説明

ハイブリッド車両の制御装置

【課題】内燃機関の冷却系統が故障しても、車両の走行を良好に継続する。
【解決手段】エンジンECUは、電動ウォータポンプの回転指令値WPR(TGT)を算出するステップ(S100)と、電動ウォータポンプ回転数WPRを検出するステップ(S102)と、WPR(TGT)とWPRとに基づいて電動ウォータポンプのダイアグが検出された場合において(S104にてYES)、エンジン冷却水の高温フラグがセットされていると(S108にてYES)モータ走行を行なうステップ(S118)と、高温フラグがセットされていないと(S108にてNO)エンジン制限走行を行なうステップ(S120)とを含む、プログラムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行源となる内燃機関を有するとともに、他の走行源を有するハイブリッド車両に関し、特に、内燃機関を冷却する冷媒を循環させるウォータポンプのフェール時の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料の燃焼エネルギーで作動するエンジンと、電気エネルギーで作動する電動モータとを車両走行時の動力源として備えているとともに、その動力源と駆動輪との間に自動変速機が設けられているハイブリッド車両が実用化されている。このようなハイブリッド車両においては、たとえば運転状態に応じてエンジンと電動モータとを使い分けて走行することにより、所定の走行性能を維持しつつ燃料消費量や排出ガス量を低減できる。具体的には、エンジンのみを動力源として走行するエンジン走行モード、電動モータのみを動力源として走行するモータ走行モード、エンジンおよび電動モータの両方を動力源として走行するエンジン+モータ走行モードなど、エンジンおよび電動モータの作動状態が異なる複数の運転モードを備えており、車速(または動力源回転数)およびアクセル操作量などの運転状態をパラメータとする動力源マップ等の予め定められたモード切換え条件に従って自動的に切換えられるようになっている。
【0003】
このハイブリッド車両には、エンジンの熱源を冷却する冷却系が備えられている。エンジンの冷却系は、エンジンの熱を冷却水に取り込む機構と、冷却水の熱の空冷等を行なうラジエータと、冷却水を循環させるウォータポンプなどで構成される。
【0004】
このような冷却系において、冷却水中に異物が混入してウォータポンプのインペラにはさまった場合など、ウォータポンプに故障を生じたとき等には、冷却系の異常により、エンジンの運転に支障が生じる場合があった。かかる支障は、ハイブリッド車両の運転効率の低下などの弊害を招いたり、運転そのものを不能にしてしまったりする。
【0005】
ハイブリッド車両の場合には、モータおよびインバータと、エンジンとでは、許容温度が相違するため、それぞれの冷却を行なうために、2組の冷却系が別個に設けられることもある。特開2004−76603号公報(特許文献1)は、熱源を冷却する複数の冷却系を有する多重冷却システムの実用性の向上を目的とする、多重冷却システムを開示する。この多重冷却システムは、冷媒を循環させる循環路と、循環路内で冷媒を循環させる動力部と、冷媒の排熱を行なう排熱部とを有する複数の冷却系と、複数の冷却系の循環路を直結するバイパス部と、冷媒が各冷却系内で個別に循環する独立循環状態と、冷媒がバイパス部を経て複数の冷却系を循環する直結循環状態とを切換えるための切替部とを備える。さらに、この多重冷却システムは、熱源の熱発生を制御する熱源制御部を備え、熱源制御部は、直結循環状態の場合には、熱源の熱発生を抑制する。
【0006】
この多重冷却システムによると、たとえば、一部の冷却系について動力部の故障があった場合でも、直結循環状態を利用することで、他の冷却系の動力部でその機能を代用することができる。一部の冷却系の不具合による致命的な問題の発生を抑止することができる。さらに、独立循環状態と直結循環状態との切換えに伴う冷却能力の変化に応じて熱発生を制御することができる。たとえば、熱源の温度が冷却目標温度になるように、両者の偏差に基づきフィードバック制御などで熱発生を抑制する方法、予め設定されたマップ等に応じてオープンループ制御によって熱発生を抑制する方法などを適用することができる。
【特許文献1】特開2004−76603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されたような流路切換え可能な多重冷却システムにすると、エンジンを冷却する冷却系とハイブリッド電装品を冷却する冷却系とが別系統である場合に比べて、冷却系のハードウェアおよびその制御が複雑になりコストアップを招きかねない。さらに、特許文献1に開示されたような熱発生を抑制する方法では、その抑制が不十分であって、エンジンの運転に支障を回避できない可能性がある。
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、内燃機関の冷却系統が故障しても、車両の走行を良好に継続することが可能な、ハイブリッド車両の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係る制御装置は、内燃機関および内燃機関以外の動力源を車両の走行源とするハイブリッド車両を制御する。この制御装置は、内燃機関の冷却系統の異常を検出するための異常検出手段と、内燃機関の温度を検出するための検出手段と、冷却系統の異常を検出した場合には、内燃機関の温度についての条件に従って、内燃機関の出力を制限して車両の走行源とする第1の状態および動力源を車両の走行源とする第2の状態のいずれかの状態になるように内燃機関および動力源を制御するための制御手段とを含む。
