説明

グラフェン配線およびその製造方法

【課題】配線構造における電気特性の向上を図る。
【解決手段】グラフェン配線の製造方法は、絶縁膜13内に、配線溝30を形成し、前記配線溝内の全面に、触媒膜14を形成し、前記配線溝内の前記触媒膜上に、前記配線溝の底面に対して垂直方向に積層された複数のグラフェンシート16a〜16eで構成されるグラフェン層16を形成することを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、グラフェン配線およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最先端デバイスに用いられるLSI配線構造において、その金属配線の微細化が進んでいる。微細化、薄膜化された金属配線では、その配線幅またはその配線高さが伝導電子の平均自由工程に近づくにつれて、電子の界面非弾性散乱による電気抵抗率の上昇が顕著となる。
【0003】
例えば、最先端デバイスの低抵抗配線材料として用いられる銅(Cu)において、伝導電子の平均自由工程は約40nmである。このため、配線幅または配線高さが40nmに近づくにつれて電気抵抗率の上昇は顕著になる。さらに、配線幅または配線高さが伝導電子の平均自由工程以下の寸法になると、電気抵抗率の上昇はより顕著になる。
【0004】
このような金属配線における電気抵抗率の上昇によって、多層配線を流れる信号の遅延(RC遅延)が生じ、LSIの性能が低下してしまう。また、金属配線における抵抗は、金属の電気抵抗率だけでなく、その配線長によっても決定される。このため、RC遅延は、特に配線長が長い配線ほど深刻となる。すなわち、上述した問題に対する本質的な解決には、配線材料の代替が必要である。
【0005】
そこで近年、低抵抗材料として炭素系材料を配線に応用する研究が世界的に活発化してきている。低抵抗を期待される代表的な炭素系材料として、カーボンナノチューブ(CNT:Carbon Nanotube)がある。カーボンナノチューブは、種々のナノ構造の違いにより、様々な量子効果を発現し、絶縁体/半導体/導体と作り分けることが可能である。特に、導体としてカーボンナノチューブが形成された場合、量子化伝導(バリスティック伝導)が期待される。このため、カーボンナノチューブは、既存の金属材料(例えば、Cu配線)に替わる超低抵抗材料として利用することができる。また、バリスティック長の長さから、長距離配線の電気伝導により有利であることが期待できる。
【0006】
しかしながら、カーボンナノチューブは、横方向(面内方向)に均一に成長させることが非常に困難である。このため、カーボンナノチューブを面内方向の配線材料として単純に置き換えることはできない。また、カーボンナノチューブは、折り曲げることが困難である。このため、カーボンナノチューブを用いて配線の屈折構造等を形成することができず、パターンのレイアウトに大きな制約を与えてしまう。
【0007】
一方、カーボンナノチューブと同様の量子化伝導特性を有する材料として、グラフェンを配線材料に応用する研究が活発に行われている。グラフェンは、グラファイトを極めて薄くした新規炭素材料である。このため、グラフェンは、カーボンナノチューブと同様にその量子化伝導によって、金属配線に替わるLSI用低抵抗配線として使用することが期待される。また、バリスティック長も非常に長いため、長距離配線の電気伝導により有利である。さらに、グラフェン構造自体が極薄膜(単層膜)であるため、CVD(Chemical Vapor Deposition)法にて成膜することが可能である。すなわち、グラフェンは、デバイスの横方向配線の形成プロセスに対して優れた整合性を持つ。
【0008】
ここで、グラフェンを配線として用いた場合の配線の抵抗は、グラフェン1枚当たりの量子化抵抗とグラフェンの積層数により決定される。すなわち、グラフェンの積層数が少ないと高抵抗となり、積層数が多いと低抵抗になる。しかしながら、従来のグラフェン配線では、グラフェンの積層数に限りがあり、低抵抗伝導が困難である。
【0009】
このように、グラフェン配線において、さらなる低抵抗を実現させることが求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】yung Jin Kang, et al, "Monolayer graphene growth on sputtered thin film platinum" JOURNAL OF APPLIED PHYSICS 106, 104309-1-104309-6 (2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
配線構造における電気特性の向上を図るグラフェン配線およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本実施形態によるグラフェン配線の製造方法は、絶縁膜内に、配線溝を形成し、前記配線溝内の全面に、触媒膜を形成し、前記配線溝内の前記触媒膜上に、前記配線溝の底面に対して垂直方向に積層された複数のグラフェンシートで構成されるグラフェン層を形成することを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係るグラフェン配線の構造を示す断面図。
