説明

光学式測定装置、プレス機、部品組合せ方法

【課題】小型化可能で高精度な形状測定が可能な光学式測定装置を提供する。
【解決手段】レーザ光源201が出力したビーム状の測定用光216は第2円錐ミラー207によって放射状の測定用光に変換され、ケース101の第2開口部102を通って出力された後、測定対象物220で反射され、第1開口部103を通ってケース101内へ入り、第1円錐ミラー209によって反射された後、受光レンズ213を介して光検出素子214で検出される。処理部240は、光検出素子214で検出された測定用光に基づいて測定対象物の形状を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の測定対象物や湾曲した測定対象物の壁面形状を光学的に測定するのに好適な光学式測定装置、前記光学式測定装置を用いたプレス機、前記光学式測定装置を用いて部品の組合せを行う部品組合せ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、測定対象の形状等を光学的に測定する光学式測定装置が開発されている。筒状体の内壁面形状やU字形に湾曲した部材の内壁面形状を測定する機能を持った光学的測定装置として、前記内壁面に放射状の測定用光を照射することによって前記内壁面を線状に照射して測定する光学式測定装置(いわゆる光切断法を用いた光学式測定装置)が開発されている(例えば特許文献1、2参照)。
光切断法を用いた従来の光学式測定装置は、レーザ光源の光軸を頂角90度の円錐ミラーの頂点に位置合わせして配設すると共に、前記円錐ミラーの円錐軸が前記光軸に一致するように配設した構成を有している。
【0003】
このように構成された光学式測定装置によって測定を行う場合、レーザ光源からビーム状の測定用光を円錐ミラーの頂点に照射することにより、前記円錐ミラーの頂点近傍おいて円錐軸に直交する面内で放射状の測定用光を生成する。筒状体の内壁面に前記放射状の測定用光を照射し(即ち、線状の測定用光によって筒状体内壁面の接断面を得るように光学的に照射し)、筒状体の内壁面上で散乱する反射光のうち光検出部に入射する光を集光して、筒状体の内壁面形状を測定するように構成している。
【0004】
前述した光学式測定装置を用いることにより、筒状体やハーフパイプ等の測定対象物の内面形状等を短時間で正確に測定することが可能である。
しかしながら、前記従来の光学式測定装置では、測定対象で反射した測定用光が急角度で光検出部に入射すると、光検出部に設けられている受光レンズが、入射した測定用光を十分には集光できず測定が困難になるという問題がある。
【0005】
この問題を解決する方法として、光源と光検出部間の距離を、光源と測定対象物間の距離に略等しくするように構成する方法が考えられる。これにより、測定対象で反射した測定用光を緩やかな角度で光検出部に入射させることができるため、測定対象で反射した測定用光を光検出部で検出することが可能になり、高精度な形状測定が可能になる。
【0006】
しかしながら、測定対象物が径の大きい筒状体やハーフパイプ等の場合、光源と測定対象物間の距離が大きくなり、その結果として光源と光検出部間の距離も大きくせざるを得ないため、光学式測定装置が大きくなり、小型化ができないという問題がある。
また、小型化を図りつつ前記問題を解決する方法として、受光レンズに、魚眼レンズのような高屈折角のレンズを使用する方法も考えられるが、正確な集光が困難であるため、高精度な測定は困難という問題がある。
【0007】
一方、クレーンのブーム(Boom)等の加工方法として、成形金型によらないで供給材料の送り量とパンチ押込み量で所定の曲げ成形を行う金属プレス加工(ラウンド曲げ加工と称す。)が採用されている。
クレーンのブームには高張力鋼が使用されている。高張力鋼は、軽量で強度が大きいという特性を有しているが、スプリングバックの量等の材料特性のばらつきが大きく、一定の力または変位を与えて曲げ加工を行ったとしても、曲げられた部材の形状が一定でないため、精度の高い加工が難しいという問題がある。
【0008】
従来、高張力鋼を用いてブーム用にラウンド曲げ加工を行う場合、長さ数m〜十数m程の細長い平板状高張力鋼を長さ方向にダイ上に載置し、前記高張力鋼と同程度の長さを有する大型プレス機のパンチによって数千トン程の負荷を加えて少しずつ曲げを行う。前記加工処理を繰り返すことによって、徐々に断面U字型の長尺部材にラウンド曲げ加工を行うようにしている。
【0009】
この加工の際、人的な作業により、物差しや測定用ジグ等を用いて形状を測定しながら、所望の形状や曲げ量に加工している。
しかしながら、高張力鋼はパンチで負荷を掛けられている間は曲がった状態になるものの、除荷するとスプリングバックによって形状が相当量戻るため、物差しや測定用ジグ等を用いて形状を測定しながらの加工では、測定が煩雑であるという問題がある。また、手作業による測定では高精度な測定が困難という問題がある。
【0010】
このように、曲げ加工工程中における曲げ半径、曲げ対称度、ハーフパイプ形状のねじれ、平行度などの加工形状の傾向を把握する有効な手段がなく、適切な加工作業が行えないために曲げ加工終了後に、多大な労力をかけて形状の修正作業を行うことが必要となる。曲げ角度の測定を行うには、曲げ加工の工程中に頻繁に角度計の設置換えが必要で、一貫した寸法管理が行えない。また型ゲージと被加工部材の隙間を確認することによって、加工の程度を確認しているものの、精度の良い定量的な測定ができないという問題がある。
【0011】
また、組立ロボットを用いて、砂型をはじめとして複数の大型部品を組み合わせる場合、組み合わせる部品の相対的な位置関係を人手によって測定する方法では非効率的であり、測定精度が悪い等の問題があり、部品の相互干渉回避のために組合せは人の勘に依存しているため生産性が高められないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平5−107037号公報
【特許文献2】特開2009−192483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、小型化可能で高精度な形状測定が可能な光学式測定装置を提供することを課題としている。
また、本発明は、前記光学式測定装置を用いて、被測定対象を加工しながら、前記被測定対象の形状を高精度に測定できるようにすることを課題としている。
また、本発明は、前記光学式測定装置を用いて、複数の部品を高精度に組み合わせ可能にすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の視点によれば、測定用光によって測定対象を線状に照射する照射手段と、光検出手段と、少なくとも円錐台領域を含み、前記測定対象で反射した前記測定用光を前記光検出手段側に反射する光反射手段と、前記照射手段からの前記測定用光を前記測定対象側へ通すと共に前記測定対象で反射した前記測定用光を前記光反射手段側へ通すように、前記照射手段、光検出手段及び光反射手段を収容するケースとを備えて成ることを特徴とする光学式測定装置が提供される。
【0015】
また、本発明の第2の視点によれば、被加工部材をダイとパンチで挟んで圧力をかけることにより、前記加工部材を曲げ加工するプレス機において、前記光学式測定装置を前記パンチに配設して成ることを特徴とするプレス機が提供される。
【0016】
また、本発明の第3の視点によれば、相互に組み合わせて使用する第1、第2の部品間に、少なくとも前記照射手段、光検出手段、光反射手段及びこれらを収容するケースから成る光学式測定装置本体を配置する配置工程と、前記光学式測定装置本体によって前記第1、第2部品の位置を測定しながら前記第1、第2部品の相対的位置を合わせる位置合わせ工程と、前記光学式測定装置本体を前記第1、第2の部品間から取り除く除去工程と、前記第1、第2の部品を組み合わせる組み合わせ工程とを備えて成ることを特徴とする部品組み合わせ方法が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る光学式測定装置によれば、小型化可能で高精度な形状測定が可能である。
また、本発明に係るプレス機よれば、前記光学式測定装置を用いて、被測定対象を加工しながら、前記被測定対象の形状を高精度に測定することが可能であり、したがって、高精度な曲げ加工が可能になる。
