説明

ナビゲーション装置およびプログラム

【課題】出迎え位置において出迎え者が訪問者をより容易に見つけることができるようにする新規な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】車両用ナビゲーション装置6は、訪問者1が搭乗する搭乗列車7の情報、訪問者1の外観の情報、および訪問者端末4の宛先アドレスを受け(A1、A2)、搭乗列車7の情報および列車運行データに基づいて適切な出迎え駅9および出迎え駅9に出発する時刻を特定し、その出発時刻の直前に出迎え者端末5に対して出発を促す報知を行う(A4)。そして、出迎え者2の運転により出迎え車両3が出迎え駅9に到着した直後に、受信した訪問者1の外観の情報を表示すると共に(A6)、訪問者端末4に出迎え車両3の位置および外観の情報を送信する(A7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の出迎えに利用されるナビゲーション装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、訪問者等の出迎えを支援するための装置に関する技術が複数提案されている。例えば、特許文献1に記載の情報センターは、出迎えられる人(以下、被出迎え者という)の搭乗してくる公共交通機関名の便名を受信し、この便名に基づいて被出迎え者の到着場所(すなわち出迎え位置)および到着時刻を特定する。さらにこの情報センターは、その到着場所および到着時刻に基づいて、出迎え者が出迎えに出発すべき時刻を算出し、この算出した時刻を出迎え者の通信端末に通知するようになっている。
【0003】
また、特許文献2に記載の車両用ナビゲーション装置は、出迎え位置に自車両が到着したとき、被出迎え者の携帯電話機に自車両の現在位置を通知するようになっている。
【特許文献1】特開平2004−198130号公報
【特許文献2】特開平2003−106854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、以上のような技術を用いても、出迎え者と被出迎え者が共に出迎え位置にいるにも関わらず、出迎え者が被出迎え者を見つけることが困難となる場合がある。出迎え者と被出迎え者とが初対面である場合や、出迎え位置が混雑した場所である場合がその典型的な例である。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、出迎え者が被出迎え者をより容易に見つけることができるようにする新規な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、人の外観を示す人外観信号、および当該人を出迎えるための出迎え位置に関する情報を示す出迎え位置関連信号を受け取る受取手段と、当該受取手段が受け取った当該出迎え位置関連信号に基づいて当該出迎え位置を特定する特定手段と、当該受取手段が受け取った当該人外観信号に基づいて当該人の外観を示す情報を表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えたナビゲーション装置である。
【0007】
このように、ナビゲーション装置は、人の外観を示す情報を受け取り、その受け取った情報に基づいて、その人の外観を示す情報を表示装置に表示させる。このようになっているので、出迎え者が被出迎え者をより容易に見つけることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、当該受取手段は、当該人が携行する携帯無線通信端末に信号を届けるための宛先を示す宛先信号を受け取り、当該ナビゲーション装置は更に、搭載される車両の外観を示す車両外観データを記憶するための記憶媒体と、当該記憶媒体が記憶する当該車両外観データに基づいて、当該車両の外観を示す車両外観信号を、当該受取手段が受け取った宛先信号に基づく宛先に、無線通信装置を用いて送信する送信制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
