説明

メラノコルチンレセプターの調節因子

本発明は、メラノコルチンレセプター関連障害(例えば、癌および他の慢性疾患に起因する悪液質を含む体重減少障害)を処置するための化合物および方法を提供する。この化合物は、式Iによって表され:ここでXは、酸素または硫黄であり;Gは、G1またはG2であり:L、L、LおよびQは、リンカー基であり、そしてA環、B環およびC環、ならびにR〜R14は、明細書中に記載される。この化合物は、メラノコルチンレセプターのアンタゴニストである。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、メラノコルチンレセプター、特にメラノコルチン−4−レセプター、MC4−Rの調節因子である化合物に関する。本発明はまた、この化合物を含む薬学的組成物、およびこの組成物を種々のMC4−Rに関連する障害(例えば、不随意性の体重減少)の処置および予防に利用する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
メラノコルチン(プロオピオメラノコルチン(POMC)の翻訳後プロセシングから生じるペプチド産物)は、多岐にわたる生理学的活性(行動、学習、記憶、心血管系の制御、痛覚脱失、体温調節、ならびにプロラクチン、黄体形成(luetinizing)ホルモンおよび生体アミンを含む神経液剤の放出への影響が挙げられる)を有することが公知である(De Weidら、Methods Achiev.Exp.Pathol.(1991)15:167−199;De Weidら、Physio.Rev.(1982)62:977−1059;Gruber、K.A.ら、Am.J.Physio.(1989)257:R681−R694;Murphyら、Science(1980)210:1247−1249;Murphyら、Science(1983)221:192−193;Ellerkmann、E.ら、Endocrinol.(1992)130:133−138;Versteeg、D.H.G.ら、Life Sci.(1986)835−840)。天然メラノコルチンとしては、種々の型のメラニン細胞刺激ホルモン(α−MSH、P−MSH、y−MSH)およびACTHが挙げられる。これらのうち、α−MSHおよびACTHは、主な内因性メラノコルチンであると考えられる。メラノコルチンの生理学的作用は、メラノコルチンレセプター(MC−R)を通じて媒介される。メラノコルチンレセプターは、7種の膜貫通Gタンパク質結合レセプターのサブファミリーである。5種の異なるレセプターサブタイプ(MC1−R〜MC5−R)がこれまでに同定されている。他のレセプターファミリーのメンバーが種々の末梢組織で発現される一方、MC3−RおよびMC4−Rは、主にCNSおよび脳に局在する。
【0003】
メラノコルチン−4レセプター(MC4−R)は、種々の生理学的機能(視覚および感覚情報の流れを調節すること、感覚運動制御の局面を調整すること、および/または心臓の自律神経性流出の調節に関与することが挙げられる)に関与し得るメラノコルチンレセプタサブタイプとして同定される。K.G.Mountloyら、Science、257.1248−125(1992)。注目すべきことには、遺伝子ターゲティングによるこのレセプターの不活性化は、マウスにおいて、過食、高インスリン血症および高グリシン血症に関連する成人発症型肥満症候群を発症するという結果をもたらした。D.Huszarら、Cell、88:131−41(1997)。さらなる研究は、代謝調節におけるMC4−Rの役割をさらに支持している(MC4−Rは、脳全体、主には視床下部の満腹制御領域に位置する;満腹およびエネルギーホメオスタシスは、MC4−Rによって調節されることが示された;そしてMC4−Rの作動(agonism)は、食物摂取を減少させて、体重減少をもたらす:Pritchard、LEら、Endocrin 172:411−412(2002);Cummings、DE、およびSchwartz、MW Nature Genetics 26:8−9(2000);ならびにHarrold、JAら、Diabetes 48:267−271(1999))。体重調節における役割についてのなおさらなる支持は、MC4−Rの拮抗(antagonism)が、食物摂取の増加および体重増加をもたらし、そしてMC4−Rノックアウトマウスが腫瘍増殖によって誘導される悪液質に抵抗するということを示す最近の研究で提供される(Wisse、BEら、Endocrinology 142:3292−3301(2001);およびMarks、DLら、Cancer research 61:1432−1438(2001))。
【0004】
MC4−Rはまた、さらなる疾患状態(心血管性障害、ニューロンの傷害または障害、炎症、発熱、勃起障害、および性行動傷害が挙げられる)に関与するプロセスに関係すると見なされる。M.E.Hadley、およびC.Haskell−Luevano、Ann.N.Y.Acad.Sci.、885:1(1999);Vrinten DHら、JNeurosci、20:8131−7(2000);Dunbar JCおよびLu H、peptides、21:211−7(2000);Huang QHら、Am J Physiol 276:R864−71(1999);ならびにVan der Ploeg LHら、Proc Natl Acad Sci USA 99:11381−6(2002)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の説明)
本発明は、メラノコルチンレセプターおよびメラノコルチンレセプターに関連する障害の調節のための化合物および方法を提供する。本発明の一実施形態は、MC4−Rレセプターの調節のために有用な化合物および方法を包含し、MC4−Rに関連する障害(例えば、悪液質、ならびに癌、HIV、老年および拒食症から生じる他の体重減少性障害)の処置を含む。
【0006】
MC4−Rレセプターを含むメラノコルチンレセプターの調節因子である化合物は、式I:
【0007】
【化32】

、またはその薬学的に受容可能な塩で表される。ここで:
Xは、酸素または硫黄であり;
Gは、G1、G2またはG3:
【0008】
【化33】

であり、G1の環Cは、2個もしくは3個の環窒素を有する、必要に応じて置換された5員〜6員の芳香族環または非芳香族環であり;
は、必要に応じて1〜3個のRによって置換されたC1〜6アルキリデン鎖であって、このアルキリデン鎖は、必要に応じて以下:
【0009】
【化34】

によって中断され、ここで、Lまたはその一部は、必要に応じて3員〜7員の環の一部を形成し;
は、必要に応じて1〜3個のRによって置換されたC2〜6アルキリデン鎖であって、このアルキリデン鎖は、必要に応じて以下:
【0010】
【化35】

によって中断され、ここで、Lまたはその一部は、必要に応じて3員〜7員の環の一部を形成し;
は、直接的結合(必要に応じて1〜3個のRによって置換されたC1〜6アルキリデン鎖)であって、このアルキリデン鎖は、必要に応じて以下:
【0011】
【化36】

によって中断され、ここで、Lまたはその一部は、必要に応じて3員〜7員の環の一部を形成し;
は水素であるかまたはC1−6脂肪族であり;
各Rは、水素、C1〜8脂肪族、C6〜10アリール、C7〜10アラルキルより独立に選択され、または環Cが6員の芳香族環である場合、Rは、単独の電子対であり;
は、水素、C1〜8脂肪族、C6〜10アリール、C7〜10アラルキルであり;
は、水素、C1〜8脂肪族、C=O(C1〜8脂肪族)、CO(C1〜8脂肪族)、C(=O)N(R10)(C1〜7脂肪族)、C6〜10アリール、ヘテロアリール、C7〜12アラルキル、ヘテロアラルキルであり;
は、水素またはC1〜8脂肪族であるか、またはRおよびRは、それらの介在窒素と一緒になって、置換されたかもしくは非置換の、芳香族もしくは非芳香族の、前述の介在窒素に加えて窒素、硫黄もしくは酸素から選択される0〜4個の環ヘテロ原子を有する、4員〜14員の単環式環、二環式環もしくは三環式環を形成し;
環Aは、0〜2個の環窒素原子を有する5員のヘテロアリール環または6員の芳香族環であり、ここで、QおよびC(=X)N(R)−Gは、環Aのオルト位に結合され、ここで環Aは、必要に応じて1〜3個のRによって置換され;
環Bは、0〜2個の環窒素原子を有する6員の芳香族環であって、環Bは、必要に応じて1以上のRによって置換され;
Qは、1〜3個のRによって必要に応じて置換されたC〜Cアルキリデン鎖であって、ここで、このアルキリデン鎖のメチレン単位は、必要に応じて−S−、−S(O)−、−SO−、−N(R)−、−O−、−C(O)−、もしくは−C(S)−によって置換され;
各Rは、ハロ、−OR、−CN、−C1〜6脂肪族、−N(R10、−C=O(C1〜5脂肪族)、−CO、−CHCO、または−C(=O)N(R10)(C1〜5脂肪族)より独立に選択され;
各Rは、−ハロ、−NO、−CN、または−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、
【0012】
【化37】

より選択される、置換されたかまたは非置換の基より独立に選択されるか、あるいは2つの隣接するRは、その介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択される0〜2個の環ヘテロ原子を有する5員〜6員の不飽和環かまたは部分的に不飽和の環を形成し;
各Rは、−ハロ、−NO、−CN、または−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、
【0013】
【化38】

より選択される、置換されたかまたは非置換の基より独立に選択されるか、あるいは2つの隣接するRは、その介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択される0〜2個の環ヘテロ原子を有する5員〜6員の不飽和環かまたは部分的に不飽和の環を形成し;
各Rは、ハロ、OR、CN、C1〜6脂肪族、N(R10、C=O(C1〜5脂肪族)、CO2(C1〜5脂肪族)、もしくはC(=O)N(R10)(C1〜5脂肪族)より独立に選択されるか、またはRおよびRは、Qに対してオルト位で、その介在原子と一緒になって、N、OもしくはSから選択される0〜2個の環ヘテロ原子を有する5員〜7員の不飽和環かまたは部分的に不飽和の環を形成し;
各R10は、水素、置換されたかもしくは非置換のC1〜8脂肪族基、C(=O)R、CO、SOより独立に選択されるか、または同じ窒素上の2つのR10は、その窒素と一緒になって、その窒素に加えてN、OもしくはSから選択される0〜2個の環ヘテロ原子を有する5員〜8員の芳香族環かまたは非芳香族環を形成し;
各R11は、水素、CO12、CON(R12、OR12、または置換されたかもしくは非置換のC1〜8脂肪族基より独立に選択され;
各R12は、置換されたかまたは非置換のC1〜8脂肪族基より独立に選択され;そして
14は、水素、C1〜8脂肪族、C6〜10アリール、ヘテロアリール、C7〜12アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、またはRおよびR14は、その介在窒素と一緒になって、この介在窒素に加えて窒素、硫黄もしくは酸素から選択される0〜4個の環ヘテロ原子を有する、置換されたかもしくは非置換の、芳香族かもしくは非芳香族の、4員〜14員の単環式、二環式、もしくは三環式環系を形成する。好ましくは、R14は、環窒素およびN、OもしくはSから選択される0〜1個のさらなる環ヘテロ原子を有する、5員〜6員のヘテロ環式環である。別の実施形態において、G3のRおよびR14は、必要に応じて環を形成する。
【0014】
本明細書中で使用される場合、用語「脂肪族」とは、完全に飽和しているかまたは一以上の不飽和単位を含むが、芳香族でない、直鎖、分枝状または環状のC〜C12炭化水素を意味する。例えば、好適な脂肪族基としては、置換されたかまたは非置換の、直鎖、分枝状または環状アルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびそれらのハイブリッド(例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルもしくは(シクロアルキル)アルケニル)が挙げられる。単独ならびにより大きな分子の一部として使用される用語「アルキル」、「アルコキシ」、「ヒドロキシアルキル」、「アルコキシアルキル」、および「アルコキシカルボニル」としては、1〜12個の炭素を含む直鎖および分枝した鎖の両方が挙げられる。単独ならびにより大きな分子の一部として使用される用語「アルケニル」および「アルキニル」としては、2〜12個の炭素を含む直鎖および分枝した鎖の両方が挙げられる。単独ならびにより大きな分子の一部として使用される用語「シクロアルキル」としては、完全に飽和しているかまたは一以上の不飽和単位を含むが、芳香族でない、環状C〜C12炭化水素が挙げられる。用語「アルコキシ」とは、−O−アルキルラジカルを指す。
【0015】
用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」および「ハロアルコキシ」とは、場合に応じて一以上のハロゲン原子で置換された、アルキル、アルケニルまたはアルコキシを意味する。用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、F、Cl、Br、またはIを意味する。
【0016】
用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素または硫黄を意味し、そして窒素および硫黄の任意の酸化された形態、ならびに任意の塩基性窒素の四級化(quaternize)形態を含む。また用語「窒素」は、複素環式環の置換可能な窒素を含む。例として、酸素、硫黄もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和されたかまたは部分的に飽和された環において、窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリル)、NH(ピロリジニルにおける場合)またはNR+(N−置換ピロリジニルにおける場合)であり得る。
【0017】
本明細書中で使用される場合、用語「炭素環」、「カルボシクリル」、「カルボシクロ」、または「炭素環式」とは、3員〜14員を有する脂肪族環系を意味する。用語「炭素環」、「カルボシクリル」、「カルボシクロ」、または「炭素環式」はまた、飽和であろうと部分的飽和であろうと、必要に応じて置換された環を指す。用語「炭素環」、「カルボシクリル」、「カルボシクロ」、または「炭素環式」はまた、一以上の芳香族環または非芳香族環に(例えば、デカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチルにおけるように)縮合された脂肪族環を含む。ここで、そのラジカルまたは結合点は、この脂肪族環上にある。
【0018】
単独、およびより大きな分子の一部として、「アラルキル」、「アラルコキシ」または「アリールオキシアルキル」のように使用される用語「アリール」とは、5員〜15員を有する単環、二環、または三環式の芳香族炭化水素環系(例えば、フェニル、ベンジル、フェネチル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラシル、および2−アントラシル)を指す。用語「アリール」はまた、必要に応じて置換された環を指す。用語「アリール」は、用語「アリール環」と交換可能に使用され得る。「アリール」はまた、一以上の環に芳香族が縮合された、縮合多環式芳香族環系を含む。例としては、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラシル、および2−アントラシルが挙げられる。本明細書中で使用される場合、用語「アリール」の範囲にまた含まれるのは、芳香族環が一以上の非芳香族環に縮合される基(例えば、インダニル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロナフチル)である。ここで、そのラジカルまたは結合点は、この芳香族環上にある。用語「アラルキル」とは、アリールによって置換されるアルキル基を指す。アラルキル基の例としては、ベンジルおよびフェネチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、または「複素環式」は、他に示されない限り、5員〜14員、好ましくは5員〜10員を有する、一以上、好ましくは1〜4個の環炭素がヘテロ原子(例えば、N、OもしくはS)によって各々置換された非芳香族環系を含む。複素環式環の例としては、3−1H−ベンズイミダゾール−2−オン、(1−置換)−2−オキソ−ベンズイミダゾール−3−イル、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル、[1,3]−ジオキサラニル、[1,3]−ジチオラニル、[1,3]−ジオキサニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、2−チオモルホリニル、3−チオモルホリニル、4−チオモルホリニル、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、4−チアゾリジニル、ジアゾロニル、N−置換ジアゾロニル、1−フタリミジニル、ベンゾキサニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾキソラニル、ベンゾチオラニル、およびベンゾチアニルが挙げられる。本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロシクリル」または「複素環式」の範囲にまた含まれるのは、非芳香族のヘテロ原子を含有する環が、一以上の芳香族環または非芳香族環に(例えば、インドリニル、クロマニル、フェナントリジニルもしくはテトラヒドロキノリニルにおけるように)縮合される基である。ここで、そのラジカルまたは結合点は、この非芳香族のヘテロ原子を含有する環上にある。用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、または「複素環式」はまた、飽和であろうと部分的飽和であろうと、必要に応じて置換された環をまた指す。用語「ヘテロシクリルアルキル」とは、ヘテロシクリルによって置換されたアルキル基を指す。
【0020】
単独、およびより大きな分子の一部として、「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアリールアルコキシ」のように使用される用語「ヘテロアリール」とは、5員〜14員、好ましくは5員〜10員を有する、一以上、好ましくは1〜4個の環炭素がヘテロ原子(例えば、N、OもしくはS)によって各々置換されたヘテロ芳香族環基を指す。ヘテロアリール環の例としては、2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−オキサジアゾリル、5−オキサジアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル、3−ピリダジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、5−テトラゾリル、2−トリアゾリル、5−トリアゾリル、2−チエニル、3−チエニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、イソキノリニル、インダゾリル、イソインドリル、アクリジニル、またはベンゾイソキサゾリルが挙げられる。本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロアリール」の範囲にまた含まれるのは、一以上の芳香族環または非芳香族環にヘテロ芳香族環が縮合された基であって、ここで、そのラジカルまたは結合点は、このヘテロ芳香族環上にある。例としては、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[3,4−d]ピリミジニルが挙げられる。用語「ヘテロアリール」はまた、必要に応じて置換された環を指す。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」または用語「ヘテロ芳香族」と交換可能に使用され得る。用語「ヘテロアラルキル」とは、ヘテロアリールによって置換されたアルキル基を指す。
【0021】
用語「リンカー基」または「リンカー」とは、化合物の2つの部分を結合する有機部分を意味する。リンカーは、代表的に、酸素もしくは硫黄のような原子、−NH−、−CH−、−C(O)−、−C(O)NH−のような単位、またはアルキリデン鎖のような原子鎖からなる。リンカーの分子量は、代表的に、約14〜200の範囲内、好ましくは約6原子までの長さで14〜96の範囲内である。リンカーの例としては、必要に応じて置換された飽和もしくは不飽和C1〜6アルキリデン鎖であって、ここで、この鎖の1または2個の飽和した炭素は、必要に応じて、−C(O)−、−C(O)C(O)−、−CONH−、−CONHNH−、−CO−、−OC(O)−、−NHCO−、−O−、−NHCONH−、−OC(O)NH−、−NHNH−、−NHCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−SONH−、もしくは−NHSO−によって置換される。
【0022】
用語「アルキリデン鎖」とは、必要に応じて置換された、直鎖状もしくは分枝した、完全に飽和され得るかまたは一以上の不飽和単位を有し得る炭素鎖を指す。任意の置換基は、脂肪族基について上記に記載されるとおりである。本明細書中で使用されるアルキリデン鎖としては、0〜4個のフッ素置換基を含むアルキリデン鎖が挙げられる。
【0023】
アリール基(アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシアルキルなどの中のアリール部分を含む)またはヘテロアリール基(ヘテロアラルキルおよびヘテロアリールアルコキシなどの中のヘテロアリール部分を含む)は、一つ以上の置換基を含み得る。アリール基またはヘテロアリール基の不飽和炭素原子に存在する適した置換基の例としては、ハロゲン、−R、−OR、−SR、1,2−メチレン−ジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、保護OH、(例えば、アシルオキシ)、フェニル(Ph)、置換Ph、−O(Ph)、置換−O、(Ph)、−CH(Ph)、置換−CH(Ph)、−CHCH(Ph)、置換−CHCH(Ph)、−NO、−CN、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRCO、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)N(R、−NRNRCO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−S(O)、−SON(R、−S(O)R、−NRSON(R、−NRSO、−C(=S)N(R、−C(=NH)−N(R、−(CHNHC(O)R、−(CHNHC(O)CH(Y−R)(R)が挙げられ;ここで、各Rは、水素、置換または非置換の脂肪族基、非置換のヘテロアリールまたは複素環式環、フェニル(Ph)、置換Ph、−O(Ph)、置換−O(Ph)、−CH(Ph)または置換−CH(Ph)から独立に選択され;yは、0〜6であり、そして、Yは、リンカー基である。Rの脂肪族基またはフェニル環に対する置換基の例としては、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルが挙げられる。
【0024】
脂肪族基または非芳香族複素環式環は、一つ以上の置換基を含み得る。他に示さない限り、用語「脂肪族」は、置換または非置換の脂肪族基を意味する。脂肪族基または非芳香族複素環式環の飽和炭素に対する適した置換基の例としては、上記アリール基またはヘテロアリール基の不飽和炭素に対して列挙したものおよび以下:=O、=S、=NNHR、=NN(R、=N−、=NNHC(O)R、=NNHCO(アルキル)、=NNH(SO)(アルキル)、または=NRが挙げられ、ここで、各Rは、水素、非置換脂肪族基、または置換脂肪族基から選択される。脂肪族基に対する置換基の例としては、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルが挙げられる。脂肪族基に対する好ましいハロゲン置換基は、フッ素である。本明細書中で使用される脂肪族基は、0〜4個のフッ素置換基を含む脂肪族基を含み得る。
【0025】
非芳香族複素環式環の窒素に対する適した置換基としては、−R、−N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−SO、−SON(R、−C(=S)N(R、−C(=NH)−N(Rおよび−NRSOが挙げられ、ここで、各Rは、水素、非置換脂肪族基、置換脂肪族基、フェニル(Ph)、置換Ph、−O(Ph)、置換−O(Ph)、CH(Ph)、置換CH(Ph)、または非置換ヘテロアリールまたは複素環式環から独立に選択される。脂肪族基またはフェニル環に対する置換基の例としては、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルが挙げられる。
【0026】
置換基または変数の組合せは、このような組合せが安定または化学的に実現可能な化合物を生じる場合のみ許容される。安定な化合物または化学的に実現可能な化合物は、湿気または他の化学的に反応性の状態の非存在下で、40℃以下の温度で保持した場合に、少なくとも1週間化学構造が実質的に変化しない化合物、または患者への治療的投与または予防的投与に有用であるように十分に長くその完全性を維持する化合物である。
【0027】
本発明の特定の化合物が、互変異性型で存在し得、この化合物の全てのこのような互変異性型が本発明の範囲内であることは、当業者には明らかである。他に述べない限り、本明細書中に示される構造はまた、その構造の全ての立体化学的な形態(すなわち、各不斉中心に対するR配置およびS配置)を含むことを意味する。従って、単一の立体化学的な異性体ならびにエナンチオマーおよび本発明の化合物のジアステレオマー混合物は、本発明の範囲内である。他に述べない限り、本明細書中に記載される構造はまた、一つ以上の同位体標識した原子の存在のみが異なる化合物を含むことを意味する。例えば、重水素または三重水素による水素原子の置換、または13Cまたは14C標識した炭素による炭素原子の置換を除いては、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。
【0028】
本発明の化合物は、環系に束縛され得るか、または以下の式I−A、式I−Bおよび式I−Cに示される開鎖であり得るアシルグアニジン部分またはアシルグアニジン様部分を含む。
【0029】
【化39】

