説明

光モジュール、光モジュールの製造方法、及び光モジュール製造システム

【課題】別基板に形成された第1光部品と第2光部品の調芯を高精度に行って、固定すること。
【解決手段】第1光部品と、第1光部品に対して固定され、第1光部品に光結合された第2光部品と、第2光部品が第1光部品に対して固定される前において第2光部品を第1光部品に対して移動させて、第1光部品及び第2光部品の調芯用の第1アクチュエータと、を備える光モジュール、光モジュール製造方法、及び光モジュール製造システムにより課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュール、光モジュールの製造方法、及び光モジュール製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ素子、レーザ光を導波させる光導波路、光経路を切り替える光スイッチ、及び複数のレーザ出力を合波する光カプラ等の光部品が知られている。また、これらの光部品を1つの半導体レーザモジュールに集積させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[特許文献]
特許文献1 特開2001−85781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、別々の基板上に形成した複数の光部品を光接続して1つの光モジュールを形成する場合、複数の光部品の相対的な位置を制御して光部品同士を結合する必要が生じる。このような光部品の位置制御は高い精度が求められるので、アライメント装置など大掛かりな装置を準備して、光部品同士を調芯する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の形態によると、第1光部品と、第1光部品に対して固定され、第1光部品に結合された第2光部品と、第2光部品が第1光部品に対して固定される前に、第2光部品を第1光部品に対して移動させる、第1光部品及び第2光部品の調芯用の第1アクチュエータを備える光モジュール、その製造方法、及びその製造システムを提供する。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】本発明の第1の実施形態に係る光モジュールを上面から見た平面図である。
【図1B】図1Aに記載された光モジュールのb−b'線における断面図である。
【図1C】図1Aに記載された光モジュールのa−a'線における断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る第1光部品及び第2光部品の構成を示す。
【図3】第1の実施形態の第1変形例に係る第1光部品及び第2光部品の構成を示す。
【図4A】第1の実施形態の第2変形例に係る光モジュールの構成を示す。
【図4B】図4Aの光モジュールのa−a'線における断面図である。
【図5】第1の実施形態の第3変形例に係る光モジュールの構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る光モジュールの構成を示す断面図である。
【図7】第2の実施形態に係る第1〜3光部品の構成を示す。
【図8】第1の実施形態に係る光モジュール製造方法を示す。
【図9】第2の実施形態に係る光モジュール製造方法を示す。
【図10】第1及び第2の実施形態に係る光モジュール製造システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る光モジュール100を上面から見た平面図を示す。図1Bは、図1Aに記載された光モジュール100のb−b'線における断面図を示す。図1Cは、図1Aに記載された光モジュール100のa−a'線における断面図を示す。
【0009】
光モジュール100は、光部品が形成された2つの基板の相対位置を調整することで、それぞれの基板に設けられた光部品の光軸を調芯する。光モジュール100は、第1基板150、温度調節素子156、サブマウント158、第2基板152、基体155、接着剤160、及び第1アクチュエータ110を備える。
【0010】
第1の実施形態において、光モジュール100は、その製造工程において、第1アクチュエータ110を駆動して第1光部品102及び第2光部品104を調芯することで、第1光部品102と第2光部品104とを高い精度で光結合させる。ここで、光結合は、レンズ等を介さない直接接続であってもよいし、レンズ等を介した間接接続であってもよい。
【0011】
第1基板150は、第1光部品102が形成された、半導体等でできた基板である。第1光部品102は、半導体レーザ素子を含み、複数の半導体レーザ素子が設けられた半導体レーザアレイであってよい。これに代えて、第1光部品102は、他の光部品、又は他の光部品の組み合わせであってもよい。
【0012】
温度調節素子156は、第1基板150の下面側に設けられ、サブマウント158を介して第1基板150の温度を制御する。これによって、温度調節素子156は、第1光部品102の素子温度を予め定められた設定温度に制御し、半導体レーザから設定温度に応じた波長のレーザ光を出力させる。また、温度調節素子156は、第1基板150に備わる第1光部品102の素子温度を一定に保ち、例えば、第1光部品102として備わる半導体レーザの出力波長を安定化させる。温度調節素子156は、例えばペルチェ素子である。
【0013】
サブマウント158は、温度調節素子156上に設けられ、第1基板150を搭載する。第1光部品102で発生する熱は、サブマウント158を介して温度調節素子156へと伝達される。第1基板150、温度調節素子156、及びサブマウント158の各部材はボンディング等により固定されてよい。
【0014】
