説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びナビゲーションプログラム

【課題】ユーザが撮影した動画データを用いて、安価に且つ有用性の高い動画を用いた経路誘導を可能としたナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】所定の撮影手段を備え、コンピュータ等を用いて目的地までの経路を探索及び誘導案内するナビゲーション装置に、自車位置の前方に動画データを取得すべき撮影該当地点があるかどうかを判断する撮影要否判断部と、その地点の所定距離手前から、その地点を通過したあと所定距離進むまでの間、前記撮影手段を用いて自車両の後方の動画像を撮影するよう制御する撮影制御部と、撮影された動画データを位置情報及び道路情報と対応付けて記憶する動画データ記憶部と、再生する動画データを抽出する動画データ抽出部と、抽出された動画データを、撮影し記憶した時と逆に再生する再生制御部を設け、動画データ抽出部によってある動画データが抽出された場合に、その動画データを撮影し記憶した時とは逆に再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、移動体の移動経路を誘導案内するナビゲーション装置において、ユーザが自ら撮影した動画データを使用して、安価に動画による経路誘導を行えるように改良を施したナビゲーションの技術すなわちナビゲーション装置、方法及びナビゲーションプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の一般化と情報処理技術の発達に伴い、車載用に代表されるナビゲーション装置が急速に普及している。このナビゲーション装置は、地磁気センサ、車速センサ及びGPSセンサ等により逐次検出する自車の現在位置(緯度、経度等)を、DVDやHDD等に格納された道路地図データを用いて、表示装置の画面上に表示するとともに、道路地図データに含まれる経路データに基づいて、現在位置から指定された目的地への最適な誘導経路を計算して、特定の表示や音声合成などで誘導案内するものである。
【0003】
このようなナビゲーション装置においては、経路誘導を好適に行うことができるようにするため、種々の運転支援方法が提案されている。例えば、特許文献1には、車両の前方の風景を撮影して得た撮影画像G1を表示し、車両の現在位置および進行方向を取得し、その現在位置および進行方向と立体地理情報とに基づいて前記撮像画像G1中の地物と関連した進路指示図形G2aを含むナビゲーション画像G2を生成し、そのナビゲーション画像G2を前記撮影画像G1に重畳した画像N1を表示するという運転支援方法が示されている。
【0004】
また、観光地等における経路誘導を容易なものとするために、ナビゲーション装置の提供者サイドで予め作成した動画データを、ナビゲーション装置のメディア内に格納し、案内情報等として利用できるようになってきている。
【特許文献1】特開平9−35177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような提供者サイドで予め作成された動画データは、あくまでも一方的に提供されたものであり、ユーザにとって必ずしも有用な情報ではなかった。また、このような動画データは作成コストが非常に高いため、動画データの作成地点は、観光地等の一部の場所に関するものに限定されていた。さらに、作成された動画データを予めナビ用データとして格納しておかなくてはならず、動画データを新規に追加するには、データが更新されるのを待たなければならなかった。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、ユーザが自ら撮影した動画データを使用して、安価に、且つ有用性の高い動画を用いた経路誘導を可能としたナビゲーションの技術すなわちナビゲーション装置、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、所定の撮影手段を備え、コンピュータ又は電子回路を用いて、予め備える道路地図データに基づき、移動体が出発地から指定された目的地まで移動する経路を探索及び誘導案内するナビゲーション装置において、
自車位置を取得する現在位置検出部と、目的地を指定する目的地指定部と、前記現在位置検出部で取得した自車位置から、前記目的地指定部で指定した目的地までの経路を計算する経路設定部と、前記現在位置検出部で取得した自車位置の前方に、動画データを取得すべき撮影該当地点があるかどうかを判断する撮影要否判断部と、前記撮影要否判断部で撮影該当地点があると判断された場合に、当該撮影該当地点の所定距離手前から、当該撮影該当地点を通過したあと所定距離進むまでの間、前記撮影手段を用いて自車両の後方の動画像を撮影するよう制御する撮影制御部と、前記撮影手段により撮影された動画データを、当該撮影該当地点の位置情報及び道路情報と対応付けて記憶する動画データ記憶部と、前記動画データに対応付けて記憶されている当該撮影該当地点の位置情報と、前記現在位置検出部で取得した自車位置と、前記経路設定部で計算された経路に含まれる道路情報とが一致する動画データを抽出する動画データ抽出部と、前記動画データ抽出部で抽出された動画データを、その動画データを撮影し記憶した時と逆に再生する再生制御部を備え、前記動画データ抽出部によってある動画データが抽出された場合に、当該動画データを、撮影し記憶した時とは逆に再生することを特徴とするものである。
【0008】
請求項5に記載のナビゲーション方法は、請求項1に記載の発明を方法の観点から捉えたものであり、所定の撮影手段を備え、コンピュータ上に、現在位置検出部、目的地指定部、経路設定部、撮影要否判断部、撮影制御部、動画データ記憶部、動画データ抽出部、再生制御部を実現してなるナビゲーション装置を用いて、予め備える道路地図データに基づき、移動体が出発地から指定された目的地まで移動する経路を探索及び誘導案内するナビゲーション方法において、
