説明

ナビゲーション装置

【課題】ナビゲーション機能以外の機能に基づく画面表示している際に、経路案内において現在位置周辺に複数の類似した案内ポイントが接近して存在する時に適切な案内を報知する。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、表示手段17に表示された表示画面が経路案内画面か否かを判別する表示画面判別手段15と、案内地点距離判別手段19と、注意報知出力手段18と、を備え、現在位置が案内地点に対する案内ポイントに到達した際、前記表示画面判別手段15が表示手段17に表示された表示画面がナビゲーション機能以外の機能に基づく画面であると判別し、案内地点距離判別手段19が、案内経路上において、案内地点から所定範囲内の距離に案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が所定の距離範囲内に少なくとも1以上存在すると判別した場合、注意報知出力手段18はその旨の注意報知を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽プレーヤー、DVDプレーヤー、アナログ放送やデジタル放送に対応したテレビジョン受信機などの機能のうちの少なくとも1つの機能を併せ持った車載用のナビゲーション装置に関するものであり、特に、ナビゲーション機能による経路案内中にナビゲーション機能以外の機能に基づく画面表示している際に、経路案内において現在位置周辺に複数の類似した案内ポイントが接近して存在する時、その旨を報知するようにしたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近ではナビゲーション装置、音楽プレーヤー、DVDプレーヤー、アナログ放送やデジタル放送に対応したテレビジョン受信機など各種の電子装置が小型化され、携帯可能な装置として、あるいは車載用の装置として提供されている。特に車載用の装置としては、上記の各種機能を複合して備えた電子装置も提供されている。
【0003】
これらの電子装置において利用者が電子装置に所望の機能、動作を行わせるために各種のハードキー(物理的、機構的なキー、スイッチ、ボタン等)が電子装置の前面に配置されている。これらのハードキーは、例えば、電子装置の主電源を投入、切断するための電源キーや電子機器が備える各種機能を選択して切替えるための機能選択キー、個々の機能が備えるメニューを選択するためのメニュー選択キーなどである。
【0004】
例えば、電子装置がナビゲーション機能、音楽プレーヤー機能、テレビジョン受信機などの機能を有する場合はその何れの機能を選択するかを、機能選択キーを操作して決定し、個々の機能を動作させるために必要な種々の指定を、メニュー選択キーを操作して決定する。
【0005】
電子装置に備えられた液晶表示ユニットなどの表示手段には、通常1つの機能が動作している場合には当該機能によって必要となる画像が表示され、他の機能において必要になる画像を同時に表示することはできない。表示制御手段により表示画面を分割したり、副画像を表示できるようにするか、あるいは、動作中の機能により必要になる画像に重ね合わせて他の機能において表示したい内容をテキスト画像として表示できるようにすることができるが、そのような表示制御を可能とするためにはコスト増が生じる。
【0006】
特にナビゲーション機能を種たる機能とするナビゲーション装置においては、経路案内中には地図画像が表示され、案内経路やナビゲーション装置の現在位置を示す現在位置マークが地図画像に重ね合わせて表示される。そして案内経路に沿って進行中に右折や左折など進行方向を変更すべき交差点の所定距離手前の案内ポイントに現在位置が到達すると、音声案内などの手段により案内(ガイダンス)が出力される。
【0007】
経路案内を起動した状態で、ナビゲーション装置に備えられたオーディオ機能やテレビジョン受信機能が起動され、選曲画面や番組選択画面などが表示手段に表示された状態で、交差点などの手前の案内ポイントに現在位置が到達した場合、案内の出力をどのように実行するかが問題になる。
【0008】
このような問題を解決するものとして、例えば、下記の特許文献1(特開2003−185456号公報)には、映像メディアの再生機能を有するナビゲーション装置において、映像メディア再生中に経路案内割込みがあった場合の経路案内情報の報知方法を任意に設定可能にしたナビゲーション装置の発明が開示されている。
【0009】
このナビゲーション装置は、CM判定(テレビジョン放送中の経路案内割込み時に、放送内容がコマーシャルであるか否かを判定するCM判定機能)が設定されている場合に、テレビジョン放送中の経路案内割込みがあると、制御部は、CM検出部からのCM検出信号により、現在のテレビジョン放送内容がコマーシャルであるか否かを判定し、コマーシャルでなくテレビ番組であれば、音声のみをNAVIモード(ナビゲーションモード)に切り替えさせ、コマーシャルであれば、画面、音声をともにNAVIモードに切り替えさせるように構成したものである。
【0010】
このような構成によれば、複合的な機能を有するナビゲーション装置において、経路案内が起動されている状態で、表示手段にナビゲーション機能以外の機能に必要な画像が表示されている時に経路案内の割り込みが発生した場合に、表示画面や音声をナビゲーション機能による画像に切り替えることができる。