また、本発明に係る部品組合せ方法によれば、前記光学式測定装置を用いて複数部品の位置を合わせることが可能になるため、簡単な構成で複数の部品を高精度に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の各実施の形態に係る光学式測定装置本体の外観斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る光学式測定装置本体の正断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る光学式測定装置の使用態様の概要を示す正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る光学式測定装置の使用態様の概要を示す側面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る光学式測定装置の動作原理を説明する説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る光学式測定装置の動作を説明する説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る光学式測定装置の動作を説明する説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る光学式測定装置本体の正断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る光学式測定装置本体の正断面図である。
【図10】本発明の各実施の形態に係る光学式測定装置の特性を示す特性図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る光学式測定装置の他の使用態様の概要を示す正面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る光学式測定装置の更に他の使用態様の概要を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る光学式測定装置の更に他の使用態様の概要を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る光学式測定装置、プレス機、部品組み合わせ方法について説明する。尚、各実施の形態において、同一機能を有する部分には同一符号を付している。
図1(a)は、本発明の第1、第2の実施の形態に共通する光学式測定装置本体100の斜視図であり、細部を省略した概観を示す図である。同図(b)は本発明の第3の実施の形態に係る光学式測定装置本体900の斜視図であり、細部を省略した概観を示す図である。
【0020】
同図(a)において、光学式測定装置本体100の光源や検出部等の各構成要素は後述するように、概略円筒状のケース101内に収容されている。ケース101は金属等の不透光性部材によって構成されている。ケース101は、測定対象物(図示せず)の測定に用いる測定用光をケース101外へ通す第2開口部102、測定対象物で反射した測定用光をケース内部へ通す第1開口部103を備えている。
尚、同図(b)の光学式測定装置本体900については後述する。
【0021】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る光学式測定装置本体100の正断面図であり、ケース101の中心軸に相当する光軸212に沿って切断した断面図である。
図2において、本第1の実施の形態に係る光学式測定装置は、光学式測定装置本体100と処理装置240を備えている。
円板状の基板206には第1反射ミラーとしての第1円錐ミラー209が固定されている。第1円錐ミラー209は、頂点210の角度(頂角)が所定角度(本第1の実施の形態では90度)の円錐形状を有しており、その外面(円錐面)全体が光を反射するように構成されている。第1円錐ミラー209の円錐軸211は頂点210を通り底面に垂直な軸である。
【0022】
第1円錐ミラー209の頂点210は使用しないため、第1円錐ミラー209は必ずしも円錐形である必要はなく、円錐台形でもよい。即ち、第1反射ミラー209は、少なくとも円錐台形の光反射領域を有する部材であればよい。第1反射ミラー209が円錐台形状の場合、第1反射ミラー209の円錐軸211は、上側の円形面と下側の円形面の両中心を通る軸になる。
【0023】
第2反射ミラーとしての第2円錐ミラー207が、第1円錐ミラー209の背面側に第1円錐ミラー209とは逆向きになるように基板206に固定されている。第2円錐ミラー207は頂角が90度で、第1円錐ミラー209の円錐軸211と同じ円錐軸を有している。第2円錐ミラー207は、頂点208近傍の領域を使用するため、円錐台形ではなく円錐形に構成される。
【0024】
図2の例では第1円錐ミラー209と第2円錐ミラー207は、化学的接合あるいは機械的接合によって基板206に取り付けて一体化した構成としているが、第1円錐ミラー209と第2円錐ミラー207は基板206を介さずに一体構造または化学的接合あるいは機械的接合によって一体構造化するようにしてもよい。ケース101の内側に、ケース101の中心軸に相当する光軸212と円錐軸211を一致させるための調整具204が基板206とケース101の間に配置されている。例えば調整具204をネジで構成し、前記ネジによって基板206をケース101側から光軸212方向へ押し出す量を調整することによって、光軸212と円錐軸211を一致させるように構成することができる。
【0025】
レーザ光源201の光軸205の角度が光軸212と平行になるように調整するための角度調整機構203が設けられている。角度調整機構203は、光軸212に垂直な平面内で相互に直交する2方向(XY方向)に対する光軸205の角度を調整する機構である。角度調整機構203により、レーザ光源201から出力された測定用光216を第2円錐ミラー207の頂点208に投光させるようにレーザ光源201の角度を調整する。
【0026】
角度調整機構203は取り付け具218によってレーザ光源201と連結されており、角度調整機構203を操作することにより、取付け具218を介してレーザ光源201の光軸205を光軸212と平行になるように調整し、レーザ光源201から出力された測定用光216を第2円錐ミラー207の頂点に照射させる。角度調整機構203によって、レーザ光源201の光軸205が光軸212と平行になるように初期設定される。尚、角度調整機構203は公知のものを用いて構成することができる。
【0027】
角度調整機構203は支持部材217に固定されている。支持部材217は2次元変位調整機構202を介してケース101に一体に取り付けられており、ケース101とともに光学式測定装置本体100のケースを構成している。
支持部材217とケース101の間には、光軸212と直交する平面内で互いに直交する方向(XY方向)にレーザ光源201を移動させて、レーザ光源201の光軸205の位置を調整する2次元変位調整機構202が配置されている。角度調整機構203及び2次元変位調整機構202によってレーザ光源201の光軸205と光軸212が一致するように調整される。尚、2次元変位調整機構202は公知のものを用いて構成することができる。
【0028】
CCD(Charge Coupled Device)カメラまたはCMOS(Complementary MOS)アレイ等によって構成された光検出素子214は第1円錐ミラー209の反射光を受光できるように、受光レンズ213を介して第1ミラー209に対面して配設されている。第1円錐ミラー209の円錐軸211と光検出素子214の受光面が直交するよう、また光検出素子214の座標原点が円錐軸211に一致するように配設されている。受光レンズ213と光検出素子214は光検出部215を構成している。
【0029】
レーザ光源201から出力された測定用光216は、第2円錐ミラー207の頂点208を含む領域で90度向きを変えて放射状(換言すれば円板状)に反射される。第2円錐ミラー207によって放射状に90度向きを変えて反射された測定用光216は、第2開口部102を介してケース101外へ出力される。第2開口部102のケース101の円周方向に沿った長さを変えることにより、測定用光216の出力領域を変えることができる。
【0030】
