説明

チャージエアシステム及びチャージエアシステム動作方法

【課題】動作の確実性及び耐久性が改良された2ステージターボチャージャ又は機械的コンプレッサを含む冷却システムを提供する。
【解決手段】第1のターボチャージャステージ20により吸入された空気中の水分量を推定するステップと、第1のターボチャージャステージ20と第2のターボチャージャステージ30との間に配置された第1の熱交換器22により放出される空気の第1の露点温度Tdew1を推定するステップと、第1の露点温度Tdew1を、第1の熱交換器22から放出される空気の推定温度T2と比較するステップと、第2の温度T2が第1の露点温度Tdew1よりも低い場合に、第2の温度T2を第1の露点温度Tdew1よりも高温に上昇させるために空気バイパス24及び/又は冷却媒体質量流量制御ユニット62を作動させるステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明の独立請求項の冒頭に記載されているチャージエア及びチャージエア動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン動作中、吸気温度が露点温度よりも低下すると、エンジンのチャージエアシステム及び吸気マニホルド並びにパワーシリンダにて水分が凝縮することがある。露点温度は、ガスが所与のブースト圧力及び周囲湿度条件に対する飽和状態に達する温度として定義されることができる。
【0003】
現代の車両は、一般に、化学物質排出値の低下を達成するために、排ガスを冷却して燃焼チャンバ内に再循環させる排ガス再循環を用いている。特許文献1は、吸気マニホルド及びパワーシリンダにおける凝縮の蓄積を排除することを開示しており、これは、チャージエアクーラ(CAC)及び/又は排ガス再循環クーラ(EGR)のバイパスをエンジンの吸気マニホルドに隣接して設け、それにより、吸気マニホルドの温度を、吸気マニホルドにおける凝縮を回避するように制御することにより行われる。これは、凝縮された水分が再循環された排ガスと接触するときに、吸気マニホルド及びパワーシリンダに腐食を生じさせる可能性のある酸が形成されることを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,007,680号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、動作の確実性及び耐久性が改良された2ステージ(dual stage)ターボチャージャ又は機械的コンプレッサを含む冷却システムを提供することにある。本発明の別の目的は、前記冷却システムの動作方法を提供することにある。
【0006】
この目的は、本発明の独立請求項に記載されている冷却システム及び前記冷却システムの動作方法により達成される。その他の請求項及び説明が、本発明の有利な実施形態を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
燃焼エンジンのためのチャージエアシステムであって、前記エンジンに供給される吸気を第1の圧力から第2の圧力に圧縮するための第1のブーストシステム(例えばターボチャージャステージ)と;前記圧縮された空気を第3の圧力に圧縮するための第2のターボチャージャステージと;前記圧縮空気を冷却するために前記第1のターボチャージャステージと前記第2のターボチャージャステージとの間に配置された第1の熱交換器と;前記空気の流量を、例えば、前記第1の熱交換器を空気が少なくとも部分的に迂回し、又は、好ましくは完全に迂回することにより調整するための第1の吸気バイパス、及び/又は、前記第1の熱交換器に供給される冷却媒体の流量を制御するための第1の質量流量制御ユニットとを含むチャージエアシステムが提供される。好ましくは、前記第1の熱交換器から放出されている前記媒体の温度が、露点温度よりも十分に高く維持されることができる。従って、水分の凝縮、及び、その後に生じる可能性のある氷粒子の形成を回避することができる。前記第2のターボチャージャステージは高圧ブースト装置として特に損傷を受けやすい。特には暖機中、低負荷、低周囲温度の状態において、第1の熱交換器の下流のエアコンプレッサ(特にはエアコンプレッサのコンプレッサホイール)の、第1の熱交換器から抜け出す水滴又は氷粒子による損傷を防止することができる。これは、空気熱交換器、1以上の排気再循環熱交換器、又は冷却媒体の完全な又は部分的な(調整による)迂回により、そしてそれにより、バイパスを通る空気量の調整と、前記熱交換器の冷却媒体の質量流量とを組み合わせることにより達成される。
【0008】
好ましい実施形態において、第2の熱交換器が第2ターボチャージャステージの下流に、第2ターボチャージャステージとエンジンの吸気マニホルドとの間に設けられる。第2の吸気バイパスが、第2の熱交換器を通る空気の流量を、例えば、前記第2の熱交換器を空気が少なくとも部分的に、好ましくは完全に迂回することにより調整するために設けられる。さらに、又は、或いは、前記第2の熱交換器に供給される冷却媒体の流量を制御するために、第2の質量流量制御ユニットを設けることができる。前記第1の空気熱交換器は低圧のエアクーラであり、前記第2の熱交換器は、燃焼酸化物(周囲空気、又は、排ガスが吸気マニホルドに再循環される場合には空気−排気混合物であり得る)のための高圧のエアクーラである。第2ターボチャージャステージの下流における水分の凝縮は回避されることができ、エンジンの吸気マニホルドの損傷、例えば腐食が防止される。空気が最も高圧である第2の空気熱交換器の下流においては、水分が凝縮する危険性が、第1の熱交換器ステージにおいてよりもさらに高い。なぜなら、空気又は空気−排気混合物の温度は、第1の熱交換器の後ろの位置における温度とほぼ同一であるが、圧力はより高くなっており、従って凝縮がより生じやすいからである。しかし、コンプレッサホイールは、吸気マニホルドが腐食されるよりも、さらに損傷を受けやすい。