【0010】
第1の発明によると、内燃機関の冷却系統の異常が検出された状態では内燃機関の温度が過上昇して内燃機関を破損する可能性がある。このため、冷却系統の異常が検出されると、内燃機関の温度が高くないときには内燃機関の出力を制限した第1の状態で車両の走行を継続する。このように出力を制限しても内燃機関の温度が上昇すると、内燃機関の運転を停止させて内燃機関以外の動力源が走行源となる第2の状態で車両の走行を継続する。このように第2の状態で車両を走行していると内燃機関の温度が低下する。この場合には、動力源の一例であるモータへの電力を供給する蓄電機構(バッテリやキャパシタ)の充電量が制御下限値まで下がらないようにすることも考慮して、内燃機関の出力を制限した第1の状態で車両の走行を継続する。このときに内燃機関の出力の一部を用いて蓄電機構を充電することも好ましい。このような第1の状態と第2の状態とを内燃機関の温度に基づく切換えを繰り返すことにより、冷却系統の異常が検出されても航続距離を延ばすことができる。その結果、内燃機関の冷却系統が故障しても、車両の走行を良好に継続することが可能な、ハイブリッド車両の制御装置を提供することができる。
【0011】
第2の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、内燃機関の温度が予め定められた温度よりも低いという条件を満足すると、第1の状態になるように、内燃機関および動力源を制御するための手段を含む。
【0012】
第2の発明によると、冷却系統の異常が検出されると、内燃機関の温度が低いときには内燃機関の出力を制限した第1の状態で車両の走行を継続する。このように出力を制限するので、内燃機関の温度が過上昇することを回避できる。
【0013】
第3の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、内燃機関の温度が予め定められた温度よりも高いという条件を満足すると、第2の状態になるように、内燃機関および動力源を制御するための手段を含む。
【0014】
第3の発明によると、冷却系統の異常が検出されると、内燃機関の温度が高いときには内燃機関を停止して内燃機関以外の動力源が走行源となる第2の状態で車両の走行を継続する。このように内燃機関の運転を停止するので、内燃機関の温度がこれ以上上昇することを回避できる。
【0015】
第4の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、内燃機関の温度が予め定められた第1の温度よりも低いという条件を満足すると、第1の状態になるように、内燃機関の温度が第1の温度よりも高く定められた第2の温度よりも高いという条件を満足すると、第2の状態になるように、内燃機関および動力源を制御するための手段を含む。
【0016】
第4の発明によると、冷却系統の異常が検出されると、内燃機関の温度が第1の温度よりも低いときには内燃機関の出力を制限した第1の状態で車両の走行を継続して、内燃機関の温度が第2の温度(第1の温度よりも高い)よりも高くなると、内燃機関以外の動力源が走行源となる第2の状態で車両の走行を継続する。第1の温度と、その第1の温度よりも高い第2の温度とを設定して、内燃機関の温度に関する条件にヒステリシス性を持たせることにより、ハンチングすることを回避して、第1の状態と第2の状態とを適切に切換えることができる。
【0017】
第5の発明に係る制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、異常検出手段は、冷却系統において冷却媒体を循環させるポンプの異常を検出するための手段を含む。
【0018】
第5の発明によると、機械式や電動式のポンプが故障するを異常として検出して、第1の状態と第2の状態とを切換えて、車両の航続距離を延ばすことができる。
【0019】
第6の発明に係る制御装置においては、第5の発明の構成に加えて、ポンプは、電動ウォータポンプである。
【0020】
第6の発明によると、電動ウォータポンプへの回転指令値と実際の回転数との乖離状態に基づいて、電動ウォータポンプの異常を検出して、第1の状態と第2の状態とを切換えて、車両の航続距離を延ばすことができる。
【0021】
第7の発明に係る制御装置においては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、検出手段は、冷却系統における冷媒の温度に基づいて、内燃機関の温度を検出するための手段を含む。
【0022】
第7の発明によると、内燃機関の温度と冷却媒体との温度との間には正の相関関係が成立するので、内燃機関の温度を直接検出することなく、冷却媒体の温度を検出するので、内燃機関の温度の検出が容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0024】
