説明

パッシベーションを用いずにセンサデバイスを製造する方法並びにセンサデバイス

【課題】製造コストを低くしつつ、傷から保護されるセンサデバイスを提供すること、およびこのようなセンサデバイスを製造する方法を提供すること。
【解決手段】成形体と成形体上に被着されているピエゾ抵抗センサ層とを有しており、ピエゾ抵抗センサ層は少なくとも1つの金属並びに炭素または炭化水素を含んでおり、ピエゾ抵抗センサ層上で薄膜パッシベーション層およびコンタクト層が省かれる、センサデバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサデバイスの製造方法およびセンサデバイス、殊に薄膜高圧センサに関する。ここでこのセンサデバイスはセンサ層が層の終りの部分であり、従って、このセンサ層上にパッシベーション層を用いる必要がなく、有利にはセンサ層上にコンタクト層を用いる必要もない。殊に本願発明のセンサデバイスは、自動車産業において、車両内に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
従来技術の圧力センサ内ではしばしば、構成部分の表面での変形を測定するためにひずみゲージ(ひずみ測定ストリップ(DMS))が使用されてきた。ひずみゲージは、伸びる変形を検出するための測定装置である。ひずみゲージは、僅かな変形であっても自身の電気抵抗を変え、これはセンサ内の変形の尺度として用いられる。ひずみゲージは、構造化されたセンサ層または機能層に基づいている。この層は、厚膜技術または薄膜技術を用いて、絶縁性の伸張する基板または絶縁体が積層された伸張する基板上に被着されたものである。DMS技術の原理に基づく圧力センサは典型的に、空洞または中空体(凹入部)を有している。これは、ダイアフラム状の構造体によって閉じられている。圧力下にある媒体によって、このダイアフラムが変形すると、結果としてダイアフラム表面が伸張する。このダイアフラム表面は典型的に、DMSと同様の機能層で覆われている。ピエゾ抵抗効果によって、ダイアフラムの変形は機能層の電気抵抗を変化させる。このような4つのピエゾ抵抗をメアンダ状幾何学形状で、平型抵抗として構造化して、ホイートストンブリッジに従って相互に接続することが既知である。このような回路によって、ブリッジ抵抗は非常に正確に測定される。これは、安定した給電電圧を供給し、相応の測定点でオフセット電圧を検出することによって行われる。この関連における特徴的なパラメータはkファクターである。このファクターは、相対的な抵抗変化と機能層ないしは基板の伸張との比である。
【0003】
高圧センサは典型的に、高い剛性の鋼合金から製造されており、圧力測定領域において、可逆的に変形する金属ダイアフラムを有している基板をベースにしている。このような鋼ダイアフラムにセンシングエレメントが設けられる。このセンシングエレメントは例えば、金属薄膜を用いた圧力センサの場合には、PVD法(物理気相成長法)またはCVD法(化学気相成長法)によって析出され、フォトリソグラフィエッチング方法等の、マイクロエレクトロニクスから公知の方法によって構造化される。
【0004】
精度の高い高圧センサの場合に特に有利なセンサ層または機能層は典型的に、温度および圧力に関してできるだけ一定のkファクターを有している。このkファクターはさらに、寿命にわたって非常に高い安定性を有している。NiCrSiベースの抵抗は、この関連において特に優れているが、約2の領域における低いkファクターの値を有しており、ひいてはむしろホイートストンブリッジ回路の一層低いオフセット信号を有している。この機能層は潜在的に湿気侵入並びに機械的な傷の影響を受けやすいので、典型的に、窒化シリコンによるパッシベーションが行われる。機械的な保護機能が、酸化シリコンの層から形成されてもよい。
【0005】
薄膜技術に基づいている高圧センサは典型的に、次のような層構造を有している。この層構造は殊に、低いkファクターを備えた構造化されたピエゾ抵抗金属薄膜(これは例えば約2のkファクターを備えているNiCrSi)と、機械的損傷に対する保護層としてのパッシベーション層とから成る。パッシベーション薄膜が無い場合には、センサエレメントは、製造プロセス中に最大の注意をもって、傷から保護されなければならないだろう。しかし、このような注意のために特別な工具が使用され、センサエレメントに対して全自動の取り付けおよび操作ステーションが使用されるので、製造コストが格段に上昇してしまう。
【0006】
自動車産業では、高圧センサが殊に燃料システム、電子油圧式ブレーキおよびエレクトロニック・スタビリティ・プログラム(ESP)に対して使用されている。最大圧力は、ディーゼル燃料用コモンレールシステムの関連において生じ、これはシステムに応じて1500〜2200barの間であるが、部分的にはこれを越えることがある。自動車領域における安全に関する全てのアプリケーションに対しては、ppm領域における不良品発生率ですら許されない質が要求される。従って、センサエレメントの操作は、ピエゾ抵抗機能層に意図せずに接触すること無く行われなければならない。殊に機能層のメアンダ領域における傷および外部材料は自動車内への組み込み後にも高圧センサの故障を引き起こし得るので、特に回避されるべきである。
