説明

半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】突出部の側面が凹凸状とされ、前記側面を覆うようにゲート酸化膜を形成したときに、実効的なチャネル長が増加して、ピラー型MOSトランジスタの電流駆動能力が低下するという課題があった。
【解決手段】基板と、前記基板の一面から垂直方向に突出された突出部7とを備え、突出部7の先端側の上部拡散層と、基端側の下部拡散層と、側面7cを覆うゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14を覆うゲート電極15と、を有し、チャネルが前記垂直方向となるピラー型MOSトランジスタ51を具備し、突出部7が平面視八角形状であり、突出部7の側面7cが{100}面からなる4つの主表面8a、8b、8c、8dと、{110}面および{111}面からなり、前記主表面8a、8b、8c、8dよりも面積が小さい4つの副表面9a、9b、9c、9dとからなる半導体装置101を用いることにより、上記課題を解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関するものであり、特に、チャネルが基板表面に対して垂直方向となるピラー型MOSトランジスタを具備し、ピラー側面の形状荒れを抑制して、トランジスタ特性の劣化を抑制できるとともに、ゲート絶縁膜の信頼性を高められる半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のピラー型MOSトランジスタには、平面視円形状および平面視四角形状のピラー形状を有するものが知られている。例えば、特許文献1の図1には平面視円形状のピラーを備えたピラー型MOSトランジスタが開示されており、特許文献2の図1には平面視四角形状のピラーを備えたピラー型MOSトランジスタが開示されている。
【0003】
また、特許文献3は、半導体基板の面方位依存性評価方法及びそれを用いた半導体装置に関するものであり、(110)面が出現した角柱状シリコンピラーを面方位の評価に用いることが開示されており、平面視四角形状のピラー形状が記載されている。
【0004】
ピラー型MOSトランジスタのピラーは、通常、円板状のシリコンウエハの一面側をエッチングして形成する。所定の位置に所定の大きさのピラーを形成するためには、エッチングマスクの位置合わせを正確に行うことを要する。
例えば、まず、マスクの位置合わせ用基準パターン(以下、基準パターン)を形成し、前記基準パターンをもとに次工程のフォトマスクの位置合せを行う。そして、前記基準パターンはシリコンウエハに設けたノッチを基準として形成する。
【0005】
図24は、シリコンウエハ上のピラーのレイアウトの一例を示す平面模式図である。
図24に示すように、平面視円形状のシリコンウエハ1の外周の一部にノッチ2が設けられている。シリコンウエハ1の一面は(100)面とされ、ノッチ2は<110>方向とされている。また、フォトマスクパターンのX方向ラインおよびY方向ラインが共に<110>方向に設定されている。
【0006】
図24に示すX方向ラインを境としてノッチ2と反対側の領域には、複数の平面視四角形状のピラー3が形成されている。平面視四角形状のピラー3の各辺は<110>方向となり、ピラー3の側面は{110}面となる。
また、X方向ラインを境としてノッチ2側の領域には、複数の平面視円形状のピラー4が形成されている。平面視円形状のピラー4の側面は種々の方位の面を有する。
【0007】
図25は、平面視円形状のピラー4の拡大模式図であって、図25(a)は平面図であり、図25(b)は側面図である。
図25(a)の点線は{110}面を示すラインであって、ピラー4の側面には{110}面がわずかに残されている。
ピラー4の形成後、ピラー4の底部にイオンを注入して下部拡散層を形成する際に、通常、ピラー4の側面にはイオンが注入されないように保護酸化膜である熱酸化膜を設ける。下部拡散層形成後、ゲート酸化を行うため熱酸化膜を除去する必要があるが、平面視円形状のピラー4の側面は種々の面方位を有しているので、薬液を用いて熱酸化膜の除去やゲート酸化前のピラー4の洗浄を実施すると、前記薬液にピラー4の{110}面が侵食される。そのため、図25(b)に示すように、ピラー4の側面4cは元の{110}面よりピラー4の中心軸側に削られて、その表面が凹凸状とされる。
【0008】
図26は、平面視四角状のピラー3の拡大模式図であって、図26(a)は平面図であり、図26(b)は側面図である。
図26(a)に示すように、ピラー3の側面には4つの{110}面が設けられている。また、平面視四角状のピラー3の側面3cは殆ど{110}面からなるので、ピラー3の形成後に、薬液を用いて熱酸化膜の除去やゲート酸化前のピラー3の洗浄を実施すると、前記薬液にピラー3の{110}面が侵食される。そのため、図25(b)に示すように、ピラー3の側面3cは元の{110}面よりピラー3の中心軸側に削られて、その表面が凹凸状とされる。
【0009】
このように平面視円形状のピラー4および平面視四角状のピラー3のいずれの形状のピラーを用いても、薬液の侵食によりピラー3、4の側面3c、4cは荒れて、その表面が凹凸状とされる。ピラー3、4の凹凸状とされた側面3c、4cを覆うようにゲート酸化膜を形成した場合、ゲート酸化膜とピラー3、4との界面が凹凸状とされ、実効的なチャネル長を増加させる。これにより、ピラー型MOSトランジスタは、電流駆動能力の20%〜30%の低下を招き、ゲート酸化膜の信頼性を低下させる。
【0010】
また、平面視四角状のピラー3の側面3cは{110}面であるので、ピラー3の角部はほぼ{100}面となる。ピラー3に熱酸化膜からなるゲート酸化膜を形成すると、{110}面上の熱酸化速度よりも{100}面上の熱酸化速度の方が遅いので、ピラー3の角部に形成されるゲート酸化膜の膜厚が、ピラー3の側面3c上に形成されるゲート酸化膜の膜厚より薄くなる。これにより、ピラー3の角部でリーク電流が発生するおそれが生じる。特に、電流駆動能力を向上させるために、ピラー型MOSトランジスタのゲート酸化膜の膜厚を薄くした場合に、このおそれが高まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−250652号公報
【特許文献2】特開2008−140996号公報
【特許文献3】特開2003−007790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ピラー(以下、突出部)の側面が凹凸状とされることにより、前記側面を覆うようにゲート酸化膜を形成したときに、実効的なチャネル長が増加して、ピラー型MOSトランジスタの電流駆動能力が低下するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の半導体装置は、基板と、前記基板の一面から垂直方向に突出された突出部とを備え、前記突出部の先端側の上部拡散層と、前記突出部の基端側の下部拡散層と、前記突出部の側面を覆うゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を覆うゲート電極と、を有し、チャネルが前記垂直方向となるピラー型MOSトランジスタを具備し、前記突出部が平面視八角形状であり、前記突出部の側面が、{100}面からなる4つの主表面と、{110}面および{111}面からなり、前記主表面よりも面積が小さい4つの副表面とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記の構成によれば、突出部の側面が凹凸状とされることを防止して、前記側面を覆うようにゲート酸化膜を形成しても実効的なチャネル長を増加させず、ピラー型MOSトランジスタの電流駆動能力の低下を抑制できる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0015】