第2基板152は、第2光部品104が形成された、半導体等でできた基板である。第2光部品104は、第1光部品102に対して固定され、第1光部品102に光結合される。第1光部品102が実装された第1基板150及び第2光部品104が実装された第2基板152は、接着又は溶着により固定される。第2光部品104は、第1光部品102の半導体レーザ素子が出力する光を伝播させる光導波路を含む。第2光部品104は、光スイッチ、光検出器、及び/又は光変調器を有してよい。
【0015】
基体155は、第1アクチュエータ110の下面に位置して、第2基板152を搭載する。基体155は、セラミックス基板、プラスチック基板、半導体基板等で形成される支持体である。
【0016】
接着剤160は、例えば、樹脂系の接着剤で、調芯された第1光部品102と第2光部品104の相対位置を固定する。接着剤160は、第1光部品102から出力される光を第2光部品104へと伝播可能とすべく、光透過性であることが望ましい。接着剤160は、光、熱、または湿気などにより固化する樹脂であってよく、これに代えて、エポキシ系の樹脂であってもよい。
【0017】
第1アクチュエータ110は、第1光部品及び第2光部品を固定するのに先立って、第2基板152上の第2光部品104を第1光部品102に対して移動させて、第1光部品102及び第2光部品104を調芯する。第1アクチュエータ110は、第2基板152及び基体155の間に設けられ、第2基板152を保持する。
【0018】
第1アクチュエータ110は、外部からの制御信号により駆動されて、第2基板152を移動させる。第1アクチュエータ110は、光モジュール100の製造時の調芯に用いられ、製造後には駆動されないものであってよい。
【0019】
第1の実施形態において、第1アクチュエータ110は、静電力を利用した静電アクチェータである。ここで、第1アクチュエータ110は、静電アクチュエータとして、平行平板コンデンサ又は櫛歯型アクチュエータを用いてよい。第1アクチュエータ110は、平行平板コンデンサを構成する両極板166の間隔を維持する弾性梁164を有してよい。
【0020】
静電アクチェータに代えて、第1アクチュエータ110は、圧電効果を利用した圧電アクチェータ、熱変形を利用した熱駆動アクチェータ、及び駆動量の制御が可能なその他のアクチェータであってもよい。
【0021】
第1アクチュエータ110は、第2基板152を、図中の縦方向(y方向)、横方向(x方向)、上下方向(z方向)の3方向に駆動する。第1アクチュエータ110は、x方向に駆動するx方向アクチュエータ402、y方向に駆動するy方向アクチュエータ404、z方向に駆動するz方向アクチュエータ406を有する。一例として、第1アクチュエータ110は、各方向に駆動する静電アクチュエータをそれぞれ駆動して、第2光部品104の第1光部品102に対する各方向の位置をそれぞれ移動する。
【0022】
第1アクチュエータ110は、1つの方向に駆動する静電アクチュエータを2つ以上組み合わせて駆動することで、第2光部品104の第1光部品102に対する角度を調整することができる。例えば、第1の実施形態では、第1アクチュエータ110は、x方向に沿って配置された2つのz方向アクチュエータを有している。第1アクチュエータ110は、2つのz方向アクチュエータの駆動量を変えることにより、第2基板152のxz平面内での回転角度を調整することができる。
【0023】
このように、第1の実施形態の光モジュール100は、光モジュール100内に一体的に設けられた第1アクチュエータ110を駆動することにより、光モジュール100外部のアライメント装置等を用いずに、高い精度で第1光部品102と第2光部品104を光結合することができる。
【0024】
図2は、第1の実施形態に係る光モジュール100が有する第1光部品102及び第2光部品104の構成を示す。第1の実施形態においては、第1光部品102は、複数の半導体レーザ素子114からなるレーザアレイを有する。これに代えて、第1光部品102は、単一の半導体レーザ素子114を有してもよい。
【0025】
半導体レーザ素子114は、単一縦モード半導体レーザ素子であってよい。半導体レーザ素子114は、分布帰還型レーザ素子であってよい。半導体レーザ素子114は、その温度によって屈折率が変化するので、出力されるレーザの発振波長を素子温度により制御することができる。例えば、半導体レーザ素子114は、素子温度を変えることにより、3nm〜4nmの範囲内で発振波長を変化させることができる。
【0026】
第1光部品102が、発振波長帯域が3nm〜4nmの間隔で連続して並ぶように配置された、例えば、8個の半導体レーザ素子114を有する場合、第1光部品102は全体として24nm〜32nmの波長範囲のレーザ光を出射することができる。
【0027】
第2光部品104は、光導波路123、光スイッチ部127、光スイッチ部128、光スイッチ部129、光導波路125、第1光検出部120、及び方向性結合器126を有する。
【0028】
光導波路123は、複数の半導体レーザ素子114に対応して第2光部品104の光入力端に複数設けられる。通常、半導体レーザ素子114の出射側は低反射端であり、その反対側の端面は高反射端である。複数の光導波路123には、複数の半導体レーザ素子114の出射側端面から出力される光がそれぞれ入射する。光導波路123は、半導体レーザ素子114が出力する光を、光スイッチ部127へ伝播する。
【0029】
光スイッチ部127〜129は、それぞれ2入力1出力の1又は複数の光スイッチを有する光スイッチ部であり、光スイッチが多段のツリー構造を形成するように接続される。光スイッチ部127〜129は、全体として、複数の半導体レーザ素子114のうち選択された半導体レーザ素子114の光を光導波路125へ導く。
