説明

不揮発性半導体記憶装置、及びその製造方法

【課題】安定した動作を実行可能な不揮発性半導体記憶装置、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】不揮発性半導体記憶装置は、複数のメモリストリング、選択トランジスタ、及びキャリア選択素子を備える。メモリストリングは、直列接続されたメモリトランジスタを含む。選択トランジスタは、メモリストリングの一端に一端を接続されている。キャリア選択素子は、選択トランジスタの他端に一端を接続されている。キャリア選択素子は、メモリトランジスタのボディを流れる多数キャリアを決定する。キャリア選択素子は、第3半導体層、金属層、第2ゲート絶縁層、及び第3導電層を備える。第3半導体層は、基板に対して垂直方向に延びる。金属層は、第3半導体層の上面から延びる。第3導電層は、第2ゲート絶縁層を介して、第3半導体層及び金属層を取り囲む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
明細書の実施形態は、電気的にデータの書き換えが可能な不揮発性半導体記憶装置、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NAND型フラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置のビット密度向上にあっては、微細化技術が限界に近づいてきたことから、メモリトランジスタ(メモリセル)の積層化が期待されている。その一つとして縦型トランジスタを用いてメモリトランジスタを構成した積層型NAND型フラッシュメモリが提案されている。積層型NAND型フラッシュメモリは、積層方向に直列接続された複数のメモリトランジスタからなるメモリストリングと、そのメモリストリングの両端に設けられた選択トランジスタとを有する。
【0003】
上記のような積層型メモリは、一般にGIDL電流(Gate Induced Drain Leakage Current)を用いて消去動作を実行する。すなわち、積層型メモリは、選択トランジスタのゲート端部に高電界をかけることにより、GIDL電流によりホールを発生させる。そして、積層型メモリは、そのホールによる電流をメモリトランジスタのボディに導き、そのボディの電位を上昇させて消去動作を実行する。
【0004】
しかしながら、直列接続されるメモリトランジスタの数が増加することによりメモリストリングのボディの容量が大きくなった場合に、GIDL電流を用いた消去動作の速度が遅くなる又は動作自体が困難となるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−266143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、安定した動作を実行可能な不揮発性半導体記憶装置、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る不揮発性半導体記憶装置は、複数のメモリストリング、選択トランジスタ、キャリア選択素子、及び制御回路を備える。複数のメモリストリングは、直列接続された複数のメモリトランジスタを含む。選択トランジスタは、メモリストリングの一端に一端を接続されている。キャリア選択素子は、選択トランジスタの他端に一端を接続され且つメモリトランジスタ、選択トランジスタのボディを流れる多数キャリアを選択する。制御回路は、メモリストリング、選択トランジスタ、及びキャリア選択素子の状態を制御する。選択トランジスタは、第2半導体層、第1ゲート絶縁層、及び第2導電層を備える。第1ゲート絶縁層は、基板に対して垂直方向に延び選択トランジスタのボディとして機能する。第1ゲート絶縁層は、第2半導体層を取り囲むように形成されている。第2導電層は、第1ゲート絶縁層を介して第2半導体層を取り囲み、基板に対して平行方向に延びるように形成されて選択トランジスタのゲートとして機能する。キャリア選択素子は、第3半導体層、金属層、第2ゲート絶縁層、及び第3導電層を備える。金属層は、基板に対して垂直方向に延びキャリア選択素子のボディとして機能する。金属層は、第3半導体層の上面から基板に対して垂直方向に延びる。第2ゲート絶縁層は、第3半導体層及び金属層を取り囲むように形成されている。第3導電層は、第2ゲート絶縁層を介して第3半導体層及び金属層を取り囲み、基板に対して平行方向に延びるように形成されてキャリア選択素子のゲートとして機能する。
【0008】
一態様に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法においては、先ず、複数の第1導電層、第2導電層、及び第3導電層を積層させる。次に、複数の第1導電層、第2導電層、及び第3導電層を貫通するホールを形成する。続いて、ホールに面する第1導電層、第2導電層、及び第3導電層の側面に、それぞれ第1ゲート絶縁層、第2ゲート絶縁層、及び第3ゲート絶縁層を形成する。次に、ホールに面する第1ゲート絶縁層、及び第2ゲート絶縁層の側面に、それぞれ第1半導体層、及び第2半導体層を形成すると共に、第3導電層の下面から第3導電層の上面の間の所定位置までホールに面する第3ゲート絶縁層の側面に第3半導体層を形成する。続いて、所定位置から上層にホールに面する第3ゲート絶縁層の側面に金属層を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の回路図である。
【図2】第1実施形態に係るメモリセルアレイ11の積層構造を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係るメモリセルアレイ11の等価回路図である。
【図4】図3の拡大図である。
【図5】第1実施形態に係るメモリセルアレイ11の断面図である。
【図6】図5の拡大図である。
【図7】第1実施形態に係るソース側導電層61a、及びドレイン側導電層61bを示す上面図である。
【図8】第1実施形態の書込動作を示す回路図である。
【図9】第1実施形態の読出動作を示す回路図である。
【図10】第1実施形態の消去動作を示す回路図である。
【図11】第1実施形態に係るメモリセルアレイ11の製造工程を示す断面図である。
【図12】第1実施形態に係るメモリセルアレイ11の製造工程を示す断面図である。
【図13】第1実施形態に係るメモリセルアレイ11の製造工程を示す断面図である。
【図14】第1実施形態に係るメモリセルアレイ11の製造工程を示す断面図である。
【図15】第1実施形態に係るメモリセルアレイ11の製造工程を示す断面図である。
【図16】第1実施形態に係るメモリセルアレイ11の製造工程を示す断面図である。
【図17】第1実施形態に係るメモリセルアレイ11の製造工程を示す断面図である。
【図18】第1実施形態に係るメモリセルアレイ11の製造工程を示す断面図である。
【図19】第2実施形態に係るメモリセルアレイ11を示す拡大断面図である。
【図20】第3実施形態に係るメモリセルアレイ11を示す拡大断面図である。
【図21】第3実施形態に係るメモリセルアレイ11の製造工程を示す断面図である。
【図22】第4実施形態に係るメモリセルアレイ11を示す拡大断面図である。
【図23】第5実施形態の読出動作を示す回路図である。
【図24】第6実施形態に係るメモリセルアレイ11の拡大断面図である。
【図25】第7実施形態に係るメモリセルアレイ11の拡大断面図である。
【図26】第8実施形態に係るメモリセルアレイ11の積層構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の実施形態について説明する。
【0011】
[第1実施形態]
[構成]
先ず、図1を参照して、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置100の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のブロック図である。
【0012】
第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、図1に示すように、メモリセルアレイ11、メモリセルアレイ11に対する各種動作(書込動作、読出動作、消去動作など)を制御する制御回路12を有する。メモリセルアレイ11は、メモリセルを構成するメモリトランジスタMTrを配列してなる。制御回路12は、ロウデコーダ13、14、センスアンプ15、カラムデコーダ16、及び制御信号生成部17を備える。
【0013】