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む、ハイブリッド車両全体の制御ブロック図を説明する。なお、本発明は図1に示すハイブリッド車両に限定されない。本発明は、動力源としての、たとえばガソリンエンジン等の内燃機関(以下、エンジンとして説明する)が、車両を走行させる駆動源(走行源)であって、かつ、ジェネレータの駆動源であればよい。さらに、駆動源がエンジンおよびモータジェネレータであって、モータジェネレータの動力により走行可能な車両であればよく(エンジンを停止させても停止させなくても)、走行用のバッテリを搭載した他の態様を有するハイブリッド車両であってもよい(いわゆるシリーズ型やパラレル型等のハイブリッド車両に限定されない)。このバッテリは、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などであって、その種類は特に限定されるものではない。また、バッテリの代わりにキャパシタでも構わない。
【0025】
ハイブリッド車両は、エンジン120と、モータジェネレータ(MG)140とを含む。なお、以下においては、説明の便宜上、モータジェネレータ140を、モータジェネレータ140A(またはMG(2)140A)と、モータジェネレータ140B(またはMG(1)140B)と表現するが、ハイブリッド車両の走行状態に応じて、モータジェネレータ140Aがジェネレータとして機能したり、モータジェネレータ140Bがモータとして機能したりする。このモータジェネレータがジェネレータとして機能する場合に回生制動が行なわれる。モータジェネレータがジェネレータとして機能するときには、車両の運動エネルギが電気エネルギに変換されて、車両が減速される。
【0026】
ハイブリッド車両は、この他に、エンジン120やモータジェネレータ140で発生した動力を駆動輪160に伝達したり、駆動輪160の駆動をエンジン120やモータジェネレータ140に伝達したりする減速機180と、エンジン120の発生する動力を駆動輪160とモータジェネレータ140B(MG(1)140B)との2経路に分配する動力分割機構(たとえば、後述する遊星歯車機構)200と、モータジェネレータ140を駆動するための電力を充電する走行用バッテリ220と、走行用バッテリ220の直流とモータジェネレータ140A(MG(2)140A)およびモータジェネレータ140B(MG(1)140B)の交流とを変換しながら電流制御を行なうインバータ240と、走行用バッテリ220の充放電状態(たとえば、SOC(State Of Charge))を管理制
御するバッテリ制御ユニット(以下、バッテリECU(Electronic Control Unit)という)260と、エンジン120の動作状態を制御するエンジンECU280と、ハイブリッド車両の状態に応じてモータジェネレータ140およびバッテリECU260、インバータ240等を制御するMG_ECU300と、バッテリECU260、エンジンECU280およびMG_ECU300等を相互に管理制御して、ハイブリッド車両が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステム全体を制御するHV_ECU320等を含む。
【0027】
本実施の形態において、走行用バッテリ220とインバータ240との間には昇圧コンバータ242が設けられている。これは、走行用バッテリ220の定格電圧が、モータ140A(MG(2)140A)やモータジェネレータ140B(MG(1)140B)の定格電圧よりも低いので、走行用バッテリ220からモータジェネレータ140A(MG(2)140A)やモータジェネレータ140B(MG(1)140B)に電力を供給するときには、昇圧コンバータ242で電力を昇圧する。
【0028】
なお、図1においては、各ECUを別構成としているが、2個以上のECUを統合したECUとして構成してもよい(たとえば、図1に、点線で示すように、MG_ECU300とHV_ECU320とを統合したECUとすることがその一例である)。
【0029】
動力分割機構200は、エンジン120の動力を、駆動輪160とモータジェネレータ140B(MG(1)140B)との両方に振り分けるために、遊星歯車機構(プラネタリーギヤ)が使用される。モータジェネレータ140B(MG(1)140B)の回転数を制御することにより、動力分割機構200は無段変速機としても機能する。エンジン120の回転力はキャリア(C)に入力され、それがサンギヤ(S)によってモータジェネレータ140B(MG(1)140B)に、リングギヤ(R)によってモータジェネレータ140A(MG(2)140A)および出力軸(駆動輪160側)に伝えられる。回転中のエンジン120を停止させる時には、エンジン120が回転しているので、この回転の運動エネルギをモータジェネレータ140B(MG(1)140B)で電気エネルギに変換して、エンジン120の回転数を低下させる。
【0030】
図1に示すようなハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車両においては、車両の状態について予め定められた条件が成立すると、HV_ECU320は、モータジェネレータ140のモータジェネレータ140A(MG(2)140A)のみによりハイブリッド車両の走行を行なうようにモータジェネレータ140A(MG(2)140A)およびエンジンECU280を介してエンジン120を制御する。たとえば、予め定められた条件とは、走行用バッテリ220のSOCが予め定められた値以上であるという条件等である。このようにすると、発進時や低速走行時等であってエンジン120の効率が悪い場合に、モータジェネレータ140A(MG(2)140A)のみによりハイブリッド車両の走行を行なうことができる。この結果、走行用バッテリ220のSOCを低下させることができる(その後の車両停止時に走行用バッテリ220を充電することができる)。