【0030】
ツリー構造の1段目の複数の光スイッチ部127は、複数本の光導波路123を伝播する光のうち半分の本数の光を選択して、下流側に接続された光スイッチ部128に出力する。ツリー構造の2段目以降で最終段前に設けられる複数の光スイッチ部128は、前段の光スイッチ部127から入力された複数本の光のうち半分の本数を選択して、下流側に接続された光スイッチ部129に出力する。ツリー構造の最終段に設けられた1個の光スイッチ部129は、前段の光スイッチ部128から入力された2本の光のうち1本を選択して、光導波路125に出力する。
【0031】
光導波路125は、第2光部品104の光出力端に設けられる。光導波路125は、光スイッチ部129によって選択された光を、第2光部品104の出力端に伝播する。
【0032】
このように、第1の実施形態において、第2光部品104は、光スイッチ部127〜129の合計7個の光スイッチを用いて、8本の光導波路を伝播する光の経路を選択して、1本の光導波路に導くことができる。第1光部品102が有する半導体レーザ素子114の数によって、第2光部品104が有する光スイッチ部127〜129の段数及び各段に含まれる光スイッチの個数は変わる。第1光部品102が単一の半導体レーザ素子114を含む場合には、光スイッチ部127〜129は不要で、光導波路125が直接半導体レーザ素子114に接続される。
【0033】
光スイッチ部127〜129は、MZI(Mach−Zehnder Interferometer)素子である。MZI素子は、入力光を2本の導波路に分波した後、片方又は両方の導波路を通過する光に対して位相変調を加え、2本の導波路を通過する光の位相を制御することで、予め定められた波長を有する光を選択的に出力することができる。光スイッチ部127〜129は、MZI素子に代えて、他の光スイッチを用いてもよい。
【0034】
第1光検出部120は、第1光部品102と第2光部品104の調芯作業中において、第1光部品102から入射された光を検出する。第1光検出部120は、いずれかの半導体レーザ素子114から出射され、光スイッチ部127〜129に選択された光を検出する。光モジュール100は、第1光検出部120が検出した光の強度の変化を利用して、第1光部品102と第2光部品104とを調芯することができる。例えば、光モジュール100は、検出光の強度がより大きくなる方向に第2光部品104を移動して調芯する。
【0035】
第1光検出部120は、光モジュール100の使用時には、レーザ光の強度モニタとして用いることができる。強度をモニタした結果を半導体レーザ素子114にフィードバックすることにより、光モジュール100は、安定した強度のレーザを出力することができる。第1光検出部120は第2基板152上に形成されるので、光モジュール100の外部に別の光モニタを必要としない。このため、第2光部品104と光モニタの調芯が不要である。
【0036】
方向性結合器126は、光導波路125と第1光検出部120の間に設けられ、光導波路125を伝わる光の一部を第1光検出部120に伝送する。
【0037】
図3は、第1の実施形態の第1変形例における、第1光部品102及び第2光部品104の構成を示す。第1変形例に係る光モジュール100は、第2光部品104が光変調器130を有する以外は、図2に示した光モジュール100と同一の構成を取るから、以下相違点を除いて説明を省略する。
【0038】
光変調器130は、第1光検出部120の下流側に設けられ、光導波路125によって導かれたレーザ光を変調する。光変調器130は、変調した光を第2光部品104の出力端へ出力する。
【0039】
第1変形例によれば、光導波路123、125、光スイッチ部127〜9、方向性結合器126及び第1光検出部120が設けられた第2基板152上に光変調器130が一体に形成される。これに代えて、光変調器130を、第2基板152と別の基板上に形成して、第1光部品102及び第2光部品104の調芯と同様の方法で、第2基板152と光変調器130が形成された別の基板とを更に調芯してもよい。
【0040】
図4A及び図4Bは、第1の実施形態の第2変形例に係る光モジュールの構成を示す。図4Aは、第2変形例に係る光モジュール100を上面から見た平面図を示す。図4Bは、図4Aに記載された光モジュール100のa−a'線における断面図を示す。
【0041】
光モジュール100は、第2基板152の下面に、4つのアクチュエータからなる第1アクチュエータ110を有する。光モジュール100は、4つのアクチュエータの高さ方向(y方向)の駆動量をそれぞれ独立に制御することで、第1光部品102と第2光部品104の接合部分における傾きを調整できる。
【0042】
例えば、光モジュール100は、+x側(図4Aにおける上側)の2つのアクチュエータを+y方向(又は−y方向)に駆動し、−x側(図4Aにおける下側)の2つのアクチュエータを−y方向(又は+y方向)に駆動することで、第2基板152の傾きを調整できる。このような調節により、光モジュール100は、並列に配置された複数の半導体レーザ素子114と並列に配置された複数の光導波路123の配列方向の傾きを調整できる。
【0043】
第2変形例においては、第2基板152の傾きと高さを順次調整することにより、複数の半導体レーザ素子114を有する第1光部品102と第2光部品104を調芯してもよい。例えば、最初に、第2基板152の傾きを調整して、レーザアレイの両端に存在する半導体レーザ素子114と対応する光導波路123を位置合わせする。次に、第2基板152全体の高さ方向(y方向)の駆動量を調整して、レーザアレイの中央に存在する半導体レーザ素子114と対応する光導波路123を位置合わせする。
【0044】