前記現在位置検出部で取得した自車位置から前記目的地設定部で指定した目的地までの経路を前記経路設定部によって計算するステップと、前記現在位置検出部で取得した自車位置の前方に、動画データを取得すべき撮影該当地点があるかどうかを、前記撮影要否判断部によって判断するステップと、前記撮影要否判断部で撮影該当地点があると判断された場合に、前記撮影制御部により、当該撮影該当地点の所定距離手前から、当該撮影該当地点を通過した後所定距離進むまでの間、前記撮影手段を用いて自車両の後方の動画像を撮影するよう制御するステップと、前記撮影手段により撮影された動画データを、前記動画データ記憶部により、当該撮影該当地点の位置情報及び道路情報と対応付けて記憶するステップと、前記動画データ抽出部により、前記動画データに対応付けて記憶されている当該撮影該当地点の位置情報と、前記現在位置検出部により取得した自車位置と、前記経路設定部により計算された経路に含まれる道路情報とが一致する動画データを抽出するステップと、前記再生制御部により、前記動画データ抽出部によって抽出された動画データを、その動画データを撮影し記憶した時と逆に再生するステップを含み、前記動画データ抽出部によってある動画データが抽出された場合に、当該動画データを、撮影し記憶した時とは逆に再生することを特徴とするものである。
【0009】
請求項9に記載のナビゲーションプログラムは、請求項1及び請求項5に記載の発明をコンピュータプログラムの観点から捉えたものであり、所定の撮影手段を備え、コンピュータを制御することにより、現在位置検出部、目的地指定部、経路設定部、撮影要否判断部、撮影制御部、動画データ記憶部、動画データ抽出部、再生制御部を実現してなるナビゲーション装置を用いて、予め備える道路地図データに基づき、移動体が出発地から指定された目的地まで移動する経路を探索及び誘導案内するナビゲーション用プログラムにおいて、
コンピュータ上に、前記現在位置検出部で取得した自車位置から前記目的地設定部で指定した目的地までの経路を、前記経路設定部によって計算させるステップと、前記現在位置検出部で取得した自車位置の前方に、動画データを取得すべき撮影該当地点があるかどうかを、前記撮影要否判断部によって判断させるステップと、前記撮影要否判断部で撮影該当地点があると判断された場合に、前記撮影制御部によって、当該撮影該当地点の所定距離手前から、当該撮影該当地点を通過した後所定距離進むまでの間、前記撮影手段を用いて自車両の後方の動画像を撮影するよう制御させるステップと、前記撮影手段により撮影された動画データを、前記動画データ記憶部によって、当該撮影該当地点の位置情報及び道路情報と対応付けて記憶させるステップと、前記動画データ抽出部によって、前記動画データに対応付けて記憶されている当該撮影該当地点の位置情報と、前記現在位置検出部により取得した自車位置と、前記経路設定部により計算された経路に含まれる道路情報とが一致する動画データを抽出させるステップと、前記再生制御部によって、前記動画データ抽出部により抽出された動画データを、その動画データを撮影し記憶した時とは逆に再生させるステップを実現させ、前記動画データ抽出部によってある動画データが抽出された場合に、当該動画データを、撮影し記憶した時とは逆に再生させることを特徴とするものである。
【0010】
以上のような請求項1、請求項5及び請求項9に記載の発明によれば、個々のユーザが普段走行する行動範囲を中心に、ユーザにとって有用性の高い箇所(例えば、右左折交差点等)について、実走行動画像をユーザ自身が収集することができるので、安価に動画データを収集し、活用することができるようになる。その結果、有用な動画データを備えた誘導交差点を増やすことができるので、より高精度の経路誘導を実現することができるようになる。また、従来のように別途動画データを購入する必要がなく、予め高価な動画データを格納しておく必要もない。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記撮影制御部は、前記動画データを記憶するのに十分な記憶容量があるか否かを判断する記憶容量判断部と、前記記憶容量判断部で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量未満の場合に、所定の動画データを消去する動画データ消去部と、前記記憶容量判断部で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量以上の場合に、前記撮影手段を作動させるカメラ作動部とを有することを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の発明を方法の観点から捉えたものであり、請求項5に記載のナビゲーション方法において、前記撮影制御部は、前記動画データを記憶するのに十分な記憶容量があるか否かを判断する記憶容量判断部と、所定の動画データを消去する動画データ消去部と、前記撮影手段を作動させるカメラ作動部を備え、前記記憶容量判断部で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量未満の場合には、前記動画データ消去部によって所定の動画データを消去するステップと、前記記憶容量判断部で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量以上の場合には、前記カメラ作動部によって前記撮影手段を作動させるステップを含むことを特徴とするものである。
【0013】
請求項10に記載の発明は、請求項2及び請求項6に記載の発明をコンピュータプログラムの観点から捉えたものであり、請求項9に記載のナビゲーション用プログラムにおいて、前記撮影制御部は、前記動画データを記憶するために十分な記憶容量があるか否かを判断する記憶容量判断部と、所定の動画データを消去する動画データ消去部と、前記所定の撮影手段を作動させるカメラ作動部を備え、前記記憶容量判断部で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量未満の場合には、前記動画データ消去部によって所定の動画データを消去させるステップと、前記記憶容量判断部で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量以上の場合には、前記カメラ作動部によって前記撮影手段を作動させるステップを実現させることを特徴とするものである。
【0014】