ケース101外部へ出力された放射状の測定用光216は、測定対象物220を線状に照射(光切断)する。これにより、測定対象物220は放射状の測定用光216によって線状に同時に照射される。測定対象物220で反射した測定用光216は第1開口部103を介してケース101内へ入る。ケース101に入射した測定用光は、第1円錐ミラー209の円錐台領域の表面で反射され、受光レンズ213を通って光検出素子214によって検出される。
【0031】
光検出素子214には、電気ケーブル230を介して、コンピュータによって構成された処理装置240が接続されている。光検出素子214によって検出した測定対象物220の像のデータは処理装置240に入力される。処理装置240では、光検出素子214からの像データに座標変換処理を施して測定対象物220の形状を算出する等の処理が行われる。
【0032】
ここで、レーザ光源201及び第2円錐ミラー207は、測定用光216によって測定対象物220を線状に照射する照射手段を構成している。光検出部215は光検出手段を構成している。第1円錐ミラー209は、少なくとも円錐台領域を含み、測定対象物220で反射した測定用光216を前記光検出手段側に反射する光反射手段を構成している。ケース101は、前記照射手段からの測定用光216を測定対象物220側へ通すと共に測定対象物220で反射した測定用光216を前記光反射手段側へ通すように、前記照射手段、光検出手段及び光反射手段を収容するケースを構成している。また、処理装置240は、光検出手段が検出した測定用光に基づいて測定対象の形状を算出する処理手段を構成している。
尚、処理装置240の少なくとも一部の処理機能をケース101内に設けるように構成することも可能である。光学式測定装置本体100は、少なくとも前記照射手段、光検出手段、光反射手段およびこれらを収容するケース101を有している。
【0033】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る光学式測定装置の使用態様を示す正面図で、プレス機に組み込んで使用する例を示している。
図3において、プレス機301には、ダイ(図示せず)の上方に上下動可能なようにパンチ302が設けられている。パンチ302には、ダイと対面する側に、複数の凸部303と凹部304が交互に設けられている。パンチ302によって、ダイ上に載置した被加工物(例えばクレーンのブームを作成するための高張力鋼の平板)220に負荷を加えてラウンド曲げ加工を行う。尚、被加工物220は、光学式測定装置の測定対象物でもあるため、以下では測定対象物220とも表記している。
【0034】
パンチ302には光学式測定装置本体100を収容するための穴が形成されており、光学式測定装置本体100は、パンチ302の前記穴内に、測定用光216を測定対象物220に照射すると共に測定対象物220で反射した測定用光216を受光可能なように収容されている。レーザ光源201で発生した放射状の測定用光216は、パンチ302の凹部304を通って測定対象物220に照射される。測定対象物220で反射した測定用光216は、パンチ302の凹部304を通って、第1円錐ミラー209によって反射された後、受光レンズ213を介して光検出部215の光検出素子214によって検出され、処理装置240によって形状の算出処理等が行われる。
【0035】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る光学式測定装置の使用態様を示す側面図で、プレス機に組み込んで使用する例を示している。
図4において、光学式測定装置本体100が図3と同様に、プレス機301のパンチ302内に収容されている。パンチ302を下降させてダイ401上に載置した測定対象物220に負荷を加えてラウンド曲げ加工を行う。
【0036】
パンチ302を上方に移動させて除荷した位置で、測定対象物220の形状測定を行うことにより、測定対象物220の曲げ形状を測定する。これにより、加工後の測定対象物220の形状が測定される。また、パンチ302によって測定対象物220に負荷を与えている状態と除荷した状態の両状態で測定対象物220の形状を測定すれば、測定対象物220のスプリングバックの量を測定することができる。
【0037】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る光学式測定装置の動作を説明する原理図である。
図5において、レーザ光源(図示せず)からビーム状の測定用光216が光軸205に沿って、第2円錐ミラー207の頂点208に照射されると、第2円錐ミラー207の頂角が90度に形成されているため、第2円錐ミラー207の頂点208の近傍領域で反射され、放射状の測定用光216が光軸205と直交する方向に出力される。
【0038】
前記放射状の測定用光216は、測定対象物220の内壁面を線状に照射する(光切断)。図5には、測定対象物220としてU字型に曲げられた高張力鋼の一部を示しており、前記放射状の測定用光216は測定対象物220の内壁面を線状に照射して反射する。502は放射状の測定用光216による光切断ラインである。
【0039】
測定対象物220の内壁面で反射した測定用光216は、第1円錐ミラー209で反射され、受光レンズ213で集光された後、光検出素子214によって検出される。
光検出素子214は第1円錐ミラー209を介して測定対象物220を検出するため、光検出素子214上に結ばれる測定対象物220の像501は、測定対象物220の形状と相似の形状ではなく、第1円錐ミラー209による歪みを含んだ形状となる。
【0040】
図6は、光検出素子214の検出する像が第1円錐ミラー214によって歪められる様子及び歪みを無くして元の像を得る処理を説明する説明図である。図6において、「受光器空間」は光検出素子214における空間の座標を表し、「実空間」は測定対象物220が存在する空間の座標を表している。
【0041】
図6(a)には、図3、図4に示したように1つの光学式測定装置本体100をパンチ302に取り付けた状態で、測定対象物220を測定する例を示している。ここでは、測定対象物220の例として、マスターゲージと、一端側をラウンド曲げした板状の高張力鋼の例を示している。
【0042】
また、図6(b)には、後述するように2つの光学式測定装置本体100をパンチ302に取り付けた状態で、測定対象物220を測定する例を示している。測定対象物220の例は、図6(a)と同じである。
第1円錐ミラー209を介して測定対象物220を測定するため、光検出素子214で検出される像は、受光器空間の像として示すように歪んだ像となる。本発明の各実施の形態では、光検出素子214が検出した像に所定の座標変換処理を施すことにより、実空間における像を得るようにしている。
【0043】
図7は、受光器空間の像を実空間の像に変換する際の変換処理を説明する説明図である。
図7(a)は、測定対象物220と光学式測定装置本体の光学系(構成要素)の配置関係を示す図である。
図7(a)において、Rは第1円錐ミラー209の頂点210から測定対象物220までの距離、gは第1円錐ミラー209の高さ(底面から頂点210までの距離)、φは第1円錐ミラー209の頂角、bは頂点210と受光レンズ213の中心との距離、fは受光レンズ213の中心と光検出素子214との距離である。
【0044】
Z0は第1円錐ミラー209の頂点210と第2円錐ミラー207の頂点208との間の光軸212に沿った距離、ρは検出素子214が検出した像(Rに対応する像)、βは検出素子214に入射する測定用光216と検出素子214の検出面との間の角度である。また、Oは実空間座標の座標原点である第1円錐ミラー209の頂点210の座標、OAは受光器空間座標の原点である検出素子214の中央の座標、Cは第2円錐ミラーの頂点208の座標(Zc,Yc)である。ここで、g、φ、b、f、Z0、Zc、Ycは所定の設定値であり、既知の値である。
【0045】
本第1の実施の形態の場合、第1円錐ミラー209と第2円錐ミラー207は図2に示すように逆向きに配設されているため、Z0の符号はマイナスとなる。第2円錐ミラー207は光軸212上にある。第1円錐ミラー209は、|−Z0|>|−g|となる円錐台形の光反射領域を含む反射ミラーを使用する。即ち、C点は円錐ミラー209の底面の左側に位置する。
【0046】
また、図7(b)に示す受光器空間座標は角度ψと原点OAからの距離ρによって表される極座標表示であり、図7(c)に示す実空間座標は角度θと原点Oからの距離Rによって表される極座標表示である。受光器空間座標と実空間座標は相互にZ軸に沿って平行移動した関係にある。受光器空間座標の原点OAと実空間座標の原点OのZ座標は、(b+f)だけ距離が離れている。実空間座標のY軸と受光器空間座標のη軸は平行であり又、実空間座標のX軸と受光器空間座標のξ軸も平行である。
