説明

パターン検査装置及びパターン検査方法

【目的】光量センサ出力と画像取得用のセンサ出力の応答速度のずれによる補正誤差を低減する。
【構成】パターン検査装置100は、光源103と、被検査試料にレーザ光を照明する照明光学系170と、レーザ光の光量を測定する光量センサ144と、パターンの光学画像を撮像するTDIセンサ105と、TDIセンサ105の出力タイミングが早い場合に、出力タイミングとの時間差分の期間、TDIセンサ105の出力データを一時的に記憶する記憶装置140と、光量センサ144の出力タイミングが早い場合に、出力タイミングとの時間差分の期間、光量センサ144の出力データを一時的に記憶する記憶装置142と、光学画像の階調値を時間差分ずらした時刻に出力された光量値を用いて補正する補正回路148と、比較対照となる参照画像を入力し、階調値が補正された光学画像と参照画像とを画素単位で比較する比較回路108と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン検査装置及びパターン検査方法に係り、例えば、光源からのレーザ光の光量変動を補正して試料となる物体のパターン欠陥を検査するパターン検査装置およびその方法に関する。
【0002】
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。これらの半導体素子は、回路パターンが形成された原画パターン(マスク或いはレチクルともいう。以下、マスクと総称する)を用いて、いわゆるステッパと呼ばれる縮小投影露光装置でウェハ上にパターンを露光転写して回路形成することにより製造される。よって、かかる微細な回路パターンをウェハに転写するためのマスクの製造には、微細な回路パターンを描画することができるパターン描画装置を用いる。かかるパターン描画装置を用いてウェハに直接パターン回路を描画することもある。例えば、電子ビームやレーザビームを用いて描画される。
【0003】
そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。しかし、1ギガビット級のDRAM(ランダムアクセスメモリ)に代表されるように、LSIを構成するパターンは、サブミクロンからナノメータのオーダーになろうとしている。歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。そのため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
【0004】
一方、マルチメディア化の進展に伴い、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)は、500mm×600mm、またはこれ以上への液晶基板サイズの大型化と、液晶基板上に形成されるTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等のパターンの微細化が進んでいる。従って、極めて小さいパターン欠陥を広範囲に検査することが要求されるようになってきている。このため、このような大面積LCDのパターン及び大面積LCDを製作する時に用いられるフォトマスクの欠陥を短時間で、効率的に検査するパターン検査装置の開発も急務となってきている。
【0005】
ここで、パターン検査装置では、光源或いは光学系に起因した光量変動が取得画像の階調変動となり、検査性能に影響を与えている。特に、CD測定精度に悪影響を与える。従来、光量変動を補正するために光量センサで光量を測定することが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、光量センサ出力の応答周波数の帯域と画像取得用のセンサ出力の応答周波数の帯域とに違いがあると光量変動の補正が不十分となり、補正誤差を残すことになるといった問題があった。特に、高周波の変動の補正が不十分となりやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−241290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、光量センサ出力の応答周波数の帯域と画像取得用のセンサ出力の応答周波数の帯域とに違いがあると光量変動の補正が不十分になるといった問題があった。従来、かかる点について対処できていなかった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点を克服し、光量センサ出力の応答速度と画像取得用のセンサ出力の応答速度のずれによる補正誤差を低減可能なパターン検査装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様のパターン検査装置は、
レーザ光を発生させる光源と、
パターンが形成された被検査試料にレーザ光を照明する照明光学系と、
前記光源と前記被検査試料との間に設けられ、光の一部を分岐してレーザ光の光量を測定する光量センサと、
被検査試料を透過或いは反射したレーザ光を受光して、パターンの光学画像を撮像する撮像センサと、
撮像センサの出力タイミングが光量センサの出力タイミングより早い場合に、撮像センサの出力タイミングと前記光量センサの出力タイミングとの時間差分の期間、前記撮像センサの出力データを一時的に記憶する第1の記憶装置と、