本発明の半導体装置は、基板と、前記基板の一面から垂直方向に突出された突出部とを備え、前記突出部の先端側の上部拡散層と、前記突出部の基端側の下部拡散層と、前記突出部の側面を覆うゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を覆うゲート電極と、を有し、チャネルが前記垂直方向となるピラー型MOSトランジスタを具備し、前記突出部が平面視八角形状であり、前記突出部の側面が、{100}面からなる4つの主表面と、{110}面および{111}面からなり、前記主表面よりも面積が小さい4つの副表面とからなる構成なので、突出部の側面に発生する凹凸を最小限に抑え、前記側面を覆うようにゲート酸化膜を形成しても実効的なチャネル長を増加させず、ピラー型MOSトランジスタの電流駆動能力の低下を抑制できる。また、副表面での電界集中を軽減して、ゲート絶縁膜のリーク電流の増加を招くことなく、かつ、ON電流の低下を防止できる。その結果、低リーク電流で高電流駆動能力のピラー型MOSトランジスタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の半導体装置の一例を示す断面模式図である。
【図2】図1のA−A’線の断面模式図である。
【図3】本発明の半導体装置の規格化応力および規格化電流駆動能力の面積比率依存性を示すグラフである。
【図4】本発明の半導体装置の別の一例を示す断面模式図である。
【図5】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程図であって、図5(a)は平面図であり、図5(b)は図5(a)のB−B’線の断面図である。
【図6】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程図であって、図6(a)は平面図であり、図6(b)は図6(a)のC−C’線の断面図である。
【図7】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程図であって、図7(b)は図7(a)のD−D’線の断面図であり、図7(c)は図7(a)のE−E’線の断面図である。
【図8】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程図であって、図8(b)は図8(a)のF−F’線の断面図であり、図8(c)は図8(a)のG−G’線の断面図である。
【図9】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程図であって、図9(a)は平面図であり、図9(b)は図9(a)のH−H’線の断面図である。
【図10】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程図であって、図10(a)は平面図であり、図10(b)は図10(a)のI−I’線の断面図である。
【図11】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。
【図12】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程図であって、図12(a)は縦断面図であり、図12(b)は図12(a)のJ−J’線の断面図である。
【図13】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程図であって、図13(a)は縦断面図であり、図13(b)は図13(a)のK−K’線の断面図である。
【図14】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。
【図15】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。
【図16】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。
【図17】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。
【図18】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。
【図19】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。
【図20】本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。
【図21】本発明の半導体装置のドレイン電流―ゲート電圧特性を示すグラフである。
【図22】本発明の半導体装置のON電流の面積比率依存性を示すグラフである。
【図23】本発明の半導体装置のゲートリーク電流の面積比率依存性を示すグラフである。
【図24】シリコンウエハ上のピラーのレイアウトの一例を示す平面模式図である。
【図25】平面視円形状のピラーの模式図であって、図25(a)は平面図であり、図25(b)は側面図である。
【図26】平面視四角形状のピラーの模式図であって、図26(a)は平面図であり、図26(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
(第1の実施形態)
<半導体装置>
まず、本発明の第1の実施形態である半導体装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態である半導体装置の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、本発明の実施形態である半導体装置101は、シリコンからなる半導体基板(以下、基板)11と、基板11の一面11aから突出された突出部7とを備えている。基板11の一面11aは(100)面とされている。
突出部7には、先端側の上部拡散層13と、基端側の下部拡散層12と、側面7cを覆うゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14を覆うゲート電極15とが形成されて、ピラー型MOSトランジスタ51が構成されている。
下部拡散層12および上部拡散層13はそれぞれソース・ドレイン領域とされる。ピラー型MOSトランジスタ51に所定の電圧を印加することにより、チャネル77が突出部7の内部に基板11の一面11aに対して垂直方向に形成される。
【0018】
ピラー型MOSトランジスタ51を覆うように層間絶縁膜17が形成されている。
突出部7の基端側の下部拡散層12を一部露出するように層間絶縁膜17に孔部16cが設けられ、孔部16cを埋めるように第3のプラグ電極16が形成されている。第3のプラグ電極16により、下部拡散層12への電位供給可能とされている。
また、突出部7の先端側の上部拡散層13を一部露出するように層間絶縁膜17に孔部19cが設けられ、孔部19cを埋めるように第1のプラグ電極19が形成されている。第1のプラグ電極19により、上部拡散層13への電位供給可能とされている。
【0019】
基板11には溝部18cが設けられている。溝部18cにシリコン酸化物などの絶縁材料が充填されて、複数のピラー型MOSトランジスタ51を互いに電気的に分離する素子分離領域18が形成されている。
