説明

不揮発性メモリセル及びその製造方法

【課題】本発明は、安定した動作信頼性を確保しつつ、全体的にセルのサイズを減少させ、これによって高集積メモリ素子に適用可能な不揮発性メモリセル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板内に形成されたドレイン領域と、前記ドレイン領域と離隔して前記基板内に形成されたソース領域と、前記ドレイン領域と前記ソース領域との間の前記基板上に形成されたフローティングゲートと、前記ドレイン領域が形成された方向に前記基板内に形成されたハロー領域と、前記フローティングゲートの側壁に形成された誘電膜と、前記フローティングゲートの少なくとも一側壁と重なるように前記誘電膜上に形成されたコントロールゲートと、を備える不揮発性メモリセルを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体製造技術に関し、特に、不揮発性メモリ素子及びその製造方法、さらに詳細には、不揮発性メモリセル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリ素子は、電源が遮断されてもメモリセルに保存されたデータが損失しないという利点のために多様な応用分野で使用されており、その重要度も増加している。代表的な不揮発性メモリ素子としては、フラッシュ(FLASH)メモリ素子及びEEPROM(Electrical Erasable Programmable Read Only Memory)素子が幅広く知られている。
【0003】
不揮発性メモリ素子のセル(不揮発性メモリセル)は、ETOX(Electrically Tunneling Oxide)として代弁されるスタックゲート(stack gate)とスプリットゲート(split gate)の構造に分けられる。スタックゲートは、フローティングゲートと、コントロールゲートとが順に積層された構造からなり、スプリットゲートは、フローティングゲートと、一部がフローティングゲートと重なって残りの一部は基板の表面に水平に配置された構造からなる。
【0004】
図1は、従来技術に係るスタックゲート構造を有する不揮発性メモリセルを示す断面図である。
【0005】
同図に示すように、従来技術に係る不揮発性メモリセルは、ゲートがスタック構造で形成される。すなわち、基板10上にトンネル絶縁膜12、フローティングゲート14、誘電膜16、及びコントロールゲート18が順に積層される。また、コントロールゲート18の両側に整列(アライン)されて露出する基板10内には、ドレイン領域20及びソース領域22が形成される。
【0006】
このようなスタックゲートは、その構造の簡単さ及び製造工程の単純性のため最も広く使用されており、特に、高集積度の製品の製造に広く使用されている。しかし、スタックゲートは単純な構造により複雑な動作の具現においては様々な問題を起こし得る。これを解決するために、様々な設計技術またはテスト技術が求められ、これをチップ構成に反映するために追加的な面積が必要となる。これにより、低集積度の製品では小さいメモリセルのサイズがこれ以上利点にはならない。
【0007】
図2は、従来技術に係るスプリットゲート構造を有する不揮発性メモリセルを示す断面図である。
【0008】
同図に示すように、従来技術に係るスプリットゲート構造の不揮発性メモリセルは、コントロールゲート38がフローティングゲート34の上部及び一側壁と重なるように誘電膜36上に形成され、トンネル絶縁膜32及びフローティングゲート34は基板30上に順に積層されている。また、ドレイン領域40は、コントロールゲート38の一側に整列され、ソース領域42は、フローティングゲート34の一側に整列され露出する基板30内に形成される。
【0009】
このようなスプリットゲートは、セルのサイズが大きいことから高集積メモリ素子としては適していないが、動作の信頼性に優れているため幅広く使用されている。例えば、スタック構造において問題となる過剰消去を防止することができるという長所があり、低集積度の製品または埋め込みメモリ素子(embedded memory device)に活用されている。かかる過剰消去を防止することができる原理は、選択ゲートがメモリセルのしきい電圧を一定に維持させるためである。
【0010】
前述のように、動作信頼性の側面からは、スプリットゲートがスタックゲートよりも優れた特性を有している。しかし、スプリットゲートは、セルのサイズが大きいことから高集積メモリ素子に適用するには数多い難しさがある。これにより、セルの動作の信頼性を安定的に確保しつつ、高集積化を可能にすることで高集積メモリ素子に適用することが可能であり、かつ駆動電圧を低くして低電圧でも動作が可能な不揮発性メモリセルを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、従来技術に係る問題点を解決するために提案されたものであって、次のような目的がある。
【0012】
第1に、本発明の目的は、安定した動作の信頼性を確保しつつ、全体的にセルのサイズを減少させることができる不揮発性メモリセル及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
第2に、本発明の他の目的は、セルのカップリング比(coupling ratio)を増大させて駆動電圧を減少させることができる不揮発性メモリセル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した目的を達成するための一側面に係る本発明は、基板内に形成されたドレイン領域と、前記ドレイン領域と離隔され前記基板内に形成されたソース領域と、前記ドレイン領域と前記ソース領域との間の前記基板上に形成されたフローティングゲートと、前記ドレイン領域が形成された方向に前記基板内に形成されたハロー(halo)領域と、前記フローティングゲートの側壁に形成された誘電膜と、前記フローティングゲートの少なくとも一側壁と重なるように前記誘電膜上に形成されたコントロールゲートと、を備える不揮発性メモリセルを提供する。
【0015】
また、前述した目的を達成するための他の側面に係る本発明は、基板上にフローティングゲートを形成するステップと、前記フローティングゲートの上部にハードマスクを形成するステップと、前記フローティングゲート及び前記ハードマスクの側壁に誘電膜を形成するステップと、前記フローティングゲートの少なくとも一側壁と重なるように前記誘電膜上にコントロールゲートを形成するステップと、前記基板内にハロー領域を形成するステップと、前記ハロー領域が形成された前記誘電膜の一方側に露出した前記基板内にドレイン領域を形成するステップと、前記基板内にソース領域を形成するステップと、を含む不揮発性メモリセルの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
