説明

修正構造および能動素子アレイ基板

【課題】修正構造および能動素子アレイ基板を提供する。
【解決手段】修正構造300であって、基板110と、少なくとも1つの第1導体ライン310と、第1絶縁層320と、少なくとも1つの第2導体ライン330と、修正接続層350とを備える修正構造300を提供する。少なくとも1つの第1導体ライン310は基板110上に設けられている。第1絶縁層320は、第1導体ライン310を被覆するように基板110の上に設けられている。第2導体ライン330は第1絶縁層320の上に設けられている。第2絶縁層340は第2導体ライン330と第1絶縁層320を被覆する。修正接続層350は第2絶縁層340上に設けられている。具体的に言うと、修正接続層350は第1導体ライン310と電気的に接続されている。修正接続層350は第2導体ライン330と重複しているが、第2導体ライン330とは電気的に絶縁されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は修正構造および能動素子アレイ基板に関する。特に本発明は、修正歩留まりを向上させることができる修正構造および修正歩留まりが高い能動素子アレイ基板に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)製造技術は非常に高い水準に達しているが、LCDパネル製造工程では頻繁に不具合が発生する。LCDの不具合は多くの場合、画像表示を行った場合にユーザが感じる不快感の原因となってしまう。このように欠陥を持つLCDパネルをすべてそのまま廃棄すると、LCDパネルの製造コストが大きく跳ね上がってしまう。概して、製造技術の改善だけに頼って欠陥率ゼロを達成するのは非常に難しい。このため、LCDパネルの不具合を修正する技術が重要となっている。従来技術によると、LCDパネルの不具合は、レーザ溶接またはレーザ切断によって修正される。
【0003】
普通のLCDは主な構成要素として、LCDパネルとバックライトモジュールを備える。LCDパネルは主に、薄膜トランジスタアレイ基板とカラーフィルタ基板を有する。薄膜トランジスタアレイ基板製造工程において、ラインが破損するという不具合が頻繁に生じる。ライン破損という不具合はアレイ試験によって検出することができ、レーザ化学気相成長法(レーザCVD)を実施する修正工程において修正が可能である。しかし、レーザCVD工程に基づく修正が、すべてのライン破損に対して適切なわけではない。例を挙げると、液晶セルのアセンブル後にライン破損が発見された場合には、この方法で修正することができない。
【0004】
また、薄膜トランジスタアレイ基板とカラーフィルタ基板(不図示)がアセンブルされ液晶(不図示)が注入された後にライン破損が発見された場合にも、ライン破損が生じている薄膜トランジスタアレイ全体が既に液晶セル内に封入されているので、破損したラインの修正はレーザCVD法を用いて行うことができない。LCDパネル(不図示)上に輝線が形成されないようにするべく、例えば薄膜トランジスタアレイ基板の修正ラインといった上記以外の修正方法を用いてLCDパネルを修正する必要がある。
【0005】
図1Aは、従来の薄膜トランジスタアレイ基板の構造を示す上面図である。図1Bは、図1AのラインA−A´に沿った概略断面図である。図1Aに示すように、薄膜トランジスタアレイ基板100は、基板110、複数のスキャンライン120、複数のデータライン130、複数のピクセルユニット140および修正ライン150を備える。スキャンライン120、データライン130、ピクセルユニット140および修正ライン150は、基板110の上に配設されている。各ピクセルユニット140は、薄膜トランジスタ142および透明導電性電極、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)電極144を有する。薄膜トランジスタ142は、スキャンライン120およびデータライン130それぞれのうち対応する1本と電気接続されている。ITO電極144は、薄膜トランジスタ142のうち対応する1つと電気接続されている。
【0006】
薄膜トランジスタアレイ基板100とカラーフィルタ基板をアセンブルして両基板間の空間に液晶を注入して、LCDパネルを形成する。しかし、薄膜トランジスタアレイ基板100上でライン破損が検出されると、修正ライン150に基づき修正を行う。例えば、薄膜トランジスタアレイ基板100上でデータライン130の破損が検出された場合、レーザを用いてコンタクト150aおよび150bを溶解し、修正ライン150と問題のデータライン130を接続する。このようにすることによって、修正ライン150を利用して、破損したデータライン130の機能をほぼ再構成することができる。
【0007】