【0009】
さらなる実施形態に従えば、排ガスを前記エンジンの排気マニホルドから前記吸気マニホルドに再循環させるために排ガス再循環(EGR)システムを設けることができる。好ましくは、第1の排気熱交換器を、前記エンジンの下流の排気ラインに、排ガスを第1の排気温度に冷却するために設けることができる。前記第1の排気熱交換器を通る排気の流量を、前記第1の排気熱交換器を排気が少なくとも部分的に又は完全に迂回することにより調整するために、第1の排気バイパスを設けることができる。さらに、又は、或いは、前記第1の排気熱交換器に供給される冷却媒体の流量を制御するために、第3の質量流量制御ユニットを設けることができる。水分の凝縮の危険性は、1以上の排気熱交換器においても、特に、排気が分岐されて空気又は低温冷却剤回路により冷却される場合に存在する。
【0010】
前記第1の排気熱交換器から受けた排ガスを第2の排気温度に冷却するために第2の排気熱交換器を前記エンジンの下流の前記排気ラインに配置することができる場合、前記吸気マニホルドの腐食、及び、前記吸気熱交換器における凝縮を、それぞれ、低圧EGRシステム及び高圧EGRシステムの両方において回避することができる。このために、排気が少なくとも部分的に又は完全に前記第2の排気熱交換器を迂回することにより排気の流量を調整するための第2の排気バイパス、及び/又は、前記第2の排気熱交換器に供給される冷却媒体の流量を制御するための第4の質量流量制御ユニットを設けることができる。
【0011】
燃焼のために供給される吸気又は空気−排気混合物の所望の温度の確立を容易に制御するために、前記第1の熱交換器、前記第2の熱交換器の少なくとも一方を迂回する空気の量、及び/又は、前記第1の排気熱交換器、前記第2の排気熱交換器の少なくとも一方を迂回する排ガスの量、並びに/若しくは、前記第1の排気熱交換器、第2の熱交換器、第1の排気熱交換器、第2の排気熱交換器の少なくとも1つを通る冷却媒体の質量流量を制御するための制御ユニットを設けることができる。
【0012】
好ましくは、前記第1の熱交換器の放出口に、センサユニットを、前記熱交換器から放出される空気の露点温度を推定するために設けることができ、且つ/又は、前記第2の排気熱交換器の放出口に、センサユニットを、前記熱交換器から放出される排気の露点温度を推定するために設けることができる。
【0013】
本発明の別の態様に従えば、チャージエアシステムのための動作方法であって、第1のターボチャージャステージにて吸気を第1の圧力から第2の圧力に圧縮するステップと、前記圧縮された空気を、第2のターボチャージャステージにて第3の圧力に圧縮するステップと、前記第1のターボチャージャステージにより吸入された空気中の水分量を推定するステップと、前記第1のターボチャージャステージと第2のターボチャージャステージとの間に配置された第1の熱交換器により放出される前記空気の第1の露点温度を推定するステップと、前記第1の露点温度を、前記第1の熱交換器から放出される空気の推定温度と比較するステップと、前記第2の温度が前記第1露点温度よりも低い場合に、前記第2の温度を前記第1露点温度よりも高温に上昇させるために、空気バイパス及び/又は冷却媒体質量流量制御ユニットを作動させるステップとを含む動作方法が提示される。チャージエア温度が、所与のブースト圧力及び周囲条件に対する露点温度よりも低温に降下した場合、前記第1のターボチャージャステージにより吸入された空気中の水分は、前記第1の空気熱交換器にて、又は前記第1の空気熱交換器の後に凝縮するであろう。2ステージターボチャージングにおいては、水滴、及び氷粒子さえもが前記第1ターボチャージャステージの下流の高圧の第2ターボチャージャステージにて生じて、ブースト要素のコンプレッサホイール又はその他の部品を損傷することがある。1ステージターボチャージャに関してもこの危険性が存在するが、その影響は、次のターボチャージャステージを損傷することに比べて小さい。第2ターボチャージャステージであるブースト装置の上流における水分の凝縮は確実に回避されることができる。
【0014】
好ましくは、第1の熱交換器及び/又は第2の熱交換器を通る空気の流量が調整されることができる。これは、例えば、前記第1の熱交換器及び/又は第2の熱交換器を少なくとも部分的に迂回することにより、又は、好ましくは、前記第1の熱交換器及び/又は第2の熱交換器を完全に迂回することにより行われることができる。
【0015】
吸入された空気中の水分量の推定は、第1の周囲温度、周囲湿度、及び第1の圧力に基づいて行われることができる。
【0016】