【0031】
また、通常走行時には、たとえば動力分割機構200によりエンジン120の動力を2経路に分け、一方で駆動輪160の直接駆動を行ない、他方でモータジェネレータ140B(MG(1)140B)を駆動して発電を行なう。この時、発生する電力でモータジェネレータ140A(MG(2)140A)を駆動して駆動輪160の駆動補助を行なう。また、高速走行時には、さらに走行用バッテリ220からの電力をモータジェネレータ140A(MG(2)140A)に供給してモータジェネレータ140A(MG(2)140A)の出力を増大させて駆動輪160に対して駆動力の追加を行なう。一方、減速時には、駆動輪160により従動するモータジェネレータ140A(MG(2)140A)がジェネレータとして機能して回生発電を行ない、回収した電力を走行用バッテリ220に蓄える。なお、走行用バッテリ220の充電量が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン120の出力を増加してモータジェネレータ140B(MG(1)140B)による発電量を増やして走行用バッテリ220に対する充電量を増加する。
【0032】
また、走行用バッテリ220の目標SOCはいつ回生が行なわれてもエネルギーが回収できるように、通常は60%程度に設定される。また、SOCの上限値と下限値とは、走行用バッテリ220のバッテリの劣化を抑制するために、たとえば、制御上限値を80%とし、制御下限値を30%として設定され、HV_ECU320は、MG_ECU300を介してSOCが上限値および下限値を越えないようにモータジェネレータ140による発電や回生、モータ出力を制御している。なお、ここで挙げた値は、一例であって特に限定される値ではない。
【0033】
図2を参照して、動力分割機構200についてさらに説明する。動力分割機構200は、サンギヤ(S)202と(以下、単にサンギヤ202と記載する)、ピニオンギヤ204と、キャリア(C)206(以下、単にキャリア206と記載する)と、リングギヤ(R)208(以下、単にリングギヤ208と記載する)とを含む遊星歯車から構成される。
【0034】
ピニオンギヤ204は、サンギヤ202およびリングギヤ208と係合する。キャリア206は、ピニオンギヤ204が自転可能であるように支持する。サンギヤ202はMG(1)140Bの回転軸に連結される。キャリア206はエンジン120のクランクシャフトに連結される。リングギヤ208はMG(2)140Aの回転軸および減速機180に連結される。
【0035】
エンジン120、MG(1)140BおよびMG(2)140Aが、遊星歯車からなる動力分割機構200を介して連結されることで、エンジン120、MG(1)140BおよびMG(2)140Aの回転数は、共線図において直線で結ばれる関係になる。
【0036】
なお、このエンジン120は、冷却水が流通する通路(ウォータジャケット)が設けられ、エンジン120で冷却水が吸収した熱は、電動ウォータポンプによりラジエータへ送り込まれて、ラジエータで放熱される。
【0037】
本実施の形態に係る制御装置は、たとえばエンジンECU280により実行されるプログラムにより実現される。この制御装置は、電動ウォータポンプが異常であってエンジン120が高温であると、エンジン120の温度上昇を回避して走行を継続するように車両を制御する。以下、この制御に関連する制御ブロック図を図3に示す。
【0038】
図3に示すように、エンジンECU280には、エンジン120のクランク軸近傍等に設けられエンジン120の回転数NEを検出するエンジン回転数センサ1280と、エンジン120の冷却水の温度THW(以下、冷却水温度THWと記載する)を検出するエンジン冷却水温度センサ1282と、電動ウォータポンプの回転軸近傍等に設けられ電動ウォータポンプの回転数WPRを検出する電動ウォータポンプ回転数センサ1284と、アクセルペダルの開度ACC(以下、アクセル開度ACCと記載する)を検出するアクセルペダル開度センサ1286とが接続されている。これらの各センサにて検出された物理量に対応する信号(アナログ信号またはデジタル信号)がエンジンECU280に入力される。
【0039】
さらに、エンジンECU280には、エンジン120の電子スロットルバルブ1300と、電動ウォータポンプ1302とが接続されている。エンジンECU280は、アクセル開度ACC等から算出されたエンジン120に対する要求トルクを算出して、その要求トルクが発生するように電子スロットルバルブ100に開度指令値TH(TGT)を出力する。たとえば、この開度指令値TH(TGT)は、0(電子スロットルバルブ全閉)〜100%(電子スロットルバルブ全開)に対応するデューティにより表わされてもよい。エンジンECU280は、エンジン120の冷却水温度THW等から算出されたエンジン120を冷却する冷却水に対する要求流量を算出して、その要求流量が発生するように電動ウォータポンプ1302に回転指令値WPR(TGT)を出力する。たとえば、この回転指令値WPR(TGT)は、0(回転停止)〜100%(最高回転数)に対応するデューティにより表わされてもよい。
【0040】
