説明

光学検出装置

【課題】粉塵や飛沫のある場所でも撮像や検出が可能な光学検出装置を提供する。
【解決手段】気体供給孔198,199は、圧縮空気源から内部空間192へ与圧気体を供給する。気体供給孔198,199を通して内部空間192に供給された気体は、開口193からハウジング191の外部に噴き出される。開口193から気体を噴き出すことで、切削液や削り屑又はその混合物による検出部195のレンズあるいは照明部197の汚染を防止できる。また、開口193がオリフィスの役割をし、気体の流速を増加させ、ワーク上の切削液等を吹き飛ばすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉塵や飛沫のある場所での使用に好適な光学検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークの位置決めは従前の機械式から、基準撮像後XYθ補正という態様に変化してきている。しかし加工機においては粉塵や切削液などの副次物の発生により、光学系が汚染され基準撮像そのものが困難であった。
【0003】
下記特許文献1はレーザを用いた加工機に基準撮像用の撮像装置を利用した例で、撮像+ガルバノミラーの位置決めが主題であり、副次物についての開示はない。下記特許文献2は同レーザ加工機の副次物発生を課題とした例であり、レーザ光が通過するFθレンズに対して副次物が付着しないよう、ワーク直上で副次物を吸引している。
【0004】
レーザ加工の場合、副次物は煙状であるが、機械加工に関わる場合、副次物は切り粉、研磨粒、研磨切削液等にまで及ぶ。また加工機に限らず、例えば粉体や液体をワークとして扱う装置の場合、撮像光学系はそれらの影響を避ける位置に配置することを余儀なくされている。
【0005】
下記特許文献3はシーム接合時の粉塵や水飛沫を保護するために対物レンズ(又はファイバー端)周囲に空気の流れを形成するもので、空気流を起こすために空気タービンホイールを備える。下記特許文献4は対物レンズへの異物付着を完全に防止するために、対物レンズの前方に透明体(板)を置き、その透明体に沿ったエア噴射が可能なレンズフードを開示している。下記特許文献5はレーザ案内管の内側に螺旋状の空気流を形成し、その流れを粘着剤に当てることで粉塵等を粘着剤に捕捉する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−71780号
【特許文献2】特開2005−305537号
【特許文献3】特開平3−158821号
【特許文献4】特開2001−108880号
【特許文献5】特開2002−361467号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献3は空気タービンホイールなどが存在するため構造が複雑であり、特許文献4は空気流だけで保護しきれない異物を空気流でさらに取り除く構成であり、特許文献5はレーザ鏡筒内の防塵であって対物レンズ外側に対する防塵は非開示である。
【0008】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、粉塵や飛沫のある場所でも撮像や検出が可能な光学検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様は、光学検出装置である。この光学検出装置は、
ハウジングと、
前記ハウジング内の内部空間と、
前記ハウジング外部と前記内部空間とを連通させる開口と、
前記内部空間を通りかつ前記開口から前記ハウジング外部へと続く光軸を有する検出部と、
前記内部空間へ気体を供給するための気体供給孔とを有し、
前記気体供給孔を通して前記内部空間に供給された前記気体が前記開口から前記ハウジング外部に噴き出す構成である。
【0010】
ある態様の光学検出装置において、前記気体供給孔に送出する前記気体の圧力の調整手段を有するとよい。
【0011】
ある態様の光学検出装置において、前記光学検出装置は撮像素子と光学系を鏡筒に有するとよい。
【0012】
ある態様の光学検出装置において、前記内部空間から前記開口を通して前記ハウジング外部を照らす照明部を有するとよい。
