ワークの片面処理方法および処理装置
【課題】ウェーハの後面処理およびウェーハとの物理的接触の困難な問題を解決できる新規な処理機および処理方法を提供することにある。
【解決手段】半導体ワークを保持しかつ回転させるヘッドを備えた遠心ワーク処理機。ヘッドはガスシステムを備えたロータを有している。ガスは、ロータの入口からスプレーされ、回転ガス流を発生する。回転ガス流は、ワークの第一面の縁部をロータの接触面に対して保持する圧力状態を形成する。ロータおよびワークは一緒に回転する。外周部に隣接するガイドピンが、ワークとロータとを整合させる補助をする。傾斜面が、消費されかつワークから飛散した処理液体を偏向させる補助をする。ヘッドは、ボウルとの多くの異なる係合位置に移動できる。ワークが回転されて処理されるとき、ボウル内のスプレーノズルがワークの第二面上に処理液体をスプレーする。
【解決手段】半導体ワークを保持しかつ回転させるヘッドを備えた遠心ワーク処理機。ヘッドはガスシステムを備えたロータを有している。ガスは、ロータの入口からスプレーされ、回転ガス流を発生する。回転ガス流は、ワークの第一面の縁部をロータの接触面に対して保持する圧力状態を形成する。ロータおよびワークは一緒に回転する。外周部に隣接するガイドピンが、ワークとロータとを整合させる補助をする。傾斜面が、消費されかつワークから飛散した処理液体を偏向させる補助をする。ヘッドは、ボウルとの多くの異なる係合位置に移動できる。ワークが回転されて処理されるとき、ボウル内のスプレーノズルがワークの第二面上に処理液体をスプレーする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
過去数年間に亘りマイクロ電子デバイスになされた顕著な進歩が、より有効であるが安価なあらゆる形式の電子製品を作り出してきた。マイクロ電子デバイスの開発の主要ファクタは、マイクロ電子デバイスを製造するのに使用される機械および方法である。マイクロ電子デバイスの製造には、極めて高い精度、極めて高い純度の材料および極めてクリーンな製造環境が必要とされる。顕微鏡的な微粒子であってもデバイスに欠陥および故障を引起こしてしまう。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電子デバイスは、一般に、半導体ウェーハの前面すなわちデバイス面上に製造される。一般に、ウェーハの後面には、いかなるマイクロ電子デバイスも存在しない。しかしながら、例えば金属粒子、残留物、膜等のウェーハ後面の汚染物質が除去されない場合には、ウェーハの前面上のデバイスにダメージを引起こしてしまう。例えば、製造過程で使用される或る金属(例えば銅)は、ウェーハを通って後面から前面に移動し、この場合にはマイクロ電子デバイスに欠陥を引起こしてしまう。従って、ウェーハの後面の処理は重要である。
【0003】
ウェーハの後面は、汚染物質を除去する既存技術を用いて処理される。これらの技術として、通常、ウェーハを回転させた状態で処理流体を後面上に適用する方法がある。しかしながら、処理流体は、ウェーハの前面に接触するとマイクロ電子デバイスにダメージを与えることがある。従って、一般に、後面処理すなわち片面処理中は、処理流体は、最小量にするかウェーハの前面すなわち反対側の面に全く接触しないようにするのが理想的である。処理流体として液体、ガスまたは蒸気が使用され、ウェーハは処理流体が適用されるときに、通常、回転されるので、上記目的は、現在のウェーハ処理技術により未だ殆ど達成されていない。
【0004】
ウェーハ処理機は、ウェーハ後面の処理時に、前面から処理流体をいかにして排除するかの問題を解決する種々の設計を使用している。これらの幾つかの機械は、不活性ガスの流れを使用して処理流体を後面のみに閉じ込めることを試みている。他の機械は、ガスケット、膜または他の形式の機械的シールまたはバリヤを使用して、処理流体をウェーハの上面から遮断している。しかしながら、ガス流を使用する機械では、依然として幾分かの処理流体がウェーハの前面すなわちデバイス面に到達する傾向を有する。機械的シールを使用する機械では、シールは、ウェーハのデバイス面に物理的に接触しなければならず、物理的接触によりマイクロ電子デバイスがダメージを受けてしまう。従って、シールまたは物理的バリヤの使用は重大な欠点を有している。
【0005】
現在の処理機に使用されているシール、クランプまたは他のシーリング要素、保持要素または位置決め要素によるウェーハとの物理的接触は、粒子発生または粒子放出による汚染の危険を生じさせる。これらの形式の要素は、ウェーハ上の処理流体の均一流を妨げ、ウェーハの異なる領域での処理度合いを変化させてしまう。従って、片面処理であるか両面処理であるかにかかわらず、ウェーハとの物理的接触を最小にすることにより良い結果が得られる。一方、ウェーハは、処理中に所定位置に適正に位置決めされかつ固定されなくてはならない。従って、全体的にウェーハとの物理的接触が小さいウェーハの片面処理を行うためのより良い機械および方法が要望されている。
【0006】
【特許文献1】2005年3月8日付(現在係属中)米国特許出願第11/075,099号公報
【特許文献2】2005年11月28日付(現在係属中)米国特許出願第11/288,770号公報
【特許文献3】2006年2月22日付(現在係属中)米国特許出願第11/359,969号公報
【特許文献4】2007年1月3日付(現在係属中)米国特許出願第11/619,515号公報
【特許文献5】2004年3月12日付米国仮特許出願第60/552,642号公報
【特許文献6】2005年6月30日付米国特許出願第11/172,162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
今や、これらのウェーハの後面処理およびウェーハとの物理的接触の困難な問題を解決できる新規な処理機および処理方法が発明された。これらの機械および方法は、マイクロ電子デバイスおよび同様なデバイスの製造における顕著な改善を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様では、ウェーハの片面に循環ガスが供給される。循環ガスは、処理流体をウェーハの前面から離れた状態に維持するガス圧力および流れ状態を作り出す。従って、マイクロ電子デバイスの後面は、前面にダメージを与える危険なく、広範囲の処理薬剤を用いて処理される。
【0009】
ガスの循環流はまた、処理中に、ガス圧力によりウェーハを所定位置に保持する。循環ガスにより発生されるガス流状態およびガス圧力状態により、ウェーハの縁部には保持力が加えられる一方、ウェーハの支持されない中央領域には、比較的小さい力が加えられるか、力は全く加えられない。従って、処理中にウェーハは所定位置に確実に保持され、ウェーハに加えられる応力は最小になる。ウェーハの前面または後面または両面の処理中のウェーハとの物理的接触も最小になる。これにより、ウェーハの汚染の可能性が低減されかつ歩留まりが向上する。この結果、各ウェーハから、より有用なデバイスチップが製造される。
【0010】
循環ガスを使用するウェーハ処理機には、ウェーハの第一面上に処理流体を適用するための1つ以上の処理流体入口を備えたボウルを設けることができる。処理機は、ワークの処理中にボウルと係合するように配置されるヘッドを有している。ヘッド上に支持されたロータ内に回転ガス流が発生される。回転ガス流を発生させる1つの方法は、回転方向に対して接線方向またはほぼ接線方向に、ロータ内で圧力ガスを放出させる方法である。回転ガス流は、ウェーハとの最小の物理的接触により、ロータ上またはロータ内の所定位置にウェーハを保持する。流体入口は、ウェーハがロータとともに回転する間、1つ以上の処理流体をウェーハの第一面上に適用する。また、片面処理の場合に、ウェーハを所定位置に保持することに加え、ロータ内の回転ガス流を使用して処理流体をウェーハの第二面から排除することもできる。1つの設計では、ウェーハは、ウェーハの縁部の周囲にギャップを設けてロータ上に位置決めされる。ロータ内に供給された幾分かの循環ガスまたは全ての循環ガスが、ギャップおよびウェーハの縁部の周囲を通って逃散する。ガスのこの流出により、第一面に適用されたいかなる処理流体も第二面に到達することが防止される。
【0011】
他の設計では、ロータには、ウェーハの縁部近くでウェーハに接触させるかウェーハに対するシールを形成する一形式の環状縁部接触リングを設けることができる。縁部接触リングに関連するガス流経路は、ロータから逃散するガスをウェーハの縁部からそらせる。ウェーハの下面に適用される処理流体は、ウェーハの縁部の周囲を包み込みかつウェーハの上面上の鋭く形成された縁部領域上にのみ流れる。ロータはまた、ウェーハの縁部に接触する他の形式の環状縁部接触リングを有しかつ事実上全ての処理流体がウェーハの上面上に移動することを防止する。本発明は、上記機械および方法のサブコンビネーションにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
幾つかの図面を通して、同じ要素は同じ参照番号で示す。図面を明瞭化するため、電気配線および液体ポンピングラインは全体的に図面から省略する。
本発明は、半導体ウェーハのようなワークを処理する装置および方法に関する。用語「ワーク」、「ウェーハまたは半導体ウェーハ」は、半導体ウェーハおよび他の基板またはウェーハ、ガラスおよび光学媒体またはメモリ媒体、MEMS基板、またはマイクロ電子デバイス、マイクロ機械デバイスまたはマイクロ電子−マイクロ機械デバイスを備えた他の任意のワークを含むあらゆる平らな媒体または物品を意味する。
【0013】
図1に示すように、処理装置20は、片面処理を遂行する。片面処理とは、一種類以上の処理流体をウェーハの片面(本明細書では後面と呼ぶ)のみに適用することを意味し、処理流体がウェーハの第二面(前面)に接触することが実質的に排除される。処理流体はまた、ウェーハのべべル状縁部にも接触することがある。処理流体として、液体、ガスまたは蒸気がある。図1において、処理装置20は、ヘッド22内のスピンモータにリンクされたロータ24を有している。ロータ24の外周部にはガイドピン25が設けられ、ウェーハ100所定位置に案内することを補助する。ガスノズルすなわち入口26は、ロータ24内にガス渦流を発生させる方向にガスをスプレーすなわち噴霧する。図1および図1Aにおける矢印23は、ガス流の方向を示すものである。このガス流は、ウェーハ100の上方空間内に負圧ゾーンすなわち低圧ゾーンを創出する。この結果、圧力は、ロータ24上にウェーハ100を保持するのに使用される。
【0014】
図1に示すように、ロータ24は、ガスの唯一の逃散経路が、ウェーハの縁部とロータとの間の環状開口となるように設計される。この設計では、ガスがロータ24から逃散すなわち流出されるので、ガスは、ウェーハ100がロータ24に接触することを実質的に防止する。ウェーハは、移動ガスのクッション上に実質的に支持されかつ保持される。ガイドピン25は、ロータ内でのウェーハのあらゆる横方向移動を最小にするためすなわち制限するため設けられたものである。
【0015】
引続き図1を参照すると、ヘッド22は、ベースすなわちボウル28と整合または係合するように配置されまたは移動される。処理流体は、ボウル28内で、1つ以上のノズルまたは入口29からウェーハの後面上に適用される。処理中に、モータがロータ24を回転させ、ウェーハ100はロータ24と一緒に回転される。処理流体はウェーハの後面に適用される。図1において、後面とは下向き面である。ロータ24から逃散するガス流は、ウェーハの前面に対する隔離として機能する。ガスは常時外方に流出するので、いかなる処理流体もロータ24内に移動しない(すなわち、ウェーハの上面に接触することがない)。従って、非常に有効なウェーハの片面処理が達成される。
【0016】
図1および図1Aを参照すると、ガス流が矢印23により示されている。ロータは回転ガス流を発生させるように設計されている。入口26(ロータの外周部に隣接して設けられている)の近くではガス流は比較的高速で、これに対応してガス圧力は比較的低い。従って、ウェーハをロータの所定位置に保持する圧力はウェーハの縁部近くで最高となり(ここでは、負圧が最高になる)、中心で最低になる。ロータの中心に向かうにつれて、またはロータの中心で、ガス流速度はゼロであるか、ゼロに近い。かくして、ロータの内方領域のガス圧力は、一般に、極く僅かに負圧であるか、ゼロであるか、僅かに正圧である。この結果、ウェーハの縁部領域はロータに対して確実に保持され、ウェーハの中心には最小の力が作用する。従ってウェーハに作用する曲げ応力は低減される。
【0017】
図1Bには、ロータ24Bがウェーハ100より大きい直径を有する設計が示されている。ロータ24Bは、図1および図1Aのロータと同じ態様で作動する。しかしながら、ウェーハは、孤立部材またはピン27によりロータ24Bの面から離れて保持される。この設計では、ロータの円筒状側壁によりウェーハ100が過度に中心からずれることが防止されるため、ガイドピン25は不要である。
【0018】
本明細書で説明する各設計では、ロータからのガス逃散は異なっている。図1の設計では、ガスは、ウェーハの縁部とロータとの間の環状開口を通って逃散する。図1Bに示す設計では、ガスは、ウェーハの縁部とロータの円筒状側壁との間の環状ギャップを通って逃散する。しかしながら、他のガス逃散開口を単独で、または図1および図1Bに示す開口およびギャップと組合せて使用することもできる。例えば、図1に破線で示すガス出口147をロータに設けることができる。ガス出口147は、孔、スロットまたは他の開口にすることができる。ガス出口147はロータの任意の位置に配置でき、かつ上記回転ガス流を生じさせる任意の形状にすることができる。
【0019】
或る処理およびウェーハでは、ウェーハとの物理的接触を行うシールを使用できる。これらの用途では、処理中にロータとウェーハとの間の物理的シールを形成するのに、図1に示すシールリング149のような接触シーリング要素を使用することもできる。上記負圧または真空状態により、ウェーハの縁部がシールリング149に対して確実に保持される。ロータに設けられたガス出口147は、ガス流の逃散経路を形成する。ウェーハはシールリングと物理的に接触して保持され、処理中のウェーハのあらゆる移動が防止されるため、位置決めピン25は省略できる。
【0020】
図2〜図5には、図1に関連して上述した作動原理を使用した処理機50の一例が示されている。しかしながら、図2〜図5には、本発明には重要でない種々の付加要素も示されている。図2〜図5に示すように、処理機50はヘッド80およびボウル78を有している。ボウル78は取付けプレート70上に支持され、該取付けプレート70はデッキ52(図13)に取付けられている。図6および図7に示すように、スピンモータ84は、ヘッド80のベースプレート88上に支持されかつヘッドカバー82により覆われている。一般に、ロータ92はスピンモータ84により駆動されかつヘッド80内で回転する。しかしながら、モータ84は、ロータを回転させるのに使用される他の技術を選択することにより省略することもできる。
【0021】
ヘッド80はボウル78と係合できる。より詳しくは、処理を行うには、ヘッド80をボウル78に隣接する位置(但し接触しない位置)に移動させるか、ヘッド80をボウル78に物理的に接触させるか、図4に示すようにボウル78に対してシールすることもできる。
【0022】
図4および図5に示すように、ボウル78は、ヘッド80内に保持されたワーク100の後面すなわち下向き面上に処理流体を適用するための液体スプレーノズルすなわち入口112を有している。ノズルすなわち入口112は、ボウル78の側面または下面上の所定位置に固定できる。或いは、幾つかのノズルまたは全てのノズル112を、例えばスイングアーム上で移動させるように構成できる。固定ノズルと移動ノズルとの組合せを使用することもできる。多数のノズルすなわち入口を備えた固定または移動スプレーマニホルドをボウル78内に使用することもできる。ノズル112を介してガスまたは蒸気をワーク100に適用できる。使用済みの処理流体はドレン114が収集してボウル78から除去する。ドレン114には、1つ以上の弁116を関連させることができる。ボウルスタンドオフ110を使用する場合には、該スタンドオフをボウルに取付け、ボウル78からヘッド80上のワーク100に向けて上方に突出させることができる。図5に示すように、ヘッド80は、ヘッドリフティングアーム90(図4)によりヘッドに連結されたヘッドリフタ(図示せず)によりボウル78から垂直に持上げられる。