I−Aにおける環C部分は、必要に応じて、5〜6員の芳香族環または非芳香族環である。環Cの例としては、以下の表1に示される環が挙げられる。
【0030】
(表1.環Cの例)
【0031】
【化39A】

好ましい環C部分は、表1に示される環C−1および環C−2である。環Cは、置換または非置換であり得る。適した環C置換基は、R13と表され、それらとしては、水素、C1〜6脂肪族、または、COR、CO、CN、−N(R10、CON(R10、−OR、C6〜10アリール、C7〜12アラルキル、C5〜10ヘテロアリール、C5〜10ヘテロシクリル、C6〜12ヘテロシクリルアルキルおよびC6〜12ヘテロアラルキルからなる群より選択される置換基が挙げられる。あるいは、同一炭素上の二つのR13が一緒になって、=Oを形成するか、または、二つのR13が、それらの間の原子と一緒になって、0〜2個の環ヘテロ原子を有する3〜7員環を形成する。好ましくは、環Cは、非置換であるか、またはC1〜4アルキルで置換される。
【0032】
および/またはRが水素である場合、本発明の化合物は、以下のEq.1に示される種々の互変体形態に存在し得る。任意の特定の互変体の描画または記述(特許請求の範囲も含む)は、その構造の全ての互変体形態を含むことが理解される。
【0033】
【化40】

本発明の一実施形態は、式I−Aの化合物に関し、ここで、RおよびRはそれぞれ、式I−A−aに示されるように水素である。
【0034】
【化40A】

本発明の別の実施形態は、式I−Bの化合物に関し、ここで、R、RおよびRはそれぞれ、式I−B−aに示されるように水素である。
【0035】
【化41】

本発明の別の実施形態は、式I−Cの化合物に関し、ここで、R、RおよびRはそれぞれ、式I−C−aに示されるように水素である。
【0036】
【化41A】

一局面において、R基およびR基は、独立に選択されるC1〜8脂肪族基である。より好ましくは、R基およびR基は、独立に選択されるC1〜4脂肪族基である。RおよびRはまた、それらの間の窒素と一緒になって、置換または非置換の、芳香族または非芳香族の、4〜14員の単環系、二環系または三環系を形成し得、これらは、上記間の窒素に加えて、窒素、硫黄または酸素から選択される0〜4個の環へテロ原子を有する。このようなR/R環の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、ピロリル、インドリル、プリニル、インダゾリル、カルバゾリルおよびベンズイミダゾリルが挙げられる。一緒になる場合、RおよびRは、好ましくは、5〜6員環を形成し、上記間の窒素に加えて、窒素、硫黄または酸素から選択される0〜1個の環へテロ原子を有する。このような好ましいR/R環の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリルおよびピロリルが挙げられる。別の局面において、Rは、C1〜4脂肪族基であり、Rは、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルである。
【0037】
およびLは、アシルグアニジン部分を、R基およびR基を有する塩基性窒素から分離するリンカー基である。Rを有するグアニジル窒素と塩基性−N(R)(R)との間の距離は、およそ2〜6個に直鎖炭素鎖の長さ、または約300pm〜900pmの間の長さであり得る。好ましくは、その距離は、2〜4個の炭素鎖の距離であり、より好ましくは、3〜4個の炭素の距離であり、そして、最も好ましくは、3個の炭素鎖の距離である。−N(R)−と−N(R)(R)−との間の最適な距離はまた、アルキリデンリンカーの一つ以上のメチレン単位を、他の基(例えば、−O−、−S−、−N(R10)CO−、−N(R10)CO−、−CON(R10)−、−CO−、−CO−、−OC(=O)、−OC(=O)N(R10)−、−SO−、−N(R10)SO−、または−SON(R10)−)で置換することにより達成され得、ここで、R10は、上記のとおりである。あるいは、アルキリデン鎖は、3〜7員環の一部として束縛され得る。当業者は、以下に提示する実施例を考慮して、種々の原子対および/または環系の既知の結合距離を参照することによって、適したLリンカーまたはLリンカーを選択し得る。式I−Cの化合物におけるLリンカー基は、同様に選択される。
【0038】
好ましいLは、C2〜3アルキリデン鎖(例えば、−CHCH−または−CHCHCH−)である。好ましいLは、C3〜4アルキリデン鎖(例えば、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−)である。
【0039】
環Aは、好ましくは、フェニル環または5員のヘテロアリール環である。好ましいヘテロアリール環は、チエニルである。
【0040】
は、存在する場合、好ましくは、−ハロ、−CN、−R12、−ORまたは−C(O)Rから選択され、ここで、RおよびR12は、好ましくは、C1〜4アルキルである。好ましいRハロ基は、フルオロである。
【0041】
Qは、環Aおよび環Bを分離するリンカー基である。適したQリンカーは、約280pm〜600pmの環の間の距離を提供する。好ましいQは、Cアルキリデン鎖(例えば、−CHCH−)である。あるいは、Qは、以下に示すように、環Aに融合して、環の一部を形成し得る。
【0042】
環Bは、好ましくは、フェニル環、またはナフチル環である。環Bは、0〜4個のR基を有し得る。環Bが、フェニル環である場合、環Bは、好ましくは、Qを有する環炭素に関連する環Bの2位および/または5位で、Rによって置換される。最も好ましくは、環Bは、2位および5位で置換される。好ましいR基の例としては、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜3アルコキシ、CO(C1〜3アルキル)、CONH(C1〜3アルキル)、SO(C1〜3アルキル)またはSONH(C1〜3アルキル)が挙げられる。環Bがナフチル環である場合、環Bは、好ましくは、ナフチル環のα位でQに結合している。環Bの隣接するRは、一緒になって融合環系を形成する。一局面において、融合環B系は、ベンゾフラニル環である。融合環B系は、二つの融合環のどちらかでRによって置換され得る。
【0043】
他に特定しない限り、R置換基、R置換基、R置換基またはR14置換基は、複素環式環部分を有し、環の大きさは、3〜10個の環原子であり得、好ましくは、3〜6個であり、最も好ましくは、5〜6個である。置換基がヘテロアリール部分を有する場合、好ましい環の大きさは、5または6である。置換基がヘテロシクリルアルキルまたはヘテロアラルキルである場合、アルキル部分は、好ましくは、1〜3個の炭素である。
【0044】
式IのGが、G1である場合、本発明の好ましい実施形態は、以下の特徴の一つ以上を有する化合物に関連する。
【0045】
(a)Xは、酸素である。
【0046】
(b)Lは、C2〜3アルキリデン鎖である。
【0047】
(c)Qは、−CHCH−である。
【0048】
(d)G1は、G1−aまたはG1−bである:
【0049】
【化42】

(e)RおよびRは、それぞれ独立に、C1〜4脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRは、それらの間の窒素と一緒になって5〜6員環を形成する。
【0050】
(f)環Aは、必要に応じて置換されたフェニルまたはチエニルである。
【0051】
(g)環Bは、置換されたフェニルまたはナフチルである。本実施形態のより好ましい局面において、この化合物は、上記特徴(a)〜(g)の全てを有する。
【0052】
式IのGが、G1である場合、本発明のより好ましい実施形態は、以下の特徴の一つ以上を有する化合物に関連する。
【0053】
(a)Xは、酸素である。
【0054】
(b)Lは、−CHCH−または−CHCHCH−である。
【0055】
(c)Qは、−CHCH−である。
【0056】
(d)G1は、G1−aまたはG1−bである:
【0057】
【化42A】

(e)RおよびRは、それぞれ独立に、C1〜3脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRは、それらの間の窒素と一緒になってピペリジニル環、ピロリジニル環、ピペラジニル環またはモルホリニル環を形成する。
【0058】
(f)環Aは、必要に応じて置換されたフェニルまたはチエニルである。
【0059】
(g)環Bは、置換されたフェニルまたはナフチルである。本実施形態の好ましい局面において、この化合物は、上記特徴(a)〜(g)の全てを有する。
【0060】
式IのGが、G2である場合、本発明の好ましい実施形態は、以下の特徴の一つ以上を有する化合物に関連する。
【0061】
(a)Xは、酸素である。
【0062】
(b)Lは、C3〜4アルキリデン鎖である。
【0063】
(c)Qは、−CHCH−である。
【0064】
(d)(i)RおよびRは、それぞれ独立に、C1〜4脂肪族基から選択されるか、または(ii)RおよびRは、それらの間の窒素と一緒になって5〜6員環を形成するか、または(iii)Rは、C1〜4脂肪族基であり、かつ、Rは、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルである。
【0065】
(e)環Aは、必要に応じて置換されたフェニルまたはチエニルである。
【0066】
(f)環Bは、置換されたフェニルまたはナフチルである。本実施形態の好ましい局面において、この化合物は、上記特徴(a)〜(f)の全てを有する。
【0067】
式IのGが、G2である場合、本発明のより好ましい実施形態は、以下の特徴を有する化合物に関連する。
【0068】
(a)Xは、酸素である。
【0069】
(b)Lは、−CHCHCH−または−CH(CH)CHCH−である。
【0070】
(c)Qは、−CHCH−である。
【0071】
(d)(i)RおよびRは、それぞれ独立に、C1〜4脂肪族基から選択されるか、または(ii)RおよびRは、それらの間の窒素と一緒になって5〜6員環を形成するか、または(iii)Rは、C1〜4脂肪族基であり、かつ、Rは、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルである。一局面において、RおよびRは、それらの間の窒素と一緒になってピペリジニル環、ピロリジニル環、ピペラジニル環またはモルホリニル環を形成する。
【0072】
(e)環Aは、必要に応じて置換されたフェニルまたはチエニルである。
【0073】
(f)環Bは、置換されたフェニルまたはナフチルである。本実施形態の好ましい局面において、この化合物は、上記特徴(a)〜(f)の全てを有する。
【0074】
式IのGが、G3である場合、本発明の好ましい実施形態は、以下の特徴の一つ以上を有する化合物に関連する。
【0075】
(a)Xは、酸素である。
【0076】
(b)Lは、直接結合、−CH−、−CH(R)−、−CHCH−、−CHCHCH−または−CHCHCHCH−である。一局面において、Lは、直接結合、−CH−、−CH(R)−または−CHCH−である。別の局面において、Lは、−CH−または−CH(R)−である。
【0077】
(c)Qは、−CHCH−である。
【0078】
(d)Rは、C1〜3アルキル、COH、CO(C1〜6アルキル)、CHCOHまたはCHCO(C1〜6アルキル)である。一局面において、Rは、COHまたはCHCOHである。
【0079】
(e)R14は、C1〜6脂肪族基または5〜6員の複素環式環である。一局面において、R14は、5〜6員の複素環式環である。
【0080】
(f)環Aは、必要に応じて置換されたフェニルまたはチエニルである。
【0081】
(g)環Bは、置換されたフェニルまたはナフチルである。本実施形態の好ましい局面において、この化合物は、上記特徴(a)〜(g)の全てを有する。
【0082】
式IのGが、G3である場合、より本発明の好ましい実施形態は、以下の特徴の一つ以上を有する化合物に関連する。
【0083】
(a)Xは、酸素である。
【0084】
(b)Lは、−CH−、−CH(R)−、−CHCHCH−または−CHCHCHCH−である。
【0085】
(c)Rは、COHまたはCHCOHである。
【0086】
(d)R14は、環窒素およびN、OまたはSから選択される0〜1個のさらなる環へテロ原子を有する5〜6員の複素環式環である
(e)Qは、−CHCH−である。
【0087】
(f)環Aは、必要に応じて置換されたフェニルまたはチエニルである。
【0088】
(g)環Bは、置換されたフェニルまたはナフチルである。
【0089】
本実施形態の好ましい局面において、この化合物は、上記特徴(a)〜(g)の全てを有する。別の局面において、Lは、R14に対する直接結合であるか、またはC1〜2アルキリデンであって、R14は、7〜9員のビシクロ環系(例えば、アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル環系またはアザ−ビシクロ[3.2.2]ノニル環系)である。
【0090】
G3部分のR14基は、置換されていてもよく、また置換されていなくてもよい。R14が、5〜6員の複素環式環である場合、特定の例としては、ピペリジニル、ピロリジニルおよびピペラジニルが挙げられる。Lに対するR14の結合の点は、R14の環炭素または窒素においてであり得る。R14環に対する適した置換基としては、T−R15によって表される基が挙げられ、ここで、Tは、結合またはC1〜4アルキリデン鎖であり、そして、R15は、−C1〜6脂肪族、−CO、−OR、−ハロ、−N(R10、−C(O)N(R10、−N(R10)CO、−N(R10)COR、−COR、5〜6員のヘテロアリール、5〜6員のヘテロシクリル、−フェニルまたは−CNである。
【0091】
本発明の一実施形態は、式II−A、II−B、II−CまたはII−Dによって表される化合物に関し、:
【0092】
【化43】