【0013】
本発明の別の態様も、光学検出装置である。この光学検出装置は、
ハウジングと、
前記ハウジング内の内部空間と、
前記ハウジング外部と前記内部空間とを連通させる開口と、
前記内部空間を通りかつ前記開口から前記ハウジング外部へと続く撮像光軸を有する、撮像素子と光学レンズにより構成された撮像部と、
前記内部空間から前記開口を通して前記ハウジング外部を照らす照明部と、
前記内部空間へ気体を供給するための気体供給孔と、
前記気体供給孔に送出する前記気体の圧力の調整手段とを有し、
前記気体供給孔を通して前記内部空間に供給された気体が前記開口から前記ハウジング外部に噴き出す構成である。
【0014】
いずれの態様の光学検出装置においても、前記開口はオリフィスを兼ね、前記内部空間の気体を高流速で噴き出すとよい。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、粉塵や飛沫のある場所でも撮像や検出が可能な光学検出装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る光学検出装置の第1構成例を示す断面図。
【図2】図1の光学検出装置の第1使用例を示すワーク切削装置の概念的斜視図。
【図3】第1使用例で加工対象とするワークの一例を示す平面図。
【図4】図2に示す撮像装置の別の構成例を示す断面図。
【図5】図1の光学検出装置の第2使用例を示すレーザ位置決め加工方法及び装置の実施例の全体構成図。
【図6】図1の光学検出装置の第3使用例を示す磁石成型装置の上面概略図。
【図7】同磁石成型装置の正面概略図。
【図8】同磁石成型装置における光学センサ使用部分の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0019】
(光学検出装置の構成例)
図1は、本発明の実施の形態に係る光学検出装置の第1構成例を示す断面図である。なお、互いに直交する3方向をX方向、Y方向、Z方向(Z方向は鉛直方向)としたとき、本図の断面はYZ平面と平行な面である。光学検出装置は、アルミや樹脂製のハウジング191(筐体)と、検出部195とを有する。検出部195は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの撮像素子と光学系(撮像素子上に結像させるもので、光学レンズ等)、若しくは光電センサの発光側或いは受光側を含む。必要に応じて照明部197を併せて組み込んでも良い。照明部197は、例えばファイバー照明である。なお、検出部195及び照明部197は、ハウジング191を密閉するように取り付けられており、ハウジング191は開口193及び気体供給孔198,199を除いて空気の出入りが無い。
【0020】
ハウジング191内の内部空間192と、ハウジング191の外部とは、開口193で連通される。検出部195は、内部空間192を通りかつ開口193からハウジング191外部へと続く光軸を有する。照明部197は、内部空間192から開口193を通してハウジング191の外部を照らす。検出部195の光軸はZ方向と平行であるのに対し、照明部197の光軸はZ方向に対して所定の角度を成している。開口193は、検出部195の撮像範囲、及び撮像範囲に明るさを確保できる範囲で先端径が可能な限り小さいとよい。図示の例では、開口193は、内部側(末端側)の径が検出部195の鏡筒よりも小径であり、外部側(先端側)の径は内部側の径よりも小さい。また、開口193は、内部側から外部側に向かってテーパー状に径が小さくなる形状が好ましい。
【0021】
