説明

ナビゲーション装置

【課題】ユーザが意図的にメモリ地点として登録しなくても目的地や経由地等の地点を容易に入力できるようにする。
【解決手段】制御回路は入力された入力情報を地点履歴情報の地点から前方一致検索し(S3)、検索された入力情報に続く次の入力文字候補を地点履歴情報の地点中から探索し、探索された次の入力文字候補を他の入力文字候補に比較して強調表示させる(S5)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地や経由地等の地点を設定入力する機能を備えたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のナビゲーション装置の一例が特許文献1として開示されている。この特許文献1に開示されている構成によれば、登録が行われたメモリ地点の名称を検索リストに加えて検索リストを更新している。これにより、ユーザが登録したメモリ地点を五十音検索できるようにしている。
【特許文献1】特開2002−107170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、意図的にメモリ地点として登録したものでなければ検索リストにメモリ地点を加えることができず、実用性の点で劣るものであった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザが意図的にメモリ地点として登録しなくても目的地や経由地等の地点を容易に入力できるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明によれば、次のように作用する。すなわち、ユーザは入力手段を使用して目的地や経由地等の地点を入力して当該地点を入力情報として設定入力する。このとき、検索手段は、地点履歴情報内において入力情報を検索する。探索手段は、検索手段により入力情報が検索されると地点を設定するための次の入力候補を地点履歴情報に基づいて探索する。表示制御手段は、探索手段により探索された次の入力候補を他の入力候補とは異なる態様で表示手段に対して表示制御する。したがって、以前に設定されたことのある地点の名称を構成するための次の入力候補が他の入力候補とは異なる態様で表示されるようになり、ユーザは自身が設定したい所望の地点と考えられる次の入力候補を容易に入力できるようになる。このときユーザはメモリ地点として意図的に登録する必要がなくなる。
【0005】
請求項2記載の発明によれば、入力候補として文字を適用しているので、特に文字を入力するときに他の入力文字候補との違いを認識しやすくなる。
請求項3記載の発明によれば、表示制御手段は地点履歴情報内において地点が設定された回数が多い順に次の入力候補を強調して表示手段に対して表示制御するため、ユーザが頻繁に入力する地点に対応した次の入力候補を強調して表示することができ、ユーザによる次の入力候補の選択確率を向上することができる。
【0006】
請求項4記載の発明によれば、表示制御手段は、地点履歴情報内において以前に地点が設定された時間からの経過時間の短い順に次の入力候補を強調して表示手段に対して表示制御するため、最近ユーザが入力した地点に対応した次の入力候補を強調して表示することができ、ユーザによる入力候補の選択確率を向上することができる。
【0007】
請求項5記載の発明によれば、現在位置特定手段は現在位置を特定し、距離測定手段は探索手段により探索された次の入力候補に対応した地点履歴情報内の地点の候補と現在位置特定手段の現在位置との間の距離を測定し、表示制御手段は、距離測定手段の測定距離が短い順に次の入力候補を強調して表示手段に表示制御しているため、現在位置から近い順に次の入力候補を強調して表示させることができ、特にユーザが現在位置から近い地点を探している場合に利便性が向上する。
【0008】
請求項6記載の発明によれば、現在位置特定手段は現在位置を特定し、距離測定手段は、探索手段により探索された次の入力候補に対応した地点履歴情報内の地点の候補と現在位置特定手段の現在位置との間の距離を測定し、表示制御手段は距離測定手段の測定距離が所定の距離より短いことを条件として表示手段に対して地点候補周辺の地図について表示制御するため、ユーザは地点候補を一目で認識できるようになり、地点候補をより把握しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図1ないし図4を参照しながら説明する。
