ナビゲーション装置
【課題】自車位置から所定範囲の施設情報を所定の順番で迅速に表示可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】自車位置を検知する現在位置検出部11と、施設の位置情報および施設の自車位置からの距離情報を少なくとも含むPOIデータが複数格納された施設情報DB17と、自車位置および位置情報に基づいて自車位置から施設までの距離を算出する距離算出部41と、該距離算出部41の算出結果に基づいて距離情報を更新する情報更新部42と、POIデータに含まれる距離情報に基づいて前記POIデータを所定の順番で並べて表示するディスプレイ51とを備えることを特徴とする。
【解決手段】自車位置を検知する現在位置検出部11と、施設の位置情報および施設の自車位置からの距離情報を少なくとも含むPOIデータが複数格納された施設情報DB17と、自車位置および位置情報に基づいて自車位置から施設までの距離を算出する距離算出部41と、該距離算出部41の算出結果に基づいて距離情報を更新する情報更新部42と、POIデータに含まれる距離情報に基づいて前記POIデータを所定の順番で並べて表示するディスプレイ51とを備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車用のナビゲーション装置に関するもので、特に自車位置を基準にしたソート表示の高速化に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用のナビゲーション装置にあっては、自車位置から所定の予想到着時間の範囲で施設情報を検索し、検索結果に基づいて予想到着時間の短いものから施設情報をソート表示するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、同様なナビゲーション装置として、例えば、自車位置から施設までの距離が短い順に施設情報をソート表示するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−340687号公報
【特許文献2】特開2004−061503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来技術に係るナビゲーション装置では、施設検索の操作入力がなされてから全ての施設情報と自車位置とを比較して所定範囲内の施設情報を求めることとなるため、施設検索の操作入力があってから施設情報を絞り込んで表示するまでに時間がかかってしまうという課題がある。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、自車位置から所定範囲の施設情報を所定の順番で迅速に表示可能なナビゲーション装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、自車位置を検知する位置検知手段(例えば、実施の形態における現在位置検出部11)と、施設の位置情報および施設の自車位置からの距離情報を少なくとも含む施設情報が複数格納された施設情報格納手段(例えば、実施の形態における施設情報データベース17)と、自車位置および前記位置情報に基づいて自車位置から施設までの距離を算出する距離算出手段(例えば、実施の形態における距離算出部41)と、該距離算出手段の算出結果に基づいて前記距離情報を更新する情報更新手段(例えば、実施の形態における情報更新部42)と、前記施設情報に含まれる前記距離情報に基づいて前記施設情報を所定の順番で並べて表示する表示手段(例えば、実施の形態におけるディスプレイ51)とを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載した発明は、自車位置を検知する位置検知手段と、複数の施設に対して施設の位置情報および自車位置から施設までの推定到着時間情報が少なくとも対応付けられてなる複数の施設情報が格納される施設情報格納手段と、前記位置情報に基づいて自車位置から施設までの推定到着時間を算出する到着時間算出手段と、該距離算出手段の算出結果に基づいて前記推定到着時間情報を更新する情報更新手段と、前記施設に対応付けられた前記推定到着時間情報に基づいて前記施設を所定の順番で並べて表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記施設情報格納手段に格納された前記施設情報を更新する際に、前記施設情報を前記距離情報又は前記推定到着時間情報に基づいて前記施設情報格納手段に格納された前記施設情報の並び替えを行う施設情報ソート手段(例えば、実施の形態におけるソート部43)を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載した発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、前記情報更新手段が、前記位置検知手段により検知された自車位置から所定範囲以内の施設に係る施設情報のみを更新することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載した発明によれば、施設情報格納手段に格納されている施設情報が自車位置から施設までの距離情報を含み、この距離情報を距離算出手段で算出された距離で逐次更新し、この更新された距離情報に基づいて表示手段により施設情報を距離順に表示することができるため、例えばユーザが施設検索の操作入力を行った後に自車位置から施設までの距離を求める場合と比較して、この距離を算出する時間を省略できる分だけ、施設検索の操作入力が行われてから施設情報を所定の順番で表示手段に表示するまでの時間を短縮することができる。したがって、迅速に施設情報を距離順で表示可能になり商品性の向上を図ることができる効果がある。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、施設情報格納手段に格納されている施設情報が自車位置から施設までの推定到着時間情報を含み、この推定到着時間情報を推定到着時間算出手段で算出された距離で逐次更新し、この更新された推定到着時間情報に基づいて表示手段により施設情報を推定到着時間順に表示することができるため、例えばユーザが施設検索の操作入力を行った後に自車位置から施設までの推定到着時間を求める場合と比較して、推定到着時間を算出する時間を省略できる分だけ、施設検索の操作入力が行われてから施設情報を所定の順番で表示手段に表示するまでの時間を短縮することができる。したがって、迅速に施設情報を推定到着時間順に表示可能になり商品性の向上を図ることができる効果がある。
【0011】
請求項3に記載した発明によれば、施設情報格納手段に格納されている施設情報を施設情報ソート手段により施設検索の操作入力より前に、自車位置からの距離順又は自車位置からの推定到着時間順に施設情報の並び替えを行うことができるため、施設検索の操作入力が行われた後に施設情報の並び替えを行う場合と比較して、施設検索の操作入力から施設情報が表示されるまでの時間を短縮することができる効果がある。
【0012】
請求項4に記載した発明によれば、利用可能性が高いと推定される自車位置から比較的近い施設の施設情報のみを更新することで、更新対象となる施設情報を低減して情報更新手段による更新処理の負担を軽減することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明のナビゲーション装置の第1実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
第1実施形態によるナビゲーション装置10は、図1に示すように、現在位置検出部11と、地図データ記憶部12と、施設情報データベース(以下、単に施設情報DBと称す)17と、入力操作部18と、ECU19と、出力部20とを備えて構成されている。
【0014】
現在位置検出部11は、人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)信号や、例えば適宜の基地局を利用してGPS信号の誤差を補正して測位精度を向上させるためのD(Differential)GPS信号等の測位信号を受信するGPS受信部21と、車両の速度(車速)を検出する車速センサ22と、水平面内での自車両の向きや鉛直方向に対する傾斜角度(例えば、車両の前後方向軸の鉛直方向に対する傾斜角度や車両重心の上下方向軸周りの回転角であるヨー角等)および傾斜角度の変化量(例えば、ヨーレート等)を検出するジャイロセンサ23とを備えて構成され、受信した測位信号によって、あるいは、車速やヨーレート等の検出信号に基づく自律航法の算出処理によって、車両の現在位置を算出する現在地判定部24を備えている。
【0015】
