説明

レーザーを用いた電子部品の接続方法及び装置

【課題】 基板と電子部品間に介在させた接続媒体を加熱溶融して基板に電子部品を接続するにあたり、熱源としてレーザービームを用い、接続媒体の加熱時間を短縮するとともに接続作業時間を有効に短縮し、高信頼性及び再現性をもって作業効率の高いものとすること。
【解決手段】 所定波長のレーザービーム50を発生させる第1段階と、基板12と電子部品10とを互いに加圧する第2段階と、前記レーザービーム50を前記基板12及び電子部品10に照射してそれらの中間部の接続媒体14を溶融させながら、該基板12及び電子部品10を互いに加圧することにより前記接続媒体14の溶融接続によって導電性を有する状態で前記基板12と前記電子部品10とを接続する第3段階とを含み、前記第3段階は基板12及び電子部品10の材質の透過性及び吸収性によってレーザービーム50の照射方向を選択的に決定して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、平板表示素子のガラス基板またはフィルムの表面に、電子チップを含む電子部品またはフィルムなどの電子部品を接続する技術に関するもので、特に、COG(chip on glass)、FOG(film on glass)、COF(chip on film )、COB(chip on board)、ACF(anisotropic conductive film)などの多様な分野に適用されるレーザーを用いた電子部品の接続方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、平板表示素子の実装に用いる異方性導電フィルムは、熱によって硬化する接着剤と微細な導電ボールとを混合させた両面テープ状の材料を活用し、外部から熱及び圧力を加えて接着するものである。
【0003】
上記のように異方性導電フィルムを用いて二つの媒体を接続する場合、図1に示すように、熱硬化性樹脂の特性上、異方性導電フィルムを所定時間の間に所定温度及び圧力に維持するためにヒーターを備えたホットバー1が付着された装置を用いて、電子部品3の加圧接触面をホットバー1で加圧し、熱融着を行う方法を活用している。すなわち、ガラス基板2と電子部品3との間に異方性導電フィルム4を位置させた後、ホットバー1で矢印方向(図1を参照)に加圧しながら加熱することで、ガラス基板2と電子部品3とを互いに接続する方式を用いている。
【0004】
上記のような従来の接続方式は、図2に示すように、ガラス基板2を準備する段階(S1)と、ガラス基板2に異方性導電フィルム4を予め付着するプリボンディング(Prebonding)段階(S2)と、異方性導電フィルム4から保護フィルム4aを剥がす段階(S3)と、接続しようとする電子部品3を定位置に載せる段階(S4)と、ホットバー1で加圧して熱融着を行う主ボンディング(Main Bonding)段階(S5)と、完成する段階(S6)とから構成される。
【0005】
上述した従来技術によると、接続しようとするガラス基板2と電子部品3との間に異方性導電フィルム4を付着し、上部に位置する電子部品3の表面にホットバー1で所定圧力を加えながら加熱すると、時間が経過するにしたがって熱硬化性樹脂が硬化し、二つの接続面が互いに接続されるという効果を奏する。また、異方性導電フィルム4の内部に分散された導電性粒子によって、一方向のみに電気が流れるという特性を有する。このとき、上部に位置する電子部品3を通して異方性導電フィルム4にまで熱が伝達されるので、所定の熱伝逹特性を有することが非常に重要である。
【0006】
しかしながら、従来技術によると、ホットバー1を用いた加熱及び加圧方式で熱融着を行い、異方性導電フィルム4の熱融着に必要な熱は、ホットバー1に内蔵されたヒーターによりホットバー1を加熱及び調節することで発生される。したがって、ホットバー1に内蔵された電気ヒーター及びホットバー1の構造的な特性上、ホットバー1の全体に均一な温度分布を示すようにすることが困難であり。このため、接続部位にまで熱が伝達されるのに多くの時間を要し、生産性が低下し、接続部位以外の部位においても熱消耗が大きくなり、熱効率が大いに低下する。また、ホットバー1を持続的に使用するときは、ホットバー1の表面が容易に汚染され、再現性の確保が困難であるという問題点があった。
【0007】