【0023】
図6には、明瞭化のためカバー82および他のコンポーネンツを除去した状態のヘッド80が示されている。ヘッドガス供給ライン102が、ガスまたは清浄な乾燥空気を、ベースプレート88を貫通するガスポート96に有利に供給し、ベースプレート88とロータ92との間にガス流を形成する。ヘッドガスまたは清浄な乾燥空気のこの流れは、ヘッド80内への処理流体、蒸気またはガスの流入防止を補助し、これによりヘッドコンポーネンツの腐蝕を低減させる。ベースプレート88の外面の周囲にはヘッドリング94を取付けることができる。ヘッドリング94の溝内には膨張可能なシール98が設けられ、処理にボウル78に対してヘッド80をシールする。図6に示したコンポーネンツ(これらはヘッド80の部品である)は、ヘッドリフティングアーム90により支持され、回転はしない。
【0024】
ここで図7、図8および図9に示す例を参照すると、ロータ92は、ハブ122でシャフト124に取付けられた駆動プレート130を有している。シャフト124は、ヘッド80のスピンモータ84にキー止めされる。駆動プレート130には、ねじ128または他のファスナによりチャック132が取付けられている。図8および図9に示すように、ガイドピン134が、チャック132のアウタリム142から下方に延びている。ガイドピン134は、円錐状またはテーパ状セクション135を有している。図9に示すように、接触ピン154がチャックのアウタリム142から僅かに突出している。接触ピン154はガイドピン134より短くかつガイドピン134の半径方向内方に位置している。
【0025】
引続き図9を参照すると、チャック132は、一般に、頂板すなわちウェブプレート148に対して実質的に垂直な円筒状側壁138を有している。Оリングまたは他のシール144を使用でき、該シール144は駆動プレート130に対してチャック132の外面または外周部をシールする。チャック132のウェブプレートセクションすなわち頂板セクション148は、一般に、駆動プレート130からギャップGだけ間隔を隔てている(ファスナ128の取付け位置を除く)。
【0026】
加圧された窒素または清浄な乾燥空気等のガスは、ヘッド80内の供給ラインから、モータハウジングに取付けられたラビリンスキャップ126(図4、図5および図7参照)を通り、シャフト124内のスリーブ125を通って延びる入口ライン86内に導かれる。
【0027】
ヘッド80に供給されたガスは、図9に示す設計では、入口ライン86を通り、図7および図9に示すように、チャック132と駆動プレート130との間のギャップG内でガス入口136に向かって半径方向外方に流れる。ディスク状ギャップGは、入口ライン86からガス入口136への流路を形成する。チャック132の側壁138内に配置されたガス入口136は、円筒状側壁138に対して完全な接線方向にまたは少なくとも部分的に接線方向にガスを噴霧またはスプレーするように配置されている。入口は、ガス方向が側壁に対して接線方向になるか、接線に対して40°、30°、20°または10°以内の角度になるように配向される。多数のガス入口、例えば3個、4個、5個、6個、7個または8個のガス入口が、チャック132の頂壁すなわちウェブ148の近くで、側壁138内に半径方向に間隔を隔てて配置されるのが有利である。ガス入口136の個数、形状、構成および位置は変更できることはもちろんであり、ワーク100をロータ92上の所定位置に保持するガス流条件を生じさせる種々の設計を使用できる。ガスが、ガス入口136を通らないでギャップGから逃散するのを防止するのに、Оリングまたはシール144を使用できる。
【0028】
チャックプレート132のアウタリム142の側壁138は、図9に示すように、チャック132内に、直径Dおよび深さすなわち高さHを有する空間を形成している。寸法Hは、ハブ122の回りの中央領域を除き実質的に均一である。
【0029】
チャックプレート132には、整合目的の中心開口を設けることができる。中心開口が設けられる場合には、該開口は、ロータ92を使用する前にプラグ146により閉塞される。ここで図8および図9を参照すると、ガイドピン134は、ワーク100の直径より僅かに大きい直径DD上に配置されている(この直径DDは、円筒状空間すなわちディスク状空間155の直径Dより僅かに大きい)。従って、ワークが図4に示すようにロータ92内に配置されたとき、ガイドピン134とワークの縁部との間には公称半径すなわち横方向間隙のみ存在する。
【0030】
図3を参照すると、処理機50は、ローディングおよびアンローディングを行うためのアップ位置すなわち開位置にある。図示の設計では、ヘッドリフティングアーム90が、ヘッド82を、ボウル78から上方に持上げる。ワーク100は、ロータ92にほぼ整合するようにして、ヘッド82とボウル78との間の位置に移動される。次に、ワークは、該ワークの外縁部の周囲のガイドピン134により垂直上方に移動される。この位置でのワークは、図11に示すように、ガイドピン134の平面Pの位置またはこれより上方の位置にある。これらのワークローディング移動は、更に後述するように、手作業で行われるか、ロボットにより行われる。
【0031】
次に、ガスがロータ92に供給される。図8を参照すると、ガス入口136がほぼ接線方向に配向されていることおよびガスが入口136から比較的高速で流出することから、ワークとチャック132の頂板148との間の空間155内に回転ガス流すなわち渦流が発生される。ガスは、空間155内で円形パターンで流れる。次にガスは、空間155からワーク100の縁部の回りを通って流れ、ボウル78内に流入する。これにより、空間155のアウタ領域に負圧すなわち真空が発生され、ワークをロボット44(図14)から持上げる。ワーク100の上方のアウタ領域空間155内の負圧により、ワークの上面が接触ピン154により保持される。これにより、ワークがロータ92に対して回転しまたは移動することが防止される。接触ピン154には、ウェーハと点接触する球形端を設けることができる。或いは、接触ピンには、例えば0.2〜3mmの範囲の直径の非常に小さい領域で接触する端部を設けることができる。
【0032】
接触ピン154に当接してワーク100を保持すべく作用する垂直力は、ガスの渦流により発生される圧力差と、圧力が作用するワークの表面積とにより定められる。この垂直力は、ガス流を制御することにより調節できる。一般に、垂直力はワークの重量よりかなり大きく、このため、ワークは、重力に対する垂直力の方向の如何にかかわらず接触ピン154に当接した状態に保持される。ワークを支持する表面のみをもつ接触ピン154は、一般に、ワークの縁部から2〜10mm、4〜8mmまたは5〜7mmの範囲内に配置される。
【0033】
次に、ヘッドリフタが、ヘッドリフティングアーム90およびヘッド80を下降させ、ヘッドを図5に示す開位置から図4に示す閉位置すなわち処理位置に移動させる。シール98を設ける場合には、該シール98を膨張させ、ヘッド80とボウル78との間に部分シールまたは完全シールを形成する。
【0034】
空間155内のガスの僅かな逃散経路は、ワークとチャック132のリム142との間の小さい環状開口である。ガスが空間155から逃散するとき、ガスは、ワークが、接触ピン154を除き、チャック132、ロータ92または処理機50のあらゆる部分に接触することを防止する。ワーク100の他の部分は、本質的にガス流内で懸架される。必要ならば、ガイドピン134は、ワーク100がロータ92の回転軸線から大きくずれてしまうことを防止する。それでも、通常は、ワークの縁部の周囲のガス流と、接触ピン154に当接してワークを保持する垂直力とによってワークが中心位置に保持される。
【0035】
スピンモータ84のスイッチを入れ、ロータ92およびワーク100を回転させる。一般に、ガス渦流は、ロータ内でロータの回転方向と同じ方向に回転する。処理液体が、ノズルまたは入口112から、ワークの下面すなわち下向き面上にスプレーまたは噴射される。処理ガスまたは蒸気を使用することもできる。遠心力が、ワーク100の下面全体に亘って処理液体を分散させる補助をする。ロータ92内のガス流はまた、いかなる処理液体またはガスもワーク100の表面に接触することを補助する。なぜならば、ワークの上方の空間からワークの下方の空間内に流入する一定の流れが存在するからである。
【0036】
処理液体および/または処理ガスの適用後、図4に示す位置にある間に、任意であるが、ウェーハをリンスしおよび/または乾燥することができる。処理機50内の全ての処理が完了したならば、ワーク100は、上記段階の逆シーケンスの後にアンローディングされる。
【0037】
ロータ92がワーク100を保持している間にロータへのガス流が遮断されると、ロータ92からワーク100が移動すなわち落下してしまう。この場合にウェーハが受けるダメージを低減させるため、ボウルスタンドオフポスト110がボウル78内に設けられ、スタンドオフポスト110は、図4に示すように、ワーク100より約10〜15mm下の位置まで延びている(処理位置にあるとき)。ガス流が遮断された場合、ワークは、短距離落下してスタンドオフポスト110上に載るに過ぎない。
【0038】
ガスは、ロータ92から出て移動した後、ガス排出プレナム120内に吸引され、次に処理機50から除去される。処理機50により行なわれるべき特殊処理に基いて、チャック132および駆動プレート130は、任意であるが、PVDFプラスチック材料等の耐食性材料またはこの均等物で作られる。前述のように、ロータ92およびヘッド80の全体は、事実上任意の遠心法(一般には液体の処理薬剤がワークの一面に適用される方法)に使用できる。処理機50は垂直直立位置にあるところが図示されているが、他の位置および方向においても使用できる。従って、上面または下面および上方向および下方向についての本明細書での説明は、図示した例を説明するためのものであり、必要条件または本質的な作動パラメータではない。
【0039】
上記各実施形態では、ウェーハの前面すなわちデバイス面が、ロータに向くようにまたはロータとは反対側を向くように配置できる。後面浄化すなわち後面処理の場合には、ウェーハは、デバイス面がロータを向くようにしてロータ内に配置される。前面浄化すなわち前面処理の場合には、ウェーハは、前面がロータとは反対側を向くようにしてロータ内に配置される。所望面をロータの上向きに配向しまたは下向きに配向することは、ロボットハンドリングまたは手作業で行うことができる。別の反転ステーションまたはウェーハフリッピングステーションを使用することもできる。
【0040】
一般に、ロータに供給されるガスは不活性、すなわちウェーハとは重大な化学反応を起さない。しかしながら、不活性ガスの代わりに化学的処理ガスを使用することもできる。化学的処理ガスをロータに供給することにより、ロータに面するウェーハの面を化学的に処理することができる。任意であるが、同時的に、ウェーハの他の面を同じ化学的処理ガスまたは異なる化学的処理ガスまたは液体で処理することもできる。
【0041】
上記説明から理解されようが、ヘッド50は、ワーク100を保持または固定するためのいかなる可動部品も必要としない。ワークを所定位置に保持するのにガス流が使用されるため、ヘッド80は比較的簡単な設計にすることができる。また、一般に、化学的相容性を有するプラスチック材料を殆どのコンポーネンツに使用することができる。これにより、汚染をもたらす金属コンポーネンツの必要性を低減できる。また、ワーク100を陰でおおう障害物またはコンポーネンツも全く存在しない。これにより、処理液体をワーク上に非常に均一に分散させて、より均一な処理を行うことができる。ガイドピン134は、ワークの縁部に接触するに過ぎない。接触ピン154は、ワーク100の前面すなわち上面の非常に小さい領域に接触するに過ぎない。従って、ワーク100との接触が最小化される。
【0042】
図9Aは、図9に示したロータ92の外縁部を示す拡大図である。ロータ92内に供給されたガスは、矢印Gで示すようにロータの外方に流出する。ウェーハ100の下面すなわち下向き面上に適用された処理液体101は、遠心力により駆動されるとウェーハの縁部に向かって外方に流れる。回転速度、流量および粘度等のファクタに基いて、処理液体101は、ウェーハの縁部の周囲を包みかつ上面上で小さい距離(一般に数ミリメートル)だけ内方に移動する。ガスの外方への移動は、ウェーハの上面上での処理液体の内方への移動を低減させ、かつ変化する境界線(処理液体が接触する縁部近くの上面上のアウタ領域と、処理液体が接触しないインナ領域との間の境界線)を形成する。或る製造方法では、均一な境界線が好まれる。
【0043】
図9Bは他のロータ設計400を示し、この設計は、本明細書で説明する点を除きロータ92と同じ構成にすることができる。ロータ400は、ロータリング402に取付けられた縁部接触リング404を有している。縁部接触リング404は、例えばファスナを介してロータリング402に取付けられる別体の環状リングコンポーネントで構成するか、ロータリング402の一部として構成することもできる。図9Bに参照番号408で全体を示すガス流路408が、縁部接触リング404とロータリング402との間に形成されている。ガス流路408は、ロータリング402内に切り込まれた傾斜環状スロット410および該スロット410に連結されたガス出口ポート412により形成されている。ガス流路408への入口415は、スロット410の下方内部開口に位置している。
【0044】
引続き図9Bを参照すると、縁部接触リング404は、ウェーハ100の縁部に接触する。使用時に、ウェーハ100の下面に適用された処理液体は外方に移動し、図9Aに示すようにウェーハ100の縁部の周囲を包囲する。縁部接触リング404の内縁部405は、ウェーハの上面上の処理液体に対するシールすなわち物理的バリヤとして機能する。内縁部405は弾性で、ウェーハの上面に当接してシールする滑らかな下面を有している。処理液体は接触リング404の内縁部405に接触するが、内縁部405を通過して移動することはできない。ロータ400内に供給されるガスはガス流路408を通ってロータから出る。ガスの圧力は、処理液体が縁部接触リング404の内縁部405とウェーハ100との間でウィッキングすることを防止する傾向を有している。この結果、ロータ400を用いた処理は、非常に均一な境界線を形成する。図9Bに示すように、ロータ400は、処理液体が環状外縁領域416においてのみウェーハの上面に接触することを可能にする。環状外縁領域の幅は、縁部接触リング404の内縁部405およびウェーハ100の縁部418からの寸法により定められ、一般的には約1または2mmから約8〜9mm、より詳しくは約2または3mmである。
【0045】
図9Cは他のロータ420を示し、該ロータ420は、本明細書で説明する点を除きロータ92と同じである。ロータ420は、ロータリング422に取付けられた縁部接触リング424を有している。ロータ400と同様に、ロータ420にはガス流路428が形成されている。ガス流路428は、環状スロット430と、ロータリングを通って内方に延びかつスロット430に連結されたガス出口ポートとにより形成されている。縁部接触リング424のウェーハ縁部接触面434が、角度EAで配向されている。接触面434およびロータ420の底面435は、断面が二等辺台形の形状をなす凹部436を形成している。接触面434は、上から下に向かってテーパすなわち円錐状に外方に延びている傾斜側壁を形成している。接触面434の角度EAは、一般に約15〜45°の範囲である。
【0046】
使用に際し、ウェーハ100は、図9Cに示すように、ウェーハの上縁部すなわちべべルが接触面434に接触するようにしてロータ420内に保持される。これにより、ウェーハ100と接触面434との間に接触線440が形成される。ガスは、ガス流路428を通ってロータ420から流出する。ウェーハの下面上に適用された処理液体は、図9Aに示すように、ウェーハの縁部に向かって外方に流れる。処理液体はウェーハの縁部に向かって縁部上に流れるが、ウェーハの上面上に流れることはない。接触線440は、処理液体がウェーハ100の上面上に移動することを防止するシールまたはバリヤとして機能する。ガス流路428内のガスの圧力はまた、接触線440を通った処理液体のあらゆるウィッキングを防止する傾向を有する。この結果、処理液体が接触する領域と処理液体が接触しない領域との間の境界線は、ウェーハ100の縁部上にある。平らな縁部および上下のべべル面を備えたウェーハでは、接触線440(およびこの結果形成される境界線)は、上方べべル上に位置する。半径を有する縁部すなわち丸められた縁部をもつウェーハでは、接触線440は、丸められた縁部の上半部上に位置する。
