ナビゲーションシステムおよび複数の地点を巡る案内経路の探索方法
【課題】電子ペンと印刷物とを用いて、案内経路を探索させて巡りたい複数の地点を、各地点を巡る順番や優先順位などの優先度を含めて指定すること。
【解決手段】ナビゲーションシステム1の携帯入力装置4は、案内する複数の地点および各地点の順位を指定するために印刷物5の紙面を読み取る。緯度経度生成手段134は、携帯入力装置4により指定された各地点の、当該ナビゲーションシステム1で利用可能な緯度経度データ111を生成する。順位生成手段は、電子ペン4により指定された順位の順位データ112を、各地点の緯度経度データ111に対応付ける。案内経路探索手段132は、順位データ112による順位の下で、複数の緯度経度データ111による複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認する。
【解決手段】ナビゲーションシステム1の携帯入力装置4は、案内する複数の地点および各地点の順位を指定するために印刷物5の紙面を読み取る。緯度経度生成手段134は、携帯入力装置4により指定された各地点の、当該ナビゲーションシステム1で利用可能な緯度経度データ111を生成する。順位生成手段は、電子ペン4により指定された順位の順位データ112を、各地点の緯度経度データ111に対応付ける。案内経路探索手段132は、順位データ112による順位の下で、複数の緯度経度データ111による複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムおよび複数の地点を巡る案内経路の探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ナビゲーションシステムを開示する。このナビゲーションシステムでは、電子ペンにより地図シートをなぞった軌跡の位置情報データを生成する。経路誘導装置は、位置情報により示される位置を目的地とする経路を探索し、表示する。
【0003】
特許文献2は、複数のマークを備えた符号化パターンを有する製品と、このマークを光学的に読み取る装置と、を開示する。
【0004】
【特許文献1】特開2003−287432号公報(段落0050〜0055など)
【特許文献2】特表2003−511761号公報(特許請求の範囲、図4など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のナビゲーションシステムでは、経路案内のための目的地は、そのタッチパネルや入力スイッチが操作されて選択される。目的地が選択されると、ナビゲーションシステムは、たとえば現在位置から目的地までの経路を探索し、案内する。
【0006】
特許文献1は、このような従来の目的地の入力方式に替えて、地図シートを電子ペンによりなぞることで、目的地を選択する方式を開示する。また、特許文献2は、そのような目的に利用可能な地図シートの符号化パターンと、それを読み取る装置とを開示する。
【0007】
しかしながら、特許文献1のナビゲーションシステムは、目的地という1つの地点しか選択できない。特許文献1のナビゲーションシステムは、複数の地点を巡る案内経路を探索することはできない。
【0008】
本発明は、電子ペンなどの携帯入力装置と印刷物とを用いて、案内経路を探索させて巡りたい複数の地点を、各地点を巡る順番や優先順位などの優先度を含めて指定することができるナビゲーションシステムおよび複数の地点を巡る案内経路の探索方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るナビゲーションシステムは、案内する複数の地点および各地点の順位を指定するために印刷物の紙面を読み取る携帯入力装置と、携帯入力装置がその印刷物の紙面の読み取りにより生成するデータを用いて、携帯入力装置により指定された各地点の、当該ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度データを生成する緯度経度生成手段と、携帯入力装置がその印刷物の紙面の読み取りにより生成するデータを用いて、携帯入力装置により指定された順位の順位データを、各地点の緯度経度データに対応付ける順位生成手段と、順位データによる順位の下で、複数の緯度経度データによる複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認する案内経路探索手段と、を有するものである。
【0010】
本発明に係る他のナビゲーションシステムは、複数の座標パターンが印刷された印刷物の紙面を読み取った軌跡を示す複数の読取座標データおよび各読取座標データに対応付けられる複数の読取時刻データを有する読取データを生成する携帯入力装置と、読取データ中の複数の読取時刻データにより判断される所定の時間区切り毎に、複数の読取座標データから座標の代表値を特定し、その座標の代表値での紙面での座標に予め対応付けられている地点の、当該ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度データを生成する緯度経度生成手段と、少なくとも所定の時間区切り毎での各区間中の複数の読取座標データによる筆跡が、目的地を含む複数の経由地での経由順あるいは経由地候補としての優先順位を指定するための所定の筆跡のマッチングパターンとマッチングする場合、そのマッチングしたマッチングパターンに予め対応付けられた順位データを、各地点の緯度経度データに対応付ける順位生成手段と、順位データによる順位の下で、複数の緯度経度データによる複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認する案内経路探索手段と、を有するものである。
【0011】
本発明に係る他のナビゲーションシステムは、上述した発明の構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、緯度経度生成手段は、読取データ中の複数の読取座標データを、所定の離間時間以上の時間間隔で離れる読取座標データを単位として、複数の地点毎データに区切り、各地点毎データ中の複数の読取座標データの全部あるいは一部を用いて座標の代表値を特定する。
【0012】
本発明に係る他のナビゲーションシステムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、緯度経度生成手段は、地点毎データ中の複数の読取座標データによる座標の代表値、各地点毎データ中における最初の筆跡の区切りとなる読取座標データまでの複数の読取座標データによる座標の代表値、あるいは順位生成手段により所定の筆跡パターンとのマッチングに利用された読取座標データ以外の読取座標データによる座標の代表値を特定する。
【0013】
本発明に係る他のナビゲーションシステムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、順位生成手段は、少なくとも数字あるいは優先度を示すために使われている文字を含む所定のマッチングパターンとの間で、筆跡のマッチングを判断する。
【0014】
本発明に係る他のナビゲーションシステムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、案内経路探索手段は、順位データが対応付けられていない各地点の緯度経度データは、最低の順位あるいは最高の順位であるものとして、経路を探索する。
【0015】
本発明に係る他のナビゲーションシステムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、緯度経度生成手段、順位生成手段および案内経路探索手段は、ナビゲーション本体に設けられる。また、携帯入力装置は、ナビゲーション本体と通信ケーブルにより接続され、あるいは、ナビゲーション本体と無線通信することで、印刷物を読み取って生成した読取データを緯度経度生成手段および順位生成手段へ送信する。
【0016】
本発明に係る複数の地点を巡る案内経路の探索方法は、案内する複数の地点および各地点の順位を指定するために印刷物の紙面を読み取るステップと、印刷物の紙面の読み取りにより生成されるデータを用いて、読取により指定された各地点の、当該ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度データを生成するステップと、印刷物の紙面の読み取りにより生成されるデータを用いて、読取により指定された順位の順位データを、各地点の緯度経度データに対応付けるステップと、順位データによる順位の下で、複数の緯度経度データによる複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認するステップと、を有するもである。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、電子ペンなどの携帯入力装置と印刷物とを用いて、案内経路を探索させて巡りたい複数の地点を、各地点を巡る順番や優先順位などの優先度を含めて指定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステムおよび複数の地点を巡る案内経路の探索方法を、図面に基づいて説明する。ナビゲーションシステムは、車両の一種である自動車に設置されて、自動車の道路案内に用いられるカーナビゲーションシステムを例に説明する。複数の地点を巡る案内経路の探索方法は、カーナビゲーションシステムの動作の一部として説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステム1を示す構成図である。カーナビゲーションシステム1は、自動車に設置されるナビゲーション装置としてのナビゲーション本体2と、ナビゲーション本体2とUSB(Universal Serial Bus)ケーブル3により接続可能な、携帯入力装置としての電子ペン4と、印刷物としての地図帳5と、
地図帳5と共に提供されるCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)6と、を有する。USBケーブル3は、通信ケーブルの一種である。
【0020】
図2は、図1中の地図帳5中の1ページを示す図である。地図帳5は、電子ペン4で読取可能な座標パターンが印刷された専用シートを製本したものである。図3は、図2の地図帳5の専用シートの部分断面図である。
【0021】
地図帳5の各ページは、図3に示すように、シート11の紙面に、赤外線を吸収するインクと、赤外線を透過するインクとが印刷されたものである。シート11には、まず、赤外線を吸収するインクが印刷され、その上に、赤外線を透過するインクにより地図などの情報が印刷される。
【0022】
地図帳5のページには、赤外線を吸収するインクにより、複数の座標パターン13が印刷される。座標パターン13は、電子ペン4により読み取り可能な解像度のパターンであり、6×6個のドット12により構成されている。
【0023】
図4は、シート11に対する複数の座標パターン13の印刷状態の一例を示す説明図である。図4において、複数の座標パターン13を構成する複数のドット12は、略0.3ミリメートル間隔で、縦横に配列されている。そして、1つの座標パターン13は、6×6個のドット12により構成される。座標パターン13内におけるその複数のドット12の配置は、少なくともその紙面中の複数の座標パターン13において互いが区別できるように、座標パターン13毎に互いに異なる。具体的にはたとえば、各ドット12は、図4中の所定の一定間隔毎の縦基準線と横基準線との交点の位置を基準として、上下左右のいずれか1つの方向(すなわち、4つの方向の中の1つの方向)へ少しずれた位置に印刷される。そして、各座標パターン13における6×6個の合計36個のドット12のずれ方向の組合せは、複数の座標パターン13の中で唯一なものとすることができる。複数のドット12の中から6×6個のドット12を選んだとき、その36個のドット12のずれ方向の組合せは、他のすべての36個のドット12によるずれ方向の組合せと異なるものとすることができる。この複数の座標パターン13の中で唯一となる36個のドット12のずれ方向の組合せにより、各座標パターン13には、ユニークな座標値を対応付けることができる。なお、6×6個のドット12で構成される複数の座標パターン13は、たとえば1つの地図帳5において互いに異なるものであってもよい。
【0024】
複数の座標パターン13は、図2において複数の点で表すように、紙面の略全面に印刷される。複数の座標パターン13は、図2の地図帳5のページ中の、電子ペン用マーク22,23と重なる領域以外の紙面の全面に印刷される。複数の座標パターン13は、地図画像21に重ねて印刷される。
【0025】
シート11の略全面に印刷される複数の座標パターン13は、それぞれのユニークなドット12の配列に基づいて、電子ペン4により互いに異なる座標値の座標データへ変換される。地図画像21と重ねて印刷される複数の座標パターン13は、紙面上の位置に応じて互いに異なるものとなる。複数の座標パターン13は、たとえば紙面の左上隅を基準(0,0)とする、X,Yの二次元の座標データへ変換される。図2の紙面では、紙面の横方向がX軸であり、紙面の縦方向がY軸である。
【0026】
なお、複数の座標パターン13は、たとえば1冊の地図帳5のすべてのページを1つの大きな紙面上に並べたと仮定した状態において、その大きな紙面の左上隅を基準(0,0)とする、X,Yの二次元の座標データへ変換されるものであってもよい。この変形例の場合、二次元の座標データにより、ページ内の読取位置のみならず、地図帳5中のページも特定することが可能である。
【0027】
地図帳5の各ページには、図2に示すように、赤外線を吸収するインクの上に、赤外線を透過するインクにより、自動車が通行可能な複数の道路を含む四角形の地図画像21や、各種の長方形のマーク22,23とが印刷される。地図画像21および複数の電子ペン用マーク22,23は、シート11の別々の領域に、互いに重ることがないように領域を分けて印刷される。
【0028】
赤外線を透過するインクによりシート11に形成される電子ペン用マーク22,23は、電子ペン4を制御するためのものである。電子ペン用マーク22,23には、たとえばリセットマーク22、決定マーク23などがある。なお、シート11には、電子ペン用マーク22,23の他にも、たとえば、目的地設定マーク、ランドマーク取得マークなどの、電子ペン4により読み取った座標パターン13の利用を制御するためのコマンドマークなどを印刷してもよい。
【0029】
図5は、図1中の電子ペン4の構成を示すブロック図である。電子ペン4は、ボールペン軸31、筆圧センサ32、赤外線LED(Light Emitting Diode)33、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ34、USBケーブル3が接続されるUSBI/F(USBインタフェース)35、時刻情報を生成するタイマ36、不揮発性メモリ37、マイクロコンピュータ38などを有する。電子ペン4は、図1に示すように、細長い棒形状のハウジング39を有する。
【0030】
なお、電子ペン4や後述するナビゲーション本体2は、USBI/F35の代わりに、たとえばブルートゥースなどの無線通信I/Fを備えるものであってもよい。また、タイマ36は、電子ペン4がたとえばリセットされてからの経過時間などを時刻として計測するものであってもよい。不揮発性メモリ37は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)などで構成されていればよい。
【0031】
ボールペン軸31は、この細長い棒形状のハウジング39の一端部に、突出して配設される。筆圧センサ32は、ボールペン軸31に作用する筆圧を検出する。筆圧センサ32は、検出した筆圧値をマイクロコンピュータ38へ出力する。
【0032】
赤外線LED33およびCMOSセンサ34は、ハウジング39の一端部において、ボールペン軸31の配設位置の周囲に配設される。赤外線LED33は、ボールペン軸31の先端が紙面に触れるとき、その接触部位およびその周囲の部位へ赤外線を照射する。CMOSセンサ34は、紙面のその接触部位およびその周囲の部位により反射される赤外線を受光する。CMOSセンサ34は、受光した赤外線の強度分布データを、マイクロコンピュータ38へ出力する。