【0047】
図7(b)の受光器空間座標から図7(c)の実空間座標への変換は、下記2つの式(1)によって行うことができる。尚、第1円錐ミラー209を円錐台形の反射ミラーで構成した場合も下記式によって座標変換を行うことができる。
θ=ψ−π
R=Zc/tan{β−(π−φ)}+b・[(tan{(π−φ)/2}/tan{β−(π−φ)})+1]/(tanβ−tan{(π−φ)/2}) ・・・(1)
但し、tanβ=f/ρである。
【0048】
以上のように構成された本発明の第1の実施の形態に係る光学式測定装置の動作を説明する。
図3、図4に示すように、光学式測定装置本体100をプレス機301のパンチ302内に収容し、ダイ401上に載置した測定対象物220にパンチ302によって負荷をかけ、測定対象物220のラウンド曲げ加工を行う。パンチ302が所定高さに位置するときに、光学式測定装置本体100によって測定対象物20の形状を測定する。
【0049】
例えば、パンチ302が最下位置にきて測定対象物220に最大負荷を加えている状態のときと、パンチ302が最上位置にきて除荷した状態のときに、測定対象物220の形状を測定する。これにより、除荷した状態での測定対象物220の曲がり具合や、スプリングバックの大きさを測定することができる。
【0050】
測定対象物220の形状を測定する場合、レーザ光源201からビーム状の測定用光216を出力させる。前記ビーム状の測定用光216は第2円錐ミラー207によって90度偏向するように放射状に反射される。第2円錐ミラー207によって反射された測定用光216は、第2円錐ミラー207の頂点208を中心として、光軸212に直交する面内で放射状に出力される。
【0051】
第2円錐ミラー207によって反射された放射状の測定用光216は、第2開口部102及びパンチ302の凹部304を通って測定対象物220を照射する。これにより、測定対象物220は測定用光216によって線状に照射される、即ち、光切断される。
測定対象物220で反射した測定用光は第1開口部103を通ってケース101内に入り、第1円錐ミラー209によって反射された後、受光レンズ213を通って光検出素子214によって検出される。光検出素子214は、検出した像のデータを電気ケーブル230を介して光学式測定装置本体100外部の処理装置240に出力する。
【0052】
光検出素子214によって検出された像は、前記受光器空間座標であるため、図6に示すように歪んだ像となっている。処理装置240は、光検出素子214が検出した像のデータを用いて、前記式(1)によって演算処理を行い、受光器空間座標を実空間座標に変換し、測定対象物220の実空間における正しい像を得る。
光学式測定装置の特性は図10に示すようである。図10は、本発明の各実施の形態に係る光学式測定装置の測定範囲と測定精度との関係を示す特性図で、×印の特性Aが本第1の実施の形態に係る光学式測定装置の特性を表している。
【0053】
図10に示すように、本第1の実施の形態に係る光学式測定装置は、後述する第3の実施の形態に比べて、測定範囲が所定値を超える範囲では測定精度が大きく低下していくが、測定範囲は広いという特性を有している。したがって、本第1の実施の形態に係る光学式測定装置は、径の大きい測定対象物220を測定する場合等に用いて特に効果的である。
【0054】
また、第1円錐ミラー209を用いているため、次のような効果が得られる。
即ち、測定対象物220表面の散乱光を三角測量の原理を維持して、第1円錐面ミラー209で反射した測位用光216を光検出部215に導光することが可能である。
測定用光を光検出部に直接導光する場合、受光レンズ213は魚眼レンズ等を使わない限り遠方に配置することになり、測定対象物からの戻り光が通る開口部を大きくする必要性があると共に光学式測定装置全体が大きくなるという欠点がある。
【0055】
また、魚眼レンズは均一かつ精密な集光が得られ難く、測定に不向きである。円錐ミラー209を用いることにより魚眼レンズが不要になり又、標準的な受光レンズによって高精度な導光が可能になる。円錐ミラー209で適切な位置で反射させると、測定用光216が測定対象物220で反射した位置から受光レンズ213までの距離を短くでき、従って光路長が短くでき、光学式測定装置の寸法も円錐ミラー209を使用しない場合に比べて(例えば1/5程度)小さくすることが可能になる。また測定対象物220からの戻り光のための開口部103も小さくできる。従って、汎用組込センサとして有効なカートリッジ化が可能になる。
【0056】
また、光反射面が円錐(円錐台も可)の稜線は曲線ではなく直線であり、入射光と反射光の評価と管理を高精度で行えることから、反射で生じる歪み誤差を低減することが容易であり、高精度な測定が可能になる。また、稜線が直線であるため、座標変換を簡単な式で行うことが可能になり又、正確に行うことが可能になる。これに対して、光反射面が球面や双曲面の場合には、反射で生じる歪み誤差を低減することが困難であり、測定精度が低いという欠点がある。
【0057】
また、光源201の光軸205と円錐ミラー209の光軸212が平行であるため、これらを直角に配置する場合に比べて、光学式測定装置本体100を小型化することができ、したがって、小型な光学式測定装置を構成することが可能になる。
また、第1円錐ミラー209の底面と平行面をなして放射状に投光される測定用光216は投光距離に反比例して強度密度が減衰する。測定対象物220に生じた散乱光は入射光方向にもっとも強く反射し、直角方向には反射しない。第1円錐ミラー209には垂直に近い角度の散乱光が入射するのに対して、第1円錐ミラー209を使用しない場合には弱い散乱光しか入射しない。第1円錐ミラー209を用いることにより、光エネルギを合理的に利用することができる。
【0058】
また、第1円錐ミラー209の円錐軸211と直角方向にある散乱光を第1円錐ミラー209を介して円錐軸211の頂点210方向にある光検出素子214に集光するために、測定対象物220までの工程で弱まった光密度は集光工程で逆放射、つまり受光レンズ213に向かって集光することで光強度密度を高める作用を有する。したがって、エネルギ効率がよく、レーザ光源201の出力を大きくする必要がない等の効果を奏する。
【0059】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る光学式測定装置本体800の正断面図であり、ケース101の中心軸に相当する光軸212に沿って切断した断面図である。
図8において、本第2の実施の形態に係る光学式測定装置は、光学式測定装置本体800と処理装置240を備えている。
光学式測定装置本体800の外観形状は、図1(a)に示すように光学式測定装置本体100と同じである。
本第2の実施の形態に係る光学式測定装置と前記第1の実施の形態に係る光学式測定装置は、測定用光216を発生する光源部の構成が相違しているが、その他の構成は同一であるため、相違点についてのみ説明する。
【0060】
測定対象物220を測定用光216で線状に照射するために、光学式測定装置本体100では円錐ミラー207を用いて放射状の測定用光216を生成したが、光学式測定装置本体800ではビーム状の測定用光216で測定対象物220を走査するように構成している。
即ち、図8において、円板状の基板206には第1反射ミラーとしての第1円錐ミラー209が固定されている。前述したとおり第1円錐ミラー209の頂点210は使用しないため、第1円錐ミラー209は必ずしも円錐形である必要はなく、少なくとも円錐台形状の領域を含むミラーであれば良く、円錐台形でもよい。
【0061】
第1円錐ミラー209とレーザ光源201間には、ミラー支持部材802がボールベアリング等の回転支持部材803によって回転自在にケース101に保持されている。ミラー支持部材802の周囲には歯車が形成されており、ミラー支持部材802はモータ801によって、光軸212を回転中心として所定速度で回転するように駆動される。
【0062】