【0007】
文献から次のことが既知である。すなわち、10よりも大きいkファクターを有する択一的なピエゾ抵抗機能層が存在することが既知である。さらにNiを含有する炭化水素層が確認されている。これは、高いkファクターの他に、抵抗および感度の低い温度係数を有する。DE19954164A1号は、このような炭化水素層を開示している。Schultes等著の文献である、G. Schultes, P. Frey, D. Goettel, O. Freitag-Weber著「Diam. Rel. Mat. 15」(2206) 80-89) によると、このような層は特に有利には、アルゴンとエチレン/エタンの混合物をスパッタチャンバ内に供給することおよび、基板温度を約300℃まで高めることによってエネルギーを供給することによって製造される。これは、基板バイアス電圧または場合によってはできるだけ高いスパッタパワーを用いることによってサポートされる。
【0008】
さらに、硬質物質の層が耐摩擦特性を有する保護層として存在することが以前から知られている。これは有利には、いわゆるダイヤモンドライクカーボン(DLC)層の使用によって実現される。これらの層は摩滅防御を提供し、例えば機械的な操作または表面に接触することによって生じる傷を回避するために改良部として用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許出願公開第19954164号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】G. Schultes, P. Frey, D. Goettel, O. Freitag-Weber,「Diam. Rel. Mat.15」(2206) 80-89頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
製造コストを低くしつつ、傷から保護されるセンサデバイスを提供すること、およびこのようなセンサデバイスを製造する方法を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題は、成形体と当該成形体上に被着されているピエゾ抵抗センサ層とを有しており、当該ピエゾ抵抗センサ層は少なくとも1つの金属並びに炭素または炭化水素を含んでおり、前記ピエゾ抵抗センサ層上で薄膜パッシベーション層およびコンタクト層が省かれる、ことを特徴とするセンサデバイスによって解決される。また、上述の課題は、成形体を供給するステップと、少なくとも1つの金属並びに炭素または炭化水素を含むピエゾ抵抗センサ層を前記成形体の上に析出するステップとを有しており、ここで前記ピエゾ抵抗センサ層上で薄膜パッシベーション層およびコンタクト層を省き、さらに、前記センサデバイスのピエゾ抵抗センサ層を接触接続させるためにワイヤーボンディングするステップとを有している、ことを特徴とするセンサデバイスを製造する方法によって解決される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】薄膜パッシベーション層を有する、従来技術の高圧センサ
【図2】薄膜パッシベーション層とコンタクト層を有する、従来技術の高圧センサ
【図3】従来技術の高圧センサ内のセンサ層の構成
【図4】本発明によるセンサデバイスの実施例
【図5】接触接続を備えた本発明によるセンサデバイスの実施例
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明ではセンサデバイスが提案される。このセンサデバイスは成形体と、当該成形体上に被着されたピエゾ抵抗センサ層とを含んでいる。ピエゾ抵抗センサ層はここで少なくとも1つの金属並びに炭素および/または炭化水素を含んでおり、センサデバイスないしはセンサデバイスの層構造の終端部を成す。
【0015】
有利には、センサ層の材料の選択に基づいて、センサ層上の、終端部となる薄膜パッシベーション層を省くことができる。さらに有利には、センサ層との接触接続のための付加的なコンタクト層を省くことができる。
【0016】
センサデバイスは、40〜10000barの領域の圧力、殊に100〜3500barの圧力用の薄膜高圧センサであってよい。
【0017】
成形体は金属製の成形体であってよい。この成形体は、成形可能な金属ダイアフラムを備えた基板を含んでいる。ここでピエゾ抵抗センサ層とこの金属ダイアフラムとの間には絶縁層が被着されている。これによって成形体とセンサ層が相互に電気的に絶縁される。