以上のような請求項2、請求項6及び請求項10に記載の発明では、自車の後方の動画像を録画するに際して、その動画データを記憶するために十分な記憶容量があるか否かを判断し、記憶容量が所定量未満の場合には、所定の動画データを消去することにより録画に必要な記憶容量を確保することができる。一方、記憶容量が所定量以上の場合には、直ちに撮影手段を作動させて録画操作を実行することができるので、動画データ記憶用として多大な記憶容量を必要とせず、効率良く動画データを記憶することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、記憶されている各動画データについて、その動画データの再生回数をカウントする再生カウント部が設けられ、前記動画データ消去部は、前記再生カウント部でカウントされた再生回数が最も少ない動画を消去するように構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の発明を方法の観点から捉えたものであり、請求項6に記載のナビゲーション方法において、前記ナビゲーション装置に、記憶されている各動画データについて、その動画データの再生回数をカウントする再生カウント部が設けられ、前記動画データ消去部による動画データを消去するステップが、前記再生カウント部でカウントされた再生回数が最も少ない動画データを消去する処理であることを特徴とするものである。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項3及び請求項7に記載の発明をコンピュータプログラムの観点から捉えたものであり、請求項10に記載のナビゲーション用プログラムにおいて、前記ナビゲーション装置に、記憶されている各動画データについて、その動画データの再生回数をカウントする再生カウント部が設けられ、前記動画データ消去部によって動画データを消去させるステップが、前記再生カウント部でカウントされた再生回数が最も少ない動画データを消去させる処理であることを特徴とするものである。
【0018】
以上のような請求項3、請求項7及び請求項11に記載の発明によれば、自車の後方の動画像を録画するに際して、その動画データを記憶するために十分な記憶容量があるか否かを判断し、記憶容量が所定量未満の場合には、既に録画されている動画データの内、再生回数が最も少ない、言い換えれば、利用頻度が最も少ない動画データを消去することにより、録画に必要な記憶容量を確保することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載のナビゲーション装置において、記憶されている各動画データを撮影した日付情報を取得する撮影日時取得部が設けられ、前記動画データ消去部は、前記撮影日時取得部で取得された撮影日時が最も古い動画を消去するように構成されていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の発明を方法の観点から捉えたものであり、請求項6又は請求項7に記載のナビゲーション方法において、前記ナビゲーション装置に、記憶されている各動画データを撮影した日付情報を取得する撮影日時取得部が設けられ、前記動画データ消去部による動画データを消去するステップが、前記撮影日時取得部で取得された撮影日時が最も古い動画を消去する処理であることを特徴とするものである。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項4及び請求項8に記載の発明をコンピュータプログラムの観点から捉えたものであり、請求項10又は請求項11に記載のナビゲーション用プログラムにおいて、前記ナビゲーション装置に、記憶されている各動画データを撮影した日付情報を取得する撮影日時取得部が設けられ、前記動画データ消去部によって動画データを消去させるステップが、前記撮影日時取得部で取得された撮影日時が最も古い動画を消去させる処理であることを特徴とするものである。
【0022】
以上のような請求項4、請求項8及び請求項12に記載の発明によれば、自車の後方の動画像を録画するに際して、その動画データを記憶するために十分な記憶容量があるか否かを判断し、記憶容量が所定量未満の場合には、既に録画されている動画データの内、撮影日時が最も古い動画データを消去することにより、録画に必要な記憶容量を確保することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上のような本発明によれば、ユーザが自ら撮影した動画データを使用して、安価に、且つ有用性の高い動画を用いた経路誘導を可能としたナビゲーションの技術すなわちナビゲーション装置、方法及びプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照して具体的に説明する。なお、本実施形態は、周辺装置を備えたコンピュータをプログラムで制御することで実現できるが、この場合のハードウェアやプログラムの実現態様は各種変更可能である。また、本発明は、ナビゲーション装置及び方法に加え、上記のようなプログラム、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体としても把握できる。従って、以下の説明では、本発明及び本実施形態の各機能を実現する仮想的回路ブロックを用いる。
【0025】
(1)構成
(1−1)全体構成
まず、本実施形態におけるナビゲーション装置(以下「本装置」と呼ぶ)は、概略としては、予め作成された高価な動画データを使用することなく、ユーザが自ら撮影した動画データを使用することにより、安価に動画による経路誘導を行えるようにすることにより、ユーザにとって優れた有用性を確保するものであり、図1の機能ブロック図に示す下記の各要素を備えている。
【0026】
すなわち、絶対位置・方位検出部1は、本装置が搭載された自動車(自車と呼ぶ)の現在位置すなわち自車位置について、地表での絶対的な位置座標や方位を計算するために、例えば、GPS衛星から送られてくるGPS電波をアンテナやレシーバなどで受信するための部分である。相対方位検出部2は、ジャイロなどを使って自車の相対的な方位を検出するための部分である。車速検出部3は、自動車より得られる車速パルスを処理することで自車の速度を計算する部分である。
【0027】
また、メインCPU及びその周辺回路4は、本装置全体を制御する制御回路の役割を果たす部分である。また、メモリ群Mは、本装置の動作に必要な各種のメモリであり、例えば、プログラム格納用のROM5は本装置の起動時にメインCPUによりアクセスされる。また、ワークエリアなどを提供するダイナミックRAM(DRAM)6には、メインプログラムがロードされる。
【0028】
また、SRAM(スタティックRAM)7は、現在位置、目的地、経路等の各種設定や道路地図データに含まれる情報等を取得し、記憶する記憶手段であり、メイン電源がオフになっている間もバッテリーでバックアップされ、オンになったときにメモリ内容を提供するが、フラッシュメモリやハードディスクドライブなど、他の記憶手段によっても置換可能である。また、表示用のVRAM(ビデオRAM)8は、表示部10に表示すべき画像のビットマップデータを格納する。
【0029】
