説明

ブリッジ駆動回路

【課題】 少なくとも2つのモータを、モータ毎に設けたブリッジ回路により駆動するための回路に於いて、一方のブリッジ回路の故障時に、他方のブリッジ回路により応急対策が可能なブリッジ駆動回路を提供する。
【解決手段】 ブリッジ回路の一方の各中間ノードを、ブリッジ回路の他方の中間ノードのそれぞれに対して緊急対策用スイッチング素子を介して接続する。故障の種類に応じて、緊急対策用スイッチング素子を選択的に導通させることにより、正常な側のブリッジ回路の一部を利用して、故障側のモータを駆動し、応急対策を行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つのモータを、モータ毎に設けたブリッジ回路により駆動するための回路に関し、特に、一方のブリッジ回路の故障時に、他方のブリッジ回路により応急対策が可能なブリッジ駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の、例えば2つのモータを個別に制御する場合には、モータ毎にブリッジ回路を設けていた。そのような場合、一方のブリッジ回路に付随する回路要素或いはワイヤハーネスの故障或いは断線が生じると、対応するモータの駆動が不可能となり、2つのモータを備えたシステムの通常の利用ができなくなる不都合があった。特に、故障側のモータが、システムの運用の障害となる位置で停止した場合には、システムが全く利用不能となり、著しい不便を引き起こすこととなる。特に、車両のリヤトー角制御システム等に於いては、リヤトー角駆動用のアクチュエータが故障し、後輪のトー角が特定の位置で停止したままであると、車両の正常な走行が困難となることから、別の手段により、リヤトー角を変更可能としたり、少なくとも、リヤトー角を中立位置に戻し、車両をサービス工場まで問題なく走行し得ることが望まれる。そこで、システムに冗長性を持たせることにより故障対策することも考えられるが、装置が大型化したり、コストが高騰するなどの問題がある。
【0003】
特許文献1、2には、モータ駆動用のブリッジ回路の故障検出回路が開示されているが、故障に対する対策は提案されていない。
【特許文献1】特開平6−233450号公報
【特許文献2】特開平10−20001号公報
【0004】
そこで、本発明者は、一方のブリッジ回路が故障した場合でも、他方のブリッジ回路が正常に機能し得ることから、他方のブリッジ回路を利用して、限られた範囲で一方のブリッジ回路の機能を代替させることが可能ではないかとの知見を得た。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来技術の問題点及び本発明者の知見に鑑み、本発明の主な目的は、少なくとも2つのモータを、モータ毎に設けたブリッジ回路により駆動するための回路に於いて、一方のブリッジ回路の故障時に、他方のブリッジ回路により応急対策が可能なブリッジ駆動回路を提供することにある。
【0006】
本発明の第2の目的は、装置の大型化或いはコストの高騰を伴うことなく、冗長性に基づく故障対策機能を備えたブリッジ駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、このような目的は、少なくとも2つのモータを正逆可能に駆動するために、駆動用スイッチング素子のブリッジ回路を、前記モータ毎に設けたブリッジ駆動回路であって、両ブリッジ回路のノード間に接続された緊急対策用スイッチング素子と、前記駆動用スイッチング素子の故障及び又は前記ブリッジ回路の電源側及び接地側ノードの状態を検出する故障センサと、前記故障センサの出力に応じて、前記緊急対策用スイッチング素子を選択的に導通する制御ユニットとを有することを特徴とするブリッジ駆動回路を提供することにより達成される。
【発明の効果】
【0008】
このように、故障の種類に応じて、緊急対策用スイッチング素子を選択的に導通させることにより、正常な側のブリッジ回路の一部を利用して、故障側のモータを駆動し、応急対策を行うことが可能となる。
【0009】
本発明の或る実施例に於いては、前記ブリッジ回路の一方の各中間ノードを、前記ブリッジ回路の他方の中間ノードのそれぞれに対して緊急対策用スイッチング素子を介して接続するものとした。一方のブリッジ回路のみでは、両方のモータを駆動する能力がない場合には、前記故障センサにより故障状態が検出されたとき、前記制御ユニットは、正常な側のモータの駆動を一時的に中断し、前記両ブリッジ回路のアームの一部及び導通させた緊急対策用スイッチング素子を介して、故障状態が検出された側のモータを駆動するようにすると良い。また、前記故障センサにより故障状態が検出されたとき、前記制御ユニットは、フェールセーフ動作を行うと良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0011】
