サンドイッチコンポーネント及びその製造方法
本発明は、複数の突起部(1’)を備えるハニカムコア(1)と、少なくとも1つのカバー層(2、3)と、を含むサンドイッチコンポーネントを提供し、このハニカムコア(1)は、セルロースをベースとした材料、特に紙からなる。カバー層(2、3)は熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品から形成され、ハニカムコア(1)の前記突起部(1’)が前記カバー層(2、3)との接続部分(A)において少なくとも部分的にカバー層(2、3)の熱可塑性プラスチック母材の中に取り込まれることで、サンドイッチコンポーネントの結合が提供される。さらに、このサンドイッチコンポーネントの製造方法も開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースベースのハニカムコアと、少なくとも1つのカバー層とを有するサンドイッチコンポーネント、及び同コンポーネントの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に自動車製造において、燃費及び二酸化炭素排出を低下させるための軽量化構造戦略を通じて、サンドイッチ構造のコンポーネントの使用が増えており、このようなコンポーネントは従来のコンポーネントに比べ、コアを形成する材料の厚みが少ないことから明らかに軽量であり、カバー層の材料を適切に選択することによって十分な材料強度も提供することができる。航空機分野から、高耐久性サンドイッチコンポーネントが知られており、それらのハニカムコアの多くは、高価なフェノール樹脂で強化された高級なアラマイド紙からなる。カバー層は、熱硬化性母材の強化繊維から形成される。そのようなサンドイッチコンポーネントの製造は、特にオートクレーブ法又はハンドレイアップ法によって行われる。これらの製造方法では僅かな部品数しか製造することができず、しかも非常に高コストであることから、大量生産による車両コンポーネントの製造には適していない。また、高級材料を使用することによって、コストが高くなり過ぎる。
【0003】
従来技術の特許文献1から、曲げ剛性のある平坦な車両の複合材部品及びその製造方法が知られており、この複合材部品は、スライディングルーフ、リヤシェルフ又はロードフロアとして使用することができる。それぞれの複合材部品は、2つのカバー層(それぞれ、繊維強化ポリウレタン層)の間に配置されているコア層からなり、このコア層はハニカム構造を有することができ、形状を付けられた強化エレメントの中に取り付けられる。複合材部品を製造するには、まず、強化エレメントを、そのために設けられているコア層の凹部の中にはめ込み、2つの繊維層の間にこのコア層を配置し、この繊維層をそれぞれポリウレタンでスプレーし、続いて複合材部品を成形して、硬化するために圧縮型でサンドイッチの圧縮を行う。
【0004】
さらに特許文献2は、強化繊維と熱可塑性繊維からなるハイブリッド糸又は混紡糸を用いた、長繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法を説明しており、強化繊維と熱可塑性繊維とは加熱されたローブ型のノズルに送られ、このノズルの中で熱可塑性材料への強化繊維の集中的な含浸が行われる。この熱可塑性繊維材料は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ナイロン、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、シクロオレフィンコポリマー、サーモトロピックポリエステル、及びこれらの混合物を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102007007554A1号明細書
【特許文献2】国際公開第2004/080698A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、この従来技術に基づき、簡単な方法で製造可能であり、機械的特性及び/又は表面の質を改善した、低コスト材料からなるサンドイッチコンポーネントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の特徴を備えるサンドイッチコンポーネントによって解決される。
【0008】
請求項6の特徴によって、このサンドイッチコンポーネントの使用が開示される。
【0009】
さらに、少ない工程によって、このサンドイッチコンポーネントを短いサイクル時間で大量に生産可能な方法を提供するという課題もある。
【0010】
この課題は、請求項7又は8の特徴を備える方法によって解決される。
【0011】
装置及び方法の発展形態は、従属請求項の中に示されている。
【0012】
従って、第1の実施形態は、複数の突起部を備えるハニカムコアを有し、少なくとも1つの表面、好ましくは上部及び下部がカバー層を備えている、サンドイッチコンポーネントに関する。重量を大幅に軽減させるため、このハニカムコアは極めて低コストのセルロースをベースとした材料から製造することができ、ハニカム構造のコアは厚みが少なく、同時に高い比剛性を備えている。カバー層を、熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化された半製品から形成されることにより、同様にコンポーネント材料費を下げることに加え、このサンドイッチコンポーネントに十分な強度が与えられる。この場合、熱可塑性母材を使用することにより、追加の接合剤又は結合剤を省略することが可能である。というのも、この熱可塑性物質自体が加熱によってハニカムコアとの結合を確立するのに適しているからである。この場合、その突起部が、繊維強化半製品から形成されているカバー層の接続箇所において部分的に熱可塑性プラスチック母材の中に取り込まれるため、ハニカムコアとカバー層とが適切に接合されたサンドイッチコンポーネントの結合が生じる。
【0013】
1つの実施形態では、熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品はハイブリッド織物であることができ、このハイブリッド織物は、強化繊維と非強化熱可塑性繊維とを含んでいる。このハイブリッド織物の使用により、サンドイッチコンポーネントを低コストで製造することが可能となり、ハイブリッド織物の柔軟性により、ハニカムコア上への配置がより簡単になる。というのは、このハイブリッド織物は様々な構造及び/又は形状に適合しやすいことから、ハイブリッド織物から形成されているカバー層とハニカムコアとの非常に良好な接合が、さらに有利に達成されるためである。
【0014】
代替の方法として、もう1つの実施形態では、熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品は、強化織物を埋め込んだ、予め圧密化されたオルガノシートとも呼ばれる熱可塑性シートからなる。このオルガノシートを使用する利点は、1つには滑らかなカバー層表面による品質の改善であり、もう1つはカバー層としてオルガノシートを備えるサンドイッチコンポーネントがより優れた機械的強度を得られることであり、このことは半製品の予め圧密化によるものである。
【0015】
織物の他にも、ノンクリンプ織物、編物、薄いフリースなどの繊維構造物も適している。フリースは、好ましくは800g/m3以上の厚さを有するものとする。
【0016】
強化繊維の材料としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維及び/又は天然繊維が選択可能であり、熱可塑性プラスチックにはポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド及びアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレンが適している。
【0017】
このようにして作られたサンドイッチコンポーネントは車両コンポーネントを製造するのに使用することができ、フロアパネル又はリヤシートバックレストなどの車両のサポーティングエレメントや、パネルエレメント、とりわけインナパネルエレメントが考えられる。例としては、車両ルーフ内張り、シートの締付け部品、ドアセンタパネル及びドアリーフが挙げられる。
【0018】
本発明の1つの実施形態は、平坦又は半径の大きな湾曲した形状、すなわち僅かに湾曲した形状を有するサンドイッチコンポーネントの製造方法に関する。平坦又は僅かに湾曲したサンドイッチコンポーネントを製造するため、本発明に基づく方法には、まず、セルロース含有のハニカムコアと、少なくとも1つのカバー層、好ましくはこのハニカムコアを挟む2つのカバー層形成のための熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品と、を用意する工程が含まれている。これに続いてハニカムコアの上及び/又は下に半製品が配置され、これによってサンドイッチ構造が提供される。カバー層を形成するため、及び必要に応じてサンドイッチコンポーネントの湾曲形状を形成するため、ハニカムコア及び半製品からなる合成物が圧縮型の中に位置決めされ、その圧縮型の父型及び母型は、規定の形状を備えるサンドイッチコンポーネントを提供するために、コンポーネントの半径(設けられる場合)に応じて形成されている。次の工程において、圧縮型により合成物に圧力がかけられることにより、規定の圧力が加わって、半製品とハニカムコアからなるサンドイッチ構造が接合されることによって特定の形状が作られる。プラスチックのガラス転移温度と溶融温度との間の温度が加えられる半製品の熱可塑性プラスチック母材は、圧力の上昇した部分で少なくとも部分的に溶け、熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品から作られるカバー層の接続部分においてハニカムコアの突起部を取り込む。
【0019】