光量センサの出力タイミングが撮像センサの出力タイミングより早い場合に、撮像センサの出力タイミングと光量センサの出力タイミングとの時間差分の期間、光量センサの出力データを一時的に記憶する第2の記憶装置と、
撮像センサにより撮像された光学画像の階調値を時間差分ずらした時刻に光量センサから出力された光量値を用いて補正する補正部と、
比較対照となる参照画像を入力し、階調値が補正された光学画像と参照画像とを画素単位で比較する比較部と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、被検査試料を載置する移動可能なステージと、
ステージの移動方向と移動速度とのうち少なくとも一方の条件を可変にして得られた、撮像センサの出力タイミングと光量センサの出力タイミングとの複数の時間差を示す複数の時間差情報を記憶する第2の記憶装置と、
撮像する際の条件に応じて複数の時間差のうちの1つを選択する選択部と、
をさらに備え、
補正部は、選択された時間差分ずらした時刻に光量センサから出力された光量値を用いて撮像センサにより撮像された光学画像の階調値を補正すると好適である。
【0011】
また、撮像センサは、ステージの移動方向と移動速度とのうち少なくとも一方の条件を可変にして、条件毎に、パターンの光学画像を撮像し、
光量センサは、撮像センサが撮像する条件で、条件毎に、レーザ光の光量を測定し、
撮像された光学画像と測定された光量とを用いて、条件毎の時間差を演算する時間差演算部をさらに備えると好適である。
【0012】
本発明の一態様のパターン検査方法は、
光源からレーザ光を発生させる工程と、
パターンが形成された被検査試料にレーザ光を照明する工程と、
光量センサを用いて、被検査試料に照明される前のレーザ光の光量を測定する工程と、
撮像センサを用いて、被検査試料を透過或いは反射したレーザ光を受光して、パターンの光学画像を撮像する工程と、
撮像センサの出力タイミングと光量センサの出力タイミングとの時間差分の期間、撮像センサにより撮像された光学画像のデータと光量センサより測定された光量のデータとのうち、出力タイミングが早い方のデータを一時的に記憶装置に記憶する工程と、
撮像された光学画像の階調値を時間差分ずらした時刻に光量センサから出力された光量値を用いて補正する工程と、
比較対照となる参照画像を入力し、階調値が補正された光学画像と前記参照画像とを画素単位で比較する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、被検査試料を載置する移動可能なステージの移動方向と移動速度とのうち少なくとも一方の条件を可変にして得られた、撮像センサの出力タイミングと光量センサの出力タイミングとの複数の時間差を示す複数の時間差情報を記憶する記憶装置から複数の時間差情報を読み出し、撮像する際の条件に応じて複数の時間差のうちの1つを選択する工程をさらに備え、
撮像センサにより撮像された光学画像の階調値は、選択された時間差分ずらした時刻に光量センサから出力された光量値を用いて補正されるように構成すると好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、撮像された光学画像の階調値を撮像センサの出力タイミングと光量センサの出力タイミングとの時間差分ずらした時刻に光量センサから出力された光量値で補正できる。よって、光量センサ出力の出力タイミングと撮像センサ出力の出力タイミングのずれを解消できる。したがって、より高精度な検査ができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す概念図である。
【図2】実施の形態1における光学画像の取得手順を説明するための図である。
【図3】実施の形態1におけるTDIセンサ出力タイミングと光量センサ出力タイミングとのずれの一例を示すグラフである。
【図4】実施の形態1におけるパターン検査前処理方法とパターン検査方法との要部工程を示すフローチャート図である。
【図5】実施の形態1におけるTDIセンサでの出力タイミングの変動を説明するための概念図である。
【図6】実施の形態1におけるTDIセンサの階調変動と時間差との関係の一例を示すグラフである。
【図7】別の光学画像取得手法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す概念図である。図1において、マスク等の基板を試料として、かかる試料の欠陥を検査するパターン検査装置100は、光学画像取得部150と制御回路160を備えている。光学画像取得部150は、光源103、照明光学系170、ハーフミラー172、光量センサ144、XYθテーブル102(ステージ)、拡大光学系104、タイムディレイインテグレータ(TDI)センサ105、センサ回路106、レーザ測長システム122、及びオートローダ130を備えている。制御回路160では、コンピュータとなる制御計算機110が、データ伝送路となるバス120を介して、位置回路107、比較部の一例となる比較回路108、展開回路111、参照回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、記憶装置の一例となる磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、フレキシブルディスク装置(FD)116、CRT117、パターンモニタ118、プリンタ119、バッファ用の記憶装置140,142、バッファ制御回路145、積分回路146、補正回路148、測定回路180、時間差演算回路182、及び選択回路184に接続されている。