【0033】
マイクロコンピュータ38は、図示外のメモリ、CPU(Central Processing Unit)、入出力ポートなどを有する。入出力ポートには、筆圧センサ32、赤外線LED33、CMOSセンサ34、USBI/F35、タイマ36、不揮発性メモリ37などが接続される。電子ペン4のCPUは、メモリなどから図示外の制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、電子ペン4のマイクロコンピュータ38には、読取データ生成部41と、読取データ送信部42と、が実現される。
【0034】
読取データ生成部41は、CMOSセンサ34により撮像される座標パターン13を紙面中の座標値へ変換し、複数の座標値の読取座標データ51を有する読取データ46を生成する。読取データ生成部41は、生成した読取データ46を不揮発性メモリ37に記憶させる。
【0035】
図6は、図5中の不揮発性メモリ37に記憶される読取データ46のデータ構造の一例を示す図である。読取データ46は、通常、複数のレコードで構成される。図5では、横一列が1つのレコードに相当する。読取データ46の各レコードは、読取座標データ51と、ペン圧レベルデータ52と、読取時刻データ53と、を有する。読取座標データ51は、CMOSセンサ34により撮像される座標パターン13から得られる座標値を有する座標データであり、X,Yの二次元の座標データである。ペン圧レベルデータ52は、筆圧センサ32が検出した筆圧値を有するデータである。読取時刻データ53は、座標パターン13から得られたときの、タイマ36が計測する時刻を有するデータである。なお、図6の読取データ46は、図6の筆跡欄に示すように、6つの筆跡データにより構成される。各筆跡データは、複数のレコードにより構成されている。
【0036】
不揮発性メモリ37は、読取データ46の他に、リセット印刷パターンデータ47、決定印刷パターンデータ48を記憶する。リセット印刷パターンデータ47は、図2中のリセットマーク22と重ねて、赤外線を吸収するインクによりシート11に印刷されるリセット印刷パターンのデータである。決定印刷パターンデータ48は、図2中の決定マーク23と重ねて、赤外線を吸収するインクによりシート11に印刷される決定印刷パターンのデータである。リセット印刷パターンおよび決定印刷パターンは、読取データ生成部41による読取を制御するために使用される。
【0037】
読取データ送信部42は、図5中の不揮発性メモリ37に記憶される読取データ46を、USBI/F35にUSBケーブル3により接続される機器へ送信する。図1のカーナビゲーションシステム1では、電子ペン4のUSBI/F35には、USBケーブル3によりナビゲーション本体2が接続される。読取データ送信部42は、ナビゲーション本体2へ、不揮発性メモリ37に記憶される読取データ46を送信する。
【0038】
図7は、図1中のナビゲーション本体2の構成を示すブロック図である。ナビゲーション本体2は、ジャイロセンサ61、GPS(Global Positioning System)受信機62、HDD(ハードディスクドライブ)63、キーデバイス64、タッチパネル65、液晶デバイス66、一時メモリ67、USBI/F68、CD(Compact Disc)I/F69、マイクロコンピュータ70などを有する。また、図7中には、地図帳5とともに提供されるCD−ROM6が、ナビゲーション本体2に挿入された状態で記述されている。
【0039】
図1に示すように、ナビゲーション本体2のフロントパネルには、液晶デバイス66と、キーデバイス64の複数の入力ボタン60とが配設される。また、液晶デバイス66の表示部上には、タッチパネル65が配設される。フロントパネルの裏側には、図示外のCD挿入口と、USBI/F68と、が配設される。このUSBI/F68には、電子ペン4のUSBI/F35に接続されたUSBケーブル3が接続可能である。
【0040】
ジャイロセンサ61は、そのX軸,Y軸およびZ軸の3軸方向での加速度を検出する。つまり、ジャイロセンサ61は、ナビゲーション本体2が配設される自動車の3軸方向での加速度を検出する。
【0041】
GPS受信機62は、GPS衛星が送信するGPS電波を受信し、緯度経度データを生成する。つまり、GPS受信機62は、ナビゲーション本体2が配設される自動車の緯度経度データを生成する。
【0042】
HDD63は、ナビゲーション本体2が単独で経路探索および経路案内を実行するために必要となるデータを記憶する。このようなデータとしては、たとえば、ナビゲーションデータ71、目的地設定に基づく案内経路データ72などがある。
【0043】
ナビゲーションデータ71は、たとえば表示地図データ、複数のノードデータ、複数のリンクデータ、複数のランドマークデータなどを有する。
【0044】
ナビゲーションデータ71中の表示地図データは、液晶デバイス66に道路地図を表示するためデータであり、たとえば所定の縮尺での日本全国の道路地図をデータ化したものである。ナビゲーションデータ71中の表示地図データは、たとえば所定のメッシュサイズでの複数のテクスチャデータにより構成される。各テクスチャデータには、そのテクスチャデータの位置を示す緯度経度データなどが対応付けられている。
【0045】
ナビゲーションデータ71中のノードデータは、表示地図データが網羅する地域中の自動車が通過可能な道路の交差点や曲がり角のデータである。ノードデータは、固有のノード名や、それが対応する交差点や曲がり角の緯度経度データなどを有する。また、ノードデータには、対応する交差点などの交差点名などが属性情報として対応付けられている。
【0046】
ナビゲーションデータ71中のリンクデータは、交差点と交差点とを結ぶ道路区間に対応付けられるデータである。リンクデータは、固有のリンク名や、それが接続される複数のノードのノード名などが対応付けられる。また、ノードデータおよびリンクデータには、対応する道路の道路名(たとえば国道○○号線、県道△△号線など)などが属性情報として対応付けられている。
【0047】
ナビゲーションデータ71中のランドマークデータは、表示地図データが網羅する地域中の施設や場所、たとえばコンビニエンスストア、ガソリンスタンド、銀行などの金融機関、学校、神社などに対応付けられるデータである。ランドマークデータは、たとえば対応するランドマークの名称、種類、緯度経度などの属性情報を有する。
【0048】
CDI/F69は、ナビゲーション本体2に挿入されたCD−ROM6からデータを読み込む。ナビゲーション本体2に挿入されるCD−ROM6は、たとえば地図帳5とともに、たとえばカーナビゲーションシステム1の提供元や出版社などから供給されるものである。そして、このCD−ROM6は、たとえば緯度経度変換テーブル81、順位パターンデータ82などを記憶する。
【0049】
緯度経度変換テーブル81は、地図帳5の紙面に印刷される各座標パターン13を、緯度経度データへ変換するためのデータを有する。緯度経度変換テーブル81は、たとえば、地図帳5の紙面に印刷されるすべての座標パターン13に対応付けられた複数の緯度経度データを有するものであっても、一部の座標パターン13に対応付けられた複数の緯度経度データを有するものであってもよい。緯度経度変換テーブル81が、一部の座標パターン13に対応付けられた複数の緯度経度データを有するものである場合、後述する読取データ処理部134は、残りの座標パターン13に対応する緯度経度データは、緯度経度変換テーブル81中の他の座標パターン13の緯度経度データを用いて、演算により得ればよい。
【0050】
図8は、図7中のCD−ROM6に記憶される順位パターンデータ82の一例を示す図である。順位パターンデータ82は、マッチングパターンとしての複数の筆跡のマッチングパターンデータ101を有する。また、各筆跡のマッチングパターンデータ101には、順位データ102が対応付けられる。図8の筆跡のマッチングパターンデータ101には、図8に例示するように、丸付きの数字が登録されている。また、各マッチングパターンデータ101には、そのパターン中の数字と同じ値の順位データ102が対応付けられている。たとえば、(1)(図中では丸付きの1。以下同様に記載する。)のマッチングパターンデータ101には、順位データ102として数字の1が対応付けられている。
【0051】
一時メモリ67は、たとえばフラッシュメモリなどの半導体メモリなどにより構成される。一時メモリ67は、受信読取データ90、抽出地点データ91などを記憶する。
【0052】
図9は、図7中の一時メモリ67に記憶される抽出地点データ91の一例を示す図である。抽出地点データ91は、受信読取データ90に基づいて特定された1つまたは複数の地点の緯度経度データ111を有する。各緯度経度データ111には、受信読取データ90に基づいて特定されたその地点の順位データ112が対応付けられる。
【0053】
ナビゲーション本体2のマイクロコンピュータ70は、図示外のメモリ、CPU、入出力ポートなどを有する。入出力ポートには、ジャイロセンサ61、GPS受信機62、HDD63、キーデバイス64、タッチパネル65、液晶デバイス66、一時メモリ67、USBI/F68などが接続される。ナビゲーション本体2のCPUは、メモリなどから図示外の制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、ナビゲーション本体2のマイクロコンピュータ70には、現在位置データ生成部131と、案内経路探索手段としてのUI(User Interface)部132と、読取データ受信部133と、緯度経度生成手段および順位生成手段としての読取データ処理部134と、が実現される。
【0054】
なお、このナビゲーション本体2のマイクロコンピュータ70が実行する制御プログラムは、ナビゲーション本体2の出荷前に、マイクロコンピュータ70のメモリなどに記憶されたものであっても、ナビゲーション本体2の出荷後に、マイクロコンピュータ70のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、ナビゲーション本体2の出荷後に、マイクロコンピュータ70のメモリなどに記憶されたものであってもよい。ナビゲーション本体2の出荷後に、マイクロコンピュータ70のメモリなどに記憶される制御プログラムは、たとえばCD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。上述した電子ペン4のマイクロコンピュータ38が実行する制御プログラムについても、同様である。
【0055】
現在位置データ生成部131は、GPS受信機62が生成する緯度経度データや、ジャイロセンサ61が生成する加速度データに基づいて、ナビゲーション本体2が設置される自動車の現在位置データを生成する。現在位置データは、緯度経度により表される。
【0056】
UI部132は、一時メモリ67に記憶される抽出地点データ91や、ナビゲーション本体2において設定された目的地などに基づいて、案内経路データ72を生成したり、液晶デバイス66の表示を制御したりする。UI部132は、たとえばキーデバイス64やタッチパネル65からの入力データに基づいて、HDD63や一時メモリ67にアクセスし、新たな表示データを生成する。UI部132は、表示データに基づく画像を液晶デバイス66に表示させる。UI部132が液晶デバイス66に表示させる表示画面としては、抽出地点データ91の確認画面、目的地などを住所や分類により検索し選択する画面、探索した案内経路の表示画面、経路案内画面などがある。
【0057】
読取データ受信部133は、ナビゲーション本体2のUSBI/F68を用いて、電子ペン4が送信する読取データ46を受信する。読取データ受信部133は、受信した読取データ46を一時メモリ67に記憶させる。一時メモリ67は、受信読取データ90として記憶する。
【0058】
読取データ処理部134は、一時メモリ67に記憶される受信読取データ90に基づいて、ナビゲーション本体2に装着されているCD−ROM6の緯度経度変換テーブル81を利用して、ユーザが電子ペン4により指定した複数の地点を特定する。読取データ処理部134は、また、CD−ROM6の順位パターンデータ82を利用して、特定した複数の地点の経由順を特定する。読取データ処理部134は、特定した地点の緯度経度データ111および順位データ112を、抽出地点データ91として一時メモリ67に記憶させる。
【0059】
次に、以上の構成を有するカーナビゲーションシステム1の動作を説明する。以下においては、電子ペン4により地図帳5の複数の地点を読み取り、その読み取りに基づいて抽出された複数の地点を巡る経路を、ナビゲーション本体2の液晶デバイス66に表示する動作を説明する。
【0060】
まず、ユーザは、電子ペン4により地図帳5を読み取る。地図帳5のページには、図2に示すように、地図画像21とともに、リセットマーク22、決定マーク23が印刷されている。ユーザは、たとえば、図2中に点線で示すように、電子ペン4のペン先(ボールペン軸31の先端)により、リセットマーク22をチェックし、地図画像21中の複数の地点(たとえば図2中の(1)、(2)および(3))に、手書き文字としての丸付きの1、丸付きの2および丸付きの3を書込み、さらに、決定マーク23をチェックする。
【0061】
電子ペン4の読取データ生成部41は、筆圧センサ32から所定の閾値以上の筆圧値が入力されると、赤外線の照射処理を開始する。電子ペン4の読取データ生成部41は、筆圧センサ32からの筆圧値が所定の閾値以下になると、赤外線の照射処理を終了する。読取データ生成部41は、各マークがチェックされるとき、および各地点が読み取られるとき、赤外線の照射処理を実行する。
【0062】
この赤外線の照射処理において、読取データ生成部41は、赤外線LED33により赤外線を発光させる。赤外線LED33が出力する赤外線は、紙面のペン先が当たる部位により反射される。リセットマーク22などの各種のマークや地図画像21には、座標パターン13が重ねて印刷される。座標パターン13は、その複数のドット12の配列により赤外線を吸収する。CMOSセンサ34は、ドット12により吸収されずに紙面により反射された赤外線を受光する。CMOSセンサ34は、赤外線の強度分布データを、マイクロコンピュータ38に実現される読取データ生成部41へ供給する。
【0063】
CMOSセンサ34から赤外線の強度分布データが供給されると、読取データ生成部41は、その画像を解析する。読取データ生成部41は、まず、読取画像における赤外線の吸収パターン中に、不揮発性メモリ37に記憶されるリセット印刷パターンデータ47と一致する吸収パターン、あるいは、不揮発性メモリ37に記憶される決定印刷パターンデータ48と一致する吸収パターンが含まれているか否かを判断する。
【0064】
読取画像における赤外線の吸収パターン中にリセット印刷パターンデータ47と一致する吸収パターンが含まれている場合、読取データ生成部41は、不揮発性メモリ37をリセットし、読取データ46の追加処理を開始する。読取データ生成部41は、不揮発性メモリ37に記憶されている過去の読取データ46を消去する。
【0065】
読取画像における赤外線の吸収パターン中に決定印刷パターンデータ48と一致する吸収パターンが含まれている場合、読取データ生成部41は、読取データ46の追加処理を終了する。
【0066】
読取画像における赤外線の吸収パターン中にリセット印刷パターンデータ47と一致する吸収パターンまたは決定印刷パターンデータ48と一致する吸収パターンのいずれも含まれない場合、読取データ生成部41は、画像中の座標パターン13を特定する。読取データ生成部41は、所定のアルゴリズムにより、特定した座標パターン13から、その座標パターン13に固有の座標値を得る。
【0067】
CMOSセンサ34が生成した読取画像から座標値を得ると、読取データ生成部41は、タイマ36から時刻情報を取得し、筆圧センサ32から筆圧値を取得する。読取データ生成部41は、取得した座標値、筆圧値および時刻情報を、不揮発性メモリ37に記憶させる。不揮発性メモリ37は、読取データ生成部41から供給されるこの3つのデータを、読取データ46の1つのレコードとして、読取データ46へ追加する。
