説明

医療端末および医療端末の制御方法

【課題】各々のネットワークの通信状況に応じて、適切な伝送容量の映像情報の分割を実施し、複数のネットワークに分散して伝送することにより、診断に必要な時間分解能を維持することのできる医療端末を提供する。
【解決手段】生体組織の特性を測定し、映像情報に変換して表示する医療機器1a、1bと、ネットワークを構成する複数の通信経路から少なくとも二つの通信経路を選択するルーター2a、2bを有し、前記映像情報をネットワークを経由して伝送する機能を有した医療端末10a、10bにおいて、前記ルーター2a、2bは、前記複数の通信経路の通信状況に応じて、前記映像情報を分割し、前記少なくとも二つの通信経路に伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体組織の特性を測定し、ネットワークを通じて、前記映像情報の伝送を行う医療端末、および、医療端末の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の医療機器端末の間を、映像の伝送、および、遠隔操作等を行う手法として、特許文献1に示されているように、インターネットを用いる手法が知られている。
【0003】
また、伝送帯域幅が狭い伝送路いわゆる伝送レートが低いネットワークを用いて、高品質な画像、あるいは、映像を伝送する手法として、特許文献2に示されているように、動画像の各シーンの動き量や変化量に応じて圧縮符号化の制御、および、フレームレートを制御し、伝送する画像データを削減する手法、さらには、ネットワーク負荷を軽減する手法として、特許文献3に示されているように、映像情報を分割し、複数の通信経路に分散して伝送する手法が知られている。
【0004】
一般的な医用画像診断装置は、生体組織の形状測定、運動特性、および、性状特性など生体情報を測定することが可能であり、測定結果は主に生体組織の断層像として映像化されて画面に表示される。特に、超音波診断装置は、X線CT、あるいは、MRIなどの他の生体組織の断層像を測定する医療診断装置に比べて、計測のリアルタイム性に優れており、心臓など動きの観察が重要となる循環器系疾患の診断に非常に有用である。さらに、超音波診断装置は、X線CT、あるいは、MRIなどの他の生体組織の断層像を測定する医療診断装置に比べて、装置の規模が小さく、可搬性も備えていることから、救急医療などにも適用性が高い。
【0005】
一般的に救急を要する患者が発生した場合、初期の適切な処置を行うことが非常に重要である。このような背景から、遠隔地、あるいは、救急車などの車内から、生体組織の断層画像、あるいは、映像をネットワークを介して、病院に伝送を行い、専門医による遠隔診断を行うことが試みられている。
【0006】
特許文献1に示されているように、インターネット、特に専用回線等を用いた高い伝送レートのネットワークを用いる手法は、大容量の医用映像などの医療情報を伝送することが可能であるが、前記ネットワークを敷設するためには、多額の費用を必要とする課題がある。また、ネットワークの伝送量に応じて、パケット、あるいは、フレームレートを削減する手法は、時間分解能を低下させることになり、例えば、約数十Hzまでの早い運動をする心臓において、比較的多い疾患である心筋梗塞等の診断には、心臓の筋肉である心筋の動きから、適切な診断ができなくなるという問題がある。
【0007】
これらの解決する手法として、特許文献2では、各シーンの動き量や変化量を考慮した制御となっている。しかしながら、これらの動き量や変化量を算出するには、1フレーム毎に全画素間のデータをスキャンする必要があり、瞬時にデータの類似性を判定することが困難である。さらに、内部メモリを入力画像サイズに合わせて用意しなければならないという問題がある。
【0008】
一方、特許文献3に示されているように、映像情報を分割し、複数の通信経路に分散して伝送する手法は、ある通信経路に通信異常が発生した場合に、映像の途切れを抑止することを目的としている。しかしながら、通信経路のスループットを考慮した映像分割をしていないため、スループットが低い経路に許容量を超える映像データを伝送した場合に、通信異常と判別してしまう可能性があり、結果的に伝送される映像情報の時間分解能が低下してしまうという問題がある。
【特許文献1】特開2000−175870号公報
【特許文献2】特開平11−298890号公報
【特許文献3】特開平10−108175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、各々のネットワークの通信状況に応じて、適切な伝送容量の映像情報の分割を実施し、診断に必要な時間分解能を維持することのできる医療端末を提供する。
【0010】
また、超音波診断装置におけるBモード画像や血流計測画像などの異なる計測モードの画像化する前の超音波による計測情報について、それぞれ必要とするフレームレートの制御を毎フレームで全計測情報をスキャンすることなく、計測情報に付与される付加情報を参照するだけで高速に、かつ、少ないメモリでデータの類似性を判定し、その結果を基に伝送量の制御を行うことができる医療端末を提供する。
【0011】
さらに、心周期による心臓などの生体組織の動きに応じた制御や非診断中の不必要な計測情報の伝送を制限することができる医療端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の医療端末は、生体組織の特性値を映像情報に変換して表示する医療機器と、ネットワークを構成する複数の通信経路から少なくとも二つの通信経路を選択するルーターとを有し、前記映像情報をネットワークを経由して伝送する手段を有する医療端末において、前記ルーターは、前記複数の通信経路の通信状況、あるいは、前記医療機器の動作条件に応じて前記映像情報を分割し、前記少なくとも二つの通信経路に伝送する手段を有することを特徴とする。
【0013】
この構成により、各々の通信経路のスループットが低い場合においても、適切な伝送容量に映像情報を分割し、診断に必要な時間分解能を維持した映像情報を伝送することが可能となる。
【0014】
ある好ましい実施形態において、ルーターは、前記ネットワークを介して前記有線通信および無線通信の通信制御を行う複数の通信制御手段を有する。
【0015】
この構成により、有線通信、および、無線通信の通信経路の環境に応じて映像情報を外部の機器に伝送することが可能となる。
【0016】
ある好ましい実施形態において、通信制御手段は、少なくとも1つの外部機器との間で通信を行う際に、少なくとも2つの連続するフレーム又はパケットの伝送時間を検出する。
【0017】
この構成により、通信経路の通信状況の監視を行うことが可能となる。
【0018】
ある好ましい実施形態において、ネットワークは、無線通信であり、通信制御手段は、無線通信における受信感度を検出する。
【0019】
この構成により、無線通信による通信経路の通信状況の監視を行うことが可能となる。
【0020】
ある好ましい実施形態において、通信制御手段は、少なくとも二つの連続するフレームもしくはパケットの伝送時間、または無線通信における受信感度に基づき、通信経路の伝送許容量を推定する。
【0021】
この構成により、通信経路の伝送許容量の推定が信頼できるものとなり、通信経路の伝送許容量に応じた適切な伝送容量の映像情報の伝送が可能となる。
【0022】
ある好ましい実施形態において、ルーターは、映像分割手段を有し、映像分割手段は、通信制御手段によって推定された通信経路の伝送許容量に基づき、映像情報の分割の割合を制御する。
【0023】
この構成により、通信経路の伝送許容量に応じた適切な伝送容量の映像情報の分割が可能となる。
【0024】
ある好ましい実施形態において、ルーターは、映像分割手段を有し、映像分割手段は、医療機器の診断モードに基づき、映像情報の分割の割合を制御する。
【0025】
この構成により、診断モードに応じた適切な映像情報に分割し、診断に必要な時間分解能を維持した映像情報を伝送することが可能となる。
【0026】
ある好ましい実施形態において、映像分割手段は、前記映像情報をフレーム情報単位に分割する。
【0027】
この構成により、一つの映像情報を、フレーム情報単位で、複数の通信経路に分散して伝送することが可能となる。
【0028】
ある好ましい実施形態において、映像分割手段は、1フレームの映像情報をライン情報単位に分割する。
【0029】
この構成により、1フレームの映像情報を、ライン情報単位で、複数の通信経路に分散して伝送することが可能となる。
【0030】
ある好ましい実施形態において、ルーターは、通信制御手段と、映像結合手段を有し、映像結合手段は、複数の通信経路に分割して伝送された映像情報を、通信制御手段によって推定された通信経路の伝送許容量に応じて、一つの映像情報に結合する。