【特許文献1】特開2003−185456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に開示された映像メディアの再生機能を有するナビゲーション装置において、受信中の放送コンテンツの内容がコマーシャルである場合には、画面、音声をともにNAVIモードに切り替えさるものであるから、コマーシャル受信中であれば問題なくナビゲーション機能による画面表示、音声出力に切り替えられる。しかしながら、受信中の放送コンテンツがコマーシャルでなくテレビ番組である場合には、ナビゲーション機能による出力は音声のみになるため、利用者がナビゲーションの経路誘導を認識できない恐れがある。
【0012】
特に、短い距離に間に交差点が連続して存在するような案内経路を誘導されている場合、音声誘導により「××m先、交差点を左折です」のような案内を聞いても、短い距離間隔で交差点が連続していると、どの交差点を左折するのか判断がつかないという問題点がある。
【0013】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、ナビゲーション機能による経路案内中にナビゲーション機能以外の機能に基づく画面表示している際に、経路案内において現在位置周辺に複数の類似した案内ポイントが接近して存在する時、その旨を報知するようになし、利用者がナビゲーション機能による経路案内画面に切り替えられるようになせば、上記問題点解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0014】
すなわち、本発明は、ナビゲーション機能による経路案内中にナビゲーション機能以外の機能に基づく画面表示している際に、経路案内において現在位置周辺に複数の類似した案内ポイントが接近して存在する時に適切な案内を報知することができるナビゲーション装置および経路案内方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、本願請求項1にかかる発明は、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、経路探索手段と、該経路探索手段が探索した案内経路を表示手段に表示し、経路案内を行うナビゲーション装置であって、経路案内中に前記ナビゲーション装置が備えるナビゲーション機能以外の機能に基づく表示画面を前記表示手段に表示することができるナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、前記表示手段に表示された表示画面が経路案内画面か否かを判別する表示画面判別手段と、案内地点距離判別手段と、注意報知出力手段と、を備え、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置が案内地点に対する案内ポイントに到達した際、前記表示画面判別手段が前記表示手段に表示された表示画面が経路案内画面でないことを判別し、さらに、前記案内地点距離判別手段が、前記案内経路上において、前記案内地点から所定範囲内の距離に該案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在すると判別した場合、前記注意報知出力手段はその旨の注意報知を出力することを特徴とする。
【0016】
また、本願請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記注意報知出力手段は、前記案内地点から所定範囲内の距離に該案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在する旨を含む詳細な案内を音声出力することを特徴とする。
【0017】
また、本願請求項3にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記ナビゲーション装置は、画面切替え手段を備え、現在位置が案内地点に対する案内ポイントに到達した際、前記表示画面判別手段が表示手段表示された表示画面が経路案内画面でないことを判別し、前記案内地点距離判別手段が、前記案内経路上において、前記案内地点から所定範囲内の距離に該案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在すると判別した場合、前記画面切替え手段は、前記表示手段に表示された画面を経路案内画面に切替え、前記案内ポイントにおける案内終了後に前記切替え前の表示画面に戻すことを特徴とする。
【0018】
また、本願請求項4にかかる発明は、現在位置を検出する現在位置検出手段と、経路探索手段と、該経路探索手段が探索した案内経路を表示手段に表示し、経路案内を行うナビゲーション装置であって、経路案内中に前記ナビゲーション装置が備えるナビゲーション機能以外の機能に基づく表示画面を前記表示手段に表示することができるナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、前記表示手段に表示された表示画面が経路案内画面か否かを判別する表示画面判別手段と、案内地点距離判別手段と、画面切替え手段と、を備え、
