説明

半導体構造、二重仕事関数のCMOSデバイス、二重仕事関数のCMOS回路、および基板上に二重仕事関数のCMOSデバイスを形成する方法(炭化金属ゲート構造および形成方法)

【課題】 炭化金属を含むゲート電極を含む少なくとも1つのFETを含む相補型金属酸化膜半導体(CMOS)などの半導体デバイスおよび形成方法を提供することにある。
【解決手段】 このCMOSは、ある金属とある金属の炭化物によって二重仕事関数が与えられる、二重仕事関数の金属ゲート電極を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化金属(metal carbide)を含むゲート構造に関する。本発明は、二重仕事関数(dual work function)の金属ゲート電極(metal gate electrode)を取り入れている相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスにおいて特別な適用可能性を見いだしている。詳細には、本発明は、二重仕事関数がある金属とある金属の炭化物とによって提供される二重仕事関数の金属ゲートに関する。
【0002】
また、本発明は、本発明の金属ゲートデバイスを形成するための方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
ドープ多結晶シリコン(ポリシリコン)の伝統的なゲート電極で見られる「ポリシリコン空乏」および「ホウ素侵入」という影響を回避するために、先進の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスでは、金属ゲート電極をますます使用している。ゲート材料のための特定の金属の選択は、ゲートに関して所望の仕事関数および電気抵抗、ゲート金属が残存するものと予想される熱使用量、ゲート誘電体のタイプ(高kまたは従来のもの)、損傷なしのゲート金属付着プロセスの存在を含む、いくつかの考慮事項によって導かれる。タングステンなどの中間ギャップ金属(mid-gap metal)はCMOS内のn型電界効果トランジスタ(n−FET)およびp型FET(p−FET)のいずれにも使用可能であるが、「デュアルメタル(dual metal)/二重仕事関数」CMOSとして知られる設計手法では、p−FETに適したある(高仕事関数)ゲート金属と、n−FETに適した他の(低仕事関数)ゲート金属とを使用することが望ましい。
【0004】
このようなデュアルメタル/二重仕事関数の方式は、2つの異なる金属がそれぞれ異なる付着プロセスおよびパターン形成プロセスを必要とする場合に、非常に複雑なものになる可能性がある。これは、第1の金属に損傷を加えずに、付着させる第2の金属を除去しなければならないので、パターン形成がサブトラクティブ法(subtractively)で実行されるときに特に当てはまる。したがって、CMOS金属ゲートのためのこのようなデュアルメタル/二重仕事関数の方式の複雑さにより、単一ゲート材料がn−FETデバイス・エリアとp−FETデバイス・エリアの上に付着し、次にその材料が、n−FETデバイス・エリア内にn−FETに適した仕事関数を有し、p−FETデバイス・エリア内にp−FETに適した仕事関数を有するように変更される「シングルメタル(single metal)/二重仕事関数」方式に対する関心が高まっている。
【0005】
「シングルメタル/二重仕事関数」に関する手法は文献に記載されている。ある手法[V. Misra他による「IEEE Electron Device Letters 23 354」(2002年)およびH. Zhong他による「IEDM Tech. Dig. 467」(2001年)]では、n−FETデバイス・エリアとp−FETデバイス・エリアの上にn−FET仕事関数を有するRu−Ta合金層を付着させ、次に追加のRuを付着させてアニールすることにより(p−FETデバイス・エリア内で)Ru−Ta合金をp−FET仕事関数を有するRuが豊富なRu−Ta合金に転化させることを提案している。
【0006】
他の手法では、p−FET仕事関数を有するMoなどの金属を、n−FETデバイス・エリアとp−FETデバイス・エリアの上に付着させ、窒素のイオン注入[P. Ranade他による「Mat. Res. Soc. Proc. 670 K5.2」(2001年)およびR. Lin他による「IEEE Electron Device Letters 23 49」(2002年)]またはNが豊富なTiNの上部層からの窒素の固相拡散/反応[R.J.P. Lander他による「Mat. Res. Soc. Symp. Proc. 716 B5.11」(2002年)]のいずれかにより(n−FETデバイス領域内で)n−FET仕事関数を有するMo窒化物に転化させる。
【非特許文献1】V. Misra他による「IEEE Electron Device Letters 23 354」(2002年)
【非特許文献2】H. Zhong他による「IEDM Tech. Dig. 467」(2001年)
【非特許文献3】P. Ranade他による「Mat. Res. Soc. Proc. 670 K5.2」(2001年)
【非特許文献4】R. Lin他による「IEEE Electron Device Letters 23 49」(2002年)
【非特許文献5】R.J.P. Lander他による「Mat. Res. Soc. Symp. Proc. 716 B5.11」(2002年)
【非特許文献6】T. Amada他による「Mat. Res. Soc. Symp. Proc. 716 B7.5」(2002年)