地図データ記憶部12は、出力部20のディスプレイ51の表示画面51a上において地図を表示するための地図データと道路情報とを格納している。ここで、地図データは、例えば地形図データと、例えば各種の施設および街区および湖沼等に対応したポリゴンのデータと、例えば各ポリゴンに対応付けられた施設名および地名等の文字のデータと、各種の記号のデータとを備えて構成されている。道路情報は、例えばノード(つまり、道路形状を把握するための座標点)および各ノード間を結ぶ線であるリンクと、各リンクの距離と、道路の種別及び幅員及び交差角度および形状等のデータとを備えて構成されている。
【0016】
施設情報DB17は、施設情報として、店舗などの施設名称、店舗などの施設が臨設された道路および交差点などの所在地情報、車両の現在位置からその施設までの距離情報、および、店舗などの施設に関する付加情報などがそれぞれ対応付けられたPOI(Point Of Interest)データがリスト化されて格納されたものである。この施設情報DB17は、ハードディスクドライブ(HDD)やRAM(Random Access Memory)等、書き換え可能な記憶媒体によって構成されており、ECU19からPOIデータの更新や呼び出しが可能になっている。なお、施設の所在地情報としては、地図データに含まれた緯度・経度などの位置情報、および、ノード・リンクなどの道路情報を適宜用いることができる。
【0017】
ECU19は、メモリ(図示略)等に予め記憶されたアプリケーションプログラムに基づいてナビゲーション装置10の様々な制御処理を行うものであり、現在地判定部24から取得した車両の現在位置の情報に基づいて、地図データ記憶部12から地図データを取得して出力部20のディスプレイ51に地図を表示し、さらに現在地判定部24から取得した車両の現在位置に基づいてマップマッチングを行って車両の現在位置や走行軌跡を地図上に重ねて表示させる。また、ECU19は、入力操作部18を介して入力設定された目的地に対して経路探索や経路誘導等の処理を実行したり、出力部20のディスプレイ51およびスピーカ52の動作を制御する。
【0018】
さらに、ECU19は、主にアプリケーションプログラムで構成される距離算出部41と情報更新部42とソート部43とをそれぞれ備えている。
距離算出部41は、現在地判定部24より入力された車両の現在位置、および施設情報DB17のPOIデータに含まれる店舗などの施設の所在地情報に基づき、現在位置から施設までの距離を算出する。現在位置から施設までの距離を算出する制御処理は、例えば、その地域における施設数すなわち施設の密度に応じた所定の時間ごとに行われる。ここで、施設の密度は、都市部が最も高くなるとともに郊外に行くにつれて徐々に低くなる傾向があり、郊外のように施設の密度が低い場合は、車両が移動しても自車位置から各施設までの距離の順番が頻繁に入れ替わることがない。そのため、上述した所定の時間は、都市部における算出処理の間隔(例えば30秒程度)よりも郊外の場合の算出処理の間隔を長く(例えば5分程度)設定することができる。そして、算出処理の間隔を施設の密度に応じて設定することでとりわけ郊外の場合にECU19の負担を軽減できる。
【0019】
情報更新部42は、施設情報DB17に格納されているPOIデータを更新するものである。より具体的には、情報更新部42は、上記距離算出部41により算出された各施設までの距離情報を、POIデータに含まれる距離情報に上書きして更新する。この更新処理は距離算出部41によって現在位置から各施設までの距離が算出される度に行われることとなる。
ソート部43は、施設情報DB17に格納されているPOIデータのリストを並び替えるものである。このソート部43は、POIデータに含まれる現在位置から各施設までの距離情報を参照し、例えば現在位置から各施設までの距離が短い順にPOIデータを並び替える。
【0020】
入力操作部18は、例えば図2〜図4に示すように、出力部20のディスプレイ51から下方側にずれた位置でインスツルメントパネルから突出する回転操作部材31およびスライド操作部材32を備えて構成されている。
略円筒状の回転操作部材31は、軸線P周り(例えば、図2に示す矢印R方向)に回転可能とされている。
回転操作部材31の内径よりも小さな外径を有する略円柱状のスライド操作部材32は、回転操作部材31と同軸に回転操作部材31の内部に配置され、スライド操作部材32の先端部32aは、回転操作部材31の開口端31aから突出するように配置され、スライド操作部材32は、軸線P方向および軸線Pに直交する任意の方向(例えば、図2に示す矢印X,Y方向)に変位可能とされている。
【0021】
スライド操作部材32には、軸線P方向および軸線Pに直交する方向に対して所定の基準位置が設定され、操作者からの入力操作(例えば、軸線P方向の押下操作、または、軸線Pに直交する方向のスライド操作等)が無い場合には、適宜の復帰機構(図示略)により基準位置に自動的に復帰するように設定されている。
また、入力操作部18は、回転操作部材31の回転角度および回転速度を検出するエンコーダ等のセンサ(図示略)と、スライド操作部材32の軸線P方向および軸線Pに直交する方向での各所定変位を検出するセンサ(図示略)とを備え、各センサから出力される検出値の信号はECU19に入力されている。
なお、入力操作部18は、以上説明したものの他に、例えばタッチパネル式等であってもよい。
【0022】
出力部20は、地図や各種情報を表示するディスプレイ51と、経路案内などのガイダンスおよび操作音などを出力するためのスピーカ52を備え、これらディスプレイ51とスピーカ52とが、それぞれECU19の制御指令に従って駆動するようになっている。ディスプレイ51は、入力操作部18を介して所定の条件で施設の情報検索が行われると、施設情報DBに格納され現在位置から近い順に並べられたPOIデータをその並べられた順番で表示する。
【0023】
この第1実施形態によるナビゲーション装置10は上記構成を備えており、次に、このナビゲーション装置10の動作、特に、距離算出部41および情報更新部42による距離算出および更新処理と、ユーザによる入力操作部18への操作入力に基づいた施設検索処理を説明する。
【0024】
まず図5を参照しながら、POIデータの距離情報を更新する処理を説明する。
ステップS01においては、施設情報DBに格納されている各POIデータの所在地情報と現在位置検出部11で検出された自車位置とに基づいてマッピング(MAPPING)処理を行い、自車位置から各施設の所在地までの距離をそれぞれ算出する。ここで、自車位置から各施設の所在地までの距離情報としては、自車位置から施設の所在地までの直線距離、自車位置から施設の所在地までの経路に沿った距離、および、VICS(Vehicle Information and Communication System)などの道路情報を加味して設定された経路に沿った距離などを適宜用いることができる。
【0025】
ステップS02においては、施設情報DBに格納された各POIデータの距離情報に、ステップS01で算出した距離を上書きして更新する。
ステップS03では、各POIデータの距離情報に基づいて、POIデータを自車位置からの距離の短い順に並べ替えてステップS01に戻り上述した処理を繰り返す。
【0026】
次に図6を参照しながら、施設検索処理を説明する。なお、この施設検索処理は、上述の更新処理とは個別に行われるものである。
ステップS11において、ユーザにより入力操作部18を介して検索項目の入力がなされるとステップS12に進む。
ステップS12においては、POIデータのリストの中から入力された検索項目の条件に該当するPOIデータをそのリストの並び順で検索する。
ステップS13においては、検索項目の条件に該当するPOIデータに含まれる施設名称、付加情報等の各情報をHit順すなわちPOIデータの並び順に従ってディスプレイ51に並べて表示させる。
【0027】
例えば、ユーザが入力操作部18により検索項目として「レストラン」などと入力した場合、POIデータのリストの中から、「レストラン」という情報を含むものが検索され、該当したPOIデータに含まれる施設名称および付加情報などの情報が、レストランの一覧として自車位置から近い順番に並んで表示されることとなる。
【0028】
上述したように、第1実施形態によるナビゲーション装置10によれば、施設情報DB17に格納されているPOIデータが自車位置から施設の所在地までの距離情報を含み、この距離情報に距離算出部41で算出された距離を上書きして更新し、この更新された距離情報に基づいて、例えばディスプレイ51により施設の各種情報を距離が短い順に表示することができるため、ユーザが検索項目の操作入力を行った後に自車位置から施設までの距離を求める場合と比較して、この距離算出の時間を省略できる分だけ、施設検索の操作入力が行われてから検索結果を距離順でディスプレイ51に表示するまでの時間を短縮することができ、その結果、施設の各種情報を自車位置から施設までの距離が短い順に迅速に表示することが可能となり、商品性の向上を図ることができる。