このように、ナビゲーション装置は、被出迎え者が携行する携帯無線通信端末の宛先に、出迎え者が用いる車両の外観を示す信号を送信する。したがって、被出迎え者が、出迎え者の車両をより容易に見つけることができるようになる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、複数の列車とこれら複数の列車の停車駅との対応を示す列車運行データを記憶するための記憶装置を備え、当該受取手段は、当該人が利用する搭乗列車を特定するための列車情報信号を、当該出迎え位置関連信号として受け取り、当該特定手段は、当該受取手段が受け取った当該列車情報信号および当該記憶装置が記憶する当該列車運行データに基づいて、当該搭乗列車の停車駅のうち1つの位置を、当該出迎え位置として特定することを特徴とする。
【0011】
このようになっているので、ナビゲーション装置は、被出迎え者の乗車する列車から、出迎えの位置を特定することができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、当該記憶装置が記憶する当該列車運行データは、当該複数の列車とこれら複数の列車の駅到着時刻との対応を更に示し、当該受取手段は、当該人が利用する搭乗列車を特定するための列車情報信号を、当該出迎え位置関連信号として受け取り、当該特定手段は、当該列車運行データおよび当該受取手段が受け取った当該列車情報信号に基づいて、当該出迎え位置に当該搭乗列車が到着する列車到着時刻を特定し、更にこの列車到着時刻と、出発位置および当該出迎え位置の位置関係とに基づいて、当該出発位置から当該人の出迎えに出発する出発時刻を特定し、当該ナビゲーション装置は、当該特定手段が特定した当該出発時刻を当該出発時刻前に通知する出発時期通知手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
このように、出迎え者は、到着時刻と位置関係とに基づいて特定された出発時刻の通知をあらかじめ受けることができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、人の外観を示す人外観信号、および当該人を出迎えるための出迎え位置に関する情報を示す出迎え位置関連信号を受け取る受取手段と、当該受取手段が受け取った当該出迎え位置関連信号に基づいて当該出迎え位置を特定する特定手段と、当該出迎え位置に到着したときに、当該受取手段が受け取った当該人外観信号に基づいて、当該人の外観を示す情報を表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えたナビゲーション装置である。
【0015】
このように、ナビゲーション装置は、人の外観を示す情報を受け取り、その受け取った情報に基づいて、その人を出迎える位置においてその人の外観を示す情報を表示装置に表示させる。このようになっているので、出迎え位置において出迎え者が被出迎え者をより容易に見つけることができる。
【0016】
また、請求項6に記載のように、人の外観を示す人外観信号、および当該人を出迎えるための出迎え位置に関する情報を示す出迎え位置関連信号を受け取る受取手段、当該受取手段が受け取った当該出迎え位置関連信号に基づいて当該出迎え位置を特定する特定手段、および当該出迎え位置に到着したときに、当該受取手段が受け取った当該人外観信号に基づいて、当該人の外観を示す情報を表示装置に表示させる表示制御手段として、コンピュータを機能させるプログラムとしても、本発明を捉えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本発明に係る通信システムの全体構成を示す。本実施形態の無線通信システムは、公共交通機関の1つである列車を利用して訪問する人(以下、訪問者という)1を、人(以下、出迎え者という)2が車両3に乗って駅まで出迎えに行くために用いられる。この無線通信システムは、訪問者1が携行する無線通信端末(以下、訪問者端末という)4、出迎え者2が携行する無線通信端末(以下、出迎え者端末という)5、および出迎え車両3に搭載される車両用ナビゲーション装置6を有している。
【0018】
後述する通り、訪問者端末4、出迎え者端末5、および車両用ナビゲーション装置6間の通信によって、車両用ナビゲーション装置6は、訪問者1を出迎える駅、およびその出迎えのために自宅等から出迎え車両3で出発する時刻を、出迎え者2に知らせるようになっている。さらに車両用ナビゲーション装置6は、訪問者端末4から送信された訪問者1の外観を示す情報を画像として表示し、また出迎え車両3の外観を示す情報を訪問者端末4に対して送信するようになっている。
【0019】
