説明

ダブルアーム列式基板搬送用ロボット

【課題】 モータの必要台数を減らし、構造を簡単化、小型化、軽量化して、製作コストを低減することを可能にしたダブルアーム列式基板搬送用ロボットを提供する。
【解決手段】 アーム伸縮機構A、Bが左右に2列備えられ、最終段アームとなる第2アーム107、107’の先端にはハンド110、110’が結節されて設けられ、第1アーム105、105’を位相差を持って正逆回転させることにより、ハンド110、110’が位相差を持って直線運動するように構成されて成るダブルアーム列式基板搬送用ロボット101が、アーム駆動手段160をさらに備えている。アーム駆動手段160は、第1アーム105、105’に備えられる第1の永久磁石167、167’に対応させて、第2の永久磁石162、162’を有し、これが正逆回転することにより、これらの永久磁石の磁気結合を介して第1アーム105、105’が位相差を持って正逆回転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の発明は、ダブルアーム列式基板搬送用ロボットに関し、特に半導体デバイスや液晶デバイスの製造装置において、半導体基板(ウエハ)や液晶基板を搬送するのに用いられ、構造の簡単化と小型化、軽量化、製作コストの低減等を可能にしたダブルアーム列式基板搬送用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体デバイスや液晶デバイスの製造装置において、半導体基板(ウエハ)や液晶基板を、それらの複数枚を収容するカセットと、それらの各々に各種の処理を施す処理装置との間で受け渡しするのに、ダブルアーム列式基板搬送用ロボットが使用されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
ここで、特許文献1に記載されたダブルアーム列式基板搬送用ロボットについて、図11ないし図13を参照しつつ、説明する。
図11は、この基板搬送用ロボットの概略縦断面図、図12は、そのアーム伸縮機構のスケルトン図、図13は、同基板搬送用ロボットの斜視図である。
【0004】
このダブルアーム列式基板搬送用ロボット1は、これらの図に図示されるように、第1ないし第3の3つのアームから成るアーム伸縮機構(アーム列)を、鉛直面に対して左右対称に一対(2列)備えている。この2列のアーム伸縮機構A、B(ダブルアーム列)は、それらの第1アーム5、5' の回転軸をなす第1支軸4、4' の中心P1、P1' が、回転基台3の旋回軸心Qに対して対称の位置に等距離xだけ外側にオフセットされて配置されている。そして、これら第1支軸4、4' の各々に対しては、その回転の駆動源をなす第2のモータM2、M2' が、それぞれ回転基台3内に固定されて設けられている。
【0005】
また、第3アーム9、9' に一体に取り付けられたハンド10、10' がそれぞれ保持する基板30、30' の中心P4、P4' は、第1支軸4、4' の中心P1、P1' が旋回軸心Qに対して対称の位置に等距離xだけ外側にオフセットされて配置された方向と反対の方向に、第3アーム9、9' の回転軸をなす第3支軸8、8' の中心P3、P3' に対して等距離xだけ内側にオフセットされて位置するようにされている(図12参照)。
【0006】
定直線Jは、平面視して、基板30、30' の中心P4、P4' と旋回軸心Qとを通る直線であり、これは、第1支軸4、4' の中心P1、P1' を結ぶ直線P1・P1' の垂直2等分線に相当していて、制御軸としてのロボット進退R軸を構成している。基板30、30' の中心P4、P4' は、この直線上を進退動する。
【0007】
回転基台3は、アーム列A、B各側のアーム伸縮機構の旋回用に共用されており、回転基台3の旋回軸心Q(ロボット旋回θ軸)回りの回転角度θは、そのまま、各アーム伸縮機構の旋回角度となる。
【0008】
アーム列A、B各側のアーム伸縮機構の構造及び動作メカニズムは、両者同じであり、これら両アーム伸縮機構が、旋回軸心Qを共用し、第2のモータM2、M2' により所定の位相差をもって伸縮駆動されることによって、基板30、30' の中心P4、P4' を、平面視して、定直線J上を所定の位相差をもって進退動させ、該基板30、30' をカセットもしくは処理装置内に挿入したり、また、そこから取り出したりするようになっている。
【0009】
以下に、アーム列A側のアーム伸縮機構の構造及び動作メカニズムについて、さらに詳細に説明する。
先ず、アーム列A、Bに共通の構造部分として、このダブルアーム列式基板搬送用ロボット1は、図11に図示されるように、ロボット本体2の内部に回転基台3を備えている。この回転基台3は、段付き円筒状の胴体が底壁と頂壁とで閉塞された円筒状容器の形状をなしていて、旋回軸心Qを有し、この旋回軸心Qの回りに第1のモータM1により減速機G1を介して回転駆動される。第1のモータM1は、回転基台3の下方に設置された昇降基台55の内部に収容されて固定されている。回転基台3は、その段付き円筒状の胴体の段部でロボット本体2に回転自在に、且つ、磁性流体シールにより気密に支持されている。
【0010】
回転基台3の内部には、その上方部に第2のモータM2、M2' が固定されている。ここで、アーム列A側のアーム伸縮機構の駆動源をなす第2のモータM2により減速機G2を介して回転駆動される第1支軸4は、旋回軸心Qから所定距離xだけオフセットされ、これと平行に配置されて、回転基台3の頂部を抜け、該回転基台3の回転とは無関係に回転することが可能な状態で突出させられている。したがって、該第1支軸4は、回転基台3の回転により公転するが、第2のモータM2により生起されるその自転は、回転基台3の回転により影響されない。
【0011】
第1支軸4には、第1アーム5の一端部が固定的に取り付けられている。そして、この第1アーム5の他端部には、該第1アーム5の回転とともに、該第1アーム5の体内でプーリ11、12及びタイミングベルト13から成る伝動機構を介して2:1のギア比で回転させられることとなる第2支軸6が、該第1アーム5の回転とは無関係に回転することが可能な状態で該第1アーム5から突出させられている。
【0012】
プーリ11は、回転基台3の頂部から上方に突出する筒状部により構成されていて、この筒状部は、第1アーム5の体内に抜け出し不能に進入させられている。減速機G2は、この筒状部内に、これとは間隔を置いて収容されている。プーリ12は、段付き中空円筒状体から成る第2支軸6の下部大径部により構成されていて、この大径部は、第1アーム5の体内に抜け出し不能に収容されている。タイミングベルト13は、これらのプーリ11、12間に架け渡されており、これらのプーリ11、12のギア比は2:1である。
【0013】
したがって、今、第1アーム5が、第2のモータM2により回転駆動される第1支軸4の回転により、該第1支軸4とともに角度φだけ回転させられたとすると、この回転によりタイミングベルト13がプーリ11上を相対的に走行する長さと同じ長さだけタイミングベルト13がプーリ12上を相対的に走行するから、タイミングベルト13のこの走行により第2支軸6が回転させられることとなる量は、第1アーム5(第1支軸4)の回転角度φの2倍の2φとなり、その向きは、第1アーム5の回転の向きと逆になる。
【0014】
第2支軸6が第1アーム5の他端部から突出する部分(小径部)には、第2アーム7の一端部が固定的に取り付けられている。そして、この第2アーム7の他端部には、該第2アーム7の回転とともに、該第2アーム7の体内でプーリ21、22及びタイミングベルト23から成る伝動機構を介して1:2のギア比で回転させられることとなる第3支軸8が、該第2アーム7の回転とは無関係に回転することが可能な状態で該第2アーム7から突出させられている。第2・第3支軸6・8間の距離は、第1・第2支軸4・6間の距離と同じにされている。