【非特許文献7】B. Guillaumot他による「IEDM Tech. Digest」の355ページ(2002年)
【非特許文献8】Mater. Sci. Eng. A A302、128に掲載されたA. Rubinshtein他による「Surface treatment of tantalum to improve its corrosion resistance」(2001年)
【非特許文献9】G.B. Stephenson他による「Rev. Sci. Instrum. 60 1537」(1989年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
窒素イオン注入手法の欠点は、下にあるゲート誘電体に損傷を加える可能性があることである[T. Amada他による「Mat. Res. Soc. Symp. Proc. 716 B7.5」(2002年)]。TiNからの窒素の固相拡散の結果、損傷が少なくなるが、仕事関数の十分な変化はもたらさない(SiO2上のMoについて約−0.5eVが観測されたが、約−0.75eVが望ましい)。Ru−Ta合金手法の欠点としては、タンタルがゲート誘電体と反応する可能性と、Ru−Ta合金に関する化学的気相堆積(CVD)方法が欠如していること(CVDは、いくつかの付着プロセスのうち、誘電体に損傷を加える荷電微粒子照射(charged particle bombardment)のないプロセスであるからである)を含む。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、CMOS用のシングルメタル/二重仕事関数ゲート電極を形成するための代替方法を提供することに関する。本発明は上述の諸問題に対処するものである。
【0009】
本発明は、ソース/ドレイン領域とゲート領域とを含み、少なくとも1つのゲート電極が金属と炭素含有層とを反応させることによって得られる炭化金属を含む、半導体デバイスに関する。
【0010】
本発明の他の一態様は、導電材料から形成されたゲート電極を有する少なくとも1つのFETと、金属と炭素含有層とを反応させることによって得られる炭化金属を含むゲート電極を有する少なくとも1つのFETとを含み、その金属が導電材料とは異なる、二重仕事関数の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)回路に関する。
【0011】
本発明はさらに、
第1の金属から形成されたゲート電極を有する少なくとも1つのFETと、
前記第1の金属の炭化物から形成されたゲート電極を有する少なくとも1つのFETと、
を含む、二重仕事関数の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)回路に関する。
【0012】
本発明の他の態様は、基板を準備するステップと、前記基板の上に金属と炭素含有層とを付着させ、前記金属と炭素含有層とを反応させてゲート電極を設けるための炭化金属を形成するステップとを含む、FET用のゲートを形成する方法に関する。
【0013】
本発明のさらに他の一態様は、基板上に二重仕事関数のCMOSデバイスを形成する方法に関する。この方法は、
第1および第2のセットのゲート領域上に金属層を付着させるステップと、
前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの一方に接触し、前記第1および第2のセットのゲート領域のうちのもう一方には接触せず、前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの前記一方の上の前記金属層に直接接触する炭素含有層を設けるステップと、
前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの前記一方の上の前記炭素含有層と、前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの前記一方の上の前記金属とを反応させて、炭化金属を形成するステップと、
を含む。
【0014】
本発明のその他の目的および利点は、以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになるものであり、その詳細な説明には、単に本発明を実施することが企図されている最良の態様の例証として、本発明の好ましい諸実施形態のみが示され記載されている。認識されるように、本発明は他の種々の実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は本発明を逸脱せずに様々な明白な点で変更が可能である。したがって、その説明は、本質的に例示的なものと見なすべきであり、制限的なものと見なすべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、ゲート電極を有する少なくとも1つのFETを含む半導体構造に関する。本発明の理解を容易にするため、詳細な説明は「シングルメタル二重仕事関数」金属ゲートの好ましい態様に関する。
【0016】
好ましい諸態様によれば、本発明は、金属とその金属の炭化物によって二重仕事関数が提供される、「シングルメタル/二重仕事関数」金属ゲートに関する新しい手法を提供する。
【0017】
したがって、本発明の一態様は、
第1の金属から形成されたゲート電極を有する少なくとも1つのFETと、
前記第1の金属の炭化物から形成されたゲート電極を有する少なくとも1つのFETと、
を含む、二重仕事関数の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)回路に関する。