ここで、
およびRは、各々水素であり;
は、水素であるか、あるいはRおよびRは、それらの間にある窒素と一緒になって4〜6員環を形成し;
は、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
は、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−であり;
は、直接的な結合、−CH−、または−CHCH−であり;
は、存在しないか、または−ハロ、−NO、−CN、−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10であるか、あるいは2つの隣接するRは、それらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の不飽和環または部分不飽和環を形成し;
は、−ハロ、−NO、−CNであるか、または−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10から選択される飽和基もしくは不飽和基であるか、あるいは2つの隣接するRは、それらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の不飽和環または部分不飽和環を形成し;
およびRは、各々独立して、C1〜3アルキルから選択されるか、あるいはRおよびRは、それらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成し;
14は、C1〜6脂肪族であるか;または環窒素およびN、O、もしくはSから選択される0〜1個のさらなる環ヘテロ原子を有する5〜6員の複素環式環であるか;あるいはR13およびR14は、それらの間にある窒素と一緒になって、4〜6員環を形成し;
各R13は、独立して、水素、C1〜6脂肪族であるか、またはCOR、CO、CN、−N(R10、CON(R10、−ORからなる群より選択される置換基であるか、あるいは同じ炭素上の2つのR13は、一緒になって、=Oを形成するか、または2つのR13は、それらの間にある原子と一緒になって、0〜2個の環ヘテロ原子を有する3〜7員環を形成し;
各R10は、独立して、水素、飽和もしくは不飽和のC1〜8脂肪族基、C(=O)R、CO、SOであるか、あるいは同じ窒素上の2つのR10は、その窒素と一緒になって、その窒素に加えてN、O、もしくはSから選択される0〜2個の環ヘテロ原子を有する5〜8員の芳香環または非芳香環を形成し;
各R11は、独立して、水素または必要に応じて置換されたC1〜8脂肪族基であり;そして
各R12は、独立して、飽和または不飽和のC1〜8脂肪族基から選択される。
【0093】
式IIの化合物について、以下のことが好ましい:
およびRは、各々水素であり;
は、水素であり;
は、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
は、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−であり;
は、直接的な結合、−CH−、または−CHCH−であり;
は、存在しないか、または−ハロ、−CN、−R12、−OR、−SR12、N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、もしくは−NR10SO12であり;
は、−ハロ、−CNであるか、または−R12、−OR、−SR12、−NR10C(O)R、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10もしくは−NR10SO12、から選択される飽和基もしくは不飽和基であるか、あるいは2つの隣接するRは、それらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の不飽和環または部分不飽和環を形成し;
およびRは、各々独立して、C1〜3アルキルから選択されるか、あるいはRおよびRは、それらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成し;
14は、C1〜6脂肪族であるか、または環窒素およびN、O、もしくはSから選択される0〜1個のさらなる環ヘテロ原子を有する5〜6員の複素環式環であり;
各R13は、水素であり;
各R10は、水素であり;
各R11は、独立して、水素または必要に応じて置換されたC1〜5脂肪族基であり;そして
各R12は、独立して、飽和または不飽和のC1〜5脂肪族基から選択される。
【0094】
式IIの化合物について、より好ましいのは以下である:
は、存在しないか、またはハロであり;
環Bは、お互いに対してパラである2つのR置換基を有するフェニル環であるか、または環Bは、α−ナフチル環であり;そして
各Rは、独立して、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜3アルコキシ、CO(C1〜3アルキル)、CONH(C1〜3アルキル)、SO(C1〜3アルキル)、またはSONH(C1〜3アルキル)である。
【0095】
本発明の別の実施形態は、式III−A、III−B、III−CまたはIII−Dによって表される化合物に関し:
【0096】
【化44】

ここで:
およびRは、各々水素であり;
は、水素であり;
は、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
は、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−であり;
は、直接的な結合、−CH−、または−CHCH−であり;
は、存在しないか、または−ハロ、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10であるか、あるいは2つの隣接するRは、それらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の不飽和環または部分不飽和環を形成し;
は、−ハロ、−NO、−CNであるか、または−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10から選択される飽和基もしくは不飽和基であるか、あるいは2つの隣接するRは、それらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の不飽和環または部分不飽和環を形成し;
およびRは、各々独立して、C1〜3アルキルから選択されるか、あるいはRおよびRは、それらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成し;
14は、C1〜6脂肪族であるか、あるいはR13およびR14は、それらの間にある窒素と一緒になって、4〜6員環を形成し;
各R13は、独立して、水素、C1〜6脂肪族であるか、またはCOR、CO、CN、−N(R10、CON(R10、−ORからなる群より選択される置換基であるか、あるいは同じ炭素上の2つのR13は、一緒になって、=Oを形成するか、または2つのR13は、それらの間にある原子と一緒になって、0〜2個の環ヘテロ原子を有する3〜7員環を形成し;
各R10は、独立して、水素、飽和もしくは不飽和のC1〜8脂肪族基、C(=O)R、CO、SOであるか、あるいは同じ窒素上の2つのR10は、その窒素と一緒になって、その窒素に加えてN、O、もしくはSから選択される0〜2個の環ヘテロ原子を有する5〜8員の芳香環または非芳香環を形成し;
各R11は、独立して、水素または必要に応じて置換されたC1〜8脂肪族基であり;
各R12は、独立して、飽和または不飽和のC1〜8脂肪族基から選択され;そして
14は、C1〜6脂肪族であるか、または環窒素およびN、O、もしくはSから選択される0〜1個のさらなる環ヘテロ原子を有する複素環式環である。
【0097】
式IIIの化合物について、以下のことが好ましい:
、RおよびRは、各々水素であり;
は、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
は、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−であり;
は、直接的な結合、−CH−、または−CHCH−であり;
は、存在せず;
は、−ハロ、−CNであるか、または−R12、−OR、−SR12、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10もしくは−NR10SO12から選択される飽和基もしくは不飽和基であるか、あるいは2つの隣接するRは、それらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の不飽和環または部分不飽和環を形成し;
およびRは、各々独立して、C1〜3アルキルから選択されるか、あるいはRおよびRは、それらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成し;
14は、環窒素およびN、O、もしくはSから選択される0〜1個のさらなる環ヘテロ原子を有する複素環式環であり;
各R13は、水素であり;
各R10は、水素であり;
各R11は、独立して、水素または必要に応じて置換されたC1〜5脂肪族基であり;そして
各R12は、独立して、飽和または不飽和のC1〜5脂肪族基から選択される。
【0098】
式IIIの化合物について、より好ましいのは、以下の化合物である:
環Bが、お互いにパラである2つの置換基を有するフェニル環であるか、または環Bが、α−ナフチル環であり;そして
各Rが、独立して、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜3アルコキシ、CO(C1〜3アルキル)、CONH(C1〜3アルキル)、SO(C1〜3アルキル)、またはSONH(C1〜3アルキル)である。
【0099】
本発明の別の実施形態は、化合物に関し、ここで、Qに対してオルト位のRおよびRは、それらの間にある原子と一緒になって、N、O、もしくはSから選択される0〜2個の環ヘテロ原子を有する5〜7員の不飽和環もしくは部分不飽和環を形成する。このような化合物は、以下の式IV:
【0100】
【化45】

によって表され、ここで、
qは、直接的な結合、−C(R11−、−N(R10)−、−N−、−O−、−C(=O)−、または−S−であり;
およびZは、各々独立して、−[C(R11]−、−C(R11)=C(R11)−、−N(R10)−、−N−、−O−、−C(=O)−、および−S−であり、そして
、G、R、R、R10およびR11は、上記の通りである。ZおよびZを有する環は、環Jと称される。ZおよびZの選択は、環Jのサイズ、および環Jが不飽和であるかまたは部分不飽和であるかどうかに依存する。本明細書を参照することにより、このような選択は、当業者の知識内である。環Jの代表例は、表2に示されている。
【0101】
(表2.環Aに融合された環Jの例)
【0102】
【化46】

【0103】
【化47】

本発明の一実施形態は、化合物に関し、ここで、RおよびRは、それらの間にある原子と一緒になって、5〜7員環(環D)を形成する。本発明の別の実施形態は、化合物に関し、ここで、RおよびRは、それらの間にある原子と一緒になって、5〜7員環(環E)を形成する。これらの実施形態は、式VおよびVIによって以下に示されており、ここで、R〜R、L、X、Q、ならびに環Aおよび環Bは、上記の通りである。
【0104】
【化48】

本発明の特定の化合物の例は、以下の表3に示されている。
【0105】
(表3.特定の化合物の例)
【0106】
【化49】

【0107】
【化50】

【0108】
【化51】

【0109】
【化52】

【0110】
【化53】

【0111】
【化54】

【0112】
【化55】

【0113】
【化56】

【0114】
【化57】

【0115】
【化58】

【0116】
【化59】

【0117】
【化60】

【0118】
【化61】

【0119】
【化62】

【0120】
【化63】

【0121】
【化64】

【0122】
【化65】

【0123】
【化66】

【0124】
【化67】

【0125】
【化68】

【0126】
【化69】

本発明の化合物は、以下の一般的なスキームによって示されるように、類似の化合物について当業者に公知の方法によって、そして以下に示される調製実施例を参照することによって調製され得る。
【0127】
(スキームI.化合物II−AおよびIII−Aの調製)
【0128】
【化70】

試薬および条件:(a)NaH;(b)RNHC(R13CH(LNR)NH、2−クロロピリジン、MeI、Et

【0129】
上記スキームIは、式II−AおよびIII−Aの化合物を調製するための一般的な経路を示す。iもしくはivのようなエステル、またはiiiもしくはvのようなイソチオシアネートのいずれかを用いて開始し得る。これらの経路は、Rが水素である場合に特に有用である。
【0130】
(スキームII.化合物II−BおよびIII−Bの調製)
【0131】
【化71】

上記スキームIIは、式II−BおよびIII−Bの化合物を調製するための一般的な経路を示す。これらの経路は、RおよびRが、各々水素である場合に特に有用である。
【0132】
(スキームIII.化合物II−CおよびIII−Cの調製)
【0133】
【化72】

試薬および条件:(a)1.SOCl、2.1N NaOH、HNC(=NH)SCH;(b)HN−L−N(R)(R)、EtN、キシレン、加熱;(c)1.NaH、RNCS、2.HN−L−N(R)(R)、HgCl

【0134】
上記スキームIIIは、式II−CおよびIII−Cの化合物を調製するための一般的な経路を示す。viiもしくはixのようなカルボン酸を用いて開始し、工程(a)および(b)は、Rが水素である化合物を調製するために使用され得る。あるいは、xiもしくはxiiのようなアミドは、Rが水素以外である化合物を得るために、工程(c)のように処理され得る。
【実施例】
【0135】
(合成実施例)
(トルイル酸アルキル化の方法(一般法A))
【0136】
【化73】

THF(100mL)中の3−フルオロ−2−メチル安息香酸(5.00g、32mmol、1当量)とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)(9.7mL、64mmol、2当量)との溶液を、アルゴン雰囲気下で、−78℃まで冷却した。s−BuLi(ヘキサン中の1.3M、52mL、26mmol、2.1当量)を滴下し、そしてその溶液を、1時間攪拌した。THF(10mL)中の2−ブロモ−5−メトキシベンジルブロミド(22g、80mmol、2.5当量)を滴下した。その溶液を−78℃で1時間攪拌し、次いで、HOおよび1N HClの添加によってクエンチした。その混合物を、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO)の後、MeOH/DCMから粉砕し、2−[2−(2−ブロモ−5−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−安息香酸(3.3g、9.4mmol、80%)を、白色粉末として得た。
【0137】
【化74】

以下の酸もまた、一般法Aによって調製した:
【0138】
【化75】

2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−安息香酸:LCMS ES 355(M−1)、357(M+1)、359(M+3)。
【0139】
【化76】

3−フルオロ−2−(2−ナフタレン−1−イル−エチル)−安息香酸:LCMS ES 293(M−1)。
【0140】
【化77】

THF(56mL)中の2−メチル−チオフェン−3−カルボン酸(8.01g、56.0mmol、1.0当量)の溶液に、−78℃で、リチウムジイソプロピルアミド(LDA;2M、56mL、112.0mmol、2当量)の溶液を加えた。その有機溶液を、1時間攪拌し、次いで、THF(50mL)中の4−ブロモ−2−ブロモメチル−1−メトキシベンゼン(17g、73mmol、1.3当量)の溶液を、カニューレを介して滴下した。その溶液を、−78℃で1時間攪拌し、次いで、室温まで温めた。その反応を、水および酢酸エチルの添加によってクエンチした。相を分離し、そして有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して黄色油を得た。メタノールの添加により、白色沈殿が生じ、それを濾過し、乾燥させて、2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボン酸(5.3g、15.5mmol、27%)を得た。
【0141】
【化78】

【0142】
【化79】

アセトン(40mL)中の3−フルオロサリチルアルデヒド(2.0g、14.3mmol、1当量)の溶液に、炭酸カリウム(6.0g、43.3mmol、1当量)、および2−ブロモ−5−メトキシベンジルブロミド(5.3g、19.0mmol、1.3当量)を加えた。その溶液を、65℃まで6時間加熱し、次いで、室温まで冷却し、一晩攪拌した。その反応を、HOおよび1N NaOHの添加によってクエンチし、CHClで抽出した。合わせた有機相を、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。その粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、4:1 ヘキサン:酢酸エチル)で精製して、2−(5−ブロモ−2−メトキシベンジルオキシ−3−フルオロベンズアルデヒド(0.47g、10%)を、白色固体として得た。
【0143】
【化80】

【0144】
【化81】

1:2のHO:ジオキサン(75mL)中の2−(5−ブロモ−2−メトキシベンジルオキシ−3−フルオロベンズアルデヒド(0.86g、2.5mmol、1当量)の溶液を、室温で攪拌した。この溶液に、濃硫酸(1.29g、13.2mmol、5当量)を加え、次いで、HO(25mL)中の亜塩素酸ナトリウム(0.28g、3.1mmol、1.3当量)の溶液を加えた。その溶液を、室温で1時間攪拌し、次いで、HOに注ぐことによってクエンチした。その混合物を、酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機相を、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして2−(5−ブロモ−2−メトキシ−ベンジルオキシ)−3−フルオロ−安息香酸を、白色固体として定量的収率で得た。
【0145】
【化82】

(イソチオウレアの形成のための方法(一般方法B):)
【0146】
【化83】

THF(13mL)中の2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシフェニル)−エチル]−3−フルオロ安息香酸(0.81g,2.3mol,1当量)の溶液に、塩化チオニル(0.84mL,11.5mmol,5当量)を添加した。この溶液を還流まで加熱した。1時間後、この溶液を室温まで冷却し、濃縮して、油として2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイルクロライドを生じ、これを、さらに精製することなく用いた。
【0147】
1N NaOH(10mL)中の硫酸2−メチル−2−チオシュードウレア(1.6g,5.75mmol,2.5当量)の溶液を0℃まで冷却した。この溶液に、ジエチルエーテル(4mL)中の2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシフェニル)−エチル]−3−フルオロベンゾイルクロライド(2.3mmol,1当量)の溶液を滴下した。この溶液を3.5時間撹拌させ、次いで、HOで希釈した。この水溶液をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、定量収率で1−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシフェニル)−エチル]−3−フルオロベンゾイル}−2−メチルイソチオウレアを生じた。この粗生成物をさらに精製することなく用いた。
【0148】
【化84】

以下のイソチオウレアをまた、一般方法Bによって調製した:
【0149】
【化85】

1−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−2−メチル−イソチオウレア:
【0150】
【化86】

【0151】
【化87】

1−[3−フルオロ−2−(2−ナフタレン−1−イル−エチル)−ベンゾイル]−2−メチル−イソチオウレア:LCMS ES+367(M+1)。
【0152】
【化88】

1−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−ベンジルオキシ)−3−フルオロ−ベンゾイル]−2−メチル−イソチオウレア:LCMS ES+427(M+1),429(M+3)。
【0153】
【化89】

