】
通常、医薬用途のために、本発明の化合物を、少なくとも1種類の本発明の化合物と、少なくとも1種類の医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤、および/またはアジュバントを含み、場合によっては1種類または複数種類の他の医薬活性化合物とを含む医薬製剤として製剤化することができる。
【0137】
非限定的な例により、該製剤は、経口投与、非経口投与(血管内、筋中、もしくは皮下注射、または血管内点滴等)、局所投与(眼球投与等)、吸入による投与、皮膚パッチによる投与、インプラントによる投与、座薬による投与等に好適な形態をとることができる。該好適な投与形態−投与方法に応じて、固体、半固体、または液体であってよい−、およびこれらの調製に用いる方法および担体、希釈剤、および賦形剤は当業者に自明であり、これについても、米国特許第6,372,778号、米国特許第6,369,086号、米国特許第6,369,087号、および米国特許第6,372,733号、およびRemington's Pharmaceutical Sciencesの最新版等の標準的なハンドブックに記載されている。
【0138】
いくつかの好ましい、しかし非限定的な製剤の例としては、錠剤、丸薬、粉末剤、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁化剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアロゾル剤、軟膏、クリーム剤、ローション剤、軟カプセル剤および硬ゼラチンカプセル剤、座剤、点眼剤、滅菌注射液、およびボーラス投与および/または連続投与のための滅菌包装粉末(通常、使用前に再構築される)が挙げられ、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、セルロース、(滅菌)水、メチルセルロース,ヒドロキシ安息香酸メチルおよびプロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、食用油、植物油および鉱物油またはこれらの混合物等の、該製剤に好適な担体、賦形剤、および希釈剤を用いて製剤することができる。製剤は、他の医薬活性物質(本発明の化合物と相乗効果を生じても生じなくてもよい)および、滑沢剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、分散剤、崩壊剤、増量剤、充填剤、保存料、甘味料、香料、流動調節剤、放出剤等の、医薬製剤の調製に広く用いられている他の物質を、場合によっては含んでいる。また、組成物は、含まれる活性化合物が、迅速に、持続的に、またはゆっくりと放出されるように、リポソーム、または天然ゲルもしくは合成ポリマーを原料とするポリマーマトリックスを用いて製剤することもできる。本発明の医薬組成物の化合物の溶解性および/または安定性を向上させるために、α−、β−、およびγ−シクロデキストリンまたはこれらの誘導体を用いることが有利である。さらに、化合物の溶解性および/または安定性を向上させるために、アルコール等の共溶媒を用いてもよい。水性組成物の調製において、本発明の化合物の塩を添加することは、水に対する溶解性が向上しているため、より好適である。
【0139】
適当なシクロデキストリンは、α−、β−、もしくはγ−シクロデキストリン(CD)、またはシクロデキストリンのアンヒドログルコース単位のヒドロキシル基の1つまたは複数が、アルキル、具体的には、メチル、エチル、またはイソプロピルで置換された、例えば、ランダムにメチル化されたβ−CD、ヒドロキシアルキル、具体的には、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルまたはヒドロキシブチルで置換された、カルボキシアルキル、具体的には、カルボキシメチルまたはカルボキシエチルで置換された、アルキルカルボニル、具体的には、アセチルで置換された、アルコキシカルボニルアルキルまたはカルボキシアルコキシアルキル、具体的には、カルボキシメトキシプロピルまたはカルボキシエトキシプロピルで置換された、アルキルカルボニルオキシアルキル、具体的には2−アセチルオキシプロピルで置換された、これらのエーテルおよび混合エーテルである。錯形成剤および/または可溶化剤として特に注目すべきなのは、β−CD、ランダムにメチル化されたβ−CD、2,6−ジメチル−β−CD、2−ヒドロキシエチル−β−CD、2−ヒドロキシエチル−γ−CD、2−ヒドロキシプロピル−γ−CDおよび(2−カルボキシメトキシ)プロピル−β−CDであり、特に2−ヒドロキシプロピル−β−CD(2−HP−β−CD)である。「混合エーテル」という用語は、シクロデキストリンのヒドロキシル基のうち少なくとも2つが、例えば、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシエチル等の異なる基でエーテル化されたシクロデキストリン誘導体を示す。化合物をシクロデキストリンまたはその誘導体とともに製剤化する興味深い方法が、欧州特許第721,331号に記載されている。この文献に記載されている製剤は、殺虫活性成分を含むものであるが、化合物の製剤のために興味深い。医薬的に許容される甘味料および/または香料を添加することにより、該製剤を、より口当たりのよいものにすることができる。特に、本発明は、本発明の化合物の有効量を、医薬的に許容されるシクロデキストリンとともに含む医薬組成物を包含する。また、本発明は、本発明の化合物とシクロデキストリンとを含むシクロデキストリン錯体を包含する。
【0140】
同様のピリジノカルボキサミドについて公知である、組成物、製剤(およびこれに用いられている担体、賦形剤、希釈剤等)、投与経路等に関する具体的な言及は、米国特許第4,997,834号および欧州特許第0 370 498号の記載等がある。
【0141】
疼痛の治療のためには、本発明の化合物を局所または全身投与することができる。局所投与のためには、化合物は、スプレー、軟膏、または経皮パッチ、または局所、経皮および/または皮膚内投与に好適な他の形態を有利にとることができ、全身投与のためには、本発明の化合物を、有利に経口投与することができる。
【0142】
眼球投与のためには、多くの場合、生理食塩水、ゲル、または賦形剤を主なビヒクルとして用い、溶液剤、ゲル剤、錠剤等が調製される。眼科用製剤は、好適な緩衝溶液系を用い、快適なpHに調製される必要がある。
【0143】
より具体的には、組成物は、本発明の化合物の固体分散物および1種類または複数種類の医薬的に許容される水溶性ポリマーとからなる治療効果を有する量の粒子を含む医薬製剤として製剤化することができる。
【0144】
「固体分散物」という用語は、少なくとも2種類の成分を含み、1つの成分が、他の1つ以上の成分全体に、多少なりとも均一に分散した(液体または気体状態に対するものとしての)固体状態の系であると定義される。該成分の分散物が、全体にわたって化学的または物理的に均一または均質であり、または熱力学的に定義した単一の相からなる場合、そのような固体分散物は「固溶体」と呼ばれる。固溶体は、含まれる成分が、通常、投与された生体において容易に利用可能であるため、好ましい物理系である。また、「固体分散物」という用語は、固溶体よりも均質性の低い分散物も含んでいる。該分散物は、全体にわたって化学的または物理的に均一ではなく、2つ以上の相を含んでいる。
【0145】
水溶性ポリマーは、好適には、20℃で溶解して2%水溶液とした場合に、見かけの粘度が1〜100mPa・sとなるポリマーである。好ましい水溶性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、別名HPMCである。通常、メトキシ置換率が0.8〜2.5であり、かつヒドロキシプロピルモル置換率が約0.05〜約3.0であるHPMCは、水溶性である。メトキシ置換率とは、セルロース分子中のアンヒドログルコース単位あたりのメチルエーテル基の平均個数を意味する。ヒドロキシプロピルモル置換率とは、セルロース分子中のそれぞれのアンヒドログルコース単位と反応した酸化プロピレンの平均モル数を意味する。
【0146】
化合物を、有効平均粒子径1000nm未満に保つために十分な量の表面改質剤を表面に有するナノ粒子の形態に製剤することは、さらに好適である。好適な表面改質剤は、公知の有機および無機の医薬用賦形剤より選択することができる。該賦形剤としては、種々のポリマー、低分子量のオリゴマー、天然物および界面活性剤が挙げられる。好ましい表面改質剤としては、非イオン性または陰イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0147】
本発明の化合物を製剤するための他の興味深い方法には、それによって化合物を親水性ポリマーに封入し、被覆膜としてこの混合物を多数の小さなビーズに塗布することによって簡便に製造することができ、経口投与のための医薬投与形態の調製に好適な、優れたバイオアベイラビリティを有する組成物が得られる医薬組成物が関与している。該ビーズは、中心に位置し、(a)円形または球形のコアと、(b)親水性ポリマーおよび抗レトロウィルス剤の被覆膜と、(c)密封ポリマー層とを有する。ビーズ中のコアとして使用するのに好適な材料としては、材料が医薬的に許容され、適当な形状および硬度を有する場合において、多様な材料を用いることができる。該材料の例としては、ポリマー、無機物質、有機物質ならびに糖およびその誘導体が挙げられる。
【0148】
製剤は、それ自体公知の方法を用いて調製することができ、通常、少なくとも1種類の本発明の化合物を、医薬的に許容される担体、および所望により他の薬理活性化合物とともに、必要に応じてには無菌条件下で混合する工程を含んでいる。これらについても、米国特許第6,372,778号、米国特許第6,369,086号、米国特許第6,369,087号、および米国特許第6,372,733号、および上述の他の先行技術文献、およびRemington's Pharmaceutical Sciencesの最新版等の標準的なハンドブックに記載されている。
【0149】
本発明の医薬製剤は、好ましくは単位用量毎の形態をとっており、例えば、箱、ブリスターパック、バイアル、瓶、サシェ、アンプル、または他の好適な一回用量または複数回用量毎のホルダーまたは容器(適当なラベルが付されていてもよい)中に、場合によっては、製品情報および/または使用上の注意を含む1部または複数部のリーフレットともに適当に包装されていてよい。一般的に、該単位用量には、1〜1000mg、通常5〜500mg、例えば、単位用量あたり約10、25、50、100、200、300または400mgの、少なくとも1種類の本発明の化合物が含まれる。
【0150】
該化合物は、主に、使用した個別の製剤、および治療または予防の対象となる症状に応じて、経口、直腸、眼球、経皮、皮下、血管内、筋内、または経鼻投与等の種々の経路により投与することができ、通常、経口および血管内投与が好ましい。少なくとも1種類の本発明の化合物は、通常、「有効量」投与され、この用語により、上述の量を上回る任意の量の式IまたはIIの化合物が投与されると、投与された個人に対して所望の治療または予防効果を発揮するのに十分であることを意味する。通常、治療または予防の対象となる症状および投与経路に応じて、該有効量は、通常、患者の体重1キログラムおよび1日あたり0.01〜1000mg、より多くの場合0.1〜500mg、例えば、1〜250mg、患者の体重1キログラムおよび1日あたり約5、10、20、50、100、150、200または250mgであり、1日1回投与でも、1日あたり複数回に分割して投与してもよく、例えば、点滴を用いてほぼ連続的に投与してもよい。投与される量、投与経路、および他の治療計画は、治療を担当する臨床医によって、患者の年齢、性別および一般的身体状態、および治療の対象となる疾患/症状の性質および重篤度に応じて決定することができる。これらについても、米国特許第6,372,778号、米国特許第6,369,086号、米国特許第6,369,087号、および米国特許第6,372,733号、および上述の他の先行技術文献、およびRemington's Pharmaceutical Sciencesの最新版等の標準的なハンドブックに記載されている。
【0151】
したがって、他の態様において、本発明は、組成物、具体的には、少なくとも1種類の本発明の化合物(線虫または本明細書に記載の方法を用いて同定、発見および/または開発した化合物)と、少なくとも1種類の医薬的に許容される担体(医薬用途に好適な担体)とを含む医薬用途のための組成物に関する。また、本発明は、本発明の化合物の、該組成物の調製における使用に関する。
【0152】
本発明の方法によると、該医薬組成物は、治療の間に、それぞれ別の時間に別個に、または複数もしくは単一の複合剤型で同時に投与することができる。本発明は、したがって、該同時または交互治療の投与計画を全て包含していると理解されるべきであり、「投与する」という用語も、それにしたがって解釈されるべきである。
【0153】
経口投与剤型のために、本発明の組成物は、賦形剤、安定化剤または不活性希釈剤等の好適な添加剤と混合することができ、常法により、錠剤、コート錠、硬カプセル、水、アルコール、または油脂溶液剤等の好適な投与形態にすることができる。好適な不活性希釈剤の例としては、アラビアゴム、マグネシア、炭酸マグネシウム、リン酸カリウム、ラクトース、グルコース、またはデンプン、具体的にはコーンスターチがある。この場合において、製剤は、乾燥顆粒または湿潤顆粒として行うことができる。好適な油状賦形剤または溶媒は、サフラワー油またはタラ肝油等の植物油または動物油である。水溶液またはアルコール溶液に好適な溶媒は、水、エタノール、糖溶液、またはこれらの混合物である。ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールも、他の投与形態のための他のアジュバントとして有用である。即効形錠剤として、これらの組成物は、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、およびラクトース、および/または他の公知の賦形剤、結着剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含んでいてよい。
【0154】
これら組成物を経鼻用エアロゾルまたは吸入によって投与する場合、医薬製剤において周知の手法により調製することができ、ベンジルアルコールまたは他の適当な保存料、バイオアベイラビリティを向上させるための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の公知の可溶化剤または分散剤を用いて、生理食塩水溶液として調製することができる。エアロゾルまたはスプレーの形態で投与するのに好適な医薬製剤は、例えば、本発明の化合物または生理学的に許容される塩を、エタノールもしくは水、または該溶媒の混合物等の医薬的に許容される溶媒に溶解した、溶液剤、懸濁化剤、または乳剤である。必要に応じて、製剤は、さらに、界面活性剤、乳化剤、および安定化剤とともに推進剤等の他の医薬用アジュバントを含んでいてもよい。
【0155】
皮下または血管内投与のためには、本発明の化合物を、必要に応じて、可溶化剤、乳化剤、または他のアジュバントとともに、溶液剤、懸濁化剤、または乳剤とすることができる。本発明の化合物は凍結乾燥することもでき、得られる凍結乾燥粉末は、例えば、注射または点滴用製剤の製造に用いることができる。好適な溶媒としては、例えば、水、生理食塩水溶液、または、エタノール、プロパノール、グリセロール等のアルコール、さらに、グルコースまたはマンニトール溶液等の糖溶液、あるいは上述の種々の溶媒の混合物がある。注射可能な溶液剤または懸濁化剤は、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル液、または等張塩化ナトリウム溶液毒性を有さず、非経口投与に許容される希釈剤または溶媒、または好適な分散剤、または湿潤剤、または、合成モノまたはジグリセリド、およびオレイン酸等の脂肪酸を含む、滅菌された無菌の固定油等の懸濁化剤等を用いて、公知の方法により製剤化することができる。
【0156】
座剤として直腸投与される場合、これらの製剤は、本発明の化合物を、ココアバター、合成グリセリドエステル、またはポリエチレングリコール等の、常温では固体であるが、直腸内で液化または溶解して薬剤を放出する、好適な非刺激性の賦形剤と混合することによって調製することができる。
【0157】
該組成物は、獣医学の分野においても、動物における疾患の治療および/または予防だけでなく、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、魚類等の経済上重要な動物について、成長および/または動物の体重および/または動物より得られる肉または他の生産物の量および/または品質の向上を含む目的のために有用である。したがって、他の態様において、本発明は、少なくとも1種類の本発明の化合物(線虫または本明細書に記載の方法を用いて同定、発見および/または開発した化合物)と、少なくとも1種類の医薬的に許容される担体(獣医学的用途に好適な担体)とを含む獣医学的使用のための組成物に関する。また、本発明は、本発明の化合物の、該組成物の調製における使用に関する。
【0158】
本発明は、以下の合成および生物学的実施例を用いて説明するが、これらは本発明の範囲を決して限定するものではない。
【実施例】
【0159】
実施例1
特に示さない限り、化合物の純度は、以下に示すような液体クロマトグラフィー/質量分光(LC/MS)によって確認した:
−HPLCシステム:フォトダイオードアレイ検出器Waters 996を備えたWaters 2690、カラム:C18、グラジエント:溶媒A(HO/ギ酸26 5 nM)0%から、3分間で、溶媒B(CHCN/ギ酸17nM)80%、流速:2.75ml/分
―質量分光計:Micromass Platform LC イオン化:エレクトロンスプレー法(極性:陽イオンおよび陰イオン)
【0160】
NMRスペクトルは、Varian Mercury 300 MHz NMRを用い、表示された溶媒を内部標準として用いて測定した。融点は、Buchi B-540を用いて測定し、補正は行わなかった。用いた試薬は、全て市販されているか、それ自体公知の方法により調製した。
【0161】
以下の中間体および一般的手順により、本明細書に記載の化合物を調製した。
【0162】
中間体
中間体1:tert−ブトキシカルボニルアミノ−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)フェニル]酢酸
【化26】