このように、第1アクチュエータに含まれる複数のアクチュエータを個別に制御することで、個別に半導体レーザ素子114と対応する光導波路123の位置合わせをした場合と比較して効率的に、第1光部品102と第2光部品104の調芯ができる。
【0045】
図5は、第1の実施形態の第3変形例に係る光モジュールの構成を示す断面図である。第3変形例に係る光モジュール100は、基体155が、第1基板150及び第2基板152の両方を搭載する以外は、第1の実施形態に係る光モジュール100と同一の構成である。第3変形例によれば、第1光部品102と第2光部品104が接着剤160に加え、基体155によって固定されているので、光モジュール100全体の強度が向上する。
【0046】
図6及び図7は、本発明の第2の実施形態に係る光モジュール101の構成を示す。図6は、第2の実施形態に係る光モジュール101の断面図である。第2の実施形態に係る光モジュール101は、第1の実施形態の光モジュール100に加えて、第3光部品106が形成された第3基板154を有する。第2の実施形態の光モジュール101は、第2アクチュエータ112を駆動して、第1光部品102及び第3光部品106を調芯する。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の符号を付した部分は第1の実施形態と同様であるから説明を省略する。
【0047】
第3基板154は、第3光部品106が形成された半導体基板等の基板である。第3基板154に形成された第3光部品106は、第1基板150に形成された第1光部品102に光結合され、接着剤162によって、第1光部品102に対して固定されている。接着剤162は、接着剤160と同様の材料からなる接着剤でよい。
【0048】
第2アクチュエータ112は、第1光部品102と第3光部品106を固定するに先立って、第3基板154上の第3光部品106を第1光部品102に対して移動させて、第1光部品102及び第3光部品106を調芯する。第2アクチュエータ112は、第3基板154の下面に設けられ、第3基板154を保持する。
【0049】
第2アクチュエータ112は、光モジュール101の製造時の調芯に用いられ、製造後には駆動されないものであってよい。第2アクチュエータ112は、第1アクチュエータ110と同じ構成を採用することができる。
【0050】
光モジュール101は、第3基板154と第2アクチュエータ112の間に、温度調節素子を有してもよい。また、光モジュール101は、第3基板154と温度調節素子の間にサブマウントを有していてもよい。
【0051】
図7は、第2の実施形態に係る光モジュールの第1〜3光部品の構成を示す。第1光部品102は、複数の半導体レーザ素子114からなるレーザアレイと、光合波器132を有する。
【0052】
光合波器132は、半導体レーザ素子114の高反射端172に設けられ、複数の半導体レーザ素子114の高反射端172から出力される光を合波して第3光部品106に出力する。光合波器132は、マルチモード干渉型(MMI)光カプラであってよい。
【0053】
第2光部品104は、光導波路123、光導波路125、光スイッチ部127、光スイッチ部128、光スイッチ部129、第1光検出部120、及び方向性結合器126を有している。光導波路123は、複数の半導体レーザ素子114の低反射端170から出力される光を入射する。第2光部品104の構成は、第1の実施形態と同様であるため以下説明は省略する。
【0054】
第3光部品106は、第2光検出部122と、可変波長光フィルタ134を有する。第3光部品106は、第1光部品102に光結合され、第1光部品102に対して固定されている。
【0055】
第2光検出部122は、第1光部品102と第3光部品106の調芯作業中において、第1光部品102から入射された光を検出する。第2の実施形態においては、第2光検出部122は、半導体レーザ素子114から出射され、可変波長光フィルタ134を透過した光を検出する。光モジュール101は、第2光検出部122が検出した光の強度の変化を利用して、第1光部品102と第3光部品106とを調芯することができる。例えば、光モジュール101は、検出光の強度がより大きくなる方向に第3光部品106を移動して調芯することができる。
【0056】
第2光検出部122は、光モジュール101の使用時には、目的とする波長のレーザ光の強度モニタとして用いることができる。強度をモニタした結果を半導体レーザ素子114にフィードバックすることにより、光モジュール101は、出力するレーザ光の周波数を安定化する。第2光検出部122は第3基板154上に形成されるので、光モジュール101の外部に別の光モニタを必要としない。このため、第3光部品106と光モニタの調芯が不要である。
【0057】
可変波長光フィルタ134は、第2光検出部122に透過させる光の波長を調整することができる。可変波長光フィルタ134は、光合波器132が合波した光から指定された半導体レーザ素子114が出力すべき光に対応する波長成分を透過させる。可変波長光フィルタ134は、例えばリングフィルタである。可変波長光フィルタ134は、例えば熱によりリングフィルタの光路長を伸縮することで、遮蔽する光の波長を変更する。
【0058】
以上図6及び図7において説明した通り、光モジュール101は、2つのアクチュエータを用いることで、第1光部品102と第2光部品104と第1光部品102と第3光部品106の両方を位置合わせすることができる。
【0059】
図8は、第1の実施形態に係る光モジュール製造方法を示す。図8の(a)〜(d)は、第1光部品が形成された第1基板150と、第2光部品が形成された第2基板152と、を有する光モジュール100を製造する光モジュール製造プロセスにおける、第1光部材形成段階、第1アクチュエータ形成段階及び第2光部材形成段階、第1調芯段階、第1固定段階をそれぞれ示す。