この後、コンポーネントは圧縮型から取り出されて冷却されるか、又は開けられた圧縮型若しくは閉じた圧縮型の中で冷却される。
【0020】
好ましいのは、この加圧機が継続的に同じ温度に保たれることである。まだ柔らかく温かなサンドイッチを含めて、加熱された加圧機からインサートが取り出され、冷えた圧縮型の中に収められる。この場合、サンドイッチの冷却及び硬化は短時間で行われる。さらに、表面の質及びコアとカバー層との間の機械的接続に変化を生じさせるプレス圧を、必要に応じて増加することができる。
【0021】
従って、本発明に基づく方法により、簡単な圧縮型を用いて、僅かな工程でサンドイッチコンポーネントの製造が可能となり、コンポーネントを大量に、短いサイクル時間で製造することができる。
【0022】
第2の方法は、大きく湾曲したサンドイッチコンポーネントの製造に関し、すなわちその湾曲は小さな半径を有しており、セルロース材からなるハニカムコアのさらなる加工工程を必要とする。大きな湾曲又は半径の小さなコンポーネントを作るために、まず、ハニカムコアを水若しくはその他の適切な水性溶媒又は適切な液体を使って、例えば噴霧又は蒸気によって加湿して優れた成形性を達成することにより、ハニカムコアの変形を変形後も継続的に保つことができる。水の他に、溶解しやすい溶液も適している。
【0023】
この方法により、平坦な表面が少ない若しくは全くない三次元構造の複雑なコンポーネントの製造が可能になる。
【0024】
六角形ペーパーハニカム又は同様の形状を製造する場合、ハニカムコアをプロセス中に膨張させることができる。このために、膨張装置内の六角形ハニカムのプリフォームが水の供給によって膨張し、最終的な形状が得られる。これに続いて、六角形ペーパーハニカムを乾燥させる。膨張に必要な水の供給は、加湿工程で実施するのが有利である。このことは、エキスパンディングハニカムを使用する場合のみ可能である。例えば正弦波ハニカムの製造では、ハニカムコア製造時の加湿は行われない。この理由から、正弦波ハニカムを適用する場合は、加湿を別に行う必要がある。
【0025】
次の工程において、加湿されたハニカムコアが圧縮型の中に位置決めされ、その父型及び母型により、コンポーネントの半径に応じて規定の湾曲形状が与えられる。加湿されたハニカムコアは、次に、圧縮型の中で圧力が加えられて40℃〜200℃の温度で変形される。加湿されたハニカムコアの乾燥時間はこの温度に直接左右される。ハニカムコアの加湿により、本方法を用いてハニカムコアの亀裂といった損傷を生じることなく複雑な形状を作ることも可能である。変形されたハニカムプレートは、紙のような肉厚とハニカムコアの接着に用いる接着剤とによって、それ自体で安定しており、形状が元に戻ることはない。
【0026】
ハニカムコアの変形工程が行われた後、圧縮型が開けられ、半製品は変形されたハニカムコアの上及び/又は下に配置されるため、熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品とハニカムコアとからなるサンドイッチ構造が形成される。
【0027】
カバー層の形成及び半製品とハニカムコアとの間の結合形成は、ハニカムコアの変形を実施した同じ圧縮型で行うことができ、プラスチック母材とハニカムコア又はその突起部との接続は、前述の実施形態と同様に行われる。プラスチックのガラス転移温度と溶融温度との間の温度が加えられたプラスチック母材は、圧縮型の圧力によって少なくとも部分的に溶け始め、それによって突起部のある接続箇所でこれらの突起部を取り込むことにより、熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品とハニカムコアとの間の結合が提供される。
【0028】
この場合、上昇した圧力により少なくとも突起部との接続箇所のある場所で局所的にプラスチックが溶け始め、突起部が繊維強化熱可塑性プラスチック母材の中に入り込むことによって接続が行われるように、対応する熱可塑性物質に応じて温度が選択される。
【0029】
このために必要な、熱可塑性プラスチック母材に加えられる温度負荷は、両方の方法において、1つには圧縮型内の加熱装置によって行うことができ、又はその代わりに、圧縮型内でサンドイッチ構造の位置決めを行う前に独立した加熱装置で半製品に必要な温度を加えることもできる。有利であるのは、圧縮型を加熱する必要がないか、又は僅かに加熱するだけでよいことから、コンポーネントを製造するサイクル時間を短縮できることである。これに加え、このサンドイッチコンポーネントは、冷たい圧縮型の中でより良好に最終形成され、冷たい圧縮型を使用した場合、形成されたカバー層の強度はより強くなる。加熱したカバー層は、冷たい圧縮型を使用した場合、特に約80℃未満の温度で急速に硬化する。さらに、圧縮型から取り出す際にサンドイッチコンポーネントが損傷するのを防止することができる。
【0030】
両方の本発明に基づく方法のもう1つの実施形態では、プラスチック母材を突起部に接続する間、圧縮型が距離制御によってある程度の突起部の圧縮を行う。これによってカバー層との接続面がより広くなり、同時に熱可塑性プラスチックとの接続部分における突起部の含浸は少なくなることから、さらにこの接続が改善される。
【0031】
一般的に、コンポーネント厚さの標準的な軽減を生じることなく、圧縮型の距離制御により、規定された長さだけ、特にハニカムプレート厚さの10%未満の僅かな突起部の含浸のみが行われる。
【0032】
最後に、カバー層形成のために設けられている半製品が、ハニカムコア面とその側面とを覆う寸法を有することにより、このサンドイッチコンポーネントは製造中に端部のシーリングを行うことができる。加圧及び結合を行う間、突出した半製品の端部を圧縮型の中でハニカムコア端部の周りに折り曲げることができるため、熱可塑性母材の局所的な溶解並びにハニカムコア端部及び/又は第2のカバー層との接続により、ハニカムコア端部のシーリングが行われる。
【0033】
本発明のもう1つの実施形態は、高温の圧縮型で製造する場合、装飾物のあるコーティングを上部及び/又は下部に取り付けるように設定されている。この場合、熱可塑性プラスチックの溶融によって、装飾物、カバー層又は熱可塑性物質とハニカムコアとの間の直接接続が加熱された加圧機の中で行われる。このことは、装飾材料として例えばポリエステルフリースを用いる場合に非常に有効である。実際のラミネート加工の追加的な工程は省略される。この場合、この装飾材料は十分な熱耐性を有していなければならない。
【0034】
これらの利点及びその他の利点を、添付の図を用いて以下に説明する。
【0035】
説明の中の図は、対象物を容易に理解できるようにするために用いられる。実質的に同じか、又は類似の対象物若しくは対象物の一部には、同一の符号が付けられている場合がある。これらの図は、本発明の実施形態の単なる概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1a】オルガノシート断面の拡大図である。
【図1b】ハイブリッド織物断面の拡大図である。
【図2】従来技術による、ポリウレタンスポンジを用いた波形突起ハニカムのカバー層への接続部断面の拡大図である。
【図3a】波形突起ハニカムの、熱可塑性母材の溶融による接続部断面の拡大図である。
【図3b】予め圧密化されていないポリプロピレンガラス繊維からなるカバー層への波形突起ハニカムの接着断面の拡大図である。
【図4】予め圧密化されたポリプロピレンガラス繊維からなるカバー層への波形突起ハニカムの弱い接着断面の拡大図である。
【図5】切断したサンドイッチコンポーネントの2つの斜視図である。
【図6】平坦又は僅かに湾曲したコンポーネント製造方法の実施形態による工程の概略図である。
【図7】複雑な形状をもつコンポーネントの製造方法のもう1つの実施形態による工程の概略図である。
【図8】端部のシーリングを行うための圧縮型の概略図である。
【図9】本方法のもう1つの実施形態による工程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明に基づくサンドイッチコンポーネントは特に車両コンポーネントに関係し、フロアパネル若しくはリヤシートバックレストなどのサポート部品であるか、又は特に車両内装におけるパネル部品の製造に使用することもできる。
【0038】
ハニカムコア用のセルロース材としては、特に紙及びダンボールが考えられる。
【0039】
「ハニカム」という名称は、ハニカムコアの構造を制限するものではなく、厚みが少なく、圧縮強さ及びせん断強さの高い、突起から形成されている構造を示すものとする。適切なハニカム構造は、六角形構造若しくはハニカム構造、波形、円形、クロスハッチ若しくは矩形の折り畳み構造又は不規則に形成された「有機的」構造を含む。
【0040】
車両コンポーネント製造のために用いられるサンドイッチコンポーネントのカバー層を形成する繊維強化熱可塑性物質の、本発明に基づく使用は、熱硬化性システムに比べ多くの利点がある。
材料コストが安く、保管が簡単であることの他に、別の熱可塑性材料との熱による接続/接合が可能であり、また、圧縮型の中でコンポーネントを低コストで製造することもできる。これによって、ペーパーハニカムと繊維強化熱可塑性物質とを組み合せることにより、軽量化に大きく貢献する低コストのサンドイッチコンポーネントが実現可能である。
【0041】
本発明に基づき、サンドイッチコンポーネントのカバー層は熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品から形成され、特に、異なる2種類の熱可塑性繊維強化半製品が、ペーパーハニカムコアのカバー層として説明される。1つには、圧密化されていない強化繊維(ガラス繊維など)と熱可塑性繊維(ポリプロピレンなど)とからなるハイブリッド糸織物がカバー層の形成に使用される。もう1つには、予め圧密化されているオルガノシートを、本発明に基づくカバー層として使用することもできる。どちらの場合にも用いられる熱可塑性母材は、成形時に部分的に溶け、ハニカムコアと接続する。