ここで図1Bに示すように、データライン130と修正ライン150の間には、絶縁層162、アモルファスシリコン層164およびドープアモルファスシリコン層166がある。また、データライン130を被覆するように保護層168が設けられている。絶縁層162、アモルファスシリコン層164およびドープアモルファスシリコン層166の厚みは、約3500オングストローム(Å)から8500Åの範囲内にある。レーザを用いてデータライン130と修正ライン150を溶解して接続する場合、データライン130と修正ライン150との間の複数の層の厚みの合計が大きいので、レーザによる焼却が修正ライン150まで達しない。このため、データライン130と修正ライン150が形成する電気接続は弱いものにすぎなかったり、データライン130と修正ライン150を結合できないことがある。従って、修正歩留まりが低下してしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記より、本発明は修正歩留まりを向上させることができる修正構造を提供することを目的とする。
【0009】
本発明はさらに、高い修正歩留まりを実現する能動素子アレイ基板を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述およびそれ以外の目的を達成するべく、本発明の目的に従って、本明細書において説明する実施形態が示すように、本発明は修正構造を提供する。当該修正構造は、基板と、少なくとも1つの第1導体ラインと、第1絶縁層と、少なくとも1つの第2導体ラインと、第2絶縁層と、修正接続層とを備える。少なくとも1つの第1導体ラインは基板上に設けられている。第1絶縁層は第1導体ラインを被覆するように基板の上に設けられている。第2導体ラインは第1絶縁層の上に設けられている。第2絶縁層は第2導体ラインと第1絶縁層を被覆する。修正接続層は第2絶縁層上に設けられている。該修正接続層は第1導体ラインと電気的に接続されている。該修正接続層は、第2導体ラインと重複しているが、第2導体ラインとは電気的に絶縁されている。
【0011】
本発明の一実施形態に係る上記の修正構造によると、第2絶縁層の厚みは約1500Åと5000Åの間である。
【0012】
本発明の一実施形態によると、上記の修正構造はさらに少なくとも1つの接続開口部を備える。該接続開口部は、第1絶縁層および第2絶縁層を貫通し、該接続開口部を介して、修正接続層の一部が第1導体ラインと電気的に接続されている。
【0013】
本発明の一実施形態によると、上記の修正構造はさらに、第1絶縁層と第2導体ラインの間に設けられた半導体層を備える。
【0014】
本発明の一実施形態に係る上記の修正構造によると、第2導体ラインの一部分は第1導体ラインを被覆する。
【0015】
本発明の一実施形態に係る上記の修正構造によると、修正接続層を構成している材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、金属、合金またはITO、IZO、金属および合金の組み合わせを含む。
【0016】
本発明はさらに能動素子アレイ基板を提供する。当該能動素子アレイ基板は、基板と、ピクセルアレイと、修正構造とを備える。基板は表示領域および周辺回路領域を有する。ピクセルアレイは基板の表示領域に設けられている。修正構造は基板の周辺回路領域に設けられている。該修正構造は、ピクセルアレイと電気的に接続されている。当該修正構造は、少なくとも1つの第1導体ラインと、第1絶縁層と、少なくとも1つの第2導体ラインと、第2絶縁層と、修正接続層を有する。第1絶縁層は第1導体ラインを被覆する。第2導体ラインは第1絶縁層の上に設けられている。第2絶縁層は第2導体ラインと第1絶縁層を被覆する。修正接続層は第2絶縁層上に設けられている。該修正接続層は第1導体ラインと電気的に接続されている。該修正接続層は第2導体ラインと重複しているが、第2導体ラインとは電気的に絶縁されている。
【0017】
本発明の一実施形態に係る上記の能動素子アレイ基板によると、第2絶縁層の厚みは、約1500Åと5000Åの間である。
【0018】
本発明の一実施形態によると、上記の能動素子アレイ基板はさらに少なくとも1つの接続開口部を有する。該接続開口部は、第1絶縁層および第2絶縁層を貫通し、該接続開口部を介して、修正接続層の一部が第1導体ラインと電気的に接続されている。
【0019】
本発明の一実施形態に係る上記の能動素子アレイ基板によると、ピクセルアレイは、複数のスキャンラインと、複数のデータラインと、複数の能動素子と、複数のピクセル電極とを有する。修正構造はさらに、複数の第2導体ラインを有する。また、各データラインは修正構造の第2導体ラインのうち対応する1つと電気的に接続され、各能動素子はスキャンラインのうち対応する1つおよびデータラインのうち対応する1つと電気的に接続され、各ピクセル電極は能動素子のうち対応する1つと電気的に接続されている。
【0020】