水分の凝縮は、前記第2の熱交換器により放出される空気の第2の露点温度を推定し、前記露点温度を、前記第2の熱交換器により放出された空気の推定された第3の温度と比較し、そして、前記第2の温度が前記第2の露点温度よりも低い場合には、前記第3の温度を前記露点温度よりも高温に上昇させるために空気バイパス及び/又は冷却媒体質量流量制御ユニットを作動させることにより、さらに回避されることができる。
【0017】
好ましくは、前記エンジンのコールドスタート時の前記第1の熱交換器及び/又は前記第2熱交換器の暖機動作に対する補償のために、遅延機能が適用されることができる。
【0018】
露点温度を決定するために、第2の排気熱交換器の下流における、再循環された排ガス中の水分量を推定することができる。
【0019】
第4の露点温度を、前記エンジンの前記吸気マニホルドに直接又は間接的に戻された排ガス中の水分量に従って推定し、前記第3の露点温度を、前記第2排気熱交換器から放出された排気の推定温度と比較すること、及び、前記推定温度が前記第4露点温度よりも低温である場合に排気バイパス及び/又は冷却媒体質量流量制御ユニットを作動させることにより、吸気マニホルドに直接再循環される排気中の(高圧EGRシステム)、又は、前記第1ターボチャージャステージの上流の吸気中の(低圧EGRシステム)水滴の発生を防止することができる。
【0020】
好ましい低圧EGRシステムにおいて、前記第1ターボチャージャステージに空気−排気混合物を供給することにより、前記空気−排気混合物中の水分量を推定すること、前記第1の熱交換器の上流における第1の露点温度を推定すること、前記第1の露点温度を、前記第1の熱交換器により放出された空気−排気混合物の推定温度と比較すること、前記第2の温度が前記第1の露点温度よりも低い場合には、前記第2の温度を前記第1露点温度よりも高温に上昇させるために空気バイパス及び/又は冷却媒体質量流量制御ユニットを作動させることが好ましい。
【0021】
好ましくは、再循環された排ガス中の水分量を、前記エンジンの空気/燃料比から導出することができる。
【0022】
好ましいステップにおいて、前記第2の温度をセンサユニットにより測定することができる。センサユニットの個数は、前記第2の温度が、前記第1の温度、前記第1の圧力及び第2の圧力、並びに、前記第1ターボチャージャステージから導出されるコンプレッサの等エントロピに基づいて算出されることができるならば、低減されることができる。
【0023】
前記第1の空気熱交換器及び第2の空気熱交換器の下流の圧力を、センサを用いる代わりにターボチャージャステージの回転速度に基づいて算出することも可能である。可変ジオメトリタービン(VGT)が用いられている場合、ベーン/ノズル位置も提示される。排ガスタービン(WG)が用いられている場合、排ガス位置も提示される。
【0024】
前記エンジンのコールドスタート時の前記第1の排気熱交換器及び/又は第2の排気熱交換器の暖機動作に対する補償のために、遅延機能を適用することができる。
【0025】
本発明は、上記の及び他の目的及び利点と共に、以下に記載する実施形態の詳細な説明から、しかし、これらの実施形態に限定されずに、添付図面を参照しつつ最良に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】チャージエア熱交換器にバイパスを有する2ステージターボチャージャを含む冷却システムの、高圧EGRシステムのための第1の好ましい実施形態である。
【図2】チャージエア熱交換器にバイパスを有する2ステージターボチャージャを含む冷却システムの、低圧EGRシステムのための第2の好ましい実施形態である。
【図3】制御された冷却媒体の質量流量を有する2ステージターボチャージャを含む冷却システムの、高圧EGRシステムのための第3の好ましい実施形態である。
【図4】制御された冷却媒体の質量流量を有する2ステージターボチャージャを含む冷却システムの、低圧EGRシステムのための第4の好ましい実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面において、類似の要素には類似の参照番号が付されている。図面は単なる概略的な表示であり、本発明の特定のパラメータを示すためのものではない。また、図面は、本発明の典型的な実施形態を示すためのものに過ぎず、従って、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【0028】
図1は、本発明の第1の好ましい実施形態を示す。車両の燃焼エンジン10のための冷却システムが、エンジン10に供給される吸気を第1の周囲圧力p1から第2の圧力p2に圧縮するための第1のターボチャージャステージ20と、前記圧縮された空気を第3の圧力p3に圧縮するための第2のターボチャージャステージ30と、前記圧縮された空気を冷却するために第1のターボチャージャステージ20と第2のターボチャージャステージ30との間に配置された第1の熱交換器22と、第1の熱交換器22を空気が少なくとも部分的に迂回するための第1の吸気バイパス24とを備える。空気の流れの方向は、給気ライン16における矢印により示されている。
【0029】