前記した構成を含む本発明によると、次のような効果を得ることができる。
【0017】
第1に、本発明によると、コントロールゲートをフローティングゲートの側壁と重なるよう形成することによって、一般的なスプリットゲート構造に比べてセルのサイズを減少させて集積度を改善させることができる。また、コントロールゲートとフローティングゲートとが重なる面積を増大させることでセルのサイズを減少させつつ、カップリング比を増大してセルの駆動電圧を減少させることができる。
【0018】
第2に、本発明によると、ドレイン領域と接するようハロー領域を選択的に形成することによって、ホットキャリヤの生成を増大させセルのプログラムの動作の効率を改善させることができる。
【0019】
第3に、本発明によると、ドレイン領域及びソース領域を含む不揮発性メモリセルの接合領域を非対称の構造で形成することによって、安定したチャネル長を確保すると同時に、ホットキャリヤの生成を増大させ不揮発性メモリセルの動作特性を改善させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来技術に係るスタックゲート構造を有する不揮発性メモリセルを示す断面図である。
【図2】従来技術に係るスプリットゲート構造を有する不揮発性メモリセルを示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る不揮発性メモリセルが適用されたセルアレイ構造を示す図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルを示す平面図である。
【図5】図4に示されたI−I’の切取線に沿って示す断面図である。
【図6A】本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルの動作条件を示す図である。
【図6B】本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルの動作条件を示す図である。
【図6C】本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルの動作条件を示す図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルのプログラムの動作特性を示す図である。
【図8】本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルの消去動作の特性を示す図である。
【図9A】本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図9B】本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図9C】本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図9D】本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図9E】本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図10A】本発明の更なる実施形態1に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図10B】本発明の更なる実施形態1に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図10C】本発明の更なる実施形態1に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図10D】本発明の更なる実施形態1に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図10E】本発明の更なる実施形態1に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図11】本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルを示す平面図である。
【図12】図11に示したI−I’の切取線に沿って示す断面図である。
【図13A】本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図13B】本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図13C】本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図13D】本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【図14】本発明の実施形態3に係る不揮発性メモリセルを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の最も好ましい実施形態を添付した図面に基づいて説明する。
【0022】
図面において、層(領域)の厚さ及び間隔は、説明の便宜と明確性を期するために誇張したものであり、層において、他の層または基板「上(上部)」にあると記載された場合は、他の層または基板上に直接形成されることができ、または本発明の技術的な思想を逸脱しない範囲内でそれらの間に第3の層を介在し得る。また、同じ図面番号で表示された部分は同じ層を示し、各図面の番号に英文を含む場合、同じ層がエッチングまたは研磨工程などを介して一部変形されたことを意味する。
【0023】
明細書の全体記載にわたって、「一側壁」と記載された場合は、対象層の左側壁または右側壁を意味し、「両側壁」と記載された場合は、対象層の左側壁及び右側壁のすべてを含むことを意味する。また、「接するように」と記載された場合は、対象層が接する層と直接に接触されず、一部が重なり合ったり、または一部が直接に接触されることを意味する。また、「一方側」と記載された場合は、対象層の左側または右側を意味し、「両側」と記載された場合は、対象層の左側及び右側のすべてを含むことを意味する。
【0024】
まず、本発明の実施形態に係る不揮発性メモリセルを備える不揮発性メモリ素子のメモリセルアレイ構造に対して説明する。図3は、本発明の実施形態に係る不揮発性メモリセルを備えるセルアレイを一例にして示した等価回路図である。
【0025】
