位置表示装置
【課題】複数当事者の位置情報を同一の地図上に表示できる使いやすい位置表示装置を提供する。
【解決手段】無線通信で取得した相手の位置情報を自分の位置情報とともに地図上に表示する際、両位置情報および地図情報に基づいて無線通信可能性を判定して警告する。自らが先行しているか否かで表示を異ならしめる。両位置に基づいて相手位置確認要否を判定する。相手位置を表示するか否かを選択できる。自分で操作しなくても外部からの無線通信で表示がオンする。
【解決手段】無線通信で取得した相手の位置情報を自分の位置情報とともに地図上に表示する際、両位置情報および地図情報に基づいて無線通信可能性を判定して警告する。自らが先行しているか否かで表示を異ならしめる。両位置に基づいて相手位置確認要否を判定する。相手位置を表示するか否かを選択できる。自分で操作しなくても外部からの無線通信で表示がオンする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上に移動体の位置を表示する位置表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地図上に移動体の位置を表示する位置表示装置としては、GPS情報を利用したカーナビゲーション装置が一般的であるが、近年、携帯電話においても自分の位置を地図上に表示するサービスが開始されている。 一方、自分の位置だけでなく、近辺にいる他人の位置も同時に同一の地図上に表示することにより、自分と相手の相互関係を地図上で把握できるようにすることも種々提案されている。
【特許文献1】特開2000−331284号公報
【特許文献2】特開2005−17200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、地図上に自分だけでなく相手の位置も表示する場合、その表示に関して具体的に検討しなければならない種々の問題がある。従来は必ずしもこれらの問題への検討が充分とは言えず、使いやすい位置表示装置を提供するには至っていなかった。
【0004】
本発明の課題は、上記に鑑み、複数当事者の位置情報を同一の地図上に表示する際の種々の問題を検討し、使いやすい位置表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明は、自らの第一絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、外部の絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、所定の縮尺の地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報に基づいて無線通信手段の通信可能性を判定する判定手段と、判定手段の判定に基づいて警告を行う警告手段とを有する位置表示装置を提供する。 上記のように第一位置と第二位置の関係に基づいて無線通信の可能性を判断して警告を行うことにより、例えば第一位置と第二位置が接近するなど無線通信が不能とならないための適切な処置を取ることが可能となる。
【0006】
本発明の具体的な特徴によれば、判定手段は、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報に基づく位置間距離と前記無線通信手段の通信可能距離とを比較して位置間隔が通信可能距離を越えて開く恐れがあることを事前に判定する。これによって、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報との距離という無線通信可能性に直接影響する情報によって警告を行うことが可能となる。 また、本発明の他の具体的な特徴によれば、判定手段は、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報と地図情報と無線通信手段の通信可能距離とに基づいて第一絶対位置と第二絶対位置の間の地形が無線通信手段による前記第二絶対位置情報受信が不可能とする恐れがあることを事前に判定する。これによって、第一絶対位置と第二絶対位置の間の地形という無線通信可能性に直接影響する情報によって警告を行うことが可能となる。
【0007】
本発明の他の特徴によれば、自らの第一絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、外部の絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、所定の縮尺の地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第一絶対位置と第二絶対位置の移動が先行と追従の関係にあるとき、自らが先行しているか否かにより前記地図表示手段の表示を異ならしめる表示制御手段とを有する位置表示装置が提供される。 上記の構成により、両者の位置の移動が先行と追従の関係にあるときに、相手位置の確認の要否の程度に応じ他表示を行うことが可能となる。
【0008】
本発明の他の特徴によれば、自らの第一絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、外部の絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、所定の縮尺の地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第一絶対位置情報に基づいて第二絶対位置情報の確認要否を判定する確認要否判定手段とを有することを特徴とする位置表示装置が提供される。
【0009】
上記の構成により、自分と相手が連携して行動しているとき、自分の行動に基づいて相手の行動の確認要否情報を得ることができる。例えばカーナビゲーションにおいて自分が先導車である場合、自分が交差点など選択肢のある地点を過ぎたことに基づいて、後続車が正しく追従したかどうかの確認が必要である旨の判定情報を得ることができる。 上記本発明の具体的な特徴によれば、確認要否判定手段は、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報に基づいて第二絶対位置の確認要否を判定する。これによってさらに相手の行動に基づいて相手の確認要否情報を得ることができる。例えば上記のカーナビゲーションにおいて、後続車が正しく追従して交差点を通過したことに基づいて、その後必要が生じるまで確認が必要でない旨の判定情報を得ることができる。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、自らの第一絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、外部の絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、所定の縮尺の地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第二絶対位置情報を表示するか否かを選択する選択手段とを有することを特徴とする位置表示装置が提供される。 上記の特徴によれば、第二絶対位置情報に基づく位置の表示が必要ないときに、適宜その表示を行わず、地図上の位置表示を簡略化することができる。
【0011】
上記本発明の具体的な特徴によれば、第二絶対位置情報の確認要否を判定する確認要否判定手段を有し、選択手段は前記確認要否判定手段に基づいて第二絶対位置情報を表示するか否かが選択される。例えば、上記カーナビゲーションにおいて、後続車が正しく追従し、あとは道なりで当面選択肢のある地点がないことが判定されると自動的に第二絶対位置情報に基づく位置表示をおこなわないようにすることができる。もちろん、表示が必要である旨の判定が行われると、自動的に第二絶対位置情報に基づく位置表示が復活する。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、外部との通信を行う無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報に基づく地図上で絶対位置情報に基づく位置を表示する表示手段と、表示手段の表示を可能とする操作手段の操作がなくても無線通信手段による情報受信により表示手段の表示を可能とする制御手段とを有することを特徴とする位置表示装置が提供される。 上記の構成によれば、外部から無線通信によって要求があれば、自動的に表示手段による表示が可能となり、外部からの要求に応じることが可能となる。
【0013】
例えば、無線通信手段によって外部の絶対位置取得手段を取得し、これに基づく位置を自分の位置とともに地図上で表示することが可能な場合、このような表示をお互いに行うことについて外部から要求があったとき、その前提となる表示手段の表示を自動的に可能とするとともに、そのような要求があることを表示手段にて表示することができる。これに対し、操作手段の操作がないと表示手段の表示を可能とすることができなないのであれば、外部からの要求があってもこれに対応することができない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る位置表示装置の第一実施例を示すブロック図である。第一実施例は車両のナビゲーションシステムを構成しており、第一車両2、第二車両4、およびカーナビ基地局6を含む。なお、図1では簡単のために二つの車両のみ図示しているが、本発明は第三、第四の車両等を含む複数の車両間にも適用可能なシステムとなっている。
第一車両2は、車両全体を制御するコンピュータからなる第一制御部8を有し、車両の運転者による第一操作部10の操作に応じて、第一車機能部12を制御する。この第一制御部8の機能は第一記憶部14に格納されたソフトウエアによって実行される。第一記憶部14は、また車両全体の制御に必要な種々のデータを一時的に格納する。また、第一制御部8は、第一表示部16を制御し、第一操作部10の操作に必要なGUI表示を行うとともに制御結果の表示を行う。
【0015】
第一GPS部18は、GPSシステムに基づいて衛星および最寄の放送局より第一車両2の絶対位置情報である緯度、経度、および高度の情報を得て第一制御部8に送る。第一カーナビゲーション機能部20は、第一制御部8経由で得られる第一GPS部18からの絶対位置情報を処理し、地図上での第一車両2の位置を第一表示部16に表示する。 第一車両2は、さらに第一電話機能部22および第一電話通信部24を備えている。これらは通常の通話を含む電話回線を介した無線通信のためのものである。第一車両2には、これと別に無線LANなどによる第一近距離通信部26が備えられており、近距離通信圏内を走行する他の車両との無線通信が可能となっている。
【0016】
一方、第二車両4には、第二制御部28、第二操作部30、第二車機能部32、第二記憶部34、第二表示部36、第二GPS部38、第二カーナビゲーション機能部40、第二電話機能部42および第二電話通信部44、第二近距離通信部46が備えられている。この第二近距離通信部46は第一車両2の第一近距離通信部26との間の通信によりお互いのGPS部で得られた絶対位置情報を交換する。その詳細については後述する。なお、第二車両4のその他の各構成の機能は第一車両2の対応する構成と同様であるので説明は省略する。 カーナビ基地局6は、基地局全体を制御するコンピュータからなる基地局制御部48を有し、基地局記憶部50に格納されたソフトウエアによって必要な機能を実行する。基地局記憶部50は、また基地局制御部48での機能実行に必要な種々のデータを一時的に格納する。 基地局電話通信部52は、第一電話通信部24および第二電話通信部44との間で電話回線による通信が可能であり、基地局制御部48の制御の下で第一車両2および第二車両4の機能をサポートする。基地局カーナビゲーション管理部54および基地局GPS管理部はこれらのサポートに関するものであるがその詳細については後述する。
【0017】
次に、第一車両2と第二車両4の間の連携について第一車両2を中心に説明する。既に述べたように、第一カーナビゲーション機能部20は、第一制御部8経由で得られる第一GPS部18からの絶対位置情報を処理し、地図上での第一車両2の位置を第一表示部16に表示している。 第一近距離通信部26は、上記に加え、第二近距離通信部46との通信により、第二GPS部38からの第二車両4の絶対位置情報を第二制御部28経由で受信する。受信された第二車両4の絶対位置情報は、第一制御部8経由で第一カーナビゲーション機能部20に送られ、第一GPS部18からの第一車両2の絶対位置情報と同様にして第一カーナビゲーション機能部20で処理され、地図上での第二車両4の位置が第一表示部16に表示される。これによって、第一表示部16には第一車両2自身の位置とともに、近距離通信圏内を走行している第二車両4の位置が地図上で表示され、双方の位置関係を同一の地図上で一覧することが可能となる。これによって仲間同士でツーリングをしている場合など、先行車両と後続車両をお互いに目視できなくても、後続車両が迷うのを防止できる。このような連携状態を以下「ツインナビ」と略称する。 上記の機能は第二車両4でも同様であって、第二近距離通信部46で受信される第一車両2の絶対位置情報が第二カーナビゲーション機能部40で処理され、第二車両4自身の位置とともに、近距離通信圏内を走行している第一車両2の位置が同一の地図上で一覧表示される。以上のように「ツインナビ」では、第一車両2と第二車両4は相互に相手の絶対位置情報を共有する状態となる。 なお、第一車両2と第二車両4の間の連携に関しては、上記の他、両車両は第一車機能部12および第二車機能部32から得られるそれぞれの速度情報を第一近距離通信部26および第二近距離通信部46の間で交換している。これらの速度情報の活用については後述する。
【0018】
カーナビ基地局6は、上記においてシステムのメンテナンスおよび、車両が相互に近距離通信圏外となったときのサポートを行う。まず、後者のサポートについては、第一車両2と第二車両4が近距離通信部による絶対位置情報の交換ができなくなったときの中継を行う。上記のような事態が生じると、例えば第二車両4の絶対位置情報が第二電話通信部44から基地局電話通信部52に送られ、基地局制御部48の制御、および必要に応じ基地局カーナビゲーション管理部54での処理に基づいて、これが基地局電話通信部52から第一電話通信部24に転送される。 なお、電話回線による通信は、このようなカーナビ基地局6による中継によらなくても、第一電話通信部24と第二電話通信部44との間で直接行うことも可能である。しかし、上記のようなカーナビ基地局6の中継によれば、各車両はいずれの場合にもカーナビ基地局6を通信相手としてすることができ、個別に相手を選んで通信するのに比べ通信の設定や通信条件を一元化することができる。 一方、システムのメンテナンスに関しては、カーナビゲーションシステムまたはGPSシステムについて機能のバージョンアップやメンテナンスデータが発生したときなど、基地局カーナビゲーション管理部54または基地局GPS管理部56から基地局電話通信部52を介して第一車両2や第二車両4などシステムに加入している車両にバージョンアップデータやメンテナンスデータが送信される。第一車両2や第二車両4はこれらのデータを第一電話通信部24や第二電話通信部44で受信し、それぞれのカーナビゲーション機能部20、40およびGPS部18、38のメンテナンスを行う。
【0019】
図2は、図1の第一制御部8または第二制御部28の基本機能を示すフローチャートであり、車両のエンジン始動またはカーナビゲーション機能部のオンによってスタートする。なお、以下の説明は第一車両2を中心として行う。従って、特に断わらない限り以後のフローチャートは第一制御部8の機能として説明する。 第一車両2のエンジン始動または第一カーナビゲーション機能部のオンによってフローがスタートすると、ステップS2において、近距離通信を通じて他車から「ツインナビ」が要求されているかどうかチェックする。そして要求があればステップS4に進み、自車の第一カーナビゲーション機能部20がオンしているかどうかチェックする。このとき、第一カーナビゲーション機能部20がオンでなければステップS6に進み、これを自動的にオンにしてステップS8に進む。一方ステップS4において第一カーナビゲーション機能部20がエンジン始動とともにオンとなっていれば直接ステップS8に移行する。このようにステップS4およびステップS6は、他車からの制御により自車のカーナビゲーションシステムが自動的にオンになる機能を実行する。
【0020】
