説明

制御可能な空圧式ブレーキブースタおよびその作動方法

本発明は、マスタシリンダに支援力を加える真空式ブレーキブースタならびに真空式ブレーキブースタを作動するための方法に関する。真空式ブレーキブースタの支援力は、調節装置ならびに主制御弁を介して調節することができる。したがって、ブレーキブースタは2つの作動モードで作動可能であり、第1作動モードでは、支援力は調節装置によって調節され、第2作動モードでは主制御弁によって調節される。本発明によるブレーキブースタは、特に液圧式ブレーキシステムおよび別のブレーキシステムの作用が組み合わされたブレーキ装置で使用することができ、液圧式ブレーキシステムのブレーキ作用は、例えば、電気自動車またはハイブリッド車両の回生ブレーキにおける別のブレーキシステムのブレーキ作用に適合される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
車両のブレーキ装置では、車両を減速するためには車両運転手によってブレーキ回路でマスタシリンダ圧が形成される。運転手を支援するために、ブレーキブースタが必要に応じて付加的な支援力を加えることができる。このようなブレーキブースタの可能な実施形態は、例えば、’Kraftfahrtechnisches Taschenbuch(ボッシュ自動車ハンドブック)’ (25. Auflage, BOSCH, Vieweg Verlag ISBN 3528238763, Seiten 805 - 806) に記載されているような負圧式ブレーキブースタである。
【0002】
同様に、例えば刊行物’Handbuch Fahrerassistenzsysteme’(2009, Vieweg+Teubner Verlag ISBN 978-3-8348-0287-3)に記載されているような能動的な空圧式ブレーキブースタが既知である。このブレーキブースタは、運転手とは無関係に電気制御可能である。このようなブレーキブースタでは、電気式に操作される磁気駆動装置によって円板弁が操作される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】‘Kraftfahrtechnisches Taschenbuch’ (25. Auflage, Bosch, Vieweg Verlag ISBN 3528238763, Seiten 805 - 806)
【非特許文献2】‘Handbuch Fahrerassistenzsysteme’(2009, Vieweg+Teubner Verlag ISBN 978-3-8348-0287-3)
【発明の概要】
【0004】
本発明は、真空式ブレーキブースタならびに真空式ブレーキブースタを作動するための方法に関する。本発明による真空式ブレーキブースタの支援力は、主制御弁ならびに調節装置によって調節することができる。
【0005】
独立請求項1の特徴を有する本発明によるブレーキブースタは、マスタシリンダに支援力を加える。支援力は主制御弁によって調節することができる。支援力が主制御弁によって調節される場合、ブレーキブースタは第2作動モードに設定されている。同様に、支援力を調節装置によって調節することもでき、この場合、ブレーキブースタは第1作動モードに設定されている。主制御弁および調節装置によって支援力を調節する可能性により、ブレーキブースタの幾何学形状および/または設計により規定された特性に基づいて第2作動モードでブレーキブースタを作動することが可能となり、これに対して、第1作動モードではこの特性を調節装置によって調節/変更することができる。ブースタ特性は、この場合、もはやブレーキブースタの幾何学形状のみに依存していない。ブレーキブースタの特性は、ブレーキペダルの操作距離とブレーキブースタによって加えられる支援力との関係、または運転手力と、運転手によって規定された操作距離におけるブレーキブースタの支援力との関係である。ブレーキブースタの支援力を、主制御弁を介してだけでなく調節装置によって調節できることにより、有利には、特にブレーキブースタによってブレーキ圧を形成することのできる液圧式ブレーキシステムのブレーキ作用を別のブレーキシステムのブレーキ作用に適合させる必要のあるブレーキ装置でブレーキブースタを用いることが可能である。このようなブレーキ装置は、例えば、液圧式ブレーキシステムの他に別の回生ブレーキシステムを備えるハイブリッド自動車または電気自動車である。例えば、加えられた回生ブレーキ作用に応じて真空式ブレーキブースタの支援力を低減した場合、ブレーキブースタの使用を減らすことになり、使用される構成部分の摩耗が低減される。
【0006】
同様に、例えば、ブレーキディスク・ワイパまたはホイールブレーキの前充填などの機能のために、調節装置を介してブレーキブースタを能動的に制御する可能性が生じる。調節装置によって、また主制御弁を介してブレーキブースタの支援力を調節できることにより、有利には、調節装置が故障した場合にフォールバックプランが提供されている。この場合、このフォールバックプランは、通常の真空式ブレーキブースタの作動形式に相当する。本発明による真空式ブレーキブースタは、支援力を調節するために弁に電流を加えればよいので、わずかな消費電力で支援力を調節することができるという利点を有する。独立請求項は有利な構成および改良形態を含む。
【0007】