【0068】
上述したように、ユーザが、リセットマーク22をチェックし、地図画像21中の(1)、(2)および(3)の地点に、丸付きの1、丸付きの2および丸付きの3を書込み、さらに、決定マーク23をチェックすると、不揮発性メモリ37には、たとえば図6に示すような読取データ46が蓄積して記憶される。不揮発性メモリ37には、地図画像21中の(1)の付近に円を描いたことで生成される複数のレコードと、地図画像21中の(1)の付近に1を描いたことで生成される複数のレコードと、地図画像21中の(2)の付近に円を描いたことで生成される複数のレコードと、地図画像21中の(2)の付近に2を描いたことで生成される複数のレコードと、地図画像21中の(3)の付近に円を描いたことで生成される複数のレコードと、地図画像21中の(3)の付近に3を描いたことで生成される複数のレコードと、からなる読取データ46が記憶される。不揮発性メモリ37には、6つの筆跡データからなる読取データ46が記憶される。
【0069】
以上の読取作業を終えると、ユーザは、電子ペン4とナビゲーション本体2とをUSBケーブル3で接続する。
【0070】
USBケーブル3により電子ペン4とナビゲーション本体2とが接続されると、電子ペン4のUSBI/F35と、ナビゲーション本体2のUSBI/F68との間で、たとえばUSBマスストレージクラスなどにより、データの送受信が可能な状態となる。電子ペン4の読取データ送信部42は、不揮発性メモリ37に記憶されている読取データ46を、ナビゲーション本体2の読取データ受信部133へ送信する。読取データ送信部42が送信した読取データ46は、電子ペン4のUSBI/F35、USBケーブル3およびナビゲーション本体2のUSBI/F68を介して、読取データ受信部133へ送信される。読取データ受信部133は、受信した読取データ46を、一時メモリ67に記憶させる。一時メモリ67は、読取データ受信部133が受信した読取データ46を、受信読取データ90として記憶する。
【0071】
一時メモリ67に新たな未処理の受信読取データ90が保存されると、読取データ処理部134は、その未処理の受信読取データ90に対する処理を開始する。
【0072】
図10は、図7中の読取データ処理部134が未処理の受信読取データ90に対して実行する処理の流れを示すフローチャートである。読取データ処理部134は、まず、一時メモリ67に未処理の受信読取データ90が保存されているか否かを判断する(ステップST1)。
【0073】
一時メモリ67に未処理の受信読取データ90が保存されていない場合、読取データ処理部134は、この判断処理(ステップST1)を繰り返し実行する。読取データ処理部134は、未処理の受信読取データ90待ち状態となる。
【0074】
一時メモリ67に未処理の受信読取データ90が保存されている場合、読取データ処理部134は、地点の抽出登録処理を開始する。なお、たとえば地図帳5の紙面に、目的地設定マーク、ランドマーク取得マークなどの、電子ペン4により読み取ったデータの利用を制御するためのコマンドマークなどが印刷されている場合、読取データ処理部134は、目的地の設定処理であるか否かを判断し、目的地の設定処理である場合には地点の抽出登録処理を開始するようにしてもよい。
【0075】
地点の抽出登録処理において、読取データ処理部134は、まず、未処理の受信読取データ90の最初の地点のレコードを読み込む。
【0076】
地図帳5上の複数の地点を電子ペン4により指定する場合、ある地点を指定(円および数字を記入)してから次の地点を指定するユーザの作業では、地点毎の指定の間にある程度の時間間隔が生じる。その時間間隔は、通常は、1秒以上の数秒程度の時間間隔となる。
【0077】
読取データ処理部134は、連続して読み込む複数のレコードにおいて、読取時刻データ53が具体的にはたとえば0.5秒や1秒程度の所定の離間時間以上の時間間隔で離間するまで、未処理範囲内の複数のレコードを読み込む(ステップST2)。図6の読取データ46では、この読込み処理により、先頭の2つの筆跡データで構成される、1つ目の地点毎データが読み込まれる。
【0078】
1つ分の地点毎データを読み込むと、読取データ処理部134は、読み込んだすべてのレコードによる複数の読取座標データ51の座標の平均値を演算する(ステップST3)。円の筆跡と1の筆跡とが重なっている場合、この座標の平均値は、略円の中心位置の座標値となる。
【0079】
複数の読取座標データ51の座標の平均値を演算した後、読取データ処理部134は、その座標の平均値を、ナビゲーション本体2が利用可能な緯度経度データへ変換する(ステップST4)。読取データ処理部134は、たとえば緯度経度変換テーブル81から、演算した座標の平均値に対応する緯度経度データ111を読み込む。
【0080】
読み込んだ1つ分の地点毎データに基づく地点の緯度経度データを得ると、読取データ処理部134は、次に、その地点の順位を特定する処理を開始する。なお、読取データ処理部134は、読み込んだ1つ分の地点毎データに基づいて、まず地点の順位を特定し、その後に、その地点の緯度経度データを得るようにしてもよい。
【0081】
地点の順位特定処理において、読取データ処理部134は、まず、読み込んだ1つ分の地点毎データによる筆跡を再現する(ステップST5)。読み込んだレコードにおいて、1筆毎に、読取座標データ51の値、ペン圧レベルデータ52の値、読取時刻データ53の値は変化する。この変化は、1筆中での、読取座標データ51の値の変化、ペン圧レベルデータ52の値の変化、読取時刻データ53の値の変化より大きい。読取データ処理部134は、たとえば上述した離間時間より短い例えば0.2秒程度以上の時間間隔が生じる毎に1つの筆跡であると認識し、読み込んだ1つ分の地点毎データによる筆跡を再現する。読取データ処理部134は、図6の最初の1つ分の地点毎データに基づいて、円の筆跡と、1の筆跡とを再現する。なお、これら(円および数字)をまとめて1つの筆跡として処理するようにしてもよい。
【0082】
1つ分の地点毎データにおける1つの筆跡あるいは複数の筆跡を再現した後、読取データ処理部134は、CD−ROM6中の順位パターンデータ82を読み込み、パターンマッチングにより指定された順位を特定する。読取データ処理部134は、順位パターンデータ82中に、再現した筆跡と一致あるいは所定の差の範囲内で合致するマッチングパターンデータ101があるか否かを判断する(ステップST6)。図6の最初の1つ分の地点毎データに基づいて円の筆跡と1の筆跡とが再現されている場合、読取データ処理部134は、順位パターンデータ82中に、再現した筆跡と一致あるいは所定の差の範囲内で合致する「(1)」のマッチングパターンデータ101があると判断する。
【0083】
合致するマッチングパターンデータ101がある場合、読取データ処理部134は、順位パターンデータ82中において、そのマッチングパターンデータ101に対応付けられている順位データ102を読み込む。読取データ処理部134は、読み込んだ順位データ102を、先に特定した緯度経度データ111とを対応付けて、一時メモリ67に保存する(ステップST7)。読取データ処理部134は、たとえば先に特定した緯度経度データ111に順位「1」の順位データ102を対応付けて、一時メモリ67に保存する。一時メモリ67は、緯度経度データ111および順位データ112からなるレコードを、抽出地点データ91に追加して記憶する。
【0084】
合致するマッチングパターンデータ101が無い場合、読取データ処理部134は、予め決められた最低順位、たとえば5番などの順位の順位データ112を、先に特定した緯度経度データ111とを対応付けて、一時メモリ67に保存する(ステップST8)。一時メモリ67は、緯度経度データ111および順位データ112からなるレコードを、抽出地点データ91に追加して記憶する。
【0085】
ステップST7あるいはステップST8による緯度経度データ111および順位データ112の保存処理を終えると、読取データ処理部134は、受信読取データ90の最後まで処理を終えたか否かを判断する。読取データ処理部134は、たとえば受信読取データ90中に、未処理の読取座標データ51が残っているか否かを判断する。そして、受信読取データ90中に、未処理の読取座標データ51が残っていない場合、読取データ処理部134は、処理を終える。
【0086】
受信読取データ90中に未処理の読取座標データ51が残っている場合、読取データ処理部134は、引き続き地点の特定処理を続ける。読取データ処理部134は、受信読取データ90中の未処理範囲内の、次の地点のレコードを読み込む。読取データ処理部134は、読み込んだ2つ目の地点毎データを用いて、読み込んだすべてのレコードによる複数の読取座標データ51の座標の平均値を演算し、その平均値を緯度経度データ111へ変換する。また、読取データ処理部134は、読み込んだ2つ目の地点毎データの筆跡を再現し、マッチングパターンデータ10との合致を判定する。読取データ処理部134は、緯度経度データ111に、判定結果に応じた順位の順位データ112を対応付けて一時メモリ67に保存する。
【0087】
読取データ処理部134は、各地点毎データに基づく緯度経度データ111および順位データ112を一時メモリ67に保存する度に、未処理の読取座標データ51が残っているか否かを判断する。そして、図6の読取データ46であれば、読取データ処理部134は、以上の処理を3回繰り返し、処理を終了する。これにより、一時メモリ67には、図9に示すように、3つの緯度経度データ111のレコードを有する抽出地点データ91が記憶される。また、抽出地点データ91において、この3つの緯度経度データには、1番の順位データ112と、2番の順位データ112と、3番の順位データ112とが対応付けられる。
【0088】
ナビゲーション本体2のUI部132は、目的地探索画面、経路探索画面、経路案内画面などの表示画面を液晶デバイス66に表示させる場合、所定の処理を実行する。
【0089】
図11は、図7中のUI部132による経路探索処理の流れを示すフローチャートである。経路探索処理において、UI部132は、まず、一時メモリ67に、抽出地点データ91が記憶されているか否かを判断する(ステップST11)。
【0090】
一時メモリ67に抽出地点データ91が記憶されていない場合、UI部132は、所定の目的地などの地点選択処理を実行する(ステップST18)。UI部132は、ナビゲーションデータ71に記憶されるランドマークなどを液晶デバイス66に表示させ、その中からタッチパネル65などにより選択されたランドマークを目的地などの地点として設定する。その後、UI部132は、後述する経路探索処理を実行する(ステップST15)。
【0091】
一時メモリ67に抽出地点データ91が記憶されている場合、UI部132は、一時メモリ67から抽出地点データ91を読込み、読み込んだ複数の緯度経度データ111の地点を、順位データ112による順位と対応付けて液晶デバイス66に表示させる(ステップST12)。この表示において、UI部132は、たとえば、複数の地点をナビゲーションデータ71から読み込んだ地図上に緯度経度により対応付けて表示するようにしても、複数の地点のリストを表示するようにしてもよい。また、UI部132は、各地点を、指定された順位の値と同じ数値で表示するようにしても、ナビゲーションデータ71から読み込んだその緯度経度データ111の近くのランドマークの名称やノードの名称などを、たとえば「**付近」として表示するようにしてもよい。
【0092】
読み込んだ複数の緯度経度データの地点を液晶デバイス66に表示させた後、UI部132は、入力指示待ち状態となる(ステップST13)。そして、UI部132は、タッチパネル65やキーデバイス64から、表示する複数の地点の位置や順位を変更する指示が入力されると、それに基づいて抽出地点データ91を修正する(ステップST14)。
【0093】
また、UI部132は、タッチパネル65やキーデバイス64から、修正無しを意味する入力があると、経路探索処理を開始する(ステップST15)。経路探索処理では、UI部132は、一時メモリ67に記憶される抽出地点データ91中の複数の地点について、地点間毎の経路を探索する。具体的には、UI部132は現在位置を出発地とし、抽出地点データ91中の複数の地点を経由順に巡り、目的地に到達する経路を探索する。あるいは、UI部132は、設定された目的地などの地点までの経路を探索する。これらの経路探索において、UI部132は、ナビゲーションデータ71のノードデータおよびリンクデータを使用して経路を探索する。UI部132は、探索した経路を、HDD63に保存する。これにより、HDD63には、案内経路データ72が記憶される。
【0094】
案内経路を探索した後、UI部132は、探索した経路を、液晶デバイス66に表示する(ステップST16)。UI部132は、たとえば探索した経路の全体を含む縮尺の地図データを、ナビゲーションデータ71から読み込み、その読み込んだ地図上に経路を割り付けた画面を、液晶デバイス66に表示させる。
【0095】
図12は、3つの地点を順番に巡る抽出地点データ91に基づいて探索される案内経路を表示する表示画面の一例を示す図である。図12において、3つの地点は、電子ペン4で指定された経由順にしたがって、丸付きの1、丸付きの2および丸付きの3の丸付き数字により表示される。案内経路は、太線で表示される。このとき、同一の経由順(数字)が付された地点が複数存在する場合、たとえば走行距離が短くなる順番でそれら同一順の複数の地点を巡る経路を設定するようにしてもよい。
【0096】
UI部132は、探索経路を液晶デバイス66に表示させた後、たとえば自動車が移動を開始したら、その経路による案内を開始する(ステップST17)。UI部132は、たとえば図12の画面上に、現在位置データ生成部131が生成する現在位置を示すマークを重ねて表示し、現在位置が案内経路の曲がり角などに近づくとその旨を音声などにより報知し、経路を案内する。また、UI部132は、現在位置データ生成部131が生成する現在位置が案内経路を外れたと判断すると、ナビゲーションデータ71を利用して次の地点までの案内経路を再探索し、案内する。
【0097】
以上のように、この実施の形態によれば、電子ペン4により地図帳5の紙面の複数の箇所を電子ペン4によりなぞることで、案内経路を探索させて巡りたい複数の地点を指定することができる。カーナビゲーションシステム1は、指定された複数の地点の緯度経度データ111を生成することができる。カーナビゲーションシステム1は、指定された各地点について、カーナビゲーションシステム1において利用可能な緯度経度データ111を生成することができる。
【0098】
また、この実施の形態によれば、地図帳5の紙面を所定の筆跡のマッチングパターンデータ101とマッチングする筆跡によりなぞることで、選択した地点の経由順を指定することができる。カーナビゲーションシステム1は、その順位の指定にしたがって、指定された複数の地点を巡る経路を探索することができる。カーナビゲーションシステム1は、指定された順番で指定された複数の地点を巡る経路を探索し、案内することができる。
【0099】
また、この実施の形態によれば、読取データ処理部134は、受信読取データ90中の複数の読取座標データ51を、所定の離間時間以上の時間間隔で離れる読取座標データ51を単位として、複数の地点毎データに区切って読込み、読み込んだ複数の読取座標データ51を用いて座標の平均値を演算する。
【0100】
地図帳5上の複数の地点を電子ペン4により指定する場合、ある地点を指定してから次の地点を指定するユーザの作業では、地点毎の指定の間にある程度の時間間隔が生じる。その時間間隔は、通常は、1秒以上の数秒程度の時間間隔となる。また、この時間間隔は、電子ペン4による1つの軌跡中の複数の読取時刻データ53での時間間隔より長い。
【0101】