また、表示部10は、地図、操作メニュー、検索リスト及び地点情報など各種の情報を、図示しない液晶表示画面に表示する部分である。音声出力手段により、合成音声による案内と併用させることもできる。また、入力部11は、ユーザがスイッチなどから命令などの情報を入力するための部分であり、タッチセンサ機能、リモコンユニット、赤外線送受信ユニットなどを備えるが、タッチパネルとして表示部10と一体に構成したり、フロントパネルのスイッチとして構成することも可能である。ユーザインタフェース部9は、I/O制御回路やデバイスドライバなどを使って、表示部10及び入力部11と、メインCPU及びその周辺回路4とを結ぶユーザインタフェースである。
【0030】
また、HDD制御部12は、ハードディスク(大容量記憶装置)に記録されたナビゲーションプログラムなど各種データをデータベースから読み出す手段であり、データベースには、各種縮尺の地図データ、道路又は道路の区間のネットワーク構造を表した道路地図データが格納される。この道路地図データには、地図上の地点に関する各種地点情報が含まれている。この地点情報には、例えば、地点の座標、地点の名称、地点の種類、住所、電話番号等の検索リスト用のデータ、その地点が接している道路の種別等も含まれている。また、ナビゲーションプログラムに必要なインタフェース用のデータ、例えば、メニュー、リスト、ボタン、案内表示(方位、距離、時刻等)、各種マーク(ランドマーク、アイコン、現在位置、走行軌跡等)を含めてもよい。
【0031】
上述のプログラムやデータの格納場所は、種々の記憶媒体により実現可能であり、一部若しくは全部をどの記憶媒体に格納するかは、自由に設計可能である。従って、メインプログラムばかりでなく、ナビゲーションのインタフェース用のデータの一部をROM5にあらかじめ格納しておいてもよい。また、ハードディスクではなく、CD−ROM制御部、DVD−ROM制御部等が、CD−ROM、DVD−ROMから読み出したデータを利用する構成としてもよい。
【0032】
また、FM多重受信及び処理部13は、FM放送波を受信しこの放送波からVICSサービスの交通情報など所望のデータを取り出す処理を行う部分であり、交通情報は渋滞情報を含む。また、光/電波ビーコン受信及び処理部14は、路肩などに設置された光ビーコンや電波ビーコンから、各ビーコンの識別情報やVICSサービスの交通情報などの情報を受信及び処理する部分である。
【0033】
(1−2)メインCPU及びその周辺回路の役割
さらに、メインCPU及びその周辺回路4は、上記のようなプログラムの作用によって、図1に示す下記の各部分としての役割を実現するように構成されている。すなわち、現在位置検出部40は、自車位置を逐次計算するための手段であり、具体的には、GPS航法測位と自律航法測位とを組み合わせることで自車位置を計算するように構成される。
【0034】
ここで、GPS航法測位は、人工衛星からの電波に基づいて絶対位置・方位検出部1で得られる情報を使って現在位置を計算するものである。また、自律航法測位は、地磁気及び自車の速度に基づいて相対方位検出部2及び車速検出部3から得られる情報を使って現在位置を計算するものである。
【0035】
また、目的地指定部41は、前記道路地図データを記録したデータベースからの施設検索や地図上でのカーソル指定などにより、目的地の指定すなわち入力を受け付ける手段である。経路設定部42は、現在位置検出部40により検出される現在位置から、目的地指定部41により指定された目的地に到達するまでの経路を、道路地図データに基づいて計算し、結果として得られた経路を設定する手段である。
【0036】
地図表示部43は、算出された自車位置、経路及び道路地図データに基づいて、自車位置周辺の地図あるいは広域表示した地図を、表示部10に三次元表示又は他の態様で表示する手段である。また、案内制御部44は、経路のうち表示する部分や点滅強調などの要素を決めたり、合成音声の併用などにより誘導案内を制御する手段である。
【0037】
また、撮影要否判定部45は、自車が目的地までの誘導経路を走行中に、前記現在位置検出部40により取得した自車位置の前方に、撮影し録画する必要がある所定地点(以下、撮影該当地点という)があるか否かを判断する手段である。ここで、「撮影該当地点」とは、例えば、右左折交差点や迷いやすい分岐路等、その地点の後方の動画像を録画しておく必要がある地点をいう。
【0038】
また、撮影制御部46は、前記撮影要否判定部45において、目的地までの誘導経路中に撮影該当地点があると判断された場合に、その地点の所定距離手前から、その地点を通過した後所定距離進むまでの間、バックアイカメラ等のビデオカメラ20を作動させて、自車両の後方の動画像を撮影するための制御手段である。なお、撮影制御部46の詳細な構成については、後述する。
【0039】
また、動画データ記憶部47は、前記ビデオカメラ20によって撮影された動画データを、その撮影地点の位置情報、撮影した道路情報、撮影した日時等の情報と対応付けて所定のメモリ等に記憶する手段である。なお、図2は、動画データを記憶する場合に用いられるデータフォーマット例を示したものであり、そのヘッダ部には、「動画ID」「録画開始日付」「録画開始時間」「録画終了日付」「録画終了時間」「対象交差点ユニークID」…等の付加情報が設定されており、これらの情報が動画データと共に記録されるように構成されている。
【0040】
また、動画データ抽出部48は、記憶された動画データ毎に付された撮影地点の位置情報や道路情報等を参照して、前記現在位置検出部40により取得した自車位置及び前記経路設定部42で計算された経路に含まれる道路情報と一致する動画データを抽出する手段である。なお、動画データ抽出部48の詳細な構成については、後述する。
【0041】
また、再生制御部49は、前記動画データ抽出部48で抽出された動画データを、撮影し記憶した時の動画データとは逆方向に再生する手段であり、動画表示部50は、前記再生制御部49で再生された動画を表示する手段である。
【0042】
また、図3に示すように、前記撮影制御部46には、動画データを記憶する録画用HDD等の記憶容量の有無を判断する記憶容量判断部60と、動画データ消去部61と、カメラ作動部62が設けられている。すなわち、前記記憶容量判断部60で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量未満の場合には、前記動画データ消去部61により、所定の動画データを消去して、記憶容量を確保するように構成されている。
【0043】
また、前記記憶容量判断部60によって、記憶容量が所定量以上あると判断した場合には、前記カメラ作動部62によって、前記ビデオカメラ20を作動させるように構成されている。