ミラー支持部材802の中心、即ち光軸212上には、平面ミラー804が取り付けられている。平面ミラー804の光反射面は、レーザ光源201からの測定用光216を90度方向に偏向して反射するように、光軸205と45度の角度をなしてレーザ光源201に対面するように取り付けられている。平面ミラー804は、モータ801によって光軸205(換言すれば光軸212)を回転中心として、ミラー支持部材802とともに回転する。光学式測定装置本体800の他の構成は光学式測定装置本体100と同一である。
尚、レーザ光源201、モータ801、ミラー持部材802、回転支持部材803、平面ミラー804は照射手段を構成している。また、モータ801、ミラー持部材802、回転支持部材803は回転駆動手段を構成している。
【0063】
以上のように構成された本第2の実施の形態に係る光学式測定装置では、モータ801を所定速度で一方向に回転することにより、ミラー支持部材802を所定速度で回転させる。これにより、平面ミラー804が光軸212を中心として所定速度で回転する。
レーザ光源201から出力されたビーム状の測定用光216は、回転する平面ミラー804によって90度偏向して反射される。平面ミラー804によって反射されたビーム状の測定用光216は、第2開口部102を通って測定対象物220を照射する。第2開口部102のケース101の円周方向に沿った長さを変えることにより、測定用光216の出力領域を変えることができる。
【0064】
このとき、測定用光216は細いビーム状の光であるが、所定速度で回転する平面ミラー804によって反射されて測定対象物220を照射することになる。したがって、測定対象物220は、測定用光216によって所定速度で走査され、その結果、測定用光216によって所定速度で線状に照射されることになる。このように、測定対象物220は、測定用光216によって、時間経過とともに線状に照射される。
【0065】
測定対象物220で反射した測定用光216は第1開口部103を通り第1円錐ミラー209で反射された後、受光レンズ213を介して検出素子214によって検出される。第1円錐ミラー209を使用しているため、検出素子214によって検出された像は、前記第1の実施の形態と同様に歪んだ像である。処理装置240によって、検出素子214で得られた像に実空間座標への変換処理を施すことにより、測定対象物220の実際の形状のデータが得られることになる。
本第2の実施の形態では、第2円錐ミラー207を使用しないため、高精度な形状の円錐ミラー207が製造困難な場合でも、高精度な測定が可能になる。尚、図10に示した特性は、前記第1の実施の形態と同じ特性が得られる。
【0066】
図1(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る光学式測定装置本体900の斜視図であり、細部を省略した外観を示す図である。光学式測定装置本体900は第1ケース901と第2ケース902から成るケースを備えている。
第1ケース901には測定対象物で反射した光が入射する第1開口部103が設けられている。第2ケース902には、第2ケース内に収容されているレーザ光源(図1(b)には示していない。)が出力した放射状の測定用光を第2ケース902外部へ通す第2開口部102が設けられている。
【0067】
第2開口部102のケース902の円周方向に沿った長さを変えることにより、測定用光の出力領域を変えることができる。
第2ケース902は、第1ケース901に固定されたスライダ機構903によって、第1ケース901に対して第1ケース901の長さ方向(即ち、後述する光軸方向)に手動操作によって移動可能に構成されている。
スライダ機構903は、第2ケース902を第1ケース901に対して任意の位置又は所定の複数の位置で固定できるように構成されている。ここで、スライダ機構903は移動手段を構成している。
【0068】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る光学式測定装置本体900の正断面図であり、ケース901の中心軸に相当する光軸212に沿って切断した断面図である。
図9において、本第3の実施の形態に係る光学式測定装置は、光学式測定装置本体900と処理装置240を備えている。
円板状の基板206には第1反射ミラーとしての第1円錐ミラー209が固定されている。円板状の基板206は角度調整機構204によって光軸212に対する円錐軸211の角度が一致するよう調整できるように、第1ケース901内に保持されている。
これによって第1円錐ミラー209は、その円錐軸211が第1ケース901の中心軸に相当する光軸212に一致するように第1ケース901内に保持されている。
【0069】
第1円錐ミラー209は、頂点210の頂角が所定角度(本第3の実施の形態では120度)の円錐形状を有しており、その外面(円錐面)全体が光を反射するように構成されている。尚、第1円錐ミラー209の円錐軸211は頂点210を通り底面に垂直な軸である。
第1円錐ミラー209の頂点210は使用しないため、第1円錐ミラー209は必ずしも円錐形である必要はなく、円錐台形でもよい。即ち、第1反射ミラーは、少なくとも円錐台形の光反射領域を有するミラーであればよい。第1反射ミラーが円錐台形状の場合、第1反射ミラーの軸は、上側の円形面と下側の円形面の両中心を通る軸になる。
【0070】
CCDカメラまたはCMOSアレイ等によって構成された光検出素子214は第1円錐ミラー209の反射光を受光できるように、受光レンズ213を介して第1ミラー209に対面して配設されている。第1円錐ミラー209の円錐軸211と光検出素子214の受光面が直交するよう、また光検出素子214の座標原点が円錐軸211(換言すれば光軸212)に一致するように配設されている。受光レンズ213と光検出素子214は光検出手段としての光検出部215を構成している。
【0071】
スライダ機構903によって第1ケース901に取り付けられた第2ケース902内には、レーザ光源201及び第2反射ミラーとしての第2円錐ミラー207が収容されている。スライダ機構903により、レーザ光源201及び第2円錐ミラー207によって構成される照射手段の中の少なくとも第2円錐ミラー207と第1円錐ミラー209の少なくとも一方は他方に対して、相互の距離が可変なように相対的に移動可能に構成されている。
【0072】
第2円錐ミラー207は、光を反射する面(円錐面)がレーザ光源201と対面するように配設されている。また、第2ケース902がスライダ機構903によって移動させられた場合でも、第2円錐ミラー207の水平方向の位置が第1円錐ミラー209とレーザ光源201の間に位置するように、第2円錐ミラー207は配設されている。
【0073】
第2円錐ミラー207は頂角が90度で、その光軸はレーザ光源201の光軸205と一致するように配設されている。また、光軸212と光軸205とが平行になるように構成されている。
第2ケース902内において、レーザ光源201から出力されたビーム状の測定用光216は、第2円錐ミラー207の頂点208周辺の領域で90度偏向して放射状(換言すれば薄い円板状)に反射される。第2円錐ミラー207によって90度偏向して放射状に反射された測定用光216は、第2ケース902に設けられた第2開口部102を介して第2ケース902外へ出力される。
【0074】
第2ケース902外部へ放射状に出力された測定用光216は、測定対象物220を線状に照射(光切断)する。測定対象物220で反射した測定用光216は、第1ケース901に設けられた第1開口部103を介して第1ケース901内へ入り、第1円錐ミラー103の円錐台領域の表面で反射され、受光レンズ213を通って光検出素子214によって検出される。
【0075】
本第3の実施の形態に係る光学式測定装置は、スライダ機構903によって第2ケース902をスライドさせて、レーザ光源201及び第2円錐ミラー207によって構成される光源部と第1開口部103の相対的な位置を変えることにより、図10に示すように、測定精度や測定範囲を変えることができる。
即ち、図10において、正方形印の特性B(I)、菱形印の特性B(II)、円形印の特性B(III)が本第3の実施の形態に係る光学式測定装置の特性を表している。特性B(I)、B(II)、B(III)は各々、図9における光源位置(I)、(II)、(III)における特性を表している。
【0076】
光源位置(I)は、第2ケース902を移動していない初期位置であり、第2円錐ミラー207が第1円錐ミラー209から最も離れた位置である。光源位置(II)は、第2円錐ミラー207を光源位置(I)から第1円錐ミラー209方向に光軸205に沿って所定距離(例えば40mm)移動させた位置である。また、光源位置(III)は、第2円錐ミラー207を光源位置(II)から第1円錐ミラー209方向に光軸205に沿って所定距離(例えば40mm)移動させた位置である。