本発明の一実施形態に係る上記の能動素子アレイ基板によると、修正構造はさらに、第1絶縁層と第2導体ラインの間に設けられた半導体層を有する。
【0021】
本発明の一実施形態に係る上記の能動素子アレイ基板によると、第2導体ラインの一部分は第1導体ラインを被覆する。
【0022】
本発明の一実施形態に係る上記の能動素子アレイ基板によると、修正接続層を構成している材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、金属、合金またはITO、IZO、金属および合金の組み合わせを含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る修正構造によると、修正接続層と第2導体ラインの間に設けられているのは第2絶縁層の1層だけである。レーザによる修正プロセスが実行されると、レーザは容易に第2絶縁層を貫通するように焼却することができるので、修正接続層と第2導体ラインを結合することができる。このため、レーザ修正プロセス後に未修正箇所が発生することはほとんどなくなり、第2導体ラインと第1導体ラインを電気接続することができる。つまり、上述の修正構造は修正歩留まりを向上させることができる。また、本発明に係る能動素子アレイ基板は上記の修正構造を備えるので、高い修正歩留まりを実現できる。
【0024】
上述した一般的な説明および以下の詳細な説明はともに例示が目的に過ぎず、必要に応じて本発明をさらに説明するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
添付の図面は本発明をさらに説明するためのものであり、本明細書に組み込まれるとともにその一部とする。添付図面は本発明の実施形態を説明するものであって、図面の説明と併せて、本発明の原則を説明する。
【0026】
【図1A】従来の薄膜トランジスタアレイ基板の構造を示す上面図である。
【0027】
【図1B】図1AのラインA−A´に沿った概略断面図である。
【0028】
【図2A】本発明の一実施形態に係る修正構造を示す上面図である。
【0029】
【図2B】図2Aに示した修正構造のラインB−B´に沿った概略断面図である。
【0030】
【図2C】ある実施形態に係る修正構造を示す構造図である。
【図2D】ある実施形態に係る修正構造を示す構造図である。
【図2E】ある実施形態に係る修正構造を示す構造図である。
【0031】
【図3A】本発明の一実施形態に係る能動素子アレイ基板を示す上面図である。
【0032】
【図3B】図3Aに示した能動素子アレイ基板のラインC−C´に沿った概略断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に本発明の実施形態を詳細に説明する。実施形態の例を添付の図面に図示する。可能であれば、同一もしくは類似の構成要素については、図面および明細書において同じ参照番号を利用する。
【0034】
図2Aは、本発明の一実施形態に係る修正構造を示す上面図である。図2Bは、図2Aに示した修正構造のラインB−B´に沿った概略断面図である。図2Aおよび図2Bに示すように、修正構造300は基板110の上に製造される。修正構造300は、基板110、少なくとも1つの第1導体ライン310、第1絶縁層320、少なくとも1つの第2導体ライン330、第2絶縁層340および修正接続層350を備える。少なくとも1つの第1導体ライン310は基板110上に設けられている。第1絶縁層320は、第1導体ライン310を被覆するように基板110の上に設けられている。第2導体ライン330は第1絶縁層320の上に設けられる。第2絶縁層340は、第2導体ライン330と第1絶縁層320を被覆する。修正接続層350は第2絶縁層340上に設けられる。一実施形態によると、修正接続層350の一部は、第1導体ライン310および第2導体ライン330を被覆する。修正接続層350は第1導体ラインと電気的に接続されている。また、修正接続層350は第2導体ライン330と重複しているが、第2導体ライン330とは電気的に絶縁されている(つまり、修正接続層350と第2導体ライン330は電気的に互いから絶縁されている)。
【0035】
本実施形態に係る修正構造はさらに、少なくとも1つの接続開口部Hと半導体層360を備える。接続開口部Hは、第1絶縁層320および第2絶縁層340を貫通している。修正接続層350の一部分は、接続開口部Hを介して第1導体ライン310と電気的に接続されている。半導体層360は、第1絶縁層320と第2導体ライン330の間に設けられている。
【0036】