訪問者端末4と出迎え者端末5とは、インターネット等の広域通信網に無線通信で接続し、この広域通信網を用いて互いにデータの受け渡しを行うことができるようになっている。以下、この機能を遠距離無線データ通信機能という。このような遠距離無線データ通信機能を有する訪問者端末4および出迎え者端末5としては、例えば、e−mailの授受によってデータの受け渡しを行うことができる携帯電話機がある。また、訪問者端末4および出迎え者端末5のそれぞれは、このデータ授受のために用いる宛先アドレスを有している。すなわち、訪問者端末4の有する宛先アドレス宛にデータを送信することで訪問者端末4にデータを届けることができ、出迎え者端末5の有する宛先アドレス宛にデータを送信することで、出迎え者端末5にデータを届けることができる。上述のe−mail機能を有する携帯電話においては、e−mailアドレスがこの宛先アドレスに該当する。
【0020】
また、訪問者端末4は、訪問者1の人外観データを記憶する記憶媒体を有している。訪問者1の人外観データとは、訪問者1の外見的特長を示すデータである。具体的には、訪問者1の人外観データは、訪問者1の顔写真を示す画像データ、および、身長、ヘアスタイル、髪の色等を示すテキストデータがある。また、訪問者1の人外観データは、訪問者1が訪問時に携行する特徴ある持ち物、服装等のデータを含んでいる。これらの人外観データのうち、テキストデータは、訪問者1の操作に基づいて追加、変更、および削除できるようになっている。また、人外観データのうち画像データは、訪問者端末4がカメラ機能を備えていれば、そのカメラ機能を用いて訪問者1が入力することができるようになっていてもよい。また、上述の広域データ通信機能によって、他の通信端末から当該画像データを受け取るようになっていてもよい。
【0021】
また、出迎え者端末5は、近距離(例えば数十メートル以内)にある無線通信機と直接無線通信してデータの授受を行う機能を有している。以下、この機能を近距離無線データ通信機能という。携帯電話機のBluetooth(登録商標)通信機能が、この近距離無線データ通信機能の一例に該当する。また、出迎え者端末5は、この近距離無線データ通信機能を用いた通信において、通信相手から所定の制御を受けると、上述の広域通信網に無線接続し、当該通信相手の広域通信網を用いたデータ通信を媒介するようになっている。以下、この機能を遠距離データ通信媒介機能という。Bluetooth(登録商標)通信機能のうち、DUN(Dial−Up Networking)機能が、この遠距離データ通信媒介機能の一例に該当する。
【0022】
次に、車両用ナビゲーション装置6の構成について説明する。図2に、車両用ナビゲーション装置6のハードウェア構成を示す。この車両用ナビゲーション装置6は、VICS受信機10、位置検出器11、液晶ディスプレイ等の画像表示装置12、ユーザの操作を受け付ける操作部13、スピーカ14、近距離無線機15、RAM16、ROM17、外部記憶部18、および制御回路19を有している。
【0023】
VICS受信機10は、道路沿いに設置された路上機から無線送信された道路の混雑度等を受信して制御回路19に出力する無線受信機である。
【0024】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報を制御回路19に出力する。
【0025】
近距離無線機15は、上述の近距離無線データ通信機能を有する無線通信装置であり、この機能を用いて、近距離にあるときの出迎え者端末5とデータ通信することができる。このような近距離無線機15としては、例えばBluetooth通信機能を有する通信モジュールがある。
【0026】
外部記憶部18は、DVD、CD、HDD等の不揮発性の記憶媒体およびそれら記憶媒体に対してデータの読み出し(および可能ならば書き込み)を行う装置から成り、制御回路19が読み出して実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0027】
また、外部記憶部18は、列車運行データを有している。列車運行データは、それぞれが1つの列車に対応する複数のデータレコードを含んでいる。各データレコードは、対応する列車の便名、当該列車が停車する全停車駅、およびそれら全停車駅のそれぞれについての当該列車の停車時刻のデータを含んでいる。このように、列車運行データは、複数の列車とこれら複数の列車の停車駅および停車時刻との対応を示すようになっている。
【0028】
また、外部記憶部18は、出迎え車両3の外観を示す車両外観データを記憶している。出迎え車両3の車両外観データとは、出迎え車両3の外見的特長を示すデータである。具体的には、出迎え車両3の車両外観データは、出迎え車両3の全体写真を示す画像データ、および、色、ナンバー、車種等を示すテキストデータを含む。