第1のターボチャージャステージ20は、給気ライン16におけるコンプレッサ20c、及び、排気ライン18におけるタービン20tを含む。第2のターボチャージャステージ30は、給気ライン16におけるコンプレッサ30c、及び、排気ライン18におけるタービン30tを含む。タービン20t,30tは、コンプレッサ20c,30cのコンプレッサホイールを、回転速度nt1(第1ターボチャージャステージ20)、及び、回転速度nt2(第2ターボチャージャステージ30)で駆動させる。タービン20tはコンプレッサ20cに一般的なシャフトにより連結されており、タービン30tもコンプレッサ30cに一般的なシャフトにより連結されている。
【0030】
第2の熱交換器32が、給気ライン16に、第2ターボチャージャステージ30の下流にて、エンジン10の第2ターボチャージャステージ30と吸気マニホルド12との間に配置されている。第2の中間空気バイパス34が、第2の熱交換器32を空気が少なくとも部分的に迂回するように空気流量を調整するために設けられている。
【0031】
排ガス再循環(EGR)システム80が、排ガスをエンジン10の排気マニホルド14から吸気マニホルド12に再循環させるために設けられている。EGRシステム80は高圧システムとして設定されており、排ガスは、第2ターボチャージャステージ30の下流にて吸気と混合される(短い回路)。
【0032】
第1の排気熱交換器42が、エンジン10の下流の排気ライン18bに、排ガスを第1の排気温度T4に冷却するために設けられており、第1の排気バイパス44が、第1の排気熱交換器42を通る排ガス流量を調整するために設けられている。
【0033】
排気マニホルド14から排気ライン18aに排出される加圧された高温の排ガスが、ジョイント82にて、第1の排ガス量と第2の排ガス量とに分岐する。第1の排ガス量は排気ライン18に排出され、タービン30t,20tを膨張及び冷却により駆動する。第2の排ガス量は、ジョイント82に配置されたEGR弁40により制御される再循環ライン18bに供給される。或いは、EGR弁40をEGRクーラ(排気熱交換器42又は46)の後に配置することもできる。排ガスの流れの方向が、それぞれの排ガスライン18,18a,18b,18cにおける矢印により示されている。
【0034】
第2の排気熱交換器46が、エンジン10の下流の排気ライン18bに、第1の排気熱交換器42から受け入れた排ガスを第2の排気温度T5に冷却するために配置されている。第2の排気バイパス48が、第2の排気熱交換器46を通る排ガス流量を調整するために設けられている。
【0035】
ラジエータユニット50が、低温ラジエータ52及び高温ラジエータ54を含む。冷却媒体、例えば冷却剤などが、ラジエータ52及び54を通って流れる。冷却媒体の典型的な温度は、低温ラジエータ52において約30℃〜50℃であり、高温ラジエータ54においては約80℃〜100℃である。冷却エアが、ファン56により、上記の熱交換器を通して運ばれる。車両がその通常の駆動方向に移動しているときにラジエータユニット50の前側に衝突する向かい風が、黒色の矢印により示されている。
【0036】
低温ラジエータ52を通って流れる冷却媒体は、第2の熱交換器32に、そして、これと並行して第1の熱交換器22に供給される。或いは、冷却媒体は、第1の熱交換器32及び22に連続的に供給されることができる。熱交換器22,32から放出された冷却媒体は低温ラジエータ52に戻される。冷却媒体の流れの方向は、それぞれの媒体のラインにおける矢印により示されている。
【0037】
高温ラジエータ54を通って流れる冷却媒体は、第1の排気熱交換器42に、そして、これと並行してエンジン10に(或いは、排気熱交換器42とエンジン10に連続的に)供給され、そして、3方弁58を経由して高温ラジエータ54に戻される。高温ラジエータ54は迂回されることができ、エンジン10から放出された冷却媒体が第1の排気熱交換器42に直接供給されることができる。第2の排気熱交換器46に低温ラジエータ52から冷却媒体が供給される。この冷却媒体は、第1の熱交換器22の上流にて分岐し、従って、第1の熱交換器22及び第2の熱交換器32、並びに第2の排気熱交換器46に並行して供給される。
【0038】
第2の排気熱交換器から放出され、又は第2の排気熱交換器を迂回する排ガスが排気ライン18cに供給され、ターボチャージャステージ20,30から放出された加圧空気とジョイント38にて混合され、エンジン10の吸気マニホルド12に供給される。
【0039】
好ましくはエンジン動作のための電子制御ユニット(ECU)の形態である制御ユニット90が、第1の熱交換器22、第2の熱交換器32の少なくとも一方を迂回する空気の量、及び、第1の排気熱交換器42、第2の排気熱交換器46の少なくとも一方を迂回する排ガスの量を制御するために設けられる。また、制御ユニット90はセンサユニット114のセンサ信号を処理する。センサユニット114は、エンジン10を動作させるために当分野で公知の必要な空気/燃料比をもたらすエンジン10の荷重及び回転速度を検知する。
【0040】
適切な制御を可能にするために、センサユニット104〜114が、冷却システムにおける適切な位置に配置されている。第1のセンサユニット100が、給気ライン16に入る周囲空気のための入口に配置されて、周囲温度T1、周囲圧力p1及び周囲湿度Ψを提示する。第2のセンサユニット102が、第1のターボチャージャステージ20に配置されて、コンプレッサ20cを駆動するタービン20tの回転速度nt1を示す。第3のセンサユニット104が、第1の熱交換器22の放出口に、第1の熱交換器22から放出される空気の露点温度を推定し、第2の温度T2及び第2の圧力p2を示すために設けられている。