エンジンECU280は、HV_ECU320と通信リンクで接続され、相互にデータを送受信する。たとえば、エンジンECU280は、HV_ECU320に対して走行指令モードを表わすデータを送信する。たとえば、モード「1」はエンジン120のオーバーヒートを防止するためにモータジェネレータ140により走行して、モード「2」はエンジン120の出力を制限しながらエンジン120により走行して、モード「0」は上述したように、エンジン120およびモータジェネレータ140を使い分けて走行またはエンジン120およびモータジェネレータ140により走行する。なお、バッテリECU260が走行用バッテリ220のSOCが制御下限値を下回るとHV_ECU320に対して充電要求信号を出力して、HV_ECU320はモータジェネレータ140をエンジン120を駆動源としたジェネレータとして機能させて発電して、走行用バッテリ220を充電する。
【0041】
エンジンECU280は、エンジン冷却水温度センサ1282から入力された冷却水温度THWに基づいて、エンジン120が高温であることを示す冷却水高温フラグを、セット(OFF→ON)したり、リセット(ON→OFF)したりする。このとき、1つのしきい値を設定しておいて、冷却水温度THWとこのしきい値との大小関係のみで冷却水高温フラグをセットしたりリセットしたりすると、冷却水温度THWのわずかな上下動で冷却水高温フラグがセットされたりリセットされたりしてハンチングする。このため、図4に示すように、2つのしきい値(高温側の温度しきい値α、低温側の温度しきい値β)を設けて、冷却水温度THWが高温側の温度しきい値α以上になると(αより高くなるとでもよい)冷却水高温フラグをセットして、冷却水温度THWが低温側の温度しきい値β以下になると(βより低くなるとでもよい)冷却水高温フラグをリセットして、ヒステリシスを持たせる。このようにすると、図4に示すように、冷却水高温フラグが一点鎖線で示すようにハンチングすることを回避できるので、制御性が安定する。
【0042】
図6を参照して、エンジン120のエンジン負荷率上限マップについて説明する。図6は、その横軸をエンジン回転数NEとして、その縦軸を電子スロットルバルブ1300の開度とした図である。図6の点線で示すように電子スロットルバルブ1300の開度が大きく、エンジン回転数NEが高いほど、エンジン120の発熱量が大きくなる。電動ウォータポンプ1302が故障した場合には、エンジン120の冷却系による冷却効果が発現しないまたは発現しにくいため、図6の実線で示すエンジン負荷率上限マップよりも原点側でエンジン120を動作させて、エンジン120からの放熱量自体を減少させる。
【0043】
なお、図6は一例であって、本発明がこの図6に限定されるものではない。
図7を参照して、本実施の形態に係る制御装置に対応するエンジンECU280で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、このフローチャートで示されるプログラム(サブルーチン)は、予め定められたサイクルタイム(たとえば80msec)で繰り返し実行される。
【0044】
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、エンジンECU280は、ウォータポンプ回転指令値WPR(TGT)を検出する。このとき、エンジンECU280は、エンジン120の冷却水温度THW、外気温等から算出されたエンジン120を冷却する冷却水に対する要求流量を算出して、その要求流量が発生するように電動ウォータポンプ1302の回転指令値WPR(TGT)を算出する。
【0045】
S102にて、エンジンECU280は、電動ウォータポンプ回転数WPRを検出する。このとき、エンジンECU280は、電動ウォータポンプ回転数センサ1284から入力された信号に基づいて、電動ウォータポンプ回転数WPRを検出する。
【0046】
S104にて、エンジンECU280は、電動ウォータポンプ1302のダイアグ(ダイアグノーシス:Diagnosis:故障診断)を検出したか否かを判断する。ここでは、電動ウォータポンプ1302に異常が発生していると、エンジンECU280は、電動ウォータポンプ1302のダイアグを検出するという。電動ウォータポンプ1302のダイアグを検出すると(S104にてYES)、処理はS106へ移される。もしそうでないと(S104にてNO)、処理はS110へ移される。
【0047】
なお、このときの電動ウォータポンプ1302のダイアグ検出について図8を参照して説明する。図8は、その横軸を電動ウォータポンプ1302への回転指令値WPR(TGT)とし、その縦軸を電動ウォータポンプ回転数センサ1284で検出される電動ウォータポンプ1302の回転数WPRとした図である。電動ウォータポンプ1302およびその電力供給系統や冷却管路等の冷却系統が正常であれば、実線で示す線上またはその近傍の位置に、回転数指令値WPR(TGT)と回転数WPRとの関係(この関係は正比例の関係または正の相関関係)がプロットされる。
【0048】
ところが、領域Aは、過回転の異常領域であって、電動ウォータポンプがエアを噛み込んでいたり冷却系からの冷却水漏れ等が発生して空転が発生している。すなわち、回転指令値WPR(TGT)が低いにも関わらず実際の回転数WPRが極めて高い回転になっている異常である。なお、この領域Aは、回転指令値WPR(TGT)がN(A)以上においては、正常/異常の判別が困難であるため、回転指令値WPR(TGT)がN(A)より低い領域で規定されている。
【0049】