したがって、有利には調節装置はブレーキブースタの第1チャンバに空圧式に接続される。同様に、調節装置は真空式ブレーキブースタの主制御弁に空圧式に接続される。このようにして、例えば第1作動モードで調節装置によってブレーキブースタの第1チャンバを通気し、これにより支援力を調節することが可能である。主制御弁と調節装置との間の空圧接続により、この場合にのみ主制御弁を介して第1チャンバも同様に通気することができる。
【0008】
有利な構成では、調節装置はブレーキブースタの第2チャンバおよび真空源に空圧式に接続されている。調節装置がブレーキブースタの第2チャンバにも接続されていることにより、第1チャンバに供給された空気を第1チャンバから再び排出し、第2チャンバおよび/または真空源に案内することもできる。上述のように、調節装置によって、有利には第1チャンバを通気することによってブレーキブースタの支援力を調節し、特に高めることができる。真空源および/またはブレーキブースタの第2チャンバとの付加的な接続によって、調節装置により排気を行うことによりブレーキブースタの支援力を減じることもできる。
【0009】
さらに、調節装置は、調節装置と周辺との空圧接続を遮断するための第1遮断手段と、調節装置と主制御弁との間の空圧接続を遮断するための第2遮断手段とを備える。これら第1および第2遮断手段は、弁の形式で設けられていてもよい。これらの弁は制御可能であり、したがって、調節装置と主制御弁との間の空圧接続ならびに調節装置と第1チャンバとの間の空圧接続を、第1および第2作動モードで適宜に不可欠な弁位置に対応するように制御することができる。
【0010】
有利な構成では、第1遮断手段は非通電状態で閉じられた常に調節可能な弁であり、第2遮断手段は、非通電状態で開かれた切換弁である。以下では第1遮断手段を制御弁としても示し、第2遮断手段を遮断弁としても示す。
【0011】
有利な構成では、ブレーキブースタの第1チャンバは調節装置に接続されており、調節装置はブレーキブースタの第2チャンバに接続されている。このために、調節装置は第3遮断手段を備える。第3遮断手段は、ブレーキブースタの第2チャンバと調節装置との空圧接続を遮断することを可能にする。通気時の相互干渉、すなわち、真空源および/またはブレーキブースタの第2チャンバとの不都合な接続を第3遮断手段によって抑制することができる。第3弁は、有利には非通電状態で閉じられた弁である。非通電状態で閉じられた弁が常に調節可能な弁である場合には特に有利である。常に調節可能な弁により第1チャンバを制御して排気することができる。
【0012】
有利な実施形態では、本発明による真空式ブレーキブースタは、運転手によって加えられた操作力を受け止める入力素子の位置を決定するために第1手段と、真空式ブレーキブースタのケーシングに対してブレーキブースタの位置を決定するための第2手段とを備える。車両運転手は多くの場合ペダルまたはレバーの操作によってブレーキ要求を規定する。本発明によるブレーキブースタでは、これにより、入力素子の変位、すなわち入力素子の位置変化が生じる。入力素子の停止位置を起点として、この位置変化は入力素子の絶対距離または操作距離に相当する。この操作距離を決定するために、本発明によるブレーキブースタでは位置センサの形態の第1手段が設けられている。同様に、別の位置センサによってブレーキブースタのケーシングに対するブースタボディの変位距離を決定することができる。この位置センサの信号に基づいて、入力素子およびブースタボディの相対変位を決定することができる。ブースタボディと入力ロッドとの間の相対変位は、増幅比、すなわち、支援力と運転手の入力との間の比率を調節することができる変数である。
【0013】
代替的な構成では、入力素子とブースタボディとの相対変位を距離差センサによって直接に検出することもできる。
【0014】
本発明によるブレーキブースタの別の実施形態では、ブレーキブースタの第1チャンバと第2チャンバとの間の圧力差を検出することのできる差圧センサが設けられていてもよい。この変数も支援力を調節するために使用することができる。
【0015】
さらに、ブレーキブースタの支援力は制御装置(14)によって調節されるように構成されており、この制御装置は、特に入力素子もしくはブレーキブースタの位置を決定するための第1手段(8)および第2手段(9)、および/または相対変位を決定するための手段および/または差圧を決定するための手段(12)の信号を使用して、少なくとも第1遮断手段(6)および第2遮断手段(7)を制御する。このようにして、第1および第2作動モードで、調節装置の弁の位置を作動モードに適合させ、第1作動モードで調節装置の制御弁を制御することによって支援力を調節することができる。このために、制御装置では、使用された位置センサもしくは距離差センサおよび/または差圧センサの信号を制御のために使用することができる。
【0016】
別の有利な実施形態では、制御装置は、第1、第2および第3弁を制御し、ブレーキブースタの対応したチャンバを通気および/または排気する。したがって、対応した弁の制御により、常に現在の走行状態に関連した空圧経路が開かれているか、または閉じられている。
【0017】