【0042】
以下に、様々な半製品から形成されるカバー層及びペーパーハニカムコアへの接着を詳しく説明する。接続部分の顕微鏡写真が、図3a、3b及び4に示されている。
【0043】
予め圧密化された繊維強化熱可塑性物質、いわゆるオルガノシートの写真が図1aである。圧密化されていない繊維強化熱可塑性物質、ここではハイブリッド糸織物が図1bに示されている。従って、図1a及び1bを使って両方の半製品を比較することができ、それにより、繊維構造及び織物構造に関してそれらの違いを確認することができる。
【0044】
図1aのような、予め圧密化された熱可塑性物質又はオルガノシートには、最適な繊維母材の固着がポリプロピレンの再溶融と成形とによって達成されるという利点がある。しかしながら、予め圧密化により、比較的曲げ剛性のあるプレートが作られるため、このプレートでは、圧密化されていない非常に柔軟なハイブリッド織物を使用する場合よりも次の変形プロセスがより困難になることがある。従って、オルガノシートは平坦又は僅かに湾曲したサンドイッチコンポーネントに適している。
【0045】
これに対して、図1bの圧密化されていないハイブリッド糸織物は高いドレープ性を有していることから、これらの半製品は、特に変形の大きな構造用部品の場合、例えば図5のサンドイッチコンポーネントのような複雑な構造のコンポーネントを作成する場合は有利である。
【0046】
両方のケースにおいて、ペーパーハニカムと熱可塑性物質との間の接着は、熱可塑性物質の溶融のみによって行われ、重量、コスト及びプロセスの理由から、例えばポリウレタンスポンジなどの追加の接着剤を省略することができる。
【0047】
図2は、従来技術に基づく、ポリウレタンスポンジ21を用いたハニカム突起部1’へのカバー層の接続を示している。ポリウレタンスポンジ21を使用した場合、カバー層20とペーパーハニカムコアの突起部1’との間には、接続部分Aに隅肉溶接が形成され、このことにより接着面がかなり上昇し、カバー層20は良く接着される。しかし、隅肉溶接の形成には追加の材料が必要である。
【0048】
これに対して、本発明に基づき、図3a、3b及び4に示されているように、規定の圧力の作用による熱可塑性物質の溶融部分において、接続部分Aのカバー層2にハニカムコア突起部1’が接続されることにより、追加の材料を用いることなく最適な接続を達成することが可能となる。突起部1’は、使用されている半製品がハイブリッド糸織物か、又はオルガノシートかに応じて多少の違いはあるものの、熱可塑性母材の中に大きく入り込む。
【0049】
従って、熱可塑性母材を使用する目的は、できる限り大きな接続面を達成するために、ペーパーハニカムの突起部を母材の中に押し込むことにある。図2において、突起部1’をカバー層20に接続する、ポリウレタンスポンジによる隅肉溶接の形成がよく確認できる一方で、図3aでは、接続部分Aにおける突起部1’とカバー層2の典型的な接着が示され、この接着は、カバー層を形成する熱可塑性母材(ここではハイブリッド織物)の溶融によって達成することができる。この場合、突起部1’は、接続部分Aにおいてカバー層2の中に押し込まれていることにより、この場合も、図2のポリウレタンスポンジによる隅肉溶接と同様に良好な接続を確認することができる。
【0050】
予め圧密化されていない織物、又はハイブリッド織物(図3a及び3b)の場合、ハニカム突起部1’はカバー層2により良く接着し、これに対して、図4に示されているオルガノシートとハニカムコア突起部との接続は、カバー層2への突起部1’の侵入が少ないことによって多少小さく形成されている。ハイブリッド糸織物を使用する場合のより良好な接続は、特に、ハイブリッド糸織物の柔軟性と非常に優れたドレープ性によるものであるため、低い押し圧力でも個々のハイブリッドロービングがペーパーハニカムの縁周辺に当てられる。従って、次に母材が溶融すると、比較的大きな接続部分Aが生じる。
【0051】
ハニカム突起部1’を、予め圧密化された硬いオルガノシートに接続するためには(図4)、圧縮型の中でより高い押し圧力を加え、接続部分Aの突起部1’をカバー層2の熱可塑性母材の中に押し込まなければならない。ハニカムの厚みが不均一な場合でも、この高い押し圧力によって、これを補正することができる。従って、カバー層として予め圧密化したプレートを使用したサンドイッチコンポーネントは、カバー層2への突起部1’の弱い「T接続」となる。この比較的小さな接着面により、カバー層2としてオルガノシートを使用したサンドイッチコンポーネントは、せん断応力がコアに僅かしかかからないか、全くかからない部分に使用される。
【0052】
オルガノシートもハイブリッド糸織物も、ペーパーハニカムのカバー層としてそれぞれ利点があり、それに応じて自動車用コンポーネントとして使用することができる。オルガノシートは、ペーパーハニカムと組合せた場合、より良好な表面の質と予め圧密化による強度など、優れた機械的特性とによって特徴づけられるが、ハニカムコアへの接続が悪い。
【0053】
これに対して、カバー層としてハイブリッド糸織物を使用すると、ペーパーハニカムコアと組合せた場合、ペーパーハニカムコアとハイブリッド織物との間の接続は良好となり、さらに圧密化のプロセスが圧縮型でのサンドイッチ作成時に直接行われるため、ハイブリッド糸織物の使用は低コストである。さらに、ハイブリッド糸織物は、ハニカムコアが複雑な形状を有している場合は特に、オルガノシートよりもより良好にハニカムコアに配置されるか、又はハニカムコアを覆うことができる。しかし、ハイブリッド糸織物によるカバー層は、オルガノシートから形成されるカバー層の表面の質及び固有の(機械的)特性には及ばない。
【0054】
両方の種類の半製品には、熱可塑性プラスチック母材及び強化繊維に同一の基本材料を使用することができ、強化繊維は、例えばガラス繊維、炭素繊維又はアラミド繊維又は天然繊維であり得る。熱可塑性プラスチックとしては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、シクロオレフィンコポリマー、サーモトロピックポリエステル、及びこれらの混合物が考えられる。
【0055】
以下に、図6〜9を用いて本発明によるサンドイッチコンポーネントの適切な製造方法を詳しく説明する。ペーパーハニカムと繊維強化熱可塑性カバー層(すなわち、予め圧密化されたオルガノシート又はハイブリッド織物)からなる平坦又は僅かに湾曲したサンドイッチコンポーネントの製造プロセスが図6に図示されている。複雑な形状のサンドイッチコンポーネント又は半径rが小さく、湾曲の大きなサンドイッチコンポーネントには、図7に図示されている製造方法が適用できる。
【0056】
大きな半径Rをもつ僅かに湾曲したコンポーネントを製造するにあたって、図6に示されているように、ハニカムコアは個別に予備成形されない。この製造バリエーションは、平坦なサンドイッチコンポーネントにも用いられる。コンポーネントに予定されているハニカムコア1は、複数のペーパーコア突起部1’によって形成されており、両方の半製品2、3と一緒に父型4及び母型4’からなる圧縮型の中に置かれ、この圧縮型によって、半径Rの湾曲がコンポーネントに与えられる(図示されてない平坦なコンポーネントの場合には、圧縮型は湾曲を有していない)。矢印によって示されている圧縮力Fをもつ圧縮型は、変形に必要な圧力を半製品2、3の間に挟まれているハニカムコア1に加えることによって、一方ではコンポーネントが成形され、他方では半製品2、3の熱可塑性プラスチック母材がハニカムコア1の突起部1’に接続され、図6では、ここで、圧縮型内の半製品2、3の熱可塑性母材自体に熱が加えられる。
【0057】
そのために圧縮型は適切な加熱装置を有しており、半製品2、3の熱可塑性プラスチック母材にプラスチックの種類に応じた温度が加えられ、この温度は、選択された各プラスチックのガラス転移温度と溶融温度との間にある。追加の接合剤を使用する必要はない。この圧縮型は距離又は力制御が可能であり、この場合は距離を制御するバリエーションが好ましく、このバリエーションによって、カバー層との接続部分におけるハニカムコア又は突起部の圧縮を少なくすることができるため、より良好な接続を達成することができる。
【0058】
そのような突起部の圧縮によってより大きな接続部分が生じるため、カバー層へのハニカムコアの接続又は接着が向上する。圧縮の場合におけるより大きな接続面に加え、さらに、熱可塑性プラスチック材料が紙材の中に入り込むことによって、接続部分においてハニカムコア突起部の軽い含浸が生じる。この場合、接続の質は選択された温度及び型締め時間に左右され得る。
【0059】
図7には、小さな半径rの、つまり湾曲の大きい車両コンポーネントの製造プロセスが示されており、このプロセスは追加の2つの工程を必要とする。
【0060】
まず、蒸気又は噴霧によってハニカムコア1が水で加湿され、これによって、例えば小さな半径rの複雑な形状にもハニカムコアを損傷なく変形させることができる。この加湿によって優れた成形性が達成され、コンポーネントの変形が製造後に戻るのを防止することができる。さらに、変形時に紙が引き裂かれるのも防止する。この場合、乾燥後でもペーパーコア1の安定性は損なわれない。加湿されたハニカムコア1は、父型4及び母型4’を備える圧縮型の中に置かれ、そこで圧縮力F及び特に40℃〜200℃の温度で変形させる。これにより同時にハニカムコアが乾燥するが、乾燥時間は選択した温度レベルに左右される。乾燥をより良好に行うため、圧縮型の中に開口部を設け、そこから水又は水蒸気を逃がすようにすることができる。
【0061】