ロウデコーダ13、14は、取り込まれたブロックアドレス信号等をデコードし、メモリセルアレイ11を制御する。センスアンプ15は、メモリセルアレイ11からデータを読み出す。カラムデコーダ16は、カラムアドレス信号をデコードし、センスアンプ15を制御する。制御信号生成部17は、基準電圧を昇圧させて、書き込みや消去時に必要となる高電圧を生成し、さらに、制御信号を生成し、ロウデコーダ13、14、センスアンプ15、及びカラムデコーダ16を制御する。
【0014】
次に、図2を参照して、メモリセルアレイ11の構造について説明する。メモリセルアレイ11は、図2に示すように、データを電気的に記憶するメモリトランジスタMTr1〜8を3次元マトリクス状に配列して構成される。すなわち、メモリトランジスタMTr1〜8は、水平方向にマトリクス状に配列されるとともに、積層方向(基板に対して垂直方向)にも配列される。積層方向に並ぶ複数個のメモリトランジスタMTr1〜8は、バックゲートトランジスタBTrと共に水平方向からみてU字状に直列接続され、メモリストリングMSを構成する。メモリストリングMSは、積層方向を長手方向として配列される。メモリストリングMSの両端には選択時に導通状態とされるドレイン側選択トランジスタSDTr、ソース側選択トランジスタSSTrが接続されている。また、ドレイン側選択トランジスタSDTrの一端には、ドレイン側キャリア選択素子PDTrが接続され、ソース側選択トランジスタSSTrの一端には、ソース側キャリア選択素子PSTrが接続されている。
【0015】
ソース側キャリア選択素子PSTr及びドレイン側キャリア選択素子PDTrは、メモリトランジスタMTr1〜8、バックゲートトランジスタBTr、ソース側選択トランジスタSSTr、及びドレイン側選択トランジスタSDTrのボディを流れる多数キャリア(電子又はホール)を選択するように構成されている。
【0016】
また詳細については後述するが、メモリトランジスタMTr1〜8のゲートは、図2に示すように、各々、ロウ方向に延びるワード線WL1〜8に接続されている。バックゲートトランジスタBTrのゲートは、バックゲート線BGに接続されている。ドレイン側選択トランジスタSDTrのゲートは、ロウ方向に延びるドレイン側選択ゲート線SGDに接続され、ソース側選択トランジスタSSTrのゲートは、ロウ方向に延びるソース側選択ゲート線SGSに接続されている。ドレイン側キャリア選択素子PDTrのゲート、及びソース側キャリア選択素子PSTrのゲートは、キャリア選択線PLに接続されている。ドレイン側キャリア選択素子PDTrの一端は、カラム方向に延びるビット線BLに接続されている。ソース側キャリア選択素子PSTrの一端は、ロウ方向に延びるソース線SLに接続されいる。
【0017】
次に、図3及び図4を参照して、メモリセルアレイ11の等価回路について説明する。メモリセルアレイ11は、図3に示すように、m列のメモリブロックMB、及びn行のビット線BLを有する。メモリブロックMBは、所定ピッチをもってカラム方向に繰り返し設けられている。ビット線BLは、ロウ方向に所定ピッチをもって配列されカラム方向を長手方向として延びる。
【0018】
m列のメモリブロックMBの各々は、図3に示すように、n行2列のメモリユニットMUを有する。メモリユニットMUは、メモリストリングMS、メモリストリングMSのソース側に直列接続されたソース側選択トランジスタSSTr、ソース側キャリア選択素子PSTr、及びメモリストリングMSのドレイン側に直列接続されたドレイン側選択トランジスタSDTr、ドレイン側キャリア選択素子PDTrを備える。
【0019】
メモリストリングMSは、図3及び図4に示すように、直列接続されたメモリトランジスタMTr1〜8、及びバックゲートトランジスタBTrにて構成されている。メモリトランジスタMTr1〜4は、積層方向に直列に接続されている。メモリトランジスタMTr5〜8も、同様に積層方向に直列に接続されている。メモリトランジスタMTr1〜8は、その電荷蓄積層に蓄積される電荷の量が変化することで、その閾値電圧が変化する。そして、閾値電圧が変化することにより、メモリトランジスタMTr1〜8が保持するデータが書き替えられる。バックゲートトランジスタBTrは、積層方向における最下層のメモリトランジスタMTr4とメモリトランジスタMTr5との間に接続されている。従って、メモリトランジスタMTr1〜MTr8、及びバックゲートトランジスタBTrは、カラム方向に沿った断面においてU字形状に接続されている。
【0020】
ソース側選択トランジスタSSTrのドレインは、図3に示すように、メモリストリングMSの一端(メモリトランジスタMTr8のソース)に接続されている。ドレイン側選択トランジスタSDTr1のソースは、メモリストリングMSの他端(メモリトランジスタMTr1のドレイン)に接続されている。
【0021】
ソース側キャリア選択素子PSTrのドレインは、図3に示すように、ソース側選択トランジスタSSTrのソースに接続され、そのソースは、ソース線SLに接続されている。ドレイン側キャリア選択素子PDTrのソースは、ドレイン側選択トランジスタSDTrのドレインに接続され、そのドレインは、ビット線BLに接続されている。
【0022】
上述したように、ソース側キャリア選択素子PSTr及びドレイン側キャリア選択素子PDTrは、メモリトランジスタMTr1〜8、バックゲートトランジスタBTr、ソース側選択トランジスタSSTr、及びドレイン側選択トランジスタSDTrのボディを流れる多数キャリア(電子又はホール)を選択する。ソース側キャリア選択素子PSTr及びドレイン側キャリア選択素子PDTrは、そのゲートに負の電圧を印加された場合に多数キャリアをホールとし、そのゲートに正の電圧を印加された場合に多数キャリアを電子とする。すなわち、ソース側キャリア選択素子PSTr及びドレイン側キャリア選択素子PDTrは、それらのゲートに印加される電圧の大小に拘わらず電流を流し、この点でトランジスタと異なる。
【0023】
ロウ方向に一列に配列されたn個のメモリトランジスタMTr1のゲートは、図3に示すように、ロウ方向に延びる1本のワード線WL1に共通接続されている。同様に、ロウ方向に一列に配列されたn個のメモリトランジスタMTr2〜8のゲートは、各々、ロウ方向に延びる1本のワード線WL2〜8に共通接続されている。また、ロウ方向及びカラム方向にマトリクス状に配列された2×n個のバックゲートトランジスタBTrのゲートは、1本のバックゲート線BGに共通接続されている。
【0024】
ロウ方向に一列に配列されたn個のソース側選択トランジスタSSTrのゲートは、図3に示すように、ロウ方向に延びる1本のソース側選択ゲート線SGSに共通接続されている。同様に、ロウ方向に一列に配列されたn個のドレイン側選択トランジスタSDTrのゲートは、ロウ方向に延びる1本のドレイン側選択ゲート線SGDに共通接続されている。
【0025】
ロウ方向及びカラム方向にマトリクス状に配列された2×n個のソース側キャリア選択素子PSTr及びドレイン側キャリア選択素子PDTrのゲートは、図3に示すように、1本のキャリア選択線PLに共通接続されている。
【0026】
次に、図5及び図6を参照して、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の積層構造について説明する。図5は、メモリセルアレイ11の断面図であり、図6は、図5の一部拡大図である。
【0027】
メモリセルアレイ11は、図5に示すように、基板20上にバックゲートトランジスタ層30、メモリトランジスタ層40、選択トランジスタ層50、キャリア選択層60、及び配線層70を有する。バックゲートトランジスタ層30は、バックゲートトランジスタBTrとして機能する。メモリトランジスタ層40は、メモリトランジスタMTr1〜8(メモリストリングMS)として機能する。選択トランジスタ層50は、ソース側選択トランジスタSSTr、及びドレイン側選択トランジスタSDTrとして機能する。キャリア選択層60は、ソース側キャリア選択素子PSTr、及びドレイン側キャリア選択素子PDTrとして機能する。配線層70は、ソース線SL、及びビット線BLとして機能する。
【0028】
バックゲートトランジスタ層30は、図5に示すように、バックゲート導電層31を有する。バックゲート導電層31は、バックゲート線BGとして機能すると共に、バックゲートトランジスタBTrのゲートとして機能する。
【0029】
バックゲート導電層31は、基板20と平行なロウ方向及びカラム方向に2次元的に広がるように形成されている。バックゲート導電層31は、メモリブロックMB毎に分断されている。バックゲート導電層31は、多結晶シリコン(poly−Si)にて構成されている。
【0030】