本発明による方法を記載している独立請求項によれば、本発明によるブレーキブースタの支援力は、調節装置と主制御弁との間の空圧接続が遮断されている場合に第1作動モードで周辺と調節装置との間の空圧接続を形成することにより調節される。本発明による方法の主制御弁は、調節装置を介してのみ周辺に接続されているか、または接続することができるので、この請求項に記載の技術的教示により、調節装置との空圧接続を遮断することにより主制御弁は周辺から分離される。空圧式ブレーキブースタでは、一般にブレーキブースタのチャンバは主制御弁を介して外気を供給され、これにより、空圧式ブレーキブースタの第1チャンバと第2チャンバとの間の圧力差、ひいては支援力も調節される。主制御弁は空圧接続部の遮断によって作動停止された場合、もはや調節に貢献することができない。したがって、支援力は調節装置によって調節することが可能である。これにより、上述のように、ブレーキブースタの幾何学形状または構成によって規定されない、またはこれらのみによって規定されない特性によりブレーキブースタを作動することが可能である。
【0018】
本発明による方法では、調節装置と主制御弁もしくは周辺との空圧接続が制御弁もしくは遮断弁の制御によって形成または遮断される。制御弁は常に遮断可能な弁なので、2つの弁位置、開放位置もしくは閉鎖位置が可能であるのみならず、弁が中間位置に移動するように制御することもできる。
【0019】
本発明による方法の別の実施形態では、調節装置とブレーキブースタの主制御弁との間の液圧接続が遮断されている場合に加えられた支援力が適宜な液圧接続によって調節されるように構成されている。この場合、周辺と調節装置との間に液圧接続が形成され、これにより、ブレーキブースタの第1チャンバが通気される。これにより、支援力の構成に際して支援力が調節される。排気により支援力を低減したい場合には、さらに調節装置、ブレーキブースタの第2チャンバおよび/または真空源の間に空圧接続が形成される。主制御弁との接続が遮断されているという事実に基づき、支援力が運転手とは無関係に調節されるか、もしくは調節できることが確保される。この場合、空圧接続の形成および/または遮断は、第1、第2および第3遮断手段の制御により行われる。
【0020】
さらに、調節すべき支援力と入力素子の位置との関係を規定することができる。これは、特にブレーキブースタの制御装置に保存された少なくとも1つの特性線の形式で行われる。制御装置に特性線を設けることにより、ブレーキブースタの特性をソフトウェア側で調節することが可能である。同様に、ブレーキ挙動を気温、ブレーキもしくはブレーキ装置の運転温度などの環境条件、所望の走行形式または走行状況に適合させるために、車両運転手がブレーキブースタの適宜な特性線を選択することも可能である。同様に、上記変数に関係しているか、またはブレーキブースタの特性を表すさらなる変数のために特性線が格納されていることも可能である。当然ながら、場合によってはブレーキシステム内に適宜なセンサを設ける必要がある。
【0021】
第2作動モードでは、ブレーキブースタの支援力が主制御弁の操作によってのみ調節されるように構成されている。このために、遮断弁ならびに調節装置の制御弁は通電されないように構成されている。このようにして、ブレーキブースタを従来のように作動することができ、これは、電力故障または調節装置の故障時のフォールバックプランとなる。
【0022】
別の実施形態によれば、調節装置の第3遮断手段、すなわち、第1チャンバを排気するための装置を第2チャンバおよび/または真空源に接続する弁は、同様に非通電状態で閉じられている。これにより、この実施形態でも空圧式ブレーキブースタの従来の作動が可能である。
【0023】
本発明による方法の別の実施形態では、総ブレーキ装置の一部である液圧式ブレーキシステムの一部として真空式ブレーキブースタを作動するように構成されている。この場合、総ブレーキ装置は、液圧式部分ブレーキシステムの他に、別の部分ブレーキシステムを備えている。本発明による方法では、真空式ブレーキブースタの支援力を調節もしくは適合させ、これにより液圧式部分ブレーキシステムのブレーキ作用を別の部分ブレーキシステムのブレーキ作用の変化に適合させるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるブレーキブースタを作動することのできる自動車の液圧式ブレーキシステムを示す概略図である。
【図2】本発明によるブレーキブースタを作動することのできる自動車の液圧式ブレーキシステムを示す概略図である。
【図3】本発明によるブレーキブースタを作動することのできる自動車の液圧式ブレーキシステムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明による総ブレーキ装置の液圧式部分ブレーキシステムを例示的に示す。総ブレーキ装置は、液圧式部分ブレーキシステムの他に別の部分ブレーキシステム、例えば、回生ブレーキシステムを備える。図1に示す液圧式部分ブレーキシステム16は、この場合、空圧式ブレーキブースタ1、ブレーキマスタシリンダ2、制御装置14、調節装置3および真空源22を備える。ここでは、車両に設けられた、ブレーキラインを含むホイールブレーキのためのESP液圧ユニット25ならびに圧力・容積素子26が示されている。ESP装置25の種類およびホイールブレーキ26についてはここではさらに説明しない。当然ながら、種々異なるブレーキ回路分配、および、例えばアンチロック機能を有する液圧ユニットの種々異なる構成が可能である。ブレーキマスタシリンダ2には、運転手および/またはブレーキブースタ1によって操作力を加えることができる。これにより、ブレーキマスタシリンダのピストンが変位され、接続されているブレーキ回路にブレーキ液容積を取り込み、これにより、ホイールブレーキシリンダ内の圧力上昇、ひいては、車両のためのブレーキ作用がもたらされる。この場合、ブレーキ回路における圧力配分は、既知の形式でESP液圧装置によって調整/規定することができる。さらに、液圧式部分ブレーキシステムは、必要に応じて運転手とは無関係にブレーキ圧容積をブレーキシステムから取り出し、および/またはブレーキシステムに追加することのできる適合装置を備える。このような適合装置は、例えば、シリンダを有するピストン、ピストンのためのギアおよびモータからなっていてもよい。