【0044】
また、前記動画データ消去部61において所定の動画データを消去する場合、図3に示すように、前記再生制御部49による再生回数をカウントする再生回数カウント部63を設け、記憶された動画データ毎にその動画データを再生した回数をカウントするように構成し、この再生回数カウント部63でカウントされた回数が最も少ない動画データを消去するように構成されている。
【0045】
あるいは、動画データを撮影した日付を取得する撮影日時取得部64を設け、前記動画データ消去部51において、この撮影日時取得部64で取得された日付を参照して、その日付が最も古い動画データを消去するように構成することもできる。
【0046】
また、図4に示すように、前記動画データ抽出部48には、動画データの有無検出部70と、進入・退出ID比較部71と、データ抽出部72が設けられている。すなわち、前記動画データの有無検出部70において、自車が走行している現在地情報に基づいて、撮影該当地点に近づいたと判断した場合に、その撮影該当地点についての動画データがあるか否かを判断するように構成されている。
【0047】
また、進入・退出ID比較部71において、その撮影該当地点についての動画データについて、「誘導進入側リンクID」と当該動画データのヘッダ部「退出側リンクID」、及び「誘導退出側リンクID」と当該動画データのヘッダ部「進入側リンクID」とを比較するように構成されている。言い換えれば、現在の自車の走行方向が、撮影該当地点について記憶されている動画データの逆となっているか否かを判断するように構成されている。そして、これらのIDが一致すると判断された場合には、データ抽出部72によって、該当する動画データを抽出するように構成されている。
【0048】
(2)作用
以上のような構成を有する本実施形態のナビゲーション装置による処理の詳細を、図5〜図8のフローチャートを参照して説明する。
【0049】
(2−1)録画開始判定処理…図5参照
目的地までの誘導経路上に、前記「撮影該当地点」としての右左折交差点がある場合に、目的地へ向けて走行している自車がそれらの交差点に近づいた時に、自車がその交差点周辺の様子を録画開始する状態にあるか否かを判別するために、図5に示したような処理が行われる。
【0050】
まず、目的地までの誘導経路上に右左折交差点があるかどうかが判断され(ステップ50l)、経路上に右左折交差点がないと判断された場合には、後述する録画開始処理へは移行せずに本処理を終了し、通常の経路誘導が行われる。
【0051】
一方、ステップ50lにおいて、経路上に右左折交差点があると判断された場合には、ステップ502へ進み、自車が現在誘導されている交差点の手前、所定の距離以内に近づいたか否かが判断される。
【0052】
ステップ502において、自車が未だその誘導交差点の手前、所定の距離以内に近づいていないと判断された場合には、さらに経路誘導に従って走行を続行する。一方、ステップ502において、自車がその誘導交差点の手前、所定の距離以内に近づいたと判断された場合には、図6に示す録画開始処理のフローチャートへ移行する。
【0053】
(2−2)録画開始処理…図6参照
図5のフローチャートに従って録画開始判定が下されると、図6のフローチャートに従って録画開始処理が実行される。
【0054】
まず、図3に示した記憶容量判断部60によって、録画用HDDに十分な空き容量があるか否かが判断され(ステップ601)、録画用HDDに十分な空き容量があると判断されると、ステップ602に進み、カメラ作動部62によってビデオカメラ20が作動し、現在走行中の交差点の後方画像が動画として録画され(ステップ602)、その動画データは録画用HDDに記録される。
【0055】
一方、ステップ601において、録画用HDDに十分な空き容量がないと判断された場合には、既に録画されている動画データの中から、削除しても良い動画データを抽出すべく、以下の処理がなされる。なお、本実施形態においては、削除対象となる動画データとして、使用回数が最も少なく、且つ録画日時が最も古いものが抽出されるように構成されている。
【0056】
すなわち、ステップ603において、既に録画された動画データのうち、図2に示すデータフォーマット例の「使用回数」が最も少ない動画データが抽出され、ステップ604において、抽出された動画データが1つだけかどうか判断される。なお、前記「使用回数」は、図3に示す再生回数カウント部63によってカウントされた結果に基づいて判断される。
【0057】
ステップ604において、抽出された動画データは1つと判断された場合には、その動画データが削除される(ステップ605)。一方、ステップ604において、抽出された動画データが複数あると判断された場合には、ステップ606に進み、それらの録画データの中から、図2に示すデータフォーマット例の「録画開始日付」及び「録画開始時間」が最も古い動画データが抽出され、ステップ605において、その動画データが削除される。
【0058】
ステップ605において、抽出された動画データが削除された後、ステップ601に戻り、再度、録画用HDDに十分な空き容量があるか否かが判断され、上記の処理が繰り返される。そして、ステップ602において、録画開始処理が実行された後、図7に示す録画終了判定処理のフローチャートへ移行する。
【0059】
(2−3)録画終了判定処理…図7参照
図6のフローチャートに従って動画録画が行われた後、図7のフローチャートに従って録画終了判定処理が実行される。
【0060】
まず、ステップ701において、現在、右左折案内が行われ、動画の録画が実行されている当該交差点を自車が通過したか否かが判断され、未だ通過していないと判断された場合には、さらに右左折案内及び動画の録画が続行される。
【0061】
一方、ステップ701において、当該交差点を通過したと判断された場合には、ステップ702に進み、自車が予め設定されていた経路誘導に従ってその交差点を右左折したか否かが判断される。
【0062】
ステップ702において、自車が予め設定されていた経路通りに走行したと判断された場合には、ステップ703に進み、自車がその交差点から所定の距離を走行したか否かが判断され、未だその交差点から所定の距離を走行していないと判断された場合には、動画の録画を続行する。
【0063】
なお、上記「交差点からの所定の距離」は、ナビゲーション装置において予め任意に設定できる。ただし、録画した動画データを逆再生した場合に、その動画データがユーザにとって有用な情報となる範囲の動画データを撮影できる距離であることが好ましい。