第1導体ライン310の構成材料は例えば、アルミニウム、アルミニウム合金またはそれ以外の適切な導体材料を含む。第1絶縁層320の構成材料は例えば、窒化シリコンまたはそれ以外の適切な材料を含む。第2導体ライン330の構成材料は例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、クロム、チタンまたはそれ以外の適切な導体材料を含む。第2絶縁層340の構成材料は例えば、窒化シリコンまたはそれ以外の適切な材料を含む。第2絶縁層340の厚みは例えば、1500Åから5000Åの範囲内にある。修正接続層350は例えば、導体材料またはそれ以外の適切な材料を用いて製造される。修正接続層350の構成材料は例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、金属、合金、またはITO、IZO、金属および合金の組み合わせ、といった適切な導体材料を含む。半導体層360は例えば、アモルファスシリコン層およびドープアモルファスシリコン層を含む。
【0037】
本実施形態に係る修正構造300は、多くの種類の不具合を修正するために用いることができるが、例を挙げると、LCDパネルにおけるラインの破損を修正することができる。修正方法は、溶解コンタクト350aでレーザ結合プロセスを実行して、修正接続層350と第2導体ライン330を結合し、第2導体ライン330に電気接続された大半のラインの機能を再構成することを含む。ここで、データライン130と修正ライン150の間に絶縁層162、アモルファスシリコン層164およびドープアモルファスシリコン層166を有する従来技術と比べて、本発明の実施形態によると、修正接続層350と第2導体ライン330の間に第2絶縁層340の1層だけしか設けられていない。レーザによる修正プロセスが実行されると、レーザは容易に第2絶縁層340を貫通するように焼却することができ、修正接続層350と第2導体ライン330を結合することができる。このため、レーザ修正プロセス後に未修正の箇所が残ることはほとんどない。修正後、第2導体ライン330は、修正接続層350を介して、第1導体ライン310と電気的に接続される。このため、第2導体ライン330と電気的に接続された大半のラインの機能が再構成される。結果として、本発明に係る修正構造300は真に修正歩留まりを向上させることができる。
【0038】
本実施形態に係る修正構造300では、第1導体ライン310、第2導体ライン330および修正接続層350が図2Aに示すように構成されている。しかし図2Aに示した構造は一例に過ぎない。図2Cから図2Eは、別の実施形態に係る修正構造を示す構造図である。図2Cから図2Eに示す修正構造400、500および600の第1導体ライン310、第2導体ライン330および修正接続層350は、上記とは並べ方が異なる。ここで、上述した修正構造300、400、500および600では、第2導体ライン330と第1導体ライン310は重複していないが、ほかの実施形態によると、第2導体ライン330の一部分が第1導体ライン310と重複していてもよい。
【0039】
本発明に係る修正構造を用いてLCDパネルまたは能動素子アレイ基板のライン破損の修正が可能であることを説明するべく、能動素子アレイ基板の修正について詳細に説明する。
【0040】
図3Aは、本発明の一実施形態に係る能動素子アレイ基板を示す上面図である。図3Bは、図3Aに示した能動素子アレイ基板のラインC−C´に沿った概略断面図である。図3Aおよび図3Bに示すように、能動素子アレイ基板700は基板710、ピクセルアレイ720および修正構造730を備える。基板710は、表示領域710aおよび周辺回路領域710bを有する。ピクセルアレイ720は、基板710の表示領域710aに設けられている。修正構造730は、基板710の周辺回路領域710bに設けられており、ピクセルアレイ720と電気的に接続されている。修正構造730は、少なくとも1つの第1導体ライン731、第1絶縁層320、少なくとも1つの第2導体ライン330、第2絶縁層340および修正接続層350を有する。第1導体ライン731、第1絶縁層320、第2導体ライン330、第2絶縁層340および修正接続層350の相対的な配置は、上述の修正構造300の構成要素の配置と同じである。具体的に言うと、第2導体ライン330は、ピクセルアレイ720と電気的に接続されている。
【0041】
修正構造300と同様に、能動素子アレイ基板700が備える修正構造730はさらに、少なくとも1つの接続開口部Hおよび半導体層360を有する。接続開口部Hは、第1絶縁層320と第2絶縁層340を貫通し、修正接続層350の一部分は接続開口部Hを介して第1導体ライン731と電気的に接続されている。半導体層360は、第1絶縁層320と第2導体ライン330の間に設けられている。また、ピクセルアレイ720は、複数のスキャンライン722、複数のデータライン724、複数の能動素子726、複数のピクセル電極728を有する。修正構造730はさらに、複数の第2導体ライン330を有する。各データライン724は、修正構造730の第2導体ライン330のうち対応する1本と電気的に接続され、各能動素子726は、スキャンライン722およびデータライン724それぞれのうち対応する1本と電気的に接続されている。また、各ピクセル電極728は、能動素子726のうち対応する1つと電気的に接続されている。