変形したハニカムコア1は圧縮型を開けた後に半製品2、3の間に配置されるが、このことは、圧縮型の内部又は外部で行うことができる。半製品2、3の熱可塑性母材とハニカムコア1の突起部1’との接続は第2の圧縮プロセスにおいて行われ、有利には同じ圧縮型4、4’において実施することができ、すでに説明したように、形成されたカバー層2、3とハニカムコア1の突起部1’との結合は、熱可塑性プラスチック母材のガラス転移温度と溶融温度との間の温度において突起部1’がカバー層2、3の熱可塑性プラスチック母材の中に入り込むことによって確立される。ここでも、接続を向上させるために、ハニカムコア又は突起部の圧縮は少なくすることができる。
【0062】
図8には、父型4と母型4’とを備える圧縮型の単純な構造的変更によって、カバー層を形成する半製品2を折り返してハニカムコア1の端部10を閉鎖する方法が示されている。この場合、圧縮型は母型4’に追加の装置6’を有し、この装置によって、ハニカムコア1よりも大きな面積を有する、上部に配置されているフォイル2が端部10の周りに取り付けられ、そこで、折り返された半製品2と下部の半製品3及び/又はハニカムコア端部10とを結合するため、車両コンポーネントのペーパーハニカムコアは、水、汚れ、その他の外部粒子から保護される。折返し装置6’では、母型4の側に対応するストッパ6が向かい合っているため、この圧縮型内における圧縮距離はストッパ6によって制限されている。
【0063】
図5では、端部10においてそのような閉鎖を確認することができ、その端部では両方のカバー層2、3が互いに融合している。この断面で示されたサンドイッチコンポーネントはカバー層2、3を有し、これらはハイブリッド糸織物から形成され、このハイブリッド糸織物はハニカムコア1の複雑な形状により良く取り付けることができる。さらに、この場合、断面の縮小している部分Vが確認され、この部分では、規定のコンポーネント形状に対応するため、ハニカムコア1の突出部1’が圧縮されている。それでもなお、コンポーネントはこの部分Vにおいても十分な強度を有しており、この強度は、圧密化されたカバー層2、3と、圧縮された突起部の含浸による縮小部分Vの強固な接続とから生じる。
【0064】
図9にはプロセス手順のバリエーションが示されており、半製品2、3は、圧縮型4、4’の中で必要な温度が加えられるのではなく、ハニカムコア1とサンドイッチ状に配置される前に外部の加熱装置、例えば炉又はヒータによって加熱される。これにより、圧縮型4、4’自体を加熱する必要がないか、又は必要に応じて僅かに加熱する(このことは熱可塑性カバー層2、3が急激に冷却しないようにするため必要となり得る)だけでよく、このバリエーションにより製造サイクル時間が短縮される。さらに、冷たい圧縮型からの取外しはより簡単に実施可能であり、形成されたカバー層は冷たい圧縮型の使用によってより硬くなり、圧縮型から取り出す際のサンドイッチコンポーネントの傷又は損傷をさらに防止することができる。このバリエーションは、小さな半径にも大きな半径にも適用することができる。
【0065】
有利には、本発明が低コストの材料からなるサンドイッチコンポーネントを提供し、その製造も同様にコストを削減した方法によって可能である。従って、プロセス時間の短縮が可能となり、それによって経済的に有利な製造を行うことができる。サンドイッチコンポーネントの製造方法に必要な工程は僅かしかなく、機械及び圧縮型にかかる費用は、形状が単純であることと、必要な圧力が小さいため摩耗も少ないことから、比較的安い。
【0066】
説明した方法によって、例えばルーフ内張り、シートの締付け部品、ドアセンタパネル又はドアリーフなど、単純な形状を有する車両内装のトリムパーツを製造することができる。同様に、説明した材料の組合せ及び工程によって、例えばリヤシートバックレストなどの支持構造を製造することも可能である。想定されている使用目的に応じて、カバー層及びハニカムコアの単位面積質量は、機械的要求に適合させることができる。
【0067】
さらに、サンドイッチコンポーネントから製造される車両コンポーネントは、特に、車内に設けられるトリムパーツ、例えばレザー、天然繊維織物又はマイクロファイバー繊維などのプラスチック繊維織物によってラミネート加工することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 ハニカムコア
1’ ハニカム突起部
2、3 カバー層(半製品)
4 父型
4’ 母型
6 ストッパ
6’ 折返し装置
10 ハニカムコア端部
20 カバー層
21 ポリウレタンスポンジ
A 接続部分
R 大きな半径
r 小さな半径
F 圧縮力
V 縮小部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースベースのハニカムコアと、少なくとも1つのカバー層とを有するサンドイッチコンポーネント、及び同コンポーネントの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に自動車製造において、燃費及び二酸化炭素排出を低下させるための軽量化構造戦略を通じて、サンドイッチ構造のコンポーネントの使用が増えており、このようなコンポーネントは従来のコンポーネントに比べ、コアを形成する材料の厚みが少ないことから明らかに軽量であり、カバー層の材料を適切に選択することによって十分な材料強度も提供することができる。航空機分野から、高耐久性サンドイッチコンポーネントが知られており、それらのハニカムコアの多くは、高価なフェノール樹脂で強化された高級なアラマイド紙からなる。カバー層は、熱硬化性母材の強化繊維から形成される。そのようなサンドイッチコンポーネントの製造は、特にオートクレーブ法又はハンドレイアップ法によって行われる。これらの製造方法では僅かな部品数しか製造することができず、しかも非常に高コストであることから、大量生産による車両コンポーネントの製造には適していない。また、高級材料を使用することによって、コストが高くなり過ぎる。
【0003】
従来技術の特許文献1から、曲げ剛性のある平坦な車両の複合材部品及びその製造方法が知られており、この複合材部品は、スライディングルーフ、リヤシェルフ又はロードフロアとして使用することができる。それぞれの複合材部品は、2つのカバー層(それぞれ、繊維強化ポリウレタン層)の間に配置されているコア層からなり、このコア層はハニカム構造を有することができ、形状を付けられた強化エレメントの中に取り付けられる。複合材部品を製造するには、まず、強化エレメントを、そのために設けられているコア層の凹部の中にはめ込み、2つの繊維層の間にこのコア層を配置し、この繊維層をそれぞれポリウレタンでスプレーし、続いて複合材部品を成形して、硬化するために圧縮型でサンドイッチの圧縮を行う。
【0004】
さらに特許文献2は、強化繊維と熱可塑性繊維からなるハイブリッド糸又は混紡糸を用いた、長繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法を説明しており、強化繊維と熱可塑性繊維とは加熱されたローブ型のノズルに送られ、このノズルの中で熱可塑性材料への強化繊維の集中的な含浸が行われる。この熱可塑性繊維材料は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ナイロン、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、シクロオレフィンコポリマー、サーモトロピックポリエステル、及びこれらの混合物を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102007007554A1号明細書
【特許文献2】国際公開第2004/080698A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、この従来技術に基づき、簡単な方法で製造可能であり、機械的特性及び/又は表面の質を改善した、低コスト材料からなるサンドイッチコンポーネントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の特徴を備えるサンドイッチコンポーネントによって解決される。
【0008】
請求項6の特徴によって、このサンドイッチコンポーネントの使用が開示される。
【0009】
さらに、少ない工程によって、このサンドイッチコンポーネントを短いサイクル時間で大量に生産可能な方法を提供するという課題もある。
【0010】
この課題は、請求項7又は8の特徴を備える方法によって解決される。
【0011】
装置及び方法の発展形態は、従属請求項の中に示されている。
【0012】
従って、第1の実施形態は、複数の突起部を備えるハニカムコアを有し、少なくとも1つの表面、好ましくは上部及び下部がカバー層を備えている、サンドイッチコンポーネントに関する。重量を大幅に軽減させるため、このハニカムコアは極めて低コストのセルロースをベースとした材料から製造することができ、ハニカム構造のコアは厚みが少なく、同時に高い比剛性を備えている。カバー層を、熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化された半製品から形成されることにより、同様にコンポーネント材料費を下げることに加え、このサンドイッチコンポーネントに十分な強度が与えられる。この場合、熱可塑性母材を使用することにより、追加の接合剤又は結合剤を省略することが可能である。というのも、この熱可塑性物質自体が加熱によってハニカムコアとの結合を確立するのに適しているからである。この場合、その突起部が、繊維強化半製品から形成されているカバー層の接続箇所において部分的に熱可塑性プラスチック母材の中に取り込まれるため、ハニカムコアとカバー層とが適切に接合されたサンドイッチコンポーネントの結合が生じる。
【0013】
1つの実施形態では、熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品はハイブリッド織物であることができ、このハイブリッド織物は、強化繊維と非強化熱可塑性繊維とを含んでいる。このハイブリッド織物の使用により、サンドイッチコンポーネントを低コストで製造することが可能となり、ハイブリッド織物の柔軟性により、ハニカムコア上への配置がより簡単になる。というのは、このハイブリッド織物は様々な構造及び/又は形状に適合しやすいことから、ハイブリッド織物から形成されているカバー層とハニカムコアとの非常に良好な接合が、さらに有利に達成されるためである。