【0018】
また、本発明は、
第1の金属と少なくとも1つの追加元素から形成されたゲート電極を有する少なくとも1つのFETと、
前記第1の金属の炭化物から形成されたゲート電極を有する少なくとも1つのFETと、
を含む、二重仕事関数のCMOS回路も提供する。
【0019】
本発明による二重仕事関数のCMOS構造は、n−FETデバイス・エリアとp−FETデバイス・エリアの両方の上に第1の仕事関数を有する金属を付着させ、次に、選択したエリア内の炭素含有層と反応させて、第1の仕事関数とは異なる第2の仕事関数を有する炭化金属を形成することによって形成することができる。本発明のため、「炭化物」という用語は、炭素と炭素より陽性度の高い(electropositive)1つまたは複数の元素との化合物または混合物として定義される。
【0020】
本発明により、基板上に二重仕事関数のCMOS構造を形成するためのプロセス技法の1つは、
第1の仕事関数を有する金属層を付着させるステップと、
金属層にパターン形成して、第1および第2のセットのゲート形構造を形成するステップと、
炭素含有材料が第1および第2のセットのゲート形構造のうちの一方の上に配置され、第1および第2のセットのゲート形構造のうちのもう一方には存在しないように、炭素含有材料のパターン形成した層を形成するステップと、
パターン形成した炭素含有材料と金属の両方が存在する領域でその両方を反応させて、第2の仕事関数を有する材料を形成するステップと、
任意選択で、反応後に残存する炭素残留物を除去するステップと、
任意選択で、不活性または反応性環境でアニールして、処理損傷を修復するステップと、
を含む。
【0021】
パターン形成した炭素含有層を設けるステップの例としては、
炭素含有層を付着させ、前記第1および第2のセットのゲート領域のもう一方の上に残存している前記炭素含有層を残しながら、反応性イオン・エッチングなどのプロセスにより前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの一方から前記炭素含有層を選択的に除去することにより前記炭素含有層にパターン形成するステップと、
フォトレジスト層を付着させてパターン形成し、前記フォトレジスト層上に炭素含有層をブランケット付着させ、次に、フォトレジストの上に位置していない炭素含有層を残しながら、フォトレジストの上に位置する炭素含有層とともに前記フォトレジストを除去するステップと、
を含む。
【0022】
図1〜図5を参照すると、本発明により二重仕事関数のCMOS構造を形成するための上記のシーケンスが示されている。
【0023】
図1は、第1の仕事関数を有する金属層20の付着後の基板10を示している。基板10は、典型的には、絶縁ゲート誘電体の下の1つまたは複数の半導体層として始まり、最終的に、誘電体分離領域と、高濃度ドーピングされた半導体ソース/ドレイン領域と、低濃度ドーピングされたかまたはドーピングされていない半導体チャネル領域とを含む。図2は、金属ゲート構造30を形成するために金属層20にパターン形成した後の図1の構造を示している。図3は、パターン形成した炭素含有層40の形成後の構造を示している。図3の構造をアニールして、第2の仕事関数を有する炭化金属ゲート構造50と、残りの炭素含有層60を生成する。次に、酸素プラズマ処理などのプロセスにより残りの炭素含有層60を除去して、第1の仕事関数を有する金属ゲート30と、第2の仕事関数を有する炭化金属ゲート50とを備えた図5の構造を生成することができる。
【0024】
図1〜図5に図示されているプロセス・フローでは、パターン形成した炭素含有層40の付着の前に、金属層20を付着させパターン形成して金属ゲート構造を形成する。しかし、プロセスの諸ステップは様々に入れ替えて実現することができる。たとえば、ゲート・パターン形成は炭素付着の前または後に実行することができ、炭素付着は金属付着の前または後に実行することができ、炭化物形成はゲート・パターン形成の前または後に実行することができる。
【0025】
図6〜図9および図10〜図13は、金属層およびパターン形成した炭素含有層を付着させた後でゲート電極パターン形成が実行される、プロセス・フローの2通りの例を示している。図6〜図9のプロセス・フローでは、炭化物形成はゲート・パターン形成後に行われる。図6は、第1の仕事関数を有する金属層20の付着後の基板10を示している。図7は、パターン形成した炭素含有層40の付着後の図6の構造を示している。図8は、金属ゲート30とゲート形炭素含有層70を形成するためのゲート・パターン形成後の構造を示している。次に、図8の構造をアニールして、第1の仕事関数を有する金属ゲート30と、第2の仕事関数を有する炭化金属ゲート50とを備えた図9の構造を生成する。アニール後に残存するゲート形炭素含有層70の残りは、酸素プラズマ処理などのプロセスにより除去することができる。
【0026】
図10〜図13のプロセス・フローでは、炭化物形成はゲート・パターン形成前に行われる。図10は、第1の仕事関数を有する金属層20の付着後の基板10を示している。図11は、パターン形成した炭素含有層40の付着後の図10の構造を示している。次に、図11の構造をアニールして、炭化金属層80を備えた図12の構造を生成する。次に、金属層20と炭化金属層80にパターン形成して、第1の仕事関数を有する金属ゲート30と、第2の仕事関数を有する炭化金属ゲート50を形成する。アニール後に残存するゲート形炭素含有層70の残りは、酸素プラズマ処理などのプロセスにより除去することができる。
【0027】