【0015】
プーリ21は、第1アーム5の他端部に上方に向けて突出状に一体に形成された筒状部により構成されていて、この筒状部は、第2アーム7の体内に抜け出し不能に進入させられている。第2支軸6の小径部は、この筒状部に間隔を置いて挿通されて、第1アーム5の他端部から突出している。プーリ22は、段付き中空円筒状体から成る第3支軸8の下部大径部により構成されていて、この大径部は、第2アーム7の体内に抜け出し不能に収容されている。タイミングベルト23は、これらのプーリ21、22間に架け渡されており、これらのプーリ21、22のギア比は1:2である。
【0016】
したがって、今、第2アーム7が、第2支軸6の回転により、該第2支軸6とともに角度2φだけ回転させられたとすると、この回転によりタイミングベルト23がプーリ21上を相対的に走行する長さと同じ長さだけタイミングベルト23がプーリ22上を相対的に走行するから、タイミングベルト23のこの走行により第3支軸8が回転させられることとなる量は、第2アーム7(第2支軸6)の回転角度2φの1/2のφとなり、その向きは、第2アーム7の回転の向きと逆になる。このことは、第3支軸8は、第1アーム5の回転によっても、その姿勢を変えないことを意味している。しかも、第2・第3支軸6・8間の距離は、第1・第2支軸4・6間の距離と同じにされているので、第3支軸8の中心P3は、常に第1支軸4の中心P1を通る直線J1上にあり、この直線J1は、定直線Jと平行である(図12参照)。
【0017】
第3支軸8の中心P3が、常に第1支軸4の中心P1を通る直線J1上にあり、この直線J1が、定直線Jと平行になる理由を、今少し詳しく説明する。
先ず、第3支軸8の中心P3が第1支軸4の中心P1に重なる状態において、第2支軸6の中心P2は、図12に図示の位置P20にあり、この位置P20は、特殊位置であり、平面視して、特殊点をなす。
【0018】
この状態で、今、第1アーム5が角度φだけ図示矢印の方向に回転させられたとすると、第2支軸6の中心P2は、当初位置P20から図示の位置P2に変位して、∠P2・P1・P20=φとなる。
【0019】
一方、第3支軸8の中心P3は、P1と重なった位置から図示の位置P3に変位して、P2を挟む2つのアーム(第1アーム5、第2アーム7)のなす角度、すなわち、△P2・P3・P1の頂角∠P3・P2・P1は2φとなる。これら2つのアームの長さは等しいから、△P2・P3・P1は二等辺三角形であり、その頂角∠P3・P2・P1(=2φ)の2等分線は、その三角形の底辺である直線P3・P1に対して直角をなし、しかも、これを2等分する。したがって、∠P3・P1・P2=(90°−φ)となり、
∠P3・P1・P20=∠P3・P1・P2+∠P2・P1・P20=(90°−φ)+φ=90°
となり、一定となる。これより、第3支軸8の中心P3は、第1支軸4の中心P1を通り、直線P1・P20に対して直角をなす直線J1上にあることが分かる。
【0020】
他方、P1はQからxだけオフセットされており、P4は、P1がQからxだけオフセットされた方向とは反対の方向に、P3からxだけオフセットされているから、P4とQとを通る直線、すなわち、定直線Jは、P3とP1とを通る直線、すなわち、直線J1からxだけ隔てられ、これと平行な直線である。逆に言えば、P3とP1とを通る直線J1は、P4とQとを通る定直線Jからxだけ隔てられ、これと平行な直線である。
以上より、第3支軸8の中心P3が、常に第1支軸4の中心P1を通る、定直線Jと平行な直線J1上にある理由が説明される。
【0021】
なお、ここで、アーム列A、B両側のアーム伸縮機構は、鉛直面に対して左右対称に配置されているから、平面視しても、左右対称に配置されている。したがって、基板30'
の中心P4' とQとを通る直線は、平面視して、P4とQとを通る定直線Jに重なる。すなわち、P4、P4’は、平面視して、定直線J上にあって、この直線上を所定の位相差を保ちつつ進退動する。この定直線Jを通る鉛直面は、アーム列A、B両側のアーム伸縮機構が左右対称に配置される基準となる面であり、前記した鉛直面と同じものである。P1、P1’は、旋回軸心Qに対して点対称の位置にあると同時に、この鉛直面に対して面対称の位置にもあるから、直線P1・P1’は、この鉛直面と直交し、定直線Jと直交する。したがって、Q、P1、P1’、P20、P20’(不図示。このP20’は、第3支軸8’の中心P3’が第1支軸4’の中心P1’に重なる状態において、第2支軸6’の中心P2’がある位置を示す。)は、平面視して、同一の直線上にある。
【0022】
第3支軸8には、第3アーム9の一端部が固定的に取り付けられている。第3アーム9の他端部には、基板30を保持するためのハンド10が固設されている。第3支軸8が、前記のとおり、第1アーム5の回転によってもその姿勢を変えないことにより、第3アーム9、ハンド10及び基板30も、第1アーム5の回転によってその姿勢を変えることはない。したがって、基板30は、その姿勢を変えることなく、その中心P4が常に定直線J上にあるようにして、アーム列A側のアーム伸縮機構により進退動させられ、搬送されることになる。
【0023】
同様にして、基板30' が、その姿勢を変えることなく、その中心P4' が常に定直線J上にあるようにして、アーム列B側のアーム伸縮機構により進退動させられ、搬送されることは、以上の説明から当業者に明らかであろう。
【0024】
定直線Jは、回転基台3上に想定されるx' y' 相対座標系において、固定的な直線をなす。常にこの定直線J上にある基板30、30’の中心P4、P4’から旋回軸心Qまでの距離Rは、当該アーム伸縮機構の伸長量を示しており、カセットにウエハ基板30、30’を受け渡し・取り出しするときの作業量の重要な目安となる。その量は、第1アーム5、5’の回転量によって定まるから、第1支軸4、4’を回転駆動する第2のモータM2、M2’の回転量を制御することによって制御することができる。
【0025】
定直線Jは、前記のとおり、x' y' 相対座標系において固定的な直線をなすから、xy絶対座標系においては、その向きは、回転基台3の回転角度θにのみ依存する。回転基台3の回転中心をなす旋回軸心Qは、回転基台3の回転角度θを制御するときの制御軸となるロボット旋回θ軸に相当している。
【0026】
この基板搬送用ロボット1は、なお、回転基台3及びアーム列A、B両側のアーム伸縮機構を昇降させる昇降機構50を有している。この昇降機構50は、駆動源をなす第3のモータM3と、該第3のモータM3の出力をボールネジ機構51に伝達するプーリ52、53、タイミングベルト54と、昇降基台55とを備えていて、該第3のモータM3の回転により、第1のモータM1を収容する昇降基台55を昇降させ、これにより、該昇降基台55の上方に設置された回転基台3、両アーム伸縮機構の全体を垂直なZ軸方向に昇降動させる。したがって、この基板搬送用ロボット1は、ロボット旋回θ軸とロボット進退R軸との2つの制御軸のほかに、第3の制御軸として、ロボット昇降Z軸を有している。制御装置40は、これらのモータを統合的に制御する。この結果、この基板搬送用ロボット1は、異なる高さ位置に配置された複数のカセットに対しても自在に対応することが可能である。
【0027】
以上に説明したとおり、この基板搬送用ロボット1は、ロボット旋回θ軸、ロボット進退R軸及びロボット昇降Z軸から成る3つの制御軸を有しており、これに対応して、第1のモータM1、第2のモータM2、M2' 及び第3のモータM3を備えている。
