説明

半導体素子用金属配線の形成方法

【課題】電解メッキ工程により基板上に均一な厚さを有する半導体素子用金属配線の形成方法を提供する。
【解決手段】導電性構造物を含む基板100上に金属層、金属化合物層またはこれらの混合層からなる金属含有層130を形成する。続いて、金属含有層130上に金属シード層140を形成し、基板100の周辺部に沿って金属シード層140上に、金属シード層140より電気抵抗が同一或いは小さな補助金属からなる接蝕層150を形成する。基板100を電解メッキ設備に装着して、接触層150とカソード電極540とを接続し、金属シード層140に対して電解メッキを遂行し、金属含有層130上に金属配線層を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属配線の形成方法に関する。より詳しくは、半導体素子用金属配線の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置において、トランジスタのような個別素子(discrete devices)を電気的に接続させるために、金属配線が必需的に要求される。従来は、このような半導体素子用金属配線としてアルミニウムを最も多く利用し、半導体基板の全面に形成されたアルミニウム膜を写真エッチング工程でパターニングして形成した。
【0003】
しかし、最近の半導体素子に対する高集積化傾向は、配線の断面積が減少し、長さは増加して配線の電気抵抗が大きく増加するという問題点が生じる。これにより、金属配線の信頼性を向上させることが配線工程の重要な問題として扱われており、このような理由によって従来のアルミニウム配線に代わり、銅配線が半導体素子用金属配線として広く使われている。銅は、アルミニウムに比べて電気抵抗が少なく、電子遷移(electron migration;EM)に対する抵抗が優れていて、配線の微細化と高集積化の実現に有利である。
【0004】
銅はエッチング工程によりパターニングしにくいため、銅配線を形成するためにダマスク工程が広く利用されている。トランジスタなどの素子或いは下部配線を具備する半導体基板に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜の上面に下部配線または素子の端子を現すための配線溝またはコンタクトホールを部分的に形成する。銅拡散を防止するための拡散防止膜を形成した後、配線溝とコンタクトホールとが形成された基板上に銅を蒸着する。その後、層間絶縁膜の上面に積もった銅膜と拡散防止膜を化学機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)工程或いはエッチングバッグを通じて除去し、金属配線とコンタクトプラグを形成する。
【0005】
この際、前記層間絶縁膜の上部に前記銅膜を形成するために化学気象蒸着(Chemical Vapor Deposition;CVD)、物理気象蒸着(Physical Vapor Deposition;PVD)、無電解メッキ(electroless plating;ELP)、及び電解メッキ(electro plating;EP)技術などが知らされているが、価格競争力と配線形成の特性が優秀な電解メッキ技術が最も広く利用されている。前記電解メッキ技術は単純な電気化学的な作用を利用することによりPVD水準の不純物含量を有する銅膜を得ることができ、結晶性面においては粒界が小さく、細かい格子面(111面)への成長が容易であるため、電子遷移(EM)に対する抵抗性の優れた銅配線を形成することができる。
【0006】
従来の電解メッキ工程によると、前記拡散防止膜及び銅シード膜が形成された半導体基板をクラムシェル(clam shell)に固定し、前記クラムシェルとメッキ液を提供するアノードチャンバーとを結合して前記基板の表面へメッキ液を供給する。メッキ工程が進行される間、前記基板はカソード端子と接触して陰極に帯電され、前記メッキ液に溶解された銅イオンが前記基板の表面から析出されて銅膜が形成される。
【0007】
しかし、前記カソード端子と前記基板の銅シード膜が接触する接触部で、前記銅シード膜がエッチングされて銅の蒸着均一度が低下する問題点が発生する。
【0008】
図1は、従来の銅配線を形成するための電解メッキ設備を概略的に示す構成図である。
【0009】
図1を参照すると、銅配線を形成するための電解メッキ設備は、銅イオンを利用して基板の表面に電気メッキを実行する電気メッキセル(electro plating cell)90と、電気メッキによる銅膜が形成された基板Wを洗浄するための図示しないリンスセル(rinse cell)と、を含む。電気メッキセル90は、電解メッキが遂行される対称基板が位置するクラムシェル(clam shell)10と基板Wの表面へメッキ核を供給するアノードチャンバー(anode chamber)20とに区分される。
【0010】