【0029】
また、ユーザによる検索項目の操作入力がなされる前に、ソート部43により施設情報DB17に格納されているPOIデータを自車位置からの距離が短い順に並び替えを行うことができるため、検索項目の操作入力が行われた後にPOIデータの並び替えを行う場合と比較して、検索項目の操作入力がなされてから施設の各種情報が表示されるまでの時間を短縮することができる。
【0030】
なお、上述した第1実施形態において、図5のフローチャートのステップS03に示す処理によって距離情報を更新する度に自車位置から施設までの距離が短い順番で並べ替えを行っているが、検索項目が入力されてからディスプレイ51に施設の各種情報を表示するまでの間にステップS03と同様の処理を行うようにしてもよい。このように構成した場合、距離情報を更新する度にPOIデータを並べ替える場合と比較して、POIデータを並べ替える頻度を少なくすることができ、この結果ECU19の負荷を軽減することができる。
【0031】
次に、この発明の第2実施形態について図7、図8を参照しながら説明する。なお、この第2実施形態は、上述の第1実施形態で用いていた距離情報に替えて推定到着時間情報を採用したものであるため、同一部分には同一符号を付して説明する。
第2実施形態によるナビゲーション装置100は、図7に示すように、現在位置検出部11と、地図データ記憶部12と、施設情報DB117と、入力操作部18と、ECU119と、出力部20とを備えて構成されている。なお、現在位置検出部11と、地図データ記憶部12と、入力操作部18と、出力部20とは、図2に示す第1実施形態のナビゲーション装置10と同様の構成であるため詳細説明を省略する。
【0032】
施設情報DB117は、施設情報として、店舗などの施設名称、店舗などの施設が臨設された道路および交差点などの所在地情報、車両の現在位置からその施設の所在地までの推定到着時間情報、および、店舗などの施設に関する付加情報がそれぞれ対応付けられたPOIデータがリスト化されて格納されるものであり、ECU19からPOIデータの更新や呼び出しが可能になっている。なお、施設情報DB117は、上述した施設情報DB17と同様に、ハードディスクドライブ(HDD)やRAM(Random Access Memory)等、書き換え可能な記憶媒体によって構成され、さらに、POIデータに含まれる施設の所在地情報としては、地図データに含まれた緯度・経度などの位置情報、および、ノード・リンクなどの道路情報が用いられている。
【0033】
ECU119は、メモリ(図示略)等に予め記憶されたアプリケーションプログラムに基づいてナビゲーション装置10の様々な制御処理を行うものであり、現在地判定部24から取得した車両の現在位置の情報に基づいて、地図データ記憶部12から地図データを取得して出力部20のディスプレイ51に地図を表示し、さらに現在地判定部24から取得した車両の現在位置に基づいてマップマッチング等の処理を行って車両の現在位置や走行軌跡などを地図上に重ねて表示する制御を行う。また、ECU119は、入力操作部18に対する入力操作に応じて設定された目的地に対して経路探索や経路誘導等を行うための処理を実行し、また、出力部20のディスプレイ51およびスピーカ52の動作を制御する。
【0034】
ECU119は、主にアプリケーションプログラムで構成された推定到着時間算出部141と情報更新部42とソート部43とをそれぞれ備えている。
推定到着時間算出部141は、現在地判定部24より入力された車両の現在位置、施設情報DB117のPOIデータに含まれる店舗などの施設の所在地情報に基づき、車両の現在位置から施設の所在地までの推定到着時間を算出する。現在位置から施設までの推定到着時間を算出する制御処理は、例えば、その地域における施設の密度に応じた所定の時間ごとに行われる。
【0035】
推定到着時間は、現在位置および施設の所在地情報から探索した経路に沿って車両が移動した場合に、現在位置から施設に到着するまでに要する時間の推定値である。経路の探索においては、例えば、図示しないアンテナを介して渋滞情報や工事情報を含むVICS情報を取得して、この取得したVICS情報を加味して施設に最短時間で到着できる経路を求め、この経路を用いた推定到着時間を算出すると算出結果の精度向上の点で有利となる。
【0036】
情報更新部42は、施設情報DB117に格納されているPOIデータを更新するものである。より具体的には、情報更新部42は、推定到着時間算出部141により算出された各施設までの推定到着時間を、POIデータに含まれる推定到着時間情報に上書きして更新する。この更新処理は推定到着時間算出部141によって現在位置から各施設までの推定到着時間が算出される度に行われる。
【0037】
ソート部43は、施設情報DB117に格納されているPOIデータのリストを並び替えるものである。このソート部43は、POIデータに含まれる推定到着時間情報を参照し、現在位置から各施設までの推定到着時間が短い順にPOIデータを並び替える。
【0038】
この第2実施形態によるナビゲーション装置100は上記構成を備えており、次にこのナビゲーション装置100の動作、特に、推定到着時間の算出および更新処理を説明する。なお、ユーザによる入力操作部18への操作入力に基づいた施設検索処理については第1実施形態と同様の処理であるため図6のフローチャートを援用して詳細な説明を省略する。
【0039】
図8を参照しながら、推定到着時間算出および更新処理を説明する。
ステップS21においては、施設情報DB117に格納されている各POIデータの所在地情報、自車位置などに基づいてマッピング(MAPPING)処理を行い、自車位置から各施設の所在地までの経路をそれぞれ求めてこの経路に沿って移動した場合の推定到着時間をそれぞれ算出する。
【0040】
ステップS22においては、施設情報DB117に格納された各POIデータの推定到着時間情報に、ステップS21で算出した推定到着時間を上書きして更新する。
ステップS03では、各POIデータの距離情報に基づいて、各POIデータを自車位置からの推定到着時間が短い順に並べ替えてステップS21に戻り上述した処理を繰り返す。
【0041】
このように推定到着時間が短い順に並んだ状態で施設情報DB117に格納されたPOIデータは、ユーザにより検索項目の入力がなされ(ステップS11)、検索項目に該当するPOIデータが検索されて(ステップS12)、この検索項目に該当したPOIデータに含まれる施設の情報が推定到着時間の短いものから順にディスプレイ51に表示される(ステップS13)。
【0042】
上述したように、第2実施形態によるナビゲーション装置100によれば、施設情報DB117に格納されているPOIデータが自車位置から施設の所在地までの推定到着時間情報を含み、この推定到着時間情報に推定到着時間算出部141で算出された推定到着時間を上書きして更新し、この更新された推定到着時間情報に基づいてディスプレイ51により推定到着時間が短い順に施設の各種情報を表示することができるため、例えばユーザが検索項目の操作入力を行った後に自車位置から施設までの推定到着時間を求める場合と比較して、推定到着時間の算出時間を省略できる分だけ、施設検索の操作入力が行われてから検索結果を推定到着時間順でディスプレイに表示するまでの時間を短縮することができ、その結果、施設の各種情報を推定到着時間が短い順に迅速に表示することが可能となり、商品性の向上を図ることができる。
【0043】
なお、上述した第1実施形態および第2実施形態において、施設情報DB17および施設情報DB117に格納された全てのPOIデータを更新対象としているが、この構成に限られるものではなく、例えば、第2変形例として、更新対象となるPOIデータを絞り込んでも良い。より具体的には、情報更新部42で更新するPOIデータを、例えば州や市など所定地域内および自車位置から所定距離内(例えば、半径100kmなど)に所在する施設に係るPOIデータに絞り込んでPOIデータの更新処理を行うようにしても良い。このように構成することで、更新対象となるPOIデータの数量を少なくできるため、情報更新部42による更新処理や距離算出部41および推定到着時間算出部141による算出処理、さらには、ソート部43によるPOIデータの並べ替え処理に係る時間をそれぞれ短縮することができ、この結果、検索項目の入力から検索結果の表示までを更に迅速化することができる。
【0044】
また、上述の更新対象を絞り込むのと同様に、ユーザにより入力された検索項目に該当する施設名を含むPOIデータの検索処理を行う際に、検索対象となるPOIデータを、例えば州や市など所定地域内および自車位置から所定距離内(例えば、半径100km内など)に所在する施設に係るPOIデータに絞り込んで検索処理を行うようにしても良い。このように構成することで、施設情報DB17に距離の短い順に並べられて格納されているPOIデータの内、順位の高いPOIデータのみを検索すればよいため、検索対象となるPOIデータの数量を少なくすることができ、この結果、検索処理を迅速に行うことができる。