このように、この基板搬送用ロボット1は、少なくとも4つのモータを備えるため、それだけ伝動機構の台数も増し、装置が複雑化、大型化するとともに、装置が高価になる。また、第2のモータM2、M2' は、それらの出力を減速機G2、G2’、第1支軸4、4' を介して第1アーム5、5' に伝達するため、第1支軸4、4' の中心P1、P1'
を、回転基台3の旋回軸心Qを跨いで配置しなければならず、回転基台3の直径が大きくなり、回転基台3を本体2に回転自在に取り付けるための軸受や、この軸受部分を気密に保持するための磁性シールの寸法が大径となり、装置がさらに大型化するとともに、大径の軸受や磁性シールの使用により、装置がさらに高価になるという問題点があった。
【0028】
また、第2のモータM2、M2' は、回転基台3内に固定されて設けられるため、これらに電力を供給するケーブルは、回転基台3の旋回角に応じた長さが必要となり、また、その断線防止のために、回転基台3の旋回角が逆に制限されて、装置としての使い勝手が悪いという問題点もあった。
【0029】
一対のプーリと、これらの間に架け渡されるタイミングベルトとの組合せから成る伝動機構の複数組をアーム伸縮機構(アーム列)の内部に有する同種の基板搬送用ロボットにおいて、アーム伸縮機構が最大に伸長したときの軸受部に掛かる負荷(モーメント荷重)を軽減するために、永久磁石の吸引力ないし反発力を利用してアーム伸縮機構を補助的に支持することが提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、このものは、永久磁石の利用に関し、そのように作用するもののみに限られるものである。
【0030】
また、シングルアーム列式基板搬送用ロボットにおいて、ハンド(フォーク部)が、姿勢を変えることなく、同一直線上を直線運動するようにするのに、4つ棒リンク機構を用い、その左右基端腕部をなす第1、第2の駆動腕部を永久磁石の磁気結合により回動させるようにしたものも提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、このものは、シングルアーム列式基板搬送用ロボットにのみ適用可能なものであって、ダブルアーム列式基板搬送用ロボットには適用できない。
【0031】
さらに、シングル又はダブルアーム列式基板搬送用ロボットにおいて、アーム伸縮機構の伸縮駆動と旋回駆動とを1台のモータ等アクチュエータを用いて行う、所謂ダイレクトドライブ方式を採用したものも知られている(特許文献3、5参照)。しかしながら、これらのものは、永久磁石を駆動源として利用するロボットではない。
【特許文献1】特開2002−166376号公報
【特許文献2】特開平11−033951号公報
【特許文献3】特開平08−172121号公報
【特許文献4】特開平10−092899号公報
【特許文献5】特開平01−183383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
本願の発明は、従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボットが有する前記のような問題点を解決して、モータの必要台数を減らし、構造を簡単化、小型化、軽量化して、製作コストを低減し、特に真空用ロボットとして使用するのに好適な、永久磁石を駆動源として利用したダブルアーム列式基板搬送用ロボットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0033】
前記のような課題は、本願の各請求項に記載された次のような発明により解決される。 すなわち、その請求項1に記載された発明は、少なくとも第1及び第2の2つのアームが順次結節されて、1列のアーム伸縮機構が構成され、このようなアーム伸縮機構が左右に2列備えられており、左右各列の最終段アームの先端には、ハンドが結節されて設けられ、左右各列の前記第1アームを位相差を持って正逆回転させることにより、左右各列の前記アーム伸縮機構が位相差を持って伸縮して、左右各列の前記ハンドが位相差を持って直線運動するように構成されて成るダブルアーム列式基板搬送用ロボットにおいて、アーム駆動手段がさらに備えられ、前記アーム駆動手段は、左右各列の前記第1アームに備えられる第1の永久磁石に対応させて、第2の永久磁石を有し、前記アーム駆動手段が正逆回転することにより、前記第2の永久磁石が正逆回転して、前記第2の永久磁石と前記第1の永久磁石との磁気結合を介して左右各列の前記第1アームが位相差を持って正逆回転するようにされていることを特徴とするダブルアーム列式基板搬送用ロボットである。
【0034】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、ダブルアーム列式基板搬送用ロボットにおいて、左右各列のアーム伸縮機構を位相差を持って伸縮さるために、左右各列の第1アームを個別に位相差を持って正逆回転させるのに、モータが直接的には使用されないので、このモータの2台分を削減することができる。代わりに、新たにアーム駆動手段を正逆回転させるのに、1台のモータが必要となるにしても、差し引き少なくとも、モータの1台分を削減することができる。これにより、以下に述べるような種々の効果が得られる。
【0035】
先ず、左右各列のアーム伸縮機構を1台のモータ(アクチュエータ)で駆動できるので、ロボットの小型化、軽量化が可能になり、また、削減されたモータの代わりに永久磁石が利用されるので、動力伝達系からの発塵が減少する。これらにより、真空用のロボットとして好適なダブルアーム列式基板搬送用ロボットが得られる。
【0036】
次に、左右各列の第1アームを位相差を持って正逆回転させるのに、永久磁石が利用されるので、アーム伸縮機構の駆動系をシンプルな構造にすることができる。また、左右各列の第1アームの根元部に駆動伝達源がなくなるので、アームの外形を小さく(最小回転半径を小さく)、低く構成することができ、アーム伸縮機構をθ軸回りに回転させる旋回基台の外形も小さく構成することができる。これらにより、アーム伸縮機構の駆動系全体(駆動ユニット)、牽いては、ダブルアーム列式基板搬送用ロボットの構造を簡単化、小型化、軽量化することができ、その製作費を安価にすることができる。
【0037】
次に、旋回基台の外形を小さく構成することができるので、これをロボット本体(従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1におけるロボット本体2に対応するロボットの外胴基体。図10参照。)や真空室に対して回転自在に、且つ、気密に支持するために必要とされる軸受や磁性流体シールを小径で、構造が簡単なものにすることができ、また、多段の磁性流体シールも減段することができ、この面からも、ダブルアーム列式基板搬送用ロボットの構造を簡単化、軽量化することができ、その製作費を安価にすることができる。
【0038】
次に、アーム伸縮機構の駆動系から少なくともモータの1台分を削減することができるので、その分、モータ減速機を削減することができ、また、多段の磁性流体シールも減段することができ、これら構成部品による振動伝達遅れが少なくなり、左右各列のアーム伸縮機構が何らかの物体(相手側アーム伸縮機構の場合もある)に衝突したことの検知も、振動センサ等により検出可能になる。
【0039】
次に、左右各列の第1アームを位相差を持って正逆回転させるのに、永久磁石が利用されるので、左右各列のアーム伸縮機構が何らかの物体(相手側アーム伸縮機構の場合もある)に過大に衝突した際には、エスケープすることができ、ロボットや搬送物に与える衝突時ダメージを最小にすることができる。
以上のとおり、種々の効果を奏することができる。
【0040】