クラムシェル10は、電気メッキにより形成される銅膜のサイズを決定するリップシール(Lip seal)12及びリップシール12と一体に形成されて基板Wにメッキ用電流を提供するカソード端子14を含む。アノードチャンバー20は、リップシール12と対応して配置される壁体21、底面に配置された銅アノード電極(anode electrode)22、底部の中央を貫通するメッキ液導入管(plating inlet)23、上部に配置されたアノード膜(anode membrane)24、及び拡散膜(diffuser)25を含む。
【0011】
基板Wをカソード端子14と接触するようにクラムシェル10に固定して、クラムシェル10とアノードチャンバー20とを結合する。カソード端子14及びアノード電極22に電源を供給すると、基板Wは陰極を帯電されて前記メッキ液は両極に帯電される。従って、前記メッキ液の導入管23を通じて供給されるメッキ液Sの銅イオンは電気分解作用により基板Wの表面から析出されて基板Wの表面に銅膜を形成する。クラムシェル10に供給されたメッキ液Sは、排出通路32を通じて排出される。
【0012】
電解メッキ工程において銅の均一蒸着のためには、基板Wとシード層との間の接触抵抗が一定に維持されて基板Wにおいての電流の密度が均一に形成されることが要求される。しかし、金属系列の物質からなるカソード端子14と接触するシード層は、バイポーラー効果により部分的にエッチングされてメッキ工程が進行される間、カソード端子14と基板Wとの電気的接触が遮断される。これによって、基板W表面においての電流の密度が不均一に形成されて銅の析出量が不均一になり、これは銅膜の品質を低下させる原因として作用する。
【0013】
図2は図1に開始された電解メッキ設備に具備されるカソード端子を図示する斜視図であり、図3は前記カソード端子と基板の接触状態を示す断面図である。
【0014】
図2及び図3を参照すると、カソード端子14は、基板Wの側部と接触してリング(ring)形状を有するボディ14a及びボディ14aの下部から前記リングの中心部に向かって突出した多数のコンタクトノド14bを含む。コンタクトノド14bは、金属系列の物質からなる導電体で構成され、下部のリップシール12と一体に形成される。基板Wは、コンタクトノド14b上に配置され、下面はコンタクトノド14bと接触し、側部はボディ14aと接触する。
【0015】
拡散防止膜L1及びシード膜L2上に蒸着される銅膜L3は、リップシール12の直径によりサイズが決まり、カソード端子14と接触する基板の接触部CA(contact area)には銅膜L3が生成されない。従って、カソード端子14は、シード膜L2と接触を維持する。この際、接触部CAに形成されたシード膜L2が部分的にエッチングされてカソード端子14との電気的接続が遮断される。これにより、基板W表面においての電流分布が不均一に形成される。
【0016】
図4及び図5はシード膜L2がエッチングされない場合とエッチングされた場合に基板W表面においての電流の密度を示す図面である。
【0017】
図4及び図5に示すように、シード膜L2が破壊されない場合には基板Wの前面に沿って均一に電流が分布されるが、カソード端子14の下部に位置するシード膜L2が部分的に破壊される場合には電流密度Dは接触部CA付近に集中される傾向がある。
【0018】
従って、基板Wに形成される銅膜L3も基板Wの中心部よりはリップシール12付近で相対的により厚く形成され、膜の均一性が著しく低下される問題点が生じる。
【0019】
このような基板W周辺部においてのシード膜L2の破壊は、素子の集積度が増加するにつれてさらに増加される傾向がある。これによって、シード膜L2の厚さは現在の1200Åから400〜200Åに薄くなりつつあり、このような厚さの減少は上述したようなシード膜のエッチングによる電流密度の不均一をさらに促すことになる。
【0020】
従って、カソード電極との接触部に位置するシード膜エッチングを防止して銅膜の均一性が向上できる電解メッキ工程技術が要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、電解メッキ工程により基板上に均一な厚さを有する半導体素子用金属配線を形成する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記課題を達成するための本発明の一態様の半導体素子の製造方法によると、導電性構造物を含む基板上に金属層、金属化合物層またはこれらの混合層からなる金属含有層を形成する。続いて、前記金属含有層上に金属シード(metal seed)層を形成し、前記基板の周辺部に沿って前記金属シード層上に、前記金属シード層より電気抵抗が同一或いは小さな補助金属からなる接蝕層を形成する。前記基板を電解メッキ設備に装着して、前記接触層とカソード電極とを接続し、前記金属シード層に対して電解メッキを遂行し、前記金属含有層上に金属配線層を形成する。
【0023】