【0047】
引続き図9Cを参照すると、接触面434の角度EAは、処理すべきウェーハの縁部の形状に基いて変えることができる。角度EAは、幅広の接触領域ではなく、むしろ接触線440を形成すべく有利に選択される。従って、接触面434は、ウェーハ100のべべル状表面に当接して平らに接触しないことが有利である。名目上、環状面434の中間点での直径DDは、処理すべきウェーハの直径、例えば200mmまたは300mmに一致するように選択される。ウェーハの直径は製造公差により僅かに変化するので、任意の所与のウェーハは、接触面434上で僅かに高く(または低く)位置決めすることができる。図9Bおよび図9Cにおいて、テールが付された矢印は、ロータを通るガスの移動を示している。図9A〜図9Dに示すロータは、主にまたは全体がPVDF等のプラスチック材料で作ることができる。
【0048】
図9Dには他のロータ450が示されており、該ロータ450は、薄いウェーハにも適用できる点を除き、図9に示すロータ92と同じである。標準のシリコンウェーハの厚さは約0.030インチ(約0.75mm)である。しかしながら、薄いウェーハも多くの用途に使用されている。一般に、これらの薄いウェーハの厚さは、約0.002〜0.010インチ(約0.05〜0.25mm)、典型的な厚さは、0.003、0.004または0.007インチ(0.008、0.10または0.18mm)である。これらの薄いウェーハは標準ウェーハよりも壊れ易いため、標準ウェーハのハンドリングおよび処理に使用される機械および方法を、薄いウェーハに首尾良く使用することはできない。
【0049】
図9Dにおいて、ウェーハ100は、該ウェーハの上方に円筒状またはディスク状空間すなわち開口155が位置するようにして、接触ピン154の縁部近くに支持される。前述のように、ロータ内のガス流速度は、図9Dにおけるウェーハの外周部PP近くで最大であるので、ウェーハより上方の空間とウェーハより下方の空間との間の圧力差も外周部PPの近くで最大になる。接触ピン154は外周部の近くに配置されているので、外周部近くで垂直力によりウェーハに加えられる曲げ応力は小さい。
【0050】
ガスの速度および垂直力は、ロータの中心に向かって低減する。しかしながら、通常、ロータの中心の近くまたは中心の回りには依然として幾分かの垂直力が存在する。図9に示すロータ92内で標準厚さのウェーハを処理するとき、外周部PPから離れたところで垂直力から生じる応力および撓みは充分に小さく、ウェーハにダメージを与えることはない。しかしながら、ロータ92内で薄いウェーハを処理すると、過大な撓み(上方への弓なり)、クラッキングまたは他のダメージが生じる。
【0051】
図9Dに示すように、薄いウェーハが上方に弓なりになる傾向を抑えるため、プラグ146は使用されない。このため、ガスは下向きに流れ、ガス入口ライン86から出てウェーハの中心でウェーハの上面に直接衝突する。このガス流は、上向き垂直力に抗して作用する。従って、ウェーハの中心近くで上向きおよび下向きに作用する力は、実質的に釣合いが保たれ、薄いウェーハの上向きの弓なりは低減されまたは防止される。従って、ロータ450は薄いウェーハにダメージを与えることなく取扱うことができる。引続き図9Dを参照すると、他の構成として、薄いウェーハの過大の上向き弓なりを防止するため、1つ以上の機械的スタンドオフピン454をロータに設けることができる。しかしながら、上向き弓なりを防止するのにガス流を使用しても同じ結果を達成でき、この方法はウェーハに物理的に接触しないため、汚染物質または欠陥を引起こす可能性が低減される。
【0052】
図9Dに示すように、ガス入口ライン86の下端部にはノズル452を設けることができる。ノズル452はガス入口ライン86のガス流出速度を増大させ、ウェーハの中心または中心近くで下向きに作用する大きい力を発生させる。ロータの他の位置に同様な付加ガス出口すなわちノズルを設けて、ウェーハの他の領域に下向きの力を加えるように構成することもできる。ノズル452の出口(単一または複数)からのガス流(単一または複数)は下方に移動してウェーハ100の上面に接触し、次にウェーハの縁部に向かって外方に移動し、ガス入口136からのガスと一緒にロータから逃散する。外方に流れるガスは、ウェーハの下面に適用されるあらゆる液体または蒸気が、ウェーハの縁部の回りを移動してウェーハの上面に流入することを防止する傾向を有する。従って、片面すなわち下面のみの処理が改善される。
【0053】
図10および図11には、他のロータ160が示されている。ロータ160は、下記の相違点を除き、ロータ92と同じである。図10に示すように、ロータ160の一面には短いガイドピン162が設けられている。残りのガイドピン134は全長(全高)ガイドピンであり、ガイドピン134のチップは、平面Pに対してリム142を寸法Kだけ越えて延びている。全高ガイドピン134およびワークホルダ166は、ワーク100の直径より大きい寸法だけ間隔を隔てている。L形ワークホルダ166は駆動プレート130に取付けられかつ半径方向内方に延びている水平脚を有している。短いガイドピン162はは入口通路164を形成し、ワーク100がロータ160内へと横方向に移動できるようにしている(これは、図7〜図9に示した、ロータに対する前述の記垂直ワーク移動とは異なっている)。横方向移動により、ロボット44(図13)は、ウェーハ100とロータ160とをほぼ整合させ、次に下方に移動させワーク100をホルダ166上に配置できる。各ホルダ166の上向き端は、ワーク100を支持するための平らなランド領域168を有するのが好ましい。次にロボット44は、ロータ160を備えた処理機が作動されていない場合でもシステム30内で他の機能を遂行すべく引っ込めることができる。従って、ワーク100は、ロータ160を通ってガスが全く流れていない場合でもロータ160内に配置できる。
【0054】
図11に示すロータ160は、図9に示すロータ92と比較して、より小さい直径のワークを取扱うように設計されている。例えば、図9に示すロータ92は直径300mmのワーク用として設計されているのに対し、図11に示すロータ160は直径200mmのワーク用に設計されている。もちろん、ロータは、他のサイズを有するワークを処理するのに適した他の種々のサイズに作ることができる。
【0055】
上記処理機は、自動処理システムに使用できる。図12には、一処理システム30の一例が示されている。処理システム30は、概略的に、包囲体32と、コントロール/ディスプレイ34と、入力/出力ステーションすなわちドッキングステーション36とを有している。ポッドすなわちボックス38(例えばFOUP)内のワークは、入力/出力ステーション36でボックス38から取出され、システム30内で処理される。
【0056】
図13に示すように、処理システム30は、好ましくは、包囲体32内のデッキ50上にワーク処理機の配列を支持するフレーム48を有している。システム30の頂部には、一般に、エアフィルタと一緒に、設備への空気入口42が設けられている。各ワーク処理機50は、シールされたボックス38、オープンカセットまたは他のキャリヤまたはコンテナ内に収納される直径200mmまたは300mmの半導体ウェーハまたは同様なワークを処理するように構成されている。
【0057】
図13には、10個のワーク処理機50を支持するフレーム48が示されているが、任意の所望数の処理機50を支持することができる。フレーム42には、処理機50の間に1本以上の中央配置レール46を設けるのが好ましい。1つ以上のロボット44は、レール46上では1つ以上のロボット44が移動して、処理機50にワークをローディングしかつ処理機50からワークをアンローディングすることができる。
【0058】
図12〜図14に示すように、ワークすなわちウェーハ100は、使用時に、一般に、処理システム30のフロントオープニング一体化ポッド(front opening unified pods: FOUP)または同様な閉鎖可能またはシール可能なコンテナ38内に移動される。或いは、例えばカセットまたは他のキャリヤ等のオーブンコンテナを使用することもできる。コンテナ38に何らかのドアまたはカバーが設けられている場合には、ドアまたはカバーは、ドッキングステーションすなわち入力/出力ステーション36で、一般にロボットまたは自動化されたサブシステムにより取外される。包囲体32にロードポートまたはウィンドウが設けられている場合には、これらのロードポートまたはウィンドウが開かれる。ロボット44は、コンテナ38からワーク100を取出して、該ワーク100を1つの処理機20または50に搬送する。これで、ワーク100は、処理機内にローディングされる準備が整ったことになる。工程のこのシーケンス並びにワーク100を処理機に移動させるのに使用されるコンポーネンツまたは装置は変更できることはもちろんであり、本明細書にとって本質的なものではない。むしろ、図12〜図14に示しかつ上述したシーケンスが本発明の説明の目的での一例を示すものである。
【0059】
図5を少しだけ参照すると、ヘッド80内のフローセンサを用いてガスの流れが確認され、ロボット44が安全に引っ込めらたことをコントローラ34に表示する。ロボット44は下方に移動しかつロータ92から離れる。ロボット上のセンサは、ワーク100がもはやロボット44上に存在しないことを確認する。次に、ロボットは処理機50から離れるように引っ込められる。次に、処理機が前述のように作動する。
【0060】
図15〜図18には、他のシステム180が示されている。図12に関連して上述したコンポーネンツおよび作動は、図15に示すシステムにも首尾良く適用される。図15に示すシステム180は、図12〜図14に示したシステム30と同様である。しかしながら、包囲体32内のデッキ52には、処理機50の代わりに、処理機組立体182が設置されている。図16および図17に示すように、1つ以上の処理機組立体182は、装着プレート188に取付けられる処理機184およびリフト/回転ユニット186を有している。リフト/回転ユニット186は、図12〜図14に示したシステム30に使用されたヘッドリフタの代わりに、ヘッドリフティングアーム90を介してヘッド80に取付けられる。ヘッド80をボウル78から垂直方向に上昇させかつボウルから離れる方向に持上げることに加え、リフト/回転ユニット186は、ヘッド80を、上側が下を向いた位置にひっくり返す(すなわち回転させる)ことができる。
【0061】
図16に示すように、処理機184の上方でリム支柱194上に支持されたリム192の頂部にはエアシールド190が配置されている。ほぼ包囲体32の頂部近くから装着プレート188まで延びているケーブルガイド198を通って電気配線が延びている。図16および図17に示すように、乾燥処理スイングアーム196が、装着プレート188上のスイングアームアクチュエータ200により支持されかつ処理機184の一方の面に駆動される。
【0062】
図17に示すヘッド80は、図2〜図9に示しかつ上述したヘッド80と同様である。図17に示すヘッド80は、ボウル204と係合できる。ボウル204は、円筒状上端部212を備えた頂セクション210と、中央セクション208と、底プレート206とを有するのが有利である。ボウル204はまた、アクチュエータ222により駆動される往復動スプレースイングアーム220を有している。スイングアーム220には、1つ以上のスプレーすなわちジェットノズルすなわち入口218が設けられている。ボウル204は、その他の点は上記ボウル78と同様である。ボウル78または204のノズルすなわち入口により適用される処理薬剤は、HF、HCL、硝酸または硫酸等の液体酸性溶液(liquid acid solutions)で形成できる。或いは、処理薬剤には、液体溶媒を含めることができる。リフト/回転ユニット186は、ヘッド80を、ベースに対して種々の垂直位置に位置決めする。
【0063】
図4および図17を参照すると、処理機組立体50、182は、直立方向で示されており、矢印Uは垂直上方(すなわち、重力とは逆の方向)を向いている。矢印Uはまた、ロータの回転軸線と同心状に示されている。ボウル204の頂セクション210の円筒状上端部212と円筒状下方シールド304との間には、ジョグルすなわち傾斜セクション302が延びている。円筒状上端部212および円筒状下方シールド304はほぼ垂直な面または垂直に近い面である。これらを連結する傾斜セクション302は、垂直から約20〜70°または30〜60°または40〜50°の角度に配向される。傾斜セクション302の下端部(ここでは、傾斜セクション302が下方シールド304を結合する)は排出プレナム120の頂部と同じまたはほぼ同じ垂直位置にある。下方シールド304の下端部は、傾斜セクション304から僅かに間隔を隔てており、環状ガス流通路305を形成している。
【0064】
回転するウェーハの縁部は一般に傾斜セクション302とほぼ整合し、ウェーハ100から飛散した液体は、ボウル204の底に向かって下方に偏向される傾向を有している。これにより、ウェーハ上へのはね返りが低減される。下方シールド304の周囲には、環状リップ排出チャネルすなわちプレナム120が配置されている。一般にボウルの両側に配置されるガス排出パイプ連結部306は、排出チャネル120内に通じている。パイプの連結部には僅かな真空が加えられ、ボウルからのガス流を誘発し、該ガス流は、排出チャネル120への通路305を通り、パイプ連結部306を通って処理機から出る。処理機を通る典型的なガス流は、約60〜200、100〜170または120〜150リットル/分の範囲である。
【0065】
処理機184のヘッド80は、図2〜図9に関して上述したヘッド80と同様に作動する。スイングアーム220上のノズルまたは入口218は、ワーク100の底面上に処理液体を適用する。スイングアームノズルを用いて(または用いることなく)、固定形のノズルすなわち入口を使用することもできる。この処理が完了すると、リフト/回転ユニット186がヘッド80を持上げて、該ヘッドを上向き位置へと回転させる。すなわち、図17に示す処理位置にあるウェーハの下向き面が上向き位置に移動される。ロータ92が回転する間、乾燥処理スイングアーム196は、乾燥流体をワーク100に適用する。乾燥処理スイングアーム196は、本願に援用する上記特許文献1に開示されているようにワークを乾燥させるべく、ワークの中心または中心近くから出発して、ワークの縁部に向かって半径方向外方に移動する。シールド190の開口は、処理機組立体182を通る下向き空気流の拡散および/または制御を補助する。
【0066】
図18に示すように、スイングアーム220には、光学端点検出器(optical end point detector)310が設けられている。端点検出器は、本願に援用する上記特許文献2に開示されているような要素または段階を使用する。コントローラは、移動する端点検出器310から供給される信号を積分するソフトウェアを有している。これにより、オーバーエッチングが低減されるため、処理時間が短縮されかつ歩留まりが改善される。
【0067】
乾燥処理スイングアーム196は、該アームがワークの上向き面を横切ってスイープするとき、一般に、窒素およびイソプロピルアルコール等の溶媒と一緒に脱イオン水(DI)を適用する。或いは、ボウル204内のスイングアーム220により同様な処理を行うこともできる。オゾンガスまたはDI等の液体中に溶解されおよび/または補足されたオゾンを含む他の処理液またはガスを、ボウル78または204内の固定または移動ノズルすなわち入口を介して適用することもできる。
【0068】
ヘッドが反転されている間すなわち上向きにある間、ロータ92を通るガス流が続けられるため、ワーク100が接触ピン154に当接して保持される。同様に、ヘッド80が図17に示す下向き位置から上向き位置にピボット運動する間、ワーク100は、接触ピンに当接してワークを保持する垂直力によりロータ92上に保持される。
【0069】
図19には、図12および図15に示したリニア配列ではなく、弧234または他の配列またはパターンに配置された処理機または処理機組立体50または182を備えた他のシステム設計230が示されている。ワーク100は、単一ロボット232により処理機50または182に搬入および搬出される。自動化されたシステムすなわちロボットシステム30、180を図示しかつ説明したが、ヘッド80およびロータ92、160は、手動処理機および/または単一処理機を含む他の種々のシステムに使用できる。