【0045】
また、上述した第1実施形態および第2実施形態において、ナビゲーション装置10,100は、それぞれ検索処理による検索結果を全てディスプレイ51に表示させているが、これに限定されるものではない。以下、第1実施形態および第2実施形態の変形例を、図9,10を参照しながら説明する。なお、この変形例では第1実施形態および第2実施形態と同一部分に同一符号を付して説明する。
【0046】
図9に示すように、ディスプレイ51には検索項目の入力画面60が表示されており、この入力画面60にアルファベットなどの文字列61が表示されている。この文字列61
は一文字ずつ入力操作部18により選択決定可能に構成され、検索項目として施設名(place name)の文字入力が可能となっている。入力画面60の右上には検索項目に該当するPOIデータの数量(HITS;以下、Hit数と呼ぶ)を表示するHit数表示部62が配置されている。
【0047】
入力画面60の下部には、入力操作部18による操作方向を示す上・下・左・右方向矢印63〜66およびその上・下・左・右方向矢印63〜66毎にそれぞれの操作に対応した機能名67〜70が表示されている。ここで、図9に示す一例では、左方向矢印63に「DELETE」という機能名67が対応付けられて表示されており、入力操作部18を左方向矢印63側に一度傾倒させることで既に入力されている文字が1つ消去される。同様に右方向矢印64には「SPACE」という機能名68が対応付けられて表示されており、入力操作部18を右方向矢印64側に一度傾倒させることで一文字分の空白が入力される。また、下方向矢印65には「LIST」という機能名69が対応付けられ、例えば、所定の条件下で入力操作部18を下矢印方向に一度傾倒させることで、検索処理によって検索されたPOIデータに含まれる施設の各種情報が施設情報DB17又は施設情報DB117に格納された順番で表示される。上方向矢印66には、「OPTION」という機能名70が対応付けられて表示されており、種々の機能設定を選択変更するためのオプション画面(図示略)が表示されるようになっている。
【0048】
この変形例では、図10に示すように、ユーザにより検索項目の文字入力があると(ステップS31)Hit数を求めて(ステップS32)このHit数が予め設定された閾値以下か否かを判定する(ステップS33)。そして、この判定の結果、Hit数が閾値以下でない場合は(ステップS33でNO)、更なる次の検索項目の文字入力を待ち、Hit数が閾値以下である場合(ステップS33でYES)は検索結果の表示を許可する(ステップS34)。
【0049】
この変形例によれば、Hit数が閾値以下になるまでユーザに文字入力を促して、ディスプレイ51に表示させる施設の各種情報の数量を抑制することができるため、確定した検索結果の高速表示が可能となる。なお、この変形例においても、上述した各実施形態と同様に施設情報DB17,117に格納されたPOIデータの並べ替え処理を所定時間ごとではなく検索処理時にだけ行うようにしても良い。
【0050】
また、上述した第1実施形態および第2実施形態においては、ユーザにより検索項目の入力がなされた時点で施設情報DB17に格納されているPOIデータのリストから該当するPOIデータを検索し、自車位置からの距離順又は推定到着時間順にディスプレイ51にPOIデータに含まれる施設の各種情報を表示させる構成となっていたが、この第1実施形態及び第2実施形態の構成に限られず、例えば、その第2変形例として図11のフローチャートに示す処理を上述した検索処理および更新処理と並行に行うようにしてもよい。具体的には、ユーザのお気に入りのPOIカテゴリ(例えば、レストランやコンビニエンスストアなど)を予め初期設定として設定可能な構成とし(ステップS41)、上述したステップS11(図6参照)やステップS31(図10参照)の検索項目の入力がなされていない場合であっても、予め設定されているPOIカテゴリに基づいてPOIデータの検索を行い、例えば、予め設定されたPOIカテゴリに該当するPOIデータのうち、上述したステップS03およびステップS23の処理によって並べ替えられている自車位置からの距離又は推定到着時間が短い上位(例えば、5位まで)のPOIデータを抽出し、これら上位のPOIデータに含まれる施設の各種情報を、例えば、図12に示すようにディスプレイ51の右下等の所定の領域にリアルタイムで表示(ステップS42)する。ここで、リアルタイムで表示とは、POIデータが並び替えられて順番が変動した場合に、この順番変動が即座に反映されるタイミング(例えば、距離又は推定到着時間の情報を更新するタイミングや、所定時間毎等)でディスプレイ51の表示内容が更新されることを意味している。このように構成することで、ユーザの利用頻度が高い検索項目の入力操作を検索の都度行わなくても済むため、所望の施設の各種情報を即座に得ることができ、さらなる商品性の向上を図ることができ有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る入力操作部の配置状態の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る入力操作部の斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る入力操作部の断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の動作、特に、POIデータに含まれる距離情報を更新する更新処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の動作、特に、施設の各種情報をディスプレイに表示する検索処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に係るナビゲーション装置の構成図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の動作、特に、POIデータに含まれる推定到着距離情報を更新する処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1,2実施形態の変形例に係るナビゲーション装置のディスプレイの表示画面の一例を示す図である。
【図10】本発明の第1,2実施形態の変形例に係るナビゲーション装置の図6に相当する検索処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1,2実施形態の第2変形例に係るナビゲーション装置の動作、特に、常に施設の各種情報を表示するための処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1,2実施形態の第2変形例に係るナビゲーション装置のディスプレイにおける、初期設定に基づく検索結果の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
11 現在位置検出部(現在位置検出手段)
17 施設情報DB(施設情報格納手段)
41 距離算出部(距離算出手段)
42 情報更新部(情報更新手段)
43 ソート部(ソート手段)
51 ディスプレイ(表示手段)
117 施設情報DB(施設情報格納手段)
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車用のナビゲーション装置に関するもので、特に自車位置を基準にしたソート表示の高速化に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用のナビゲーション装置にあっては、自車位置から所定の予想到着時間の範囲で施設情報を検索し、検索結果に基づいて予想到着時間の短いものから施設情報をソート表示するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、同様なナビゲーション装置として、例えば、自車位置から施設までの距離が短い順に施設情報をソート表示するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−340687号公報
