説明

交通情報提供システム、交通情報提供装置、ナビゲーション装置及び交通情報提供方法

【課題】交差点を通過するための詳細な情報、特に交差点を右折して通過するための詳細な情報である信号待ち回数、対向車通過による待ち時間等をドライバに提供すること。
すること。
【解決手段】収集車載装置200は、道路を走行する車両に搭載され、収集車の位置情報、時刻情報及び車速情報、前記道路に設置される信号の信号状態情報を取得する。この収集車載装置200が取得した情報は、交通情報提供装置300に送信される。交通情報提供装置300では、交通情報生成部350が、収集車載装置200から送信される情報と、前記地図情報記憶手段の前記地図情報とを用いて、交差点を右折する際の信号待ち回数及び対向車待ち時間を含む交通情報を生成する。生成された交通情報は、ナビゲーション装置400で用いられて、表示装置480に対向車待ち時間が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の車両から収集した情報を用いて交通情報を提供する交通情報提供システム、交通情報提供装置、ナビゲーション装置、交通情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車に搭載された車載端末を介して交通情報センタから所定エリアに関する交通情報データをドライバに提供する交通情報提供システムとして、例えば、特許文献1に示すものが知られている。
【0003】
この交通情報提供システムでは、車載装置は、車両の位置付近における交通情報データを自動又は手動で情報センタに提供する。この交通情報データを受けた情報センタは、受信した交通情報データを基に交通情報データベースを形成している。そして、車載装置から、所定領域に関する交通情報データの検索要求があると、情報センタは、データベースの中から、検索要求に応じて所定領域に関する交通情報データを検索し、検索された所定領域に関する交通情報データを、送信要求を発行した車載装置に対して送信する。
【0004】
このように、特許文献1では、情報センタは、車載装置を搭載している車両の位置付近の交通情報データを収集し、データベース化し、車両からの要求に応じて必要な交通情報データを車両に提供している。
【0005】
なお、交通情報データには、交差点などでの左折、右折の待ち時間データも含まれている。これら右左折の待ち時間データは、車載装置において、方向指示器をオンした状態で車速が一定以下である時間を左折および右折の待ち時間として生成して、情報センタに送信し、情報センタにおいて、送信された待ち時間を基に左折および右折の待ち時間の平均を計算することによって算出されている。
【0006】
また、特許文献2に示すように、路側機から送信される信号の時間情報を用いて、交通情報をドライバに提供する車載端末(ナビゲーション装置)が知られている。
【0007】
特許文献2のナビゲーション装置は、路側機から受信した信号の時間情報と、自車位置、1回の青信号で移動する距離より、自車が何回目の青信号で信号機を通過することができるかどうかを算出する。この算出結果を用いて、ナビゲーション装置は、「あと信号○回で渡れます」等の表示を行い、ドライバに対して事前に右左折待ち時間、信号待ち回数を提示する。このように、ナビゲーション装置は、ドライバに対して、より具体的な経路選択のサポートを行い、ドライバの運転に余裕を持たせることで安全運転の向上を図っている。
【特許文献1】特開平11−328580号公報
【特許文献2】特開2004−205389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、交通情報提供システムを用いてドライバに提供する交通情報として交差点における待ち時間についての情報をより詳細に提供したいという要望がある。
【0009】
しかしながら、特許文献1の従来の交通情報提供システムでは、交差点における右左折に要する全体の時間に関する情報は入手できるものの、交差点を通過するための詳細な情報である信号待ち回数、進路上の歩行者通過を含む対向車通過による待ち時間等を提供できないという問題がある。
【0010】
また、特許文献2では、特許文献1と異なり、交差点を通過するための信号待ち回数を算出して、ドライバに提供できる。
【0011】
しかし、この特許文献2の構成では、信号1サイクル分移動しないと待ち回数が算出できず、進行方向別に複数レーンが存在するような場合、自車が交差点において進行する方向(脱出道路)への待ち時間しか算出できない。特に、交差点において、進行方向別にレーンが増加する場合、1回の青信号で移動する距離が変わってくるため待ち回数に誤差が生じ、特に右折時に発生する進路上の歩行者通過を含む対向車通過のための待ち時間が算出できず、対向車通過による待ち時間をドライバに提供できないという問題があった。
【0012】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、交差点を通過するための詳細な情報である信号待ち回数、進路上の歩行者通過を含む対向車通過による待ち時間等をドライバに提供できる交通情報提供システム、交通情報提供装置、ナビゲーション装置及び交通情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の交通情報提供システムは、道路を走行する車両に搭載され、前記車両の位置情報、時刻情報及び車速情報を取得する車両情報取得手段と、前記道路に設置される信号の信号状態情報を検知する信号状態検知手段と、前記走行情報取得手段及び信号状態検知手段により得た情報を送信する通信手段とを具備する車載装置と、前記車載装置の前記通信手段から送信される情報を受信する受信手段と、地図情報が記憶された地図情報記憶手段と、前記通信手段が受信した前記車載装置からの情報及び前記地図情報記憶手段の前記地図情報を用いて、交差点を右折する際の対向車待ち時間を含む交通情報を生成する交通情報生成手段とを具備する交通情報提供装置と、前記交通情報提供装置により生成された前記交通情報を用いて、前記対向車待ち時間を表示するナビゲーション装置とを有する構成を採る。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、ドライバに対して、任意の交差点の任意の進行方向に対して、事前に正確な右折待ち時間における信号待ち回数及び対向車待ち時間を提示することで、渋滞時のよりよい経路選択のサポートし、運転者の運転に余裕を持たせることで安全運転のサポートをすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態に係る交通情報提供システム100の概略構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示す交通情報提供システム100は、収集車載装置200、交通情報提供装置300及びナビゲーション装置400を有する。この交通情報提供システム100では、複数の収集車載装置200が交通情報を収集して交通情報提供装置300に送信し、交通情報提供装置300では、収集した交通情報を管理するとともに、ナビゲーション装置400に提供する交通情報を生成する。生成された交通情報は、ナビゲーション装置400においてドライバに提供される。