アミノ−(4−ブロモフェニル)酢酸(3g)を、濃HCl(10ml)およびMeOH(10ml)の混合物中に懸濁させた。反応混合物を、室温(RT)で2日間撹拌した。白色沈殿をろ過し乾燥した。アミノ−(4−ブロモフェニル)酢酸メチルエステルを白色粉末として得た(収率49%)。
【0163】
アミノ−(4−ブロモフェニル)酢酸メチルエステル(1.8g)をアセトン(15ml)中に懸濁し1MNaCO(15ml)、次いでBOCO(1.1当量)を加えた。混合物をRTで4日間撹拌した。
【0164】
沈殿をろ過した。(p−ブロモ−フェニル)−tert−ブトキシカルボニルアミノ酢酸メチルエステルを、酢酸エチルから再結晶した(無色固体、収率38%)。
【0165】
(p−ブロモ−フェニル)−tert−ブトキシカルボニルアミノ酢酸メチルエステル(3.45g)を、THF(52ml)および水(8ml)に溶解した。酢酸カリウム(1当量)、1,3−ビス−ジフェニルホスフィノプロパン(0.02当量)、およびPd(OAc)(0.04当量)を加えた。混合物を、50atmの一酸化炭素下、150℃で2時間撹拌した。反応混合物をRTまで冷却し、ろ過後、MgSO上で乾燥した。溶媒を、減圧下除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して(DCM/MeOH 95/5−0.5%HCOOH)、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メトキシカルボニル−メチル)−安息香酸を黄白色粉末として得た(収率57%)。
【0166】
4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メトキシカルボニル−メチル)−安息香酸(1.75g)DMF(10ml)に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(5当量)、HOBt(1当量)およびTBTU(1.3当量)を加えた。混合物をRTで30分間撹拌後、4−アミノピリジン(1当量)を加えた。混合物をRTで2日間撹拌した。溶媒を減圧下除去した。残渣をDCM(100ml)に溶解し、1N炭酸水素ナトリウム(3×100ml)で抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して(DCM/MeOH 99/1〜95/5)、tert−ブトキシカルボニルアミノ−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−酢酸メチルエステルを黄色粉末として得た(収率56%)。
【0167】
tert−ブトキシカルボニルアミノ−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)フェニル]酢酸メチルエステル(712mg)の水/アセトン:9/1溶液(10ml)に水酸化リチウム(1.2当量)を加えた。混合物をRTで撹拌した。18時間後、さらに1.2当量の水酸化リチウムを加えた。24時間後(全反応時間)、反応が完結した。1N HClを用いて、混合物をpH=7に中和した。水層を酢酸エチル(3×30ml)で抽出した。ひとまとめにした有機層をMgSO上で乾燥し、,ろ過後溶媒を減圧下除去して、tert−ブトキシカルボニルアミノ−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−酢酸を黄色粉末として得た(収率56%)。1H NMR(300 MHz, DMSO-d6) 1 39 ppm (s, 9H), 5 20 ppm (d, 1 H, J = 8 0 Hz), 7 56 ppm (d, 2H, J = 8 3 Hz), 7 77 ppm (d, 2H, J = 6 3 Hz), 7 92 ppm (d, 2H, J = 8 3 Hz), 8 47 ppm (d, 2H, J = 6 3 Hz), 10 60 ppm (s, 1 H)。
【0168】
中間体2:{2−アミノ−1−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)フェニル]−エチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化27】

2−アミノ−1−(4−ブロモ−フェニル)エタン−1−オン塩酸塩(10g)の乾燥THF溶液(200ml)に、DIEA(1当量)およびクロロギ酸ベンジル(1.1当量)を加えた。反応混合物をRTで終夜撹拌した。溶液を減圧下濃縮した。得られた白色固体を、DCM(400ml)と水(175ml)の間で分配した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過後濃縮した。残渣を乾燥して、[2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステルを白色粉末として得た(収率84%)。
【0169】
[2−(4−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(6.8g)を、THF(52ml)および水(8ml)に溶解した。酢酸カリウム(1当量)、1,3−ビス−ジフェニルホスフィノプロパン(0.02当量)、およびPd(OAc)2(0.04当量)を加えた。混合物を、50atmの一酸化炭素下、150℃で3時間撹拌した。反応混合物をRTまで冷却し、ろ過した。溶媒を減圧下留去した。残渣をEtOAcに溶解し、0.1N HClで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥して、ろ過後、溶媒を減圧下除去した。残渣を乾燥して、4−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−アセチル)−安息香酸をオレンジ色の粉末として得た(収率94%)。
【0170】
4−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−アセチル)安息香酸(2.6g)のDCM溶液(0.25M)に、塩化オキサリル(2.5当量)および数滴のDMFを加えた。溶液をRTで2時間撹拌し、溶媒を留去して、4−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−アセチル)塩化ベンゾイルを得た。4−アミノピリジン(0.78g、1当量)をアセトニトリル(0.25M)に溶解させ、DIEA(3当量)を加えた。溶液を0℃に冷却(氷浴中)した。その後、最小量のアセトニトリルに溶解した4−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−アセチル)−ベンゾイルクロリドを滴下した(窒素下)。添加後、氷浴を除去し、反応混合物をRTで3時間撹拌した。溶媒を留去し、残渣をDCMに溶解後、1NNaOHで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製(DCM/MeOH 97/3〜95/5)して、{2−オキソ−2−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−エチル}−カルバミン酸ベンジルエステルを白色粉末として得た。(収率37%)。
【0171】
{2−オキソ−2−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]エチル}カルバミン酸ベンジルエステル(1.3g)を、EtOH(0.25M)に溶解した。DIEA(5当量)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(5当量)を加えた。反応混合物を60℃で12時間撹拌後、RTまで冷却した。溶媒を減圧下濃縮し、残渣に水を加えた。{2−ヒドロキシイミノ−2−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−エチル}カルバミン酸ベンジルエステルをろ過により回収し、乾燥した(黄色粉末、収率59%)。
【0172】
オキシムを酢酸に溶解し(0.25M)、亜鉛粉末(10当量)を加えた。反応混合物をRTで3時間撹拌した。亜鉛をろ去し、水で洗浄した。ろ液を濃縮後、得られた白色固体を水に溶解した。pHを14にし(NaOHを用いて)、水層をEtOAcで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下除去した。残渣を乾燥して、{2−アミノ−2−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)フェニル]エチル}カルバミン酸ベンジルエステルを白色粉末として得た。アミン(1.2g)をアセトニトリルに溶解し(0.25M)、DIEA(3当量)および(BOC)O(1.1当量)を加えた。反応混合物をRTで2時間撹拌後、濃縮した。残渣をEtOAcに溶解し、1N NaHCOで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(シクロヘキサン/EtOAc、20/80、10/90、および0/100)、{2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)フェニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た(収率60%)。
【0173】
{2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)フェニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.5g)のEtOH/水溶液(1/1)に、酢酸(2当量)およびPd(10%、500mg)を加えた。反応混合物を水素下(2atm)、RTで1時間撹拌した。パラジウムをろ去した。ろ液を1nNaOHで中和し、濃縮した。残渣を水に溶解した。pHを14にし(NaOHを用いて)、水層をEtOAcで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下除去した。残渣を乾燥して、標題化合物を白色粉末として得た(収率47%)。
【0174】
中間体3:3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]プロピオン酸
【化28】