現在位置が案内地点に対する案内ポイントに到達した際、前記表示画面判別手段が前記表示手段に表示された表示画面が経路案内画面でないことを判別し、さらに、前記案内地点距離判別手段が、前記案内経路上において、前記案内地点から所定範囲内の距離に該案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在すると判別した場合、前記画面切替え手段は、前記表示手段に表示された画面を経路案内画面に切替え、前記案内ポイントにおける案内終了後に前記切替え前の表示画面に戻すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1にかかる発明においては、ナビゲーション装置は、表示手段に表示された表示画面が経路案内画面か否かを判別する表示画面判別手段と、案内地点距離判別手段と、注意報知出力手段と、を備え、
現在位置が案内地点に対する案内ポイントに到達した際、前記表示画面判別手段が表示手段に表示された表示画面が経路案内画面でないことを判別し、さらに、前記案内地点距離判別手段が、前記案内経路上において、前記案内地点から所定範囲内の距離に該案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在すると判別した場合、前記注意報知出力手段はその旨の注意報知を出力する。
【0020】
このような構成によれば、案内経路上において、案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が接近して複数、連続的に存在し、この地点にナビゲーション装置が到達した場合、表示手段にナビゲーション機能以外の他の機能による表示画面を表示していても、利用者に注意を喚起することができるようになる。
【0021】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、注意報知出力手段は、案内地点から所定範囲内の距離に該案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在する旨を含む詳細な案内を音声出力する。
【0022】
このような構成によれば、案内経路上において、案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が接近して複数、連続的に存在し、この地点にナビゲーション装置が到達した場合、表示手段にナビゲーション機能以外の他の機能による表示画面を表示していても、利用者に注意を喚起することができ、また、詳細な案内が出力されるから利用者は音声案内であっても案内経路に沿って正しく走行することができるようになる。
【0023】
請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記ナビゲーション装置は、画面切替え手段を備え、現在位置が案内地点に対する案内ポイントに到達した際、前記表示画面判別手段が表示手段表示された表示画面が経路案内画面でないことを判別し、さらに、前記案内地点距離判別手段が、前記案内経路上において、前記案内地点から所定範囲内の距離に該案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在すると判別した場合、前記画面切替え手段は、前記表示手段に表示された画面を経路案内画面に切替え、前記案内ポイントにおける案内終了後に前記切替え前の表示画面に戻す。
【0024】
このような構成によれば、案内経路上に案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が接近して複数、連続的に存在し、この地点にナビゲーション装置が到達した場合、表示手段にナビゲーション機能以外の他の機能による表示画面を表示していても、利用者に注意を喚起することができ、更に、表示画面を強制的に切替えることで、案内経路に沿った進行を促すことができるようになる。
【0025】
請求項4にかかる発明においては、ナビゲーション装置は、表示手段に表示された表示画面が経路案内画面か否かを判別する表示画面判別手段と、案内地点距離判別手段と、画面切替え手段と、を備え、現在位置が案内地点に対する案内ポイントに到達した際、前記表示画面判別手段が表示手段に表示された表示画面が経路案内画面でないことを判別し、さらに、前記案内地点距離判別手段が、前記案内経路上において、前記案内地点から所定範囲内の距離に該案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在すると判別した場合、前記画面切替え手段は、前記表示手段に表示された画面を経路案内画面に切替え、前記案内ポイントにおける案内終了後に前記切替え前の表示画面に戻す。
【0026】
このような構成によれば、案内経路上に案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が接近して複数、連続的に存在し、この地点にナビゲーション装置が到達した場合、表示手段にナビゲーション機能以外の他の機能による表示画面を表示していても、表示画面を強制的に経路案内画面に切替えることで、案内経路に沿った進行を促すことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーション装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0028】