以下、図面を参照して、後輪トー角可変制御装置に適用された本発明の一実施例について詳しく説明する。説明にあたり、車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤや電動アクチュエータ等については、それぞれ数字の符号に左右を示す添字LまたはRを付して、例えば、後輪5L(左)、後輪5R(右)と記すとともに、総称する場合には、例えば、後輪5と記す。
【0012】
図1は実施形態に係る後輪トー角可変制御装置10を適用した自動車Vの概略構成図である。自動車Vは、タイヤ2L,2Rが装着された前輪3L・3Rと、タイヤ4L,4Rが装着された後輪5L,5Rとを備えており、これら前輪3L,3Rおよび後輪5L,5Rが、左右のフロントサスペンション6L,6Rおよびリヤサスペンション7L,7Rによってそれぞれ車体1に懸架されている。
【0013】
また、自動車Vには、ステアリングホイール8の操舵により、ラックアンドピニオン機構を介して左右の前輪3L,3Rを直接転舵する前輪操舵装置9と、左右のリヤサスペンション7L,7Rに対して設けられた左右の電動アクチュエータ11L,11Rを伸縮駆動することにより、後輪5L,5Rのトー角を個別に変化させる後輪トー角可変制御装置10とが備わっている。
【0014】
自動車Vには、各種システムを統括制御するECU(Electronic Control Unit)12の他、車速センサ13や、操舵量センサ14、ヨーレイトセンサ15、横加速度センサ16の他、図示しない種々のセンサが設置されており、各センサの検出信号はECU12に入力して車両の制御に供される。なお、操舵量センサ14はステアリングホイール8の操舵量を検出しており、その検出値から前輪3の転舵角が算出される。
【0015】
ECU12は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線を介して各センサ13〜16等や、電動アクチュエータ11と接続されている。ECU12は、各センサ13〜16等の検出結果に基づいて後輪トー角を算出し、各電動アクチュエータ11L,11Rの変位量を決定した上で後輪5のトー角制御を行う。
【0016】
各電動アクチュエータ11L,11Rには、出力ロッドのストローク位置を検出するストロークセンサ17L,17R(トー角センサ)がそれぞれ設置されている。ストロークセンサ17L,17Rの信号がECU12に入力することで、電動アクチュエータ11L,11Rのフィードバック制御が行われる。これにより、各電動アクチュエータ11L,11Rは、ECU12によって決定された所定量だけ伸縮動し、後輪5L,5Rのトー角を正確に変化させる。
【0017】
このように構成された自動車Vによれば、左右の電動アクチュエータ11L,11Rを同時に対称的に変位させることにより、両後輪5L,5Rのトーイン/トーアウトを適宜な条件の下に自由に制御することができる他、左右の電動アクチュエータ11L,11Rの一方を伸ばして他方を縮めれば、両後輪5L,5Rを左右に転舵することも可能である。例えば、自動車Vは、各種センサによって把握される車両の運動状態に基づき、加速時に後輪5をトーアウトに、制動時に後輪5をトーインに変化させ、高速旋回走行時に後輪5を前輪舵角と同相に、低速旋回走行時に後輪5を前輪舵角と逆相にトー角制御(転舵)して、操縦性を高めるべく後輪トー角制御を行う。
【0018】
次に、後輪トー角可変制御装置の具体的構成について図2および図3を参照して説明する。図2は左側リヤサスペンション7Lの斜視図であり、図3は左側リヤサスペンション7Lの背面図である。ダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンション7は、後輪5を回転自在に支持するナックル21と、ナックル21を上下動可能に車体1に連結するアッパアーム22およびロアアーム23と、後輪5のトー角を変化させるべくナックル21と車体1とに連結された電動アクチュエータ11と、後輪5の上下動を緩衝する懸架スプリング付きダンパ24等で構成されている。
【0019】