一態様として、前記金属含有層を形成する前に、前記導電性構造物を覆う絶縁膜を形成する段階をさらに含み、前記金属含有層は前記絶縁膜上に形成されることができる。前記絶縁膜上に前記導電性構造物を部分的に露出するコンタクトホールを形成する段階をさらに含み、前記金属含有層は前記絶縁膜上、前記コンタクトホールの内面上、及び前記コンタクトホールにより露出された導電性構造物上に連続的に形成されることができる。前記金属含有層は前記金属配線層を形成する物質が前記絶縁膜に拡散されることを防止する拡散防止膜を含む。前記金属層は、タングステン(W)、チタン(Ti)、またはタンタル(Ta)を含み、前記金属化合物層は窒化タングステン(WN)、窒化チタン(TiN)、または窒化タンタル(TaN)を含むことができる。前記金属含有層及び前記金属シード層を形成する段階は原子層蒸着工程、スパッタリング工程、サイクリック化学気象蒸着工程により遂行されることができる。
【0024】
一態様として、前記接触部を形成する段階は、前記補助金属の塩及び前記補助金属より還元力の弱い可溶性還元剤の混合物からなるメッキ溶液に前記基板の周辺部を露出させて前記基板の周辺部を前記補助金属に無電解メッキさせる段階、及び前記基板の周辺部を後洗浄処理(post-cleaning)して前記基板の周辺部に残留するメッキ溶液を除去する段階を含む。この際、前記基板の周辺部を無電解メッキさせる段階は、前記基板を回転チャックに固定する段階、前記メッキ溶液が貯蔵される保存槽と接続された噴射ノズルを前記基板の周辺部の上部に移動させる段階、及び前記メッキ溶液を前記噴射ノズルに噴射しつつ、前記基板を回転させる段階と、を含む。他の態様として、前記基板の周辺部を無電解メッキさせる段階は、前記メッキ溶液が貯蔵された保存槽に前記基板の周辺部を侵漬させる段階及び前記基板の周りに沿って前記保存槽を回転させる段階を含むことができる。
【0025】
一態様として、前記補助金属は、銅、ニッケル、コバルト、及びパラジウムからなるグループより選択されたいずれかの1つを含み、前記還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩ナトリウム、ホルマリン、硫酸塩ヒドラジン、ギ酸塩、ジメチルアミンボラン(DMAB)、ジエチルアミンボラン(DEAB)、トリエチルアミンボラン(TEAB)、及びこれらの化合物からなるグループより選択されたいずれかの1つを含む。前記金属シード層及び前記接触層は、同一の物質に形成されることができる。前記基板の周辺部を後洗浄する段階は、前記基板の周辺部に純水(pure water)を供給して遂行する。
【0026】
一態様として、前記メッキ溶液に前記基板の周辺部を露出させる前に、前記基板の周辺部を前洗浄(pre-cleaning)処理して前記金属シード層上に形成された自然酸化膜を除去する段階、前記基板の周辺部に形成された前記金属シード層を活性化させる段階、及び前記基板の周辺部の前記金属シード層上にメッキ核を形成する段階をさらに含むことができる。この際、前記金属シード層を活性化させる段階は、前記金属シード層をプラズマ処理して前記金属シード層の表面エネルギーを活性化させる段階を含み、前記プラズマ処理は、窒素、水素、酸素、及びアルゴンからなる群より選択されるいずれかの1つを含むガスを利用して実施される。前記メッキ核を形成する段階は、前記金属シード層を構成する物質とイオン化傾向の差が大きい接着物質の水溶液に表面エネルギーが増加した前記金属シード層を浸漬させて、前記接着物質が前記金属シード層の表面に置換反応により析出される段階を含む。前記接着物質はパラジウム(Pa)を含み、前記前洗浄処理は、前記基板の周辺部にリンゴ酸またはマロン酸のようなアルカリ性溶液を噴射して遂行できる。
【0027】
一態様として、前記金属配線層を形成した後、前記金属含有層及び前記金属配線層を除去してコンタクトプラグを形成する段階、及び前記コンタクトプラグ上に保護膜を形成する段階をさらに含むことができる。前記保護膜を形成する段階は、置換メッキにより銀箔膜を形成する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0028】
前述のような本発明によると、電解メッキにより前記基板の接触部CAに前記金属シード膜と電気抵抗が同じであるかまたは小さい物質で形成された接触層を形成して前記接触部CAにおける金属シード膜の厚さを増加させる。これによって、基板の表面における電流の密度を一定に形成して電解メッキにより形成される銅膜の厚さが不均一に形成されることが防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。
【0030】