【0042】
より具体的に説明すると、基板710は例えば、ガラス基板、石英基板またはそれ以外の材料を用いて製造された基板である。スキャンライン722の構成材料は例えば、アルミニウム、アルミニウム合金またはそれ以外の適切な導体材料を含む。データライン724の構成材料は例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、クロム、チタンまたはそれ以外の適切な導体材料を含む。能動素子726は例えば、薄膜トランジスタ、三端子スイッチング素子またはそれ以外の適切な素子である。ピクセル電極728は例えば、透明電極、反射性電極または半透過型電極である。ピクセル電極728の構成材料は例えば、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物またはそれ以外の透明性または非透明性導体材料を含む。第1導体ライン731およびスキャンライン722は同一の材料を用いて製造するのが好ましく、例えば同時に形成することができる。第1絶縁層320の構成材料は例えば、前述の実施形態で用いられたものと同一である。第2導体ライン330およびデータライン724は同一の材料を用いて製造するのが好ましく、例えば同時に形成することができる。第2絶縁層340の構成材料および厚みは、前述の実施形態のものと同じである。修正接続層350とピクセル電極728は例えば、同じ構成材料を利用し、同時に形成することができる。半導体層360は例えば、アモルファスシリコン層およびドープアモルファスシリコン層を含む。
【0043】
上述の能動素子アレイ基板700の製造工程または能動素子アレイ基板700を用いてLCDパネルをアセンブルする工程において、不具合を完全になくすことはできない。能動素子アレイ基板700上で破損したデータライン724が検出された場合、修正構造730に基づき修正プロセスを実行することができる。より具体的には、能動素子アレイ基板700上のデータライン724でライン破損という不具合が生じた場合には、溶解コンタクト730aおよび730bに対してレーザ結合プロセスが実行され、修正接続層350と、破損したデータライン724に対応して電気接続された第2導体ライン330が接続される。この結果、破損したデータライン724の機能の大半は、第2導体ライン330、修正接続層350および第1導体ライン731に基づき、再構成される。
【0044】
修正接続層350と第2導体ライン330を電気的に接続するべくレーザ結合プロセスを実行する時の条件は、上記の修正構造300の場合に類似している。レーザは容易に第2絶縁層340を貫通するように焼却することができるので、修正接続層350および第2導体ライン330を結合することができる。このため、未修正の箇所が残ることはほとんどない。レーザ修正プロセスが完了すると、データライン724の機能の大半が第2導体ライン330、修正接続層350および第1導体ライン731に基づき再構成される。つまり、能動素子アレイ基板700は、より高い修正歩留まりを実現できる。
【0045】
要約すると、上述した修正構造および能動素子アレイ基板は少なくとも以下の効果を奏する。
1.本発明に関する修正構造によると、修正接続層と第2導体ラインの間に存在するのが第2絶縁層1層だけである。レーザ修正プロセスが実行されると、レーザは容易に第2絶縁層を貫通するように焼却することができ、修正接続層と第2導体ラインを結合することができる。このため、レーザ修正プロセス後に未修正の箇所が残ることはほとんどない。つまり、上記の修正構造は修正歩留まりを向上させることができる。
2.能動素子アレイ基板上には本発明に係る修正構造を製造することによって、該能動素子アレイ基板の修正歩留まりが高くなる。
3.本発明に係る修正構造および能動素子アレイ基板の製造方法は、既存のプロセスとの間で互換性を有する。このため、変更する必要があるフォトマスクはほとんどなく、別の装置を用意する必要がない。
4.本発明に係る修正構造は、ディスプレイパネルおよび/またはディスプレイモジュールに応用することができる。
【0046】
本発明の構造を、本発明の範囲または目的から離れることなく、さまざまに変形および変更することができるのは、当業者には明らかである。前述の内容に基づき、本願請求項およびそれに類するものの範囲にある限り、本発明の変形および変更も本発明に含めるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
修正構造であって、
基板と、
前記基板上に設けられた少なくとも1つの第1導体ラインと、