【0018】
ピエゾ抵抗センサ層の材料を選択することによって有利には、kファクター5〜100、有利には10〜25を備えたセンサ層を使用することが可能になる。すなわちセンサ層は特に、変形に対して敏感であるように選択され、従って非常に小さい変形も検出する。
【0019】
ピエゾ抵抗センサ層は有利には金属クラスターを含有した炭素層を含んでおり、殊に無定形態炭素における金属クラスターまたはグラファイトマトリクス内に埋め込まれた金属クラスターを含んでいる。これらの構造によって、特に硬く、ピエゾ抵抗性のセンサ層を構成することができる。これは同時に、測定に及ぼす湿気の影響も最小化する。
【0020】
金属クラスターはNi,Au,Pt,Pd,Rh,W,Cr,Co並びにこれらの組み合わせから成る。
【0021】
ピエゾ抵抗センサ層は、少なくとも1つの金属および炭素/炭化水素から成り、30〜70at%の金属を有しており、有利には45〜55at%の金属を有しており、さらに有利には50〜55at%の金属を有している。この金属は殊に有利にはニッケルである。なぜなら、これはセンサ層の特性、例えばkファクターおよび抵抗、オフセットおよび感度の温度係数並びに寿命安定性に特に有利に影響を与えるからである。
【0022】
ピエゾ抵抗センサ層は、ひずみゲージから構成されており、有利にはホイートストンブリッジの形状で配置された4つのひずみゲージから構成される。
【0023】
さらに、センサデバイスを製造する方法を提案する。この方法は以下のステップを有している:金属製またはセラミック製の成形体を供給するステップ;
この金属製成形体の上に絶縁層を析出するステップ;
この絶縁層の上に、少なくとも1つの金属並びに炭素および/または炭化水素を含んでいるピエゾ抵抗センサ層を析出するステップ;
センサデバイスのこの層体系をこのピエゾ抵抗センサ層で終端させるステップ;
センサデバイスのこのセンサ層を接触接続させるためにワイヤーボンディングするステップを有している。
【0024】
ここで、ワイヤーボンディングの間、センサ層は直接的に、別のコンタクト層を用いずに接触接続される。すなわち本発明の方法では、薄膜パッシベーション層およびコンタクト層を省くことができる。これによって製造プロセスが格段に容易になり、製造コストが低減される。
【0025】
本発明は、金属ダイアフラムをベースにした高圧センサの低コストの層構造を実現する。これは、パッシベーション層および/またはコンタクト層を用いなくても、マイクロメカニカル技術によって製造されたセンサエレメントの電気的な較正と圧力センサ全体への完成との間の製造段階において、高い感度のメアンダ状構造体の機械的な傷に対して頑強である。
【0026】
提案したセンサエレメントの耐摩擦特性およびピエゾ抵抗特性の故に、センサエレメントは殊に傑出して、自動車産業領域における高い要求に適している。これは例えば車両の燃料システム、電子油圧式ブレーキおよびエレクトロニック・スタビリティ・プログラム(ESP)である。
【実施例】
【0027】
本発明を以下で、実施例に対応する図面に基づき、より詳細に説明する。
【0028】
以下で本発明を図面に基づき詳細に説明する。この実施例は単なる例であり、本願発明は、薄膜高圧センサに制限されない。
【0029】
図1は、従来技術の高圧センサエレメントの概略的な構造の横断面図である。ここで高圧センサエレメントは、金属ダイアフラム2をベースにしている。しかしセラミックダイアフラム2も使用可能である。この構造体は以下のように構成されている:参照番号1および2は成形体をあらわしている。これは有利には金属製の成形体である。これは有利にはモノリシックに構成されている。参照番号1は金属基板、有利には鋼基板である。この基板はダイアフラム2を含んでいる。このダイアフラムは、成形体の中空体を閉鎖している(凹入部を形成している)。図1では成形体1、2はブリッジ形状を有している。ここでダイアフラム2は元来の橋の部分である。金属ダイアフラム2の場合には、ダイアフラム2の上にまずは、電気的絶縁層3が設けられる。この絶縁層は、センサ層4(以降では機能層4とも称する)と基板1との間の導電性接続を阻止する。図1のパッシベーション層5は、湿気の侵入および、処理および製造ステップ時の意図しない機械的影響による機能層4の機械的な破壊ないしは機能層4の傷を阻止する。
【0030】