1−{2−[2−(2−ブロモ−5−クロロ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−2−メチル−イソチオウレア:LCMS ES+429(M+1),431(M+3),433(M+5)。
【0154】
(一置換アシルグアニジンの形成のための方法(一般方法C):)
【0155】
【化90】

o−キシレン(1.7mL)中の1−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシフェニル)−エチル]−3−フルオロベンゾイル}−2−メチルイソチオウレア(0.16g,0.38mmol,1当量)の溶液に、トリエチルアミン(0.052mL,0.38mmol,1当量)および1−(3−アミノプロピル)−2−ピペコリン(0.067mL,0.38mmol,1当量)を添加した。この溶液を145℃にて4時間撹拌させ、次いで、室温まで冷却した。ヘキサン(2mL)およびジクロロメタン(2mL)を添加し、この溶液を、約0.5mLの容量まで濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製して、所望のアシルグアニジンを生じ、これを、その二ギ酸塩として特徴付けた(0.089g,0.053mmol,37%)。
【0156】
化合物1:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−[3−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−グアニジン,二ギ酸塩:
【0157】
【化91】

以下の化合物をまた、一般方法Cによって調製した:
【0158】
【化92】

化合物2:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−ブチル−グアニジン,一ギ酸塩:
【0159】
【化93】

【0160】
【化94】

化合物3:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−イソブチル−グアニジン,一ギ酸塩:
【0161】
【化95】

化合物4:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−シクロペンチル−グアニジン,一ギ酸塩:
【0162】
【化96】

化合物5:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−グアニジン,一ギ酸塩:
【0163】
【化97】

化合物6:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(2−シクロヘキシル−エチル)−グアニジン,一ギ酸塩:
【0164】
【化98】

化合物7:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(1−フェニル−エチル)−グアニジン,二塩酸塩:
【0165】
【化99】

化合物8:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−チオフェン−2−イルメチル−グアニジン,二ギ酸塩:
【0166】
【化100】

化合物9:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−ピリジン−3−イルメチル−グアニジン,二ギ酸塩:
【0167】
【化101】

【0168】
【化102】

化合物10:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(1−フェニル−2−ピロリジン−1−イル−エチル)−グアニジン,二ギ酸塩:
【0169】
【化103】

化合物11:N’−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(3−クロロ−ベンジル)−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−グアニジン,一ギ酸塩:
【0170】
【化104】

化合物12:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−グアニジン,二ギ酸塩:
【0171】
【化105】

化合物13:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−グアニジン,一ギ酸塩:
【0172】
【化106】

化合物14:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(4−ジエチルアミノ−1−メチル−ブチル)−グアニジン,二ギ酸塩:
【0173】
【化107】

【0174】
【化108】

化合物15:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル)−N’−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−グアニジン,二ギ酸塩:
【0175】
【化109】

化合物16:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−グアニジン,二ギ酸塩:
【0176】
【化110】

化合物17:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−ブチル−グアニジン,一ギ酸塩:
【0177】
【化111】

化合物18:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−イソブチル−グアニジン,一ギ酸塩:
【0178】
【化112】

化合物19:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−シクロペンチル−グアニジン,一ギ酸塩:
【0179】
【化113】

【0180】
【化114】

化合物20:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−ピリジン−3−イルメチル−グアニジン,一ギ酸塩:
【0181】
【化115】

化合物21:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−グアニジン,二ギ酸塩:
【0182】
【化116】

【0183】
【化117】

化合物22:N’−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N−(2−ジエチルアミノ−エチル)−N−メチル−グアニジン,一ギ酸塩:
【0184】
【化118】

化合物23:2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボン酸[イミノ−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−メチル]−アミド,二ギ酸塩:
【0185】
【化119】

化合物24:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−(2−ジエチルアミノ−エチル)−グアニジン,一ギ酸塩:
【0186】
【化120】

化合物25:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−グアニジン,一ギ酸塩:
【0187】
【化121】

化合物26:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−(1−エチル−ピロリジン−2−イルメチル)−グアニジン,一ギ酸塩:H NMR(300MHz,
【0188】
【化122】

化合物27:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−(4−ジエチルアミノ−1−メチル−ブチル)−グアニジン,二ギ酸塩:
【0189】
【化123】

化合物28:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−(3−ジブチルアミノ−プロピル)−グアニジン,一ギ酸塩:
【0190】
【化124】

【0191】
【化125】

化合物29:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−(3−ピロリジン−1−イル−プロピル)−1グアニジン,一ギ酸塩:
【0192】
【化126】

化合物30:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−グアニジン,二ギ酸塩:
【0193】
【化127】

【0194】
【化128】

化合物31:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−チオフェン−3−カルボニル}−N’−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−プロピル]−グアニジン,一ギ酸塩:
【0195】
【化129】

化合物32:N’−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−ベンジルオキシ)−3−フルオロ−ベンゾイル]−N−(3−クロロ−ベンジル)−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−グアニジン、一ギ酸塩:
【0196】
【化130】

化合物33:N−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−ベンジルオキシ)−3−フルオロ−ベンゾイル]−N’−[3−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−グアニジン、二ギ酸塩:
【0197】
【化131】

化合物34:N−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−ベンジルオキシ)−3−フルオロ−ベンゾイル]−N’−(3−ピロリジン−1−イル−プロピル)−グアニジン、二ギ酸塩:
【0198】
【化132】

化合物35:N−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−ベンジルオキシ)−3−フルオロ−ベンゾイル]−N’−(4−ジエチルアミノ−1−メチル−ブチル)−グアニジン、二ギ酸塩:
【0199】
【化133】

【0200】
【化134】

化合物36:N−[3−フルオロ−2−(2−ナフタレン−1−イル−エチル)−ベンゾイル]−N’−(3−ピロリジン−1−イル−プロピル)−グアニジン、二ギ酸塩:
【0201】
【化135】

化合物37:N−[3−フルオロ−2−(2−ナフタレン−1−イル−エチル)−ベンゾイル]−N’−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−グアニジン、二ギ酸塩:
【0202】
【化136】

化合物38:N−(4−ジエチルアミノ−1−メチル−ブチル)−N’−[3−フルオロ−2−(2−ナフタレン−1−イル−エチル)−ベンゾイル]−グアニジン、二ギ酸塩:
【0203】
【化137】

化合物39:N−{2−[2−(2−ブロモ−5−クロロ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−[3−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−グアニジン、二ギ酸塩:
【0204】
【化138】

化合物40:N−{2−[2−(2−ブロモ−5−クロロ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(4−ジエチルアミノ−1−メチル−ブチル)−グアニジン、二ギ酸塩:
【0205】
【化139】

(N,N’−二置換アシルグアニジン:)
【0206】
【化140】

DMF(6mL)中の2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシフェニル)−エチル]−3−フルオロ安息香酸(1.78g、5.1mol、1当量)の溶液に、室温で、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(1.95mL、11.2mmol、2.2当量)およびフルオロ−N,N,N’−テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(TFFH)(1.48g、5.6mmol、1.1当量)を添加した。その均一溶液を、1.5時間攪拌し、その時間の間にその色は緑に変化した。アンモニアガスをその溶液中に吹き込むと、その色は黄色に変化し、そして沈殿が生成した。その不均一のスラリーを5時間攪拌し、次いでHOおよび酢酸エチルで希釈した。その相を分離させ、そしてその有機部分をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過しそして濃縮し、2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシフェニル)−エチル]−3−フルオロベンズアミドを定量的な収率で得た。その粗生成物を、さらなる精製なしで使用した。LCMS ES 352(M+1)、354(M+3)。
【0207】
(N,N’−二置換アシルグアニジン生成のための方法(一般的方法D):)
【0208】
【化141】

DMF(0.66mL)中の2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシフェニル)−エチル]−3−フルオロベンズアミド(0.117g、0.33mmol、1当量)の溶液に、室温で、水素化ナトリウム(60重量%、0.016g、0.43mmol、1.3当量)を添加した。その溶液を、5分間攪拌し、その時間の間にガスが発生した。メチルイソチオシアネート(0.019mL、0.27mmol、0.83当量)を添加し、そしてその溶液を60℃で30分間加熱した。室温まで冷却したあと、1−(3−アミノプロピル)−ピロリジン(0.042mL、0.33mmol、1当量)および塩化水銀(II)(0.089g、0.33mmol、1当量)を逐次に添加した。その黒色混合物を室温で10分間攪拌し、次いでセライトを通して濾過した。その濾液を濃縮し、白色固体を得た。その粗生成物を精製し(SiO、ジクロロメタン中の0〜5%メタノール)、所望のアシルグアニジンを白色固体(0.044g、0.09mmol、26%)として得た。
【0209】
化合物41:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−メチル−N’’−(3−ピロリジン−1−イル−プロピル]−グアニジン:
【0210】
【化142】

化合物42:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−N’’−メチル−グアニジン、二塩酸塩:
【0211】
【化143】

化合物43:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−メチル−N’’−[3−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−グアニジン、二塩酸塩:
【0212】
【化144】

化合物44:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(4−ジエチルアミノ−1−メチル−ブチル)−N’’−メチル−グアニジン グアニジン:
【0213】
【化145】

化合物45:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−メチル−N’’−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−グアニジン、二塩酸塩:
【0214】
【化146】

化合物46:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−イソプロピル−N’’−[3−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−グアニジン N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−N’’−イソプロピル−グアニジン、一ギ酸塩:
【0215】
【化147】

化合物47:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(4−ジエチルアミノ−1−メチル−ブチル)−N’’−イソプロピル−グアニジン、一ギ酸塩:
【0216】
【化148】

化合物48:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−N’’−イソプロピル−グアニジン、一ギ酸塩:
【0217】
【化149】

【0218】
【化150】

化合物49:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−N’’−フェニル−グアニジン、一ギ酸塩:
【0219】
【化151】

化合物50:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(4−ジエチルアミノ−1−メチル−ブチル)−N’’−フェニル−グアニジン、二塩酸塩:
【0220】
【化152】

【0221】
【化153】

化合物51:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−[3−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−N’’−フェニル−グアニジン、二塩酸塩:
【0222】
【化154】

化合物52:N−{2−[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−エチル]−3−フルオロ−ベンゾイル}−N’−(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−N’’−フェニル−グアニジン、二塩酸塩:
【0223】
【化155】