このプロセスは、金属層の前に炭素含有層を付着させて実現することもできる。これは、図10〜図13のプロセス・フローに類似しているプロセス・フローにおいてゲート・パターン形成前に炭化物形成アニールが実行されるプロセス・フローについて図14〜図17に示されている。図14は、パターン形成した炭素含有層40の付着後の基板10を示している。図15は、第1の仕事関数を有する金属層90の付着後の構造を示している。次に、図15の構造をアニールして、炭化金属層80を備えた図16の構造を生成する。次に、金属層90と炭化金属層80にパターン形成して、第1の仕事関数を有する金属ゲート30と、第2の仕事関数を有する炭化金属ゲート50を形成する。追加の金属は炭化金属/基板の境界面で仕事関数に影響するとは予想されないので、炭化金属層80の上に残存する金属層90の残りは、典型的には所定の位置に残されるであろう。
【0028】
図18〜図25は、交換ゲート・プロセス・フローの場合に本発明をどのように実現できるかを示している[たとえば、B. Guillaumot他による「IEDM Tech. Digest」の355ページ(2002年)を参照されたい]。図18は、第1のゲート・キャビティ領域(cavity)130と第2のゲート・キャビティ領域140とを備えた基板120を示し、図19は、第1の仕事関数を有するブランケット付着金属層150の付着後の図18の構造を示し、図20は、炭素含有層160のブランケット付着後の構造を示している。図21は、ゲート・キャビティ領域140上に配置され、ゲート・キャビティ領域130には存在しないパターン形成した炭素含有層165を形成するために炭素含有層160にパターン形成した後の図20の構造を示している。次に、図21の構造をアニールして、ゲート・キャビティ領域140内に炭化金属180および残りの炭素含有層185(図22)を生成する。次に、酸素プラズマ処理により残りの炭素含有層185を除去して、第1の仕事関数を有する金属ゲート150と、第2の仕事関数を有する炭化金属ゲート180とを備えた図23の構造を生成する。図23の構造は、通常、導電材料190でゲート・キャビティ領域130および140を充填し(図24)、次に平坦化して、完成した金属の第1のゲート200と、完成した炭化金属の第2のゲート210とを形成する(図25)ことにより、完成されるであろう。
【0029】
金属およびその金属の炭化物が十分異なる仕事関数を提供しない場合、炭化(carbided)されない金属の仕事関数を変更するように本発明の方法を拡張することが望ましい可能性がある。炭化されない金属に対する変更は、(i)炭化物形成の前または後、および(ii)ゲート・パターン形成の前または後に実行することができる。この変更は、少なくとも1つの追加元素との合金化、混合、または反応、1つまたは複数の種のイオンの注入などのプロセスによって実施することができる。たとえば、シングルメタル二重仕事関数のCMOSゲートは、中間ギャップ金属を炭化して、第1の仕事関数を有する第1のセットのゲートを形成し、1つまたは複数の元素を有する非炭化中間ギャップ金属を合金化または注入して、第2の仕事関数を有する第2のセットのゲートを形成することにより、中間ギャップ金属から形成することができる。
【0030】
本発明の金属/炭化金属プロセスについて考慮される可能性のある金属としては、任意の導電材料、たとえば、Al、Ba、Be、Bi、Co、Cr、Cu、Dy、Fe、Ga、Gd、Ir、Hf、Mg、Mo、Mn、Nb、Ni、Pd、Pt、La、Os、Pr、Rh、Re、Ru、Sc、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、およびZrと、これらの金属またはその合金の導電窒化物、シリサイド、ゲルマニウム化物、窒化シリコンと、追加の非金属元素の有無を問わず、これらの金属の導電合金または化合物とを含む。
【0031】
これらの金属のための付着技法としては、熱的蒸発法(thermal evaporation)、電子ビーム蒸着、スパッタリング、反応性スパッタリング、イオン・ビーム・スパッタリング、無電解めっき、CVD、有機金属CVD(MOCVD)、プラズマ促進CVD(PECVD)、および原子層付着(ALD:atomic layer deposition)を含むことができる。
【0032】
このプロセスのための好ましい金属としては、Mo、Mo−Ru合金、および炭化物を形成するその他のp−FET(高仕事関数)金属を含む。ゲート誘電体に損傷を加える傾向のあるエネルギー性荷電微粒子照射はまったく存在しないので、このプロセスのための好ましい金属付着技法としては、CVDおよびMOCVDを含む。
【0033】
このプロセスの炭素含有層は、任意の方法によって付着させた任意の炭素含有材料を含むことができる。この炭素含有層は、たとえば、ダイヤモンド、グラファイトと、最小H含有量の非晶質炭素と、非晶質水素添加炭素(amorphous hydrogenated carbon)(ダイヤモンド様炭素またはDLCとしても知られるa−C:H)と、ポリ(メチル)メタクリレート、ポリイミド、SiLK(R)などの炭素含有ポリマーと、有機フォトレジストと、Si、O、N、またはHあるいはこれらの組み合わせなどのその他の元素を含む非晶質炭素含有層(たとえば、SiCOHまたはSiCH)とを含むことができる。
【0034】
これらの炭素含有層のための付着方法としては、スピンオン(spin-on)技法、溶液流延(solution-casting)技法、CVD、プラズマ利用CVD(PACVD)、プラズマ促進CVD(PECVD)、熱的蒸発法、電子ビーム蒸着、不活性または反応性ワーク・ガスを使用する炭素含有ターゲットからのスパッタ堆積、イオン・ビーム・スパッタリングを含むことができる。特定の炭素含有層は、金属の前に付着させる場合に安定化アニールを必要とする場合があることは留意すべきことである。たとえば、DLCの炭素含有層は、典型的には、炭化物形成中のブリスタリング(blistering)を防止するために金属付着の前に安定化アニール(たとえば、He中で400℃で4時間)が施される。