ステップS8では、カーナビゲーション機能のメニュー表示をスタートするが、さらにステップS9に進んでこのとき他車からの「ツインナビ」要求に関する表示をメニューに追加する。なお、このメニューは、他車からの「ツインナビ」要求がなければ表示されないものである。次いでステップS10では第一車両2が走行中かどうかチェックする。そして走行中であれば、ステップS11で「可能ならば停車して操作を行う」等の勧告を行ってステップS12に移行する。また走行中でなければ直接ステップS12に移行する。これは、走行中に注意が散漫となるようなカーナビゲーション操作を行うことについて運転者に危険防止を喚起するためである。 ステップS12では、第一車両2の運転者による「ツインナビ」合意操作がなされたかどうかチェックする。そして合意操作があればステップS14に進み、「ツインナビ」を要求してきた他車に合意の旨の返答を送信する。この後、ステップS16で「ツインナビ」停止の操作をいつでも受付けられるよう処置してステップS18の「ツインナビ」処理に入る。その詳細については後述する。
【0021】
一方、ステップS2で近距離通信による他車からの「ツインナビ」要求がなかったときは、ステップS20に移行し、自車の第一カーナビゲーション機能部20がオンしているかどうかチェックする。オンでなければステップS22に進み、運転者によるオン操作があったかどうかチェックする。そしてオン操作がなければステップS2に戻り、以下、他車からの「ツインナビ」要求、又は運転者自身のオン操作がない限り、ステップS2、ステップS20、ステップS22のループを繰り返す。 ステップS22で、運転者が第一カーナビゲーション機能部20をオンする操作をしたことが検知されるとステップS24に進み、第一カーナビゲーション機能部20のオンを実行してステップS26に進む。また、ステップS20で既に第一カーナビゲーション機能部20がオンであった場合は直接ステップS24に進む。
【0022】
ステップS26では、カーナビゲーション機能のメニュー表示をスタートし、ステップS28で他車が第一近距離通信部26の通信圏内にあるかどうかをチェックする。そして、通信圏内に他車が存在すればステップS30に進んでこのとき他車に対する「ツインナビ」要求に関する表示をメニューに追加してステップS32に移行する。一方、ステップS28で通信圏内に他車が存在しないときはメニューに「ツインナビ」に関する項目は表示せず、直接ステップS32に移行する。 なお、ステップS2で他車からの「ツインナビ」要求があった結果ステップS12に至り、ここで他車からの「ツインナビ」要求に合意する操作をしなかった場合は、ステップS32に進むことになる。 ステップS32では、他車に「ツインナビ」を要求し、これに対する他車からの合意があったかどうかをチェックする。そして要求への合意が成立する他車があった場合はステップS16に移行し、ステップS18の「ツインナビ」処理に入る。一方、ステップS32で「ツインナビ」要求をしなかったか又は要求をしたがいずれの他車からも合意の返答がなかったときはステップS34に進む。上記においてステップS28から直接ステップS32に至った場合、またはステップS12からステップS32に至った場合は、通常はステップS34に移行する。ステップS34では、他車からの「ツインナビ」要求をいつでも受付けられるよう処置してステップS36の通常ナビゲーション処理に入る。上記のステップS32における処理の判断処理の詳細については後述する。
【0023】
図3は、図2のステップS18における「ツインナビ」処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS42で「ツインナビ」に合意した他車のカーナビゲーションシステムの識別情報(ID)を確認する。そしてステップS44に進み、確認した識別情報に基づいてその他車のカーナビゲーションシステムに対応可能なよう第一カーナビゲーション機能部20が設定済みかどうかチェックする。 ステップS44で、チェックした他車のカーナビゲーションシステムが設定済みのものでなければステップS46に進み、他車のカーナビゲーションシステムから受信した他車の緯度・経度・高度データを取り扱う通信フォームを第一カーナビゲーション機能部20で対処できるよう変換する。さらに、ステップS48において他車の緯度・経度・高度のデータ内容を第一カーナビゲーション機能部20で取り扱える表現に変換する。そして以上の変換設定を他車の識別情報毎に第一記憶部14に記憶してステップS52に進む。 一方、ステップS44において、チェックした他車のカーナビゲーションシステムが設定済みのものであれば、直接ステップS52に進む。従って
、一度ステップS46からステップS50を経過した識別情報をもつ他車の場合は、ステップS44から直接ステップS52に至ることになる。
【0024】
ステップS52では、他車がその時点において依然として第一近距離通信部26の通勤圏内にあるかどうかチェックする。そして近距離通信圏内にあればステップS54に進み、他車、例えば第二車両4の第二GPS部38で取得された第二車両4の絶対位置情報を第一近距離通信部26にて受信する。なお、ステップS54においては、第二車機能部32からの第二車両4の速度情報もあわせて受信する。ステップS54ではさらに、受信した絶対位置情報および速度情報を履歴として少なくとも一連の「ツインナビ」が終了するまで、第一記憶部14に記憶して保存する。この履歴情報の活用については後述する。 上記において、例えば第二車両4が先行しており第一車両2にさらに第三車両が近距離通信圏内で後続している場合は、ステップS54において第二車両4の絶対位置情報および速度情報を第三車両にも中継する。これによって第二車両4と第三車両が直接的には互いに近距離通信圏外にあっても、両車両の中間にあって両車両それぞれとは近距離通信圏内にある第一車両2の中継機能によって、両車両は近距離通信による互いの絶対位置情報および速度情報を交換することが可能となる。
【0025】
次いで、ステップS56では、絶対位置情報を受信した他車との車間距離を計算する。このとき、自車を含めて三つ以上の車両があるときはそれぞれのあらゆる組合せにおける車間距離をそれぞれ計算する。 さらに、ステップS58では、「ツインナビ」車間における近距離通信のための電波環境の情報として、第一カーナビゲーション機能部20の有する地図情報を取得する。これはステップS56で計算した車間距離だけからでは近距離通信が可能であっても地形などから電波環境が通常より悪くなる状況を把握するためである。以上を経てステップS60に至り、近距離通信圏の限界にあってこのままでは圏外となるリスクがあるかどうかをチェックする。そして、リスクがあればステップS62で「圏外注意」の警告表示を行ってステップS64に移行する。一方、ステップS60で近居通信圏外リスクがない場合は直接ステップS64に移行する。このような「圏外注意」の警告に接することにより、先導車は速度を落とし、後続車は安全を確認しながら速度を上げるなどの対処が可能となり、近距離通信を維持することができる。
【0026】
ステップS64では「ツインナビ」表示処理を行うがその詳細は後述する。ステップS64の処理の後、フローはステップS52に戻り、以下、ステップS52で近距離通信圏外であることが検出されない限り、ステップS52からステップS64を繰り返して「ツインナビ」機能を継続する。 ステップS52で他車が近距離圏外に出たことが検出されるとステップS66に移行して近距離圏外となる直前に通信で得た他車の絶対位置情報および速度の情報を保存し、ステップS68に進む。ステップS68では、近距離外処理により補完的に「ツインナビ」状態を維持するが、その詳細は後述する。 次いでステップS70で他車が近距離通信圏内に復帰したかどうかがチェックされ、通信圏内になればステップS54に移行してステップS52からステップS64のループに復帰する。一方、ステップS70で他車が近距離通信圏内であることが検出できなければステップS68に戻り、以下、ステップS70で近距離圏内への復帰が検出できない限りステップS68と70のループで補完的な「ツインナビ」状態を継続する。
【0027】
図4は、図2のステップS32における「ツインナビ」要求および合意処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS82で自車から他車に「ツインナビ」を要求する操作をしたかどうかがチェックされる。他車への「ツインナビ」要求操作があればステップS84に進み、「ツインナビ」を要求する他車の識別情報の指定操作があったかどうかをチェックする。 ステップS84に至ると一定時間だけ運転者の操作を待ち、この一定時間内に他車識別情報を指定する操作がなければステップS86に移行する。ステップS86では、ステップS50の機能により過去記憶された識別情報の中から現在通信圏内にあるすべての他車の識別情報を自動指定してステップS88に移行する。一方、ステップS84で所定時間内に識別情報の指定があれば指定された特定の車両のみを指定状態として直接ステップS88に移行する。
【0028】
ステップS88では、指定された識別情報をもつ全ての他車に対して「ツインナビ」要求信号を第一近距離通信部26から送信する。そしてステップS90で指定した全ての他車からの応答を受信したかどうかチェックする。応答のない他車があればステップS92に進み、送信後所定時間が経過したかどうかチェックする。そして所定時間が経過していなければステップS90に戻り、以下、全ての他車からの応答を受信するか所定時間が経過するまでステップS90とステップS92を繰り返す。 ステップS92で所定時間が経過したことが確認されるとステップS94に進み、未だ応答のない他車からの「ツインナビ」への合意返信があったときに割込みがかかることを可能にした上でステップS96に進む。一方、ステップS90で識別情報を指定して「ツインナビ」要求信号を送信した全ての車両から応答を受信したことが確認されると直接ステップS96に移行する。 ステップS96では受信した応答に基づいて「ツインナビ」に合意した他車があるかどうかチェックし、一つでも合意した車両がある場合には図2のステップS16に移行する。一方、ステップS96で「ツインナビ」要求に合意した車両がなければ図2のステップS34に移行する。なお、ステップS82において他車への「ツインナビ」要求をしなかった場合は直接ステップS34に移行する。
【0029】
図5は、図1の第一表示部16に表示される「ツインナビ」表示の一例を示す表示画面図であり、図3のステップS64によるツインナビ表示処理によって実現されるものである。図5は、第一車両2が先導車である場合であり、表示画面62において第一車両2は自車両指標64として地図66上に表示される。図5は「ツインナビ」に合意している後続車が第二車両4を含めて二台ある場合を示しており、第二車両4が第一他車指標68、第三車両が第二他車指標70として共通の地図66に同時に表示されている。 「ツインナビ」合意車表示エリア72は、現在「ツインナビ」に参加している車両の存在を表示するためのものであり、第一他車存在表示74、第二他車存在表示76に地図上の他車と同一シンボルが表示されている。なお、破線で示した第三他車存在表示部分78には現在対象車両がないので他車存在表示はなされていない。
【0030】
近距離通信圏外表示エリア80には、図3のステップS62における「圏外注意」警告をはじめとし、「圏外」警告、または「表示不可」を示す表示が、それぞれ該当する状況が生じたときに行われる。「圏外」警告、または「表示不可」表示の意義については後述する。なお、図5の場合は、いずれにも該当しない状態なので近距離通信圏外表示エリア80には何も表示されない。 後続車状況表示エリア82には、後続車が正しく追従しているかどうかを確認すべき状況になったときに表示を行う。図5はこの状況ではない例なので何も表示されていない。後続車状況表示エリア82の表示については後述する。
【0031】
図6は、第二他車が図5の位置よりも遅れて走行していた場合の表示画面62の表示状態を示すものである。なお、自車および第一他車は図5と同じ位置にあるものとする。この場合は、地図の縮尺が図5のままであると、第二他車が表示範囲から外れてしまう。従って図6における地図92の縮尺は、図5における地図66の縮尺よりも広域表示となるよう自動変更されている。 具体的に述べると、図6における領域94が図5において地図66が表示されていた部分であり、第二他車指標70はこの領域94からはみ出している。従って図6では、表示範囲が第二他車指標70を含む広域に広がるよう地図の縮尺が自動変更されている。 なお、図6は、図3のステップS60において第二他車が近距離通信圏外リスクありと判断された状態を示しており、この結果ステップS62によって近距離通信圏外表示エリア80には「圏外注意」の警告が行われているが、この状態では第二他車はまだ近距離通信圏内にある。これに対し、第二他車が近距離通信圏外に出てしまったときには近距離通信圏外表示エリア80の表示が「圏外」の警告表示に変わる。この場合でも、図3のステップS68の近距離圏外処理に基づき第二他車指標70の表示は継続される。 また、図6では、図5の状態から地図の縮尺を変更することに伴って地図表示の中心位置を自動的に変更するスクロールが行われている。図6は自車指標64を基準としてスクロールされており、第二他車が表示範囲に入るよう考慮しつつできるだけ自車指標64が地図の中心になるようスクロールされる。
【0032】
図7は、図6と同じ状態を示すが、図5の状態から縮尺を変更する際、「ツインナビ」に参加している全車の中心が地図表示の中心位置となるよう自動的にスクロールが行われた例である。図6と比較すると、図7では地図100のように地図表示全体が上方にシフトされている。 図6における表示のように自車を基準として自動スクロールを行うか、図7における表示のように全車の中心を中心位置として自動スクロールを行うかは、予め任意に設定しておくことができる。なお、特に運転者が変更設定を行わない限り、図6における表示のように自車を基準とした自動スクロールが行われる。 なお、上記の設定に従った自車基準の自動スクロールまたは全車中心を基準の自動スクロールは、地図の縮尺が変更されたときだけでなく、縮尺変更のない場合にも自車の進行に従って常に実行される。
【0033】
図8は、自車と第二他車の距離が近距離通信圏を外れて「圏外」となったあと更に両車両の距離が離れ、もはや図3のステップS68の近距離圏外処理に基づいても第二他車の表示を継続するのが無意味となった状態の表示画面62を示す。このとき近距離通信圏外表示エリア80の表示は「表示不可」に変わる。さらに、表示不可の状態となった車両を明示するため、「ツインナビ」合意車表示エリア72における第二他車存在表示76に表示不可マーク102が付加される。また、地図上において第二他車指標70は非表示となり、表示対象から除外される。信頼性のない他車車両の位置を地図上に表示すると混乱を招くからである。
【0034】
図8のように第二他車指標70が非表示となると、もはや第二車両を考慮した広域表示を行う必要がないので表示は図9のように変わる。つまり、図9では、図8から地図の縮尺が自動変更され、より拡大状態の地図66に基づく表示となる。なお、縮尺を自動変更しない設定としておけば、第二他車指標70が非表示となっても、図8の縮尺での地図表示が継続される。
【0035】
図10は、図5の状態から先導車である自車が郵便局の角を右折した場合の表示画面62を示す。この場合、自車両指標64を基準として、進行方向が表示上方となるよう地図104は90度回転させられる。なお、当然ながら、まだ右折していない第一他車指標68および第二他車指標70の進行方向は地図の上方とはならない。このように複数車両がある場合の地図の上方は常に自車の進行方向を基準として決定される。 なお、車両の進行方向に係わらず北を地図上方として表示するよう設定している場合は、自車と他車の進行方向に係わらず地図の回転は行われない。
【0036】
また、図10においては、後続車である第二車両と第三車両が追従して右折するかどうかを確認するため、後続車状況表示エリア82において、第一他車存在表示74および第二他車存在表示76に隣接してそれぞれ第一他車要確認マーク106および第二他車要確認マーク108が「?」シンボルで表示される。
【0037】
図11は、図1
0の状態からさら時間が経過し、第二車両が正しく追従して右折した場合の表示画面62を示す。この場合、後続車状況表示エリア82において第一他車存在表示74に対応して表示されていた要確認マーク「?」が消え、その代わりに「OK」シンボルで表示される第一他車確認済マーク112が表示される。この「OK」表示は後述する後続車簡略表示となる。