【0041】
第4のセンサユニット112が、第2の排気熱交換器46の放出口に、排気熱交換器46から放出される排気の露点温度を推定するために設けられており、2ステージターボチャージャ20、30のそれぞれにより圧縮されている吸気、及び、空気−排気混合物の第3の温度T3及び第3の圧力p3を示す。
【0042】
第1の排気熱交換器42の放出口に、第5のセンサユニット110が配置されて、第1の排気熱交換器42から放出される排ガスの第4の温度T4及び圧力p4を示す。第2の排気熱交換器46の放出口に、第6のセンサユニット112が配置されて、吸気マニホルド12の上流における排気ライン18cに放出されている排ガスの温度T5及び排気圧力p5を示す。センサユニット114が、エンジンの回転速度及びエンジン10の負荷に関する情報を提供する。
【0043】
供給された燃焼空気を、周囲圧力p1から第1の圧力p2に圧縮するとき、第1のターボチャージャステージ20における水分の凝縮、及び、その結果として続いて生じる氷粒子の形成は、放出される空気の第2の温度T2が露点より高く維持されるならば、防止されることができる。例えば、周囲温度T1が氷点(例えば0℃)よりも低い場合、水分が凍結して氷粒子が形成されることがある。第2の温度T2が上昇した場合、氷粒子が溶け出して第2ターボチャージャステージ30のコンプレッサホイールに損傷を与えることがある。
【0044】
第1のターボチャージャステージ20と第2のターボチャージャステージ30との間の第1の露点温度Tdew1は、公知の熱力学的関係により算出されることができる。制御ユニット90は、第1のターボチャージャステージ20により吸入された周囲空気中の水分量を、周囲温度T1、周囲圧力p1及び周囲湿度Ψにより算出する。次いで、制御ユニット90は、第1の空気熱変換器22の後の第1の露点を、第1の空気熱変換器22の放出口における空気の圧力p2に基づいて算出する。次いで、第2の温度T2が推定されて、第1の露点温度Tdew1と比較される。T2<Tdew1であるならば、制御ユニット90はバイパス弁24vを開放して、バイパス24を通って第1の熱交換器22を迂回する空気の量を、T2がTdew1よりも高温に上昇するように制御する。こうして、熱交換器22にて冷却された圧縮空気が、高温の圧縮空気と混合される。好ましくは、第2の温度T2は、連続的にモニタリングされて、エンジン動作中、Tdew1より高温に維持される。
【0045】
第2の温度T2をセンサユニット104により測定する代わりに、温度T2を、十分に正確な温度値が得られるように算出することが可能である。第2の温度T2は、周囲温度T1、周囲圧力p1、及び、第1の空気熱交換器22の放出口における第2の圧力p2、並びに、ターボチャージャに用いられる特定のコンプレッサタイプに関して公知のコンプレッサの等エントロピ効率から算出されることができる。第2の圧力p2を測定する代わりに、第2の圧力p2の値は、タービン速度nt1と、通常の関数曲線族を含むそれぞれのコンプレッサマップとを共に用いることにより算出することができる。可変タービンジオメトリ(VTG)を有するタービンが用いられている場合、ベーン/ノズル位置が算出のために用いられる。ウエストゲートタービンが用いられている場合、ウエストゲート位置が算出のために用いられる。
【0046】
同様に、第2の露点温度Tdew2を、制御ユニット90にて計算され又はセンサユニット108により測定されるp3から算出することができる。第2ターボチャージャステージ30の放出口における圧縮空気の第3の温度T3は、センサユニット108により測定されることができ、又は制御ユニット90にて計算されることができる。こうして、バイパス弁34vが、第1ターボチャージャステージ20に関して記載したように、第2の露点温度Tdew2と第3の温度T3との比較に基づいて制御されることができる。
【0047】
エンジン10のコールドスタート時、及び暖機中には、第1の空気熱交換器22の温度は、熱交換器22に入ってくる冷却媒体及び圧縮空気により温度調整(temper)され始める熱交換器の質量により、まだ安定状態ではない。冷却媒体の温度、周囲温度T1、及び第1の熱交換器22の質量を考慮した遅延機能を、バイパス弁24v及びバイパス弁34vを制御するために用いることができることが合理的である。この遅延機能は、各タイプのエンジン10に固有である。遅延機能により、迂回される圧縮空気の量が、通常の動作状態よりも多くなることがある。
【0048】
EGRシステム80において、排ガス中の水分量を推定することにより、第1の排気熱交換器42及び/又は第2の排気熱交換器46の下流における凝縮を防止することも可能である。排ガス中の水分量は、エンジン10を点火するために供給される空気/燃料及び空気湿度を用いて算出されることができる。この比率は、当分野で公知のエンジン動作中の通常のラムダ調整により、制御ユニット90において日常的に知られる。
【0049】
