説明

ナビゲーション装置、その制御方法及び制御プログラム

【課題】経路上に警報用情報が発せられた場合に、ユーザがどのエリアにどのような警報用情報が発せられているかを瞬時に判別可能とするナビゲーション装置、その制御方法及び制御プログラムを提供すること。
【解決手段】災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために発せられる警報用情報を受信(ステップS4)し、この警報用情報が発せられているエリアに経路が含まれるか否かを判別(ステップS5)し、経路がエリアに含まれると判別された場合に対応する警報用情報を、この警報用情報の各項目に予め対応づけられたアイコンを用いて、経路に対応づけて前記地図画面上に表示する(ステップS8)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意に設定された目的地までの経路を検索し、この経路に従って自車両の経路案内を行うナビゲーション装置、その制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、任意に設定された目的地までの経路を検索し、この経路を地図画面上に表示するとともに、当該経路に従って自車両の経路案内を行うナビゲーション装置が知られている。この種のナビゲーション装置では、目的地までの間の経路上で関係する情報(例えば、天気情報)を取得し、この天気情報を地図画面上に表示するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−181272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の構成では、経路上の天気の概略(例えば、晴れている又は雨が降っている等)は表示されるものの、天気の詳細(例えば、雨がどの程度降っているか等)まで表示されるものではない。従って、経路上の所定のエリアに、例えば大雨警報等の警報用情報が発せられている場合であっても、地図画面上には上記エリアに雨が降っている旨の表示しかされないため、ユーザは当該エリアに大雨警報が発せられていることを認識できず、突然の大雨に晒されるといった問題があった。
一方、警報用情報が発せられた場合、この警報用情報の詳細を文字情報として地図画面上に表示することによりユーザに報知することも考えられる。しかしながら、警報用情報を地図画面上に表示すると、この地図画面上が煩雑となり視認性が低下するため、どのエリアにどのような警報用情報が発せられているかが却って判別しにくくなるといった問題がある。
このため、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、経路上に警報用情報が発せられた場合に、ユーザがどのエリアにどのような警報用情報が発せられているかを瞬時に判別可能とするナビゲーション装置、その制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、任意に設定された目的地までの経路を検索し、この経路を地図画面上に表示するとともに、当該経路に従って自車両の経路案内を行うナビゲーション装置において、災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために発せられる警報用情報を受信する情報受信手段と、受信した警報用情報が発せられているエリアに前記経路が含まれるか否かを判別する判別手段と、前記経路が前記エリアに含まれると判別された場合に対応する警報用情報を、この警報用情報の各項目に予め対応づけられたアイコンを用いて、前記経路に対応づけて前記地図画面上に表示する警報表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0005】
この場合において、前記情報受信手段は、前記警報用情報を所定時間ごと、もしくは、自車両が所定箇所を通過するごとに受信する構成としても良い。また、同一画面上に複数の前記エリアが表示されている場合、前記警報表示制御手段は、前記アイコンの表示態様を前記エリアごとに変更する構成としても良い。また、前記地図画面上に前記アイコンを介して表示された前記警報用情報に対応する音声を報知する報知手段を備える構成としても良い。
【0006】
また、前記判別手段の判別結果に基づいて、前記警報用情報が発せられているエリアに含まれる前記経路の表示態様を、当該警報用情報が発せられていない他のエリアに含まれる経路と異ならせて表示する経路表示制御手段を備える構成としても良い。また、前記警報用情報は、気象警報、気象注意報、地震情報、津波予報、もしくは、火山情報のうち少なくとも1つを含む構成としても良い。
【0007】