本発明の1つの実施形態は、組成物に関し、その組成物は、式Iの化合物またはその互変異性体もしくは薬学的に受容可能な塩、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本発明における式Iの化合物は、官能基で誘導体化され、インビボで親化合物に変換し戻され得るプロドラッグ誘導体を提供し得ることは理解される。そのようなプロドラッグの例としては、生理学的に受容可能でかつ代謝上不安定な、その化合物のヒドロキシル基から誘導されるエステル(例えば、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル、もしくはピバロイルオキシメチルエステル)またはその化合物のアミノ基から誘導されるカルバモイル部分が挙げられる。さらには、式Iの化合物の生理学的に受容可能な等価体のいずれもが、代謝上不安定なエステルまたはカルバメート(これらは、インビボで式Iの親化合物を生成し得る)と同様に、本発明の範囲内である。
【0224】
本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩が、これらの組成物中で利用される場合には、これらの塩は、好ましくは無機酸および無機塩基または有機酸および有機塩基から誘導される。そのような塩としては、以下のものが挙げられる:アセテート、アジペート、アルギネート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、硫酸水素塩、ブチレート、シトレート、カンフォレート、カンファースルホネート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、フマレート、グルコヘプタノエート(lucoheptanoate)、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホネート、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、ニコチネート、オキサレート、パモエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニル−プロピオネート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、タートレート、チオシアネート、トシレートおよびウンデカノエート。塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩、およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基との塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン塩)、N−メチル−D−グルカミン、ならびにアミノ酸(例えば、アルギニン、リジンなど)との塩が挙げられる。
【0225】
また、塩基性の窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、メチルクロリド、エチルクロリド、プロピルクロリド、ブチルクロリド、メチルブロミド、エチルブロミド、プロピルブロミド、ブチルブロミド、メチルヨージド、エチルヨージド、プロピルヨージド、およびブチルヨージド);ジアルキルスルフェート(例えば、ジメチルスルフェート、ジエチルスルフェート、ジブチルスルフェート、およびジアミルスルフェート)、長鎖ハライド(例えば、デシルクロリド、ラウリルクロリド、ミリスチルクロリド、ステアリルクロリド、デシルブロミド、ラウリルブロミド、ミリスチルブロミド、ステアリルブロミド、デシルヨージド、ラウリルヨージド、ミリスチルヨージド、およびステアリルヨージド)、アラルキルハライド(例えば、ベンジルブロミドおよびフェネチルブロミド)などの試薬、ならびに他の試薬で第四級化され得る。水溶性生成物もしくは油溶性生成物または分散性生成物が、それによって得られる。
【0226】
本発明の組成物および本発明の方法で利用される化合物はまた、適切な官能基を追加することにより改変され、選択的な生物学的特性を高め得る。そのような改変物は、当該分野で公知であり、そのような改変物としては、所与の生物学的系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増加させる改変物、経口利用可能性を増加させる改変物、溶解性を増加させて注射による投与を可能にする改変物、代謝を変化させる改変物および排泄速度を変化させる改変物などが挙げられる。
【0227】
本発明の薬学的組成物は、当該分野で周知の方法(例えば、とりわけ、従来どおりの、顆粒化プロセス、混合プロセス、溶解プロセス、カプセル化プロセス、凍結乾燥プロセス、または乳化プロセス)により製造され得る。組成物は、様々な形態で製造され得、その形態としては、顆粒、沈殿物、または微粒子物、粉末(凍結乾燥された粉末、回転乾燥された粉末または噴霧乾燥された粉末が挙げられる)、無定形粉末、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、坐薬、注射剤、乳剤、エリキシル剤、懸濁剤、または液剤が挙げられる。処方物は、必要に応じて、安定剤、pH調整剤、界面活性剤、バイオアベイラビリティ改質剤およびこれらの組み合わせを含み得る。
【0228】
薬学的処方物は、滅菌された液体(例えば、油、水、アルコール、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)を用いて、液体懸濁剤または液剤として調製され得る。薬学的に適切な界面活性剤、沈殿防止剤、または乳化剤が、経口投与または非経口投与のために添加され得る。懸濁剤としては、油(落花生油、ゴマ油、綿実油、コーン油およびオリーブ油が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。懸濁剤調製物はまた、脂肪酸のエステル(例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリドおよびアセチル化脂肪酸グリセリド)を含み得る。懸濁剤処方物はまた、アルコール(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、グリセロールおよびプロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。エーテル(例えば、ポリ(エチレングルコール)が挙げられるが、これらに限定されない)、石油炭化水素(例えば、鉱油およびペトロラタム);ならびに水もまた、懸濁剤処方物中で用いられ得る。
【0229】
これらの組成物中で使用され得る薬学的に受容可能なキャリアとしては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されない。
【0230】
好ましい実施形態に従って、本発明の組成物は、哺乳動物、好ましくは、ヒトに薬学的に投与するために処方される。本発明のこのような薬学的組成物は、経口的、非経口的吸引スプレーによって、局所的に、直腸的に、経鼻的に、舌下的に、経膣的に、または移植されたレザバを介して、投与され得る。本明細書中で使用される場合、「非経口的」は、皮下的、静脈内的、筋肉内的、関節内的、滑膜内的、胸骨内的、髄腔内的、肝内的、病巣内的および頭蓋内的な注射技術または注入技術を含む。好ましくは、組成物は、経口的にまたは静脈内的に投与される。本発明の処方物は、短時間作用性、迅速放出性、または長時間作用性であるように設計され得る。なおさらに、化合物は、徐放性処方物のような投与(例えば、注射)のような、全身的手段よりもむしろ局所的手段で投与され得る。
【0231】
本発明の組成物の滅菌注射可能形態は、水性懸濁液または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、当該分野で公知の技術に従って処方され得る。滅菌注射可能調製物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能溶液または滅菌注射可能懸濁液(例えば、1,3−ブタノールの溶液)であり得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌性不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として慣習的に使用される。この目的のために、任意の無刺激性の不揮発性油が使用され得、これには、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドが挙げられる。脂肪酸(例えば、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体)は、注射可能物の調製において有用である。なぜなら、薬学的に受容可能な油(例えば、オリーブ油またはひまし油、特に、それらのポリオキシエチル化バージョン))であるからである。これらの油溶液または油懸濁液はまた、エマルジョンおよび懸濁液を含む薬学的に受容可能な投薬形態の処方において通常使用されるカルボキシメチルセルロースまたは類似の分散剤のような長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含み得る。他の一般的に使用される界面活性剤(例えば、Tweens,Span)および他の乳化剤またはバイオアベイラビリティーエンハンサー(薬学的に受容可能な固体、液体、または他の投薬形態の製造において一般的に使用される)はまた、処方のために使用され得る。化合物は、ボーラス注射または連続注入のような注射によって非経口投与のために処方され得る。注射のための単位投薬形態は、アンプルまたは多用量容器であり得る。
【0232】
本発明の薬学的組成物は、任意の経口的に受容可能な投薬形態(カプセル、錠剤、水性懸濁液または溶液が挙げられるが、これらに限定されない)で経口投与され得る。経口的使用のための錠剤の場合、一般的に使用されるキャリアとしては、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)はまた、代表的に添加される。カプセル形態における経口投与のために、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁液が経口的使用のために必要とされる場合、活性成分は、乳化剤および懸濁剤と組み合わされる。所望である場合、特定の甘味剤、香味剤、または着色剤がまた添加され得る。
【0233】
あるいは、本発明の薬学的組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与され得る。これらは、室温で固体であるが、直腸温度で液体であり、従って、直腸で融解して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤と、この薬剤を混合することによって調製され得る。このような物質としては、ココアバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0234】
本発明の薬学的組成物はまた、特に、処置の標的が、眼、皮膚または下部腸管の疾患を含む、局所適用によって容易にアクセス可能な領域または器官を含む場合、局所的に投与され得る。適切な局所用処方物は、これらの領域または器官のそれぞれのために容易に調製される。
【0235】
下部腸管のための局所適用は、直腸坐剤処方物(上を参照のこと)中でまたは適切な浣腸処方物でもたらされ得る。局所経皮パッチもまた使用され得る。局所適用のために、薬学的組成物は、1つ以上のキャリア中に懸濁されるかまたは溶解される活性成分を含む適切な軟膏で処方され得る。本発明の化合物の局所投与のためのキャリアとしては、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に受容可能なキャリア中に懸濁されるかまたは溶解された活性成分を含む適切なローションまたはクリームで処方され得る。適切なキャリアとしては、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0236】
眼科的使用のために、薬学的組成物は、塩化ベンジルアルコニウムのような保存剤を含むかまたは含まないかのいずれかで、等張性のpHを調節した滅菌生理食塩水中の微粉化懸濁液として、または好ましくは、等張性のpHを調節した滅菌生理食塩水中の溶液として処方され得る。あるいは、眼科的使用のために、薬学的組成物は、ワセリンのような軟膏中で処方され得る。
【0237】
本発明の薬学的組成物はまた、経鼻エアロゾルまたは吸引によって投与され得る。このような組成物は、薬学的処方物の分野で周知の技術に従って調製され、そしてベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティーを向上するための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の従来の可溶化剤または分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製され得る。
【0238】
有効量を含む上記投薬形態のいずれも、十分に慣用的な実験の範囲内であり、従って、十分に本発明の範囲内である。治療的有効用量は、投与の経路および投薬形態に依存して変動し得る。本発明の好ましい化合物は、高い治療指数を示す処方物である。治療指数は、毒性の影響と治療の効果との間の用量比であり、これはLD50とED50との間の比として表され得る。LD50は、集団の50%の死の用量であり、ED50は、集団の50%において治療的に有効な用量である。LD50およびED50は、動物細胞培養物または実験動物において標準的な薬学的手順によって決定される。
【0239】
上記の代表的な投薬形態に加えて、薬学的に受容可能な賦形剤およびキャリアならびに投薬形態は、一般的に、当業者に公知であり、本発明に含まれる。
【0240】
本発明は、MC4−R活性を阻害するかまたは減少させ、そしてヒトまたは非ヒト動物においてMC4関連障害を処置するかまたは改善する方法を提供する。従って、本発明の文脈において「処置」とは、障害または疾患と関連する症状の軽減、あるいはこれらの症状のさらなる進行または悪化の停止、あるいは疾患または障害の予防(prevention)または予防(prophylaxis)を意味する。例えば、るいそう(wasting)の文脈において、首尾良い処置は、症状の軽減または疾患の進行の停止を含み得、これは、体重の増加、食物またはエネルギー摂取の量の増加、あるいは痩せた体重の量の増加によって測定される。
【0241】
本発明の方法は、有効量の本明細書中に記載される化合物または組成物を、哺乳動物または非ヒト動物に投与する工程を包含する。本明細書中に記載される場合、本発明の化合物または組成物の「有効量」は、MC4−Rに拮抗するかまたはMC4−Rを阻害する量を含む。MC4−Rに拮抗するかまたはMC4−Rを阻害する量は、例えば、MC4−R活性を決定し得る任意のアッセイ(例示的な試験方法において以下に記載されるアッセイ、または例えば、コントロールモデルと比較して上昇したcAMPレベルを測定することによって、Gタンパク質結合レセプターの活性化を介して、生物学的経路においてシグナル伝達を検出する、当業者に公知の任意の他のアッセイを含む)によって検出可能である。
【0242】
用語「モジュレーター」とは、本明細書中で用いられる場合、レセプターのアゴニスト、インバースアゴニスト、間接的(indirect)アゴニスト、またはアンタゴニストのいずれかとして、メラノコルチンレセプターと相互作用する化合物をいう。用語「逆作用する(inverse agonize)」、「拮抗する」、または「阻害する」とは、検出可能なシグナルを減少させる化合物の能力を包含する。有効量はまた、MC4−Rを阻害することによって処置可能なMC4−R関連障害の症状(例えば、体重減少)を軽減する量を含み得る。従って、「アンタゴニスト」は、MC4−Rと相互作用する化合物、および第2の化合物(例えば、α−メラニン細胞刺激ホルモンまたは別のMC4−Rリガンド)の能力を調節(例えば、阻害または減少)して、MC4−Rと相互作用する化合物を含む。MC4−R結合化合物は、好ましくは、MC4−Rのアンタゴニストである。用語「MC4−R結合化合物」は、MC4−Rと相互作用して、MC4−Rの活性の調節を生じる化合物を含む。MC4−R結合化合物は、インビトロ方法(例えば、細胞ベースおよび非細胞ベース)またはインビボ方法のいずれかを使用して、同定され得る。これらの方法の詳細な説明は、以下に記載される。
【0243】
本明細書中に記載される方法および組成物中に存在する化合物の量は、障害の重篤度またはMC4−R活性における検出可能な減少(実施例に記載されるアッセイのいずれかによって測定される)を引き起こすのに十分であるべきである。必要なMC4−Rモジュレーターの量は、所定の細胞型に対するモジュレーターの有効性および障害を処置するために必要とされる時間の長さに依存する。特定の実施形態において、本発明の組成物は、別の治療剤をさらに含み得る。第2の薬剤が使用される場合、第2の薬剤は、別々の投薬形態としてまたは本発明の化合物または組成物とともに単一の投薬形態の一部としてのいずれかで投与され得る。
【0244】
任意の特定の患者に対する特定の投薬量および処置レジメンが、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、食餌、投与時間、排泄速度、薬物の組み合わせ、ならびに処置する医師の判断および処置する特定の疾患の重篤度を含む種々の因子に依存する。活性成分の量はまた、その組成物中の特定の化合物および他の治療剤(存在する場合)に依存する。
【0245】
用語「哺乳動物」は、MC4−Rを発現する生物を含む。動物の例としては、マウス、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、クマ、サル、イヌ、ネコ、および好ましくはヒトが挙げられる。MC4−Rを発現するトランスジェニック生物はまた、この定義に含まれる。
【0246】
MC4−R関連障害またはMC4−R媒介疾患(提供される方法によって処置され得る)は、MC4−Rの異常な活性または望ましくない活性、あるいはMC4−Rの発現によって特徴付けられる状態、障害または疾患を含む。これはまた、MC4−Rリガンド(例えば、α−メラニン細胞刺激ホルモン)と関連する状態、障害および疾患を含む。この用語はまた、MC4−Rまたはそのリガンドの異常な活性または望ましくない活性によって特徴付けられる状態、障害および疾患の予防を含む。MC4−R関連障害は、体重減少およびるいそう障害、骨量減少障害、ニューロン損傷または障害、心臓血管障害および体温調節を含む。
【0247】
MC4−R関連障害の例としては、摂食障害およびるいそう障害(例えば、悪液質(例えば、癌悪液質、AIDS悪液質、CHF悪液質などを含む慢性疾患関連悪液質)、食欲不振、異化衰弱、および老化に関連する不随意の体重減少が挙げられる。最近の研究は、中心的なメラノコルチンシグナル伝達系、特にMC4−Rは、悪液質の動物モデルに寄与することが実証されている。Wisse BEら、Endocrinology 142:3292−3301(2001);Marks DLら、Cancer Res 61:1432−1438(2001);Vergoni AVら、Eu J Pharm 369:11−15(1999)。悪液質は、癌および他の慢性の病気(例えば、AIDS、慢性心不全、慢性感染など)と関連する一般的な病理学的症候群であり、これは、食欲の減少およびエネルギーを節約できないことの両方を包含する。この障害の特徴は、脂肪の減少および痩せた体重であり、罹患率、死亡率、および罹患した患者の生活の質の低下に寄与する。Ronald M.L.およびJ.B.Tatro,Diabetes,8:267−271、(1999);Tisdale MJNutrition 17:438−442(2001)。生理学的に、これは、食欲の低下および潜在的な異常な異化のような多くの複雑な因子のうちのいずれか1つからの結果であり得る。従って、本発明は、摂食行動および体重の増加に有効な化合物、組成物、および方法を提供し、これは、体重の減少およびるいそうと関連する障害または疾患(例えば、悪液質(例えば、癌悪液質、AIDS悪液質、CHF悪液質などを含む慢性疾患関連悪液質)、食欲不振、および老化に関連する不随意の体重減少)を処置する際に特に有用である。
【0248】
別の実施形態において、MC4−R関連障害は、骨関連障害である。MC4−Rノックアウトマウスは、向上した骨の厚みを有することが示された(Ducyら、Science,(Sept.,2000)289:1501−1504)。本発明のMC4−R結合化合物を用いて処置され得る骨関連障害の例としては、骨の形成、修復またはリモデリングが有利である。例えば、骨関連状態としては、骨粗鬆症(例えば、骨強度および密度における減少)、骨折、外科的手順に関する骨形成(例えば、顔面形成)、骨形成不全症(もろい骨の疾患)、低ホスファターゼ症、パジェット病、線維性骨異形成症、および骨のカルシウムの欠乏(例えば、原発性副甲状腺機能亢進症に関連する)が挙げられる。骨関連障害としては、骨の形成、修復またはリモデリングが被験体に対して有利である全ての状態、ならびに本発明の化合物で処置され得る被験体の骨または骨格系と関連する全ての他の障害が挙げられる。
【0249】
メラノコルチンは、動物モデルにおける神経系障害性の疼痛を増加し、そして鎮痛剤無痛覚を拮抗し、そしてアンタゴニストは、神経障害性の疼痛を打ち消す。Vrinten DHら、J Neurosci 20:8131−8137(2000);Adan RAH in The melanocortin receptors Cone RD、Totowa,NJ編:Humana Press;109−141(2000)。さらに、癌を有する患者は、癌悪液質レジメンを受けるメラノコルチンレセプターアンタゴニストで処置される場合に改善された疼痛コントロールのさらなる利益を有し得る。従って、本明細書中に記載される方法および組成物は、神経障害性疼痛を含むMC4−R関連疼痛または神経障害の処置において有用であり得る。
【0250】
(アッセイ)
シンチレーション近接アッセイ(SPA)は、非細胞ベースのインビトロアッセイである。これは、MC4−Rと相互作用する化合物を同定するために使用され得る。このような化合物は、MC4−R活性のアンタゴニストまたはアゴニストとして作用し得、そして体重障害の処置において使用され得る。MC4−Rに対するMC4−R結合化合物の結合親和性の定量的測定の1つの例は、そのIC50である。好ましくは、MC4−R結合化合物は、例えば、約50μMまたはそれ未満、20μMまたはそれ未満、10μMまたはそれ未満、5μMまたはそれ未満、2.5μMまたはそれ未満、あるいは1μMまたはそれ未満の結合親和性で、MC4−Rに結合する。代替の実施形態において、MC4−R結合化合物のIC50は、約0.5μMまたはそれ未満、約0.3μMまたはそれ未満、約0.1μMまたはそれ未満、約0.08μMまたはそれ未満、約0.06μMまたはそれ未満、約0.05μMまたはそれ未満、約0.04μMまたはそれ未満、あるいは好ましくは約0.03μMまたはそれ未満である。
【0251】
SPAにおいて、単離された膜は、MC4−Rと相互作用する化合物を同定するために使用される。例えば、単離された膜を使用する代表的な実験において、293細胞を、MC4−Rを発現するために遺伝子的に操作し得る。膜を標準的な技術によって集め、そしてインビトロ結合アッセイにおいて使用する。125I−標識リガンド(例えば、125−I標識α−MSH、β−MSH、またはACTH)を、膜に結合させて、比活性につてアッセイする;特異的結合を、過剰の非標識リガンドの存在下で実施した結合アッセイと比較して決定する。
【0252】
MC4−R結合化合物を同定するために、膜を、試験化合物の存在下または非存在下で標識リガンドとともにインキュベートする。レセプターに結合し、膜への結合について標識されたリガンドと競合する化合物は、ビヒクルコントロールサンプルと比較して、シグナルを減少した。好ましくは、MC4−RとMC4−Rリガンド(例えば、α−MSH、β−MSHおよびACTH)との間の相互作用を拮抗する化合物を同定するためにスクリーンが設計される。このようなスクリーンにおいて、MC4−Rリガンドを標識し、試験化合物を、MC4−Rに対する標識リガンドの結合を拮抗するそれらの能力についてアッセイし得る。
【0253】
細胞ベースのアッセイ系はまた、MC4−R結合化合物を同定するために使用され得る。細胞ベースのアッセイ系の例は、cAMPアッセイであり、これは、以下により詳細に記載される。細胞ベースの方法は、MC4−Rに結合する化合物をスクリーニングするためにMC4−Rを内因的に発現する細胞を使用し得る。あるいは、MC4−Rを発現するように遺伝的に操作された細胞株(例えば、293細胞、COS細胞、CHO細胞、線維芽細胞など)はまた、スクリーニングのために使用され得る。好ましくは、メラノコルチンペプチドによる活性化に応答する機能的レセプターを発現するように遺伝的に操作された宿主細胞は、アッセイにおける終点として使用され得る;例えば、化学的変化、生物学的変化、または表現型変化、宿主細胞遺伝子またはレポーター遺伝子の導入、cAMPレベルの変化、アデニリルシクラーゼ活性、宿主細胞Gタンパク質活性、細胞外酸性化速度、宿主細胞キナーゼ活性、増殖、分化などによって測定される。
【0254】
スクリーニングアッセイにおいて有用であるように、機能的MC4−Rを発現する宿主細胞は、MC4−Rリガンドに対する有意な応答を、好ましくはバックグラウンドの5倍より高い誘導で与える。宿主細胞は、好ましくは、例えば、CREレポーター遺伝子の強力な誘導を検出するために、メラノコルチンペプチドペプチドによる誘導性応答を最大化するために、読み出しに依存して、多くの特性を有するべきである:(a)低い天然レベルのcAMP、(b)MC4−Rと相互作用し得るGタンパク質、(c)高いレベルのアデニリルシクラーゼ、(d)高レベルのプロテインキナーゼA、(e)低レベルのホスホジエステラーゼ、および(f)高レベルのcAMP応答エレメント結合タンパク質は、有利である。メラノコルチンペプチドに対する応答を増加させるために、宿主細胞は、より多くの量の好ましい因子またはより少ない量の好ましくない因子を発現するように操作され得る。さらに、CREレセプターの誘導ための代替の経路は、基底レベルを減少させるために排除され得る。
【0255】
そのような細胞系の使用において、メラノコルチンレセプターを発現する細胞は、試験化合物またはビヒクルコントロール(例えば、プラセボ)に曝露される。曝露後、その細胞はアッセイされ、そのメラノコルチンレセプターのシグナル伝達経路の成分の発現および/もしくは活性が測定され得るか、またはシグナル伝達経路自体の活性がアッセイされ得る。例えば、曝露後、細胞溶解物は、cAMPの誘発についてアッセイされ得る。試験化合物の、ビヒクルコントロールで処置した細胞について見られるcAMPのレベルよりも上へ、cAMPのレベルを上昇させる能力は、その試験化合物が宿主細胞により発現されるメラノコルチンレセプターにより媒介されるシグナル伝達を誘発することを示す。MC4−Rのアンタゴニストとして作用し得る化合物についてのスクリーニングにおいて、そのMC4−Rを活性化するリガンド(例えばα−MSH、β−MSH、またはACTH)を含めて、ビヒクルコントロールと比較した場合の、その試験化合物によるシグナル伝達の阻害について試験することが必要である。
【0256】
メラノコルチンレセプター間を識別し、MC4−Rを選択的に作動させるか、またはMC4−Rと拮抗する化合物を同定することが望まれる場合には、上記のアッセイは、宿主細胞のパネルを用いて実施され得、各々の宿主細胞が、メラノコルチンレセプター(MC1−R〜MC5−R)のうちの一つを発現するよう、遺伝的に操作される。ヒトのメラノコルチンレセプターの発現が、薬物発見目的のためにより好まれる。この目的のために、宿主細胞は、メラノコルチンレセプター1〜5について示されるアミノ酸配列のうちのいずれかを発現するよう、遺伝的に操作される。各レセプターのクローニングおよび特徴づけは、以下に記載されている:MC1−RおよびMC2−R(Mountjoy.,1992,Science 257:1248〜1251;ChhajlaniおよびWikberg,1992,FEBS Lett.309:417〜420);MC3−R(Roselli−Rehfussら、1993,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 90:8856〜8860;Gantzら、1993,J.Biol.Chem.268:8246〜8250);MC4−R(Gantzら、1993,J.Biol.Chem.268:15174〜15179;Mountjoyら、1994,Mol.Endo.8:1298〜1308);ならびにMC5−R(Chhajlaniら、1993,Biochem.Biophys.Res.Commun.195:866〜873;Gantzら、1994,Biochem.Biophys.Res.Commun.200;1234〜1220)(これらの文献の各々が、その全体で本明細書中に参考として援用される)。従って、上記配列の各々が利用され、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイでの使用のために、メラノコルチンレセプターのうちの一つを発現する細胞または細胞株が操作され得る。MC4−R活性を特異的にまたは選択的に調節する化合物を同定するために、MC4−Rの活性化またはMC4−R活性化の阻害が、その試験化合物が他のメラノコルチンレセプターに及ぼす効果と比較される。特定の実施形態では、MC4−Rに対して選択的な本発明の化合物を選択することが有利であるか、あるいは、同様に他のレセプターと相互作用する化合物を選択することが有用であり得る。
【0257】
一つのさらなる実施形態では、本発明のMC4−R結合化合物は、少なくとも一つの他のMCレセプターに対してよりも、MC4−Rに対してより選択的であり、例えば2倍よりも高く選択的であるか、少なくとも10倍選択的であるか、少なくとも20倍選択的であるか、少なくとも50倍選択的であるか、または少なくとも100倍選択的である。
【0258】
一つのさらなる実施形態では、本発明のMC4−R結合化合物は、MC1−Rに対してよりも、MC4−Rに対してより選択的であり、例えば2倍よりも高く選択的であるか、少なくとも10倍選択的であるか、少なくとも20倍選択的であるか、少なくとも50倍選択的であるか、または少なくとも100倍選択的である。
【0259】
一つのさらなる実施形態では、本発明のMC4−R結合化合物は、MC3−Rに対してよりも、MC4−Rに対してより選択的であり、例えば2倍よりも高く選択的であるか、少なくとも10倍選択的であるか、少なくとも20倍選択的であるか、少なくとも50倍選択的であるか、または少なくとも100倍選択的である。
【0260】
一つのさらなる実施形態では、本発明のMC4−R結合化合物は、MC5−Rに対してよりも、MC4−Rに対してより選択的であり、例えば2倍よりも高く選択的であるか、少なくとも10倍選択的であるか、少なくとも20倍選択的であるか、少なくとも50倍選択的であるか、または少なくとも100倍選択的である。
【0261】
さらに別のさらなる実施形態では、本発明のMC4−R結合化合物は、少なくとも一つ、少なくとも二つ、または少なくとも三つの他のMCレセプター(例えば、MC1−R、MC3−R、またはMC5−Rなど)に対してよりも、MC4−Rレセプターに対してより選択的である。さらなる実施形態では、MC4−R結合化合物は、MC1−R、MC3−RおよびMC5−Rに対してよりも、MC4−Rに対してより選択的であり、MC1−R、MC3−RおよびMC5−Rに対してよりも、MC4−Rに対して、少なくとも10倍選択的であるか、少なくとも20倍選択的であるか、少なくとも50倍選択的であるか、または少なくとも100倍選択的である。
【0262】
本明細書中に記載される組成物は、さらなる治療剤を含み得、そのさらなる治療剤としては、例えば、HIV抗ウイルス剤(例えば、逆転写酵素インヒビター、プロテアーゼインヒビター、プロテオソームインヒビター)、心臓血管治療剤、または抗癌剤(例えば、白金薬剤、リスト列挙)が挙げられる。
【0263】
MC4−R結合化合物は、インビトロ法(細胞ベースの方法または非細胞ベースの方法)またはインビボ法のいずれかを用いることにより同定され得る。これらの方法は当該分野で公知であり、以下に記載される。
【0264】
(試験方法)
(実施例−シンチレーション近接アッセイ(SPA))
(MC4−R結合化合物についての高スループットレセプター結合スクリーニング)
(A.MC4−R細胞由来膜の調製)
以下のプロトコル(Maedaら、(1983)Biochem.Biophys.Acta 731:115〜120)を用いて、シンチレーション近接アッセイ(SPA)での使用のために十分な純度の細胞膜の粗調製物を調製した。
【0265】
MC4−R細胞は、そのMC4−Rを過剰発現する安定な組換え型K293細胞であった。その細胞を定法に従って培養し、DMEMベースの培地(10%ウシ胎児血清(FBS)、1×グルタミン、および0.5mg/mlのG418)から構成される増殖培地中で継代した。最終的な培養物(すなわち、細胞膜を作製するために処理される培養物)を、培地が1mlあたり0.2mgのG418を含むことを除いては同一の培地で増殖させた。
【0266】
回収した細胞を、4℃でペレット状にし、そして、直ちに25mLのPBSで洗浄した。洗浄した細胞を、2倍容量の、Boehringer CompleteTMプロテアーゼインヒビターを含有するSTM緩衝液(0.25M スクロース、5mM トリス、1mM MgCl、pH7.5)に再び懸濁した。細胞破壊を、Dounceホモジェナイザーを用いて達成した。20〜30ストロークののち、核および破壊されなかった細胞を、1100rpmで5分間の遠心沈殿法によりペレット状にした。上清を保存し、そのペレットを、1容量のSTM/プロテアーゼインヒビターに再び懸濁し、次いでさらなる崩壊工程を、Dounceホモジェナイザー(10〜20ストローク)により実施した。この物質を、次いで第1の上清と合わせた。11.25mLのホモジネートを、27.25mLの42%(w/w)スクロース(5mMトリス、1mM MgCl、pH7.5)の上層に静かに重ねた。28,000rpmで90分間回転(超遠心分離機、SW−28ローター)した後、膜をホールピペットとの界面で収集した。
【0267】
そのスクロース界面から得られた膜懸濁物を収集し、5mMトリスおよび1mM MgClで希釈した。膜を33,000rpmでの30分間のもう1回の遠心沈殿法(SW−41 Ti ローター)により収集した。膜のペレットを、次いで少量の体積(0.5mL)のSTMに、2mLのDounceホモジェナイザーを用いて再び懸濁させ、そして直ちに冷凍した。その得られた膜は、冷凍−解凍サイクルおよび少なくとも6時間にわたる4℃付近の温度の両方に対して安定であった。
【0268】
(B.高スループットスクリーニング)
シンチレーション近接アッセイ(SPA)方式のリガンド結合アッセイを使用した。MC4−R哺乳動物細胞(K293を発現するMC4−R)由来のMC4−Rを、コムギ麦芽凝集素(WGA)でコーティングされたSPAビーズに結合させた。その膜でコーティングされたSPAビーズを、30μLの10%DMSO中に予め溶解した試験化合物を含むスクリーニングプレートに添加した。上記レセプターでコーティングされたビーズとその試験化合物の予備平衡(1時間)の後、2nMの放射性リガンド([125I]NDP−α−MSH)を添加した。上記レセプターへの放射性リガンドの結合が、そのビーズのシンチレーションを引き起こすため、低分子による放射性リガンドの結合の妨害は、シンチレーションの低下を引き起こす。
【0269】
(1.WGA−SPAビーズへのMC4−R膜の予備結合)
上記膜をSPAビーズと混合し、その膜およびビーズの2×ストックを作製した。
【0270】
1バッチあたり20プレートのスクリーニングプレートに対して、上記成分を表4に与えられる割合で混合した。その膜およびビーズを、磁気攪拌子を用いて、室温で1〜2時間攪拌し、結合させた。
【0271】
【表4】