素子分離領域18には、シリコン酸化物などの絶縁材料からなるダミーピラー20が形成されている。また、ダミーピラー20の側面20cを覆うように別のゲート電極55が形成されている。別のゲート電極55は、突出部7の側面7cを覆うゲート電極15と電気的に接続されている。
なお、ダミーピラー20は、シリコン酸化物などの絶縁材料に限られるものではなく、シリコンなどの半導体材料を用いても構わない。また、別のゲート電極55はゲート電極15と分けて示したが、一体形成してもよい。
【0020】
ダミーピラー20の先端側に、別のゲート電極55を一部露出するように層間絶縁膜17に孔部21cが設けられ、孔部21cを埋めるように第2のプラグ電極21が形成されている。第2のプラグ電極21により、別のゲート電極55を介して、ゲート電極15への電位供給可能とされている。
【0021】
基板11の一面11a上を覆うとともに、素子分離領域18に充填された絶縁材料を覆うように、下部絶縁膜22が形成されている。下部絶縁膜22は、突出部7の基端側でゲート絶縁膜14と接合されている。下部絶縁膜22により、ゲート電極15は下部拡散層12と電気的に絶縁されている。
下部拡散層12は、突出部7の基端側で、基板11の一面11a側に広がるように形成されている。下部拡散層12下の基板11にはウエル層(図示略)を介して電位供給可能とされている。
【0022】
図2は、図1のA−A’線の断面模式図である。なお、ここで、層間絶縁膜17は省略して示している。
図2に示すように、突出部7は平面視八角形状であり、突出部7の側面7cは、それぞれ対向するように形成された4つの主表面8a、8b、8c、8dと、主表面8a、8b、8c、8d間にそれぞれ形成された4つの副表面9a、9b、9c、9dとから構成されている。なお、主表面8a、8b、8c、8dは、<100>方位に垂直な{100}面で構成され、副表面9a、9b、9c、9dは、<110>方位に垂直な{110}面および{111}面で構成される。なお、突出部7の上面は基板11の一面11aと同じ{100}面である。
【0023】
主表面8aの幅lは、主表面8cの幅lとほぼ同一とされている。また、主表面8bの幅lは、主表面8dの幅lとほぼ同一とされており、幅lは幅lよりも短くされている。さらにまた、副表面9a、9b、9c、9dは、ほぼ同一の幅lとされており、幅lは幅lよりも短くされている。
主表面8a、8b、8c、8dと、副表面9a、9b、9c、9dの高さは同一とされている。そのため、主表面8aの面積と主表面8cの面積はほぼ同一とされる。同様に、主表面8bの面積と主表面8dの面積はほぼ同一とされる。さらに、副表面9a、9b、9c、9dの面積はほぼ同一とされる。そして、主表面8a、8b、8c、8dおよび副表面9a、9b、9c、9dの中で最も面積が大きい面は主表面8a、8cとなり、最も面積が小さい面は副表面9a、9b、9c、9dとなる。
【0024】
4つの副表面9a、9b、9c、9dの合計の面積は、4つの主表面8a、8b、8c、8dの合計の面積の10%〜30%の範囲とすることが好ましい。主表面の合計の面積に対する副表面の合計の面積の比率(以下、面積比率)を10%〜30%の範囲とすることにより、主表面8a、8b、8c、8dより凹凸が発生しやすい副表面9a、9b、9c、9dの面積を小さくして、突出部7の側面7cに発生する凹凸を抑制することができる。
【0025】
突出部7の側面7cを覆うようにゲート絶縁膜14が形成されており、ゲート絶縁膜14を覆うようにゲート電極15が形成されている。そして、副表面9a、9b、9c、9d上のゲート絶縁膜14の膜厚dは、主表面8a、8b、8c、8d上のゲート絶縁膜14の膜厚dに比べて厚くされている。
このように、副表面9a、9b、9c、9d上のゲート絶縁膜14の膜厚dを、主表面8a、8b、8c、8d上のゲート絶縁膜14の膜厚dに比べて厚くすることが好ましい。副表面9a、9b、9c、9d上のゲート絶縁膜14の膜厚dを厚くすることにより、凹凸が発生しやすい副表面9a、9b、9c、9dでの電界集中を軽減することができ、ピラー型MOSトランジスタ51の信頼性を向上できる。
【0026】
突出部7に隣接して、平面視四角形状のダミーピラー20が形成されている。ダミーピラー20の側面20cを覆うように別のゲート電極55が形成されている。別のゲート電極55は、突出部7の側面を覆うゲート電極15と電気的に接続されている。
【0027】
ダミーピラー20と反対側に、突出部7と離間して、平面視円形状の第3のプラグ電極16が形成されている。
なお、図2に示すように、平面視円形状の第1のプラグ電極19は、突出部7と接するように形成される。また、平面視円形状の第2のプラグ電極21は、ゲート電極55一部接するように形成される。
【0028】
図3は、本発明の実施形態である半導体装置101のピラー型MOSトランジスタ51の規格化応力および規格化電流駆動能力と面積比率との関係を示すグラフであって、規格化応力および規格化電流駆動能力の面積比率依存性を示すグラフである。
図3に示すように、面積比率が0.1〜0.3の範囲内、すなわち、副表面の面積が主表面の面積の10%〜30%の範囲内とすることにより、規格化応力を1〜5の範囲とし、規格化電流駆動能力を0.9〜0.98の範囲とすることができる。
面積比率を0.1未満とすると、副表面9a、9b、9c、9dを確認できる大きさとならず、もはや副表面9a、9b、9c、9dの面方位の議論ができないほど曲率が小さくなる。そのため、副表面9a、9b、9c、9dでの電界集中を軽減することができず、ゲート電極15から副表面9a、9b、9c、9dに電界が集中し、ゲート電極15からの応力が集中する。その結果、シリコンに結晶欠陥を発生させる確率が高まる。
面積比率を0.3超とすると、規格化電流駆動能力の低下を10%以下に抑えることができない。その結果、素子特性ばらつきが許容できなくなる。
【0029】
本発明の実施形態である半導体装置101は、基板11と、基板11の一面11aから垂直方向に突出された突出部7とを備え、突出部7の先端側の上部拡散層13と、突出部7の基端側の下部拡散層12と、突出部7の側面7cを覆うゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14を覆うゲート電極15と、を有し、チャネルが前記垂直方向となるピラー型MOSトランジスタ51を具備し、突出部7が平面視八角形状であり、突出部7の側面7cが、{100}面からなる4つの主表面8a,8b、8c、8dと、{110}面および{111}面からなり、主表面8a,8b、8c、8dよりも面積が小さい4つの副表面9a、9b、9c、9dとからなる構成なので、突出部7の側面7cに発生する凹凸を最小限に抑え、側面7cを覆うようにゲート酸化膜14を形成しても実効的なチャネル長を増加させず、ピラー型MOSトランジスタ51の電流駆動能力の低下を抑制できる。また、ゲート絶縁膜14のリーク電流の増加を招くことなく、かつ、ON電流の低下を防止できる。その結果、低リーク電流で高電流駆動能力のピラー型MOSトランジスタを提供できる。
【0030】
本発明の実施形態である半導体装置101は、4つの副表面9a、9b、9c、9dの合計の面積が4つの主表面8a、8b、8c、8dの合計の面積の10%〜30%の範囲である構成なので、突出部7の側面7cに発生する凹凸を最小限に抑え、側面7cを覆うようにゲート酸化膜14を形成しても実効的なチャネル長を増加させず、ピラー型MOSトランジスタ51の電流駆動能力の低下を抑制できる。