アッパアーム22およびロアアーム23は、基端がそれぞれゴムブッシュジョイント25,26を介して車体1に連結され、先端がそれぞれボールジョイント27,28を介してナックル21の上部および下部に連結されている。電動アクチュエータ11は、基端がゴムブッシュジョイント29を介して車体1に連結され、先端がゴムブッシュジョイント30を介してナックル21の後部に連結されている。懸架スプリング付きダンパ24は、上端が車体1に固定され、下端がゴムブッシュジョイント31を介してナックル21の上部に連結されている。
【0020】
このような構成を採ることにより、電動アクチュエータ11Lが伸長駆動されると、ナックル21の後部が車幅方向外側に回動することにより、後輪5Lのトー角は車両進行方向に対して内向き(トーイン側)に変化し、電動アクチュエータ11Lが収縮駆動されると、ナックル21の後部が車幅方向内側に回動することにより、後輪5Lのトー角は車両進行方向に対して外向き(トーアウト側)に変化する。
【0021】
次に、図4を参照して電動アクチュエータ11およびストロークセンサ17について説明する。図4は電動アクチュエータ11の縦断面図である。電動アクチュエータ11は、車体1側のゴムブッシュジョイント29が形成された第1ハウジング32a、および複数のボルト33で第1ハウジング32aに締結された第2ハウジング32bからなるハウジング32と、第2ハウジング32bに伸縮自在に支持され、ナックル21側のゴムブッシュジョイント30が形成された出力ロッド35とを備えている。第1ハウジング32aの内部には駆動源であるブラシ付きのDCモータ41が収容され、ボルト36で第1ハウジング32aに締結されている。第2ハウジング32bの内部には遊星歯車式の減速機51と、弾性を有するカップリング56と、台形ねじを用いた送りねじ機構61とが収容されている。DCモータ41が駆動されると、回転軸42の回転が減速機51によって減速され、送りねじ機構61によって直線運動に変換されて出力ロッド35が直線駆動される。
【0022】
第2ハウジング32bの外周面に設けられたストロークセンサ17は、出力ロッド35の外周面に取り付けられたボルト66によって出力ロッド35に固着されたマグネット71と、センサハウジング72内に収容された差動変圧器73とから構成されている。差動変圧器73は、出力ロッド35の直線駆動方向と平行に延在するようにマグネット71に近接して配置され、両端が第2ハウジング32bに固着されている。差動変圧器73には、図示しない1次コイルと、1次コイルの軸方向両端に近接する同一巻き数の2つの2次コイルとが巻装されており、マグネット71が1次コイルの長手方向に移動した際に生じる差動電圧を検出することにより、出力ロッド35の伸縮ストロークが求められる。
【0023】
図5は、上記した電動アクチュエータに用いられるモータを駆動するための駆動回路を示す。左後輪用のアクチュエータの駆動回路は、駆動用スイッチング素子L1からL4を4本のアームとするブリッジ回路を含み、電源からの電源線P1は、電流計Aを介して、このブリッジ回路の電源側ノードに接続され、ブリッジ回路の、電源側ノードに相反する接地側ノードは、接地線P3を介して接地されている。モータMは、ブリッジ回路の両中間ノード間に接続されている。同様に、右後輪用のアクチュエータの駆動回路は、駆動用スイッチング素子R1からR4を4本のアームとするブリッジ回路を含み、電源からの電源線P2は、電流計Aを介して、このブリッジ回路の電源側ノードに接続され、ブリッジ回路の、電源側ノードに相反する接地側ノードは、接地線P4を介して接地されている。モータMは、ブリッジ回路の両中間ノード間に接続されている。これらの駆動用スイッチング素子L1からL4、任意のスイッチング素子からなるものであって良いが、例えばパワーMOSFETからなるものであって良い。
【0024】
更に、左側のブリッジの2つの中間ノードは、それぞれ緊急対策用スイッチング素子S3及びS4を介して右側のブリッジの一方の中間ノードに接続され、また、それぞれ緊急対策用スイッチング素子S1及びS2を介して、右側ブリッジの他方の中間ノードに接続されている。これらの緊急対策用スイッチング素子は、任意のスイッチング素子からなるものであって良いが、例えばリレーからなるものであって良い。しかしながら、適切なバイアス電源を加えることにより他の電子的スイッチング素子を用いることも可能である。これらの緊急対策用スイッチング素子S1からS4の制御入力は、制御ユニットに接続されている。制御ユニットは、少なくとも駆動用スイッチング素子のオープン故障、電源線或いは接地線の断線等を検出し得る故障センサに接続されている。このような回路によれば、様々な故障に対して、スイッチング素子S1からS4を選択的に導通させることにより両ブリッジ回路に於ける故障に対応することができる。