【図2】第1の実施形態に係るグラフェン配線の製造工程を示す断面図。
【図3】図2に続く、第1の実施形態に係るグラフェン配線の製造工程を示す断面図。
【図4】図3に続く、第1の実施形態に係るグラフェン配線の製造工程を示す断面図。
【図5】第1の実施形態に係るグラフェン配線の変形例における製造工程を示す断面図。
【図6】図5に続く、第1の実施形態に係るグラフェン配線の変形例における製造工程を示す断面図。
【図7】図6に続く、第1の実施形態に係るグラフェン配線の変形例における製造工程を示す断面図。
【図8】第2の実施形態に係るグラフェン配線の構造を示す断面図。
【図9】第2の実施形態に係るグラフェン配線の製造工程を示す断面図。
【図10】第3の実施形態に係るグラフェン配線の構造を示す断面図。
【図11】第3の実施形態に係るグラフェン配線の製造工程を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態を以下に図面を参照して説明する。図面において、同一部分には同一の参照符号を付す。
【0015】
<第1の実施形態>
以下に、図1乃至図4を用いて、第1の実施形態に係るグラフェン配線について説明する。第1の実施形態は、配線として、配線溝内に形成された触媒膜上に複数のグラフェンを積層する例である。
【0016】
[構造]
図1(a)は、第1の実施形態に係るグラフェン配線の断面図を示している。図1(b)は、図1(a)の破線部の拡大図を示している。なお、図1(b)において、後述するキャップ膜18は、省略している。
【0017】
図1(a)に示すように、配線構造の一例として、図示せぬトランジスタやキャパシタ等の半導体素子が形成された基板10上に、第1コンタクト層100、配線層200、および第2コンタクト層300が形成されている。
【0018】
第1コンタクト層100は、基板10上に形成されている。第1コンタクト層100は、第1コンタクト層絶縁膜11および第1コンタクトプラグ12で構成されている。
【0019】
第1コンタクト層絶縁膜11は、基板10上に形成され、例えばTEOS(Tetraethoxysilane)で構成されている。第1コンタクトプラグ12は、第1コンタクト層絶縁膜11内に形成され、基板10に形成された半導体素子と後述する配線層200とを電気的に接続している。第1コンタクトプラグ12の導電材料は、例えばW、CuまたはAlの単体金属で構成されている。
【0020】
また、第1コンタクトプラグ12の導電材料金属の拡散を防止するために、第1コンタクトプラグ12と第1コンタクト層絶縁膜11および基板10との間に図示せぬバリアメタルを有してもよい。バリアメタルは、例えばTa、Ti、Ru、MnまたはCo、あるいはこれらの窒化物で構成される。さらに、図示せぬストッパ膜が、コンタクト層100上に形成され、例えばSiCNなどの配線層絶縁膜13に対して加工選択比の高い材料で構成されている。なお、後述する配線層絶縁膜13と第1コンタクト層絶縁膜11との加工選択比が十分に高い場合、ストッパ膜は形成されなくてもよい。
【0021】
配線層200は、第1コンタクト層100上に形成されている。配線層200は、配線層絶縁膜13および配線17で構成されている。
【0022】
配線層絶縁膜13は、第1コンタクト層100上に形成され、例えばSiOCで構成されている。この配線層絶縁膜13には、第1コンタクトプラグ12の部分が開口するように複数の配線溝30が設けられている。また、配線層絶縁膜13は、誘電率を下げるためにポア(微小空ホール)を含む膜であってもよい。
【0023】
配線17は、配線層絶縁膜13内に設けられた配線溝30に沿って形成されている。この配線17の詳細については、後述する。
【0024】
また、配線層絶縁膜13上に、保護膜となるキャップ膜18が形成されている。このキャップ膜18は、例えばSiNやSiCNで構成され、後述する第2コンタクトプラグ23が形成される領域において開口している。このキャップ膜18は配線層200を構成する材料の外部への拡散、および配線層200を構成する材料の酸化を防止するために形成される。しかし、後述するグラフェン層自体が安定した材料であり、酸化耐性も高いため、キャップ膜18は形成されなくてもよい。また、キャップ膜18は、第2コンタクト層300のエッチング加工の制御層としても機能することができる。
【0025】
第2コンタクト層300は、配線層200上に形成されている。第2コンタクト層300は、第1コンタクト層100と同様の構造を有し、第2コンタクト層絶縁膜19および第2コンタクトプラグ20で構成されている。
【0026】
第2コンタクト層絶縁膜19は、配線層200上にキャップ膜18を介して形成され、例えばTEOSで構成されている。第2コンタクトプラグ20は、第2コンタクト層絶縁膜19内に形成され、配線層200と第2コンタクト層300上に形成される図示せぬ配線層とを電気的に接続している。
【0027】
以下に、本実施形態における配線17について説明する。本実施形態における配線17は、配線溝30に沿って形成され、触媒下地膜14、触媒膜15、およびグラフェン層16で構成されている。なお、図面において、配線17は、紙面垂直方向に延在し、その方向に電流が流れる。