したがって、この構成のように、複数の地点を指定する受信読取データ90中の複数の読取座標データ51を、所定の離間時間以上の時間間隔により複数の地点毎データに分けるようにすることで、地点毎の指定の間に発生する時間間隔を判断し、各読取座標データ51を、各地点の指定のための筆跡に正しく対応付けることができる。
【0102】
また、この実施の形態によれば、読取データ処理部134は、数字を含む所定の筆跡のマッチングパターンデータ101との間で、筆跡のマッチングを判断する。したがって、読取データ処理部134は、各地点の順位を適切に判断することができる。
【0103】
また、この実施の形態では、読取データ処理部134は、筆跡のマッチングを得ることができなかった地点については、順位データ112において最低順位を指定する。UI部132は、その順位に基づいて経路を探索する。したがって、この構成を採用すれば、ユーザは、すべての地点について順位を指定する必要はない。カーナビゲーションシステム1は、順位が指定されていない地点を含む複数の地点を、指定された順位にしたがって巡る経路を探索することができる。
【0104】
また、この実施の形態では、読取データ処理部134、読取データ処理部134およびUI部132は、ナビゲーション本体2に設けられる。電子ペン4は、ナビゲーション本体2とUSBケーブル3により接続される。したがって、ユーザは、地図帳5および電子ペン4を持ち歩くことができる。ユーザは、ナビゲーション本体2が設置される車内以外の場所において、実際に移動するときに先立って、持ち歩く地図帳5および電子ペン4により、巡りたい地点を指定することができる。
【0105】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。
【0106】
上記実施の形態では、印刷物は、地図帳5である。この他にもたとえば、電子ペン4が読み取ることができる座標パターン13が印刷可能な印刷物としては、たとえば旅行誌、観光案内パンフレット、その他、道路などの経路に関する情報が印刷されたものであればよい。
【0107】
図13は、旅行誌の1ページあるいは観光案内パンフレットの1ページを示す図である。図13の紙面には、その略全面に、赤外線を吸収するインクにより、複数の座標パターン13が印刷される。また、赤外線を吸収するインクの上に、赤外線を透過するインクにより、複数の観光地までの交通案内151と、リセットマーク22、決定マーク23などの各種の長方形のマークが印刷される。
【0108】
そして、図13中に複数の点線枠152で示すように、たとえば交通案内における各地点の印刷領域などと重なる座標枠を、その地点の緯度経度データ111と対応付けて緯度経度変換テーブル81に登録し、電子ペン4がその印刷範囲内を読み取ることで、カーナビゲーションシステム1の読取データ処理部134は、電子ペン4により読み取られた地点の緯度経度データ111を生成することができる。
【0109】
上記実施の形態では、順位パターンデータ82には、各地点の経由順を特定するために、マッチング判定に用いられる筆跡のマッチングパターンデータ101として、丸付きの数字が登録されている。筆跡のマッチングパターンデータ101としては、この他にもたとえば、単なる数字、アンダーライン付きの数字などであってもよい。また、筆跡のマッチングパターンデータ101は、数字以外の文字や記号、たとえばスタート地点を示すSや、ゴール地点を示すGなどの文字であってもよい。
【0110】
また、順位パターンデータ82には、各地点の経由順を特定するための筆跡のマッチングパターンデータ101ではなく、各地点の経由地候補としての優先順位を指定するための筆跡のマッチングパターンデータ101が登録されていてもよい。この場合、筆跡のマッチングパターンデータ101としては、少なくとも数字を含むものであっても、少なくとも文字や記号を含むものであってもよい。文字の場合には、高、中、低などのレベルを示すものや、○、□、△などの記号などとするのが望ましい。なお、順位パターンデータ82には、各地点の経由順を特定するための筆跡のマッチングパターンデータ101と、各地点の経由地候補としての優先順位を指定するための筆跡のマッチングパターンデータ101とが共に登録されていてもよい。
【0111】
上記実施の形態では、読取データ処理部134は、地点毎に読み込むすべての読取座標データ51の平均値を演算している。この他にもたとえば、読取データ処理部134は、地点毎に読み込む複数の読取座標データ51の中の一部の読取座標データ51の平均値を演算するようにしてもよい。読取データ処理部134は、たとえば、各地点毎データ中における最初の筆跡の区切りとなる読取座標データ51までの複数の読取座標データ51による平均値や、所定の筆跡のマッチングパターンデータ101とのマッチングに利用された読取座標データ51以外の読取座標データ51による平均値などを演算するようにしてもよい。
【0112】
読取データ処理部134が最初の筆跡の区切りとなる読取座標データ51までの複数の読取座標データ51による平均値を演算することで、ユーザは、たとえば所望の地点にチェックマークをした後に、その付近に順位指定のために所定の筆跡のマッチングパターンデータ101とマッチングする筆跡を記入することができる。読取データ処理部134は、順位指定のための筆跡に影響されることなく、ユーザがチェックマークにより指定した所望の地点の座標を正確に指定することができる。
【0113】
読取データ処理部134が所定の筆跡のマッチングパターンデータ101とのマッチングに利用された読取座標データ51以外の読取座標データ51による平均値することで、ユーザは、たとえば所望の地点にチェックマークをし、且つ、その付近に順位指定のために所定の筆跡のマッチングパターンデータ101とマッチングする筆跡を記入することができる。読取データ処理部134は、順位指定のための筆跡の書込み順に影響されることなく、ユーザがチェックマークにより指定した所望の地点の座標を正確に指定することができる。
【0114】
また、読取データ処理部134は、複数の読取座標データ51の平均値を演算するのではなく、その他のたとえばチェックマークの折り返し点などの特徴点などを、座標の代表値として特定し、その座標の代表値に対応する緯度経度データを得るようにしてもよい。
【0115】
上記実施の形態では、読取データ処理部134は、筆跡とマッチングするマッチングパターンデータ101が無い場合、その地点の順位として最低順位を指定する。この他にもたとえば、読取データ処理部134は、筆跡とマッチングするマッチングパターンデータ101が無い場合、最高順位などの所定の順位を指定するようにしてもよい。
【0116】
上記実施の形態では、緯度経度変換テーブル81および順位パターンデータ82は、CD−ROM6により、カーナビゲーションシステム1のユーザへ提供される。これらのテーブルは、CD−ROM6以外のたとえばDVDなどの光ディスクや、半導体メモリを有するメモリカードなどの、コンピュータ読取可能な記録媒体により、ユーザへ提供されるようにしてもよい。また、緯度経度変換テーブル81および順位パターンデータ82は、インターネットやLAN(Local Area Network)などの伝送媒体を介してナビゲーション本体2により取得可能に、ユーザへ提供されていてもよい。また、緯度経度変換テーブル81および順位パターンデータ82は、ナビゲーション本体2のHDD63などに、ナビゲーションデータ71とは別に、予め記憶されているものであってもよい。
【0117】
また、上記実施の形態では、読取データ46の複数のレコードは、離間時間に基づいて地点毎データに分類されたり、筆跡毎に分けられたりしている。この他にもたとえば、読取データ46の複数のレコードは、読取座標データ51における離間距離(図6で言えば、(1)、(2)、(3)の間の距離)に基づいて分けられても、ペン圧レベルデータ52における所定のレベル変化(たとえばペン圧レベルが2以下となるようなレベル変化)に基づいて分けられてもよい。
【0118】
上記実施の形態では、ナビゲーションデータ71を記憶するHDD63とは別の記憶手段である一時メモリ67に、抽出地点データ91が記憶される。この他にもたとえば、抽出地点データ91は、HDD63に記憶されていてもよい。
【0119】
上記実施の形態では、電子ペン4は、複数の座標パターン13が印刷された地図帳5の紙面を読み取った軌跡を示す複数の読取座標データ51および複数の読取時刻データ53を有する読取データ46を生成する。この他にもたとえば、電子ペン4は、たとえば案内する各地点を指定するための読取データ46と、各地点の順位を指定する読取データ46とを、それらを互いに区別可能に生成するようにしてもよい。この場合、読取データ処理部134は、各地点を指定するための読取データ46から、当該カーナビゲーションシステム1で利用可能な緯度経度データ111を生成し、且つ、各地点の順位を指定する読取データ46から、各地点の順位データ112を生成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、自動車などの車両にナビゲーション本体が設置されるナビゲーションシステムにおいて好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステムを示す構成図である。
【図2】図2は、図1中の地図帳中の1ページを示す図である。
【図3】図3は、図2の地図帳の専用シートの部分断面図である。
【図4】図4は、シートに対する複数の座標パターンの印刷状態の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、図1中の電子ペンの構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、図5中の不揮発性メモリに記憶される読取データのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】図7は、図1中のナビゲーション本体の構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、図7中のCD−ROMに記憶される順位パターンデータの一例を示す図である。
【図9】図9は、図7中の一時メモリに記憶される抽出地点データの一例を示す図である。
【図10】図10は、図7中の読取データ処理部が未処理の受信読取データに対して実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図11は、図7中のUI部による経路探索処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、案内経路を表示する表示画面の一例を示す図である。
【図13】図13は、旅行誌の1ページあるいは観光案内パンフレットの1ページを示す図である。
【符号の説明】
【0122】
1 カーナビゲーションシステム(ナビゲーションシステム)
2 ナビゲーション本体
3 USBケーブル(通信ケーブル)
4 電子ペン(携帯入力装置)
5 地図帳(印刷物)
13 座標パターン
46 読取データ
51 読取座標データ
53 読取時刻データ
101 マッチングパターンデータ(マッチングパターン)
102 順位データ
111 緯度経度データ
132 UI部(案内経路探索手段)
134 読取データ処理部(緯度経度生成手段、順位生成手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムおよび複数の地点を巡る案内経路の探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ナビゲーションシステムを開示する。このナビゲーションシステムでは、電子ペンにより地図シートをなぞった軌跡の位置情報データを生成する。経路誘導装置は、位置情報により示される位置を目的地とする経路を探索し、表示する。
【0003】
特許文献2は、複数のマークを備えた符号化パターンを有する製品と、このマークを光学的に読み取る装置と、を開示する。
【0004】
【特許文献1】特開2003−287432号公報(段落0050〜0055など)
【特許文献2】特表2003−511761号公報(特許請求の範囲、図4など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のナビゲーションシステムでは、経路案内のための目的地は、そのタッチパネルや入力スイッチが操作されて選択される。目的地が選択されると、ナビゲーションシステムは、たとえば現在位置から目的地までの経路を探索し、案内する。
【0006】
特許文献1は、このような従来の目的地の入力方式に替えて、地図シートを電子ペンによりなぞることで、目的地を選択する方式を開示する。また、特許文献2は、そのような目的に利用可能な地図シートの符号化パターンと、それを読み取る装置とを開示する。
【0007】
しかしながら、特許文献1のナビゲーションシステムは、目的地という1つの地点しか選択できない。特許文献1のナビゲーションシステムは、複数の地点を巡る案内経路を探索することはできない。
【0008】
本発明は、電子ペンなどの携帯入力装置と印刷物とを用いて、案内経路を探索させて巡りたい複数の地点を、各地点を巡る順番や優先順位などの優先度を含めて指定することができるナビゲーションシステムおよび複数の地点を巡る案内経路の探索方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るナビゲーションシステムは、案内する複数の地点および各地点の順位を指定するために印刷物の紙面を読み取る携帯入力装置と、携帯入力装置がその印刷物の紙面の読み取りにより生成するデータを用いて、携帯入力装置により指定された各地点の、当該ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度データを生成する緯度経度生成手段と、携帯入力装置がその印刷物の紙面の読み取りにより生成するデータを用いて、携帯入力装置により指定された順位の順位データを、各地点の緯度経度データに対応付ける順位生成手段と、順位データによる順位の下で、複数の緯度経度データによる複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認する案内経路探索手段と、を有するものである。
【0010】
本発明に係る他のナビゲーションシステムは、複数の座標パターンが印刷された印刷物の紙面を読み取った軌跡を示す複数の読取座標データおよび各読取座標データに対応付けられる複数の読取時刻データを有する読取データを生成する携帯入力装置と、読取データ中の複数の読取時刻データにより判断される所定の時間区切り毎に、複数の読取座標データから座標の代表値を特定し、その座標の代表値での紙面での座標に予め対応付けられている地点の、当該ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度データを生成する緯度経度生成手段と、少なくとも所定の時間区切り毎での各区間中の複数の読取座標データによる筆跡が、目的地を含む複数の経由地での経由順あるいは経由地候補としての優先順位を指定するための所定の筆跡のマッチングパターンとマッチングする場合、そのマッチングしたマッチングパターンに予め対応付けられた順位データを、各地点の緯度経度データに対応付ける順位生成手段と、順位データによる順位の下で、複数の緯度経度データによる複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認する案内経路探索手段と、を有するものである。
【0011】
本発明に係る他のナビゲーションシステムは、上述した発明の構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、緯度経度生成手段は、読取データ中の複数の読取座標データを、所定の離間時間以上の時間間隔で離れる読取座標データを単位として、複数の地点毎データに区切り、各地点毎データ中の複数の読取座標データの全部あるいは一部を用いて座標の代表値を特定する。
【0012】