また、その請求項2に記載された発明は、請求項1に記載のダブルアーム列式基板搬送用ロボットにおいて、その左右各列のアーム伸縮機構が、その内部に伝動機構を有し、該伝動機構は、左右各列の第1アームが位相差を持って水平面内で正逆回転することにより、左右各列のアーム伸縮機構が位相差を持って伸縮して、左右各列のハンドが、姿勢を変えることなく、位相差を持って水平方向に、平面視して、同一直線上を直線運動するようにさせるものであることを特徴としている。
【0041】
請求項2に記載された発明は、この構成により、左右各列の第1アームが位相差を持って水平面内で正逆回転することにより、左右各列のアーム伸縮機構が位相差を持って伸縮して、左右各列のハンドが、姿勢を変えることなく、位相差を持って水平方向に、平面視して、同一直線上を直線運動するようにさせるための伝動機構を、左右各列のアーム伸縮機構の内部に収容して、装置全体をコンパクトにまとめることができる。また、伝動機構からの発塵を封じ込めることができる。
【0042】
また、その請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載のダブルアーム列式基板搬送用ロボットにおいて、そのアーム駆動手段が、回転円盤から成り、該回転円盤は、左右各列の第1アームの直下に、左右各列の該第1アームの回転支軸と同心に備えられ、該回転円盤の左右各列の該第1アームに面する側の、左右各列の該第1アームに対向する所定位置に、第2の永久磁石が設けられていることを特徴としている。
【0043】
請求項3に記載された発明は、この構成により、アーム駆動手段をシンプルな構造にすることができ、しかも、その駆動制御は、回転円盤の回転制御により行えるので、簡単に行える。
【0044】
さらに、その請求項4に記載された発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のダブルアーム列式基板搬送用ロボットにおいて、その左右各列の第1アームは、左右各列のアーム伸縮機構が最小旋回ポジションにある時のその位置を越えては、磁気結合を介して逆回転させられないように、その引限を定めるストッパが設けられていることを特徴としている。
【0045】
請求項4に記載された発明は、この構成により、簡単な構成を以って、アーム駆動手段が正逆回転することにより、第2の永久磁石が正逆回転して、該第2の永久磁石と第1の永久磁石との磁気結合を介して左右各列の第1アームが位相差を持って正逆回転する動作を確実に、円滑に行わせることができる。
【発明の効果】
【0046】
前記のとおり、本願の発明のダブルアーム列式基板搬送用ロボットによれば、左右各列のアーム伸縮機構を位相差を持って伸縮さるために、左右各列の第1アームを個別に位相差を持って正逆回転させるのに、モータが直接的には使用されないので、このモータの2台分を削減することができる。アーム駆動手段を正逆回転させるのに、1台のモータが必要とされるにしても、少なくとも、モータの1台分を削減することができる。これにより、以下に述べるような種々の効果が得られる。
【0047】
先ず、左右各列のアーム伸縮機構を1台のモータ(アクチュエータ)で駆動できるので、ロボットの小型化、軽量化が可能になり、また、削減されたモータの代わりに永久磁石が利用されるので、動力伝達系からの発塵が減少する。これらにより、真空用のロボットとして好適なダブルアーム列式基板搬送用ロボットを得ることができる。
【0048】
次に、左右各列の第1アームを位相差を持って正逆回転させるのに、永久磁石が利用されるので、アーム伸縮機構の駆動系をシンプルな構造にすることができる。また、左右各列の第1アームの根元部に駆動伝達源がなくなるので、アームの外形を小さく(最小回転半径を小さく)、低く構成することができ、アーム伸縮機構をθ軸回りに回転させる旋回基台の外形も小さく構成することができる。これらにより、アーム伸縮機構の駆動系全体(駆動ユニット)、牽いては、ダブルアーム列式基板搬送用ロボットの構造を簡単化、小型化、軽量化することができ、その製作費を安価にすることができる。
【0049】
次に、旋回基台の外形を小さく構成することができるので、これをロボット本体(従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1におけるロボット本体2に対応するロボットの外胴基体。図11参照。)や真空室に対して回転自在に、且つ、気密に支持するために必要とされる軸受や磁性流体シールを小径で、構造が簡単なものにすることができ、また、多段の磁性流体シールも減段することができ、この面からも、ダブルアーム列式基板搬送用ロボットの構造を簡単化、軽量化することができ、その製作費を安価にすることができる。
【0050】
次に、アーム伸縮機構の駆動系から少なくともモータの1台分を削減することができるので、その分、モータ減速機を削減することができ、また、多段の磁性流体シールも減段することができ、これら構成部品による振動伝達遅れが少なくなり、左右各列のアーム伸縮機構が何らかの物体(相手側アーム伸縮機構の場合もある)に衝突したことの検知も、振動センサ等により検出可能になる。
【0051】
次に、左右各列の第1アームを位相差を持って正逆回転させるのに、永久磁石が利用されるので、左右各列のアーム伸縮機構が何らかの物体(相手側アーム伸縮機構の場合もある)に過大に衝突した際には、エスケープすることができ、ロボットや搬送物に与える衝突時ダメージを最小にすることができる。
以上のとおり、種々の効果を奏することができる。
なお、前記したような種々の効果をさらに奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
少なくとも第1及び第2の2つのアームが順次結節されて、1列のアーム伸縮機構が構成され、このようなアーム伸縮機構が左右に2列備えられており、左右各列の最終段アームの先端には、ハンドが結節されて設けられ、左右各列の第1アームを位相差を持って正逆回転させることにより、左右各列のアーム伸縮機構が位相差を持って伸縮して、左右各列のハンドが位相差を持って直線運動するように構成されて成るダブルアーム列式基板搬送用ロボットにおいて、アーム駆動手段をさらに具備せしめ、該アーム駆動手段は、左右各列の第1アームに備えられる第1の永久磁石に対応させて、第2の永久磁石を有するものとし、該アーム駆動手段が正逆回転することにより、該第2の永久磁石が正逆回転して、該第2の永久磁石と該第1の永久磁石との磁気結合を介して左右各列の第1アームが位相差を持って正逆回転するようにする。
【0053】
左右各列のアーム伸縮機構は、その内部に伝動機構を有し、該伝動機構は、左右各列の第1アームが位相差を持って水平面内で正逆回転することにより、左右各列のアーム伸縮機構が位相差を持って伸縮して、左右各列のハンドが、姿勢を変えることなく、位相差を持って水平方向に、平面視して、同一直線上を直線運動するようにさせるものとする。
【0054】
このアーム駆動手段は、回転円盤から成るものとし、この回転円盤を、左右各列の第1アームの直下に、左右各列の第1アームの回転支軸と同心に具備せしめ、該回転円盤の左右各列の第1アームに面する側の、左右各列の第1アームに備えられた第1の永久磁石に対向する位置に、第2の永久磁石を設ける。左右各列の第1アームは、左右各列のアーム伸縮機構が最小旋回ポジションにある時のその(左右各列の第1アームの)位置を越えては、両永久磁石の磁気結合を介して逆回転させられないように、その(左右各列の第1アームの)引限を定めるストッパを設ける。
【実施例】
【0055】