図1は本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の詳細な構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、自動車等の車両のダッシュボード上に載置されることにより車載用として使用されるだけでなく、車両から取外されユーザが携帯し使用できるタイプのものであってもよい。ナビゲーション装置1は、制御手段10、現在位置検出手段11、地図記憶手段12、経路探索手段13、画面切替え手段14、表示画面判別手段15、入力手段16、表示手段17、注意報知出力手段18、案内地点距離判別手段19を備える。
【0029】
制御手段10は、CPU、RAM、ROMからなるプロセッサで構成され、RAM、ROMに記録された制御プログラムにしたがってナビゲーション装置1の各部の動作を制御するものである。
【0030】
現在位置検出手段11は、例えばGPS受信機等で構成され、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの時刻情報を含む電波を受信し、それをもとに現在位置を算出するものである。
【0031】
さらに、現在位置検出手段11は距離センサや方位センサ、舵角センサなどからなる自立航法部を備え現在位置を検出する機能を有する構成としてもよい。この場合、車両の走行距離と走行方位や回転角度とをそれぞれ検出し、これらの値を基準位置に対して積算することによって現在位置を求める。この自立航法部による現在位置検出方法は、GPS受信と組み合わせることで、GPS電波を受信できないトンネル内や、誤差が生じやすい高層ビル街において効果を発揮する。
【0032】
地図記憶手段12は、各道路の交差点や分岐点などの結節点をノードとし、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路ノードデータと道路リンクデータを含む道路データを記憶する。道路ノードデータには、道路ノードの番号、位置座標、接続リンク本数、交差点名称などが含まれるほか、交差点等の案内地点に対応する案内ポイントおよび右折や左折、直進などを案内する案内データも記憶される。また、道路リンクデータには起点および終点となる道路ノードの番号、道路種別、リンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータにはさらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所などのデータが付与される。道路種別は、高速道路や有料道路の別および国道や都道府県道などの別を含む情報である。
【0033】
さらに、地図記憶手段12は、さらに海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、施設の位置、形状、名称を含む施設データからなる背景データを記憶している。
【0034】
また、地図記憶手段12には、道路データや背景データの他、地図画像を見やすく表示するためにベクター形式で記憶された地図画像データを含んでいてもよい。
【0035】
これらの道路データと背景データおよび地図画像データは、ナビゲーション装置1を使用する際に、表示制御手段14によってナビゲーション装置1の現在位置を含む所定範囲の地図が地図記憶手段12から抽出され、現在位置を示す現在位置マークや案内経路の画像が重ね合わされて表示手段17に表示される。
【0036】
経路探索手段13は、ユーザによって出発地や目的地が指定されると、地図記憶手段12に記憶されている道路データを参照し、出発地から目的地に至る最適経路を探索するものである。この最適経路の探索は、現在位置またはユーザによって指定された出発地に対応する道路ノードからユーザによって指定された目的地に対応する道路ノードまでに至るリンクとノードをダイクストラ法などの各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間などを累積し、総リンク長または総所要時間などが最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを案内経路データとして提供するものである。
【0037】
入力手段16は、ユーザが出発地や目的地の指定を行ったり、後述する表示画面の切換えの支持を入力したりするためのものであり、キーやボタン、タッチパネルなどから構成される。
【0038】
表示手段17は、地図画像や案内経路画像を表示してユーザが視認できるようにするためのもので、液晶ディスプレイなどで構成される。なお、この表示手段17は、入力手段として機能させてもよく、この場合は画面上に表示されたアイコンをユーザが触れることで選択入力が行われる。
【0039】
経路探索手段13によって出発地または現在位置から目的地までの最適経路が探索されると、制御手段10は地図記憶手段12に記憶されたデータに基づいて経路案内のための案内経路データを編集する。案内経路データには、各々の交差点や分岐点などの案内地点に対応して記憶された案内ポイントに右折や左折、直進などを案内する案内データが付加される。この案内は一般的にはスピーカ(図示せず)を介して音声により出力される。
【0040】
交差点を右折または左折する案内の場合、ナビゲーション装置1が案内地点である交差点の〇〇m手前の案内ポイントに到達すると、例えば、「この先〇〇m、次の交差点を右折です」などの音声案内が出力される。類似した道路構造の交差点が接近して存在する場合、案内は「この先〇〇m、2つ目の交差点を右折です」などの音声案内になる場合もある。あるいは、交差点名が既知である時は「この先〇〇m、××交差点を右折です」のように案内する場合もある。
【0041】