また、本発明は、任意に設定された目的地までの経路を検索し、この経路を地図画面上に表示するとともに、当該経路に従って自車両の経路案内を行うナビゲーション装置の制御方法において、災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために発せられる警報用情報を受信し、この警報用情報が発せられているエリアに前記経路が含まれるか否かを判別し、前記経路が前記エリアに含まれると判別された場合に対応する警報用情報を、この警報用情報の各項目に予め対応づけられたアイコンを用いて、前記経路に対応づけて前記地図画面上に表示することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、任意に設定された目的地までの経路を検索し、この経路を地図画面上に表示するとともに、当該経路に従って自車両の経路案内を行うナビゲーション装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムにおいて、災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために発せられる警報用情報を受信させ、この警報用情報が発せられているエリアに前記経路が含まれるか否かを判別させ、前記経路が前記エリアに含まれると判別された場合に対応する警報用情報を、この警報用情報の各項目に予め対応づけられたアイコンを用いて、前記経路に対応づけて前記地図画面上に表示させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、経路上に警報用情報が発せられている場合には、この警報用情報の各項目に対応したアイコンを表示させることにより、ユーザはどのエリアにどのような警報用情報が発せられているかを瞬時に判別することができる。従って、ユーザは、これから走行する経路上に発せられている警報用情報を事前に知ることができるため、この警報用情報を想定して走行することにより、より安全に走行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置10は、車両に搭載され、この車両の経路案内を行うナビゲーション機能や施設検索機能を有する装置である。
このナビゲーション装置10は、GPSユニット11と、ジャイロユニット12と、車速検出部13と、FM受信部14と、ビーコン受信部15と、表示部16と、指示入力部17と、ユーザインターフェース部18と、報音部(報知手段)19と、制御部(判別手段、警報表示制御手段、経路表示制御手段)20と、情報記憶部21と、外部記録装置制御部22と、通信制御部23とを備えている。
【0011】
GPSユニット11は、GPSアンテナを介してGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両の現在地を示す位置座標と進行方向とを演算により取得すると共に、GPS信号に含まれる日時情報と車両の現在地の時差とから車両の現在地における日時情報(年、月、日、時、分等)を演算により取得し、これら情報を制御部20に出力する。
ジャイロユニット12は、ジャイロセンサにより車両の相対的な方位を検出して制御部20に出力する。車速検出部13は、車両の車速パルスPSに基づいて車両の速度を演算により求め、制御部20に出力する。
【0012】
FM受信部14は、FMアンテナ14Aを介してFM多重放送波を受信し、FM多重放送波に重畳されたVICS(Vehicle Information and Communication System)情報を取得し、所定の処理を施して制御部20に出力する。また、ビーコン受信部15は、ビーコン用アンテナ15Aを介してビーコン情報を受信し、所定の処理を施して制御部20に出力する。これらFM受信部14及びビーコン受信部15は、上記VICS情報及びビーコン情報として、渋滞情報や事故情報等の交通情報とともに警報用情報を取得する。この警報用情報は、災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために発せられるものであり、具体的には、気象庁(各地気象台を含む)を通じて発せられる気象警報、気象注意報、地震情報、津波予報、もしくは、火山情報を含む。
気象警報は、気象状態により重大な災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけて行う予報であり、大雨警報、洪水警報、大雪警報、暴風警報、暴風雪警報、波浪警報及び高潮警報の7つの警報を含む。また、気象注意報は、気象状態により災害が起こるおそれのあるときに注意を呼びかけて行う予報であり、大雨注意報、洪水注意報、大雪注意報、強風注意報、風雪注意報、波浪注意報、高潮注意報、濃霧注意報、雷注意報、乾燥注意報、なだれ注意報、着氷注意報、着雪注意報、融雪注意報、霜注意報及び低温注意報の16の注意報を含む。
また、地震情報は、地震が発生した場合、もしくは、地震の発生が予想される場合に、この地震により災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために発せられるものである。また、津波予報は、地震発生後、津波の発生が予想される場合に、この津波により災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために発せられるものであり、津波警報及び津波注意報を含む。また、火山情報は、火山の噴火が予想される場合に、この火山の噴火により災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために発せられるものである。本構成では、FM受信部14及びビーコン受信部15が、警報用情報を受信する情報受信手段として機能する。
【0013】