さらに、接続対象物の用途によって接続条件を最適化することが困難であり、手作業または半自動で接続方法が行われる場合も、作業者の経験や熟練度によって品質の差が大きくなるという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、中間に位置する接続媒体として異方性導電フィルム、ポリイミドフィルムなどを用いて、基板に電子部品を熱融着によって接続する場合、ホットバーの代りに熱融着の熱源として用いるレーザービームが接続部位のみを加熱することで、接続に要求される温度上昇時間を短縮し、レーザービームの出力を精密に自動制御することで、工程の信頼性及び再現性を向上させ、全体の工程時間も短縮することで、作業の効率を向上させることにある。
【0009】
本発明の他の目的は、レーザービームをスポットスキャン方式からラインビームまたはエリアビーム方式に転換しながら、必要時にホモゲナイザーを採択して直接照射することで、一層優れた品質状態のレーザービームを発生させ、作動時に一層精密に制御することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、レーザービームの照射によって中間に位置する接続媒体が溶融された後、硬化温度に到達すると、所定の硬化温度を持続的に維持するように、レーザービームの出力を連続的な形態からパルス形態に転換しながら温度上昇を抑制することで、作業効率を大幅に高めることにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、ビーム伝達手段にサイズ調節が可能なマスクを採択することで、基板と電子部品との間の接続部位のサイズに合わせてレーザービームの断面サイズを調節することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、レーザービームを発生させる複数個のレーザーモジュール組立体を同時に設置し、基板と電子部品との間の接続部位の数によってレーザーモジュール組立体の全体または一部を選択的に作動させ、それぞれのレーザービームを照射させることで、複数の基板と電子部品とを同時に接続させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明は、基板と電子部品との間に接続媒体を位置させ、前記基板と電子部品を接続媒体によって接続する方法において、所定波長のレーザービームを発生させる第1段階と、前記基板と前記電子部品を互いに加圧する第2段階と、前記第1段階で発生したレーザービームを前記基板及び前記電子部品に照射して前記接続媒体を溶融させながら、前記基板及び前記電子部品を加圧することで、前記接続媒体の溶融接続によって導電性を有する状態で前記基板と前記電子部品とを接続する第3段階とを含み、前記第3段階は、前記基板及び前記電子部品材質の透過性及び吸収性によってレーザービームの照射方向を選択的に決定するレーザーを用いた電子部品の接続方法を提供する。
【0014】
また、前記第1段階〜第3段階で用いられるレーザービームは、ラインビームまたはエリアビーム形態であるレーザーを用いた電子部品の接続方法を提供する。
【0015】
また、前記第1段階〜第3段階で用いられるレーザービームは、前記接続媒体が硬化温度に到達した後、該レーザービームの出力を連続的な形態からパルス形態に転換して前記接続媒体の温度上昇を抑制することにより、所定の硬化温度を持続的に維持するようにしたレーザーを用いた電子部品の接続方法を提供する。
【0016】
また、複数のレーザーモジュールを同時に設置し、基板に複数の電子部品を接続する場合、各電子部品の接続部位と各レーザーモジュールとを対応させ、前記第1段階〜第3段階で用いられるレーザービームが照射されることで、基板と電子部品とが同時に接続されるレーザーを用いた電子部品の接続方法。
【0017】
また、前記第1段階〜第3段階で用いられるレーザービームは、該レーザービームを射出するレーザーモジュールと前記接続媒体間の中間位置にビームサイズを調節可能としたマスクを用いて基板上部に位置する電子部品の接続部位に到達するレーザービームの断面サイズを電子部品の接続部位の大きさに合わせて予め調節するレーザーを用いた電子部品の接続方法を提供する。
【0018】