図3に示すように、本発明に係る不揮発性メモリ素子のメモリセルアレイは、NOR型構造であって、コラム(column)方向に延びた複数のワードラインWLと、ワードラインWLと直交するようにロー(row)方向に延びた複数のビットラインBLを含む。また、ワードラインWL及びビットラインBLが直交している地点に配置された複数の不揮発性メモリセルMCを含む。また、不揮発性メモリセルMCと共通ソースライン(Common Source Line、CSL)を選択的に接続する選択トランジスタSTを含む。不揮発性メモリセルMCのコントロールゲートはワードラインWLと接続され、ドレイン領域はビットラインBLと接続され、ソース領域は選択トランジスタSTのドレイン領域と接続される。
【0026】
このような構造を有する不揮発性メモリ素子の動作特性について説明すると、不揮発性メモリセルのプログラムの動作はCHEI(Channel Hot Electron Injection)方式で行なわれ、消去動作は、ファウラ−ノルトハイムトンネルリング(Fowler Nordheim Tunneling)方式で行なわれる。
【0027】
表1は、各動作に係るバイアス条件を示した。
【0028】
【表1】

【0029】
例えば、プログラムの動作時に、選択された該当ワードラインWLに約9Vを印加し、該当ビットラインBLに約5Vを印加する。そして、該当メモリセルMCのソース領域は、選択トランジスタSTをターンオンして共通ソースラインCSLを介して接地させる。そして、基板、すなわちウエル領域は接地させる。このようなバイアス条件によりチャネル領域に生成したホットキャリヤ、すなわち、ホット電子がフローティングゲートへ注入されてプログラムの動作が行われる。
【0030】
消去動作の時、選択された該当ワードラインWLを接地させ、該当ビットラインBLを接地またはフローティングさせる。そして、該当メモリセルMCのソース領域は、選択トランジスタSTをターンオフしてフローティングさせる。そして、基板には約14Vの高電圧を印加する。このようなバイアス条件によりフローティングゲートに注入された電子が基板に放出されることによって、フローティングゲートは、電子欠乏状態になって消去動作が行なわれる。
【0031】
読出し動作は、メモリセルMCに保存されたデータを読出す動作である。読出し動作時に、選択された該当ワードラインWLに約2.5Vを印加し、該当ビットラインBLに約1Vを印加する。そして、該当メモリセルMCのソース領域は、選択トランジスタSTをターンオンさせて共通ソースラインCSLを介して接地させる。そして、基板は接地状態に維持させる。
【0032】
もし、メモリセルMCがプログラム状態である場合、ワードラインWLに印加される約2.5Vの電圧によってメモリセルMCはターンオンされずにターンオフ状態を維持する。これによって、ビットラインBLから印加された約1Vの電圧は、共通ソースラインCSLに放電されない。一方、メモリセルMCが消去状態である場合、ワードラインWLに印加される約2.5Vの電圧によりメモリセルMCはターンオンされ、これによってビットラインBLから印加される約1Vの電圧はターンオンされたメモリセルMCを介して共通ソースラインCSLに放電される。このように、ビットラインBLに印加される電圧の放電可否に応じて該当メモリセルMCが現在のプログラム状態であるか消去状態であるかを判断することができる。
【0033】
以下、具体的な本発明の実施形態に係る不揮発性メモリセルに対して説明する。
【0034】
<実施形態1>
図4は、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルを示す平面図であり、図5は、図4に示されたI−I’の切取線に沿って示す不揮発性メモリセルの断面図である。参考までに、図5のコントロールゲート124上に形成されたシリサイド層133は、図4に示されたコントロールゲート124の上部にも形成されるが、説明の便宜のために図示しなかった。
【0035】
図4及び図5に示すように、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルは、フローティングゲート106の少なくとも一側壁を覆うように誘電膜120(図5における右側の誘電膜120)上に形成されたコントロールゲート124を備える。好ましくは、コントロールゲート124は、フローティングゲート106の短縮面(図4において「Y」軸の方向)に存在する両側壁のうちの一側壁を覆うように誘電膜120上に形成される。また、コントロールゲート124は、ソース領域132が形成された方向(側)に形成される。
【0036】
また、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルは、ドレイン領域130と接するよう基板100内に形成されたハロー(halo)領域129を含む。ハロー領域129は、ドレイン領域130及びソース領域132と互いに異なる導電型で形成される。ハロー領域129は、CHEI方式を利用したセルのプログラムの動作時、ドレイン領域130とハロー領域129との間の接合領域においてホットキャリヤの生成を増大させることで、プログラムの動作の効率を改善させることができる。言い換えれば、ホットキャリヤは、ドレイン領域130とウエル領域(チャネル領域、図示せず)と間の接合領域で生成されるが、ハロー領域129を形成する場合、ドレイン領域130とハロー領域129との間の接合領域によってホットキャリヤが追加で生成される。これによって、追加で生成されたホットキャリヤの分だけプログラムの動作の効率を増大させることができる。
【0037】
また、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルは、フローティングゲート106を間において基板100内に各々形成されたドレイン領域130及びソース領域132を含む。ドレイン領域130は、フローティングゲート106の両側壁に形成された誘電膜120のうちのコントロールゲート124が形成されない誘電膜120の下部と接し、または整列(アライン)されるよう形成される。ソース領域132は、コントロールゲート124が形成された方向に形成される。また、ソース領域132は、コントロールゲート124と一定の間隔で離隔されるように形成される。また、ドレイン領域130及びソース領域132は、同じドーピング濃度、同じ深さで形成される。
【0038】
また、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルは、コントロールゲート124とソース領域132との間の基板100内に形成されたLDD(Lightly Doped Drain)領域128を含む。LDD領域128は、ドレイン領域130及びソース領域132よりも低いドーピング濃度で形成され、その深さも基板100の上面を基準にして浅く形成される。LDD領域128は、フローティングゲート106を基準にしてソース領域132が形成された方向にのみ形成される。これによって、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルは、フローティングゲート106を基準にし、Y軸の方向へ左右非対称の構造を有する。