図1は、全体の電気的構成を機能ブロックの組み合わせにより概略的に示している。この図1に示すように、例えば車両用(移動体用)のナビゲーション装置1は、制御回路2に対して、位置検出器3、地図データ入力器4、表示装置5、入力手段としての操作スイッチ群6、音声回路部7、リモコンセンサ8、外部メモリ9などを接続して構成されている。
【0010】
制御回路2は、CPUやメモリなど(何れも図示せず)を備えており、検索手段、探索手段、表示制御手段として機能する構成である。制御回路2の構成要素のうち、メモリにはナビゲーション用のプログラムなどが搭載され、プログラム実行時の処理データの他に地図データ入力器4から取得した道路地図データなどが一時的に格納されるようになっている。尚、制御回路2は時計機能を備えておりこの時計機能に基づいて時刻を検出可能になっている。
【0011】
位置検出器3は、例えば、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からのGPS信号を受信するGPS受信機10、ヨーレートを検出するためのジャイロスコープ11、車両の速度を検出するための車速センサ12、地磁気を検出するための地磁気センサ13を備えて構成されている。尚、位置検出器3としては、その検出精度等に応じて、互いに直交する3軸方向の加速度を検出するための加速度センサや、車両のピッチング方向の傾斜角を検出するための傾斜センサを前述構成要素10〜13の一部に代えて使用しても良いし、付加して構成しても良い。位置検出器3は、これらの構成要素10〜13の検出信号を補間しながら高精度に位置検出するようになっている。
【0012】
地図データ入力器4は、CD−ROMやDVD−ROMあるいはハードディスク、不揮発性の半導体メモリなどのような大容量の情報記憶媒体を利用して地図データを入力するための装置である。この地図データとしては、地図表示のための地図描画用データ、マップマッチングや経路探索、経路誘導などの種々の処理に必要な道路データ、交差点の詳細データからなる交差点データ、背景レイヤを表示するための背景データ、地名、地域などの地点を表示するための地名データのほかに、施設名称を例えば50音順に並べた施設名称データ、電話番号と施設との対応を示す電話番号データなど、地図に対応したデータを対象としている。これらの地図データは、前述した各データ毎に記録されデータベースになっている。これらのうち、地点データとしては道路データ、交差点データ、地名データ、施設名称データを含んでおり、ある所定の地点を示すデータである。
【0013】
表示装置5は、表示手段として機能し、地図画面などを表示するための例えばカラー液晶ディスプレイ等により構成されており、車両の運転席近傍に設置される。この表示装置5の画面には、通常時において縮尺を複数段階に変更可能な道路地図が表示されると共に、その表示に重ね合わせて、車両の現在位置および進行方向を示すポインタM(図7参照)が表示されるようになっている。また、周知のダイクストラ法を用いて行われる目的地までの経路計算結果に基づいた経路案内機能の実行時には、道路地図に重ね合わせた状態で進むべき案内ルートが表示されるようになっている。
【0014】
さらにユーザ(一般には車両の運転者)による目的地や経由地などの地点検索およびこの地点を入力するための各種のメニュー画面および入力画面(詳細は後述する)、並びに各種のメッセージ、インフォメーションやヘルプ画面なども表示されるようになっている。
【0015】
操作スイッチ群6は、表示装置5の周辺に配設されたメカニカルスイッチ14や、当該表示装置5の表示画面5a上に形成されたタッチパネル15などからなり、各種データや設定事項などの操作に係るコマンドや、文字情報や地図の指定指示情報を信号として制御回路2に与えるために設けられている。
【0016】
音声回路部7は、音声合成回路等を備え、スピーカ16およびマイク17を接続しており、制御回路2からの音声情報に応じた音声出力を発生してスピーカ16に出力したり、マイク17からの音声情報を入力する構成となっている。リモコンセンサ8は、リモコン18からの操作信号を受信して制御回路2に与えるようになっている。尚、リモコン18は入力手段として機能する。
【0017】
外部メモリ9は、フラッシュメモリなどのデータ書換可能な不揮発性メモリにより構成されており、例えば他の規格の情報記録媒体に対応するためのプログラムソフトを記憶したり特定のデータ(走行軌跡の履歴やデジタルカメラにより取り込まれた任意の画像データなど)の保存や呼出などを行ったりするために設けられている。