【0018】
収集車載装置200は、走行して道路情報、交通情報を収集可能な収集車両に搭載され、交通情報提供装置300からナビゲーション装置400に提供される交通情報の情報を収集する。
【0019】
収集車載装置200は、収集車両の位置及び時刻、車速等を検出する車両情報取得部210と、信号状態を検知する信号検知部220と、これらの情報を交通情報提供装置300に送信する通信部230と、各部を制御する制御部240とを備えている。
【0020】
車両情報取得部210は、測位部211としてのGPS(Global Positioning System)受信機を有し、更に、車両の回転角度を検出するジャイロなどの角度センサと、一定の走行距離毎にパルスを発生して車両の走行速度、走行距離を測るための車速センサなどとを有してもよい。ここでは、車両情報取得部210は、車速検出部212としての車速センサを備えている。
【0021】
これら、車両情報取得部210では、GPS受信機(測位部)211、車速センサ212等から得られる情報に基づいて、収集車両の軌跡を示す軌跡情報(位置、位置情報を取得した時点の時刻)、車速情報等の情報を算出して、制御部240に出力する。
【0022】
信号検知部220は、車載カメラ等を用いて信号の状態を検知するか、または、路側機より、信号の状態情報、詳細には、交差点手前の信号状態情報を受信して、制御部240に出力する。
【0023】
信号状態情報とは、信号の赤、青、黄等の状態情報であり、言い換えれば、信号における各色情報及び色の継続時間情報である。なお、本実施の形態では、信号検知部220は、車載カメラ等を用いた撮像部221により交差点などに設置された信号機の信号を撮像して、取得した撮像情報から信号の状態を検知する構成としている。撮像情報から、信号の色、色の継続時間等を抽出することができる。
【0024】
また、信号の状態を取得する方法は、これに限らず、信号検知部220が、道路に沿って設置されたアクセスポイントと通信可能な路車間通信装置を備えるものとしてもよい。この場合、例えば、路車間通信装置が、信号機などの設置されたアクセスポイントから青、赤、黄等の信号の色情報とともに、信号の色が何秒後に変化するかという時間情報等も受信するようにしてもよい。
【0025】
この取得した情報に基づいて信号検知部220は、交差点などに設置された信号機の信号状態、つまり、赤、青、黄のそれぞれの表示時間を検知できる。なお、信号検知部220は、これら信号の状態情報を用いて信号の1サイクル時間を示すサイクル時間情報として算出してもよい。つまり、赤、青、黄の色表示の継続時間を合計して1サイクル時間としてもよい。
【0026】
制御部240は、車両情報取得部210及び信号検知部220から入力された情報を関連付け、通信部230を介して交通情報提供装置300に送信する。つまり、制御部240は、収集車載装置200を搭載する収集車が、信号待ち状態を含めて何時何処にどの様な状態でいるかの情報を車両情報取得部210、信号検知部220により収集している。
【0027】
制御部240は、自車位置を車両情報取得部210で測位するとともに、そのときの信号の状態を信号検知部220で検知することによって、走行時における交通情報を関連づけてサンプリングしている。
【0028】
なお、収集車載装置200は、複数の収集車にそれぞれ搭載され、それぞれの収集車において情報を収集し、交通情報提供装置300に送信される。また、収集車載装置200は、交通情報収集専用車両以外からの情報の提供を受けるナビゲーション装置400が搭載された車両に搭載されてもよい。また、収集車載装置200によって、交通情報提供装置300に送信される情報は、例えば所定時間おき、または所定定行距離おきに送信されるように制御部240により制御されていてもよい。
【0029】
交通情報提供装置300は、収集車載装置200を搭載する複数の収集車から送信された車両の位置、時刻等の軌跡情報、車両の速度情報、交差点手前の信号状態情報を含む信号状態情報等の情報を受信し、ナビゲーション装置400に提供する交通情報を生成する。
【0030】
詳細には、交通情報提供装置300は、収集車載装置200との間で情報の送受信を行う通信部310と、地図データ記憶部320と、収集車載装置200からの情報を用いて交通情報としての統計データを生成する交通情報生成部350とを有する。
【0031】
通信部310は、収集車載装置200により収集された情報を受信して、交通情報生成部350に出力する。なお、ナビゲーション装置400が、 交通情報提供装置300により生成された交通情報を受信可能な通信部を有する場合、通信部310は、ナビゲーション装置400の通信部との間で送受信を行う。
【0032】
地図データ記憶部320は、道路に関する情報(道路幅、車線数、道路の長さ等)や、道路に設置される信号機の情報、施設に関する情報(施設の種類、名称、位置、電話番号等)等を格納する地図データを記憶しており、交通情報生成部350により読み出される。なお、地図データは、例えば、道路に関する情報を、道路幅、車線数、道路の長さなどを元に表した数値として有する。
【0033】
交通情報生成部350は、収集車載装置200から送信される情報と、地図データ記憶部320の地図データとに基づいて、地図データの道路に対応する各交通情報を生成する。具体的には、交通情報生成部350は、地図データに対応させて、各交差点の進行方向ごと、日種(曜日、休日か否か)、時間帯ごとに、右左折待ち時間及び、信号待ち回数、信号サイクル時間、対向車待ち時間、信号待ち回数変化地点を統計データとして生成する。
【0034】
図2は、交通情報提供装置300における交通情報生成部350の要部構成の一例を示す図である。
【0035】