【0031】
この構成により、通信経路の伝送許容量に対応しながら、診断に必要な時間分解能を維持した映像情報を得ることが可能となる。
【0032】
ある好ましい実施形態において、映像結合手段は、映像情報をフレーム情報単位で結合する。
【0033】
この構成により、フレーム情報単位で、診断に必要な時間分解能を維持した映像情報を得ることが可能となる。
【0034】
ある好ましい実施形態において、映像結合手段は、映像情報をライン情報単位で結合する。
【0035】
この構成により、ライン情報単位で、診断に必要な時間分解能を維持した映像情報を得ることが可能となる。
【0036】
ある好ましい実施形態において、医療端末は、超音波診断装置であり、プローブから経時的に計測情報を入力する入力手段と、前記計測情報に付与される付加情報を取得し前記付加情報の類似性を検出した結果に基づき、前記計測情報の圧縮あるいは削除を行うデータ圧縮・削除手段と、前記データ圧縮・削除手段から渡されたデータにデータ圧縮形式の情報を付加する送信モード追加手段と、前記送信モード追加手段から渡されたデータを送信する送信手段とを備えた構成を有する。
【0037】
この構成により、入力データの全画素をスキャンしなくても、入力データに付与されている特定の付加情報の比較を行うだけでデータの類似性を高速に、かつ、少ないメモリで判定することができる。さらに、その判定結果を基に最適なデータの圧縮・削除を行うことで伝送量を制御することができる。
【0038】
ある好ましい実施形態において、前記データ圧縮・削除手段は前記付加情報を取得する付加情報取得手段と前記付加情報の類似性を検出する類似性検出手段とフレームレートを変更するフレームレート変更手段または圧縮パラメータ制御手段の少なくとも一方とにより構成され、前記フレームレート変更手段または圧縮パラメータ制御手段の少なくとも一方は前記類似性検出手段により得られた前記付加情報の類似性に基づきフレームレートまたは圧縮パラメータの少なくとも一方を調整したデータを生成する機能を備えた構成を有する。
【0039】
この構成により、画像の変化量に応じてフレームレート、あるいは、圧縮率を調整することができ、伝送量を制御することができる。
【0040】
ある好ましい実施形態において、前記データ圧縮・削除手段が、前記付加情報を取得する付加情報取得手段と、前記付加情報の類似性を検出する類似性検出手段と、データを除去するデータ除去手段より構成され、前記データ除去手段は、前記類似性検出手段により得られた付加情報の類似性に基づき、予め設定した除去対象データを除去して、フレームデータを生成する機能を備えた構成を有する。
【0041】
この構成により、例えば複数の診断モードのデータを同時に送信する場合(例えば、Bモードとカラーフローモード)、注目すべき診断モードデータは除去(間引き,フレーム圧縮)せず、それ以外の診断モードデータを適当な間隔で除去(間引き・フレーム圧縮)することが可能になる。
【0042】
つまり、診断に必要なデータの画質を落とさずに伝送量を削減することができる。
【0043】
ある好ましい実施形態において、前記データ圧縮・削除手段が、前記付加情報を取得する付加情報取得手段と、前記付加情報の類似性を検出する類似性検出手段と、付加情報を除去する付加情報除去手段より構成され、前記付加情報除去手段は、前記類似性検出手段により得られた付加情報の類似性に基づき、同一フレーム内の全音響走査線で共通となる付加情報を除去したフレームデータを生成する機能を備えた構成を有する。
【0044】
この構成により、同一フレーム内の全音響走査線で画像データ以外の重複する情報を除去することができるため、画質を落とさずに伝送量を削減することができる。
【0045】
ある好ましい実施形態において、前記データ圧縮・削除手段が、前記付加情報を取得する付加情報取得手段と、前記付加情報の類似性を検出する類似性検出手段と、フレーム内の音響走査線を間引く音響走査線間引き手段より構成され、前記音響走査線間引き手段は、前記類似性検出手段により得られた付加情報の類似性に基づき、フレーム内の音響走査線数を間引いたフレームデータを生成する機能を備えた構成を有する。
【0046】
この構成により、フレーム内の音響走査線を一定間隔で間引くことが可能となり、付加情報の類似性に応じて伝送量を制御することができる。
【0047】
ある好ましい実施形態において、前記データ圧縮・削除手段に、外部に接続された生体信号検出手段で得られた生体信号に基づき、計測情報の圧縮、あるいは、削除を行う機能を備えた構成を有する。
【0048】
この構成により、データの類似性と、呼吸や脈拍、心拍数などの生体情報に基づいて、送信するデータ量の制御を行なうことができる。
【0049】
ある好ましい実施形態において、前記入力手段に、超音波エコー信号を検出する超音波エコー信号検出手段を備え、超音波エコー信号の状態に基づき、計測情報の送信を制御する機能を備えた構成を有する。
【0050】
この構成により、プローブから入力されたデータに基づいて、計測情報の送信を制御することができる。
【0051】
ある好ましい実施形態において、前記送信手段は、前記ルーターで検出されたネットワークの伝送許容量に応じて計測情報の圧縮、あるいは、削除を行う機能を備えた構成を有する。
【0052】
この構成により、データの類似性と、伝送速度に基づいて、伝送量を制御することができる。
【0053】
ある好ましい実施形態において、圧縮されたデータを受信する受信手段と、受信データに付与されるデータ圧縮形式に基づき、データの復元を行う復元手段を備えた構成を有する。
【0054】
この構成により、圧縮形式の異なるデータを伝送した場合でも、受信側で受信データの圧縮形式が確認できるため、各圧縮形式に適した手段を用いてデータを復元することができる。
【0055】
ある好ましい実施形態において、前記復元手段が、受信データに付与されたデータ圧縮形式情報を検出するデータ形式情報取得手段と、取得したデータ形式情報に基づき、データ復元方法を決定する復元方法決定手段と、除去された音響走査線の共通の付加情報を復元する付加情報復元手段とを備え、前期付加情報復元手段は、前記データ形式情報取得手段で取得したデータ形式に基づき、前記フレームデータを復元する機能を備えた構成を有する。
【0056】
この構成により、請求項16に記載した形式で圧縮されたデータを受信した際に、送信前のデータに復元することができる。
【0057】
ある好ましい実施形態において、請求項21の構成に加えて、前記復元手段が、受信データに付与されたデータ圧縮形式を検出するデータ形式情報取得手段と、取得したデータ形式情報に基づき、データ復元方法を決定する復元方法決定手段と、除去された音響走査線を補間するデータ補間手段とを備え、前記データ補間手段は、前記データ形式情報取得手段で取得したデータ形式に基づき、前記フレームデータを復元する機能を備えた構成を有する。
【0058】
この構成により、請求項5に記載した形式でデータを受信した際に、間引かれた音響走査線を補間することでデータを伸張することができる。
【0059】
本発明の医療端末の制御方法は、医療機器で測定された生体組織の特性を映像情報に変換するステップと、前記映像情報を表示するステップと、通信制御手段によって推定された通信経路の伝送許容量に応じて、複数の通信経路から少なくとも二つの通信経路を選択するステップと、前記映像情報を、通信制御手段によって推定された通信経路の伝送許容量に応じて、フレーム情報単位、あるいは、ライン情報単位で分割するステップと、前記映像情報を、医療機器の診断モードに応じて、フレーム情報単位、あるいは、ライン情報単位で分割するステップと、前記分割された映像情報を伝送するステップと、複数の通信経路に分割して伝送された映像情報を、通信制御手段によって推定された通信経路の伝送許容量に応じて、一つの映像情報に結合するステップと、前記結合された映像情報を表示するステップを包含する。
【0060】
この構成により、生体組織の特性を測定し、測定された生体組織の特性を映像情報に変換し、ネットワークを構成する複数の通信経路の通信状況に応じて、映像情報を適切な伝送容量に分割し、診断に必要な時間分解能を維持した映像情報を伝送することができる。
【発明の効果】
【0061】
本発明によれば、生体組織の特性を測定し、前記測定された生体組織の特性を映像情報に変換し、ネットワークを構成する複数の通信経路の各々の通信状況に応じて、適切な伝送容量に応じて通信経路を選択し、映像情報を分割し、伝送することにより、診断に必要な時間分解能を維持した前記映像情報を伝送することのできる医療端末を実現することができる。
【0062】