【0029】
制御回路(コンピュータに相当する)19は、ROM17および外部記憶部18から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM16、ROM17、および外部記憶部18から情報を読み出し、RAM16および外部記憶部18に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、スピーカ14、および近距離無線機15と信号の授受を行う。
【0030】
制御回路19がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、誘導経路算出処理、経路案内処理等がある。
【0031】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。
【0032】
誘導経路算出処理は、操作部13からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出する処理である。
【0033】
経路案内処理は、外部記憶部18から地図データを読み出し、算出された誘導経路、目的地、経由地および現在位置等をこの地図データの示す地図上に重ねた画像を、画像表示装置12に出力し、案内交差点の手前に自車両が到達したとき等の必要時に、スピーカ14を用いて右折、左折等を音声で指示する処理である。また、制御回路19は、ROM17または外部記憶部18中の訪問者出迎え用のプログラム群を実行する。
【0034】
このような構成の通信システムにおける訪問者出迎え用の作動について、以下説明する。図3に、訪問者出迎え用の作動における訪問者端末4、出迎え者端末5、車両用ナビゲーション装置6間の通信の手順を概略的に表す。また、図4に、これら通信の手順と共に、訪問者端末4および車両用ナビゲーション装置6の通信以外の作動の手順を、時系列順に示す。
【0035】
(A1)まず、訪問者1が訪問のために搭乗する列車を特定するためのデータ(以下、列車情報データという)を訪問者端末4に入力する。具体的には、訪問のために列車に搭乗する駅名、および搭乗する列車(以下搭乗列車)7の発車日時のデータを、訪問者端末4に入力する。そして訪問者1は、この入力したデータを出迎え者端末5の宛先アドレス宛てに送信する旨の操作を訪問者端末4に対して行う。訪問者端末4は、これらの操作を受けると、入力された列車情報データと、あらかじめ入力されて記憶している訪問者1の人外観データとを所定のフォーマットの送信用データに整形し、その送信用データを含む信号(人外観信号および列車情報信号の一例に相当する)を指定された宛先アドレス宛てに送信する。この送信は、上述した遠距離無線データ通信機能を用いて行う。この送信が手順A1に相当する。
【0036】
(A2)出迎え者端末5は、この送信用データを信号として受け取ると、受け取った送信データ、および、この送信データの送信元(すなわち訪問者端末4)の宛先アドレスのデータを、近距離無線通信データ通信機能を用いて車両用ナビゲーション装置6に送信する。この送信が手順A2に相当する。なお、出迎え者端末5は、この手順A2における送信を、出迎え者端末5が、車両用ナビゲーション装置6と通信可能な位置に入ったことに基づいて行ってもよいし、出迎え者2が出迎え者端末5に対して所定の操作を行ったときに、この手順A2における送信を行ってもよい。また、出迎え者端末5は、手順A1において出迎え者端末5が受信した信号中に含まれている送信元の宛先アドレスの情報を、この手順A2において送信する訪問者端末4の宛先アドレスとして特定する。この宛先アドレスの情報は、手順A1における通信の経路内の中継装置によって送信データに付与されるようになっていてもよいし、訪問者端末4が送信時に送信データに含めるようになっていてもよい。
【0037】
(A3)車両用ナビゲーション装置6の制御回路19は、手順A2によって、列車情報データ、人外観データ、および訪問者端末4の宛先アドレスを出迎え者端末5から受信すると、訪問者出迎え用のプログラム群のうち1つを実行する。この処理が手順A3に相当する。
【0038】