バックゲート導電層30は、図5に示すように、バックゲートホール32を有する。バックゲートホール32は、バックゲート導電層31を掘り込むように形成されている。バックゲートホール32は、上面からみてカラム方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。バックゲートホール32は、ロウ方向及びカラム方向にマトリクス状に形成されている。
【0031】
メモリトランジスタ層40は、図5に示すように、バックゲート導電層30の上層に形成されている。メモリトランジスタ層40は、ワード線導電層41a〜41dを有する。ワード線導電層41a〜41dは、各々、ワード線WL1〜8として機能すると共に、メモリトランジスタMTr1〜8のゲートとして機能する。
【0032】
ワード線導電層41a〜41dは、層間絶縁層を挟んで積層されている。ワード線導電層41a〜41dは、カラム方向に所定ピッチをもってロウ方向を長手方向として延びるように形成されている。ワード線導電層41a〜41dは、多結晶シリコン(poly−Si)にて構成されている。
【0033】
メモリトランジスタ層40は、図5に示すように、メモリホール42を有する。メモリホール42は、ワード線導電層41a〜41d及び層間絶縁層を貫通するように形成されている。メモリホール42は、バックゲートホール32のカラム方向の端部近傍に整合するように形成されている。
【0034】
また、バックゲートトランジスタ層30、及びメモリトランジスタ層40は、図6に示すように、メモリゲート絶縁層43、メモリ半導体層44、及び内部絶縁層45を有する。メモリ半導体層44は、メモリトランジスタMTr1〜MTr8(メモリストリングMS)のボディとして機能する。
【0035】
メモリゲート絶縁層43は、図6に示すように、バックゲートホール32及びメモリホール42の側面に所定の厚みをもって形成されている。メモリゲート絶縁層43は、ブロック絶縁層43a、電荷蓄積層43b、及びトンネル絶縁層43cを有する。電荷蓄積層43bが電荷を蓄積させることによりメモリトランジスタMTr1〜8の閾値電圧が変化し、これによりメモリトランジスタMTrが保持するデータを書き換えられる。
【0036】
ブロック絶縁層43aは、図6に示すように、バックゲートホール32及びメモリホール42の側面に所定の厚みをもって形成されている。電荷蓄積層43bは、ブロック絶縁層43aの側面に所定の厚みをもって形成されている。トンネル絶縁層43cは、電荷蓄積層43bの側面に所定の厚みをもって形成されている。ブロック絶縁層43a、及びトンネル絶縁層43cは、酸化シリコン(SiO)にて構成されている。電荷蓄積層43bは、窒化シリコン(SiN)にて構成されている。
【0037】
メモリ半導体層44は、トンネル絶縁層33cの側面に所定の厚みをもって形成されている。メモリ半導体層44は、中空Agを有しているとともに、ロウ方向からみてU字状の形状を有するように形成されている。メモリ半導体層44は、基板20に対して垂直方向に延びる一対の柱状部44A、及び一対の柱状部44Aの下端を連結する連結部44Bを有する。メモリ半導体層44は、多結晶シリコン(poly−Si)にて構成されている。
【0038】
内部絶縁層45は、メモリ半導体層44の中空Agを埋めるように形成されている。内部絶縁層45は、窒化シリコン(SiN)にて構成されている。内部絶縁層45は、その内部に空隙451を有する。
【0039】
上記バックゲートトランジスタ層30の構成を換言すると、バックゲート導電層31は、メモリゲート絶縁層43を介して連結部44Bを取り囲むように形成されている。また、上記メモリトランジスタ層40の構成を換言すると、ワード線導電層41a〜41dは、メモリゲート絶縁層43を介して柱状部44Aを取り囲むように形成されている。
【0040】
選択トランジスタ層50は、図5に示すように、ソース側導電層51a、及びドレイン側導電層51bを有する。ソース側導電層51aは、ソース側選択ゲート線SGSとして機能すると共に、ソース側選択トランジスタSSTrのゲートとして機能する。ドレイン側導電層51bは、ドレイン側選択ゲート線SGDとして機能すると共に、ドレイン側選択トランジスタSDTrのゲートとして機能する。
【0041】
ソース側導電層51aは、メモリ半導体層44を構成する一方の柱状部44Aの上層に形成されている。ドレイン側導電層51bは、ソース側導電層51aと同層であって、メモリ半導体層44を構成する他方の柱状部44Aの上層に形成されている。ソース側導電層51a、及びドレイン側導電層51bは、カラム方向に所定ピッチをもってロウ方向に延びるストライプ状に形成されている。ソース側導電層51a、及びドレイン側導電層51bは、多結晶シリコン(poly−Si)にて構成されている。
【0042】
選択トランジスタ層50は、図5に示すように、ソース側ホール52a、及びドレイン側ホール52bを有する。ソース側ホール52aは、ソース側導電層51a及び層間絶縁層を貫通するように形成されている。ドレイン側ホール52bは、ドレイン側導電層51b及び層間絶縁層を貫通するように形成されている。ソース側ホール52a及びドレイン側ホール52bは、各々、メモリホール42と整合する位置に形成されている。
【0043】
選択トランジスタ層50は、図6に示すように、ソース側ゲート絶縁層53a、ソース側柱状半導体層54a、及び内部絶縁層55aを有する。ソース側柱状半導体層54aは、ソース側選択トランジスタSSTrのボディとして機能する。
【0044】
ソース側ゲート絶縁層53aは、ソース側ホール52aの側面に所定の厚みをもって形成されている。ソース側ゲート絶縁層53aは、酸化シリコン(SiO)にて構成されている。
【0045】
ソース側柱状半導体層54aは、ソース側ゲート絶縁層53aの側面に所定の厚みをもって形成されている。ソース側柱状半導体層54aは、中空Agを有して、柱状部44Aの上面から積層方向に延びる柱状に形成されている。ソース側柱状半導体層54aは、多結晶シリコン(poly−Si)にて構成されている。
【0046】
内部絶縁層55aは、ソース側柱状半導体層54aの中空Agを埋めるように形成されている。内部絶縁層55aは、積層方向に延びる柱状に形成されている。内部絶縁層55aは、窒化シリコン(SiN)にて構成されている。内部絶縁層55aは、その内部に空隙551aを有する。
【0047】
また、選択トランジスタ層50は、図6に示すように、ドレイン側ゲート絶縁層53b、ドレイン側柱状半導体層54b、及び内部絶縁層55bを有する。ドレイン側柱状半導体層54bは、ドレイン側選択トランジスタSDTrのボディとして機能する。
【0048】
ドレイン側ゲート絶縁層53bは、ドレイン側ホール52bの側面に所定の厚みをもって形成されている。ドレイン側ゲート絶縁層53bは、酸化シリコン(SiO)にて構成されている。
【0049】
ドレイン側柱状半導体層54bは、ドレイン側ゲート絶縁層53bの側面に所定の厚みをもって形成されている。ドレイン側柱状半導体層54bは、中空Agを有して、柱状部44Aの上面から積層方向に延びる柱状に形成されている。ドレイン側柱状半導体層54bは、多結晶シリコン(poly−Si)にて構成されている。
【0050】
内部絶縁層55bは、ドレイン側柱状半導体層54bの中空Agを埋めるように形成されている。内部絶縁層55bは、積層方向に延びる柱状に形成されている。内部絶縁層55bは、窒化シリコン(SiN)にて構成されている。内部絶縁層55bは、その内部に空隙551bを有する。
【0051】
キャリア選択層60は、図5に示すように、ソース側導電層61a、及びドレイン側導電層61bを有する。ソース側導電層61aは、キャリア選択線PLとして機能すると共に、ソース側キャリア選択素子PSTrのゲートとして機能する。ドレイン側導電層61bは、キャリア選択線PLとして機能すると共に、ドレイン側キャリア選択素子PDTrのゲートとして機能する。
【0052】
ソース側導電層61aは、ソース側導電層51aの上層に形成されている。ドレイン側導電層61bは、ソース側導電層61aと同層にあって、ドレイン側導電層51bの上層に形成されている。ソース側導電層61a、及びドレイン側導電層61bは、多結晶シリコン(poly−Si)にて構成されている。
【0053】
選択トランジスタ層60は、図5に示すように、ソース側ホール62a、及びドレイン側ホール62bを有する。ソース側ホール62aは、ソース側導電層61a及び層間絶縁層を貫通するように形成され、ドレイン側ホール62bは、ドレイン側導電層61b及び層間絶縁層を貫通するように形成されている。ソース側ホール62a及びドレイン側ホール62bは、各々、ソース側ホール52a及びドレイン側ホール52bと整合する位置に形成されている。
【0054】