本発明は、多様な変更を加わることができるため、特定実施例を図面に例示して本文に詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明を特定な開示形態に対して限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲内に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解されるべきである。各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素に使用した。
【0031】
第1、第2などの用語は多用な構成要素を説明するに使われることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲内で、第1構成要素は第2構成要素に命名されることができ、類似に、第2構成要素も第1構成要素に命名されることができる。
【0032】
本出願において使用された用語は、ただ、特定の実施例を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上において明白に異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであって、1つまたはそれ以上の別の特徴あるいは数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0033】
別に定義されない限り、技術的或いは科学的な用語を含め、ここで使用される全ての用語を本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により一般的に理解されることと同一の意味を有している。一般的に使用される辞典において定義されているものと同じ用語は関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有することと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的であるか或いは過度に形式的な意味として解釈されない。
【0034】
(一実施例)
図6乃至図11は、本発明の一実施例による半導体素子用金属配線の形成方法の工程段階を示す断面図である。
図6を参照すると、図示しない導電性構造物を含む基板100上に前記導電性構造物を覆う層間絶縁膜120を形成し、層間絶縁膜120上に、金属層、金属化合物層またはこれらの混合層で構成される金属含有層130を形成する。
【0035】
一実施例で、前記導電性構造物は、半導体メモリ素子の電極構造物または下部配線を含み、層間絶縁膜120は除去され、前記導電性構造物の上部表面を部分的に露出する開口122が形成される。開口122は、トランジスタの電極上部を露出するコンタクトホールまたは下部配線を部分的に露出するビアホールを含む。
【0036】
金属含有層130は、層間絶縁膜120の上部面、開口122の内側壁及び導電性構造物の上面に沿って連続に形成される。一実施例で、金属含有層130は、開口122を埋め立てる金属物質が層間絶縁膜120に拡散することを防止する拡散防止膜(anti−diffusion layer)、及び開口122を埋め立てる金属膜と前記導電性構造物との間の電気抵抗を低下させる接着層(glue layer)とを具備する障壁層(barrier layer)を含む。例えば、前記接着層は、タングステン(W)、チタン(Ti)、またはタンタル(Ta)を含み、前記拡散防止膜は、窒化タングステン(WN)、窒化チタン(TiN)、または窒化タンタル(TaN)を含むことができる。
【0037】
図7を参照すると、金属含有層130上に金属シード膜140を形成する。一実施例で、金属シード膜140は、開口122を具備する層間絶縁膜120の枠に沿って金属含有層130の表面に沿って形成される。後続の電解メッキ工程は、基板100に供給される電流の強さに比例するので、基板100全面を通じて均一な金属膜を形成するためには電流の強さが均一に分布されるべきである。金属シード膜140は、電解メッキ設備のクラムシェル(clam shell)10に配置されたカソード電極からカソード電流の供給を受けて基板100の全面を通じて均一に分布し、メッキ液から蒸着金属を析出するメッキ核として機能する。一方、金属が析出した後には、形成された金属膜とともに金属配線膜として機能するので、金属膜との接触抵抗が小さいことが要求される。よって、金属シード膜140はメッキされる金属と同一であるか、あるいは低い電気抵抗を有する。本実施例で、金属シード膜140は銅を含む。
【0038】
一実施例で、金属含有層130及び金属シード膜140を形成する段階は、原子層蒸着工程、スパッタリング工程、サイクリック化学気相蒸着工程などによって行うことができる。
【0039】
図8を参照すると、基板100の周辺部に沿って金属シード膜140上に金属シード膜140より電気抵抗が同一であるかあるいは小さい補助金属からなる接触層150を形成する。
【0040】