【0070】
用語「円筒状」、「丸い」または「円形の」は、多セグメント形状をも含むものである。用語「係合した」または「係合」は、実際の物理的接触、並びに、要素間の物理的接触なくして要素間の協働を可能にする隣接配置を含むものである。用語「渦」または「ガス流渦」は、ほぼ円形の特性を有するガスの流れを意味し、「ヘリカル」流、「スパイラル」流および同様な流れを含むものである。用語「ガス」は、半導体の製造に使用される窒素、酸素、オゾン、二酸化炭素等の元素ガスおよび他のガス、これらの混合物、空気および蒸気を含むものである。本明細書で使用する用語「複数の」は、「単数の」を含み、逆に「単数の」は「複数の」を含むものである。用語「〜に取付けられた」または「〜に支持された」は、直接的または間接的な連結または相互作用の両方を含むものである。用語「上」および「下」および「頂」および「底」は、方向または位置が重要であることが状況から明瞭である場合を除き、互換的に使用される。新規なシステムおよび方法を図示しかつ説明した。本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の変更、置換および均等物の使用が可能であることはもちろんである。従って本発明は、特許請求の範囲の記載およびこれらの均等物による制限を除き、制限を受けるものではない。
【0071】
本願は、上記特許文献1の一部継続出願である上記特許文献3の一部継続出願である上記特許文献4の一部継続出願であり、上記特許文献5の優先権を主張する。本願はまた、上記特許文献6の一部継続出願でもある。本願はまた、上記特許文献2の一部継続出願でもある。これらの特許出願は本願に援用する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の作動原理を示す断面図である。
【図1A】図1の1A−1A線に沿う断面図である。
【図1B】他の設計を示す断面図である。
【図2】ワーク処理装置を示す斜視平面図である。
【図3】図2に示した処理装置が開位置すなわちローディング/アンローディング位置にあるところを示す側面図である。
【図4】図2の4−4線に沿う断面図である。
【図5】図3に示した処理装置の断面図である。
【図6】図2〜図5に示したヘッドのカバーを図示のために取外したところを示す斜視平面図である。
【図7】図4および図5に示したロータを示す斜視平面図である。
【図8】図7に示したロータの斜視底面図である。
【図9】図7の9−9線に沿う断面図である。
【図9A】図7〜図9に示したロータの縁部を示す拡大断面図である。
【図9B】他のロータの縁部を示す拡大断面図である。
【図9C】更に別のロータの縁部を示す拡大断面図である。
【図9D】更に別のロータを示す拡大部分断面図である。
【図10】他のロータ設計を示す斜視底面図である。
【図11】図10の11−11線に沿う断面図である。
【図12】図2〜図9に示した幾つかの処理装置を備えたワーク処理システムを示す斜視図である。
【図13】図12に示したシステムを示す平面図である。
【図14】図12に示したサブシステムのコンポーネンツを示す斜視図である。
【図15】他の処理システムの選択されたコンポーネンツおよびサブシステムを示す斜視図である。
【図16】図15に示した処理組立体の1つを示す斜視図である。
【図17】図16の17−17線に沿う断面図である。
【図18】図16および図17に示したボウルを示す斜視図である。
【図19】他の処理システムを示す概略図である。
【技術分野】
【0001】
過去数年間に亘りマイクロ電子デバイスになされた顕著な進歩が、より有効であるが安価なあらゆる形式の電子製品を作り出してきた。マイクロ電子デバイスの開発の主要ファクタは、マイクロ電子デバイスを製造するのに使用される機械および方法である。マイクロ電子デバイスの製造には、極めて高い精度、極めて高い純度の材料および極めてクリーンな製造環境が必要とされる。顕微鏡的な微粒子であってもデバイスに欠陥および故障を引起こしてしまう。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電子デバイスは、一般に、半導体ウェーハの前面すなわちデバイス面上に製造される。一般に、ウェーハの後面には、いかなるマイクロ電子デバイスも存在しない。しかしながら、例えば金属粒子、残留物、膜等のウェーハ後面の汚染物質が除去されない場合には、ウェーハの前面上のデバイスにダメージを引起こしてしまう。例えば、製造過程で使用される或る金属(例えば銅)は、ウェーハを通って後面から前面に移動し、この場合にはマイクロ電子デバイスに欠陥を引起こしてしまう。従って、ウェーハの後面の処理は重要である。
【0003】
ウェーハの後面は、汚染物質を除去する既存技術を用いて処理される。これらの技術として、通常、ウェーハを回転させた状態で処理流体を後面上に適用する方法がある。しかしながら、処理流体は、ウェーハの前面に接触するとマイクロ電子デバイスにダメージを与えることがある。従って、一般に、後面処理すなわち片面処理中は、処理流体は、最小量にするかウェーハの前面すなわち反対側の面に全く接触しないようにするのが理想的である。処理流体として液体、ガスまたは蒸気が使用され、ウェーハは処理流体が適用されるときに、通常、回転されるので、上記目的は、現在のウェーハ処理技術により未だ殆ど達成されていない。
【0004】
ウェーハ処理機は、ウェーハ後面の処理時に、前面から処理流体をいかにして排除するかの問題を解決する種々の設計を使用している。これらの幾つかの機械は、不活性ガスの流れを使用して処理流体を後面のみに閉じ込めることを試みている。他の機械は、ガスケット、膜または他の形式の機械的シールまたはバリヤを使用して、処理流体をウェーハの上面から遮断している。しかしながら、ガス流を使用する機械では、依然として幾分かの処理流体がウェーハの前面すなわちデバイス面に到達する傾向を有する。機械的シールを使用する機械では、シールは、ウェーハのデバイス面に物理的に接触しなければならず、物理的接触によりマイクロ電子デバイスがダメージを受けてしまう。従って、シールまたは物理的バリヤの使用は重大な欠点を有している。
【0005】
現在の処理機に使用されているシール、クランプまたは他のシーリング要素、保持要素または位置決め要素によるウェーハとの物理的接触は、粒子発生または粒子放出による汚染の危険を生じさせる。これらの形式の要素は、ウェーハ上の処理流体の均一流を妨げ、ウェーハの異なる領域での処理度合いを変化させてしまう。従って、片面処理であるか両面処理であるかにかかわらず、ウェーハとの物理的接触を最小にすることにより良い結果が得られる。一方、ウェーハは、処理中に所定位置に適正に位置決めされかつ固定されなくてはならない。従って、全体的にウェーハとの物理的接触が小さいウェーハの片面処理を行うためのより良い機械および方法が要望されている。
【0006】
【特許文献1】2005年3月8日付(現在係属中)米国特許出願第11/075,099号公報
【特許文献2】2005年11月28日付(現在係属中)米国特許出願第11/288,770号公報
【特許文献3】2006年2月22日付(現在係属中)米国特許出願第11/359,969号公報
【特許文献4】2007年1月3日付(現在係属中)米国特許出願第11/619,515号公報
【特許文献5】2004年3月12日付米国仮特許出願第60/552,642号公報
【特許文献6】2005年6月30日付米国特許出願第11/172,162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
今や、これらのウェーハの後面処理およびウェーハとの物理的接触の困難な問題を解決できる新規な処理機および処理方法が発明された。これらの機械および方法は、マイクロ電子デバイスおよび同様なデバイスの製造における顕著な改善を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様では、ウェーハの片面に循環ガスが供給される。循環ガスは、処理流体をウェーハの前面から離れた状態に維持するガス圧力および流れ状態を作り出す。従って、マイクロ電子デバイスの後面は、前面にダメージを与える危険なく、広範囲の処理薬剤を用いて処理される。
【0009】
ガスの循環流はまた、処理中に、ガス圧力によりウェーハを所定位置に保持する。循環ガスにより発生されるガス流状態およびガス圧力状態により、ウェーハの縁部には保持力が加えられる一方、ウェーハの支持されない中央領域には、比較的小さい力が加えられるか、力は全く加えられない。従って、処理中にウェーハは所定位置に確実に保持され、ウェーハに加えられる応力は最小になる。ウェーハの前面または後面または両面の処理中のウェーハとの物理的接触も最小になる。これにより、ウェーハの汚染の可能性が低減されかつ歩留まりが向上する。この結果、各ウェーハから、より有用なデバイスチップが製造される。
【0010】
循環ガスを使用するウェーハ処理機には、ウェーハの第一面上に処理流体を適用するための1つ以上の処理流体入口を備えたボウルを設けることができる。処理機は、ワークの処理中にボウルと係合するように配置されるヘッドを有している。ヘッド上に支持されたロータ内に回転ガス流が発生される。回転ガス流を発生させる1つの方法は、回転方向に対して接線方向またはほぼ接線方向に、ロータ内で圧力ガスを放出させる方法である。回転ガス流は、ウェーハとの最小の物理的接触により、ロータ上またはロータ内の所定位置にウェーハを保持する。流体入口は、ウェーハがロータとともに回転する間、1つ以上の処理流体をウェーハの第一面上に適用する。また、片面処理の場合に、ウェーハを所定位置に保持することに加え、ロータ内の回転ガス流を使用して処理流体をウェーハの第二面から排除することもできる。1つの設計では、ウェーハは、ウェーハの縁部の周囲にギャップを設けてロータ上に位置決めされる。ロータ内に供給された幾分かの循環ガスまたは全ての循環ガスが、ギャップおよびウェーハの縁部の周囲を通って逃散する。ガスのこの流出により、第一面に適用されたいかなる処理流体も第二面に到達することが防止される。
【0011】
他の設計では、ロータには、ウェーハの縁部近くでウェーハに接触させるかウェーハに対するシールを形成する一形式の環状縁部接触リングを設けることができる。縁部接触リングに関連するガス流経路は、ロータから逃散するガスをウェーハの縁部からそらせる。ウェーハの下面に適用される処理流体は、ウェーハの縁部の周囲を包み込みかつウェーハの上面上の鋭く形成された縁部領域上にのみ流れる。ロータはまた、ウェーハの縁部に接触する他の形式の環状縁部接触リングを有しかつ事実上全ての処理流体がウェーハの上面上に移動することを防止する。本発明は、上記機械および方法のサブコンビネーションにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
幾つかの図面を通して、同じ要素は同じ参照番号で示す。図面を明瞭化するため、電気配線および液体ポンピングラインは全体的に図面から省略する。
本発明は、半導体ウェーハのようなワークを処理する装置および方法に関する。用語「ワーク」、「ウェーハまたは半導体ウェーハ」は、半導体ウェーハおよび他の基板またはウェーハ、ガラスおよび光学媒体またはメモリ媒体、MEMS基板、またはマイクロ電子デバイス、マイクロ機械デバイスまたはマイクロ電子−マイクロ機械デバイスを備えた他の任意のワークを含むあらゆる平らな媒体または物品を意味する。
【0013】
図1に示すように、処理装置20は、片面処理を遂行する。片面処理とは、一種類以上の処理流体をウェーハの片面(本明細書では後面と呼ぶ)のみに適用することを意味し、処理流体がウェーハの第二面(前面)に接触することが実質的に排除される。処理流体はまた、ウェーハのべべル状縁部にも接触することがある。処理流体として、液体、ガスまたは蒸気がある。図1において、処理装置20は、ヘッド22内のスピンモータにリンクされたロータ24を有している。ロータ24の外周部にはガイドピン25が設けられ、ウェーハ100所定位置に案内することを補助する。ガスノズルすなわち入口26は、ロータ24内にガス渦流を発生させる方向にガスをスプレーすなわち噴霧する。図1および図1Aにおける矢印23は、ガス流の方向を示すものである。このガス流は、ウェーハ100の上方空間内に負圧ゾーンすなわち低圧ゾーンを創出する。この結果、圧力は、ロータ24上にウェーハ100を保持するのに使用される。
【0014】
図1に示すように、ロータ24は、ガスの唯一の逃散経路が、ウェーハの縁部とロータとの間の環状開口となるように設計される。この設計では、ガスがロータ24から逃散すなわち流出されるので、ガスは、ウェーハ100がロータ24に接触することを実質的に防止する。ウェーハは、移動ガスのクッション上に実質的に支持されかつ保持される。ガイドピン25は、ロータ内でのウェーハのあらゆる横方向移動を最小にするためすなわち制限するため設けられたものである。
【0015】
引続き図1を参照すると、ヘッド22は、ベースすなわちボウル28と整合または係合するように配置されまたは移動される。処理流体は、ボウル28内で、1つ以上のノズルまたは入口29からウェーハの後面上に適用される。処理中に、モータがロータ24を回転させ、ウェーハ100はロータ24と一緒に回転される。処理流体はウェーハの後面に適用される。図1において、後面とは下向き面である。ロータ24から逃散するガス流は、ウェーハの前面に対する隔離として機能する。ガスは常時外方に流出するので、いかなる処理流体もロータ24内に移動しない(すなわち、ウェーハの上面に接触することがない)。従って、非常に有効なウェーハの片面処理が達成される。
【0016】
図1および図1Aを参照すると、ガス流が矢印23により示されている。ロータは回転ガス流を発生させるように設計されている。入口26(ロータの外周部に隣接して設けられている)の近くではガス流は比較的高速で、これに対応してガス圧力は比較的低い。従って、ウェーハをロータの所定位置に保持する圧力はウェーハの縁部近くで最高となり(ここでは、負圧が最高になる)、中心で最低になる。ロータの中心に向かうにつれて、またはロータの中心で、ガス流速度はゼロであるか、ゼロに近い。かくして、ロータの内方領域のガス圧力は、一般に、極く僅かに負圧であるか、ゼロであるか、僅かに正圧である。この結果、ウェーハの縁部領域はロータに対して確実に保持され、ウェーハの中心には最小の力が作用する。従ってウェーハに作用する曲げ応力は低減される。
【0017】
図1Bには、ロータ24Bがウェーハ100より大きい直径を有する設計が示されている。ロータ24Bは、図1および図1Aのロータと同じ態様で作動する。しかしながら、ウェーハは、孤立部材またはピン27によりロータ24Bの面から離れて保持される。この設計では、ロータの円筒状側壁によりウェーハ100が過度に中心からずれることが防止されるため、ガイドピン25は不要である。
【0018】
本明細書で説明する各設計では、ロータからのガス逃散は異なっている。図1の設計では、ガスは、ウェーハの縁部とロータとの間の環状開口を通って逃散する。図1Bに示す設計では、ガスは、ウェーハの縁部とロータの円筒状側壁との間の環状ギャップを通って逃散する。しかしながら、他のガス逃散開口を単独で、または図1および図1Bに示す開口およびギャップと組合せて使用することもできる。例えば、図1に破線で示すガス出口147をロータに設けることができる。ガス出口147は、孔、スロットまたは他の開口にすることができる。ガス出口147はロータの任意の位置に配置でき、かつ上記回転ガス流を生じさせる任意の形状にすることができる。
【0019】
或る処理およびウェーハでは、ウェーハとの物理的接触を行うシールを使用できる。これらの用途では、処理中にロータとウェーハとの間の物理的シールを形成するのに、図1に示すシールリング149のような接触シーリング要素を使用することもできる。上記負圧または真空状態により、ウェーハの縁部がシールリング149に対して確実に保持される。ロータに設けられたガス出口147は、ガス流の逃散経路を形成する。ウェーハはシールリングと物理的に接触して保持され、処理中のウェーハのあらゆる移動が防止されるため、位置決めピン25は省略できる。
【0020】