【0026】
空圧式ブレーキブースタ1は、図1に概略的に示すように、主に第1チャンバ4および第2チャンバ13を備えるブースタハウジング11からなる。チャンバ4および13は可動ダイアフラム18によって相互に分離されている。このダイアフラム18には、ブースタボディ10が取り付けられている。ブースタボディ10によって、反応ディスク20およびガイド部分21を介してブレーキマスタシリンダ2を操作するための支援力をピストンロッド19に加えることができる。ブレーキマスタシリンダ2は、ここではダンデム式ブレーキシリンダとして示されているが、これは本発明にとって限定的なものとして理解されるべきではない。ガイド部分21とブレーキマスタシリンダとの間には弾性素子、例えば圧縮ばね29が取り付けられている。この圧縮ばねはピストンロッド19を包囲している。圧縮ばねは、ガイド部分21、およびこれに結合されたピストンロッド19を戻すための役割を果たす。
【0027】
第2チャンバ13は、図1に負圧ポンプとして示す負圧源22と液圧接続されている。代替的に、オットー・エンジンの吸気管との接続が設けられていてもよい。第1チャンバ4は、空圧接続部23を介して調節装置3に接続されており、調節装置3を介して外気に接続されている。調節装置3によって外気との接続を遮断することができる。このために、調節装置3は非通電状態で閉じられた常に調節可能な制御弁6を備える。この制御弁は制御ユニット14によって制御される。第1チャンバ4と制御弁6との間には空圧接続部23が分岐しており、非通電状態で開かれた遮断弁7を介して第1チャンバをブレーキブースタの主制御弁5に接続している。遮断弁7は、同様に制御ユニット14によって制御可能である。空圧接続部23の分岐により、遮断弁7および主制御弁5は弁7および5の貫流位置で第1チャンバを同様に外気に接続することができる。空圧式ブレーキブースタでは、非操作状態では第1チャンバ4および第2チャンバ13が同じ圧力レベルを有し、多くの場合にはチャンバ13の負圧レベルを有する。
【0028】
第1チャンバ4と外気との接続により、制御弁6または主制御弁5を介して外気が第1チャンバ4に流れ込み、より高い圧力が設定される。このようにして生じた第1チャンバ4と第2チャンバ13との間の差圧に基づき、ダイアフラム18、厳密にはここには図示しない隔壁に力が作用する。この力は、ダイアフラムと結合されたブースタボディ10がブレーキマスタシリンダ2の方向に移動し、これにより、既に述べた車両ブレーキを操作するための支援力を生成する。このようにして、ブレーキブースタ1の力が液圧式ブレーキシステムに取り込まれる。
【0029】
この場合、第1チャンバ4で設定された圧力は、運転手のブレーキ規定と結び付けられていてもよい。このために、運転手が主制御弁5を開くことができ、この場合に運転手はブースタボディ10に対して入力ロッド24の相対変位を規定する。主制御弁5の一部を入力ロッド24によって変位することができ、これにより、弁が開放される。これに対して主制御弁5の第2部分は、ブースタボディ10および/またはダイアフラム18に接続されており、これらと共に動く。
【0030】
上述のように、空圧式ブレーキブースタは、2つの作動モードで作動することができる。機械式モードでは、ブレーキブースタは従来の空圧式ブレーキブースタのように作動され、ブレーキブースタの支援力が主制御弁5によって調節される。「機械式」は、運転手がブースタボディ10に対して入力ロッド24を変位することにより主制御弁5が開かれることに関係している。開かれた主制御弁5を通って外気が第1チャンバ4に流れ込む。既に述べたように、これにより、ダイアフラム18、およびこれに結合されたブースタボディ10が入力ロッド24の移動方向に変位される。主制御弁5は、所望の力均衡が得られるとすぐに閉じる。入力ロッド24と弾性素子20との間には、遊びが設けられていてもよい。この遊びは、図1に示したブレーキブースタの操作状態では克服されている。遊びが克服されていない場合には、運転手によって加えられた操作力の弾性素子への力伝達は行われない。この場合、運転手は、戻しばね28、および必要に応じて弁に対してのみ踏み込む。これに対して、例えば、必要に応じて制御されたブースタボディ10の適宜な移動または反応ディスク20の変形により遊びが克服された場合には、運転手はブレーキブースタの支援力に加えてブレーキマスタシリンダを操作するための力を加える。
【0031】