図2は、交通情報生成部350が交通情報を生成するにあたり、特徴的な交通情報である、車線毎において交差点を脱出するために必要な待ち時間及び信号待ち回数変化位置を生成する要素を示している。なお、信号待ち回数とは、交差点を直進、又は、右左折するために信号を待つ回数であり、青信号であるにも関わらず直進、又は右左折できなかった回数をいう。
【0036】
交通情報生成部350は、通信部310を介して取得した収集車載装置200から入力される所定場所における車速情報、車両の位置情報、信号状態情報と、地図データ記憶部320から読み出す地図データと、保存部360に格納した情報とを用いて交通情報を生成する。
【0037】
図2に示す交通情報生成部350は、最後尾停車判定部351と、第1停車時間算出部352と、信号サイクル時間算出部353と、右左折完了判定部354と、第二停車時間算出部355と、第一停車位置算出部356と、信号待ち回数算出部357と、統計データ生成部358とを有する。なお、ここでは、各部351〜357における処理は、収集車載装置200を搭載した同一の収集車からの情報に基づいて行う処理として説明する。
【0038】
最後尾停車判定部351は、所定場所、ここでは所定の交差点において収集された車両の位置情報、車速情報及び地図データを用いて、収集車が所定の交差点における車両の列の最後尾として停車したことを判定して第一停車時間算出部352に出力する。
【0039】
第1停車時間算出部352は、最後尾停車判定部351からの最後尾停車判定結果、収集車載装置200により取得された所定場所、ここでは所定の交差点において収集された車両の位置、速度、信号状態情報及び地図データから、所定の交差点手前で最初に停車する停車時間(第一停車時間)を算出する。
【0040】
具体的は、第一停車時間算出部352は、対象となる交差点において軌跡を示す位置情報及びこの位置情報を取得した時刻情報、車速情報によって、最初に停車したときの時刻と、そのときから動き始めるまでの時刻との差を第一停車時間として算出する。なお、この第一停車時間は、最初に停車した位置を、時刻交差点において信号待ちを行う車両の後、あるいは車両の列の最後尾とし、停車してから信号が青に変わり移動するまでの時間としている。
【0041】
第一停車時間算出部352により算出された第一停車時間は、交通情報データベース362に出力されて保存される。交通情報データベース362では、第一停車時間は、情報源となる収集車からの他の情報から算出した情報(信号サイクル情報、第二停車時間)とともに、同一の収集車の情報として纏めて車両走行情報(図2では、「車両a、b、i」で示す)として保存される。
【0042】
信号サイクル時間算出部353は、入力される信号状態情報(赤の継続時間、青の継続時間、黄の継続時間をそれぞれ示す情報)から、信号が青、黄、赤に変化する1サイクル時間を算出し、交通情報データベース362に出力する。
【0043】
右左折完了判定部354は、交通情報生成部350に入力される情報を用いて、所定の交差点において収集車が右左折を完了したことを判定する。具体的には、右左折完了判定部354は、信号サイクル推定時間、地図データ、車両の位置情報及び車速情報から、所定の場所である交差点において、収集車の自車位置が脱出道路上に存在するか否かを判定して、第二停車時間算出部354に出力する。
【0044】
第二停車時間算出部355は、車両の位置情報、車両の速度、信号状態情報、地図データ、算出した信号サイクル、右左折完了判定結果等を用いて、右左折直前に信号が青に変わってから右左折完了するまでの時間である第二停車時間を算出する。
【0045】
第二停車時間は、右左折直前の青信号に変わるまでの信号待ち時間と、右折時などに対向車が通過することにより右折できず、待つ必要がある対向車待ち時間とを含む。この対向車待ち時間には、右左折時に歩行者が横断歩道を渡ることによって待機する必要のある時間等も含めているため、左折時では進路上を歩行者が通過する時間を意味する。
【0046】
このように第二停車時間算出部355において算出された右左折待ち時間は、交通情報データベース362に出力される。
【0047】
これら最後尾停車判定部351、第一停車時間算出部352、信号サイクル時間算出部353、右左完了判定部354、第二停車時間算出部355を用いて、交通情報生成部350では、所定の場所、ここでは所定の交差点を脱出する際の待ち時間が算出される。
【0048】
所定の交差点を脱出する際の待ち時間を「信号待ち時間」と称し、この信号待ち時間は交差点の手前に存在する車の列の最後尾に停車してから、交差点を脱出するまでの時間と定義する。
【0049】
第一停車位置算出部356は、車両の位置情報、地図データ等を用いて、所定場所において最後尾停車した際の実際の位置である第一停車位置を算出して、交通情報データベース362に出力する。例えば、第一停車位置算出部356は、所定の交差点において、収集車が最後尾停車した位置を、交差点の中心からの距離で示し、第一停車位置とする。
【0050】
信号待ち回数算出部357は、入力される車両の位置情報、車速情報、信号状態情報から、地図データを用いて、所定の交差点における車線を利用した際の交差点を脱出するのに必要な信号待ち時間を算出し、交通情報データベース362に出力する。
【0051】
これら所定の交差点を脱出する際における第一停車位置及び信号待ち数を用いて交通情報生成部350は信号待ち回数変化位置を算出する。
【0052】
なお、交通情報データベース362では、第一停車位置、信号待ち回数は、情報源となる収集車からの他の情報から算出した情報(信号サイクル情報、第二停車時間、第一停車時間)とともに、同一の収集車の情報として纏めて車両走行情報(図2では、「車両a、b、i」で示す)として保存される。なお、車両走行情報は、交通情報データベース362において収集情報記憶部363に格納される。
【0053】
統計データ生成部358は、交通情報データベース362における車両走行情報「車両a」、「車両b」、「車両i」を用いて、ナビゲーション装置400に提供する交通情報として、各交差点の進行方向毎(車線毎)に、日種(曜日、休日か否か)、時間帯ごとに、右左折待ち時間、信号待ち回数、信号サイクル時間、対向車待ち時間を地図データにリンクした各種の統計データを生成する。
【0054】
つまり、統計データ生成部358において、各算出部352、353、355〜357からの情報、具体的には、交通情報データベース362から取得する情報は、すべて日種、時間帯、車線毎に異なるものである。つまり、統計データ生成部358では、各交差点の進行方向毎(車線毎)に、日種(曜日、休日か否か)、時間帯(所定の時間帯毎)、待ち時間(直進及び右左折待ち時間)、信号待ち回数、信号サイクル時間、対向車待ち時間がそれぞれ平均化され、各種の統計データとして生成される。