【0038】
図12は、図11の状態からさら時間が経過し、第三車両も正しく追従して右折した場合の表示画面62を示す。この場合、後続車状況表示エリア82において、第二他車存在表示76に対応する表示も第二他車確認済マーク114に変わり、第一他車確認済マーク112とともに「OK」シンボルで表示される。 さらに、このようにして後続車両のすべてが正しく追従して右折したことが確認されると、後続車表示が簡略化され、地図上での第一他車指標68および第二他車指標70が非表示となる。これは、例えばしばらく道なりが続くなど後続車の確認を必要としない状況において自車とともに後続車を表示するのは煩わしいので、自車が交差点にさしかかるなど後続車の確認が再び必要となる状況が発生するまでは後続車の表示を省略するものである。なお、このように地図上での後続車の表示を省略する場合でも、後続車状況表示エリア82においては第一他車確認済マーク112および第二他車確認済マーク114の「OK」シンボルの表示が継続される。このような後続車簡略表示により、地図上の位置までは確認できないものの、後続車が正しく追従していること自体の確認が可能となる。 なお、このような後続車簡略表示を予め設定していないときは、後続車確認の必要性如何にかかわらず、表示可能な後続車の位置が常に自車とともに地図上に表示される。
【0039】
図13は、図12のようにして後続車簡略表示が始まり、後続車の地図上での表示が不要となったときの表示画面62を示す。図12では全車が地図上に入ることを考慮して地図104のスクロールが行われるが、図13では専ら自車を基準として地図120をスクロールする。具体的には、自車が先導車の場合、自車両指標64が図12よりも図13において画面のより下方となるようスクロールが行われる。 なお、図13のように自車しか表示しない場合は、通常ナビゲーションにおけるように前方の情報を重視して自車両指標64がもっと画面62の下部に配置されるようなスクロールも可能である。しかしながら、「ツインナビ」では、後続車の表示が必要となったときへの対応のため、図13のように自車の後方にも相応の地図スペースが確保されるよう配慮してスクロールが行われる。このように、自車のみを地図上に表示する場合においても、通常ナビゲーションの場合と「ツインナビ」の場合とでは自車両指標64の配置が異なるよう地図のスクロール制御を行う。
【0040】
図14は、各車両が図10の位置にあるときの第三車両の表示画面130を示す。図14では、自車両指標134が、第一他車指標136および第二他車指標138に後続して最後尾にある。つまり、図14では第一他車が先導車であり、図10と同様郵便局の角を右折している。これに対応して、「ツインナビ」合意車表示エリア72には、第一他車存在表示140および第二他車存在表示142が地図上と同一シンボルで表示されている。なお、図14でも、破線で示した第三他車存在表示部分78には現在対象車両がないので他車存在表示はなされていない。 また、図14における自車はまだ郵便局角で右折していないので、地図66は図5と同様の状態にあり、図10のように90度回転していない。このように、複数車両の指標が同時に地図上に表示される「ツインナビ」では、自車が先導車であろうと後続車であろうと、また、他車の向きがどうであろうと、地図の上方は常に自車の進行方向を基準として決定される。 さらに、自車に後続車がない場合は後続車に対する配慮は不要なので、後続車状況表示エリア82は表示画面130には表示されない。
【0041】
図15は、図3のステップS64における「ツインナビ」表示処理の詳細を示すフローチャートであり、図5から図14において説明した種々の表示を実現するためのものである。フローがスタートすると、ステップS101で、「ツインナビ」合意車の有無を表示する。これは、図5等における合意車表示エリア72における表示を行うことに該当する。次にステップS102で自車を地図上で表示する処理を行う。これは、図5の自車両指標64または図14の自車両指標134を地図66等で表示することに該当する。 次いでステップS103では自車が先導車かどうかをチェックし、先導車であった場合はステップS104で後続車状況表示エリアを表示する。これは、図5などにおける後続車状況表示エリア82を表示することに該当する。さらにステップS105で後続車確認状況が発生したかどうかをチェックする。これは、図10において自車が右折した場合などのように交差点などで後続車の進路に選択肢が生じた場合に相当する。この状況の発生は地図情報と自車の位置情報に基づいて判断される。
【0042】
ステップS105で後続車確認状況が発生しているとステップS106に進み、確認の必要な対象車別に確認が必要な旨の表示を行う。これは、図10図における第一他車要確認マーク106や第二他車要確認マーク108の「?」シンボルを後続車状況表示エリア82に表示することに該当する。 次いで、ステップS107でこのような後続車確認状況が解消したかどうかチェックし、解消していればステップS108で対象車別に正常追従の確認表示を行う。これは、図11などにおいて「?」シンボルに代えて「OK」シンボルを後続車状況表示エリア82内に表示することに該当する。 次いで、対象車別確認表示を継続しながらステップS109に進み、予め後続車簡略表示設定がされているかどうかをチェックする。そしてこの設定がされていることが検知できなければステップS110に進み、所定時間後に対象車別確認表示を消す処理をしてからステップS111に移行する。
【0043】
ステップS111では、「ツインナビ」に参加している表示可能な全対象車両を自車とともに地図上に表示する処理をおこなう。そしてステップS112で地図の縮尺変更・地図回転処理を行い、フローを終了する。なお、図15のフローが終了すると図3のステップS52に戻るので、近距離通信による「ツインナビ」が可能な限り図3のステップS52からステップS62を経て図15のフローのスタートに至り、図15のフローが繰り返される。上記ステップS112の詳細は後述する。
【0044】
図15のステップS103において自車が先導車でなければ直接ステップS111に移行し、全対象地図縮尺変更・回転処理に入る。さらに、ステップS107において後続車確認状況が解消していない場合も直接ステップS111に移行する。この場合は、ステップS106で行われた対象車別要確認表示が継続される。 また、ステップS105において後続車確認状況が発生していなければステップS113に進むので対象車別要確認表示は非表示となる。これは図5などにおいて後続車状況表示エリア82内に何も表示されていない状態に該当する。そして、ステップS114で予め後続車簡略表示設定がされているかどうかをチェックする。そしてこの設定がされていることが検知できなければステップS111に移行する。
【0045】
一方、ステップS114において後続車簡略表示設定が行われていることが検知された場合は、ステップS115に進み、対象車別正常追従表示を行う。この表示としては、ステップS108で行われるのと同じ表示を流用する。具体的には、後続車状況表示エリア82において「OK」シンボルで表現されている第一他車確認済マーク112や第二他車確認済マーク114を流用する。運転者にとっては、現在正常に後続車が追従しているかどうかが関心の対象であって、確認が必要な状況を経たのかどうかの履歴は問題でないからである。なお、特に必要な場合は、ステップS108で行われる確認済表示とステップS115で行われる正常追従表示を異なる表示としてもよい。 次にステップS116に進み、対象後続車の地図上での表示を省略する表示を行う。これは図12や図13において、地図上での第一他車指標68および第二他車指標70が非表示となることに該当する。この後、ステップS112の地図縮尺変更・地図回転処理に移行する。 なお、ステップS109において後続車簡略表示設定がされていることが検知されたときはステップS114に移行する。なお、この場合はステップS114から必ずステップS115に移行する。 また、ステップS114において、後続車簡略表示設定がされていることが検知されないときは、ステップS111に移行する。
【0046】
図16は、図15のステップS112における地図縮尺変更・回転処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS122で地図縮尺の初期値を設定する。この初期値としては、既に「ツインナビ」が開始されているときは現在の地図縮尺を初期値として設定する。また新たに「ツインナビ」を開始したときは、運転者が設定した地図縮尺を設定する。この場合、特に設定がなければデフォルト設定の地図縮尺を設定する。そしてステップS124で、車両の進行方向に係わらず方角の「北」を地図の上方に固定して表示する設定が予め行われているかどうかチェックする。 そして、特に設定が行われたことが検知できなければデフォルトとして自動的にステップS125に進む。ステップS125では、複数の車両が地図に表示されている状態において自車を基準としてその進行方向が常に地図の上方となるよう地図を自動回転する処理を行い、ステップS126に移行する。ステップ125の処理は、図5から図10の状態へ自車が右折することに伴って地図が90度回転させられる状態や、図10と図14において、自車が先導車か後続車かに対応して地図が90度回転させられている状態に該当する。 一方、ステップS124において北を上方に固定設定する設定が運転者により予め行われていることが検知されたときは、ステップS128で北を地図の上方に固定する処理を行い、ステップS126に移行する。
【0047】
ステップS126では、「ツインナビ」において表示可能な対象車がステップS122で設定された地図縮尺において全て表示範囲に入るかどうかチェックされる。表示範囲に入らない車両がある場合はステップS130に進み、自車基準の自動スクロール設定になっているかどうかをチェックする。 ステップS130で自車基準自動スクロール設定になっていることが検知されたときは、ステップS132に進み、全車表示を優先した地図のスクロールに移行する。これは、例えば先導車として後方スペースが少ない自車基準の自動スクロールを行っている場合において、スクロールによって自車の表示位置を上方に移動させれば地図縮尺を広域に変更しなくても後続車の表示が可能になる場合があるからである。
【0048】
以上のスクロールを試みた後、ステップS134において表示可能な対象車が全て表示範囲に入るようになったかどうか再度チェックする。そして、スクロールによっては全車を表示範囲に入れることができなかった場合はステップS136に進み、自車基準に配慮しながら全対象車が表示可能な地図縮尺への自動広域化を行ってステップS138に移行する。 一方ステップS130において自動スクロールが自車基準でなかったときは、既に全車が最も効率よく表示可能なようスクロールが試みられており、これ以上のスクロールで全車を表示範囲に入れる余地はないのでステップS140に進む。ステップS140では、全対象車が最も効率よく表示可能な地図縮尺への自動広域化を行ってステップS138に移行する。通常、ステップS136で決定される地図縮尺の方がステップS140で決定される地図縮尺よりも広域のものとなる。
【0049】
上記ステップS126において全車が表示範囲内に入っていた場合はステップS146の設定配慮処理を
行ってステップS138に移行する。ステップS146の処理は、先導車と最後尾の後続車との車間距離が縮まり、全車が表示範囲に入るようになった場合は当初の設定に配慮して地図を拡大するよう地図縮尺を自動変更する処理である。 具体的には、まず一段階拡大状態とした地図縮尺において全車が表示範囲に入るかどうかのチェックを行い、表示範囲に入る場合は地図の拡大が自動的に実行される。以下さらに拡大が可能ならこれが繰り返され、それ以上拡大すると全車表示が不可能となる地図縮尺または運転者が設定した地図縮尺となるまで拡大が自動的に繰り返される。なお、広域化の場合と同様、全車表示可能性や縮尺の判断を行うにあたっては、自車基準自動スクロール設定が行われているかどうかで判断基準を変える。この場合も自車基準自動スクロール設定が行われているときの方が、より広域の地図縮尺が採用される結果となる。 なお、上記のような処理において、ステップS126からステップS138に至ったとき、ステップS122で設定された初期値が結果的に変更されず、地図縮尺には変化がない場合がある。むしろ「ツインナビ」において全車が安定走行しているときは地図縮尺変化がない場合が普通である。
【0050】
ステップS138では、自車基準の自動スクロール設定になっているかどうかをチェックする。そして自車基準自動スクロール設定になっていることが検知されたときは、ステップS142に進み、自車基準の自動スクロールを実行してフローを終了する。一方、ステップS138で自車基準自動スクロール設定になっていることが検出できなければステップS144に進み、全社中心自動スクロールを実行してフローを終了する。ステップS142およびステップS144による自動スクロールの違いは、それぞれ図6の表示および図7の表示の違いに該当する。
【0051】
図17は、図3のステップS68における近距離圏外処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS152で圏外車が発生してから所定時間が経過したかどうかがチェックされる。所定時間が未だ経過していなければ、ステップS154に進み、「圏外」表示を行う。これは、図6または図7の近距離通信圏外表示エリア80における表示が「圏外注意」警告から「圏外」警告に変わることを意味する。 次いでステップS156において圏外車を確認する状況が発生しているかどうかをチェックする。圏外車確認状況とは、自車が交差点などを通過し、後続車の進路に選択肢が生じた場合に相当する。この状況の発生は地図情報と自車の位置情報に基づいて判断される。このような状況が発生していなければステップS158に進み、圏外車の絶対位置情報を通信により入手してから所定時間が経過したかどうかをチェックする。この通信とは、第一電話通信部24および第一近距離通信部26のいずれによる通信の場合も該当する。
【0052】
最後の通信後所定時間が経過していなければステップS160に移行し、履歴による圏外車位置推測処理を行う。この処理は、過去受信して蓄積した複数の絶対位置情報とそのときの時刻の履歴から現在の圏外車の絶対位置を推測する。このとき最後に受信した絶対位置情報が発生したときの圏外車の速度情報も補足的に活用される。 ステップS162では、このようにして推測された絶対位置情報を実際に他車のGPS部から得た絶対位置情報と同様に取り扱うべき処理をし、ステップS164のツインナビ表示処理に入る。ステップS164は図3のステップS64と同じものであり、その内容は図15のとおりである。ステップS164の処理が終わるとフローはステップS156に戻り、以下ステップS156で圏外車確認状況が発生するかまたはステップS158で通信後所定時間が経過しない限り、ステップS156からステップS164を繰り返す。
【0053】
ステップS156で圏外車確認状況が発生するかまたはステップS158で通信後所定時間が経過したときはステップS166に移行し、第一電話通信部24から基地局電話通信部52に自車の絶対位置情報を自動送信する。これは、圏外他車の利用に供するためである。 なお、ステップS166ではさらに、指定した圏外他車から基地局電話通信部52への絶対位置情報送信を要求する信号を自動送信する。カーナビ基地局6では、この要求信号を指定された圏外他車に自動転送する。圏外他車はこれに応答して圏外他車の絶対位置情報を基地局電話通信部52に自動送信するので、これが基地局記憶部50に記憶されている。 ステップS168では、指定した圏外車の絶対位置情報を基地局電話通信部52から自動受信する。次いでステップS170では、直前に受信していた圏外他車の絶対位置情報と今回受信した絶対位置情報に基づいて、両情報の間の情報を補間するとともに将来の推測情報を作成する処理を行う。電話通信部による通信は有料なので無料の近距離通信よりも少ない頻度でおこなわれるが、擬似的に近距離通信による頻度に合わせた絶対位置情報を作成するのがステップS170の意義である。 さらにステップS172では、このようにして補間・推測された絶対位置情報を実際に他車のGPS部から得た絶対位置情報と同様に取り扱うべき処理をし、ステップS174のツインナビ表示処理に入る。ステップS174は図3のステップS64と同じものであり、その内容は図15のとおりである。ステップS174の処理が終わるとフローを終了し、図3のステップS70に移行する。