【0028】
触媒下地膜14は、配線溝30内の両側面および底面に形成されている。より具体的には、触媒下地膜14は、配線溝30内の両側面の配線層絶縁膜13上および配線溝30内の底面の第1コンタクトプラグ12上に形成されている。すなわち、触媒下地膜14は、第1コンタクトプラグ12に直接接続されている。この触媒下地膜14は、後述するグラフェン層16の形成を容易にするための補助膜となる。また、触媒下地膜14は、後述する触媒膜15の配線層絶縁膜13への拡散を防止する。すなわち、触媒下地膜14は、助触媒作用および拡散バリア性を有する膜である。
【0029】
触媒下地膜14は、例えばTaN、TiN、RuN、WN、Ta、Ti、Ru、またはW等の膜、あるいはこれらの酸化物の膜で構成されている。また、触媒下地膜14として、これらの材料の膜を積層して用いてもよい。特に、グラフェン層16の均一な成長を促進するために、触媒下地膜14はTaN膜およびTiN膜の積層膜であることが望ましい。また、触媒下地膜14の膜厚は、例えば1nm程度である。なお、触媒下地膜14は、グラフェン層16の形成を容易にするために成膜することが望ましいが、成膜しなくてもグラフェン層16を成長させることができるため、成膜しなくてもよい。
【0030】
触媒膜15は、配線溝30内の触媒下地膜14上に形成され、配線溝30内に埋め込まれている(充填されている)。言い換えると、触媒膜15の上面は、配線溝30の上面(配線層絶縁膜13の上面および触媒下地膜14の上面)と同程度の高さである。この触媒膜15は、グラフェン層16を成長させるための本触媒である。
【0031】
触媒膜15は、例えばCo、Ni、Fe、Ru、またはCu等の単体金属の膜、少なくともこれらのいずれかを含む合金の膜、あるいはこれらの炭化物等の膜で構成されることが望ましい。ここで、触媒膜15が分散して微粒子化した状態(不連続膜)であれば、グラフェン層16がうまく成長できない、あるいはグラフェン層16が不連続となって形成される可能性がある。このため、触媒膜15は、連続膜であることが望ましい。このため、触媒膜15の膜厚は少なくとも0.5nm以上である必要がある。
【0032】
グラフェン層16は、配線溝30内の触媒膜15上に形成され、配線溝30から突出して形成されている。言い換えると、グラフェン層16の下面は、配線溝30の上面(配線層絶縁膜13の上面)と同程度の高さ、またはそれよりも高い。このグラフェン層16は、紙面垂直方向に連続的に形成され、電子の移動経路(電流経路)はその方向に沿って形成される。
【0033】
また、グラフェン層16は、後述するように、触媒膜15を触媒として成長する1〜100枚程度のグラフェンからなり、量子化伝導特性を有する。ここで、グラフェンは、グラファイトの単層膜であり、炭素が六角形格子状に配列した構造を有する。以下において、グラファイトの単層膜であるグラフェンをグラフェンシートと称す。
【0034】
グラフェンシート中の電子の平均自由工程は約100nm〜1μmであり、現在多くのLSIデバイスで用いられている低抵抗金属材料であるCu中の電子の平均自由工程(約40nm)と比較して、はるかに長いことが知られている。このため、グラフェンシートを低抵抗材料として配線17の導電層に用いることができる。
【0035】
図1(b)に示すように、グラフェン層16は、配線溝30内の触媒膜15上に、垂直方向に積層された複数のグラフェンシート16a〜16eで構成されている。言い換えると、これら複数のグラフェンシート16a〜16eの面はそれぞれ、配線溝30内の底面に対して平行に形成されている。これら複数のグラフェンシート16a〜16eは全て、配線溝30内から突出して形成されている。また、グラフェン層16のうち最下位に位置するグラフェンシート16aは、下面で触媒層15と直接接続されている。ここで、グラフェン層16が例えば10枚のグラフェンシートで構成される場合、グラフェン層16の膜厚は3.4nm程度である。なお、グラフェン層16におけるグラフェンシートの積層数は、量子化伝導特性を有する範囲でできる限り多いほうがよい。
【0036】
また、図1において、配線層が1層の場合を示したが、2層以上の配線層を有してもよい。すなわち、第2コンタクト層300上に、複数のグラフェン層からなる配線層200と同様の配線層が形成されてもよい。
【0037】
[製造方法]
図2乃至図4は、第1の実施形態に係るグラフェン配線の製造工程の断面図を示している。
【0038】
まず、図2(a)に示すように、図示せぬ半導体素子が形成された基板10上に、第1コンタクト層100が形成される。具体的には、基板10上に例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により第1コンタクト層絶縁膜11が形成され、この第1コンタクト層絶縁膜11に例えばリソグラフィ法により図示せぬコンタクトホールが形成される。このコンタクトホールに、例えばCVD法により第1コンタクトプラグ12が埋め込まれる。このとき、第1コンタクトプラグ12の導電材料である金属の拡散を防止するために、コンタクトホールの表面に、図示せぬバリアメタルを形成してもよい。