図2は、経路案内中に表示手段17に表示される経路案内画面の一例を示す図である。表示画面171には地図の道路画像172が表示され、案内経路の画像173と、ナビゲーション装置1の現在位置を示す現在位置マーク174が表示される。この場合、案内経路の進行方向に接近して交差点175、176があり、それぞれ左折する道路177、178が分岐している。案内経路は交差点176を左折して道路178に曲がる経路である。利用者がこのような案内経路画面を見ながら進行している場合は、現在位置174で次の交差点を左折する音声案内が出力されても案内経路の画像173から左折する交差点を容易に判別することができる。
【0042】
ところが、ナビゲーション装置1において経路案内中に、ナビゲーション装置1が備える他の機能、例えば、音楽プレーヤーの機能を起動し、表示手段17に当該音楽プレーヤー機能に基づく表示画面が表示された状態で、経路案内を継続することがある。図3は、音楽プレーヤー機能が起動され、表示手段17に表示される選曲画面181の一例を示す図である。この選曲画面181には、スクロールバー182の左側に音楽の曲名184が、右側に機能選択ボタン183が表示される構成である。
【0043】
利用者はスクロールバー182を操作して曲名をスクロールし、所望の曲名が表示されたらその曲名にカーソルを合わせ、機能ボタン183の何れかを操作して所望の音楽に対して所望の処理を行わせることができる。例えば、音楽を再生して鑑賞する場合には「再生」ボタンを操作する。
【0044】
表示手段17にこのようなナビゲーション以外の機能に基づく表示画面が表示された状態で、経路案内における音声案内が出力されると、図2に示した案内経路画面のように案内経路上に案内地点である交差点176の道路構造と類似した道路構造を持つ交差点175が接近して存在する場合、音声案内を聞いただけではどの交差点の案内であるか誤認する恐れがある。
【0045】
本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1においては、表示画面判別手段15が表示手段17に表示された表示画像がナビゲーション機能によるものか、ナビゲーション装置1の他の機能による表示画像であるかを判別する。また、案内地点距離判別手段19は、ナビゲーション装置1の現在位置に基づいて案内経路上を調べ、案内地点から所定範囲内の距離に案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ交差点などの地点が接近して複数、連続的に存在するか否かを判別する。
【0046】
具体的には、案内地点距離判別手段19は、案内経路上において、案内地点から所定範囲内の距離に案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在するか否かを判別する。所定の距離範囲は、案内地点間の距離と案内地点に対する案内ポイントの設定距離に基づいて予め設定されたものとする。類似した道路構造の案内地点とは、案内経路が右折や左折である場合、その方向と同じ方向に分岐し得る道路構造を持った案内地点(交差点、分岐点)のことである。
【0047】
注意報知出力手段18は、表示画面判別手段15が表示手段17に表示された画面がナビゲーション機能以外の機能に基づく表示画面があることを判別し、案内地点距離判別手段19が案内経路上において案内地点から所定範囲内の距離に案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ交差点などの地点が接近して複数、連続的に存在することを判別した場合に、注意を喚起する注意報知を出力する。例えば、注意報知は、「曲る地点は○○m先、 似た地点が多数存在します。注意して下さい」などであり、このような注意報知を音声出力する。
【0048】
さらに、画面切替え手段14は、表示画面をナビゲーション以外の機能に基づく図3のような選曲画面から、ナビゲーション機能における図2の案内経路画面に強制的に画面切替えを行うようにしてもよい。
【0049】
このような構成により、案内経路上において案内地点から所定範囲内の距離に案内地点の道路構造と類似した道路構造を持った交差点などの地点が接近して複数、連続的に存在し、この地点にナビゲーション装置1が到達した場合、表示手段17に他の機能による表示画面を表示していても、利用者に注意を喚起することができ、さらに、表示画面を強制的に切替えることで、案内経路に沿った進行を促すことができるようになる。
【0050】
図4は、以上説明した本発明の実施例にかかるナビゲーション機能1の処理手順を示すフローチャートである。入力手段16から経路探索のための目的地などの入力が開始されると、ナビゲーション装置1は、ステップS101の処理において目的地が入力されたかを判別する。目的地が入力されていない時はステップS101の判別処理を繰り返し、目的地が入力されるとステップS102の処理で経路探索手段13は、地図記憶手段12に記憶された地図情報を参照して現在位置または入力された出発地から目的地までの最適経路を探索する。
【0051】
経路探索手段13が最適経路を探索すると、ナビゲーション装置1はこの最適経路を案内経路として、地図画像、案内経路画像、現在位置マークを表示手段17に表示して経路案内を開始する(ステップS103)。経路案内が開始されると、ステップS104の処理に進み、現在位置検出手段11はナビゲーション装置1の現在位置を検出する。
【0052】