気体供給孔198,199は、圧縮空気源から内部空間192へ与圧気体(圧縮空気)を供給するためのものである。気体は通常は大気であるが、不活性雰囲気を求める場合などは、窒素やアルゴンガス等としてもよい。気体は、不図示のポンプ或いはコンプレッサ等の圧空供給手段、または当該気体が高圧封入されたタンク等から、レギュレータ等の圧力や流量の調整用の器具を介して、任意の圧力で気体供給孔198,199に送出され、ハウジング191の内部空間に供給される。なお、供給気体は、標準的な工場エア(例えば0.2MPa〜0.5MPa)でもよい。気体供給孔198,199を通して内部空間192に供給された気体は、開口193からハウジング191の外部に噴き出される。開口193から気体を噴き出すことで、切削液や削り屑又はその混合物(以下「切削液等」とも表記)による検出部195のレンズあるいは照明部197の汚染を防止できる。また、開口193がオリフィスの役割をし、気体の流速を増加させ、ワーク10上の切削液等を吹き飛ばすことができる。
【0022】
(光学検出装置の第1使用例)
図2は、図1の光学検出装置の第1使用例を示すワーク切削装置の概念的斜視図である。図3は、本使用例で加工対象とするワーク10の一例を示す平面図である。このワーク切削装置は、スピンドルユニット20と、加工テーブルとしてのθテーブル40と、2つの撮像装置90L,90Rと、粗位置決め用カメラ92とを備える。図1の光学検出装置は、2つの撮像装置90L,90Rの各々として使用される。
【0023】
スピンドルユニット20は、フランジ21と、スピンドル軸とスピンドル軸受の組立体(以下「回転軸22」と表記)と、基材に固定砥粒を付着させた切断用回転砥石(以下「回転刃23」と表記)と、Zスライダ25とを有する。回転刃23は、フランジ21によって回転軸22に取り付けられ、回転軸22に垂直な面内で回転するようになっている。Zスライダ25は、回転軸22及び回転軸22の駆動モータ(不図示)を支持する。Zスライダ25は、Yスライダ70の支持によりZ方向に移動(スライド)自在である。Yスライダ70は、Y方向スライドガイド60(不図示の装置基台側に固定)の支持によりY方向に移動(スライド)自在である。したがって、回転刃23は、互いに直交するY方向及びZ方向に移動自在である。なお、加工時の切削液は切削液供給ノズル30から供給される。切削液供給ノズル30はスピンドルユニット20に固定されており、回転刃23と一体にY方向及びZ方向に移動自在である。
【0024】
撮像装置90L,90Rは、Y方向及びZ方向に垂直なX方向に関して回転軸22を挟んで反対側に位置する。図2では、撮像装置90Lは回転軸22の左側に位置し、撮像装置90Rは回転軸22の右側に位置する。撮像装置90L,90Rは、回転軸22と同様にY方向及びZ方向に移動自在である。また、撮像装置90L,90Rの光軸は、回転刃23の取付位置を通る回転軸22に垂直な面からY方向の同じ側に所定距離だけずれた各位置でワーク10の存在平面と交差する。
【0025】
θテーブル40は、Z方向と平行なθ軸41に支持される。θ軸41は、不図示の駆動モータで回転される。θテーブル40は、θ軸41と一体にθ方向に回転可能である。Xスライダ80は、X方向スライドガイド81(不図示の装置基台側に固定)の支持によりX方向に移動(スライド)自在である。したがって、θテーブル40の上面すなわちワーク載置面(Z方向と垂直な平面)上のワーク10は、XY平面内で回転可能かつX方向に移動自在である。
【0026】
Zスライダ25、Yスライダ70及びXスライダ80の駆動は、例えば公知のボールネジ機構によって為される。なお、回転刃23及び撮像装置90L,90Rに対するワーク10のXYZ各方向に関する相対位置、XY平面と平行な任意の方向(例えばX方向)に対するワーク10のZ方向を軸とする相対回転角度を制御可能である限り、ワーク10及び回転刃23、撮像装置90L,90Rの支持構造は上記に限定されない。
【0027】
制御ボックス5の内部には、制御部95が格納されている。制御部95は、プロセッサやメモリ、プログラムその他、本装置全体の動作制御及び各種演算(画像処理も含む)に必要な要素を包含する。回転刃23、θテーブル40、及び撮像装置90L,90R、並びにその他の各構成要素の現在位置データは、制御部95にリアルタイムで保持される。撮像装置90L,90R及び粗位置決め用カメラ92の撮像画像は、制御部95内のメモリに記憶される。
【0028】