選択トランジスタ層60は、図6に示すように、ソース側ゲート絶縁層63a、ソース側柱状半導体層64a、内部絶縁層65a、及び金属層66aを有する。ソース側柱状半導体層64aは、ソース側キャリア選択素子PSTrのボディとして機能する。
【0055】
ソース側ゲート絶縁層63aは、ソース側ホール62aの側面に所定の厚みをもって形成されている。ソース側ゲート絶縁層63aは、酸化シリコン(SiO)にて構成されている。
【0056】
ソース側柱状半導体層64aは、ソース側ゲート絶縁層63aの側面に所定の厚みをもって形成されている。ソース側柱状半導体層64aは、中空Agを有して、ソース側柱状半導体層54aの上面から積層方向に延びる柱状に形成されている。ソース側導電層61aの積層方向の厚みをH0とすると、ソース側柱状半導体層64aの上面はソース側導電層61aの下面から高さH1(H1<H0)に位置する。ソース側柱状半導体層64aは、多結晶シリコン(poly−Si)にて構成されている。
【0057】
内部絶縁層65aは、ソース側柱状半導体層64aの中空Agを埋めるように形成されている。内部絶縁層65aは、積層方向に延びる柱状に形成されている。内部絶縁層65aの上面は、ソース側導電層61aの下面から高さH2(H1<H2<H0)に位置する。内部絶縁層65aは、窒化シリコン(SiN)にて構成されている。内部絶縁層65aは、その内部に空隙651aを有する。
【0058】
金属層66aは、ソース側柱状半導体層64aの上面及び内部絶縁層65aの上面から積層方向に延びる柱状に形成されている。金属層66aは、第1金属層661a、及び第2金属層662aを有する。
【0059】
第1金属層661aは、ソース側ゲート絶縁層63aの側面に所定の厚みをもって、ソース側柱状半導体層64aの上面から積層方向に延びるように形成されている。第1金属層661aは、ソース側柱状半導体層64aと電気的に接続している。第1金属層661aは、例えば、ニッケルシリサイド(NiSi)にて構成されている。
【0060】
第2金属層662aは、第1金属層661aの側面に接してソース側ホール62aを埋めるように形成されている。第2金属層662aは、内部絶縁層65aの上面から積層方向に延びる柱状に形成されている。第2金属層662aは、例えば、タングステン(W)にて構成されている。
【0061】
選択トランジスタ層60は、図6に示すように、ドレイン側ゲート絶縁層63b、ドレイン側柱状半導体層64b、内部絶縁層65b、及び金属層66bを有する。ドレイン側柱状半導体層64bは、ドレイン側キャリア選択素子PDTrのボディとして機能する。
【0062】
ドレイン側ゲート絶縁層63bは、ドレイン側ホール62bの側面に所定の厚みをもって形成されている。ドレイン側ゲート絶縁層63bは、酸化シリコン(SiO)にて構成されている。
【0063】
ドレイン側柱状半導体層64bは、ドレイン側ゲート絶縁層63bの側面に所定の厚みをもって形成されている。ドレイン側柱状半導体層64bは、中空Agを有して、ドレイン側柱状半導体層54bの上面から積層方向に延びる柱状に形成されている。ドレイン側導電層61bの積層方向の厚みをH0とすると、ドレイン側柱状半導体層64bの上面はドレイン側導電層61bの下面から高さH1(H1<H0)に位置する。ドレイン側柱状半導体層64bは、多結晶シリコン(poly−Si)にて構成されている。
【0064】
内部絶縁層65bは、ドレイン側柱状半導体層64bの中空Agを埋めるように形成されている。内部絶縁層65bは、積層方向に延びる柱状に形成されている。内部絶縁層65bの上面は、ドレイン側導電層61bの下面から高さH2(H1<H2<H0)に位置する。内部絶縁層65bは、窒化シリコン(SiN)にて構成されている。内部絶縁層65bは、その内部に空隙651bを有する。
【0065】
金属層66bは、ドレイン側柱状半導体層64bの上面及び内部絶縁層65bの上面から積層方向に延びる柱状に形成されている。金属層66bは、第1金属層661b、及び第2金属層662bを有する。
【0066】
第1金属層661bは、ドレイン側ゲート絶縁層63bの側面に所定の厚みをもって、ドレイン側柱状半導体層64bの上面から積層方向に延びるように形成されている。第1金属層661bは、ドレイン側柱状半導体層64bとオーム性接触している。第1金属層661bは、例えば、ニッケルシリサイド(NiSi)にて構成されている。
【0067】
第2金属層662bは、第1金属層661bの側面に接してドレイン側ホール62bを埋めるように形成されている。第2金属層662bは、内部絶縁層65bの上面から積層方向に延びる柱状に形成されている。第2金属層662bは、例えば、タングステン(W)にて構成されている。
【0068】
配線層70は、図5に示すように、キャリア選択層60の上層に形成されている。配線層70は、ソース線層71、及びビット線層72を有する。ソース線層71は、ソース線SLとして機能する。ビット線層72は、ビット線BLとして機能する。
【0069】
ソース線層71は、ロウ方向に延びる板状に形成されている。ソース線層71は、カラム方向に隣接する一対のソース側柱状半導体層64aの上面に接するように形成されている。ビット線層72は、ドレイン側柱状半導体層64bの上面にプラグ層73を介して接し、ロウ方向に所定ピッチをもってカラム方向に延びるストライプ状に形成されている。ソース線層71、ビット線層72、プラグ層73は、タングステン(W)等の金属にて構成されている。
【0070】
次に、図7を参照して、ソース側導電層61a、及びドレイン側導電層61bの形状について詳しく説明する。図7は、ソース側導電層61a、及びドレイン側導電層61bを示す上面図である。
【0071】
ソース側導電層61a、ドレイン側導電層61bは、図7に示すように、それらのロウ方向の端部で連結層61cにて連結されている。ソース側導電層61a、ドレイン側導電層61b、及び連結層61cは、積層方向からみて櫛歯状に形成されている。すなわち、一体に形成されたソース側導電層61a、ドレイン側導電層61b、及び連結層61cは、マトリクス状に配置された複数のソース側柱状半導体層64a、ドレイン側柱状半導体層64b、及び金属層66a、66bを取り囲むように形成されている。
【0072】
[動作]
次に、図8を参照して、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の書込動作について説明する。図8では、一例として、複数のメモリブロックMBの中から選択したメモリブロックMBを対象として書込動作が実行される場合を説明する。より詳しくは、1つのメモリブロックMB中の1行目、1列目に位置するメモリユニットMU(1,1)に含まれるメモリトランジスタMTr2(1,1)を対象に書込動作が実行される場合を例として説明する。
【0073】
制御回路12は、図8に示すように、キャリア選択線PLに正の電圧Vposを印加する。これにより、ドレイン側キャリア選択素子PDTr及びソース側キャリア選択素子PSTrのボディに電子が蓄積され、メモリトランジスタMTr1〜8、ドレイン側選択トランジスタSDTr、及びソース側選択トランジスタSSTrのボディを流れる多数キャリアは電子となる。したがって、メモリトランジスタMTr1〜8、バックゲートトランジスタBTr、ソース側選択トランジスタSSTr、及びドレイン側選択トランジスタSDTrは、NMOSトランジスタとして働く。
【0074】
そして、制御回路12は、図8に示すように、1行目のビット線BL(1)に接地電圧Vssを印加する一方、2〜n行目のビット線BL(2)〜(n)に電源電圧Vdd(1.2V)を印加する。また、制御回路12は、ソース線SLには接地電圧Vssを印加する。更に、制御回路12は、1列目のソース側選択ゲート線SGS(1)及びドレイン側選択ゲート線SGD(1)に電源電圧Vddを印加する一方、2列目のソース側選択ゲート線SGS(2)及びドレイン側選択ゲート線SGD(2)に接地電圧Vssを印加する。制御回路12は、1列目のワード線WL1(1)、3(1)〜8(1)に正のパス電圧Vpass(例えば、10V)を印加する一方、1列目のワード線WL2(1)に正のプログラム電圧Vprg(例えば、18V)を印加する。制御回路12は、バックゲート線BGに正のパス電圧Vpassを印加する。
【0075】
以上の電圧制御により、制御回路12は、メモリトランジスタMTr2(1,1)の電荷蓄積層に電荷を蓄積させ、データを記憶する。
【0076】
次に、図9を参照して、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の読出動作について説明する。図9では、一例として、複数のメモリブロックMBの中から選択したメモリブロックMBを対象として読出動作が実行される場合を説明する。より詳しくは、1つのメモリブロックMB中の1行目、1列目に位置するメモリユニットMU(1,1)に含まれるメモリトランジスタMTr2(1,1)を対象に読出動作が実行される場合を例として説明する。