図2は、従来技術において機能層4がどのように接触接続されているのかを示している。制限するものではないが、有利には、4つのひずみゲージが、1つのホイートストンブリッジにまとめられている(図3も参照)。薄膜パッシベーション部分5によって、接触接続されていない機能層ないしはひずみゲージ4のみが覆われている。他の部分を接触接続するために、別の薄膜6、7が、コンタクトスタックの形状で、対応する機能層4上に被着される。まずは、例えばCrまたはAlまたはPdから成る付着層6が、対応する機能層4上に被着される。次にこの付着層6上に、Au,Al,NiまたはFeNi等から成るボンディング層7が続く。参照番号8、9はコンタクトをあらわす。このコンタクトはボンディングワイヤーから成る。これは殊に、例えばウェッジであるボンディングパッド8およびボンディングワイヤー9によって特徴付けされる。これらは有利にはAl,Au,Cuまたはこれらエレメントの組み合わせから成る。ここで接触接続は有利には、ダイアフラム2の領域外で行われる。接触接続されていない機能層4は、図1および2においては、薄膜パッシベーション部5で終わっている。図2における接触接続されている機能層4の層構造はボンディング層7で終わっている。このボンディング層7の上には、ボンディングワイヤー8、9が接触接続するように取り付けられている。
【0031】
図3は、従来技術の金属薄膜ベースのセンサエレメントの概略図である。センサ層ないし機能層4はここで、メアンダ状の構造で被着されており、接続されて1つのホイートストンブリッジを形成している。ここでこのホイートストンブリッジには例えばコンタクト点10’および10’’’’を介して電圧が供給される。ブリッジ出力電圧は、コンタクト点10’’と10’’’との間で形成され、加えられた媒体の圧力に依存する、センサエレメントの出力信号となる。軟らかいメアンダ構造の生じ得る損傷を傷11として示す。この傷は機能層4の特性を変え、センサエレメントを故障させる恐れがある。
【0032】
図4は、金属クラスターをベースとした機能層4を有する本発明のセンサエレメントを示している。この機能層は、硬い材料の層の特性と組み合わされた高いkファクターを特徴とし、別の薄膜ベースのパッシベーション層を有していない。
【0033】
驚くべきことに、金属クラスターをベースにした機能層4上に直接的に接触接続を形成することができる。これは例えば、適切なワイヤー、例えば125μmのアルミニウム製の太いワイヤーを使用して行われる。すなわち、コンタクト層6,7から成る積層体はもはや必要ではなく、直接的に機能層4と接触接続させることができる。これによってセンサエレメントの層構造が著しく容易になる。しかも、センサエレメントの表面の傷に関する付加的なリスクは生じない。すなわち本発明の機能層4は、センサエレメントの層構造終りの部分である。さらなる薄膜層または厚膜層は続かず、機能層4上のさらなる層は必要ではない。換言すれば、機能層4は、センサエレメントの層構造を末端に位置している。図5に示されているように、機能層4を接触接続するためのワイヤーボンディングプロセスのみが行われる。接触接続は、コンタクト層を用いずに、直接的に機能層4上に、ワイヤーによって行われる。このワイヤーは有利にはボンディングパッド8およびワイヤー9自体から成る。ワイヤー9およびボンディングパッドは有利にはAl,Au,Cuまたはこれらの組み合わせから成る。
【0034】
機能層の材料の硬質材料特性によって、不所望な傷および機械的な損傷の回避がサポートされ、ロバストな製造過程が実現される。
【0035】
有利には、金属ダイアフラム2の上に直接的に絶縁層3、主にSiOが設けられる。4つのひずみゲージ4は絶縁層3上に配置されている。
【0036】
これはホイートストンブリッジを形成する。このホイートストンブリッジは、個々のメアンダ4の抵抗変化に対して非常に敏感である。
【0037】
本願の中心部分は、従来技術の金属薄膜を交換することである。これは例えばNiCrSi機能層4であり、金属クラスターを含有するピエゾ抵抗層によって交換される。これは、k=5〜100、有利には10〜25の間の高い補強ファクター(Verstaerkungsfaktor)も、特別な耐摩擦特性も特徴として有している。
【0038】
金属クラスターを含有する炭素層は殊に、無定形態炭素内でのNiクラスターによって、並びにグラファイトマトリックス内に埋められたニッケルクラスターによって実現される。30〜70の間のアトミックパーセントの金属、有利にはニッケルと、70〜30のアトミックパーセントの炭素の層組成が適切なようである。この層組成は炭素の代わりに、炭化水素を含んでいてもよい。殊にこれは、45〜55at%の金属、有利にはニッケルを有しており、さらに有利には50〜55at%の金属の金属、有利にはニッケルを有している。なぜならこのようなやり方で、硬質材料特性とピエゾ抵抗特性とを備えた層が実現されるからである。これは、感度および電気抵抗の低い熱係数並びに十分な湿気防御を特徴とする。
【0039】
さらに、炭素内のPtクラスター並びにAu,Pd,Rh,W,Cr,Co等の別の金属クラスターの列、並びにこれらの組み合わせも適している。これらは組成、クラスター数およびクラスターサイズに関して異なっており、反応スパッタ方法によって生成される。
【0040】