次に、本願の発明の一実施例を、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1は、本実施例のダブルアーム列式基板搬送用ロボットの旋回基台よりも上方部分の斜視図、図2は、同ダブルアーム列式基板搬送用ロボットの平面図であって、2列のアーム伸縮機構(ダブルアーム列)が最小旋回ポジションにある時の状態を示す図、図3は、同ダブルアーム列式基板搬送用ロボットの側面図であって、一部を断面にして示す図、図4は、同アーム伸縮機構の第1アーム軸受部の構造を示す図であって、(a)はその側断面図、(b)はその平面図であって、一部を破断して示す図、図5ないし図9は、同2列のアーム伸縮機構(ダブルアーム列)が最小旋回ポジションにある時の状態から順次変位して行く状態をそれぞれ示す図である。なお、従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボットの各部分と対応する部分には、従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボットにおいて使用された数字符号に100を加えた数字符号を付している。
【0056】
本実施例のダブルアーム列式基板搬送用ロボット101は、図11ないし図13に図示される従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1と比較すると、アーム伸縮機構の駆動系の基本構成の点に関し、左右各列の第1アーム105、105’を水平面内で位相差を持たせて正逆回転させるための手段のみが異なる。
【0057】
すなわち、従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1においては、左右各列の第1アーム5、5' を水平面内で位相差を持たせて正逆回転させるのに、第2のモータM2、M2’が第1支軸4、4’を位相差を持たせて正逆回転させることに依っていたが、本実施例のダブルアーム列式基板搬送用ロボット101においては、図1に図示されるように、左右各列の第1アーム105、105’に備えられた第1の永久磁石167、167’に対応させて、第2の永久磁石162、162’を有するアーム駆動手段160が設けられており、このアーム駆動手段160を正逆回転させることにより、第2の永久磁石162、162’を正逆回転させることに依っているものである。したがって、従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1において使用されていた第1アーム5、5' の回転軸をなす第1支軸4、4' は、本実施例のダブルアーム列式基板搬送用ロボット101においては、除去されている。
【0058】
図1を参照して、より詳細に説明すると、本実施例のダブルアーム列式基板搬送用ロボット101は、回転円盤161から成るアーム駆動手段160を備えている。このアーム駆動手段160は、左右各列の第1アーム105、105’に備えられた第1の永久磁石167、167’に対応させて、第2の永久磁石162、162’をそれぞれ有している。これにより、今、アーム駆動手段160が正逆回転すると、これと一体になって第2の永久磁石162、162’が正逆回転して、第1の永久磁石167、167’と第2の永久磁石162、162’との間にそれぞれ生ずる磁気結合が、左右各列の第1アーム105、105’をそれぞれ吸引して、これらを、位相差を持って正逆回転させる。
なお、アーム駆動手段160は、本実施例においては、回転円盤161から成るものとされたが、必ずしもこれに限られず、2つの第2永久磁石を所定の位置に備える回転体から成るものであれば良く、例えば、1本の棒状体の両端にそれぞれ永久磁石を取り付けたものとか、V字形の部材の各先端に永久磁石を取り付けたものであっても良い。
【0059】
回転円盤161は、左右各列の第1アーム105、105’の直ぐ下方に、これら左右各列の第1アーム105、105’の回転を支える回転支軸163と同心に備えられており、この回転支軸163回りに回転する。第2の永久磁石162、162’は、この回転円盤161の左右各列の第1アーム105、105’に面する側の、これらのアームに対向する所定位置に、それぞれ埋め込まれて設けられている。
【0060】
第2の永久磁石162、162’が設けられる前記「所定位置」は、図2に図示されるように、左右各列のアーム伸縮機構A、B(この「左右各列のアーム伸縮機構A、B」は、背景技術の項で説明した「アーム列A、B各側のアーム伸縮機構」と同義である。)が最小旋回ポジションにある時に、左右各列の第1アーム105、105’がある位置(以下、「アーム初期位置」という。)の直下の、回転円盤161の盤面上の外周縁近傍の位置として決定される。この位置がアーム初期位置と重なる位置にある時を、回転円盤161が初期位置(以下、「回転円盤初期位置」という。)にある時とする。回転円盤161は、この回転円盤初期位置を起点にして時計方向及び反時計方向に回転する。しかしながら、左右各列の第1アーム105、105’は、アーム初期位置を越えては、前記した磁気結合によって逆回転させられないように、その引限を定めるストッパが設けられている。
【0061】
例えば、第1アーム105は、回転円盤161が回転円盤初期位置を起点にして時計方向に回転する時、対応する第1の永久磁石167と第2の永久磁石162との磁気結合によって吸引されて同方向に回転しないように、これをアーム初期位置に止めるためのストッパが設けられている。同様にして、第1アーム105’は、回転円盤161が回転円盤初期位置を起点にして反時計方向に回転する時、対応する第1の永久磁石167’と第2の永久磁石162’との磁気結合によって吸引されて同方向に回転しないように、これをアーム初期位置に止めるためのストッパが設けられている。
【0062】
ここで、これらのストッパを設ける方法としては、回転支軸163が固定軸となるので、例えば、図4に図示されるように、この回転支軸163の外周面に、左右各列の第1アーム105、105’の回転範囲を限る円弧状周溝168、168’をそれぞれ形成し、これに対応させて、これらのアームの回転支軸163の外周面との摺接面には、該円弧状周溝内を移動するピン169、169’を植設して、アームの回転とともに該ピン169、169’が移動して該円弧状周溝168、168’の後端面に衝突することにより、そのアームのそれ以上の逆回転が阻止されるようにする方法に依ることができる。これら円弧状周溝168、168’とピン169、169’との設置個所は、回転支軸163とアーム105、105’との間で入れ替えられてもよい。なお、図4には、第1アーム105側のストッパ構造のみが図示されている。
【0063】
このように、左右各列の第1アーム105、105’を、それらのアーム初期位置に止めるためのストッパが設けられることにより、左右各列の第1アーム105、105’は、その位置から定直線Jの位置までの間を、アーム駆動手段160の反時計方向及び時計方向の回転に随伴して、確実に、且つ、円滑に正逆回転する。これにより、左右各列のアーム伸縮機構A、Bが伸縮して、第2アーム107、107’の先端に結節されたハンド110、110’が定直線J上を位相差をもって進退動する。
【0064】
左右各列の第1アーム105、105’の回転により、左右各列のアーム伸縮機構A、Bが伸縮させられることとなる機構は、従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1における対応する機構と同じで良く、これらのアーム伸縮機構にそれぞれ内蔵される2つのプーリと、これらのプーリの間に架け渡されるタイミングベルトとの組合せから成る伝動機構を2組用いて構成することができる。この場合において、左右各列の第1アーム105、105’の基端部に、これらのアームの回転とは無関係の状態に進入させられる固定プーリ111、111’(図4(a)参照。従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1におけるプーリ11、11’に対応するプーリ。)は、回転支軸163がこれらのアームを回転支持する部分の軸方向長さの一部分を以て、これに充てることができる。