【0025】
例えば、図6に示されるように、駆動用スイッチング素子L1が断線(オープン故障)した場合、制御ユニットは緊急対策用スイッチング素子S3を導通させる。その結果、右側のブリッジ回路の電源から、電源線P2、駆動用スイッチング素子R1及び緊急対策用スイッチング素子S3を介してモータMの一端に至り、更にモータの他端から駆動用スイッチング素子L4を経て接地線P3に至る経路が確立され、駆動用スイッチング素子L1の断線にも関わらず左側のモータを駆動することができる。このとき、2つのモータを駆動するために、一方の電源のみから電流の供給を受けるため、2つのモータを同時に駆動することが出来ない場合には、時間差を設け、適切な優先順位を持って両方のモータを順次駆動させるようにすると良い。
【0026】
次に、図7に示されるように、駆動用スイッチング素子L2が断線した場合、制御ユニットは緊急対策用スイッチング素子S1を導通させる。その結果、右側のブリッジ回路の電源から、電源線P2、駆動用スイッチング素子R2及び緊急対策用スイッチング素子S1を介してモータMの一端に至り、更にモータの他端から駆動用スイッチング素子L3を経て接地線P3に至る経路が確立され、駆動用スイッチング素子L2の断線にも関わらず左側のモータを駆動することができる。同様に、図8に示されるように、駆動用スイッチング素子L3が断線した場合、制御ユニットは緊急対策用スイッチング素子S3を導通させる。その結果、左側のブリッジ回路の電源から、電源線P1及び駆動用スイッチング素子L2を介してモータMの一端に至り、更にモータの他端から、緊急対策用スイッチング素子S3及び駆動用スイッチング素子R3を経て接地線P4に至る経路が確立され、駆動用スイッチング素子L3の断線にも関わらず左側のモータを駆動することができる。更に、図9に示されるように、駆動用スイッチング素子L4が断線した場合、制御ユニットは緊急対策用スイッチング素子S1を導通させる。その結果、左側のブリッジ回路の電源から、電源線P1及び駆動用スイッチング素子L1を介してモータMの一端に至り、更にモータの他端から、緊急対策用スイッチング素子S1及び駆動用スイッチング素子R4を経て接地線P4に至る経路が確立され、駆動用スイッチング素子L4の断線にも関わらず左側のモータを駆動することができる。
【0027】
また、図10に示されるように、電源線P1が断線した場合、制御ユニットは緊急対策用スイッチング素子S3を導通させる。その結果、右側のブリッジ回路の電源から、電源線P2、駆動用スイッチング素子R1及び緊急対策用スイッチング素子S3を介してモータMの一端に至り、更にモータの他端から駆動用スイッチング素子L4を経て接地線P3に至る経路が確立され、電源線P1の断線にも関わらず左側のモータを駆動することができる。同様に、図11に示されるように、接地線P3が断線した場合、制御ユニットは緊急対策用スイッチング素子S4を導通させる。その結果、左側のブリッジ回路の電源から、電源線P1及び駆動用スイッチング素子L1を介してモータMの一端に至り、更にモータの他端から、緊急対策用スイッチング素子S4及び駆動用スイッチング素子R3を経て接地線P4に至る経路が確立され、接地線P3の断線にも関わらず左側のモータを駆動することができる。
【0028】
駆動用スイッチング素子R1からR4、電源線P2或いは接地線P4の断線故障についても、上記と同様の対応が可能である。このような故障の種類に応じた対応のパターンが以下の表1に示す。
【0029】

表1 故障の種類に応じてONされるSW素子

故障 L正転 L逆転 R正転 R逆転
L1オープン R1,S3,L4 正常 正常 正常
L2オープン 正常 R2,S1,L3 正常 正常
L3オープン 正常 L2,S3,R3 正常 正常
L4オープン L1,S1,R4 正常 正常 正常
R1オープン 正常 正常 L1,S3,R4 正常
R2オープン 正常 正常 正常 L2,S1,R3
R3オープン 正常 正常 正常 R2,S1,L3
R4オープン 正常 正常 R1,S1,L4 正常
P1断線 R1,S3,L4 R2,S1,L3 正常 正常
P2断線 正常 正常 L1,S3,R4 L2,S1,R3
P3断線 L1,S4,R3 L2,S3,R3 正常 正常
P4断線 正常 正常 R1,S1,L4 R2,S1,L4
【0030】