【0055】
この統計データ生成部358は、第一停車時間統計情報生成部3581と、信号サイクル統計情報生成部3582と、第二停車時間統計情報生成部3583と、第一停車位置統計情報生成部3584とを有する。
【0056】
第一停車時間統計情報生成部3581は、収集車で収集した所定の場所である所定の交差点における第一停車時間を統計し平均化して、ナビゲーション装置400にて使用される第一停車時間統計情報を生成する。ここでは、第一停車時間統計情報生成部3581により生成された情報は統計情報記憶部364に出力され、格納される。
【0057】
信号サイクル統計情報生成部3582は、収集車で収集した所定の場所である所定の交差点における信号サイクルを統計し平均化して、ナビゲーション装置400にて使用される第一停車時間統計情報を生成する。ここでは、信号サイクル統計情報生成部3582により生成された情報は、統計情報記憶部364に出力され、格納される。
【0058】
第二停車時間統計情報生成部3583は、収集車で収集した所定の場所である所定の交差点における第二停車時間を統計し平均化して、ナビゲーション装置400にて使用される第二停車時間統計情報を生成する。ここでは、第二停車時間統計情報生成部3583により生成された情報は統計情報記憶部364に出力され、格納される。
【0059】
これら第一停車時間統計情報生成部3581、信号サイクル統計情報生成部3582及び第二停車時間統計情報生成部3583によって、ナビゲーション装置400で用いられる「信号待ち時間」が生成される。
【0060】
第一停車位置統計情報生成部3584は、収集車で収集した所定の場所である所定の交差点における第一停車位置を統計し平均化して、交差点毎における、進行方向毎(車線毎)の、日種(曜日、休日か否か)、時間帯(所定の時間帯毎)毎にそれぞれ異なり、ナビゲーション装置400に提供される第一停車位置統計情報を生成する。
【0061】
具体的には、第一停車位置統計情報生成部3584は、交通情報データベース362において格納された走行車両情報のうち、第一停車位置と、信号待ち回数とを用いて、信号待ち回数毎の第一停車位置、つまり交差点手前における信号待ち回数変化地点の統計情報を生成する。
【0062】
この生成は、所定の場所毎において、進行方向毎に、日種、時間帯毎にそれぞれ対応して行なわれ、進行方向毎(車線毎)に、日種(曜日、休日か否か)、時間帯(所定の時間帯毎)における第一停車位置の統計情報生成部が生成される。なお、第一停車位置統計情報生成部3584により生成された情報は統計情報記憶部364に出力されて格納される。
【0063】
また、この統計データ生成部358は、生成した各情報についてナビゲーション装置400の表示装置480での表示パターンを生成してもよい。
【0064】
統計データ生成部358により生成された情報を格納する統計情報記憶部364は、保存部360の交通情報データベース362に設けられる。なお、この保存部360は、ハードディスク等により構成して、交通情報提供装置300内で用いられるものとして保存してもよいし、CD−ROM、DVD等のデータ記憶媒体(「記憶媒体」ともいう)441に書き込む書き込み装置を有する構成としてもよい。ここでは、データ記憶媒体441に書き込み記憶させる構成としている。
【0065】
ナビゲーション装置400は、GPS受信機410、ジャイロ420、車速センサ430、読取装置440、操作スイッチ部450、制御装置460、外部メモリ470、表示装置480などから構成されている。
【0066】
GPS受信機410は、人工衛星からの電波を受信して車両の現在地を示す信号を出力する。ジャイロ420は、車両の進行方位に応じた信号を出力し、車速センサ430は、車速に応じた信号を出力する。
【0067】
読取装置440は、制御装置460により制御され、地図データに対応してなる交通情報提供装置300にて生成された各種の統計データ等を有する交通情報が記憶された記憶媒体441から交通情報を読み取り制御装置460に出力する。
【0068】
なお、記憶媒体441は、ここでは、CD−ROM、DVD等により構成され、交通情報提供装置300にて交通情報の更新がある場合、更新された内容の記憶媒体に代えたリ、更新内容を追加保存することで容易に対応できるものとする。
【0069】
これら読取装置440は、記憶媒体441とともに、記憶媒体441から、交通情報提供装置300にて生成された地図データに対応してなる交通情報を記憶する記憶装置442を構成している。
【0070】
なお、この記憶装置442は、制御装置460からの地図データ及び統計データ読み取り指令に基づき、地図データ記憶媒体から地図データとともに統計データを読み取って制御装置460に出力するものであれば、どのように構成してもよい。例えば、HDD等の記憶媒体で構成し、交通情報提供装置300と通信可能な通信手段を介して取得した交通情報提供装置300の統計情報記憶部364に格納された情報、つまり、統計データ生成部358にて生成された交通情報を格納するようにしてもよい。なお、記憶装置442、ここでは、記憶媒体441に記憶されている地図データ(ここでは記憶装置442に格納した地図データ)には、目的地への経路の設定を行うに必要なデータが含まれている。
【0071】
操作スイッチ部450は、ユーザーにより操作され、その操作に応じてナビゲーションに必要な各種操作信号を出力するもので、表示装置480の画面上で入力操作を行うことができるタッチパネル、および表示装置480の画面周辺に備えられたキー操作部などから構成されている。
【0072】
制御装置460は、マイクロコンピュータ等のコンピュータ手段を含んで構成されており、上記したナビゲーション装置400における各構成要素からの信号に基づいて、ナビゲーションに必要な各種演算処理を実行する。
【0073】
具体的には、制御装置460は、GPS受信機410からの信号およびジャイロ420、車速センサ430からの信号に基づいて車両の現在地を求め、また、記憶装置442に地図データ読み取り指令を出力し地図データを読み込み、地図を表示装置480に表示させる。
【0074】
また、制御装置460は、待ち時間表示制御部462を有し、この待ち時間表示制御部により、記憶装置442に交通情報データ読み取り指令を出力し交通情報データを読み込み、所定の交差点における信号待ち回数、信号待ち時間、対向車待ち時間、右左折待ち時間などの交通情報を表示装置480に表示させる。