表示部16は、例えば、タッチパネル付きの液晶表示装置が適用され、制御部20の制御の下、上記表示部16に検索された案内経路もしくは施設を示した地図情報など各種情報が表示される。指示入力部17は、ナビゲーション装置10が備える各種操作子やタッチパネルの操作を検出する操作検出部と、リモートコントローラ(図示せず)からの送信信号を受信する受信部等から構成され、ユーザからの各種指示を制御部20に出力する。ユーザインターフェース部18は、I/O制御回路やドライバ等であり、表示部16及び指示入力部17と、制御部20とを接続するインターフェースである。報音部19は、スピーカとアンプとから構成され、制御部20の制御の下、各種音声を報音する。これによって、この報音部19は、ユーザに各種情報を報知する報知手段として機能する。
【0014】
制御部20は、このナビゲーション装置10全体を制御するものであり、CPU及びその周辺回路から構成され、CPUは、ROM30に記憶された制御プログラム等の各種データを読み出し、指示入力部17を介して入力されたユーザ指示に応じて、ナビゲーション装置10の各部の制御処理を行う。また、DRAM31は、CPUのワークエリアに使用されるメモリであり、SRAM32は、不揮発性メモリであり、車両のアクセサリ電源等の本装置のメイン電源がオフの間も、電池等でバックアップされてメモリ内容を保持する。また、VRAM33は、表示部16の表示用データが格納されるメモリである。
【0015】
情報記憶部21は、地図データを記憶する記憶手段であり、具体的には、ハードディスク装置、CD−ROMやDVD−ROM等のディスク状記録媒体に記憶された上記各データを読み出し可能な読取装置等が適用される。地図データはメッシュ状に区分けされた複数の区画から構成されており、この各区画には、それぞれ各行政区画(市、区、町、村等)の境界を形作るポリゴン(多角形)に相当するポリゴンデータが対応づけられている。これらポリゴンデータには、それぞれ該当する行政コード(住所名称)が紐つけられている。本構成では、このポリゴンデータを利用して、警報用情報が発せられる各エリアを特定可能に構成されている。また、情報記憶部21には、上記警報用情報の各項目(例えば、大雨警報、雷注意報等)に予め対応づけられたアイコンが記憶されており、制御部20の制御下、当該情報記憶部21から読み出されて、表示部16の地図画面上に重ねて表示される。更に、情報記憶部21には、上記各エリアを特定するための音声情報(例えば、東京都23区東部地区等)と、この警報用情報の各項目に対応する音声データとが予め記憶されている。
【0016】
また、外部記録装置制御部22は、制御部20の制御の下、このナビゲーション装置10に接続された外部記録媒体に対してデータの記録・読み出しを行うものであり、外部記録媒体は、例えば、メモリースティック(登録商標)、メモリカード、CFカード(登録商標)が適用される。
【0017】
通信制御部23は、制御部20の制御の下、このナビゲーション装置10に接続された無線通信機器(例えば、携帯電話機)40を介して情報センターやインターネットにアクセスし、無線通信ネットワークを介して各種情報を受信する。本構成では、インターネット上の特定のサイトと通信することにより、上記警報用情報を取得できるようになっていおり、これら通信制御部23及び携帯電話機40が情報受信手段として機能する。
【0018】
次に、図2を参照して、本実施形態の動作を説明する。
まず、ユーザが指示入力部17を介して、目的地を入力して経路検索を指示すると、制御部20は、自車両の現在地から目的地までの経路を検索する(ステップS1)。制御部20は、この検索された経路を地図画面上に表示(ステップS2)し、この経路に沿って車両の経路案内を開始する(ステップS3)。
続いて、制御部20は、上述した警報用情報を取得する(ステップS4)。具体的には、制御部20は、通信制御部23に接続された携帯電話機40を利用して、インターネット上の特定のサイト(例えば、気象庁のサイト)に接続し、このサイト上に提示された警報用情報を取得する。ここで、本実施形態においては、経路検索後に初めて警報用情報を受信する場合には、広範囲のエリアに発せられた警報用情報を取得する必要がある。このため、比較的狭い範囲の情報を受信するFM受信部14及びビーコン受信部15よりも、インターネットを通じて情報を取得できる通信制御部23及び携帯電話機40を用いることが望ましい。
また、次回以降、警報用情報を取得する場合には、制御部20は、FM受信部14及びビーコン受信部15を主として作動させて自車両の比較的近いエリアにおける警報用情報を受信させるように制御する。もちろん、この場合であっても、制御部20は、定期時間ごとに通信制御部23及び携帯電話機40を介してインターネットに接続し、インターネット上から警報用情報を取得するように制御しても良い。
【0019】
続いて、制御部20は、受信した警報用情報が発せられているエリアが上記検索した経路の少なくとも一部を含んでいるか否かを判別する(ステップS5)。具体的には、経路情報を形成する一のノードに対応する地図データの一区画を情報記憶部21から読み出し、このノードの緯度及び経度が上記一区画上のどのポリゴンに含まれるのかを判別し、このノードを含むポリゴンに対応する行政コード(住所)を取得することにより、警報用情報が発せられているエリアに当該ノードが含まれているか否かを判断する。この一連の処理を経路上のすべてのノードに対して実行する。