【0077】
本第3の実施の形態では、スライダ機構903を利用して手動操作により第2ケース902を光軸205方向に移動させ、その位置で固定可能に構成している。これにより、前記3カ所の位置(I)〜(III)に移動して固定することができるが、固定する位置や箇所数は適宜選定でき、任意の箇所や複数の箇所に固定するように構成することができる。スライダ機構は手動のほかアクチュエータを用いて遠隔操作や自動制御によってその位置を測定の目的に応じて制御することもできる。
【0078】
また、前記スライダ機構を使用せず、レーザ光源201及び第2反射ミラーとしての第2円錐ミラー207が収容されている複数の第2ケース902を、第2ケースから放出された測定用光216が同一平面上に存在しない位置(たとえば、前記3カ所の位置(I)〜(III))で第1ケース901に固定してもよい。このとき、複数の第2ケース902は図9に示すように光軸205方向に一直線上に配設してもよいが、必ずしも一直線上に配設しなくともよい。
【0079】
図10に示すように、本第3の実施の形態に係る光学式測定装置は、前記第1、第2の実施の形態に比べて、測定範囲は狭いが測定精度が高いという特性を有している。また、第2円錐ミラー207を移動させることにより、測定範囲を変えることができるという特性を有している。
【0080】
したがって、本第3の実施の形態に係る光学式測定装置は、径が異なる複数種類の測定対象物220を切り替えて測定する場合に特に効果的である。即ち、図9に示すように、径が大きい測定対象物220を測定する場合には、第2ケース902を光源位置(III)に固定して測定を行う。径が中程度の測定対象物220を測定する場合には光源位置(II)に固定して測定を行う。また、径が小さい測定対象物220を測定する場合には光源位置(I)に固定して測定を行う。
【0081】
このように、測定対象物220までの距離に応じて、測定対象物220で反射されて第2開口部103を通って第1円錐ミラー209に到達する測定用光220が変化する。光源部を移動させて測定範囲を変えることにより、異なる径の測定対象物220を高精度で測定することが可能になる。
【0082】
以上のように構成された本第3の実施の形態に係る光学式測定装置は、前記第1、第2の実施の形態と同様に、図3や図4に示し通り、プレス機のパンチ302に収容して使用される。
即ち、光学式測定装置本体900をプレス機のパンチ302に装着し、ダイ401上に載置した測定対象物220にパンチ302によって負荷をかけ、測定対象物220のラウンド曲げ加工を行う。パンチ302が所定高さに位置するときに、光学式測定装置によって測定対象物220の形状を測定する。
【0083】
例えば、パンチ302が最下位置にきて測定対象物220に最大負荷を加えている状態のときと、パンチ302が最上位置にきて除荷した状態のときに、測定対象物220の形状を測定する。これにより、除荷した状態での測定対象物220の曲がり具合や、スプリングバックの量を測定することができる。
【0084】
被加工物220の形状を測定する場合、レーザ光源201からビーム状の測定用光216を出力させる。前記ビーム状の測定用光216は第2円錐ミラー207によって90度偏向するように反射される。第2円錐ミラー207によって反射された測定用光216は、第2円錐ミラー207の頂点208を中心として、光軸205(換言すれば光軸212)に直交する方向に放射状に出力される。
【0085】
第2円錐ミラー207によって反射された放射状の測定用光216は、第2開口部102及びパンチ302の凹部304を通って測定対象物220を照射する。これにより、測定対象物220は測定用光216によって線状に照射される、即ち、光切断される。
測定対象物220で反射した測定用光216は、第1開口部103を通って第1円錐ミラー209に入射し、第1円錐ミラー209によって反射された後、受光レンズ213を通って光検出素子214によって検出される。光検出素子214が検出した像のデータは光学式測定装置本体900外部の処理装置240に出力される。
【0086】
光検出素子214によって検出された像は、前記第1、第2の実施の形態と同様に前記受光器空間の座標であるため、図6に示すように歪んだ像となっている。処理装置240は、前記式(1)によって演算処理を行い、受光器空間座標を実空間座標に変換し、測定対象物220の実際の形状を算出する。
尚、本第3の実施の形態の場合、式(1)では、第1円錐ミラー209と第2円錐ミラー207が図7に示した配置関係になるため、Z0の符号は正となる。
【0087】
以上のように本第3の実施の形態では、前記第1の実施の形態と同様に高精度な測定や小型化が可能になる。また、第2円錐ミラー207を光軸205(光軸212)と平行な方向に移動可能に構成したため、測定範囲を変更することが可能になる。したがって、簡単な構成で、径の異なる複数種類の測定対象物220等を測定することが可能になる。
また、光源201の光軸205と円錐ミラー209の光軸212が平行であるため、これらを直角に配置する場合に比べて、光学式測定装置本体100を小型化することができ、したがって、小型な光学式測定装置を構成することが可能になる。
【0088】
図11は、本発明の実施の形態に係る光学式測定装置の使用態様の概要を示す側面図で、プレス機のパンチ302に複数の光学式測定装置100組み込んで使用する例を示している。
図4では、パンチ302に1つの光学式測定装置本体100を収容するように構成したが、図11の例では、パンチ302の軸1101を挟んで対称な位置に2つの光学式測定装置本体100、100を収容して測定するように構成している。
【0089】
測定対象物220が大きなU字形状になる場合、1つの光学式測定装置本体100では測定対象物220全体を測定することが困難な場合がある。しかしながら、複数の光学式測定装置本体100、100を用いて、各光学式測定装置本体100、100が測定した測定対象物220の像を合成することにより、測定対象物220全体の形状測定を行うことが可能になる。
【0090】
パンチ302を下降させることにより、ダイ401上に載置した測定対象物220に負荷を与えてラウンド曲げ加工を行う。このときの測定対象物220の形状を光学式測定装置本体100、100によって測定する。パンチ302を上方に上げて除荷した位置で、測定対象物220の形状測定を行うことにより、測定対象物220の曲げ形状を測定することができる。
【0091】
また、除荷した状態と負荷を与えている状態の両方の形状を測定することにより、測定対象物220のスプリングバックの大きさを測定することができる。図11では、パンチ302によって負荷をかけた状態の測定対象物220を実線で表し、除荷した状態の測定対象物220を2点差線で示している。除荷した状態では、測定対象物220はスプリングバックによって曲げが戻っている。
【0092】
2つの光学式測定装置本体100、100を用いて得られた測定対象物220の測定データを、処理装置240が行う処理を図6(b)に示している。処理装置240は、各光学式測定装置本体100、100の受光器空間座標を実空間座標に変換し、各光学式測定装置本体100、100の共通する所定の測定点を基準点にして各光学式測定装置本体100、100が検出した像を合成することにより、測定対象物220の形状が得られる。これにより、1つの光学式測定装置では測定できないような測定対象物の全体的な形状を測定することができる。
【0093】
図12は、本発明の実施の形態に係る光学式測定装置の更に他の使用態様を示す概略斜視図である。
図12において、1対のU字部材1201、1202を溶接部1203、1203で溶接することにより、クレーンのブーム1200が構成されている。光学式測定装置本体100には、ブーム1200内をブーム1200の長さ方向に沿って移動するための移動機構が装着されている。移動機構は、光学式測定装置本体100がブーム1200の中央に位置するように支持する複数の支持部材1204と、各支持部材1204に取り付けられ光学式測定装置本体100をブーム1200の長さ方向(矢印方向)に沿って移動させる複数の車1205を備えている。
【0094】