(2.結合アッセイ)
以下のアッセイを、プレートスタッカーを備えたTitertec Multidropを用いて、オートメーションで実施した。
【0272】
ウェルごとに、30μlの10%DMSOを、OptiPlate中の乾燥した化合物フィルムに添加した。次いで、5μLの冷たいNDP−α−MSHを、コントロールウェルに添加した。引き続いて、1ウェルあたり50μlの2×膜およびビーズを添加し、そして上記化合物と、1時間、予備平衡させた。
【0273】
結合を、20μlの放射性リガンド([125I]−NDP−α−MSHの20nM溶液)を各試験ウェルに添加することにより開始した。そのプレートを室温で一晩インキュベートし、そして翌朝読み取った。
【0274】
試薬および量を、以下の表5にまとめる。
【0275】
【表5】

上記化合物の潜在性を、正のコントロール(100%阻害)および負のコントロール(インヒビターなし;0%阻害)を参照し、以下の式を用いて定量した。
【0276】
%阻害={1−[cpm−(正のコントロール)]/[(負のコントロール)−(正のコントロール)]}×100%
(実施例−膜結合濾過アッセイ)
96ウェルプレートに、以下のものを添加した:
ウェル1〜10(A〜H) [10×]連続希釈された化合物10μl
ウェル11〜12(A〜D) 10%DMSO/アッセイ緩衝液10μl
ウェル11〜12(E〜H) 5.5μM [N,D,P]−α−MSH(Sigma)/10%DMSO 10μl
25mM HEPES(pH7.0)、1.5mM CaCl、1mM MgSO、0.1M NaCl、0.2%BSA、1mM 1,10−フェナントロリン、およびプロテアーゼインヒビター(Complete Mini EDTA−free,Roche Diagnostics)を含むアッセイ緩衝液を使用する。
【0277】
すべてのウェルに、40μlの1:40希釈のヒトMC4膜(Perkin Elmer)および50μlの0.5nM 125I−[N,D,P]−α−MSH(Amersham)を添加し、次いで室温で2時間インキュベートする。その上清を、氷冷された洗浄緩衝液(25mM HEPES(pH7.0)、1.5mM CaCl、1mM MgSO、および0.1M NaCl)を用いて、Unifilter GF/B(Perkin Elmer)プレート(0.3%PEIと予備平衡させたもの)を通して濾過する。そのUnifilterプレートを乾燥し、シンチレーション流体を添加し、そして放射能の量を、1450 MicroBeta Trilux(Perkin Elmer)シンチレーション計数計を用いて測定する。その化合物の親和性を、以下のようにして定量する。
【0278】
%阻害={1−[未知試料−非特異的結合]/[総量−非特異的結合]}×100
IC50をX値として定義し、このX値は50%阻害におけるY値に等しい。以下の4つのパラメータの記号論理学モデルは、非線型回帰を用いるカーブフィットおよびIC50決定を可能にする:
【0279】
【数1】

ここで:
Aは、Yの最小値であり;Bは、Yの最大値であり;Cは、Log IC50であり;Dは、勾配係数であり;X値は、既知のXの範囲の化合物濃度であり;そして、Y値は、そのXの範囲に対する既知のY値である(Yは、0%阻害〜100%阻害の応答であり;Yは、最小値から始まり、S字型を描いて最大値に至る)。
【0280】
Kiを、Cheng−Prusoff式に従って計算する。
【0281】
【数2】

(実施例−MC4−Rアンタゴニスト活性についてのcAMPアッセイ)
MC4レセプターを、安定にトランスフェクトしたK293細胞中に発現させる。MC4/HEK293細胞を、ポリ−D−リシンでコーティングされた96ウェルプレート(Becton Dickinson)中にプレートし(1ウェルあたり60,000個の細胞)、そしてDMEMベースの培地(10%FBS、1×グルタミン、および1mlあたり0.4mlのG418)(Gibco BRL)で、37℃/5.0%COの下で一晩増殖させる。翌日、その上清を捨て、そしてその細胞を、50μLのOpti−MEM(Giobco BRL)/0.5mM IBMX(イソブチルメチルキサンチン(Sigma))中で、15分間、37℃/5%COの下でインキュベートする。
【0282】
50μLの(3×)連続希釈化合物を細胞に添加し、10分間、37℃/5%COの下でインキュベートし、次いで50μLの(3×)[N,D,P]−α−MSH(最終濃度は1nM)を添加し、そして35分間、37℃/5%COの下でインキュベートする。細胞によって産出されるcAMPの量を、cAMP−Screen Immunoassay(Applied Biosystems、カタログ番号 T1502)および1450 MicroBeta Trilux(Perkin Elmer)を用い、製造者の指示書に従って検出する。化合物のIC50を、上記の式を用いて計算する。
【0283】
(実施例−メラノコルチンレセプターアンタゴニスト活性についてのインビボアッセイ)
インビボアッセイを用いてマウスのメラノコルチンアンタゴニストの効果を試験する。例えば、アゴニスト誘発性給食低下の急性の逆転をモニターすることにより、化合物を試験し得る。
【0284】
雄性の痩せたC57BL/6Jマウスを、個々にマクロロンケージ(22±2℃;午後6時に照明を消す12時間:12時間の明/暗サイクル)に収容した。水道水およびマウス用固形飼料を制約なしに与える。マウスに、第3脳室(脳室内の)を標的とした長期誘導カニューレを、試験の1週間前に定位に移植する。
【0285】
化合物の投与の前の晩に、マウスを一晩の絶食に供する。翌朝、マウスを三つの試験グループに分ける。第1の群に、試験化合物を脳室内に(icv)注射し、次いで1時間後に脳室内注射によりアゴニストを投与する。第2の群は、アゴニストの脳室内注射のみを与え、そして第3のコントロール群は脳室内注射を与えない。投与に続いて、マウスをそれらのケージに戻し、アンタゴニストの第1の注射の投与後、1時間、2時間、4時間および6時間に、食物摂取を測定する。
【0286】
出願人らは、本発明の多くの実施形態を説明してきたが、出願人らの基本的な実施例は、変更され、本発明の化合物および本発明の方法を利用する他の実施形態を提供し得ることは明らかである。それゆえに、本発明の範囲は、例として記載されているこれらの特定の実施形態によるのではなく、むしろ添付される特許請求の範囲により定義されるべきであることが理解され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】

またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで:
Xは、酸素または硫黄であり;
Gは、G1、G2またはG3であり:
【化2】

G1のC環は、2個または3個の環窒素を有する、必要に応じて置換される5〜6員の芳香族環または非芳香族環であり;
は、1〜3個のRにより必要に応じて置換されるC1〜6アルキリデン鎖であり、ここで、該アルキリデン鎖は、−C(R11−、−C(R11C(R11−、−C(R11)=C(R11)−、−C≡C−、−O−、−S−、−N(R)、−N(R10)CO−、−N(R10)CO−、−CON(R10)−、−C(R11)(OR)−、−CO−、−CO−、−OC(=O)、−OC(=O)N(R10)−、−SO−、−SO−、−N(R10)SO−、または−SON(R10)−が必要に応じて間にはさまれており、そしてLまたはその一部分は、3員環〜7員環の部分を必要に応じて形成し;
は、1〜3個のRにより必要に応じて置換されるC2〜6アルキリデン鎖であり、ここで、該アルキリデン鎖は、−C(R11−、−C(R11C(R11−、−C(R11)=C(R11)−、−C≡C−、−O−、−S−、−N(R11)−、−N(R10)CO−、−N(R10)CO−、−CON(R10)−、−C(R11)(OR)−、−CO−、−CO−、−OC(=O)、−OC(=O)N(R10)−、−SO−、−SO−、−N(R10)SO−、または−SON(R10)−が必要に応じて間にはさまれており、そしてLまたはその部分は、3員環〜7員環の部分を必要に応じて形成し;
は、直接結合、1〜3個のRにより必要に応じて置換されるC1〜6アルキリデン鎖であり、ここで、該アルキリデン鎖は、−C(R11−、−C(R11C(R11−、−C(R11)=C(R11)−、−C≡C−、−O−、−S−、−N(R11)、−N(R10)CO−、−N(R10)CO−、−CON(R10)−、−C(R11)(OR)−、−CO−、−CO−、−OC(=O)−、−OC(=O)N(R10)−、−SO−、−SO−、−N(R10)SO−、または−SON(R10)−が必要に応じて間にはさまれており、そしてLまたはその一部分は、3員環〜7員環の部分を必要に応じて形成し;
は、水素またはC1〜6脂肪族であり;
各Rは、独立して、水素、C1〜8脂肪族、C6〜10アリール、C7〜10アラルキルから選択されるか、または、C環が6員芳香族環である場合、Rは、孤立電子対であり;
は、水素、C1〜8脂肪族、C6〜10アリール、またはC7〜10アラルキルであり;
は、水素、C1〜8脂肪族、C=O(C1〜8脂肪族)、CO(C1〜8脂肪族)、C(=O)N(R10)(C1〜7脂肪族)、C6〜10アリール、ヘテロアリール、C7〜12アラルキル、またはヘテロアラルキルであり;
は、水素もしくはC1〜8脂肪族であるか、またはRおよびRは、これらの間にある窒素と一緒になって、該間にある窒素に加えて、窒素、硫黄または酸素から選択される、0〜4個の環へテロ原子を有する、置換もしくは非置換の、芳香族もしくは非芳香族の、4〜14員の単環式環系、二環式環系、または三環式環系を形成し;
A環は、0〜2個の環窒素原子を有する、5員ヘテロアリール環または6員芳香族環であり、ここで、QおよびC(=X)N(R)−Gは、A環のオルト位に結合され、そしてA環は、1〜3つのRによって必要に応じて置換され;
B環は、0〜2個の環窒素原子を有する、6員芳香族環であり、ここでB環は、1つ以上のRによって必要に応じて置換され;
Qは、1〜3つのRによって必要に応じて置換される、C〜Cアルキリデン鎖であり、ここで、該アルキリデン鎖のメチレン単位は、−S−、−SO−、−SO−、−N(R)−、−O−、−C(O)−、または−C(S)−によって必要に応じて置換され;
各Rは、独立して、ハロ、−OR、−CN、−C1〜6脂肪族、−N(R10、−C=O(C1〜5脂肪族)、−CO、−CHCO、または−C(=O)N(R10)(C1〜5脂肪族)から選択され;
各Rは、独立して、−ハロ、−NO、−CNから、または、−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10から選択される、置換もしくは非置換の基から選択されるか、または、2つの隣接するRは、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜6員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
各Rは、独立して、−ハロ、−NO、−CNから、または、−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10から選択される、置換もしくは非置換の基から選択されるか、または、2つの隣接するRは、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜6員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
各Rは、独立して、ハロ、OR、CN、C1〜6脂肪族、N(R10、C=O(C1〜5脂肪族)、CO(C1〜5脂肪族)、もしくはC(=O)N(R10)(C1〜5脂肪族)から選択されるか、または、Qに対してオルト位にあるRおよびRは、これらの間にある原子と一緒になって、N、OまたはSから選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜7員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
各R10は、独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜8脂肪族基、C(=O)R、CO、SOから選択されるか、または同じ窒素原子上の2つのR10は、該窒素と一緒になって、該窒素に加えて、N、OまたはSから選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜8員の芳香族環もしくは非芳香族環を形成し;
各R11は、独立して、水素、CO12、CON(R12、OR12、または置換もしくは非置換のC1〜8脂肪族基から選択され;
各R12は、独立して、置換または非置換のC1〜8脂肪族基から選択され;
14は、水素、C1〜8脂肪族、C6〜10アリール、ヘテロアリール、C7〜12アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルであるか、またはRおよびR14は、これらの間にある窒素と一緒になって、該間にある窒素に加えて、窒素、硫黄または酸素から選択される、0〜4個の環へテロ原子を有する、置換もしくは非置換の、芳香族もしくは非芳香族の、4〜14員の単環式環系、二環式環系、または三環式環系を形成する、
化合物。
【請求項2】
Gが、G1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項2に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素である;
(b)Lが、C2〜3アルキリデン鎖である;
(c)Qが、−CHCH−である;
(d)G1が、G1−aまたはG1−bである:
【化3】