本発明に係る他のナビゲーションシステムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、緯度経度生成手段は、地点毎データ中の複数の読取座標データによる座標の代表値、各地点毎データ中における最初の筆跡の区切りとなる読取座標データまでの複数の読取座標データによる座標の代表値、あるいは順位生成手段により所定の筆跡パターンとのマッチングに利用された読取座標データ以外の読取座標データによる座標の代表値を特定する。
【0013】
本発明に係る他のナビゲーションシステムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、順位生成手段は、少なくとも数字あるいは優先度を示すために使われている文字を含む所定のマッチングパターンとの間で、筆跡のマッチングを判断する。
【0014】
本発明に係る他のナビゲーションシステムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、案内経路探索手段は、順位データが対応付けられていない各地点の緯度経度データは、最低の順位あるいは最高の順位であるものとして、経路を探索する。
【0015】
本発明に係る他のナビゲーションシステムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、緯度経度生成手段、順位生成手段および案内経路探索手段は、ナビゲーション本体に設けられる。また、携帯入力装置は、ナビゲーション本体と通信ケーブルにより接続され、あるいは、ナビゲーション本体と無線通信することで、印刷物を読み取って生成した読取データを緯度経度生成手段および順位生成手段へ送信する。
【0016】
本発明に係る複数の地点を巡る案内経路の探索方法は、案内する複数の地点および各地点の順位を指定するために印刷物の紙面を読み取るステップと、印刷物の紙面の読み取りにより生成されるデータを用いて、読取により指定された各地点の、当該ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度データを生成するステップと、印刷物の紙面の読み取りにより生成されるデータを用いて、読取により指定された順位の順位データを、各地点の緯度経度データに対応付けるステップと、順位データによる順位の下で、複数の緯度経度データによる複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認するステップと、を有するもである。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、電子ペンなどの携帯入力装置と印刷物とを用いて、案内経路を探索させて巡りたい複数の地点を、各地点を巡る順番や優先順位などの優先度を含めて指定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステムおよび複数の地点を巡る案内経路の探索方法を、図面に基づいて説明する。ナビゲーションシステムは、車両の一種である自動車に設置されて、自動車の道路案内に用いられるカーナビゲーションシステムを例に説明する。複数の地点を巡る案内経路の探索方法は、カーナビゲーションシステムの動作の一部として説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステム1を示す構成図である。カーナビゲーションシステム1は、自動車に設置されるナビゲーション装置としてのナビゲーション本体2と、ナビゲーション本体2とUSB(Universal Serial Bus)ケーブル3により接続可能な、携帯入力装置としての電子ペン4と、印刷物としての地図帳5と、
地図帳5と共に提供されるCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)6と、を有する。USBケーブル3は、通信ケーブルの一種である。
【0020】
図2は、図1中の地図帳5中の1ページを示す図である。地図帳5は、電子ペン4で読取可能な座標パターンが印刷された専用シートを製本したものである。図3は、図2の地図帳5の専用シートの部分断面図である。
【0021】
地図帳5の各ページは、図3に示すように、シート11の紙面に、赤外線を吸収するインクと、赤外線を透過するインクとが印刷されたものである。シート11には、まず、赤外線を吸収するインクが印刷され、その上に、赤外線を透過するインクにより地図などの情報が印刷される。
【0022】
地図帳5のページには、赤外線を吸収するインクにより、複数の座標パターン13が印刷される。座標パターン13は、電子ペン4により読み取り可能な解像度のパターンであり、6×6個のドット12により構成されている。
【0023】
図4は、シート11に対する複数の座標パターン13の印刷状態の一例を示す説明図である。図4において、複数の座標パターン13を構成する複数のドット12は、略0.3ミリメートル間隔で、縦横に配列されている。そして、1つの座標パターン13は、6×6個のドット12により構成される。座標パターン13内におけるその複数のドット12の配置は、少なくともその紙面中の複数の座標パターン13において互いが区別できるように、座標パターン13毎に互いに異なる。具体的にはたとえば、各ドット12は、図4中の所定の一定間隔毎の縦基準線と横基準線との交点の位置を基準として、上下左右のいずれか1つの方向(すなわち、4つの方向の中の1つの方向)へ少しずれた位置に印刷される。そして、各座標パターン13における6×6個の合計36個のドット12のずれ方向の組合せは、複数の座標パターン13の中で唯一なものとすることができる。複数のドット12の中から6×6個のドット12を選んだとき、その36個のドット12のずれ方向の組合せは、他のすべての36個のドット12によるずれ方向の組合せと異なるものとすることができる。この複数の座標パターン13の中で唯一となる36個のドット12のずれ方向の組合せにより、各座標パターン13には、ユニークな座標値を対応付けることができる。なお、6×6個のドット12で構成される複数の座標パターン13は、たとえば1つの地図帳5において互いに異なるものであってもよい。
【0024】
複数の座標パターン13は、図2において複数の点で表すように、紙面の略全面に印刷される。複数の座標パターン13は、図2の地図帳5のページ中の、電子ペン用マーク22,23と重なる領域以外の紙面の全面に印刷される。複数の座標パターン13は、地図画像21に重ねて印刷される。
【0025】
シート11の略全面に印刷される複数の座標パターン13は、それぞれのユニークなドット12の配列に基づいて、電子ペン4により互いに異なる座標値の座標データへ変換される。地図画像21と重ねて印刷される複数の座標パターン13は、紙面上の位置に応じて互いに異なるものとなる。複数の座標パターン13は、たとえば紙面の左上隅を基準(0,0)とする、X,Yの二次元の座標データへ変換される。図2の紙面では、紙面の横方向がX軸であり、紙面の縦方向がY軸である。
【0026】
なお、複数の座標パターン13は、たとえば1冊の地図帳5のすべてのページを1つの大きな紙面上に並べたと仮定した状態において、その大きな紙面の左上隅を基準(0,0)とする、X,Yの二次元の座標データへ変換されるものであってもよい。この変形例の場合、二次元の座標データにより、ページ内の読取位置のみならず、地図帳5中のページも特定することが可能である。
【0027】
地図帳5の各ページには、図2に示すように、赤外線を吸収するインクの上に、赤外線を透過するインクにより、自動車が通行可能な複数の道路を含む四角形の地図画像21や、各種の長方形のマーク22,23とが印刷される。地図画像21および複数の電子ペン用マーク22,23は、シート11の別々の領域に、互いに重ることがないように領域を分けて印刷される。
【0028】
赤外線を透過するインクによりシート11に形成される電子ペン用マーク22,23は、電子ペン4を制御するためのものである。電子ペン用マーク22,23には、たとえばリセットマーク22、決定マーク23などがある。なお、シート11には、電子ペン用マーク22,23の他にも、たとえば、目的地設定マーク、ランドマーク取得マークなどの、電子ペン4により読み取った座標パターン13の利用を制御するためのコマンドマークなどを印刷してもよい。
【0029】
図5は、図1中の電子ペン4の構成を示すブロック図である。電子ペン4は、ボールペン軸31、筆圧センサ32、赤外線LED(Light Emitting Diode)33、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ34、USBケーブル3が接続されるUSBI/F(USBインタフェース)35、時刻情報を生成するタイマ36、不揮発性メモリ37、マイクロコンピュータ38などを有する。電子ペン4は、図1に示すように、細長い棒形状のハウジング39を有する。
【0030】
なお、電子ペン4や後述するナビゲーション本体2は、USBI/F35の代わりに、たとえばブルートゥースなどの無線通信I/Fを備えるものであってもよい。また、タイマ36は、電子ペン4がたとえばリセットされてからの経過時間などを時刻として計測するものであってもよい。不揮発性メモリ37は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)などで構成されていればよい。
【0031】
ボールペン軸31は、この細長い棒形状のハウジング39の一端部に、突出して配設される。筆圧センサ32は、ボールペン軸31に作用する筆圧を検出する。筆圧センサ32は、検出した筆圧値をマイクロコンピュータ38へ出力する。
【0032】
赤外線LED33およびCMOSセンサ34は、ハウジング39の一端部において、ボールペン軸31の配設位置の周囲に配設される。赤外線LED33は、ボールペン軸31の先端が紙面に触れるとき、その接触部位およびその周囲の部位へ赤外線を照射する。CMOSセンサ34は、紙面のその接触部位およびその周囲の部位により反射される赤外線を受光する。CMOSセンサ34は、受光した赤外線の強度分布データを、マイクロコンピュータ38へ出力する。
【0033】
マイクロコンピュータ38は、図示外のメモリ、CPU(Central Processing Unit)、入出力ポートなどを有する。入出力ポートには、筆圧センサ32、赤外線LED33、CMOSセンサ34、USBI/F35、タイマ36、不揮発性メモリ37などが接続される。電子ペン4のCPUは、メモリなどから図示外の制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、電子ペン4のマイクロコンピュータ38には、読取データ生成部41と、読取データ送信部42と、が実現される。
【0034】
読取データ生成部41は、CMOSセンサ34により撮像される座標パターン13を紙面中の座標値へ変換し、複数の座標値の読取座標データ51を有する読取データ46を生成する。読取データ生成部41は、生成した読取データ46を不揮発性メモリ37に記憶させる。
【0035】
図6は、図5中の不揮発性メモリ37に記憶される読取データ46のデータ構造の一例を示す図である。読取データ46は、通常、複数のレコードで構成される。図5では、横一列が1つのレコードに相当する。読取データ46の各レコードは、読取座標データ51と、ペン圧レベルデータ52と、読取時刻データ53と、を有する。読取座標データ51は、CMOSセンサ34により撮像される座標パターン13から得られる座標値を有する座標データであり、X,Yの二次元の座標データである。ペン圧レベルデータ52は、筆圧センサ32が検出した筆圧値を有するデータである。読取時刻データ53は、座標パターン13から得られたときの、タイマ36が計測する時刻を有するデータである。なお、図6の読取データ46は、図6の筆跡欄に示すように、6つの筆跡データにより構成される。各筆跡データは、複数のレコードにより構成されている。
【0036】
不揮発性メモリ37は、読取データ46の他に、リセット印刷パターンデータ47、決定印刷パターンデータ48を記憶する。リセット印刷パターンデータ47は、図2中のリセットマーク22と重ねて、赤外線を吸収するインクによりシート11に印刷されるリセット印刷パターンのデータである。決定印刷パターンデータ48は、図2中の決定マーク23と重ねて、赤外線を吸収するインクによりシート11に印刷される決定印刷パターンのデータである。リセット印刷パターンおよび決定印刷パターンは、読取データ生成部41による読取を制御するために使用される。
【0037】
読取データ送信部42は、図5中の不揮発性メモリ37に記憶される読取データ46を、USBI/F35にUSBケーブル3により接続される機器へ送信する。図1のカーナビゲーションシステム1では、電子ペン4のUSBI/F35には、USBケーブル3によりナビゲーション本体2が接続される。読取データ送信部42は、ナビゲーション本体2へ、不揮発性メモリ37に記憶される読取データ46を送信する。
【0038】
図7は、図1中のナビゲーション本体2の構成を示すブロック図である。ナビゲーション本体2は、ジャイロセンサ61、GPS(Global Positioning System)受信機62、HDD(ハードディスクドライブ)63、キーデバイス64、タッチパネル65、液晶デバイス66、一時メモリ67、USBI/F68、CD(Compact Disc)I/F69、マイクロコンピュータ70などを有する。また、図7中には、地図帳5とともに提供されるCD−ROM6が、ナビゲーション本体2に挿入された状態で記述されている。
【0039】
図1に示すように、ナビゲーション本体2のフロントパネルには、液晶デバイス66と、キーデバイス64の複数の入力ボタン60とが配設される。また、液晶デバイス66の表示部上には、タッチパネル65が配設される。フロントパネルの裏側には、図示外のCD挿入口と、USBI/F68と、が配設される。このUSBI/F68には、電子ペン4のUSBI/F35に接続されたUSBケーブル3が接続可能である。
【0040】
ジャイロセンサ61は、そのX軸,Y軸およびZ軸の3軸方向での加速度を検出する。つまり、ジャイロセンサ61は、ナビゲーション本体2が配設される自動車の3軸方向での加速度を検出する。
【0041】
GPS受信機62は、GPS衛星が送信するGPS電波を受信し、緯度経度データを生成する。つまり、GPS受信機62は、ナビゲーション本体2が配設される自動車の緯度経度データを生成する。
【0042】
HDD63は、ナビゲーション本体2が単独で経路探索および経路案内を実行するために必要となるデータを記憶する。このようなデータとしては、たとえば、ナビゲーションデータ71、目的地設定に基づく案内経路データ72などがある。
【0043】
ナビゲーションデータ71は、たとえば表示地図データ、複数のノードデータ、複数のリンクデータ、複数のランドマークデータなどを有する。
【0044】
ナビゲーションデータ71中の表示地図データは、液晶デバイス66に道路地図を表示するためデータであり、たとえば所定の縮尺での日本全国の道路地図をデータ化したものである。ナビゲーションデータ71中の表示地図データは、たとえば所定のメッシュサイズでの複数のテクスチャデータにより構成される。各テクスチャデータには、そのテクスチャデータの位置を示す緯度経度データなどが対応付けられている。
【0045】
ナビゲーションデータ71中のノードデータは、表示地図データが網羅する地域中の自動車が通過可能な道路の交差点や曲がり角のデータである。ノードデータは、固有のノード名や、それが対応する交差点や曲がり角の緯度経度データなどを有する。また、ノードデータには、対応する交差点などの交差点名などが属性情報として対応付けられている。
【0046】
ナビゲーションデータ71中のリンクデータは、交差点と交差点とを結ぶ道路区間に対応付けられるデータである。リンクデータは、固有のリンク名や、それが接続される複数のノードのノード名などが対応付けられる。また、ノードデータおよびリンクデータには、対応する道路の道路名(たとえば国道○○号線、県道△△号線など)などが属性情報として対応付けられている。
【0047】