【0077】
制御回路12は、図9に示すように、キャリア選択線PLに正の電圧Vposを印加する。これにより、書込動作と同様に、メモリトランジスタMTr1〜8、バックゲートトランジスタBTr、ドレイン側選択トランジスタSDTr、ソース側選択トランジスタSSTrは、NMOSトランジスタとして働く。
【0078】
そして、制御回路12は、図9に示すように、1行目のビット線BL(1)に電源電圧Vddを印加する。また、制御回路12は、ソース線SLには接地電圧Vssを印加する。更に、制御回路12は、1列目のソース側選択ゲート線SGS(1)及びドレイン側選択ゲート線SGD(1)に電源電圧Vddを印加する一方、2列目のソース側選択ゲート線SGS(2)及びドレイン側選択ゲート線SGD(2)に接地電圧Vssを印加する。制御回路12は、1列目のワード線WL1(1)、3(1)〜8(1)に正のリード電圧Vread(例えば、5V)を印加する一方、1列目のワード線WL2(1)に接地電圧Vssを印加する。制御回路12は、バックゲート線BGに正のリード電圧Vreadを印加する。
【0079】
以上の電圧制御により、制御回路12は、メモリトランジスタMTr2(1,1)を介してビット線BL(1)からソース線SLに電流が流れるか否かを検知して、メモリトランジスタMTr2(1,1)のデータを読み出す。
【0080】
次に、図10を参照して、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の消去動作について説明する。図10では、一例として、複数のメモリブロックMBの中から選択したメモリブロックMBを対象として消去動作が実行される場合を説明する。より詳しくは、1つのメモリブロックMB中の1行目、1列目に位置するメモリユニットMU(1,1)に含まれるメモリトランジスタMTr2(1,1)を対象に消去動作が実行される場合を例として説明する。
【0081】
制御回路12は、図10に示すように、キャリア選択線PLに負の電圧−Vnegを印加する。これにより、ドレイン側キャリア選択素子PDTr及びソース側キャリア選択素子PSTrのボディにホールが蓄積され、メモリトランジスタMTr1〜8、ドレイン側選択トランジスタSDTr、及びソース側選択トランジスタSSTrのボディを流れる多数キャリアはホールとなる。したがって、メモリトランジスタMTr1〜8、バックゲートトランジスタBTr、ソース側選択トランジスタSSTr、及びドレイン側選択トランジスタSDTrは、PMOSトランジスタとして働く。
【0082】
そして、制御回路12は、図10に示すように、1行目のビット線BL(1)に電源電圧Vddを印加する一方、2〜n行目のビット線BL(2)〜(n)に接地電圧Vssを印加する。また、制御回路12は、ソース線SLには接地電圧Vssを印加する。更に、制御回路12は、1列目のソース側選択ゲート線SGS(1)及びドレイン側選択ゲート線SGD(1)に接地電圧Vssを印加する一方、2列目のソース側選択ゲート線SGS(2)及びドレイン側選択ゲート線SGD(2)に電源電圧Vddを印加する。制御回路12は、1列目のワード線WL1、3〜8(1)に負のパス電圧−Vpass(例えば、−10V)を印加する一方、1列目のワード線WL2(1)に負の消去電圧−Vera(例えば、−20V)を印加する。制御回路12は、バックゲート線BGに負のパス電圧−Vpassを印加する。
【0083】
以上の電圧制御により、制御回路12は、メモリトランジスタMTr2(1,1)の電荷蓄積層に蓄積された電荷は減少し、メモリトランジスタMTr2(1,1)のデータは消去される。
【0084】
[製造方法]
次に、図11〜図18を参照して、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明する。
【0085】
先ず、図11に示すように、バックゲート導電層31、ワード線導電層41a〜41dが基板20上に形成される。次に、バックゲート導電層31にバックゲートホール32が形成され、その内部を犠牲膜で埋め込んだ後、ワード線導電層41a〜41dにメモリホール42が形成される。続いて、バックゲートホール32及びメモリホール42を埋める犠牲層81(例えば、窒化シリコン(SiN))が形成される。
【0086】
次に、図12に示すように、ソース側導電層51a、61a、及びドレイン側導電層51b、61bが形成される。
【0087】
続いて、図13に示すように、ソース側導電層51a、61aを貫通するようにソース側ホール52a、62aが形成され、ドレイン側導電層51b、61bを貫通するようにドレイン側ホール52b、62bが形成される。次に、ソース側ホール52a、62a及びドレイン側ホール52b、62bを介して、例えば熱燐酸溶液を用いて、犠牲層81が除去される。
【0088】
続いて、図14に示すように、バックゲートホール32及びメモリホール42の側面にメモリゲート絶縁層43が形成され、メモリゲート絶縁層43の側面にメモリ半導体層44が形成される。また、ソース側ホール52a、62aの側面にソース側ゲート絶縁層53a、63aが形成され、ソース側ゲート絶縁層53a、63aの側面にソース側柱状半導体層54a、64aが形成される。また、ドレイン側ホール52b、62bの側面にドレイン側ゲート絶縁層53b、63bが形成され、ドレイン側ゲート絶縁層53b、63bの側面にドレイン側柱状半導体層54b、64bが形成される。なお、メモリ半導体層44、ソース側柱状半導体層54a、64a、及びドレイン側柱状半導体層54b、64bは、その内部に中空Agを残すように形成され、それらの結晶性を高めるために不活性雰囲気(例えば、N)において熱処理(600℃)される。
【0089】
次に、図15に示すように、中空Agを埋めるように内部絶縁層45、55a、55b、65a、65bが形成される。内部絶縁層45、55a、55b、65a、65bは、メモリ半導体層44、ソース側柱状半導体層54a、64a、及びドレイン側柱状半導体層54b、64bの側面を酸化させ、さらにその側面にシリコン窒化物を堆積させることにより形成される。
【0090】
続いて、図16に示すように、内部絶縁層65a、65bの上面がソース側導電層61の下面から高さH2に位置するまで、内部絶縁層65a、65bを掘り下げてホール82a、82bが形成される。例えば、内部絶縁層65a、65bは、50nm程度掘り下げられる。なお、ホール82a、82bの表面に形成された酸化膜は、稀釈フッ酸溶液で除去される。
【0091】
次に、図17に示すように、ホール82a、82bを埋めるように、ニッケル(Ni)を堆積させて金属層(ニッケル)83a、83bを形成する。例えば、ニッケルは、CVD又はスパッタリングにより堆積される。
【0092】
続いて、図18に示すように、加熱処理(400℃)を実行する。これにより、金属層83aに隣接する一部のソース側柱状半導体層64aは、シリサイド化されて、第1金属層661a(ニッケルシリサイド)となる。また、金属層83bに隣接する一部のドレイン側柱状半導体層64bは、シリサイド化されて、第1金属層661b(ニッケルシリサイド)となる。シリサイド化の後、金属層83a、83bは、硫酸と過酸化水素水溶液の混合液により除去され、再びホール82a、82bが形成される。
【0093】
ここで、図17に示す工程で、ニッケル(Ni)の代わりにチタン(Ti)を金属層83a、83bとして堆積させた後に、図18に示す工程でシリサイド化を実行する場合を考える。この場合、ソース側柱状半導体層64a及びドレイン側柱状半導体層64bに含まれるシリコン原子(Si)は金属層83a、83bへ拡散し、ソース側柱状半導体層64a及びドレイン側柱状半導体層64bに空洞が生じることがある。これに対して、本実施形態のように、ニッケル(Ni)を金属層83a、83bとして堆積させれば、ニッケル原子(Ni)はソース側柱状半導体層64a及びドレイン側柱状半導体層64bへ拡散し、ソース側柱状半導体層64a及びドレイン側柱状半導体層64bに空洞は生じない。
【0094】
図18に示す工程の後、ホール82a、82b内にタングステン(W)を堆積させて、第2金属層662a、662bが形成される。また、第2金属層662a、662bの上面は、CMPにより平坦化される。
【0095】
[効果]