【特許文献2】特開2004−061503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来技術に係るナビゲーション装置では、施設検索の操作入力がなされてから全ての施設情報と自車位置とを比較して所定範囲内の施設情報を求めることとなるため、施設検索の操作入力があってから施設情報を絞り込んで表示するまでに時間がかかってしまうという課題がある。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、自車位置から所定範囲の施設情報を所定の順番で迅速に表示可能なナビゲーション装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、自車位置を検知する位置検知手段(例えば、実施の形態における現在位置検出部11)と、施設の位置情報および施設の自車位置からの距離情報を少なくとも含む施設情報が複数格納された施設情報格納手段(例えば、実施の形態における施設情報データベース17)と、自車位置および前記位置情報に基づいて自車位置から施設までの距離を算出する距離算出手段(例えば、実施の形態における距離算出部41)と、該距離算出手段の算出結果に基づいて前記距離情報を更新する情報更新手段(例えば、実施の形態における情報更新部42)と、前記施設情報に含まれる前記距離情報に基づいて前記施設情報を所定の順番で並べて表示する表示手段(例えば、実施の形態におけるディスプレイ51)とを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載した発明は、自車位置を検知する位置検知手段と、複数の施設に対して施設の位置情報および自車位置から施設までの推定到着時間情報が少なくとも対応付けられてなる複数の施設情報が格納される施設情報格納手段と、前記位置情報に基づいて自車位置から施設までの推定到着時間を算出する到着時間算出手段と、該距離算出手段の算出結果に基づいて前記推定到着時間情報を更新する情報更新手段と、前記施設に対応付けられた前記推定到着時間情報に基づいて前記施設を所定の順番で並べて表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記施設情報格納手段に格納された前記施設情報を更新する際に、前記施設情報を前記距離情報又は前記推定到着時間情報に基づいて前記施設情報格納手段に格納された前記施設情報の並び替えを行う施設情報ソート手段(例えば、実施の形態におけるソート部43)を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載した発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、前記情報更新手段が、前記位置検知手段により検知された自車位置から所定範囲以内の施設に係る施設情報のみを更新することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載した発明によれば、施設情報格納手段に格納されている施設情報が自車位置から施設までの距離情報を含み、この距離情報を距離算出手段で算出された距離で逐次更新し、この更新された距離情報に基づいて表示手段により施設情報を距離順に表示することができるため、例えばユーザが施設検索の操作入力を行った後に自車位置から施設までの距離を求める場合と比較して、この距離を算出する時間を省略できる分だけ、施設検索の操作入力が行われてから施設情報を所定の順番で表示手段に表示するまでの時間を短縮することができる。したがって、迅速に施設情報を距離順で表示可能になり商品性の向上を図ることができる効果がある。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、施設情報格納手段に格納されている施設情報が自車位置から施設までの推定到着時間情報を含み、この推定到着時間情報を推定到着時間算出手段で算出された距離で逐次更新し、この更新された推定到着時間情報に基づいて表示手段により施設情報を推定到着時間順に表示することができるため、例えばユーザが施設検索の操作入力を行った後に自車位置から施設までの推定到着時間を求める場合と比較して、推定到着時間を算出する時間を省略できる分だけ、施設検索の操作入力が行われてから施設情報を所定の順番で表示手段に表示するまでの時間を短縮することができる。したがって、迅速に施設情報を推定到着時間順に表示可能になり商品性の向上を図ることができる効果がある。
【0011】
請求項3に記載した発明によれば、施設情報格納手段に格納されている施設情報を施設情報ソート手段により施設検索の操作入力より前に、自車位置からの距離順又は自車位置からの推定到着時間順に施設情報の並び替えを行うことができるため、施設検索の操作入力が行われた後に施設情報の並び替えを行う場合と比較して、施設検索の操作入力から施設情報が表示されるまでの時間を短縮することができる効果がある。
【0012】
請求項4に記載した発明によれば、利用可能性が高いと推定される自車位置から比較的近い施設の施設情報のみを更新することで、更新対象となる施設情報を低減して情報更新手段による更新処理の負担を軽減することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明のナビゲーション装置の第1実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
第1実施形態によるナビゲーション装置10は、図1に示すように、現在位置検出部11と、地図データ記憶部12と、施設情報データベース(以下、単に施設情報DBと称す)17と、入力操作部18と、ECU19と、出力部20とを備えて構成されている。
【0014】
現在位置検出部11は、人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)信号や、例えば適宜の基地局を利用してGPS信号の誤差を補正して測位精度を向上させるためのD(Differential)GPS信号等の測位信号を受信するGPS受信部21と、車両の速度(車速)を検出する車速センサ22と、水平面内での自車両の向きや鉛直方向に対する傾斜角度(例えば、車両の前後方向軸の鉛直方向に対する傾斜角度や車両重心の上下方向軸周りの回転角であるヨー角等)および傾斜角度の変化量(例えば、ヨーレート等)を検出するジャイロセンサ23とを備えて構成され、受信した測位信号によって、あるいは、車速やヨーレート等の検出信号に基づく自律航法の算出処理によって、車両の現在位置を算出する現在地判定部24を備えている。
【0015】
地図データ記憶部12は、出力部20のディスプレイ51の表示画面51a上において地図を表示するための地図データと道路情報とを格納している。ここで、地図データは、例えば地形図データと、例えば各種の施設および街区および湖沼等に対応したポリゴンのデータと、例えば各ポリゴンに対応付けられた施設名および地名等の文字のデータと、各種の記号のデータとを備えて構成されている。道路情報は、例えばノード(つまり、道路形状を把握するための座標点)および各ノード間を結ぶ線であるリンクと、各リンクの距離と、道路の種別及び幅員及び交差角度および形状等のデータとを備えて構成されている。
【0016】
施設情報DB17は、施設情報として、店舗などの施設名称、店舗などの施設が臨設された道路および交差点などの所在地情報、車両の現在位置からその施設までの距離情報、および、店舗などの施設に関する付加情報などがそれぞれ対応付けられたPOI(Point Of Interest)データがリスト化されて格納されたものである。この施設情報DB17は、ハードディスクドライブ(HDD)やRAM(Random Access Memory)等、書き換え可能な記憶媒体によって構成されており、ECU19からPOIデータの更新や呼び出しが可能になっている。なお、施設の所在地情報としては、地図データに含まれた緯度・経度などの位置情報、および、ノード・リンクなどの道路情報を適宜用いることができる。
【0017】
ECU19は、メモリ(図示略)等に予め記憶されたアプリケーションプログラムに基づいてナビゲーション装置10の様々な制御処理を行うものであり、現在地判定部24から取得した車両の現在位置の情報に基づいて、地図データ記憶部12から地図データを取得して出力部20のディスプレイ51に地図を表示し、さらに現在地判定部24から取得した車両の現在位置に基づいてマップマッチングを行って車両の現在位置や走行軌跡を地図上に重ねて表示させる。また、ECU19は、入力操作部18を介して入力設定された目的地に対して経路探索や経路誘導等の処理を実行したり、出力部20のディスプレイ51およびスピーカ52の動作を制御する。
【0018】
さらに、ECU19は、主にアプリケーションプログラムで構成される距離算出部41と情報更新部42とソート部43とをそれぞれ備えている。
距離算出部41は、現在地判定部24より入力された車両の現在位置、および施設情報DB17のPOIデータに含まれる店舗などの施設の所在地情報に基づき、現在位置から施設までの距離を算出する。現在位置から施設までの距離を算出する制御処理は、例えば、その地域における施設数すなわち施設の密度に応じた所定の時間ごとに行われる。ここで、施設の密度は、都市部が最も高くなるとともに郊外に行くにつれて徐々に低くなる傾向があり、郊外のように施設の密度が低い場合は、車両が移動しても自車位置から各施設までの距離の順番が頻繁に入れ替わることがない。そのため、上述した所定の時間は、都市部における算出処理の間隔(例えば30秒程度)よりも郊外の場合の算出処理の間隔を長く(例えば5分程度)設定することができる。そして、算出処理の間隔を施設の密度に応じて設定することでとりわけ郊外の場合にECU19の負担を軽減できる。