【0031】
本発明の実施形態である半導体装置101は、副表面9a、9b、9c、9d上のゲート絶縁膜14が、主表面8a、8b、8c、8d上のゲート絶縁膜14より厚い構成なので、側面7cを覆うようにゲート酸化膜14を形成したときに、突出部7の側面7cの副表面9a、9b、9c、9dで発生する凹凸の影響を抑え、副表面9a、9b、9c、9dでの電界集中を軽減して、ピラー型MOSトランジスタ51の電流駆動能力の信頼性を向上できる。
【0032】
(第2の実施形態)
<半導体装置>
まず、本発明の第2の実施形態である半導体装置について説明する。
図4は、本発明の実施形態である半導体装置の別の一例を示す断面模式図である。なお、実施形態1で示した部材と同じ部材については同じ符号を付して示している。
図4に示すように、本発明の実施形態である半導体装置102は、基板11と、基板11の{100}面からなる一面11aから垂直方向に突出された突出部7とを備えている。
突出部7には、先端側の上部拡散層13と、基端側の下部拡散層12と、側面7cを覆うゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14を覆うゲート電極15とが形成されて、ピラー型MOSトランジスタ51が構成されている。ピラー型MOSトランジスタ51に所定の電圧を印加することにより、チャネル77が突出部7の内部に基板11の一面11aに対して垂直方向に形成される。
【0033】
ピラー型MOSトランジスタ51を覆うように、層間絶縁膜36、37が積層されてなる層間絶縁膜17が形成されている。
突出部7の基端側の下部拡散層12を一部露出するように層間絶縁膜17に孔部16cが設けられ、孔部16cを埋めるように第3のプラグ電極16が形成されている。第3のプラグ電極16により、下部拡散層12への電位供給可能とされている。
【0034】
突出部7の先端側に、エピタキシャル成長により形成されたシリコン領域からなる引き出し部35が設けられている。
突出部7の先端側の引き出し部35を一部露出するように層間絶縁膜17に孔部19cが設けられ、孔部19cを埋めるように第1のプラグ電極19が形成されている。第1のプラグ電極19により、引き出し部35を介して、上部拡散層13への電位供給可能とされている。
【0035】
引き出し部35を囲むようにサイドウオール34aが設けられている。また、ダミーピラー20の先端側にもサイドウオール34bが設けられている。サイドウオール34a、34bは強度の高いシリコン窒化膜などからなり、半導体装置の剛性を高めることができる。
【0036】
基板11には溝部18cが設けられている。溝部18cにシリコン酸化物などの絶縁材料が充填されて、複数のピラー型MOSトランジスタ51を互いに電気的に分離する素子分離領域18が形成されている。
素子分離領域18には、ダミーピラー20が形成されている。ダミーピラー20の側面20cを覆うように別のゲート電極55が形成されている。別のゲート電極55は、突出部7の側面7cを覆うゲート電極15と電気的に接続されている。
ダミーピラー20の先端側に、別のゲート電極55を一部露出するように層間絶縁膜17に孔部21cが設けられ、孔部21cを埋めるように第2のプラグ電極21が形成されている。第2のプラグ電極21により、別のゲート電極55を介して、ゲート電極15への電位供給可能とされている。
【0037】
基板11の一面11a上を覆うように、シリコン酸化膜28、29が積層されてなる下部絶縁膜22が形成されている。そして、下部絶縁膜22を構成するシリコン酸化膜29は、素子分離領域18に充填された絶縁材料を覆っている。
また、下部絶縁膜22は、突出部7の基端側でゲート絶縁膜14と接合されている。下部絶縁膜22により、ゲート電極15は下部拡散層12と電気的に絶縁されている。
下部拡散層12は、突出部7の基端側で、基板11の一面11a側に広がるように形成されているとともに、第1の実施形態よりも、突出部7の内部側に広がるように形成されている。下部拡散層12下の基板11にはウエル層(図示略)を介して電位供給可能とされている。
【0038】
ゲート電極15は、突出部7の側面7cを覆うように形成された略筒状の窒化チタン膜31と、窒化チタン膜31を覆うように形成された筒状のタングステン膜32とから構成されている。窒化チタン膜31の基板11側は、下部絶縁膜22上を部分的に覆うように断面視略L字状とされている。
別のゲート電極55は、ダミーピラー20の側面20cを覆うように形成された略筒状の窒化チタン膜31と、窒化チタン膜31を覆うように形成された筒状のタングステン膜32とから構成されている。窒化チタン膜31の基板11側は、下部絶縁膜22上を部分的に覆うように断面視略L字状とされている。
【0039】
<半導体装置の製造方法>
次に、本発明の実施形態である半導体装置の製造方法の一例について説明する。図5〜20は、本発明の実施形態である半導体装置102の製造方法の一例を示す工程図である。
図5は、基板11に活性領域23を形成した時点の工程図であって、図5(a)が平面図であり、図5(b)が図5(a)のB−B’線の断面図である。
まず、エッチング法などを用いて、基板11の所定の領域に溝部18cを形成する。基板11としては、例えば、p型シリコン基板を用い、溝部18cの深さは、例えば、300nmとする。
次に、溝部18cにシリコン酸化膜などの絶縁材料を充填して、図5に示す素子分離領域18を形成する。
次に、素子分離領域18により区画された領域の基板11に、ボロン濃度がほぼ2×1017/cmとなるように、基板11の一面11aから500nm程度の深さまでイオン注入を行い、素子分離領域18により区画された領域を活性領域23とする。
【0040】
次に、熱酸化法により、活性領域23の基板11の一面11a上に、厚さ5nm程度のシリコン酸化膜からなる熱酸化膜24を形成する。
次に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、熱酸化膜24および素子分離領域18を覆うように、厚さ100nm程度のシリコン窒化膜25を形成する。
【0041】
図6は、基板11にシリコン窒化膜25を形成した時点の工程図であって、図6(a)が平面図であり、図6(b)が図6(a)のC−C’線の断面図である。
次に、シリコン窒化膜25を覆うようにレジストを塗布し、これを乾燥した後、所定のマスクを用いて露光して、ライン状のレジストマスク26を形成する。
【0042】
図7は、レジストマスク26を形成した時点の工程図であって、図7(a)が平面図であり、図7(b)が図7(a)のD−D’線の断面図であり、図7(c)が図7(a)のE−E’線の断面図である。なお、レジストマスク26のラインは、シリコンウエハの<100>方向(以下、X方向)に沿って形成する。
次に、レジストマスク26を用いて、シリコン窒化膜25の露出部分を熱酸化膜24が露出するまでドライエッチングする。
次に、レジストマスク26を除去して、図8に示すライン状のシリコン窒化膜25を形成する。
【0043】
図8は、ライン状のシリコン窒化膜25を形成した時点の工程図であって、図8(a)が平面図であり、図8(b)が図8(a)のF−F’線の断面図であり、図8(c)が図8(a)のG−G’線の断面図である。
次に、熱酸化膜24およびシリコン窒化膜25を覆うようにレジストを塗布し、これを乾燥した後、所定のマスクを用いて露光して、ライン幅の異なる2本のライン状のレジストマスク27a、27bを形成する。
【0044】