【0065】
本実施例のダブルアーム列式基板搬送用ロボット101においては、前記のとおり、左右各列の第1アーム105、105’が回転支軸163により共通に回転支持されているので、左右各列の第1アーム105、105’の回転中心P1、P1' は、回転支軸163の中心に揃い、その1点に集中し、これらは、回転基台3の旋回軸心Qに重なる。この結果、ハンド110、110' がそれぞれ保持する基板の中心P4、P4' (不図示)は、従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1におけるように、第3アーム109、109' の回転軸をなす第3支軸(不図示)の中心P3、P3' に対して等距離xだけ内側に(定直線Jの方向に)オフセットされて位置させられることもなくなる。また、第3アーム109、109'自体も不要になり、これらは、ハンド110、110'によって兼ねられることになる(図1参照)。
【0066】
また、このように、左右各列の第1アーム105、105’が回転支軸163により共通に回転支持されることより、回転基台103(図3参照)は、従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1における回転基台3と比較して、小径のものを使用することができ、回転基台103を小型化することができる。
【0067】
ここで、回転支軸163が果たす機能について、整理しておく。この回転支軸163は、次のような種々の機能を果たすことができる。
先ず、(1)左右各列の第1アーム105、105’の基端部を軸受支持し、これらのアームの回転中心となり、その回転を支える。次に、(2)これらのアームを回転支持する部分の軸方向長さの一部分が、軸受としての機能から解放されて、プーリ(図4(a)のプーリ111参照)として機能する。このプーリは、左右各列のアーム伸縮機構A、Bにそれぞれ内蔵される、2つのプーリとタイミングベルトとの組合せから成る伝動機構の一構成要素を成すものである。次に、(3)左右各列の第1アーム105、105’の引限を定めるストッパ構造(例えば、円弧状周溝168、168’)を提供する。次に、(4)回転基台103と一体になって、ロボット旋回θ軸回りに回転する旋回軸として機能する。
【0068】
なお、ここで、特に回転支軸163が(4)の旋回軸としての機能を果たすためには、左右各列の第1アーム105、105’の基端部の軸受部をはじめ、その他の関節部に磁気ダンパー等を適用することによって、これらの部分が、前記した磁気結合を越える外力を加えられない限り、その状態を保つようにする工夫が必要である。
【0069】
次に、アーム駆動手段160を正逆回転させるための機構について説明する。
図3に図示されるように、回転円盤161の中央のボス部が、回転基台103の内部にまで伸長させられており、このボス部と第2のモータM2の出力軸に固定されたプーリとの間にタイミングベルト166が架け渡されている。したがって、この第2のモータM2を正逆回転制御することより、回転円盤161及びアーム駆動手段160を正逆回転制御することができ、これにより、左右各列のアーム伸縮機構A、Bの伸縮量を制御して、ハンド110、110’の定直線J上での進退動を制御することができる。第2のモータM2は、回転基台103の内部に固定されている。
【0070】
この第2のモータM2は、従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1における第2のモータM2とは異なる。次に述べる第1のモータM1、第3のモータM3と並んで、第1のモータM1に次いで設けられる2個目のモータの意味である。しかしながら、本実施例における第2のモータM2も、従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1における第2のモータM2も、共に左右両列もしくはいずれかの列のアーム伸縮機構の駆動源をなしている点で共通する。
【0071】
回転基台103及びそれより上方の構造物であるアーム駆動手段160、左右各列のアーム伸縮機構A、B、左右各列のハンド110、110' 等を第1のモータM1により旋回軸心Q(ロボット旋回θ軸)回りに旋回させるための構成、及びこれらを第3のモータM3によりロボット昇降Z軸(このロボット昇降Z軸は、ロボット旋回θ軸と一致する。)に沿って昇降させるための構成は、従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1における対応する構成と基本的に異なるところはなく、よって、詳細な説明を省略する。
【0072】
なお、ここで、アーム駆動手段160の回転駆動、回転基台103及びそれより上方の構成要素(アーム駆動手段160、左右各列のアーム伸縮機構A、B、左右各列のハンド110、110' )の旋回駆動を、前記したように、第2のモータM2、第1のモータM1を用いてそれぞれ行う方式に代えて、図10に図示されるように、1つのモータMIを用いて、このモータMIに磁気カップリング等を介してアーム駆動手段160及び回転基台103を直結させることにより行う方式(ダイレクトドライブ方式)に変形することができる。図10において、回転支軸163と回転基台103とは固着関係にあり、これらは一体に回転するものである。モータMIIは、ボールネジ機構151を介して昇降基台155を昇降させ、これにより、回転基台103及びそれより上方の構造物であるアーム駆動手段160、左右各列のアーム伸縮機構A、B、左右各列のハンド110、110' 等をロボット昇降Z軸に沿って昇降させる。
【0073】
このように、アーム駆動手段160及び回転基台103の駆動方式をダイレクトドライブ方式に変形することにより、左右各列のアーム伸縮機構A、Bの駆動系全体(駆動ユニット)、牽いては、ダブルアーム列式基板搬送用ロボット101の構造を簡単化、小型化、軽量化することができ、その製作費を安価にすることができる。また、モータMIは、旋回軸心Q回りに固定される(回転しない)ので、これらに電力を供給するケーブルは、回転基台103の旋回角に無関係になり、最短で済み、装置としての使い勝手が向上する。このダイレクトドライブ方式については、特許文献3、5を参照されたい。
【0074】
回転支軸163の適宜個所には、振動センサ165が取り付けられている。この振動センサ165は、左右各列のアーム伸縮機構A、Bが何らかの物体(相手側アーム伸縮機構の場合もある)に衝突したことをこの回転支軸163の振動として検出することができる。
【0075】
次に、本実施例のダブルアーム列式基板搬送用ロボット101における左右各列のアーム伸縮機構A、Bの動作を、図2、図5〜図9を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、左右各列のアーム伸縮機構A、Bは、第1アーム105、105’が後退(逆回転)して、ハンド110、110' が重なった最小旋回ポジションの位置にある。この時、△P2・P3・P1、△P2’・P3’・P1’は正三角形をなし、回転円盤161に設けられた第2の永久磁石162、162’は、第1アーム105、105’ に備えられた第1の永久磁石167、167’の直下にある(図2参照)。
【0076】