手動あるいは、図示しない動力機構によって車1205を回転させて光学式測定装置本体100を矢印方向に移動させながら、ブーム1200の全周囲内壁面の形状を測定し、また、U字部材1201、1202を仮組みした溶接施工前には内壁面の溶接ライン近傍の形状測定を行うことにより、溶接部1203が適正に仮組みされているか否かの検査が可能になる。また溶接部1203の溶接施工後の溶接不良検査や溶接熱変形の計測を行う。
【0095】
図13は、本発明の実施の形態に係る光学式測定装置の更に他の使用態様を示す概略正面図である。
自動車部品の鋳物工程等に使われる砂型中子1個は、10数個の砂型要素を組立てることによって構成されている。従来、砂型要素を組み立てる場合、各砂型要素に設けられた合わせ形状をよりどころに人手によって組み合わされている。
【0096】
合わせ形状は、対面に位置するため人の目では同時に認識することができず、感覚に基づいて組み合わされるため、砂型相互の位置が微妙にずれ、局部的接触で砂型要素が壊れることがある。また、10数個の砂型要素の組立てに時間を要すると、鋳物砂の結合材の収縮差が表れて、不均一な肉厚の鋳物製品に至ることもある。したがって、砂型要素の組立には、短時間で正確な位置合わせが必要とされる。
【0097】
図13の例は、砂型要素のような上・下(または左・右)に配置された組み合わされる部品(組合せ部品)の間において、放射状の測定用光を対向する両方の要素の面に垂直に照射して形状測定を行うことにより、非接触で組合せ環境を測定できるようにするものである。
図13において、本実施の形態に係る光学式測定装置は、光学式測定装置本体100とコンピュータによって構成された処理装置1305を備えている。処理装置1305が前述した処理装置240の処理機能を有している。
【0098】
図13において、第1砂型要素1301と第2砂型要素1302は組合せ部品である。第1砂型要素1301は組み合わせ用の凹部1303を有し又、第2砂型要素1302は凹部1303に嵌合する組み合わせ用の凸部1304を有している。凹部1303と凸部1304は、被製造物(鋳物)の形状を決めるための凹凸である。凹部1303と凸部1304を組み合わせることによって決まる形状の被製造物が製造される。
【0099】
第1砂型要素1301と第2砂型要素1302の間に光学式測定装置本体100が配置される(配置工程)。光学式測定装置本体100は、前述したとおり、少なくとも前記照射手段、光検出手段、光反射手段及びこれらを収容するケース101を有している。
図示しない動力機構によって光学式測定装置本体100を所定方向に移動させながら第1砂型要素1301の凹部1303の位置と、第2砂型要素1302の凸部1304の位置を同時に測定する。処理装置1305は、光学式測定装置本体100が検出した測定用光に基づいて、凹部1303と凸部1304の相対的な位置を算出する。
【0100】
処理装置1305は、測定結果に基づいて、動力機構(図示せず)を制御することによって、凹部1303と凸部1304が対面するように第2砂型要素1302位置を制御して、第1、第2砂型要素1301、1302の位置合わせを行う(位置合わせ工程)。これにより、第1砂型要素1301と第2砂型要素1302の対応する部位が対向して位置することになる。
【0101】
次に、処理装置1305は、動力機構(図示せず)を制御することによって光学式測定装置本体100を凹部1303と凸部1304の間から取り除く(除去工程)。次に、処理装置1305は、動力機構(図示せず)を制御することによって第1砂型要素1301を第2砂型要素1302側へ下降させて、凹部1303と凸部1304が嵌合するように第1砂型要素1301と第2砂型要素1302を組み合わせる(組み合わせ工程)。
【0102】
2つの光学式測定装置本体100を直交するように配置し、2つの直交する放射状の測定用光216を使用して位置測定を行うように構成すれば、XY平面で正確な位置測定が可能になり、組合せ部品の正確な位置測定及び組合せ制御が可能になる。
ここでは、被製造物の形状を決めるための凹部1303、凸部1304を用いて第1砂型要素1301と第2砂型要素1302の位置合わせを行うようにしたが、第1砂型要素1301と第2砂型要素1302に各々、位置合わせ専用の凹部や凸部等の位置合わせ専用の印を設けておき、これらの位置合わせ専用の印を用いて位置合わせを行うように構成してもよい。また、砂型要素以外の部品、例えば機械部品等の位置合わせを行う場合にも適用可能である。
尚、図4、図11〜図13では、第1の実施の形態に係る光学式測定装置を用いて測定する例を説明したが、第2、第3の実施の形態に係る光学式測定装置についても同様に用いることができる。
【0103】
以上述べたように本発明の実施の形態に係る光学式測定装置は、測定用光によって測定対象物を線状に照射する照射手段と、測定用光を検出する光検出手段と、少なくとも円錐台形の光反射領域を含み、前記測定対象物で反射した前記測定用光を前記光検出手段側に反射する光反射手段と、前記照射手段からの前記測定用光を前記測定対象物側へ通すと共に前記測定対象物で反射した前記測定用光を前記光反射手段側へ通すように、少なくとも前記照射手段、光検出手段及び光反射手段を収容するケースと、前記光検出手段が検出した測定用光に基づいて前記測定対象物の形状を算出する処理手段とを備えて成ることを特徴としている。
【0104】
ここで、前記照射手段は、ビーム状の測定用光を発生するレーザ光源と、前記レーザ光源からの測定用光を反射する平面ミラーと、前記レーザ光源の光軸を回転中心として前記平面ミラーを回転する回転駆動手段とを備え、前記平面ミラーで反射した前記測定用光を出力することにより、前記測定用光で前記測定対象物を線状に照射するように構成することができる。
【0105】
また、前記光反射手段は、前記照射手段と前記光検出手段の間に配設されて成るように構成することができる。
また、前記照射手段は、前記光反射手段と前記光検出手段の間に配設されて成るように構成することができる。
また、前記光照射手段と前記光反射手段の少なくとも一方は他方に対して、相互間の距離が可変なように相対的に移動可能であるように構成することができる。
【0106】
また、前記反射手段は少なくとも円錐台形の光反射領域を含む形状を有し、前記光検出手段が受光した測定用光を、前記光検出手段の座標系から実座標系に変換して前記反射手段による像の歪みを解消する座標系変換手段を備えて成るように構成することができる。
また、前記照射手段は、円錐ミラーと、前記円錐ミラーの頂点に対向して配設されると共に前記円錐ミラーの円錐軸がその光軸に一致するように配設され、測定用光を出力するレーザ光源とを備え、前記円錐ミラーで放射状に反射した前記測定用光を測定対象物に照射することにより、前記測定用光で前記測定対象物を線状に照射するように構成することができる。
【0107】
したがって、小型化可能で高精度な形状測定が可能である。
また、適切な第1円錐ミラー209とその配置及び三角測量法により測定用光の光路の構築が容易になり又、第1円錐ミラー209による受光部における座標のゆがみを円錐変換によって正規化することで、小型化が可能になり、組込センサとして装置組込が可能になる。
【0108】
また、適切な頂角をもち、適切な位置に配設された第1円錐ミラー209を構築することで測定対象物220の内壁面への投光と戻り光のなす角度を小さくできるため凹凸のある内壁面の測定が可能となる。
また、前記第3の実施の形態のように第2円錐ミラー207を光軸205方向に変位させることで測定精度を維持した状態で測定範囲を拡大することができる。また第1円錐ミラー209の外形を小さくできる。
【0109】
また、光切断面を複数設置またはブーム等の管部材の軸方向に移動するように構成することにより、管部材断面の立体形状のみならず、管部材のねじれ、平行度、円筒度、真直度、真円度や対称性などを測定して知ることが可能になる。
また、光切断面のため、閉じた管部材のほかハーフパイプ、V溝や異形溝についても同様の効果が得られる。
また、加工工具(プレス機のパンチなど)に組込型三次元レーザーセンサとして加工中の形状や加工部品の位置ずれ(移動)や重心の変化による姿勢の測定・評価が可能となる。
【0110】
また、多量の加工データが自動獲得でき、材料の物性的バラツキや形状的バラツキ等によって時々刻々と変化する、加工操作量に対する加工後の形状の関係を把握でき、加工条件の是正量の迅速な決定に有効であるとともに自動運転のセンサとして適用が可能である。