【0017】
また、XYθテーブル102は、X軸モータ、Y軸モータ、θ軸モータにより駆動される。図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分について記載している。パターン検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれても構わないことは言うまでもない。
【0018】
図2は、実施の形態1における光学画像の取得手順を説明するための図である。被検査領域は、図2に示すように、例えばY方向に向かって、スキャン幅Wの短冊状の複数の検査ストライプに仮想的に分割される。そして、更にその分割された各検査ストライプが連続的に走査されるようにXYθテーブル102の動作が制御され、X方向に移動しながら光学画像が取得される。TDIセンサ105では、図2に示されるようなスキャン幅Wの画像を連続的に入力する。そして、第1の検査ストライプにおける画像を取得した後、第2の検査ストライプにおける画像を今度は逆方向に移動しながら同様にスキャン幅Wの画像を連続的に入力する。そして、第3の検査ストライプにおける画像を取得する場合には、第2の検査ストライプにおける画像を取得する方向とは逆方向、すなわち、第1の検査ストライプにおける画像を取得した方向に移動しながら画像を取得する。このように、連続的に画像を取得していくことで、無駄な処理時間を短縮することができる。ここでは、フォワード(FWD)−バックワード(BWD)手法を用いているが、これに限るものではなくフォワード(FWD)−フォワード(FWD)手法を用いても構わない。
【0019】
図3は、実施の形態1におけるTDIセンサ出力タイミングと光量センサ出力タイミングとのずれの一例を示すグラフである。ここでは、一例として、光量センサ出力タイミングの方がTDI出力タイミングよりも遅くなっているが、これに限るものではなく、逆の場合があっても構わない。
【0020】
このように、TDIセンサ105の出力に本来対応するべき光量信号は、TDIセンサ105の出力より遅れて光量センサ144から出力される。遅れの要因としては、例えば光量センサのアナログ的な遅延が考えられる。光源103から発生したレーザ光がTDIセンサ105に届くまでの時間と光源103から発生したレーザ光が光量センサ144に届くまでの時間の差は実質無視できるほど短い。そのため、そのままでは、光量変動を補正する際に、TDIセンサ105の出力タイミングで光量センサ144から出力された光量、すなわち、ここではTDIセンサ105が撮像した時点より前に測定された光量で補正してしまうことになる。そこで、実施の形態1では、かかる時間差により生じたTDIセンサ105で撮像された像と光量センサ144が測定した光量との対応関係のずれを無くすように構成する。
【0021】
なお、ここでは、複数段の受光素子によって連続的に1つの画素領域の階調値を撮像して各センサ値を積分するTDIセンサ105を用いた例を示しているが、これに限るものではない。1段の受光素子によって1つの画素領域の階調値を撮像するセンサであっても構わない。かかる場合でも、撮像センサ出力タイミングと光量センサ出力タイミングとのずれが生じる点で同様である。
【0022】
図4は、実施の形態1におけるパターン検査前処理方法とパターン検査方法との要部工程を示すフローチャート図である。図4において、まず、実施の形態1におけるパターン検査前処理方法は、測定条件設定工程(S102)と、測定工程(S104)と、時間差演算工程(S106)という一連の工程を実施する。また、実施の形態1におけるパターン検査方法は、選択工程(S110)と、時間差設定工程(S112)と、光量測定工程(S114)と、積分工程(S116)と、TDI撮像工程(S118)と、階調補正工程(S120)と、比較工程(S122)という一連の工程を実施する。
【0023】
TDIセンサ出力タイミングと光量センサ出力タイミングとのずれによる時間差は、XYθテーブル102の移動速度や移動方向によって変化する。
【0024】
図5は、実施の形態1におけるTDIセンサでの出力タイミングの変動を説明するための概念図である。図5において、TDIセンサ105は、2次元に配列したフォトダイオード群10によって構成され、XYθテーブル102と同期して電荷を右ないしは左方向に転送する。左端から右端ないしは右端から左端まで転送されている間の電荷を積分(累積加算)し、最終的に、右端ないしは左端から電荷を読み出す。従って、TDIセンサは電荷を転送する時間だけ露光するラインセンサとして機能する。20および22のハッチングは遮光部であり、この領域も電荷は転送されて端に到達した瞬間に読み出される。遮光部では光が当たらないため、この領域を通過するのに要する時間はそのままTDIセンサの時間遅れとなる。この遅れ量ΔTは電荷の転送周期tと遮光部の画素数Nによって決まり、ΔT=Ntとなる。電荷の転送周期tはXYθテーブルのX移動速度vの逆数に比例するため、Δt=α・N/v(αは比例係数)と表される。従って、ΔTは遮光部の画素数および、XYθテーブルのx移動速度vに依存することとなる。