【0014】
代替の方法として、もう1つの実施形態では、熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品は、強化織物を埋め込んだ、予め圧密化されたオルガノシートとも呼ばれる熱可塑性シートからなる。このオルガノシートを使用する利点は、1つには滑らかなカバー層表面による品質の改善であり、もう1つはカバー層としてオルガノシートを備えるサンドイッチコンポーネントがより優れた機械的強度を得られることであり、このことは半製品の予め圧密化によるものである。
【0015】
織物の他にも、ノンクリンプ織物、編物、薄いフリースなどの繊維構造物も適している。フリースは、好ましくは800g/m3以上の厚さを有するものとする。
【0016】
強化繊維の材料としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維及び/又は天然繊維が選択可能であり、熱可塑性プラスチックにはポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド及びアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレンが適している。
【0017】
このようにして作られたサンドイッチコンポーネントは車両コンポーネントを製造するのに使用することができ、フロアパネル又はリヤシートバックレストなどの車両のサポーティングエレメントや、パネルエレメント、とりわけインナパネルエレメントが考えられる。例としては、車両ルーフ内張り、シートの締付け部品、ドアセンタパネル及びドアリーフが挙げられる。
【0018】
本発明の1つの実施形態は、平坦又は半径の大きな湾曲した形状、すなわち僅かに湾曲した形状を有するサンドイッチコンポーネントの製造方法に関する。平坦又は僅かに湾曲したサンドイッチコンポーネントを製造するため、本発明に基づく方法には、まず、セルロース含有のハニカムコアと、少なくとも1つのカバー層、好ましくはこのハニカムコアを挟む2つのカバー層形成のための熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品と、を用意する工程が含まれている。これに続いてハニカムコアの上及び/又は下に半製品が配置され、これによってサンドイッチ構造が提供される。カバー層を形成するため、及び必要に応じてサンドイッチコンポーネントの湾曲形状を形成するため、ハニカムコア及び半製品からなる合成物が圧縮型の中に位置決めされ、その圧縮型の父型及び母型は、規定の形状を備えるサンドイッチコンポーネントを提供するために、コンポーネントの半径(設けられる場合)に応じて形成されている。次の工程において、圧縮型により合成物に圧力がかけられることにより、規定の圧力が加わって、半製品とハニカムコアからなるサンドイッチ構造が接合されることによって特定の形状が作られる。プラスチックのガラス転移温度と溶融温度との間の温度が加えられる半製品の熱可塑性プラスチック母材は、圧力の上昇した部分で少なくとも部分的に溶け、熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品から作られるカバー層の接続部分においてハニカムコアの突起部を取り込む。
【0019】
この後、コンポーネントは圧縮型から取り出されて冷却されるか、又は開けられた圧縮型若しくは閉じた圧縮型の中で冷却される。
【0020】
好ましいのは、この加圧機が継続的に同じ温度に保たれることである。まだ柔らかく温かなサンドイッチを含めて、加熱された加圧機からインサートが取り出され、冷えた圧縮型の中に収められる。この場合、サンドイッチの冷却及び硬化は短時間で行われる。さらに、表面の質及びコアとカバー層との間の機械的接続に変化を生じさせるプレス圧を、必要に応じて増加することができる。
【0021】
従って、本発明に基づく方法により、簡単な圧縮型を用いて、僅かな工程でサンドイッチコンポーネントの製造が可能となり、コンポーネントを大量に、短いサイクル時間で製造することができる。
【0022】
第2の方法は、大きく湾曲したサンドイッチコンポーネントの製造に関し、すなわちその湾曲は小さな半径を有しており、セルロース材からなるハニカムコアのさらなる加工工程を必要とする。大きな湾曲又は半径の小さなコンポーネントを作るために、まず、ハニカムコアを水若しくはその他の適切な水性溶媒又は適切な液体を使って、例えば噴霧又は蒸気によって加湿して優れた成形性を達成することにより、ハニカムコアの変形を変形後も継続的に保つことができる。水の他に、溶解しやすい溶液も適している。
【0023】
この方法により、平坦な表面が少ない若しくは全くない三次元構造の複雑なコンポーネントの製造が可能になる。
【0024】
六角形ペーパーハニカム又は同様の形状を製造する場合、ハニカムコアをプロセス中に膨張させることができる。このために、膨張装置内の六角形ハニカムのプリフォームが水の供給によって膨張し、最終的な形状が得られる。これに続いて、六角形ペーパーハニカムを乾燥させる。膨張に必要な水の供給は、加湿工程で実施するのが有利である。このことは、エキスパンディングハニカムを使用する場合のみ可能である。例えば正弦波ハニカムの製造では、ハニカムコア製造時の加湿は行われない。この理由から、正弦波ハニカムを適用する場合は、加湿を別に行う必要がある。
【0025】
次の工程において、加湿されたハニカムコアが圧縮型の中に位置決めされ、その父型及び母型により、コンポーネントの半径に応じて規定の湾曲形状が与えられる。加湿されたハニカムコアは、次に、圧縮型の中で圧力が加えられて40℃〜200℃の温度で変形される。加湿されたハニカムコアの乾燥時間はこの温度に直接左右される。ハニカムコアの加湿により、本方法を用いてハニカムコアの亀裂といった損傷を生じることなく複雑な形状を作ることも可能である。変形されたハニカムプレートは、紙のような肉厚とハニカムコアの接着に用いる接着剤とによって、それ自体で安定しており、形状が元に戻ることはない。
【0026】
ハニカムコアの変形工程が行われた後、圧縮型が開けられ、半製品は変形されたハニカムコアの上及び/又は下に配置されるため、熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品とハニカムコアとからなるサンドイッチ構造が形成される。
【0027】
カバー層の形成及び半製品とハニカムコアとの間の結合形成は、ハニカムコアの変形を実施した同じ圧縮型で行うことができ、プラスチック母材とハニカムコア又はその突起部との接続は、前述の実施形態と同様に行われる。プラスチックのガラス転移温度と溶融温度との間の温度が加えられたプラスチック母材は、圧縮型の圧力によって少なくとも部分的に溶け始め、それによって突起部のある接続箇所でこれらの突起部を取り込むことにより、熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品とハニカムコアとの間の結合が提供される。
【0028】
この場合、上昇した圧力により少なくとも突起部との接続箇所のある場所で局所的にプラスチックが溶け始め、突起部が繊維強化熱可塑性プラスチック母材の中に入り込むことによって接続が行われるように、対応する熱可塑性物質に応じて温度が選択される。
【0029】
このために必要な、熱可塑性プラスチック母材に加えられる温度負荷は、両方の方法において、1つには圧縮型内の加熱装置によって行うことができ、又はその代わりに、圧縮型内でサンドイッチ構造の位置決めを行う前に独立した加熱装置で半製品に必要な温度を加えることもできる。有利であるのは、圧縮型を加熱する必要がないか、又は僅かに加熱するだけでよいことから、コンポーネントを製造するサイクル時間を短縮できることである。これに加え、このサンドイッチコンポーネントは、冷たい圧縮型の中でより良好に最終形成され、冷たい圧縮型を使用した場合、形成されたカバー層の強度はより強くなる。加熱したカバー層は、冷たい圧縮型を使用した場合、特に約80℃未満の温度で急速に硬化する。さらに、圧縮型から取り出す際にサンドイッチコンポーネントが損傷するのを防止することができる。
【0030】
両方の本発明に基づく方法のもう1つの実施形態では、プラスチック母材を突起部に接続する間、圧縮型が距離制御によってある程度の突起部の圧縮を行う。これによってカバー層との接続面がより広くなり、同時に熱可塑性プラスチックとの接続部分における突起部の含浸は少なくなることから、さらにこの接続が改善される。
【0031】
一般的に、コンポーネント厚さの標準的な軽減を生じることなく、圧縮型の距離制御により、規定された長さだけ、特にハニカムプレート厚さの10%未満の僅かな突起部の含浸のみが行われる。
【0032】
最後に、カバー層形成のために設けられている半製品が、ハニカムコア面とその側面とを覆う寸法を有することにより、このサンドイッチコンポーネントは製造中に端部のシーリングを行うことができる。加圧及び結合を行う間、突出した半製品の端部を圧縮型の中でハニカムコア端部の周りに折り曲げることができるため、熱可塑性母材の局所的な溶解並びにハニカムコア端部及び/又は第2のカバー層との接続により、ハニカムコア端部のシーリングが行われる。
【0033】
本発明のもう1つの実施形態は、高温の圧縮型で製造する場合、装飾物のあるコーティングを上部及び/又は下部に取り付けるように設定されている。この場合、熱可塑性プラスチックの溶融によって、装飾物、カバー層又は熱可塑性物質とハニカムコアとの間の直接接続が加熱された加圧機の中で行われる。このことは、装飾材料として例えばポリエステルフリースを用いる場合に非常に有効である。実際のラミネート加工の追加的な工程は省略される。この場合、この装飾材料は十分な熱耐性を有していなければならない。