また、医療端末は、超音波診断装置であり、プローブから経時的に計測情報を入力する入力手段と、前記計測情報に付与された付加情報を取得し、前記付加情報の類似性を検出した結果に基づき、計測情報の圧縮、あるいは、削除を行うデータ圧縮・削除手段と、前記データ圧縮・削除手段から渡されたデータに、データ圧縮形式の情報を付加する送信モード追加手段と、前記送信モード追加手段から渡されたデータを送信する送信手段を備えたものであり、全画素スキャンを行わず、入力データに付与されている特定の付加情報の比較によりデータの類似性を高速に、かつ、少ないメモリで判定することができる。
【0063】
さらに、その判定結果を基に最適なデータの圧縮・削除を行うことで伝送量を調整することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
以下、図面を参照しながら、本発明の医療端末の実施の形態を説明する。
【0065】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態としての二つの医療端末10a、および、10bを、ネットワーク7を介して、映像情報を伝送するシステムの構成図である。医療端末10a、および、10bは、それぞれ医療機器1aとルーター2a、医療機器1bとルーター2bで構成される。
【0066】
医療機器1a、および、医療機器1bは、超音波診断装置、MRI、X線CT等であり、生体組織の性状を測定し、映像情報に変換し、表示する手段を備えている。また、医療機器1a、および、医療機器1bは、映像を受信する側において使用する場合は、映像を表示するのみのモニタでも良い。
【0067】
ルーター2a、および、ルーター2bは、それぞれ、無線LANアクセスポイント3a、3b、PHS基地局4a、4b、携帯電話基地局5a、5b、に接続されている。ルーター2aとルーター2bは、送信、および、受信が可能であり、同一の構成である。なお、接続される通信手段は、必要に応じて、有線LAN、あるいは、ISDN回線等に代表される、他の通信手段6a、6bに接続されていても良い。
【0068】
図2は、ルーター2aを送信側とした場合の、ルーター2aの構成図である。ルーター2aは、映像分割部201、経路選択部202a、通信制御部群203aから構成されている。通信部制御部群203は、無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段との通信制御を行う通信制御部によって構成される。
【0069】
通信制御部群203は、映像情報の送受信を行う。さらに、通信制御部群203は、少なくとも二つの連続するフレームあるいはパケットの伝送時間の検出、あるいは、無線LAN、PHS、携帯電話などの、無線通信の場合は、受信感度を検出することで、ネットワークの伝送許容量を推定する。
【0070】
医療機器1aで映像情報に変換された生体組織の測定データは、伝送映像データ21aとして、映像分割部201に入力される。映像分割部201は、通信制御部群203によって推定された、前記無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段の伝送許容量に応じて、伝送映像データ21aを、複数の伝送データ22aから22dに分割する。
【0071】
経路選択部202は、通信制御部群203によって推定された、前記無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段の伝送許容量に応じて、映像情報を伝送に用いる経路を、前記それぞれの通信手段の中から複数の通信手段を選択する。
【0072】
なお、通信手段の選択の優先順位として、前記伝送許容量の多い順から、複数選択するのが好適である。
【0073】
図3は、映像分割部201で、伝送映像データ21を、フレーム情報単位で分割する場合を示した模式図である。伝送映像データ21は、一般的なテレビ信号に準じた場合、フレームレートは1秒間に30フレームの画像データとなる。図3では、1秒間に30フレームの伝送映像データ21を、1/2に分割した伝送データ22a、1/4に分割した伝送データ22b、および、22cとした場合を示している。
【0074】
分割した伝送データ22a、22b、および、22cは、通信制御部群203aによって推定された、前記無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段の伝送許容量に応じて、経路選択部202aにおいて、伝送に用いる通信手段を選択して、伝送を行う。図3において、1/2に分割した伝送データ22a、1/4に分割した伝送データ22b、および、22cの順に、伝送許容量の多い通信手段から少ない通信手段へと選択し、伝送を行う。
【0075】
図4は、映像分割部201で、伝送映像データ21を、ライン情報単位で分割する場合を示した模式図である。図4では、伝送映像データ21の1フレームの画像が640ラインの情報で構成されているときの、伝送映像データ21を1/2に分割した伝送データ23a、1/4に分割した伝送データ23b、23cとした場合を示している。
【0076】
分割した伝送データ23a、23b、および、23cは、通信制御部群203によって推定された、前記無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段の伝送許容量に応じて、経路選択部202aにおいて、伝送に用いる通信手段を選択して、伝送を行う。図3において、1/2に分割した伝送データ23a、1/4に分割した伝送データ23b、および、23cの順に、伝送許容量の多い通信手段から少ない通信手段へと選択し、伝送を行う。
【0077】
また、伝送映像データ21に診断モードの情報を含有することにより、診断モードに応じて分割する伝送データを、リアルタイム性が必要な心疾患などの診断の場合には、フレーム数、もしくは、ライン数を間引いて伝送データを作成することも、救急の診断を行いたい場合には好適である。
【0078】
さらに、医療機器1aを超音波診断装置とした場合、診断モードに応じた超音波診断装置の音響線密度、フレームレートなどの制御情報、あるいは、超音波診断装置の診断モードの制御情報を受信することにより、伝送映像データ21から、複数の伝送データ22に分割する際に、フレーム数を間引いた伝送データ22b、22b、および、22c、もしくは、ライン数を間引いて伝送データ23b、23b、および、23cを作成するようにしても良い。
【0079】
なお、経路選択部202における、伝送に用いる通信手段は、全てを選択する必要はなく、必要とする映像の時間分解能(フレームレート)を満たす、通信手段を、少なくとも1つ以上の複数を選択すれば良い。
【0080】
図5は、ルーター2bを受信側とした場合の、ルーター2bの構成図である。ルーター2bは、映像結合部204、経路選択部202b、通信制御部群203bで構成されている。通信部制御部群203bは、無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段との通信制御を行う通信制御部によって構成される。
【0081】
通信制御部群203bは、映像情報の送受信を行う。さらに、通信制御部群203bは、少なくとも二つの連続するフレームあるいはパケットの伝送時間の検出、あるいは、無線LAN、PHS、携帯電話などの、無線通信の場合は、受信感度を検出することで、ネットワークの伝送許容量を推定する。
【0082】
映像結合部204は、前記無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段から伝送された複数の伝送データ22を、一つの伝送映像データ21bに結合する。
【0083】
経路選択部202bは、通信制御部群203bによって推定された、前記無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段の伝送許容量に応じて、映像情報の伝送に用いる経路を、前記それぞれの通信手段の中から複数選択する。
【0084】
なお、通信手段の選択の優先順位として、通信制御部群203bで推定された伝送許容量の多い順から、複数選択するのが好適である。また、伝送データ22に送信時刻情報を包含させることにより、送信時刻が早い伝送データを受信が可能な通信手段の、優先度を高くするのも好適である。
【0085】
図6は、映像結合部204で、前記無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段から伝送された複数の伝送データを、フレーム情報単位で結合する場合を示した模式図である。図6の伝送データは、図3の一実施例で説明したように、1秒間に30フレームの伝送映像データ21を、1/2に分割した伝送データ22a、1/4に分割した伝送データ22b、および、22cとした場合を示している。
【0086】