一実施例で、基板100の周辺部は、電解メッキ設備のカソード端子と接触する接触部(図3のCA)を含む。即ち、基板100が電解メッキ設備に装着される場合、基板100にカソード電流を印加するためのカソード端子と物理的に接触する接触部を含み、前記カソード端子と物理的に接触する。金属シード膜130の表面から約1000Å〜1500Åの厚さを有するように形成され、メッキ工程が完了する期間、接触層150がエッチングによって除去されても下部に位置する金属シード膜130が損傷することを防止でき、これによって金属シード膜130を通じて基板100全体に均一に電流分布を形成することができる。
【0041】
一実施例で、接触層150は、基板100についてのメッキ工程を行う前に別途の設備で無電解メッキ工程を通じて形成することができる。例えば、金属含有層130及び金属シード膜140の形成された基板100を無電解メッキ工程の図示しない工程チャンバーに固定し、基板100の周辺部を前記補助金属の塩を含むメッキ溶液に露出させることで金属シード膜140の表面に接触層150を形成することができる。
【0042】
具体的には、金属含有層130及び金属シード膜140の形成された基板100を無電解メッキ設備の図示しない回転チャックに固定させる。基板100の周辺部を前洗浄(pre−cleaning)処理して金属シード膜140上に形成された自然酸化膜を除去する。その後、基板100の周辺部に形成された金属シード層140を活性化し、基板100周辺部の金属シード層140上にメッキ核(plating nuclear)を形成する。一実施例で、金属シード層140を活性化する段階は、金属シード層140をプラズマ処理して金属シード層140の表面エネルギーを活性化する段階を含むことができる。ここで、前記プラズマ処理は、窒素、水素、及びアルゴンからなる群より選択される一種を含むガスを用いて行うことができる。メッキ核を形成する段階は、金属シード層140を構成する物質よりイオン化傾向の小さい核形成物質としての接着物質の水溶液に表面エネルギーが増加した金属シード層140を浸漬して、前記接着物質を金属シード層140の表面に析出させる工程を含む。例えば、前記接着物質はパラジウム(Pa)を含むことができ、前記前洗浄処理は前記基板の周辺部にリンゴ酸及びマロン酸のようなアルカリ性溶液を噴射して行うことができる。
【0043】
前記前洗浄処理、金属シード膜の活性化段階、及び前記メッキ核の形成工程は、選択的であり、個別的な工程条件によって省略することができることは自明である。特に、金属シード膜140と接触層150とが同一の物質で形成される場合には、必ずしも行う必要がないことは自明である。
【0044】
その後、前記メッキ溶液の保存された図示しない保存槽と連結された噴射ノズルを基板100周辺部の上部に移動させる。基板100を回転し、かつ、噴射ノズルを通じて前記メッキ溶液を噴射する。これによって、基板100周辺部(図3のCA)から前記補助金属が析出し、接触層150が金属シード膜140の表面に沿って帯様態に形成される。
【0045】
ここで、接触層150は、金属シード膜140の電気抵抗と同一であるかあるいは小さい電気抵抗を有する。これによって、金属シード膜140と接触層150との接触抵抗を一定の誤差範囲内に減少させることができ、基板100全体に形成されるカソード電流の密度を一定に維持することができる。即ち、基板100の表面に印加されるカソード電流は、カソード端子から接触層150と金属シード層140を経由して印加されるが、基板100表面における電流密度は、金属シード層140を経由して印加される場合と比較して実質的に同一である。
【0046】
一実施例で、前記メッキ溶液は、前記補助金属の塩および前記補助金属より還元力の弱い可溶性還元剤の混合物で構成され、金属シード膜140の表面で自己触媒型酸化還元反応によって前記補助金属が析出する。ここで、前記補助金属は、銅、ニッケル、コバルト、及びパラジウムからなる群より選択される一種を含み、前記還元剤は、水素化ホウ素ソーダ、次亜リン酸ソーダ、ホルマリン、ホルマリンアルデヒド、硫酸ヒドラジン、ギ酸塩、ジメチルアミンボラン(DAMB)、ジエチルアミンボラン(DEAB)、トリエチルアミンボラン(TEAB)、及びこれらの化合物からなる群から選択された一種を含むことができる。本実施例の場合、半導体素子用金属配線として機能するので、導電性の優秀な銅で金属シード膜140及び接触層150を形成することができる。
【0047】
例えば、メッキ溶液が銅の塩として分子量249.69であって、5分子の結晶水を有する硫酸銅(CuSO4・5H2O)溶液を用い、還元剤としてアルカリ性溶液であるホルマリンを用いることができる。ホルマリンは、40%のホルムアルデヒド水溶液であって強い還元力を有する。硫酸銅水溶液とホルマリンとの混合物からなる前記メッキ溶液は、金属シード膜140の表面で下記のような還元反応によって銅を析出して金属シード膜140の厚さを増加させることができる。
Cu2++2HCHO+4OH → Cu+2HCOO+2H++2H2
【0048】