次いで、回転円盤161が反時計方向に回転(回転角τ)して、第2の永久磁石162が第1の永久磁石167を吸引しつつ、第1アーム105を同方向に回転(正回転)させる。同時に、ハンド110が定直線Jに沿って前進する。この時、第2の永久磁石162’が第1の永久磁石167’を吸引しても、第1アーム105’は引限ストッパにより制止されているので、これが同方向に回転(逆回転)することはない(図5参照)。回転円盤161が同方向に90°回転すると、左列のアーム伸縮機構Aは、その第1アーム105と第2アーム107とが120°の角度をなす状態に伸長する(図6参照)。回転円盤161が同方向にさらに30°回転すると、左列のアーム伸縮機構Aは、一直線状になって最大に伸長するが、通常は、ここまで伸長する前の適切な伸長量になるように、回転円盤161の回転角度が抑えられる。
【0077】
次いで、回転円盤161が時計方向に回転して、第2の永久磁石162が第1の永久磁石167を吸引しつつ、第1アーム105を同方向に回転(逆回転)させる。同時に、ハンド110が定直線Jに沿って後退する(図7参照)。回転円盤161が同方向に回転して回転円盤初期位置まで戻ると、左列のアーム伸縮機構Aは、アーム初期位置まで戻り、停止する。この時、第2の永久磁石162’は、 第1の永久磁石167’の直下の位置(回転円盤初期位置)まで戻っている(図8参照)。
【0078】
次いで、回転円盤161が時計方向に回転して、第2の永久磁石162’が第1の永久磁石167’を吸引しつつ、第1アーム105’を同方向に回転(正回転)させる。同時に、ハンド110’が定直線Jに沿って前進する。この時、第2の永久磁石162が第1の永久磁石167を吸引しても、第1アーム105は引限ストッパにより制止されているので、これが同方向に回転(逆回転)することはない。回転円盤161が同方向に90°回転すると、右列のアーム伸縮機構Bは、その第1アーム105’と第2アーム107’とが120°の角度をなす状態に伸長する(以上、図9参照)。回転円盤161が同方向にさらに30°回転すると、右列のアーム伸縮機構Bは、一直線状になって最大に伸長するが、通常は、ここまで伸長する前の適切な伸長量になるように、回転円盤161の回転角度が抑えられる。
【0079】
次いで、回転円盤161が反時計方向に回転して、第2の永久磁石162’が第1の永久磁石167’を吸引しつつ、第1アーム105’を同方向に回転(逆回転)させる。同時に、ハンド110’が定直線Jに沿って後退する。回転円盤161が同方向に回転して回転円盤初期位置まで戻ると、右列のアーム伸縮機構Bは、アーム初期位置まで戻り、停止する。この時、第2の永久磁石162は、第1の永久磁石167の直下の位置(回転円盤初期位置)まで戻っており、当初の状態(図2参照)となる。以上の工程は、図示されていないが、前記した、左列のアーム伸縮機構Aが最大に伸長した後、回転円盤161が反対方向に回転することにより、アーム初期位置まで戻り、停止する工程と同じである。
【0080】
本実施例のダブルアーム列式基板搬送用ロボット101は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
ダブルアーム列式基板搬送用ロボット101において、左右各列のアーム伸縮機構A、Bを位相差を持たせて伸縮さるために、左右各列の第1アーム105、105’を個別に水平面内で位相差を持たせて正逆回転させるのに、従来のように、モータが直接的に使用されることはないので、このモータの2台分(従来のモータM2、M2’。図11参照。)を削減することができる。代わりに、新たにアーム駆動手段160を正逆回転させるのに、1台のモータM2が必要となるにしても、差し引き少なくとも、モータの1台分を削減することができる。これにより、以下に述べるような種々の効果が得られる。
【0081】
先ず、左右各列のアーム伸縮機構A、Bを1台のモータ(アクチュエータ)M2で駆動できるので、ロボットの小型化、軽量化が可能になり、また、削減されたモータの代わりに永久磁石162、162’、167、167’が利用されるので、動力伝達系からの発塵が減少する。これらにより、真空用のロボットとして好適なダブルアーム列式基板搬送用ロボットが得られる。
【0082】
次に、左右各列の第1アーム105、105’を水平面内で位相差を持たせて正逆回転させるのに、永久磁石162、162’ 、167、167’が利用されるので、アーム伸縮機構A、Bの駆動系をシンプルな構造にすることができる。また、左右各列の第1アーム105、105’の根元部に駆動伝達源がなくなるので、アームの外形を小さく(最小回転半径を小さく)、低く構成することができ、アーム伸縮機構A、Bをθ軸回りに回転させる旋回基台103の外形も小さく構成することができる。これらにより、アーム伸縮機構A、Bの駆動系全体(駆動ユニット)、牽いては、ダブルアーム列式基板搬送用ロボット101の構造を簡単化、小型化、軽量化することができ、その製作費を安価にすることができる。
【0083】
次に、旋回基台103の外形を小さく構成することができるので、これをロボット本体102(不図示。従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボット1におけるロボット本体2に対応するロボットの外胴基体。図10参照。)や真空室164に対して回転自在に、且つ、気密に支持するために必要とされる軸受や磁性流体シールを小径で、構造が簡単なものにすることができ、この面からも、ダブルアーム列式基板搬送用ロボット101の構造を簡単化、小型化、軽量化することができ、その製作費を安価にすることができる。
【0084】
次に、アーム伸縮機構A、Bの駆動系から少なくともモータの1台分を削減することができるので、その分、モータ減速機を削減することができ、また、多段の磁性流体シールも減段することができ、これらによる振動伝達遅れが少なくなり、左右各列のアーム伸縮機構A、Bが何らかの物体(相手側アーム伸縮機構の場合もある)に衝突したことの検知も、振動センサにより可能になる。
【0085】
次に、左右各列の第1アーム105、105’を水平面内で位相差を持たせて正逆回転させるのに、永久磁石162、162’ 、167、167’が利用されるので、左右各列のアーム伸縮機構A、Bが何らかの物体(相手側アーム伸縮機構の場合もある)に過大に衝突した際には、エスケープすることができ、ロボットや搬送物に与える衝突時ダメージを最小にすることができる。
以上のとおり、種々の効果を奏することができる。
【0086】
また、その左右各列のアーム伸縮機構A、Bは、その内部に伝動機構を有し、該伝動機構は、左右各列の第1アーム105、105’が位相差を持って水平面内で正逆回転することにより、左右各列のアーム伸縮機構A、Bが位相差を持って伸縮して、左右各列のハンド110、110'が、姿勢を変えることなく、位相差を持って水平方向に、平面視して、同一直線上を直線運動するようにさせるものであるので、その伝動機構を、左右各列のアーム伸縮機構A、Bの内部に収容して、装置全体をコンパクトにまとめることができる。また、伝動機構からの発塵を封じ込めることができる。
【0087】
また、アーム駆動手段160が、回転円盤161から成り、該回転円盤161は、左右各列の第1アーム105、105’の直下に、該左右各列の第1アーム105、105’の回転支軸163と同心に備えられ、該回転円盤161の該左右各列の第1アーム105、105’に面する側の、これらのアームに対向する所定位置に、第2の永久磁石162、162’が設けられているので、アーム駆動手段160をシンプルな構造にすることができ、しかも、その駆動制御は、回転円盤161の回転制御により行えるので、簡単に行える。
【0088】