【0025】
ところで、遮光部20、22は、一般的に読み出し部近傍はセンサ特性が劣るため、その領域を使用しないために設けるものであり、金属製の絞りなどが使用される。この絞りは、その目的から、TDIセンサに対して精度良く置かれる必要がない。従って、遮光される領域の幅は右側20と左側22で異なる場合が多い。従って、電荷を転送する方向、すなわちXYθテーブルを移動する方向によってΔTが異なる結果となる。以上、まとめると、遅れ量ΔTはXYθテーブルのX移動速度vおよび移動方向の双方に依存することとなる。
【0026】
そこで、実施の形態1では、パターン検査前処理方法として、これらXYθテーブル102の移動速度および移動方向を可変にして、複数の組み合わせによる複数の条件を設定し、条件毎にTDIセンサ出力と光量センサ出力の時間差を求める。かかる時間差を求めるため、各条件でテストパターンが形成された試料となるフォトマスクをXYθテーブル102上に載置し、かかるテストパターンを撮像する。階調変動を確認することが目的であるため、本テストパターンはパターンのないブランクスマスクであってもかまわない。
【0027】
測定条件設定工程(S102)として、測定回路180は、XYθテーブル102の移動速度および移動方向の組からなる測定条件を設定する。
【0028】
測定工程(S104)として、測定回路180は、テストパターンが形成された試料となるフォトマスクをXYθテーブル102上に載置し、かかるテストパターンをTDIセンサ105で撮像する。その際、光源103からのレーザ光をフォトマスクの手前において一部をハーフミラー172で分岐して光量センサ144で光量を測定する。光量センサ144での測定結果は、所定の範囲の時間だけ連続的に記録しておく。
【0029】
時間差演算工程(S106)として、時間差演算回路182は、ある時刻にTDIセンサ105から出力された階調値について、その時刻と前後する複数の時刻に光量センサ144から出力された光量で補正する。具体的には、まず、TDIセンサ105における光量の積分効果を模擬するために、積分回路146は光量センサ144から出力された信号に対してTDIセンサ105の蓄積時間に相当する期間の積分(累積加算)を行う。そして、かかる累積加算された光量の逆数をTDIセンサ105から出力された階調値に乗じることで、階調値を補正する。積分回路146によって積分された信号に対して、タイミングをずらして意図的な時間差を与えたうえで、TDIセンサ105から出力された階調値を補正する。この際、前記意図的に与える時間差をある範囲にわたって複数点変化させ、複数の補正後の階調値変動量を算出する。
【0030】
図6は、実施の形態1における補正後のTDIセンサの階調変動量と光量センサ信号に意図的に与えた時間差との関係の一例を示すグラフである。白抜き丸のプロットはある条件(条件1)でテストパターンを撮像した場合のTDIセンサ105から出力された補正後の階調変動量を示している。TDIセンサと光量センサの時間差をちょうど打ち消すように意図的な時間差を与えたときに補正後の階調変動量が最小となるため、ここでは、t1が補正のために与えるべき時間差とみなすことができる。よって、時間差演算回路182は、条件毎に、かかるグラフの最小値を演算する。
【0031】
そして、1つの条件で与えるべき時間差を演算したら、またS102に戻り、XYθテーブル102の移動方向と移動速度とのうち少なくとも一方の条件を可変にしながら、測定条件設定工程(S102)から時間差演算工程(S106)までの各工程を繰り返す。このように、TDIセンサ105(撮像センサ)は、XYθテーブル102(ステージ)の移動方向と移動速度とのうち少なくとも一方の条件を可変にして、条件毎に、パターンの光学画像を撮像する。そして、光量センサ144は、TDIセンサ105が撮像する条件で、条件毎に、レーザ光の光量を測定する。そして、時間差演算回路182(時間差演算部)は、撮像された光学画像と測定された光量とを用いて、条件毎のかかる時間差を演算する。例えば、図6の例では、条件1で時間差t1が最小値となり、条件2で時間差t2が最小値となる。そして、条件毎に得られた時間差の情報は、条件と対応させて磁気ディスク装置109に格納しておく。言い換えれば、XYθテーブル102の移動方向と移動速度とのうち少なくとも一方の条件を可変にして得られた、TDIセンサ105の出力タイミングと光量センサ144の出力タイミングとの複数の時間差を示す複数の時間差情報を磁気ディスク装置109(第2の記憶装置)に記憶する。以上のようにして、条件と出力タイミングの時間差との相関データを蓄積しておく。かかる前処理が完了した後に、実際の被検査試料(検査対象)となるフォトマスク101に形成されたパターンの欠陥検査を行う。この前処理は検査毎に行う必要は無く、装置立上げ時に実施し、条件毎の時間差情報を磁気ディスク装置109に記録しておけばよい。
【0032】