図9は、レジストマスク27a、27bを形成した時点の工程図であって、図9(a)が平面図であり、図9(b)が図9(a)のH−H’線の断面図である。なお、これらのレジストマスク27a、27bのラインは前記X方向に垂直な方向、すなわち、Y方向に沿って形成する。なお、前記Y方向もシリコンウエハの<100>方向となる。
次に、これらのレジストマスク27a、27bを用いて、熱酸化膜24を露出するまで、シリコン窒化膜25をドライエッチングする。
次に、レジストマスク27a、27bを除去する。
次に、シリコン酸化膜24を除去して、基板11の一面11aを露出する。
【0045】
図10は、シリコン酸化膜24を除去した時点の工程図であって、図10(a)が平面図であり、図10(b)が図10(a)のI−I’線の断面図である。
図10に示すように、活性領域23には、平面視四角形状のシリコン窒化膜25からなる突出部形成用マスク57が残され、素子分離領域18には、平面視正方形状のシリコン窒化膜25からなるダミーピラー形成用マスク58が残される。
突出部形成用マスク57の各辺は、<100>方向に垂直とされている。例えば、突出部形成用マスク57の長辺57aの長さを70nmとし、短辺57bの長さを50nmとする。また、ダミーピラー形成用マスク58の各辺の長さを50nmとする。
なお、ダミーピラー形成用マスク58を平面視略正方形状としているが、これに限られるわけではなく、平面視四角形状でも平面視円形状であってもよい。また、平面視四角形状の場合でも、各辺の方向を自由に選ぶことができ、各辺の方向を<100>方向に垂直な方向にそろえなくてもよい。
【0046】
次に、ダミーピラー形成用マスク58を用いて、素子分離領域18のシリコン酸化膜からなる絶縁材料をドライエッチングして、図11に示すように、シリコン酸化膜からなるダミーピラー20を形成する。ダミーピラー20の高さは、例えば、150nmとする。なお、ダミーピラー20の先端側には、ダミーピラー形成用マスク58が残されている。
なお、このドライエッチングの際、基板11のシリコンはエッチングされない。そのため、活性領域23では、基板11の一面11a上に、シリコン酸化膜24およびシリコン窒化膜25からなる突出部形成用マスク57がこの順序で積層されたまま残されている。
【0047】
次に、突出部形成用マスク57を用いて、活性領域23の基板11のシリコンを一面11aから垂直方向にドライエッチングして、突出部前駆体47を形成する。突出部前駆体47の高さは、例えば、150nmとする。
図12は突出部前駆体47を形成した時点の工程図であって、図12(a)は断面図であり、図12(b)は、図12(a)のJ−J’線の断面図である。
図12(b)に示すように、突出部前駆体47は平面視四角形状であり、突出部前駆体47の側面47cは、{100}面からなり、それぞれ対向するように形成された4つの側面48a、48b、48c、48dからなる。
なお、このドライエッチングの際、シリコン酸化膜はエッチングされない。そのため、素子分離領域18では、溝部18cに埋められた絶縁材料と、ダミーピラー20と、ダミーピラー形成用マスク58が積層されたまま残されている。
【0048】
次に、熱酸化法により、シリコンの露出面である突出部前駆体47の側面47cと基板11の一面11aを熱酸化して、シリコン酸化膜からなる熱酸化膜28を形成する。
図13は、熱酸化膜28を形成した時点の工程図であって、図13(a)は断面図であり、図13(b)は、図13(a)のK−K’線の断面図である。なお、図13(b)では、基板11の一面11a上の記載を省略している。
熱酸化することにより、突出部7の側面7cで、{100}面からなる4つの側面48a、48b、48c、48d上には、{100}面からなる主表面8a、8b、8c、8dがほぼ同じ厚さで形成される。
また、{100}面が交差する角部49a、49b、49c、49dには、<110>方向にほぼ垂直な副表面9a、9b、9c、9dが現れる。
【0049】
なお、同じ条件で熱酸化を行っても、{100}面上に形成される熱酸化膜よりも、{110}面または{111}面の方が熱酸化されやすく、熱酸化されるシリコンの深さが深くなるので、{110}面および{111}面からなる副表面9a、9b、9c、9dに形成される熱酸化膜の厚さは、主表面8a、8b、8c、8dに形成される熱酸化膜の厚さよりも厚くなる。
図13(b)に示すように、熱酸化法でシリコン表面を熱酸化することにより、平面視四角形状の突出部前駆体47は平面視八角形状の突出部7とされ、突出部前駆体47の側面47cは突出部7の側面7cとされる。
【0050】
主表面8a、8b、8c、8d上の熱酸化膜28の厚さは、例えば、{100}面上で10nm程度とする。その場合、突出部7の側面7cの長辺をなす主表面8a、8cの幅lは約60nmとなり、短辺をなす主表面8b、8dの幅lは約40nmとなる。
また、副表面9a、9b、9c、9dの幅は、例えば、2nm程度とする。その場合、例えば、副表面9a、9b、9c、9dに形成される熱酸化膜28の厚さは、<110>方向に15nm程度となる。
【0051】
次に、突出部7の基端側の基板11の一面11aに砒素注入を行って、下部拡散層12を形成する。前記砒素注入は、例えば、10keVのエネルギーで1×1015/cmだけ行い、その後、900℃で約10秒間熱処理を行う。
次に、図14に示すように、HDP(High Density Plasma)法により、熱酸化膜28を介して下部拡散層12を覆うようにシリコン酸化膜からなるHDP膜29を形成する。HDP膜29の厚さは、例えば、30nmとする。これにより、熱酸化膜28とHDP膜29とが積層されてなる下部絶縁膜22が形成される。
【0052】
次に、ウエットエッチング法により、バッファードフッ酸を用いて、突出部7の側面7cの熱酸化膜28を除去する。エッチング深さは、副表面9a、9b、9c、9d上に形成された15nm程度の厚さの熱酸化膜28を30%程度オーバーエッチングする深さとする。これにより、突出部7の側面7cの熱酸化膜28を完全に除去できる。
なお、前記オーバーエッチングの深さは、バッファードフッ酸での処理時間や処理温度などを調整して設定する。例えば、バッファードフッ酸での処理時間を調整して、副表面9a、9b、9c、9dの<110>方向に垂直な面の辺の長さをおよそ5nmとすると、突出部7の側面7cの長辺をなす主表面8a、8cの幅が55nm程度、短辺をなす主表面8b、8dの幅が35nm程度となる。これにより、(110)面および(111)面で構成される副表面9a、9b、9c、9dの面積を、突出部7の側面7cの(100)面で構成される主表面8a、8b、8c、8dの面積の約11%とすることができる。なお、突出部7を50nm角の平面視正方形状に形成した場合には、副表面9a、9b、9c、9dの面積を、主表面8a、8b、8c、8dの面積の約14%とすることができる。
【0053】
次に、図15に示すように、熱酸化法により、突出部7の側面7cにシリコン酸化膜からなるゲート酸化膜14を形成する。ゲート酸化膜14の厚さは、例えば、3nmとする。
【0054】
次に、ゲート酸化膜14の表面の窒素濃度が15%となるようなアンモニア雰囲気にして、ゲート酸化膜14の表面を窒化する。
次に、CVD法により、突出部7の側面7c、ダミーピラー20の側面20cおよび下部絶縁膜22の一面22aを覆うように、窒化チタン膜31を堆積する。窒化チタン膜31の膜厚は、例えば、5nmとする。
次に、CVD法により、窒化チタン膜31を覆うようにタングステン膜32を堆積する。タングステン膜32の膜厚は、例えば、35nmとする。
【0055】