【0064】
一方、ステップ703において、自車がその交差点から所定の距離を走行したと判断された場合には、動画の録画を終了し(ステップ704)、動画ヘッダ部に図2に示すような所定の情報が記録される(ステップ705)。その後、通常の経路誘導が実行される。
【0065】
一方、ステップ702において、自車が予め設定されていた経路通りに走行しなかったと判断された場合には、ステップ706に進み、直ちに動画録画を終了し、既に録画されているその交差点についての動画データを削除する。ただし、録画用HDDに十分な空き容量があり、自車が経路誘導に従わずにその交差点を直進した場合や、経路対象外の道路からの誘導動画再生が可能な場合には、録画対象としても良い。
【0066】
(2−4)動画再生処理…図8参照
本実施形態のナビゲーション装置において誘導経路が設定された後、自車がその経路上を走行している場合、録画された動画データの再生は、図8のフローチャートに従って実行される。
【0067】
まず、ステップ801において、自車が誘導交差点の手前、所定の距離以内に近づいたか否かが判断され、未だ所定の距離以内に近づいていないと判断された場合には、通常の経路誘導が行われる。
【0068】
一方、ステップ801において、自車が誘導交差点の手前、所定の距離以内に近づいたと判断された場合には、当該誘導交差点の「交差点ID」と、図2に示すデータフォーマット例のヘッダ部に記録された「対象交差点ユニークID」とを比較し、それらのIDが一致するか否か、言い換えれば、既に録画済みの動画データが存在するか否かが判断される(ステップ802)。
【0069】
ステップ802において、該当する動画データが存在すると判断された場合には、ステップ803において、その交差点への進入方向と退出方向が一致するか否かを判断すべく、「誘導進入側リンクID」と当該動画データのヘッダ部「退出側リンクID」、及び「誘導退出側リンクID」と当該動画データのヘッダ部「進入側リンクID」が比較される。
【0070】
ステップ803において、これらのIDが一致すると判断された場合には、ステップ804に進み、該当する動画データが抽出され、その動画の再生が開始される(ステップ805)。そして、ステップ806において、その動画の再生が終了したか否かが判断され、終了していない場合にはステップ805に戻り、動画の再生が続行され、再生が終了した場合には、本処理を終了し、通常の経路誘導処理が行われる。
【0071】
一方、ステップ802において、該当する動画データが存在しないと判断された場合、あるいはステップ803において、上記のIDが一致しないと判断された場合には、動画の再生は行われず、本処理を終了し、通常の経路誘導処理が行われる。なお、ステップ804において、録画された動画を再生する場合、当該動画データを録画したときとは逆に再生することが重要である。
【0072】
(3)効果
以上述べたように、本実施形態によれば、以下のような効果が得られる。すなわち、従来提供されている経路誘導のための動画データは、作成コストが非常に高価であるため、限られた地域の動画データしか存在しなかった。また、作成された動画データを予めナビ用データとして格納しておかなくてはならず、動画データを新規に追加するには、データの更新を待たなければならなかった。
【0073】
一方、本実施形態によれば、個々のユーザが普段走行する行動範囲を中心に、そのユーザが必要とする箇所(例えば、右左折交差点等)について、実走行動画像をユーザ自身が収集することができるので、安価に動画データを収集し、活用することができるようになる。さらに、従来のように別途動画データを購入する必要がないので、データベースの費用が不要となる。
【0074】
このように、本実施形態によれば、予め高価な動画データを格納しておく必要がなく、HDDの容量が許す限り、それぞれのユーザにとって有用な動画データを記憶しておくことができる。その結果、有用な動画データを備えた誘導交差点を増やすことができるので、より高精度の経路誘導を実現することができるようになる。
【0075】
(4)他の実施形態
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例が考えられる。
【0076】
まず、動画撮影に用いられるビデオカメラとして、既に普及しているバックアイカメラを用いれば、本システムの導入コストを大幅に抑えることができる。なお、バックアイカメラとは、自車がバックする時に、自車の後方の画像を映すことにより運転者を支援するために用いられているカメラである。
【0077】
なお、バックアイカメラで自車の後方の画像を映す場合には、画像の鏡像が使用されるため、本発明に用いられるビデオカメラとして上記バックアイカメラを兼用する場合には、録画した画像の正像を用いることができるように、鏡像と正像を自動的に切り替えることができる自動切り替え手段を設けることが必要である。
【0078】
また、バックアイカメラで自車の後方の画像を撮影する場合には、撮影範囲は自車の後方の下方であり、本発明における撮影範囲は自車の後方全体であるため、カメラ部の撮影角度、または画像範囲を自動的に切り替えることができる撮影角度調節手段を設けることが必要である。
【0079】
例えば、バックアイカメラに、その画角を切り替えることができる機構(ミラーやプリズム等)を設け、通常走行時には画角を上に向け、いつでも車後方(遠方)の動画を収集できるようにし、車庫入れ等のバック時には画角を下に向け、車後方(近傍)の画像を表示できるようにする。
【0080】
また、動画データ録画時とその動画データの再生時とでは、自車の走行速度が異なる場合があるため、再生時の画像とドライバーから見える実際の風景とが一致しない場合がある。このような場合には、図2に示すデータフォーマット例のヘッダ部に、動画録画時における自車の走行速度、走行距離及び録画時間等を追加記録し、それらのデータに基づいて、動画データの再生スピードをコントロールできるように構成しても良い。
【0081】
さらに、動画データ録画時において、渋滞や右折時の対向車の通過待ち等で自車が停止している場合、撮影されている画像に変化のない、有用性の低い動画を記録してしまい、その結果、動画データの容量が増大し、録画可能な記憶容量を圧迫してしまう場合がある。このような場合には、動画データ録画時に自車の走行速度を随時監視し、走行速度が所定の速度以下、あるいは自車が停止状態の時には、録画を一次停止させ、動画データの容量を抑えるようにしても良い。
【0082】