本実施例では、銅を用いる自己触媒型化学還元メッキ工程を開示しているが、非触媒型化学還元メッキ工程や置換メッキ工程のように外部から電源の供給を受けず金属をメッキする方法であれば多様に適用することができることは自明である。また、金属シード膜140の種類によって接触層150の種類も変わり、接触層150の補助金属及び工程条件によって無電解メッキ工程の種類も変わることは自明である。
【0049】
接触層150を形成するための無電解メッキ工程が完了すると、基板100の周辺部の後洗浄処理(post−cleaning process)を行い、基板100の周辺部に残留するメッキ溶液を除去する。一実施例で、基板100の周辺部に純水(pure water)を供給して前記後洗浄処理を行うことができる。ここで、熱処理工程を付加することで無電解メッキ工程によって蒸着された接触層150を金属シード膜140上に安定化させることができる。
【0050】
他の実施例で、基板100の周辺部に対する無電解メッキ工程は前記メッキ溶液の保存された保存槽に基板100の周辺部を浸漬させ、基板100の周りに沿って前記保存槽を回転させることで行うことができる。
【0051】
図9を参照すると、金属シード膜140及び接触層150とを含む基板100を電解メッキ設備のクラムシェル500に装着して接触層150とカソード端子540とを連結する。
【0052】
一実施例で、前記電解メッキ設備は、銅イオンのような金属イオンを用いて金属シード膜140の表面に電気メッキを行う電気メッキセル(elctro plating cell)900と電気メッキによって銅膜の形成された基板100を洗浄するための図示しないリンスセル(rinse cell)とを含む。電気メッキセル900は、電解メッキを行う対象の基板100が位置するクラムシェル500と基板100の表面に電解メッキ用メッキ液を供給するアノードチャンバー(anode chamber)600とに区分する。
【0053】
クラムシェル500は、電気メッキによって形成される金属膜のサイズを決定するリップシール(Lip seal)520およびリップシール520と一体に形成されて基板100にメッキ用電流を提供するカソード端子540を含む。アノードチャンバー600は、リップシール520と対応するように配置される壁体610、底面に配置された銅アドード電極(anode electrode)620、底部の中央を貫通するメッキ液導入管(plating inlet)630、上部に配置されたアノードメンブレイン(anode membrane)640、及び拡散板(diffuser)650を含む。
【0054】
基板100をクラムシェル500に固定し、接触層150とカソード端子540とを互いに接触させ、クラムシェル500とアノードチャンバー600とを結合して接触層150を具備する基板100を電解メッキ設備に装着する。これによって、カソード端子540は、金属シード膜140上に形成された接触層150と物理的に接触して、後述するような電解メッキ工程が行う期間、金属シード膜140の損傷を防止する。
【0055】
メッキ液導入管630を通じて電解メッキ用メッキ液Sを供給し、カソード端子540及びアノード電極620に電源を供給すると、基板100は負極に帯電され、電解メッキ用メッキ液は正極に帯電される。よって、電解メッキ用メッキ液Sの金属イオンは電気分解作用によって基板100の表面から析出され、金属含有層130の表面に図10に示したような金属配線層160を形成する。クラムシェル500に供給された電解メッキ用メッキ液Sは、排出通路720を通じて排出される。
【0056】
図11を参照すると、接触層150及び金属配線層160を除去して開口122の内部にのみ金属配線層160を残留させる。これによって、開口122の内部にコンタクトプラグ160aを形成する。接触層150は、湿式エッチングによって除去することができ、金属配線層160は、化学機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)工程のような平坦化工程によって除去することができる。望ましくは、コンタクトプラグ160a上に保護膜170を形成してコンタクトプラグ160aが空気中の酸素と反応して酸化することを防止することができる。例えば、保護膜170は、置換メッキ方式の無電解メッキ工程を用いて形成された銀薄膜を含む。一実施例で、金属配線層160は、伝導性の優秀な銅膜で形成され銅コンタクトプラグが形成される。
【産業上の利用可能性】
【0057】
前述したように、本発明の望ましい実施例によると、基板100の周辺部で電解メッキ設備のカソード端子540と接触する金属シード膜140の厚さを向上させることで、電解メッキ工程中に金属シード膜140がエッチングされることを防止することができる。これによって、基板100の表面に形成される金属配線層160の均一度を向上させることができる。
【0058】