【0034】
これらの利点及びその他の利点を、添付の図を用いて以下に説明する。
【0035】
説明の中の図は、対象物を容易に理解できるようにするために用いられる。実質的に同じか、又は類似の対象物若しくは対象物の一部には、同一の符号が付けられている場合がある。これらの図は、本発明の実施形態の単なる概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1a】オルガノシート断面の拡大図である。
【図1b】ハイブリッド織物断面の拡大図である。
【図2】従来技術による、ポリウレタンスポンジを用いた波形突起ハニカムのカバー層への接続部断面の拡大図である。
【図3a】波形突起ハニカムの、熱可塑性母材の溶融による接続部断面の拡大図である。
【図3b】予め圧密化されていないポリプロピレンガラス繊維からなるカバー層への波形突起ハニカムの接着断面の拡大図である。
【図4】予め圧密化されたポリプロピレンガラス繊維からなるカバー層への波形突起ハニカムの弱い接着断面の拡大図である。
【図5】切断したサンドイッチコンポーネントの2つの斜視図である。
【図6】平坦又は僅かに湾曲したコンポーネント製造方法の実施形態による工程の概略図である。
【図7】複雑な形状をもつコンポーネントの製造方法のもう1つの実施形態による工程の概略図である。
【図8】端部のシーリングを行うための圧縮型の概略図である。
【図9】本方法のもう1つの実施形態による工程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明に基づくサンドイッチコンポーネントは特に車両コンポーネントに関係し、フロアパネル若しくはリヤシートバックレストなどのサポート部品であるか、又は特に車両内装におけるパネル部品の製造に使用することもできる。
【0038】
ハニカムコア用のセルロース材としては、特に紙及びダンボールが考えられる。
【0039】
「ハニカム」という名称は、ハニカムコアの構造を制限するものではなく、厚みが少なく、圧縮強さ及びせん断強さの高い、突起から形成されている構造を示すものとする。適切なハニカム構造は、六角形構造若しくはハニカム構造、波形、円形、クロスハッチ若しくは矩形の折り畳み構造又は不規則に形成された「有機的」構造を含む。
【0040】
車両コンポーネント製造のために用いられるサンドイッチコンポーネントのカバー層を形成する繊維強化熱可塑性物質の、本発明に基づく使用は、熱硬化性システムに比べ多くの利点がある。
材料コストが安く、保管が簡単であることの他に、別の熱可塑性材料との熱による接続/接合が可能であり、また、圧縮型の中でコンポーネントを低コストで製造することもできる。これによって、ペーパーハニカムと繊維強化熱可塑性物質とを組み合せることにより、軽量化に大きく貢献する低コストのサンドイッチコンポーネントが実現可能である。
【0041】
本発明に基づき、サンドイッチコンポーネントのカバー層は熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品から形成され、特に、異なる2種類の熱可塑性繊維強化半製品が、ペーパーハニカムコアのカバー層として説明される。1つには、圧密化されていない強化繊維(ガラス繊維など)と熱可塑性繊維(ポリプロピレンなど)とからなるハイブリッド糸織物がカバー層の形成に使用される。もう1つには、予め圧密化されているオルガノシートを、本発明に基づくカバー層として使用することもできる。どちらの場合にも用いられる熱可塑性母材は、成形時に部分的に溶け、ハニカムコアと接続する。
【0042】
以下に、様々な半製品から形成されるカバー層及びペーパーハニカムコアへの接着を詳しく説明する。接続部分の顕微鏡写真が、図3a、3b及び4に示されている。
【0043】
予め圧密化された繊維強化熱可塑性物質、いわゆるオルガノシートの写真が図1aである。圧密化されていない繊維強化熱可塑性物質、ここではハイブリッド糸織物が図1bに示されている。従って、図1a及び1bを使って両方の半製品を比較することができ、それにより、繊維構造及び織物構造に関してそれらの違いを確認することができる。
【0044】
図1aのような、予め圧密化された熱可塑性物質又はオルガノシートには、最適な繊維母材の固着がポリプロピレンの再溶融と成形とによって達成されるという利点がある。しかしながら、予め圧密化により、比較的曲げ剛性のあるプレートが作られるため、このプレートでは、圧密化されていない非常に柔軟なハイブリッド織物を使用する場合よりも次の変形プロセスがより困難になることがある。従って、オルガノシートは平坦又は僅かに湾曲したサンドイッチコンポーネントに適している。
【0045】
これに対して、図1bの圧密化されていないハイブリッド糸織物は高いドレープ性を有していることから、これらの半製品は、特に変形の大きな構造用部品の場合、例えば図5のサンドイッチコンポーネントのような複雑な構造のコンポーネントを作成する場合は有利である。
【0046】
両方のケースにおいて、ペーパーハニカムと熱可塑性物質との間の接着は、熱可塑性物質の溶融のみによって行われ、重量、コスト及びプロセスの理由から、例えばポリウレタンスポンジなどの追加の接着剤を省略することができる。
【0047】
図2は、従来技術に基づく、ポリウレタンスポンジ21を用いたハニカム突起部1’へのカバー層の接続を示している。ポリウレタンスポンジ21を使用した場合、カバー層20とペーパーハニカムコアの突起部1’との間には、接続部分Aに隅肉溶接が形成され、このことにより接着面がかなり上昇し、カバー層20は良く接着される。しかし、隅肉溶接の形成には追加の材料が必要である。
【0048】
これに対して、本発明に基づき、図3a、3b及び4に示されているように、規定の圧力の作用による熱可塑性物質の溶融部分において、接続部分Aのカバー層2にハニカムコア突起部1’が接続されることにより、追加の材料を用いることなく最適な接続を達成することが可能となる。突起部1’は、使用されている半製品がハイブリッド糸織物か、又はオルガノシートかに応じて多少の違いはあるものの、熱可塑性母材の中に大きく入り込む。
【0049】
従って、熱可塑性母材を使用する目的は、できる限り大きな接続面を達成するために、ペーパーハニカムの突起部を母材の中に押し込むことにある。図2において、突起部1’をカバー層20に接続する、ポリウレタンスポンジによる隅肉溶接の形成がよく確認できる一方で、図3aでは、接続部分Aにおける突起部1’とカバー層2の典型的な接着が示され、この接着は、カバー層を形成する熱可塑性母材(ここではハイブリッド織物)の溶融によって達成することができる。この場合、突起部1’は、接続部分Aにおいてカバー層2の中に押し込まれていることにより、この場合も、図2のポリウレタンスポンジによる隅肉溶接と同様に良好な接続を確認することができる。
【0050】
予め圧密化されていない織物、又はハイブリッド織物(図3a及び3b)の場合、ハニカム突起部1’はカバー層2により良く接着し、これに対して、図4に示されているオルガノシートとハニカムコア突起部との接続は、カバー層2への突起部1’の侵入が少ないことによって多少小さく形成されている。ハイブリッド糸織物を使用する場合のより良好な接続は、特に、ハイブリッド糸織物の柔軟性と非常に優れたドレープ性によるものであるため、低い押し圧力でも個々のハイブリッドロービングがペーパーハニカムの縁周辺に当てられる。従って、次に母材が溶融すると、比較的大きな接続部分Aが生じる。
【0051】
ハニカム突起部1’を、予め圧密化された硬いオルガノシートに接続するためには(図4)、圧縮型の中でより高い押し圧力を加え、接続部分Aの突起部1’をカバー層2の熱可塑性母材の中に押し込まなければならない。ハニカムの厚みが不均一な場合でも、この高い押し圧力によって、これを補正することができる。従って、カバー層として予め圧密化したプレートを使用したサンドイッチコンポーネントは、カバー層2への突起部1’の弱い「T接続」となる。この比較的小さな接着面により、カバー層2としてオルガノシートを使用したサンドイッチコンポーネントは、せん断応力がコアに僅かしかかからないか、全くかからない部分に使用される。
【0052】
オルガノシートもハイブリッド糸織物も、ペーパーハニカムのカバー層としてそれぞれ利点があり、それに応じて自動車用コンポーネントとして使用することができる。オルガノシートは、ペーパーハニカムと組合せた場合、より良好な表面の質と予め圧密化による強度など、優れた機械的特性とによって特徴づけられるが、ハニカムコアへの接続が悪い。
【0053】
これに対して、カバー層としてハイブリッド糸織物を使用すると、ペーパーハニカムコアと組合せた場合、ペーパーハニカムコアとハイブリッド織物との間の接続は良好となり、さらに圧密化のプロセスが圧縮型でのサンドイッチ作成時に直接行われるため、ハイブリッド糸織物の使用は低コストである。さらに、ハイブリッド糸織物は、ハニカムコアが複雑な形状を有している場合は特に、オルガノシートよりもより良好にハニカムコアに配置されるか、又はハニカムコアを覆うことができる。しかし、ハイブリッド糸織物によるカバー層は、オルガノシートから形成されるカバー層の表面の質及び固有の(機械的)特性には及ばない。
【0054】
両方の種類の半製品には、熱可塑性プラスチック母材及び強化繊維に同一の基本材料を使用することができ、強化繊維は、例えばガラス繊維、炭素繊維又はアラミド繊維又は天然繊維であり得る。熱可塑性プラスチックとしては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、シクロオレフィンコポリマー、サーモトロピックポリエステル、及びこれらの混合物が考えられる。
【0055】