ナビゲーションデータ71中のランドマークデータは、表示地図データが網羅する地域中の施設や場所、たとえばコンビニエンスストア、ガソリンスタンド、銀行などの金融機関、学校、神社などに対応付けられるデータである。ランドマークデータは、たとえば対応するランドマークの名称、種類、緯度経度などの属性情報を有する。
【0048】
CDI/F69は、ナビゲーション本体2に挿入されたCD−ROM6からデータを読み込む。ナビゲーション本体2に挿入されるCD−ROM6は、たとえば地図帳5とともに、たとえばカーナビゲーションシステム1の提供元や出版社などから供給されるものである。そして、このCD−ROM6は、たとえば緯度経度変換テーブル81、順位パターンデータ82などを記憶する。
【0049】
緯度経度変換テーブル81は、地図帳5の紙面に印刷される各座標パターン13を、緯度経度データへ変換するためのデータを有する。緯度経度変換テーブル81は、たとえば、地図帳5の紙面に印刷されるすべての座標パターン13に対応付けられた複数の緯度経度データを有するものであっても、一部の座標パターン13に対応付けられた複数の緯度経度データを有するものであってもよい。緯度経度変換テーブル81が、一部の座標パターン13に対応付けられた複数の緯度経度データを有するものである場合、後述する読取データ処理部134は、残りの座標パターン13に対応する緯度経度データは、緯度経度変換テーブル81中の他の座標パターン13の緯度経度データを用いて、演算により得ればよい。
【0050】
図8は、図7中のCD−ROM6に記憶される順位パターンデータ82の一例を示す図である。順位パターンデータ82は、マッチングパターンとしての複数の筆跡のマッチングパターンデータ101を有する。また、各筆跡のマッチングパターンデータ101には、順位データ102が対応付けられる。図8の筆跡のマッチングパターンデータ101には、図8に例示するように、丸付きの数字が登録されている。また、各マッチングパターンデータ101には、そのパターン中の数字と同じ値の順位データ102が対応付けられている。たとえば、(1)(図中では丸付きの1。以下同様に記載する。)のマッチングパターンデータ101には、順位データ102として数字の1が対応付けられている。
【0051】
一時メモリ67は、たとえばフラッシュメモリなどの半導体メモリなどにより構成される。一時メモリ67は、受信読取データ90、抽出地点データ91などを記憶する。
【0052】
図9は、図7中の一時メモリ67に記憶される抽出地点データ91の一例を示す図である。抽出地点データ91は、受信読取データ90に基づいて特定された1つまたは複数の地点の緯度経度データ111を有する。各緯度経度データ111には、受信読取データ90に基づいて特定されたその地点の順位データ112が対応付けられる。
【0053】
ナビゲーション本体2のマイクロコンピュータ70は、図示外のメモリ、CPU、入出力ポートなどを有する。入出力ポートには、ジャイロセンサ61、GPS受信機62、HDD63、キーデバイス64、タッチパネル65、液晶デバイス66、一時メモリ67、USBI/F68などが接続される。ナビゲーション本体2のCPUは、メモリなどから図示外の制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、ナビゲーション本体2のマイクロコンピュータ70には、現在位置データ生成部131と、案内経路探索手段としてのUI(User Interface)部132と、読取データ受信部133と、緯度経度生成手段および順位生成手段としての読取データ処理部134と、が実現される。
【0054】
なお、このナビゲーション本体2のマイクロコンピュータ70が実行する制御プログラムは、ナビゲーション本体2の出荷前に、マイクロコンピュータ70のメモリなどに記憶されたものであっても、ナビゲーション本体2の出荷後に、マイクロコンピュータ70のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、ナビゲーション本体2の出荷後に、マイクロコンピュータ70のメモリなどに記憶されたものであってもよい。ナビゲーション本体2の出荷後に、マイクロコンピュータ70のメモリなどに記憶される制御プログラムは、たとえばCD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。上述した電子ペン4のマイクロコンピュータ38が実行する制御プログラムについても、同様である。
【0055】
現在位置データ生成部131は、GPS受信機62が生成する緯度経度データや、ジャイロセンサ61が生成する加速度データに基づいて、ナビゲーション本体2が設置される自動車の現在位置データを生成する。現在位置データは、緯度経度により表される。
【0056】
UI部132は、一時メモリ67に記憶される抽出地点データ91や、ナビゲーション本体2において設定された目的地などに基づいて、案内経路データ72を生成したり、液晶デバイス66の表示を制御したりする。UI部132は、たとえばキーデバイス64やタッチパネル65からの入力データに基づいて、HDD63や一時メモリ67にアクセスし、新たな表示データを生成する。UI部132は、表示データに基づく画像を液晶デバイス66に表示させる。UI部132が液晶デバイス66に表示させる表示画面としては、抽出地点データ91の確認画面、目的地などを住所や分類により検索し選択する画面、探索した案内経路の表示画面、経路案内画面などがある。
【0057】
読取データ受信部133は、ナビゲーション本体2のUSBI/F68を用いて、電子ペン4が送信する読取データ46を受信する。読取データ受信部133は、受信した読取データ46を一時メモリ67に記憶させる。一時メモリ67は、受信読取データ90として記憶する。
【0058】
読取データ処理部134は、一時メモリ67に記憶される受信読取データ90に基づいて、ナビゲーション本体2に装着されているCD−ROM6の緯度経度変換テーブル81を利用して、ユーザが電子ペン4により指定した複数の地点を特定する。読取データ処理部134は、また、CD−ROM6の順位パターンデータ82を利用して、特定した複数の地点の経由順を特定する。読取データ処理部134は、特定した地点の緯度経度データ111および順位データ112を、抽出地点データ91として一時メモリ67に記憶させる。
【0059】
次に、以上の構成を有するカーナビゲーションシステム1の動作を説明する。以下においては、電子ペン4により地図帳5の複数の地点を読み取り、その読み取りに基づいて抽出された複数の地点を巡る経路を、ナビゲーション本体2の液晶デバイス66に表示する動作を説明する。
【0060】
まず、ユーザは、電子ペン4により地図帳5を読み取る。地図帳5のページには、図2に示すように、地図画像21とともに、リセットマーク22、決定マーク23が印刷されている。ユーザは、たとえば、図2中に点線で示すように、電子ペン4のペン先(ボールペン軸31の先端)により、リセットマーク22をチェックし、地図画像21中の複数の地点(たとえば図2中の(1)、(2)および(3))に、手書き文字としての丸付きの1、丸付きの2および丸付きの3を書込み、さらに、決定マーク23をチェックする。
【0061】
電子ペン4の読取データ生成部41は、筆圧センサ32から所定の閾値以上の筆圧値が入力されると、赤外線の照射処理を開始する。電子ペン4の読取データ生成部41は、筆圧センサ32からの筆圧値が所定の閾値以下になると、赤外線の照射処理を終了する。読取データ生成部41は、各マークがチェックされるとき、および各地点が読み取られるとき、赤外線の照射処理を実行する。
【0062】
この赤外線の照射処理において、読取データ生成部41は、赤外線LED33により赤外線を発光させる。赤外線LED33が出力する赤外線は、紙面のペン先が当たる部位により反射される。リセットマーク22などの各種のマークや地図画像21には、座標パターン13が重ねて印刷される。座標パターン13は、その複数のドット12の配列により赤外線を吸収する。CMOSセンサ34は、ドット12により吸収されずに紙面により反射された赤外線を受光する。CMOSセンサ34は、赤外線の強度分布データを、マイクロコンピュータ38に実現される読取データ生成部41へ供給する。
【0063】
CMOSセンサ34から赤外線の強度分布データが供給されると、読取データ生成部41は、その画像を解析する。読取データ生成部41は、まず、読取画像における赤外線の吸収パターン中に、不揮発性メモリ37に記憶されるリセット印刷パターンデータ47と一致する吸収パターン、あるいは、不揮発性メモリ37に記憶される決定印刷パターンデータ48と一致する吸収パターンが含まれているか否かを判断する。
【0064】
読取画像における赤外線の吸収パターン中にリセット印刷パターンデータ47と一致する吸収パターンが含まれている場合、読取データ生成部41は、不揮発性メモリ37をリセットし、読取データ46の追加処理を開始する。読取データ生成部41は、不揮発性メモリ37に記憶されている過去の読取データ46を消去する。
【0065】
読取画像における赤外線の吸収パターン中に決定印刷パターンデータ48と一致する吸収パターンが含まれている場合、読取データ生成部41は、読取データ46の追加処理を終了する。
【0066】
読取画像における赤外線の吸収パターン中にリセット印刷パターンデータ47と一致する吸収パターンまたは決定印刷パターンデータ48と一致する吸収パターンのいずれも含まれない場合、読取データ生成部41は、画像中の座標パターン13を特定する。読取データ生成部41は、所定のアルゴリズムにより、特定した座標パターン13から、その座標パターン13に固有の座標値を得る。
【0067】
CMOSセンサ34が生成した読取画像から座標値を得ると、読取データ生成部41は、タイマ36から時刻情報を取得し、筆圧センサ32から筆圧値を取得する。読取データ生成部41は、取得した座標値、筆圧値および時刻情報を、不揮発性メモリ37に記憶させる。不揮発性メモリ37は、読取データ生成部41から供給されるこの3つのデータを、読取データ46の1つのレコードとして、読取データ46へ追加する。
【0068】
上述したように、ユーザが、リセットマーク22をチェックし、地図画像21中の(1)、(2)および(3)の地点に、丸付きの1、丸付きの2および丸付きの3を書込み、さらに、決定マーク23をチェックすると、不揮発性メモリ37には、たとえば図6に示すような読取データ46が蓄積して記憶される。不揮発性メモリ37には、地図画像21中の(1)の付近に円を描いたことで生成される複数のレコードと、地図画像21中の(1)の付近に1を描いたことで生成される複数のレコードと、地図画像21中の(2)の付近に円を描いたことで生成される複数のレコードと、地図画像21中の(2)の付近に2を描いたことで生成される複数のレコードと、地図画像21中の(3)の付近に円を描いたことで生成される複数のレコードと、地図画像21中の(3)の付近に3を描いたことで生成される複数のレコードと、からなる読取データ46が記憶される。不揮発性メモリ37には、6つの筆跡データからなる読取データ46が記憶される。
【0069】
以上の読取作業を終えると、ユーザは、電子ペン4とナビゲーション本体2とをUSBケーブル3で接続する。
【0070】
USBケーブル3により電子ペン4とナビゲーション本体2とが接続されると、電子ペン4のUSBI/F35と、ナビゲーション本体2のUSBI/F68との間で、たとえばUSBマスストレージクラスなどにより、データの送受信が可能な状態となる。電子ペン4の読取データ送信部42は、不揮発性メモリ37に記憶されている読取データ46を、ナビゲーション本体2の読取データ受信部133へ送信する。読取データ送信部42が送信した読取データ46は、電子ペン4のUSBI/F35、USBケーブル3およびナビゲーション本体2のUSBI/F68を介して、読取データ受信部133へ送信される。読取データ受信部133は、受信した読取データ46を、一時メモリ67に記憶させる。一時メモリ67は、読取データ受信部133が受信した読取データ46を、受信読取データ90として記憶する。
【0071】
一時メモリ67に新たな未処理の受信読取データ90が保存されると、読取データ処理部134は、その未処理の受信読取データ90に対する処理を開始する。
【0072】
図10は、図7中の読取データ処理部134が未処理の受信読取データ90に対して実行する処理の流れを示すフローチャートである。読取データ処理部134は、まず、一時メモリ67に未処理の受信読取データ90が保存されているか否かを判断する(ステップST1)。
【0073】
一時メモリ67に未処理の受信読取データ90が保存されていない場合、読取データ処理部134は、この判断処理(ステップST1)を繰り返し実行する。読取データ処理部134は、未処理の受信読取データ90待ち状態となる。
【0074】
一時メモリ67に未処理の受信読取データ90が保存されている場合、読取データ処理部134は、地点の抽出登録処理を開始する。なお、たとえば地図帳5の紙面に、目的地設定マーク、ランドマーク取得マークなどの、電子ペン4により読み取ったデータの利用を制御するためのコマンドマークなどが印刷されている場合、読取データ処理部134は、目的地の設定処理であるか否かを判断し、目的地の設定処理である場合には地点の抽出登録処理を開始するようにしてもよい。
【0075】
地点の抽出登録処理において、読取データ処理部134は、まず、未処理の受信読取データ90の最初の地点のレコードを読み込む。
【0076】
地図帳5上の複数の地点を電子ペン4により指定する場合、ある地点を指定(円および数字を記入)してから次の地点を指定するユーザの作業では、地点毎の指定の間にある程度の時間間隔が生じる。その時間間隔は、通常は、1秒以上の数秒程度の時間間隔となる。
【0077】
読取データ処理部134は、連続して読み込む複数のレコードにおいて、読取時刻データ53が具体的にはたとえば0.5秒や1秒程度の所定の離間時間以上の時間間隔で離間するまで、未処理範囲内の複数のレコードを読み込む(ステップST2)。図6の読取データ46では、この読込み処理により、先頭の2つの筆跡データで構成される、1つ目の地点毎データが読み込まれる。
【0078】
1つ分の地点毎データを読み込むと、読取データ処理部134は、読み込んだすべてのレコードによる複数の読取座標データ51の座標の平均値を演算する(ステップST3)。円の筆跡と1の筆跡とが重なっている場合、この座標の平均値は、略円の中心位置の座標値となる。
【0079】
複数の読取座標データ51の座標の平均値を演算した後、読取データ処理部134は、その座標の平均値を、ナビゲーション本体2が利用可能な緯度経度データへ変換する(ステップST4)。読取データ処理部134は、たとえば緯度経度変換テーブル81から、演算した座標の平均値に対応する緯度経度データ111を読み込む。
【0080】
読み込んだ1つ分の地点毎データに基づく地点の緯度経度データを得ると、読取データ処理部134は、次に、その地点の順位を特定する処理を開始する。なお、読取データ処理部134は、読み込んだ1つ分の地点毎データに基づいて、まず地点の順位を特定し、その後に、その地点の緯度経度データを得るようにしてもよい。
【0081】
地点の順位特定処理において、読取データ処理部134は、まず、読み込んだ1つ分の地点毎データによる筆跡を再現する(ステップST5)。読み込んだレコードにおいて、1筆毎に、読取座標データ51の値、ペン圧レベルデータ52の値、読取時刻データ53の値は変化する。この変化は、1筆中での、読取座標データ51の値の変化、ペン圧レベルデータ52の値の変化、読取時刻データ53の値の変化より大きい。読取データ処理部134は、たとえば上述した離間時間より短い例えば0.2秒程度以上の時間間隔が生じる毎に1つの筆跡であると認識し、読み込んだ1つ分の地点毎データによる筆跡を再現する。読取データ処理部134は、図6の最初の1つ分の地点毎データに基づいて、円の筆跡と、1の筆跡とを再現する。なお、これら(円および数字)をまとめて1つの筆跡として処理するようにしてもよい。
【0082】