以上、本発明の実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離脱することなく、本発明を修正または変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】従来例による銅配線を形成するための電解メッキ設備を概略的に示す説明図である。
【図2】従来例による電解メッキ設備に具備されるカソード端子14を示す斜視図である。
【図3】従来例によるカソード端子14と基板Wの接触状態を示す断面図である。
【図4】従来例によるシード膜L2がエッチングされていない場合の基板表面における電流密度を示す図である。
【図5】従来例によるシード膜L2がエッチングされた場合の基板表面における電流密度を示す図である。
【図6】本発明の一実施例による半導体素子用金属配線の形成方法の工程段階を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施例による半導体素子用金属配線の形成方法の工程段階を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施例による半導体素子用金属配線の形成方法の工程段階を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施例による半導体素子用金属配線の形成方法の工程段階を示す断面図である。
【図10】本発明の一実施例による半導体素子用金属配線の形成方法の工程段階を示す断面図である。
【図11】本発明の一実施例による半導体素子用金属配線の形成方法の工程段階を示す断面図である。
【符号の説明】
【0060】
100:基板、120:層間絶縁膜、122:開口、130:金属含有層、140:金属シード膜、150:接触層、160:金属配線層、170:保護膜、500:クラムシェル、520:リップシール、540:カソード端子、600:チャンバー、610:壁体、620:アノード電極、630:導入管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性構造物を含む基板上に金属含有層を形成する段階と、
前記金属含有層上に金属シード層を形成する段階と、
前記基板の周辺部に沿って前記金属シード層上に、前記金属シード層より電気抵抗が同一或いは小さな補助金属からなる接蝕層を形成する段階と、
前記基板を電解メッキ設備に装着して、前記接触層とカソード電極とを接続する段階と、
前記金属シード層に対して電解メッキを遂行して前記金属含有層上に金属配線層を形成する段階と、
を含むことを特徴とする半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項2】
前記金属含有層を形成する前に、前記導電性構造物を覆う絶縁膜を形成する段階をさらに含み、
前記金属含有層は、前記絶縁膜上に形成されることを特徴とする請求項1記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項3】
前記絶縁膜上に前記導電性構造物を部分的に露出するコンタクトホールを形成する段階をさらに含み、
前記金属含有層は、前記絶縁膜上、前記コンタクトホールの内面上、及び前記コンタクトホールにより露出された前記導電性構造物上に連続的に形成されることを特徴とする請求項2記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項4】
前記金属含有層は、前記金属配線層を形成する物質が前記絶縁膜に拡散されることを防止する拡散防止膜を含むことを特徴とする請求項2記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項5】
前記金属含有層は、金属層、金属化合物層またはこれらの混合層からなり、
前記金属層は、タングステン、チタン、またはタンタルを含み、
前記金属化合物層は、窒化タングステン、窒化チタン、または窒化タンタルを含むことを特徴とする請求項4記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項6】
前記金属含有層及び前記金属シード層を形成する段階は、原子層蒸着工程、スパッタリング工程、サイクリック化学気象蒸着工程により遂行されることを特徴とする請求項1記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項7】
前記接触層を形成する段階は、
前記補助金属の塩及び前記補助金属より還元力の弱い可溶性還元剤の混合物からなるメッキ溶液を利用して前記基板の周辺部を前記補助金属に無電解メッキさせる段階と、
前記基板の周辺部を後洗浄処理して前記基板の周辺部に残留するメッキ溶液を除去する段階と、
を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項8】
前記基板の周辺部を無電解メッキさせる段階は、
前記基板を回転チャックに固定する段階と、
前記メッキ溶液が貯蔵される保存槽と接続された噴射ノズルを前記基板の周辺部の上部に移動させる段階と、