次に、第1実施形態の効果について説明する。ここで、従来技術は、選択トランジスタのゲート端部に高電界を発生させてGIDL電流を生じさせ、消去動作を実行していた。これに対して、第1実施形態は、金属層から流れ込む電子及びホールのうち、ソース側キャリア選択素子PSTr及びドレイン側キャリア選択素子PDTrにより選択的にホールを多数キャリアにすることができる。これによって、第1実施形態は、消去時のホール量を従来技術よりも多く確保できるため、積層数の増加によりメモリトランジスタのボディの容量が大きくなった場合、従来技術よりも確実に消去動作を実行することができる。また、第1実施形態は、従来技術のように高電界を発生させる必要なく消去動作を実行することができる。
【0096】
また、従来技術のように選択トランジスタ自身によりGIDL電流を生じさせる方法ではなく、第1実施形態は、キャリア選択素子により多数キャリアを決定し、選択トランジスタのオン/オフ制御によりその多数キャリアを流す方法を採用している。したがって、第1実施形態は、印加電圧の極性において消去動作を書込み動作の裏返しの動作とすることにより、特定のセルの電荷蓄積層に対して選択的にホールを注入することが可能となる。すなわち、第1実施形態は、従来のブロック単位の消去ではなく、選択したセルを消去することができ、これによりメモリの低消費電力化と高信頼化を実現できる。
【0097】
また、上述したように2×n個のソース側キャリア選択素子PSTr及びドレイン側キャリア選択素子PDTrのゲートは、1本のキャリア選択線PLに共通接続されている。したがって、第1実施形態は、キャリア選択線PLを駆動する際に使用されるドライバの数を削減し、不揮発性半導体記憶装置の占有面積を縮小化することができる。
【0098】
[第2実施形態]
[構成]
次に、図19を参照して、第2実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。図19は、第2実施形態に係るメモリセルアレイ11を示す拡大断面図である。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0099】
第2実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、図19に示すように第1実施形態の構成(図6参照)に加えて、ソース側柱状半導体層64aの上面に形成されたP型拡散層641a、及びN型拡散層642aを有する。また、不揮発性半導体記憶装置は、ドレイン側柱状半導体層64bの上面に形成されたP型拡散層641b、及びN型拡散層642bを有する。
【0100】
また、第1金属層661aのフェルミ準位は、P型拡散層641aのフェルミ準位とN型拡散層642aのフェルミ準位の間にある。また、第1金属層661bのフェルミ準位は、P型拡散層641bのフェルミ準位とN型拡散層642bのフェルミ準位の間にある。
【0101】
[製造方法]
次に、第2実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明する。第2実施形態においては、第1実施形態の図16に示す工程の後、内部絶縁層65a、65bの上面近傍のソース側柱状半導体層64a及びドレイン側柱状半導体層64bの一部分に対して斜めイオン注入が実行される。この工程によって、P型拡散層641a、641b、及びN型拡散層642a、642bが形成される。続いて、P型拡散層641a、641b、及びN型拡散層642a、642bは、加熱処理(1000℃、1sec程度)により、それらに含まれる不純物を活性化される。そして、ソース側柱状半導体層64a及びドレイン側柱状半導体層64bの表面の酸化膜は、稀釈フッ酸溶液により除去される。
【0102】
[効果]
第2実施形態は、第1実施形態と同様の構成を有し、第1実施形態と同様の動作を実行する。したがって、第2実施形態は、第1実施形態と同一の効果を奏する。更に、第2実施形態は、上記のように、P型拡散層641a、641b、及びN型拡散層642a、642bを有する。そして、第1金属層661aのフェルミ準位は、P型拡散層641aのフェルミ準位とN型拡散層642aのフェルミ準位の間にあり、第1金属層661bのフェルミ準位は、P型拡散層641bのフェルミ準位とN型拡散層642bのフェルミ準位の間にある。すなわち、第2実施形態の第1金属層661a、661bを構成する材料、濃度などが第1実施形態よりも正確に決定されなくとも、第2実施形態は、第1実施形態よりも電流を増大させ、高速に書込動作・読出動作・消去動作を実行することができる。
【0103】
[第3実施形態]
[構成]
次に、図20を参照して、第3実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。図20は、第3実施形態に係るメモリセルアレイ11を示す拡大断面図である。なお、第3実施形態において、第1及び第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0104】
第3実施形態において、図20に示すように、ソース側柱状半導体層64aの上面と内部絶縁層65aの上面は、ソース側導電層61aの下面から高さH2の位置に揃って位置する。また、ドレイン側柱状半導体層64bの上面と内部絶縁層65bの上面は、ドレイン側導電層61bの下面から高さH2の位置に揃って位置する。また、第2実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1実施形態の金属層66a、66bの代わりに、金属層67a、67bを有する。これらの点で、第3実施形態は、第2実施形態と異なる。
【0105】
金属層67aは、ソース側柱状半導体層64aの上面と内部絶縁層65aの上面、及びソース側ゲート絶縁層63aの側面に接するように積層方向に延びる柱状に形成されている。金属層67aは、ソース側ホール62aを埋めるように形成されている。金属層67aは、ソース側柱状半導体層64aと電気的に接続している。金属層67aは、例えば、ニッケルシリサイド(NiSi)にて構成されている。
【0106】
金属層67bは、ドレイン側柱状半導体層64bの上面と内部絶縁層65bの上面、及びドレイン側ゲート絶縁層63bの側面に接するように積層方向に延びる柱状に形成されている。金属層67bは、ドレイン側ホール62bを埋めるように形成されている。金属層67bは、ドレイン側柱状半導体層64bとオーム性接触している。金属層67bは、例えば、ニッケルシリサイド(NiSi)にて構成されている。
【0107】
[製造方法]
次に、第3実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について図21を参照して説明する。第3実施形態においては、第1実施形態の図16に示す工程の代わりに、図21に示す工程が実行される。すなわち、図21に示すように、内部絶縁層65a、65b、ソース側柱状半導体層64a及びドレイン側柱状半導体層64bの上面がソース側導電層61の下面から高さH2に位置するまで、内部絶縁層65a、65b、ソース側柱状半導体層64a及びドレイン側柱状半導体層64bを掘り下げてホール84a、84bが形成される。
【0108】
図21に示す工程の後、ホール84a、84bを埋めるように金属層67a、67bが形成される。
【0109】
[効果]
第3実施形態は、第1実施形態と同様の構成を有し、第1実施形態と同様の動作を実行する。したがって、第3実施形態は、第1実施形態と同一の効果を奏する。更に、第3実施形態は、第1実施形態よりも製造工程を簡略化することができ、製造コストを抑えることができる。
【0110】
[第4実施形態]
[構成]
次に、図22を参照して、第4実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。図22は、第4実施形態に係るメモリセルアレイ11を示す拡大断面図である。なお、第4実施形態において、第1乃至第3実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0111】
第4実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、図22に示すように第3実施形態の構成(図20参照)に加えて、ソース側柱状半導体層64aの上面に形成されたP型拡散層641a、及びN型拡散層642aを有する。また、不揮発性半導体記憶装置は、ドレイン側柱状半導体層64bの上面に形成されたP型拡散層641b、及びN型拡散層642bを有する。
【0112】
また、金属層67aのフェルミ準位は、P型拡散層641aのフェルミ準位とN型拡散層642aのフェルミ準位の間にある。また、金属層67bのフェルミ準位は、P型拡散層641bのフェルミ準位とN型拡散層642bのフェルミ準位の間にある。
【0113】
[製造方法]