【0019】
情報更新部42は、施設情報DB17に格納されているPOIデータを更新するものである。より具体的には、情報更新部42は、上記距離算出部41により算出された各施設までの距離情報を、POIデータに含まれる距離情報に上書きして更新する。この更新処理は距離算出部41によって現在位置から各施設までの距離が算出される度に行われることとなる。
ソート部43は、施設情報DB17に格納されているPOIデータのリストを並び替えるものである。このソート部43は、POIデータに含まれる現在位置から各施設までの距離情報を参照し、例えば現在位置から各施設までの距離が短い順にPOIデータを並び替える。
【0020】
入力操作部18は、例えば図2〜図4に示すように、出力部20のディスプレイ51から下方側にずれた位置でインスツルメントパネルから突出する回転操作部材31およびスライド操作部材32を備えて構成されている。
略円筒状の回転操作部材31は、軸線P周り(例えば、図2に示す矢印R方向)に回転可能とされている。
回転操作部材31の内径よりも小さな外径を有する略円柱状のスライド操作部材32は、回転操作部材31と同軸に回転操作部材31の内部に配置され、スライド操作部材32の先端部32aは、回転操作部材31の開口端31aから突出するように配置され、スライド操作部材32は、軸線P方向および軸線Pに直交する任意の方向(例えば、図2に示す矢印X,Y方向)に変位可能とされている。
【0021】
スライド操作部材32には、軸線P方向および軸線Pに直交する方向に対して所定の基準位置が設定され、操作者からの入力操作(例えば、軸線P方向の押下操作、または、軸線Pに直交する方向のスライド操作等)が無い場合には、適宜の復帰機構(図示略)により基準位置に自動的に復帰するように設定されている。
また、入力操作部18は、回転操作部材31の回転角度および回転速度を検出するエンコーダ等のセンサ(図示略)と、スライド操作部材32の軸線P方向および軸線Pに直交する方向での各所定変位を検出するセンサ(図示略)とを備え、各センサから出力される検出値の信号はECU19に入力されている。
なお、入力操作部18は、以上説明したものの他に、例えばタッチパネル式等であってもよい。
【0022】
出力部20は、地図や各種情報を表示するディスプレイ51と、経路案内などのガイダンスおよび操作音などを出力するためのスピーカ52を備え、これらディスプレイ51とスピーカ52とが、それぞれECU19の制御指令に従って駆動するようになっている。ディスプレイ51は、入力操作部18を介して所定の条件で施設の情報検索が行われると、施設情報DBに格納され現在位置から近い順に並べられたPOIデータをその並べられた順番で表示する。
【0023】
この第1実施形態によるナビゲーション装置10は上記構成を備えており、次に、このナビゲーション装置10の動作、特に、距離算出部41および情報更新部42による距離算出および更新処理と、ユーザによる入力操作部18への操作入力に基づいた施設検索処理を説明する。
【0024】
まず図5を参照しながら、POIデータの距離情報を更新する処理を説明する。
ステップS01においては、施設情報DBに格納されている各POIデータの所在地情報と現在位置検出部11で検出された自車位置とに基づいてマッピング(MAPPING)処理を行い、自車位置から各施設の所在地までの距離をそれぞれ算出する。ここで、自車位置から各施設の所在地までの距離情報としては、自車位置から施設の所在地までの直線距離、自車位置から施設の所在地までの経路に沿った距離、および、VICS(Vehicle Information and Communication System)などの道路情報を加味して設定された経路に沿った距離などを適宜用いることができる。
【0025】
ステップS02においては、施設情報DBに格納された各POIデータの距離情報に、ステップS01で算出した距離を上書きして更新する。
ステップS03では、各POIデータの距離情報に基づいて、POIデータを自車位置からの距離の短い順に並べ替えてステップS01に戻り上述した処理を繰り返す。
【0026】
次に図6を参照しながら、施設検索処理を説明する。なお、この施設検索処理は、上述の更新処理とは個別に行われるものである。
ステップS11において、ユーザにより入力操作部18を介して検索項目の入力がなされるとステップS12に進む。
ステップS12においては、POIデータのリストの中から入力された検索項目の条件に該当するPOIデータをそのリストの並び順で検索する。
ステップS13においては、検索項目の条件に該当するPOIデータに含まれる施設名称、付加情報等の各情報をHit順すなわちPOIデータの並び順に従ってディスプレイ51に並べて表示させる。
【0027】
例えば、ユーザが入力操作部18により検索項目として「レストラン」などと入力した場合、POIデータのリストの中から、「レストラン」という情報を含むものが検索され、該当したPOIデータに含まれる施設名称および付加情報などの情報が、レストランの一覧として自車位置から近い順番に並んで表示されることとなる。
【0028】
上述したように、第1実施形態によるナビゲーション装置10によれば、施設情報DB17に格納されているPOIデータが自車位置から施設の所在地までの距離情報を含み、この距離情報に距離算出部41で算出された距離を上書きして更新し、この更新された距離情報に基づいて、例えばディスプレイ51により施設の各種情報を距離が短い順に表示することができるため、ユーザが検索項目の操作入力を行った後に自車位置から施設までの距離を求める場合と比較して、この距離算出の時間を省略できる分だけ、施設検索の操作入力が行われてから検索結果を距離順でディスプレイ51に表示するまでの時間を短縮することができ、その結果、施設の各種情報を自車位置から施設までの距離が短い順に迅速に表示することが可能となり、商品性の向上を図ることができる。
【0029】
また、ユーザによる検索項目の操作入力がなされる前に、ソート部43により施設情報DB17に格納されているPOIデータを自車位置からの距離が短い順に並び替えを行うことができるため、検索項目の操作入力が行われた後にPOIデータの並び替えを行う場合と比較して、検索項目の操作入力がなされてから施設の各種情報が表示されるまでの時間を短縮することができる。
【0030】
なお、上述した第1実施形態において、図5のフローチャートのステップS03に示す処理によって距離情報を更新する度に自車位置から施設までの距離が短い順番で並べ替えを行っているが、検索項目が入力されてからディスプレイ51に施設の各種情報を表示するまでの間にステップS03と同様の処理を行うようにしてもよい。このように構成した場合、距離情報を更新する度にPOIデータを並べ替える場合と比較して、POIデータを並べ替える頻度を少なくすることができ、この結果ECU19の負荷を軽減することができる。
【0031】
次に、この発明の第2実施形態について図7、図8を参照しながら説明する。なお、この第2実施形態は、上述の第1実施形態で用いていた距離情報に替えて推定到着時間情報を採用したものであるため、同一部分には同一符号を付して説明する。
第2実施形態によるナビゲーション装置100は、図7に示すように、現在位置検出部11と、地図データ記憶部12と、施設情報DB117と、入力操作部18と、ECU119と、出力部20とを備えて構成されている。なお、現在位置検出部11と、地図データ記憶部12と、入力操作部18と、出力部20とは、図2に示す第1実施形態のナビゲーション装置10と同様の構成であるため詳細説明を省略する。
【0032】
施設情報DB117は、施設情報として、店舗などの施設名称、店舗などの施設が臨設された道路および交差点などの所在地情報、車両の現在位置からその施設の所在地までの推定到着時間情報、および、店舗などの施設に関する付加情報がそれぞれ対応付けられたPOIデータがリスト化されて格納されるものであり、ECU19からPOIデータの更新や呼び出しが可能になっている。なお、施設情報DB117は、上述した施設情報DB17と同様に、ハードディスクドライブ(HDD)やRAM(Random Access Memory)等、書き換え可能な記憶媒体によって構成され、さらに、POIデータに含まれる施設の所在地情報としては、地図データに含まれた緯度・経度などの位置情報、および、ノード・リンクなどの道路情報が用いられている。
【0033】