上述した前処理後、検査を開始前に、まず、オートローダ制御回路113により制御されたオートローダ130により、パターン形成された被検査試料となるフォトマスク101は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能に設けられたXYθテーブル102上にロードされ、そして、XYθテーブル102上に載置される。また、フォトマスク101のパターン形成時に用いた設計パターンの情報(設計パターンデータ)は、装置外部からパターン検査装置100に入力され、記憶装置(記憶部)の一例である磁気ディスク装置109に記憶される。
【0033】
選択工程(S110)として、選択回路184は、磁気ディスク装置109に格納された複数の時間差情報を読み出し、複数の時間差情報の中から、今回の検査での撮像する際の条件に応じて、TDIセンサ105(撮像センサ)の出力タイミングと光量センサ144の出力タイミングとの複数の時間差のうちの1つを示す時間差情報を選択する。選択回路184は、選択部の一例である。
【0034】
時間差設定工程(S112)として、選択回路184は、選択された時間差情報をバッファ制御回路145に出力し、バッファ制御回路145は、入力された時間差情報が示す時間差を設定し、時間差に基づいてバッファとなる記憶装置140,142を制御する。具体的には、例えば、時間差t1だけ光量センサ144の出力タイミングがTDIセンサ105の出力タイミングよりも遅い場合、TDIセンサ105からの情報を一時的に記憶する記憶装置140に時間差t1の期間だけ蓄積し、その後に出力するように設定する。他方、光量センサ144からの情報を一時的に記憶する記憶装置142に入力された情報を直ちに出力するように設定する。言い換えれば、蓄積時間ゼロに設定する。逆に、例えば、時間差t2だけTDIセンサ105の出力タイミングが光量センサ144の出力タイミングよりも遅い場合、光量センサ144からの情報を一時的に記憶する記憶装置142に時間差t2の期間だけ蓄積し、その後に出力するように設定する。他方、TDIセンサ105からの情報を一時的に記憶する記憶装置140に入力された情報を直ちに出力するように設定する。言い換えれば、蓄積時間ゼロに設定する。以上のように記憶装置140,142にそれぞれのバッファ時間が設定される。検査する際の撮像は、検査ストライプ毎に行われる。また、上述したように、XYθテーブル102の移動方向によってバッファ時間(時間差情報)が異なるため、検査ストライプ毎に上述した選択工程(S110)と時間差設定工程(S112)とが行われる。そして、検査が開始となる。
【0035】
XYθテーブル102は、制御計算機110の制御の下にテーブル制御回路114により駆動される。X方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X−Y−θ)モータの様な駆動系によって移動可能となっている。これらの、Xモータ、Yモータ、θモータは、例えばリニアモータやステップモータを用いることができる。そして、XYθテーブル102の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。また、XYθテーブル102上のフォトマスク101はオートローダ制御回路113により駆動されるオートローダ130から自動的に搬送され、検査終了後に自動的に排出されるものとなっている。また、拡大光学系104は、例えば圧電変換素子等によって駆動され、フォトダイオードアレイ105へと像の焦点が合わされる。
【0036】
XYθテーブル102の上方に配置されている上述した光源103からレーザ光を発生させる。そして、照明光学系170は、パターンが形成されたフォトマスク101にレーザ光を照明する。
【0037】
光量測定工程(S114)として、光量センサ144は、フォトマスク101に照明される前のレーザ光の光量を測定する。具体的には、フォトマスク101に照明される前のレーザ光はハーフミラー172によってその一部が分岐され、光量センサ144に入射される。そして、光量センサ144で入射光の光量が測定される。測定された光量データは、積分回路146に出力される。
【0038】
積分工程(S116)として、積分回路146は、TDIセンサ105において1段目の受光素子10が受光する時刻から最終段の受光素子10が受光する時刻までの蓄積時間分の光量を積分(累積加算)する。そして、かかる累積加算された累積光量は、バッファとなる記憶装置142に出力される。例えば、時間差t1だけ光量センサ144の出力タイミングがTDIセンサ105の出力タイミングよりも遅い場合、記憶装置142では、入力された累積時間データを直ちに補正回路180に出力する。逆に、例えば、時間差t2だけTDIセンサ105の出力タイミングが光量センサ144の出力タイミングよりも遅い場合、記憶装置142では、入力された累積時間データを時間差t2の期間だけ蓄積し、その後に補正回路180に出力する。
【0039】