【0039】
次に、第1コンタクト層100上に、例えばCVD法により図示せぬストッパ膜が形成されてもよい。このストッパ膜により、配線層絶縁膜13のRIE(Reactive Ion Etching)法による加工の深さが均一に揃えられる。なお、配線層絶縁膜13と第1コンタクト層100の加工選択比が十分に高い場合、ストッパ膜が形成されなくても、配線層絶縁膜13の加工の深さを十分に制御することができる。
【0040】
次に、図2(b)に示すように、第1コンタクト層100上に、例えばCVD法により配線層絶縁膜13が形成される。この配線層絶縁膜13上に、RIE工程およびCMP(Chemical Mechanical Polishing)工程におけるダメージの保護膜となる図示せぬキャップ膜が形成されてもよい。配線層絶縁膜13がRIEのダメージに強い膜、例えばTEOSで構成される場合、またはポア(微小空ホール)を含まないSiOCで構成される場合、キャップ膜は形成されなくてもよい。
【0041】
次に、図3(a)に示すように、配線層絶縁膜13上に、図示せぬレジストが塗布され、リソグラフィ工程が行われる。その後、配線層絶縁膜13に、RIEにより配線溝30が設けられ、シングルダマシン配線構造が形成される。
【0042】
次に、図3(b)に示すように、全面に、例えばCVD法またはPVD(Physical Vapor Deposition)法により触媒下地膜14が形成される。より具体的には、触媒下地膜14は、配線溝30内の底面の第1コンタクト層100上、配線溝30内の両側面の配線層絶縁膜13上および配線溝30外の上面(配線溝30以外の平坦部)の配線層絶縁膜13上に形成される。なお、触媒下地膜14は、形成されなくてもよい。
【0043】
次に、全面に、例えばCVD法、PVD法、または吹き付け法により触媒膜15が形成される。より具体的には、触媒膜15は、配線溝30内および配線溝30外の触媒下地膜14上に形成され、配線溝30内に充填される。また、触媒膜15は、連続膜として形成されることが望ましい。
【0044】
次に、図4(a)に示すように、CMPによりエッチバック処理が行われる。これにより、配線溝30外の触媒下地膜14および触媒膜15がエッチバックされ、触媒下地膜14および触媒膜15の上面が配線溝30の上面(配線層絶縁膜13の上面)と同程度の高さになる。言い換えると、配線溝30外の触媒下地膜14および触媒膜15が除去され、配線溝30内に触媒下地膜14および触媒膜15が残存する。
【0045】
次に、図4(b)に示すように、配線溝30内の触媒膜15上に、1〜100枚程度のグラフェンシートからなるグラフェン層16が形成される。このとき、触媒膜15が配線溝30内に充填されているため、グラフェン層16は触媒膜15の上面から垂直方向に成長する。すなわち、グラフェン層16は、配線溝30内の底面に対して垂直方向に積層された複数のグラフェンシートからなり、配線溝30内から突出して形成される。
【0046】
グラフェン層16は、例えばCVD法により形成される。CVD法の炭素源としてメタン、アセチレン等の炭化水素系ガスまたはその混合ガスが用いられ、キャリアガスとして水素や希ガスが用いられる。
【0047】
これらの成分ガスを用いて単一条件のCVD法によってグラフェンシートを成長させることもできるが、多段階処理によってグラフェンシートを成長させることもできる。以下に、多段階処理によるグラフェンシートの成長について説明する。
【0048】
まず、グラフェン層16を形成する前に、触媒膜15の微粒子への凝集を抑制するために、触媒膜15に対してプラズマ処理が行われる。このようにして、触媒膜15の微粒子化を防ぎ、触媒膜15表面の連続性を保つことにより、グラフェン層16の均一な成長を促進させることができる。放電ガスとして水素または希ガスが用いられることが望ましいが、どちらか一方または両方を含んだ混合ガスが用いられてもよい。処理温度は、できる限り低温である方が効果は高く、室温であることが望ましい。また、このプラズマは比較的強いほうが望ましく、高パワーリモートプラズマやプラズマに曝露させるほうがより効果が高まる。
【0049】
次に、触媒膜15の炭化処理が行われる。放電ガスとしてメタンなどの炭化水素系、またはその混合ガスが用いられる。この処理温度は、後述する最終工程のグラフェンシートの形成より低い温度かつグラフェンシートが形成されうる温度である必要があり、例えば150〜600℃程度であることが望ましい。また、処理時間は、短くてよい。この処理も比較的強いプラズマを用いて行われることが望ましい。
【0050】
次に、炭化層良質化および触媒活性化のために、触媒膜15に対してプラズマ処理が行われる。放電ガスとして希ガスが用いられることが望ましい。処理温度は、前工程の処理温度と次工程の処理温度との間の温度でよいが、これに限らない。この処理は比較的弱いプラズマでよいので、リモートプラズマを用いて行われることが望ましい。
【0051】