【0020】
この判別において、上記エリアが検索された経路をまったく含んでいない場合(ステップS5;No)には、この時点では目的地までの経路上には警報が発せられていないため、その旨を報知する(ステップS6)。具体的には、地図画面上に「現在、検索された経路の周辺地域には警報が出ていません」という文章を表示するとともに、報音部19からその旨を音声によって報知する。そして、制御部20は、処理をステップS4に戻す。
一方、この判別において、上記エリアが検索された経路の少なくとも一部を含んでいる場合(ステップS5;Yes)には、制御部20は、このエリアに対して発せられた警報用情報を抽出(ステップS7)し、この抽出した警報用情報に対応するアイコンを情報記憶部21から読み出して、このアイコンを地図画面上に表示するとともに、この警報用情報に対応する音声情報を報音部19により報知する(ステップS8)。
【0021】
ここで、警報用情報が発せられたエリアに、この警報用情報に対応するアイコンを表示する態様について説明する。例えば、経路50を含むエリアAに大雨警報が発せられている場合には、制御部20は、図3に示すように、この大雨警報に対応するアイコン51を情報記憶部21から読み出し、これらアイコン51を上記エリアAに該当する地図画面上に表示する。このアイコン51は経路50上、又は、この経路50の周辺に表示されることが望ましい。なお図3において、符号41は自車両位置、符号42は経路50とは異なる道路を示している。
本実施形態では、警報用情報のアイコンによる表示は、同一画面上に複数のエリアが表示されている場合にはエリアごとに行われるようになっている。例えば、図4に示すように、地図画面上に境界線45で区分けされたエリアBとエリアCとが表示されており、このエリアBに大雨警報が、エリアCに大雨警報及び雷注意報が発せられている場合には、制御部20は、これら大雨警報及び雷注意報にそれぞれ対応するアイコン51、52を情報記憶部21から読み出し、このアイコン51を上記エリアBに該当する地図画面上に表示し、アイコン51、52を上記エリアCに該当する地図画面上に表示する。この図4において、符号43及び符号44は、経路50とは異なる道路を示している。
この場合、各エリアに発せられた警報用情報は、これら警報用情報に対応するアイコンが同一の態様によって表示される。具体的には、図4に示すように、エリアCに発せられている大雨警報及び雷注意報に対応するアイコン51、52は、同一の色(例えば赤色)の枠53で囲んで表示される。これに対して、エリアBに表示されたアイコン51は、枠で囲むことなくそのまま表示されている。この構成によれば、複数のエリアに警報用情報に対応する各種アイコンが多数表示されている場合であっても、各エリアに該当するアイコンは同一の態様で表示されるため、どのエリアにどのような警報用情報が発せられているかを瞬時に判別することができる。従って、ユーザはこれから走行するエリアに発せられている警報用情報を事前に知ることができるため、より安全に走行することができる。
【0022】
更に、本実施形態では、制御部20は、警報用情報が発せられたエリアに含まれる経路の態様を、警報用情報が発せられていない他のエリアに含まれる経路の態様と異ならせて表示するようにしても良い。具体的には、図5に示すように、地図画面上に2つのエリアD及びエリアEは表示され、このエリアEにのみ警報用情報(例えば、大雨警報)が発せられている場合、制御部20は、このエリアEに含まれる経路部分55を点滅させて表示する。これによれば、警報用情報が発せられたエリアと自車両との位置関係が瞬時に判別することができる。ユーザはこれから走行するエリアに発せられている警報用情報とともに、このエリアまでどのくらい距離があるのかを事前に知ることができるため、一層安全に走行することができる。
【0023】
続いて、制御部20は、処理をステップS4に戻し、このステップS4乃至ステップS7を繰り返し実行する。
【0024】
本実施形態によれば、任意に設定された目的地までの経路50を検索し、この経路50を地図画面上に表示するとともに、当該経路50に従って自車両の経路案内を行うナビゲーション装置において、災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために発せられる警報用情報を受信し、この警報用情報が発せられているエリアAに経路50が含まれるか否かを判別し、経路50がエリアAに含まれると判別された場合、経路50を含むエリアAに発せられている警報用情報を、この警報用情報の大雨警報に予め対応づけられたアイコン51を用いて、当該エリアAに地図画面上に表示するため、ユーザはエリアAに大雨警報が発せられていることを瞬時に判別することができる。従って、ユーザはこれから走行するエリアAに発せられている大雨警報を事前に知ることができるため、例えば、速度を落として走行したり、雨が小降りになるまで手前で駐車することにより、より安全に走行することができる。
【0025】
また、本実施形態によれば、通信制御部23は、携帯電話機40を介して、警報用情報を所定時間ごとに受信するため、この受信した警報用情報をリアルタイムに表示することができる。また、本実施形態によれば、ビーコン受信部15は、自車両が所定箇所を通過するごとに警報用情報を受信するため、この受信した警報用情報をリアルタイムに表示することができる。