映像結合部204は、前記無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段から伝送された複数の伝送データを、フレーム情報単位で結合し、伝送映像データ21bを作成する。なお、前記伝送データ22a、22b、および、22cに、フレーム番号を含有することにより、前記無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段から伝送された複数の伝送データの到着時刻に差があっても、フレーム番号に基づきソートした上で結合し、伝送映像データ21bを作成する。
【0087】
また、映像結合部204は、一時的に伝送データを記憶するバッファを有し、前記伝送データ22a、22b、および、22cの伝送時間に差がある場合、到着の早い通信経路の伝送データを一時的に記憶し、到達の遅い通信経路の伝送データが到着した時点で、伝送データを結合し、伝送映像データ21bを作成する。なお、到達の遅い通信経路の伝送データが到着した時点を基準とし、ある時間Δt(例えば、Δt1、Δt2等)を超えて到達する伝送データを排除して、フレーム数を間引いた伝送映像データ21bを作成しても良く、送信側と受信側のタイムラグを極力少なくしたリアルタイムに診断したい場合には好適である。なお、リアルタイムに診断するために、許容できる映像データの時間差Δtとして、心臓の1拍の時間である1秒以下に設定するのが好適である。
【0088】
さらに、前記伝送データ22a、22b、および、22cに、診断モードの情報を含有することにより、診断モードに応じて結合する伝送データを、通信手段を限定して選択し、リアルタイム性が必要な心疾患などの診断の場合には、フレーム数を間引いて伝送映像データ21bを作成することも、救急の診断を行いたい場合には好適である。
【0089】
図7は、映像結合部204で、前記無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段から伝送された複数の伝送データを、ライン情報単位で結合する場合を示した模式図である。図7の伝送データは、図4の一実施例で説明したように、1フレームの画像が640ラインで構成されている伝送映像データ21aを、1/2に分割した伝送データ23a、1/4に分割した伝送データ23b、および、23cとした場合を示している。
【0090】
映像結合部204は、前記無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段から伝送された複数の伝送データを、ライン情報単位で結合し、1フレームの伝送映像データ21bを作成する。なお、前記伝送データ22a、22b、および、22cに、フレーム番号、および、ライン番号を含有することにより、前記無線LANアクセスポイント3a、PHS基地局4a、携帯電話基地局5a、および、他の通信手段6aのそれぞれの通信手段から伝送された複数の伝送データの到着時刻に差があっても、フレーム番号、および、ライン番号に基づきソートした上で結合し、伝送映像データ21bを作成する。
【0091】
また、映像結合部204は、一時的に伝送データを記憶するバッファを有し、前記伝送データ23a、23b、および、23cの伝送時間に差がある場合、到着の早い通信経路の伝送データを一時的に記憶し、到達の遅い通信経路の伝送データが到着した時点で、伝送データを結合し、伝送映像データ21bを作成する。なお、到達の遅い通信経路の伝送データが到着した時点を基準とし、ある時間Δt(例えば、Δt3、Δt4等)を超えて到達する伝送データを排除して、ライン数を間引いた1フレームの伝送映像データ21bを作成しても良く、送信側と受信側のタイムラグを極力少なくしたリアルタイムに診断したい場合には好適である。
【0092】
さらに、前記伝送データ22a、22b、および、22cに、診断モードの情報を含有することにより、診断モードに応じて結合する伝送データを通信手段を限定して選択し、リアルタイム性が必要な心疾患などの診断の場合には、ライン数を間引いて伝送映像データ21を作成することも、救急の診断を行いたい場合には好適である。
【0093】
このような構成にすることにより、ネットワークを構成する複数の通信経路の各々の通信状況に応じて、適切な伝送容量に応じて通信経路を選択し、映像情報を分割し、伝送することにより、診断に必要な時間分解能を維持した前記映像情報を伝送することのできる医療端末を実現することができる。
【0094】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置の概略ブロック図である。
【0095】
図8において、超音波診断装置301は、入力部312とデータ圧縮・削除部313と送信モード追加部314と送信部315とで構成されている。
【0096】
入力部312は、プローブ311から受信した生体組織の計測情報を超音波診断装置301に取り込む。
【0097】
ここでプローブ311から受信した生体組織の計測情報の構成図を図9に示す。
【0098】
生体組織の計測情報は、フレーム単位で扱われ、1フレームは複数の音響走査線から構成されている。
【0099】
さらに、音響走査線は、画像データと付加情報であるヘッダとフッダから構成されている。
【0100】
この付加情報には、音響走査線毎に固有のデータと、フレーム内で共通のデータから構成されている。
【0101】
各音響走査線固有のデータとは、例えば、フレーム内の音響走査線番号や、音響走査線の開始位置や終了位置を示す情報であり、同フレーム内の各音響走査線で異なる値を保持している。
【0102】
また、フレーム内共通データとは、例えば、プローブの種類、周波数、深さ、診断モードなど診察装置、および、診断状況を示すデータやフレーム番号などであり、同フレーム内の各音響走査線で等しい値を保持している。
【0103】
図9で示したフレームデータが所定の時間間隔(例えば、1/60秒。なお、この時間間隔は1/10秒の等間隔でもよいし、特に一定にしていなくてもよい。)で、超音波診断装置301に取り込まれる。
【0104】
データ圧縮・削除部313は、取り込んだデータに付与された付加情報を参照して、フレーム内のヘッダ、フッダから、各々のフレーム間での類似性を検出し、検出した結果に応じてデータの圧縮・削除を行う。
【0105】
送信モード追加部314は、データ圧縮・削除部13で加工したデータに付加情報としてデータの加工内容を付与する。
【0106】
送信部315は、ルーター2にデータを送信する。
【0107】
このような構成にすることで、高速に画像の類似性を判断することができ、さらに全画素をスキャンする必要がないため、類似性を検出するための内部メモリを削減できるという効果がある。
【0108】
つまり、このような構成にすることで、プローブ311から入力された超音波画像を高速にかつ伝送量を制御しながら伝送することができるため、診断に必要な時間分解能を維持した前記超音波画像を伝送することのできる超音波診断装置を実現することができる。
【0109】
(第3の実施の形態)
図10と図11は、本発明の第3の実施の形態における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部におけるサブブロック図である。
【0110】
図10、および、図11において、図8と同一の番号を付したものは、図8に示すものと同一のものを示している。
【0111】
したがって、これらのものについては、その詳細な説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0112】
本発明の第3の実施の形態における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部313は、付加情報取得部331と類似性検出部332とフレームレート変更部333、あるいは/および、圧縮パラメータ制御部341とで構成されている。
【0113】
付加情報取得部331は入力部312からフレーム単位で渡されるデータに付与される付加情報を取得し、類似性検出部332にデータを渡す。
【0114】
類似性検出部332では、受け取ったデータの付加情報と既に保存しておいた付加情報とを照合して、付加情報の類似性の検出を行う。
【0115】
ここで、システムを起動した直後など、類似性検出部332に初めてデータが入ってきたときに限り、比較する付加情報は存在しない。
【0116】
よって、1番初めのデータは前記類似性検出部332では比較はされず、比較対照のデータとして内部メモリに記憶される。
【0117】
2番目以降のデータが前記類似性検出部332に入ってきたときは、前記比較対照データと比較を行い、圧縮・削除対象のデータであるかどうか判断する。
【0118】
ここで、比較結果が異なると判断された場合、前記類似性検出部332に記憶された前記比較対照データを更新する。
【0119】
図12は、付加情報取得部31で取得する付加情報の一例を示した図である。
【0120】