最後に、グラフェンシートの形成が行われる。放電ガスとして炭化水素系ガスまたはその混合ガスが用いられる。処理温度の上限は1000℃程度、下限は200℃程度である。処理温度が200℃を下回ると成長速度が得られず、グラフェンシートの成長がほとんど起こらない。200℃以上でグラフェンシートの成長が起こり、均一なグラフェン層16が形成される。このため、処理温度は特に350℃程度であることが望ましい。このようなグラフェンシートの形成の処理温度は、通常のLSIデバイスにおける配線形成工程の温度と同等あるいはそれ以下である。このため、上述したグラフェンシートの形成は、半導体プロセスとの親和性に優れている。
【0052】
この処理では、イオンおよび電子を除去し、ラジカルのみを基板に供給することが重要である。このため、非常に弱いプラズマをリモート化して用いることが望ましい。さらにイオンおよび電子を除去するために、基板上部に電極を設置し電圧を印加するのも効果的である。この印加電圧は、0〜±100V程度であることが望ましい。
【0053】
このような多段階処理によるグラフェンシートの形成工程は、単一条件のCVD法によるグラフェンシートの形成工程に比べて、形成温度の低温化や高品質化(均一成長)を実現することができる。プロセス温度の上限値はLSIデバイスにより異なるが、できる限り低温であることが望ましい。すなわち、グラフェンシートの形成温度の低温化により、LSIデバイス全体の特性の向上を図ることができる。また、グラフェンシートの高品質化(均一成長)により、電気伝導が容易になり、低抵抗配線を実現することができる。
【0054】
このようにして、触媒下地膜14、触媒膜15、およびグラフェン層16で構成される配線17を含む配線層200が形成される。
【0055】
次に、図1に示すように、配線層200上に、配線層200を構成する材料の外部への拡散、および配線層200を構成する材料の酸化を防止するためのキャップ膜18が形成される。このキャップ膜18は、第2コンタクト層300のエッチング加工の制御層としても機能する。なお、キャップ膜18は、形成されなくてもよい。
【0056】
次に、配線層200上に、第2コンタクト層300が形成される。より具体的には、配線層200上に例えばCVD法により第2コンタクト層絶縁膜19が形成され、この第2コンタクト層絶縁膜19に、例えばリソグラフィ法により図示せぬコンタクトホールが形成される。このとき、コンタクトホールが形成される領域のキャップ膜18も開口される。このコンタクトホールに、例えばCVD法により第2コンタクトプラグ20が埋め込まれる。このとき、第2コンタクトプラグ20の導電材料の金属の拡散を防止するために、コンタクトホールの表面に、図示せぬバリアメタルを形成してもよい。
【0057】
このようにして、本実施形態におけるグラフェン配線が形成される。
【0058】
[効果]
上記第1の実施形態によれば、配線溝30内に触媒膜15を充填した後、その触媒膜15上に複数のグラフェンシートからなるグラフェン層16を形成する。すなわち、配線溝30内にグラフェン層16を形成するという制約がない。このため、配線溝30の微細化が進んだとしても、グラフェン層16が量子化伝導特性を有する範囲でグラフェンシートを枚数に制限なく成長させることができ、低抵抗な配線構造を実現することができる。
【0059】
また、配線溝30内に触媒膜15を充填させるため、触媒膜15の膜厚は比較的大きく形成される。このため、触媒膜15が不連続膜として形成されることを抑制でき、グラフェン層16の連続性を向上させることができる。
【0060】
ところで、触媒膜15として用いられる金属材料(例えばCo、Ni)は、RIE加工が困難な材料である。従来の製造方法では、触媒膜15に対するRIE工程が必要であり、その結果、プロセス上の条件の制約が厳しくなるといった問題や触媒膜15の特性が劣化するといった問題が生じた。
【0061】
これに対し、本実施形態における製造方法によれば、触媒膜15を全面に形成した後、CMPによりエッチバックすることで、配線溝30内に触媒膜15を充填する。すなわち、触媒膜15をRIE加工する必要がなく、上記問題を解消することができる。
【0062】
[変形例]
以下に、図5乃至図7を用いて、第1の実施形態に係るグラフェン配線の変形例について説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の点については説明を省略し、異なる点について説明する。
【0063】
図5乃至図7は、第1の実施形態に係るグラフェン配線の変形例における製造工程の断面図を示している。
【0064】
図5(a)に示すように、配線層200におけるグラフェン層16を形成する際、配線溝30外の上面の配線層絶縁膜13上に、グラフェン副生成物50が形成される。このグラフェン副生成物50は、例えばアモルファスカーボン等の炭素系化合物である。このため、グラフェン副生成物50は導電性を有し、配線間におけるリーク電流の要因となる可能性がある。
【0065】
これに対し、変形例では、配線溝30外の上面の配線層絶縁膜13上に形成されたグラフェン副生成物50を除去する。これにより、グラフェン副生成物50による配線間のリーク電流の発生を抑制することができる。
【0066】
以下に、グラフェン副生成物50の除去について説明する。
【0067】
まず、図2(b)の工程まで行われる。すなわち、第1コンタクト層100上に、配線層絶縁膜13が形成される。