粗位置決め用カメラ92は、ワーク10の基準マーク(図3参照)を含む画像を撮像する。この画像に基づき、切削加工の前にワーク10を大まかに相対的に位置決めする。すなわち、粗位置決め用カメラ92の撮像画像に基づき、制御部95はワーク10の位置を認識し、θテーブル40のX方向位置及び回転角度、並びにスピンドルユニット20及び撮像装置90L,90RのY方向位置を定める。詳細な位置決めは、撮像装置90L,90Rによってワーク10の切断マーク(図3参照)を撮像した画像に基づいて為される。粗位置決め用カメラ92は、1つでも複数でもよい。
【0029】
図4は、図2に示す撮像装置90L,90Rの別の構成例を示す断面図である。図1に示した構成と異なり、照明部は2つであり、気体供給孔は1つである。その他の点は、図1に示した構成と同様である。すなわち、この撮像装置は、ハウジング291と、撮像部295と、照明部297A,297Bとを有し、ハウジング291において気体供給孔299は1つである。照明部297A,297Bは、撮像部295を挟んで対向し、それぞれZ方向と所定角度を持って小径開口293を通して外部を照射する。なお、ハウジング291及び撮像部295は、筒状のホルダ280に支持され、ホルダ280はブラケット285によって装置側に固定される。本撮像装置も、図1に示したものと同様の作用効果を奏する。また、照明部を2つとしたことで、影の発生を防止し、より確実な撮像及び撮像画像の認識が可能である。
【0030】
(光学検出装置の第2使用例)
ここでは、本出願人が特開平08−071780号で提案のレーザ位置決め加工方法及び装置において図1の光学検出装置を使用する場合を説明する。図5は、図1の光学検出装置の第2使用例を示すレーザ位置決め加工方法及び装置の実施例の全体構成を示している。この図において、301はレーザ光を発生するレーザ発振器、302はレーザヘッド(レーザ光学系)であってレーザ発振器301からのレーザ光を受けてこれを走査するものである。レーザ発振器301には、レーザ電源から電力が供給されるようになっており、このレーザ発振器301は制御器(コントローラ)304でそのオン、オフ等の制御が行われる。
【0031】
図5に示すように、被加工物としての連続シート状物(例えば、未焼成のセラミックシートである連続グリーンシート)320はその上面にレーザ加工すべき加工領域320aを等間隔で有し、1つの加工領域320aを囲むように例えば4箇所に画像認識マーク321を有している。そして、連続シート状物320は図示しない間欠搬送機構で加工領域320aの配列間隔だけ1ピッチ搬送されたら停止する動作を繰り返し行うようになっている。この1ピッチの搬送は、シリンダや送りモータ等で位置ずれが生じないように高精度で行うようにする。なお、ここでは連続シート状物320がXY平面上に配置されており、連続シート状物320の搬送方向がレーザヘッド302から照射されるレーザ光のX軸走査方向、すなわちX方向に一致し、Y軸走査方向は搬送方向に直交しているものとする。また、前記4箇所の画像認識マーク321は、X方向に平行な2辺とY方向に平行な2辺を持つ長方形の各頂点にあるものとする。
【0032】
図5中、レーザヘッド302の下方に位置しているレーザ加工を行う加工ステージPよりも1ピッチ前の画像取り込みステージQにおける4個の画像認識マーク321をそれぞれ撮像するために、撮像装置としての4個の撮像カメラ(CCDカメラ等)322が固定配置されている。これらの撮像カメラ322の撮像信号(ビデオ信号)は、画像処理装置323に入力される。この画像処理装置323は各カメラからの画像信号より各画像認識マーク321の位置を検出し、4個の画像認識マーク321の重心位置から連続シート状物320の基準配置からのずれ量(X方向についてのずれ量:ΔX、Y方向についてのずれ量:ΔY、回転方向であるθ方向のずれ量:Δθ)を検出するものである。制御器304は画像処理装置323の出力信号(ΔX,ΔY,Δθ)を受けてX方向、Y方向及びθ方向の補正後の走査用出力信号をスキャナコントローラ324に加える。スキャナコントローラ324は、X軸走査信号及びY軸走査信号をスキャナドライバ325に加える。スキャナドライバ325は、X軸走査信号及びY軸走査信号に基づいてレーザヘッド302内のXYガルバノミラー系を制御して、連続シート状物320の基準配置からのずれ量を相殺するように本来のレーザ光の走査位置を補正した位置にレーザ光を位置決めする。