次に、突出部7とダミーピラー20の周りのタングステン膜32および窒化チタン膜31を残し、それ以外のタングステン膜32および窒化チタン膜31を除去するようにエッチバックする。これにより、図16に示すように、突出部7の側面7cの側面7cに残されたサイドウオール状のゲート電極15と、ダミーピラー20の側面20cに残されたサイドウオール状の別のゲート電極55を形成できる。ゲート電極15および別のゲート電極55はそれぞれ、タングステン膜32と窒化チタン膜31とからなり、一体形成されたものである。
【0056】
次に、CVD法により、突出部形成用マスク57のおよびダミーピラー形成用マスク58を覆うように、基板11の一面11a側にシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜36を堆積する。
次に、図17に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、突出部形成用マスク57およびダミーピラー形成用マスク58を露出させるまで、層間絶縁膜36を平坦化する。
【0057】
次に、層間絶縁膜33を平坦化して露出させた突出部形成用マスク57およびダミーピラー形成用マスク58を、それぞれ熱燐酸により除去する。これにより、突出部7上に孔部60が形成され、ダミーピラー20上に別の孔部61が形成される。
次に、図18に示すように、突出部7の先端側に砒素注入して、上部拡散層13を形成する。前記砒素注入は、例えば、10keVで1×1013/cmだけ行う。
【0058】
次に、孔部60の側壁60cおよび別の孔部61の側壁61cにそれぞれシリコン窒化膜からなるサイドウオール34a、34bを形成する。
次に、図19に示すように、突出部7の先端側のシリコン酸化膜24をエッチング除去して、突出部7の先端側を露出させる。
【0059】
次に、突出部7の先端側のシリコン上にシリコンの選択エピタキシャル成長を行って、シリコン領域からなる引き出し部35を形成する。引き出し部35の膜厚は、例えば、50nmとする。
次に、図20に示すように、引き出し部35に砒素注入を行う。前記砒素注入は、30keVで3×1015/cmだけ行い、その後、900℃で10秒の熱処理を行う。引き出し部35は、上部拡散層13を引き出して形成された部分として使用できることができる。
【0060】
次に、孔部60および別の孔部61を埋め、さらに層間絶縁膜36を覆うように、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜37を堆積する。これにより、層間絶縁膜36、37が積層されてなる層間絶縁膜17を形成する。
次に、層間絶縁膜36上にレジストを塗布して乾燥させた後、所定のフォトリソグラフィ法を用いて、所定の位置に所定の大きさの孔を開口したマスクを形成する。
前記マスクを介して、層間絶縁膜17のエッチングを行い、第1の孔部(以下、コンタクトホール)19c、第2の孔部(以下、コンタクトホール)21cおよび第3の孔部(以下、コンタクトホール)16cを設ける。
【0061】
第1のコンタクトホール19cは、層間絶縁膜17を貫通して、シリコン領域からなる引き出し部35を露出させる孔である。また、第2のコンタクトホール21cは、別のゲート電極55の一部を露出させる孔である。さらにまた、第3のコンタクトホール16cは、下部拡散層12が形成された基板11の一面11aを露出させる孔である。
【0062】
次に、CVD法により、第1のコンタクトホール19c内、第2のコンタクトホール21c内および第3のコンタクトホール16c内をそれぞれ充填するように、膜厚5nmのチタン膜、膜厚10nmの窒化チタン膜、膜厚50nmのタングステン膜をこの順序で積層する。
次に、前記マスクを除去した後、CMP法により、タングステン膜表面を平坦化して、第1のプラグ電極19、第2のプラグ電極21および第3のプラグ電極16を形成して、図4に示すピラー型MOSトランジスタ52を具備した半導体装置102を製造する。
なお、層間絶縁膜17上に、例えば、膜厚50nmのタングステン膜を形成した後、これを加工した配線を形成してもよい。
【0063】
本発明の実施形態である半導体装置102は、基板11と、基板11の一面11aから垂直方向に突出された突出部7とを備え、突出部7の先端側の上部拡散層13と、突出部7の基端側の下部拡散層12と、前記突出部7の側面7cを覆うゲート絶縁膜14と、ゲート絶縁膜14を覆うゲート電極15と、を有し、チャネル77が前記垂直方向となるピラー型MOSトランジスタ52を具備し、突出部7が平面視八角形状であり、突出部7の側面7cが、{100}面からなる4つの主表面8a、8b、8c、8dと、{110}面および{111}面からなり、主表面8a、8b、8c、8dよりも面積が小さい4つの副表面9a、9b、9c、9dとからなる構成なので、突出部7の側面7cに発生する凹凸を最小限に抑え、側面7cを覆うようにゲート酸化膜14を形成しても実効的なチャネル長を増加させず、ピラー型MOSトランジスタ52の電流駆動能力の低下を抑制できる。また、ゲート絶縁膜14のリーク電流の増加を招くことなく、かつ、ON電流の低下を防止できる。その結果、低リーク電流で高電流駆動能力のピラー型MOSトランジスタを提供できる。
【0064】
本発明の実施形態である半導体装置102は、4つの副表面9a、9b、9c、9dの合計の面積が4つの主表面8a、8b、8c、8dの合計の面積の10%〜30%の範囲である構成なので、突出部7の側面7cに発生する凹凸を最小限に抑え、側面7cを覆うようにゲート酸化膜14を形成しても実効的なチャネル長を増加させず、ピラー型MOSトランジスタ52の電流駆動能力の低下を抑制できる。
【0065】
本発明の実施形態である半導体装置102は、副表面9a、9b、9c、9d上のゲート絶縁膜14が、主表面8a、8b、8c、8d上のゲート絶縁膜14より厚い構成なので、側面7cを覆うようにゲート酸化膜14を形成したときに、突出部7の側面7cの副表面9a、9b、9c、9dで発生する凹凸の影響を抑え、副表面9a、9b、9c、9dでの電界集中を軽減して、ピラー型MOSトランジスタ52の電流駆動能力の信頼性を向上できる。
【0066】
本発明の実施形態である半導体装置102の製造方法は、基板11の一面11aを一面11aから垂直方向にエッチングして、{100}面からなる4つの側面48a、48b、48c、48dを有する平面視四角形状の突出部前駆体47を形成する工程と、突出部前駆体47の側面47cに熱酸化膜28を形成後、熱酸化膜28を除去して、側面7cに{100}面からなる4つの主表面8a、8b、8c、8dと、{110}面および{111}面からなり、主表面8a、8b、8c、8dよりも面積が小さい4つの副表面9a、9b、9c、9dとからなる平面視八角形状の突出部7を形成する工程と、を有する構成なので、突出部7の側面7cの凹凸を最小限に抑えることができる。これにより、側面7cを覆うようにゲート酸化膜14を形成しても実効的なチャネル長を増加させず、ピラー型MOSトランジスタ52の電流駆動能力の低下を抑制できる。
【0067】
本発明の実施形態である半導体装置102の製造方法は、熱酸化膜28の除去をウエットエッチングで行う構成なので、突出部7の側面7cの凹凸を最小限に抑えることができる。
【0068】
本発明の実施形態である半導体装置102の製造方法は、突出部前駆体47を平面視八角形状の突出部7とした後、前記突出部7の側面7cを覆うようにゲート絶縁膜14を形成する工程と、ゲート絶縁膜14を覆うようにゲート電極15を形成する工程と、を有する構成なので、突出部7の側面7cの凹凸を最小限に抑え、側面7cを覆うようにゲート酸化膜を形成しても実効的なチャネル長を増加させず、ピラー型MOSトランジスタ52の電流駆動能力の低下を抑制できる。