4−(1−アミノ−2−カルボキシ−エチル)安息香酸メチルエステル(2.465g)を、100mlのアセトン/1MNaCO(9/1)混合物に懸濁させ、BOCO(1.1当量)を加え、反応混合物をRTで3時間撹拌した。さらに2当量のBOC2Oを加え、反応混合物をRTで2時間撹拌した。アセトンを減圧下除去した。残渣を1M HClで酸性化し(pH=2)、沈殿をろ過後、水で洗浄して、4−(1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−カルボキシ−エチル)安息香酸メチルエステルを白色粉末として得た(収率88%)。
【0175】
4−(1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−カルボキシ−エチル)−安息香酸メチルエステル(2.845g)をDMF(60ml)に懸濁した。KCO(26当量)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(BTEAC、1当量)、および臭化tert−ブチル(48当量)を加えた。反応混合物を55℃で5時間撹拌後、10当量の臭化tert−ブチルを加えた。反応混合物をRTでさらに2時間撹拌し、減圧下濃縮した。溶液を濃縮後、水を加えた。溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を0.05M NaHCOで洗浄し、MgSO上で乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(シクロヘキサン/EtOAc 100/0〜80/20)、4−(2−tert−ブトキシカルボニル−1−tert−ブトキシカルボニルアミノエチル)安息香酸メチルエステルを黄色粉末として得た(収率67%)。
【0176】
4−(2−tert−ブトキシカルボニル−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)安息香酸メチルエステル(2.13g)のメタノール溶液(0.25M)に、1M LiOH(5.6ml)を加えた。反応混合物を35℃で6時間撹拌した。さらに、0.5当量のLiOHを加え、反応混合物をRTで終夜撹拌した。反応混合物を濃縮した。残渣を水に溶解した。溶液を1MHClで酸性化(pH=2)し、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥後、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20〜60/40)、4−(2−tert−ブトキシカルボニル−1−tert−ブトキシカルボニルアミノエチル)安息香酸を白色粉末として得た(収率44%)。
【0177】
4−(2−tert−ブトキシカルボニル−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−安息香酸のDMF溶液(0.25M)に、DIEA(5当量)およびTBTU/HOBt(1当量/0.2当量)の0.4M DMF溶液を加えた。4分間撹拌後、4−アミノピリジン(1当量)を加え、反応混合物を1時間撹拌し、さらに1当量のDlEAおよびTBTUを加えた。合計で3時間撹拌後、反応が完結した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、1MNaHCO、次いで食塩水で洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過後濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(AcOEt/シクロヘキサン 1/4〜4/1)、3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)フェニル]プロピオン酸tert−ブチルエステルを橙白色粉末として得た(収率95%)。
【0178】
3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)フェニル]プロピオン酸tert−ブチルエステル(2.25g)のTHF溶液(0.25M)に、1M LiOH(3当量)を加えた。反応混合物を30℃で20撹拌した。溶液を減圧下濃縮し、1M HClで酸性化(pH=5)した。溶液を酢酸エチル(3×100ml)で抽出した。ひとまとめにした有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過後濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(AcOEt/MeOH1/0〜0/1)、3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−プロピオン酸を白色粉末として得た(収率58%)。1H NMR(300 MHz, DMSO-d6): 1 33 ppm (s, 9H), 2 57-2 75 ppm (m, 2H), 4 93 ppm (m, 1 H), 7 46 ppm (d, 2H, J = 8 3 Hz), 7 52 ppm (d, 1 H, J = 8 5 Hz), 7 80 ppm (d, 2H, J = 6 5 Hz), 7 89 ppm (d, 2H, J = 8 2 hz), 8 47 ppm (d, 2H, J = 6 5 Hz), 10 62 ppm (s, 1 H)。
【0179】
中間体4:(R)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−プロピオン酸
【化29】

(R)−3−(4−ブロモ−フェニル)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸(5.3g)のDCM溶液(100ml)に、、TBTU(1当量)およびHOBt(1当量)を加えた。混合物を0℃に冷却後、DIEA(1.2当量)を滴下した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した。次いで、メタノール(20ml)を加え、溶液をRTで12時間撹拌した。溶媒を留去し、DCM(100ml)を加え、溶液を、1MNaHCO(2×100ml)、20%KHSO(2×100ml)および食塩水(2×100ml)で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濃縮して、(R)−3−(4−ブロモ−フェニル)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸メチルエステルを得た(収率99%)。1H NMR(300 MHz, DMSO-d6): 1 34 ppm (s, 9H), 2 70 ppm (m, 2H), 3 53 ppm (s, 3H), 4 85 ppm (m, 1 H), 7 24 ppm (d, 2H, J = 8 4 Hz), 7 49 ppm (m, 3H)。
【0180】
(R)−3−(4−ブロモ−フェニル)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸メチルエステル(5.2g)の、THF(65ml)および水(10ml)の混合溶媒の溶液に、酢酸カリウム(1当量)酢酸パラジウム(0.04当量)およびDPPP(0.02当量)を順次加えた。反応混合物を、150℃、50atmの一酸化炭素下で3時間撹拌した。反応混合物をRTまで冷却し、ろ過後、ろ液を濃縮した。残渣を、シリカゲル上で、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した(DCM/MeOH、100/0〜95/5)。4−((R)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシカルボニル−エチル)−安息香酸を白色粉末として得た(収率53%)。
【0181】
4−((R)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシカルボニル−エチル)−安息香酸(2.4g)のDMF溶液(25ml)に、TBTU(1.3当量)、HOBt(0.2当量)、およびDIEA(3当量)を加えた。反応混合物をRTで5分間撹拌後、4−アミノピリジン(1当量)を加えた。溶液をRTで3時間撹拌した。DMFを留去し、残渣に水を加えた。生成物をEtOAc(150ml)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し(100ml)、MgSO上で乾燥後濃縮した。残渣を、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製(EtOAc)して、(R)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)フェニル]プロピオン酸メチルエステルを白色粉末として得た(収率67%)。1H NMR(300 MHz, DMSO-d6) 1 34 ppm (s, 9H), 2 75 ppm (m, 2H), 3 55 ppm (s, 3H), 4 97 ppm (m, 1 H), 7 46 ppm (d, 2H, J = 8 3 Hz)1 7 58 ppm (d, 1 H, J = 8 7 Hz), 7 76 ppm (d, 2H, J = 5 1 Hz)1 7 88 ppm (d, 2H, J = 8 2 Hz), 8 46 ppm (d, 2H, J = 5 1 Hz), 10 55 ppm (s, 1 H)
【0182】
((R)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)フェニル]プロピオン酸メチルエステル(1.9g)の1,4−ジオキサン懸濁液(35ml)に、1N LiOH(1.1当量のLiOH)を加えた。反応混合物をRTで2時間、次いで4℃で終夜撹拌した。1N HCI(4.5ml)を加えて、pHを7に調節した。後処理を行わずに、溶液を凍結乾燥した(標題化合物は、塩との混合物として得られるが、次の工程で除去することができる)。標題化合物を白色粉末として得た(収率は決定しなかった)。1H NMR(300 MHz, DMSO-d6) 1 34 ppm (s, 9H), 2 62 ppm (m, 2H), 4 91 ppm (m, 1 H), 7 45 ppm (d, 2H, J = 8 3 Hz), 7 58 ppm (d, 1 H, J = 9 7 Hz), 7 76 ppm (d, 2H, J = 6 4 Hz), 7 88 ppm (d, 2H, J = 8 2 Hz), 8 45 ppm (d, 2H, J = 6 4 Hz), 10 55 ppm (s, 1 H)。
【0183】
中間体5:(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−プロピオン酸
【化30】

標題化合物を、中間体4について説明した手順にしたがい、(S)−3−(4−ブロモ−フェニル)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸を出発物質として調製した。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 1 34 ppm (s, 9H), 2 62 ppm (m, 2H), 4 91 ppm (m, 1 H), 7 45 ppm (d, 2H, J = 8 3 Hz), 7 58 ppm (d, 1 H, J = 9 7 Hz), 7 76 ppm (d, 2H, J = 6 4 Hz), 7 88 ppm (d, 2H, J = 8 2 Hz), 8 45 ppm (d, 2H1 J = 6 4 Hz), 10 55 ppm (s, 1 H)。
【0184】
中間体6:{[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−ピロリジン−2−イル−メチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化31】

Z−L−プロリン(10g、1.2当量)のDCM/DMF溶液(15/1ml)に、塩化オキサリル(1.8当量)を加えた。反応混合物をRTで3時間撹拌後、溶媒を留去すると、Z−L−プロリンアシルクロリドが得られ、さらに精製することなく用いた。
【0185】
4−ヨード安息香酸メチル(1当量)の乾燥THF溶液(40ml)を−78℃に冷却した。塩化イソプロピルマグネシウムを滴下後、THF(15ml)を加えて沈殿を全て溶解し、反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。CuCN 2LiClの乾燥THF溶液(1モル、33.6ml)を加え、反応混合物をさらに15分間撹拌した。新たに調製したZ−L−プロリンアシルクロリドのTHF溶液(40ml)を滴下し、反応混合物を−78℃で5分間、次いで55分間撹拌しながら、RTまで到達させた。NH4Clの飽和溶液を加えた。次いで、反応混合物を酢酸エチルで抽出した(×3)。ひとまとめにした有機層を、アンモニア溶液、次いで水で洗浄後、MgSO上で乾燥し、ろ過後濃縮した。残渣を、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製して、(DCM/ペンタン 1/1〜2/3)、2−(4−メトキシカルボニル−ベンゾイル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを油状物として得た(収率57%)。
【0186】
エステルのMeOH溶液(0.25M)に、1M LiOH(1.1当量)を加えた。反応混合物をRTで3.5時間撹拌した。溶媒を留去し、1M HClを用いて反応混合物を酸性化した後、酢酸エチル(×3)で抽出した。ひとまとめにした有機層を水で洗浄後、MgSO上で乾燥し、ろ過後濃縮して、2−(4−カルボキシ−ベンゾイル)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを白色粉末として得た(収率80%)。
【0187】
酸のDMF溶液(0.25)に、TBTU(1.3当量)、HOBt(0.3当量)およびDIEA(3当量)を順次加えた。反応混合物を5分間撹拌後、4−アミノピリジン(1当量)を加え、反応混合物をRTで1時間撹拌した。溶媒を留去後、残渣を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(×3)。ひとまとめにした有機層をNaHCO溶液、次いで水で洗浄後、MgSO上で乾燥し、ろ過後濃縮して、2−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−ベンゾイル]−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを黄色油状物として得た(収率88%)
【0188】
ケトンのEtOH溶液(0.25M)に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2当量)、その後DIEA(3当量)を加えた。反応混合物を80℃で24時間撹拌した。反応混合物をRTまで冷却し、溶媒を留去した。残渣を、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し(DCM/MeOH 99/1〜95/5)、2−{ヒドロキシイミノ−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを、黄白色泡状物として得た(収率82%)。
【0189】
オキシム(1当量)の酢酸溶液(0.25M)に亜鉛末(8.5当量)を加え、反応混合物をRTで3時間撹拌した。反応混合物をろ過した。亜鉛を酢酸で洗浄後、ろ液を濃縮した。残渣を1M HClで酸性化し、酢酸エチルで洗浄した。2MNaOHを用いて水層を塩基性化し、酢酸エチルで抽出した(×3)。ひとまとめにした有機層を水で洗浄後、MgSO4上で乾燥し、ろ過後濃縮して、2−{アミノ−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを白色泡状物として得(収率29%)、さらに精製することなく用いた。
【0190】
アミンのDCM溶液に、炭酸ジ−tert−ブチルのDCM溶液を、激しく撹拌しながら滴下した。出発物質が消失した後(15分)に、水を加え、反応混合物をさらに10分間撹拌した。有機層を分離後、水で洗浄し、MgSO上で乾燥後、最後に濃縮し、残渣を、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製して(DCM/MeOH 99/1〜95/5)2−{tert−ブトキシカルボニルアミノ−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを白色粉末として得た(収率64%)。
【0191】
2−{tert−ブトキシカルボニルアミノ−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルのMeOH溶液にPd/Cを加え、反応混合物をRT、1atmの水素下で5時間撹拌した。反応混合物を、セライトの層を通してろ過後、MeOHでよく洗浄した。溶媒を留去すると、標題化合物を白色粉末として得た(収率80%)。
【0192】
中間体7:{2−メチルアミノ−1−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化32】