1つ分の地点毎データにおける1つの筆跡あるいは複数の筆跡を再現した後、読取データ処理部134は、CD−ROM6中の順位パターンデータ82を読み込み、パターンマッチングにより指定された順位を特定する。読取データ処理部134は、順位パターンデータ82中に、再現した筆跡と一致あるいは所定の差の範囲内で合致するマッチングパターンデータ101があるか否かを判断する(ステップST6)。図6の最初の1つ分の地点毎データに基づいて円の筆跡と1の筆跡とが再現されている場合、読取データ処理部134は、順位パターンデータ82中に、再現した筆跡と一致あるいは所定の差の範囲内で合致する「(1)」のマッチングパターンデータ101があると判断する。
【0083】
合致するマッチングパターンデータ101がある場合、読取データ処理部134は、順位パターンデータ82中において、そのマッチングパターンデータ101に対応付けられている順位データ102を読み込む。読取データ処理部134は、読み込んだ順位データ102を、先に特定した緯度経度データ111とを対応付けて、一時メモリ67に保存する(ステップST7)。読取データ処理部134は、たとえば先に特定した緯度経度データ111に順位「1」の順位データ102を対応付けて、一時メモリ67に保存する。一時メモリ67は、緯度経度データ111および順位データ112からなるレコードを、抽出地点データ91に追加して記憶する。
【0084】
合致するマッチングパターンデータ101が無い場合、読取データ処理部134は、予め決められた最低順位、たとえば5番などの順位の順位データ112を、先に特定した緯度経度データ111とを対応付けて、一時メモリ67に保存する(ステップST8)。一時メモリ67は、緯度経度データ111および順位データ112からなるレコードを、抽出地点データ91に追加して記憶する。
【0085】
ステップST7あるいはステップST8による緯度経度データ111および順位データ112の保存処理を終えると、読取データ処理部134は、受信読取データ90の最後まで処理を終えたか否かを判断する。読取データ処理部134は、たとえば受信読取データ90中に、未処理の読取座標データ51が残っているか否かを判断する。そして、受信読取データ90中に、未処理の読取座標データ51が残っていない場合、読取データ処理部134は、処理を終える。
【0086】
受信読取データ90中に未処理の読取座標データ51が残っている場合、読取データ処理部134は、引き続き地点の特定処理を続ける。読取データ処理部134は、受信読取データ90中の未処理範囲内の、次の地点のレコードを読み込む。読取データ処理部134は、読み込んだ2つ目の地点毎データを用いて、読み込んだすべてのレコードによる複数の読取座標データ51の座標の平均値を演算し、その平均値を緯度経度データ111へ変換する。また、読取データ処理部134は、読み込んだ2つ目の地点毎データの筆跡を再現し、マッチングパターンデータ10との合致を判定する。読取データ処理部134は、緯度経度データ111に、判定結果に応じた順位の順位データ112を対応付けて一時メモリ67に保存する。
【0087】
読取データ処理部134は、各地点毎データに基づく緯度経度データ111および順位データ112を一時メモリ67に保存する度に、未処理の読取座標データ51が残っているか否かを判断する。そして、図6の読取データ46であれば、読取データ処理部134は、以上の処理を3回繰り返し、処理を終了する。これにより、一時メモリ67には、図9に示すように、3つの緯度経度データ111のレコードを有する抽出地点データ91が記憶される。また、抽出地点データ91において、この3つの緯度経度データには、1番の順位データ112と、2番の順位データ112と、3番の順位データ112とが対応付けられる。
【0088】
ナビゲーション本体2のUI部132は、目的地探索画面、経路探索画面、経路案内画面などの表示画面を液晶デバイス66に表示させる場合、所定の処理を実行する。
【0089】
図11は、図7中のUI部132による経路探索処理の流れを示すフローチャートである。経路探索処理において、UI部132は、まず、一時メモリ67に、抽出地点データ91が記憶されているか否かを判断する(ステップST11)。
【0090】
一時メモリ67に抽出地点データ91が記憶されていない場合、UI部132は、所定の目的地などの地点選択処理を実行する(ステップST18)。UI部132は、ナビゲーションデータ71に記憶されるランドマークなどを液晶デバイス66に表示させ、その中からタッチパネル65などにより選択されたランドマークを目的地などの地点として設定する。その後、UI部132は、後述する経路探索処理を実行する(ステップST15)。
【0091】
一時メモリ67に抽出地点データ91が記憶されている場合、UI部132は、一時メモリ67から抽出地点データ91を読込み、読み込んだ複数の緯度経度データ111の地点を、順位データ112による順位と対応付けて液晶デバイス66に表示させる(ステップST12)。この表示において、UI部132は、たとえば、複数の地点をナビゲーションデータ71から読み込んだ地図上に緯度経度により対応付けて表示するようにしても、複数の地点のリストを表示するようにしてもよい。また、UI部132は、各地点を、指定された順位の値と同じ数値で表示するようにしても、ナビゲーションデータ71から読み込んだその緯度経度データ111の近くのランドマークの名称やノードの名称などを、たとえば「**付近」として表示するようにしてもよい。
【0092】
読み込んだ複数の緯度経度データの地点を液晶デバイス66に表示させた後、UI部132は、入力指示待ち状態となる(ステップST13)。そして、UI部132は、タッチパネル65やキーデバイス64から、表示する複数の地点の位置や順位を変更する指示が入力されると、それに基づいて抽出地点データ91を修正する(ステップST14)。
【0093】
また、UI部132は、タッチパネル65やキーデバイス64から、修正無しを意味する入力があると、経路探索処理を開始する(ステップST15)。経路探索処理では、UI部132は、一時メモリ67に記憶される抽出地点データ91中の複数の地点について、地点間毎の経路を探索する。具体的には、UI部132は現在位置を出発地とし、抽出地点データ91中の複数の地点を経由順に巡り、目的地に到達する経路を探索する。あるいは、UI部132は、設定された目的地などの地点までの経路を探索する。これらの経路探索において、UI部132は、ナビゲーションデータ71のノードデータおよびリンクデータを使用して経路を探索する。UI部132は、探索した経路を、HDD63に保存する。これにより、HDD63には、案内経路データ72が記憶される。
【0094】
案内経路を探索した後、UI部132は、探索した経路を、液晶デバイス66に表示する(ステップST16)。UI部132は、たとえば探索した経路の全体を含む縮尺の地図データを、ナビゲーションデータ71から読み込み、その読み込んだ地図上に経路を割り付けた画面を、液晶デバイス66に表示させる。
【0095】
図12は、3つの地点を順番に巡る抽出地点データ91に基づいて探索される案内経路を表示する表示画面の一例を示す図である。図12において、3つの地点は、電子ペン4で指定された経由順にしたがって、丸付きの1、丸付きの2および丸付きの3の丸付き数字により表示される。案内経路は、太線で表示される。このとき、同一の経由順(数字)が付された地点が複数存在する場合、たとえば走行距離が短くなる順番でそれら同一順の複数の地点を巡る経路を設定するようにしてもよい。
【0096】
UI部132は、探索経路を液晶デバイス66に表示させた後、たとえば自動車が移動を開始したら、その経路による案内を開始する(ステップST17)。UI部132は、たとえば図12の画面上に、現在位置データ生成部131が生成する現在位置を示すマークを重ねて表示し、現在位置が案内経路の曲がり角などに近づくとその旨を音声などにより報知し、経路を案内する。また、UI部132は、現在位置データ生成部131が生成する現在位置が案内経路を外れたと判断すると、ナビゲーションデータ71を利用して次の地点までの案内経路を再探索し、案内する。
【0097】
以上のように、この実施の形態によれば、電子ペン4により地図帳5の紙面の複数の箇所を電子ペン4によりなぞることで、案内経路を探索させて巡りたい複数の地点を指定することができる。カーナビゲーションシステム1は、指定された複数の地点の緯度経度データ111を生成することができる。カーナビゲーションシステム1は、指定された各地点について、カーナビゲーションシステム1において利用可能な緯度経度データ111を生成することができる。
【0098】
また、この実施の形態によれば、地図帳5の紙面を所定の筆跡のマッチングパターンデータ101とマッチングする筆跡によりなぞることで、選択した地点の経由順を指定することができる。カーナビゲーションシステム1は、その順位の指定にしたがって、指定された複数の地点を巡る経路を探索することができる。カーナビゲーションシステム1は、指定された順番で指定された複数の地点を巡る経路を探索し、案内することができる。
【0099】
また、この実施の形態によれば、読取データ処理部134は、受信読取データ90中の複数の読取座標データ51を、所定の離間時間以上の時間間隔で離れる読取座標データ51を単位として、複数の地点毎データに区切って読込み、読み込んだ複数の読取座標データ51を用いて座標の平均値を演算する。
【0100】
地図帳5上の複数の地点を電子ペン4により指定する場合、ある地点を指定してから次の地点を指定するユーザの作業では、地点毎の指定の間にある程度の時間間隔が生じる。その時間間隔は、通常は、1秒以上の数秒程度の時間間隔となる。また、この時間間隔は、電子ペン4による1つの軌跡中の複数の読取時刻データ53での時間間隔より長い。
【0101】
したがって、この構成のように、複数の地点を指定する受信読取データ90中の複数の読取座標データ51を、所定の離間時間以上の時間間隔により複数の地点毎データに分けるようにすることで、地点毎の指定の間に発生する時間間隔を判断し、各読取座標データ51を、各地点の指定のための筆跡に正しく対応付けることができる。
【0102】
また、この実施の形態によれば、読取データ処理部134は、数字を含む所定の筆跡のマッチングパターンデータ101との間で、筆跡のマッチングを判断する。したがって、読取データ処理部134は、各地点の順位を適切に判断することができる。
【0103】
また、この実施の形態では、読取データ処理部134は、筆跡のマッチングを得ることができなかった地点については、順位データ112において最低順位を指定する。UI部132は、その順位に基づいて経路を探索する。したがって、この構成を採用すれば、ユーザは、すべての地点について順位を指定する必要はない。カーナビゲーションシステム1は、順位が指定されていない地点を含む複数の地点を、指定された順位にしたがって巡る経路を探索することができる。
【0104】
また、この実施の形態では、読取データ処理部134、読取データ処理部134およびUI部132は、ナビゲーション本体2に設けられる。電子ペン4は、ナビゲーション本体2とUSBケーブル3により接続される。したがって、ユーザは、地図帳5および電子ペン4を持ち歩くことができる。ユーザは、ナビゲーション本体2が設置される車内以外の場所において、実際に移動するときに先立って、持ち歩く地図帳5および電子ペン4により、巡りたい地点を指定することができる。
【0105】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。
【0106】
上記実施の形態では、印刷物は、地図帳5である。この他にもたとえば、電子ペン4が読み取ることができる座標パターン13が印刷可能な印刷物としては、たとえば旅行誌、観光案内パンフレット、その他、道路などの経路に関する情報が印刷されたものであればよい。
【0107】
図13は、旅行誌の1ページあるいは観光案内パンフレットの1ページを示す図である。図13の紙面には、その略全面に、赤外線を吸収するインクにより、複数の座標パターン13が印刷される。また、赤外線を吸収するインクの上に、赤外線を透過するインクにより、複数の観光地までの交通案内151と、リセットマーク22、決定マーク23などの各種の長方形のマークが印刷される。
【0108】
そして、図13中に複数の点線枠152で示すように、たとえば交通案内における各地点の印刷領域などと重なる座標枠を、その地点の緯度経度データ111と対応付けて緯度経度変換テーブル81に登録し、電子ペン4がその印刷範囲内を読み取ることで、カーナビゲーションシステム1の読取データ処理部134は、電子ペン4により読み取られた地点の緯度経度データ111を生成することができる。
【0109】
上記実施の形態では、順位パターンデータ82には、各地点の経由順を特定するために、マッチング判定に用いられる筆跡のマッチングパターンデータ101として、丸付きの数字が登録されている。筆跡のマッチングパターンデータ101としては、この他にもたとえば、単なる数字、アンダーライン付きの数字などであってもよい。また、筆跡のマッチングパターンデータ101は、数字以外の文字や記号、たとえばスタート地点を示すSや、ゴール地点を示すGなどの文字であってもよい。
【0110】
また、順位パターンデータ82には、各地点の経由順を特定するための筆跡のマッチングパターンデータ101ではなく、各地点の経由地候補としての優先順位を指定するための筆跡のマッチングパターンデータ101が登録されていてもよい。この場合、筆跡のマッチングパターンデータ101としては、少なくとも数字を含むものであっても、少なくとも文字や記号を含むものであってもよい。文字の場合には、高、中、低などのレベルを示すものや、○、□、△などの記号などとするのが望ましい。なお、順位パターンデータ82には、各地点の経由順を特定するための筆跡のマッチングパターンデータ101と、各地点の経由地候補としての優先順位を指定するための筆跡のマッチングパターンデータ101とが共に登録されていてもよい。
【0111】
上記実施の形態では、読取データ処理部134は、地点毎に読み込むすべての読取座標データ51の平均値を演算している。この他にもたとえば、読取データ処理部134は、地点毎に読み込む複数の読取座標データ51の中の一部の読取座標データ51の平均値を演算するようにしてもよい。読取データ処理部134は、たとえば、各地点毎データ中における最初の筆跡の区切りとなる読取座標データ51までの複数の読取座標データ51による平均値や、所定の筆跡のマッチングパターンデータ101とのマッチングに利用された読取座標データ51以外の読取座標データ51による平均値などを演算するようにしてもよい。
【0112】
読取データ処理部134が最初の筆跡の区切りとなる読取座標データ51までの複数の読取座標データ51による平均値を演算することで、ユーザは、たとえば所望の地点にチェックマークをした後に、その付近に順位指定のために所定の筆跡のマッチングパターンデータ101とマッチングする筆跡を記入することができる。読取データ処理部134は、順位指定のための筆跡に影響されることなく、ユーザがチェックマークにより指定した所望の地点の座標を正確に指定することができる。
【0113】
読取データ処理部134が所定の筆跡のマッチングパターンデータ101とのマッチングに利用された読取座標データ51以外の読取座標データ51による平均値することで、ユーザは、たとえば所望の地点にチェックマークをし、且つ、その付近に順位指定のために所定の筆跡のマッチングパターンデータ101とマッチングする筆跡を記入することができる。読取データ処理部134は、順位指定のための筆跡の書込み順に影響されることなく、ユーザがチェックマークにより指定した所望の地点の座標を正確に指定することができる。
【0114】
また、読取データ処理部134は、複数の読取座標データ51の平均値を演算するのではなく、その他のたとえばチェックマークの折り返し点などの特徴点などを、座標の代表値として特定し、その座標の代表値に対応する緯度経度データを得るようにしてもよい。
【0115】
上記実施の形態では、読取データ処理部134は、筆跡とマッチングするマッチングパターンデータ101が無い場合、その地点の順位として最低順位を指定する。この他にもたとえば、読取データ処理部134は、筆跡とマッチングするマッチングパターンデータ101が無い場合、最高順位などの所定の順位を指定するようにしてもよい。