第1の排気熱交換器42に関して、バイパス44は、第3の露点温度Tdew3と、排気熱交換器44の排気における第4の温度T4及び第4の圧力p4とを比較した結果に対応してバイパス弁44vを作動させることにより動作されることができる。第3の露点温度Tdew3は、第4のセンサユニット110により測定される第4の圧力値p4、及び、排気ライン18bにより第1の排気熱交換器42に供給される排ガス中の水分量から算出されることができる。第4の温度はセンサユニットT4により測定されることができる。第4の露点温度Tdew4は、第5のセンサユニット112により測定される第5の圧力値p5、及び、排気ライン18bにより第2の排気熱交換器46に供給される排ガス中の水分量から算出されることができる。第5の温度T5はセンサユニット112により測定されることができる。適切な量の排ガスが、バイパス48v弁を起動させることによりバイパス48に入ることができ、これにより、第2の排気熱交換器46から排気ライン18cに放出される排ガスの温度T5を上昇させ、又は維持することができる。ジョイント38にて、排ガスは、新鮮な圧縮空気と混合されて、エンジン10の吸気マニホルド12に供給される。
【0050】
EGRシステム80は高圧システムであり、このシステムにおいて、排ガスがEGRシステム80に、EGR制御弁40を制御することにより供給され、そして、圧縮空気と高圧にて混合される。低温冷却媒体が第2の排気熱交換器46に供給されるとき、EGRシステム80における凝縮の危険性は特に増大する。従って、第5の温度T5及び第5の圧力p5が、第4の露点温度Tdew4を算出して比較するために検討され、そして、第4の露点温度Tdew4が、EGRクーラバイパスを制御するために用いられる。
【0051】
図2は、図1に示した冷却システムに非常に類似した、好ましい冷却システムの別の実施形態である。この冷却システムは、EGRシステム80におけるセンサユニット100〜114、ターボチャージャステージ20,30、空気熱交換器22,32のバイパス24,34、及び、バイパス44,48をそれぞれ有する排気熱交換器42,46と、先に記載したようなラジエータユニット50の冷却媒体回路とを備える。類似の要素及び機能の説明に関し、不要な繰り返しを避けるため、図1の説明を参照されたい。しかし、この実施形態において、EGRシステム80は、排ガスが給気ライン16への長い経路を通って再循環される低圧システムとして設定され、給気ライン16にて排ガスが新鮮な周囲空気と周囲圧力p1にて混合される。ターボチャージャステージ30,20のタービン30t,20tを駆動させた排ガスの一部が、排気ライン18にて、好ましくは、ディーゼル粒子フィルタ28の後に排出される。フィルタ28の下流にて、排気ライン18のブランチである18bが、排ガスを第1の排気熱交換器42及び第2の排気熱交換器46に、EGR弁40の作動に従って供給する。次いで、冷却された排ガスは、2ステージターボチャージャ20,30の上流の給気ライン16に戻される。
【0052】
新鮮な吸気と再循環された排ガスとが、第1の熱交換器22及び第2熱交換器32を、空気−排気混合物として通過することができ、また、図1に関して先に記載したように、凝縮を回避するために第1の熱交換器22及び第2熱交換器32を迂回することができる。排ガスは前記混合物に水蒸気ももたらすため、第1の露点温度Tdew1及び第2の露点温度Tdew2を算出するときに、この追加の水分量を考慮しなくてはならない。また、エンジン10のコールドスタート時及び暖機中に、第1の空気熱交換器22の動作温度までの温度上昇を補償するために遅延機能が適用されることができる。Tdew1は、空気の質量を、温度T1、圧力p1、及び湿度Ψに対応した関数に掛けた積(すなわち、mair・f(T1,p1,Ψ))と、再循環された排ガスの質量を、温度T5、圧力p5、空気/燃料比、及び空気質量(mair)に対応した関数に掛けた積(すなわち、megr・f(T5,p5,A/F,mair))とから得られる。
【0053】
熱交換器を通る冷却媒体の質量流量を、凝縮を回避するように温度を調節するために調整することを用いる、好ましい冷却システムの他の2つの実施形態が図3及び図4に記載されている。図3においては、2ステージターボチャージャ20,30への給気が、排ガスが短経路システムにて再循環される高圧EGRシステム80に接続されている。一方、図4は、低圧EGRシステム80を示す。
【0054】
この冷却システムは、図1に示した冷却システムに非常に類似している。しかし、図1に示されているシステムと異なり、空気熱交換器24,34を迂回するバイパス、及び、排気熱交換器44,48を迂回するバイパスが設けられていない。その代わりに、熱交換器24,34,44、48を通る冷却媒体の質量流量を制御する質量流量制御弁62,64,66,68が設けられている。説明の不要な繰り返しを避けるため、類似の要素及び機能は図1の説明を参照されたい。
【0055】
第1のターボチャージャステージ20の第1の熱交換器の放出口における第2の温度T2が、第1の露点温度Tdew1より低温である場合、低温冷却媒体の質量流量を制御している第1の制御弁62の弁位置V1は、第1の露点温度Tdew1よりも高い温度T2を可能にするために制御ユニット90により変更される。温度T2は、周囲温度T1及び周囲圧力p1、並びに、空気熱変換器22の放出口における圧力p2から導出されることができ、圧力p2は、第1のターボチャージャステージ20のタービン回転速度nt1、及び、コンプレッサの等エントロピー効率から導出されることができる。温度T2及び圧力p2は、図1にて示したように測定されることもできる。