制御された作動モードでは、ブレーキブースタは調節装置3によって作動することができる。この制御された作動モードでは、主制御弁は調節装置3によって作動停止され、この場合に遮断弁7が閉じられるように制御ユニット14によって制御される。したがって、主制御弁5および遮断弁7を介して外気が第1チャンバ4に到達することはもはやない。外気の供給は、いま制御ユニットによって制御された制御弁6を介して行われる。この制御弁は常に調節可能な弁なので、2つの弁位置、すなわち、開放位置もしくは閉鎖位置が可能であるのみならず、中間位置に移動されるように弁を制御することもできる。空気の供給は切換弁によって行うことができる。供給量は、常に調節可能な制御弁においても、切換弁においても、それぞれ使用される弁の制御によって調節することができる。制御とは、この場合、特に所要時間および弁位置を規定する制御プロトコルである。このように空気を制御して供給することにより、ブレーキブースタの制御を運転手に関係して行うことも、運転手とは無関係に行うことも可能となる。
【0032】
したがって、ブレーキブースタおよび/または運転手によってブレーキ作用を誘起することができる。
【0033】
制御された作動モードで調節装置3によってブレーキブースタ1を制御するためには、制御装置14にセンサの信号が供給される。第1センサユニット8は、入力素子24の操作距離を検出する。同様に、入力素子24の操作距離を表す変数を検出することもできる。
【0034】
さらに、ブースタケーシング11に対するブースタボディ10の変位距離または変位距離を表す変数を検出するセンサユニット9が設けられている。
【0035】
センサユニット9および10の信号を組み合わせることもでき、これにより、入力ロッド24およびブースタボディ10の相対変位を検出することもできる。同様に、距離差センサ(図示しない)が相対変位を決定するために設けられていてもよい。
【0036】
さらに、第1チャンバ4と第2チャンバ13との間の差圧または差圧を表す変数を決定するためのセンサユニットが設けられていてもよい。同様に、それぞれのチャンバ内の圧力を別個に検出する2つのセンサによって差圧を検出してもよい。
【0037】
弾性素子20、ひいてはガイド部分21に、ブレーキブースタ1によって支援力を加えることができるだけではなく、同様に運転手が弾性素子に操作力15を加えることができる。しかしながら、このためには上記遊びは克服されている必要がある。ブレーキブースタの制御により、いつ遊びが克服されるかを調節することができる。これは、所定の遊びまたは液圧式ブレーキシステム内における所定の圧力に基づくものであってもよい。遊びを調節するためのさらなる複数の点を考慮することができる。
【0038】
調節装置によるブレーキブースタの作動は以下のようにして行われる。運転手は操作力15を加え、入力素子24を変位する。これは、運転手のブレーキ要求を示す。上記センサユニットを用いて相対変位を検出することができる。相対変位は主制御弁5の開放をもたらす。制御された作動モードでは、制御装置14は遮断弁が閉じられるように制御する。これにより、主制御弁5はもはや作動していない。検出された入力ロッド24とブースタボディ10との相対変位は、ブレーキブースタを制御するための制御装置14によって使用される。随意に、必要に応じて付加的に差圧センサ12の信号を使用することができる。これらの信号を利用して、制御ユニット13は調節装置3、より正確には制御弁6および遮断弁7を制御する。ブレーキブースタにより支援力を加えるために、制御装置は制御弁6を開放するように制御され、外気と第1チャンバ4との間の接続が形成される。特に制御弁は連続的に開かれる。しかしながら、脈動させた開放も同様に可能である。開放形式、特に所要時間によって、第1チャンバ4に生じる圧力を調節することができる。第1チャンバ4と第2チャンバ13との間の圧力差から、ブレーキブースタの支援力が生じる。
【0039】
このようにしてブレーキブースタの支援力を運転手とは無関係に調節することができる。ペダル位置、すなわち入力素子24の変位距離によって規定される運転手のブレーキ要求と、調節される支援力との間の関係は、自由に規定可能である。同様に、ブレーキブースタの制御によって遊びを調節することができる。調節装置3の制御は、制御装置14に格納されている特性線に基づいて行うことができる。例えば、第1チャンバ4内の調節すべき圧力と相対変位14との間の関係を格納しておいてもよい。したがって、ブレーキブースタの特性はソフトウェア側で設定することができる。
【0040】
別の構成では、ブレーキブースタ1は、図2に示すように調節装置33に接続されていてもよい。調節装置33は、既に図1に示した弁6および弁7の他に第2制御弁30を備える。第2制御弁30は、空圧接続によってブレーキブースタ1の第2チャンバ13に接続されている。同様に第2制御弁30は制御弁6および遮断弁7と空圧接続している。第2制御弁30は、非通電状態で閉じられた弁、特に非通電状態で閉じられた常に調節可能な弁30である。第2制御弁30によって、ブレーキブースタ1の支援力を低減することができる。このために、遮断弁7が閉じられており、制御弁6が閉じられている場合に第2制御弁30が開かれる。これにより、ライン31を介して第1チャンバ4は第2チャンバ13と空圧接続する。この場合、空圧接続部31は、ブレーキブースタ1に直接に連結されていてもよいし、同様に、ライン31が真空源22とブレーキブースタ1の第2チャンバ13との間の接続ラインに開口していることも可能である。空圧ライン31を介したこのような接続を形成することにより、第1チャンバ4を第2チャンバ13に排気するか、および/または真空源22を介して排気することができる。第1チャンバ4と第2チャンバ13との間の圧力差がこのようにして低減されるので、これにより、ブレーキブースタ1の支援力が低減される。