【0075】
また、この制御装置460は、目的地が設定されると、目的地への経路を表示装置480に行わせて経路誘導を行う。なお、上記した演算処理に必要な各種プログラムおよびデータは、外部メモリ470に記憶されている。
【0076】
表示装置480は、例えば、車両のインストルメントパネル部に設けられ、車両の現在地を含む道路地図を表示するとともに、経路案内時には上記した経路誘導表示を行う。この表示装置480としては、液晶表示装置、CRT表示装置などを用いることができる。なお、道路地図表示は、表示装置480により道路レイヤ、背景レイヤなどの複数のレイヤにより形成されてもよい。
【0077】
また、表示装置480は、制御装置460の表示制御、特に待ち時間表示制御部462によって、任意の交差点、任意の進行方向に関する右左折待ち時間、右左折待ち時間、信号待ち回数、対向車待ち時間、信号待ち回数変化地点をドライバに表示する。
【0078】
このように構成されるナビゲーション装置400では、ユーザーが経路誘導を行うために目的地を設定するなどの所定の操作を行うと、制御装置460はダイクストラ法等を用いた経路計算を行って出発地から目的地への経路を設定する。
【0079】
その設定した経路は制御装置460により表示装置480に表示され、このとき、制御装置460は、表示装置480に、表示される経路に対応した交通情報を、記憶装置442から読み出して表示する。具体的には制御装置460は、交通情報として、表示装置480に、経路に対応した交差点を表示させた場合、交差点を通過するのに必要な信号待ち回数、信号待ち時間、右折時における対向車待ち時間などを表示させる。
【0080】
次に、本実施の形態に係る交通情報提供システムにおける収集車載装置、交通情報提供装置、ナビゲーション装置について、交通情報を表示する動作を説明する。
【0081】
図1及び図2に示す無線通信システム100では、収集車載装置200において、車両情報取得部210はGPS受信機等を利用することで車両の位置、速度、時刻を検出する。信号検知部220は、車載カメラ等を用いて信号の状態、すなわち信号の色が赤、青、黄色のいずれであるかを検知する。なお、信号検知部220は、路側機より、信号の状態を受信する構成としてもよい。路側機より信号の状態を受信する場合、信号検知部220は、信号の色が何秒後に変化するか、という時間情報を受信する構成としてもよい。
【0082】
収集車載装置200は、車両情報取得部210及び信号検知部220により収集した情報を、制御部240によって通信部230を介して、交通情報提供装置300に送信する。なお、収集車載装置200は、一台の収集車に搭載されたものとしてもよいが、本実施の形態では、複数の収集車に搭載され、それぞれの収集車載装置200から収集した情報を交通情報提供装置300に送信している。これにより、交通情報提供装置300は短時間に大量の交通情報データを収集することができる。
【0083】
交通情報提供装置300では、複数の収集車載装置200から車両の位置、速度等の情報を通信部310で受信して交通情報生成部350に出力する。
【0084】
交通情報生成部350は、これら情報から各交差点の進行方向ごと、日種(曜日、休日か否か)、時間帯ごとに、右左折待ち時間及び、信号待ち回数、信号サイクル時間、対向車待ち時間を平均化して統計データを生成し、地図データに対応させて交通情報を生成する。
【0085】
生成される交通情報は、交通情報データベース362として、統計情報記憶部364に格納される構成としたが、これに限らず、地図データ記憶部320を記憶する記憶部に記憶してもよく、また、統計情報記憶部364、交通情報データベース362、或いは、保存部360自体をRAM、ハードディスク等の読み書き可能な記憶部として保存し、通信部310を介してナビゲーション装置400に送信する構成としてもよい。
【0086】
本実施の形態では、交通情報データベース362を、DVD−ROM等の記憶媒体に記憶し、ナビゲーション装置400に設けられるDVD−ROMドライブなどの読み取り装置に装着して読み出されることにより表示装置480に表示されるものとしている。なお、外部記憶媒体は、光ディスク(CD−R/W、DVD−RAM等)、着脱自在のハードディスク、半導体メモリカード等を用いた記憶装置等でもよい。
【0087】
ここで、交通情報提供装置300の交通情報生成部350において所定の場所、ここでは、所定の交差点において信号待ち時間を含む交通情報を生成する処理について具体的に説明する。
【0088】
図3は、交通情報生成部で生成される交通情報の待ち時間を算出する際に用いられる車両情報の算出処理を説明するためのフローチャートである。
【0089】
図3に示すように、交通情報生成部350では、ステップS1において、最後尾停車判定部351が、情報を収集する車両が所定の交差点を脱出する際の最後尾に停車したか否かを判定し、最後尾停車が判定された場合、ステップS2に移行する。
【0090】
ステップS2では、第一停車時間算出部352が、最後尾の停車から信号が青になるまでの時間を算出し、ステップS3に移行する。
【0091】
ステップS3では、信号サイクル時間算出部353が、赤、青、黄と変化するサイクル時間である信号サイクル時間を算出して、ステップS4に移行する。
【0092】
ステップS4では、右左折完了判定部354が、信号サイクル時間、地図データ、車両の位置情報及び車速情報を用いて、当該車両が所定の交差点で右左折を行って交差点から脱出したか否かを判定し、脱出していれば、ステップS5に移行する。
【0093】
ステップS5では、第二停車時間算出部355は、右左折完了判定部354からの判定結果及び、それぞれ関連付けられた車両の位置情報、車両の速度、信号状態情報、地図データ及び算出した信号サイクルを用いて、交差点を脱出したときから逆算して、右左折直前に信号が青になってから右左折するまで、対向車待ち時間を含む第二停車時間を算出する。
【0094】
このようにして、収集車毎に、第一停車時間、信号サイクル時間、第二停車時間が、車両走行情報(図2では、「車両a、b、i」で示す)として収集情報記憶部363に記憶される。この記憶された情報を用いて、統計データ生成部358は、第一停車時間、信号サイクル時間、第二停車時間のそれぞれの統計データを生成する。そして、生成した統計データを用いて、交通情報生成部350は、信号待ち時間(第一停車時間+信号サイクル時間×N(サイクル回数)+対向車待ち時間を含む第二停車時間)を算出する。