TDI撮像工程(S118)として、TDIセンサ105は、フォトマスク101を透過或いは反射したレーザ光を受光して、パターンの光学画像を撮像する。図1の例では、透過型検査装置なので、TDIセンサ105は、フォトマスク101を透過したレーザ光を受光して、パターンの光学画像を撮像する。反射型検査装置の場合には、TDIセンサ105は、フォトマスク101を反射したレーザ光を受光して、パターンの光学画像を撮像すればよい。具体的には、照明によってフォトマスク101を透過した光は、拡大光学系104を介してTDIセンサ105に光学像として結像し、入射する。TDIセンサ105上に結像されたパターンの像は、TDIセンサ105によって光電変換され、更にセンサ回路106によってA/D(アナログデジタル)変換される。以上のようにして、光学画像取得部150は、被検査試料の検査ストライプ毎の光学画像データ(ストライプデータ)を取得する。そして、撮像された光学画像データは、バッファとなる記憶装置140に出力される。例えば、時間差t1だけ光量センサ144の出力タイミングがTDIセンサ105の出力タイミングよりも遅い場合、記憶装置140では、入力された光学画像データを時間差t2の期間だけ蓄積し、その後に補正回路180に出力する。逆に、例えば、時間差t2だけTDIセンサ105の出力タイミングが光量センサ144の出力タイミングよりも遅い場合、記憶装置140では、入力された光学画像データを直ちに補正回路180に出力する。
【0040】
以上のように、記憶装置140,142は、TDIセンサ105の出力タイミングと光量センサ144の出力タイミングとの時間差分の期間、TDIセンサ105により撮像された光学画像のデータと光量センサ144より測定された光量(累積光量)のデータとのうち、出力タイミングが早い方のデータを一時的に記憶し、その後出力する。一方、出力タイミングが遅い方のデータは入力後直ちに出力する。以上により、光学画像データと累積光量データとを出力タイミングが合った状態で補正回路180に入力させることができる。
【0041】
ここでは、出力タイミングが早い方のデータを時間差分の期間だけ記憶してから出力しているが、これに限るものではない。出力タイミングが早い方のデータを時間差分の期間からさらに時間t0だけ記憶してから出力してもよい。かかる場合には、出力タイミングが遅い方のデータも入力後直ちに出力するのではなく、時間差分の期間からさらに延ばした時間t0後に出力すればよい。
【0042】
階調補正工程(S120)として、補正回路148は、TDIセンサ105により撮像された光学画像の階調値をかかる時間差分ずらした時刻に光量センサ144から出力された光量値を用いて補正する。言い換えれば、補正回路148は、選択された時間差分ずらした時刻に光量センサ144から出力された光量値を用いてTDIセンサ105により撮像された光学画像の階調値を補正する。補正回路148は、補正部の一例である。具体的には、補正回路148は、例えば、累積加算された光量の逆数をTDIセンサ105から出力された光学画像の階調値に乗じることで、階調値を補正する。
【0043】
補正回路148で補正された各検査ストライプの測定データ(光学画像データ)は、検査ストライプ毎に、順に、位置回路107から出力されたXYθテーブル102上におけるフォトマスク101の位置を示すデータとともに比較回路108に出力される。測定データは、画素毎に例えば8ビットの符号なしデータであり、各画素の明るさの階調を例えば0〜255で表現している。これらの光源103、照明光学系170、拡大光学系104、TDIセンサ105、及びセンサ回路106によって高倍率の検査光学系が構成されている。
【0044】
展開回路111(参照画像作成部の一例)は、所定の領域毎に、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通して設計パターンデータを読み出し、読み出されたフォトマスク101の設計パターンデータを2値ないしは多値のイメージデータである設計画像データ(参照画像データ)に変換(展開処理)する。所定の領域は、比較対象となる光学画像に対応する画像の領域(エリア)とすればよい。
【0045】
設計パターンデータに定義されるパターンを構成する図形は長方形や三角形を基本図形としたもので、設計パターンデータには、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
【0046】
かかる図形データが展開回路111に入力されると、図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の画像データを展開する。そして、展開された画像データ(展開画像データ)は、回路内の図示しないパターンメモリ、或いは磁気ディスク装置109内に格納される。言い換えれば、設計パターンデータを読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできたマス目ごとに設計パターンにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データを図示しないパターンメモリ、或いは磁気ディスク装置109に出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/2(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、展開された画像データは、各画素に対して8ビットの占有率データで定義されたエリア単位の画像データとしてパターンメモリ、或いは磁気ディスク装置109に格納される。
【0047】