さらに、領域Bは、回転不足の異常領域であって、電動ウォータポンプ1302が異物を挟み込む等が発生して回転不足が発生している。すなわち、回転指令値WPR(TGT)が比較的高いにも関わらず実際の回転数WPRがあまり高くない回転になっている異常である。なお、この領域Bは、回転指令値WPR(TGT)がN(B)以下においては、正常/異常の判別が困難であるため、回転指令値WPR(TGT)がN(B)より高い領域で規定されている。
【0050】
さらに、領域Cは、回転停止の異常領域であって、電動ウォータポンプ1302が回転するように回転指令値WPR(TGT)が出力されているにもかかわらず電動ウォータポンプが回転しない異常が発生している。すなわち、電力供給系統が断線していたり、エンジンECU280から電動ウォータポンプ1302への制御線が断線や短絡している場合である。このような場合には、回転指令値WPR(TGT)にかかららず、実際の回転数WPRが0の状態になっている異常である。なお、この領域Cは、回転指令値WPR(TGT)がN(C)以下においては、正常/異常の判別が困難であるため、回転指令値WPR(TGT)がN(C)より高い領域で規定されている。また、図8においては、領域Cを上下方向の幅を有するように表わされているが、これはマイナスの回転数を意味するものではない。領域Cを明確に表わすために幅を有するように表わしただけであって、実際には領域Cにおいては、電動ウォータポンプ1302の回転数WPRは0[rpm]の状態である。
【0051】
なお、図8は一例であって、本発明がこの図8に限定されるものではない。
S106にて、エンジンECU280は、エンジン120の冷却水温THWを検出する。このとき、エンジンECU280は、エンジン冷却水温度センサ1282から入力された信号に基づいて、エンジン冷却水温THWを検出する。
【0052】
S108にて、エンジンECU280は、図4および図5を用いて説明した、冷却水高温フラグがセットされているか否かを判断する。冷却水高温フラグがセットされていると(S108にてYES)、処理はS112へ移される。もしそうでないと(S108にてNO)、処理はS114へ移される。
【0053】
S110にて、エンジンECU280は、走行モードに「0」をセットする。
S112にて、エンジンECU280は、走行モードに「1」をセットする。
【0054】
S114にて、エンジンECU280は、走行モードに「2」をセットする。
S116にて、エンジンECU280は、HV_ECU320と連携して、通常のHV走行する。
【0055】
S118にて、エンジンECU280は、HV_ECU320と連携して、モータジェネレータ140により走行(EV走行)する。
【0056】
S120にて、エンジンECU280は、HV_ECU320と連携して、図6に示すエンジン負荷率上昇マップを参照して、エンジン120の負荷を制限して、エンジン120のみ、エンジン120およびモータジェネレータ140により走行する。
【0057】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU280により制御されるハイブリッド車両の動作について、説明する。
【0058】
[電動ウォータポンプのダイアグ未検出]
電動ウォータポンプの回転指令値WPR(TGT)が算出されて(S100)、電動ウォータポンプの回転数WPRが検出される(S102)。図8の領域A、領域Bおよび領域Cのいずれの領域以外に、回転指令値WPR(TGT)と回転数WPRとの関係がプロットされると、電動ウォータポンプ1302が異常ではないと判断される(S104にてNO)。
【0059】
この場合には、走行モードに「0」がセットされて、一例として図9に示すような、運転状態になる。この図9に示す運転状態は、要求トルクが大きくなるとモータジェネレータ140でエンジン120をアシストして発生トルクを増大させる一例である。
【0060】
[電動ウォータポンプのダイアグ検出かつ冷却水高温フラグがセット]
電動ウォータポンプの回転指令値WPR(TGT)が算出されて(S100)、電動ウォータポンプの回転数WPRが検出される(S102)。図8の領域A、領域Bおよび領域Cのいずれの領域内に、回転指令値WPR(TGT)と回転数WPRとの関係がプロットされると、電動ウォータポンプ1302が異常であると判断される(S104にてYES)。
【0061】
このような場合であって、エンジン冷却水温THWが検出されて(S106)、図4および図5に示すように、冷却水高温フラグがセットされている場合には(S108にてYES)、電動ウォータポンプ1302を含むエンジン120の冷却系統に異常が発生しており十分にエンジン120を冷却できていない状態であるだけでなく、エンジン120の温度がかなり高い状態である。
【0062】
このような場合には、走行モードに「1」がセットされて、一例として図10に示すような、運転状態になる。この図10に示す運転状態は、モータジェネレータ140のみにより車両が走行される一例である。
【0063】
このようにすると、エンジン120の運転を停止させているので、エンジン120の温度がこれ以上上昇することを回避でき、エンジン120のオーバーヒートを回避できる。
【0064】
[電動ウォータポンプのダイアグ検出かつ冷却水高温フラグがリセット]
上述の図10に示したように、エンジン120の運転を停止させていると時間の経過に伴いエンジン120の温度が低下する。このように、エンジン120の温度が低下すると、電動ウォータポンプ1302が異常であると判断されていても(S104にてYES)、図4および図5に示すように、セットされている状態からリセットされている状態に冷却水高温フラグが変化する(S108にてNO)、電動ウォータポンプ1302を含むエンジン120の冷却系統に異常が発生しており十分にエンジン120を冷却できない状態であるものの、エンジン120の温度が低い状態になっている。