【0054】
上記においてステップS156からステップS166に移行する理由は、圏外車確認状況が発生したときは選択肢が複数となるので履歴による絶対位置推測が不可能となるからである。また、ステップS158からステップS166に移行する理由は、最後の通信後所定時間が経過すると推測の信頼性が低下するからである。このように推測による圏外車絶対位置推測が不適当になったときはステップS166に移行して電話通信部によって圏外他車の絶対位置情報を直接取得する。
【0055】
ステップS152で、圏外車が発生してから所定時間が経過した場合は、ステップS176に移行し、「表示不可」との表示を行う。さらに、ステップS178では、該当する圏外車を地図か羅非表示とする。また、ステップS180で圏外車を特定する表示を行ってステップS174に移行する。 上記ステップS176からステップS180の処理は、図8または図9において、近距離通信圏外表示エリア80に「表示不可」が表示されるとともに「ツインナビ」合意車表示エリア72における第二他車存在表示76に表示不可マーク102が付加されていること、並びに、第二他車指標70が地図上で非表示となっていることに該当する。 このような処理を行う意義は、ステップS152で圏外車が発生してから所定時間が経過した場合、これ以上「ツインナビ」を続けると有料の電話通信部による他車の絶対位置情報取得が常態化するので、これを避けるため該当する対象車を「ツインナビ」から除外することにある。
【0056】
なお、図17のフロー実行中においては、常に近距離通信圏内に復帰したかどうかのチェックが行われており、近距離通信圏内復帰の際には直ちに割込みがかかって図3のステップS54にジャンプする。
【0057】
図18は、本発明の実施の形態に係る位置表示装置の第二実施例を示すブロック図である。第二実施例は、携帯電話システムを構成しており、第一携帯電話302、第二携帯電話304、および携帯電話基地局306を含む。なお、図1では簡単のために二つの携帯電話のみ図示しているが、本発明は第三、第四の携帯電話等を含む複数の携帯電話間にも適用可能なシステムとなっている。
図18の第二実施例は、基本的には図1の第一実施例に概略対応する構成を持っており、図18において一の位および十の位が共通する二百番台の符号はそれぞれ図1の符号が対応する構成に該当するので、特に必要がない限り説明は省略する。また、第一実施例において説明した各機能はカーナビゲーションに特有の機能でないかぎり、第二実施例においても適用可能なので、特に必要がない限り、説明は繰り返さない。
図18の第二実施例も、第一携帯電話302と第二携帯電話304との間で、それぞれの第一GPS部218および第二GPS部238で得た携帯電話保持者の絶対位置情報を第一近距離通信部226および第二近距離通信部246を通して交換するものである。そして交換した相手の絶対位置情報を自分の絶対位置の情報とともに携帯電話表示画面として構成される第一表示部216および第二表示部236にて地図上に同時表示する。これによって第一実施例と同様「ツインナビ」が可能となり、待ち合わせなどのときにお互いの位置を地図上で相互に同時確認しながら接近することができる。
【0058】
図18の第二実施例において特徴的なのは、第一電話通信部224と第二電話通信部244による電話回線での通信が本来の機能となっていることである。これに伴って、携帯電話基地局306の性質も第一実施例のカーナビゲーション基地局6とは少し異なっている。具体的に述べると、携帯電話基地局306は、電話回線管理部358を有しており、携帯電話基地局306の第一義的な機能は、第一電話通信部224や第二電話通信部244などの通常携帯電話機能における携帯電話同士の電話回線による会話やメール交信の管理にある。
携帯電話基地局306はさらに、第一実施例の構成にほぼ対応する基地局制御部348、基地局記憶部350、基地局ナビゲーション管理部354および基地局GPS管理部356を有する。但し、これら「ツインナビ」に関する機能も、第一実施例と少し異なる。これに対応して、第一携帯電話302および第二携帯電話304において「ツインナビ」に関連する第一制御部308、第二制御部328、第一記憶部314、第二記憶部334、第一ナビゲーション機能部320および第二ナビゲーション機能部340の機能も第一実施例と少し異なる。その詳細は後述する。
また、図1の第一実施例における第一車機能部12および第二車機能部32に該当する構成は図18の第二実施例には存在せず、代わりに第一カメラ部302および第二カメラ部304を有する。これらのカメラ部で撮影した画像は電話通信部によるメール通信に添付されて交換される。
【0059】
次に、「ツインナビ」に関する図18の第二実施例特有の機能について説明する。第一実施例は車載機器であるカーナビゲーションシステムなので、必要な地図情報(例えば日本全国)がすべて第一記憶部14または第二記憶部34に記憶されているとともに、第一GPS部18または第二GPS部からの絶対位置情報を地図データ上で表示する機能は、第一制御部8および第一カーナビゲーション機能部20または第二制御部28および第一カーナビゲーション機能部40により実行することができる。つまり、第一実施例では近距離通信部による通信が可能な限り、「ツインナビ」機能は、カーナビゲーション基地局6の助けなしに機能することができる。 これに対し、第二実施例は携帯電話に基づくシステムなので、第一制御部308、第二制御部328、第一ナビゲーション機能部320、第二ナビゲーション機能部340の能力に制限があるとともに、第一記憶部314、第二記憶部334の記憶容量にも制限がある。従って、「ツインナビ」機能は携帯電話基地局306との連携により実行されることになる。
【0060】
具体的に説明すると、図18の第二実施例における地図情報は、基本的には携帯電話基地局306の基地局記憶部350に格納して準備される。そして携帯電話基地局306は、携帯電話から要求があった区画単位で所定縮尺の地図情報を電話回線通信経由で送信する。なお、携帯電話は、受信した区画の地図情報を第一記憶部314や第二記憶部334などに保存するので、地図の要求に先立ってその区画の地図がすでに携帯電話に保存されていないかどうかチェックし、保存がなければ携帯電話基地局306に必要な区画の地図情報を要求することになる。 これによって、例えば第一携帯電話302内では、過去に受信した区画の地図情報の保存、および保存した区画の地図確認と必要に応じた新しい区画の地図の受信、および自分と相手の絶対位置図1情報に基づく必要な区画の地図上における表示の処理を担当するので、第一記憶部314、第一ナビゲーション機能部320および第一制御部308の負担が軽くなる。 第二実施例におけるような携帯電話同士の「ツインナビ」では、例えば待ち合わせ場所近辺の限られた区画の地図情報があれば目的が達成でき、カーナビゲーションのような高速での対象地図区画の遷移に対応する必要がないので、上記のような処理可能となる。
【0061】
図18の第二実施例は、上記のように携帯電話をベースにしており、携帯電話によるメールや会話が前提となる。従って、「ツインナビ」機能を携帯電話回線による通話に連動して開始するよう構成してもよい。この場合、電話通信部による通信と近距離通信部による通信が並行して行われることになる。
【0062】
なお、8では、携帯電話基地局306が電話回線管理と「ツインナビ」機能を兼ねた図示となっているが、これらを通常の電話回線管理を行う携帯電話基地局と「ツインナビ」機能を有する携帯電話基地局に分離したシステムも可能である。 なお、図18では、携帯電話基地局306が電話回線管理と「ツインナビ」機能を兼ねた構成となっているが、これらを通常の電話回線管理を行う携帯電話基地局と「ツインナビ」機能を有する携帯電話基地局に分離した構成とするシステムも可能である。 また、第三実施例として、図18の構成を変形し、第一GPS部218および第二GPS部238からそれぞれ自分と相手の絶対位置情報をまず携帯電話基地局306に送信して集結するようにし、携帯電話基地局306の基地局ナビゲーション管理部にて地図上に両者を表示した画像情報まで作成し、これをそれぞれ第一携帯電話302および第二携帯電話304に配信するようにしてもよい。このような構成によれば、「ツインナビ」のための携帯電話側の負担がさらに軽くなる。但し、近距離通信によらず電話回線によるシステムとなるので回線使用の課金がなされることになる。
【0063】
以上のように、各実施例にはカーナビゲーションおよび携帯電話に特有な機能も含まれるが、大半の特徴は両者に共通して適用可能なものである。さらに、本発明の種々の特徴はカーナビゲーションや携帯電話に限らず、通信機能を有するモバイル機器や移動対通信機器にも広く応用可能である。
【0064】
次に、図15は「ツインナビ」表示処理の変形実施例について説明する。図15はステップS103を設けることにより先導車でない場合はステップS104からステップS110およびステップS113からステップS116に入ることながいよう構成している。つまり、先導車であるか後続車であるかによって表示を異ならしめている。 これに対し、変形実施例は、先導車であるか否かにかかわらず図15の処理を実行するようにするものであって、具体的にはステップS103を省略するものである。なお、ステップS107で確認状況が解消したときは図15と同様、ステップS111に移行する。また、ステップS104からステップS110およびステップS113からステップS116において、「後続車」とあるのを「他車」と読替えるものとする。 このような変形実施例においては、後続車であっても先行車が分岐点にさしかかったときなどにおける先行車の動向の確認のためのステップS106やステップS108が実行されるとともに、他車簡略表示設定がなされている場合には、ステップS115やステップS116が実行されて地図上の表示が煩雑にならないようにする。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態に係る位置表示装置の第一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の第一制御部8または第二制御部28の基本機能を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS18の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図2のステップS32の詳細を示すフローチャートである。
【図5】自車が先導車である場合における表示の一例を示す表示画面図である。
【図6】後続車が遅れ、地図縮尺が広域化された場合の表示画面図である。
【図7】全車の中心が地図表示の中心位置となるよう自動的スクロールされた場合の表示画面図である。
【図8】第二他車の表示継続が不可能となった状態の表示画面図である。
【図9】地図の縮尺がより拡大側に自動変更された場合の表示画面図である。
【図10】先導車である自車が右折した場合の表示画面図である。
【図11】第二車両が追従して右折した場合の表示画面図である。
【図12】全ての後続車の追従右折が完了し、地図表示を省略した簡略表示となった場合の表示画面図である。
【図13】後続車簡略表示となって自車基準の自動スクロールが行われた場合の表示画面図である。
【図14】各車両が図10の位置にある場合における第三車両の表示画面図である。
【図15】図3のステップS64の詳細を示すフローチャートである。
【図16】図15のステップS112の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図3のステップS68の詳細を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態に係る位置表示装置の第二実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0066】
18 第一絶対位置取得手段 26 無線通信手段 14、20 地図情報提供手段 16 地図表示手段 8、20 判定手段 80 警告手段 8、20 表示制御手段 8、20 確認要否判定手段 8、20 選択手段 8、20 制御手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上に移動体の位置を表示する位置表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地図上に移動体の位置を表示する位置表示装置としては、GPS情報を利用したカーナビゲーション装置が一般的であるが、近年、携帯電話においても自分の位置を地図上に表示するサービスが開始されている。 一方、自分の位置だけでなく、近辺にいる他人の位置も同時に同一の地図上に表示することにより、自分と相手の相互関係を地図上で把握できるようにすることも種々提案されている。
【特許文献1】特開2000−331284号公報
【特許文献2】特開2005−17200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、地図上に自分だけでなく相手の位置も表示する場合、その表示に関して具体的に検討しなければならない種々の問題がある。従来は必ずしもこれらの問題への検討が充分とは言えず、使いやすい位置表示装置を提供するには至っていなかった。
【0004】
本発明の課題は、上記に鑑み、複数当事者の位置情報を同一の地図上に表示する際の種々の問題を検討し、使いやすい位置表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明は、自らの第一絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、外部の絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、所定の縮尺の地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報に基づいて無線通信手段の通信可能性を判定する判定手段と、判定手段の判定に基づいて警告を行う警告手段とを有する位置表示装置を提供する。 上記のように第一位置と第二位置の関係に基づいて無線通信の可能性を判断して警告を行うことにより、例えば第一位置と第二位置が接近するなど無線通信が不能とならないための適切な処置を取ることが可能となる。
【0006】
本発明の具体的な特徴によれば、判定手段は、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報に基づく位置間距離と前記無線通信手段の通信可能距離とを比較して位置間隔が通信可能距離を越えて開く恐れがあることを事前に判定する。これによって、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報との距離という無線通信可能性に直接影響する情報によって警告を行うことが可能となる。 また、本発明の他の具体的な特徴によれば、判定手段は、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報と地図情報と無線通信手段の通信可能距離とに基づいて第一絶対位置と第二絶対位置の間の地形が無線通信手段による前記第二絶対位置情報受信が不可能とする恐れがあることを事前に判定する。これによって、第一絶対位置と第二絶対位置の間の地形という無線通信可能性に直接影響する情報によって警告を行うことが可能となる。
【0007】
本発明の他の特徴によれば、自らの第一絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、外部の絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、所定の縮尺の地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第一絶対位置と第二絶対位置の移動が先行と追従の関係にあるとき、自らが先行しているか否かにより前記地図表示手段の表示を異ならしめる表示制御手段とを有する位置表示装置が提供される。 上記の構成により、両者の位置の移動が先行と追従の関係にあるときに、相手位置の確認の要否の程度に応じ他表示を行うことが可能となる。
【0008】
本発明の他の特徴によれば、自らの第一絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、外部の絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、所定の縮尺の地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第一絶対位置情報に基づいて第二絶対位置情報の確認要否を判定する確認要否判定手段とを有することを特徴とする位置表示装置が提供される。