そして、そのプログラムの実行において、制御回路19は、受信した人外観データを外部記憶部18に記録すると共に、受信した列車情報データおよび記憶している列車運行データに基づいて、出迎え駅9、出迎え時刻、および出発時刻を特定する。出迎え駅9とは、訪問者1が搭乗列車7から降車して出迎えを待つ駅をいう。出迎え時刻とは、その出迎え駅9で訪問者1が降車する時刻をいう。出発時刻とは、訪問者1を出迎え駅9で出迎え時刻に出迎えるために、出迎え者2が出迎え車両3で出発すべき時刻をいう。
【0039】
制御回路19は、搭乗列車7が停車する停車駅のうち、基準位置から出迎え車両3で最も辿り着き易い駅を、出迎え駅9として特定する。搭乗列車7が停車する停車駅は、列車運行データに基づいて特定する。辿り着き易さを判断する基準としては、例えば、基準位置から停車駅までの直線距離、基準位置から停車駅までの最短経路の距離、基準位置から停車駅までの最短経路の走行にかかる時間等を用いる。なお、基準位置から停車駅までの経路は、上述の誘導経路算出処理によって特定する。そして、経路を走行するためにかかる時間は、経路の長さとその経路の予想走行速度に基づいて決定する。なお、経路の予想走行速度は、一定の値(例えば時速30キローメートル)であってもよいし、経路上の各道路毎に、その道路の幅が広いほど速くなるように特定してもよいし、また、VICS受信機10を用いて、経路上の道路毎に、VICS受信機10から受信した道路の混雑度が大きいほど遅くなるように特定してもよい。また、混雑度の情報は、出迎え者端末5を利用した遠距離データ通信媒介機能によって、広域ネットワーク上の交通情報センターから取得するようになっていてもよい。
【0040】
また、基準位置としては、例えば上述の現在位置特定処理によって特定した出迎え車両3の現在位置、および、あらかじめユーザによる操作部13に対する操作に基づいて外部記憶部18に記録した出迎え者端末5の自宅位置等がある。基準位置は、受信した列車情報データに基づいて特定した搭乗列車7の運行時刻に基づいて変化するようになっていてもよい。例えば、搭乗列車7の運行時刻(例えば訪問者1の搭乗時刻、降車時刻)が現在時刻よりしきい値時間(例えば8時間)以上後ならば、基準位置を自宅とし、しきい値時間以内にやってくるなら、基準位置を出迎え車両3の現在位置とする。
【0041】
なお、制御回路19は、特定した出迎え駅9および出迎え時刻を、出迎え者端末5の遠距離データ通信媒介機能を用いて訪問者端末4に送信するようになっていてもよい。これによって、訪問者1は、どの駅で降車すればよいかを明確に確認することができる。
【0042】
また制御回路19は、列車運行データに基づいて、特定した出迎え駅9における搭乗列車7の停車時刻を読み出し、その読み出した停車時刻を出迎え時刻として特定する。さらに、制御回路19は、基準位置から出迎え駅9までの経路を誘導経路算出処理によって算出し、その算出した経路を走行するための時間(以下、出迎え走行時間)を上述の走行時間の算出と同様に特定し、さらに、特定した出迎え時刻から当該出迎え走行時間だけ遡った時刻を、基準位置(出発位置に相当する)からの出発時刻として特定する。
【0043】
(A4)その後、ナビゲーション装置は、手順A3において算出した出発時刻から余裕時間(例えば0分〜30分の間の時間)だけ遡った時刻(以降、通知時刻という)を、例えば位置検出器11のGPS受信機が受信した現在時刻情報に基づいて待ち、通知時刻が来ると、その直後に、出迎え者端末5に対して出発を促すための報知を行う。具体的には、近距離無線データ通信機能を用いて、出迎え者端末5に所定の報知信号を送信する。なお、この報知信号には、出発時刻の情報を含めるようにしてもよい。これが手順A4に相当する。この所定の報知信号を受信した出迎え者端末5は、振動、音声、画像表示等によって、出迎え者2に出発を促す。これによって、出迎え者2は、出発時刻を大まかに知ることができる。また、出迎え者2が出迎えを忘れてしまうことを防ぐことができる。
【0044】
近距離無線通信がBluetoothによって実現されている場合、車両用ナビゲーション装置6と出迎え者端末5との間隔が数十メートル以内であれば、手順A4によって出迎え者端末5は通知を受けることができる。このような場合の典型的な例としては、出迎え者2が出迎え者端末5と共に自宅8におり、出迎え車両3が出迎え者自宅8の車庫に置かれている場合がある。
【0045】
(A5)この報知に応じて出迎え者2が出迎え車両3を出迎え駅9へと出発させると、制御回路19は、出迎え駅9を目的地とする誘導経路算出処理を行い、さらにその誘導経路上の走行状況に応じた経路案内処理を行う。これが手順A5に相当する。
【0046】