なお、上記の実施形態においては、目的地へ向かう往路で取得した動画データを、同じ経路を走行する復路で表示する例を示したが、ある交差点等について既に動画データが記憶されている場合に、その交差点を誘導案内する際に、経路誘導の補助画面として、その動画像を再生しても良いことは言うまでもない。
【0083】
また、本発明は、車内にナビゲーション用のデータを置く、いわゆるオンボード型ではなく、無線通信ネットワークを介して最新のデータの提供を受けることができる、いわゆるオフボード型のナビゲーションシステムにも適用可能である。この場合、通信ネットワークを介して接続される車外のサーバ等が、上記の処理の全部若しくは一部を行うことができ、処理結果を車内のコンピュータが取得することにより、車内における処理負担を軽減させることができる。なお、本発明は、車載用には限定されず、他の移動手段や携帯用のナビゲーションにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置の構成を示す機能ブロック図。
【図2】動画データを記憶する場合に用いられるデータフォーマット例を示した図。
【図3】図1に示した撮影制御部46とその周辺部材の詳細な構成を示す機能ブロック図。
【図4】図1に示した動画データ抽出部48とその周辺部材の詳細な構成を示す機能ブロック図。
【図5】本発明に係るナビゲーション装置における録画開始判定処理の流れを示すフローチャート。
【図6】本発明に係るナビゲーション装置における録画開始処理の流れを示すフローチャート。
【図7】本発明に係るナビゲーション装置における録画終了判定処理の流れを示すフローチャート。
【図8】本発明に係るナビゲーション装置における動画再生処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0085】
1…絶対位置・方位検出部
2…相対方位検出部
3…車速検出部
4…メインCPU及びその周辺回路
5…ROM
6…DRAM
7…SRAM
8…VRAM
9…ユーザインタフェース部
10…表示部
11…入力部
12…HDD制御部
13…FM多重受信及び処理部
14…光/電波ビーコン受信及び処理部
20…ビデオカメラ
40…現在位置検出部
41…目的地指定部
42…経路設定部
43…地図表示部
44…案内制御部
45…撮影要否判定部
46…撮影制御部
47…動画データ記憶部
48…動画データ抽出部
49…再生制御部
50…動画表示部
60…記憶容量判断部
61…動画データ消去部
62…カメラ作動部
63…再生回数カウント部
64…撮影日時取得部
70…動画データの有無検出部
71…進入・退出ID比較部
72…データ抽出部
M…メモリ群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の撮影手段を備え、コンピュータ又は電子回路を用いて、予め備える道路地図データに基づき、移動体が出発地から指定された目的地まで移動する経路を探索及び誘導案内するナビゲーション装置において、
自車位置を取得する現在位置検出部と、
目的地を指定する目的地指定部と、
前記現在位置検出部で取得した自車位置から、前記目的地指定部で指定した目的地までの経路を計算する経路設定部と、
前記現在位置検出部で取得した自車位置の前方に、動画データを取得すべき撮影該当地点があるかどうかを判断する撮影要否判断部と、
前記撮影要否判断部で撮影該当地点があると判断された場合に、当該撮影該当地点の所定距離手前から、当該撮影該当地点を通過したあと所定距離進むまでの間、前記撮影手段を用いて自車両の後方の動画像を撮影するよう制御する撮影制御部と、
前記撮影手段により撮影された動画データを、当該撮影該当地点の位置情報及び道路情報と対応付けて記憶する動画データ記憶部と、
前記動画データに対応付けて記憶されている当該撮影該当地点の位置情報と、前記現在位置検出部で取得した自車位置と、前記経路設定部で計算された経路に含まれる道路情報とが一致する動画データを抽出する動画データ抽出部と、
前記動画データ抽出部で抽出された動画データを、その動画データを撮影し記憶した時と逆に再生する再生制御部を備え、
前記動画データ抽出部によってある動画データが抽出された場合に、当該動画データを、撮影し記憶した時とは逆に再生することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記撮影制御部は、
前記動画データを記憶するのに十分な記憶容量があるか否かを判断する記憶容量判断部と、
前記記憶容量判断部で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量未満の場合に、所定の動画データを消去する動画データ消去部と、
前記記憶容量判断部で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量以上の場合に、前記撮影手段を作動させるカメラ作動部と
を有することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
記憶されている各動画データについて、その動画データの再生回数をカウントする再生カウント部が設けられ、
前記動画データ消去部は、前記再生カウント部でカウントされた再生回数が最も少ない動画を消去するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
記憶されている各動画データを撮影した日付情報を取得する撮影日時取得部が設けられ、
前記動画データ消去部は、前記撮影日時取得部で取得された撮影日時が最も古い動画を消去するように構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
所定の撮影手段を備え、コンピュータ上に、現在位置検出部、目的地指定部、経路設定部、撮影要否判断部、撮影制御部、動画データ記憶部、動画データ抽出部、再生制御部を実現してなるナビゲーション装置を用いて、予め備える道路地図データに基づき、移動体が出発地から指定された目的地まで移動する経路を探索及び誘導案内するナビゲーション方法において、
前記現在位置検出部で取得した自車位置から前記目的地設定部で指定した目的地までの経路を前記経路設定部によって計算するステップと、
前記現在位置検出部で取得した自車位置の前方に、動画データを取得すべき撮影該当地点があるかどうかを、前記撮影要否判断部によって判断するステップと、
前記撮影要否判断部で撮影該当地点があると判断された場合に、前記撮影制御部により、当該撮影該当地点の所定距離手前から、当該撮影該当地点を通過した後所定距離進むまでの間、前記撮影手段を用いて自車両の後方の動画像を撮影するよう制御するステップと、