さらに、上記接続方法の最も好ましく実施するように、基板に電子部品を接続する装置において、レーザーモジュールに電気出力を提供して作動を制御するレーザー駆動回路と、特定の波長を放出するレーザーダイオードモジュールと、ホモゲナイザーを採択することで、品質に優れた所定大きさのビームを形成するレンズ光学系と、前記レンズ光学系を経由しながら所定の幅を有して照射されるレーザービームと、サイズ調節が可能なマスクを採択し、前記レーザービームを接続部位に誘導するためのビーム伝達手段と、前記ビーム伝達手段を通して入射されたレーザービームが下部から前記基板側に通過すると同時に、積層された前記基板、接続媒体及び電子部品を加圧する上・下部加圧ジグ手段と、前記レーザー光源の強さ、照射方式及び加圧力を設定し、前記レーザービーム及び前記加圧ジグ手段を制御するための制御信号を提供する制御手段とにより構成されるレーザーを用いた電子部品の接続装置を提供する。
【0019】
また、前記上部加圧ジグ手段は、透明部材からなり、前記上・下部加圧ジグ手段は、前記ビーム伝達手段を通して入射されたレーザービームが上部から前記電子部品側に通過すると同時に、積層された前記基板、接続媒体及び電子部品を加圧するレーザーを用いた電子部品の接続装置を提供する。
【0020】
また、前記上・下部加圧ジグ手段には、別途の冷却手段が設けられるレーザーを用いた電子部品の接続装置を提供する。
【0021】
また、前記レーザー駆動回路、前記レーザーモジュール、前記レンズ光学系、前記ビーム伝達手段、前記上・下部加圧ジグ手段及び前記制御手段を備えた複数個の組立体を並設し、基板と電子部品との間の多数の接続部位を同時に接続するレーザーを用いた電子部品の接続装置を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、中間に位置する接続媒体として異方性導電フィルム、ポリイミドフィルムなどを用いて、基板に電子部品を熱融着によって接続するにあたり、熱融着の熱源としてホットバーの代りに用いるレーザービームにより接続部位のみを加熱することで、接続に要求される温度上昇時間を短縮し、レーザービームの出力を精密に自動制御することで、工程の信頼性及び再現性を向上させ、全体の工程時間も短縮することで、作業の効率を向上させることができる。
【0023】
また、本発明は、レーザービームをスポットスキャン方式からラインビームまたはエリアビーム方式に転換しながら、必要時にホモゲナイザーを採択して直接照射することで、一層優れた品質状態のレーザービームを発生させ、作動時に一層精密に制御することができる。
【0024】
また、本発明は、レーザービームの照射によって中間に位置する接続媒体が溶融された後、硬化温度に到達すると、所定の硬化温度を持続的に維持するように、レーザービームの出力を連続的な形態からパルス形態に転換しながら温度上昇を抑制することで、作業効率の極大化を達成することができる。
【0025】
また、本発明は、ビーム伝達手段にサイズ調節が可能なマスクを採択することで、基板と電子部品との間の接続部位のサイズに合わせてレーザービームの大きさを調節することができる。
【0026】
さらに、本発明は、レーザービームを発生させる複数個のレーザーモジュール組立体を同時に設置し、基板と電子部品との間の接続部位の数によってレーザーモジュール組立体の全体または一部を選択的に作動させ、それぞれのレーザービームを照射させることで、複数の基板と電子部品とを同時に接続させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施例を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明は、図3に示すように、電子部品10を基板12に直接接続及び接合させるための技術であり、下部に位置する基板12の電極12aと電子部品10のバンプ電極10aとの間を接続媒体14によって接合させる技術である。レーザービームが透明なガラス板からなる基板12をレーザービームが通過するとき、レーザービームの一部はITO(Indium Tin Oxide)電極12aのコーティング膜で吸収され、ほとんどのレーザービームは、中間に位置する接続媒体14で吸収される。このとき、接続媒体14で吸収されたレーザービームエネルギーが熱に変換され、この熱が接続媒体14を溶融及び硬化させることで、基板12の電極12aと電子部品10のバンプ電極10aとが互いに接続される。このような接続及び接合技術は、基板12の透明電極12aに対するレーザービーム吸収性、接続媒体14自体のレーザービーム吸収性及びガラス基板12に対するレーザービームの透過性などの特性を考慮した上で、中間に位置する接続媒体14におけるレーザービーム吸収によって発生する熱で接合及び接続が行われる原理を応用したものである。