【0018】
制御回路2は、操作スイッチ群6やリモコンセンサ8を通じて入力されたコマンドに基づいて、周知の地図表示機能、経路計算機能、経路案内機能、電話番号検索機能、郵便番号検索機能、マップコード(登録商標)のような固有コードを利用した検索機能、50音検索機能、ジャンル別検索機能、最寄り施設検索機能、目的地登録機能、地点登録機能など、多種多様な支援機能に係る処理を実行するように構成されている。
【0019】
上記構成の作用について、図2ないし図4をも参照しながら説明する。
本実施形態は、前述した機能を処理するときに行われるユーザ入力の支援機能に特徴を備えている。そこで、以下、ユーザがタッチパネル15により目的地名称を一文字づつ入力して目的地の設定を行う場合を例に挙げて説明を行う。
【0020】
図2は、目的地設定を行うときのナビゲーション装置の動作の一例を概略的に示しており、図3は、目的地設定時の表示装置の表示画面の一例を示している。
ユーザが目的地名称を五十音入力するときには、五十音入力モードに移行してから入力を行う。五十音入力モードに移行すると、図3に示すように、制御回路2は、表示装置5の表示画面5aの一部の五十音文字入力領域Gに対して枠Y付きであいうえお順に入力文字候補を表示制御すると共に、入力ウィンドウWや、確定ボタンBを表示制御する。
【0021】
この後、ユーザがタッチパネル15の入力エリアZに触れることにより1文字毎に操作入力される。このとき、例えばユーザは「あ」の文字上を触れることにより、タッチパネル15からこの操作信号が制御回路2に与えられる。制御回路2は、この操作信号を検出する(ステップS1)。図3に示すように、制御回路2は、入力ウィンドウWに対して入力文字情報「あ」を表示制御すると共に、次の文字入力領域に対してカーソルCを表示制御する。制御回路2は、内蔵したRAMに入力文字情報を記憶させると共に順に入力された文字を文字列化する(ステップS2)。
【0022】
次に、制御回路2は、地点履歴情報内で文字列を検索する。図4は、地点履歴情報の内容の一部を概略的に示している。この地点履歴情報は、ユーザによって以前に目的地として設定された地点の履歴の情報を示すものである。
【0023】
この図4に具体例を示すように、地点名称(施設名称)「アサヒホテル」は、これまで3回設定され、前回の設定日時が「7月16日16時30分」であることを示している。この設定日時は、制御回路2に備えられた時計機能により設定された日時を示している。また、地点名称「アイソフトウ」は、これまで1回設定され、この1回の設定日時が「7月14日13時30分」であることを示している。企業施設名称「アサヒテクノ」は、これまで1回設定され、前回の設定日時が「7月15日18時40分」であることを示している。
【0024】
さらに、地点名称「アサヒチカラ」は、これまで2回設定され、前回の設定日時が「7月15日10時30分」であることを示している。さらに地点名称「アカト」は、これまで2回設定され、前回の設定日時が「7月14日18時50分」であることを示している。図示しないがこれ以外にも「い」以降の50音を先頭に有する地点名称(施設名称、企業施設名称等)が地点履歴情報として制御回路2内のメモリや外部メモリ9等に記憶される。
制御回路2は、地点履歴情報の中で入力文字情報を前方一致検索する(ステップS3)。尚、地点履歴情報の地名の一部に含まれるように検索しても良いし、後方一致検索するようにしても良い。
【0025】
制御回路2は、該当履歴があり、かつ、過去の設定回数が所定回数(例えば1回)以上であるか否かを判定する(ステップS4)。具体的には、制御回路2は地点履歴情報の中で先頭に「あ」という文字が検索されると、該当履歴をありと判定する。また、制御回路2は地点履歴情報の地点の中で設定回数が1回以上の地点候補を探索する(ステップS4:YES)。具体的には、制御回路2は、地点履歴情報の中で「あ」を先頭に含む地点を検索し、その中で設定回数が1回以上となる「アサヒホテル」「アイソフトウ」「アサヒテクノ」「アサヒチカラ」「アカト」を入力される可能性の高い地点候補として探索して抽出する。すなわち制御回路2は、文字が入力されるたびに入力済みの文字列を地点データ内において検索し、その検索結果から入力済み文字列に続く文字を次の文字入力候補として探索して抽出する。
【0026】