第2制御弁30の制御は、他の弁の制御について説明したのと同様に制御装置14によって行うことができる。このために、第2制御弁30は、データ/信号ラインを介して制御装置14に接続されていてもよい。第2制御弁の開放は種々異なる形式で行うことができる。したがって、第2制御弁30は連続的に開くように構成されていてもよいし、脈動させて開放を行ってもよい。同様に排気の経過を調節するために常に調節可能な制御弁の開度を適宜に選択することもできる。排気は、この場合、第1チャンバ4と第2チャンバ13との間の望ましい圧力差が得られるまで行ってもよい。排気時には、真空ポンプ22が作動されず、まず第2チャンバ13への排気が行われるように構成してもよい。完全な排気を行うためには、次いで真空ポンプを再び作動してもよい。しかしながら、真空ポンプを持続的に作動し、したがって、真空源22を介して直接に排気することも同様に可能である。
【0041】
第1チャンバ4を排気するために調節装置33に第2制御弁30を設けることにより、意図的に/制御して排気を行うことができ、これにより、支援力減衰をコントロールすることが可能である。特に運転手とは無関係に、支援力を形成および減衰する可能性は、以下に説明するように回生ブレーキシステムの作動時には極めて重要である。例えば、制動終了後に第1チャンバ4を完全に排気することも可能である。図示しない実施形態では、調節装置3は空圧式に真空源に直接に接続してもよいし、またはブレーキブースタの第2チャンバ13に直接に接続してもよい。真空源22および第2チャンバ13の接続部にライン31が開口していることは不可欠ではない。
【0042】
非操作状態では、ブレーキブースタの第1チャンバ4および第2チャンバ13が双方とも排気されている必要がある。これは、ブレーキブースタの第1チャンバ4を真空源に接続する図1および図2に示していない機構によって確保することができる。このような機構ならびにこのような機能は、例えばブレーキブースタの制御弁に組み込まれていてもよい。同様に、図2に示した実施形態に基づいた別の実施形態では、別の遮断弁34が設けられていてもよい。この実施形態は図3に示されている。遮断弁34の接続方式は、限定することなしに図1の第1実施形態に転用することもでき、したがって、さらに説明しない。しかしながら、ここでは真空源22および/または第2チャンバ13との別の接続部を設ける必要がある。
【0043】
空圧接続部35を介して、遮断弁34は主制御弁5および調節装置33に接続されているか、もしくは第1実施形態では調節装置3に接続されている。この場合、接続部35は調節装置の側で弁7に開口している。遮断弁34は非通電状態で開かれた切換弁である。さらに、遮断弁34は、ライン31もしくは第1実施形態では上記別の接続部と空圧接続されている。遮断弁34によって、真空供給部22と第1チャンバ4との間の遮断可能な接続が形成可能である。弁34は、ブレーキペダルを介したブレーキブースタの操作時に機械的に閉じられる。
【0044】
ブレーキプロセスを実行するためのブレーキ操作時には、まず弁34が操作され、真空供給部34との接続が遮断される。次いで第1チャンバが主制御弁5を介して、または上述のように調節装置3もしくは調節装置33を介して通気される。これにより、ブレーキブースタ1の支援力を誘起する圧力差が生じる。
【0045】
ブレーキブースタ1が操作されていない状態で遮断弁34を介して第1チャンバ4が排気されることに加えて、遮断弁34によって主制御弁5または制御弁6の漏れが生じた場合に安全性が付与される。制御弁6および/または主制御弁5で意図的でない空気流入が生じた場合には、意図しない制動につながる場合がある。第1チャンバ4の意図的でない通気には真空源により反作用を及ぼすことができる。漏れが生じた弁5および/または弁6と真空源との接続は、この場合、弁35のみを介して、または付加的にさらに遮断弁7を介して得ることができる。
【0046】
同様に、第2実施形態では弁30ならびにライン31を介した主制御弁5または制御弁6の漏れ防止を保障することができる。しかしながら、弁30は非通電状態で閉じられた弁なので、制御装置によって弁30を制御する必要がある。第1チャンバと真空供給部(22)との接続は、この場合、ライン23を介して行われる。
【0047】
一般に、主制御弁5ならびに制御弁6と真空供給部22との接続は、弁30および弁34を介して、または同時に2つの弁を介して行うことができる。
【0048】
調節装置3を介してブレーキブースタの支援力を調節する可能性により、液圧式ブレーキシステムの他に別のブレーキシステム、例えば回生ブレーキシステムを備える総ブレーキ装置でブレーキブースタ1を使用することができる。総ブレーキ作用における回生ブレーキシステムの割合が変化した場合には、液圧式ブレーキシステムのブレーキ作用をこの変化に適合させ、特に回生ブレーキシステムにおける変化が生じた後のブレーキ作用に適合させる必要がある。このために、調節装置によってブレーキブースタの支援力を増減し、これにより、ブレーキ作用に適合させることができる。支援力の低減により生じる液圧式ブレーキシステム内に圧力変化により、入力素子24、ひいてはブレーキペダルが変位される。このような変位を防止するために、冒頭に述べた適合装置27によってブレーキ液容積をブレーキシステムから取り出し、および/またはブレーキシステムに追加することができ、これにより、入力素子の変位を防止することができる。