図2〜図5には、図1に関連して上述した作動原理を使用した処理機50の一例が示されている。しかしながら、図2〜図5には、本発明には重要でない種々の付加要素も示されている。図2〜図5に示すように、処理機50はヘッド80およびボウル78を有している。ボウル78は取付けプレート70上に支持され、該取付けプレート70はデッキ52(図13)に取付けられている。図6および図7に示すように、スピンモータ84は、ヘッド80のベースプレート88上に支持されかつヘッドカバー82により覆われている。一般に、ロータ92はスピンモータ84により駆動されかつヘッド80内で回転する。しかしながら、モータ84は、ロータを回転させるのに使用される他の技術を選択することにより省略することもできる。
【0021】
ヘッド80はボウル78と係合できる。より詳しくは、処理を行うには、ヘッド80をボウル78に隣接する位置(但し接触しない位置)に移動させるか、ヘッド80をボウル78に物理的に接触させるか、図4に示すようにボウル78に対してシールすることもできる。
【0022】
図4および図5に示すように、ボウル78は、ヘッド80内に保持されたワーク100の後面すなわち下向き面上に処理流体を適用するための液体スプレーノズルすなわち入口112を有している。ノズルすなわち入口112は、ボウル78の側面または下面上の所定位置に固定できる。或いは、幾つかのノズルまたは全てのノズル112を、例えばスイングアーム上で移動させるように構成できる。固定ノズルと移動ノズルとの組合せを使用することもできる。多数のノズルすなわち入口を備えた固定または移動スプレーマニホルドをボウル78内に使用することもできる。ノズル112を介してガスまたは蒸気をワーク100に適用できる。使用済みの処理流体はドレン114が収集してボウル78から除去する。ドレン114には、1つ以上の弁116を関連させることができる。ボウルスタンドオフ110を使用する場合には、該スタンドオフをボウルに取付け、ボウル78からヘッド80上のワーク100に向けて上方に突出させることができる。図5に示すように、ヘッド80は、ヘッドリフティングアーム90(図4)によりヘッドに連結されたヘッドリフタ(図示せず)によりボウル78から垂直に持上げられる。
【0023】
図6には、明瞭化のためカバー82および他のコンポーネンツを除去した状態のヘッド80が示されている。ヘッドガス供給ライン102が、ガスまたは清浄な乾燥空気を、ベースプレート88を貫通するガスポート96に有利に供給し、ベースプレート88とロータ92との間にガス流を形成する。ヘッドガスまたは清浄な乾燥空気のこの流れは、ヘッド80内への処理流体、蒸気またはガスの流入防止を補助し、これによりヘッドコンポーネンツの腐蝕を低減させる。ベースプレート88の外面の周囲にはヘッドリング94を取付けることができる。ヘッドリング94の溝内には膨張可能なシール98が設けられ、処理にボウル78に対してヘッド80をシールする。図6に示したコンポーネンツ(これらはヘッド80の部品である)は、ヘッドリフティングアーム90により支持され、回転はしない。
【0024】
ここで図7、図8および図9に示す例を参照すると、ロータ92は、ハブ122でシャフト124に取付けられた駆動プレート130を有している。シャフト124は、ヘッド80のスピンモータ84にキー止めされる。駆動プレート130には、ねじ128または他のファスナによりチャック132が取付けられている。図8および図9に示すように、ガイドピン134が、チャック132のアウタリム142から下方に延びている。ガイドピン134は、円錐状またはテーパ状セクション135を有している。図9に示すように、接触ピン154がチャックのアウタリム142から僅かに突出している。接触ピン154はガイドピン134より短くかつガイドピン134の半径方向内方に位置している。
【0025】
引続き図9を参照すると、チャック132は、一般に、頂板すなわちウェブプレート148に対して実質的に垂直な円筒状側壁138を有している。Оリングまたは他のシール144を使用でき、該シール144は駆動プレート130に対してチャック132の外面または外周部をシールする。チャック132のウェブプレートセクションすなわち頂板セクション148は、一般に、駆動プレート130からギャップGだけ間隔を隔てている(ファスナ128の取付け位置を除く)。
【0026】
加圧された窒素または清浄な乾燥空気等のガスは、ヘッド80内の供給ラインから、モータハウジングに取付けられたラビリンスキャップ126(図4、図5および図7参照)を通り、シャフト124内のスリーブ125を通って延びる入口ライン86内に導かれる。
【0027】
ヘッド80に供給されたガスは、図9に示す設計では、入口ライン86を通り、図7および図9に示すように、チャック132と駆動プレート130との間のギャップG内でガス入口136に向かって半径方向外方に流れる。ディスク状ギャップGは、入口ライン86からガス入口136への流路を形成する。チャック132の側壁138内に配置されたガス入口136は、円筒状側壁138に対して完全な接線方向にまたは少なくとも部分的に接線方向にガスを噴霧またはスプレーするように配置されている。入口は、ガス方向が側壁に対して接線方向になるか、接線に対して40°、30°、20°または10°以内の角度になるように配向される。多数のガス入口、例えば3個、4個、5個、6個、7個または8個のガス入口が、チャック132の頂壁すなわちウェブ148の近くで、側壁138内に半径方向に間隔を隔てて配置されるのが有利である。ガス入口136の個数、形状、構成および位置は変更できることはもちろんであり、ワーク100をロータ92上の所定位置に保持するガス流条件を生じさせる種々の設計を使用できる。ガスが、ガス入口136を通らないでギャップGから逃散するのを防止するのに、Оリングまたはシール144を使用できる。
【0028】
チャックプレート132のアウタリム142の側壁138は、図9に示すように、チャック132内に、直径Dおよび深さすなわち高さHを有する空間を形成している。寸法Hは、ハブ122の回りの中央領域を除き実質的に均一である。
【0029】
チャックプレート132には、整合目的の中心開口を設けることができる。中心開口が設けられる場合には、該開口は、ロータ92を使用する前にプラグ146により閉塞される。ここで図8および図9を参照すると、ガイドピン134は、ワーク100の直径より僅かに大きい直径DD上に配置されている(この直径DDは、円筒状空間すなわちディスク状空間155の直径Dより僅かに大きい)。従って、ワークが図4に示すようにロータ92内に配置されたとき、ガイドピン134とワークの縁部との間には公称半径すなわち横方向間隙のみ存在する。
【0030】
図3を参照すると、処理機50は、ローディングおよびアンローディングを行うためのアップ位置すなわち開位置にある。図示の設計では、ヘッドリフティングアーム90が、ヘッド82を、ボウル78から上方に持上げる。ワーク100は、ロータ92にほぼ整合するようにして、ヘッド82とボウル78との間の位置に移動される。次に、ワークは、該ワークの外縁部の周囲のガイドピン134により垂直上方に移動される。この位置でのワークは、図11に示すように、ガイドピン134の平面Pの位置またはこれより上方の位置にある。これらのワークローディング移動は、更に後述するように、手作業で行われるか、ロボットにより行われる。
【0031】
次に、ガスがロータ92に供給される。図8を参照すると、ガス入口136がほぼ接線方向に配向されていることおよびガスが入口136から比較的高速で流出することから、ワークとチャック132の頂板148との間の空間155内に回転ガス流すなわち渦流が発生される。ガスは、空間155内で円形パターンで流れる。次にガスは、空間155からワーク100の縁部の回りを通って流れ、ボウル78内に流入する。これにより、空間155のアウタ領域に負圧すなわち真空が発生され、ワークをロボット44(図14)から持上げる。ワーク100の上方のアウタ領域空間155内の負圧により、ワークの上面が接触ピン154により保持される。これにより、ワークがロータ92に対して回転しまたは移動することが防止される。接触ピン154には、ウェーハと点接触する球形端を設けることができる。或いは、接触ピンには、例えば0.2〜3mmの範囲の直径の非常に小さい領域で接触する端部を設けることができる。
【0032】
接触ピン154に当接してワーク100を保持すべく作用する垂直力は、ガスの渦流により発生される圧力差と、圧力が作用するワークの表面積とにより定められる。この垂直力は、ガス流を制御することにより調節できる。一般に、垂直力はワークの重量よりかなり大きく、このため、ワークは、重力に対する垂直力の方向の如何にかかわらず接触ピン154に当接した状態に保持される。ワークを支持する表面のみをもつ接触ピン154は、一般に、ワークの縁部から2〜10mm、4〜8mmまたは5〜7mmの範囲内に配置される。
【0033】
次に、ヘッドリフタが、ヘッドリフティングアーム90およびヘッド80を下降させ、ヘッドを図5に示す開位置から図4に示す閉位置すなわち処理位置に移動させる。シール98を設ける場合には、該シール98を膨張させ、ヘッド80とボウル78との間に部分シールまたは完全シールを形成する。
【0034】
空間155内のガスの僅かな逃散経路は、ワークとチャック132のリム142との間の小さい環状開口である。ガスが空間155から逃散するとき、ガスは、ワークが、接触ピン154を除き、チャック132、ロータ92または処理機50のあらゆる部分に接触することを防止する。ワーク100の他の部分は、本質的にガス流内で懸架される。必要ならば、ガイドピン134は、ワーク100がロータ92の回転軸線から大きくずれてしまうことを防止する。それでも、通常は、ワークの縁部の周囲のガス流と、接触ピン154に当接してワークを保持する垂直力とによってワークが中心位置に保持される。
【0035】
スピンモータ84のスイッチを入れ、ロータ92およびワーク100を回転させる。一般に、ガス渦流は、ロータ内でロータの回転方向と同じ方向に回転する。処理液体が、ノズルまたは入口112から、ワークの下面すなわち下向き面上にスプレーまたは噴射される。処理ガスまたは蒸気を使用することもできる。遠心力が、ワーク100の下面全体に亘って処理液体を分散させる補助をする。ロータ92内のガス流はまた、いかなる処理液体またはガスもワーク100の表面に接触することを補助する。なぜならば、ワークの上方の空間からワークの下方の空間内に流入する一定の流れが存在するからである。
【0036】
処理液体および/または処理ガスの適用後、図4に示す位置にある間に、任意であるが、ウェーハをリンスしおよび/または乾燥することができる。処理機50内の全ての処理が完了したならば、ワーク100は、上記段階の逆シーケンスの後にアンローディングされる。
【0037】
ロータ92がワーク100を保持している間にロータへのガス流が遮断されると、ロータ92からワーク100が移動すなわち落下してしまう。この場合にウェーハが受けるダメージを低減させるため、ボウルスタンドオフポスト110がボウル78内に設けられ、スタンドオフポスト110は、図4に示すように、ワーク100より約10〜15mm下の位置まで延びている(処理位置にあるとき)。ガス流が遮断された場合、ワークは、短距離落下してスタンドオフポスト110上に載るに過ぎない。
【0038】
ガスは、ロータ92から出て移動した後、ガス排出プレナム120内に吸引され、次に処理機50から除去される。処理機50により行なわれるべき特殊処理に基いて、チャック132および駆動プレート130は、任意であるが、PVDFプラスチック材料等の耐食性材料またはこの均等物で作られる。前述のように、ロータ92およびヘッド80の全体は、事実上任意の遠心法(一般には液体の処理薬剤がワークの一面に適用される方法)に使用できる。処理機50は垂直直立位置にあるところが図示されているが、他の位置および方向においても使用できる。従って、上面または下面および上方向および下方向についての本明細書での説明は、図示した例を説明するためのものであり、必要条件または本質的な作動パラメータではない。
【0039】
上記各実施形態では、ウェーハの前面すなわちデバイス面が、ロータに向くようにまたはロータとは反対側を向くように配置できる。後面浄化すなわち後面処理の場合には、ウェーハは、デバイス面がロータを向くようにしてロータ内に配置される。前面浄化すなわち前面処理の場合には、ウェーハは、前面がロータとは反対側を向くようにしてロータ内に配置される。所望面をロータの上向きに配向しまたは下向きに配向することは、ロボットハンドリングまたは手作業で行うことができる。別の反転ステーションまたはウェーハフリッピングステーションを使用することもできる。
【0040】
一般に、ロータに供給されるガスは不活性、すなわちウェーハとは重大な化学反応を起さない。しかしながら、不活性ガスの代わりに化学的処理ガスを使用することもできる。化学的処理ガスをロータに供給することにより、ロータに面するウェーハの面を化学的に処理することができる。任意であるが、同時的に、ウェーハの他の面を同じ化学的処理ガスまたは異なる化学的処理ガスまたは液体で処理することもできる。
【0041】
上記説明から理解されようが、ヘッド50は、ワーク100を保持または固定するためのいかなる可動部品も必要としない。ワークを所定位置に保持するのにガス流が使用されるため、ヘッド80は比較的簡単な設計にすることができる。また、一般に、化学的相容性を有するプラスチック材料を殆どのコンポーネンツに使用することができる。これにより、汚染をもたらす金属コンポーネンツの必要性を低減できる。また、ワーク100を陰でおおう障害物またはコンポーネンツも全く存在しない。これにより、処理液体をワーク上に非常に均一に分散させて、より均一な処理を行うことができる。ガイドピン134は、ワークの縁部に接触するに過ぎない。接触ピン154は、ワーク100の前面すなわち上面の非常に小さい領域に接触するに過ぎない。従って、ワーク100との接触が最小化される。
【0042】
図9Aは、図9に示したロータ92の外縁部を示す拡大図である。ロータ92内に供給されたガスは、矢印Gで示すようにロータの外方に流出する。ウェーハ100の下面すなわち下向き面上に適用された処理液体101は、遠心力により駆動されるとウェーハの縁部に向かって外方に流れる。回転速度、流量および粘度等のファクタに基いて、処理液体101は、ウェーハの縁部の周囲を包みかつ上面上で小さい距離(一般に数ミリメートル)だけ内方に移動する。ガスの外方への移動は、ウェーハの上面上での処理液体の内方への移動を低減させ、かつ変化する境界線(処理液体が接触する縁部近くの上面上のアウタ領域と、処理液体が接触しないインナ領域との間の境界線)を形成する。或る製造方法では、均一な境界線が好まれる。
【0043】
図9Bは他のロータ設計400を示し、この設計は、本明細書で説明する点を除きロータ92と同じ構成にすることができる。ロータ400は、ロータリング402に取付けられた縁部接触リング404を有している。縁部接触リング404は、例えばファスナを介してロータリング402に取付けられる別体の環状リングコンポーネントで構成するか、ロータリング402の一部として構成することもできる。図9Bに参照番号408で全体を示すガス流路408が、縁部接触リング404とロータリング402との間に形成されている。ガス流路408は、ロータリング402内に切り込まれた傾斜環状スロット410および該スロット410に連結されたガス出口ポート412により形成されている。ガス流路408への入口415は、スロット410の下方内部開口に位置している。
【0044】
引続き図9Bを参照すると、縁部接触リング404は、ウェーハ100の縁部に接触する。使用時に、ウェーハ100の下面に適用された処理液体は外方に移動し、図9Aに示すようにウェーハ100の縁部の周囲を包囲する。縁部接触リング404の内縁部405は、ウェーハの上面上の処理液体に対するシールすなわち物理的バリヤとして機能する。内縁部405は弾性で、ウェーハの上面に当接してシールする滑らかな下面を有している。処理液体は接触リング404の内縁部405に接触するが、内縁部405を通過して移動することはできない。ロータ400内に供給されるガスはガス流路408を通ってロータから出る。ガスの圧力は、処理液体が縁部接触リング404の内縁部405とウェーハ100との間でウィッキングすることを防止する傾向を有している。この結果、ロータ400を用いた処理は、非常に均一な境界線を形成する。図9Bに示すように、ロータ400は、処理液体が環状外縁領域416においてのみウェーハの上面に接触することを可能にする。環状外縁領域の幅は、縁部接触リング404の内縁部405およびウェーハ100の縁部418からの寸法により定められ、一般的には約1または2mmから約8〜9mm、より詳しくは約2または3mmである。