【0039】
このように、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルにおいては、LDD領域128を左右非対称の構造で形成する理由は、動作特性を有利にするためである。
【0040】
図6A、図6B、及び図6Cは、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルの動作特性を説明するために示す図である。プログラム(図6A)、消去(図6B)、及び読出し(図6C)動作時の動作条件は表1と同一である。
【0041】
図6に示すように、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルのプログラムの動作はCHEI方式で、消去動作はファウラ−ノルトハイムトンネルリング方式で行なわれる。
【0042】
このような動作特性に応じて、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルは、フローティングゲート106を基準にしてLDD領域128をソース領域132の形成された方向にのみ形成し、構造的にメモリセルの接合領域が非対称的な構造を有するようにすることが好ましい。
【0043】
例えば、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルがN−チャネルを有する場合について説明する。すなわち、ドレイン領域130及びソース領域132は各々N型で形成され、LDD領域128はN型で形成され、基板100、すなわち、ウエル領域(図示せず)はp型で形成される。
【0044】
プログラムの動作を改善させるためには、ホット電子を数多く生成させなければならない。また、ホット電子の生成を増大させるためには、ドレイン領域130とウエル領域との間のドーピング濃度の差を大きくしなければならない。これによってドレイン領域130が形成された方向には、段階的な接合領域(graded junction)の構造でない、可能な限り高濃度にドーピングされた単一接合領域(single junction)の構造で形成することが好ましい。ここで、段階的な接合領域の構造とは、図5に示すように、コントロールゲート124が形成された方向に接合領域がLDD領域128及びソース領域132からなり、段階的にドーピング濃度が増加する構造を意味する。このような段階的な接合領域の構造は、LDD領域128を形成する代わりに、ドリフト(drift)領域を形成することによっても具現できる。すなわち、ドリフト領域内にソース領域を形成することによって、段階的な接合領域の構造を具現することができる。このように、ドリフト領域を利用した段階的な接合領域の構造は、本発明の更なる実施形態になり得る。
【0045】
ドレイン領域130が形成された方向に段階的な接合領域が形成された場合は、N型ドーピング濃度がウエル領域、すなわちフローティングゲート106へ行くほど次第に低くなる。これによって、ドレイン領域130、また、これと近接した付近でホット電子の生成が減少してプログラムの動作が低下する。したがって、図5に示すように、ドレイン領域130が形成された方向にはLDD領域を形成せず、単一の接合領域の構造で形成することが好ましい。
【0046】
一方、ソース領域132が形成された方向にはLDD領域128を形成し、段階的な接合領域の構造を有することが好ましい。このように、ソース領域132が形成された方向にLDD領域128が形成された場合は、安定的にチャネル長を確保することができる。また、ソース領域132は、読出し動作時、電流が流れる経路を提供する役割を果たすために、段階的な接合領域の構造を有するとしてもプログラムの動作に影響を及ばさない。
【0047】
図7及び図8は、表1及び図6のような動作条件の下でパルスストレスに対する本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルのプログラムの動作及び消去動作の特性を示す結果図である。図7及び図8に示すように、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルは、プログラムの動作及び消去動作後に安定したしきい電圧の特性を見せることが分かる。
【0048】
図5に示すように、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルは、フローティングゲート106の両側壁に形成された誘電膜120を備える。誘電膜120は、フローティングゲート106とコントロールゲート124との間に形成されたり、またはコントロールゲート124とは関係せずにフローティングゲート106の側壁を取り囲むように形成されることもできる。このような誘電膜120は、酸化膜と窒化膜が交互に積層された積層膜で形成される。例えば、酸化膜−窒化膜−酸化膜で形成される。また、誘電膜120は、誘電定数がシリコン酸化膜よりも高い高誘電定数を有する金属酸化物で形成することもできる。例えば、金属酸化物としては、ハフニウム酸化膜(HfO)、アルミニウム酸化膜(Al)、ジルコニウム酸化膜(ZrO)、タンタル酸化膜(Ta)などがある。
【0049】
また、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルは、コントロールゲート124と基板100とを電気的に分離させるため、これらの間に形成されたゲート絶縁膜122を備える。ゲート絶縁膜122は、プログラムの動作時に電子トンネルリングが起きないように、フローティングゲート106の下部に形成されたトンネル絶縁膜104よりも厚く形成される。
【0050】
図9A〜図9Eは、本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【0051】
図9Aに示すように、基板100内にウエル領域(図示せず)を形成する。例えば、ウエル領域は、p型の不純物を用いて1×1011〜1×1013atoms/cmのドース、好ましくは、1×1012atoms/cmのドースで形成する。
【0052】
その後、基板100に素子分離膜102を形成する。素子分離膜102は、LOCOS(LOCal Oxidationof Silicon)工程、またはSTI(Shallow Trench Isolation)工程をによって形成する。
【0053】
素子分離膜102が形成された基板100の全面にトンネル絶縁膜104を形成する。トンネル絶縁膜104は、純粋酸化膜または高誘電定数を有する金属酸化物からなる群で選択されたいずれか1つの膜で形成することができる。また、窒化酸化膜で形成することもできる。窒化酸化膜は、酸化膜に窒素成分が一定の量含まれた膜であり得る。トンネル絶縁膜104は、100Å以下、好ましくは50Åないし80Åの厚さで形成する。例えば、トンネル絶縁膜104が純粋酸化膜で形成された場合、乾燥式、湿式、またはラジカルイオン(radical ion)を利用した酸化工程のうちのいずれか1つの酸化工程で形成することができる。