以下に、図6〜9を用いて本発明によるサンドイッチコンポーネントの適切な製造方法を詳しく説明する。ペーパーハニカムと繊維強化熱可塑性カバー層(すなわち、予め圧密化されたオルガノシート又はハイブリッド織物)からなる平坦又は僅かに湾曲したサンドイッチコンポーネントの製造プロセスが図6に図示されている。複雑な形状のサンドイッチコンポーネント又は半径rが小さく、湾曲の大きなサンドイッチコンポーネントには、図7に図示されている製造方法が適用できる。
【0056】
大きな半径Rをもつ僅かに湾曲したコンポーネントを製造するにあたって、図6に示されているように、ハニカムコアは個別に予備成形されない。この製造バリエーションは、平坦なサンドイッチコンポーネントにも用いられる。コンポーネントに予定されているハニカムコア1は、複数のペーパーコア突起部1’によって形成されており、両方の半製品2、3と一緒に父型4及び母型4’からなる圧縮型の中に置かれ、この圧縮型によって、半径Rの湾曲がコンポーネントに与えられる(図示されてない平坦なコンポーネントの場合には、圧縮型は湾曲を有していない)。矢印によって示されている圧縮力Fをもつ圧縮型は、変形に必要な圧力を半製品2、3の間に挟まれているハニカムコア1に加えることによって、一方ではコンポーネントが成形され、他方では半製品2、3の熱可塑性プラスチック母材がハニカムコア1の突起部1’に接続され、図6では、ここで、圧縮型内の半製品2、3の熱可塑性母材自体に熱が加えられる。
【0057】
そのために圧縮型は適切な加熱装置を有しており、半製品2、3の熱可塑性プラスチック母材にプラスチックの種類に応じた温度が加えられ、この温度は、選択された各プラスチックのガラス転移温度と溶融温度との間にある。追加の接合剤を使用する必要はない。この圧縮型は距離又は力制御が可能であり、この場合は距離を制御するバリエーションが好ましく、このバリエーションによって、カバー層との接続部分におけるハニカムコア又は突起部の圧縮を少なくすることができるため、より良好な接続を達成することができる。
【0058】
そのような突起部の圧縮によってより大きな接続部分が生じるため、カバー層へのハニカムコアの接続又は接着が向上する。圧縮の場合におけるより大きな接続面に加え、さらに、熱可塑性プラスチック材料が紙材の中に入り込むことによって、接続部分においてハニカムコア突起部の軽い含浸が生じる。この場合、接続の質は選択された温度及び型締め時間に左右され得る。
【0059】
図7には、小さな半径rの、つまり湾曲の大きい車両コンポーネントの製造プロセスが示されており、このプロセスは追加の2つの工程を必要とする。
【0060】
まず、蒸気又は噴霧によってハニカムコア1が水で加湿され、これによって、例えば小さな半径rの複雑な形状にもハニカムコアを損傷なく変形させることができる。この加湿によって優れた成形性が達成され、コンポーネントの変形が製造後に戻るのを防止することができる。さらに、変形時に紙が引き裂かれるのも防止する。この場合、乾燥後でもペーパーコア1の安定性は損なわれない。加湿されたハニカムコア1は、父型4及び母型4’を備える圧縮型の中に置かれ、そこで圧縮力F及び特に40℃〜200℃の温度で変形させる。これにより同時にハニカムコアが乾燥するが、乾燥時間は選択した温度レベルに左右される。乾燥をより良好に行うため、圧縮型の中に開口部を設け、そこから水又は水蒸気を逃がすようにすることができる。
【0061】
変形したハニカムコア1は圧縮型を開けた後に半製品2、3の間に配置されるが、このことは、圧縮型の内部又は外部で行うことができる。半製品2、3の熱可塑性母材とハニカムコア1の突起部1’との接続は第2の圧縮プロセスにおいて行われ、有利には同じ圧縮型4、4’において実施することができ、すでに説明したように、形成されたカバー層2、3とハニカムコア1の突起部1’との結合は、熱可塑性プラスチック母材のガラス転移温度と溶融温度との間の温度において突起部1’がカバー層2、3の熱可塑性プラスチック母材の中に入り込むことによって確立される。ここでも、接続を向上させるために、ハニカムコア又は突起部の圧縮は少なくすることができる。
【0062】
図8には、父型4と母型4’とを備える圧縮型の単純な構造的変更によって、カバー層を形成する半製品2を折り返してハニカムコア1の端部10を閉鎖する方法が示されている。この場合、圧縮型は母型4’に追加の装置6’を有し、この装置によって、ハニカムコア1よりも大きな面積を有する、上部に配置されているフォイル2が端部10の周りに取り付けられ、そこで、折り返された半製品2と下部の半製品3及び/又はハニカムコア端部10とを結合するため、車両コンポーネントのペーパーハニカムコアは、水、汚れ、その他の外部粒子から保護される。折返し装置6’では、母型4の側に対応するストッパ6が向かい合っているため、この圧縮型内における圧縮距離はストッパ6によって制限されている。
【0063】
図5では、端部10においてそのような閉鎖を確認することができ、その端部では両方のカバー層2、3が互いに融合している。この断面で示されたサンドイッチコンポーネントはカバー層2、3を有し、これらはハイブリッド糸織物から形成され、このハイブリッド糸織物はハニカムコア1の複雑な形状により良く取り付けることができる。さらに、この場合、断面の縮小している部分Vが確認され、この部分では、規定のコンポーネント形状に対応するため、ハニカムコア1の突出部1’が圧縮されている。それでもなお、コンポーネントはこの部分Vにおいても十分な強度を有しており、この強度は、圧密化されたカバー層2、3と、圧縮された突起部の含浸による縮小部分Vの強固な接続とから生じる。
【0064】
図9にはプロセス手順のバリエーションが示されており、半製品2、3は、圧縮型4、4’の中で必要な温度が加えられるのではなく、ハニカムコア1とサンドイッチ状に配置される前に外部の加熱装置、例えば炉又はヒータによって加熱される。これにより、圧縮型4、4’自体を加熱する必要がないか、又は必要に応じて僅かに加熱する(このことは熱可塑性カバー層2、3が急激に冷却しないようにするため必要となり得る)だけでよく、このバリエーションにより製造サイクル時間が短縮される。さらに、冷たい圧縮型からの取外しはより簡単に実施可能であり、形成されたカバー層は冷たい圧縮型の使用によってより硬くなり、圧縮型から取り出す際のサンドイッチコンポーネントの傷又は損傷をさらに防止することができる。このバリエーションは、小さな半径にも大きな半径にも適用することができる。
【0065】
有利には、本発明が低コストの材料からなるサンドイッチコンポーネントを提供し、その製造も同様にコストを削減した方法によって可能である。従って、プロセス時間の短縮が可能となり、それによって経済的に有利な製造を行うことができる。サンドイッチコンポーネントの製造方法に必要な工程は僅かしかなく、機械及び圧縮型にかかる費用は、形状が単純であることと、必要な圧力が小さいため摩耗も少ないことから、比較的安い。
【0066】
説明した方法によって、例えばルーフ内張り、シートの締付け部品、ドアセンタパネル又はドアリーフなど、単純な形状を有する車両内装のトリムパーツを製造することができる。同様に、説明した材料の組合せ及び工程によって、例えばリヤシートバックレストなどの支持構造を製造することも可能である。想定されている使用目的に応じて、カバー層及びハニカムコアの単位面積質量は、機械的要求に適合させることができる。
【0067】
さらに、サンドイッチコンポーネントから製造される車両コンポーネントは、特に、車内に設けられるトリムパーツ、例えばレザー、天然繊維織物又はマイクロファイバー繊維などのプラスチック繊維織物によってラミネート加工することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 ハニカムコア
1’ ハニカム突起部
2、3 カバー層(半製品)
4 父型
4’ 母型
6 ストッパ
6’ 折返し装置
10 ハニカムコア端部
20 カバー層
21 ポリウレタンスポンジ
A 接続部分
R 大きな半径
r 小さな半径
F 圧縮力
V 縮小部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の突起部(1’)を備えるハニカムコア(1)と少なくとも1つのカバー層(2、3)とを含むサンドイッチコンポーネントであり、
前記ハニカムコア(1)は、セルロースをベースとした材料、特に紙からなり、
前記カバー層(2、3)が熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品から形成され、前記ハニカムコア(1)の前記突起部(1’)が、前記カバー層(2、3)との接続部分(A)において少なくとも部分的に前記カバー層(2、3)の前記熱可塑性プラスチック母材の中に取り込まれることで、前記サンドイッチコンポーネントの結合が提供されることを特徴とする、サンドイッチコンポーネント。
【請求項2】
前記熱可塑性プラスチック母材を備える前記繊維強化半製品が、ハイブリッド織物、ハイブリッドノンクリンプ織物、ハイブリッド編物又はハイブリッドフリースによって提供され、強化繊維と非強化熱可塑性繊維とを含んでいることを特徴とする、請求項1に記載のサンドイッチコンポーネント。
【請求項3】
前記熱可塑性プラスチック母材を備える前記繊維強化半製品が、強化繊維を埋め込んだ、予め圧密化された熱可塑性シートによって提供されることを特徴とする、請求項1に記載のサンドイッチコンポーネント。
【請求項4】
前記強化繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維及び/又は天然繊維であり、前記熱可塑性プラスチックが、PP、PE、PET、PAN、PVC、PVAL及び/又はPSから選択されていることを特徴とする、請求項1〜3の少なくとも一項に記載のサンドイッチコンポーネント。
【請求項5】
少なくとも1つのカバー層に装飾用コーティングが取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜4の少なくとも一項に記載のサンドイッチコンポーネント。
【請求項6】