【0045】
図9Cは他のロータ420を示し、該ロータ420は、本明細書で説明する点を除きロータ92と同じである。ロータ420は、ロータリング422に取付けられた縁部接触リング424を有している。ロータ400と同様に、ロータ420にはガス流路428が形成されている。ガス流路428は、環状スロット430と、ロータリングを通って内方に延びかつスロット430に連結されたガス出口ポートとにより形成されている。縁部接触リング424のウェーハ縁部接触面434が、角度EAで配向されている。接触面434およびロータ420の底面435は、断面が二等辺台形の形状をなす凹部436を形成している。接触面434は、上から下に向かってテーパすなわち円錐状に外方に延びている傾斜側壁を形成している。接触面434の角度EAは、一般に約15〜45°の範囲である。
【0046】
使用に際し、ウェーハ100は、図9Cに示すように、ウェーハの上縁部すなわちべべルが接触面434に接触するようにしてロータ420内に保持される。これにより、ウェーハ100と接触面434との間に接触線440が形成される。ガスは、ガス流路428を通ってロータ420から流出する。ウェーハの下面上に適用された処理液体は、図9Aに示すように、ウェーハの縁部に向かって外方に流れる。処理液体はウェーハの縁部に向かって縁部上に流れるが、ウェーハの上面上に流れることはない。接触線440は、処理液体がウェーハ100の上面上に移動することを防止するシールまたはバリヤとして機能する。ガス流路428内のガスの圧力はまた、接触線440を通った処理液体のあらゆるウィッキングを防止する傾向を有する。この結果、処理液体が接触する領域と処理液体が接触しない領域との間の境界線は、ウェーハ100の縁部上にある。平らな縁部および上下のべべル面を備えたウェーハでは、接触線440(およびこの結果形成される境界線)は、上方べべル上に位置する。半径を有する縁部すなわち丸められた縁部をもつウェーハでは、接触線440は、丸められた縁部の上半部上に位置する。
【0047】
引続き図9Cを参照すると、接触面434の角度EAは、処理すべきウェーハの縁部の形状に基いて変えることができる。角度EAは、幅広の接触領域ではなく、むしろ接触線440を形成すべく有利に選択される。従って、接触面434は、ウェーハ100のべべル状表面に当接して平らに接触しないことが有利である。名目上、環状面434の中間点での直径DDは、処理すべきウェーハの直径、例えば200mmまたは300mmに一致するように選択される。ウェーハの直径は製造公差により僅かに変化するので、任意の所与のウェーハは、接触面434上で僅かに高く(または低く)位置決めすることができる。図9Bおよび図9Cにおいて、テールが付された矢印は、ロータを通るガスの移動を示している。図9A〜図9Dに示すロータは、主にまたは全体がPVDF等のプラスチック材料で作ることができる。
【0048】
図9Dには他のロータ450が示されており、該ロータ450は、薄いウェーハにも適用できる点を除き、図9に示すロータ92と同じである。標準のシリコンウェーハの厚さは約0.030インチ(約0.75mm)である。しかしながら、薄いウェーハも多くの用途に使用されている。一般に、これらの薄いウェーハの厚さは、約0.002〜0.010インチ(約0.05〜0.25mm)、典型的な厚さは、0.003、0.004または0.007インチ(0.008、0.10または0.18mm)である。これらの薄いウェーハは標準ウェーハよりも壊れ易いため、標準ウェーハのハンドリングおよび処理に使用される機械および方法を、薄いウェーハに首尾良く使用することはできない。
【0049】
図9Dにおいて、ウェーハ100は、該ウェーハの上方に円筒状またはディスク状空間すなわち開口155が位置するようにして、接触ピン154の縁部近くに支持される。前述のように、ロータ内のガス流速度は、図9Dにおけるウェーハの外周部PP近くで最大であるので、ウェーハより上方の空間とウェーハより下方の空間との間の圧力差も外周部PPの近くで最大になる。接触ピン154は外周部の近くに配置されているので、外周部近くで垂直力によりウェーハに加えられる曲げ応力は小さい。
【0050】
ガスの速度および垂直力は、ロータの中心に向かって低減する。しかしながら、通常、ロータの中心の近くまたは中心の回りには依然として幾分かの垂直力が存在する。図9に示すロータ92内で標準厚さのウェーハを処理するとき、外周部PPから離れたところで垂直力から生じる応力および撓みは充分に小さく、ウェーハにダメージを与えることはない。しかしながら、ロータ92内で薄いウェーハを処理すると、過大な撓み(上方への弓なり)、クラッキングまたは他のダメージが生じる。
【0051】
図9Dに示すように、薄いウェーハが上方に弓なりになる傾向を抑えるため、プラグ146は使用されない。このため、ガスは下向きに流れ、ガス入口ライン86から出てウェーハの中心でウェーハの上面に直接衝突する。このガス流は、上向き垂直力に抗して作用する。従って、ウェーハの中心近くで上向きおよび下向きに作用する力は、実質的に釣合いが保たれ、薄いウェーハの上向きの弓なりは低減されまたは防止される。従って、ロータ450は薄いウェーハにダメージを与えることなく取扱うことができる。引続き図9Dを参照すると、他の構成として、薄いウェーハの過大の上向き弓なりを防止するため、1つ以上の機械的スタンドオフピン454をロータに設けることができる。しかしながら、上向き弓なりを防止するのにガス流を使用しても同じ結果を達成でき、この方法はウェーハに物理的に接触しないため、汚染物質または欠陥を引起こす可能性が低減される。
【0052】
図9Dに示すように、ガス入口ライン86の下端部にはノズル452を設けることができる。ノズル452はガス入口ライン86のガス流出速度を増大させ、ウェーハの中心または中心近くで下向きに作用する大きい力を発生させる。ロータの他の位置に同様な付加ガス出口すなわちノズルを設けて、ウェーハの他の領域に下向きの力を加えるように構成することもできる。ノズル452の出口(単一または複数)からのガス流(単一または複数)は下方に移動してウェーハ100の上面に接触し、次にウェーハの縁部に向かって外方に移動し、ガス入口136からのガスと一緒にロータから逃散する。外方に流れるガスは、ウェーハの下面に適用されるあらゆる液体または蒸気が、ウェーハの縁部の回りを移動してウェーハの上面に流入することを防止する傾向を有する。従って、片面すなわち下面のみの処理が改善される。
【0053】
図10および図11には、他のロータ160が示されている。ロータ160は、下記の相違点を除き、ロータ92と同じである。図10に示すように、ロータ160の一面には短いガイドピン162が設けられている。残りのガイドピン134は全長(全高)ガイドピンであり、ガイドピン134のチップは、平面Pに対してリム142を寸法Kだけ越えて延びている。全高ガイドピン134およびワークホルダ166は、ワーク100の直径より大きい寸法だけ間隔を隔てている。L形ワークホルダ166は駆動プレート130に取付けられかつ半径方向内方に延びている水平脚を有している。短いガイドピン162はは入口通路164を形成し、ワーク100がロータ160内へと横方向に移動できるようにしている(これは、図7〜図9に示した、ロータに対する前述の記垂直ワーク移動とは異なっている)。横方向移動により、ロボット44(図13)は、ウェーハ100とロータ160とをほぼ整合させ、次に下方に移動させワーク100をホルダ166上に配置できる。各ホルダ166の上向き端は、ワーク100を支持するための平らなランド領域168を有するのが好ましい。次にロボット44は、ロータ160を備えた処理機が作動されていない場合でもシステム30内で他の機能を遂行すべく引っ込めることができる。従って、ワーク100は、ロータ160を通ってガスが全く流れていない場合でもロータ160内に配置できる。
【0054】
図11に示すロータ160は、図9に示すロータ92と比較して、より小さい直径のワークを取扱うように設計されている。例えば、図9に示すロータ92は直径300mmのワーク用として設計されているのに対し、図11に示すロータ160は直径200mmのワーク用に設計されている。もちろん、ロータは、他のサイズを有するワークを処理するのに適した他の種々のサイズに作ることができる。
【0055】
上記処理機は、自動処理システムに使用できる。図12には、一処理システム30の一例が示されている。処理システム30は、概略的に、包囲体32と、コントロール/ディスプレイ34と、入力/出力ステーションすなわちドッキングステーション36とを有している。ポッドすなわちボックス38(例えばFOUP)内のワークは、入力/出力ステーション36でボックス38から取出され、システム30内で処理される。
【0056】
図13に示すように、処理システム30は、好ましくは、包囲体32内のデッキ50上にワーク処理機の配列を支持するフレーム48を有している。システム30の頂部には、一般に、エアフィルタと一緒に、設備への空気入口42が設けられている。各ワーク処理機50は、シールされたボックス38、オープンカセットまたは他のキャリヤまたはコンテナ内に収納される直径200mmまたは300mmの半導体ウェーハまたは同様なワークを処理するように構成されている。
【0057】
図13には、10個のワーク処理機50を支持するフレーム48が示されているが、任意の所望数の処理機50を支持することができる。フレーム42には、処理機50の間に1本以上の中央配置レール46を設けるのが好ましい。1つ以上のロボット44は、レール46上では1つ以上のロボット44が移動して、処理機50にワークをローディングしかつ処理機50からワークをアンローディングすることができる。
【0058】
図12〜図14に示すように、ワークすなわちウェーハ100は、使用時に、一般に、処理システム30のフロントオープニング一体化ポッド(front opening unified pods: FOUP)または同様な閉鎖可能またはシール可能なコンテナ38内に移動される。或いは、例えばカセットまたは他のキャリヤ等のオーブンコンテナを使用することもできる。コンテナ38に何らかのドアまたはカバーが設けられている場合には、ドアまたはカバーは、ドッキングステーションすなわち入力/出力ステーション36で、一般にロボットまたは自動化されたサブシステムにより取外される。包囲体32にロードポートまたはウィンドウが設けられている場合には、これらのロードポートまたはウィンドウが開かれる。ロボット44は、コンテナ38からワーク100を取出して、該ワーク100を1つの処理機20または50に搬送する。これで、ワーク100は、処理機内にローディングされる準備が整ったことになる。工程のこのシーケンス並びにワーク100を処理機に移動させるのに使用されるコンポーネンツまたは装置は変更できることはもちろんであり、本明細書にとって本質的なものではない。むしろ、図12〜図14に示しかつ上述したシーケンスが本発明の説明の目的での一例を示すものである。
【0059】
図5を少しだけ参照すると、ヘッド80内のフローセンサを用いてガスの流れが確認され、ロボット44が安全に引っ込めらたことをコントローラ34に表示する。ロボット44は下方に移動しかつロータ92から離れる。ロボット上のセンサは、ワーク100がもはやロボット44上に存在しないことを確認する。次に、ロボットは処理機50から離れるように引っ込められる。次に、処理機が前述のように作動する。
【0060】
図15〜図18には、他のシステム180が示されている。図12に関連して上述したコンポーネンツおよび作動は、図15に示すシステムにも首尾良く適用される。図15に示すシステム180は、図12〜図14に示したシステム30と同様である。しかしながら、包囲体32内のデッキ52には、処理機50の代わりに、処理機組立体182が設置されている。図16および図17に示すように、1つ以上の処理機組立体182は、装着プレート188に取付けられる処理機184およびリフト/回転ユニット186を有している。リフト/回転ユニット186は、図12〜図14に示したシステム30に使用されたヘッドリフタの代わりに、ヘッドリフティングアーム90を介してヘッド80に取付けられる。ヘッド80をボウル78から垂直方向に上昇させかつボウルから離れる方向に持上げることに加え、リフト/回転ユニット186は、ヘッド80を、上側が下を向いた位置にひっくり返す(すなわち回転させる)ことができる。
【0061】
図16に示すように、処理機184の上方でリム支柱194上に支持されたリム192の頂部にはエアシールド190が配置されている。ほぼ包囲体32の頂部近くから装着プレート188まで延びているケーブルガイド198を通って電気配線が延びている。図16および図17に示すように、乾燥処理スイングアーム196が、装着プレート188上のスイングアームアクチュエータ200により支持されかつ処理機184の一方の面に駆動される。
【0062】
図17に示すヘッド80は、図2〜図9に示しかつ上述したヘッド80と同様である。図17に示すヘッド80は、ボウル204と係合できる。ボウル204は、円筒状上端部212を備えた頂セクション210と、中央セクション208と、底プレート206とを有するのが有利である。ボウル204はまた、アクチュエータ222により駆動される往復動スプレースイングアーム220を有している。スイングアーム220には、1つ以上のスプレーすなわちジェットノズルすなわち入口218が設けられている。ボウル204は、その他の点は上記ボウル78と同様である。ボウル78または204のノズルすなわち入口により適用される処理薬剤は、HF、HCL、硝酸または硫酸等の液体酸性溶液(liquid acid solutions)で形成できる。或いは、処理薬剤には、液体溶媒を含めることができる。リフト/回転ユニット186は、ヘッド80を、ベースに対して種々の垂直位置に位置決めする。
【0063】
図4および図17を参照すると、処理機組立体50、182は、直立方向で示されており、矢印Uは垂直上方(すなわち、重力とは逆の方向)を向いている。矢印Uはまた、ロータの回転軸線と同心状に示されている。ボウル204の頂セクション210の円筒状上端部212と円筒状下方シールド304との間には、ジョグルすなわち傾斜セクション302が延びている。円筒状上端部212および円筒状下方シールド304はほぼ垂直な面または垂直に近い面である。これらを連結する傾斜セクション302は、垂直から約20〜70°または30〜60°または40〜50°の角度に配向される。傾斜セクション302の下端部(ここでは、傾斜セクション302が下方シールド304を結合する)は排出プレナム120の頂部と同じまたはほぼ同じ垂直位置にある。下方シールド304の下端部は、傾斜セクション304から僅かに間隔を隔てており、環状ガス流通路305を形成している。
【0064】
回転するウェーハの縁部は一般に傾斜セクション302とほぼ整合し、ウェーハ100から飛散した液体は、ボウル204の底に向かって下方に偏向される傾向を有している。これにより、ウェーハ上へのはね返りが低減される。下方シールド304の周囲には、環状リップ排出チャネルすなわちプレナム120が配置されている。一般にボウルの両側に配置されるガス排出パイプ連結部306は、排出チャネル120内に通じている。パイプの連結部には僅かな真空が加えられ、ボウルからのガス流を誘発し、該ガス流は、排出チャネル120への通路305を通り、パイプ連結部306を通って処理機から出る。処理機を通る典型的なガス流は、約60〜200、100〜170または120〜150リットル/分の範囲である。
【0065】
処理機184のヘッド80は、図2〜図9に関して上述したヘッド80と同様に作動する。スイングアーム220上のノズルまたは入口218は、ワーク100の底面上に処理液体を適用する。スイングアームノズルを用いて(または用いることなく)、固定形のノズルすなわち入口を使用することもできる。この処理が完了すると、リフト/回転ユニット186がヘッド80を持上げて、該ヘッドを上向き位置へと回転させる。すなわち、図17に示す処理位置にあるウェーハの下向き面が上向き位置に移動される。ロータ92が回転する間、乾燥処理スイングアーム196は、乾燥流体をワーク100に適用する。乾燥処理スイングアーム196は、本願に援用する上記特許文献1に開示されているようにワークを乾燥させるべく、ワークの中心または中心近くから出発して、ワークの縁部に向かって半径方向外方に移動する。シールド190の開口は、処理機組立体182を通る下向き空気流の拡散および/または制御を補助する。