(e)RおよびRが各々、独立して、C1〜4脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成する;
(f)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルである;および、
(g)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
からなる群より選択される1つ以上の特徴を有する、化合物。
【請求項4】
請求項3に記載の化合物であって、ここで:
(a)Xが、酸素であり;
(b)Lが、C2〜3アルキリデン鎖であり;
(c)Qが、−CHCH−であり;
(d)G1が、G1−aまたはG1−bであり:
【化4】

(e)RおよびRが各々、独立して、C1〜4脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成し;
(f)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルであり;そして、
(g)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
化合物。
【請求項5】
請求項2に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素である;
(b)Lが、−CHCH−または−CHCHCH−である;
(c)Qが、−CHCH−である;
(d)G1が、G1−aまたはG1−bである:
【化5】

(e)RおよびRが各々、独立して、C1〜3脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、ピペリジニル環、ピロリジニル環、ピペラジニル環、もしくはモルホリニル環を形成する;
(f)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルである;および、
(g)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
からなる群より選択される1つ以上の特徴を有する、化合物。
【請求項6】
請求項2に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素であり;
(b)Lが、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
(c)Qが、−CHCH−であり;
(d)G1が、G1−aまたはG1−bであり:
【化6】

(e)RおよびRが各々、独立して、C1〜3脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、ピペリジニル環、ピロリジニル環、ピペラジニル環、もしくはモルホリニル環を形成し;
(f)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルであり;そして、
(g)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
化合物。
【請求項7】
Gが、G2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
請求項7に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素である;
(b)Lが、C3〜4アルキリデン鎖である;
(c)Qが、−CHCH−である;
(d)(i)RおよびRが各々、独立して、C1〜4脂肪族基から選択されるか、または(ii)RおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成するか、または(iii)Rが、C1〜4脂肪族基であり、そしてRが、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアラルキルである;
(e)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルである;および;
(f)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
からなる群より選択される1つ以上の特徴を有する、化合物。
【請求項9】
請求項7に記載の化合物であって、ここで:
(a)Xが、酸素であり;
(b)Lが、C3〜4アルキリデン鎖であり;
(c)Qが、−CHCH−であり;
(d)(i)RおよびRが各々、独立して、C1〜4脂肪族基から選択されるか、または(ii)RおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成するか、または(iii)Rが、C1〜4脂肪族基であり、そしてRが、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアラルキルであり;
(e)A環が、フェニルまたはチエニルであり;そして;
(f)B環が、フェニルまたはナフチルである、
化合物。
【請求項10】
請求項7に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素である;
(b)Lが、−CHCHCH−または−CH(CH)CHCH−である;
(c)Qが、−CHCH−である;
(d)RおよびRが各々、独立して、C1〜3脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、ピペリジニル環、ピロリジニル環、ピペラジニル環、もしくはモルホリニル環を形成する;
(e)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルである;および;
(f)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
からなる群より選択される1つ以上の特徴を有する、化合物。
【請求項11】
請求項7に記載の化合物であって、ここで:
(a)Xが、酸素であり;
(b)Lが、−CHCHCH−または−CH(CH)CHCH−であり;
(c)Qが、−CHCH−であり;
(d)RおよびRが各々、独立して、C1〜3脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、ピペリジニル環、ピロリジニル環、ピペラジニル環、もしくはモルホリニル環を形成し;
(e)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルであり;そして;
(f)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
化合物。
【請求項12】
Gが、G3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
請求項12に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素である;
(b)Lが、直接結合、−CH−、−CH(R)−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−から選択される;
(c)Qが、−CHCH−である;
(d)Rが、C1〜3アルキル、COH、CO(C1〜6アルキル)、CHCOH、またはCHCO(C1〜6アルキル)である;
(e)R14が、C1〜6脂肪族基または5〜6員の複素環式環から選択される;
(f)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルである;および;
(g)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
からなる群より選択される1つ以上の特徴を有する、化合物。
【請求項14】
請求項12に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素である;
(b)Lが、−CH−または−CH(R)−である;
(c)Rが、C1〜3アルキル、COH、CO(C1〜6アルキル)、CHCOH、またはCHCO(C1〜6アルキル)である;
(d)R14が、環窒素を、およびN、OまたはSから選択される、0〜1個のさらなる環へテロ原子を有する5〜6員の複素環式環である;
(e)Qが、−CHCH−である;
(f)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルである;および;
(g)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
からなる群より選択される1つ以上の特徴を有する、化合物。
【請求項15】
請求項1に記載の化合物であって、式II−A、式II−B、式II−Cまたは式II−D:
【化7】

によって表され、
ここで:
およびRが、各々水素であり;
が、水素であり;
が、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
が、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−であり;
が、直接結合、−CH−、−CH(R)−、−CHCH−、−CHCHCH−、または−CHCHCHCH−であり;
が、C1〜3アルキル、COH、CO(C1〜6アルキル)、CHCOH、またはCHCO(C1〜6アルキル)であり;
が、存在しないか、または−ハロ、−NO、−CN、−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10であるか、または2つの隣接するRが、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜6員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
が、−ハロ、−NO、−CN、または、−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10から選択される、置換もしくは非置換の基であるか、または2つの隣接するRが、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜6員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
およびRが(i)各々、独立して、C1〜4脂肪族基から選択されるか、または(ii)RおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成するか、または(iii)Rが、C1〜4脂肪族基であり、そしてRが、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアラルキルであり;
14が、C1〜6脂肪族基または5〜6員の複素環式環であるか、またはRおよびR14が、これらの間にある窒素と一緒になり、4〜6員環を形成し;
各R13が、独立して、水素、C1〜6脂肪族、もしくは、COR、CO、CN、−N(R10、CON(R10、−ORからなる群より選択される置換基から選択されるか、または同じ炭素上の2つのR13が、一緒になって=Oを形成するか、または2つのR13が、これらの間にある原子と一緒になって、0〜2個の環へテロ原子を有する3〜7員環を形成し;
各R10が、独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜8脂肪族基、C(=O)R、CO、SOから選択されるか、または同じ窒素原子上の2つのR10が、該窒素と一緒になって、該窒素に加えて、N、OまたはSから選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜8員の芳香族環もしくは非芳香族環を形成し;
各R11が、独立して、水素、または必要に応じて置換されるC1〜8脂肪族基から選択され;そして
各R12が、独立して、置換または非置換のC1〜8脂肪族基から選択される、
化合物。
【請求項16】
請求項15に記載の化合物であって、ここで:
およびRが、各々水素であり;
が、水素であり;
が、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
が、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−であり;
が、直接結合、−CH−、−CH(R)−、−CHCH−、−CHCHCH−、または−CHCHCHCH−であり;
が、COH、CO(C1〜6アルキル)、CHCOH、またはCHCO(C1〜6アルキル)であり;
が、存在しないか、または−ハロ、−CN、−R12、−OR、−SR12、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、もしくは−NR10SO12であり;
が、−ハロ、−CN、または、−R12、−OR、−SR12、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、もしくは−NR10SO12から選択される、置換もしくは非置換の基であるか、または2つの隣接するRが、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜6員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
およびRが各々、独立して、C1〜3脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成し;
14が、C1〜6脂肪族基、または、環窒素およびN、OもしくはSから選択される0〜1個のさらなる環へテロ原子を有する、5〜6員の複素環式環であり;
各R13が、水素であり;
各R10が、水素であり;
各R11が、独立して、水素、または必要に応じて置換されるC1〜5脂肪族基から選択され;そして
各R12が、独立して、置換または非置換のC1〜5脂肪族基から選択される、
化合物。
【請求項17】
請求項16に記載の化合物であって、ここで:
が、存在しないか、またはハロであり;
B環が、互いにパラ位である2つのR置換基を有するフェニル環であるか、またはB環が、ナフチル環であり;そして
各Rが、独立して、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜3アルコキシ、CO(C1〜3アルキル)、CONH(C1〜3アルキル)、SO(C1〜3アルキル)、またはSONH(C1〜3アルキル)から選択される、
化合物。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物であって、式III−A、式III−B、式III−Cまたは式III−D:
【化8】

によって表され、
ここで:
およびRが、各々水素であり;
が、水素であり;
が、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
が、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−であり;
が、直接結合、−CH−、または−CHCH−であり;
が、存在しないか、もしくは−ハロ、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10であるか、または、2つの隣接するRが、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個のへテロ原子を有する、5〜6員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
が、−ハロ、−NO、−CN、または、−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10から選択される、置換もしくは非置換の基であるか、または、2つの隣接するRが、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個のへテロ原子を有する、5〜6員の、不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
およびRが各々、独立して、C1〜3アルキルから選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成し;
14が、C1〜6脂肪族、または、環窒素およびN、OもしくはSから選択される0〜1個のさらなる環へテロ原子を有する、5〜6員の複素環式環であり;
各R13が、独立して、水素、C1〜6脂肪族、もしくは、COR、CO、CN、−N(R10、CON(R10、−ORからなる群より選択される置換基から選択されるか、または、同じ炭素上の2つのR13が、一緒になって=Oを形成するか、または2つのR13が、これらの間にある原子と一緒になって、0〜2個の環へテロ原子を有する3〜7員環を形成し;
各R10が、独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜8脂肪族基、C(=O)R、CO、SOから選択され、または同じ窒素上の2つのR10が、該窒素と一緒になって、該窒素に加えて、N、OもしくはSから選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜8員の芳香族環もしくは非芳香族環を形成し;
各R11が、独立して、水素、または必要に応じて置換されるC1〜8脂肪族基から選択され;そして
各R12が、独立して、置換または非置換のC1〜8脂肪族基から選択される、
化合物。
【請求項19】
請求項18に記載の化合物であって、ここで:
、RおよびRが、各々水素であり;
が、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
が、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−であり;
が、直接結合、−CH−、または−CHCH−であり;
が、存在せず;
が、−ハロ、−CN、または、−R12、−OR、−SR12、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、もしくは−NR10SO12から選択される、置換もしくは非置換の基であるか、または、2つの隣接するRが、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個のへテロ原子を有する、5〜6員の、不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
およびRが各々、独立して、C1〜3アルキルから選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成し;
14が、C1〜6脂肪族、または、環窒素およびN、OもしくはSから選択される0〜1個のさらなる環へテロ原子を有する、5〜6員の複素環式環であり;
各R13が、水素であり;
各R10が、水素であり;
各R11が、独立して、水素または必要に応じて置換されるC1〜5脂肪族基から選択され;そして
各R12が、独立して、置換または非置換のC1〜5脂肪族基から選択される、
化合物。
【請求項20】
請求項18に記載の化合物であって、ここで:
B環が、互いにパラ位である2つのR置換基を有するフェニル環であるか、またはB環が、ナフチル環であり;そして
各Rが、独立して、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜3アルコキシ、CO(C1〜3アルキル)、CONH(C1〜3アルキル)、SO(C1〜3アルキル)、またはSONH(C1〜3アルキル)から選択される、
化合物。
【請求項21】
以下:
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

からなる群より選択される化合物。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項23】
処置を必要としている患者におけるMC4−R関連障害を処置する方法であって、請求項1に記載の式(I)の化合物を該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項24】
処置を必要としている患者におけるMC4−R関連障害を処置する方法であって、請求項1に記載の式(I)の化合物を含む薬学的組成物を該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項25】
体重減少障害の処置を必要としていると同定される被験体における体重減少障害を処置する方法であって、請求項1に記載の式(I)の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項26】
前記体重減少障害が、悪液質、加齢性不随意体重減少、異化るいそう、または食欲不振である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
悪液質が、癌性悪液質、心臓性悪液質、慢性疾患悪液質、またはAIDS悪液質である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
骨関連障害の処置を必要としていると同定される被験体における骨関連障害を処置する方法であって、請求項1に記載の式(I)の化合物を該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項29】
前記骨関連障害が、骨粗しょう症、骨折、外科的手順に関連する骨形成、骨形成不全症、低ホスファターゼ血症、パジェット病、線維性骨形成異常、大理石骨病、骨髄腫骨疾患、または骨中のカルシウムの欠乏である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
疼痛障害の処置を必要としていると同定される被験体における疼痛障害を処置する方法であって、請求項1に記載の式(I)の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項31】
ニューロンの障害が、神経障害性疼痛または異痛である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
処置を必要としている患者におけるMC4−R活性を阻害する方法であって、請求項1に記載の式(I)の化合物を含む薬学的組成物を該患者に投与する工程を包含する、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】

またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで:
Xは、酸素または硫黄であり;
Gは、G1、G2またはG3であり:
【化2】