4−アセチル−安息香酸メチルエステル(345.7g、1.94mmol、1当量)のクロロホルム溶液に(1700ml)臭素(100ml、310g、1.94mmol、1当量)のクロロホルム溶液(3100ml)を、RTで撹拌せずに滴下した。臭素を加えている間に、反応は10℃の発熱を示した。RTで2時間後、混合物を氷水(1000ml)およびNa2S2O3水溶液(700ml)で希釈し、DCMで抽出した(3×1200ml)。有機層を水で洗浄後(4500ml)、MgSO上で乾燥後減圧下濃縮して、4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸メチルエステル(527.2g)を得た。粗生成物の残渣をメタノール(2500ml)から再結晶して、334gを得た(収率67%)。
【0193】
ブロモケトン(590.5g)のMeOH溶液(5900ml)を撹拌しながら、NaBH(91.2g)を0℃で少しずつ加えた。反応混合物をRTまで昇温させ、1時間撹拌後、TLC分析により、ブロモアルコールの生成が示された。KCO(318g)を同じフラスコに加え、反応混合物を週末の間撹拌した。TLC分析は、反応が完結したことを示した。水(3000ml)を加え、混合物をEtO(3×5000ml)で抽出した。有機抽出物を食塩水(2×5000ml)で洗浄後、MgSO上で乾燥し、減圧下濃縮して、4−オキシラニル−安息香酸メチルエステルを405.8gの橙色固体として得た(収率99%)。
【0194】
4−オキシラニル−安息香酸メチルエステル(405g)を、メチルアミンの33重量%EtOH溶液に溶解し、終夜撹拌した。TLC分析は、反応が完結したことを示した。水を加え、混合物をEtOAc(4×500ml)で抽出した。有機層を水(3×500ml)で洗浄後、MgSO上で乾燥し、減圧下濃縮して、495gの4−(1−ヒドロキシ−2−メチルアミノ−エチル)−安息香酸メチルエステルを得た。
【0195】
アミノアルコール(412.3g)をTHF(6000ml)に溶解し、撹拌しながらNaHCO(336g、2当量)を加えた。溶液を0〜5℃に冷却し、クロロギ酸ベンジル(416ml、1.5当量)のTHF溶液(6000ml)を滴下した。混合物を0〜5℃で1時間撹拌し、一晩かけてRTまで昇温させた。TLC分析は、反応が完結したことを示した。水(9000ml)を加え、水層をEtOAc(2×5000ml)で抽出した。有機層を、飽和NaHCO水溶液(2×2500ml)で逆抽出した。ひとまとめにした有機層をMgSO上で乾燥し、減圧下濃縮して、760.7gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、4−[2−(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]安息香酸メチルエステルを得た(137g、ブロモケトンからの収率20%)。
【0196】
前記のアルコール(137g、0.4mol)のDCM溶液(1400ml)に、トリエチルアミン(123ml、0.88mol、2.2当量)を加え、反応混合物を5℃未満に冷却した。塩化メシル(48ml、0.6mol、1.5当量)を滴下し、完了後、反応混合物をRTまで昇温させた。1時間後、LC分析は、反応が完結したことを示した。DCM層を水(1400ml)、1M HCl(1400ml)、および水(1400ml)で洗浄した。DCM層をMgSO4上で乾燥し、減圧下濃縮して、4−[2−(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−1−メタンスルホニルオキシ−エチル]−安息香酸メチルエステルを得た(166.7g、収率99%)。
【0197】
前記のメシル化生成物(166.7g、0.4mol)およびDMF(1700ml)を2000mlフラスコに加え、NaN(25.7g、0.4mol、1当量)を少量ずつ加えた。反応混合物を5O℃に加熱し、14時間撹拌した。LC分析は、反応が完結したことを示した。反応混合物をRTまで冷却し、PhP(105g、0.4mol、1当量)およびHO(105ml)を加えた。反応混合物を2時間撹拌後、LC分析は、反応が完結したことを示した。反応混合物を減圧下濃縮して、4−[1−アミノ−2−(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−安息香酸メチルエステルを、粘性を有する固体として得(351.8g)、さらに精製することなく用いた。
【0198】
アミン(351.8g、活性量135g、0.39mol)アセトン/1M NaCO溶液の1:1混合物(5000ml)に溶解した。Boc無水物(197ml、0.86mol、2.2当量)を加え、反応混合物を終夜RTで撹拌した。TLC分析は、反応が完結したことを示した。アセトンを減圧下除去し、水層をEtOAc(3×2000ml)で抽出した。ひとまとめにした有機抽出物を食塩水(3000ml)で洗浄後、MgSO上で乾燥し、減圧下濃縮した。4−[2−(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル]−安息香酸メチルエステルを、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製した(CBzで保護されたアミノアルコールからの収率21%)。
【0199】
前記のエステル(35.9g)のMeOH溶液(1500ml)に、1M NaOH溶液(700ml)をゆっくり加えた。反応混合物をRTで4時間撹拌後、反応が完結した。メタノールを減圧下除去し、0.5M HClを用いて、水層をpH5〜6に酸性化後、生成物をEtOAc(3×1500ml)で抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過後減圧下濃縮して、対応する安息香酸を得た(収率100%)。
【0200】
酸(34.76g、0.081mol)のDMF溶液(1000ml)に、DIEA(42ml、0.243mol、3当量)、HBTU(40g、0.1053mol、1.3当量)、HOBt(3.2g、0.0243mol、0.3当量)および4−アミノピリジン(9.15g、0.0972mol、1.2当量)を加えた。反応混合物をRTで終夜撹拌した。TLC分析は、反応が完結したことを示した。DMFを留去し、残渣をEtOAc(2500ml)および1MNaCO(2500ml)に溶解した。層を分離し、水層をEtOAc(2500ml)で洗浄した。有機層を食塩水(5000ml)で洗浄後、MgSO上で乾燥し、減圧下濃縮した。{2−(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−1−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルを、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製した(収率85%)。
【0201】
前記の化合物(34.7g)をMeOH(250ml)に溶解し、300mlのParr社製水添装置の容器に移した。容器をN2でパージし、10%Pd/C(湿式触媒)(20g)を加えた。反応容器を水素でパージし、水素圧5barで5時間撹拌した。TLC分析は、反応が完結したことを示した。反応混合物をセライト(100g)でろ過し、フィルターケーキをMeOH(750ml)で洗浄した。反応混合物を減圧下濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製して、標題化合物を得た(収率67%)。
【0202】
一般的な手順
プロトコールA:
DIEA(3当量)を含む、対応するカルボン酸(5.25μmol)のDMF溶液(0.437M)に、1当量のTBTU/HOBt(1/0.2)のDMF溶液(0.4M)を加えた。反応混合物をRTで3〜10分間撹拌後、対応するアミン(1当量)の中性の(DIEAを用いる)DMF溶液(0.1M)を加えた。反応混合物をRTで3時間撹拌後、0.7当量のTBTU/HOBt(1/0.2)のDMF溶液(0.4M)を加えた。4時間後、反応混合物を濃縮した。
【0203】
tert−ブトキシカルボニルアミノ基の脱保護:DCMおよびトリフルオロ酢酸の混合物(1/1、100μl)を残渣に加えた。溶液をRTで2時間撹拌後、減圧下濃縮した。化合物は、さらに精製することなく用いた。
【0204】
プロトコールB
対応するアミン(5.25μmol)の中性の(必要ならばDIEAを用いる)DMF溶液(0.1M)に、対応する塩化スルホニル(1当量)の乾燥THF溶液(0.25M)を加えた。反応混合物をRTで2〜8時間撹拌後、濃縮した。
【0205】
tert−ブトキシカルボニルアミノ基の脱保護:DCMおよびトリフルオロ酢酸の混合物(1/1、100μl)を残渣に加えた。溶液をRTで2時間撹拌後、減圧下濃縮した。化合物は、さらに精製することなく用いた。
【0206】
プロトコールC:
DIEA(3当量)を含む、対応するカルボン酸(1当量)のDMF溶液(0.25M)に、TBTU(1.3当量)およびHOBt(0.3当量)を加えた。反応混合物をRTで3〜10分間撹拌後、対応するアミン(1当量)を加えた。反応混合物をRTで3時間〜3日間撹拌した。溶液を濃縮した。残渣を、EtOAcおよび2N NaCO(または1N NaOH)の間で分配した。生成物をEtOAcで抽出した。有機層を分離後、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濃縮した。
【0207】
代替プロトコール:対応するカルボン酸(1当量)のDMF/DCM混合溶液(0.25M)に、DCC(1当量)、HOBt(1当量)およびDIEA(3当量)を順次加えた。溶液をRTで30分間撹拌後、対応するアミン(1当量)を加えた。反応混合物をRTで2時間〜3日間撹拌した。溶媒を留去した。残渣をDCMと水の間で分配した。生成物をDCMで抽出した。有機層を分離後、2N NaCO(または1N NaOH)、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濃縮した。
【0208】
tert−ブトキシカルボニルアミノ基の脱保護:粗生成物を、新たに蒸留した1,4−ジオキサンに溶解した。溶液に、HClガスを10〜30分間吹き込んだ。溶媒を留去し、分取HPLCで精製した。
【0209】
プロトコールD:
化合物157〜168は、以下の一般スキームにしたがって製造することができる(化合物166の合成を例として示す)。
【化33】