【0068】
次に、図5(b)に示すように、配線層絶縁膜13上に、例えばCVD法により犠牲膜51が形成される。この犠牲膜51は、例えばlow−k膜またはSiN膜で構成される。
【0069】
次に、図6(a)に示すように、犠牲膜51上に、図示せぬレジストが塗布され、リソグラフィ工程が行われる。その後、犠牲膜51および配線層絶縁膜13に、RIEにより配線溝30が設けられ、シングルダマシン配線構造が形成される。
【0070】
次に、全面に、例えばCVD法またはPVD法により触媒下地膜14が形成される。より具体的には、触媒下地膜14は、配線溝30内の底面の第1コンタクト層100上、配線溝30内の両側面の配線層絶縁膜13上および犠牲膜51上、配線溝30外の上面の犠牲膜51に形成される。なお、触媒下地膜14は、形成されなくてもよい。
【0071】
次に、全面に、例えばCVD法、PVD法、または吹き付け法により触媒膜15が形成される。より具体的には、触媒膜15は、触媒下地膜14上に形成され、配線溝30内に充填される。
【0072】
その後、CMPによりエッチバック処理が行われる。これにより、配線溝30外の触媒下地膜14および触媒膜15がエッチバックされ、触媒下地膜14および触媒膜15の上面が配線溝30の上面(犠牲膜51の上面)と同程度の高さになる。
【0073】
次に、図6(b)に示すように、配線溝30内の触媒膜15上に、1〜100枚程度のグラフェンシートからなるグラフェン層16が形成される。このとき、触媒膜15が配線溝30内に充填されているため、グラフェン層16は触媒膜15の上面から垂直方向に成長する。また、上述したように、グラフェン層16と同時に、配線溝30外の犠牲層51上に、グラフェン副生成物50が形成される。
【0074】
次に、図7に示すように、配線溝30外の犠牲層51がウェットエッチングにより除去される。これにより、犠牲層51上に形成されたグラフェン副生成物50も同時に除去される。このとき、配線層絶縁膜13の上面が触媒膜15および触媒下地膜14の上面より低くなり、配線層絶縁膜13と触媒下地膜14との間にリセス70が形成される。
【0075】
このようにして、配線間リーク電流の要因となるグラフェン副生成物50が除去される。
【0076】
なお、全てのグラフェン副生成物70を除去する必要はなく、一部を除去することで配線間におけるグラフェン副生成物70を不連続にするだけでもよい。また、グラフェン副生成物70がリーク電流の要因とならない場合、グラフェン副生成物70は除去されなくてもよい。また、変形例において犠牲膜51を形成する例を示したが、犠牲膜51を形成せず、RIEにより配線層絶縁膜13に形成されるグラフェン副生成物70を除去してもよい。
【0077】
<第2の実施形態>
以下に、図8および図9を用いて、第2の実施形態に係るグラフェン配線について説明する。第1の実施形態は、グラフェン層の下面が配線溝30の上面と同程度またはそれよりも高くなるように形成された。これに対し、第2の実施形態は、グラフェン層の下部側(下面側)の一部が配線溝内に形成される例である。なお、第2の実施形態において、上記第1の実施形態と同様の点については説明を省略し、異なる点について説明する。
【0078】
[構造]
図8(a)は、第2の実施形態に係るグラフェン配線の断面図を示している。図8(b)は、図8(a)の破線部の拡大図を示している。なお、図8(b)において、後述するキャップ膜18は、省略している。
【0079】
図8(a)に示すように、第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、配線17におけるグラフェン層16の下面側の一部が配線溝30内に形成されている点である。以下に、本実施形態における配線17の詳細について説明する。
【0080】
本実施形態における配線17は、配線溝30に沿って形成され、触媒下地膜14、触媒膜15、およびグラフェン層16で構成されている。
【0081】
触媒下地膜14は、配線溝30内の両側面および底面に形成されている。より具体的には、触媒下地膜14は、配線溝30内の両側面の配線層絶縁膜13上および配線溝30内の底面の第1コンタクトプラグ12上に形成されている。すなわち、触媒下地膜14は、第1コンタクトプラグ12に直接接続されている。なお、導電性の向上を図るため、触媒下地膜14はTa、Ti、またはRu等の単体金属の膜であることが望ましい。
【0082】
触媒膜15は、配線溝30内の触媒下地膜14上に形成され、配線溝30内の下部側に充填されている。ここで、触媒膜15の上面は、配線溝30の上面(配線層絶縁膜13の上面および触媒下地膜14の上面)よりも低い。
【0083】
グラフェン層16は、配線溝30内の触媒膜15上に形成され、下部側は配線溝30内に形成され、上部側(上面側)は配線溝30から突出して形成されている。言い換えると、グラフェン層16の下面は配線溝30の上面(配線層絶縁膜13の上面および触媒下地膜14の上面)より低く、グラフェン層16の上面は配線溝30の上面より高い。
【0084】