【0065】
このような場合には、走行モードに「2」がセットされて、一例として図11に示すような、運転状態になる。この図11に示す運転状態は、モータジェネレータ140に加えて、図6に示すエンジン負荷率上限マップの実線を越えない範囲でエンジン120が運転されて車両が走行される一例である。なお、エンジンECU280は、電子スロットルバルブ1300の開度を制御して、エンジン負荷率上限マップの実線を越えない範囲でエンジン120を運転する。
【0066】
このようにすると、エンジン120の運転をエンジン120がオーバーヒートしないように運転させて、不足する要求トルクをモータジェネレータ140で発生させているので、エンジン120の温度が上昇することを抑制でき、エンジン120のオーバーヒートを回避できる。このとき、要求トルクが小さい場合にはエンジン120のみで、エンジン負荷率上限マップの実線を越えない範囲でエンジン120を運転することも可能である。
【0067】
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUによると、電動ウォータポンプが異常であることが検出された場合であってエンジンがさほど高温に至っていない場合には、エンジンの発熱を防止してオーバーヒートに至らないようにするために、エンジン負荷率上限マップに基づいて、エンジンの上限負荷率を越えないように制限して、エンジンのみまたはエンジンおよびモータジェネレータにより車両を走行させる(エンジン制限走行)。
【0068】
このようにしても、エンジンの温度がさらに高温になるとオーバーヒートに至る可能性が出てくるので、モータジェネレータのみにより車両を走行させる(モータ走行)。このようなエンジン制限走行とモータ走行とをエンジン冷却水温度のしきい値にヒステリシスを持たせて切換えることを繰り返す。このようにすることで、電動ウォータポンプに異常が発生しても、エンジンのオーバーヒートを回避しつつ、回避走行可能な距離を延長させることが可能になる。
【0069】
なお、走行用バッテリ220のSOCが低下してモータジェネレータ140によるモータ走行が不可能になると、エンジン120の駆動力によりモータジェネレータ140を発電機として機能させて、発電した電力を用いて走行用バッテリ220を充電する。この場合において、電動ウォータポンプが異常であることが検出された場合であってエンジンがさほど高温に至っていない場合には、エンジン負荷率上限マップに基づいて、エンジンの上限負荷率を越えないように制限した状態でエンジン120によりモータジェネレータ140が回転されて、モータジェネレータ140が発電する。
【0070】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態のウォータポンプが電動式であったが、本実施の形態においてはウォータポンプはエンジンで駆動される機械式である。それ以外は、エンジンECU280で実行されるプログラムの制御構造が異なるのみで、他の構成(図1、図2)は同じである。したがって、これらについての詳細な説明は、ここで繰り返さない。
【0071】
図12を参照して、本実施の形態に係る制御装置に対応するエンジンECU280で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、このフローチャートで示されるプログラム(サブルーチン)も、前述の第1の実施の形態と同様に、予め定められたサイクルタイム(たとえば80msec)で繰り返し実行される。なお、図12に示すフローチャートの中で図7に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理の内容は同じである。したがって、それらについての詳細な説明は、ここで繰り返さない。
【0072】
S200にて、エンジンECU280は、エンジン120の冷却水温THWが温度に対して設定されたしきい値(しきい値は1つ)以上であるか否かを判断する。冷却水温THWがしきい値以上であると(S200にてYES)、処理はS202へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS204へ移される。
【0073】
S202にて、エンジンECU280は、冷却系異常フラグをセットする。なお、このセットされた冷却系異常フラグは車両のトリップ中はリセットされることはなく、トリップ終了時点でリセットされる。このS202の処理の後、処理はS118へ移される。
【0074】
S204にて、エンジンECU280は、冷却系異常フラグをセットされているか否かを判断する。冷却系異常フラグがセットされていると(S204にてYES)、処理はS120へ移される。もしそうでないと(S204にてNO)、処理はS116へ移される。
【0075】
[トリップ中に冷却水温THWがしきい値以上になるまで]
トリップが開始されて(トリップ開始時は冷却系異常フラグはリセット状態)、冷却水温THWがしきい値以上になるまでは(S200にてNO)、冷却系異常フラグはリセット状態であるので(S204にてNO)、通常のHV走行が行なわれる(S116)。
【0076】
[トリップ中に冷却系異常フラグがセット状態で冷却水温THWがしきい値以上]