【0054】
トンネル絶縁膜104上にフローティングゲート106を形成する。フローティングゲート106は、不純物イオンがドーピングされたドープ(doped)または不純物イオンがドーピングされない非ドープ(undoped)の多結晶シリコン膜を利用して形成する。フローティングゲート106は、カップリング比を考慮して1000Å以上、好ましくは1000Å〜5000Åの範囲の厚さで形成する。例えば、フローティングゲート106は、ドープ多結晶シリコン膜で形成する場合、SiH及びPHまたはSi及びPHガスを利用したLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)方式で形成する。一方、非ドープの多結晶シリコン膜で形成する場合には、SiHまたはSiガスを利用したLPCVD方式で形成した後、後続の不純物イオン注入工程(ソース領域及びドレイン領域を形成するためのイオン注入工程)を実施して不純物イオンをドーピングさせる。
【0055】
フローティングゲート106上にハードマスク112を形成する。ハードマスク112は、フローティングゲート106を区画(規定)するための後続のエッチング工程時にエッチングマスクとして使用される感光膜パターンの厚さの不足に起因したエッチングマージンを補償する一方、フローティングゲート106を保護する保護膜として機能する。ハードマスク112は、酸化膜または窒化膜で形成でき、あるいは図9Aのように酸化膜108及び窒化膜110の積層膜で形成することができる。
【0056】
ハードマスク112、フローティングゲート106、及びトンネル絶縁膜104を順にエッチングし、図9Aに示すようなプロファイルを有するフローティングゲート106を形成する。このとき、エッチング工程は、垂直プロファイルを形成するために乾燥式エッチング工程で実施する。
【0057】
図9Bに示すように、フローティングゲート106の両側壁に誘電膜120を形成する。好ましくは、フローティングゲート106、トンネル絶縁膜104、及びハードマスク112の両側壁を覆うように誘電膜120を形成する。誘電膜120は、酸化膜と窒化膜とが交互に積層された積層膜で形成できる。例えば、図9Bに示すように、酸化膜114、窒化膜116、及び酸化膜118が順に積層された積層膜で形成する。その他にも誘電膜120は、高誘電定数を有する金属酸化物で形成することもできる。また、誘電膜120は、電気的な特性を確保するために50Å〜300Åの範囲の厚さで形成する。
【0058】
図9Cに示すように、誘電膜120の両側に露出した基板100上にゲート絶縁膜122を形成する。ゲート絶縁膜122は、蒸着工程または熱酸化工程で形成できる。また、ゲート絶縁膜122は、トンネル絶縁膜104よりも厚く形成する。
【0059】
誘電膜120の両側壁にスペーサ形態でコントロールゲート124を形成する。このとき、コントロールゲート124の下部は、ゲート絶縁膜122により基板100と分離される。コントロールゲート124は、誘電膜120を備える基板100の全面に沿って導電膜を蒸着した後、蒸着された導電膜に対してハードマスク112の上部が露出するようににエッチバック(etch back)工程を実施して形成する。このとき、導電膜は遷移金属または多結晶シリコン膜で形成する。
【0060】
図9Dに示すように、フローティングゲート106を境界にしてソース領域が形成される領域を含む領域は覆い、ドレイン領域が形成される領域を含む領域は開放された感光膜パターン126を形成した後、これをエッチングマスクとし、露出したコントロールゲートをエッチングして除去する。これによって、ドレイン領域が形成される領域に形成されたコントロールゲートが除去され、ソース領域が形成される領域にのみコントロールゲート124が残留する。
【0061】
図9Eに示すように、コントロールゲート124の一方側に露出した基板100内にLDD領域128を形成する。LDD領域128は、基板100の上部面から比較的に低濃度で浅く形成する。LDD領域128は、ドレイン領域及びソース領域と同じ導電型で形成する。また、フローティングゲート106を基準にして左右対称的に形成するのではなく、一方側にのみ形成して非対称的に形成する。例えば、LDD領域128は、1×1011〜1×1013atoms/cmのドース、好ましくは1×1012atoms/cmのドースで形成する。
【0062】
LDD領域128の形成の前または後、ドレイン領域が形成される方向にハロー領域129を形成する。ハロー領域129は、ウエル領域と同じ導電型、そしてウエル領域よりも高濃度で形成する。これはドレイン領域130とハロー領域129との間のドーピング濃度の差をドレイン領域130とウエル領域との間のドーピング濃度の差よりも大きくして、ドレイン領域130とハロー領域129との間の接合領域におけるホット電子の生成をさらに増大させるためである。例えば、ハロー領域129は、p型の不純物を用いて1×1012〜1×1014atoms/cmのドース、好ましくは1×1013atoms/cmのドースで形成する。このとき、イオン注入エネルギーは、20〜30KeVにし、チルト(tilt)は15〜60°の範囲内で実施する。
【0063】
その後、ドレイン領域が形成される領域に形成された誘電膜120によって覆われずに露出した基板100内にドレイン領域130を形成する。ハロー領域129及びドレイン領域130を形成するためのイオン注入の工程は、その工程ステップに制限されず、図9Bにおいて誘電膜120の形成工程の後に実施したり、図9Dにおいてドレイン領域130が形成される方向に形成されたコントロールゲート120を選択的に除去するためのエッチングの工程後に実施することもできる。例えば、ドレイン領域130は、n型の不純物を用いて1×1014〜1×1015atoms/cmのドースで形成する。
【0064】
その後、誘電膜120(図9Eの左側)及びコントロールゲート124の側壁にスペーサ131を形成する。スペーサ131は、酸化膜、窒化膜、またはこれらが積層された積層膜のうちのいずれか1つで形成され得る。スペーサ131は、蒸着工程後にエッチバック工程で形成するが、エッチバック工程後にハードマスク112が露出する一方、コントロールゲート124の一部も露出する。
【0065】
その後、スペーサ131によって覆われずに露出した基板100内にソース領域132を形成する。ソース領域132は、ドレイン領域130と同じ導電型でLDD領域128よりも高濃度で深く形成する。ドレイン領域130は誘電膜120と接するよう形成し、ソース領域132はコントロールゲート124の一方側(図9Eの右側)から一定の間隔離隔するように形成する。例えば、ソース領域132は、n型の不純物を用いて1×1014〜1×1015atoms/cmのドースで形成する。