さらに、左右各列の第1アーム105、105’は、左右各列のアーム伸縮機構A、Bが最小旋回ポジションにある時のその(左右各列の第1アーム105、105’の)位置を越えては、第1の永久磁石167、167’と第2の永久磁石162、162’との磁気結合を介して逆回転させられないように、その引限を定めるストッパが設けられているので、簡単な構成を以って、アーム駆動手段160が正逆回転することにより左右各列の第1アーム105、105’が位相差を持って正逆回転する動作を確実に、円滑に行わせることができる。
【0089】
さらに、また、アーム駆動手段160の回転駆動、回転基台103及びそれより上方の構成要素(アーム駆動手段160、左右各列のアーム伸縮機構A、B、左右各列のハンド110、110' )の旋回駆動の駆動方式がダイレクトドライブ方式とされて、それらの駆動が1台のモータMIにより行われる場合には、モータの1台分をさらに削減することができ、左右各列のアーム伸縮機構A、Bの駆動系全体(駆動ユニット)、牽いては、ダブルアーム列式基板搬送用ロボット101の構造をさらに簡単化、小型化、軽量化することができ、その製作費をさらに安価にすることができる。
また、この場合において、ダイレクトドライブ用モータMIは、旋回軸心Q回りに固定される(回転しない)ので、これらに電力を供給するケーブルは、回転基台103の旋回角に無関係になり、最短で済み、装置としての使い勝手が向上する。
その他、種々の効果を奏することができる。
【0090】
なお、本願の発明は、以上の実施例に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
また、第2の永久磁石162、162’を有するアーム駆動手段160により第1アーム105、105’を回転駆動させるとの本願の発明の基本着想は、永久磁石の数を1個減らすことにより、これをシングルアーム列式基板搬送用ロボットに応用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本願の発明の一実施例のダブルアーム列式基板搬送用ロボットの旋回基台よりも上方部分の斜視図である。
【図2】同ダブルアーム列式基板搬送用ロボットの平面図であって、2列のアーム伸縮機構(ダブルアーム列)が最小旋回ポジションにある時の状態を示す図である。
【図3】同ダブルアーム列式基板搬送用ロボットの概略側面図であって、一部を断面にして示す図である。
【図4】同アーム伸縮機構の第1アーム軸受部の構造を示す図であって、(a)はその側断面図、(b)はその平面図であって、一部を破断して示す図である。
【図5】同2列のアーム伸縮機構が最小旋回ポジションにある時の状態から変位した状態を示す図である。
【図6】同2列のアーム伸縮機構が最小旋回ポジションにある時の状態からさらに変位した状態を示す図である。
【図7】同2列のアーム伸縮機構が最小旋回ポジションにある時の状態からさらに変位した状態を示す図である。
【図8】同2列のアーム伸縮機構が最小旋回ポジションにある時の状態からさらに変位した状態を示す図である。
【図9】同2列のアーム伸縮機構が最小旋回ポジションにある時の状態からさらに変位した状態を示す図である。
【図10】同ダブルアーム列式基板搬送用ロボットの変形例の概略側面図であって、一部を断面にして示す図である。
【図11】従来のダブルアーム列式基板搬送用ロボットの概略縦断面図である。
【図12】同ダブルアーム列式基板搬送用ロボットのアーム伸縮機構のスケルトン図である。
【図13】同ダブルアーム列式基板搬送用ロボットの斜視図である。
【符号の説明】
【0092】
1、1’…基板搬送用ロボット、2…ロボット本体、3…回転基台、4、4’…第1支軸、5、5’…第1アーム、6、6’…第2支軸、7、7’…第2アーム、8、8’…第3支軸、9、9’…第3アーム、10、10’…ハンド、11、11’、12、12’…プーリ、13、13’…タイミングベルト、21、21’、22、22’…プーリ、23、23’…タイミングベルト、30、30’…基板、40…制御装置、50…昇降機構、51…ボールネジ機構、52、53…プーリ、54…タイミングベルト、55…昇降基台、101…ダブルアーム列式基板搬送用ロボット、103…回転基台、105、105’…第1アーム、107、107’…第2アーム、110、110’…ハンド、151…ボールネジ機構、155…昇降基台、160…アーム駆動手段、161…回転円盤、162、162’…第2の永久磁石、163…回転支軸、164…真空室、165…振動センサ、166…タイミングベルト、167、167’…第1の永久磁石、168、168’…円弧状周溝、169、169’…ピン、A、B…アーム列、M1、M2、M2’、M3…第1〜第3のモータ、MI、MII…第1、第2のモータ、G1、G2…減速機、J…定直線、P1〜P3、P1’〜P3’…第1〜第3支軸の中心、P4、P4’…基板の中心、Q…旋回軸心。























【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1及び第2の2つのアームが順次結節されて、1列のアーム伸縮機構が構成され、このようなアーム伸縮機構が左右に2列備えられており、
左右各列の最終段アームの先端には、ハンドが結節されて設けられ、
左右各列の前記第1アームを位相差を持って正逆回転させることにより、左右各列の前記アーム伸縮機構が位相差を持って伸縮して、左右各列の前記ハンドが位相差を持って直線運動するように構成されて成る
ダブルアーム列式基板搬送用ロボットにおいて、
アーム駆動手段がさらに備えられ、
前記アーム駆動手段は、左右各列の前記第1アームに備えられる第1の永久磁石に対応させて、第2の永久磁石を有し、
前記アーム駆動手段が正逆回転することにより、前記第2の永久磁石が正逆回転して、前記第2の永久磁石と前記第1の永久磁石との磁気結合を介して左右各列の前記第1アームが位相差を持って正逆回転するようにされている
ことを特徴とするダブルアーム列式基板搬送用ロボット。
【請求項2】
左右各列の前記アーム伸縮機構は、その内部に伝動機構を有し、
前記伝動機構は、左右各列の前記第1アームが位相差を持って水平面内で正逆回転することにより、左右各列の前記アーム伸縮機構が位相差を持って伸縮して、左右各列の前記ハンドが、姿勢を変えることなく、位相差を持って水平方向に、平面視して、同一直線上を直線運動するようにさせるものである
ことを特徴とする請求項1に記載のダブルアーム列式基板搬送用ロボット。
【請求項3】
前記アーム駆動手段は、回転円盤から成り、
前記回転円盤は、左右各列の前記第1アームの直下に、左右各列の前記第1アームの回転支軸と同心に備えられ、
前記回転円盤の左右各列の前記第1アームに面する側の、左右各列の前記第1アームに対向する所定位置に、前記第2の永久磁石が設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のダブルアーム列式基板搬送用ロボット。
【請求項4】
左右各列の前記第1アームは、左右各列の前記アーム伸縮機構が最小旋回ポジションにある時のその位置を越えては、前記磁気結合を介して逆回転させられないように、その引限を定めるストッパが設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のダブルアーム列式基板搬送用ロボット。























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−130733(P2007−130733A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−328217(P2005−328217)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(391032358)平田機工株式会社 (107)
【Fターム(参考)】