【0009】
上記の構成により、自分と相手が連携して行動しているとき、自分の行動に基づいて相手の行動の確認要否情報を得ることができる。例えばカーナビゲーションにおいて自分が先導車である場合、自分が交差点など選択肢のある地点を過ぎたことに基づいて、後続車が正しく追従したかどうかの確認が必要である旨の判定情報を得ることができる。 上記本発明の具体的な特徴によれば、確認要否判定手段は、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報に基づいて第二絶対位置の確認要否を判定する。これによってさらに相手の行動に基づいて相手の確認要否情報を得ることができる。例えば上記のカーナビゲーションにおいて、後続車が正しく追従して交差点を通過したことに基づいて、その後必要が生じるまで確認が必要でない旨の判定情報を得ることができる。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、自らの第一絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、外部の絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、所定の縮尺の地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第二絶対位置情報を表示するか否かを選択する選択手段とを有することを特徴とする位置表示装置が提供される。 上記の特徴によれば、第二絶対位置情報に基づく位置の表示が必要ないときに、適宜その表示を行わず、地図上の位置表示を簡略化することができる。
【0011】
上記本発明の具体的な特徴によれば、第二絶対位置情報の確認要否を判定する確認要否判定手段を有し、選択手段は前記確認要否判定手段に基づいて第二絶対位置情報を表示するか否かが選択される。例えば、上記カーナビゲーションにおいて、後続車が正しく追従し、あとは道なりで当面選択肢のある地点がないことが判定されると自動的に第二絶対位置情報に基づく位置表示をおこなわないようにすることができる。もちろん、表示が必要である旨の判定が行われると、自動的に第二絶対位置情報に基づく位置表示が復活する。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、外部との通信を行う無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報に基づく地図上で絶対位置情報に基づく位置を表示する表示手段と、表示手段の表示を可能とする操作手段の操作がなくても無線通信手段による情報受信により表示手段の表示を可能とする制御手段とを有することを特徴とする位置表示装置が提供される。 上記の構成によれば、外部から無線通信によって要求があれば、自動的に表示手段による表示が可能となり、外部からの要求に応じることが可能となる。
【0013】
例えば、無線通信手段によって外部の絶対位置取得手段を取得し、これに基づく位置を自分の位置とともに地図上で表示することが可能な場合、このような表示をお互いに行うことについて外部から要求があったとき、その前提となる表示手段の表示を自動的に可能とするとともに、そのような要求があることを表示手段にて表示することができる。これに対し、操作手段の操作がないと表示手段の表示を可能とすることができなないのであれば、外部からの要求があってもこれに対応することができない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る位置表示装置の第一実施例を示すブロック図である。第一実施例は車両のナビゲーションシステムを構成しており、第一車両2、第二車両4、およびカーナビ基地局6を含む。なお、図1では簡単のために二つの車両のみ図示しているが、本発明は第三、第四の車両等を含む複数の車両間にも適用可能なシステムとなっている。
第一車両2は、車両全体を制御するコンピュータからなる第一制御部8を有し、車両の運転者による第一操作部10の操作に応じて、第一車機能部12を制御する。この第一制御部8の機能は第一記憶部14に格納されたソフトウエアによって実行される。第一記憶部14は、また車両全体の制御に必要な種々のデータを一時的に格納する。また、第一制御部8は、第一表示部16を制御し、第一操作部10の操作に必要なGUI表示を行うとともに制御結果の表示を行う。
【0015】
第一GPS部18は、GPSシステムに基づいて衛星および最寄の放送局より第一車両2の絶対位置情報である緯度、経度、および高度の情報を得て第一制御部8に送る。第一カーナビゲーション機能部20は、第一制御部8経由で得られる第一GPS部18からの絶対位置情報を処理し、地図上での第一車両2の位置を第一表示部16に表示する。 第一車両2は、さらに第一電話機能部22および第一電話通信部24を備えている。これらは通常の通話を含む電話回線を介した無線通信のためのものである。第一車両2には、これと別に無線LANなどによる第一近距離通信部26が備えられており、近距離通信圏内を走行する他の車両との無線通信が可能となっている。
【0016】
一方、第二車両4には、第二制御部28、第二操作部30、第二車機能部32、第二記憶部34、第二表示部36、第二GPS部38、第二カーナビゲーション機能部40、第二電話機能部42および第二電話通信部44、第二近距離通信部46が備えられている。この第二近距離通信部46は第一車両2の第一近距離通信部26との間の通信によりお互いのGPS部で得られた絶対位置情報を交換する。その詳細については後述する。なお、第二車両4のその他の各構成の機能は第一車両2の対応する構成と同様であるので説明は省略する。 カーナビ基地局6は、基地局全体を制御するコンピュータからなる基地局制御部48を有し、基地局記憶部50に格納されたソフトウエアによって必要な機能を実行する。基地局記憶部50は、また基地局制御部48での機能実行に必要な種々のデータを一時的に格納する。 基地局電話通信部52は、第一電話通信部24および第二電話通信部44との間で電話回線による通信が可能であり、基地局制御部48の制御の下で第一車両2および第二車両4の機能をサポートする。基地局カーナビゲーション管理部54および基地局GPS管理部はこれらのサポートに関するものであるがその詳細については後述する。
【0017】
次に、第一車両2と第二車両4の間の連携について第一車両2を中心に説明する。既に述べたように、第一カーナビゲーション機能部20は、第一制御部8経由で得られる第一GPS部18からの絶対位置情報を処理し、地図上での第一車両2の位置を第一表示部16に表示している。 第一近距離通信部26は、上記に加え、第二近距離通信部46との通信により、第二GPS部38からの第二車両4の絶対位置情報を第二制御部28経由で受信する。受信された第二車両4の絶対位置情報は、第一制御部8経由で第一カーナビゲーション機能部20に送られ、第一GPS部18からの第一車両2の絶対位置情報と同様にして第一カーナビゲーション機能部20で処理され、地図上での第二車両4の位置が第一表示部16に表示される。これによって、第一表示部16には第一車両2自身の位置とともに、近距離通信圏内を走行している第二車両4の位置が地図上で表示され、双方の位置関係を同一の地図上で一覧することが可能となる。これによって仲間同士でツーリングをしている場合など、先行車両と後続車両をお互いに目視できなくても、後続車両が迷うのを防止できる。このような連携状態を以下「ツインナビ」と略称する。 上記の機能は第二車両4でも同様であって、第二近距離通信部46で受信される第一車両2の絶対位置情報が第二カーナビゲーション機能部40で処理され、第二車両4自身の位置とともに、近距離通信圏内を走行している第一車両2の位置が同一の地図上で一覧表示される。以上のように「ツインナビ」では、第一車両2と第二車両4は相互に相手の絶対位置情報を共有する状態となる。 なお、第一車両2と第二車両4の間の連携に関しては、上記の他、両車両は第一車機能部12および第二車機能部32から得られるそれぞれの速度情報を第一近距離通信部26および第二近距離通信部46の間で交換している。これらの速度情報の活用については後述する。
【0018】
カーナビ基地局6は、上記においてシステムのメンテナンスおよび、車両が相互に近距離通信圏外となったときのサポートを行う。まず、後者のサポートについては、第一車両2と第二車両4が近距離通信部による絶対位置情報の交換ができなくなったときの中継を行う。上記のような事態が生じると、例えば第二車両4の絶対位置情報が第二電話通信部44から基地局電話通信部52に送られ、基地局制御部48の制御、および必要に応じ基地局カーナビゲーション管理部54での処理に基づいて、これが基地局電話通信部52から第一電話通信部24に転送される。 なお、電話回線による通信は、このようなカーナビ基地局6による中継によらなくても、第一電話通信部24と第二電話通信部44との間で直接行うことも可能である。しかし、上記のようなカーナビ基地局6の中継によれば、各車両はいずれの場合にもカーナビ基地局6を通信相手としてすることができ、個別に相手を選んで通信するのに比べ通信の設定や通信条件を一元化することができる。 一方、システムのメンテナンスに関しては、カーナビゲーションシステムまたはGPSシステムについて機能のバージョンアップやメンテナンスデータが発生したときなど、基地局カーナビゲーション管理部54または基地局GPS管理部56から基地局電話通信部52を介して第一車両2や第二車両4などシステムに加入している車両にバージョンアップデータやメンテナンスデータが送信される。第一車両2や第二車両4はこれらのデータを第一電話通信部24や第二電話通信部44で受信し、それぞれのカーナビゲーション機能部20、40およびGPS部18、38のメンテナンスを行う。
【0019】
図2は、図1の第一制御部8または第二制御部28の基本機能を示すフローチャートであり、車両のエンジン始動またはカーナビゲーション機能部のオンによってスタートする。なお、以下の説明は第一車両2を中心として行う。従って、特に断わらない限り以後のフローチャートは第一制御部8の機能として説明する。 第一車両2のエンジン始動または第一カーナビゲーション機能部のオンによってフローがスタートすると、ステップS2において、近距離通信を通じて他車から「ツインナビ」が要求されているかどうかチェックする。そして要求があればステップS4に進み、自車の第一カーナビゲーション機能部20がオンしているかどうかチェックする。このとき、第一カーナビゲーション機能部20がオンでなければステップS6に進み、これを自動的にオンにしてステップS8に進む。一方ステップS4において第一カーナビゲーション機能部20がエンジン始動とともにオンとなっていれば直接ステップS8に移行する。このようにステップS4およびステップS6は、他車からの制御により自車のカーナビゲーションシステムが自動的にオンになる機能を実行する。
【0020】
ステップS8では、カーナビゲーション機能のメニュー表示をスタートするが、さらにステップS9に進んでこのとき他車からの「ツインナビ」要求に関する表示をメニューに追加する。なお、このメニューは、他車からの「ツインナビ」要求がなければ表示されないものである。次いでステップS10では第一車両2が走行中かどうかチェックする。そして走行中であれば、ステップS11で「可能ならば停車して操作を行う」等の勧告を行ってステップS12に移行する。また走行中でなければ直接ステップS12に移行する。これは、走行中に注意が散漫となるようなカーナビゲーション操作を行うことについて運転者に危険防止を喚起するためである。 ステップS12では、第一車両2の運転者による「ツインナビ」合意操作がなされたかどうかチェックする。そして合意操作があればステップS14に進み、「ツインナビ」を要求してきた他車に合意の旨の返答を送信する。この後、ステップS16で「ツインナビ」停止の操作をいつでも受付けられるよう処置してステップS18の「ツインナビ」処理に入る。その詳細については後述する。
【0021】
一方、ステップS2で近距離通信による他車からの「ツインナビ」要求がなかったときは、ステップS20に移行し、自車の第一カーナビゲーション機能部20がオンしているかどうかチェックする。オンでなければステップS22に進み、運転者によるオン操作があったかどうかチェックする。そしてオン操作がなければステップS2に戻り、以下、他車からの「ツインナビ」要求、又は運転者自身のオン操作がない限り、ステップS2、ステップS20、ステップS22のループを繰り返す。 ステップS22で、運転者が第一カーナビゲーション機能部20をオンする操作をしたことが検知されるとステップS24に進み、第一カーナビゲーション機能部20のオンを実行してステップS26に進む。また、ステップS20で既に第一カーナビゲーション機能部20がオンであった場合は直接ステップS24に進む。
【0022】
ステップS26では、カーナビゲーション機能のメニュー表示をスタートし、ステップS28で他車が第一近距離通信部26の通信圏内にあるかどうかをチェックする。そして、通信圏内に他車が存在すればステップS30に進んでこのとき他車に対する「ツインナビ」要求に関する表示をメニューに追加してステップS32に移行する。一方、ステップS28で通信圏内に他車が存在しないときはメニューに「ツインナビ」に関する項目は表示せず、直接ステップS32に移行する。 なお、ステップS2で他車からの「ツインナビ」要求があった結果ステップS12に至り、ここで他車からの「ツインナビ」要求に合意する操作をしなかった場合は、ステップS32に進むことになる。 ステップS32では、他車に「ツインナビ」を要求し、これに対する他車からの合意があったかどうかをチェックする。そして要求への合意が成立する他車があった場合はステップS16に移行し、ステップS18の「ツインナビ」処理に入る。一方、ステップS32で「ツインナビ」要求をしなかったか又は要求をしたがいずれの他車からも合意の返答がなかったときはステップS34に進む。上記においてステップS28から直接ステップS32に至った場合、またはステップS12からステップS32に至った場合は、通常はステップS34に移行する。ステップS34では、他車からの「ツインナビ」要求をいつでも受付けられるよう処置してステップS36の通常ナビゲーション処理に入る。上記のステップS32における処理の判断処理の詳細については後述する。
【0023】
図3は、図2のステップS18における「ツインナビ」処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS42で「ツインナビ」に合意した他車のカーナビゲーションシステムの識別情報(ID)を確認する。そしてステップS44に進み、確認した識別情報に基づいてその他車のカーナビゲーションシステムに対応可能なよう第一カーナビゲーション機能部20が設定済みかどうかチェックする。 ステップS44で、チェックした他車のカーナビゲーションシステムが設定済みのものでなければステップS46に進み、他車のカーナビゲーションシステムから受信した他車の緯度・経度・高度データを取り扱う通信フォームを第一カーナビゲーション機能部20で対処できるよう変換する。さらに、ステップS48において他車の緯度・経度・高度のデータ内容を第一カーナビゲーション機能部20で取り扱える表現に変換する。そして以上の変換設定を他車の識別情報毎に第一記憶部14に記憶してステップS52に進む。 一方、ステップS44において、チェックした他車のカーナビゲーションシステムが設定済みのものであれば、直接ステップS52に進む。従って
、一度ステップS46からステップS50を経過した識別情報をもつ他車の場合は、ステップS44から直接ステップS52に至ることになる。
【0024】
ステップS52では、他車がその時点において依然として第一近距離通信部26の通勤圏内にあるかどうかチェックする。そして近距離通信圏内にあればステップS54に進み、他車、例えば第二車両4の第二GPS部38で取得された第二車両4の絶対位置情報を第一近距離通信部26にて受信する。なお、ステップS54においては、第二車機能部32からの第二車両4の速度情報もあわせて受信する。ステップS54ではさらに、受信した絶対位置情報および速度情報を履歴として少なくとも一連の「ツインナビ」が終了するまで、第一記憶部14に記憶して保存する。この履歴情報の活用については後述する。 上記において、例えば第二車両4が先行しており第一車両2にさらに第三車両が近距離通信圏内で後続している場合は、ステップS54において第二車両4の絶対位置情報および速度情報を第三車両にも中継する。これによって第二車両4と第三車両が直接的には互いに近距離通信圏外にあっても、両車両の中間にあって両車両それぞれとは近距離通信圏内にある第一車両2の中継機能によって、両車両は近距離通信による互いの絶対位置情報および速度情報を交換することが可能となる。