【0210】
生体活性
化合物によるヒトROCKα/ROCKII混合物の阻害について試験を行った。
【0211】
阻害アッセイは、Molecular Devicesより市販の(製品番号R8093)ROCK IMAPキットを用い、製造業者によるプロトコールにほぼしがたう蛍光分極(FP)アッセイにより行った。使用したS6リボソームタンパク由来基質は、(FI)−AKRRRLSSLRAであり、同様にMolecular Deviceより市販されている(製品番号R7184)。酵素混合物ROCKα/ROCKIIは、Upstate Biotechnologyより入手した(製品番号14−451)。
【0212】
要約すると、全ての化合物を、酵素阻害用の384ウェルプレートのウェル中で、段階的な3倍(または2倍)希釈を用い、濃度を100μM〜0.3nMに変化させてスクリーニングを行った。Y化合物(Tocrisより市販のY−27632)を参照(0.4μM)として用いた。
【0213】
アッセイを行うために、試験対象となる化合物の(それぞれの濃度の)DMSO溶液1μlを、酵素を、10mMトリス塩酸塩、10mMMgCl、0.1%BSA、0.05%NaN溶液(pH7.2)に溶解した溶液2μlに加えた。酵素の最終濃度は2.6nMであった。
【0214】
RTで30分間インキュベート後、10mMトリス塩酸塩、10mMMgCl、0.1%BSA、0.05%NaN溶液(pH7.2)に溶解したATPおよびタンパク基質の混合物を加えた。ATPの最終濃度は10μMであり、タンパク基質の最終濃度は0.2μMであった。
【0215】
RTで60分間インキュベート後、12μlのIMAP結合溶液(IMAP結合緩衝溶液A(1×)およびIMAP結合試薬(ROCK IMAPキットに含まれる)の混合物)を加えた。
【0216】
このようにして得られた混合物(全体積17μl)をRTで60分間インキュベート後、FPフィルターを備えた自動プレートリーダー(Perkin Elmer, Model Envision 2100-0010 HTS)、励起フィルターFITC FP 480、発光フィルターFITC FP P-pol 535およびFITC FP S-pol 535 (Perkin-Elmer)を用いて蛍光分極を測定した。XL-Fitアルゴリズムを用いて結果をカーブフィッティングし、同様にXL-Fitアルゴリズムを用いて、フィッティングを行ったそれぞれのカーブについてIC50値を計算した。
【0217】
参照化合物(Y化合物Y−27632)に対するIC50値は0.4μMであった。
【0218】
本発明の化合物
以下に示す表1、2、3、4、5、6、および7に、本発明の化合物の例を表形式で示す。これらの表において、化合物の名称、任意に割り当てられた化合物番号、および構造に関する情報が示されている。さらに、化合物を製造したプロトコールを示すとともに、(上述のプロトコールにより)得られたIC50値を、以下のようにして示した:「+++」は、IC50値が0.5μM未満であることを意味し;「++」は、IC50値が0.5〜5μMであることを意味し;「+」は、IC50値が5〜50μMであることを意味し;「nd」は未測定であることを意味する。
【0219】
立体配置の帰属
不斉中心の絶対配置の帰属には、一連の規則を用いて不斉炭素上の4つの基に順位付けを行うCahn-lngold-Prelog体系を用いた。Cahn, Ingold, Prelog Angew Chem lnt Ed Engl 1966, 5, 385-415を参照されたい。
【0220】
例えば、立体配置R,Rにおいて、最初の文字は、アミン基を有する炭素の立体配置を意味する。
【0221】
分子の名称
分子の名称の帰属には、ソフトウェアMDL ISISTM/Draw 2 5を用いた。
【0222】
他の分析(分取)手法
別記しない場合、分取HPLCによる精製は、Shimadzu SCL-10A(UV検出波長215nmおよび254nm、SPD-10A検出器)で、C18カラム(Nucleosil、100Å、100μm、20×200mm)および種々のグラジエント(水、アセトニトリル、ギ酸)を用いて行った。
【0223】
キラルHPLC(分析および分取)は、Shimadzu SCL-10A(UV検出波長215nmおよび254nm、SPD-10A検出器)で、Chiral Technologies Europe(仏国イルキルシュ)製のChiralcel OD-H(トリス−3,5−ジメチルフェニルカルバメート、46×250または100×250mm、5μm)、Chiralcel OJ(トリス-安息香酸メチル、46×250または100×250mm、5μm)、Chiralpak AD(トリス−3,5−ジメチルフェニルカルバメート、46×250または100×250mm、5μm)、およびChiralpak AS(トリス−(S)−1−フェニルエチルカルバメート、46×250mm、10μm)等の種々のカラムを用いて行った。
・溶離液:エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メタノール、ブタノール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン, ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の溶媒の混合物
・流速:1および50ml/分
【0224】
表1は、R8がHである、式IV20の化合物の結果を示す。表2は、R8がHである、式V20の化合物の結果を示す。表3は、R8がHである、式III20の化合物の結果を示す。表4は、化合物132〜156の結果を示す。表5は、式IV21の化合物の結果を示す。表6は、式V21の化合物の結果を示す。表7は、式III21の化合物の結果を示す。本明細書で用いる場合、「ND」は「未測定」を意味し、「Pr」はプロトコールを意味する。
【化34】

【0225】
【表1−1】

【表1−2】


















【表1−3】



















【表1−4】




















【表1−5】

【表1−6】









【化35】

【0226】
【表2−1】
























【表2−2】

















【表2−3】




【化36】

【0227】













【表3−1】





















【表3−2】




















【表3−3】




















【表3−4】




















【表3−5】

【表3−6】

【0228】
化合物132:4−{アミノ−[1−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)ピロリジン−2−イル]メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化37】

中間体5(25mg)の乾燥THF溶液(1Ml)に、4−メトキシ−塩化ベンゼンスルホニル(1.1当量)およびDIEA(1.2当量)を加えた。反応混合物をRTで3時間撹拌後、EtOAcおよび水で希釈した。生成物をEtOAcで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過後濃縮した。粗生成物を、シリカゲルパッドを通してろ過することにより精製した(DCM/MeOH 95/5)。生成物を乾燥1,4−ジオキサンに溶解し、HClを溶液に10分間吹き込んだ。溶媒を留去すると、標題化合物が白色粉末として得られた(全収率71%)。
【0229】
化合物133:4−{アミノ−[1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化38】

化合物132について記載の手順により、中間体5および2−クロロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物133を調製した。(収率27%、黄白色粉末)。
【0230】
化合物134:4−{アミノ−[1−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化39】

化合物132について記載の手順により、中間体5および3−クロロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物134を調製した。(収率51%、黄白色粉末)。
【0231】
化合物135:4−{アミノ−[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化40】

化合物132について記載の手順により、中間体5および4−クロロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物135を調製した。(収率66%、黄白色粉末)。
【0232】
化合物136:4−{アミノ−[1−(2−フルオロベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化41】

化合物132について記載の手順により、中間体5および2−フルオロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物136を調製した。(収率68%、白色粉末)。
【0233】
化合物137:4−{アミノ−[1−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化42】

化合物132について記載の手順により、中間体5および3−フルオロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物137を調製した。(収率68%、白色粉末)。
【0234】
化合物138:4−{アミノ−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化43】

化合物132について記載の手順により、中間体5および4−フルオロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物134を調製した。(収率68%、白色粉末)。
【0235】
化合物139:4−[1−アミノ−2−(ベンゼンスルホニル−メチル−アミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化44】

中間体6(75mg)の乾燥THF溶液(1Ml)に、塩化ベンゼンスルホニル(1.1当量)およびDIEA(1.2当量)を加えた。反応混合物をRTで1時間撹拌後、EtOAcおよび水で希釈した。生成物をEtOAcで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過後濃縮した。生成物を乾燥1,4−ジオキサンに溶解し、HClを溶液に10分間吹き込んだ。溶媒を留去すると、標題化合物が白色粉末として得られた(収率74%)。
【0236】
化合物140:4−{1−アミノ−2−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化45】


化合物139について記載の手順により、中間体6および4−フルオロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物140を調製した。(収率70%、白色粉末)。
【0237】
化合物141:4−{1−アミノ−2−[(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化46】

化合物139について記載の手順を用い、中間体6および3−フルオロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物141を調製した。(収率90%、白色粉末)。
【0238】
化合物142:4−{1−アミノ−2−[(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化47】

化合物139について記載の手順を用い、中間体6および2−フルオロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物142を調製した。(収率90%、白色粉末)。
【0239】
化合物143:4−{1−アミノ−2−[(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化48】

化合物139について記載の手順を用い、中間体6および2−クロロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物143を調製した。(収率92%、白色粉末)。
【0240】
化合物144:4−{1−アミノ−2−[(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化49】

化合物139について記載の手順を用い、中間体6および3−クロロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物144を調製した。(収率90%、白色粉末)。
【0241】
化合物145:4−{1−アミノ−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化50】

化合物139について記載の手順を用い、中間体6および4−クロロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物145を調製した。(収率90%、白色粉末)。
【0242】
化合物146:4−{1−アミノ−2−[(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン− 4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化51】

化合物139について記載の手順を用い、中間体6および4−クロロ塩化ベンゼンスルホニルを出発物質として、化合物146を調製した。(収率92%、白色粉末)。
【0243】
別記しない場合、鏡像体(またはジアステレオマー)過剰率は、キラルHPLCを用いて決定した。本明細書で用いる場合、「Tret」とは、「保持時間」を意味する。
【0244】
化合物147:4−[(R)−1−アミノ−3−(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化52】

プロトコールCにより、中間体4および7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリンを出発物質として、化合物147を調製した(収率44%、白色粉末)。
【0245】
%ee=100%(キラルHPLC:カラムOJ−H、0.46×250mm、0.1%DIPEAを含むヘキサン/2−プロパノール85/15、Tret62分)。
【0246】
化合物148:4−[(S)−1−アミノ−3−(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソ−プロピル]−N− ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化53】

プロトコールCにより、中間体5および7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリンを出発物質として、化合物148を調製した(収率45%、白色粉末)。
【0247】
%ee=95%(キラルHPLC:カラムOJ−H、0.46×250mm、0.1%DIPEAを含むヘキサン/2−プロパノール85/15、Tret55分)。
【0248】
化合物149:4−{(R)−1−アミノ−3−[(R)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化54】

プロトコールCにより、中間体4および(R)−2−(3−フルオロ−フェニル)ピロリジンを出発物質として、化合物149を調製した(収率47%、淡褐色粉末)。
【0249】
%ee=100%、%de=94%(キラルHPLC:カラムAD−H、0.46×250mm、0.1%DIPEAを含むヘキサン/2−プロパノール85/15、Tret43分)。
【0250】
化合物150:4−{(R)−1−アミノ−3−[(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化55】

プロトコールCにより、中間体4および(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)ピロリジンを出発物質として、化合物150を調製した(収率47%、淡褐色粉末)。
【0251】
%ee=96%、%de=94%(キラルHPLC:カラムAD−H、0.46×250mm、0.1%DIPEAを含むヘキサン/2−プロパノール85/15、Tret123分)。
【0252】
化合物151:4−{(S)−1−アミノ−3−[(R)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化56】

プロトコールCにより、中間体5および(R)−2−(3−フルオロ−フェニル)ピロリジンを出発物質として、化合物151を調製した(収率59%、淡褐色粉末)。
【0253】
%ee=100%、%de=95%(キラルHPLC:カラムAD−H、0.46×250mm、0.1%DIPEAを含むヘキサン/2−プロパノール85/15、Tret36分)。
【0254】
化合物152:4−{(S)−1−アミノ−3−[(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化57】

プロトコールCにより、中間体5および(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)ピロリジンを出発物質として、化合物152を調製した(収率45%、淡褐色粉末)。
【0255】
%ee=97%、%de=96%(キラルHPLC:カラムAD−H、0.46×250mm、0.1%DIPEAを含むヘキサン/2−プロパノール85/15、Tret78分)。
【0256】
化合物153:4−{(R)1−アミノ−2−[(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化58】