次に、第4実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明する。第4実施形態においては、第3実施形態の図21に示す工程の後、内部絶縁層65a、65bの上面近傍のソース側柱状半導体層64a及びドレイン側柱状半導体層64bの一部分に対して斜めイオン注入が実行される。この工程によって、P型拡散層641a、641b、及びN型拡散層642a、642bが形成される。
【0114】
[効果]
第4実施形態は、第1〜第3実施形態と同様の構成を有し、第1実施形態と同様の動作を実行する。したがって、第4実施形態は、第1〜第3実施形態と同様の構成を有する。
【0115】
[第5実施形態]
[構成]
次に、第5実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。なお、第5実施形態において、第1乃至第4実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0116】
第5実施形態において、メモリ半導体層44、ソース側柱状半導体層54a、64a、及びドレイン側柱状半導体層54b、64bは、ゲルマニウム(Ge)又はシリコンゲルマニウム(SiGe)にて構成されており、この点で第1乃至第4実施形態と異なる。
【0117】
[動作]
次に、図23を参照して、第5実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の読出動作について実行する。制御回路12は、図23に示すように、キャリア選択線PLに負の電圧−Vnegを印加する。これにより、メモリトランジスタMTr1〜8、バックゲートトランジスタBTr、ドレイン側選択トランジスタSDTr、及びソース側選択トランジスタSSTrは、PMOSトランジスタとして働く。
【0118】
そして、制御回路12は、図23に示すように、1行目のビット線BL(1)に電源電圧Vddを印加する。また、制御回路12は、ソース線SLには接地電圧Vssを印加する。更に、制御回路12は、1列目のソース側選択ゲート線SGS(1)及びドレイン側選択ゲート線SGD(1)に接地電圧Vssを印加する一方、2列目のソース側選択ゲート線SGS(2)及びドレイン側選択ゲート線SGD(2)に電源電圧Vddを印加する。制御回路12は、1列目のワード線WL1(1)、3(1)〜8(1)に負のリード電圧−Vread(例えば、−5V)を印加する一方、1列目のワード線WL2(1)に接地電圧Vssを印加する。制御回路12は、バックゲート線BGに負のリード電圧−Vreadを印加する。
【0119】
以上の電圧制御により、制御回路12は、メモリトランジスタMTr2(1,1)を介してビット線BL(1)からソース線SLに電流が流れるか否かを検知して、メモリトランジスタMTr2(1,1)のデータを読み出す。なお、第5実施形態の制御回路12は、書込動作及び消去動作においては第1実施形態と同様の制御を実行する。
【0120】
[効果]
第5実施形態は、第1実施形態と同様の構成を有し、第1実施形態と同様の動作を実行する。したがって、第5実施形態は、第1実施形態と同一の効果を奏する。
【0121】
[第6実施形態]
[構成]
次に、図24を参照して、第6実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。図24は、第6実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の積層構造を示す拡大断面図である。なお、第6実施形態において、第1乃至第5実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0122】
第6実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、図24に示すように、内部絶縁層45、55a、55b、65a、65bを有しておらず、メモリ半導体層44、ソース側柱状半導体層54a、64a、ドレイン側柱状半導体層54b、64bは、中空Agを有する。この点で、第6実施形態は、第1乃至第5実施形態と異なる。
【0123】
[効果]
第6実施形態は、第1実施形態と同様の構成を有し、第1実施形態と同様の動作を実行する。したがって、第6実施形態は、第1実施形態と同一の効果を奏する。
【0124】
[第7実施形態]
[構成]
次に、図25を参照して、第7実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。図25は、第7実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の積層構造を示す拡大断面図である。なお、第7実施形態において、第1乃至第6実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0125】
第7実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、図25に示すように、内部絶縁層45、55a、55b、65a、65bを有していない。また、メモリ半導体層44、ソース側柱状半導体層54a、64a、ドレイン側柱状半導体層54b、64bは、中空Agを持たず、バックゲートホール32、メモリホール42、ソース側ホール52a、62a、及びドレイン側ホール52b、62bを埋めるように形成されている。
【0126】
[効果]
第7実施形態は、第1実施形態と同様の構成を有し、第1実施形態と同様の動作を実行する。したがって、第7実施形態は、第1実施形態と同一の効果を奏する。
【0127】
[第8実施形態]
[構成]
次に、図26を参照して、第8実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。図26は、第8実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の積層構造を示す斜視図である。なお、第8実施形態において、第1乃至第7実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0128】
ここで、上記第1乃至第7実施形態において、メモリ半導体層44は、ロウ方向からみて積層方向に延びるU字状に形成されている。これに対して、第8実施形態に係るメモリ半導体層44Cは、図26に示すように、ロウ方向及びカラム方向からみてI字状(柱状)に形成されている。ワード線導電層41Ca〜41Cdは、メモリブロックMB毎に分断され、ロウ方向及びカラム方向に並ぶメモリ柱状半導体層44Cをメモリゲート絶縁層43を介して取り囲むように板状に形成されている
【0129】
また、ソース側柱状半導体層54Caは、メモリ柱状半導体層44Cの下面から積層方向に延びるように形成されている。ドレイン側柱状半導体層54Cbは、メモリ柱状半導体層44Cの上面から積層方向に延びるように形成されている。ソース側導電層51Caは、ソース側ゲート絶縁層53aを介してロウ方向に1列に並ぶソース側柱状半導体層54Caを取り囲むようにストライプ状に形成されている。ドレイン側導電層51Cbは、ドレイン側ゲート絶縁層53bを介してロウ方向に1列に並ぶドレイン側柱状半導体層54Cbを取り囲むようにストライプ状に形成されている。
【0130】
ソース側柱状半導体層64Caは、ソース側柱状半導体層54Caの下面から積層方向に延びるように形成されている。ドレイン側柱状半導体層64Cbは、ドレイン側柱状半導体層54Cbの上面から積層方向に延びるように形成されている。ソース側導電層61Caは、ソース側ゲート絶縁層63aを介してロウ方向及びカラム方向に並ぶソース側柱状半導体層64Caを取り囲むように形成されている。ソース側導電層61Caは、積層方向からみて矩形板状に形成されている。ドレイン側導電層61Cbは、ドレイン側ゲート絶縁層63bを介してロウ方向及びカラム方向に並ぶドレイン側柱状半導体層64Cbを取り囲むように形成されている。ドレイン側導電層61Cbは、積層方向からみて矩形板状に形成されている。
【0131】
また、基板20の上面であって、ソース側柱状半導体層64Caと整合する位置には、拡散層71Cが形成されている。拡散層71Cは、ソース線SLとして機能する。ビット線層72Cは、ドレイン側柱状半導体層64Cbの上面に接するように形成されている。
【0132】
[効果]
第8実施形態は、第1実施形態と同様の構成を有し、第1実施形態と同様の動作を実行する。したがって、第8実施形態は、第1実施形態と同一の効果を奏する。
【0133】
[その他の実施形態]
以上、不揮発性半導体記憶装置の実施形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、追加、置換等が可能である。例えば、第1実施形態及び第3実施形態において、第1金属層661a、661b、金属層67a、67bを構成する材料は、それぞれニッケルシリサイド(NiSi)に限らず、ソース側柱状半導体層64a、ドレイン側柱状半導体層64bとオーム性接触する材料であれば良い。