【0095】
また、交通情報生成部350では、待ち回数変化位置を算出する際の処理は、まず、第一停車位置算出部356で第一停車位置を算出した後で、第一停車位置を用いて信号待ち回数算出部357で、所定の交差点を脱出するまでの信号待ち回数を算出する。第一停車位置算出部356及び信号待ち回数算出部357は、算出された第一停車位置と信号待ち回数を、交通情報データベース362の収集情報記憶部363に記憶する。この記憶された第一停車位置と信号待ち回数とを用いて第一停車位置統計情報生成部3584にて統計データとしての信号待ち回数毎の第一停車位置、つまり、待ち回数変化地点が生成される。
【0096】
図4は、交通情報提供装置において、生成される交差点の交通情報を説明するための図である。
【0097】
この図で示す交差点の交通情報は、交通情報提供装置300において生成される交通情報は、交通情報生成部350の各判定部351,354、各算出部352,353,355〜357及び統計データ生成部358等により生成される。
【0098】
図4に示すように、先ず、交通情報生成部350では、収集車載装置200から入力される車両の位置情報、速度情報、信号状態情報とを収集情報記憶部363から読み込み、読み込んだ収集車載装置200からの情報を、地図データ記憶部320から読み込んだ、収集車載装置200からの情報に対応する所定の交差点の地図データ上に展開する。
【0099】
交通情報生成部350は、車両の位置情報、速度情報及び信号の状態情報、つまり、赤、青、黄の各状態情報から、所定の交差点における最初の停車位置、信号の待ち回数、信号の1サイクル時間を推定する。
【0100】
図4に示す交差点では、車両の位置、速度、信号状態情報を交通情報提供装置300に送信した収集車は、移動距離を示す矢印A、B、Cで示すように、2回の信号待ちを経て交差点を脱出している。なお、図4では、車両Vが交差点Jを右折で通過するものとし、このとき、車両Vが最後尾に停止してから、矢印A分移動して停止し、次いで矢印B分移動して停止した後、矢印C分移動して交差点を右折で通過(脱出)する場合を示している。図4では、矢印A、B、C移動する際に対応して、検出又は算出した信号状態、車両の信号待ち時間、信号待ち時間A、B、信号サイクル時間等を示している。
【0101】
交通情報提供装置300は、所定の進行方向における信号待ち時間を、初回の停車時間+信号サイクル時間×N(サイクル回数)+対向車待ち時間により算出する。
【0102】
特に、交通情報生成部350は、右左折待ち時間を、初回の停車時間、すなわち最初に最後尾に停車してから、信号が青になって移動を開始するまでの時間と、信号が青から黄色、赤となり再び青になるまでの1サイクルの信号サイクル時間のn倍(nは右左折中の信号待ち回数)と、対向車待ち時間、すなわち最後に信号が青になってから実際に交差点を脱出するまでの時間とを合計して算出する。
【0103】
このように、交通情報提供装置300は、対向車待ち時間を含む信号待ち時間を交差点において進行方向毎に算出する。また、これら信号待ち時間を、日種、時間帯毎に生成し、この信号待ち時間とともに、信号待ち回数変化地点を算出する。
【0104】
このように交通情報生成部350は、車両から得た情報のうち、車両の速度、信号の状態に関する情報を用い、地図データを参照して、前記の初回の停車時間、信号サイクル時間、信号待ち回数n、対向車待ち時間を生成する。これら生成した情報は、収集情報記憶部363に収集車載装置200が搭載された収集車毎の走行車両情報として格納する。
【0105】
そして、交通情報生成部350は、収集情報記憶部363に格納された走行車両情報を用いて、第一停車時間、信号サイクル時間、第二停車時間及び第一停車位置を統計して平均化する。
【0106】
これにより、交通情報生成部350は、地図データ上における各交差点に関する情報として、第一停車時間及び第二停車時間及び信号サイクル時間から交差点を脱出する際の信号待ち時間及び交差点手前の個々の地点において何回の信号待ち回数を必要とするかの情報を生成する。さらに交通情報生成部350は、信号待ち回数毎の第一停車位置から、交差点手前での信号待ち回数変化地点を算出する。
【0107】
このように生成された各種の統計データ、つまり信号待ち時間を含む交通情報は、ナビゲーション装置400の読取装置440において読み取られる記憶媒体441に保存される。
【0108】
なお、記憶媒体には、統計データとともに統計データにリンクする地図データが保存されている。
【0109】
ナビゲーション装置400では、読み取り部に装着される記憶媒体に保存された情報は制御装置により読み取られ、表示装置480を介して、任意の交差点、任意の進行方向に関する右左折待ち時間、信号サイクル時間、信号待ち回数、対向車待ち時間、信号待ち回数変化地点をドライバに表示する。
【0110】
図5は、ナビゲーション装置400の表示装置480に表示される交通情報の一例を示す図である。
【0111】
図5に示す表示装置480の表示画面700では、制御装置460(図1参照)は、自車両の現在位置に対応する地図データを、読取装置440を介して記憶媒体441から読み出し、読み出した地図データ701に対応する交通情報720を地図とともに表示している。表示画面700における交通情報720は、制御装置460における待ち時間表示制御部462により表示制御される。
【0112】
図5の表示画面700には、3車線の交差点が表示され、表示画面700は、表示している地図に対応する交通情報(詳細には待ち情報)720として、進行方向ごとの信号待ち回数721、対向車待ち時間725をナビゲーション装置400の利用者であるドライバに表示している。
【0113】
つまり、制御装置460の待ち時間表示制御部462(図1参照)は、表示画面700に交差点において車線毎に、車線上に信号待ち回数及び信号待ち時間を表示させる。なお、この表示は、通過する予定の交差点に進入する前、つまり、予定の交差点より所定距離前、例えば500m手前から表示されるように制御装置460により制御されている。
【0114】
図5に示す表示画面700では、信号待ち時間721及び対向車待ち時間725からなる待ち情報720は、表示されている地図を含むナビゲーション画面(経路案内情報)上において、それぞれの車線上に、車線に対応する待ち時間として重畳表示されている。
【0115】