図9でも説明したが、各音響走査線に含まれるフレーム内共通データは、同フレームの各音響走査線で、等しい値を保持している。
【0121】
よって、1フレームに含まれる全ての音響走査線で、類似性の比較をする必要はない。
【0122】
さらに、フレーム内のどの音響走査線のデータを比較対照に使用してもよい。
【0123】
また、実施例では、付加情報としてヘッダを使用した例を記したが、フッダを使用してもよい。
【0124】
さらに、ヘッダとフッダの両方を使用してもよい。
【0125】
フレームレート変更部333では、類似性検出部332の結果に基づき、例えば付加情報が異なると判断された場合には、入力されたフレームデータは何も手を加えずに、送信モード追加部314を通り、送信部315へ渡され、付加情報が一致すると判断された場合には、例えば、フレームレートを半分にするといった制御を行う。
【0126】
圧縮パラメータ制御部341では、類似性検出部332の結果に基づき、フレーム単位のデータであれば、例えば、JPEG圧縮、複数フレーム単位であれば、例えば、MPEG圧縮などを用いて、計測データの圧縮を行う際の圧縮率の制御を行う。
【0127】
なお、圧縮手法は、ウェーブレットを用いた手法など、他の手法を用いても良い。
【0128】
次に、本実施の形態における超音波診断装置について、フレームレートを半分にするといった制御を中心に、図13を用いて詳細に説明する。
【0129】
図13は、類似性検出部332により、付加情報としてヘッダが等しいと判断され、M回にN回の割合でフレームを間引いた場合の例であり、ここでは、説明上M=2、N=1としている。
【0130】
ここで、図中のFrame1、Frame2、Frame3、Frame4は等しいヘッダを有し、Frame5、Frame6はFrame1とは別の等しいヘッダを有しているとする。
【0131】
まず、一番初めのフレームデータ(Frame1)は、ヘッダの類似性を判定する基準になるので、Frame1のフレーム内共通ヘッダが類似性検出部332の内部メモリに記憶される。
【0132】
次に、2番目のフレームデータ(Frame2)のフレーム内共通ヘッダと、記憶しておいたFrame1のフレーム内共通ヘッダを比較すると、ヘッダが等しく2番目のデータなのでFrame2のデータは除去対象のデータとなり、除去される。
【0133】
次のフレームデータ(Frame3)のフレーム内共通ヘッダと記憶しておいたFrame1のフレーム内共通ヘッダを比較すると、ヘッダは等しいが前のフレームデータ(Frame2)を除去しているのでデータを圧縮・除去せずに送信する。
【0134】
同じようにFrame4に関しても処理が行われる。
【0135】
Frame5が入力されたとき、ヘッダが異なると判定されるので、判断基準となるヘッダデータがFrame1からFrame5へ変更される。
【0136】
この構成により、ヘッダの類似性を用いてフレームレートを制御することができるため、診断に必要な時間分解能を維持した前記超音波画像を伝送することのできる超音波診断装置を実現することができる。
【0137】
(第4の実施の形態)
図14は、本発明の第4の実施の形態における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部におけるサブブロック図である。
【0138】
図14において、図8、および図10と同一の番号を付したものは、図8、図10に示すものと同一のものを示している。
【0139】
したがって、これらのものについては、その詳細な説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0140】
本発明の第4の実施の形態における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部313cは、付加情報取得部331と類似性検出部332とデータ除去部371とで構成されており、データ除去部371は、付加情報を参照し、予め削除対象に指定されたデータが音響走査線に含まれているか確認し、削除対象であればデータの圧縮・削除を行う。
【0141】
次に、本実施の形態における超音波診断装置について、ヘッダの診断モードに着目した場合の動作を、図15を用いて詳細に説明する。
【0142】
図15ではBモードとカラーフローモードの2種類の診断モードデータを同時に送信するが、BモードのデータはM回にN回の割合で間引く場合の例を示しており、Frame1、Frame2、Frame3、Frame4、Frame5は等しいヘッダを有しているとする。ここでは、説明上M=2、N=1としている。
【0143】
まず、一番初めのフレームデータ(Frame1)は、ヘッダの類似性を判定する基準になるので、Frame1のフレーム内共通ヘッダが類似性検出部332の内部メモリに記憶される。
【0144】
次のフレームデータ(Frame2)のフレーム内共通ヘッダと、記憶しておいたFrame1のフレーム内共通ヘッダを比較すると、ヘッダが等しく2番目のデータなのでFrame2のデータは除去対象のデータとなる。
【0145】
データ除去部371において、除去対象のデータであるBモードのデータが含まれているので、Bモードのデータを削除する。
【0146】
次のフレームデータ(Frame3)のフレーム内共通ヘッダと記憶しておいたFrame1のフレーム内共通ヘッダを比較すると、ヘッダは等しいが、前フレームのBデータを除去しているのでデータを圧縮・除去せずに送信する。
【0147】
同じようにFrame4、Frame5に関しても処理が行われる。
【0148】
また、実施例では、ヘッダの診断モードに着目した例を記したが、例えば、プローブの周波数により、送信する音響走査線の長さを制御してもよい。
【0149】
この構成により、診断画像の診断モードに応じて伝送量を制御することができるため、診断に必要な時間分解能を維持した前記超音波画像を伝送することのできる超音波診断装置を実現することができる。
【0150】
(第5の実施の形態)
図16は、本発明の第5の実施の形態における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部におけるサブブロック図である。
【0151】
図16において、図8、および図10と同一の番号を付したものは、図8、図10に示すものと同一のものを示している。
【0152】
したがって、これらのものについては、その詳細な説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0153】
本発明の第5の実施の形態における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部313dは、付加情報取得部331と類似性検出部332と付加情報除去部391とで構成されており、付加情報除去部391は、類似性検出部332により判断された結果に応じて、フレーム内の全音響走査線で共通な付加情報を除去したデータを生成する。
【0154】
次に、本実施の形態における超音波診断装置について、その動作を、図17を用いて詳細に説明する。
【0155】
図17ではヘッダの類似性を算出した結果が等しいと判断された場合、異なるヘッダが検出されるまで、音響走査線に含まれるフレーム内で共通なヘッダを除去した場合の例を示しており、Frame1、Frame2、Frame3は等しいヘッダを有しているとする。
【0156】
まず、最初のフレームデータ(Frame1)は、ヘッダの類似性を判定する基準となるので、Frame1のフレーム内共通ヘッダが内部に記憶される。
【0157】
次に、2番目のフレームデータ(Frame2)のフレーム内共通ヘッダと記憶しておいたFrame1のフレーム内共通ヘッダとを比較し、ヘッダが等しく2番目のデータなので圧縮・削除対象となり、Frame2の共通ヘッダが除去されたデータが生成される。
【0158】
同じようにFrame3に関しても処理が行われる。
【0159】
また、図18から図22では、フレームデータから付加情報を圧縮して送信データを作成する一例の処理フローを説明している。
【0160】
図18は、プローブから入力されるフレームデータに含まれる音響走査線1から音響走査線3の詳細図である。
【0161】
各音響走査線の1バイト目から4バイト目までは、フレーム内共通ヘッダ(付加情報)であり、各音響走査線で同じ値を保持しており、圧縮対象のデータとなる。
【0162】
また5バイト目と6バイト目は、音響走査線固有のヘッダであり、各音響走査線で異なる値を保持しており、圧縮対象外のデータである。
【0163】
さらに6バイト目以降のデータは各音響走査線の画像データが格納されている。
【0164】
図22は、図18のデータから付加情報を圧縮・除去したデータであり、圧縮ヘッダと、1フレーム分の音響走査線固有のヘッダと、画像データ部から構成されている。