【0056】
同様に、制御弁64の弁位置V2が、第2の空気熱交換器32の放出口における空気の第3の温度T3と第2の露点温度Tdew2とを比較することより調整される。第1の排気熱交換器42の高温冷却液回路における制御弁66の弁位置V3が、排気熱交換器42の排気放出部における第4の温度T4と第3の露点温度Tdew4との比較に基づいて制御されることができ、第2の排気熱交換器46を通る冷却媒体流を調整する制御弁68の弁位置V4が、第2の排気熱交換器46の排気放出部における第5の温度T5と第4の露点温度Tdew4との比較に基づいて制御されることができる。3方向弁の形態を有する弁70が、冷却媒体が第2の排気熱交換器46を迂回することを可能にする低温冷却媒体回路に配置されている。弁70の弁位置V5は制御ユニット90に連通している。一方、高温冷却においては、その他の冷却液がエンジン10を通過し、3方向弁70が、全ての熱交換器の流れがその他の弁62,64及び68により制御されることを可能にする。
【0057】
また、エンジン10のコールドスタート時及び暖機中に、第1の空気熱交換器22の動作温度までの温度上昇を補償するために遅延機能が適用されることができる。
【0058】
図3の実施形態に従えば、排ガスが、エンジン10の排気放出口から、分岐点82に通じている排気ライン18aに供給され、次いで、2ステージターボチャージャ20,30のタービン34t及び24tを駆動させる排気ライン18、及びEFR弁40にそれぞれ供給される。排ガスは、排気ライン18bを通り、第1の排気熱交換器42に、そして次に第2の排気熱交換器46に供給され、そして、排ガスは、ターボチャージャステージ20,30に向って上流に流れ、ターボチャージャステージ20,30の下流のジョイント36にて新鮮な吸気と混合されて、エンジン10の吸気マニホルド12に供給される。
【0059】
図4に示した実施形態に従えば、排ガスが、ターボチャージャステージ20,30の下流の排気ライン18b、及び、ディーゼル粒子フィルタ28の下流を経由して、第1の排気熱交換器42に、次いで、第2の排気熱交換器46に供給され、そして、ターボチャージャステージ20,30の上流にて新鮮な吸気と混合される。排ガスの再循環量はEGR弁40により制御される。
【0060】
全ての、又は個々の熱交換器22,32,42,46に関し、熱交換器22,32,42,46から放出される吸気又は再循環された排気の温度を調節するために、空気熱交換器又は排気熱交換器22,32,42,46を迂回させることは、熱交換器22,32,42,46を通って流れる冷却媒体の質量流量を制御することと組み合わせることができることが理解されよう。水分の凝縮と、水滴及び/又は氷粒子が第2ターボチャージャステージ30のコンプレッサホイール又はエンジン10の吸気マニホルド12に及ぼす有害な作用とを、防止することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 エンジン
12 吸気マニホルド
14 排気マニホルド
16 給気ライン
18 排気ライン
20 第1のターボチャージャステージ
22 第1の熱交換器
24 吸気バイパス
30 第2のターボチャージャステージ
32 第2の熱交換器
34 吸気バイパス
42 第1の排気熱交換器
44 排気バイパス
46 第2の排気熱交換器
48 排気バイパス
52 低温ラジエータ
54 高温ラジエータ
62 質量流量制御ユニット
90 制御ユニット
100 センサユニット
104 センサユニット
108 センサユニット
110 センサユニット
112 センサユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャージエアシステムのための動作方法であって、
第1のターボチャージャステージ(20)において、吸気を第1の圧力(p1)から第2の圧力(p2)に圧縮するステップと、
前記圧縮された空気を、第2のターボチャージャステージ(30)にて第3の圧力(p3)に圧縮するステップと、
前記第1のターボチャージャステージ(20)により吸入された空気中の水分量を推定するステップと、
前記第1のターボチャージャステージと第2のターボチャージャステージ(20,30)との間に配置された第1の熱交換器(22)により放出される前記空気の第1の露点温度(Tdew1)を推定するステップと、
前記第1の露点温度(Tdew1)を、前記第1の熱交換器(22)から放出される空気の推定温度(T2)と比較するステップと、
前記第2の温度(T2)が前記第1の露点温度(Tdew1)よりも低い場合に、前記第2の温度(T2)を前記第1の露点温度(Tdew1)よりも高温に上昇させるために空気バイパス(24)及び/又は冷却媒体質量流量制御ユニット(62)を作動させるステップとを含む動作方法。
【請求項2】