【0066】
ソース領域132を形成した後、シリサイド(Self Aligned Silicide)工程を適用して露出するコントロールゲート124、ドレイン領域130、及びソース領域132にシリサイド層133を形成することもできる。シリサイド層133は、コントロールゲート124、ドレイン領域130、及びソース領域132の比抵抗を下げる機能を行なう。このようなシリサイド層133は、コバルト(Co)、チタニウム(Ti)などのような遷移金属のうちのいずれか1つを用いて形成する。
【0067】
他の一例として、図10Aないし図10Eは、図4及び図5に示された本発明の実施形態1に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【0068】
図10Aに示すように、図9A及び図9Bを介して説明した同じ方法でトンネル絶縁膜104、フローティングゲート106、ハードマスク112、及び誘電膜120を形成する。
【0069】
誘電膜120を形成した後、図10Bに示すように、誘電膜120の両側に露出した基板100上にゲート絶縁膜122を形成する。ゲート絶縁膜122は、蒸着工程または熱酸化工程で形成できる。このとき、蒸着工程はCVD(Chemical Vapor Deposition)工程で実施し、熱酸化工程は、乾燥式または湿式で実施できる。また、ゲート絶縁膜122は、電子がトンネルリングされないようトンネル絶縁膜104よりも厚く形成することが好ましい。より好ましくは、100Å〜300Åの範囲の厚さで形成する。
【0070】
ゲート絶縁膜122を含む基板100の全面に導電膜123を形成する。導電膜123は、遷移金属のうちのいずれか1つ、または多結晶シリコン膜で形成できる。
【0071】
図10Cに示すように、導電膜123上にフローティングゲート106を境界にしてソース領域が形成される領域を含む領域は覆い、ドレイン領域が形成される領域を含む領域は開放された感光膜パターン125を形成した後、これをエッチングマスクとして露出した導電膜123をエッチングし、ソース領域が形成される領域にのみ導電膜パターン123Aを残留させる。この過程において、ドレイン領域が形成される領域に形成されたゲート絶縁膜も除去される。
【0072】
導電膜パターン123Aを形成した後、図10Dに示すように、残留した導電膜パターン123Aに対してエッチバック工程を実施し、誘電膜120の側壁にスペーサ形態のコントロールゲート124を形成する。
【0073】
その後、図10Eに示すように、誘電膜120及びコントロールゲート124の一側に露出した基板100内に、LDD領域128、ハロー領域129、及びドレイン領域130を形成した後、スペーサ131を形成する。その後、スペーサ131に覆われずに露出した基板100内にソース領域132を形成し、露出するドレイン領域130、ソース領域132、及びコントロールゲート124上にシリサイド層133を形成する。
【0074】
一方、前述したハロー領域129及びドレイン領域130は、図10Eにおいて、エッチバック工程を介してコントロールゲート124を形成した後に形成されるものと記述したが、これは一例であって、マスク工程を減少させるために、図10Cにおいて導電膜パターン123Aを形成した後、感光膜パターン125をイオン注入マスクとして利用したイオン注入の工程を実施して形成することもできる。
【0075】
<実施形態2>
図11は、本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルを示す平面図であり、図12は、図11に示されたI−I’の切取線に沿って示す不揮発性メモリセルの断面図である。参考までに、図12のコントロールゲート224A上に形成されたシリサイド層228は、図11において示されたコントロールゲート124の上部にも形成されるが、説明の便宜のために図示しなかった。
【0076】
図11及び図12に示すように、本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルは、実施形態1と異なり、コントロールゲート224AがY軸の方向におけるフローティングゲート206の両側壁と重なるように形成されている。本発明の実施形態1のように、コントロールゲートがY軸の方向におけるフローティングゲートの一側壁にのみ重なるよう形成された場合、素子の高集積度を増大させることができる利点があるが、カップリング比を高めるには限界がある。したがって、本発明の実施形態2においては、カップリング比を増大させるためにコントロールゲート224AをY軸の方向におけるフローティングゲート206の両側壁と重なるように形成する。すなわち、図9に示された平面図上では、フローティングゲート206の全ての側壁と重なるようにコントロールゲート224Aが形成されている。
【0077】
また、本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルは、フローティングゲート206を基準にして両側の基板200内に互いに離隔して各々形成されたドレイン領域220及びソース領域227を含む。ドレイン領域220は、フローティングゲート206と一定の間隔離隔され、一部がコントロールゲート224Aと重なるように形成される。ソース領域227は、コントロールゲート224Aと一定の間隔離隔され、ドリフト領域225内に形成される。
【0078】
また、本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルは、段階的な接合領域の構造を具現するために、その内部にソース領域227が形成されたドリフト領域225をさらに備える。ドリフト領域225は、セルのチャネル長を安定的に確保するため形成し、基板200の上面を基準にしてソース領域227より深く低濃度で形成される。一方、図示されていないが、本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルは、ドリフト領域225の代りに実施形態1のようにLDD領域を形成することもできる。
【0079】
また、本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルは、実施形態1と同様にドレイン領域220と接するよう基板200内に形成されたハロー領域219を備える。
【0080】