【0165】
図22の圧縮ヘッダの構成を図19に示す。
【0166】
図19は、圧縮対象となるフレーム内共通ヘッダと、復元に必要なデータを含んだデータから構成された圧縮へッダである。
【0167】
まず1バイト目は1音響走査線に使用されるヘッダのバイト数を格納している。
【0168】
次に2バイト目はフレーム内共通ヘッダが格納される範囲を示しており、上位4ビットは開始バイト目を示しており、下位4ビットは終了バイト目を示している。
【0169】
さらに3バイト目から6バイト目には共通ヘッダデータを格納している。
【0170】
図22の1フレーム分の音響走査線固有のヘッダの構成を図20に示す。
【0171】
図20は、圧縮できないヘッダを音響走査線順に格納した1フレーム分の音響走査線固有のヘッダである。
【0172】
図22の画像データ部の構成を図21に示す。
【0173】
図21は、1フレーム分の画像データであるが、このデータは画像データを音響走査線順に順次格納したデータ、もしくは、画像データ部分を圧縮符号化したデータである。
【0174】
このような構成にすることで、同一フレーム内で重複するデータが除去されるため、診断に必要な時間分解能と画質を維持した前記超音波画像を伝送することのできる超音波診断装置を実現することができる。
【0175】
(第6の実施の形態)
図23は、本発明の第6の実施の形態における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部におけるサブブロック図である。
【0176】
図23において、図8、および、図10と同一の番号を付したものは、図8、および、図10に示すものと同一のものを示している。
【0177】
したがって、これらのものについては、その詳細な説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0178】
本発明の第6の実施の形態における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部313eは、付加情報取得部331と類似性検出部332と音響走査線間引き部461とで構成されており、音響走査線間引き部461は、類似性検出部332により判断された結果に応じて、音響走査線を指定した間隔で間引いたデータを生成する。
【0179】
次に、本実施の形態における超音波診断装置について、その動作を、図24を用いて詳細に説明する。
【0180】
図24ではヘッダの類似性を算出した結果、等しいと判断された場合に、異なるヘッダが検出されるまで、指定の音響走査線を間引いた場合の例を示している。
【0181】
例1は、奇数番目の音響走査線を間引いたデータを作成した場合であり、例2は、奇数番目の音響走査線を間引き、次のフレームでは偶数番目の音響走査線を間引いてデータを作成した例である。
【0182】
間引き方は、実施例にあげた2種類の方法の他にも、規則性のある間引き方であれば、上記した以外の方法で間引いてもよい。
【0183】
このような構成にすることで、ヘッダの類似性に基づき伝送量を調整することができるため、診断に必要な時間分解能と画質を維持した前記超音波画像を伝送することのできる超音波診断装置を実現することができる。
【0184】
(第7の実施の形態)
図25は、本発明の第7の実施の形態における超音波診断装置の概略ブロック図である。
【0185】
図25において、図8と同一の番号を付したものは、図8に示すものと同一のものを示している。
【0186】
したがって、これらのものについては、その詳細な説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0187】
本発明の第8の実施の形態における超音波診断装置301aは、外部接続された生体信号検出部481から生体信号を取得し、取得したデータをデータ圧縮・削除部313eに渡す。
【0188】
データ圧縮・削除部313eでは生体信号検出部481から取得した生体信号と付加情報の2つの情報を用いて、プローブ311から入力されたフレームデータの圧縮・削除処理を行う。
【0189】
次に、本実施の形態における超音波診断装置について、その動作を、図26を用いて詳細に説明する。
【0190】
図26は生体信号検出部481から入力された心電図データに応じてフレームレートの重み付けを行った場合の一例である。
【0191】
比較的動きの変化が少ない拡張期では、フレームレートを下げ、動きの変化が大きい収縮期では、フレームレートを上げるように調整している。
【0192】
このような構成にすることで、付加情報の類似性だけではなく、取得した生体信号情報に応じて伝送量を制御することができるため、例えば、心臓の収縮期と拡張期のような時間区間に応じて、診断に必要な時間分解能と画質を維持した前記超音波画像を伝送することのできる超音波診断装置を実現することができる。
【0193】
(第8の実施の形態)
図27は、本発明の第8の実施の形態における超音波診断装置の概略ブロック図である。
【0194】
図27において、図8と同一の番号を付したものは、図8に示すものと同一のものを示している。
【0195】
したがって、これらのものについては、その詳細な説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0196】
本発明の第7の実施の形態における超音波診断装置301bの入力部312は、超音波エコー信号検出部501を含んだ構成である。
【0197】
ここでは、超音波エコー信号の振幅を用いて、超音波エコー信号を検出した場合の例を示す。
【0198】
図28に示すように、プローブ311が生体に接しておらず、診断が行なわれていない場合は、生体からの超音波エコーがほとんどなく、入力部312に入力される超音波エコー信号の振幅は小さくなるため、超音波エコー信号は検出されない。
【0199】
一方、プローブ311が生体に接しており、診断が行なわれている場合は、生体からの超音波エコーが存在するため、超音波エコー信号は検出される。
【0200】
超音波エコー信号検出部501は、プローブ311を用いて、現在診断が行なわれているか、否か(つまり、プローブ311が生体に接しているかどうか)を、超音波エコー信号の振幅値から判断し、その結果に基づいて計測情報の送信を制御する。
【0201】
なお、超音波エコー信号の振幅値の検出は、図28に示すように閾値を設定することで、容易に検出することができる。
【0202】
この結果に基づき図29では、プローブ311が生体に接していない場合、つまり超音波エコー信号が検出されない場合は、計測情報を送信しないように制御する。
【0203】
このような構成にすることで、現在の診断状況に基づき、計測データの必要性に応じて送信するデータを制御することができるため、診断に不必要な前記超音波画像を伝送を行わずに通信経路の伝送容量を有効的に利用することのできる超音波診断装置を実現することができる。
【0204】
(第9の実施の形態)
図30は、本発明の第9の実施の形態における超音波診断装置の概略ブロック図である。
【0205】
図30において、図8と同一の番号を付したものは、図8に示すものと同一のものを示している。
【0206】
したがって、これらのものについては、その詳細な説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0207】
本発明の第9の実施の形態における超音波診断装置301のデータ圧縮・削除部313では、ルーター2から得られた通信状況データと、入力部312から受け取った付加情報の2つの情報に基づいて、プローブ311から入力されたフレームデータの圧縮・削除処理を行う。
【0208】
圧縮・削除処理では、例えば、図31に示すように、伝送速度が遅く、付加情報が等しい場合は、伝送量を少なくするような処理が行われ、伝送速度が速く、付加情報が異なる場合は、伝送量を多くするような処理が行われる。
【0209】
このような構成にすることで、付加情報の類似性だけでなく、常に伝送状態に応じて伝送量を制御することができる、診断に必要な時間分解能と画質を維持した前記超音波画像を伝送することのできる超音波診断装置を実現することができる。
【0210】
(第10の実施の形態)
図32は、本発明の第10の実施の形態における超音波診断装置の概略ブロック図である。
【0211】
図32において、図8と同一の番号を付したものは、図8に示すものと同一のものを示している。
【0212】
したがって、これらのものについては、その詳細な説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0213】
本発明の第10の実施の形態における超音波診断装置301dは、第9の実施の形態に記載の超音波診断装置301cに受信部551と復元部552を備えた構成を有している。