待ち情報720である信号待ち時間721及び対向車待ち時間725は、表示画面700において、それぞれ対応する車線上に積層した状態で表示されている。待ち情報720としては、それぞれの車線において、一番下の層が1回目の信号待ち時間721a、その上の層が2回目の信号待ち時間721b、その上の層が対向車待ち時間725を示している。ここでは、信号の待ち時間の上に対向車待ち時間が表示されている。
【0116】
交差点は、片道3車線を有し、進行方向左側の車線は、直進及び左折レーンであり、このレーンを走行して交差点を通過する際にかかる時間として1回目の信号待ち時間20秒が表示されている。
【0117】
また、進行方向中央の車線は直進レーンであり、このレーンを走行して交差点を通過する際にかかる時間は20秒として表示されている。さらに、進行方向右側の車線は右折レーンであり、この右折レーンを走行して交差点を通過する際にかかる時間は、1回目の信号待ち時間30秒+2回目の信号待ち時間40秒+対向車待ち時間等の20秒として表示されている。
【0118】
図5に示す交差点では、左折、直進でそれぞれ交差点を通過するのに、一回の信号待ちで20秒かかり、右折で通過する場合、1回目の信号待ち時間721aである30秒と、2回目の信号待ち時間721bと対向車待ち時間725を合わせた計1分30秒かかることを表示している。
【0119】
図6は、図5の表示画面700において、右折して交差点を通過する際の表示と信号状態との関係を示す図である。
【0120】
図6に示すように、図5に示す交差点を右折して通過、つまり脱出する際には、交差点において右折車線の最後尾に停車してから信号待ち時間として、90秒後に右折完了し、その間信号が赤に2回変わっている。
【0121】
なお、表示装置480に表示される画面における信号待ち時間、対向車待ち時間は、時間の経過とともにカウントダウンし、その時点において実際に待つ時間を表示する。
【0122】
このとき、信号の待ち時間も消費されていくため、1回目の信号待ちを終えると、最下層の1回目の信号待ち時間のアイコンが消える。この1回目の信号待ちアイコンが消えた後、1回目の信号待ちアイコンの上部にある2回目の信号待ちアイコンを先の1回目の信号待ち時間アイコンの表示位置に移動するように表示してもよい。なお、この表示制御は、待ち時間表示制御部462によって行われ、待ち時間表示制御部462は、統計データ生成部358にて生成された第一停車時間、第二停車時間及び第一停車位置に対応するアイコンを生成して表示装置480の表示画面に表示するものとする。
【0123】
図7は、待ち時間表示制御部462による信号待ち回数変化地点の表示方法の一例を示している。図7は、ナビゲーション装置400における操作スイッチ部450の操作を介して、信号待ち回数変化地点表示の選択を行うことにより表示されるように制御されている。
【0124】
図7に示す表示画面800では、進行方向ごとに、信号待ち時間(待ち情報)720に加えて、信号待ち時間720が表示されるナビゲーション画面領域750に隣接して、交差点までの残距離760とともに、信号待ち回数変化地点770が表示されるサブ表示領域780が配置され、ドライバに提供している。
【0125】
交差点までの残距離760及び信号待ち回数変化地点770のサブ表示領域780では、自車位置790が、車線にける交差点の中心までの残距離表示760の上に重畳表示され、ナビゲーション装置400を備えた車両の移動に対応して残距離表示上を移動する。これにより、ドライバは、あと何回信号待ちをしなければならないかということを車両の移動毎に知ることができる。
【0126】
この表示画面800における待ち情報720の信号待ち時間と、信号待ち回数及び残距離は同期しており、信号の待ち時間が減少する度に、信号待ち回数及び残距離も減少する。
【0127】
図8は、待ち時間表示制御部462による信号待ち回数変化地点の表示方法の一例を示している。図8は、ナビゲーション装置400における操作スイッチ部450の操作を介して、信号待ち回数変化地点表示の選択を行うことによって表示されるように制御されている。
【0128】
図8に示す表示画面800aでは、図7に示す表示画面800のサブ表示領域780において、信号回数変化地点770の表示に重畳して車線毎の渋滞状況を示す渋滞ライン765が表示されている。この渋滞ライン765の長さは、残距離760で示される交差点までの距離の表示に対応して表示されている。これにより、ドライバは、交差点手前で、渋滞ライン770を見るだけで車線毎の渋滞状況の長さを直感的に容易に確認できる。なお、表示画面800aに示すような渋滞ライン765は、車線毎の渋滞ラインの情報が含まれた交通情報を制御装置460が読み出して待ち時間表示制御部462により表示装置480に表示させる処理を行うことによって表示される。
【0129】
このときの交通情報には、交通情報生成部350において、入力される収集車載装置200からの情報から生成された車線毎の渋滞ライン情報が含まれる。
【0130】
このように本実施の形態によれば、交通情報を生成するための車両の軌跡情報(位置、速度、信号状態情報)を収集車載装置200で収集し、交通情報提供装置300に送信する。これにより、交通情報提供装置300は、統計データに基づく交通情報を生成し、ナビゲーション装置400において活用している。
【0131】
このため、交通情報提供装置300では、実際にその交差点手前を通過しなくても交差点を通過するための信号待ち回数の算出、進行する方向(脱出道路)以外の待ち時間の算出等を行うことができる。また、進行方向別にレーンが増加する場合でも正確な待ち回数を算出できる。さらに、待ち回数が変わる地点の算出、特に右折時に発生する進路上の歩行者通過を含む対向車通過のための待ち時間の算出ができる。
【0132】
よって、交通情報提供システム100では、交通情報提供装置300において生成され、ナビゲーション装置400に表示される交通情報によって、ドライバに対して、任意の交差点の任意の進行方向に対して、対向車待ち時間を含む事前に正確な右左折待ち時間、信号待ち回数、信号待ち回数変化地点を提示できる。これにより、渋滞時のよりよい経路選択のサポートし、運転者の運転に余裕を持たせることで安全運転のサポートを行うことができる。
【0133】
以上、本実施の形態の収集車載装置200は、車両の位置、速度、時刻を検出する車両情報取得部210と、信号の状態を受信する信号検知部220、あるいは、信号から信号状態情報を受信して信号状態を検知する検知部と、これらの情報を交通情報提供装置300に送信する通信部230とを備えた構成を有する。
【0134】