好ましくはフロアパネル若しくはリヤシートバックレストなどの車両のサポーティングエレメントであるか、又は好ましくはインナパネルエレメント、特に好ましくは車両ルーフ内張り、シートの締付け部品、ドアセンタパネル及びドアリーフである車両コンポーネントを製造するための、請求項1〜5の少なくとも一項に記載のサンドイッチコンポーネントの使用。
【請求項7】
請求項1〜5の少なくとも一項に記載の、平坦又は半径(R)の湾曲した形状を備えるサンドイッチコンポーネントの製造方法であり、
前記ハニカムコア(1)と、熱可塑性プラスチック母材を備える少なくとも1つの繊維強化半製品とを用意し、
前記ハニカムコア(1)の上及び/又は下に前記半製品を配置し、
前記サンドイッチコンポーネントの平坦又は湾曲した規定の形状を提供する、父型(4)及び母型(4’)を備える圧縮型の中に合成物を位置決めし、
前記半製品及び前記ハニカムコア(1)からなる前記合成物に圧力を加えて接続する、という工程を含み、
前記熱可塑性プラスチック母材には、前記プラスチックのガラス転移温度と溶融温度との間の温度が加えられ、
前記熱可塑性プラスチック母材が少なくとも部分的に溶融し、前記ハニカムコア(1)の前記突起部(1’)が、前記熱可塑性プラスチック母材を備える前記繊維強化半製品から形成される前記カバー層(2、3)との前記突起部(1’)の接続部分(A)において少なくとも部分的に前記熱可塑性プラスチック母材の中に取り込まれることによって接続が提供される、方法。
【請求項8】
半径(r)の湾曲した形状を備えるサンドイッチコンポーネントの製造方法であり、前記サンドイッチコンポーネントは請求項1〜5の少なくとも一項に記載のサンドイッチコンポーネントであり、
前記ハニカムコア(1)を、水(5)又は溶解しやすい溶液を使って噴霧又は蒸気によって加湿し、
前記サンドイッチコンポーネントの湾曲した規定の形状を提供する、父型(4)及び母型(4’)を備える圧縮型の中に加湿した前記ハニカムコア(1)を配置し、
加湿された前記ハニカムコア(1)を、前記圧縮型の中で圧力を加えて40℃〜200℃の温度で変形させ、
熱可塑性プラスチック母材を備える少なくとも1つの繊維強化半製品を用意し、前記ハニカムコア(1)の上及び/又は下に前記半製品を配置し、
前記圧縮型の中に合成物を位置決めし、
前記半製品及び前記ハニカムコア(1)からなる前記合成物に圧力を加えて接続する、という工程を含み、
前記熱可塑性プラスチック母材には、前記プラスチックのガラス転移温度と溶融温度との間の温度が加えられ、
前記熱可塑性プラスチック母材が少なくとも部分的に溶融し、前記ハニカムコア(1)の前記突起部(1’)が、前記熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品から形成される前記カバー層(2、3)との前記突起部(1’)の接続部分(A)において少なくとも部分的に前記熱可塑性プラスチック母材の中に取り込まれることによって接続が提供される方法。
【請求項9】
前記熱可塑性プラスチック母材(2、3)の温度負荷が、
前記圧縮型内に含まれている加熱装置によって、又は、
前記圧縮型内に位置決めされる前に独立した加熱装置によって実施される、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記熱可塑性プラスチック母材(2、3)を前記突起部(1’)に接続する間に、
前記圧縮型の距離制御によって規定された長さだけ前記突起部(1’)の含浸を行う工程を含む、請求項7〜9の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項1】
複数の突起部(1’)を備えるハニカムコア(1)と少なくとも1つのカバー層(2、3)とを含むサンドイッチコンポーネントであり、
前記ハニカムコア(1)は、セルロースをベースとした材料、特に紙からなり、
前記カバー層(2、3)が熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品から形成され、前記ハニカムコア(1)の前記突起部(1’)が、前記カバー層(2、3)との接続部分(A)において少なくとも部分的に前記カバー層(2、3)の前記熱可塑性プラスチック母材の中に取り込まれることで、前記サンドイッチコンポーネントの結合が提供されることを特徴とする、サンドイッチコンポーネント。
【請求項2】
前記熱可塑性プラスチック母材を備える前記繊維強化半製品が、ハイブリッド織物、ハイブリッドノンクリンプ織物、ハイブリッド編物又はハイブリッドフリースによって提供され、強化繊維と非強化熱可塑性繊維とを含んでいることを特徴とする、請求項1に記載のサンドイッチコンポーネント。
【請求項3】
前記熱可塑性プラスチック母材を備える前記繊維強化半製品が、強化繊維を埋め込んだ、予め圧密化された熱可塑性シートによって提供されることを特徴とする、請求項1に記載のサンドイッチコンポーネント。
【請求項4】
前記強化繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維及び/又は天然繊維であり、前記熱可塑性プラスチックが、PP、PE、PET、PAN、PVC、PVAL及び/又はPSから選択されていることを特徴とする、請求項1〜3の少なくとも一項に記載のサンドイッチコンポーネント。
【請求項5】
少なくとも1つのカバー層に装飾用コーティングが取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜4の少なくとも一項に記載のサンドイッチコンポーネント。
【請求項6】
好ましくはフロアパネル若しくはリヤシートバックレストなどの車両のサポーティングエレメントであるか、又は好ましくはインナパネルエレメント、特に好ましくは車両ルーフ内張り、シートの締付け部品、ドアセンタパネル及びドアリーフである車両コンポーネントを製造するための、請求項1〜5の少なくとも一項に記載のサンドイッチコンポーネントの使用。
【請求項7】
請求項1〜5の少なくとも一項に記載の、平坦又は半径(R)の湾曲した形状を備えるサンドイッチコンポーネントの製造方法であり、
前記ハニカムコア(1)と、熱可塑性プラスチック母材を備える少なくとも1つの繊維強化半製品とを用意し、
前記ハニカムコア(1)の上及び/又は下に前記半製品を配置し、
前記サンドイッチコンポーネントの平坦又は湾曲した規定の形状を提供する、父型(4)及び母型(4’)を備える圧縮型の中に合成物を位置決めし、
前記半製品及び前記ハニカムコア(1)からなる前記合成物に圧力を加えて接続する、という工程を含み、
前記熱可塑性プラスチック母材には、前記プラスチックのガラス転移温度と溶融温度との間の温度が加えられ、
前記熱可塑性プラスチック母材が少なくとも部分的に溶融し、前記ハニカムコア(1)の前記突起部(1’)が、前記熱可塑性プラスチック母材を備える前記繊維強化半製品から形成される前記カバー層(2、3)との前記突起部(1’)の接続部分(A)において少なくとも部分的に前記熱可塑性プラスチック母材の中に取り込まれることによって接続が提供される、方法。
【請求項8】
半径(r)の湾曲した形状を備えるサンドイッチコンポーネントの製造方法であり、前記サンドイッチコンポーネントは請求項1〜5の少なくとも一項に記載のサンドイッチコンポーネントであり、
前記ハニカムコア(1)を、水(5)又は溶解しやすい溶液を使って噴霧又は蒸気によって加湿し、
前記サンドイッチコンポーネントの湾曲した規定の形状を提供する、父型(4)及び母型(4’)を備える圧縮型の中に加湿した前記ハニカムコア(1)を配置し、
加湿された前記ハニカムコア(1)を、前記圧縮型の中で圧力を加えて40℃〜200℃の温度で変形させ、
熱可塑性プラスチック母材を備える少なくとも1つの繊維強化半製品を用意し、前記ハニカムコア(1)の上及び/又は下に前記半製品を配置し、
前記圧縮型の中に合成物を位置決めし、
前記半製品及び前記ハニカムコア(1)からなる前記合成物に圧力を加えて接続する、という工程を含み、
前記熱可塑性プラスチック母材には、前記プラスチックのガラス転移温度と溶融温度との間の温度が加えられ、
前記熱可塑性プラスチック母材が少なくとも部分的に溶融し、前記ハニカムコア(1)の前記突起部(1’)が、前記熱可塑性プラスチック母材を備える繊維強化半製品から形成される前記カバー層(2、3)との前記突起部(1’)の接続部分(A)において少なくとも部分的に前記熱可塑性プラスチック母材の中に取り込まれることによって接続が提供される方法。
【請求項9】
前記熱可塑性プラスチック母材(2、3)の温度負荷が、
前記圧縮型内に含まれている加熱装置によって、又は、
前記圧縮型内に位置決めされる前に独立した加熱装置によって実施される、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記熱可塑性プラスチック母材(2、3)を前記突起部(1’)に接続する間に、
前記圧縮型の距離制御によって規定された長さだけ前記突起部(1’)の含浸を行う工程を含む、請求項7〜9の少なくとも一項に記載の方法。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2013−517162(P2013−517162A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549259(P2012−549259)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007511
【国際公開番号】WO2011/088871
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007511
【国際公開番号】WO2011/088871
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】
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