そして、参照回路112は、展開された画像データに対してデータ処理(画像処理)を行い、適切なフィルタ処理を施す。光学画像データ(測定データ)は、拡大光学系104の解像特性やTDIセンサ105のアパーチャ効果等によってフィルタが作用した状態、言い換えれば連続変化するアナログ状態にある。そのため、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータである展開画像データにも所定のモデルに沿ったフィルタ処理を施すことにより、測定データに合わせることができる。例えば、拡大或いは縮小処理をおこなうリサイズ処理、コーナー丸め処理、或いはぼかし処理といったフィルタ処理を施す。このようにして光学画像と比較する参照画像を作成する。所定の領域は、比較対象となる光学画像に対応する画像の領域(エリア)とすればよい。作成された参照画像データは比較回路108に出力される。
【0048】
比較工程(S122)として、比較回路108は、比較対照となる参照画像を入力し、階調値が補正された光学画像と参照画像とを画素単位で比較する。具体的には、以下のように動作する。比較回路108(比較部)内では、ストライプ毎の光学画像データを読み出し、光学画像データを参照データと同じサイズの領域の画像となるように光学画像データを切り出す。そして、比較回路108は、所定の判定条件で、対応する光学画像データと参照データとを位置合わせをおこなってから画素毎に比較する。かかる検査手法は、ダイーツーデータベース検査である。そして、比較結果が出力される。比較結果は、磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、フレキシブルディスク装置(FD)116、CRT117、パターンモニタ118、或いはプリンタ119より出力されればよい。
【0049】
或いは、同一の設計パターンで描画された複数のパターン領域(被検査領域)が形成されているフォトマスク101を用いて、ダイーツーダイ検査を行なっても良い。かかる場合、例えば2つのパターン領域を合わせた全体が図2で示した複数の検査ストライプに仮想分割される。そして、光学画像取得部150によって、検査ストライプ毎に光学画像データ(測定データ)が取得される。そのため、1つの検査ストライプの測定データには、2つのパターン領域の両方の画像が含まれている。そして、2つの領域の一方の画像を検査対象画像とし、他方を参照画像として、ダイーツーダイ検査を行なっても良い。
【0050】
以上のように、実施の形態1によれば、撮像された光学画像の階調値をTDIセンサ105の出力タイミングと光量センサ144の出力タイミングとの時間差分ずらした時刻に光量センサ144から出力された光量値で補正できる。よって、光量センサ出力の出力タイミングとTDIセンサ出力の出力タイミングのずれを解消できる。したがって、より高精度な検査ができる。
【0051】
図7は、別の光学画像取得手法を説明するための図である。図1等の構成では、スキャン幅Wの画素数を同時に入射するTDIセンサ105を用いているが、これに限るものではなく、図7に示すように、XYθテーブル102をX方向に定速度で送りながら、レーザ干渉計で一定ピッチの移動を検出した毎にY方向に図示していないレーザスキャン光学装置でレーザビームをY方向に走査し、透過光或いは反射光を検出して所定の大きさのエリア毎に二次元画像を取得する手法を用いても構わない。
【0052】
以上の説明において、「〜部」、「〜回路」或いは「〜工程」と記載したものは、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができる。或いは、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実施させても構わない。或いは、ファームウェアとの組合せでも構わない。また、プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、FD116、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録される。例えば、位置回路107、比較回路108、展開回路111、参照回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、バッファ制御回路145、積分回路146、補正回路148、測定回路180、時間差演算回路182、及び選択回路184等は、電気的回路で構成されていても良いし、制御計算機110によって処理することのできるソフトウェアとして実現してもよい。また電気的回路とソフトウェアの組み合わせで実現しても良い。
【0053】
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、実施の形態では、透過光を用いて透過型の光学系を用いているが、反射光あるいは、透過光と反射光を同時に用いる構成としてよい。
【0054】
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
【0055】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのパターン検査装置或いはパターン検査方法は、本発明の範囲に包含される。
【0056】
また、半導体製造用の光露光用マスクやEUV露光用マスクのブランクスにおける欠陥検査あるいはブランクスにおける欠陥検査方法についても、光量補正の効果が期待できるため、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0057】
10 受光素子
20,22 遮光部