図8(b)に示すように、グラフェン層16は、配線溝30内の触媒膜15上に、垂直方向に積層された複数のグラフェンシート16a〜16hで構成されている。言い換えると、これら複数のグラフェンシート16a〜16hの面はそれぞれ、配線溝30内の底面に対して平行に形成されている。例えば、これら複数のグラフェンシート16a〜16eのうち下部側のグラフェンシート16a〜16cは配線溝30内に形成され、上部側のグラフェンシート16d〜16hは配線溝30から突出して形成されている。すなわち、下部側のグラフェンシート16a〜16cは、端部において触媒下地膜14に直接接続されている。言い換えると、グラフェンシート16a〜16cの端部は、触媒下地膜14を介して第1コンタクトプラグ12と接続されている。
【0085】
[製造方法]
図9は、第2の実施形態に係るグラフェン配線の製造工程の断面図を示している。
【0086】
まず、第1の実施形態における図4(a)の工程まで行われる。すなわち、配線溝30外の触媒下地膜14および触媒膜15がエッチバックされ、触媒下地膜14および触媒膜15の上面が配線溝30の上面(配線層絶縁膜13の上面)の上面と同程度の高さになる。
【0087】
次に、図9(a)に示すように、CMPにより触媒膜15の上部が除去される。これにより、触媒膜15の上面が配線溝30の上面(配線層絶縁膜13の上面および触媒下地膜14の上面)より低くなり、触媒膜15と触媒下地膜14との間にリセス90が形成される。
【0088】
次に、図9(b)に示すように、配線溝30内の触媒膜15上に、1〜100枚程度のグラフェンシートからなるグラフェン層16が形成される。このとき、グラフェン層16の下部側がリセス90内に形成され、上部側が配線溝30(リセス90)から突出するように形成される。言い換えると、グラフェン層16の下面は配線溝30の上面(配線層絶縁膜13の上面および触媒下地膜14の上面)より低く、グラフェン層16の上面は配線溝30の上面より高くなるように形成される。
【0089】
その後の工程は、第1の実施形態と同様のため、説明は省略する。
【0090】
[効果]
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0091】
さらに、第2の実施形態では、グラフェン層16の下部側が配線溝30内に形成されている。このため、グラフェン層16を構成する複数のグラフェンシートのうち、下部側のグラフェンシートは、端部において触媒下地膜14に直接接続され、触媒下地膜14を介して第1コンタクトプラグ12と接続されている。すなわち、最下層のグラフェンシートの面が触媒膜15の表面とコンタクトすることに加え、下部側の複数のグラフェンシートの端部が配線溝30の側面に形成された触媒下地膜14とコンタクトすることにより、界面抵抗をさらに低減することができる。これは、グラフェンシートの端部におけるコンタクト抵抗が、グラフェンシートの面におけるコンタクト抵抗よりもさらに小さいためである。したがって、グラフェンシートの面による電子伝導に加え、グラフェンシートの端部による電子伝導を実現することによって、より低抵抗の配線構造となる。
【0092】
なお、複数のグラフェンシートのうち2枚以上のグラフェンシートの端部が触媒下地膜14に直接接続されれば、十分に低抵抗な配線を実現することができる。
【0093】
<第3の実施形態>
以下に、図10および図11を用いて、第3の実施形態に係るグラフェン配線について説明する。第3の実施形態は、第2の実施形態の変形例であり、グラフェン層が全て配線溝内に形成される例である。なお、第3の実施形態において、上記各実施形態と同様の点については説明を省略し、異なる点について説明する。
【0094】
[構造]
図10は、第3の実施形態に係るグラフェン配線の断面図を示している。
【0095】
図10に示すように、第3の実施形態において、第2の実施形態と異なる点は、配線17におけるグラフェン層16が全て配線溝30内に形成されている点である。以下に、その詳細を説明する。
【0096】
本実施形態における配線17は、配線溝30に沿って形成され、触媒下地膜14、触媒膜15、およびグラフェン層16で構成されている。
【0097】
触媒下地膜14は、配線溝30内の両側面および底面に形成されている。より具体的には、触媒下地膜14は、配線溝30内の両側面の配線層絶縁膜13上および配線溝30内の底面の第1コンタクトプラグ12上に形成されている。すなわち、触媒下地膜14は、第1コンタクトプラグ12に直接接続されている。
【0098】
触媒膜15は、配線溝30内の触媒下地膜14上に形成され、配線溝30内の下部側に充填されている。ここで、触媒膜15の上面は、配線溝30の上面(配線層絶縁膜13の上面および触媒下地膜14の上面)よりも低い。また、本実施形態における触媒膜15の上面は、第2の実施形態における触媒膜15の上面よりも低く形成されていることが望ましい。
【0099】
グラフェン層16は、配線溝30内の触媒膜15上に形成され、全てが配線溝30内に収まるように埋め込まれている。すなわち、グラフェン層16の上面は、配線溝30の上面(配線層絶縁膜13の上面および触媒下地膜14の上面)と同程度の高さ、または配線溝30の上面より低い。
【0100】