【0060】
まず、図8の(a)に示すように、第1光部材形成段階において、単一の半導体レーザ素子114又は複数の半導体レーザ素子114からなるレーザアレイ、及び光合波器132等を有する第1光部品102を、第1基板150上に形成する。
【0061】
次に、図8の(b)に示すように、第1アクチュエータ形成段階において、第2光部品104を第1光部品102に対して調芯させる第1アクチュエータ110を形成する。第1アクチュエータ110は、単一又は複数のアクチュエータを有する。
【0062】
次に、第2光部品形成段階において、光導波路123、光導波路125、光スイッチ部127〜129、第1光検出部120、及び方向性結合器126等を有する第2光部品104を第2基板152上に形成する。次に第2光部品104が形成された第2基板152を、第1アクチュエータ110に貼り付ける。これに代えて、第1アクチュエータ110上に第2基板152を形成して、その上に第2光部品104を形成してもよい。
【0063】
次に、図8の(c)に示すように、第1調芯段階において、第1アクチュエータ110を駆動して第2光部品104を移動させ、第1光部品102に対して第2光部品104を調芯する。ここで、第1光部品102の半導体レーザ素子114にレーザ駆動回路を接続してレーザ光を出力させ、第1光検出部120により第1光部品102からのレーザ光を検出させる。この検出した結果に基づいて、第1アクチュエータ110を駆動して、第1光部品102に対する第2光部品104の位置を調整する。
【0064】
第1光部品102が複数の半導体レーザ素子114が設けられたレーザアレイである場合、複数の半導体レーザ素子114の少なくとも1つから光を出力させ、光スイッチ部127〜129を制御して半導体レーザ素子114から出力された光を光スイッチ部129から出力させ、この出力光を第1光検出部120により検出させる。
【0065】
また、レーザアレイにおいて並列に配置された複数の半導体レーザ素子114のうち、少なくとも両端の半導体レーザ素子114から順次光を出力させ、少なくとも両端の半導体レーザ素子114からの光を第1光検出部120により検出した結果に基づいて第1アクチュエータ110を駆動して、第1光部品102に対する第2光部品104の位置を調整してもよい。
【0066】
第1調芯段階において、第1光部品102に出力させた光を第1光検出部120により検出させ、第1光検出部120が検出した光の強度を高める方向に第1アクチュエータ110を駆動して、第2光部品104を移動させてもよい。第1アクチュエータ110が複数のアクチュエータを有する場合は、それぞれの駆動量を個別に調整して、第1光部品102に対する第2光部品104の位置を調整してもよい。
【0067】
図8の(c)に示す例では、第1アクチュエータ110は、±y方向に駆動され、第2基板152の高さを調整する。第1アクチュエータ110は、さらに±x方向及び±z方向に駆動されてもよい。第1アクチュエータ110の複数のアクチュエータを各方向ごとに順次駆動して、第1光部品102と第2光部品104の位置を調整してもよい。
【0068】
例えば、最初に第1アクチュエータ110を±x方向と±y方向に駆動することで、前後方向及び上下方向における第1光部品102と第2光部品104の相対的な位置を調整して、次に第1アクチュエータ110を±z方向に駆動して、第1光部品102と第2光部品104の相対的な距離を調整してもよい。このような調整方法を用いると、高反射端172をz方向から離して調芯してから近づけるので、端面に傷が付くのを防止できる。
【0069】
第1調芯段階に先立って、基板移動装置等によって第1光部品102及び第2光部品104の一方を他方に対して移動させて相対位置を粗調整しても良い。この場合、粗調整段階の後に、第1アクチュエータ110を駆動して、第1光部品102及び第2光部品104の相対位置を微調整する。また、粗調整段階の後に、第1光部品102と第2光部品104の間に、後の第1固定段階で用いる接着剤160を注入しても良い。
【0070】
次に、図8の(d)に示すように、第1固定段階において、第1光部品102及び第2光部品104が調芯された状態で、第1光部品102及び第2光部品104を接着剤160で固定し光結合させる。例えば、調芯された状態の第1光部品102及び第2光部品104の間に光硬化型接着剤を注入した後、光硬化させて第1光部品102と第2光部品104を固定する。これに代えて、第1調芯段階に先立ち、予め第1光部品102及び第2光部品104の間に光硬化型接着剤を注入しておき、第1調芯段階を経た後に光硬化型接着剤を光硬化させることによって、第1光部品102と第2光部品104を固定してもよい。
【0071】
光硬化型接着剤として、第1光部品102から出力される光によって硬化しない接着剤、例えば、UV硬化型接着剤を用いることができる。このような接着剤160を用いることで、第1調芯段階の途中で、第1光部品102と第2光部品104が固定されてしまうことを防ぐことができる。UV硬化型接着剤として、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂を用いることができる。また、第1固定段階において、接着剤160を使わずにレーザ等で第1基板150と第2基板152の接触面の一部又は全体を溶融した後に、第1基板150と第2基板152を溶着してもよい。
【0072】
以上図8において説明したように、第1の実施形態の光モジュール100は、第1光部材形成段階、第1アクチュエータ形成段階、第2光部材形成段階、第1調芯段階及び第1固定段階を経ることにより製作することができる。
【0073】