(A6)制御回路19は、現在位置特定処理により出迎え車両3が出迎え駅9(またはその付近)に到着したことを検出すると、直ちに手順A3で記録した人外観データを読み出し、読み出したデータを画像または文字として画像表示装置12に表示させる。これが手順A6に相当する。これによって出迎え者2は、表示された訪問者1の外観を頼りに訪問者1を探すことができる。なお、人外観データの表示の形式としては、図5に例示するとおり、訪問者1の顔写真と、身長、服装、所持物の外見的特長とを一画面に同時表示するようになっていてもよい。
【0047】
(A7)手順A6に続いて制御回路19は、出迎え車両3の現在位置のデータ、および出迎え車両3の車両外観データを、出迎え者2の遠距離データ通信媒介機能を利用して、訪問者端末4に信号(車両外観信号の一例に相当する)として送信する。これが手順A7に相当する。なお、訪問者端末4の宛先アドレスとしては、手順A2で出迎え者端末5から受信したものを用いる。また車両外観データは、外部記憶部18に記憶されているものを用いる。また、現在位置のデータは、現在位置と出迎え駅9との位置関係を示すことができるような形式で送信する。例えば、図6に示すように、出迎え駅9およびその近傍の現在位置31を含む地図画像を送信するようになっていてもよい。
【0048】
(A8)このような現在位置のデータおよび車両外観データを受信した訪問者端末4は、自動的に、または訪問者1の所定の操作に基づいて、受信した出迎え車両3の現在位置データおよび車両外観データを、例えばそれぞれ図6、図7に示すような形式で、表示画面に表示する。これが手順A8に相当する。これによって、訪問者1は、出迎え車両3の位置の情報や外観の情報を頼りに、出迎え者端末5を探すことができる。
【0049】
以上のような通信システムの作動により、車両用ナビゲーション装置6は、搭乗列車7の情報、訪問者1の外観の情報、および訪問者端末4の宛先アドレスを受け(手順A1、A2参照)、搭乗列車7の情報および列車運行データに基づいて適切な出迎え駅9および出迎え駅9に出発する時刻を特定し(手順A3参照)、その出発時刻の直前に出迎え者端末5に対して出発を促す報知を行う(手順A4参照)。そして、出迎え者2の運転により出迎え車両3が出迎え駅9に到着した直後に、受信した訪問者1の外観の情報を表示すると共に(手順A6参照)、出迎え車両3の位置および外観の情報を訪問者端末4に送信する(手順A7参照)。
【0050】
このように、車両用ナビゲーション装置6は、訪問者1の外観を示す情報を受け取り、その受け取った情報に基づいて、訪問者1を出迎える位置において人の外観を示す情報を表示装置に表示させる。このようになっているので、出迎え位置において出迎え者2が訪問者1をより容易に見つけることができる。
【0051】
また、車両用ナビゲーション装置6は、訪問者1が携行する携帯無線通信端末の宛先に、出迎え者が用いる車両の外観を示す信号を送信するので、訪問者1が、出迎え者2および出迎え車両3をより容易に見つけることができるようになる。
【0052】
なお、上記の実施形態において、車両用ナビゲーション装置6の外部記憶部18が記憶媒体の一例に相当する。また、車両用ナビゲーション装置6の制御回路19が、手順A2によって送信されるデータを受けることで受取手段の一例として機能し、手順A3を実行することで特定手段の一例として機能し、手順A6を実行することで表示制御手段の一例として機能し、手順A7を実行することで送信制御手段の一例として機能し、手順A4を実行することで出発時刻通知手段として機能する。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0053】
例えば、上記実施形態において出迎え者2の出迎えを受けるのは、必ずしも訪問者に限らず、出迎えを受ける者であればどのような目的の者(例えば帰還者)でもよい。また、出迎え位置は必ずしも駅である必要はなく、どのような場所であってもよい。
【0054】
また、本発明のナビゲーション装置は、車両用ナビゲーション装置6に限らず、単一の車両に搭載される用途に特化されないポータブルナビゲーション装置であってもよい。その場合、ナビゲーション装置は、通常搭載される車両の車両外観データに加え、他の車両の車両外観データを記憶していてもよい。このように、複数の車両の車両外観情報を記憶している場合、ナビゲーション装置は、そのとき搭載されている車両の指定を出迎え者2から受け、その指定に応じた車両外観データを訪問者端末4に送信するようになっていてもよい。
【0055】