そして、制御回路2は入力された文字列に続く文字を表示画面5a上で強調表示する(ステップS5)。図3は、この具体例を示している。制御回路2は、地点履歴情報を参照して設定回数の多い順に強調表示する。例えば設定回数が3回の「アサヒホテル」の2番目の文字である「さ」の入力エリア(反応エリア)Z1を最も強調表示し、設定回数が2回の「アカト」の2番目の文字である「か」の入力エリアZ2を次に強調表示し、設定回数が1回の「アイソフトウ」の2番目の文字である「い」の入力エリアZ3を次に強調表示する。
【0027】
このとき、例えば、色、下線付き、太字、点滅、色調、階調、明度(明るさ)などで文字の入力エリアZ1〜Z3(反応エリア:入力文字候補)の態様を変化させ他の入力文字候補と異ならせて強調表示すると良い。入力エリアZ1〜Z3の枠Yの態様を変化させても良い。尚、図3に示す一例においては、入力エリアZ1〜Z3の文字「さ」「か」「い」を共に太字にすると共に、入力エリアZ1の枠Y1を最も太い線で表示制御し、入力エリアZ2の文字「か」の枠Y2を入力エリアZ1の枠Y1よりも細い線で表示制御し、入力エリアZ3の文字「い」の枠Y3を入力エリアZ2の枠Y2の線と同一の太さで且つ点線で表示制御する。
【0028】
尚、制御回路2はその他の入力文字候補(例えば「う」「え」「お」等)の入力エリアZも入力可能(イネーブル)状態として表示制御するが、1番目の文字「あ」に続く2番目の入力文字対象が地点データ(前述参照)に含まれていなければ当該文字に対応した入力エリアZを入力不可能(ディスイネーブル)として表示装置5の表示画面5aに表示制御すると良い。
【0029】
このようにして文字入力がなされるが、制御回路2はステップS4にてNOと判定すると次の入力文字候補の強調表示を解除する(ステップS7)。このようにして、ステップS1〜S7の処理が複数回段階的に繰り返されることによりユーザ所望の目的地設定のための入力文字が全て入力される。この後、ユーザが確定ボタンBを押下することで制御回路2がこの操作信号を検出すると制御回路2は文字入力を完了したと判定し(ステップS6)、目的地の設定処理に移行し(ステップS8)、目的地名称の履歴登録処理を行う(ステップS9)。この後、制御回路2は、設定された目的地に至るまでの経路の設定および経路案内処理を行うが、この動作は本実施形態の特徴に関係しないため説明を省略する。
【0030】
以上説明したように、本実施形態によれば、制御回路2は地点履歴情報の中から入力された入力情報を例えば前方一致検索し、検索された入力情報に続く次の入力文字候補を地点履歴情報の中から探索し、探索された次の入力文字候補を他の入力文字候補に対して強調表示させる。したがって、以前に設定されたことのある地点の名称を構成するための次の入力文字候補が他の入力文字候補に比較して強調表示されるようになり、ユーザは自身が設定すべき所望の地点と考えられる次の入力文字候補を容易に入力できるようになる。これによりユーザがメモリ地点として意図的に登録する必要もなくなる。入力候補として文字を適用しているため、他の入力文字候補との違いを認識しやすい。
【0031】
制御回路2は地点履歴情報内において地点が設定された回数が多い順に次の入力文字候補を強調して表示装置5の表示画面5aに表示制御しているため、ユーザが頻繁に入力する地点に対応した次の入力文字候補を強調して表示させることができ、次の入力文字候補のユーザの選択確率を向上することができる。
【0032】
(第2の実施形態)
図5ないし図7は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前述実施形態においては地点の設定回数が多い順に次の入力文字候補を強調表示しているのに代えて現在地点(現在位置)からの距離が短い順に強調表示するところが前述実施形態と異なるところである。またさらに前述実施形態と異なるところは、現在位置からの地点候補までの距離が所定距離より短いことを条件として地点候補周辺の地図表示に切換えるところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号(同一ステップ番号)を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
【0033】
ナビゲーション装置1はステップS1〜S4に至るまでの処理を行った後、制御回路2が位置検出器3により現在地点(現在位置)を検出して特定する。そして、制御回路2は、探索された地点候補(該当地点)までの現在地点からの距離を測定してそれぞれ比較する。したがって、制御回路2は、現在位置特定手段としても距離測定手段としても機能する。