図9は、第2の実施形態に係る光モジュールの製造方法を示す。図9の(e)〜(h)は、第2アクチュエータ形成段階、第3光部品形成段階、第2調芯段階、第2固定段階をそれぞれ示す。図8の(a)〜(d)で説明した各段階の後に、図9の(e)〜(h)の各段階を行うことで、第2の実施形態に係る光モジュール101を製造する。なお、第1光部品102が複数の半導体レーザ素子114を有する場合、第1光部材形成段階において、第1光部品102として光合波器132を半導体レーザ素子114の高反射端172側に形成しておく。
【0074】
図9の(e)に示すように、図8の(d)を用いて説明した第1固定段階に続いて、第2アクチュエータ形成段階において、第3光部品106を第1光部品102に対して調芯させる第2アクチュエータ112を形成する。第2アクチュエータ112は、単一又は複数のアクチュエータを有する。
【0075】
図9の(f)に示すように、第2アクチュエータ形成段階に続き、第3光部品形成段階において、可変波長光フィルタ134、第2光検出部122等を有する第3光部品106を第3基板154上に形成する。次に、第3光部品106が形成された第3基板154を、第2アクチュエータ112に貼り付ける。これに代えて、第2アクチュエータ112上に第3基板154を形成して、その上に第3光部品106を形成してもよい。
【0076】
次に、図9の(g)に示すように、第2調芯段階において、第2アクチュエータ112を駆動して第3光部品106を移動させ、第1光部品102に対して第3光部品106を調芯する。ここで、第1光部品102の半導体レーザ素子114にレーザ駆動回路を接続してレーザ光を出力させる。半導体レーザ素子114の高反射端172からは一部のレーザ光が漏れるので、第2光検出部122により高反射端172から漏れたレーザ光を検出させる。この検出した結果に基づいて、第2アクチュエータ112を駆動して、第1光部品102に対する第3光部品106の位置を調整する。上記の第1調芯段階の説明において、第2光部品104を第3光部品106と、第2基板152を第3基板154と、第1光検出部120を第2光検出部122と読み替えて第2調芯段階の説明としてもよい。
【0077】
次に、図9の(h)に示すように、第2固定段階において、第1光部品102及び第3光部品106が調芯された状態で、第1光部品102及び第3光部品106を接着剤162により固定して光結合させる。上記の第1固定段階の説明において、第2光部品104を第3光部品106と、第2基板152を第3基板154と、第1光検出部120を第2光検出部122と置き替えて、第2固定段階の説明としてもよい。
【0078】
以上図9において説明したように、第2の実施形態の光モジュール101は、第1の実施形態の光モジュール100を製造した後に、第2アクチュエータ形成段階、第3光部品形成段階、第2調芯段階、第2固定段階を経ることにより製作することができる。
【0079】
図10は、第1及び第2の実施形態に係る光モジュール製造システムを示す。光モジュール製造システムは、光部品製造装置200と、光部品組立装置300とを有する。光モジュール製造システムは、第1光部品102と第2光部品104が高精度に調芯された光モジュール100、101を製造する。
【0080】
光部品製造装置200は、第1光部品102、第2光部品104、第1アクチュエータ110を製造する。光部品製造装置200は、さらに第3光部品106、第2アクチュエータ112、及びその他の部品を製造してもよい。光部品製造装置200は、1つの製造装置又は複数の製造装置から構成されてもよい。光部品製造装置200で製造された、第1光部品102、第2光部品104、第1アクチュエータ110等の部品は、基板搬送装置等により光部品組立装置300へ搬送される。
【0081】
光部品組立装置300は、光部品製造装置200で製造された、第1光部品102、第2光部品104、第1アクチュエータ110を受け取って、第1光部品102と第2光部品104とを調芯し、固定する。光部品組立装置300は、第1光部品102と第2光部品104を固定する接着装置310と、第1光部品102と第2光部品104の位置を移動して調芯する制御装置320とを有する。
【0082】
制御装置320は、半導体レーザ素子114を駆動する駆動回路を有し、複数の半導体レーザ素子114のうち選択した半導体レーザ素子114を出力させる。制御装置320は、選択した半導体レーザ素子114から出力したレーザ光が光導波路125及び第1光検出部120に導かれるように、光スイッチ部127〜129を制御する。制御装置320は、第1光検出部120にレーザ光の強度を検出させて、検出結果を受け取る。制御装置320は、検出結果に基づき第1アクチュエータ110に第2光部品104を移動させ、第1光部品102と第2光部品104を調芯する。
【0083】
制御装置320は、粗調整部322を有する。粗調整部322は、基板移動装置により第1光部品102又は第2光部品104の相対位置を移動することで、第1光部品102と第2光部品104の位置を粗調整する。
【0084】
粗調整の後、制御装置320は、第1アクチュエータ110を駆動して第1光部品102と第2光部品104の相対位置を微調整して調芯する。微調整の際、制御装置320は、第1光部品102から第2光部品104へと入射された光を第2光部品104に形成された第1光検出部120により検出した結果に基づいて、第1光部品及び第2光部品を調芯する。
【0085】
接着装置310は、第1光部品102と第2光部品104が調芯された状態で、第1光部品102と第2光部品104を固定する。接着装置310は、接着剤注入部312と光照射部314とを有する。接着剤注入部312は、第1光部品102と第2光部品104の間に、光硬化型接着剤を注入する。光照射部314は、第1光部品102と第2光部品104が調芯された状態で、光硬化型接着剤に光を照射して光硬化型接着剤を硬化させる。接着装置310は、接着剤注入部312と光照射部314の代わりに、レーザ等により第1光部品102と第2光部品104を溶着させる溶着装置を有しても良い。