【0214】
受信部551は、ルーター2を介してデータを受け取る。
【0215】
復元部552は、受信部551で受信した圧縮されたデータの復元を行う。
【0216】
このような構成にすることで、超音波診断装置301dから送信されたデータを受信し、送信モード追加部314により送信データに付加されたデータ形式を参照し、圧縮されたデータを復元することができるため、診断に必要な時間分解能を維持した前記超音波画像を受信し、表示することのできる超音波診断装置を実現することができる。
【0217】
(第11の実施の形態)
図33は、本発明の第11の実施の形態における超音波診断装置の復元部におけるサブブロック図である。
【0218】
図33において、図32と同一の番号を付したものは、図32に示すものと同一のものを示している。
【0219】
したがって、これらのものについては、その詳細な説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0220】
本発明の第11の実施の形態における超音波診断装置の復元部552は、データ形式情報取得部561と復元方法決定部562と付加情報復元部563とで構成されている。
【0221】
データ形式情報取得部561は、送信モード追加部314より送信データに付加されたデータ形式情報を取得する。
【0222】
復元方法決定部562は、データ形式情報取得部561により取得したデータ形式情報から復元方法を決定する。
【0223】
付加情報復元部563は、復元方法決定部562で、データ形式がフレーム内の全音響走査線で共通な負荷情報を除去したデータであると判断した場合に、削除された付加情報を付け直して、データの復元を行う。
【0224】
図34は、送信モード追加部314において送信データに付加された情報の一例であり、このデータは、データ形式情報取得部561で取得する。
【0225】
本実施の形態では、付加情報が除去された形式のデータを受信した場合の例を示しているので、データ形式情報取得部561では、2というデータを取得する。
【0226】
その後、復元方法決定部562において、受信データは付加情報が除去されたデータであることを確認し、データを復元するために、付加情報復元部563において付加情報を復元したデータを作成する。
【0227】
このような構成にすることで、付加情報を圧縮・除去した形式のデータを受信した際に、送信前のデータに復元することができるため、診断に必要な時間分解能を維持した前記超音波画像を受信し、表示することのできる超音波診断装置を実現することができる。
【0228】
(第12の実施の形態)
図35は、本発明の第12の実施の形態における超音波診断装置の復元部におけるサブブロック図である。
【0229】
図35において、図32および、図33と同一の番号を付したものは、図32、および、図33に示すものと同一のものを示している。
【0230】
したがって、これらのものについては、その詳細な説明を省略し、異なる点のみを説明する。
【0231】
本発明の第12の実施の形態における超音波診断装置の復元部552bは、データ形式情報取得部561と復元方法決定部562とデータ補間部581とで構成されている。
【0232】
データ補間部581は、復元方法決定部562で、音響走査線を指定した間隔で間引いたデータであると判断した場合に、間引かれた音響走査線を補間して、データの復元を行う。
【0233】
このような構成にすることで、音響走査線が間引かれた形式のデータを受信した際に、送信前のデータに復元することができるため、診断に必要な時間分解能を維持した前記超音波画像を受信し、表示することのできる超音波診断装置を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0234】
本発明は、生体組織の特性を測定し、映像情報に変換して、ネットワークを通じて、前記映像情報の伝送を行う医療端末に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0235】
【図1】本発明の医療端末の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明のルーター2aを送信側とした場合のルーター2aの構成を示すブロック図
【図3】映像分割部201で、伝送映像データ21に対して、フレーム情報単位で分割を行った一実施例を示す図
【図4】映像分割部201で、1フレームの伝送映像データ21に対して、ライン情報単位で分割を行った一実施例を示す図
【図5】本発明のルーター2bを受信側にした場合のルーター2bの構成を示すブロック図
【図6】映像結合部204で、伝送データ22b、22b、および、22cに対して、フレーム情報単位で結合を行った一実施例を示す図
【図7】映像結合部204で、伝送データ22b、22b、および、22cに対して、1フレームごとにライン情報単位で結合を行った一実施例を示す図
【図8】本発明の実施の形態2における超音波診断装置の概略ブロック図
【図9】1フレームの超音波画像の構成図であり、1フレームはN本の音響走査線から構成されており、さらに1本の音響走査線はヘッダと音響走査線データとフッダから構成されていることを示した図
【図10】本発明の実施の形態3における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部における概略サブブロック図
【図11】本発明の実施の形態3における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部における概略サブブロック図
【図12】付加情報取得部でデータの類似性を確認するために取得する付加情報の一例を示す説明図
【図13】本発明の実施の形態3における超音波診断装置の動作の一例を示す説明図
【図14】本発明の実施の形態4における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部における概略サブブロック図
【図15】本発明の実施の形態4における超音波診断装置の動作の一例を示す説明図
【図16】本発明の実施の形態5における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部における概略サブブロック図
【図17】本発明の実施の形態5における超音波診断装置の動作の一例を示す説明図
【図18】音響走査線データの構成の一例を示した説明図
【図19】本発明の実施の形態5における超音波診断装置の付加情報除去部において作成されたフレーム内共通ヘッダを圧縮したデータの一例を示す説明図
【図20】本発明の実施の形態5における超音波診断装置の付加情報除去部において作成された1フレーム分の音響走査線固有のヘッダの一例を示す説明図
【図21】本発明の実施の形態4における超音波診断装置の付加情報除去部において作成された画像データ部分のデータの一例を示す説明図
【図22】本発明の実施の形態5における超音波診断装置の送信データの一例を示す説明図
【図23】本発明の実施の形態6における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部における概略サブブロック図
【図24】本発明の実施の形態6における超音波診断装置の動作の一例を示した概略図
【図25】本発明の実施の形態7における超音波診断装置の概略ブロック図
【図26】本発明の実施の形態7における超音波診断装置のデータ圧縮・削除部の動作の一例を示した説明図
【図27】本発明の実施の形態8における超音波診断装置の概略ブロック図
【図28】本発明の実施の形態8における超音波診断装置の超音波エコー信号検出部で検出された超音波エコー信号の概略図
【図29】本発明の実施の形態8における超音波診断装置の動作の一例を示す概略図
【図30】本発明の実施の形態9における超音波診断装置の概略ブロック図
【図31】本発明の実施の形態9における超音波診断装置の動作の一例を示す概略図
【図32】本発明の実施の形態10における超音波診断装置の概略ブロック図
【図33】本発明の実施の形態11における超音波診断装置の復元部における概略サブブロック図
【図34】本発明の実施の形態11における超音波診断装置のデータ形式情報取得部で取得した送信モードの一例を示す概略図
【図35】本発明の実施の形態12における超音波診断装置の復元部における概略サブブロック図
【符号の説明】
【0236】
1a,1b 医療機器
2a,2b ルーター
3a,3b 無線LANアクセスポイント
4a,4b PHS基地局
5a,5b 携帯電話基地局
6a,6b 他の通信手段
7 ネットワーク
10a,10b 医療端末
21a,21b 伝送映像データ
22a,22b,22c,22d フレーム単位で分割した伝送データ