【0069】
本発明の実施形態である半導体装置102の製造方法は、熱酸化膜28を形成後、突出部前駆体47の基端側にイオン注入して下部拡散層12を形成する工程と、ゲート電極15を形成後、突出部7の先端側にイオン注入して上部拡散層13を形成する工程と、を有する構成なので、突出部7の側面7cの凹凸を最小限に抑え、側面7cを覆うようにゲート酸化膜を形成しても実効的なチャネル長を増加させず、ピラー型MOSトランジスタ52の電流駆動能力の低下を抑制できる。
【実施例】
【0070】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
まず、エッチング法などを用いて、p型シリコン基板の所定の領域に300nmの深さの溝部を形成した。次に、前記溝部にシリコン酸化膜などの絶縁材料を充填して、素子分離領域を形成した。次に、基板の表面から500nm程度の深さまで、ボロン濃度がほぼ2×1017/cmとなるようにイオン注入を行い、活性領域を形成した。
次に、熱酸化法により、活性領域の基板の表面に、厚さ5nmのシリコン酸化膜を形成した。次に、CVD法により、シリコン酸化膜および素子分離領域を覆うように、厚さ100nmのシリコン窒化膜を形成した。
【0071】
次に、シリコン窒化膜を覆うようにレジストを塗布した後、リソグラフィー法により、<100>方向であるX方向に伸びたライン状のレジストマスクを形成した。次に、前記レジストマスクを用いて、シリコン窒化膜をドライエッチングした。次に、前記レジストマスクを除去した。
次に、リソグラフィー法により、X方向に垂直で、<100>方向であるY方向に、幅の異なる2本のライン状のレジストマスクを形成した。次に、これらのレジストマスクを用いて、シリコン窒化膜をエッチング加工した。次に、活性領域のシリコン酸化膜を除去して、基板のシリコン表面を露出した。
【0072】
次に、レジストマスクを除去した。これにより、活性領域に、<100>方向に垂直な4つの辺を有し、長辺が70nm、短辺が50nmの平面視四角形状のシリコン窒化膜からなる突出部形成用マスクを形成した。同時に、素子分離領域に、一辺が50nmの平面視正方形状のシリコン窒化膜からなるダミーピラー形成用マスクを形成した。
次に、ダミーピラー形成用マスクを用いて、素子分離領域のシリコン酸化膜からなる絶縁材料をドライエッチングした。これにより、素子分離領域に、シリコン酸化膜からなり、150nmの高さのダミーピラーを形成した。
次に、突出部形成用マスクを用いて、活性領域のシリコンをドライエッチングして、150nmの高さの突出部前駆体を形成した。
【0073】
次に、熱酸化法により、シリコンの露出面を酸化した。これにより、突出部前駆体の側面および基板の一面に、10nmの厚さのシリコン酸化膜を形成した。
熱酸化法により、突出部前駆体の側面の{110}面からなる主表面上にシリコン酸化膜(熱酸化膜)を10nmの厚さで形成した。
その結果、突出部の側面の長辺をなす主表面の幅は約60nmで、短辺をなす主表面の幅は約40nmとなり、{110}面同士が交差する角部では、辺の<110>方向にほぼ垂直な面、すなわち、副表面が2nm程度の幅で現れた。その結果、平面視四角状の突出部前駆体は、平面視八角形状の突出部とされた。なお、この副表面に形成されたシリコン酸化膜の厚さは、<110>方向に15nm程度であった。
【0074】
次に、突出部の基端側の基板の一面側の領域に、砒素の注入を行って、下部拡散層を形成する。前記砒素注入は、例えば、10keVのエネルギーで1×1015/cmだけ行い、その後、900℃で約10秒間熱処理を行った。
次に、HDP法により、下部拡散層の上面側を、シリコン酸化膜を介して覆うように、30nmの膜厚のシリコン酸化膜を形成した。
次に、バッファードフッ酸により、突出部の側面のシリコン酸化膜を除去した。このとき、副表面上のシリコン酸化膜も完全に除去するように、副表面上に形成された約16nmの厚さのシリコン酸化膜を30%程度オーバーエッチングした。
なお、バッファードフッ酸での処理の時間を調整して、また、シリコンのエッチング速度の遅い{111}面が出現して辺の長さが大きくなりすぎないようにして、{100}面の交差する角部で<110>方向に垂直な面の辺の長さをおよそ5nmとした。これにより、ゲート酸化膜を形成すると、<100>方向に垂直な面の辺の長さは、長辺が55nm程度、短辺が35nm程度となり、<110>方向に垂直な面の辺の長さはおよそ5nmとなった。そして、{110}面および{111}面で構成される副表面の面積は、突出部7の側面7cの{100}面で構成される主表面の面積の約11%となった。
【0075】
次に、熱酸化法により、突出部の側面に、3nmの膜厚のゲート酸化膜を形成した。
次に、アンモニア雰囲気でゲート酸化膜の表面の窒素濃度が15%となるようにして、ゲート酸化膜の表面を窒化した。
次に、CVD法により、突出部の側面、ダミーピラーの側面およびシリコン酸化膜の表面を覆うように、約5nmの膜厚の窒化チタン膜を堆積した。次に、CVD法により、窒化チタン膜を覆うように、約35nmの膜厚のタングステン膜を堆積した。
次に、タングステン膜32および窒化チタン膜31をエッチバックした。これにより、突出部の側面に、タングステン膜と窒化チタン膜とからなるサイドウオール状のゲート電極を形成するとともに、ダミーピラーの側面に、タングステン膜と窒化チタン膜とからなるサイドウオール状の別のゲート電極を形成した。
【0076】
次に、CVD法により、突出部の突出部形成用マスクのおよびダミーピラーのダミーピラー形成用マスクを覆うように、基板の一面側にシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜を堆積した。次に、CMP法により、層間絶縁膜を平坦化して、突出部形成用マスクおよびダミーピラー形成用マスクを露出させた。
次に、上記平坦化により露出させた突出部形成用マスクおよびダミーピラー形成用マスクをそれぞれ熱燐酸により除去した。これにより、突出部の先端側と、ダミーピラーの先端側にそれぞれ孔部を形成した。次に、突出部の先端側のみに10keVで1×1013/cmだけ砒素を注入して、上部拡散層を形成した。
【0077】
次に、前記2つの孔部の側壁にシリコン窒化膜のサイドウオールを形成した。次に、突出部の先端側のシリコン酸化膜をエッチング除去して、突出部の先端側を露出させた。
次に、突出部の先端側のシリコン上に選択エピタキシャル成長を行い、50nmの膜厚のシリコン領域からなる引き出し部を形成した。次に、引き出し部に30keVで3×1015/cmだけ砒素注入を行い、その後、900℃で10秒の熱処理を行った。
【0078】
次に、孔部を埋め、層間絶縁膜を覆うように、シリコン酸化膜からなる別の層間絶縁膜を形成した。次に、シリコン領域の一部を露出させるコンタクトホールを、層間絶縁膜および別の層間絶縁膜を貫くように設けた後、コンタクトホール内に、CVD法により、膜厚5nmのチタン膜、膜厚10nmの窒化チタン膜、膜厚50nmのタングステン膜をこの順序で積層した後、CMP法により、タングステン膜側の表面を平坦化して形成して、第1のプラグ電極を形成した。