【0025】
次いで、ステップS56では、絶対位置情報を受信した他車との車間距離を計算する。このとき、自車を含めて三つ以上の車両があるときはそれぞれのあらゆる組合せにおける車間距離をそれぞれ計算する。 さらに、ステップS58では、「ツインナビ」車間における近距離通信のための電波環境の情報として、第一カーナビゲーション機能部20の有する地図情報を取得する。これはステップS56で計算した車間距離だけからでは近距離通信が可能であっても地形などから電波環境が通常より悪くなる状況を把握するためである。以上を経てステップS60に至り、近距離通信圏の限界にあってこのままでは圏外となるリスクがあるかどうかをチェックする。そして、リスクがあればステップS62で「圏外注意」の警告表示を行ってステップS64に移行する。一方、ステップS60で近居通信圏外リスクがない場合は直接ステップS64に移行する。このような「圏外注意」の警告に接することにより、先導車は速度を落とし、後続車は安全を確認しながら速度を上げるなどの対処が可能となり、近距離通信を維持することができる。
【0026】
ステップS64では「ツインナビ」表示処理を行うがその詳細は後述する。ステップS64の処理の後、フローはステップS52に戻り、以下、ステップS52で近距離通信圏外であることが検出されない限り、ステップS52からステップS64を繰り返して「ツインナビ」機能を継続する。 ステップS52で他車が近距離圏外に出たことが検出されるとステップS66に移行して近距離圏外となる直前に通信で得た他車の絶対位置情報および速度の情報を保存し、ステップS68に進む。ステップS68では、近距離外処理により補完的に「ツインナビ」状態を維持するが、その詳細は後述する。 次いでステップS70で他車が近距離通信圏内に復帰したかどうかがチェックされ、通信圏内になればステップS54に移行してステップS52からステップS64のループに復帰する。一方、ステップS70で他車が近距離通信圏内であることが検出できなければステップS68に戻り、以下、ステップS70で近距離圏内への復帰が検出できない限りステップS68と70のループで補完的な「ツインナビ」状態を継続する。
【0027】
図4は、図2のステップS32における「ツインナビ」要求および合意処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS82で自車から他車に「ツインナビ」を要求する操作をしたかどうかがチェックされる。他車への「ツインナビ」要求操作があればステップS84に進み、「ツインナビ」を要求する他車の識別情報の指定操作があったかどうかをチェックする。 ステップS84に至ると一定時間だけ運転者の操作を待ち、この一定時間内に他車識別情報を指定する操作がなければステップS86に移行する。ステップS86では、ステップS50の機能により過去記憶された識別情報の中から現在通信圏内にあるすべての他車の識別情報を自動指定してステップS88に移行する。一方、ステップS84で所定時間内に識別情報の指定があれば指定された特定の車両のみを指定状態として直接ステップS88に移行する。
【0028】
ステップS88では、指定された識別情報をもつ全ての他車に対して「ツインナビ」要求信号を第一近距離通信部26から送信する。そしてステップS90で指定した全ての他車からの応答を受信したかどうかチェックする。応答のない他車があればステップS92に進み、送信後所定時間が経過したかどうかチェックする。そして所定時間が経過していなければステップS90に戻り、以下、全ての他車からの応答を受信するか所定時間が経過するまでステップS90とステップS92を繰り返す。 ステップS92で所定時間が経過したことが確認されるとステップS94に進み、未だ応答のない他車からの「ツインナビ」への合意返信があったときに割込みがかかることを可能にした上でステップS96に進む。一方、ステップS90で識別情報を指定して「ツインナビ」要求信号を送信した全ての車両から応答を受信したことが確認されると直接ステップS96に移行する。 ステップS96では受信した応答に基づいて「ツインナビ」に合意した他車があるかどうかチェックし、一つでも合意した車両がある場合には図2のステップS16に移行する。一方、ステップS96で「ツインナビ」要求に合意した車両がなければ図2のステップS34に移行する。なお、ステップS82において他車への「ツインナビ」要求をしなかった場合は直接ステップS34に移行する。
【0029】
図5は、図1の第一表示部16に表示される「ツインナビ」表示の一例を示す表示画面図であり、図3のステップS64によるツインナビ表示処理によって実現されるものである。図5は、第一車両2が先導車である場合であり、表示画面62において第一車両2は自車両指標64として地図66上に表示される。図5は「ツインナビ」に合意している後続車が第二車両4を含めて二台ある場合を示しており、第二車両4が第一他車指標68、第三車両が第二他車指標70として共通の地図66に同時に表示されている。 「ツインナビ」合意車表示エリア72は、現在「ツインナビ」に参加している車両の存在を表示するためのものであり、第一他車存在表示74、第二他車存在表示76に地図上の他車と同一シンボルが表示されている。なお、破線で示した第三他車存在表示部分78には現在対象車両がないので他車存在表示はなされていない。
【0030】
近距離通信圏外表示エリア80には、図3のステップS62における「圏外注意」警告をはじめとし、「圏外」警告、または「表示不可」を示す表示が、それぞれ該当する状況が生じたときに行われる。「圏外」警告、または「表示不可」表示の意義については後述する。なお、図5の場合は、いずれにも該当しない状態なので近距離通信圏外表示エリア80には何も表示されない。 後続車状況表示エリア82には、後続車が正しく追従しているかどうかを確認すべき状況になったときに表示を行う。図5はこの状況ではない例なので何も表示されていない。後続車状況表示エリア82の表示については後述する。
【0031】
図6は、第二他車が図5の位置よりも遅れて走行していた場合の表示画面62の表示状態を示すものである。なお、自車および第一他車は図5と同じ位置にあるものとする。この場合は、地図の縮尺が図5のままであると、第二他車が表示範囲から外れてしまう。従って図6における地図92の縮尺は、図5における地図66の縮尺よりも広域表示となるよう自動変更されている。 具体的に述べると、図6における領域94が図5において地図66が表示されていた部分であり、第二他車指標70はこの領域94からはみ出している。従って図6では、表示範囲が第二他車指標70を含む広域に広がるよう地図の縮尺が自動変更されている。 なお、図6は、図3のステップS60において第二他車が近距離通信圏外リスクありと判断された状態を示しており、この結果ステップS62によって近距離通信圏外表示エリア80には「圏外注意」の警告が行われているが、この状態では第二他車はまだ近距離通信圏内にある。これに対し、第二他車が近距離通信圏外に出てしまったときには近距離通信圏外表示エリア80の表示が「圏外」の警告表示に変わる。この場合でも、図3のステップS68の近距離圏外処理に基づき第二他車指標70の表示は継続される。 また、図6では、図5の状態から地図の縮尺を変更することに伴って地図表示の中心位置を自動的に変更するスクロールが行われている。図6は自車指標64を基準としてスクロールされており、第二他車が表示範囲に入るよう考慮しつつできるだけ自車指標64が地図の中心になるようスクロールされる。
【0032】
図7は、図6と同じ状態を示すが、図5の状態から縮尺を変更する際、「ツインナビ」に参加している全車の中心が地図表示の中心位置となるよう自動的にスクロールが行われた例である。図6と比較すると、図7では地図100のように地図表示全体が上方にシフトされている。 図6における表示のように自車を基準として自動スクロールを行うか、図7における表示のように全車の中心を中心位置として自動スクロールを行うかは、予め任意に設定しておくことができる。なお、特に運転者が変更設定を行わない限り、図6における表示のように自車を基準とした自動スクロールが行われる。 なお、上記の設定に従った自車基準の自動スクロールまたは全車中心を基準の自動スクロールは、地図の縮尺が変更されたときだけでなく、縮尺変更のない場合にも自車の進行に従って常に実行される。
【0033】
図8は、自車と第二他車の距離が近距離通信圏を外れて「圏外」となったあと更に両車両の距離が離れ、もはや図3のステップS68の近距離圏外処理に基づいても第二他車の表示を継続するのが無意味となった状態の表示画面62を示す。このとき近距離通信圏外表示エリア80の表示は「表示不可」に変わる。さらに、表示不可の状態となった車両を明示するため、「ツインナビ」合意車表示エリア72における第二他車存在表示76に表示不可マーク102が付加される。また、地図上において第二他車指標70は非表示となり、表示対象から除外される。信頼性のない他車車両の位置を地図上に表示すると混乱を招くからである。
【0034】
図8のように第二他車指標70が非表示となると、もはや第二車両を考慮した広域表示を行う必要がないので表示は図9のように変わる。つまり、図9では、図8から地図の縮尺が自動変更され、より拡大状態の地図66に基づく表示となる。なお、縮尺を自動変更しない設定としておけば、第二他車指標70が非表示となっても、図8の縮尺での地図表示が継続される。
【0035】
図10は、図5の状態から先導車である自車が郵便局の角を右折した場合の表示画面62を示す。この場合、自車両指標64を基準として、進行方向が表示上方となるよう地図104は90度回転させられる。なお、当然ながら、まだ右折していない第一他車指標68および第二他車指標70の進行方向は地図の上方とはならない。このように複数車両がある場合の地図の上方は常に自車の進行方向を基準として決定される。 なお、車両の進行方向に係わらず北を地図上方として表示するよう設定している場合は、自車と他車の進行方向に係わらず地図の回転は行われない。
【0036】
また、図10においては、後続車である第二車両と第三車両が追従して右折するかどうかを確認するため、後続車状況表示エリア82において、第一他車存在表示74および第二他車存在表示76に隣接してそれぞれ第一他車要確認マーク106および第二他車要確認マーク108が「?」シンボルで表示される。
【0037】
図11は、図1
0の状態からさら時間が経過し、第二車両が正しく追従して右折した場合の表示画面62を示す。この場合、後続車状況表示エリア82において第一他車存在表示74に対応して表示されていた要確認マーク「?」が消え、その代わりに「OK」シンボルで表示される第一他車確認済マーク112が表示される。この「OK」表示は後述する後続車簡略表示となる。
【0038】
図12は、図11の状態からさら時間が経過し、第三車両も正しく追従して右折した場合の表示画面62を示す。この場合、後続車状況表示エリア82において、第二他車存在表示76に対応する表示も第二他車確認済マーク114に変わり、第一他車確認済マーク112とともに「OK」シンボルで表示される。 さらに、このようにして後続車両のすべてが正しく追従して右折したことが確認されると、後続車表示が簡略化され、地図上での第一他車指標68および第二他車指標70が非表示となる。これは、例えばしばらく道なりが続くなど後続車の確認を必要としない状況において自車とともに後続車を表示するのは煩わしいので、自車が交差点にさしかかるなど後続車の確認が再び必要となる状況が発生するまでは後続車の表示を省略するものである。なお、このように地図上での後続車の表示を省略する場合でも、後続車状況表示エリア82においては第一他車確認済マーク112および第二他車確認済マーク114の「OK」シンボルの表示が継続される。このような後続車簡略表示により、地図上の位置までは確認できないものの、後続車が正しく追従していること自体の確認が可能となる。 なお、このような後続車簡略表示を予め設定していないときは、後続車確認の必要性如何にかかわらず、表示可能な後続車の位置が常に自車とともに地図上に表示される。
【0039】
図13は、図12のようにして後続車簡略表示が始まり、後続車の地図上での表示が不要となったときの表示画面62を示す。図12では全車が地図上に入ることを考慮して地図104のスクロールが行われるが、図13では専ら自車を基準として地図120をスクロールする。具体的には、自車が先導車の場合、自車両指標64が図12よりも図13において画面のより下方となるようスクロールが行われる。 なお、図13のように自車しか表示しない場合は、通常ナビゲーションにおけるように前方の情報を重視して自車両指標64がもっと画面62の下部に配置されるようなスクロールも可能である。しかしながら、「ツインナビ」では、後続車の表示が必要となったときへの対応のため、図13のように自車の後方にも相応の地図スペースが確保されるよう配慮してスクロールが行われる。このように、自車のみを地図上に表示する場合においても、通常ナビゲーションの場合と「ツインナビ」の場合とでは自車両指標64の配置が異なるよう地図のスクロール制御を行う。
【0040】
図14は、各車両が図10の位置にあるときの第三車両の表示画面130を示す。図14では、自車両指標134が、第一他車指標136および第二他車指標138に後続して最後尾にある。つまり、図14では第一他車が先導車であり、図10と同様郵便局の角を右折している。これに対応して、「ツインナビ」合意車表示エリア72には、第一他車存在表示140および第二他車存在表示142が地図上と同一シンボルで表示されている。なお、図14でも、破線で示した第三他車存在表示部分78には現在対象車両がないので他車存在表示はなされていない。 また、図14における自車はまだ郵便局角で右折していないので、地図66は図5と同様の状態にあり、図10のように90度回転していない。このように、複数車両の指標が同時に地図上に表示される「ツインナビ」では、自車が先導車であろうと後続車であろうと、また、他車の向きがどうであろうと、地図の上方は常に自車の進行方向を基準として決定される。 さらに、自車に後続車がない場合は後続車に対する配慮は不要なので、後続車状況表示エリア82は表示画面130には表示されない。
【0041】
図15は、図3のステップS64における「ツインナビ」表示処理の詳細を示すフローチャートであり、図5から図14において説明した種々の表示を実現するためのものである。フローがスタートすると、ステップS101で、「ツインナビ」合意車の有無を表示する。これは、図5等における合意車表示エリア72における表示を行うことに該当する。次にステップS102で自車を地図上で表示する処理を行う。これは、図5の自車両指標64または図14の自車両指標134を地図66等で表示することに該当する。 次いでステップS103では自車が先導車かどうかをチェックし、先導車であった場合はステップS104で後続車状況表示エリアを表示する。これは、図5などにおける後続車状況表示エリア82を表示することに該当する。さらにステップS105で後続車確認状況が発生したかどうかをチェックする。これは、図10において自車が右折した場合などのように交差点などで後続車の進路に選択肢が生じた場合に相当する。この状況の発生は地図情報と自車の位置情報に基づいて判断される。
【0042】
ステップS105で後続車確認状況が発生しているとステップS106に進み、確認の必要な対象車別に確認が必要な旨の表示を行う。これは、図10図における第一他車要確認マーク106や第二他車要確認マーク108の「?」シンボルを後続車状況表示エリア82に表示することに該当する。 次いで、ステップS107でこのような後続車確認状況が解消したかどうかチェックし、解消していればステップS108で対象車別に正常追従の確認表示を行う。これは、図11などにおいて「?」シンボルに代えて「OK」シンボルを後続車状況表示エリア82内に表示することに該当する。 次いで、対象車別確認表示を継続しながらステップS109に進み、予め後続車簡略表示設定がされているかどうかをチェックする。そしてこの設定がされていることが検知できなければステップS110に進み、所定時間後に対象車別確認表示を消す処理をしてからステップS111に移行する。