分取キラルHPLCを用いた化合物146の分離により、化合物153を得た(カラムAD−H、10×250mm、5μm;溶媒:0.1%DIPEAを含むヘキサン/エタノール80/20、Tret70分)。
【0257】
%ee=100%(キラルHPLC:カラムAD−H、0.46×250mm、0.1%DIPEAを含むヘキサン/エタノール80/20、Tret70分)。
【0258】
化合物154:4−{(S)1−アミノ−2−[(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化59】

分取キラルHPLCを用いた化合物146の分離により、化合物154を得た(カラムAD−H、10×250mm、5μm;溶媒:0.1%DIPEAを含むヘキサン/エタノール80/20、Tret62分)。
【0259】
%ee=100%(キラルHPLC:カラムAD−H、0.46×250mm、0.1%DIPEAを含むヘキサン/エタノール80/20、Tret70分)。
【0260】
化合物155:4−((S)−アミノ−ベンジルカルバモイル−メチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化60】

分取キラルHPLCを用いた化合物1の分離により、化合物155を得た(カラムAD−H、10×250mm、5μm;溶媒:0.1%DIPEAを含むヘキサン/エタノール80/20)。
【0261】
%ee=100%(キラルHPLC:カラムAD−H、0.46×250mm、0.1%DIPEAを含むヘキサン/エタノール80/20、Tret29.6分)。
【0262】
化合物156:4−((R)−アミノ−ベンジルカルバモイル−メチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩
【化61】

分取キラルHPLCを用いた化合物1の分離により、化合物156を得た(カラムAD−H、10×250mm、5μm;溶媒:0.1%DIPEAを含むヘキサン/エタノール80/20)。
【0263】
%ee=99.6%(キラルHPLC:カラムAD−H、0.46×250mm、0.1%DIPEAを含むヘキサン/エタノール80/20、Tret53.7分)。
【0264】
表4は、化合物132〜156の結果を示す。本明細書で用いる場合、「ND」という用語は、「未測定」を意味する。
【0265】
【表4−1】








【表4−2】


【化62】

【0266】
【表5】

【化63】

【0267】
【表6】

【化64】

【0268】
【表7】

【0269】
実施例2
本発明の化合物は、(公知のROCK阻害剤よりも)改善された細胞に対する効能、優れた選択性、良好な物理化学的および薬物動態的性質を示した。
【0270】
本発明の化合物は、ATP競合性のキナーゼ阻害剤である。ROCK阻害剤として、これらは、平滑筋細胞収縮性、細胞運動性、アポトーシス、軸索成長および再生および転位形成の調節において用いることができる。例えば、これらは、肺血管収縮、血管疾患、脳血管けいれん、勃起不全(ED)、緑内障、細胞形質転換、腫瘍転移形成、線維症および脳血管けいれんの治療に用いることができる。
【0271】
ファスジルおよびY−27632等の公知のROCK阻害剤と比較して、本発明の化合物は、同程度またはより優れた(20〜100倍)、他のキナーゼに対するより優れた選択性(10倍以上)、および改善された物理化学的および薬物動態的性質(目的とする医療用途のために、経口投与により全身暴露が可能になる)を示した。他の経路も可能になる。
【0272】
緑内障の治療において、本発明の化合物によるROCKの阻害は、目の毛様筋、および特に小柱網の平滑筋収縮を調節するアクチン−ミオシン相互作用を弱める。これにより、房水の流出が促進され、眼内圧が低下する。
【0273】
本発明のROCK阻害剤は、神経損傷を受けた組織におけるアポトーシスおよびネクローシスを低減させるために用いることができる。これらの効果は、後期の緑内障患者のみならず、加齢黄斑変性症(AMD)および網膜色素変性(RP)等の変性網膜疾患の治療に対しても有益である。
【0274】
生化学プロファイル
キナーゼパネルにおける効能および選択性
密接に関連するキナーゼに対する本発明の化合物の効能および選択性について評価を行った(データは示さない)。
【0275】
Y−27632等の公知のROCK阻害剤と比較して、本発明の化合物は、少なくとも同程度、または10倍以上の効能を有し、PKA、PKB、およびPKC等の、AGCファミリーに属し密接に関連するタンパク質キナーゼに対するより優れた選択性を有している。
【0276】
特異性
21種類の受容体、イオンチャネルおよび輸送タンパク質のパネルに対する特異性についても、本発明の化合物の試験を10μMで行った(データは示さない)。特異性パネルについて、神経伝達物質、およびホルモン受容体、イオンチャネル、および神経伝達物質トランスポータの代表的な組み合わせを選択した。
【0277】
このパネルを用いて得たデータより、プロファイルを行った化合物の、薬理的な副作用を最小にする可能性を有する良好な特異性が裏付けられた。
【0278】
本発明の化合物が、強力で、選択的かつ特異的なROCK阻害剤であることが示された。
【0279】
細胞によるプロファイル
キナーゼ阻害剤は、通常、生化学的アッセイと細胞アッセイとの間で、細胞への浸透およびATP濃度の相違に起因する効能の損失を示す。
【0280】
本発明のROCK阻害剤について、より正確な知見を得るために、本発明の化合物のインビトロにおける生化学的データを、インビトロでの細胞に対するIC50値で補完した。
【0281】
ROCKの活性を物理化学的に測定するための細胞アッセイを構築した。
【0282】
このアッセイは、ヒト単球/マクロファージからのリポ多糖(LPS)誘導性のTNFαの放出が、部分的にROCKに依存するという観測結果に基づくものである。
【0283】
データ(示さない)は、本発明の化合物が、インビトロにおいて、公知の化合物と同等または10〜20倍の、細胞に対するIC50値を有するという事実を裏付けるものである。
【0284】
eADME−toxプロファイル
ヒトにおける薬物動態および毒性の予測に最も関連の深いパラメータを確立した。
【0285】
本発明の化合物は、より優れており、かつ魅力的なeADME−tox特性を有している(データは示さない)。特に、高い溶解性、中程度から高い浸透性、所望の代謝安定性、インビトロで毒性を示さないことである。これらの特性により、全身および局所投与が可能になる。
【0286】
本発明の化合物について、細胞の生存率の増強効果および細胞毒性に関する試験も行った。
【0287】
ヒト胎児腎臓細胞(HEK293T)において、細胞の生存および細胞毒性を評価した。HEK293T細胞を、本発明の化合物の存在下で48時間インキュベートした。インキュベーション終了時に、ATP含有量の定量(CellTiter GIo、Promega)により、細胞の生存率を評価し、LDHの存在について上清のアッセイ(CytoTox One、Promega)を行ったところ、両者はともに細胞毒性のマーカーとしての役割を果たした。
【0288】
30μM以下の濃度では、本発明の化合物について、細胞の生存率に対する効果および細胞毒性は観測されなかった。
【0289】
PKプロファイル
CD−1マウスにおいて、カセット投与を用いて、本発明の化合物の薬物動態パラメータの検討を行った(データは示さない)。
【0290】
本発明の化合物の投与の間、拒絶反応は観測されなかった。
【0291】
全身暴露の合計は、非常に良好な絶対バイオアベイラビリティに換算した。化合物の全身レベルは、経口投与後、数時間で薬理的な酵素阻害が達成されるという事実と一致する。
【0292】
インビボバイオマーカーアッセイ
【0293】
ROCKは、LPS誘導性のサイトカイン、特にTNFαの産生に関与している。本発明の化合物のインビボにおける効果を検討した。
【0294】
雄性マウスに30mg/kgの本発明の化合物またはビヒクルを、POまたはIP経路で投与した。投与から2時間後および4時間後に、マウスについてLPSチャレンジを行い、off the shelf法を用いて血中TNFαレベルを調べるために、LPSチャレンジの1時間後に血液サンプルを採取した。
【0295】
結果(示さない)は、本発明の化合物が、IPまたはPO投与後に、TNFαの放出を効果的に抑制することができるという事実を裏付けるものである。
【0296】
炎症のカラゲニンモデル
カラゲニンモデルを用いて、本発明の化合物が急性炎症を抑制する効果の評価を行った。5〜6週齢Swiss Websterマウス(Harlan)を計量し、実験開始時に、水置換により右足の体積を測定した。カラゲニンを足に注射する2時間前に、ビヒクルまたは10mg/kg、30mg/kgの本発明の化合物を、動物(n=10)に経口投与した。経口投与から2時間後、動物を麻酔し、50μl(10mg/kg)のカラゲニンを足底部に注射した。注射後、2、4、および6時間後に、足の体積を測定した。
【0297】
10mg/kgおよび30mg/kgの本発明の化合物について、足の体積の減少が見られた。2時間後の結果は、t検定により99%以上の有意性を有している。
【0298】
結果(示さない)は、本発明の化合物が、カラゲニンモデルにおける炎症反応を抑制し、10mg/kgが最大の効果を示す用量であるという事実を裏付けるものである。
【0299】
上述のデータは、本発明の化合物が、非常に好適なeADME、Tox、およびPK特性で、選択的かつ特異的にROCKをすることができるという事実を裏付けるものである。
【0300】
結論として、本発明の化合物は、以下の疾患の治療のための薬剤として特に好適である:
脳血管けいれん、冠けいれん性狭心症、高血圧、肺高血圧、および突然死が挙げられるがこれらに限定されないVSMCの過剰収縮、
気管支ぜんそくおよび緑内障が挙げられるがこれらに限定されない他のSMC疾患、
狭心症、心筋梗塞、再狭窄、発作、高血圧性血管疾患、心不全、心臓同種移植血管障害、および静脈移植血管疾患等が挙げられるがこれらに限定されない動脈硬化性疾患、
骨粗鬆症、勃起不全、および腫瘍(転移、細胞移動等)、脊髄損傷、卒中、HIV、炎症性および脱髄性疾患、アルツハイマー病、神経痛、ぜんそく、早期陣痛、腎疾患等が挙げられるがこれらに限定されない他の疾患。
【0301】
本発明は、化合物1〜172およびこれらの立体異性体、互変異性体、ラセミ体、または医薬的に許容される塩および/または溶媒和物を包含する。
【0302】
また、本発明は、ROCK阻害剤を準備する工程、下記(i)(ii)より選択される少なくとも1つのパラメータに関する該阻害剤の活性を試験する工程:および
(i)LPSによるTNFの放出
(ii)カラゲニンによる浮腫モデル
該少なくとも1つのパラメータについての前向きな結果から、炎症に伴う疾患の予防、軽減、および治療に対してROCK阻害剤の使用を決定する工程を含む、炎症における機能をROCK阻害剤に帰属する方法を包含する。
【0303】
また、本発明は、化合物を準備する工程と、インビボまたはインビトロROCK阻害アッセイにおける該化合物の活性を試験する工程と、該阻害アッセイの前向きな結果より、炎症に伴うに関連する疾患の予防、軽減、および治療への化合物の使用を決定する工程とを有する、炎症における機能をROCK阻害剤に帰属する方法を包含する。本発明は、好ましくは、化合物を準備する工程と、ROCKにおいて該化合物の活性を試験する工程とを有する、炎症における機能をROCK阻害剤に帰属する方法を包含する。
【0304】
本明細書において引用した全ての特許、特許出願、および刊行物の参考文献の全内容は参照により本明細書に援用される。好ましい実施態様に関して本発明を具体的に示し、説明したが、当業者には当然のことながら、特許請求の範囲に含まれる本発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細において種々の変更を加えることができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IもしくはIIの化合物、またはこれらの立体異性体、互変異性体、ラセミ体、塩、水和物、もしくは溶媒和物であって、

【化1】


式中:

Arは、炭素原子と少なくとも1つの窒素原子とを含む芳香族6員環の第1の環であって、前記第1の環は、炭素原子と、場合によっては少なくとも1つの窒素原子とを含む、飽和、不飽和、または芳香族4員環、5員環、6員環、または7員環の第2の環と場合によっては縮合しており、前記第1あるいは第2の環は、それぞれ単独で、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アシル、アリールまたはヘテロアリールを含む群より単独で選択される1つ以上の置換基で置換されており、式中前記置換基は、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、アミド、カルボキシ、アミノ、シアノ、ハロアルコキシ、およびハロアルキルを含む群より選択される1つ以上のさらなる置換基によって場合によっては置換されており;

Arは、炭素原子と場合によっては1つまたは2つのヘテロ原子とを含む芳香族5員環または6員環の第3の環であって、前記第3の環は、炭素原子と場合によっては少なくとも1つのヘテロ原子とを含む芳香族6員環の第4の環と場合によっては縮合しており、前記第3の環は、ハロゲン、アルケニル、アルキル、アルキニル、アシルアミノ、アルコキシ、アリールアミノ、ニトロ、ハロアルコキシ、アリール、またはヘテロアリールを含む群より選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されており、式中、前記置換基は、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、アミド、カルボキシ、アミノ、シアノ、ハロアルコキシ、およびハロアルキルを含む群より選択される1つ以上のさらなる置換基によって場合によっては置換されており;
nは、0または1より選択される整数であり;および
pは、2、3、4または5より選択される整数であり;および
は、下式より選択され:

【化2】


は、下式で表され、

【化3】


Aは、酸素または硫黄原子であり;

は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはアラルキルより選択され、

およびRは、それぞれ単独で水素、あるいはアルコキシ、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アミノ、アラルキル、アリール、カルボニルアミノ、シクロアルキル、ホルミルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルより選択される群、
を含む群より選択され、またはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール基に縮合しており、またはヘテロアリール基は、1つ以上のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールであってよく、またはRおよびRは、これらが結合した炭素原子とともにヘテロシクリル環を形成しており、

それぞれの基または前記ヘテロシクリル環は、ハロ、アルケニルアミノオキシ、アルコキシ、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシアミノアルケニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルチオ、アミノ、アラルキル、アリール、アリールアルケニルアミノオキシ、アリールアミノ、アリールアミノスルホニル、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニルアンモキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロシクリル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、オキソ、スルホニルより選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されており、またはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル置換基と縮合しており、またはヘテロアリールは1つ以上のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであってよく、

それぞれの前記置換基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルキルヘテロアリール、アルキルスルホニル、アラルキル、アリール、アリールアミノ、アリールオキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ニトロ、オキソ、またはスルホニルより選択される1つ以上のさらなる置換基で場合によっては置換されており、

nが1である場合、RおよびRは、これらが結合した炭素原子とともに、
ハロ、アルケニルアミノオキシ、アルコキシ、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシアミノアルケニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルチオ、アミノ、アラルキル、アリール、アリールアルケニルアミノオキシ、アリールアミノ、アリールアミノスルホニル、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールアルケニルアンモキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロシクリル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、オキソ、スルホニルより選択される1つ以上のさらなる置換基で場合によっては置換されたヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成しており、またはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルと縮合しており、またはヘテロアリール置換基は、1つ以上のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、

または1つ以上のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、もしくはヘテロシクリル環と場合によっては縮合しており、

それぞれの前記置換基または縮合環は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルヘテロアリール、アルキルスルホニル、アラルキル、アリール、アリールアミノ、アリールオキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、またはスルホニルより選択される1つ以上のさらなる置換基で場合によっては置換されている、
化合物。
【請求項2】
式III、IV、V、またはVIを有する、請求項1記載の化合物であって、

【化4】

は、−CH−、−CH(R14)−、−NH−、−O−、−S−、−C(=O)−より選択され、

pは、2、3、または4より選択され、

rは、0、1、2、または3より選択される整数であり、

式中、R13およびR14は、それぞれ単独で水素またはアルキルより選択され、
または、R13およびR14は、これらが結合した炭素原子とともにアリール,ヘテロアリール,シクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成しており、

または、rが2であり、および2つのR13は、これらが結合した炭素原子とともに、アリール,ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリルを形成しており、

式中、R15およびR16は、これらが結合した炭素原子とともに、それぞれ、ハロ、アルコキシ、アルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルキルヘテロアリール、アルキルスルホニル、アラルキル、アリール、アリールアミノ、アリールオキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、またはスルホニルより選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されているアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルを形成しており、

式中、Ar、Ar、R、R、およびRは、請求項1で定義したのと同様の意味を有する、
化合物。
【請求項3】
Arが、下式で表される、請求項1または2記載の化合物であって、

【化5】

式中、
mは、0、1、2、または3より選択される整数であり;

Wは、C(R)またはNであり;

YおよびZは、それぞれ単独で、NおよびCRを含む群より選択され;

は、水素、ハロゲン,またはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールを含む群、より選択され、それぞれの基は、ハロ、ヒドロキシル、アミド、カルボキシ、アミノ、シアノ、ハロアルコキシ、およびハロアルキルを含む群より選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されている、
化合物。
【請求項4】
WがNまたはC(R)であり、Rが、請求項3で定義したのと同様の意味を有する、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
WがCHまたはNである、請求項3記載の化合物。
【請求項6】
YがCHであり、ZがCHであり、またはYがCHであり、ZがNであり、またはYがNであり、ZがCHである、請求項3から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の化合物であって、式中、Ar

【化6】


より選択され、
式中、Rが、水素およびハロゲン、アルケニル、アルキル、アルキニル、アシルアミノ、アルコキシ、アリールアミノ、ニトロ、ハロアルコキシ、アリールまたはヘテロアリールを含む群より選択され、1つ以上の置換基で場合によっては置換されており;および
が、水素、ハロゲンおよびアルキルを含む群より選択される、化合物。
【請求項8】
以下の構造式のうち1つを有し、

【化7】

式中、Ar、R、R、R、R13、R15、R16、rおよびpが、上に定義したものと同じ意味を有する、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の化合物であって、式中、Arがヘテロアリールであり、R、Rが、それぞれ単独で、場合によっては置換されているアリール、アルキル、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、縮合アリールシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニルアミノアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルアミノアルキル、アリールアルキルヘテロシクロアルキル、アルキルアミノより選択され、式中、置換基は、それぞれ単独で1つ以上の、場合によっては置換されているアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノであり、
または、式中、RおよびRが、これらが結合したNとともに、場合によっては置換されており、1つ以上の、場合によっては置換されているアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルが縮合していてもよいヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており,式中、置換基は、それぞれ単独で1つ以上のアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノであり;それぞれの置換基は、1つ以上のアルキル、アリール、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アラルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキルで場合によっては置換されている、化合物。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載の化合物であって、式中、Arがヘテロアリールであり、Rが、場合によっては置換されているアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはアリールより選択され、場合によっては置換されているアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルが縮合していてもよく、式中、置換基は、それぞれ単独で1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノである、化合物。
【請求項11】
以下の構造式のうち1つを有し、
【化8】

式中、Ar、W、Y、Z、Y、R、R、R、R、R13、R15、R16、r、mおよびpが、上に定義したものと同じ意味を有する、請求項1から6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
式中、Arがピリジン−4−イルである、請求項1から11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
下記構造式のうち1つを有し、
【化9】

式中、W、Y、Z、Y、R、R、R、R、R13、R15、R16、r、m、およびpが上に定義したものと同じ意味を有する、請求項1から12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
式中、Rが、水素、アルキル、またはシクロアルキルより選択され、および式中W、Y、Z、Y、R、R、R、R13、R15、R16、r、m、およびpが上に定義したものと同じ意味を有する、請求項1から13のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項記載の化合物であって、式中、Rが、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキルスルホニルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミノアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルキルアミノより選択され、それぞれ、アルキル、アルコキシ、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルより選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されており、および
式中、W、Y、Z、Y、R、R、R、R13、R15、R16、r、m、およびpは上に定義したものと同じ意味を有する、化合物。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項記載の化合物であって、式中、RおよびRが、これらが結合したNとともに、場合によっては置換されている1つ以上のアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルが縮合しており、場合によっては置換されているヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、式中、置換基は、それぞれ単独で、1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノより選択され、,それぞれの置換基は、1つ以上のアルキル、アリール、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アラルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキルで場合によっては置換されており、式中、W、Y、Z、Y、R、R、R13、R15、R16、r、m、およびpは、上で定義した意味を有する、化合物。
【請求項17】
下記の構造式のうち1つを有する、請求項1から16のいずれかに記載の化合物であって、
【化10】

式中、
tは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8より選択される整数であり、

sは、0、または1より選択される整数であり、

vは、0、または1より選択される整数であり、

は、水素、アルキル、またはシクロアルキルより選択され、

20は、水素、またはアルキルより選択され、

Arは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルより選択され、それぞれ、ハロ、アルコキシ、アルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、を含む群より選択される1つ以上の置換基で場合によっては置換されており、

21は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルスルホニルアミノ、ヒドロキシル、アルキルアミノより選択され、

22は、水素、アルキル、アリールより選択され、

は、CHR23、またはNR23より選択され、式中、R23は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルより選択され、それぞれ、アルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ,より選択されるさらなる置換基で場合によっては置換されており、

または、式中、R22、およびR23は、これらが結合した炭素原子とともに、場合によっては置換されているアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、式中、置換基はそれぞれ単独で1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノより選択され;

は、O、NR26、またはC(R26)R27より選択され、式中、R26およびR27は、それぞれ単独で水素から選択されるか、またはアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシルを含む群より選択され、それぞれの基は、1つ以上のアルキル、ハロ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アルコキシで場合によっては置換されており、

式中、R24およびR25は、それぞれ単独で水素から選択されるか、またはアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシルを含む群より選択され、,それぞれの基は、1つ以上のアルキル、ハロ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アルコキシで場合によっては置換されており、

または、式中、R24およびR26は、これらが結合した原子とともに、場合によっては置換されているアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、式中、置換基は、単独で1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノより選択され;

は、O、S、NR30、またはCHR30より選択され、式中、R30は、水素、またはアルキル、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルを含む群より選択され、それぞれの基は、1つ以上のハロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリールで場合によっては置換されており、

式中、R28およびR29は、それぞれ単独で水素から選択されるか、またはアルキル、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルを含む群より選択され、それぞれの基は、1つ以上のアルキル、ハロ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アルコキシで場合によっては置換されており、

または、式中、R29およびR30は、これらが結合した原子とともに、場合によっては置換されたアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、式中、置換基は、単独で、1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノより選択され、

式中、Xは、O、S、NR33、C(R33)R34より選択され、式中、R33、およびR34は、それぞれ単独で水素から選択されるか、またはアルキル、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルを含む群より選択され、それぞれの基は、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリールで場合によっては置換されており、

式中、R31、R32、R35およびR36は、それぞれ単独で水素から選択されるか、またはアルキル、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルを含む群より選択され、それぞれの基は、1つ以上のアルキル、ハロ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アルコキシで場合によっては置換されており;

または、式中、R31、およびR32は、これらが結合した原子とともに、場合によっては置換されているアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、式中、置換基は、単独で1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノより選択され、

または、式中、R32およびR33は、これらが結合した原子とともに、場合によっては置換されているアリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールを形成しており、式中、置換基は、単独で1つ以上のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミド、オキソ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、またはアルキルアミノより選択され、