【0028】
まず、接続装置に対して説明する。
一般に、基板12に電子部品10を接続する装置は、レーザーダイオードモジュール30に電気出力を提供して作動を制御するレーザー駆動回路20と、特定の波長を放出するレーザーダイオードモジュール30と、ホモゲナイザーを採択することで、品質に優れた所定大きさのビームを形成するレンズ光学系40と、このレンズ光学系40を経由しながら、所定の幅を有して照射されるレーザービーム50と、サイズ調節が可能なマスク62を採択し、前記レーザービーム50を接続部位に誘導するためのビーム伝達手段60と、このビーム伝達手段60を通して入射されたレーザービーム50が下部から前記基板12側に通過すると同時に、積層された前記基板12、接続媒体14及び電子部品10を加圧する上・下部加圧ジグ手段70,80と、前記レーザー光源の強さ、照射方式及び加圧力を設定し、前記レーザービーム50及び前記加圧ジグ手段70,80を制御するための制御信号を提供する制御手段90とにより構成される。
【0029】
また、図7に示すように、前記上部加圧ジグ手段70は透明部材から形成される。前記上・下部加圧ジグ手段70,80は、前記ビーム伝達手段60を通して入射されたレーザービームが上部から前記電子部品10側に通過すると同時的に積層された前記基板12、接続媒体14及び電子部品10を加圧することもできる。
【0030】
さらに、前記上・下部加圧ジグ手段70,80が反復的に作動させるとき、レーザービーム50によって発生する熱が伝達されかつ蓄積されることにより、前記上・下部加圧ジグ手段70,80が過熱する現象を防止するために、別途の冷却手段(例えば、空冷方式の冷却ライン72)が設けられる。
【0031】
また、図8及び図9に示すように、前記レーザー駆動回路20、前記レーザーモジュール30、前記レンズ光学系40、前記ビーム伝達手段60、前記上・下部加圧ジグ手段70,80及び前記制御手段90を備えた複数個の組立体を併設し、これら複数個の組立体を同時にまたは選択的に作動させることで、複数の基板と電子部品とを接続することもできる。
【0032】
このとき、前記組立体は、図8に示すように、互いに分離された状態のレーザービームを照射することで、同時にまたは選択的に作動させるか、または、図9に示すように、互いに連結された状態のレーザービームを照射することで、広範囲にかけて同時に作動させるように構成される。
【0033】
また、ビーム伝達手段60に設けられるマスク62は、図10に示すように、レーザービーム50の大きさより小さく、矢印で示した横方向または縦方向へスライドさせることにより、レーザービーム断面の大きさを調節可能に構成される。このとき、マスク62のサイズは、基板12と電子部品10との間の接続部位のサイズに合わせて予め調節することが好ましい。
【0034】
以下、上記構成の接続装置を用いて本発明に係る接続方法について説明する。
本発明に係る接続方法は、所定波長のレーザービーム50を発生させる第1段階と、前記基板12と前記電子部品10とを互いに加圧する第2段階と、前記第1段階で発生したレーザービーム50を前記基板12及び前記電子部品10に照射して前記接続媒体14を溶融させながら、前記基板12と前記電子部品10を加圧し、前記接続媒体14の溶融接続によって導電性を有する状態で前記基板12と前記電子部品10とを接続する第3段階とを有し、前記第3段階は、前記基板12や前記電子部品10材質の透過性及び吸収性によってレーザービーム50の照射方向を選択的に決定する段階を含んでいる。
【0035】
以下、本発明に係る接続方法の第1〜第3段階を詳細に説明する。
第1段階(レーザービームの発生段階)
制御手段90によって制御が行われる状態で、レーザー駆動回路20によって作動が制御されるレーザーモジュール30が特定波長のレーザービームを発生させ、このレーザービームは、レンズ光学系40を経由しながら品質に優れた所定の大きさの断面を有するレーザービームに変換される。
【0036】