【0043】
ステップS111では、「ツインナビ」に参加している表示可能な全対象車両を自車とともに地図上に表示する処理をおこなう。そしてステップS112で地図の縮尺変更・地図回転処理を行い、フローを終了する。なお、図15のフローが終了すると図3のステップS52に戻るので、近距離通信による「ツインナビ」が可能な限り図3のステップS52からステップS62を経て図15のフローのスタートに至り、図15のフローが繰り返される。上記ステップS112の詳細は後述する。
【0044】
図15のステップS103において自車が先導車でなければ直接ステップS111に移行し、全対象地図縮尺変更・回転処理に入る。さらに、ステップS107において後続車確認状況が解消していない場合も直接ステップS111に移行する。この場合は、ステップS106で行われた対象車別要確認表示が継続される。 また、ステップS105において後続車確認状況が発生していなければステップS113に進むので対象車別要確認表示は非表示となる。これは図5などにおいて後続車状況表示エリア82内に何も表示されていない状態に該当する。そして、ステップS114で予め後続車簡略表示設定がされているかどうかをチェックする。そしてこの設定がされていることが検知できなければステップS111に移行する。
【0045】
一方、ステップS114において後続車簡略表示設定が行われていることが検知された場合は、ステップS115に進み、対象車別正常追従表示を行う。この表示としては、ステップS108で行われるのと同じ表示を流用する。具体的には、後続車状況表示エリア82において「OK」シンボルで表現されている第一他車確認済マーク112や第二他車確認済マーク114を流用する。運転者にとっては、現在正常に後続車が追従しているかどうかが関心の対象であって、確認が必要な状況を経たのかどうかの履歴は問題でないからである。なお、特に必要な場合は、ステップS108で行われる確認済表示とステップS115で行われる正常追従表示を異なる表示としてもよい。 次にステップS116に進み、対象後続車の地図上での表示を省略する表示を行う。これは図12や図13において、地図上での第一他車指標68および第二他車指標70が非表示となることに該当する。この後、ステップS112の地図縮尺変更・地図回転処理に移行する。 なお、ステップS109において後続車簡略表示設定がされていることが検知されたときはステップS114に移行する。なお、この場合はステップS114から必ずステップS115に移行する。 また、ステップS114において、後続車簡略表示設定がされていることが検知されないときは、ステップS111に移行する。
【0046】
図16は、図15のステップS112における地図縮尺変更・回転処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS122で地図縮尺の初期値を設定する。この初期値としては、既に「ツインナビ」が開始されているときは現在の地図縮尺を初期値として設定する。また新たに「ツインナビ」を開始したときは、運転者が設定した地図縮尺を設定する。この場合、特に設定がなければデフォルト設定の地図縮尺を設定する。そしてステップS124で、車両の進行方向に係わらず方角の「北」を地図の上方に固定して表示する設定が予め行われているかどうかチェックする。 そして、特に設定が行われたことが検知できなければデフォルトとして自動的にステップS125に進む。ステップS125では、複数の車両が地図に表示されている状態において自車を基準としてその進行方向が常に地図の上方となるよう地図を自動回転する処理を行い、ステップS126に移行する。ステップ125の処理は、図5から図10の状態へ自車が右折することに伴って地図が90度回転させられる状態や、図10と図14において、自車が先導車か後続車かに対応して地図が90度回転させられている状態に該当する。 一方、ステップS124において北を上方に固定設定する設定が運転者により予め行われていることが検知されたときは、ステップS128で北を地図の上方に固定する処理を行い、ステップS126に移行する。
【0047】
ステップS126では、「ツインナビ」において表示可能な対象車がステップS122で設定された地図縮尺において全て表示範囲に入るかどうかチェックされる。表示範囲に入らない車両がある場合はステップS130に進み、自車基準の自動スクロール設定になっているかどうかをチェックする。 ステップS130で自車基準自動スクロール設定になっていることが検知されたときは、ステップS132に進み、全車表示を優先した地図のスクロールに移行する。これは、例えば先導車として後方スペースが少ない自車基準の自動スクロールを行っている場合において、スクロールによって自車の表示位置を上方に移動させれば地図縮尺を広域に変更しなくても後続車の表示が可能になる場合があるからである。
【0048】
以上のスクロールを試みた後、ステップS134において表示可能な対象車が全て表示範囲に入るようになったかどうか再度チェックする。そして、スクロールによっては全車を表示範囲に入れることができなかった場合はステップS136に進み、自車基準に配慮しながら全対象車が表示可能な地図縮尺への自動広域化を行ってステップS138に移行する。 一方ステップS130において自動スクロールが自車基準でなかったときは、既に全車が最も効率よく表示可能なようスクロールが試みられており、これ以上のスクロールで全車を表示範囲に入れる余地はないのでステップS140に進む。ステップS140では、全対象車が最も効率よく表示可能な地図縮尺への自動広域化を行ってステップS138に移行する。通常、ステップS136で決定される地図縮尺の方がステップS140で決定される地図縮尺よりも広域のものとなる。
【0049】
上記ステップS126において全車が表示範囲内に入っていた場合はステップS146の設定配慮処理を
行ってステップS138に移行する。ステップS146の処理は、先導車と最後尾の後続車との車間距離が縮まり、全車が表示範囲に入るようになった場合は当初の設定に配慮して地図を拡大するよう地図縮尺を自動変更する処理である。 具体的には、まず一段階拡大状態とした地図縮尺において全車が表示範囲に入るかどうかのチェックを行い、表示範囲に入る場合は地図の拡大が自動的に実行される。以下さらに拡大が可能ならこれが繰り返され、それ以上拡大すると全車表示が不可能となる地図縮尺または運転者が設定した地図縮尺となるまで拡大が自動的に繰り返される。なお、広域化の場合と同様、全車表示可能性や縮尺の判断を行うにあたっては、自車基準自動スクロール設定が行われているかどうかで判断基準を変える。この場合も自車基準自動スクロール設定が行われているときの方が、より広域の地図縮尺が採用される結果となる。 なお、上記のような処理において、ステップS126からステップS138に至ったとき、ステップS122で設定された初期値が結果的に変更されず、地図縮尺には変化がない場合がある。むしろ「ツインナビ」において全車が安定走行しているときは地図縮尺変化がない場合が普通である。
【0050】
ステップS138では、自車基準の自動スクロール設定になっているかどうかをチェックする。そして自車基準自動スクロール設定になっていることが検知されたときは、ステップS142に進み、自車基準の自動スクロールを実行してフローを終了する。一方、ステップS138で自車基準自動スクロール設定になっていることが検出できなければステップS144に進み、全社中心自動スクロールを実行してフローを終了する。ステップS142およびステップS144による自動スクロールの違いは、それぞれ図6の表示および図7の表示の違いに該当する。
【0051】
図17は、図3のステップS68における近距離圏外処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS152で圏外車が発生してから所定時間が経過したかどうかがチェックされる。所定時間が未だ経過していなければ、ステップS154に進み、「圏外」表示を行う。これは、図6または図7の近距離通信圏外表示エリア80における表示が「圏外注意」警告から「圏外」警告に変わることを意味する。 次いでステップS156において圏外車を確認する状況が発生しているかどうかをチェックする。圏外車確認状況とは、自車が交差点などを通過し、後続車の進路に選択肢が生じた場合に相当する。この状況の発生は地図情報と自車の位置情報に基づいて判断される。このような状況が発生していなければステップS158に進み、圏外車の絶対位置情報を通信により入手してから所定時間が経過したかどうかをチェックする。この通信とは、第一電話通信部24および第一近距離通信部26のいずれによる通信の場合も該当する。
【0052】
最後の通信後所定時間が経過していなければステップS160に移行し、履歴による圏外車位置推測処理を行う。この処理は、過去受信して蓄積した複数の絶対位置情報とそのときの時刻の履歴から現在の圏外車の絶対位置を推測する。このとき最後に受信した絶対位置情報が発生したときの圏外車の速度情報も補足的に活用される。 ステップS162では、このようにして推測された絶対位置情報を実際に他車のGPS部から得た絶対位置情報と同様に取り扱うべき処理をし、ステップS164のツインナビ表示処理に入る。ステップS164は図3のステップS64と同じものであり、その内容は図15のとおりである。ステップS164の処理が終わるとフローはステップS156に戻り、以下ステップS156で圏外車確認状況が発生するかまたはステップS158で通信後所定時間が経過しない限り、ステップS156からステップS164を繰り返す。
【0053】
ステップS156で圏外車確認状況が発生するかまたはステップS158で通信後所定時間が経過したときはステップS166に移行し、第一電話通信部24から基地局電話通信部52に自車の絶対位置情報を自動送信する。これは、圏外他車の利用に供するためである。 なお、ステップS166ではさらに、指定した圏外他車から基地局電話通信部52への絶対位置情報送信を要求する信号を自動送信する。カーナビ基地局6では、この要求信号を指定された圏外他車に自動転送する。圏外他車はこれに応答して圏外他車の絶対位置情報を基地局電話通信部52に自動送信するので、これが基地局記憶部50に記憶されている。 ステップS168では、指定した圏外車の絶対位置情報を基地局電話通信部52から自動受信する。次いでステップS170では、直前に受信していた圏外他車の絶対位置情報と今回受信した絶対位置情報に基づいて、両情報の間の情報を補間するとともに将来の推測情報を作成する処理を行う。電話通信部による通信は有料なので無料の近距離通信よりも少ない頻度でおこなわれるが、擬似的に近距離通信による頻度に合わせた絶対位置情報を作成するのがステップS170の意義である。 さらにステップS172では、このようにして補間・推測された絶対位置情報を実際に他車のGPS部から得た絶対位置情報と同様に取り扱うべき処理をし、ステップS174のツインナビ表示処理に入る。ステップS174は図3のステップS64と同じものであり、その内容は図15のとおりである。ステップS174の処理が終わるとフローを終了し、図3のステップS70に移行する。
【0054】
上記においてステップS156からステップS166に移行する理由は、圏外車確認状況が発生したときは選択肢が複数となるので履歴による絶対位置推測が不可能となるからである。また、ステップS158からステップS166に移行する理由は、最後の通信後所定時間が経過すると推測の信頼性が低下するからである。このように推測による圏外車絶対位置推測が不適当になったときはステップS166に移行して電話通信部によって圏外他車の絶対位置情報を直接取得する。
【0055】
ステップS152で、圏外車が発生してから所定時間が経過した場合は、ステップS176に移行し、「表示不可」との表示を行う。さらに、ステップS178では、該当する圏外車を地図か羅非表示とする。また、ステップS180で圏外車を特定する表示を行ってステップS174に移行する。 上記ステップS176からステップS180の処理は、図8または図9において、近距離通信圏外表示エリア80に「表示不可」が表示されるとともに「ツインナビ」合意車表示エリア72における第二他車存在表示76に表示不可マーク102が付加されていること、並びに、第二他車指標70が地図上で非表示となっていることに該当する。 このような処理を行う意義は、ステップS152で圏外車が発生してから所定時間が経過した場合、これ以上「ツインナビ」を続けると有料の電話通信部による他車の絶対位置情報取得が常態化するので、これを避けるため該当する対象車を「ツインナビ」から除外することにある。
【0056】
なお、図17のフロー実行中においては、常に近距離通信圏内に復帰したかどうかのチェックが行われており、近距離通信圏内復帰の際には直ちに割込みがかかって図3のステップS54にジャンプする。
【0057】
図18は、本発明の実施の形態に係る位置表示装置の第二実施例を示すブロック図である。第二実施例は、携帯電話システムを構成しており、第一携帯電話302、第二携帯電話304、および携帯電話基地局306を含む。なお、図1では簡単のために二つの携帯電話のみ図示しているが、本発明は第三、第四の携帯電話等を含む複数の携帯電話間にも適用可能なシステムとなっている。
図18の第二実施例は、基本的には図1の第一実施例に概略対応する構成を持っており、図18において一の位および十の位が共通する二百番台の符号はそれぞれ図1の符号が対応する構成に該当するので、特に必要がない限り説明は省略する。また、第一実施例において説明した各機能はカーナビゲーションに特有の機能でないかぎり、第二実施例においても適用可能なので、特に必要がない限り、説明は繰り返さない。
図18の第二実施例も、第一携帯電話302と第二携帯電話304との間で、それぞれの第一GPS部218および第二GPS部238で得た携帯電話保持者の絶対位置情報を第一近距離通信部226および第二近距離通信部246を通して交換するものである。そして交換した相手の絶対位置情報を自分の絶対位置の情報とともに携帯電話表示画面として構成される第一表示部216および第二表示部236にて地図上に同時表示する。これによって第一実施例と同様「ツインナビ」が可能となり、待ち合わせなどのときにお互いの位置を地図上で相互に同時確認しながら接近することができる。
【0058】
図18の第二実施例において特徴的なのは、第一電話通信部224と第二電話通信部244による電話回線での通信が本来の機能となっていることである。これに伴って、携帯電話基地局306の性質も第一実施例のカーナビゲーション基地局6とは少し異なっている。具体的に述べると、携帯電話基地局306は、電話回線管理部358を有しており、携帯電話基地局306の第一義的な機能は、第一電話通信部224や第二電話通信部244などの通常携帯電話機能における携帯電話同士の電話回線による会話やメール交信の管理にある。
携帯電話基地局306はさらに、第一実施例の構成にほぼ対応する基地局制御部348、基地局記憶部350、基地局ナビゲーション管理部354および基地局GPS管理部356を有する。但し、これら「ツインナビ」に関する機能も、第一実施例と少し異なる。これに対応して、第一携帯電話302および第二携帯電話304において「ツインナビ」に関連する第一制御部308、第二制御部328、第一記憶部314、第二記憶部334、第一ナビゲーション機能部320および第二ナビゲーション機能部340の機能も第一実施例と少し異なる。その詳細は後述する。
また、図1の第一実施例における第一車機能部12および第二車機能部32に該当する構成は図18の第二実施例には存在せず、代わりに第一カメラ部302および第二カメラ部304を有する。これらのカメラ部で撮影した画像は電話通信部によるメール通信に添付されて交換される。
【0059】
次に、「ツインナビ」に関する図18の第二実施例特有の機能について説明する。第一実施例は車載機器であるカーナビゲーションシステムなので、必要な地図情報(例えば日本全国)がすべて第一記憶部14または第二記憶部34に記憶されているとともに、第一GPS部18または第二GPS部からの絶対位置情報を地図データ上で表示する機能は、第一制御部8および第一カーナビゲーション機能部20または第二制御部28および第一カーナビゲーション機能部40により実行することができる。つまり、第一実施例では近距離通信部による通信が可能な限り、「ツインナビ」機能は、カーナビゲーション基地局6の助けなしに機能することができる。 これに対し、第二実施例は携帯電話に基づくシステムなので、第一制御部308、第二制御部328、第一ナビゲーション機能部320、第二ナビゲーション機能部340の能力に制限があるとともに、第一記憶部314、第二記憶部334の記憶容量にも制限がある。従って、「ツインナビ」機能は携帯電話基地局306との連携により実行されることになる。