【符号の説明】
【0134】
11…メモリセルアレイ、 MB…メモリブロック、 MS…メモリストリング、 MTr1〜MTr8…メモリトランジスタ、 SSTr…ソース側選択トランジスタ、 SDTr…ドレイン側選択トランジスタ、 PSTr…ソース側キャリア選択素子、 PDTr…ドレイン側キャリア選択素子、 BTr…バックゲートトランジスタ、 12…制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された複数のメモリトランジスタを含むメモリストリングと、
前記メモリストリングの一端に一端を接続された選択トランジスタと、
前記選択トランジスタの他端に一端を接続され且つ前記メモリトランジスタ、前記選択トランジスタのボディを流れる多数キャリアを選択するキャリア選択素子と、
前記メモリストリング、前記選択トランジスタ、及び前記キャリア選択素子の状態を制御する制御回路とを備え、
前記選択トランジスタは、
前記基板に対して垂直方向に延び前記選択トランジスタのボディとして機能する第2半導体層と、
前記第2半導体層を取り囲むように形成された第1ゲート絶縁層と、
前記第1ゲート絶縁層を介して前記第2半導体層を取り囲み、前記基板に対して平行方向に延びるように形成されて前記選択トランジスタのゲートとして機能する第2導電層とを備え、
前記キャリア選択素子は、
前記基板に対して垂直方向に延び前記キャリア選択素子のボディとして機能する第3半導体層と、
前記第3半導体層の上面から前記基板に対して垂直方向に延びる金属層と、
前記第3半導体層及び前記金属層を取り囲むように形成された第2ゲート絶縁層と、
前記第2ゲート絶縁層を介して前記第3半導体層及び前記金属層を取り囲み、前記基板に対して平行方向に延びるように形成されて前記キャリア選択素子のゲートとして機能する第3導電層とを備える
ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記メモリストリングは、
基板に対して垂直方向に延びる柱状部を有して前記メモリトランジスタのボディとして機能する第1半導体層と、
前記柱状部を取り囲むように形成され、電荷を蓄積することにより前記メモリトランジスタの閾値電圧を変化させる電荷蓄積層と、
前記電荷蓄積層を介して前記柱状部を取り囲み、前記基板に対して平行方向に延びるように形成されて前記メモリトランジスタのゲートとして機能する第1導電層とを備える
ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記制御回路は、
前記メモリトランジスタに対して書込動作を実行する際に前記キャリア選択素子のゲートに正の電圧を印加することにより前記多数キャリアを電子とし、前記メモリトランジスタに対して消去動作を実行する際に前記キャリア選択素子のゲートに負の電圧を印加することにより前記多数キャリアをホールとする
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
前記キャリア選択素子は、
前記第3半導体層の上面に形成されたP型拡散層、及びN型拡散層を更に有し、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
前記基板に平行な面内においてマトリクス状に配置された複数の前記キャリア選択素子のゲートに共通接続された配線を更に備え、
1つの前記第3導電層は、前記基板に平行な面内においてマトリクス状に配置された複数の前記第3半導体層及び前記金属層を取り囲むように形成され、且つ前記配線として機能する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
前記金属層は、シリサイドを含む
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項7】
前記金属層は、ニッケルシリサイドにて構成されている
ことを特徴とする請求項6記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第3半導体層は、ゲルマニウム又はシリコンゲルマニウムにて構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項9】
前記制御回路は、
前記メモリトランジスタに対して読出動作を実行する際に前記キャリア選択素子のゲートに負の電圧を印加することにより前記多数キャリアをホールとする
ことを特徴とする請求項8記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第3半導体層は、多結晶シリコンにて構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項11】
前記制御回路は、
前記メモリトランジスタに対して読出動作を実行する際に前記キャリア選択素子のゲートに正の電圧を印加することにより前記多数キャリアを電子とする
ことを特徴とする請求項10記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項12】
前記第3導電層は、前記基板に対して垂直方向からみて櫛状、又は矩形板状に形成されている
ことを特徴とする請求項5記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項13】
前記第1半導体層は、一対の前記柱状部の下端を連結する連結部を更に備える
ことを特徴とする請求項2記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項14】
前記第1半導体層、前記第2半導体層、及び前記第3半導体層は、中空を有する
ことを特徴とする請求項2記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項15】
前記制御回路は、前記消去動作時、選択した前記メモリストリングに含まれる選択した前記メモリトランジスタに記憶されたデータを選択的に消去する
ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項16】
複数の第1導電層、第2導電層、及び第3導電層を積層させ、
複数の前記第1導電層、前記第2導電層、及び前記第3導電層を貫通するホールを形成し、
前記ホールに面する複数の前記第1導電層、前記第2導電層、及び前記第3導電層の側面に、それぞれ第1ゲート絶縁層、第2ゲート絶縁層、及び第3ゲート絶縁層を形成し、
前記ホールに面する前記第1ゲート絶縁層、及び前記第2ゲート絶縁層の側面に、それぞれ第1半導体層、及び第2半導体層を形成すると共に、前記第3導電層の下面から前記第3導電層の上面の間の所定位置まで前記ホールに面する前記第3ゲート絶縁層の側面に第3半導体層を形成し、
前記所定位置から上層に前記ホールに面する前記第3ゲート絶縁層の側面に金属層を形成する
ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項17】
前記金属層を形成する前に前記所定位置から上層に更に前記第3半導体層を形成し、
前記所定位置から上層に位置する前記第3半導体層をシリサイド化して、前記金属層を形成する
ことを特徴とする請求項16記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項18】
前記金属層は、ニッケルシリサイドにて構成されている
ことを特徴とする請求項17記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項19】
前記第3半導体層の上面にイオン注入を行い、N型拡散層及びP型拡散層を形成する
ことを特徴とする請求項16記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1半導体層、前記第2半導体層、及び前記第3半導体層は、多結晶シリコン、ゲルマニウム、及びシリコンゲルマニウムのいずれかにて構成されている
ことを特徴とする請求項16記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公開番号】特開2012−23091(P2012−23091A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157822(P2010−157822)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】