また、交通情報提供装置300は、多数の収集車から送信された車両の位置、速度等の情報を受信する通信部310と、これらの情報から各交差点の進行方向ごと、日種(曜日、休日か否か)、時間帯ごとに、右左折待ち時間及び、信号待ち回数、信号サイクル時間、対向車待ち時間を統計データとして生成する交通情報生成部350と、交通情報を生成する際に参照する地図データを記憶する地図データ記憶部320とを備える。
【0135】
また、ナビゲーション装置400は、交通情報提供装置300にて生成された各種の統計データをナビゲーション装置400内の記憶装置442に保存しておく手段と、任意の交差点、任意の進行方向に関する右左折待ち時間、右左折待ち時間、信号待ち回数、対向車待ち時間、信号待ち回数変化地点をドライバに表示する表示装置480とを備える。
【0136】
これらの構成により、実際にその交差点手前を通過しなくても交差点を通過するための信号待ち回数の算出、進行する方向(脱出道路)以外の待ち時間の算出が可能になる。また、進行方向別にレーンが増加する場合でも待ち回数の正確な算出、待ち回数が変わる地点の算出、特に右折時に発生する進路上の歩行者通過を含む対向車通過のための待ち時間の算出が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明に係る交通情報提供システム、交通情報提供装置、ナビゲーション装置及び交通情報提供方法は、ドライバに有益な右折の際の情報を提供でき、渋滞を避ける快適な運転をサポートするためのカーナビゲーション装置や、信号機の制御によって渋滞を低減するための信号制御システムなどに非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の一実施の形態に係る交通情報提供システムの概略構成を示すブロック図
【図2】交通情報提供装置における交通情報生成部の要部構成の一例を示す図
【図3】交通情報生成部で生成される交通情報の待ち時間を算出する際に用いられる車両情報の算出処理を説明するためのフローチャート
【図4】交通情報提供装置において生成される交差点の交通情報を説明するための図
【図5】ナビゲーション装置の表示装置に表示される交通情報の一例を示す図
【図6】図5の表示画面において、右折して交差点を通過する際の表示と信号状態との関係を示す模式図
【図7】信号待ち回数変化地点の表示方法の一例を示す図
【図8】信号待ち回数変化地点の表示方法の一例を示す図
【符号の説明】
【0139】
100 交通情報提供システム
200 収集車載装置
210 車両情報取得部
211 GPS受信機(測位部)
220 信号検知部
221 撮像部
230 通信部
240 制御部
300 交通情報提供装置
310 通信部
320 地図データ記憶部
350 交通情報生成部
352 第一停車時間算出部
353 信号サイクル時間算出部
355 第二停車時間算出部
356 第一停車位置算出部
358 統計データ生成部
360 保存部
400 ナビゲーション装置
410 GPS受信機
440 読取装置
441 記憶媒体
442 記憶装置
460 制御装置
462 待ち時間表示制御部
480 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を走行する車両に搭載され、
前記車両の位置情報、時刻情報及び車速情報を含む車両走行情報を取得する走行情報取得手段と、
前記道路に設置される信号の信号状態情報を検知する信号状態検知手段と、
前記走行情報取得手段及び信号状態検知手段により得た情報を送信する通信手段とを具備する車載装置と、
前記車載装置の前記通信手段から送信される情報を受信する受信手段と、
地図情報が記憶された地図情報記憶手段と、
前記通信手段が受信した前記車載装置からの情報及び前記地図情報記憶手段の前記地図情報を用いて、交差点を右折する際の対向車待ち時間を含む交通情報を生成する交通情報生成手段とを具備する交通情報提供装置と、
前記交通情報提供装置により生成された前記交通情報を用いて、前記対向車待ち時間を表示するナビゲーション装置と、
を有することを特徴とする交通情報提供システム。
【請求項2】
前記交通情報提供装置は生成する前記交通情報に、前記交差点の車線毎に前記交差点で信号待ちをした際に、信号が変化する地点を示す信号待ち回数変化地点情報を含めることを特徴とする請求項1記載の交通情報提供システム。
【請求項3】
前記信号状態検知手段は、前記信号を撮像する撮像部を備え、前記撮像部により前記信号状態情報として、信号の色及び色の継続時間を検知することを特徴とする請求項1記載の交通情報提供システム。
【請求項4】
道路を走行する複数の車両にそれぞれ搭載された車載装置から送信される、前記車両の位置情報、時刻情報、車速情報、及び前記道路に設置される信号の信号状態情報を受信する受信手段と、
地図情報が記憶された地図情報記憶手段と、
前記通信手段が受信した前記車載装置からの情報及び前記地図情報記憶手段の前記地図情報を用いて、交差点を右折する際の対向車待ち時間を含み、且つ、ナビゲーション装置に提供される交通情報を生成する交通情報生成手段とを備えることを特徴とする交通情報提供装置。
【請求項5】
前記交通情報生成手段により生成される前記交通情報は、前記交差点の車線毎に前記交差点で信号待ちをした際に、信号が変化する地点を示す信号待ち回数変化地点情報を含むことを特徴とする請求項4記載の交通情報提供装置。
【請求項6】
請求項4記載の交通情報提供装置により提供される交通情報を用いて、交差点を右折する際の対向車待ち時間を表示する表示手段を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
道路を走行する車両の位置情報、時刻情報及び車速情報を取得するとともに、前記道路に設置される信号の信号状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した情報と、この情報に対応する地図情報とを用いて、交差点を右折する際の対向車待ち時間を含む交通情報を生成する交通情報生成ステップと、
生成された交通情報を表示して、前記交差点を右折する際の対向車待ち時間情報を提供する表示ステップと、
を有することを特徴とする交通情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−197724(P2008−197724A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−29351(P2007−29351)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】