【0066】
図18に示すように、スイングアーム220には、光学端点検出器(optical end point detector)310が設けられている。端点検出器は、本願に援用する上記特許文献2に開示されているような要素または段階を使用する。コントローラは、移動する端点検出器310から供給される信号を積分するソフトウェアを有している。これにより、オーバーエッチングが低減されるため、処理時間が短縮されかつ歩留まりが改善される。
【0067】
乾燥処理スイングアーム196は、該アームがワークの上向き面を横切ってスイープするとき、一般に、窒素およびイソプロピルアルコール等の溶媒と一緒に脱イオン水(DI)を適用する。或いは、ボウル204内のスイングアーム220により同様な処理を行うこともできる。オゾンガスまたはDI等の液体中に溶解されおよび/または補足されたオゾンを含む他の処理液またはガスを、ボウル78または204内の固定または移動ノズルすなわち入口を介して適用することもできる。
【0068】
ヘッドが反転されている間すなわち上向きにある間、ロータ92を通るガス流が続けられるため、ワーク100が接触ピン154に当接して保持される。同様に、ヘッド80が図17に示す下向き位置から上向き位置にピボット運動する間、ワーク100は、接触ピンに当接してワークを保持する垂直力によりロータ92上に保持される。
【0069】
図19には、図12および図15に示したリニア配列ではなく、弧234または他の配列またはパターンに配置された処理機または処理機組立体50または182を備えた他のシステム設計230が示されている。ワーク100は、単一ロボット232により処理機50または182に搬入および搬出される。自動化されたシステムすなわちロボットシステム30、180を図示しかつ説明したが、ヘッド80およびロータ92、160は、手動処理機および/または単一処理機を含む他の種々のシステムに使用できる。
【0070】
用語「円筒状」、「丸い」または「円形の」は、多セグメント形状をも含むものである。用語「係合した」または「係合」は、実際の物理的接触、並びに、要素間の物理的接触なくして要素間の協働を可能にする隣接配置を含むものである。用語「渦」または「ガス流渦」は、ほぼ円形の特性を有するガスの流れを意味し、「ヘリカル」流、「スパイラル」流および同様な流れを含むものである。用語「ガス」は、半導体の製造に使用される窒素、酸素、オゾン、二酸化炭素等の元素ガスおよび他のガス、これらの混合物、空気および蒸気を含むものである。本明細書で使用する用語「複数の」は、「単数の」を含み、逆に「単数の」は「複数の」を含むものである。用語「〜に取付けられた」または「〜に支持された」は、直接的または間接的な連結または相互作用の両方を含むものである。用語「上」および「下」および「頂」および「底」は、方向または位置が重要であることが状況から明瞭である場合を除き、互換的に使用される。新規なシステムおよび方法を図示しかつ説明した。本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の変更、置換および均等物の使用が可能であることはもちろんである。従って本発明は、特許請求の範囲の記載およびこれらの均等物による制限を除き、制限を受けるものではない。
【0071】
本願は、上記特許文献1の一部継続出願である上記特許文献3の一部継続出願である上記特許文献4の一部継続出願であり、上記特許文献5の優先権を主張する。本願はまた、上記特許文献6の一部継続出願でもある。本願はまた、上記特許文献2の一部継続出願でもある。これらの特許出願は本願に援用する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の作動原理を示す断面図である。
【図1A】図1の1A−1A線に沿う断面図である。
【図1B】他の設計を示す断面図である。
【図2】ワーク処理装置を示す斜視平面図である。
【図3】図2に示した処理装置が開位置すなわちローディング/アンローディング位置にあるところを示す側面図である。
【図4】図2の4−4線に沿う断面図である。
【図5】図3に示した処理装置の断面図である。
【図6】図2〜図5に示したヘッドのカバーを図示のために取外したところを示す斜視平面図である。
【図7】図4および図5に示したロータを示す斜視平面図である。
【図8】図7に示したロータの斜視底面図である。
【図9】図7の9−9線に沿う断面図である。
【図9A】図7〜図9に示したロータの縁部を示す拡大断面図である。
【図9B】他のロータの縁部を示す拡大断面図である。
【図9C】更に別のロータの縁部を示す拡大断面図である。
【図9D】更に別のロータを示す拡大部分断面図である。
【図10】他のロータ設計を示す斜視底面図である。
【図11】図10の11−11線に沿う断面図である。
【図12】図2〜図9に示した幾つかの処理装置を備えたワーク処理システムを示す斜視図である。
【図13】図12に示したシステムを示す平面図である。
【図14】図12に示したサブシステムのコンポーネンツを示す斜視図である。
【図15】他の処理システムの選択されたコンポーネンツおよびサブシステムを示す斜視図である。
【図16】図15に示した処理組立体の1つを示す斜視図である。
【図17】図16の17−17線に沿う断面図である。
【図18】図16および図17に示したボウルを示す斜視図である。
【図19】他の処理システムを示す概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の処理流体入口を備えたボウルと、
ワーク処理中にボウルと係合されるヘッドと、
ヘッド上に支持されかつヘッドに対して回転可能なロータと、
ロータ内での回転ガス流システムとを有することを特徴とするワーク処理機。
【請求項2】
前記回転ガス流システムは、回転ガス流を発生させるように配置されたガス入口を備えていることを特徴とする請求項1記載の処理機。
【請求項3】
前記ロータの外周部に隣接するガイドピンを更に有することを特徴とする請求項1記載の処理機。
【請求項4】
前記ロータは、駆動プレートと、該駆動プレートに取付けられたチャックプレートと、駆動プレートとチャックプレートとの間のガス流経路とを備えていることを特徴とする請求項1記載の処理機。
【請求項5】
前記駆動プレートとチャックプレートとの間のシールを更に有することを特徴とする請求項4記載の処理機。
【請求項6】
前記チャックプレートはフェースに結合される円筒状側壁を備え、前記ガス入口は円筒状側壁内に配置されていることを特徴とする請求項4記載の処理機。
【請求項7】
前記ロータを回転させるヘッド内のモータを更に有することを特徴とする請求項1記載の処理機。
【請求項8】
前記ボウルの処理流体入口は、処理流体をワークの下向き面上にスプレーすべく配置されたノズルからなることを特徴とする請求項1記載の処理機。
【請求項9】
1つ以上の処理流体入口を備えたボウルと、
ボウルの上方のヘッドと、
ヘッドに取付けられかつヘッドに対して回転可能なロータとを有し、ロータはほぼ円筒状の側壁を備え、該側壁には1つ以上のガス入口が設けられていることを特徴とする遠心ワーク処理機。
【請求項10】
前記ロータの外周部に設けられたガイドピンを更に有し、ワーク保持位置がガイドピンのロータ内側に形成されることを特徴とする請求項9記載の処理機。
【請求項11】
前記ロータに設けられた接触ピンを更に有することを特徴とする請求項9記載の処理機。
【請求項12】
前記ガス入口に連結するロータ内のガス流路を更に有することを特徴とする請求項9記載の処理機。
【請求項13】
前記プレートに結合されたロータのシャフトと、ロータに取付けられたモータを備えたヘッドとを更に有し、ガス流路は、モータ、シャフトおよびプレートを通って延びている入口スリーブを備えていることを特徴とする請求項12記載の処理機。
【請求項14】
1つ以上の処理液体入口を備えたベースと、
該ベース上に移動可能なヘッドと、
プレートと、該プレートに結合された円筒状側壁とを備えたヘッドのロータと、
該ロータを回転させる手段と、
ロータの外周部に部分真空を発生させるための、ロータに関連するガス流手段とを有することを特徴とする遠心ワーク処理機。
【請求項15】
ワークをロータに実質的に整合した状態に維持するための、ロータに関連するガイド手段を更に有することを特徴とする請求項14記載の処理機。
【請求項16】
前記ガス手段は、ロータの円筒状側壁内にガス渦流を発生させる手段を備えていることを特徴とする請求項14記載の処理機。
【請求項17】
ロータ内にガスを導入して、ワークの第一面とロータの一面との間の空間内にガス渦流を発生させる段階を有し、該ガス渦流はワークの縁部に隣接する負圧を発生させ、該負圧はワークの縁部をロータ上に保持し、
ロータおよびワークを回転させる段階と、
ワークの第二面に処理液体を接触させる段階とを更に有することを特徴とするワークの処理方法。
【請求項18】
ワークを、この縁部に接触する、ロータのガイドピンを介してロータの回転軸線と整合させる段階を更に有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
少なくとも幾分かのガスがワークの縁部とロータとの間から逃散し、逃散するガスは、処理液体がワークの第一面に接触することを実質的に防止することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記ロータのシールに対してワークの縁部を保持する負圧により、ロータに対してワークの縁部をシールする段階を更に有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記渦流は、加圧されたガスを、ロータの円筒状側壁に対して少なくとも部分的に接線方向に放出することにより発生されることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項22】
前記ロータはヘッド上に支持され、ヘッドを移動してボウルに係合させる段階と、ボウルの1つ以上のノズルから液体を上方にスプレーすることにより、ワークの第二面を処理液体に接触させる段階とを更に有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項23】
処理機の配列を有し、少なくとも1つの処理機が、
少なくとも1つの処理流体入口を備えたボウルと、
該ボウルと係合可能なヘッドとを有し、該ヘッドは、プレートと該プレートに結合された側壁とをもつロータと、側壁内にガスの回転流を形成するように配向されたロータのガス入口とを備え、
ワークを1つ以上の処理機に搬送すべく移動可能な少なくとも1つのロボットを更に有することを特徴とする遠心ワーク処理システム。
【請求項24】
前記処理機の配列の周囲の包囲体と、該包囲体の一側に設けられた入力/出力ステーションとを有し、前記ロボットは入力/出力ステーションから1つ以上の処理機に移動可能であることを特徴とする請求項23記載のシステム。
【請求項25】
ヘッドと、
該ヘッド上に支持されかつヘッドに対して回転可能なロータとを有し、該ロータは、ロータ内に回転ガス流を発生させるべく配置されているガス入口を備え、回転ガス流は、ガス入口に隣接する低圧領域およびロータの中心に隣接する高圧領域を形成することを特徴とするワーク処理機。
【請求項26】
前記ロータの中心位置または該中心位置に隣接した位置にガス入口を更に有することを特徴とする請求項1記載のワーク処理機。
【請求項27】
ワークの縁部近くでロータ内のワークと接触できる内縁部を備えたロータの縁部接触リングを更に有することを特徴とする請求項1記載のワーク処理機。
【請求項28】
前記ガイドピンは直径D1をもつ円上に整合され、直径D2の内縁部を備えたロータの縁部接触リングを更に有し、直径D2は直径D1より4〜20mm小さいことを特徴とする請求項3記載のワーク処理機。
【請求項29】
前記接触リングの内縁部は、ワークの縁部から2〜7mm半径方向内方の位置でワークに接触できることを特徴とする請求項27記載のワーク処理機。
【請求項30】
前記縁部接触リングの内縁部にガス流経路入口を備えたロータのガス流経路を更に有することを特徴とする請求項27記載のワーク処理機。
【請求項31】
前記入口は、ロータの回転平面に対して鋭角に延びる環状スロットにより形成されていることを特徴とする請求項30記載のワーク処理機。
【請求項32】
前記ガス流経路は、ロータ内に保持されたワークの縁部から離れる方向にガスをそらせることができることを特徴とする請求項30記載のワーク処理機。
【請求項33】
ワークの縁部に接触できる縁部接触面を備えたロータの縁部接触リングを更に有することを特徴とする請求項1記載のワーク処理機。
【請求項34】
前記ロータ内に保持されたウェーハの過度の上向き弓なりを防止するための、ロータの中心位置に隣接した、ロータの1本以上のスタンドオフピンを更に有することを特徴とする請求項1記載のワーク処理機。
【請求項35】
ガス流をウェーハの第一面に向ける段階を更に有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項36】
前記処理液体がウェーハの縁部の周囲からウェーハの第一面上に流れることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項37】
ウェーハの第一面をウェーハの縁部に隣接する環状縁部接触リングに接触させて、ウェーハの第一面上の外縁部領域への処理液体を制限することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記ロータから出るガスをウェーハの縁部から離れる方向に向ける段階を更に有することを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項39】
ウェーハの縁部を縁部接触面に接触させて、処理液体がウェーハの第一面上に移動することを防止する段階を更に有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項40】
1つ以上の処理流体入口を備えたボウルと、
該ボウルの傾斜セクションと、
ワーク処理中にボウルに係合されるヘッドと、
該ヘッド上に支持されかつヘッドに対して回転可能なロータとを有し、前記ヘッドは、ロータ内に保持されたワークがボウルの傾斜セクションにほぼ整合される位置に移動可能であることを特徴とするワーク処理機。
【請求項41】
前記ボウルが、傾斜セクションの上端部に隣接する実質的に円筒状のボウル上端部と、傾斜セクションの下端部に隣接する実質的に円筒状の下方シールドとを更に有することを特徴とする請求項40記載の処理機。
【請求項42】
前記ボウル上端部は、下方シールドに対してほぼ同心状でありかつ平行であることを特徴とする請求項41記載の処理機。
【請求項43】
前記ボウル上端部は、下方シールドの直径の約75〜99%の直径を有することを特徴とする請求項41記載の処理機。
【請求項44】
前記ボウル上端部に対して係合できるヘッドのシールを更に有することを特徴とする請求項41記載の処理機。
【請求項45】
前記下方シールドを実質的に包囲する排出チャネルを更に有することを特徴とする請求項41記載の処理機。
【請求項46】
前記ベースの排出チャネルを更に有し、ボウルの側壁内の通路が排出チャネル内に通じていることを特徴とする請求項41記載の処理機。
【請求項47】
前記ボウルが第一セクションと、該第一セクションに取付けられる第二セクションとからなり、第一セクションの傾斜セクションおよび第一セクションは、傾斜セクションの上端部に隣接する実質的に円筒状のボウル上端部と、傾斜セクションの下端部に隣接する実質的に円筒状の下方シールドとを備えていることを特徴とする請求項40記載の処理機。
【請求項48】
前記第二セクションは、下方シールドと実質的に同心状でほぼ円筒状の側壁を備えていることを特徴とする請求項47記載の処理機。
【請求項49】
回転ガス流を発生させるように配置されたガス入口を備えた回転ガス流システムを更に有することを特徴とする請求項40記載の処理機。
【請求項50】
前記ロータの外周部に隣接するガイドピンを更に有することを特徴とする請求項40記載の処理機。
【請求項51】