前記第1の熱交換器及び/又は第2の熱交換器(22,32)を通る空気の流量が、前記第1の熱交換器及び/又は第2の熱交換器(22,32)を空気が少なくとも部分的に迂回することにより調整されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の熱交換器及び/又は第2の熱交換器(22,32)を通る空気の流量が、前記第1の熱交換器及び/又は第2の熱交換器(22,32)を空気が完全に迂回することにより調整されることを特徴とする請求項1又は2に記載のチャージエアシステム。
【請求項4】
吸入された空気中の水分量を、第1の周囲温度(T1)、周囲湿度(Ψ)及び第1の圧力(p1)を基にして推定するステップによりさらに特徴付けられる請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第2の熱交換器(32)により放出される空気の第2の露点温度(Tdew2)を推定するステップと、
前記露点温度を、前記第2の熱交換器(32)により放出された空気の推定された第3の温度(T3)と比較するステップと、
前記第3の温度(T3)が前記第2の露点温度(Tdew2)よりも低い場合に、前記第3の温度(T3)を前記露点温度よりも高温に上昇させるために空気バイパス(34)及び/又は冷却媒体質量流量制御ユニット(64)を作動させるステップとによりさらに特徴付けられる請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記エンジン(10)のコールドスタート時に、前記第1の熱交換器(22)及び/又は前記第2の熱交換器(32)の暖機動作に対する補償のために遅延機能が適用されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
第2の排気熱交換器(46)の下流における、再循環された排ガス中の水分量を推定するステップと、
第4の露点温度(Tdew4)を、前記エンジン(10)の吸気マニホルド(14)に直接に又は間接的に戻された前記排ガス中の水分量に従って推定するステップと、
前記第4の露点温度(Tdew4)を、前記第2の排気熱交換器(46)から放出された排気の推定された温度(T5)と比較するステップと、
前記推定された温度(T5)が前記第4の露点温度(Tdew4)よりも低い場合に、前記温度(T5)を前記第4の露点温度(Tdew4)よりも高温に上昇させるために、排気バイパス(48)及び/又は冷却媒体質量流量制御ユニット(68)を作動させるステップとによりさらに特徴付けられる請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記第1のターボチャージャステージ(20)に空気−排気混合物を提供するステップと、
前記空気−排気混合物中の水分量を推定するステップと、
第1の熱交換器(22)の上流における第1の露点温度(Tdew1)を推定するステップと、
前記第1の露点温度(Tdew1)を、前記第1の熱交換器(22)により放出された前記空気−排気混合物の推定温度(T2)と比較するステップと、
前記第2の温度(T2)が前記第1の露点温度(Tdew1)よりも低い場合に、前記第2の温度(T2)を前記第1の露点温度(Tdew1)よりも高温に上昇させるために前記空気バイパス(24)及び/又は冷却媒体質量流量制御ユニット(62)を作動させるステップとによりさらに特徴付けられる請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記再循環された排ガス中の水分量を前記エンジン(10)の空気/燃料比から推定するステップによりさらに特徴付けられる請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の温度(T2)をセンサユニット(104)により測定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記第2の温度(T2)を、前記第1の温度(T1)、前記第1の圧力(p1)及び第2の圧力(p2)、並びに、前記第1ターボチャージャステージ(20)から導出されるコンプレッサの等エントロピに基づいて算出することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記第1の空気熱交換器及び/又は第2の空気熱交換器(22,32)の下流の圧力(p2,p3)を、回転速度(nt1,nt2)、及び前記ターボチャージャステージ(20,30)のコンプレッサの等エントロピに基づいて算出することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記エンジン(10)のコールドスタート時に、前記第1の排気熱交換器(42)及び/又は第2の排気熱交換器(46)の暖機動作に対する補償のために遅延機能が適用されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−47517(P2013−47517A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−219286(P2012−219286)
【出願日】平成24年10月1日(2012.10.1)
【分割の表示】特願2010−514674(P2010−514674)の分割
【原出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(500277711)ボルボ ラストバグナー アーベー (163)
【Fターム(参考)】