また、本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルは、フローティングゲート206の側壁を取り囲むように形成された誘電膜218を備える。誘電膜218は、実施形態1と同様にフローティングゲート206とコントロールゲート224Aとの間に形成される。また、誘電膜218とコントロールゲート224Aとの間に形成されたゲート絶縁膜222Aをさらに備える。このとき、ゲート絶縁膜222Aは、コントロールゲート224Aと基板200との間まで延長され形成される。
【0081】
図13Aないし図13Dは、本発明の実施形態2に係る不揮発性メモリセルの製造方法の工程を説明するための断面図である。
【0082】
図13Aに示すように、図9Aに基づいて説明した同じ方法で基板200に素子分離膜202を形成した後、トンネル絶縁膜204、フローティングゲート206、及びハードマスク212を形成する。ハードマスク212は、酸化膜、窒化膜またはこれらの積層膜のうちの選択されたいずれか1つで形成する。例えば、酸化膜208及び窒化膜210の積層膜で形成する。
【0083】
ハードマスク212を備える基板200上のプロファイルに沿って酸化膜214及び窒化膜216を順に蒸着した後、酸化膜214及び窒化膜216に対してエッチバック工程を実施し、スペーサ形態でフローティングゲート206の両側壁に誘電膜218を形成する。
【0084】
誘電膜218の一側に露出した基板200内にハロー領域219を形成する。このとき、ハロー領域219を形成するためのイオン注入の工程は、p型の不純物を用いて1×1012〜1×1014atoms/cmのドース、好ましくは、1×1013atoms/cmのドースで実施する。このとき、イオン注入エネルギーは、20〜30KeVとし、チルトは15〜60°の範囲内で実施する。
【0085】
ハロー領域219と接するよう誘電膜218の一側に露出した基板200内にドレイン領域220を形成する。ドレイン領域220は高濃度で形成し、誘電膜218と接するように形成する。例えば、ドレイン領域220は、n型の不純物を用いて1×1014〜1×1015atoms/cmのドースで形成する。
【0086】
ドレイン領域220を形成した後、図13Bに示すように、基板200のプロファイルに沿ってゲート絶縁膜222を形成する。その次に、ゲート絶縁膜222上に導電膜224を形成する。このとき、導電膜224は遷移金属のうちのいずれか1つ、または多結晶シリコン膜で形成し得る。
【0087】
図13Cに示すように、導電膜224に対してエッチバック工程を実施し、ゲート絶縁膜222Aの両側壁にスペーサ形態を有するコントロールゲート224Aを形成する。この過程において、ゲート絶縁膜222Aもエッチングされて終端がコントロールゲート224Aの終端に整列(アライン)される。
【0088】
図13Dに示すように、フローティングゲート206を境界にして、ソース領域が形成される領域を含む領域が開放された感光膜パターン(図示せず)を形成した後、これをイオン注入マスクとして利用したイオン注入の工程を実施し、ソース領域が形成される領域にドリフト領域225を形成する。ドリフト領域225は、コントロールゲート224Aの終端と近接するように形成する。例えば、ドリフト領域225は、1×1011〜1×1013atoms/cmのドース、好ましくは、1×1012atoms/cmのドースで形成する。
【0089】
ドリフト領域225を形成した後、コントロールゲート224Aの上部にスペーサ226を形成する。
【0090】
その後、ドリフト領域225内にソース領域227を形成する。ソース領域227は、ドレイン領域220と同じ導電型で形成する。ソース領域227は、スペーサ226の一側に整列(アライン)され、コントロールゲート224Aの一側(図13Dの右側)から一定の間隔に離隔されるよう形成する。また、ソース領域227は、ドリフト領域225よりも高濃度で形成する。例えば、ソース領域227は、n型の不純物を用いて1×1014〜1×1015atoms/cmのドースで形成する。
【0091】
ソース領域227を形成した後、シリサイド工程を適用して露出したコントロールゲート224A、ドレイン領域220、及びソース領域227にシリサイド層228を形成することもできる。このとき、シリサイド層228は、コバルト(Co)、チタニウム(Ti)などを用いて形成する。
【0092】
<実施形態3>
図14は、本発明の実施形態3に係る不揮発性メモリセルを示す平面図である。
【0093】
図14に示すように、本発明の実施形態3に係る不揮発性メモリセルは、フローティングゲート306とコントロールゲート324との間の接触面積を増大させ、セルのカップリング比を増大するためにフローティングゲートの表面、すなわち、外周面に凹凸部307を形成する。好ましくは、凹凸部307はコントロールゲート324と重なるように形成される。フローティングゲート306の以外に、他の構成(ドレイン領域、ソース領域など)は実施形態1及び2と同様に行なわれるため、それに対する具体的な説明は前述の内容に代替する。なお、「328」は、シリサイド層を図示したものである。
【0094】
本発明の実施形態3において、フローティングゲート306の表面に凹凸部307を形成する方法として多様な方法を利用することもできる。最も単純な方法では、フローティングゲート306のエッチング工程時にマスクパターンをフローティングゲート306と同じ形態で製造する方法である。マスクパターンをフローティングゲート306と同様な形態で製造した後、これをエッチングマスクとして用いてフローティングゲート306をエッチングして凹凸部307を形成する。
【0095】
以上で説明した通り、本発明の技術的な思想は、好ましい実施形態から具体的に記述されたが、前記した実施形態はその説明のためのものであり、その制限のためのものでないことを注意すべきである。また、明細書において、実施形態が各々独立的に説明されたが、この技術分野の通常の専門家ならば本発明の技術思想の範囲内で説明された実施形態の組合せによって、更なる実施形態が可能であることを理解できるであろう。
【符号の説明】
【0096】
100、200 基板
102、202 素子分離膜
104、204 トンネル絶縁膜
106、206、306 フローティングゲート
108、114、118、208、214 酸化膜
110、116、210、216 窒化膜
112 ハードマスク
120、218、318 誘電膜
122、222、222A ゲート絶縁膜
124、224A、324 コントロールゲート
125、126 感光膜パターン
128 LDD領域
130、220 ドレイン領域
132、227 ソース領域
225 ドリフト領域
224 導電膜
307 凹凸部
131、226 スペーサ
129、219 ハロー領域
133、228、328 シリサイド層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板内に形成されたドレイン領域と、
前記ドレイン領域と離隔され前記基板内に形成されたソース領域と、