ECU119は、メモリ(図示略)等に予め記憶されたアプリケーションプログラムに基づいてナビゲーション装置10の様々な制御処理を行うものであり、現在地判定部24から取得した車両の現在位置の情報に基づいて、地図データ記憶部12から地図データを取得して出力部20のディスプレイ51に地図を表示し、さらに現在地判定部24から取得した車両の現在位置に基づいてマップマッチング等の処理を行って車両の現在位置や走行軌跡などを地図上に重ねて表示する制御を行う。また、ECU119は、入力操作部18に対する入力操作に応じて設定された目的地に対して経路探索や経路誘導等を行うための処理を実行し、また、出力部20のディスプレイ51およびスピーカ52の動作を制御する。
【0034】
ECU119は、主にアプリケーションプログラムで構成された推定到着時間算出部141と情報更新部42とソート部43とをそれぞれ備えている。
推定到着時間算出部141は、現在地判定部24より入力された車両の現在位置、施設情報DB117のPOIデータに含まれる店舗などの施設の所在地情報に基づき、車両の現在位置から施設の所在地までの推定到着時間を算出する。現在位置から施設までの推定到着時間を算出する制御処理は、例えば、その地域における施設の密度に応じた所定の時間ごとに行われる。
【0035】
推定到着時間は、現在位置および施設の所在地情報から探索した経路に沿って車両が移動した場合に、現在位置から施設に到着するまでに要する時間の推定値である。経路の探索においては、例えば、図示しないアンテナを介して渋滞情報や工事情報を含むVICS情報を取得して、この取得したVICS情報を加味して施設に最短時間で到着できる経路を求め、この経路を用いた推定到着時間を算出すると算出結果の精度向上の点で有利となる。
【0036】
情報更新部42は、施設情報DB117に格納されているPOIデータを更新するものである。より具体的には、情報更新部42は、推定到着時間算出部141により算出された各施設までの推定到着時間を、POIデータに含まれる推定到着時間情報に上書きして更新する。この更新処理は推定到着時間算出部141によって現在位置から各施設までの推定到着時間が算出される度に行われる。
【0037】
ソート部43は、施設情報DB117に格納されているPOIデータのリストを並び替えるものである。このソート部43は、POIデータに含まれる推定到着時間情報を参照し、現在位置から各施設までの推定到着時間が短い順にPOIデータを並び替える。
【0038】
この第2実施形態によるナビゲーション装置100は上記構成を備えており、次にこのナビゲーション装置100の動作、特に、推定到着時間の算出および更新処理を説明する。なお、ユーザによる入力操作部18への操作入力に基づいた施設検索処理については第1実施形態と同様の処理であるため図6のフローチャートを援用して詳細な説明を省略する。
【0039】
図8を参照しながら、推定到着時間算出および更新処理を説明する。
ステップS21においては、施設情報DB117に格納されている各POIデータの所在地情報、自車位置などに基づいてマッピング(MAPPING)処理を行い、自車位置から各施設の所在地までの経路をそれぞれ求めてこの経路に沿って移動した場合の推定到着時間をそれぞれ算出する。
【0040】
ステップS22においては、施設情報DB117に格納された各POIデータの推定到着時間情報に、ステップS21で算出した推定到着時間を上書きして更新する。
ステップS03では、各POIデータの距離情報に基づいて、各POIデータを自車位置からの推定到着時間が短い順に並べ替えてステップS21に戻り上述した処理を繰り返す。
【0041】
このように推定到着時間が短い順に並んだ状態で施設情報DB117に格納されたPOIデータは、ユーザにより検索項目の入力がなされ(ステップS11)、検索項目に該当するPOIデータが検索されて(ステップS12)、この検索項目に該当したPOIデータに含まれる施設の情報が推定到着時間の短いものから順にディスプレイ51に表示される(ステップS13)。
【0042】
上述したように、第2実施形態によるナビゲーション装置100によれば、施設情報DB117に格納されているPOIデータが自車位置から施設の所在地までの推定到着時間情報を含み、この推定到着時間情報に推定到着時間算出部141で算出された推定到着時間を上書きして更新し、この更新された推定到着時間情報に基づいてディスプレイ51により推定到着時間が短い順に施設の各種情報を表示することができるため、例えばユーザが検索項目の操作入力を行った後に自車位置から施設までの推定到着時間を求める場合と比較して、推定到着時間の算出時間を省略できる分だけ、施設検索の操作入力が行われてから検索結果を推定到着時間順でディスプレイに表示するまでの時間を短縮することができ、その結果、施設の各種情報を推定到着時間が短い順に迅速に表示することが可能となり、商品性の向上を図ることができる。
【0043】
なお、上述した第1実施形態および第2実施形態において、施設情報DB17および施設情報DB117に格納された全てのPOIデータを更新対象としているが、この構成に限られるものではなく、例えば、第2変形例として、更新対象となるPOIデータを絞り込んでも良い。より具体的には、情報更新部42で更新するPOIデータを、例えば州や市など所定地域内および自車位置から所定距離内(例えば、半径100kmなど)に所在する施設に係るPOIデータに絞り込んでPOIデータの更新処理を行うようにしても良い。このように構成することで、更新対象となるPOIデータの数量を少なくできるため、情報更新部42による更新処理や距離算出部41および推定到着時間算出部141による算出処理、さらには、ソート部43によるPOIデータの並べ替え処理に係る時間をそれぞれ短縮することができ、この結果、検索項目の入力から検索結果の表示までを更に迅速化することができる。
【0044】
また、上述の更新対象を絞り込むのと同様に、ユーザにより入力された検索項目に該当する施設名を含むPOIデータの検索処理を行う際に、検索対象となるPOIデータを、例えば州や市など所定地域内および自車位置から所定距離内(例えば、半径100km内など)に所在する施設に係るPOIデータに絞り込んで検索処理を行うようにしても良い。このように構成することで、施設情報DB17に距離の短い順に並べられて格納されているPOIデータの内、順位の高いPOIデータのみを検索すればよいため、検索対象となるPOIデータの数量を少なくすることができ、この結果、検索処理を迅速に行うことができる。
【0045】
また、上述した第1実施形態および第2実施形態において、ナビゲーション装置10,100は、それぞれ検索処理による検索結果を全てディスプレイ51に表示させているが、これに限定されるものではない。以下、第1実施形態および第2実施形態の変形例を、図9,10を参照しながら説明する。なお、この変形例では第1実施形態および第2実施形態と同一部分に同一符号を付して説明する。
【0046】
図9に示すように、ディスプレイ51には検索項目の入力画面60が表示されており、この入力画面60にアルファベットなどの文字列61が表示されている。この文字列61
は一文字ずつ入力操作部18により選択決定可能に構成され、検索項目として施設名(place name)の文字入力が可能となっている。入力画面60の右上には検索項目に該当するPOIデータの数量(HITS;以下、Hit数と呼ぶ)を表示するHit数表示部62が配置されている。
【0047】
入力画面60の下部には、入力操作部18による操作方向を示す上・下・左・右方向矢印63〜66およびその上・下・左・右方向矢印63〜66毎にそれぞれの操作に対応した機能名67〜70が表示されている。ここで、図9に示す一例では、左方向矢印63に「DELETE」という機能名67が対応付けられて表示されており、入力操作部18を左方向矢印63側に一度傾倒させることで既に入力されている文字が1つ消去される。同様に右方向矢印64には「SPACE」という機能名68が対応付けられて表示されており、入力操作部18を右方向矢印64側に一度傾倒させることで一文字分の空白が入力される。また、下方向矢印65には「LIST」という機能名69が対応付けられ、例えば、所定の条件下で入力操作部18を下矢印方向に一度傾倒させることで、検索処理によって検索されたPOIデータに含まれる施設の各種情報が施設情報DB17又は施設情報DB117に格納された順番で表示される。上方向矢印66には、「OPTION」という機能名70が対応付けられて表示されており、種々の機能設定を選択変更するためのオプション画面(図示略)が表示されるようになっている。
【0048】
この変形例では、図10に示すように、ユーザにより検索項目の文字入力があると(ステップS31)Hit数を求めて(ステップS32)このHit数が予め設定された閾値以下か否かを判定する(ステップS33)。そして、この判定の結果、Hit数が閾値以下でない場合は(ステップS33でNO)、更なる次の検索項目の文字入力を待ち、Hit数が閾値以下である場合(ステップS33でYES)は検索結果の表示を許可する(ステップS34)。