【0035】
好ましい炭素含有層としては、物理的スパッタリングによって付着させた純炭素と、PECVDによって付着させた非晶質水素添加炭素(ダイヤモンド様炭素またはDLCとしても知られている)を含む。
【0036】
炭素層は、n−FETデバイス・エリアの上にのみ残存するように容易にパターン形成される(たとえば、酸素ベースの反応性イオン・エッチングによる)。炭化金属形成が完了すると、酸素ベースのアッシング(oxygen-based ashing)または反応性イオン・エッチング・プラズマにより残存する過剰炭素を選択的に除去することができる。金属Moとその炭化物は、いずれも酸化に対する耐性がかなり高い。
【0037】
所望であれば、不活性または反応性環境で電極スタックをアニールして、プロセスによる損傷を修復するかまたはデバイス特性を改善するかあるいはその両方を行うことができる。このアニールは、プロセスのどの段階でも実行することができる。
【0038】
本発明の金属層は、典型的には、約2〜約500ナノメートルの厚さを有し、より典型的には、約5〜約50ナノメートルの厚さを有する。本発明の炭素含有層に関する最適厚さは、所望の炭化物の化学量論(stoichiometry)(たとえば、MC、M2C、M3Cであり、Mは炭化される金属元素を示す)、金属層の厚さ、炭素含有層の炭素含有量(たとえば、スパッタ堆積させたCはa−C:Hより高い炭素含有量を有する)、層の順序(金属が炭素の下にある場合は炭素の方がわずかに多いことが望ましい可能性があり、炭素が金属の下にある場合は金属の方がわずかに多いことが望ましい可能性がある)といういくつかの要因に依存することになる。金属層内の金属原子の面密度(原子数/cm2)は、金属の厚さ、密度、および分子量(MW)から計算することができる。厚さが30ナノメートルのMo層は、1.9×1017Mo原子数/cm2の面密度(96g/モルのMWおよび10.2g/cm3の密度に基づく)を有することが予想されるであろう。正確にこの数の半分のC原子(Mo2Cを形成するためのもの)を提供するために必要な非晶質炭素層の厚さは9.5ナノメートルになるであろう(12g/モルのMWおよび2g/cm3の密度の場合)。
【0039】
炭化物形成に典型的なアニール温度/時間の条件は、金属の素性(identity)および所望の炭化物の化学量論に依存する。所望の第1の炭化物(M2Cなど)を形成するために必要なものより高い温度または長い時間でアニールすると、さらに反応が行われ、炭素含有量がより高い不要な第2の炭化物(MoCなど)が形成される可能性がある。また、最適アニールは、より少ない程度で、金属膜厚および炭素のタイプ(たとえば、スパッタ堆積させたC対a−C:H)に依存することにもなる。炭化物形成金属における炭化物形成は、典型的には、約400〜約1100℃の温度で行われる。興味深いことに、この温度範囲の下端での炭化物形成は、水素の取り込みによって容易にすることができる[Mater. Sci. Eng. A A302、128に掲載されたA. Rubinshtein他による「Surface treatment of tantalum to improve its corrosion resistance」(2001年)]。アニール環境は、典型的には、Ar、He、H2、N2、CHx.N2、フォーミング・ガス(forming gas)というガスおよびそれらの混合物から選択される。窒化物を容易に形成する金属については、N2はあまり好ましくない環境になるであろう。炭化物反応の完了に必要なアニール時間は温度に依存することになり、所与の金属および金属厚さの場合、アニール温度が上昇するにつれて必要なアニール時間が減少する。
【0040】
炭化物形成金属としては、Cr、Fe、Hf、Mn、Mo、Nb、Ni、Ta、Ti、V、Wなどを含む。これらのうち、Feは400〜1000℃の温度範囲の下端で炭化物を形成する金属に含まれ、Wはこの温度範囲の上端で炭化物を形成する金属に含まれる。典型的には、N2内で約750℃で約1分間という急速熱アニール(rapid thermal anneal)は、Mo上のCという二重層膜(30ナノメートル)をMo2Cに完全に転化させるために十分なものである。
【0041】
図26〜図28では、スパッタ炭素の層の上のブランケットMo層、DLCの層(金属付着の前にHe内で400℃で4時間アニールした)の上のブランケットMo層、スパッタ炭素の層の下のブランケットMo層という本発明の3通りの実施形態に対応するサンプル形状のためのMo炭化物形成について検討する。すべてのサンプルのMoは、30ナノメートルの厚さであり、スパッタリングによって付着している。急速熱アニール(He環境において3℃/秒で)中に、0.1797ナノメートルの波長、1013光子/sの強度、および1.5%のエネルギー分解能を有するシンクロトロン放射による、その場でのX線回折(XRD)によって炭化物形成をモニターする[G.B. Stephenson他による「Rev. Sci. Instrum. 60 1537」(1989年)]。
【0042】