【0033】
ところがレーザ加工はワークを「焼く」ため、加工領域から煙状の副次物が発生するのは避けられない。多くの場合、レーザ照射域は作業者の安全のため囲われており、加工部分に排気ダクトを準備していても副次物が撮像カメラ322の対物レンズに付着する。
【0034】
そこで撮像カメラ322を図1の構造とし、開口193から気体を噴き出しながらレーザ加工することで対物レンズの汚染を防止することができる。この実施例の場合、認識マーク321が平面上に存在するため、照明は一つでもかまわない。
【0035】
(光学検出装置の第3使用例)
ここでは、本出願人が特開2007−083280号で提案の圧縮成型装置において、材料粉を略所定量ずつ取り出すために図1の光学検出装置を使用する場合を説明する。
【0036】
例えば、微細且つ活性な希土類合金粉末を用いて磁石を形成する場合、該粉末の急速な酸化を防止する必要上、該粉末の供給、秤量、成型及び焼結等の工程は低酸素分圧を維持した例えば窒素雰囲気中で行われる必要がある。これら各工程においては、各専用装置の内部或いは実際に各種処理を行う処理部を筐体等によって囲み、当該筐体内部の気体の酸素分圧を管理する、より簡易的には窒素置換することによってこれら必要性を満たすことが可能であると考えられる。
【0037】
図6は、図1の光学検出装置の第3使用例を示す磁石成型装置の上面概略図を示している。図7は、同磁石成型装置の正面概略図を示している。図8は、同磁石成型装置における光電センサ使用部分の拡大図である。磁性粉末成型装置400は、材料供給部410、秤量部420、充填・磁場プレス成型部430、整列部440、搬送ゾーン450、及び充填・磁場プレス成型部430と整列部440との間に配置されたメンテナンスゾーン460から構成される。これら各部は、外部雰囲気より隔絶された筐体内に所定のユニットを配置することで構成されている。
【0038】
希土類合金粉末を主材料とする材料粉は、当該材料粉を窒素雰囲気中に保持可能なカプセル402によって材料供給部410に持ち込まれる。材料供給部410の供給エレベータ412にセットされたカプセル402は、当該エレベータによって搬送され、所定位置において光電センサ495によって材料粉は略所定量ずつ取り出される。略所定量ずつ取り出された材料粉は、秤量部420における秤量ユニット421おいて更に厳密な秤量により所定量とされた後に、成型用のダイ等、圧縮成型ユニットの所定部位に充填される。
【0039】
材料粉は更に磁場プレス成型部430に搬送され、当該成型部430において任意の方向に磁場を加えた状態で圧縮成型し、所定の形状及び強度を有する焼結処理前の成型体を得る。当該成型体は取り出しロボット442によって充填・磁場プレス成型部430から取り出され、整列部440に配置されるトレイ413上に載置される。ここで、取り出しロボット442は、メンテナンスゾーン460を介して充填・磁場プレス成型部430に存在する成型済み磁性粉末(以下成型体と称する)を保持することが可能となるアーム長さを有している。トレイ413上に所定の個数の成型体が載置されると、搬送ゾーン450内に連続するように配置される処理装置コンベアによって、当該トレイ413は搬送ゾーン450における開口部450aに向けて搬送される。開口部450aから取り出されたトレイ413は、無人搬送車481によって他の装置に搬送される。
【0040】
磁性粉末成型装置400において、光電センサ495は材料供給部内を落下する粉体材料の概略量をチェックする役割を持つが、前述の通り粉体は外部雰囲気より隔絶され、酸化を防止されている。例えば材料供給部410に投光性の窓を設けて、窓の外側に光電センサの投光部と受光部を取り付けるという考えもあるが、粉体材料のため、窓はすぐ汚染される。
【0041】