次いで、ステップS105の処理において制御手段10は現在位置が案内経路における案内地点に対する案内ポイントであるかを判別する。現在位置が案内ポイントでない場合はステップS104の現在位置検出処理に戻り、現在位置が案内ポイントである場合、表示画面判別手段15は表示手段17に表示された表示画面が経路案内画面であるか否かを判別する(ステップS106)。
【0053】
ステップS106の判別処理において表示手段17の表示画面に経路案内画面が表示されていると判別されると、ナビゲーション装置1はステップS107の処理に進み、案内地点に設定されている案内(右折や左折、直進などの案内を)を行い、ステップS108の処理で経路案内終了(例えば、目的地到達)か否かを判別する。経路案内終了であればナビゲーション装置1は処理を終了し、経路案内終了でなければステップS104の現在位置検出処理に戻る。
【0054】
ステップS103〜ステップS106までの処理手順の間にナビゲーション装置1の利用者がナビゲーション機能以外の機能、例えば、音楽プレーヤー機能を起動して図3に示すような選曲画面が表示手段17に表示されていたような場合、ステップS106の判別処理において表示手段17には経路案内画面(図2参照)が表示されていないことが判別され、ステップS109の判別処理に進む。
【0055】
ステップS109の判別処理において、案内地点距離判別手段19は、案内地点から所定範囲内の距離に道路構造と類似した道路構造を持つ地点があるか否かを判別する。ここでは、案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が所定範囲に少なくとも1以上ある場合、類似した道路構造を持った交差点などの地点が接近して複数、連続的に存在すると判別する。上記のような案内地点が連続していないと判別されると、ステップS107の処理に進みナビゲーション装置1は案内地点に対する案内ポイントに設定された案内を行う。この場合の案内は表示手段17に経路案内画面は表示されていないので、音声出力による案内のみになる。
【0056】
ステップS109の判別処理において、類似した道路構造を持った交差点などの地点が接近して複数、連続的に存在すると判別されると、ステップS110の処理に進み、注意報知出力手段18は、注意を喚起する注意報知を出力する。この注意報知は、例えば、注意報知は、「曲る地点は○○m先、 似た地点が多数存在します。注意して下さい」のような案内であり、表示手段17に経路案内画面は表示されていないので、音声出力による案内のみになる。従って、この注意報知の内容は、表示手段17に経路案内画面が表示されている場合に比べ、前述のように詳細な案内とする。
【0057】
注意報知出力手段18による注意報知の出力が完了すると、ステップS108の処理に進み、ナビゲーション装置1は、経路案内終了(例えば、目的地到達)か否かを判別する。経路案内終了であればナビゲーション装置1は処理を終了し、経路案内終了でなければステップS104の現在位置検出処理に戻る。
【0058】
以上説明した処理手順は、案内地点から所定範囲内の距離に案内地点の道路構造と類似した道路構造を持った交差点などの地点が接近して複数、連続的に存在する場合、注意報知出力手段18により注意を喚起する注意報知を出力する手順であったが、表示手段17に表示された表示画面を強制的に経路案内画面に切替え、案内地点における詳細な案内を実行した後、それまで表示されていた元の表示画面に復帰させることもできる。
【0059】
図5はこのような処理手順を示すフローチャートである。なお、図5のフローチャートは、図4のフローチャートにおけるステップS110の注意報知出力処理の後に続くサブルーチンとしてもよく、あるいは、ステップS110の注意報知出力処理を置換するサブルーチンであってもよい。
【0060】
従って、図5は、図4のステップS109の判別処理において、案内地点から所定範囲内の距離に案内地点の道路構造と類似した道路構造を持った交差点などの地点が接近して複数、連続的に存在すると判別された後の処理手順のみを表すフローチャートとしている。
【0061】
図5のサブルーチンの処理が開始されると、ナビゲーション装置1は表示手段17の表示画面に表示されている画面を経路案内画面に切り替える(ステップS201)。次いでナビゲーション装置1は、ステップS202の処理に進み、案内地点に対する案内ポイントに設定されている案内を実行する。そしてステップS203の判別処理で案内の実行(案内報知)を終了したか否かを判別する。
【0062】
案内が終了していなければステップS202の案内報知処理に戻り、案内の実行が終了したと判別されるとステップS204の処理に進み、ナビゲーション装置1は、表示手段17の表示画面を経路案内画面から元の表示画面に切替える。ステップS204の画面切替え処理が終了するとサブルーチンを終了する。サブルーチンの終了後は、図4のステップS108の処理に進む。
【0063】
なお、前述の説明において、サブルーチンの開始は図4のステップS109の判別処理で、案内地点から所定範囲内の距離に案内地点の道路構造と類似した道路構造を持った交差点などの地点が接近して複数、連続的に存在すると判別された場合を例にしたが、図4のステップS110の注意報知出力処理のあと開始するようにしてもよい。
【0064】