【0086】
光部品組立装置300が、第2の実施形態に係る光モジュール101を組み立てる場合には、制御装置320は、半導体レーザ素子114にレーザ光を出力させ、第2光検出部122が検出したレーザ光の強度に基づいて、第3光部品106と第1光部品102を調芯する。接着装置310は、調芯の後、第3光部品106と第1光部品102を接着又は固着することで固定する。調芯の具体的な方法は、第1光部品102と第2光部品104の調芯と同様であってよい。
【0087】
以上図10において説明したように、光部品製造装置200と光部品組立装置300とを有する光モジュール製造システムによって、第1の実施形態における光モジュール100及び第2の実施形態に係る光モジュール101を製造することができる。
【0088】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0089】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0090】
100、101 光モジュール 102 第1光部品 104 第2光部品 106 第3光部品 110 第1アクチュエータ 112 第2アクチュエータ 114 半導体レーザ素子 120 第1光検出部 122 第2光検出部 123、125 光導波路 126 方向性結合器 127、128、129 光スイッチ部 130 光変調器 132 光合波器 134 可変波長光フィルタ 150 第1基板 152 第2基板 154 第3基板 155 基体 156 温度調節素子 158 サブマウント 160、162 接着剤 164 弾性梁 166 両極板 170 低反射端 172 高反射端 200 光部品製造装置 300 光部品組立装置 310 接着装置 312 接着剤注入部 314 光照射部 320 制御装置 322 粗調整部 402 x方向アクチュエータ 404 y方向アクチュエータ 406 z方向アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光部品と、
前記第1光部品に対して固定され、前記第1光部品に光結合された第2光部品と、
前記第2光部品が前記第1光部品に対して固定される前に、前記第2光部品を前記第1光部品に対して移動させる、前記第1光部品及び前記第2光部品の調芯用の第1アクチュエータと、
を備える光モジュール。
【請求項2】
前記第1アクチュエータは、当該光モジュールの製造時の調芯において駆動され、製造後には駆動されない請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記第2光部品は、前記第1光部品から入射された光を検出する第1光検出部を有する請求項1又は2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記第1光部品及び前記第2光部品は、光透過性の接着剤により固定される請求項3に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記第1光部品は、第1基板に実装され、
前記第2光部品は、第2基板に実装され、
前記第1基板と前記第2基板は、接着又は溶着により互いに固定される
請求項3又は4に記載の光モジュール。
【請求項6】
前記第1光部品は、半導体レーザ素子を含み、
前記第2光部品は、前記半導体レーザ素子が出力する光を伝播させる光導波路を含む
請求項5に記載の光モジュール。
【請求項7】
前記第1光部品は、複数の半導体レーザ素子が設けられたレーザアレイであり、
前記第2光部品は、前記複数の半導体レーザ素子が出力する光を入射する複数の光導波路と、前記複数の光導波路のうち選択された光導波路からの光を出力する光スイッチ部と、を有し、
前記第1光検出部は、前記光スイッチ部を介して出力される光を検出する
請求項5又は6に記載の光モジュール。
【請求項8】
前記第1基板及び前記第2基板を搭載する基体を更に備え、
前記第1アクチュエータは、前記第2基板及び前記基体の間に設けられて、前記基体に対する前記第2光部品の高さを調整する
請求項7に記載の光モジュール。
【請求項9】
前記第1光部品に対して固定され、前記第1光部品に光結合された第3光部品と、
前記第3光部品が前記第1光部品に対して固定する前に、前記第3光部品を前記第1光部品に対して移動させる、前記第1光部品及び前記第3光部品の調芯用の第2アクチュエータと、
を更に備える請求項1から6のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項10】
前記第1光部品は、複数の半導体レーザ素子が設けられたレーザアレイと、前記複数の半導体レーザ素子の高反射端から漏れる光を合波する光合波器と、を有し、
前記第2光部品は、前記複数の半導体レーザ素子の低反射端から出力される光を入射する複数の光導波路と、前記複数の光導波路のうち選択された光導波路からの光を出力する光スイッチ部と、を有し、
前記第3光部品は、前記光合波器が合波した光から予め定められた波長成分を透過させる可変波長光フィルタと、前記可変波長光フィルタを透過した光を検出する第2光検出部と、を有する
請求項9に記載の光モジュール。
【請求項11】
第1光部品及び第2光部品を備える光モジュールを製造する製造方法であって、
前記第1光部品を形成する第1光部品形成段階と、
前記第2光部品を前記第1光部品に対して調芯させる第1アクチュエータを形成する第1アクチュエータ形成段階と、