また、車両用ナビゲーション装置6は、出迎えの位置に到着したときに車両外観信号を送信せず、出迎え位置への到着前(例えば基準位置からの出発時、列車情報データおよび訪問者外観データの受信時)に車両外観信号を訪問者端末4に送信してもよい。
【0056】
また、訪問者端末4が送信する、搭乗列車を特定するための情報は、必ずしも訪問のために列車に搭乗する駅名および搭乗列車の発車時刻でなくともよく、例えば、当該列車を一意的に識別するコードであってもよい。
【0057】
また、ナビゲーション装置は、出迎え位置を、出迎え者による出迎え位置そのものの手入力に基づいて特定してもよい。あるいは、訪問者端末4から出迎え位置を受信し、その受信した位置を出迎え位置として特定してもよい。
【0058】
また、ナビゲーション装置は、出迎えのための出発時刻を、出迎え者による出発時刻そのものの手入力に基づいて特定してもよい。あるいは、訪問者端末4から出発時刻を受信し、その受信した時刻を出発時刻として特定してもよい。
【0059】
また、出迎え車両3の走行時で、かつ手順A3における基準位置が出迎え車両3の現在位置である場合、基準位置が時々刻々変化するので、基準位置から出迎え位置に到達するまでの時間が変化する。このような状況に対応するため、ナビゲーション装置は、出迎え車両3が走行しており、かつ基準位置が出迎え車両3の現在位置であることに基づいて、出発時刻の再計算を定期的に繰り返すようになっていてもよい。あるいは、この定期的な再計算は、車両の走行・非走行によらずに行うようになっていてもよい。また同様に、出迎え位置および出迎え時刻の特定も定期的に繰り返すようになっていてもよい。
【0060】
また、ナビゲーション装置は、必ずしも列車運行データを記憶している必要はない。例えば、ナビゲーション装置は、列車運行データが必要なときに、出迎え者端末5の遠距離データ通信媒介機能を利用することで、広域ネットワーク上の列車運行データ送信センターにアクセスして時刻表データを取得するようになっていてもよい。
【0061】
また、手順A1によって列車情報信号、人外観信号を送信する無線通信装置と、手順A7で車両用ナビゲーション装置6が車両外観信号を送信する宛先の無線通信装置は必ずしも一致している必要はない。例えば、手順A1においては、広域ネットワークに接続されている据置型のパーソナルコンピュータが列車情報信号、人外観信号を送信し、手順A7においては、車両用ナビゲーション装置6が訪問者端末4に車両外観信号等を送信するようになっていてもよい。この場合、パーソナルコンピュータは訪問者端末4の宛先アドレスを出迎え者端末5に送信するようになっていてもよい。また、車両用ナビゲーション装置6は、あらかじめ記憶している宛先アドレスの対応関係に基づいて、当該パーソナルコンピュータの宛先アドレスから、車両外観信号等を送信する先の訪問者端末4の宛先アドレスを特定するようになっていてもよい。また、車両用ナビゲーション装置6は、訪問者端末4の宛先アドレスを出迎え者2の手入力によって受け付けてもよい。
【0062】
また、ナビゲーション装置は、手順A1、A2において、遠距離データ通信媒介機能を用いて被出迎え者から人外観信号等を受け取るようになっていてもよい。
【0063】
また、車両用ナビゲーション装置6自体が広域ネットワークに接続して遠距離無線データ通信機能を実現することができる無線通信装置を備えている場合、車両用ナビゲーション装置6と訪問者端末4との間のデータのやりとりは、出迎え者端末5に代えてこの無線通信装置を用いることができる。この場合車両用ナビゲーション装置6は、手順A4を、自らの無線通信装置の遠距離無線データ通信機能を用いて実現するようになっていてもよい。また、自らの無線通信装置が電話通信機能を有している場合、車両用ナビゲーション装置6は、手順A4を、出迎え者端末5に対して電話をかけることで実現してもよい。これらの場合、車両用ナビゲーション装置6は、出迎え者端末5の宛先アドレスまたは宛先電話番号の情報を記憶しており、データ送信、および電話呼び出しの際にそれらの情報を利用するようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図2】車両用ナビゲーション装置6のハードウェア構成図である。
【図3】通信システムにおける通信手順を時系列に沿って示す概念図である。
【図4】通信システムにおける通信手順を時系列に沿って示す図である。
【図5】車両用ナビゲーション装置6の画像表示装置12が表示する訪問者1の外観情報を示す図である。