【0034】
この場合、制御回路2はこれらの距離が全て所定の距離(例えば500m)よりも短いか否かを判定する(ステップS11)。この場合、この判定条件を満たさなければ、この距離が短い順に強調表示する(ステップS12)。すなわち、現在地点からの距離が短ければ設定される割合も多くなることもあるためであり、ユーザが現在地点から近い場所を探している場合には特に有効である。
【0035】
例えば、3文字「あさひ」の入力終了後、地点履歴情報のうち図4に示す「アサヒホテル」「アサヒテクノ」「アサヒチカラ」が入力地点候補として残っており、「アサヒホテル」「アサヒテクノ」「アサヒチカラ」の順に現在地点からの距離が短いと検出された場合には図6に表示装置5の表示画面5aを示すように、制御回路2は、入力ウィンドウWに「あさひ」の文字を表示させるとともに、4文字目の入力文字候補となる「ほ」「て」「ち」の入力エリアZ1〜Z3を順に強調表示する。これにより、現在地点から近い順に次の入力文字候補を強調表示することができる。
【0036】
他方、ステップS11において前述した「アサヒホテル」「アサヒテクノ」「アサヒチカラ」の3地点候補が現在位置から所定距離例えば500m以下で判定された場合について説明を行う。制御回路2はステップS11においてYESと判定すると、地図表示に切換える(ステップS13)。地図表示上ではポインタMが現在位置の部分に表示されている。地図表示に切換えられると地図上の地点がタッチパネル15により指示可能となる。すなわち、タッチパネル15により地図上のある地点が指示されると、この操作信号が制御回路2に与えられ、制御回路2がこの地点を認識できるようになる。図7には地図表示の一例を示している。
【0037】
制御回路2は、地点候補となる「アサヒホテル」「アサヒテクノ」「アサヒチカラ」のそれぞれ対応した地点A1〜A3をその周辺の地図と共に表示装置5の表示画面5aに表示制御する。このとき、地点A1〜A3の名称(図7には図示せず)を地点A1〜A3の周辺に対して表示させるようにしても良い。尚、距離X1〜X3は、距離X1>距離X2>距離X3となっている。この距離をも表示装置5の表示画面5aに表示するようにしても良い。
【0038】
尚、制御回路2は、ユーザがこれらの地点X1〜X3以外の地点を入力したい場合に備えて、「文字入力に戻る」という事項をボタンB2として表示制御する。すなわち、他の地点を目的地として設定できるようにするためである。
【0039】
このとき、図5に示すように、制御回路2は、タッチパネル15による操作信号により地図入力がなされるか(ステップS14)、「文字入力に戻る」が入力されるか(ステップS15)を検出する。ユーザが地図上をタッチすることにより地図入力がなされれば(ステップS14:YES)、制御回路2はステップS8にて目的地設定処理を行うと共にステップS9にて目的地名称の履歴登録処理を行う。またユーザが「文字入力に戻る」をタッチすることで制御回路2にこの操作信号が与えられると図6に示す文字入力画面に戻り、ステップS12の処理に移行する。
【0040】
以上説明したように本実施形態によれば、現在地点からの地点A1〜A3までの距離を測定し、測定距離が短い順に次の入力文字候補を強調して表示制御しているため、現在地点から近い順に次の入力文字候補を強調して表示させることができ、特にユーザが近い地点を探している場合に特に利便性が向上する。
【0041】
また、現在地点からの地点A1〜A3の候補までの距離が所定の距離(500m)よりも短いことを条件として地点候補周辺の地図について表示制御して地図上で指示可能になっているため、ユーザは地点候補を一目で認識できるようになり、地点候補をより把握しやすくなる。
【0042】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形もしくは拡張が可能である。
地点履歴情報から探索された次の入力文字候補を他の入力文字候補に比較して強調表示する実施形態を示したが、これに限定されるものではなく、これらを異なる態様で表示制御するようにすれば良い。
【0043】
設定回数または距離に応じて次の文字入力候補を強調表示する実施形態を示したが、これに限定されるものではなく、前回の設定日時からの経過時間の短い順に強調表示するようにしても良い。例えば図4に示すように、地点履歴情報内には前回設定日時が記憶されているため、現在日時が「7月17日16時30分」とすればこの現在日時までの経過時間の短い「アサヒホテル」「アサヒテクノ」「アサヒチカラ」「アカト」「アイソフトウ」の順に強調表示の優先順位が設定され、前述実施形態と同様に強調表示する。この場合、最近ユーザの入力地点に対応した次の入力文字候補を強調して表示することができ、ユーザによる入力文字候補の選択確率を向上することができる。