前記メッキ溶液を前記噴射ノズルに噴射しつつ、前記基板を回転させる段階と、
を含むことを特徴とする請求項7記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項9】
前記基板の周辺部を無電解メッキさせる段階は、
前記メッキ溶液が貯蔵された保存槽に前記基板の周辺部を侵漬させる段階と、
前記基板の周りに沿って前記保存槽を回転させる段階と、
を含むことを特徴とする請求項7記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項10】
前記補助金属は、銅、ニッケル、コバルト、及びパラジウムからなるグループより選択されるいずれかの1つを含み、
前記還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩ナトリウム、ホルマリン、硫酸塩ヒドラジン、ギ酸塩、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン、及びこれらの化合物からなるグループより選択されたいずれかの1つを含むことを特徴とする請求項7記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項11】
前記金属シード層及び前記接触層は、同一の物質に形成されることを特徴とする請求項7記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項12】
前記基板の周辺部を後洗浄する段階は、前記基板の周辺部に純水を供給する段階を含むことを特徴とする請求項7記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項13】
前記基板の周辺部に対する無電解メッキ工程を遂行する前に、
前記基板の周辺部を前洗浄処理して前記金属シード層上に形成された自然酸化膜を除去する段階と、
前記基板の周辺部に形成された前記金属シード層を活性化させる段階と、
前記基板の周辺部の前記金属シード層上にメッキ核を形成する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項7記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項14】
前記金属シード層を活性化させる段階は、前記金属シード層をプラズマ処理して前記金属シード層の表面エネルギーを活性化させる段階を含むことを特徴とする請求項13記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項15】
前記プラズマ処理は、窒素、水素、酸素、及びアルゴンからなる群より選択されるいずれかの1つを含むガスを利用して実施することを特徴とする請求項14記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項16】
前記メッキ核を形成する段階は、前記金属シード層を構成する物質よりイオン化傾向が小さい核形成物質を具備する水溶液に表面エネルギーが増加した前記金属シード層を浸漬させて、前記核形成物質が前記金属シード層の表面に析出されることを特徴とする請求項14記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項17】
前記核形成物質は、パラジウムを含むことを特徴とする請求項16記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項18】
前記前洗浄処理は、前記基板の周辺部にアルカリ性溶液を噴射することを特徴とする請求項13記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項19】
前記アルカリ性溶液は、リンゴ酸またはマロン酸を含むことを特徴とする請求項18記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項20】
前記金属配線層を形成した後、
前記金属含有層及び前記金属配線層を除去してコンタクトプラグを形成する段階と、
前記コンタクトプラグ上に保護膜を形成する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の半導体素子用金属配線の形成方法。
【請求項21】
前記保護膜を形成する段階は、置換メッキにより銀箔膜を形成する段階を含むことを特徴とする請求項20記載の半導体素子用金属配線の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−38381(P2009−38381A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199181(P2008−199181)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】