【0060】
具体的に説明すると、図18の第二実施例における地図情報は、基本的には携帯電話基地局306の基地局記憶部350に格納して準備される。そして携帯電話基地局306は、携帯電話から要求があった区画単位で所定縮尺の地図情報を電話回線通信経由で送信する。なお、携帯電話は、受信した区画の地図情報を第一記憶部314や第二記憶部334などに保存するので、地図の要求に先立ってその区画の地図がすでに携帯電話に保存されていないかどうかチェックし、保存がなければ携帯電話基地局306に必要な区画の地図情報を要求することになる。 これによって、例えば第一携帯電話302内では、過去に受信した区画の地図情報の保存、および保存した区画の地図確認と必要に応じた新しい区画の地図の受信、および自分と相手の絶対位置図1情報に基づく必要な区画の地図上における表示の処理を担当するので、第一記憶部314、第一ナビゲーション機能部320および第一制御部308の負担が軽くなる。 第二実施例におけるような携帯電話同士の「ツインナビ」では、例えば待ち合わせ場所近辺の限られた区画の地図情報があれば目的が達成でき、カーナビゲーションのような高速での対象地図区画の遷移に対応する必要がないので、上記のような処理可能となる。
【0061】
図18の第二実施例は、上記のように携帯電話をベースにしており、携帯電話によるメールや会話が前提となる。従って、「ツインナビ」機能を携帯電話回線による通話に連動して開始するよう構成してもよい。この場合、電話通信部による通信と近距離通信部による通信が並行して行われることになる。
【0062】
なお、8では、携帯電話基地局306が電話回線管理と「ツインナビ」機能を兼ねた図示となっているが、これらを通常の電話回線管理を行う携帯電話基地局と「ツインナビ」機能を有する携帯電話基地局に分離したシステムも可能である。 なお、図18では、携帯電話基地局306が電話回線管理と「ツインナビ」機能を兼ねた構成となっているが、これらを通常の電話回線管理を行う携帯電話基地局と「ツインナビ」機能を有する携帯電話基地局に分離した構成とするシステムも可能である。 また、第三実施例として、図18の構成を変形し、第一GPS部218および第二GPS部238からそれぞれ自分と相手の絶対位置情報をまず携帯電話基地局306に送信して集結するようにし、携帯電話基地局306の基地局ナビゲーション管理部にて地図上に両者を表示した画像情報まで作成し、これをそれぞれ第一携帯電話302および第二携帯電話304に配信するようにしてもよい。このような構成によれば、「ツインナビ」のための携帯電話側の負担がさらに軽くなる。但し、近距離通信によらず電話回線によるシステムとなるので回線使用の課金がなされることになる。
【0063】
以上のように、各実施例にはカーナビゲーションおよび携帯電話に特有な機能も含まれるが、大半の特徴は両者に共通して適用可能なものである。さらに、本発明の種々の特徴はカーナビゲーションや携帯電話に限らず、通信機能を有するモバイル機器や移動対通信機器にも広く応用可能である。
【0064】
次に、図15は「ツインナビ」表示処理の変形実施例について説明する。図15はステップS103を設けることにより先導車でない場合はステップS104からステップS110およびステップS113からステップS116に入ることながいよう構成している。つまり、先導車であるか後続車であるかによって表示を異ならしめている。 これに対し、変形実施例は、先導車であるか否かにかかわらず図15の処理を実行するようにするものであって、具体的にはステップS103を省略するものである。なお、ステップS107で確認状況が解消したときは図15と同様、ステップS111に移行する。また、ステップS104からステップS110およびステップS113からステップS116において、「後続車」とあるのを「他車」と読替えるものとする。 このような変形実施例においては、後続車であっても先行車が分岐点にさしかかったときなどにおける先行車の動向の確認のためのステップS106やステップS108が実行されるとともに、他車簡略表示設定がなされている場合には、ステップS115やステップS116が実行されて地図上の表示が煩雑にならないようにする。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態に係る位置表示装置の第一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の第一制御部8または第二制御部28の基本機能を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS18の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図2のステップS32の詳細を示すフローチャートである。
【図5】自車が先導車である場合における表示の一例を示す表示画面図である。
【図6】後続車が遅れ、地図縮尺が広域化された場合の表示画面図である。
【図7】全車の中心が地図表示の中心位置となるよう自動的スクロールされた場合の表示画面図である。
【図8】第二他車の表示継続が不可能となった状態の表示画面図である。
【図9】地図の縮尺がより拡大側に自動変更された場合の表示画面図である。
【図10】先導車である自車が右折した場合の表示画面図である。
【図11】第二車両が追従して右折した場合の表示画面図である。
【図12】全ての後続車の追従右折が完了し、地図表示を省略した簡略表示となった場合の表示画面図である。
【図13】後続車簡略表示となって自車基準の自動スクロールが行われた場合の表示画面図である。
【図14】各車両が図10の位置にある場合における第三車両の表示画面図である。
【図15】図3のステップS64の詳細を示すフローチャートである。
【図16】図15のステップS112の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図3のステップS68の詳細を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態に係る位置表示装置の第二実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0066】
18 第一絶対位置取得手段 26 無線通信手段 14、20 地図情報提供手段 16 地図表示手段 8、20 判定手段 80 警告手段 8、20 表示制御手段 8、20 確認要否判定手段 8、20 選択手段 8、20 制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自らの第一絶対位置情報を取得する第一絶対位置取得手段と、外部の第二絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、前記地図情報出力手段が提供する地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報に基づいて前記無線通信手段の通信可能性を判定する判定手段と、前記判定手段の判定に基づいて警告を行う警告手段とを有することを特徴とする位置表示装置。
【請求項2】
前記判定手段は、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報に基づく位置間距離と前記無線通信手段の通信可能距離とを比較して位置間隔が通信可能距離を越えて開く恐れがあることを事前に判定することを特徴とする請求項1記載の位置表示装置。
【請求項3】
前記判定手段は、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報と地図情報と前記無線通信手段の通信可能距離とに基づいて第一絶対位置と第二絶対位置の間の地形が前記無線通信手段による前記第二絶対位置情報受信が不可能とする恐れがあることを事前に判定することを特徴とする請求項1または2記載の位置表示装置。
【請求項4】
自らの第一絶対位置情報を取得する第一絶対位置取得手段と、外部の第二絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、前記地図情報出力手段が提供する地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第一絶対位置と第二絶対位置の移動が先行と追従の関係にあるとき、自らが先行しているか否かにより前記地図表示手段の表示を異ならしめる表示制御手段とを有することを特徴とする位置表示装置。
【請求項5】
自らの第一絶対位置情報を取得する第一絶対位置取得手段と、外部の第二絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、前記地図情報出力手段が提供する地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第一絶対位置情報に基づいて第二絶対位置情報の確認要否を判定する確認要否判定手段とを有することを特徴とする位置表示装置。
【請求項6】
前記確認要否判定手段は、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報に基づいて第二絶対位置の確認要否を判定することを特徴とする請求項5記載の位置表示装置。
【請求項7】
自らの第一絶対位置情報を取得する第一絶対位置取得手段と、外部の第二絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、前記地図情報出力手段が提供する地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第二絶対位置情報を表示するか否かを選択する選択手段とを有することを特徴とする位置表示装置。
【請求項8】
第二絶対位置情報の確認要否を判定する確認要否判定手段を有し、前記選択手段は前記確認要否判定手段に基づいて第二絶対位置情報を表示するか否か選択することを特徴とする請求項5記載の位置表示装置。
【請求項9】
絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、外部との通信を行う無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、前記地図情報出力手段が提供する地図情報に基づく地図上で絶対位置情報に基づく位置を表示する表示手段と、前記表示手段の表示を可能とする操作手段と、前記操作手段による操作がなくても前記無線通信手段による情報受信により前記表示手段の表示を可能とする制御手段とを有することを特徴とする位置表示装置。
【請求項10】
前記絶対位置取得手段は自らの第一絶対位置情報を取得するとともに、前記無線通信手段は外部の第二絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信することが可能であり、前記表示手段は前記地図情報出力手段が提供する地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示することが可能であることを特徴とする請求項9記載の位置表示装置。
【請求項1】
自らの第一絶対位置情報を取得する第一絶対位置取得手段と、外部の第二絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、前記地図情報出力手段が提供する地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報に基づいて前記無線通信手段の通信可能性を判定する判定手段と、前記判定手段の判定に基づいて警告を行う警告手段とを有することを特徴とする位置表示装置。
【請求項2】
前記判定手段は、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報に基づく位置間距離と前記無線通信手段の通信可能距離とを比較して位置間隔が通信可能距離を越えて開く恐れがあることを事前に判定することを特徴とする請求項1記載の位置表示装置。
【請求項3】
前記判定手段は、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報と地図情報と前記無線通信手段の通信可能距離とに基づいて第一絶対位置と第二絶対位置の間の地形が前記無線通信手段による前記第二絶対位置情報受信が不可能とする恐れがあることを事前に判定することを特徴とする請求項1または2記載の位置表示装置。
【請求項4】
自らの第一絶対位置情報を取得する第一絶対位置取得手段と、外部の第二絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、前記地図情報出力手段が提供する地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第一絶対位置と第二絶対位置の移動が先行と追従の関係にあるとき、自らが先行しているか否かにより前記地図表示手段の表示を異ならしめる表示制御手段とを有することを特徴とする位置表示装置。
【請求項5】
自らの第一絶対位置情報を取得する第一絶対位置取得手段と、外部の第二絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、前記地図情報出力手段が提供する地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第一絶対位置情報に基づいて第二絶対位置情報の確認要否を判定する確認要否判定手段とを有することを特徴とする位置表示装置。
【請求項6】
前記確認要否判定手段は、第一絶対位置情報と第二絶対位置情報に基づいて第二絶対位置の確認要否を判定することを特徴とする請求項5記載の位置表示装置。
【請求項7】
自らの第一絶対位置情報を取得する第一絶対位置取得手段と、外部の第二絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信する無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、前記地図情報出力手段が提供する地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示する地図表示手段と、第二絶対位置情報を表示するか否かを選択する選択手段とを有することを特徴とする位置表示装置。
【請求項8】
第二絶対位置情報の確認要否を判定する確認要否判定手段を有し、前記選択手段は前記確認要否判定手段に基づいて第二絶対位置情報を表示するか否か選択することを特徴とする請求項5記載の位置表示装置。
【請求項9】
絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、外部との通信を行う無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、前記地図情報出力手段が提供する地図情報に基づく地図上で絶対位置情報に基づく位置を表示する表示手段と、前記表示手段の表示を可能とする操作手段と、前記操作手段による操作がなくても前記無線通信手段による情報受信により前記表示手段の表示を可能とする制御手段とを有することを特徴とする位置表示装置。
【請求項10】
前記絶対位置取得手段は自らの第一絶対位置情報を取得するとともに、前記無線通信手段は外部の第二絶対位置取得手段が取得した第二絶対位置情報を受信することが可能であり、前記表示手段は前記地図情報出力手段が提供する地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置を互いに識別可能に表示することが可能であることを特徴とする請求項9記載の位置表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−164444(P2008−164444A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354494(P2006−354494)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】
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