【0026】
また、本実施形態によれば、同一画面上に複数のエリアが表示されている場合、制御部20は、アイコンの表示態様をエリアごとに変更するため、例えば、複数のエリアB、Cに警報用情報に対応する各種アイコンが多数表示されている場合であっても、各エリアB、Cに該当するアイコンは同一の態様で表示されるため、エリアBには大雨警報が、エリアCには大雨警報と雷注意報とが発せられていることを瞬時に判別することができる。従って、ユーザはこれから走行するエリアに発せられている警報用情報を事前に知ることができるため、より安全に走行することができる。
【0027】
また、本実施形態によれば、地図画面上にアイコンを介して表示された警報用情報に対応する音声を報知する報音部19を備えるため、どのエリアにどのような警報用情報が発せられているか視覚とともに音声にて報知するため、ユーザにより確実に伝達することができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、制御部20は、警報用情報が発せられているエリアに経路が含まれるか否かの判別結果に基づいて、警報用情報が発せられているエリアに含まれる経路の表示態様を、当該警報用情報が発せられていない他のエリアに含まれる経路と異ならせて表示するため、警報用情報が発せられたエリアと自車両との位置関係が瞬時に判別することができる。ユーザはこれから走行するエリアに発せられている警報用情報とともに、このエリアまでどのくらい距離があるのかを事前に知ることができるため、一層安全に走行することができる。
【0029】
以上、本実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、本実施形態では、警報用情報を受信する情報受信手段として、VICS情報及びビーコン情報を受信するFM受信部14及びビーコン受信部15と、インターネット上のサイトから警報用情報を通信により取得する通信制御部23及び携帯電話機40を備える構成について説明したが、これに限るものではなく、地上デジタル放送受信部、BSデジタル放送受信部、CSデジタル放送受信部及びデジタルラジオ受信部のいずれかを備え、各放送波に重畳された警報用情報を受信する構成としても良い。この構成によれば、わざわざインターネットに接続しなくても、広範囲にわたる警報用情報を受信することができ、これら警報用情報を速やかに地図画面上に表示することができる。
【0030】
また、本実施形態では、ナビゲーション装置10を制御するための制御プログラムが制御部20を構成するROM30に予め記憶されている場合について説明したが、各種磁気ディスク、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に制御用プログラムをあらかじめ記録し、これらの記録媒体から読み込み、インストールするように構成することも可能である。また、通信制御部23及び携帯電話機40などの通信インターフェースを設け、インターネット、LANなどのネットワークを介して制御用プログラムをダウンロードし、インストールして実行するように構成することも可能である。このように構成することにより、ソフトウェア的により高機能としたり、より信頼性の高いナビゲーション装置を構成することが可能となる。
【0031】
また、本実施形態では、同一のエリアCに発せられた警報用情報に対応するアイコン51、52を同一色の枠53で囲んで表示する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、同一の線種(例えば、破線又は実線等)で囲む構成や、同一の形状(三角形又は四角形等)の枠で囲む構成であっても良い。また、本実施形態では、警報用情報が発せられたエリアに含まれる経路部分55を点滅表示させることにより、警報用情報が発せられていない他のエリアに含まれる経路と識別できる構成としているが、これに限るものではなく、識別が可能であれば他のエリアに含まれる経路と色を変更して表示する態様として良い。
【0032】
また、本実施形態では、地図画面上に表示されているエリアに発せられている警報用情報について報音部19より音声にて報知する構成としているが、これに限るものではなく、地図画面上に表示されていなくても、上記エリアに隣接する他のエリア(例えば、次に車両が通過するエリア)の警報用情報を報知する構成としても良い。また、報音部19より音声による報知を実行するか否かを選択可能なスイッチを設けても良い。
【0033】
また、警報用情報として緊急地震情報を受信する緊急地震通報手段を備える構成としても良い。この緊急地震情報は、地震の初期微動から地震の発生時刻、地震の規模(マグニチュード)、震度等を予測して通知するものである。