【0049】
車両または制御装置/調節装置の電源が故障した場合には、ブレーキブースタを再び通常の機械式作動モードで作動することができる。これは、非通電状態で開かれた遮断弁7および非通電状態で閉じられた制御弁6によって確保されている。別の実施形態では、非通電状態で閉じられた第2制御弁30によって同様にブレーキブースタを調節装置なしに通常のように機械式に操作する可能性が得られる。
【0050】
上記作動モードは、制動過程で互いに排除し合わない。これらの作動モードを並列させることが可能であり、例えば、まずブレーキ圧が低い場合に従来の形式、すなわち第2作動モードで制動してからはじめて制御された作動モードに切り換えることができる。または、これとは逆の切換を行うこともできる。これにより、極めて可変のブースタ特性線を示すことができる。同様に、遮断弁7による主制御弁5の完全な分離が得られない場合には作動モードを重ねることも可能である。したがって、ブレーキブースタの第1チャンバを制御弁6によっても主制御弁5によっても通気することができる。しかしながら、この場合、遮断弁7は常に調節可能な弁として構成されている必要がある。
【0051】
同様に、制御ユニットが、運転手とは無関係な信号を制御のために使用している場合には、ブレーキブースタを調節装置3によって能動的に作動することも可能である。自動的な非常ブレーキ、前方を走行する自動車との間隔調整のためのブレーキ作用、またはブレーキディスク・ワイパなどの機能も考えられる。
【0052】
入力素子24を介したブレーキ装置の操作時に、一般に運転手は、例えば、戻しばね(29,28)の反作用ならびにブレーキマスタシリンダ2、ピストンロッド19、ガイド部分21および反応ディスク20を介した液圧式ブレーキシステム自体の反作用などを含む様々な反作用を感じる。
【0053】
回生ブレーキシステムのブレーキ作用が変化した場合に適合装置27を作動することにより、液圧式ブレーキシステムの反作用が変化する。ブレーキブースタの支援力の変化により、液圧式ブレーキシステムの反作用の変化を運転手にわからないようにすることができる。
【0054】
このようにして、上述のように入力素子の位置を保持ことができるだけでなく、そのときの操作位置で運転手が期待する反作用を感じることも保障されている。本発明によるブレーキブースタは、制御可能なブレーキブースタとして使用できるだけでなく、回生ブレーキ時に発電機モーメントと混合された場合に適合装置と接続してペダル感覚シミュレータとして使用することもできる。
【0055】
図示の全ての実施形態では、同一のケーシングを有するブレーキブースタ1およびブレーキマスタシリンダ2が示されている。これは不可欠ではない。同様に、ブレーキブースタおよびブレーキマスタシリンダは固有のケーシングを備え、これにより、別個の構成部分として提供されていてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタシリンダに支援力を加える真空式ブレーキブースタ(1)において、
真空式ブレーキブースタが、支援力を調節するための調節装置(3)と、支援力を調節するための主制御弁(5)とを備え、支援力が、第1作動モードでは調節装置(3)によって調節され、第2作動モードでは主制御弁(5)によって調節されることを特徴とする、真空式ブレーキブースタ(1)。
【請求項2】
前記調節装置(3)が前記ブレーキブースタ(1)の第1チャンバ(4)ならびに真空式ブレーキブースタ(1)の前記主制御弁(5)に空圧式に接続されている、請求項1に記載の真空式ブレーキブースタ(1)。
【請求項3】
前記調節装置(3)が、前記ブレーキブースタ(1)の第2チャンバ(13)および/または真空源(22)に空圧式に接続されている、請求項2に記載の真空式ブレーキブースタ。
【請求項4】
前記調節装置(3)が、
調節装置(3)と周辺との空圧接続を遮断するための第1遮断手段(6)と、
調節装置(3)および主制御弁(5)の間の空圧接続を遮断するための第2遮断手段(7)とを備え、
第1遮断手段(6)が非通電状態で閉じられた弁、特に常に調節可能な弁であり、第2遮断手段(7)が、非通電状態で開かれた弁、特に切換弁である、請求項2に記載の真空式ブレーキブースタ。
【請求項5】
調節装置(3)が、調節装置(3)とブレーキブースタ(1)の第2チャンバ(13)および/または真空源(22)との空圧接続を遮断するための第3遮断手段(30)を備え、該第3遮断手段(30)が、非通電状態で閉じられた弁、特に常に調節可能な弁である、請求項3または4に記載の真空式ブレーキブースタ。
【請求項6】
前記真空式ブレーキブースタ(1)が、運転手によって加えられた操作力を受け止めるための入力素子(17)の位置を決定するための第1手段(8)と、真空式ブレーキブースタ(1)のケーシング(11)に対してブレーキブースタ(10)の位置を決定するための第2手段(9)とを備える、請求項1に記載の真空式ブレーキブースタ(1)。
【請求項7】
前記真空式ブレーキブースタ(1)が、運転手により加えられた操作力を受け止めるための入力素子(17)とブースタボディ(10)との相対変位を決定するための手段を備える、請求項1に記載の真空式ブレーキブースタ(1)。
【請求項8】
前記ブレーキブースタが、真空式ブレーキブースタ(1)の第1チャンバ(4)と第2チャンバ(13)との間の差圧を決定するための手段(12)を備える、請求項1に記載の真空式ブレーキブースタ(1)。