【0116】
上記実施の形態では、緯度経度変換テーブル81および順位パターンデータ82は、CD−ROM6により、カーナビゲーションシステム1のユーザへ提供される。これらのテーブルは、CD−ROM6以外のたとえばDVDなどの光ディスクや、半導体メモリを有するメモリカードなどの、コンピュータ読取可能な記録媒体により、ユーザへ提供されるようにしてもよい。また、緯度経度変換テーブル81および順位パターンデータ82は、インターネットやLAN(Local Area Network)などの伝送媒体を介してナビゲーション本体2により取得可能に、ユーザへ提供されていてもよい。また、緯度経度変換テーブル81および順位パターンデータ82は、ナビゲーション本体2のHDD63などに、ナビゲーションデータ71とは別に、予め記憶されているものであってもよい。
【0117】
また、上記実施の形態では、読取データ46の複数のレコードは、離間時間に基づいて地点毎データに分類されたり、筆跡毎に分けられたりしている。この他にもたとえば、読取データ46の複数のレコードは、読取座標データ51における離間距離(図6で言えば、(1)、(2)、(3)の間の距離)に基づいて分けられても、ペン圧レベルデータ52における所定のレベル変化(たとえばペン圧レベルが2以下となるようなレベル変化)に基づいて分けられてもよい。
【0118】
上記実施の形態では、ナビゲーションデータ71を記憶するHDD63とは別の記憶手段である一時メモリ67に、抽出地点データ91が記憶される。この他にもたとえば、抽出地点データ91は、HDD63に記憶されていてもよい。
【0119】
上記実施の形態では、電子ペン4は、複数の座標パターン13が印刷された地図帳5の紙面を読み取った軌跡を示す複数の読取座標データ51および複数の読取時刻データ53を有する読取データ46を生成する。この他にもたとえば、電子ペン4は、たとえば案内する各地点を指定するための読取データ46と、各地点の順位を指定する読取データ46とを、それらを互いに区別可能に生成するようにしてもよい。この場合、読取データ処理部134は、各地点を指定するための読取データ46から、当該カーナビゲーションシステム1で利用可能な緯度経度データ111を生成し、且つ、各地点の順位を指定する読取データ46から、各地点の順位データ112を生成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、自動車などの車両にナビゲーション本体が設置されるナビゲーションシステムにおいて好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーションシステムを示す構成図である。
【図2】図2は、図1中の地図帳中の1ページを示す図である。
【図3】図3は、図2の地図帳の専用シートの部分断面図である。
【図4】図4は、シートに対する複数の座標パターンの印刷状態の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、図1中の電子ペンの構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、図5中の不揮発性メモリに記憶される読取データのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】図7は、図1中のナビゲーション本体の構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、図7中のCD−ROMに記憶される順位パターンデータの一例を示す図である。
【図9】図9は、図7中の一時メモリに記憶される抽出地点データの一例を示す図である。
【図10】図10は、図7中の読取データ処理部が未処理の受信読取データに対して実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図11は、図7中のUI部による経路探索処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、案内経路を表示する表示画面の一例を示す図である。
【図13】図13は、旅行誌の1ページあるいは観光案内パンフレットの1ページを示す図である。
【符号の説明】
【0122】
1 カーナビゲーションシステム(ナビゲーションシステム)
2 ナビゲーション本体
3 USBケーブル(通信ケーブル)
4 電子ペン(携帯入力装置)
5 地図帳(印刷物)
13 座標パターン
46 読取データ
51 読取座標データ
53 読取時刻データ
101 マッチングパターンデータ(マッチングパターン)
102 順位データ
111 緯度経度データ
132 UI部(案内経路探索手段)
134 読取データ処理部(緯度経度生成手段、順位生成手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内する複数の地点および各地点の順位を指定するために印刷物の紙面を読み取る携帯入力装置と、
上記携帯入力装置が上記印刷物の紙面の読み取りにより生成するデータを用いて、上記携帯入力装置により指定された各地点の、当該ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度データを生成する緯度経度生成手段と、
上記携帯入力装置が上記印刷物の紙面の読み取りにより生成するデータを用いて、上記携帯入力装置により指定された順位の順位データを、上記各地点の緯度経度データに対応付ける順位生成手段と、
上記順位データによる順位の下で、上記複数の緯度経度データによる複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認する案内経路探索手段と、
を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
複数の座標パターンが印刷された印刷物の紙面を読み取った軌跡を示す複数の読取座標データおよび各読取座標データに対応付けられる複数の読取時刻データを有する読取データを生成する携帯入力装置と、
上記読取データ中の上記複数の読取時刻データにより判断される所定の時間区切り毎に、上記複数の読取座標データから座標の代表値を特定し、その座標の代表値での上記紙面での座標に予め対応付けられている地点の、当該ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度データを生成する緯度経度生成手段と、
少なくとも上記所定の時間区切り毎での各区間中の複数の読取座標データによる筆跡が、目的地を含む複数の経由地での経由順あるいは経由地候補としての優先順位を指定するための所定の筆跡のマッチングパターンとマッチングする場合、そのマッチングしたマッチングパターンに予め対応付けられた順位データを、上記各地点の緯度経度データに対応付ける順位生成手段と、
上記順位データによる順位の下で、上記複数の緯度経度データによる複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認する案内経路探索手段と、
を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記緯度経度生成手段は、前記読取データ中の前記複数の読取座標データを、所定の離間時間以上の時間間隔で離れる読取座標データを単位として、複数の地点毎データに区切り、各地点毎データ中の複数の読取座標データの全部あるいは一部を用いて前記座標の代表値を特定することを特徴とする請求項2記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記緯度経度生成手段は、前記地点毎データ中の前記複数の読取座標データによる前記座標の代表値、各地点毎データ中における最初の筆跡の区切りとなる読取座標データまでの複数の読取座標データによる前記座標の代表値、あるいは前記順位生成手段により前記所定の筆跡パターンとのマッチングに利用された読取座標データ以外の読取座標データによる前記座標の代表値を特定することを特徴とする請求項2記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記順位生成手段は、少なくとも数字あるいは優先度を示すために使われている文字を含む所定のマッチングパターンとの間で、筆跡のマッチングを判断することを特徴とする請求項2から4の中のいずれか1項記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記案内経路探索手段は、前記順位データが対応付けられていない前記各地点の緯度経度データは、最低の順位あるいは最高の順位であるものとして、経路を探索することを特徴とする請求項2から5の中のいずれか1項記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記緯度経度生成手段、前記順位生成手段および前記案内経路探索手段は、ナビゲーション本体に設けられ、
前記携帯入力装置は、上記ナビゲーション本体と通信ケーブルにより接続され、あるいは、上記ナビゲーション本体と無線通信することで、印刷物を読み取って生成した前記読取データを前記緯度経度生成手段および前記順位生成手段へ送信することを特徴とする請求項2から6の中のいずれか1項記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
案内する複数の地点および各地点の順位を指定するために印刷物の紙面を読み取るステップと、
上記印刷物の紙面の読み取りにより生成されるデータを用いて、読取により指定された各地点の、当該ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度データを生成するステップと、
上記印刷物の紙面の読み取りにより生成されるデータを用いて、読取により指定された順位の順位データを、上記各地点の緯度経度データに対応付けるステップと、
上記順位データによる順位の下で、上記複数の緯度経度データによる複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認するステップと、
を有することを特徴とする複数の地点を巡る案内経路の探索方法。
【請求項1】
案内する複数の地点および各地点の順位を指定するために印刷物の紙面を読み取る携帯入力装置と、
上記携帯入力装置が上記印刷物の紙面の読み取りにより生成するデータを用いて、上記携帯入力装置により指定された各地点の、当該ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度データを生成する緯度経度生成手段と、
上記携帯入力装置が上記印刷物の紙面の読み取りにより生成するデータを用いて、上記携帯入力装置により指定された順位の順位データを、上記各地点の緯度経度データに対応付ける順位生成手段と、
上記順位データによる順位の下で、上記複数の緯度経度データによる複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認する案内経路探索手段と、
を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
複数の座標パターンが印刷された印刷物の紙面を読み取った軌跡を示す複数の読取座標データおよび各読取座標データに対応付けられる複数の読取時刻データを有する読取データを生成する携帯入力装置と、
上記読取データ中の上記複数の読取時刻データにより判断される所定の時間区切り毎に、上記複数の読取座標データから座標の代表値を特定し、その座標の代表値での上記紙面での座標に予め対応付けられている地点の、当該ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度データを生成する緯度経度生成手段と、
少なくとも上記所定の時間区切り毎での各区間中の複数の読取座標データによる筆跡が、目的地を含む複数の経由地での経由順あるいは経由地候補としての優先順位を指定するための所定の筆跡のマッチングパターンとマッチングする場合、そのマッチングしたマッチングパターンに予め対応付けられた順位データを、上記各地点の緯度経度データに対応付ける順位生成手段と、
上記順位データによる順位の下で、上記複数の緯度経度データによる複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認する案内経路探索手段と、
を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記緯度経度生成手段は、前記読取データ中の前記複数の読取座標データを、所定の離間時間以上の時間間隔で離れる読取座標データを単位として、複数の地点毎データに区切り、各地点毎データ中の複数の読取座標データの全部あるいは一部を用いて前記座標の代表値を特定することを特徴とする請求項2記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記緯度経度生成手段は、前記地点毎データ中の前記複数の読取座標データによる前記座標の代表値、各地点毎データ中における最初の筆跡の区切りとなる読取座標データまでの複数の読取座標データによる前記座標の代表値、あるいは前記順位生成手段により前記所定の筆跡パターンとのマッチングに利用された読取座標データ以外の読取座標データによる前記座標の代表値を特定することを特徴とする請求項2記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記順位生成手段は、少なくとも数字あるいは優先度を示すために使われている文字を含む所定のマッチングパターンとの間で、筆跡のマッチングを判断することを特徴とする請求項2から4の中のいずれか1項記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記案内経路探索手段は、前記順位データが対応付けられていない前記各地点の緯度経度データは、最低の順位あるいは最高の順位であるものとして、経路を探索することを特徴とする請求項2から5の中のいずれか1項記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記緯度経度生成手段、前記順位生成手段および前記案内経路探索手段は、ナビゲーション本体に設けられ、
前記携帯入力装置は、上記ナビゲーション本体と通信ケーブルにより接続され、あるいは、上記ナビゲーション本体と無線通信することで、印刷物を読み取って生成した前記読取データを前記緯度経度生成手段および前記順位生成手段へ送信することを特徴とする請求項2から6の中のいずれか1項記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
案内する複数の地点および各地点の順位を指定するために印刷物の紙面を読み取るステップと、
上記印刷物の紙面の読み取りにより生成されるデータを用いて、読取により指定された各地点の、当該ナビゲーションシステムで利用可能な緯度経度データを生成するステップと、
上記印刷物の紙面の読み取りにより生成されるデータを用いて、読取により指定された順位の順位データを、上記各地点の緯度経度データに対応付けるステップと、
上記順位データによる順位の下で、上記複数の緯度経度データによる複数の地点を巡る案内経路を生成する、あるいはその順位の下での案内経路の探索を行うことを探索前に順位を修正可能な画面により確認するステップと、
を有することを特徴とする複数の地点を巡る案内経路の探索方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−96144(P2008−96144A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275101(P2006−275101)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
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