前記第2光部品を形成する第2光部品形成段階と、
前記第1アクチュエータを駆動して前記第2光部品を移動させ、前記第1光部品及び前記第2光部品を調芯する第1調芯段階と、
前記第1光部品及び前記第2光部品が調芯された状態で前記第1光部品及び前記第2光部品を固定し光結合させる第1固定段階と、
を備える製造方法。
【請求項12】
前記第2光部品形成段階は、前記第1光部品から入射された光を導く光導波路と、前記第1光部品から入射された光を前記光導波路を介して検出する第1光検出部とを有する前記第2光部品を形成し、
前記第1調芯段階は、前記第1光部品から前記第2光部品への光を前記第1光検出部により検出した結果に基づいて前記第1アクチュエータを駆動して、前記第1光部品に対する前記第2光部品の位置を調整する
請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第1調芯段階に先立って、前記第1光部品及び前記第2光部品の間に光硬化型接着剤を注入する段階を更に備え、
前記第1固定段階は、前記第1光部品及び前記第2光部品の間に注入された光硬化型接着剤に光を照射して前記光硬化型接着剤を硬化させる
請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記第1調芯段階に先立って、前記第1光部品及び前記第2光部品の一方を他方に対して移動させて相対位置を粗調整する粗調整段階を更に備え、
前記第1調芯段階は、前記粗調整段階の後に前記第1アクチュエータを駆動して前記第1光部品及び前記第2光部品の相対位置を微調整する請求項12又は13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記第1光部品は、複数の半導体レーザ素子が設けられたレーザアレイであり、
前記第2光部品は、前記複数の半導体レーザ素子が出力する光を入射する複数の光導波路と、前記複数の光導波路のうち選択された光導波路からの光を出力する光スイッチ部と、を有し、
前記第1調芯段階は、
前記複数の半導体レーザ素子の少なくとも1つから光を出力させ、
前記光スイッチ部を制御して前記半導体レーザ素子から出力された光を前記光スイッチ部から出力させ、
前記光スイッチ部から出力させた光を前記第1光検出部により検出させ、
前記第1アクチュエータを駆動して前記第1光検出部が検出した光の強度を高める方向に前記第2光部品を移動させる
請求項12から14のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項16】
前記第1調芯段階は、
前記レーザアレイにおいて並列に配置された複数の半導体レーザ素子のうち、少なくとも両端の前記半導体レーザ素子から順次光を出力させ、
前記少なくとも両端の半導体レーザ素子からの光を前記第1光検出部により検出した結果に基づいて前記第1アクチュエータを駆動して、前記第1光部品に対する前記第2光部品の位置を調整する
請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記第1アクチュエータ形成段階は、前記第2光部品が実装された基板の下に複数の前記アクチュエータを形成し、
前記第1調芯段階は、前記複数のアクチュエータのそれぞれの駆動量を調整して、前記第1光部品に対する前記第2光部品の位置を調整する
請求項12から16のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項18】
第3光部品を前記第1光部品に対して調芯させる第2アクチュエータを形成する第2アクチュエータ形成段階と、
前記第3光部品を形成する第3光部品形成段階と、
前記第2アクチュエータを駆動して前記第3光部品を移動させ、前記第1光部品及び前記第3光部品を調芯する第2調芯段階と、
前記第1光部品及び前記第3光部品が調芯された状態で前記第1光部品及び前記第3光部品を固定し光結合させる第2固定段階と、
を更に備える請求項12から17のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項19】
第1光部品及び第2光部品を備える光モジュールを製造する製造システムであって、
前記第1光部品と、前記第2光部品と、前記第2光部品を前記第1光部品に対して調芯させる第1アクチュエータとを製造する光部品製造装置と、
前記第1アクチュエータを駆動して前記第2光部品を移動させ、前記第1光部品及び前記第2光部品を調芯する制御装置と、
前記第1光部品及び前記第2光部品が調芯された状態で前記第1光部品及び前記第2光部品を固定し光結合させる接着装置と、
を備える製造システム。
【請求項20】
前記光部品製造装置は、前記第1光部品から入射された光を検出する第1光検出部を有する前記第2光部品を製造し、
前記制御装置は、前記第1光部品から前記第2光部品へと入射された光を前記第1光検出部により検出した結果に基づいて、前記第1光部品及び前記第2光部品を調芯する
請求項19に記載の製造システム。
【請求項21】
前記接着装置は、
前記第1光部品及び前記第2光部品の間に光硬化型接着剤を注入する接着剤注入部と、
前記第1光部品及び前記第2光部品が調芯された状態で前記光硬化型接着剤に光を照射して硬化させ、前記第1光部品及び前記第2光部品を固定する光照射部と、
を有する請求項19又は20に記載の製造システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−44862(P2013−44862A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181406(P2011−181406)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】