前記ドレイン領域と前記ソース領域との間の前記基板上に形成されたフローティングゲートと、
前記ドレイン領域が形成された方向に前記基板内に形成されたハロー領域と、
前記フローティングゲートの側壁に形成された誘電膜と、
前記フローティングゲートの少なくとも一側壁と重なるように前記誘電膜上に形成されたコントロールゲートと、
を備えることを特徴とする不揮発性メモリセル。
【請求項2】
前記コントロールゲートと前記ソース領域との間の前記基板内に形成され、前記ソース領域よりも濃度が低いLDD(Lightly Doped Drain)領域、またはドリフト領域をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項3】
前記ドレイン領域は、前記ソース領域よりも前記フローティングゲートに近接して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項4】
前記ソース領域は、前記コントロールゲートと離隔され形成されたことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項5】
前記誘電膜は、酸化膜と窒化膜とが交互に積層された積層膜で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項6】
前記ドレイン領域は、一部が前記コントロールゲートと重なるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項7】
前記フローティングゲートと前記基板との間に形成されたトンネル絶縁膜と、
前記トンネル絶縁膜よりも厚く前記コントロールゲートと前記基板との間に形成されたゲート絶縁膜と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項8】
前記フローティングゲートの上部に形成されたハードマスクをさらに備え、
前記ハードマスクは、酸化膜、窒化膜、及びこれらの積層膜のうちの選択されたいずれか1つで形成されたことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項9】
前記ハロー領域は、前記誘電膜と重なるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項10】
前記コントロールゲートは、前記誘電膜上にスペーサ形態で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項11】
前記誘電膜は、前記フローティングゲートと前記コントロールゲートとの間に形成され、または前記フローティングゲートの側壁を取り囲むように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項12】
前記コントロールゲート及び前記誘電膜の側壁に形成されたスペーサをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項13】
前記フローティングゲートは、表面に凹凸部を有し、
前記凹凸部は、前記コントロールゲートと重なるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項14】
基板上にフローティングゲートを形成するステップと、
前記フローティングゲートの上部にハードマスクを形成するステップと、
前記フローティングゲート及び前記ハードマスクの側壁に誘電膜を形成するステップと、
前記フローティングゲートの少なくとも一側壁と重なるように前記誘電膜上にコントロールゲートを形成するステップと、
前記基板内にハロー領域を形成するステップと、
前記ハロー領域が形成された前記誘電膜の一方側に露出した前記基板内にドレイン領域を形成するステップと、
前記基板内にソース領域を形成するステップと、
を含むことを特徴とする不揮発性メモリセルの製造方法。
【請求項15】
前記ドレイン領域を形成するステップの後、前記ソース領域が形成された方向に形成されたコントロールゲートの一方側に露出した前記基板内に、前記ソース領域よりも濃度が低いLDD領域またはドリフト領域を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の不揮発性メモリセルの製造方法。
【請求項16】
前記コントロールゲートを形成するステップの前に、前記基板上にゲート絶縁膜を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の不揮発性メモリセルの製造方法。
【請求項17】
前記コントロールゲートを形成するステップは、
前記誘電膜を含む前記基板のプロファイルに沿って導電膜を形成するステップと、
前記ハードマスクの上部が露出するよう前記導電膜に対してエッチバック工程を実施するステップと、
前記ソース領域が形成された方向にスペーサ形態で残留するように前記導電膜を選択的にエッチングするステップと、
を含むことを特徴とする請求項14に記載の不揮発性メモリセルの製造方法。
【請求項18】
前記コントロールゲートを形成するステップは、
前記誘電膜を含む前記基板のプロファイルに沿って導電膜を形成するステップと、
前記フローティングゲートを基準にして前記ドレイン領域が形成された方向に形成された導電膜を選択的にエッチングし、前記ソース領域が形成された方向に残留する導電膜パターンを形成するステップと、
前記ハードマスクの上部が露出するよう、前記導電膜パターンに対してエッチバック工程を実施してスペーサ形態を有する前記コントロールゲートを形成するステップと、
を含むことを特徴とする請求項14に記載の不揮発性メモリセルの製造方法。
【請求項19】
前記ソース領域を形成するステップの前に、前記コントロールゲート及び前記誘電膜の側壁にスペーサを形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の不揮発性メモリセルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−192895(P2010−192895A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25773(P2010−25773)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(505087780)マグナチップセミコンダクター有限会社 (125)
【氏名又は名称原語表記】MAGNACHIP SEMICONDUCTOR LTD
【住所又は居所原語表記】1 Hyangjeong−dong,Heungduk−gu,Cheongju City,Chung Cheong Bok−do,Korea
【Fターム(参考)】