以上、詳細に説明したように本発明かかるナビゲーション装置1によれば、ナビゲーション機能による経路案内中にナビゲーション機能以外の機能に基づく画面表示している際に、経路案内において現在位置周辺に複数の類似した案内地点が接近して存在する時に適切な案内を報知することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置のブロック構成図を示す。
【図2】ナビゲーション装置の表示手段に表示される経路案内画面の一例を示す図である。
【図3】ナビゲーション装置においてプレーヤーが起動された際に表示手段に表示される選曲画面の一例を示す図である。
【図4】図3に示す選曲画面を表示中に経路案内において現在位置周辺に複数の類似した案内ポイントが接近して存在する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図3に示す選曲画面を表示中に経路案内において現在位置周辺に複数の類似した案内ポイントが接近して存在する際の他の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1: ナビゲーション装置
10: 制御手段
11: 現在位置検出手段
12: 地図記憶手段
13: 経路探索手段
14: 画面切替え手段
15: 表示画面判別手段
16: 入力手段
17: 表示手段
18: 注意報知出力手段
19: 案内地点距離判別手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する現在位置検出手段と、経路探索手段と、該経路探索手段が探索した案内経路を表示手段に表示し、経路案内を行うナビゲーション装置であって、経路案内中に前記ナビゲーション装置が備えるナビゲーション機能以外の機能に基づく表示画面を前記表示手段に表示することができるナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、前記表示手段に表示された表示画面が経路案内画面か否かを判別する表示画面判別手段と、案内地点距離判別手段と、注意報知出力手段と、を備え、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置が案内地点に対する案内ポイントに到達した際、前記表示画面判別手段が前記表示手段に表示された表示画面が経路案内画面でないことを判別し、さらに、前記案内地点距離判別手段が、前記案内経路上において、前記案内地点から所定範囲内の距離に該案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在すると判別した場合、前記注意報知出力手段はその旨の注意報知を出力することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記注意報知出力手段は、前記案内地点から所定範囲内の距離に該案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在する旨を含む詳細な案内を音声出力することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、画面切替え手段を備え、現在位置が案内地点に対する案内ポイントに到達した際、前記表示画面判別手段が表示手段表示された表示画面が経路案内画面でないことを判別し、前記案内地点距離判別手段が、前記案内経路上において、前記案内地点から所定範囲内の距離に該案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在すると判別した場合、前記画面切替え手段は、前記表示手段に表示された画面を経路案内画面に切替え、前記案内ポイントにおける案内終了後に前記切替え前の表示画面に戻すことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
現在位置を検出する現在位置検出手段と、経路探索手段と、該経路探索手段が探索した案内経路を表示手段に表示し、経路案内を行うナビゲーション装置であって、経路案内中に前記ナビゲーション装置が備えるナビゲーション機能以外の機能に基づく表示画面を前記表示手段に表示することができるナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、前記表示手段に表示された表示画面が経路案内画面か否かを判別する表示画面判別手段と、案内地点距離判別手段と、画面切替え手段と、を備え、
現在位置が案内地点に対する案内ポイントに到達した際、前記表示画面判別手段が前記表示手段に表示された表示画面が経路案内画面でないことを判別し、さらに、前記案内地点距離判別手段が、前記案内経路上において、前記案内地点から所定範囲内の距離に該案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が少なくとも1以上存在すると判別した場合、前記画面切替え手段は、前記表示手段に表示された画面を経路案内画面に切替え、前記案内ポイントにおける案内終了後に前記切替え前の表示画面に戻すことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−79951(P2009−79951A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248367(P2007−248367)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】