このとき、レンズ光学系40を経由しながら発生したレーザービーム50は、ビーム伝達手段60に設けられたマスク62の横及び縦方向幅を予め調節することにより、電子部品10と基板12間の接続部位の領域の大きさに整合される。したがって、レーザービーム50の大きさは、電子部品10と基板12との間の接続部位の多様な大きさに対応するように予め調節されることで共用される。このとき、発生するレーザービーム50はラインビームまたはエリアビーム形態とされる。
【0037】
また、前記第1段階で用いられるレーザービーム50は、図9に示すように、複数のレーザーモジュール30を同時に設置し、基板12に多数の電子部品10を接続する場合、各電子部品10の接続部位と各レーザーモジュール30とを対応させ、それぞれのレーザービーム50が照射されることで、電子部品10と基板12とを同時に接続することもできる。
【0038】
第2段階(電子部品と基板の加圧段階)
第2段階は、上・下部加圧ジグ手段70,80の間に、下部から基板12、接続媒体14及び電子部品10を順に積層して定位置に載せた後、上・下部加圧ジグ手段70,80を予め下方及び上方に同時に加圧する段階である。すなわち、第3段階において、レーザービーム50が照射されるとき、基板12と電子部品10を予め加圧して、直ちに基板12と電子部品10とが接続されるようにする。
【0039】
第3段階(電子部品と基板との接続完成段階)
第3段階では、前記第1段階で生成されたレーザービーム50が照射される。レーザービームは、図6に示すように、基板12の底部から基板12を透過して接続媒体14に到達するか、図7に示すように、透明部材からなる上部加圧ジグ手段70を透過して電子部品10を経由しながら接続媒体14に到達することで、接続媒体14で吸収されたレーザービームのエネルギーが熱に転換され、この熱が接続媒体14を溶融及び硬化させながら上・下部加圧ジグ手段70,80の加圧作動が同時に行われる。また、このような溶融接続によって導電性を有する状態で前記基板12と前記電子部品10とを接続して完成される。
【0040】
本発明に係る接続方法は、電子部品10を基板12に直接接続及び接合させるための技術であり、下部に位置する基板12と電子部品10とが接続媒体14によって接合される。すなわち、レーザービーム50は、透明なガラス板からなる基板12または電子部品10を通過して前記接続媒体14で吸収され、接続媒体14で吸収されたレーザービームエネルギーが熱に転換され、この熱が接続媒体14を溶融及び硬化させることで、基板12と電子部品10とが互いに接続されるようになる。
【0041】
このとき、レーザービーム50が前記接続媒体14の硬化温度に到達した後で、所定の硬化温度を持続的に維持するように、レーザービーム50の出力を制御する。すなわち、図4及び図5に示すように、A区間の間には、レーザービーム50の出力が連続的に行われることで接続媒体14の温度が上昇するが、接続媒体14が硬化温度に到達すると、所定の温度を維持するために、レーザービーム50の出力を連続的な形態からパルス形態に転換して温度上昇を抑制する。また、B区間の間には、接続媒体14を所定温度に維持するための制御がなされる。その結果、接続効果を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】従来の接続技術を説明するための概略図である。
【図2】従来の接続技術の工程を示した断面図である。
【図3】本発明に係る接続技術を説明するための概略図である。
【図4】本発明に係る接続技術を適用した場合、時間の変化による接続部位の温度分布を示したグラフである。
【図5】図4におけるレーザービームの出力変化を示したグラフである。
【図6】本発明に係る接続装置の好適な一実施例を示した概略斜視図である。
【図7】本発明に係る接続装置の好適な他の実施例を示した概略斜視図である。
【図8】本発明に係る接続技術の他の実施例を示した概略図である。
【図9】図8の変形例を示した概略図である。
【図10】本発明に係る接続装置に適用できるマスクを示す平面図である。
【符号の説明】
【0043】
10 電子部品
12 基板
14 接続媒体
20 レーザー駆動回路
30 レーザーモジュール
40 レンズ光学系
50 レーザービーム
60 ビーム伝達手段
62 マスク
70 上部加圧ジグ手段
80 下部加圧ジグ手段
90 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と電子部品との間に接続媒体を位置させ、前記基板と電子部品を接続媒体によって接続するための方法において、