この緊急地震情報を受信した場合、制御部20は、地震発生が予想されるエリアに経路が含まれているか否かを判別し、含まれている場合には、表示部16に、例えば、「今から約20秒後に震度3程度の地震が走行エリアにて発生します」といった表示がされるいとともに、報音部19から音声にて報知される。これによれば、ユーザは予め地震が発生することを認識しているため、地震が発生する以前に車両を、例えば、路肩に停車させることができ、事故の発生を未然に防止することができる。特に、車両が海岸線を走っている場合には、地震に続いて津波が発生するおそれがあるが、この場合であっても、地震の発生を予め認識しているため、地震が収束した後に車両をできるだけ海岸から離れた高台に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】受信した警報用情報を表示する手順を示したフローチャートである。
【図3】警報用情報を地図画面上に表示した模式図である。
【図4】複数のエリアに発せられた警報用情報を地図画面上に表示した模式図である。
【図5】警報用情報が発せられたエリアに含まれる経路の表示態様を他のエリアに含まれる経路の表示態様と異ならせて表示した模式図である。
【符号の説明】
【0035】
10 ナビゲーション装置
14 FM受信部(情報受信手段)
15 ビーコン受信部(情報受信手段)
19 報音部(報知手段)
20 制御部(判別手段、警報表示制御手段、経路表示制御手段)
21 情報記憶部
23 通信制御部(情報受信手段)
40 携帯電話機(情報受信手段)
50 経路
51 アイコン
52 アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意に設定された目的地までの経路を検索し、この経路を地図画面上に表示するとともに、当該経路に従って自車両の経路案内を行うナビゲーション装置において、
災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために発せられる警報用情報を受信する情報受信手段と、受信した警報用情報が発せられているエリアに前記経路が含まれるか否かを判別する判別手段と、前記経路が前記エリアに含まれると判別された場合に対応する警報用情報を、この警報用情報の各項目に予め対応づけられたアイコンを用いて、前記経路に対応づけて前記地図画面上に表示する警報表示制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記情報受信手段は、前記警報用情報を所定時間ごと、もしくは、自車両が所定箇所を通過するごとに受信することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
同一画面上に複数の前記エリアが表示されている場合、前記警報表示制御手段は、前記アイコンの表示態様を前記エリアごとに変更することを特徴とする請求項1または2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記地図画面上に前記アイコンを介して表示された前記警報用情報に対応する音声を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記判別手段の判別結果に基づいて、前記警報用情報が発せられているエリアに含まれる前記経路の表示態様を、当該警報用情報が発せられていない他のエリアに含まれる経路と異ならせて表示する経路表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記警報用情報は、気象警報、気象注意報、地震情報、津波予報、もしくは、火山情報のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
任意に設定された目的地までの経路を検索し、この経路を地図画面上に表示するとともに、当該経路に従って自車両の経路案内を行うナビゲーション装置の制御方法において、
災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために発せられる警報用情報を受信し、この警報用情報が発せられているエリアに前記経路が含まれるか否かを判別し、前記経路が前記エリアに含まれると判別された場合に対応する警報用情報を、この警報用情報の各項目に予め対応づけられたアイコンを用いて、前記経路に対応づけて前記地図画面上に表示することを特徴とするナビゲーション装置の制御方法。
【請求項8】
任意に設定された目的地までの経路を検索し、この経路を地図画面上に表示するとともに、当該経路に従って自車両の経路案内を行うナビゲーション装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムにおいて、
災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために発せられる警報用情報を受信させ、この警報用情報が発せられているエリアに前記経路が含まれるか否かを判別させ、前記経路が前記エリアに含まれると判別された場合に対応する警報用情報を、この警報用情報の各項目に予め対応づけられたアイコンを用いて、前記経路に対応づけて前記地図画面上に表示させたことを特徴とするナビゲーション装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−64613(P2008−64613A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243025(P2006−243025)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】