すべてのサンプルは初めに、Mo(110)反射に対応する2θ=48°で単一XRDピークを示す。炭化物形成は、Mo(110)ピークの消滅と、47°(Mo2C(101))、45°(Mo2C(002))、40.5°(Mo2C(100))における六角形のMo2Cピークの出現によって示される。図26のグラフは、200ナノメートルの厚さのスパッタC層の上のスパッタMo層について、775℃付近で鋭く限定された反応を示している。図27のグラフは、180ナノメートルの厚さのDLCの層の上の名目上同一のスパッタMo層について、同じく775℃付近を中心とする、わずかにより広い反応を示している。図28のグラフは、30ナノメートルの厚さのスパッタCの層の下のスパッタMo層について、わずかに低い温度(〜760℃)付近を中心とする、さらにより広い反応を示している。したがって、これらの場合の炭化物形成に必要な熱処理は、十分にCMOSのための典型的な熱使用量の範囲内である。
【0043】
図29の電気的測定は、炭化物形成時にMoの仕事関数が大幅に低下することを検証するものである。MoおよびMo炭化物電極を有するSi(基板)/SiO2(5または11ナノメートル)/Mo(C)キャパシタについて、キャパシタンス−電圧(C−V)測定を実行した。Mo(30ナノメートル)およびMo(30ナノメートル、下部)/C(10ナノメートル、上部)の電極膜は、6.2×10−4cmまたは9.5×10−5cmの電極エリア開口部を有するSi膜マスクにより、酸化物でコーティングしたn形単結晶(100)Si上にスパッタ堆積させる。MoおよびMo/C電極はいずれも、Mo/C電極をMo2Cに転化させるのに十分な「炭化物形成」アニール(フォーミング・ガスにおいて900℃までの3℃/秒の傾斜(ramp)を受ける。図29は、5ナノメートルのSiO2の場合のデータを示している。C−V傾斜および電圧交点の分析は、Moに関する4.50〜4.60eVの仕事関数と、Mo2Cに関する4.25〜4.35eVの仕事関数を示している。
【0044】
その上、前述の通り、第1の金属と炭素含有層との固相反応によって形成されるような炭化金属は、単一のFET、複数のFET、および少なくとも1つの他のゲート電極が炭化金属とは異なり、炭化物が形成された金属とも異なる導電材料から形成される二重仕事関数のCMOS回路において、ゲート電極として使用することもできる。
【0045】
第1の金属と炭素含有層との固相反応による炭化金属ゲートの形成には、炭化金属層が1つのステップで形成されるプロセスを上回る利点がいくつかあることは留意すべきである。スパッタ堆積プロセスは、高品質の炭化金属を付着させることができるが、露出したゲート誘電体に損傷を加える可能性がある(エネルギー性荷電微粒子照射による)。CVDプロセスは、損傷なしであるが、酸素などの相当な量の不純物を取り込まずに金属と炭素を容易に同時付着(co-deposit)させることはできない。本発明の二重層反応プロセスでは、CVDにより下部金属層をきれいに付着させることができ、その後の炭素含有層の付着は任意の好ましい方法(前に付着させた金属層がゲート誘電体を保護するので、スパッタリングを含む)によって行われる。
【0046】
本発明の上記の説明は、本発明を例証し記載するものである。さらに、本明細書は本発明の好ましい諸実施形態のみ示し記載するものであるが、前述の通り、本発明は様々な他の組み合わせ、修正、および環境における使用が可能であり、関連技術の上記の教示または技能または知識あるいはこれらの組み合わせに対応する本明細書に表明した本発明の概念の範囲内の変更または修正が可能であることを理解されたい。さらに、上述の諸実施形態は、本発明を実施するものとして知られている最良の諸態様を説明すること、ならびに、他の当業者がこのような諸実施形態またはその他の諸実施形態で本発明の特定の適用例または用途によって必要とされる様々な修正とともに本発明を使用できるようにすることが意図されている。したがって、上記の説明は、本明細書に開示された形式に本発明を限定することは意図されていない。また、特許請求の範囲は代替諸実施形態を含むものと解釈することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】CMOSゲート電極を形成するための本発明の方法の基本ステップを示す断面図である。
【図2】CMOSゲート電極を形成するための本発明の方法の基本ステップを示す断面図である。
【図3】CMOSゲート電極を形成するための本発明の方法の基本ステップを示す断面図である。
【図4】CMOSゲート電極を形成するための本発明の方法の基本ステップを示す断面図である。
【図5】CMOSゲート電極を形成するための本発明の方法の基本ステップを示す断面図である。
【図6】図1〜図5の方法の第1の変形を示す図である。
【図7】図1〜図5の方法の第1の変形を示す図である。
【図8】図1〜図5の方法の第1の変形を示す図である。
【図9】図1〜図5の方法の第1の変形を示す図である。
【図10】図1〜図5の方法の第2の変形を示す図である。
【図11】図1〜図5の方法の第2の変形を示す図である。
【図12】図1〜図5の方法の第2の変形を示す図である。
【図13】図1〜図5の方法の第2の変形を示す図である。
【図14】図1〜図5の方法の第3の変形を示す図である。
【図15】図1〜図5の方法の第3の変形を示す図である。
【図16】図1〜図5の方法の第3の変形を示す図である。
【図17】図1〜図5の方法の第3の変形を示す図である。
【図18】交換ゲート・プロセス・フローのために適合させた図1〜図5の方法の変形を示す図である。
【図19】交換ゲート・プロセス・フローのために適合させた図1〜図5の方法の変形を示す図である。
【図20】交換ゲート・プロセス・フローのために適合させた図1〜図5の方法の変形を示す図である。
【図21】交換ゲート・プロセス・フローのために適合させた図1〜図5の方法の変形を示す図である。