また、軽量小型で可動部を持たない又は単純な可動部を有するに過ぎず、設置が単純であることからロボット搭載が可能である等の効果を奏する。
【0111】
また、本発明の実施の形態に係るプレス機は、被加工物をダイとパンチで挟んで負荷をかけることにより、前記被加工物を曲げ加工するプレス機において、前記いずれか一に記載の光学式測定装置を前記パンチに配設して、前記被加工物の形状を測定することを特徴としている。
したがって、前記光学式測定装置を用いて、被加工物を加工しながら、前記被加工物の形状を高精度に測定することが可能であり、よって、高精度な曲げ加工が可能になる。また、ラウンド曲げを行うプレス機の場合、パンチに大きな負荷がかかるものの、大きな振動は生じないため、パンチに光学式測定装置を配設しても、光学式測定装置に大きな振動が加えられず、良好な測定が可能になる。
【0112】
尚、前記各実施の形態で用いたケース101、901、902は透光性部材によって構成してもよい。この場合、ケース101、901、902の屈折の影響を無視できるときは、開口部102、103を省略するようにしてもよい。
また、光学式測定装置本体100、800、900のパンチ302における取り付け構造としては、パンチ302内に穴を形成しておき、前記穴内に光学式測定装置本体100、800、900を収容するように構成してもよい。この場合、開口部102、103がパンチ302の凹部304を介して露出するように構成する。パンチ302の長さ方向に沿って複数の(少なくとも両端に)光学式測定装置本体100、800、900を配設するように構成することにより、測定対象物220のねじれ等を測定することができる。
【0113】
また、光学式測定装置本体100、800、900のパンチ302における他の取り付け構造として、パンチ302の外側に取り付けるように構成することができる。この場合、測定用光216の出射及び受光が可能なように、開口部102、103が測定対象物220の方向を向くように取り付ける。
【0114】
本発明の実施の形態に係る部品組み合わせ方法は、相互に組み合わせて使用する第1、第2の部品間に、少なくとも前記照射手段、光検出手段、光反射手段及びこれらを収容するケースから成る光学式測定装置本体を配置する配置工程と、前記光学式測定装置本体によって前記第1、第2部品の位置を測定しながら前記第1、第2部品の相対的位置を合わせる位置合わせ工程と、前記光学式測定装置本体を前記第1、第2の部品間から取り除く除去工程と、前記第1、第2の部品を組み合わせる組み合わせ工程とを備えて成ることを特徴としている。
したがって、前記光学式測定装置を用いた簡単な構成により、複数の部品を高精度に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
測定対象物を測定用光で線状に照射して形状等を測定する光学式測定装置に利用可能である。また、測定対象物(被加工物)を加工しながら測定を行うプレス機に適用可能である。また、組み合わせ部品の組み立て等に利用可能である。また、管路(例えば下水管、水道管、通風ダクト等)の測定、トンネル等の建築物の測定、機械部品のねじ穴の測定等に利用可能である。
【符号の説明】
【0116】
100、800、900・・・光学式測定装置本体
101、901、902・・・ケース
102、103・・・開口部
201・・・レーザ光源
202・・・2次元変位調整機構
203・・・角度調整機構
204・・・調整具
206・・・基板
205、212・・・光軸
207、209・・・円錐ミラー
208、210・・・頂点
211・・・円錐軸
213・・・受光レンズ
214・・・光検出素子
215・・・光検出部
216・・・測定用光
217・・・支持部材
218・・・取付け具
220・・・測定対象物(被加工部材)
230・・・電気ケーブル
240、1305・・・処理装置
301・・・プレス機
302・・・パンチ
303・・・パンチ凸部
304・・・パンチ凹部
401・・・ダイ
501・・・像
502・・・光切断ライン
801・・・モータ
802・・・ミラー支持部材
803・・・回転支持部材
804・・・平面ミラー
903・・・スライダ機構
1101・・・プレス加圧軸
1200・・・ブーム
1201、1202・・・U字部材
1203・・・溶接部
1204・・・支持部材
1205・・・車
1301、1302・・・砂型要素
1303・・・凹部
1304・・・凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定用光によって測定対象物を線状に照射する照射手段と、
測定用光を検出する光検出手段と、
少なくとも円錐台形の光反射領域を含み、前記測定対象物で反射した前記測定用光を前記光検出手段側に反射する光反射手段と、
前記照射手段からの前記測定用光を前記測定対象物側へ通すと共に前記測定対象物で反射した前記測定用光を前記光反射手段側へ通すように、少なくとも前記照射手段、光検出手段及び光反射手段を収容するケースと、
前記光検出手段が検出した測定用光に基づいて前記測定対象物の形状を算出する処理手段とを備えて成ることを特徴とする光学式測定装置。
【請求項2】
前記照射手段は、ビーム状の測定用光を発生するレーザ光源と、前記レーザ光源からの測定用光を反射する平面ミラーと、前記レーザ光源の光軸を回転中心として前記平面ミラーを回転する回転駆動手段とを備え、前記平面ミラーで反射した前記測定用光を出力することにより、前記測定用光で前記測定対象物を線状に照射することを特徴とする請求項1記載の光学式測定装置。
【請求項3】
前記光反射手段は、前記照射手段と前記光検出手段の間に配設されて成ることを特徴とする請求項1又は2記載の光学式測定装置。
【請求項4】
前記照射手段は、前記光反射手段と前記光検出手段の間に配設されて成ることを特徴とする請求項1又は2記載の光学式測定装置。
【請求項5】
前記光照射手段と前記光反射手段の少なくとも一方は他方に対して、相互間の距離が可変なように相対的に移動可能であることを特徴とする請求項4記載の光学式測定装置。
【請求項6】
前記反射手段は少なくとも円錐台形の光反射領域を含む形状を有し、
前記光検出手段が受光した測定用光を、前記光検出手段の座標系から実座標系に変換して前記反射手段による像の歪みを解消する座標系変換手段を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の光学式測定装置。
【請求項7】
前記照射手段は、円錐ミラーと、前記円錐ミラーの頂点に対向して配設されると共に前記円錐ミラーの円錐軸がその光軸に一致するように配設され、測定用光を出力するレーザ光源とを備え、前記円錐ミラーで放射状に反射した前記測定用光を測定対象物に照射することにより、前記測定用光で前記測定対象物を線状に照射することを特徴とする請求項1記載の光学式測定装置。
【請求項8】
被加工物をダイとパンチで挟んで負荷をかけることにより、前記被加工物を曲げ加工するプレス機において、
請求項1乃至7のいずれか一に記載の光学式測定装置を前記パンチに配設して、前記被加工物の形状を測定することを特徴とするプレス機。
【請求項9】
相互に組み合わせて使用する第1、第2の部品間に、請求項1乃至7のいずれか一に記載の、少なくとも前記照射手段、光検出手段、光反射手段及びこれらを収容するケースから成る光学式測定装置本体を配置する配置工程と、前記光学式測定装置本体によって前記第1、第2部品の位置を測定しながら前記第1、第2部品の相対的位置を合わせる位置合わせ工程と、前記光学式測定装置本体を前記第1、第2の部品間から取り除く除去工程と、前記第1、第2の部品を組み合わせる組み合わせ工程とを備えて成ることを特徴とする部品組み合わせ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−36947(P2013−36947A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175523(P2011−175523)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度経済産業省「戦略的基盤技術高度化支援事業(高張力鋼板の高精度ラウンド曲げ評価と金属プレス加工の自動化に資する組込み型レーザー三次元測定機の開発)」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(304031900)株式会社未来機械 (5)
【Fターム(参考)】