【0049】
この変形例によれば、Hit数が閾値以下になるまでユーザに文字入力を促して、ディスプレイ51に表示させる施設の各種情報の数量を抑制することができるため、確定した検索結果の高速表示が可能となる。なお、この変形例においても、上述した各実施形態と同様に施設情報DB17,117に格納されたPOIデータの並べ替え処理を所定時間ごとではなく検索処理時にだけ行うようにしても良い。
【0050】
また、上述した第1実施形態および第2実施形態においては、ユーザにより検索項目の入力がなされた時点で施設情報DB17に格納されているPOIデータのリストから該当するPOIデータを検索し、自車位置からの距離順又は推定到着時間順にディスプレイ51にPOIデータに含まれる施設の各種情報を表示させる構成となっていたが、この第1実施形態及び第2実施形態の構成に限られず、例えば、その第2変形例として図11のフローチャートに示す処理を上述した検索処理および更新処理と並行に行うようにしてもよい。具体的には、ユーザのお気に入りのPOIカテゴリ(例えば、レストランやコンビニエンスストアなど)を予め初期設定として設定可能な構成とし(ステップS41)、上述したステップS11(図6参照)やステップS31(図10参照)の検索項目の入力がなされていない場合であっても、予め設定されているPOIカテゴリに基づいてPOIデータの検索を行い、例えば、予め設定されたPOIカテゴリに該当するPOIデータのうち、上述したステップS03およびステップS23の処理によって並べ替えられている自車位置からの距離又は推定到着時間が短い上位(例えば、5位まで)のPOIデータを抽出し、これら上位のPOIデータに含まれる施設の各種情報を、例えば、図12に示すようにディスプレイ51の右下等の所定の領域にリアルタイムで表示(ステップS42)する。ここで、リアルタイムで表示とは、POIデータが並び替えられて順番が変動した場合に、この順番変動が即座に反映されるタイミング(例えば、距離又は推定到着時間の情報を更新するタイミングや、所定時間毎等)でディスプレイ51の表示内容が更新されることを意味している。このように構成することで、ユーザの利用頻度が高い検索項目の入力操作を検索の都度行わなくても済むため、所望の施設の各種情報を即座に得ることができ、さらなる商品性の向上を図ることができ有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る入力操作部の配置状態の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る入力操作部の斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る入力操作部の断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の動作、特に、POIデータに含まれる距離情報を更新する更新処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の動作、特に、施設の各種情報をディスプレイに表示する検索処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に係るナビゲーション装置の構成図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の動作、特に、POIデータに含まれる推定到着距離情報を更新する処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1,2実施形態の変形例に係るナビゲーション装置のディスプレイの表示画面の一例を示す図である。
【図10】本発明の第1,2実施形態の変形例に係るナビゲーション装置の図6に相当する検索処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1,2実施形態の第2変形例に係るナビゲーション装置の動作、特に、常に施設の各種情報を表示するための処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1,2実施形態の第2変形例に係るナビゲーション装置のディスプレイにおける、初期設定に基づく検索結果の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
11 現在位置検出部(現在位置検出手段)
17 施設情報DB(施設情報格納手段)
41 距離算出部(距離算出手段)
42 情報更新部(情報更新手段)
43 ソート部(ソート手段)
51 ディスプレイ(表示手段)
117 施設情報DB(施設情報格納手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を検知する位置検知手段と、
施設の位置情報および施設の自車位置からの距離情報を少なくとも含む施設情報が複数格納された施設情報格納手段と、
自車位置および前記位置情報に基づいて自車位置から施設までの距離を算出する距離算出手段と、
該距離算出手段の算出結果に基づいて前記距離情報を更新する情報更新手段と、
前記施設情報に含まれる前記距離情報に基づいて前記施設情報を所定の順番で並べて表示する表示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
自車位置を検知する位置検知手段と、
施設の位置情報および施設の自車位置からの推定到着時間情報を少なくとも含む施設情報が複数格納された施設情報格納手段と、
自車位置および前記位置情報に基づいて自車位置から施設までの推定到着時間を算出する到着時間算出手段と、
該距離算出手段の算出結果に基づいて前記推定到着時間情報を更新する情報更新手段と、
前記施設情報に含まれる前記推定到着時間情報に基づいて前記施設情報を所定の順番で並べて表示する表示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
前記施設情報格納手段に格納された前記施設情報を更新する際に、前記施設情報を前記距離情報又は前記推定到着時間情報に基づいて前記施設情報格納手段に格納された前記施設情報の並び替えを行う施設情報ソート手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記情報更新手段は、前記位置検知手段により検知された自車位置から所定範囲以内の施設に係る施設情報のみを更新することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項1】
自車位置を検知する位置検知手段と、
施設の位置情報および施設の自車位置からの距離情報を少なくとも含む施設情報が複数格納された施設情報格納手段と、
自車位置および前記位置情報に基づいて自車位置から施設までの距離を算出する距離算出手段と、
該距離算出手段の算出結果に基づいて前記距離情報を更新する情報更新手段と、
前記施設情報に含まれる前記距離情報に基づいて前記施設情報を所定の順番で並べて表示する表示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
自車位置を検知する位置検知手段と、
施設の位置情報および施設の自車位置からの推定到着時間情報を少なくとも含む施設情報が複数格納された施設情報格納手段と、
自車位置および前記位置情報に基づいて自車位置から施設までの推定到着時間を算出する到着時間算出手段と、
該距離算出手段の算出結果に基づいて前記推定到着時間情報を更新する情報更新手段と、
前記施設情報に含まれる前記推定到着時間情報に基づいて前記施設情報を所定の順番で並べて表示する表示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
前記施設情報格納手段に格納された前記施設情報を更新する際に、前記施設情報を前記距離情報又は前記推定到着時間情報に基づいて前記施設情報格納手段に格納された前記施設情報の並び替えを行う施設情報ソート手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記情報更新手段は、前記位置検知手段により検知された自車位置から所定範囲以内の施設に係る施設情報のみを更新することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−186431(P2009−186431A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29452(P2008−29452)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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