【請求項9】
前記ブレーキブースタの支援力が制御装置(14)によって調節され、該制御装置が、特に入力素子もしくはブレーキブースタの位置を決定するための第1手段(8)および第2手段(9)、および/または入力素子(17)とブースタボディ(10)との相対変位を決定するための手段(図示しない)および/または差圧を決定するための手段(12)の信号を使用して、少なくとも第1遮断手段(6)および第2遮断手段(7)を制御する、請求項1から8までのいずれか一項に記載の真空式ブレーキブースタ。
【請求項10】
前記ブレーキブースタの支援力が、第1遮断手段(6)、第2遮断手段(7)および第3遮断手段(30)を制御する制御装置(14)によって調節される、請求項9に記載の真空式ブレーキブースタ。
【請求項11】
前記真空式ブレーキブースタ(1)が、ブレーキブースタ(1)の第1チャンバ(4)と真空源とを遮断可能に接続する手段(34)、特に第4遮断手段(34)によって遮断可能な空圧接続部(35)を備える、請求項2または3に記載の真空式ブレーキブースタ。
【請求項12】
前記ブレーキブースタの第1作動モードで、調節装置(3)と主制御弁(5)との間の空圧接続が遮断されている場合に加えられた支援力を、周辺と調節装置(3)との間に空圧接続を形成することによって調節することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一項に記載の真空式ブレーキブースタ(1)を作動するための方法。
【請求項13】
前記調節装置(3)と前記主制御弁(5)との間の空圧接続が遮断されている場合に加えられた支援力を、周辺と調節装置(3)との間、または調節装置(3)、ブレーキブースタ(1)の第2チャンバ(13)および/または真空源(22)の間に空圧接続を形成することによって調節する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1遮断手段(6)および第2遮断手段(7)の制御によって空圧接続の形成および/または遮断を行う、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
第1遮断手段(6)、第2遮断手段(7)および第3遮断手段(30)の制御によって空圧接続の形成および/または遮断を行う、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
入力素子の位置もしくはブレーキブースタの位置を決定するための第1および第2手段の信号を考慮して、および/または入力素子(17)とブレーキブースタ(10)との相対変位を決定するための手段(図示しない)を使用して、調節すべき支援力の決定を行う、請求項12または13に記載の方法。
【請求項17】
真空式ブレーキブースタの第1チャンバ(4)と第2チャンバ(13)との間の差圧を決定するための手段(12)の信号を考慮して、調節すべき支援力の決定を行う、請求項12または13に記載の方法。
【請求項18】
調節すべき支援力と入力素子の位置との関係を、特にブレーキブースタの制御装置(14)の少なくとも1つの特性線の形態で、規定可能にする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項19】
第2作動モードで、特に前記調節装置(3)の故障時に、調節装置(3)と前記主制御弁(5)との間の空圧接続部を開き、前記第1遮断手段(6)を閉じ、主制御弁(5)の操作により支援力を調節する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項20】
第2作動モードで第3遮断手段(30)を閉じる、請求項13から19までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
運転手による人力(15)により前記主制御弁(5)を操作する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
真空式ブレーキブースタ(1)が総ブレーキ装置の液圧式ブレーキシステム(16)の一部であり、総ブレーキ装置が、液圧式の部分ブレーキシステム(16)の他に別の部分ブレーキシステムを備える、請求項12または13に記載の方法において、
真空式ブレーキブースタ(1)の支援力を調節することにより、別の部分ブレーキシステムのブレーキ作用の変化に液圧式ブレーキシステムのブレーキ作用を適合させる、請求項12または13に記載の方法。
【請求項23】
第4遮断手段(34)および/または第3遮断手段(30)を介して、非操作状態でブレーキブースタの第1チャンバを真空源(22)に接続する、請求項12または13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−517982(P2013−517982A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550412(P2012−550412)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050933
【国際公開番号】WO2011/092148
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】