本発明の高圧センサは、40〜10000barの領域、有利には100〜3500barの領域の圧力に適している。
【0041】
機能層4に対する上述した材料は本願ではじめて、硬質材料特性を使用して、ピエゾ抵抗機能特性と組み合わせてセンサエレメント内で使用される。ここでこれらの材料は、付加的に高いkファクターが付加され、製造時の顕著なコスト上の効果を奏する。薄膜パッシベーション部を完全に省くことができる。有利には、接触接続のためのコンタクト層も省くことができる。
【符号の説明】
【0042】
1 基板、 2 ダイアフラム、 3 電気的絶縁層、 4 センサ層、 5 パッシベーション層、 6 付着層、 7 ボンディング層、 8,9 コンタクト、 10 コンタクト点、 11 傷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサデバイスであって、当該センサデバイスは、
成形体(1、2)と;
当該成形体(1、2)上に被着されているピエゾ抵抗センサ層(4)とを有しており;
当該ピエゾ抵抗センサ層(4)は少なくとも1つの金属並びに炭素または炭化水素を含んでおり、前記ピエゾ抵抗センサ層(4)上で薄膜パッシベーション層およびコンタクト層が省かれる、
ことを特徴とするセンサデバイス。
【請求項2】
前記ピエゾ抵抗センサ層(4)は金属クラスターを含有した炭素層を含んでいる、請求項1記載のセンサデバイス。
【請求項3】
前記ピエゾ抵抗センサ層(4)は無定形態炭素における金属クラスターまたはグラファイトマトリクス内に埋め込まれた金属クラスターを含んでいる、請求項2記載のセンサデバイス。
【請求項4】
前記センサデバイスは、40〜10000barの領域の圧力用の薄膜高圧センサである、請求項1から3までのいずれか1項記載のセンサデバイス。
【請求項5】
前記センサデバイスは、100〜3500barの領域の圧力用の薄膜高圧センサである、請求項4記載のセンサデバイス。
【請求項6】
前記成形体は金属製の成形体であり、
成形可能な金属ダイアフラム(2)を備えている基板(1)を含んでおり、前記ピエゾ抵抗センサ層(4)と前記金属ダイアフラム(2)との間に絶縁層(3)が被着されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のセンサデバイス。
【請求項7】
前記ピエゾ抵抗センサ層(4)は5〜100のkファクターを有している、請求項1から6までのいずれか1項記載のセンサデバイス
【請求項8】
前記ピエゾ抵抗センサ層(4)は10〜25の間のkファクターを有している、請求項7記載のセンサデバイス。
【請求項9】
前記金属クラスターはNi,Au,Pt,Pd,Rh,W,Cr,Co並びにこれらの組み合わせから成る、請求項2または3記載のセンサデバイス。
【請求項10】
前記ピエゾ抵抗センサ層(4)は金属と炭素から成り、30〜70at%の金属を有している、請求項1から9までのいずれか1項記載のセンサデバイス。
【請求項11】
前記ピエゾ抵抗センサ層(4)はニッケルと炭素から成る、請求項10記載のセンサデバイス。
【請求項12】
前記ピエゾ抵抗センサ層(4)は45〜55at%の金属を有している、請求項10記載のセンサデバイス。
【請求項13】
前記ピエゾ抵抗センサ層(4)は50〜55at%の金属を有している、請求項12記載のセンサデバイス。
【請求項14】
前記ピエゾ抵抗センサ層(4)は複数のひずみゲージから構成されている、請求項1から13までのいずれか1項記載のセンサデバイス。
【請求項15】
前記ピエゾ抵抗センサ層(4)はホイートストンブリッジの形状に配置された4つのひずみゲージから構成されている、請求項14記載のセンサデバイス。
【請求項16】
センサデバイスを製造する方法であって、
該方法は以下のステップを有しており:すなわち、
成形体(1、2)を供給するステップと;
少なくとも1つの金属並びに炭素または炭化水素を含むピエゾ抵抗センサ層(4)を前記成形体(1,2)の上に析出するステップとを有しており、ここで前記ピエゾ抵抗センサ層(4)上で薄膜パッシベーション層およびコンタクト層を省き、
さらに、前記センサデバイスのピエゾ抵抗センサ層(4)を接触接続させるためにワイヤーボンディングするステップとを有している、
ことを特徴とするセンサデバイスを製造する方法。
【請求項17】
前記ワイヤーボンディングの間、前記ピエゾ抵抗センサ層(4)を直接的に、別のコンタクト層を用いずに接触接続する、請求項16記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−69823(P2011−69823A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212163(P2010−212163)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】