G1のC環は、2個または3個の環窒素を有する、必要に応じて置換される5〜6員の芳香族環または非芳香族環であり;
は、1〜3個のRにより必要に応じて置換されるC1〜6アルキリデン鎖であり、ここで、該アルキリデン鎖は、−C(R11−、−C(R11C(R11−、−C(R11)=C(R11)−、−C≡C−、−O−、−S−、−N(R)、−N(R10)CO−、−N(R10)CO−、−CON(R10)−、−C(R11)(OR)−、−CO−、−CO−、−OC(=O)、−OC(=O)N(R10)−、−SO−、−SO−、−N(R10)SO−、または−SON(R10)−が必要に応じて間にはさまれており、そしてLまたはその一部分は、3員環〜7員環の部分を必要に応じて形成し;
は、1〜3個のRにより必要に応じて置換されるC2〜6アルキリデン鎖であり、ここで、該アルキリデン鎖は、−C(R11−、−C(R11C(R11−、−C(R11)=C(R11)−、−C≡C−、−O−、−S−、−N(R11)−、−N(R10)CO−、−N(R10)CO−、−CON(R10)−、−C(R11)(OR)−、−CO−、−CO−、−OC(=O)、−OC(=O)N(R10)−、−SO−、−SO−、−N(R10)SO−、または−SON(R10)−が必要に応じて間にはさまれており、そしてLまたはその部分は、3員環〜7員環の部分を必要に応じて形成し;
は、直接結合、1〜3個のRにより必要に応じて置換されるC1〜6アルキリデン鎖であり、ここで、該アルキリデン鎖は、−C(R11−、−C(R11C(R11−、−C(R11)=C(R11)−、−C≡C−、−O−、−S−、−N(R11)、−N(R10)CO−、−N(R10)CO−、−CON(R10)−、−C(R11)(OR)−、−CO−、−CO−、−OC(=O)−、−OC(=O)N(R10)−、−SO−、−SO−、−N(R10)SO−、または−SON(R10)−が必要に応じて間にはさまれており、そしてLまたはその一部分は、3員環〜7員環の部分を必要に応じて形成し;
は、水素またはC1〜6脂肪族であり;
各Rは、独立して、水素、C1〜8脂肪族、C6〜10アリール、C7〜10アラルキルから選択されるか、または、C環が6員芳香族環である場合、Rは、孤立電子対であり;
は、水素、C1〜8脂肪族、C6〜10アリール、またはC7〜10アラルキルであり;
は、水素、C1〜8脂肪族、C=O(C1〜8脂肪族)、CO(C1〜8脂肪族)、C(=O)N(R10)(C1〜7脂肪族)、C6〜10アリール、ヘテロアリール、C7〜12アラルキル、またはヘテロアラルキルであり;
は、水素もしくはC1〜8脂肪族であるか、またはRおよびRは、これらの間にある窒素と一緒になって、該間にある窒素に加えて、窒素、硫黄または酸素から選択される、0〜4個の環へテロ原子を有する、置換もしくは非置換の、芳香族もしくは非芳香族の、4〜14員の単環式環系、二環式環系、または三環式環系を形成し;
A環は、0〜2個の環窒素原子を有する、5員ヘテロアリール環または6員芳香族環であり、ここで、QおよびC(=X)N(R)−Gは、A環のオルト位に結合され、そしてA環は、1〜3つのRによって必要に応じて置換され;
B環は、0〜2個の環窒素原子を有する、6員芳香族環であり、ここでB環は、1つ以上のRによって必要に応じて置換され;
Qは、1〜3つのRによって必要に応じて置換される、C〜Cアルキリデン鎖であり、ここで、該アルキリデン鎖のメチレン単位は、−S−、−SO−、−SO−、−N(R)−、−O−、−C(O)−、または−C(S)−によって必要に応じて置換され;
各Rは、独立して、ハロ、−OR、−CN、−C1〜6脂肪族、−N(R10、−C=O(C1〜5脂肪族)、−CO、−CHCO、または−C(=O)N(R10)(C1〜5脂肪族)から選択され;
各Rは、独立して、−ハロ、−NO、−CNから、または、−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10から選択される、置換もしくは非置換の基から選択されるか、または、2つの隣接するRは、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜6員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
各Rは、独立して、−ハロ、−NO、−CNから、または、−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10から選択される、置換もしくは非置換の基から選択されるか、または、2つの隣接するRは、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜6員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
各Rは、独立して、ハロ、OR、CN、C1〜6脂肪族、N(R10、C=O(C1〜5脂肪族)、CO(C1〜5脂肪族)、もしくはC(=O)N(R10)(C1〜5脂肪族)から選択されるか、または、Qに対してオルト位にあるRおよびRは、これらの間にある原子と一緒になって、N、OまたはSから選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜7員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
各R10は、独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜8脂肪族基、C(=O)R、CO、SOから選択されるか、または同じ窒素原子上の2つのR10は、該窒素と一緒になって、該窒素に加えて、N、OまたはSから選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜8員の芳香族環もしくは非芳香族環を形成し;
各R11は、独立して、水素、CO12、CON(R12、OR12、または置換もしくは非置換のC1〜8脂肪族基から選択され;
各R12は、独立して、置換または非置換のC1〜8脂肪族基から選択され;
14は、水素、C1〜8脂肪族、C6〜10アリール、ヘテロアリール、C7〜12アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルであるか、またはRおよびR14は、これらの間にある窒素と一緒になって、該間にある窒素に加えて、窒素、硫黄または酸素から選択される、0〜4個の環へテロ原子を有する、置換もしくは非置換の、芳香族もしくは非芳香族の、4〜14員の単環式環系、二環式環系、または三環式環系を形成する、化合物。
【請求項2】
Gが、G1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項2に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素である;
(b)Lが、C2〜3アルキリデン鎖である;
(c)Qが、−CHCH−である;
(d)G1が、G1−aまたはG1−bである:
【化3】

(e)RおよびRが各々、独立して、C1〜4脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成する;
(f)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルである;および、
(g)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
からなる群より選択される1つ以上の特徴を有する、化合物。
【請求項4】
請求項3に記載の化合物であって、ここで:
(a)Xが、酸素であり;
(b)Lが、C2〜3アルキリデン鎖であり;
(c)Qが、−CHCH−であり;
(d)G1が、G1−aまたはG1−bであり:
【化4】

(e)RおよびRが各々、独立して、C1〜4脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成し;
(f)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルであり;そして、
(g)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
化合物。
【請求項5】
請求項2に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素である;
(b)Lが、−CHCH−または−CHCHCH−である;
(c)Qが、−CHCH−である;
(d)G1が、G1−aまたはG1−bである:
【化5】

(e)RおよびRが各々、独立して、C1〜3脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、ピペリジニル環、ピロリジニル環、ピペラジニル環、もしくはモルホリニル環を形成する;
(f)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルである;および、
(g)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
からなる群より選択される1つ以上の特徴を有する、化合物。
【請求項6】
請求項2に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素であり;
(b)Lが、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
(c)Qが、−CHCH−であり;
(d)G1が、G1−aまたはG1−bであり:
【化6】

(e)RおよびRが各々、独立して、C1〜3脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、ピペリジニル環、ピロリジニル環、ピペラジニル環、もしくはモルホリニル環を形成し;
(f)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルであり;そして、
(g)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
化合物。
【請求項7】
Gが、G2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
請求項7に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素である;
(b)Lが、C3〜4アルキリデン鎖である;
(c)Qが、−CHCH−である;
(d)(i)RおよびRが各々、独立して、C1〜4脂肪族基から選択されるか、または(ii)RおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成するか、または(iii)Rが、C1〜4脂肪族基であり、そしてRが、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアラルキルである;
(e)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルである;および;
(f)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
からなる群より選択される1つ以上の特徴を有する、化合物。
【請求項9】
請求項7に記載の化合物であって、ここで:
(a)Xが、酸素であり;
(b)Lが、C3〜4アルキリデン鎖であり;
(c)Qが、−CHCH−であり;
(d)(i)RおよびRが各々、独立して、C1〜4脂肪族基から選択されるか、または(ii)RおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成するか、または(iii)Rが、C1〜4脂肪族基であり、そしてRが、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアラルキルであり;
(e)A環が、フェニルまたはチエニルであり;そして;
(f)B環が、フェニルまたはナフチルである、
化合物。
【請求項10】
請求項7に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素である;
(b)Lが、−CHCHCH−または−CH(CH)CHCH−である;(c)Qが、−CHCH−である;
(d)RおよびRが各々、独立して、C1〜3脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、ピペリジニル環、ピロリジニル環、ピペラジニル環、もしくはモルホリニル環を形成する;
(e)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルである;および;
(f)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
からなる群より選択される1つ以上の特徴を有する、化合物。
【請求項11】
請求項7に記載の化合物であって、ここで:
(a)Xが、酸素であり;
(b)Lが、−CHCHCH−または−CH(CH)CHCH−であり;(c)Qが、−CHCH−であり;
(d)RおよびRが各々、独立して、C1〜3脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、ピペリジニル環、ピロリジニル環、ピペラジニル環、もしくはモルホリニル環を形成し;
(e)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルであり;そして;
(f)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
化合物。
【請求項12】
Gが、G3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
請求項12に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素である;
(b)Lが、直接結合、−CH−、−CH(R)−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−から選択される;
(c)Qが、−CHCH−である;
(d)Rが、C1〜3アルキル、COH、CO(C1〜6アルキル)、CHCOH、またはCHCO(C1〜6アルキル)である;
(e)R14が、C1〜6脂肪族基または5〜6員の複素環式環から選択される;
(f)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルである;および;
(g)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
からなる群より選択される1つ以上の特徴を有する、化合物。
【請求項14】
請求項12に記載の化合物であって、以下:
(a)Xが、酸素である;
(b)Lが、−CH−または−CH(R)−である;
(c)Rが、C1〜3アルキル、COH、CO(C1〜6アルキル)、CHCOH、またはCHCO(C1〜6アルキル)である;
(d)R14が、環窒素を、およびN、OまたはSから選択される、0〜1個のさらなる環へテロ原子を有する5〜6員の複素環式環である;
(e)Qが、−CHCH−である;
(f)A環が、必要に応じて置換される、フェニルまたはチエニルである;および;
(g)B環が、置換フェニルまたは置換ナフチルである、
からなる群より選択される1つ以上の特徴を有する、化合物。
【請求項15】
請求項1に記載の化合物であって、式II−A、式II−B、式II−Cまたは式II−D:
【化7】

によって表され、
ここで:
およびRが、各々水素であり;
が、水素であり;
が、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
が、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−であり;
が、直接結合、−CH−、−CH(R)−、−CHCH−、−CHCHCH−、または−CHCHCHCH−であり;
が、C1〜3アルキル、COH、CO(C1〜6アルキル)、CHCOH、またはCHCO(C1〜6アルキル)であり;
が、存在しないか、または−ハロ、−NO、−CN、−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10であるか、または2つの隣接するRが、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜6員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
が、−ハロ、−NO、−CN、または、−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10から選択される、置換もしくは非置換の基であるか、または2つの隣接するRが、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜6員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
およびRが(i)各々、独立して、C1〜4脂肪族基から選択されるか、または(ii)RおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成するか、または(iii)Rが、C1〜4脂肪族基であり、そしてRが、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアラルキルであり;
14が、C1〜6脂肪族基または5〜6員の複素環式環であるか、またはRおよびR14が、これらの間にある窒素と一緒になり、4〜6員環を形成し;
各R13が、独立して、水素、C1〜6脂肪族、もしくは、COR、CO、CN、−N(R10、CON(R10、−ORからなる群より選択される置換基から選択されるか、または同じ炭素上の2つのR13が、一緒になって=Oを形成するか、または2つのR13が、これらの間にある原子と一緒になって、0〜2個の環へテロ原子を有する3〜7員環を形成し;
各R10が、独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜8脂肪族基、C(=O)R、CO、SOから選択されるか、または同じ窒素原子上の2つのR10が、該窒素と一緒になって、該窒素に加えて、N、OまたはSから選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜8員の芳香族環もしくは非芳香族環を形成し;
各R11が、独立して、水素、または必要に応じて置換されるC1〜8脂肪族基から選択され;そして
各R12が、独立して、置換または非置換のC1〜8脂肪族基から選択される、
化合物。
【請求項16】
請求項15に記載の化合物であって、ここで:
およびRが、各々水素であり;
が、水素であり;
が、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
が、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−であり;
が、直接結合、−CH−、−CH(R)−、−CHCH−、−CHCHCH−、または−CHCHCHCH−であり;
が、COH、CO(C1〜6アルキル)、CHCOH、またはCHCO(C1〜6アルキル)であり;
が、存在しないか、または−ハロ、−CN、−R12、−OR、−SR12、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、もしくは−NR10SO12であり;
が、−ハロ、−CN、または、−R12、−OR、−SR12、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、もしくは−NR10SO12から選択される、置換もしくは非置換の基であるか、または2つの隣接するRが、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜6員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
およびRが各々、独立して、C1〜3脂肪族基から選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成し;
14が、C1〜6脂肪族基、または、環窒素およびN、OもしくはSから選択される0〜1個のさらなる環へテロ原子を有する、5〜6員の複素環式環であり;
各R13が、水素であり;
各R10が、水素であり;
各R11が、独立して、水素、または必要に応じて置換されるC1〜5脂肪族基から選択され;そして
各R12が、独立して、置換または非置換のC1〜5脂肪族基から選択される、
化合物。
【請求項17】
請求項16に記載の化合物であって、ここで:
が、存在しないか、またはハロであり;
B環が、互いにパラ位である2つのR置換基を有するフェニル環であるか、またはB環が、ナフチル環であり;そして
各Rが、独立して、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜3アルコキシ、CO(C1〜3アルキル)、CONH(C1〜3アルキル)、SO(C1〜3アルキル)、またはSONH(C1〜3アルキル)から選択される、
化合物。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物であって、式III−A、式III−B、式III−Cまたは式III−D:
【化8】

によって表され、
ここで:
およびRが、各々水素であり;
が、水素であり;
が、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
が、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−であり;
が、直接結合、−CH−、または−CHCH−であり;
が、存在しないか、もしくは−ハロ、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10であるか、または、2つの隣接するRが、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個のへテロ原子を有する、5〜6員の不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
が、−ハロ、−NO、−CN、または、−R12、−OR、−SR12、−C6〜10アリール、−ヘテロシクリル、−ヘテロアリール、−(C6〜10アリール)アルキル、−(ヘテロシクリル)アルキル、−(ヘテロアリール)アルキル、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10C(O)N(R10、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、−NR10SO12、もしくは−C(=NH)−N(R10から選択される、置換もしくは非置換の基であるか、または、2つの隣接するRが、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個のへテロ原子を有する、5〜6員の、不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
およびRが各々、独立して、C1〜3アルキルから選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成し;
14が、C1〜6脂肪族、または、環窒素およびN、OもしくはSから選択される0〜1個のさらなる環へテロ原子を有する、5〜6員の複素環式環であり;
各R13が、独立して、水素、C1〜6脂肪族、もしくは、COR、CO、CN、−N(R10、CON(R10、−ORからなる群より選択される置換基から選択されるか、または、同じ炭素上の2つのR13が、一緒になって=Oを形成するか、または2つのR13が、これらの間にある原子と一緒になって、0〜2個の環へテロ原子を有する3〜7員環を形成し;
各R10が、独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜8脂肪族基、C(=O)R、CO、SOから選択され、または同じ窒素上の2つのR10が、該窒素と一緒になって、該窒素に加えて、N、OもしくはSから選択される0〜2個の環へテロ原子を有する、5〜8員の芳香族環もしくは非芳香族環を形成し;
各R11が、独立して、水素、または必要に応じて置換されるC1〜8脂肪族基から選択され;そして
各R12が、独立して、置換または非置換のC1〜8脂肪族基から選択される、
化合物。
【請求項19】
請求項18に記載の化合物であって、ここで:
、RおよびRが、各々水素であり;
が、−CHCH−または−CHCHCH−であり;
が、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、または−CH(CH)CHCHCH−であり;
が、直接結合、−CH−、または−CHCH−であり;
が、存在せず;
が、−ハロ、−CN、または、−R12、−OR、−SR12、−N(R10、−NR10C(O)R、−NR10CO12、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R10、−OC(O)N(R10、−S(O)12、−SON(R10、−S(O)R12、−NR10SON(R10、もしくは−NR10SO12から選択される、置換もしくは非置換の基であるか、または、2つの隣接するRが、これらの間にある原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0〜2個のへテロ原子を有する、5〜6員の、不飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成し;
およびRが各々、独立して、C1〜3アルキルから選択されるか、またはRおよびRが、これらの間にある窒素と一緒になって、5〜6員環を形成し;
14が、C1〜6脂肪族、または、環窒素およびN、OもしくはSから選択される0〜1個のさらなる環へテロ原子を有する、5〜6員の複素環式環であり;
各R13が、水素であり;
各R10が、水素であり;
各R11が、独立して、水素または必要に応じて置換されるC1〜5脂肪族基から選択され;そして
各R12が、独立して、置換または非置換のC1〜5脂肪族基から選択される、
化合物。
【請求項20】
請求項18に記載の化合物であって、ここで:
B環が、互いにパラ位である2つのR置換基を有するフェニル環であるか、またはB環が、ナフチル環であり;そして
各Rが、独立して、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜3アルコキシ、CO(C1〜3アルキル)、CONH(C1〜3アルキル)、SO(C1〜3アルキル)、またはSONH(C1〜3アルキル)から選択される、
化合物。
【請求項21】
以下:
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

からなる群より選択される化合物。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項23】
処置を必要としている患者におけるMC4−R関連障害を処置するための薬学的組成物であって、請求項1に記載の式(I)の化合物を含む薬学的組成物
【請求項24】
体重減少障害の処置を必要としていると同定される被験体における体重減少障害を処置するための薬学的組成物であって、請求項1に記載の式(I)の化合物を含む薬学的組成物
【請求項25】
前記体重減少障害が、悪液質、加齢性不随意体重減少、異化るいそう、または食欲不振である、請求項24に記載の薬学的組成物
【請求項26】
悪液質が、癌性悪液質、心臓性悪液質、慢性疾患悪液質、またはAIDS悪液質である、請求項25に記載の薬学的組成物
【請求項27】
骨関連障害の処置を必要としていると同定される被験体における骨関連障害を処置するための薬学的組成物であって、請求項1に記載の式(I)の化合物を含む薬学的組成物
【請求項28】
前記骨関連障害が、骨粗しょう症、骨折、外科的手順に関連する骨形成、骨形成不全症、低ホスファターゼ血症、パジェット病、線維性骨形成異常、大理石骨病、骨髄腫骨疾患、または骨中のカルシウムの欠乏である、請求項27に記載の薬学的組成物
【請求項29】
疼痛障害の処置を必要としていると同定される被験体における疼痛障害を処置するための薬学的組成物であって、請求項1に記載の式(I)の化合物を含む薬学的組成物
【請求項30】
ニューロンの障害が、神経障害性疼痛または異痛である、請求項29に記載の薬学的組成物
【請求項31】
処置を必要としている患者におけるMC4−R活性を阻害するための薬学的組成物であって、請求項1に記載の式(I)の化合物を含む薬学的組成物。

【公表番号】特表2006−509014(P2006−509014A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557520(P2004−557520)
【出願日】平成15年12月4日(2003.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2003/038369
【国際公開番号】WO2004/050610
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(504373750)ジーン ロジック インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】