トリップが開始されて(トリップ開始時は冷却系異常フラグはリセット状態)、冷却水温THWがしきい値以上まで一旦でも上昇すると(S200にてYES)、冷却系異常フラグがセットされて、このセット状態がトリップ中は維持される。このときに、エンジン120が停止されてモータ走行が行なわれる(S116)。
【0077】
[トリップ中に冷却系異常フラグがセット状態で冷却水温THWがしきい値未満]
上述のようにモータ走行が行なわれて(S116)、エンジン120の運転を停止させていると時間の経過に伴いエンジン120の温度が低下する。このように、エンジン120の温度が低下すると(S200にてNO)、冷却系異常フラグはセット状態のままであるが(S204にてYES)、エンジン120がオーバーヒートするほどまでには高温でないので、エンジン制限走行が行なわれる(S120)。
【0078】
以上のようにして、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同じように、冷却系に異常が発生しても、エンジンのオーバーヒートを回避しつつ、回避走行可能な距離を延長させることが可能になる。
【0079】
なお、第2の実施の形態の適用対象については、電動ウォータポンプを除外するものではない。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を含む、ハイブリッド車両の制御ブロック図である。
【図2】図1の動力分割機構を示す図である。
【図3】図1のハイブリッド車両の詳細な制御ブロック図である。
【図4】冷却水高温ブラグのセット条件およびリセット条件を示す図である。
【図5】エンジン冷却水温度と冷却水高温ブラグとの変化を示す図である。
【図6】エンジン負荷率上限マップを示す図である。
【図7】本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図8】電動ウォータポンプの異常判定領域を示す図である。
【図9】ハイブリッド車両の走行モード「0」を示す図である。
【図10】ハイブリッド車両の走行モード「1」を示す図である。
【図11】ハイブリッド車両の走行モード「2」を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
120 エンジン、140 モータジェネレータ、160 駆動輪、180 減速機、200 動力分割機構、220 走行用バッテリ、240 インバータ、242 昇圧コンバータ、260 バッテリECU、280 エンジンECU、300 MG_ECU、320 HV_ECU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関および前記内燃機関以外の動力源を車両の走行源とするハイブリッド車両の制御装置であって、
前記内燃機関の冷却系統の異常を検出するための異常検出手段と、
前記内燃機関の温度を検出するための検出手段と、
前記冷却系統の異常を検出した場合には、前記内燃機関の温度についての条件に従って、前記内燃機関の出力を制限して車両の走行源とする第1の状態および前記動力源を車両の走行源とする第2の状態のいずれかの状態になるように前記内燃機関および前記動力源を制御するための制御手段とを含む、ハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記内燃機関の温度が予め定められた温度よりも低いという条件を満足すると、前記第1の状態になるように、前記内燃機関および前記動力源を制御するための手段を含む、請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記内燃機関の温度が予め定められた温度よりも高いという条件を満足すると、前記第2の状態になるように、前記内燃機関および前記動力源を制御するための手段を含む、請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記内燃機関の温度が予め定められた第1の温度よりも低いという条件を満足すると、前記第1の状態になるように、
前記内燃機関の温度が前記第1の温度よりも高く定められた第2の温度よりも高いという条件を満足すると、前記第2の状態になるように、
前記内燃機関および前記動力源を制御するための手段を含む、請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項5】
前記異常検出手段は、前記冷却系統において冷却媒体を循環させるポンプの異常を検出するための手段を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項6】
前記ポンプは、電動ウォータポンプである、請求項5に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項7】
前記検出手段は、前記冷却系統における冷媒の温度に基づいて、前記内燃機関の温度を検出するための手段を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のハイブリッド車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−12963(P2008−12963A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183541(P2006−183541)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】