また、別のゲート電極の一部を露出させるコンタクトホールを、層間絶縁膜に設けた後、コンタクトホール内に、第1のプラグ電極と同様にして金属材料を充填して、第2のプラグ電極を形成した。さらにまた、基板の一面、すなわち、下部拡散層を露出させるコンタクトホールを、層間絶縁膜に設けた後、コンタクトホール内に、第1のプラグ電極と同様にして金属材料を充填して、第3のプラグ電極を形成した。
次に、別の層間絶縁膜上に膜厚50nmのタングステン膜を成膜した後、これを加工して配線として、ピラー型MOSトランジスタを備えた半導体装置(以下、実施例1の半導体装置)を製造した。
【0079】
(実施例2〜5)
副表面面積/主表面面積の比(以下、面積比率)を、0.8(実施例2)、1.3(実施例3)、2.1(実施例4)、2.7(実施例5)と変えた他は実施例1と同様にして、実施例2〜5の半導体装置を製造した。なお、副表面面積は、(110)面および(111)面で構成される副表面の面積であり、主表面面積は、ピラー側面の(100)面で構成される主表面の面積である(以下、同じ)。
【0080】
<ドレイン電流−ゲート電圧特性>
図21は、実施例1の半導体装置のドレイン電流−ゲート電圧特性を示すグラフである。電流−電圧特性の測定条件は、室温、Vsub=0V、VDS=1Vである。なお、Vsubは基板電位であり、VDSはソース・ドレイン電位である
図21に示すように、実施例1の半導体装置では、ゲート電圧が約0Vから約0.4Vまではゲート電圧の増加につれてドレイン電流が急激に増加し、ゲート電圧が約0.4Vから約1.0Vまではドレイン電流はチャネル抵抗に応じて徐々に増加した。
【0081】
図22は、実施例1〜5の半導体装置の電流駆動能力(以下、ON電流)と面積比率との関係を示すグラフであって、ON電流の面積比率依存性を示すグラフである。
図22に示すように、ON電流は、前記面積比率が大きくなると減少した。また、ON電流のばらつきは、前記面積比率が大きくなると大きくなった。
ON電流のばらつきの原因として、副表面の表面荒れが影響したと考察した。つまり、副表面では表面荒れが大きいので、副表面の面積が大きくなると、電流駆動能力の低下を引き起こし、ON電流を減少させるとともに、電流駆動能力をばらつかせ、ON電流のばらつきを引き起こしたと考察した。
副表面の面積がほぼゼロとなる点、すなわち、副表面の表面荒れの影響を無視できるときのON電流は、グラフから見積もると36μAとなった。
【0082】
図23は、実施例1〜5の半導体装置のゲートリーク電流と面積比率との関係を示すグラフであって、ゲートリーク電流の面積比率依存性を示すグラフである。
図23に示すように、前記面積比率が0.1(副表面の面積が主表面の面積の10%)以下の範囲では、ON電流低下率が大きく、前記面積比率の増加とともにゲートリーク電流は急減に低下する一方、前記面積比率が0.1(副表面の面積が主表面の面積の10%)から0.3(副表面の面積が主表面の面積の30%)の範囲では、ON電流低下率が小さく、ゲートリーク電流はほとんど低下しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関するものであり、特に、チャネルが基板表面に対して垂直方向となるピラー型MOSトランジスタを具備し、ピラー側面の形状荒れを抑制して、トランジスタ特性の劣化を抑制できるとともに、ゲート絶縁膜の信頼性を高められる半導体装置および半導体装置の製造方法に関するものであり、半導体装置を製造・利用する産業において利用可能性がある。
【符号の説明】
【0084】
1…シリコンウエハ、2…ノッチ、3…ピラー、3c…側面、4…ピラー、4c…側面、7…突出部(ピラー)、7c…側面、8a、8b、8c、8d…主表面、9a、9b、9c、9d…副表面、11…基板、11a…一面、12…下部拡散層、13…上部拡散層、14…ゲート絶縁膜、15…ゲート電極、16…第3のプラグ電極、16c…孔部、17…層間絶縁膜、18…素子分離領域、18c…溝部、19…第1のプラグ電極、19c…孔部、20…ダミーピラー、20c…側面、21…第2のプラグ電極、21c…孔部、22…下部絶縁膜、23…活性領域、24…熱酸化膜(シリコン酸化膜)、25…シリコン窒化膜、26、27a、27b…レジストマスク、28…熱酸化膜(シリコン酸化膜)、29…HDP膜(シリコン酸化膜)、31…窒化チタン膜、32…タングステン膜、34a、34b…サイドウオール、35…引き出し部、36、37…層間絶縁膜、47…突出部前駆体、47c…側面、48a、48b、48c、48d…側面、49a、49b、49c、49d…角部、51、52…ピラー型MOSトランジスタ、55…別のゲート電極、57…突出部形成用マスク、57a…長辺、57b…短辺、58…ダミーピラー形成用マスク、60…孔部、60c…側壁、61…孔部、61c…側壁、77…チャネル、101、102…半導体装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の一面から垂直方向に突出された突出部とを備え、
前記突出部の先端側の上部拡散層と、前記突出部の基端側の下部拡散層と、前記突出部の側面を覆うゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を覆うゲート電極と、を有し、チャネルが前記垂直方向となるピラー型MOSトランジスタを具備し、
前記突出部が平面視八角形状であり、前記突出部の側面が、{100}面からなる4つの主表面と、{110}面および{111}面からなり、前記主表面よりも面積が小さい4つの副表面とからなることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記4つの副表面の合計の面積が前記4つの主表面の合計の面積の10%〜30%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記副表面上の前記ゲート絶縁膜が、前記主表面上の前記ゲート絶縁膜より厚いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
基板の一面を前記一面から垂直方向にエッチングして、{100}面からなる4つの側面を有する平面視四角形状の突出部前駆体を形成する工程と、
前記突出部前駆体の側面に熱酸化膜を形成後、前記熱酸化膜を除去して、側面に{100}面からなる4つの主表面と、{110}面および{111}面からなり、前記主表面よりも面積が小さい4つの副表面とからなる平面視八角形状の突出部を形成する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記熱酸化膜の除去をウエットエッチングで行うことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記突出部を形成後、前記突出部の側面を覆うようにゲート絶縁膜を形成してから、前記ゲート絶縁膜を覆うようにゲート電極を形成することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記熱酸化膜を形成後、前記突出部前駆体の基端側にイオン注入して下部拡散層を形成する工程と、
前記ゲート電極を形成後、前記突出部の先端側にイオン注入して上部拡散層を形成する工程と、を有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−287739(P2010−287739A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140493(P2009−140493)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】