100 パターン検査装置
101 フォトマスク
102 XYθテーブル
103 光源
104 拡大光学系
105 TDIセンサ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
112 設計画像作成回路
115 磁気テープ装置
120 バス
140,142 記憶装置
144 光量センサ
145 バッファ制御回路
146 積分回路
148 補正回路
150 光学画像取得部
160 制御回路
170 照明光学系
172 ハーフミラー
180 測定回路
182 時間差演算回路
184 選択回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を発生させる光源と、
パターンが形成された被検査試料に前記レーザ光を照明する照明光学系と、
前記光源と前記被検査試料との間に設けられ、光の一部を分岐して前記レーザ光の光量を測定する光量センサと、
前記被検査試料を透過或いは反射したレーザ光を受光して、前記パターンの光学画像を撮像する撮像センサと、
前記撮像センサの出力タイミングが前記光量センサの出力タイミングより早い場合に、前記撮像センサの出力タイミングと前記光量センサの出力タイミングとの時間差分の期間、前記撮像センサの出力データを一時的に記憶する第1の記憶装置と、
前記光量センサの出力タイミングが前記撮像センサの出力タイミングより早い場合に、前記撮像センサの出力タイミングと前記光量センサの出力タイミングとの時間差分の期間、前記光量センサの出力データを一時的に記憶する第2の記憶装置と、
前記撮像センサにより撮像された光学画像の階調値を前記時間差分ずらした時刻に前記光量センサから出力された光量値を用いて補正する補正部と、
比較対照となる参照画像を入力し、階調値が補正された光学画像と前記参照画像とを画素単位で比較する比較部と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。
【請求項2】
前記被検査試料を載置する移動可能なステージと、
前記ステージの移動方向と移動速度とのうち少なくとも一方の条件を可変にして得られた、前記撮像センサの出力タイミングと前記光量センサの出力タイミングとの複数の時間差を示す複数の時間差情報を記憶する第2の記憶装置と、
撮像する際の条件に応じて前記複数の時間差のうちの1つを選択する選択部と、
をさらに備え、
前記補正部は、選択された時間差分ずらした時刻に前記光量センサから出力された光量値を用いて前記撮像センサにより撮像された光学画像の階調値を補正することを特徴とする請求項1記載のパターン検査装置。
【請求項3】
前記撮像センサは、前記ステージの移動方向と移動速度とのうち少なくとも一方の条件を可変にして、条件毎に、前記パターンの光学画像を撮像し、
前記光量センサは、前記撮像センサが撮像する条件で、条件毎に、前記レーザ光の光量を測定し、
撮像された光学画像と測定された光量とを用いて、条件毎の前記時間差を演算する時間差演算部をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のパターン検査装置。
【請求項4】
光源からレーザ光を発生させる工程と、
パターンが形成された被検査試料に前記レーザ光を照明する工程と、
光量センサを用いて、前記被検査試料に照明される前の前記レーザ光の光量を測定する工程と、
撮像センサを用いて、前記被検査試料を透過或いは反射したレーザ光を受光して、前記パターンの光学画像を撮像する工程と、
前記撮像センサの出力タイミングと前記光量センサの出力タイミングとの時間差分の期間、前記撮像センサにより撮像された光学画像のデータと前記光量センサより測定された光量のデータとのうち、出力タイミングが早い方のデータを一時的に記憶装置に記憶する工程と、
撮像された光学画像の階調値を前記時間差分ずらした時刻に前記光量センサから出力された光量値を用いて補正する工程と、
比較対照となる参照画像を入力し、階調値が補正された光学画像と前記参照画像とを画素単位で比較する工程と、
を備えたことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項5】
前記被検査試料を載置する移動可能なステージの移動方向と移動速度とのうち少なくとも一方の条件を可変にして得られた、前記撮像センサの出力タイミングと前記光量センサの出力タイミングとの複数の時間差を示す複数の時間差情報を記憶する記憶装置から複数の時間差情報を読み出し、撮像する際の条件に応じて前記複数の時間差のうちの1つを選択する工程をさらに備え、
前記撮像センサにより撮像された光学画像の階調値は、選択された時間差分ずらした時刻に前記光量センサから出力された光量値を用いて補正されることを特徴とする請求項4記載のパターン検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−211834(P2012−211834A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77812(P2011−77812)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(504162958)株式会社ニューフレアテクノロジー (669)
【Fターム(参考)】