また、グラフェン層16は、配線溝30内の触媒膜15上に、垂直方向に積層された複数のグラフェンシートで構成されている。これら複数のグラフェンシートは全て、配線溝30内に形成されている。すなわち、全てのグラフェンシートは、端部において触媒下地膜14に直接接続されている。言い換えると、全てのグラフェンシートの端部は、触媒下地膜14を介して第1コンタクトプラグ12と接続されている。
【0101】
[製造方法]
図11は、第3の実施形態に係るグラフェン配線の製造工程の断面図を示している。
【0102】
まず、第1の実施形態における図4(a)の工程まで行われる。すなわち、配線溝30外の触媒下地膜14および触媒膜15がエッチバックされ、触媒下地膜14および触媒膜15の上面が配線溝30の上面(配線層絶縁膜13の上面)の上面と同程度の高さになる。
【0103】
次に、図11(a)に示すように、CMPにより触媒膜15の上部が除去される。これにより、触媒膜15の上面が配線溝30の上面(配線層絶縁膜13の上面および触媒下地膜14の上面)より低くなり、触媒膜15と触媒下地膜14との間にリセス90が形成される。このリセス110は、第2の実施形態におけるリセス90よりも深くなるように形成される。
【0104】
次に、図11(b)に示すように、配線溝30内の触媒膜15上に、1〜100枚程度のグラフェンシートからなるグラフェン層16が形成される。このとき、グラフェン層16の上面が配線溝30(リセス90)の上面と同程度の高さ、または配線溝30(リセス90)の上面より低くなるように形成される。
【0105】
その後の工程は、第1の実施形態と同様のため、説明は省略する。
【0106】
[効果]
上記第3の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0107】
さらに、第3の実施形態では、グラフェン層16が配線溝30内に収まるように形成されている。このため、グラフェン層16を構成する複数のグラフェンシートの全てが端部において触媒下地膜14に直接接続され、触媒下地膜14を介して第1コンタクトプラグ12と接続されている。これにより、全てのグラフェンシートが電子伝導に関与することができ、第2の実施形態と比較して、より低抵抗な配線構造を実現できる。
【0108】
また、グラフェン層16の上面が触媒下地膜14の上面と同程度、または低くなることで、第2コンタクトプラグ20と触媒下地層14とを直接接続することが可能である。これにより、第2コンタクトプラグ20も触媒下地膜14を介して全てのグラフェンシートと接続することになる。このため、第2コンタクトプラグ20の材料として、グラフェンシートとのコンタクト抵抗が高くなる材料を用いることが可能となる。したがって、第2コンタクトプラグ20に用いられる材料の選択の範囲が広がる。
【0109】
その他、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0110】
13…配線層絶縁膜、14…触媒膜、16…グラフェン層、16a〜16h…グラフェンシート、30…配線溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁膜内に、配線溝を形成し、
前記配線溝内に、触媒膜を形成し、
前記配線溝内の前記触媒膜上に、前記配線溝の底面に対して垂直方向に積層された複数のグラフェンシートで構成されるグラフェン層を形成する
ことを具備することを特徴とするグラフェン配線の製造方法。
【請求項2】
前記グラフェン層の下面は、前記配線溝の上面と同程度の高さであることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン配線の製造方法。
【請求項3】
前記配線溝を形成した後、前記配線溝内の両側面上および底面上に、触媒下地膜を形成することをさらに具備し、
前記グラフェン層の上面は前記配線溝の上面より高く、前記グラフェン層の下面は前記配線溝の上面より低く、
前記グラフェン層の下部側の端部は、前記触媒下地膜に直接接続されることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン配線の製造方法。
【請求項4】
前記配線溝を形成した後、前記配線溝内の両側面および底面上に、触媒下地膜を形成することをさらに具備し、
前記グラフェン層の上面は、前記配線溝の上面と同程度の高さであり、
前記グラフェン層の端部は、前記触媒下地膜に直接接続されることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン配線の製造方法。
【請求項5】
前記触媒膜の形成は、
前記配線溝内および前記配線溝外の全面に、前記触媒膜を形成し、
前記配線溝外の前記触媒膜をCMPにより除去して、前記配線溝内に前記触媒膜を残存させる
ことを含むことを特徴とする請求項1に記載のグラフェンの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−80006(P2012−80006A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225777(P2010−225777)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】