および式中、点線は、場合によっては二重結合を表す、
化合物。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の化合物であって、以下の化合物から選択される化合物:4−(アミノ−ベンジルカルバモイル)−メチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(1−フェニル−エチルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(ベンジル−メチル−カルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド4−[アミノ−(1フェニルプロピルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(1−(S)−フェニル−プロピルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(2−クロロ−ベンジルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(3−クロロ−ベンジルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(4−メトキシ−ベンジルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(2−メトキシ−ベンジルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[(ピリジン−2−イルメチル)−カルバモイル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[(ピリジン−4−イルメチル)−カルバモイル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[(フラン−2−イルメチル)−カルバモイル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2−オキソ−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(アミノ−フェネチルカルバモイル−メチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(インダン−2−イルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[2−(4−フルオロ−フェニル)エチルカルバモイル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(2−チオフェン−2−イル−エチルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(2−ピラゾール−1−イル−エチルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(2−イミダゾール−1−イル−エチルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(アミノ−フェニルカルバモイル−メチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(4−メトキシ−フェニルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(アミノ−エチルカルバモイル−メチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(1,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(1,1−ジメチル−プロピルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(シクロプロピルメチル−カルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(1−メチル−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(3,5−ジメチル−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[4−(4−フルオロ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル−2−オキソ−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(アミノ−シクロヘキシルカルバモイル−メチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(4−メチル−シクロヘキシルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(1−アミノ−2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−2−オキソ−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[(テトラヒドロ−フラン−2−イルメチル)−カルバモイル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(2−メトキシ−エチルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(2−メタンスルホニルアミノ−エチルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(アミノ−メトキシカルバモイル−メチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−カルバモイル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(2−メトキシ−1−メチル−エチルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(2−モルホリン−4−イル−エチルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[4−(2−フルオロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[4−(4−メトキシ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[1−ベンジル−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[1−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−ピペリジン−4−イルカルバモイル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(N'−ブチル−ヒドラジノカルボニル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(アミノ−ベンジルカルバモイル−メチル)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−ベンズアミド、4−(アミノ−ベンジルカルバモイル−メチル)−N−(1N−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)−ベンズアミド、4−(アミノ−ベンジルカルバモイル−メチル)−N−(9N−プリン−6−イル)−ベンズアミド、4−[アミノ−(3−クロロ−ベンジルカルバモイル)−メチル]−N−(1H−ピロロ[2,3−6]ピリジン−4−イル)−ベンズアミド、4−[アミノ−(3−クロロ−ベンジルカルバモイル)−メチル]−N−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)−ベンズアミド、4−[アミノ−(3−クロロ−ベンジルカルバモイル)−メチル]−N−(9H−プリン−6−イル)−ベンズアミド、4−((S)−アミノ−ベンジルカルバモイル−メチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、または4−((R)−アミノ−ベンジルカルバモイル−メチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド。
【請求項19】
請求項1から17のいずれかに記載の化合物であって、以下の化合物から選択される化合物:4−(1−アミノ−2−メタンスルホニルアミノ−エチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(1−アミノ−2−エタンスルホニルアミノ)−エチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(プロパン−1−スルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(ブタン−1−スルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(オクタン−1−スルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(1−アミノ−2−フェニルメタンスルホニルアミノ−エチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(1−アミノ−2−ベンゼンスルホニルアミノ−エチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−メチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(3−メチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(2−メチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(3−クロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(2−クロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(3,4−ジメトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(2,5−ジメトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(3−フェノキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−フェノキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(ビフェニル−3−スルホニルアミノ−エチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1'アミノ−2−(ビフェニル−4−スルホニルアミノ−エチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(ナフタレン−1−スルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(チオフェン−2−スルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾールe−4−スルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(ベンゾ[1,2,5]−オキサジアゾール−4−スルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(ベンゾ[1,2,5]−チアジアゾール−4−スルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−(9H−プリン−6−イル)−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(ベンゼンスルホニル−メチル−アミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド二塩酸塩、4−{1−アミノ−2−[(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{(R)1−アミノ−2−[(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、または4−{(S)1−アミノ−2−[(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド。
【請求項20】
請求項1から17のいずれかに記載の化合物であって、以下の化合物から選択される化合物:4−[1−アミノ−3−オキソ−3−(2−フェニル−ピロリジン−1−イル)−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(3−クロロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(4−クロロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−オキソ−3−(2−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(2−ナフタレン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(2,5−ジクロロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(3−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−オキソ−3−(3−フェニル−モルホリン−4−イル)−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[3−(4−クロロ−フェニル)−モルホリン−4−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ[3−(4−フルオロ−フェニル)−モルホリン−4−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(5−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(7−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(1−アミノ−3−オキソ−3−チアゾリジン−3−イル−プロピル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(1−アミノ−3−オキソ−3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(3,5−ジメチル−ピペリジン−1−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(オクタヒドロ−キノリン−1−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−(1−アミノ−3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロピル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−オキソ−3−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3[4−(4−フルオロ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(4−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(4−ベンゾオキサゾール−2−イル−ピペリジン−1−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[4−(4−メトキシ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[4−(2−フルオロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[4−(フラン−2−カルボニル)−ピペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[4−(1H−インドール−3−イル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、2−{3−アミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−プロピオニル}−1、2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−β−カルボン酸メチルエステル、4(1−{3−アミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−フェニル]−プロピオニル}−ピペリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル、4−[1−アミノ−3−オキソ−(1,3,4,9−テトラヒドロ−β−カルボリン−2−イル)−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[1−(3−クロロ−フェニル)−1,3,4,9−テトラヒドロ−β−カルボリン−2−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[1−(3−ブロモ−4−メトキシ−フェニル)−1,3,4,9−テトラヒドロ−β−カルボリン−2−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−(1N−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−(9N−プリン−6−イル)−ベンズアミド、4−[(R)−1−アミノ−3−{7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[(S)−1−アミノ−3−(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{(R)−1−アミノ−3−[(R)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{(R)−1−アミノ−3−[(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{(S)−1−アミノ−3−[(R)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、または4−{(S)−1−アミノ−3−[(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド。
【請求項21】
請求項1から17のいずれかに記載の化合物であって、以下の化合物から選択される化合物:4−{アミノ−[1−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[1−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[1−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[1−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[1−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{アミノ−[1−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、または4−{アミノ−[1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−ピロリジン−2−イル]−メチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド。
【請求項22】
請求項1から17のいずれかに記載の化合物であって、以下の化合物から選択される化合物:4−(アミノ−ベンジルカルバモイル)−メチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(2−クロロ−ベンジルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[アミノ−(3−クロロ−ベンジルカルバモイル)−メチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−((S)−アミノ−ベンジルカルバモイル−メチル)−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド。
【請求項23】
請求項1から17のいずれかに記載の化合物であって、以下の化合物から選択される化合物:4−[1−アミノ−2−(4−メチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−2−[(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−エチル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド。
【請求項24】
請求項1から17のいずれかに記載の化合物であって、以下の化合物から選択される化合物:4−[1−アミノ−3−オキソ−3−(2−フェニル−ピロリジン−1−イル)−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(3−クロロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(4−クロロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−オキソ−3−(2−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(2−ナフタレン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[2−(3−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[3−(4−クロロ−フェニル)−モルホリン−4−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{1−アミノ−3−[3−(4−フルオロ−フェニル)−モルホリン−4−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[1−アミノ−3−(7−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−[(S)−1−アミノ−3−(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソ−プロピル]−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{(R)−1−アミノ−3−[(R)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{(R)−1−アミノ−3−[(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{(S)−1−アミノ−3−[(R)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド、4−{(S)−1−アミノ−3−[(S)−2−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド。
【請求項25】
請求項1から24のいずれかに定義した化合物を含む、医薬組成物および/または獣医薬組成物。
【請求項26】
請求項1から24のいずれかに定義した少なくとも1種類の化合物と、少なくとも1種類の医薬および/または獣医の目的のために許容される担体、賦形剤、または希釈剤とを含む、請求項25記載の医薬組成物および/または獣医薬組成物。
【請求項27】
人体用または獣医用の医薬に用いるための、請求項1から24のいずれか一項記載の化合物。
【請求項28】
眼疾患、勃起不全、循環器疾患、血管疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、神経疾患および中枢神経系の疾患、気管支ぜんそく、骨粗鬆症、腎疾患、およびAIDSを含む群より選択される少なくとも1つの疾患および/または異常の予防および/または治療のための薬剤の調製における、請求項1から24のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項29】
網膜症、黄斑変性、および緑内障を含む眼疾患の予防および/または治療、および/または合併症および/またはこれらに伴う症状の予防、治療および/または軽減のための薬剤の調製における、請求項1から24のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項30】
急性発作、うっ血心不全、循環器虚血、心疾患、心臓リモデリング、狭心症、冠けいれん性狭心症、脳血管けいれん、肺血管収縮、再狭窄、高血圧、肺高血圧、動脈硬化、深部血栓症等の血栓症、および血小板関連疾患を含む群より選択される循環器疾患および血管疾患、および/または合併症および/もしくはこれらに伴う症状の予防、治療および/または軽減のための薬剤の調製における、請求項1から24のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項31】
卒中、多発性硬化症、脳または脊髄損傷、アルツハイマー病、MS、および神経痛を含む炎症および脱髄疾患を含む群より選択される神経および中枢神経径疾患の予防、治療、および/または管理、および/またはこれらに伴う合併症および/または症状の予防、治療、および/または軽減のための薬剤の調製における、請求項1から24のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項32】
脳腫瘍(グリオーマ)、乳ガン、大腸ガン、腸ガン、皮膚ガン、頭頸部ガン、腎臓ガン、肺癌、肝ガン、卵巣ガン、膵臓ガン、前立腺ガン、または甲状腺ガン、白血病、リンパ腫、肉腫、悪性黒色腫を含む群より選択されるガンの予防、および/または治療、および/またはこれらに伴う合併症および/または症状および/または炎症性反応の予防、治療、および/または軽減のための薬剤の調製における、請求項1から24のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項33】
勃起不全、気管支ぜんそく、骨粗鬆症、腎疾患、およびAIDSの予防および/または治療、および/またはこれらに伴う合併症および/または症状の予防、治療、および/または軽減のための薬剤の調製における、請求項1から24のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項34】
接触性皮膚炎、乾癬、関節リウマチ、炎症性大腸炎、クローン病、および潰瘍性大腸炎を含む群より選択される炎症性疾患の予防、および/または治療、および/またはこれらに伴う合併症および/または症状および/または炎症性反応の予防、治療、および/または軽減のための薬剤の調製における、請求項1から24のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項35】
請求項1から24のいずれか一項記載の化合物、または該化合物を含む組成物を用いて、少なくとも1種類のキナーゼの活性を、インビボまたはインビトロで阻害する方法。
【請求項36】
前記使用がインビトロでの使用である、請求項35記載の方法。
【請求項37】
該少なくとも1種類のキナーゼがROCKである、請求項35または36記載の方法。
【請求項38】
該少なくとも1種類のキナーゼが、ROCKのαおよび/またはβアイソフォームより選択される、請求項37記載の方法。
【請求項39】
該少なくとも1種類のキナーゼが、ROCKのαアイソフォームより選択される、請求項37記載の方法。

【公表番号】特表2009−500437(P2009−500437A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520777(P2008−520777)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006765
【国際公開番号】WO2007/006547
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(507180434)デブジェン エヌブイ (9)
【Fターム(参考)】