図12は、本回路を作動させるときの時間的な履歴を示すものである。例えば、A点に至るまで両アクチュエータが正常に作動していたところ、時刻Aに於いて右側のブリッジ回路のいずれかが故障した場合、右側のモータをそのままに保持し、その間に左側のモータを徐々に復帰させる。時刻Bに於いて左側のモータが0点に復帰した地点で、上記したようなスイッチング素子を適宜作動させることにより右側のモータを0点に復帰させる。このようにして、左右のトー角が不揃いとなって、車両に対して異常な走行抵抗を及ぼしたり、走行安定性を阻害するような状態を直ちにあるいは短時間のうちに解消することができ、トー角制御装置の信頼性を向上させることができる。
【0031】
以上本発明の特定の実施例について説明したが、本発明は上記に限定されない。例えば、特定の駆動用スイッチング素子が断線(オープン故障)した場合、上記実施例の場合とは異なる正常な側の駆動用スイッチング素子及び緊急対策用スイッチング素子を導通させることにより対応することも可能である。また、いずれかのアクチュエータが故障したときに、両トー角を0点に復帰させる代わりに、両アクチュエータを例えば交互に駆動することにより、多少の応答遅れを伴うものの、正常な状態に近い状態で作動させることもできる。また、この駆動回路の用途はトー角アクチュエータに限らず、少なくとも2つのモータ側を、モータごとに設けたブリッジ回路により駆動する場合に適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明が適用された自動車の後輪トー角可変制御装置を示す概略構成図である。
【図2】左側リヤサスペンションの斜視図である。
【図3】左側リヤサスペンションの背面図である。
【図4】電動アクチュエータの縦断面図である。
【図5】電動アクチュエータ用モータの駆動回路図である。
【図6】スイッチング素子が断線した場合の駆動回路における通電状況図である。
【図7】他のスイッチング素子が断線した場合の駆動回路における通電状況図である。
【図8】他のスイッチング素子が断線した場合の駆動回路における通電状況図である。
【図9】他のスイッチング素子が断線した場合の駆動回路における通電状況図である。
【図10】電源線が断線した場合の駆動回路における通電状況図である。
【図11】接地線が断線した場合の駆動回路における通電状況図である。
【図12】緊急対策時の左右トー角変位の履歴の一例を示すダイヤグラム図である。
【符号の説明】
【0033】
L1〜L4、R1〜R4 駆動用スイッチング素子
S1〜S4 緊急対策用スイッチング素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのモータを正逆可能に駆動するために、駆動用スイッチング素子のブリッジ回路を、前記モータ毎に設けたブリッジ駆動回路であって、
両ブリッジ回路のノード間に接続された緊急対策用スイッチング素子と、
前記駆動用スイッチング素子の故障及び又は前記ブリッジ回路の電源側及び接地側ノードの状態を検出する故障センサと、
前記故障センサの出力に応じて、前記緊急対策用スイッチング素子を選択的に導通する制御ユニットとを有することを特徴とするブリッジ駆動回路。
【請求項2】
前記ブリッジ回路の一方の各中間ノードを、前記ブリッジ回路の他方の中間ノードのそれぞれに対して緊急対策用スイッチング素子を介して接続したことを特徴とする請求項1に記載のブリッジ駆動回路。
【請求項3】
前記故障センサにより故障状態が検出されたとき、前記制御ユニットは、正常な側のモータの駆動を一時的に中断し、前記両ブリッジ回路のアームの一部及び導通させた緊急対策用スイッチング素子を介して、故障状態が検出された側のモータを駆動することを特徴とする請求項1若しくは2に記載のブリッジ駆動回路。
【請求項4】
前記故障センサにより故障状態が検出されたとき、前記制御ユニットは、フェールセーフ動作を行うことを特徴とする請求項3に記載のブリッジ駆動回路。
【請求項5】
前記モータが、車両用トー角駆動装置用のモータからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のブリッジ駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−219223(P2009−219223A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59040(P2008−59040)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】