23a,23b,23c,23d ライン単位で分割した伝送データ
201 映像分割部
202a,202b 経路選択部
203a,203b 通信制御部群
204 映像結合部
301,301a,301b,301c,301d 超音波診断装置
311 プローブ
312 入力部
313,313a,313b,313c,313d,313e,313f データ圧縮・削除部
314 送信モード追加部
315 送信部
331 付加情報取得部
332 類似性検出部
333 フレームレート変更部
341 圧縮パラメータ制御部
371 データ除去部
391 付加情報除去部
461 音響走査線間引き部
481 生体信号検出部
501 超音波エコー信号検出部
551 受信部
552,552a,552b 復元部
561 データ形式情報取得部
562 復元方法決定部
563 付加情報復元部
581 データ補間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織の特性値を映像情報に変換して表示する医療機器と、ネットワークを構成する複数の通信経路から少なくとも二つの通信経路を選択するルーターとを有し、前記映像情報をネットワークを経由して伝送する手段を有する医療端末において、前記ルーターは、前記複数の通信経路の通信状況、あるいは、前記医療機器の動作条件に応じて前記映像情報を分割し、前記少なくとも二つの通信経路に伝送する手段を有することを特徴とする医療端末。
【請求項2】
、前記ルーターは、前記ネットワークを介して前記有線通信および無線通信の通信制御を行う複数の通信制御手段を有することを特徴とする請求項1記載の医療端末。
【請求項3】
前記通信制御手段は、少なくとも一つの外部機器との間で通信を行う際に、少なくとも二つの連続するフレームあるいはパケットの伝送時間を検出することを特徴とする請求項1ないし2に記載の医療端末。
【請求項4】
前記ネットワークは、無線通信のネットワークであり、前記通信制御手段は、無線通信における受信感度を検出することを特徴とする請求項1ないし3に記載の医療端末。
【請求項5】
前記通信制御手段は、前記少なくとも二つの連続するフレームあるいはパケットの伝送時間、あるいは、前記無線通信における受信感度に基づき、ネットワークの伝送許容量を推定することを特徴とする請求項3、または4に記載の医療端末。
【請求項6】
前記ルーターは、映像分割手段を有し、前記通信制御手段によって推定されたネットワークの伝送許容量に応じて、前記映像情報の分割の割合を制御する機能を有したことを特徴とする請求項1ないし5に記載の医療端末。
【請求項7】
前記ルーターは、映像分割手段を有し、前記医療機器の診断モードに応じて、前記映像情報の分割の割合を制御する機能を有したことを特徴とする請求項1ないし5に記載の医療端末。
【請求項8】
前記映像情報は、複数のフレーム情報から構成されており、前記映像分割手段は、前記映像情報をフレーム情報単位に分割する機能を有したことを特徴とする請求項6、または7に記載の医療端末。
【請求項9】
前記映像情報の一つのフレームの映像は、複数のライン情報から構成されており、前記映像分割手段は、前記映像情報をライン情報単位に分割する機能を有したことを特徴とする請求項6、または7に記載の医療端末。
【請求項10】
前記ルーターは、映像結合手段を有し、前記複数の通信経路に分散して、伝送された分割された映像情報を、前記通信制御手段によって推定されたネットワークの伝送許容量に応じて、一つの映像情報に結合する機能を有したことを特徴とする請求項1ないし5に記載の医療端末。
【請求項11】
前記映像情報は、複数のフレーム情報から構成されており、前記映像結合手段は、前記映像情報をフレーム情報単位で結合する機能を有したことを特徴とする請求項10記載の医療端末。
【請求項12】
前記映像情報の一つのフレームの映像は、複数のライン情報から構成されており、前記映像結合手段は、前記映像情報をライン情報単位で結合する機能を有したことを特徴とする請求項10記載の医療端末。
【請求項13】
前記医療機器は、超音波診断装置であり、プローブから経時的に計測情報を入力する入力手段と、前記計測情報に付与される付加情報を取得し前記付加情報の類似性を検出した結果に基づき、前記計測情報の圧縮あるいは削除を行うデータ圧縮・削除手段と、前記データ圧縮・削除手段から渡されたデータにデータ圧縮形式の情報を付加する送信モード追加手段と、前記送信モード追加手段から渡されたデータを送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の医療端末。
【請求項14】
前記データ圧縮・削除手段は前記付加情報を取得する付加情報取得手段と前記付加情報の類似性を検出する類似性検出手段とフレームレートを変更するフレームレート変更手段または圧縮パラメータ制御手段の少なくとも一方とにより構成され、前記フレームレート変更手段または圧縮パラメータ制御手段の少なくとも一方は前記類似性検出手段により得られた前記付加情報の類似性に基づきフレームレートまたは圧縮パラメータの少なくとも一方を調整したデータを生成する機能を有することを特徴とする請求項13記載の超音波診断装置。
【請求項15】
前記データ圧縮・削除手段は前記付加情報を取得する付加情報取得手段と前記付加情報の類似性を検出する類似性検出手段とデータを除去するデータ除去手段とより構成され、前記データ除去手段は前記類似性検出手段により得られた付加情報の類似性に基づき予め設定した除去対象データを除去してフレームデータを生成する機能を有したことを特徴とする請求項13記載の超音波診断装置。
【請求項16】
前記データ圧縮・削除手段は前記付加情報を取得する付加情報取得手段と前記付加情報の類似性を検出する類似性検出手段と付加情報を除去する付加情報除去手段より構成され、前記付加情報除去手段は前記類似性検出手段により得られた付加情報の類似性に基づき同一フレーム内の全音響走査線で共通となる付加情報を除去したフレームデータを生成する機能を有することを特徴とする請求項13記載の超音波診断装置。
【請求項17】
前記データ圧縮・削除手段は前記付加情報を取得する付加情報取得手段と前記付加情報の類似性を検出する類似性検出手段とフレーム内の音響走査線を間引く音響走査線間引き手段より構成され、前記音響走査線間引き手段は前記類似性検出手段により得られた付加情報の類似性に基づきフレーム内の音響走査線数を間引いたフレームデータを生成する機能を有することを特徴とする請求項13記載の超音波診断装置。
【請求項18】
前記データ圧縮・削除手段は外部に接続された生体信号検出手段で得られた生体信号に基づき、計測情報の圧縮あるいは削除を行う機能を有することを特徴とする請求項13から請求項17記載の超音波診断装置。
【請求項19】
前記入力手段は超音波エコー信号を検出する超音波エコー信号検出手段を備え、エコー信号の状態に基づき計測情報の送信を制御する機能を有することを特徴とする請求項13ないし18記載の超音波診断装置。
【請求項20】
前記送信手段は、前記ルーターで検出されたネットワークの伝送許容量に応じて計測情報の圧縮あるいは削除を行う機能を有したことを特徴とする請求項13ないし19記載の超音波診断装置。
【請求項21】
超音波診断装置において、圧縮されたデータを受信する受信手段と、受信データに付与されるデータ圧縮形式に基づき前記データの復元を行う復元手段を備えたことを特徴とする請求項13記載の超音波診断装置。
【請求項22】
前記復元手段は、受信データに付与されたデータ圧縮形式情報を検出するデータ形式情報取得手段と、取得したデータ形式情報に基づきデータ復元方法を決定する復元方法決定手段と、除去された音響走査線の共通の付加情報を復元する付加情報復元手段とを備え、前期付加情報復元手段は前記データ形式情報取得手段で取得したデータ形式に基づき前記フレームデータを復元する機能を有することを特徴とする請求項21記載の超音波診断装置。
【請求項23】
前記復元手段は、受信データに付加されたデータ圧縮形式情報を検出するデータ形式情報取得手段と、取得したデータ形式情報に基づき、データ復元方法を決定する復元方法決定手段と、除去された音響走査線を補間するデータ補間手段とを備え、前記データ補間手段は、前記データ形式情報取得手段で取得したデータ形式に基づき、前記フレームデータを復元する機能を有したことを特徴とする請求項21記載の超音波診断装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate


【公開番号】特開2008−142150(P2008−142150A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−330206(P2006−330206)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】