前記撮影手段により撮影された動画データを、前記動画データ記憶部により、当該撮影該当地点の位置情報及び道路情報と対応付けて記憶するステップと、
前記動画データ抽出部により、前記動画データに対応付けて記憶されている当該撮影該当地点の位置情報と、前記現在位置検出部により取得した自車位置と、前記経路設定部により計算された経路に含まれる道路情報とが一致する動画データを抽出するステップと、
前記再生制御部により、前記動画データ抽出部によって抽出された動画データを、その動画データを撮影し記憶した時と逆に再生するステップを含み、
前記動画データ抽出部によってある動画データが抽出された場合に、当該動画データを、撮影し記憶した時とは逆に再生することを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項6】
前記撮影制御部は、前記動画データを記憶するのに十分な記憶容量があるか否かを判断する記憶容量判断部と、所定の動画データを消去する動画データ消去部と、前記撮影手段を作動させるカメラ作動部を備え、
前記記憶容量判断部で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量未満の場合には、前記動画データ消去部によって所定の動画データを消去するステップと、
前記記憶容量判断部で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量以上の場合には、前記カメラ作動部によって前記撮影手段を作動させるステップを含むことを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション方法。
【請求項7】
前記ナビゲーション装置に、記憶されている各動画データについて、その動画データの再生回数をカウントする再生カウント部が設けられ、
前記動画データ消去部による動画データを消去するステップが、前記再生カウント部でカウントされた再生回数が最も少ない動画データを消去する処理であることを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション方法。
【請求項8】
前記ナビゲーション装置に、記憶されている各動画データを撮影した日付情報を取得する撮影日時取得部が設けられ、
前記動画データ消去部による動画データを消去するステップが、前記撮影日時取得部で取得された撮影日時が最も古い動画を消去する処理であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のナビゲーション方法。
【請求項9】
所定の撮影手段を備え、コンピュータを制御することにより、現在位置検出部、目的地指定部、経路設定部、撮影要否判断部、撮影制御部、動画データ記憶部、動画データ抽出部、再生制御部を実現してなるナビゲーション装置を用いて、予め備える道路地図データに基づき、移動体が出発地から指定された目的地まで移動する経路を探索及び誘導案内するナビゲーション用プログラムにおいて、
コンピュータ上に、前記現在位置検出部で取得した自車位置から前記目的地設定部で指定した目的地までの経路を、前記経路設定部によって計算させるステップと、
前記現在位置検出部で取得した自車位置の前方に、動画データを取得すべき撮影該当地点があるかどうかを、前記撮影要否判断部によって判断させるステップと、
前記撮影要否判断部で撮影該当地点があると判断された場合に、前記撮影制御部によって、当該撮影該当地点の所定距離手前から、当該撮影該当地点を通過した後所定距離進むまでの間、前記撮影手段を用いて自車両の後方の動画像を撮影するよう制御させるステップと、
前記撮影手段により撮影された動画データを、前記動画データ記憶部によって、当該撮影該当地点の位置情報及び道路情報と対応付けて記憶させるステップと、
前記動画データ抽出部によって、前記動画データに対応付けて記憶されている当該撮影該当地点の位置情報と、前記現在位置検出部により取得した自車位置と、前記経路設定部により計算された経路に含まれる道路情報とが一致する動画データを抽出させるステップと、
前記再生制御部によって、前記動画データ抽出部により抽出された動画データを、その動画データを撮影し記憶した時とは逆に再生させるステップを実現させ、
前記動画データ抽出部によってある動画データが抽出された場合に、当該動画データを、撮影し記憶した時とは逆に再生させることを特徴とするナビゲーション用プログラム。
【請求項10】
前記撮影制御部は、前記動画データを記憶するために十分な記憶容量があるか否かを判断する記憶容量判断部と、所定の動画データを消去する動画データ消去部と、前記所定の撮影手段を作動させるカメラ作動部を備え、
前記記憶容量判断部で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量未満の場合には、前記動画データ消去部によって所定の動画データを消去させるステップと、
前記記憶容量判断部で判断した結果、新たに撮影した動画データを記憶することができる記憶容量が所定量以上の場合には、前記カメラ作動部によって前記撮影手段を作動させるステップを実現させることを特徴とする請求項9に記載のナビゲーション用プログラム。
【請求項11】
前記ナビゲーション装置に、記憶されている各動画データについて、その動画データの再生回数をカウントする再生カウント部が設けられ、
前記動画データ消去部によって動画データを消去させるステップが、前記再生カウント部でカウントされた再生回数が最も少ない動画データを消去させる処理であることを特徴とする請求項10に記載のナビゲーション用プログラム。
【請求項12】
前記ナビゲーション装置に、記憶されている各動画データを撮影した日付情報を取得する撮影日時取得部が設けられ、
前記動画データ消去部によって動画データを消去させるステップが、前記撮影日時取得部で取得された撮影日時が最も古い動画を消去させる処理であることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のナビゲーション用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−218698(P2007−218698A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38553(P2006−38553)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】