前記ロータは、駆動プレートおよび該駆動プレートに取付けられたチャックプレートと、駆動プレートとチャックプレートとの間のガス流経路とを備えていることを特徴とする請求項40記載の処理機。
【請求項52】
1つ以上の処理流体入口を備えたボウルと、
該ボウル内のスイングアームと、
該スイングアーム上の端点検出器と、
ヘッドとを有し、該ヘッドがこれに対して回転可能なロータを備え、
ヘッドに取付けられたヘッドリフタを更に有することを特徴とするワーク処理機。
【請求項53】
前記端点検出器は、光源および光検出器と、これらの光源および光検出器を包囲する半透明カバーとを更に有することを特徴とする請求項52記載のワーク処理機。
【請求項54】
1つ以上の処理液体入口を備えたベースと、
該ベース上で移動可能なヘッドと、
ワークを保持できる、ヘッドのロータと、
該ロータにリンクされた、ヘッドのモータと、
前記ベースの可動端点検出手段とを有することを特徴とする遠心ワーク処理機。
【請求項55】
前記可動端点検出手段がスイングアームを備えていることを特徴とする請求項54記載の処理機。
【請求項56】
ロータ内にガスを導入して、ワークの第一面とロータの一面との間の空間内にガス渦流を発生させる段階を有し、ガス渦流はワークの縁部に隣接する負圧を発生し、該負圧はワークの縁部をロータ上に保持し、
ロータおよびワークを回転させる段階と、
ワークの第二面に処理液体を接触させる段階と、
ワークから傾斜面を通って飛散する処理液体をそらせる段階とを更に有することを特徴とするワークの処理方法。
【請求項57】
ワークを、該ワークの縁部に接触する、ロータのガイドピンを介してロータの回転軸線に整合させる段階を更に有することを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
ロータ上にワークを保持する段階と、
ロータおよびワークを一回転軸線の回りで回転させる段階と、
ワークの第二面に処理液体を接触させる段階と、
前記回転軸線に対して端点検出器を移動させて、処理の端点を検出する段階とを有することを特徴とするワークの処理方法。
【請求項59】
前記端点検出器をスイングアーム上で前後に移動させる段階を更に有することを特徴とする請求項58記載の方法。
【請求項1】
1つ以上の処理流体入口を備えたボウルと、
ワーク処理中にボウルと係合されるヘッドと、
ヘッド上に支持されかつヘッドに対して回転可能なロータと、
ロータ内での回転ガス流システムとを有することを特徴とするワーク処理機。
【請求項2】
前記回転ガス流システムは、回転ガス流を発生させるように配置されたガス入口を備えていることを特徴とする請求項1記載の処理機。
【請求項3】
前記ロータの外周部に隣接するガイドピンを更に有することを特徴とする請求項1記載の処理機。
【請求項4】
前記ロータは、駆動プレートと、該駆動プレートに取付けられたチャックプレートと、駆動プレートとチャックプレートとの間のガス流経路とを備えていることを特徴とする請求項1記載の処理機。
【請求項5】
前記駆動プレートとチャックプレートとの間のシールを更に有することを特徴とする請求項4記載の処理機。
【請求項6】
前記チャックプレートはフェースに結合される円筒状側壁を備え、前記ガス入口は円筒状側壁内に配置されていることを特徴とする請求項4記載の処理機。
【請求項7】
前記ロータを回転させるヘッド内のモータを更に有することを特徴とする請求項1記載の処理機。
【請求項8】
前記ボウルの処理流体入口は、処理流体をワークの下向き面上にスプレーすべく配置されたノズルからなることを特徴とする請求項1記載の処理機。
【請求項9】
1つ以上の処理流体入口を備えたボウルと、
ボウルの上方のヘッドと、
ヘッドに取付けられかつヘッドに対して回転可能なロータとを有し、ロータはほぼ円筒状の側壁を備え、該側壁には1つ以上のガス入口が設けられていることを特徴とする遠心ワーク処理機。
【請求項10】
前記ロータの外周部に設けられたガイドピンを更に有し、ワーク保持位置がガイドピンのロータ内側に形成されることを特徴とする請求項9記載の処理機。
【請求項11】
前記ロータに設けられた接触ピンを更に有することを特徴とする請求項9記載の処理機。
【請求項12】
前記ガス入口に連結するロータ内のガス流路を更に有することを特徴とする請求項9記載の処理機。
【請求項13】
前記プレートに結合されたロータのシャフトと、ロータに取付けられたモータを備えたヘッドとを更に有し、ガス流路は、モータ、シャフトおよびプレートを通って延びている入口スリーブを備えていることを特徴とする請求項12記載の処理機。
【請求項14】
1つ以上の処理液体入口を備えたベースと、
該ベース上に移動可能なヘッドと、
プレートと、該プレートに結合された円筒状側壁とを備えたヘッドのロータと、
該ロータを回転させる手段と、
ロータの外周部に部分真空を発生させるための、ロータに関連するガス流手段とを有することを特徴とする遠心ワーク処理機。
【請求項15】
ワークをロータに実質的に整合した状態に維持するための、ロータに関連するガイド手段を更に有することを特徴とする請求項14記載の処理機。
【請求項16】
前記ガス手段は、ロータの円筒状側壁内にガス渦流を発生させる手段を備えていることを特徴とする請求項14記載の処理機。
【請求項17】
ロータ内にガスを導入して、ワークの第一面とロータの一面との間の空間内にガス渦流を発生させる段階を有し、該ガス渦流はワークの縁部に隣接する負圧を発生させ、該負圧はワークの縁部をロータ上に保持し、
ロータおよびワークを回転させる段階と、
ワークの第二面に処理液体を接触させる段階とを更に有することを特徴とするワークの処理方法。
【請求項18】
ワークを、この縁部に接触する、ロータのガイドピンを介してロータの回転軸線と整合させる段階を更に有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
少なくとも幾分かのガスがワークの縁部とロータとの間から逃散し、逃散するガスは、処理液体がワークの第一面に接触することを実質的に防止することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記ロータのシールに対してワークの縁部を保持する負圧により、ロータに対してワークの縁部をシールする段階を更に有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記渦流は、加圧されたガスを、ロータの円筒状側壁に対して少なくとも部分的に接線方向に放出することにより発生されることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項22】
前記ロータはヘッド上に支持され、ヘッドを移動してボウルに係合させる段階と、ボウルの1つ以上のノズルから液体を上方にスプレーすることにより、ワークの第二面を処理液体に接触させる段階とを更に有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項23】
処理機の配列を有し、少なくとも1つの処理機が、
少なくとも1つの処理流体入口を備えたボウルと、
該ボウルと係合可能なヘッドとを有し、該ヘッドは、プレートと該プレートに結合された側壁とをもつロータと、側壁内にガスの回転流を形成するように配向されたロータのガス入口とを備え、
ワークを1つ以上の処理機に搬送すべく移動可能な少なくとも1つのロボットを更に有することを特徴とする遠心ワーク処理システム。
【請求項24】
前記処理機の配列の周囲の包囲体と、該包囲体の一側に設けられた入力/出力ステーションとを有し、前記ロボットは入力/出力ステーションから1つ以上の処理機に移動可能であることを特徴とする請求項23記載のシステム。
【請求項25】
ヘッドと、
該ヘッド上に支持されかつヘッドに対して回転可能なロータとを有し、該ロータは、ロータ内に回転ガス流を発生させるべく配置されているガス入口を備え、回転ガス流は、ガス入口に隣接する低圧領域およびロータの中心に隣接する高圧領域を形成することを特徴とするワーク処理機。
【請求項26】
前記ロータの中心位置または該中心位置に隣接した位置にガス入口を更に有することを特徴とする請求項1記載のワーク処理機。
【請求項27】
ワークの縁部近くでロータ内のワークと接触できる内縁部を備えたロータの縁部接触リングを更に有することを特徴とする請求項1記載のワーク処理機。
【請求項28】
前記ガイドピンは直径D1をもつ円上に整合され、直径D2の内縁部を備えたロータの縁部接触リングを更に有し、直径D2は直径D1より4〜20mm小さいことを特徴とする請求項3記載のワーク処理機。
【請求項29】
前記接触リングの内縁部は、ワークの縁部から2〜7mm半径方向内方の位置でワークに接触できることを特徴とする請求項27記載のワーク処理機。
【請求項30】
前記縁部接触リングの内縁部にガス流経路入口を備えたロータのガス流経路を更に有することを特徴とする請求項27記載のワーク処理機。
【請求項31】
前記入口は、ロータの回転平面に対して鋭角に延びる環状スロットにより形成されていることを特徴とする請求項30記載のワーク処理機。
【請求項32】
前記ガス流経路は、ロータ内に保持されたワークの縁部から離れる方向にガスをそらせることができることを特徴とする請求項30記載のワーク処理機。
【請求項33】
ワークの縁部に接触できる縁部接触面を備えたロータの縁部接触リングを更に有することを特徴とする請求項1記載のワーク処理機。
【請求項34】
前記ロータ内に保持されたウェーハの過度の上向き弓なりを防止するための、ロータの中心位置に隣接した、ロータの1本以上のスタンドオフピンを更に有することを特徴とする請求項1記載のワーク処理機。
【請求項35】
ガス流をウェーハの第一面に向ける段階を更に有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項36】
前記処理液体がウェーハの縁部の周囲からウェーハの第一面上に流れることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項37】
ウェーハの第一面をウェーハの縁部に隣接する環状縁部接触リングに接触させて、ウェーハの第一面上の外縁部領域への処理液体を制限することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記ロータから出るガスをウェーハの縁部から離れる方向に向ける段階を更に有することを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項39】
ウェーハの縁部を縁部接触面に接触させて、処理液体がウェーハの第一面上に移動することを防止する段階を更に有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項40】
1つ以上の処理流体入口を備えたボウルと、
該ボウルの傾斜セクションと、
ワーク処理中にボウルに係合されるヘッドと、
該ヘッド上に支持されかつヘッドに対して回転可能なロータとを有し、前記ヘッドは、ロータ内に保持されたワークがボウルの傾斜セクションにほぼ整合される位置に移動可能であることを特徴とするワーク処理機。
【請求項41】
前記ボウルが、傾斜セクションの上端部に隣接する実質的に円筒状のボウル上端部と、傾斜セクションの下端部に隣接する実質的に円筒状の下方シールドとを更に有することを特徴とする請求項40記載の処理機。
【請求項42】
前記ボウル上端部は、下方シールドに対してほぼ同心状でありかつ平行であることを特徴とする請求項41記載の処理機。
【請求項43】
前記ボウル上端部は、下方シールドの直径の約75〜99%の直径を有することを特徴とする請求項41記載の処理機。
【請求項44】
前記ボウル上端部に対して係合できるヘッドのシールを更に有することを特徴とする請求項41記載の処理機。
【請求項45】
前記下方シールドを実質的に包囲する排出チャネルを更に有することを特徴とする請求項41記載の処理機。
【請求項46】
前記ベースの排出チャネルを更に有し、ボウルの側壁内の通路が排出チャネル内に通じていることを特徴とする請求項41記載の処理機。
【請求項47】
前記ボウルが第一セクションと、該第一セクションに取付けられる第二セクションとからなり、第一セクションの傾斜セクションおよび第一セクションは、傾斜セクションの上端部に隣接する実質的に円筒状のボウル上端部と、傾斜セクションの下端部に隣接する実質的に円筒状の下方シールドとを備えていることを特徴とする請求項40記載の処理機。
【請求項48】
前記第二セクションは、下方シールドと実質的に同心状でほぼ円筒状の側壁を備えていることを特徴とする請求項47記載の処理機。
【請求項49】
回転ガス流を発生させるように配置されたガス入口を備えた回転ガス流システムを更に有することを特徴とする請求項40記載の処理機。
【請求項50】
前記ロータの外周部に隣接するガイドピンを更に有することを特徴とする請求項40記載の処理機。
【請求項51】
前記ロータは、駆動プレートおよび該駆動プレートに取付けられたチャックプレートと、駆動プレートとチャックプレートとの間のガス流経路とを備えていることを特徴とする請求項40記載の処理機。
【請求項52】
1つ以上の処理流体入口を備えたボウルと、
該ボウル内のスイングアームと、
該スイングアーム上の端点検出器と、
ヘッドとを有し、該ヘッドがこれに対して回転可能なロータを備え、
ヘッドに取付けられたヘッドリフタを更に有することを特徴とするワーク処理機。
【請求項53】
前記端点検出器は、光源および光検出器と、これらの光源および光検出器を包囲する半透明カバーとを更に有することを特徴とする請求項52記載のワーク処理機。
【請求項54】
1つ以上の処理液体入口を備えたベースと、
該ベース上で移動可能なヘッドと、
ワークを保持できる、ヘッドのロータと、
該ロータにリンクされた、ヘッドのモータと、
前記ベースの可動端点検出手段とを有することを特徴とする遠心ワーク処理機。
【請求項55】
前記可動端点検出手段がスイングアームを備えていることを特徴とする請求項54記載の処理機。
【請求項56】
ロータ内にガスを導入して、ワークの第一面とロータの一面との間の空間内にガス渦流を発生させる段階を有し、ガス渦流はワークの縁部に隣接する負圧を発生し、該負圧はワークの縁部をロータ上に保持し、
ロータおよびワークを回転させる段階と、
ワークの第二面に処理液体を接触させる段階と、
ワークから傾斜面を通って飛散する処理液体をそらせる段階とを更に有することを特徴とするワークの処理方法。
【請求項57】
ワークを、該ワークの縁部に接触する、ロータのガイドピンを介してロータの回転軸線に整合させる段階を更に有することを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
ロータ上にワークを保持する段階と、
ロータおよびワークを一回転軸線の回りで回転させる段階と、
ワークの第二面に処理液体を接触させる段階と、
前記回転軸線に対して端点検出器を移動させて、処理の端点を検出する段階とを有することを特徴とするワークの処理方法。
【請求項59】
前記端点検出器をスイングアーム上で前後に移動させる段階を更に有することを特徴とする請求項58記載の方法。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2009−527929(P2009−527929A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556515(P2008−556515)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/062448
【国際公開番号】WO2007/101018
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(503437107)セミトゥール インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/062448
【国際公開番号】WO2007/101018
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(503437107)セミトゥール インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】
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