【0044】
目的地を地点として入力支援する実施形態を示したが、これに限定されるものではなく、目的地に至るまでの経由地や、ビルや建造物の施設名称や、地域名称、交差点の名称、住所、電話番号等を入力支援するものに適用が可能である。
目的地の地名を一文字づつ文字入力する実施形態を示したが、これに限定されるものではなく、地域「愛知県」「岐阜県」「名古屋市」「刈谷市」(本発明の地点に含まれる)等の地域入力候補を複数回、段階的に入力することにより地点を設定入力するものに適用しても良い。
尚、前述した実施形態は、特に、地点を段階的に入力するときに次の入力時の入力候補の不確定要素が比較的高く、推測が困難で次の入力文字候補の選択肢が比較的多い施設名称等を文字入力するときには特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るブロック構成図
【図2】動作を概略的に示すフローチャート
【図3】文字入力画面を概略的に示す図
【図4】地点履歴情報の一部を示す図
【図5】本発明の第2の実施形態に係る図2相当図
【図6】図3相当図
【図7】地図表示画面を概略的に示す図
【符号の説明】
【0046】
図面中、1はナビゲーション装置、2は制御回路(検索手段、探索手段、表示制御手段、現在位置特定手段、距離測定手段)、6は操作スイッチ群(入力手段)、18はリモコン(入力手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地や経由地等の地点を入力して当該地点を設定入力するための入力手段と、
以前に設定された地点の情報を示す地点履歴情報内において前記入力手段により入力された入力情報を検索する検索手段と、
この検索手段により入力情報が検索されると前記地点を設定するための次の入力候補を前記地点履歴情報に基づいて探索する探索手段と、
前記入力候補を表示するための表示手段に対して前記探索手段により探索された次の入力候補を他の入力候補とは異なる態様で表示制御する表示制御手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記入力候補として文字を適用することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記地点履歴情報内において地点が設定された回数が多い順に前記次の入力候補を強調して表示手段に対して表示制御することを特徴とする請求項1または2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記地点履歴情報内において地点が以前に設定された時間からの経過時間の短い順に前記次の入力候補を強調して表示手段に対して表示制御することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記探索手段により探索された次の入力候補に対応した前記地点履歴情報内の地点の候補と前記現在位置特定手段の現在位置との間の距離を測定する距離測定手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記距離測定手段の測定距離が短い順に前記次の入力候補を強調して表示手段に表示制御することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記探索手段により探索された次の入力候補に対応した前記地点履歴情報内の地点の候補と前記現在位置特定手段の現在位置との間の距離を測定する距離測定手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記距離測定手段の測定距離が所定の距離より短いことを条件として表示手段に対して地点候補周辺の地図の表示制御を行うことを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−108004(P2007−108004A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298970(P2005−298970)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】