所定波長のレーザービームを発生させる第1段階と、
前記基板と前記電子部品を互いに加圧する第2段階と、
前記第1段階で発生したレーザービームを前記基板及び前記電子部品に照射して前記接続媒体を溶融させながら、前記基板及び前記電子部品を加圧することで、前記接続媒体の溶融接続によって導電性を有する状態で前記基板と前記電子部品とを接続する第3段階とを含み、
前記第3段階は、前記基板や前記電子部品材質の透過性及び吸収性によってレーザービームの照射方向を選択的に決定することを特徴とするレーザーを用いた電子部品の接続方法。
【請求項2】
前記第1段階〜第3段階で用いられるレーザービームは、ラインビームまたはエリアビーム形態であることを特徴とする請求項1に記載のレーザーを用いた電子部品の接続方法。
【請求項3】
前記第1段階〜第3段階で用いられるレーザービームが前記接続媒体の硬化温度に到達した後、所定の硬化温度を持続的に維持するように、レーザービームの出力を連続的な形態からパルス形態に転換して温度上昇を抑制することを特徴とする請求項1に記載のレーザーを用いた電子部品の接続方法。
【請求項4】
複数のレーザーモジュールを同時に設置し、基板に複数の電子部品を接続する場合、各電子部品の接続部位と各レーザーモジュールとを対応させ、前記第1段階〜第3段階で用いられるレーザービームが照射されることで、基板と電子部品とが同時に接続されることを特徴とする請求項1に記載のレーザーを用いた電子部品の接続方法。
【請求項5】
前記第1段階〜第3段階で用いられるレーザービームが前記接続媒体に到達する距離の中間位置にサイズの調節可能なマスクを採択することで、基板上部に位置する電子部品の接続部位に到達するレーザービームの大きさを電子部品の接続部位の大きさに合わせて予め調節することを特徴とする請求項1に記載のレーザーを用いた電子部品の接続方法。
【請求項6】
基板に電子部品を接続するための装置において、
レーザーモジュールに電気出力を提供して該レーザーモジュールの作動を制御するレーザー駆動回路と、
特定波長のレーザービームを放出するレーザーダイオードモジュールと、
ホモゲナイザーを採択して所定大きさのビームを形成するレンズ光学系と、
前記レンズ光学系を経由しながら所定の幅をもって照射されるレーザービームと、
ビームサイズの調節が可能なマスクを介してレーザービームを接続部位に誘導するためのビーム伝達手段と、
積層された基板、接続媒体及び電子部品の下部から前記ビーム伝達手段を通して入射されるレーザービームを前記基板側に通過させると同時に該積層体を加圧する上・下部加圧ジグ手段と、
前記レーザー光源の強さ、照射方式及び加圧力を設定し、前記レーザービーム及び前記加圧ジグ手段を制御するための制御信号を提供する制御手段とにより構成されたことを特徴とするレーザーを用いた電子部品の接続装置。
【請求項7】
前記上部加圧ジグ手段が透明部材からなり、前記上・下部加圧ジグ手段は、前記ビーム伝達手段を通して入射されたレーザービームが上部から前記電子部品側に通過すると同時に、積層された前記基板、接続媒体及び電子部品を加圧することを特徴とする請求項6に記載のレーザーを用いた電子部品の接続装置。
【請求項8】
前記上・下部加圧ジグ手段に、それぞれ、個別の冷却手段が設けられることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のレーザーを用いた電子部品の接続装置。
【請求項9】
前記レーザー駆動回路、前記レーザーモジュール、前記レンズ光学系、前記ビーム伝達手段、前記上・下部加圧ジグ手段及び前記制御手段を備えた複数個の組立体を並設し、基板と電子部品間における多数の接続部位を同時に接続することを特徴とする請求項1に記載のレーザーを用いた電子部品の接続装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−258699(P2007−258699A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49158(P2007−49158)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(503427692)株式會社 ジェットテック (3)
【Fターム(参考)】