【図6】車両用ナビゲーション装置6が訪問者端末4に送信する、出迎え車両3の位置を示す画像の図である。
【図7】車両用ナビゲーション装置6が訪問者端末4に送信する、出迎え車両3の外観を示す画像の図である。
【符号の説明】
【0065】
1…訪問者、2…出迎え者、3…出迎え車両、4…訪問者端末、5…出迎え者端末、
6…車両用ナビゲーション装置、7…搭乗列車、8…出迎え者自宅、9…出迎え駅、
10…VICS受信機、11…位置検出器、12…画像表示装置、13…操作部、
14…スピーカ、15…近距離無線機、16…RAM、17…ROM、
18…外部記憶部、19…制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の外観を示す人外観信号、および前記人を出迎えるための出迎え位置に関する情報を示す出迎え位置関連信号を受け取る受取手段と、
前記受取手段が受け取った前記出迎え位置関連信号に基づいて前記出迎え位置を特定する特定手段と、
前記受取手段が受け取った前記人外観信号に基づいて、前記人の外観を示す情報を表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
前記受取手段は、前記人が携行する携帯無線通信端末に信号を届けるための宛先を示す宛先信号を受け取り、
前記ナビゲーション装置は更に、
搭載される車両の外観を示す車両外観データを記憶するための記憶媒体と、
前記記憶媒体が記憶する前記車両外観データに基づいて、前記車両の外観を示す車両外観信号を、前記受取手段が受け取った宛先信号に基づく宛先に、無線通信装置を用いて送信する送信制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
複数の列車とこれら複数の列車の停車駅との対応を示す列車運行データを記憶するための記憶装置を備え、
前記受取手段は、前記人が利用する搭乗列車を特定するための列車情報信号を、前記出迎え位置関連信号として受け取り、
前記特定手段は、前記受取手段が受け取った前記列車情報信号および前記記憶装置が記憶する前記列車運行データに基づいて、前記搭乗列車の停車駅のうち1つの位置を、前記出迎え位置として特定することを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記記憶装置が記憶する前記列車運行データは、前記複数の列車とこれら複数の列車の駅到着時刻との対応を更に示し、
前記受取手段は、前記人が利用する搭乗列車を特定するための列車情報信号を、前記出迎え位置関連信号として受け取り、
前記特定手段は、前記列車運行データおよび前記受取手段が受け取った前記列車情報信号に基づいて、前記出迎え位置に前記搭乗列車が到着する列車到着時刻を特定し、更にこの列車到着時刻と、出発位置および前記出迎え位置の位置関係とに基づいて、前記出発位置から前記人の出迎えに出発する出発時刻を特定し、
当該ナビゲーション装置は、前記特定手段が特定した前記出発時刻を前記出発時刻前に通知する出発時期通知手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
人の外観を示す人外観信号、および前記人を出迎えるための出迎え位置に関する情報を示す出迎え位置関連信号を受け取る受取手段と、
前記受取手段が受け取った前記出迎え位置関連信号に基づいて前記出迎え位置を特定する特定手段と、
前記出迎え位置に到着したときに、前記受取手段が受け取った前記人外観信号に基づいて、前記人の外観を示す情報を表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項6】
人の外観を示す人外観信号、および前記人を出迎えるための出迎え位置に関する情報を示す出迎え位置関連信号を受け取る受取手段、
前記受取手段が受け取った前記出迎え位置関連信号に基づいて前記出迎え位置を特定する特定手段、および
前記受取手段が受け取った前記人外観信号に基づいて、前記人の外観を示す情報を表示装置に表示させる表示制御手段として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−218879(P2007−218879A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43108(P2006−43108)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】