【図22】交換ゲート・プロセス・フローのために適合させた図1〜図5の方法の変形を示す図である。
【図23】交換ゲート・プロセス・フローのために適合させた図1〜図5の方法の変形を示す図である。
【図24】交換ゲート・プロセス・フローのために適合させた図1〜図5の方法の変形を示す図である。
【図25】交換ゲート・プロセス・フローのために適合させた図1〜図5の方法の変形を示す図である。
【図26】本発明の3通りの実施形態に対応するサンプル形状のためのMo炭化物形成を比較する図である。
【図27】本発明の3通りの実施形態に対応するサンプル形状のためのMo炭化物形成を比較する図である。
【図28】本発明の3通りの実施形態に対応するサンプル形状のためのMo炭化物形成を比較する図である。
【図29】MoおよびMo2Cキャパシタ電極の仕事関数を決定するために使用されるキャパシタンス−電圧(C−V)測定値を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層と炭素含有層とを反応させることによって得られる炭化金属ゲート電極を有する少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む半導体構造。
【請求項2】
前記炭化金属がMoまたはMo−Ru合金の炭化物を含む、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記半導体構造が、ゲート金属から形成されたゲートを有する少なくとも1つのFETと、金属の炭化物から形成されたゲートを有する少なくとも1つのFETとを含む二重仕事関数のCMOSを含む、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記炭化物の前記金属が前記ゲート金属とは異なる、請求項3に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記炭化物の前記金属がMoまたはMo−Ru合金を含む、請求項4に記載の半導体構造。
【請求項6】
第1のゲート金属から形成されたゲートを有する少なくとも1つのFETと、
前記第1のゲート金属の炭化物から形成されたゲートを有する少なくとも1つのFETと、
を含む、二重仕事関数のCMOSデバイス。
【請求項7】
前記第1の金属が、Al、Ba、Be、Bi、Co、Cr、Cu、Dy、Fe、Ga、Gd、Ir、Hf、Mg、Mo、Mn、Nb、Ni、Pd、Pt、La、Os、Pr、Rh、Re、Ru、Sc、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、およびZrと、これらの金属またはその合金の導電窒化物、シリサイド、ゲルマニウム化物、窒化シリコンと、追加の非金属元素の有無を問わず、これらの金属の導電合金および化合物からなるグループから選択される、請求項6に記載のCMOSデバイス。
【請求項8】
前記第1の金属がMoまたはMo−Ru合金を含む、請求項6に記載のCMOSデバイス。
【請求項9】
第1の金属と少なくとも1つの追加元素から形成されたゲート電極を有する少なくとも1つのFETと、
前記第1の金属の炭化物から形成されたゲート電極を有する少なくとも1つのFETと、
を含む、二重仕事関数のCMOS回路。
【請求項10】
基板を準備するステップと、前記基板の上に金属と炭素含有層とを付着させ、前記金属と炭素含有層とを反応させてゲート電極を設けるための炭化金属を形成するステップとを含む、FET用のゲートを形成する方法。
【請求項11】
前記金属がMoまたはMo−Ru合金を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
基板上に二重仕事関数のCMOSデバイスを形成する方法であって、
第1および第2のセットのゲート領域上に金属の層を付着させるステップと、
前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの一方に接触し、前記第1および第2のセットのゲート領域のうちのもう一方には接触せず、前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの前記一方の上の前記金属層に直接接触する炭素含有層を設けるステップと、
前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの前記一方の上の前記炭素含有層と、前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの前記一方の上の前記金属とを反応させて、炭化金属を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記炭素含有層を設けるステップが、炭素含有層を付着させるステップと、前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの一方から前記炭素含有層を選択的に除去することにより前記炭素含有層にパターン形成し、さらに、前記第1および第2のセットのゲート領域のもう一方の上に残存している前記炭素含有層を残す、ステップとを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記炭素含有層を設けるステップが、フォトレジスト層を付着させてパターン形成するステップと、前記フォトレジスト層上に前記炭素含有層を付着させ、次に、前記フォトレジストの上に位置していない前記炭素含有層を残しながら、前記フォトレジストの上に位置する前記炭素含有層とともに前記フォトレジストを除去するステップとを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記金属と前記炭素含有層とを反応させた後で前記金属層にパターン形成する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記炭素含有層を付着させてパターン形成した後で前記金属層にパターン形成してゲート形構造を形成する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記金属層が、少なくとも1つの追加元素をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記金属が、Al、Ba、Be、Bi、Co、Cr、Cu、Dy、Fe、Ga、Gd、Ir、Hf、Mg、Mo、Mn、Nb、Ni、Pd、Pt、La、Os、Pr、Rh、Re、Ru、Sc、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、およびZrと、これらの金属またはその合金の導電窒化物、シリサイド、ゲルマニウム化物、窒化シリコンと、追加の非金属元素の有無を問わず、これらの金属の導電合金および化合物からなるグループから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記炭素含有層の材料が、ダイヤモンド、グラファイトと、最小H含有量の非晶質炭素と、非晶質水素添加炭素と、炭素含有ポリマーと、有機フォトレジストと、Si、O、N、またはHあるいはこれらの組み合わせなどのその他の元素を含む非晶質炭素含有層と、からなるグループから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
基板上に二重仕事関数のCMOSデバイスを形成する方法であって、
第1および第2のセットのゲート領域のうちの一方に接触し、前記第1および第2のセットのゲート領域のうちのもう一方には接触していない炭素含有層を設けるステップと、
前記第1および第2のセットのゲート領域上に、前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの前記一方の上の前記炭素含有層に直接接触する金属の層を付着させるステップと、
前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの前記一方の上の前記炭素含有層と、前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの前記一方の上の前記金属とを反応させて、炭化金属を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記炭素含有層を設けるステップが、炭素含有層を付着させるステップと、前記第1および第2のセットのゲート領域のもう一方の上に残存している前記炭素含有層を残しながら、前記第1および第2のセットのゲート領域のうちの一方から前記炭素含有層を選択的に除去するステップとを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記炭素含有層を設けるステップが、フォトレジスト層を付着させてパターン形成するステップと、前記フォトレジスト層上に前記炭素含有層を付着させ、次に、前記フォトレジストの上に位置していない前記炭素含有層を残しながら、前記フォトレジストの上に位置する前記炭素含有層とともに前記フォトレジストを除去するステップとを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記金属と前記炭素含有層とを反応させた後で前記金属層にパターン形成する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記金属層が、少なくとも1つの追加元素をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記金属が、Al、Ba、Be、Bi、Co、Cr、Cu、Dy、Fe、Ga、Gd、Ir、Hf、Mg、Mo、Mn、Nb、Ni、Pd、Pt、La、Os、Pr、Rh、Re、Ru、Sc、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、およびZrと、これらの金属またはその合金の導電窒化物、シリサイド、ゲルマニウム化物、窒化シリコンと、追加の非金属元素の有無を問わず、これらの金属の導電合金または化合物からなるグループから選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記炭素含有層の材料が、ダイヤモンド、グラファイトと、最小H含有量の非晶質炭素と、非晶質水素添加炭素と、炭素含有ポリマーと、有機フォトレジストと、Si、O、N、またはHあるいはこれらの組み合わせなどのその他の元素を含む非晶質炭素含有層と、からなるグループから選択される、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公表番号】特表2007−525827(P2007−525827A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541483(P2006−541483)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/039855
【国際公開番号】WO2005/062752
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】