前記第1導体ラインを被覆するように前記基板の上に設けられた第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に設けられた少なくとも1つの第2導体ラインと、
前記第2導体ラインと前記第1絶縁層を被覆する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に設けられた修正接続層であって、前記第1導体ラインと電気的に接続され且つ前記第2導体ラインと重複し、前記第2導体ラインとは電気的に絶縁されている修正接続層とを
備える修正構造。
【請求項2】
前記第2絶縁層の厚みは、約1500Åと5000Åの間である
請求項1に記載の修正構造。
【請求項3】
前記第1絶縁層および前記第2絶縁層を貫通する、少なくとも1つの接続開口部をさらに備え、当該少なくとも1つの接続開口部を介して、前記修正接続層の一部が前記第1導体ラインと電気的に接続されている
請求項1に記載の修正構造。
【請求項4】
前記第1絶縁層と前記第2導体ラインの間に設けられた半導体層
をさらに備える請求項1に記載の修正構造。
【請求項5】
前記第2導体ラインの一部分は前記第1導体ラインを被覆する
請求項1に記載の修正構造。
【請求項6】
前記修正接続層を構成している材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、金属、合金またはITO、IZO、金属および合金の組み合わせを含む
請求項1に記載の修正構造。
【請求項7】
能動素子アレイ基板であって、
表示領域および周辺回路領域を有する基板と、
前記基板の前記表示領域に設けられたピクセルアレイと、
前記基板の前記周辺回路領域に設けられた修正構造であって、前記ピクセルアレイと電気的に接続された修正構造とを備え、
当該修正構造は、
少なくとも1つの第1導体ラインと、
前記第1導体ラインを被覆する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に設けられた少なくとも1つの第2導体ラインと、
前記第2導体ラインと前記第1絶縁層を被覆する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に設けられた修正接続層であって、前記第1導体ラインと電気的に接続され且つ前記第2導体ラインと重複し、前記第2導体ラインとは電気的に絶縁されている修正接続層とを有する
能動素子アレイ基板。
【請求項8】
前記第2絶縁層の厚みは、約1500Åと5000Åの間である
請求項7に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項9】
前記修正構造は、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層を貫通する、少なくとも1つの接続開口部をさらに有し、当該少なくとも1つの接続開口部を介して、前記修正接続層の一部が前記第1導体ラインと電気的に接続されている
請求項7に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項10】
前記ピクセルアレイは、複数のスキャンラインと、複数のデータラインと、複数の能動素子と、複数のピクセル電極とを有し、前記修正構造は複数の第2導体ラインを有し、各データラインは前記修正構造の前記第2導体ラインのうち対応する1つと電気的に接続され、各能動素子は前記スキャンラインのうち対応する1つおよび前記データラインのうち対応する1つと電気的に接続され、各ピクセル電極は前記能動素子のうち対応する1つと電気的に接続されている
請求項7に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項11】
前記修正構造はさらに、前記第1絶縁層と前記第2導体ラインの間に設けられた半導体層を有する
請求項7に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項12】
前記第2導体ラインの一部分は前記第1導体ラインを被覆する
請求項7に記載の能動素子アレイ基板。
【請求項13】
前記修正接続層を構成している材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、金属、合金またはITO、IZO、金属および合金の組み合わせを含む
請求項12に記載の能動素子アレイ基板。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2007−334293(P2007−334293A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−42926(P2007−42926)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(599010163)友▲達▼光電股▲ふん▼有限公司 (13)
【Fターム(参考)】