そこで、図8に拡大して示すように、材料供給部410に連通するハウジング491と、ハウジング491の一端を略密閉するように取り付けられた一対の光電センサ495(発光側及び受光側)と、ハウジング491内の残った空隙に所定圧力の窒素を供給する窒素供給手段とを備えた光電センサユニット(発光側と受光側がそれぞれ、図1から照明部197を除いたものに相当)を採用することで、光電センサ495の対物レンズが粉体材料の出す粉塵に汚染されることなく、窒素雰囲気を損なうことなく、粉体材料の概略量をチェックすることができる。
【0042】
(実施の形態の効果、産業上の利用可能性)
以上の3例に見られるとおり、本実施の形態の光学検出装置は、
内部空間に供給された気体は、オリフィスを兼ねた開口からハウジングの外部に高流速で噴き出され、開口から気体を噴き出すことで、切削液や削り屑又はその混合物(以下汚染物)および粉塵による撮像或いは光学検出部の対物レンズあるいは照明部の汚染を、粉塵付着前に防止できることにあり、
汚染の原因が汚染物(液体、スラリー等)の場合は、内部空間に供給される圧力を高くし、外部と連通する開口をできるだけ小さくすることで、開口からハウジング内部空間への汚染物の侵入を確実に防止し、
汚染の原因が粉塵の場合は、内部空間に供給される圧力を低くすることで、気体の無駄な消費を抑え、
また検出対象が粉体の場合は、検出対象が開口から噴き出す気体で乱れず、且つハウジング内部空間に粉塵の侵入を防ぐような所定の気体圧力に調整することを可能とする。
そのために内部空間に気体を供給する経路に、気体圧力調整手段(レギュレータ)を備えておくことが望ましい。さらに、気体の無駄な消費を押さえたい場合は、内部空間に気体を供給する経路に、遮断弁を設けると良い。遮断弁は装置動作と連動して開閉可能なように電磁弁などの電気的コントロール可能な弁を用いることが望ましい。
【0043】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0044】
191 ハウジング
192 内部空間
193 開口
195 検出部
197 照明部
198,199 気体供給孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内の内部空間と、
前記ハウジング外部と前記内部空間とを連通させる開口と、
前記内部空間を通りかつ前記開口から前記ハウジング外部へと続く光軸を有する検出部と、
前記内部空間へ気体を供給するための気体供給孔とを有し、
前記気体供給孔を通して前記内部空間に供給された前記気体が前記開口から前記ハウジング外部に噴き出す構成である、光学検出装置。
【請求項2】
前記気体供給孔に送出する前記気体の圧力の調整手段を有する、請求項1記載の光学検出装置。
【請求項3】
前記光学検出装置は撮像素子と光学系を鏡筒に有する、請求項1又は2記載の光学検出装置。
【請求項4】
前記内部空間から前記開口を通して前記ハウジング外部を照らす照明部を有する、請求項1乃至3のいずれか記載の光学検出装置。
【請求項5】
ハウジングと、
前記ハウジング内の内部空間と、
前記ハウジング外部と前記内部空間とを連通させる開口と、
前記内部空間を通りかつ前記開口から前記ハウジング外部へと続く撮像光軸を有する、撮像素子と光学レンズにより構成された撮像部と、
前記内部空間から前記開口を通して前記ハウジング外部を照らす照明部と、
前記内部空間へ気体を供給するための気体供給孔と、
前記気体供給孔に送出する前記気体の圧力の調整手段とを有し、
前記気体供給孔を通して前記内部空間に供給された気体が前記開口から前記ハウジング外部に噴き出す構成である、光学検出装置。
【請求項6】
前記開口はオリフィスを兼ね、前記内部空間の気体を高流速で噴き出すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の光学検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−2750(P2012−2750A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139562(P2010−139562)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】